JP2008020649A - 光ビーム走査装置、マルチビーム光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

光ビーム走査装置、マルチビーム光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】走査線曲がりとリニアリティ特性とを有効に補正した斜入射方式の光ビーム走査装置、マルチビーム光走査装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の光ビームは、光偏向器5の偏向反射面の法線に対し副走査方向に複数の大きさの角度を持って入射するとともに、結像光学系は、同一偏向面で偏向走査された全ての光ビームが共に通過する第1レンズL1と、各被走査面ごとに設けられた第2レンズL2とからなり、第2レンズL2を構成するレンズの面のうちの少なくとも一面は副走査方向に曲率を持たないとともに、主走査断面内における第2レンズL2の入射面の走査端に向かう光束の通過点と面頂点を含み基準軸と直交する平面から基準軸方向の距離が、副走査方向の斜入射角度ごとに異なっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタル複写機、レーザプリンタ、レーザファクシミリ等に用いる光ビーム走査装置に関する。
近年、レーザプリンタや複写機といった画像形成装置のカラー化が急速に進んでいる。これらの機器に用いられる光走査装置には複数の感光体に対して一度に複数の走査線を形成できるものがある。このような光走査装置は、高速化というユーザのニーズともマッチしており、走査線を一本しか形成できないものより好ましい。
複数の感光体に対して複数の走査線を同時に形成する方式としてはいくつかの方法が考えられるが、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の各色に対応した四つの感光体を並べるタンデム方式がある。
タンデム方式は、四つの感光体に対して同時に光走査を行うため非常に高速であるが、単純に四つの光走査装置を備えた場合高コストになってしまう。このため、各々の感光体に対応した光学系でできるだけ多くの部品を共通使用して低コストなものとする必要がある。
タンデム方式に適した低コストな走査光学系として、光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度をもって入射させる斜入射光学系がある。複数の光束を偏向面の副走査断面中心に向けて斜入射させることで、偏向器の副走査方向高さを低減した低コストな光偏向器の採用が可能となる。
しかし、斜入射光学系には「走査線曲がり」が大きいという問題がある。走査線曲がりの発生量は、各光ビームの副走査方向の斜入射角により異なるため、各々の光ビームで描かれた潜像を各色のトナーにより重ね合わせ可視化した際に、色ずれとなって現れる。
また、光ビームが斜入射することにより、光束が走査レンズにねじれて入射することとなり、波面収差も増大し、特に周辺の像高で光学性能が著しく劣化してビームスポット径が太くなってしまい、高画質化を妨げる要因となる。
斜入射光学系では、光源側からの光束をポリゴンミラーの回転軸に向けて入射させるために、主走査方向で走査レンズの光軸と重なる位置に光源を配置した場合、走査レンズとの干渉を避けるために斜入射角を大きく取らなければならない。
斜入射方式に特有の大きな走査線曲がりを補正する方法として、走査結像光学系に「副走査断面内におけるレンズ面の固有傾きを、走査線曲がりを補正するように主走査方向へ変化させたレンズ面を有するレンズ」を含める方法(特許文献1)や、走査結像光学系に「副走査断面内における反射面の固有傾きを、走査線曲がりを補正するように主走査方向へ変化させた反射面を有する補正反射面」を含める方法(特許文献2)などが提案されている。
また、特許文献3には、異なる大きさの斜入射角度で入射する複数の光束を同一偏向器で偏向し、複数の光束に対して共通に配置されたレンズと、光束ごとに配置された補正レンズとを有し、複数の補正レンズの主走査断面形状をほぼ一致させる方法が提案されている。特許文献3には、主走査断面形状をほぼ一致させることでボウ(走査線曲がり)については良好に補正されているため、副走査方向の色ズレも良好と考えられるが、主走査方向の色ズレについては何ら考慮されていない。
特許文献4には、斜入射される光束を走査レンズの軸外を通し、走査レンズの子線の非球面量を主走査方向に沿って変化させる面を用いて走査線の位置を揃える方法が提案されている。特許文献4においては、1枚の走査レンズにて補正を行う例が開示されており、走査線曲がりの補正は可能であるが、後段で説明する波面収差増大によるビームスポット径の劣化については考慮されていない。
