以下、本発明の一実施形態を図1〜図14に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面に、上位装置からの画像情報に基づいて変調された光束を照射する。これにより、感光体ドラム1030の表面に、画像情報に対応した潜像が形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面上のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
この光走査装置1010は、一例として図2に示されるように、光源装置10、シリンドリカルレンズ31、ポリゴンミラー33、偏向器側走査レンズ35、像面側走査レンズ36、2つの光検知用ミラー(37a、37b)、及び2つの光検知センサ(38a、38b)などを備えている。そして、これらは、不図示のハウジングの所定位置に組み付けられている。
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、感光体ドラム1030の長手方向に沿った方向をY軸方向、各走査レンズ(35、36)の光軸に沿った方向をX軸方向として説明する。また、光源装置10からポリゴンミラー33に向かう光束の進行方向を「W方向」、該W方向及びZ軸方向のいずれにも直交する方向を「M」方向とする。
また、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源装置10は、一例として図3及び図4に示されるように、光源11、λ/4板12、カップリング光学系13、第1開口板14、モニタ光用反射ミラー15、第2開口板16、集光レンズ17、受光素子18、及び光源制御装置22を有している。そして、光源11、受光素子18及び光源制御装置22は、同一の回路基板19上にそれぞれ実装されている。ここでは、光源装置10における主走査対応方向はM方向であり、副走査対応方向はZ軸方向に平行な方向である。
光源11は、一例として図5に示されるように、40個の発光部が2次元的に配列されて1つの基板上に形成された2次元アレイ100を有している。
これら40個の発光部は、すべての発光部を副走査対応方向(ここでは、Z軸方向と同じ)に伸びる仮想線上に正射影したときに、隣接する2つの発光部の発光部間隔が等間隔となるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
各発光部は、発振波長が780nm帯の垂直共振器型の面発光レーザ(VCSEL)である。すなわち、2次元アレイ100は、40個の発光部を有する面発光レーザアレイである。
そして、各発光部から射出される光束の偏光状態は直線偏光であり、その偏光方向は副走査対応方向に平行である。また、各発光部から射出される光束の定常状態(光出力が安定した状態)での発散角(FFP)は、主走査対応方向及び副走査対応方向のいずれにおいても7度(deg)である。
主走査対応方向に関して、両端の発光部間の距離は0.27mmであり、副走査対応方向に関して、両端の発光部間の距離は0.34mmである。
光源11は、+W方向に向けて光束が射出されるように配置されている。
図3に戻り、λ/4板12は、光源11の+W側に配置されている。すなわち、λ/4板12は、発散光束の中に配置されている。このλ/4板12は、光源11からの光束の偏光状態を円偏光に変換する。ここでは、λ/4板12は、カップリング光学系13からの戻り光が光源11に到達するのを防ぐため、Z軸方向に対して傾斜している。そして、λ/4板12は、有効面積が小さいほど低コストになるため、できるだけ光源11側に近づけることが望ましい。これにより、感光体ドラム1030の表面に照射される光束の光量の像高依存性(いわゆるシェーディング)を低下させることができる。
カップリング光学系13は、λ/4板12を介した光束を略平行光とする。このカップリング光学系13は、環境温度が変化したときに、ビームウエスト位置が変化するのを抑制する作用を有している。これにより、感光体ドラム1030の表面での光スポットのスポット径を安定させることができる。ここでは、該スポット径は、主走査方向で55μm、副走査方向で55μmとしている。
カップリング光学系13は、第1カップリングレンズ13aと第2カップリングレンズ13bを有している。
第1カップリングレンズ13aは、λ/4板12の+W側に配置され、λ/4板12を介した光束が入射する。ここでは、第1カップリングレンズ13aは、屈折率が1.5111のガラス製(例えば、BK7)のレンズである。
第1カップリングレンズ13aの第1面(入射側の面)は平面であり、第2面(射出側の面)は凸の球面である。この第2面(射出側の面)の曲率半径は−21.1mmである。また、第1カップリングレンズ13aの中央部の厚さ(肉厚)は5mmである。
第2カップリングレンズ13bは、第1カップリングレンズ13aの+W側に配置され、第1カップリングレンズ13aを介した光束が入射する。ここでは、第2カップリングレンズ13bは、屈折率が1.5239の樹脂製(例えば、日本ゼオン社製のZeonexE48R)のレンズである。
第2カップリングレンズ13bの入射側の面は凹の球面であり、射出側の面は凹の非球面である。入射側の面の曲率半径は−475mmである。射出側の面は、Z軸に直交する面内では非円弧形状で近軸曲率半径が300mmであり、主走査対応方向に直交する面内では円弧形状で曲率半径が300mmである。
第2カップリングレンズ13bの射出側の面の非円弧形状で、Z軸に直交する面内における第1カップリングレンズ13aと第2カップリングレンズ13bの球面収差を補正している。
また、第2カップリングレンズ13bの中央部の厚さ(肉厚)は2mmである。
そして、第1カップリングレンズ13aと第2カップリングレンズ13bの合成焦点距離が45mmとなるように、それらの間隔が調整されている。
第1開口板14は、開口部を有し、カップリング光学系13を介した光束を整形する。ここでは、第1開口板14は、カップリング光学系13を介した光束の最も光強度の大きい部分が開口部のほぼ中央を通るように配置されている。また、第1開口板14の開口部の周囲は、高い反射率を有する反射部材でできている。以下では、この反射部材の表面を反射面という。
ところで、本実施形態では、光源が複数の発光部を有しているため、光束は複数存在することとなる。そこで、わかりやすくするため、全発光部の平均位置に仮想的な1つの発光部があるとし、それによる光束を光束Aとする。
また、便宜上、第1開口板14の反射部材で反射された光束を光束B、第1開口板14の開口部を通過した光束を光束Cという。
そして、第1開口板14は、一例として図6(A)及び図6(B)に示されるように、反射面で反射された光束をモニタ用光束として利用するため、カップリング光学系13の光軸に直交する仮想面に対して傾斜して配置されている。なお、Z軸に直交する面内で、M方向に対して第1開口板14が傾斜している方向を「p方向」、該p方向に直交する方向を「q方向」とする(図3参照)。ここでは、第1開口板14は、Z軸に対して平行であり、Z軸に直交する面内でM方向に対して45度傾斜して配置されている。
第1開口板14の開口部は、主走査対応方向に関する長さ(幅)D1が7.9mm、副走査対応方向に関する長さ(幅)D2が1.2mmの矩形形状である。なお、図6(B)は、開口部の中心を通りZ軸に直交する面で第1開口板14を切断したときの断面図である。
ところで、第1開口板14は、通常の圧延加工によって所定の板厚とされたアルミニウム板が用いられ、打ち抜き加工によって開口部が形成されている。そこで、第1開口板14の反射面は平面ではなく、前記平面誤差が存在している。
図7は、第1開口板14の一部を拡大し、平面誤差を誇張した図である。図7では、簡単のため、光束A、光束B、光束Cに代えて、光線a、光線b、光線cを用いている。光線a、光線b、光線cは、光束A、光束B、光束Cの中心を通る光線である。
ここでは、第1開口板14の反射面は、入射する光束の入射面である第1の面(ここでは、Z軸に直交する面)内の曲率半径R1が4000mmであり、反射面及び第1の面のいずれにも交差し、第1の面に直交する第2の面(ここでは、p方向に直交する面)内の曲率半径R2が1300mmである。
すなわち、第1開口板14の反射面では、第1の面内の曲率C1(=1/R1)が、第2の面内の曲率C2(=1/R2)よりも小さい。なお、ここでは、曲率中心が第1開口板14の−W側にある曲率を「+」、曲率中心が第1開口板14の+W側にある曲率を「−」とする。
図3に戻り、モニタ光用反射ミラー15は、第1開口板14の反射面で反射された光束(モニタ用光束)の光路を受光素子18に向かう方向に折り返す。なお、モニタ光用反射ミラー15で反射された光束(モニタ用光束)の進行方向を「r方向」とする(図3参照)。
第2開口板16は、モニタ光用反射ミラー15で反射されたモニタ用光束を整形する。第2開口板16の開口部は、一例として図8に示されるように、主走査対応方向の長さD3が3.5mm、副走査対応方向の長さD4が3.1mmの矩形形状である。
図3に戻り、集光レンズ17は、第2開口板16の開口部を通過したモニタ用光束を集光する。ここでは、集光レンズ17は、屈折率が1.5111のガラス製(例えば、BK7)のレンズである。
集光レンズ17の第1面(入射側の面)は凸の球面であり、第2面(射出側の面)は平面である。この第1面(入射側の面)の曲率半径は19.7mmである。また、集光レンズ17の中央部の厚さ(肉厚)は3mmである。
受光素子18は、モニタ用光束を受光する。この受光素子18は、有効領域の大きさが1.1mm角のフォトダイオードを有し、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
第1開口板14と受光素子18との間のモニタ用光束の光路上に配置される光学系は、モニタ光学系とも呼ばれている。本実施形態では、モニタ光学系は、モニタ光用反射ミラー15と第2開口板16と集光レンズ17とから構成されている。
ここでは、λ/4板12、カップリング光学系13、第1開口板14、モニタ光用反射ミラー15、第2開口板16及び集光レンズ17は、所定の位置関係で保持部材(図示省略)に保持されている。この保持部材は、アルミニウムなどの温度変動の小さい材質で、一体的に形成されることが望ましい。
図9及び図10には、モニタ用光束のビーム径と受光素子18の受光面からの距離との関係が示されている。なお、図10は、図9の一部を拡大した図である。ここでは、ビーム径は、最大の光強度を1としたときに1/e2以上の光強度を有する領域の直径をいう。受光面からの距離は、受光面の−W側(後方)を「+」、+W側(前方)を「−」としている。