また、偏向器に入射する複数の光束を副走査面内において偏向面の法線に対して異なる角度で斜入射させる走査光学系において、共通に使用するレンズの副走査断面内のパワーを略ゼロとしたものが特許文献5の「光走査装置及びそれを用いた画像形成装置」に開示されている。
共通に使用するレンズの副走査断面内のパワーを略ゼロとすることで、走査線曲がりの発生を抑えることは可能であるが、後段で説明する波面収差増大によるビームスポット径の劣化については考慮されていない。
斜入射方式における今ひとつの問題は、光線スキューにより周辺像高(走査線の両端部近傍)で波面収差の大きな劣化が発生しやすいことである。このような波面収差が生じると、周辺像高で光ビームのスポット径が大径化してしまう。この問題を解決できないと、近年強く要請されている「高密度の光走査」を実現できない。上記各特許文献に記載の発明は、斜め入射方式に特有の「大きな走査線曲がり」が極めて良好に補正されるものの、波面収差の改善は十分であるとは言えない。
また、特許文献6には、偏向面に対して垂直に入射する光束と斜入射する光束とを単一の偏向器で偏向し、それぞれ異なる被走査面に結像させる光学系が開示されている。特許文献6では、垂直入射の光束を有するため、斜入射光束の斜入斜角を低減できるため、波面収差補正の点では有利である。
特開平11−014932号公報 特開平11−038348号公報 特開2003−185957号公報 特開2004−070109号公報 特開2005−062834号公報 特開2005−092148号公報
しかし、特許文献6に開示される発明は、偏向面に対して垂直入射する光束が二つあるために、その光束分離には偏向面が二段のポリゴンミラーを用いることが必須となり、低コスト化の点で課題がある。また、偏向面が二段であるために、風損の影響により消費電力が増大してしまい、省エネルギー化の点でも課題がある。
さらに、一度の走査で同時に複数の感光体を走査露光するタンデム光学系においては、色ズレの低減も大きな課題となっている。この課題についても低コストで解決する必要がある。
副走査方向の色ズレは、上記の「走査線曲がり」が感光体間で異なる場合に現れる。また、主走査方向の色ズレは、主走査方向のドット位置がステーション間で異なった場合にカラー画像として現像された際に発生する。主走査方向のドット位置は走査光学系の「リニアリティ特性」(リニアリティ特性については後段で詳細に説明する)に依存している。
また、これらの色ズレは等しい斜入射角で走査される感光体では走査光学系に同一形状のレンズを用いることが可能なために問題とならないが、異なる大きさの斜入射角の走査光学系が共存する斜入射光学系では「走査線曲がり」と「リニアリティ特性」の感光体間差を等しくすることは困難である。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、走査線曲がりとリニアリティ特性とを有効に補正した斜入射方式の光ビーム走査装置、マルチビーム光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、複数の光源装置からの光ビームを光偏向器の同一面で偏向し、それぞれ異なる被走査面に結像させて走査する光ビーム走査装置であって、複数の光ビームは、光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に複数の大きさの角度を持って入射するとともに、結像光学系は、同一偏向面で偏向走査された全ての光ビームが共に通過する第1のレンズ群と、各被走査面ごとに設けられた第2のレンズ群とからなり、第2のレンズ群を構成するレンズの面のうちの少なくとも一面は副走査方向に曲率を持たないとともに、主走査断面内における第2のレンズ群の入射面の走査端に向かう光束の通過点と面頂点を含み基準軸と直交する平面から基準軸方向の距離が、副走査方向の斜入射角度ごとに異なっていることを特徴とする光ビーム走査装置を提供するものである。
上記本発明の第1の態様においては、主走査断面内における第2のレンズ群の入射面の走査端に向かう光束の通過点と面頂点を含み基準軸と直交する平面からの基準軸方向の距離のうち、最も斜入射角度が大きいレンズの入射面のものをdout、最も斜入射角度が小さいレンズの入射面のものをdin、走査端に対応したレンズ高さの絶対値をYmaxとするとき、(|din|−|dout|)・Ymax>0、であることが好ましく、これに加えて、第2のレンズ群の周辺像高の主走査断面内における肉厚は、偏向面に対する副走査方向の入射角が小さいほど厚いことがより好ましい。
本発明の第1の態様の上記のいずれの構成においても、第2のレンズ群の入射面の走査端に向かう光束の通過点と面頂点を含み基準軸と直交する平面との基準軸方向の距離をd1max、第2レンズ群の射出面の走査端に向かう光束の通過点と面頂点を含み基準軸と直交する平面との基準軸方向の距離をd2maxとしたとき、|d1max|−|d2max|>0、であることが好ましい。