また、受光素子18の受光面上でのビームプロファイルが図11に示されている。図11における縦軸は、ビームの最大強度で規格化されている。また、図11では、主走査対応方向(ここでは、M方向)及び副走査対応方向(ここでは、Z軸方向)において、受光面の中心を基準(座標0)としている。
ここでは、第1開口板14の開口部の形状と、第2開口板16の開口部の形状との間には、D3<D1、D4>D2の関係があるため、受光素子18の受光面上でのビームプロファイルは、副走査対応方向において山が谷を挟んで二つに分かれたような形をとる(特開2009−065064号公報参照)。
なお、この谷の部分は、ビーム径の定義としては考慮せず、ビームプロファイルの中で最も外側にある、ピーク強度の1/e2となる点を結んでビーム径としている。
モニタ用光束は、集光レンズ17によって、ビームウエスト径が50μm以下に絞られる(図10参照)。仮に、受光素子18の受光面上でのビーム径が、ビームウエスト径と同程度であると、受光面内の感度のばらつきの影響を大きく受けてしまう。そのため、本実施形態では、受光素子18の受光面上でのビーム径が200μm以上になるようにデフォーカスしている(図9参照)。なお、ビームウエスト位置と受光面との距離を「デフォーカス量」という。そして、ビームウエスト位置が受光面の+W側(前方)にあるときを「−」、ビームウエスト位置が受光面の−W側(後方)にあるときを「+」とする。
第1開口板14では、第1の面内の曲率C1(=1/R1)と第2の面内の曲率C2(=1/R2)とが異なっているため、ビームウエスト位置は、Z軸に直交する面内とM方向に直交する面内とでは異なっており、その差は0.4mmである。
そこで、Z軸方向のビーム径(ビームの幅)が、M方向のビーム径(ビームの幅)に対して小さくなるように、受光素子18の受光面上でのデフォーカス量及び第2開口板16の開口部の大きさが設定されている。
また、M方向に直交する面内でのビームウエスト径は、Z軸に直交する面内でのビームウエスト径よりも大きくなるように設定されている。
これにより、受光素子18の受光面上での、デフォーカス量に対するビーム径の変化が小さくなる。
そこで、複数の光源装置において、第1開口板14における曲率C2にばらつきがあっても、受光素子18の受光面上で、Z軸方向のビーム径が大きく異なることはない。すなわち、光源装置の製造歩留まりを向上させることができる。また、光源装置を出荷する際の調整を簡略化することができる。
本実施形態では、第1開口板14のミラー部は、p方向及びZ軸方向のいずれに関しても、集光作用を有している。このとき、モニタ用光のビームウエスト位置が、受光素子18の受光面に対して−W側(後方)、すなわち、デフォーカス量が「+」となるように設定しておくと、第1開口板14のミラー部の面精度が向上してより平面に近づいた場合に、受光素子18の受光面上においてビーム径が絞られすぎるのを防ぐことができる。
第1開口板14を製作する際の圧延加工では、表面の曲率をコントロールする精度は低い。そのため、第1開口板14のミラー部がある程度の曲率を有する場合及び平面の場合の両方を考慮して、上記のようなビームウエスト位置と受光面の関係にしておくことで、圧延加工が容易になる。
なお、ビームウエスト位置が、受光素子18の受光面上でのビーム径が大きくなる方向にずれた場合には、集光レンズ17によって調整することが可能である。
集光レンズ17は、一例として図12に示されるように、支持部材によって支持されている。この支持部材は、光線bの進行方向rに対して、垂直な面(支持面)で集光レンズ17を支持する。この支持面には、紫外線硬化型の接着剤が塗布される。そして、支持部材は、集光レンズ17が支持面に押し付けられた状態で、受光素子18の受光面に光束Bの全てが入るように、主走査対応方向及び副走査対応方向に関して位置調整される。その後、接着剤に紫外線が照射され、接着剤が硬化する。
Z軸に直交する面内でのビームウエスト位置の変化量と第1開口板14のミラー部におけるR1との関係(以下では、便宜上、「第1の関係」ともいう)、及びM方向に直交する面内でのビームウエスト位置の変化量と第1開口板14のミラー部におけるR2との関係(以下では、便宜上、「第2の関係」ともいう)が、図13に示されている。
これによると、仮にR1とR2が同一であっても、第2の関係におけるビームウエスト位置の変化量は、第1の関係におけるビームウエスト位置の変化量の約1/2である。これは、第1開口板14が、カップリング光学系13の光軸に直交する仮想面に対して傾斜して配置されているために起こる現象である。
第1開口板14のミラー部における、曲率C1は、光束Bの結像位置に対して直接的に作用するが、曲率C2は、光束Aがθだけ傾斜して第1開口板14に入射しているため、光束Bの結像位置に対する影響が軽減されることとなる。
すなわち、R1よりもR2のほうが、ビームウエスト位置の変化に対して影響が小さい。そこで、第1開口板14において、加工精度の確保が困難な方向をZ軸方向に平行な方向にすることで、受光素子18の受光面からモニタ用光束がはみ出して光量不足となったり、絞られすぎて感度のばらつきが大きくなるなどの不都合を解消することができる。
一般的に、圧延加工では、圧延方向に平行な方向は曲率半径のばらつきが大きくなり、圧延ロールの軸に平行な方向は比較的平面度が高くなる傾向がある。