また、本発明の第1の態様の上記のいずれの構成においても、第2のレンズ群を構成する各レンズは、入射面が副走査方向に曲率を有し、射出面は副走査方向に曲率を持たないことが好ましい。また、第2のレンズ群を構成するレンズの面のうち少なくとも一面は、光学面基準軸からの距離に応じて副走査方向のチルト偏心角度が変化する特殊チルト偏心面であることが好ましい。また、中心像高への光束が、第2のレンズ群の基準軸近傍を通過することが好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、上記本発明の第1の態様のいずれかの構成にかかる光ビーム走査装置を光走査手段として備えることを特徴とするマルチビーム光走査装置を提供するものである。
本発明によれば、走査線曲がりとリニアリティ特性とを有効に補正した斜入射方式の光ビーム走査装置、マルチビーム光走査装置及び画像形成装置を提供できる。
図1及び図2に、本発明の好適な実施の形態にかかる光走査装置の構成を示す。
光源1としての半導体レーザから放射された発散性の光束はカップリングレンズ2によって以後の光学系に適した光束形態に変換される。カップリングレンズ2により変換された光束形態は、平行光束あるいは弱い集束性の光束である。
カップリングレンズ2からの光束は、シリンドリカルレンズ3によって副走査方向に集光され、ポリゴンミラーを回転させる回転多面鏡(光偏向器)5の偏向反射面に入射する。図に示すように、光源側からの光束は、ポリゴンミラーの偏向反射面の回転軸に直交する平面に対して傾いて入射する。従って、偏向反射面によって反射された光束も、上記の平面に対して傾いている。
回転多面鏡5の回転軸に直交する平面に対し角度を有する光ビームは、所望の角度に光源装置、カップリング光学系、及び第1光学系を傾けて配置しても良いし、折り返しミラーを用いて角度を付けても良い。また、第1光学系の光軸を副走査方向にシフトすることで、偏向反射面に向かう光ビームに角度を付けても良い。
偏向反射面によって反射された光束は、ポリゴンミラーの等速回転とともに等角速度的に偏向され、第3光学系としての走査光学系を介して、被走査面7上に集光する。これにより、偏向光束は、被走査面上に光スポットを形成し、被走査面7の光走査を行う。
偏向器の回転軸に直交する平面に対して鏡面対称に、二つの異なる斜入射角度(内側±1.46°、外側±3.30°)の光束をそれそれ入射させることで、カラー画像形成に必要な4本の感光体を同時に走査可能な片側走査タンデム斜入射光学系としている。
偏向された4本の光ビームは最も偏向器側の第1走査結像レンズL1を共通に通過した後、第2走査結像レンズL2を通過し、被走査面7上に集光される。
ここで、第1走査結像レンズL1の基準軸は、偏向器の回転軸に直交する平面に対して平行である。また、基準軸を含み偏向器の回転軸に直交する平面を基準面とする。
同じ像高に対する異なる斜入射角度の光線は、副走査方向に異なるレンズ高さを通過している。このため、それぞれ基準面に平行な方向のパワーが異なる断面内を通過することとなる。
また、第2走査結像レンズL2の基準軸は中心像高への光ビームと一致するよう、副走査方向について斜入射角度と等しくチルト、及び必要量副走査方向にシフトしている。さらに、第2走査結像レンズL2は、斜入射角度ごとに異なる面形状を有しており、一方の面は副走査方向に曲率を持たない面を有し、走査端に対応したレンズ高さの肉厚が、偏向面に対する副走査方向の入射角度ごとに異なったレンズとしている。
〈斜入射〉
図3に示す画像形成装置に適用されているような水平入射片側走査方式の光走査装置においては、各々対応する被走査面に向かう光束を分離するのに必要な間隔を得るためにポリゴンミラーの副走査方向の高さが必要である。例えば、図4(a)に示すような「4段化ポリゴン」を使用する方法も考えられるが、光束を分離するのに必要な間隔zを得ようとすると非常に厚くなってしまい、高速化・低コスト化に不向きとなる。
一方、斜入射光学系では、ポリゴンミラーの偏向反射面において、複数の光ビームを副走査方向に所定の間隔を持たせる必要がない。つまり、図4(b)に示すように、ポリゴンミラーの反射面の法線に対し副走査方向に異なる角度(βs1<βs2)を持つ複数光源装置からのビームの対を、偏向器の回転軸に垂直な平面の上下方向より同一の反射面に入射させることで、ポリゴンミラーの偏向反射面を形成する多面体を単段とし、かつ、副走査方向の厚さを低減でき、回転体としてのイナーシャが小さくなり、起動時間も短くなる。
このように、片側で四つの異なる被走査面に対応する光学系においては、全ての光ビーム、すなわち四つの異なる被走査面に向かう全ての光ビームを、光偏向器の反対面の法線に対し角度を持つ、すなわち副走査方向に角度を持つ光ビームとすることで、光走査装置を構成する部品でコスト比率の高い光偏向器のコストを下げ、消費電力や騒音を低減した、環境を配慮した光走査装置を実現できる。