従って、第1開口板14を製作する際に、圧延方向がZ軸方向に平行になるよう指定することで、従来の加工方法を変更したり、複雑な光学系を用いたりする必要はない。
そして、|C1|<|C2|が満足されている場合であって、曲率C1が0よりも大きいときには、第1の面内において、モニタ用光束は、受光素子18の受光面の後方(−W側)に、ビーム径が最小となる位置を有するように設定すれば良い。
反対に、曲率C1が0よりも小さいときには、第1の面内において、モニタ用光束は、受光素子18の受光面の前方(+W側)に、ビーム径が最小となる位置を有するように設定すれば良い。
また、|C1|<|C2|が満足されている場合であって、曲率C2が0よりも大きいときには、第2の面内において、モニタ用光束は、受光素子18の受光面の後方に、ビーム径が最小となる位置を有するように設定すれば良い。
反対に、曲率C2が0よりも小さいときには、第2の面内において、モニタ用光束は、受光素子18の受光面の前方に、ビーム径が最小となる位置を有するように設定すれば良い。
図2に戻り、光検知センサ38aには、ポリゴンミラー33で偏向され、走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー37aを介して入射する。また、光検知センサ38bには、ポリゴンミラー33で偏向され、走査光学系を介した光束のうち書き込み終了後の光束の一部が、光検知用ミラー37bを介して入射する。
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
光源制御装置22は、一例として図14に示されるように、画素クロック生成回路215、画像処理回路216、書込制御回路219、及び光源駆動回路221などを有している。なお、図14における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
画素クロック生成回路215は、光検知センサ38aの出力信号と光検知センサ38bの出力信号とから、各光検知センサの間を光束が走査するのに要した時間を求め、その時間に予め設定されている数のパルスが収まるように周波数を設定し、該周波数の画素クロック信号PCLKを生成する。ここで生成された画素クロック信号PCLKは、画像処理回路216及び書込制御回路219に供給される。また、光検知センサ38aの出力信号は、同期信号として書込制御回路219に出力される。
画像処理回路216は、プリンタ制御装置1060を介して上位装置から受信した画像情報をラスター展開するとともに、所定の中間調処理などを行った後、画素クロック信号PCLKを基準とした各画素の階調を表す画像データを発光部毎に作成する。そして、画像処理回路216は、光検知センサ38aの出力信号に基づいて走査開始を検出すると、画素クロック信号PCLKに同期して画像データを書込制御回路219に出力する。
書込制御回路219は、画像処理回路216からの画像データ、画素クロック生成回路215からの画素クロック信号PCLK及び同期信号に基づいてパルス変調信号を生成する。また、書込制御回路219は、所定のタイミングで、受光素子18の出力信号に基づいて、光源装置10の第1開口板14の開口部を通過する光束の光量が所望の値となるように、各発光部の駆動電流を補正する。すなわち、APC(Auto Power Control)を行う。
光源駆動回路221は、書込制御回路219からのパルス変調信号に基づいて2次元アレイ100の各発光部を駆動する。
以上説明したように、本実施形態に係る光源装置10によると、面発光レーザアレイ100を含む光源11、該光源11からの光束を走査用光束とモニタ用光束とに分離する第1開口板14、モニタ用光束を受光する受光素子18などを備えている。そして、第1開口板14は、光源11からの光束が入射し、モニタ用光束を反射する反射面を有し、第1開口板14に入射する光束の入射面である第1の面内における反射面の曲率C1、反射面及び第1の面のいずれにも交差し、第1の面に直交する第2の面内における反射面の曲率C2を用いて、|C1|<|C2|が満足されている。この場合は、受光素子18の受光面上でのモニタ用光束のビーム径を安定的に所望の大きさとすることができる。
そこで、高い精度のAPCが可能となり、その結果、高コスト化を招くことなく、安定した光量の光を射出することが可能となる。
また、モニタ用光束は、受光素子18の受光面において、第1開口板14の反射面での第1の面に直交する方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向)の幅が、反射面での第2の面に直交する方向に対応する方向(ここでは、M方向)の幅よりも小さい。
また、受光素子18の受光面における、第1開口板14の反射面での第1の面に直交する方向に対応する第1の方向(ここでは、Z軸方向)、及び反射面での第2の面に直交する方向に対応する第2の方向(ここでは、M方向)を用いて、モニタ用光束は、第1の方向のビームウエスト径が、第2の方向のビームウエスト径よりも大きい。
また、本実施形態に係る光走査装置1010によると、光源装置10を有しているため、高コスト化を招くことなく、高精度の光走査を安定して行うことが可能である。
また、感光体ドラム表面上におけるビームの光量が安定化するということは、複数あるプロセス制御条件のうちの1つが安定化するということを意味する。従って、プロセス制御の実行頻度を低減することができ、省エネ等の環境負荷低減が可能となる。
また、光源11が複数の発光部を有しているため、同時に複数の走査が可能となり、画像形成の高速化を図ることができる。
そして、本実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、光走査装置1010を備えているため、出力画像における濃度むらを低減することができる。すなわち、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することが可能である。
また、光源11が複数の発光部を有しているため、画像の高密度化を図ることができる。
なお、上記実施形態では、第1開口板14において、R1=4000mm、R2=1300mmの場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、R1=3500mm、R2=500mmであっても良い。このように、R1とR2の大きな差を許容することで、さらに低コストで第1開口板14を製作することができる。
但し、この場合に、集光レンズの光学面を球面としてしまうと、ビームウエスト位置のずれが2.7mm程度と大きくなってしまい、Z軸に直交する面内及びM方向に直交する面内の両方において、受光素子18の受光面内にモニタ用光束を集めることが難しくなる。
そこで、集光レンズとしてアナモフィックレンズを用いるのが良い。例えば、屈折率が1.484の樹脂製(例えば、PMMA)で、中心肉厚が3mm、第2面が平面、第1面が凸で、Z軸に直交する面内の曲率半径が18.9mm、r方向に直交する面内の曲率半径が20mmのアナモフィックレンズを用いることができる。
また、アナモフィックレンズの変形例として、第1面及び第2面をそれぞれシリンドリカル面として、Z軸に直交する面内とr方向に直交する面内でのパワーを異ならせたレンズを用いることができる。
このように、第1開口板14の加工精度に応じて、モニタ光学系を適切に設定することで、第1開口板14のコストアップを防ぎつつ、高精度な光量制御が可能な光源装置を構成することができる。
また、上記実施形態では、2次元アレイ100が40個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、光源11が2次元アレイ100を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光源11が前記2次元アレイ100に代えて、複数の発光部が一列に配置されている1次元アレイを有していても良い。また、光源11が前記2次元アレイ100に代えて、1つの発光部を有していても良い。
また、上記実施形態では、モニタ光学系が光源装置に含まれる場合について説明したが、これに限らず、モニタ光学系の少なくとも一部が光源装置とは別に設けられても良い。
なお、上記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば良い。
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、例えば、図15に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用の「感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6」と、シアン用の「感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6」と、マゼンタ用の「感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6」と、イエロー用の「感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6」と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
各感光体ドラムは、図15中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転方向に沿って、帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットがそれぞれ配置されている。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光走査が行われ、各感光体ドラムに潜像が形成される。
そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が順次転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
光走査装置2010は、前記光源装置10と同様な光源装置を色毎に有している。従って、前記光走査装置1010と同様な効果を得ることができる。
そして、カラープリンタ2000は、前記レーザプリンタ1000と同様な効果を得ることができる。
なお、タンデム方式の多色カラープリンタでは、機械精度等で各色の色ずれが発生する場合があるが、点灯させる発光部を選択することで各色の色ずれの補正精度を高めることができる。
また、このカラープリンタ2000において、光走査装置を1色毎に設けても良いし、2色毎に設けても良い。