〈主走査色ずれ〉
主走査方向の色ずれは、主走査方向のドット位置がステーション間で異なった時に発生するが、主走査方向のドット位置は走査光学系のリニアリティ特性に依存している。
通常、異なる斜入射角度ごとに異なる面形状とした場合リニアリティ特性も変化してしまい、ステーション間のリニアリティ特性の差が色ずれとして現れてしまう。よって、タンデム光学系内の異なる斜入射角度の走査光学系において、色ズレの発生を抑えるためには、それぞれのリニアリティ特性を略一致させる必要がある。
リニアリティ特性は、各評価像高における理想走査速度に対する比を表すものであり、次の式で定義される。
Lin={dHr(θ)/dHi(θ)−1}×100(%)
ここで、Hr(θ)、Hi(θ)は、画角θにおける実像高及び理想像高をそれぞれ表している。よって、Hr(θ)とHi(θ)とが一致する像高(走査中心など)では、リニアリティ特性は0%となる。
従来、光ビームが、これらの光検知器を横切る走査時間を計測手段としてのカウンタ回路にて計測し、その走査時間に基づき2点間の走査線の長さを補正することが行われている。このとき、走査端でのドット位置は一致させることが可能であるが、それぞれのステーションでリニアリティ特性が異なっている場合には、中間像高ではステーション間でドット位置がずれてしまい、色ズレが発生してしまう。
しかし、異なるステーション間でリニアリティ特性を略一致させた場合には、同じ像高への光ビームは主走査方向の同じ位置に走査されるため、色ズレとはならない。
さらに、主走査方向の色ズレを低減させるためには、以下の条件式を満足させると良い。
|ΔLinmax/Linwid|<0.2
ここで、ΔLinmaxは異なる主走査形状を有する走査光学系間の同一像高におけるリニアリティ特性の差分の最大値を、Lwはある走査光学系におけるリニアリティ特性の偏差をそれぞれ示す。
|ΔLinmax/Linwid|は、異なる主走査形状を有する走査光学系間の同一像高におけるリニアリティ特性の差分の最大値と、ある走査光学系におけるリニアリティ特性の偏差との絶対値の比であり、この値が大きいほど走査光学系間のリニアリティ特性の差の影響が大きくなり、ひいては主走査方向の色ズレにつながる。この値が0.2以上となると、異なる主走査形状を有する走査光学系間のリニアリティ特性の差が大きくなりすぎて主走査方向の色ズレの低減が難しくなる。
本実施形態においては、リニアリティ特性の差を低減するために、走査端に対応したレンズ高さの肉厚を偏向面に対する副走査方向の斜入射角度ごとに異ならせ、さらに各面を偏向面側に湾曲させている。
さらに、基準軸での肉厚は斜入射角度によらず同一としているが、レンズ高さが高くなるほど斜入射角度の異なる光学系間の肉厚差が大きくなるようにして、リニアリティ特性を補正している。斜入射角度が異なる走査光学系間では、特に走査端において光路差長が発生し、リニアリティ特性を一致させるためには光路長の短い斜入射角度の小さい走査光学系の第2レンズ群の肉厚を厚くする必要がある。
さらに好ましくは、次の条件式を満たすとよい。
(|din|−|dout|)・Ymax>0
ここで、図5に示すように、dは面頂点を含み基準軸と垂直な平面から基準軸方向の距離を表す。そして、主走査断面内において第二レンズ群の入射面の走査端の「面頂点を含み基準軸と直交する平面」からの基準軸方向の距離のうち、最も斜入射角度が大きいレンズの入射面のものをdout、最も斜入射角度が小さいレンズの入射面のものをdin、走査端に対応したレンズ高さの絶対値をYmaxとする。
さらに好ましくは、次の条件式を満たすと良い。
(|din|−|dout|)・Ymax>20
また、それぞれの斜入射角度に対応した光学系を備えた場合には、「入射面の湾曲量」を「射出面の湾曲量」よりも大きくすると良い。具体的には、次の条件式を満たすと良い。
|d1max|−|d2max|>0
ここで、第2レンズ群の入射面の走査端の「面頂点を含み基準軸と直交する平面」からの基準軸方向の距離をd1max、第2レンズ群の射出面の走査端の「面頂点を含み基準軸と直交する平面」からの基準軸方向の距離d2maxである。
一方、副走査方向の倍率が走査位置間で偏差を持つと画質が劣化してしまう。本実施形態では、走査線曲がりの補正のために第2レンズ群は、一面のみを後述するチルト偏心面としている。このため、副走査方向にパワーを持つ面は一面だけである。倍率の偏差を適切に補正するためには、第2レンズ群の曲面を有する面を曲面を持たない面よりも大きく湾曲させると良い。つまり、次の条件式を満たすようにすると良い。
|dr|−|df|>0
ここで、第2レンズ群の走査端に対応したレンズ高さにおける第2レンズ群の曲率を有する面の湾曲量がdr、第2レンズ群の曲率を持たない面の湾曲量がdfである。
〈波面収差補正〉
従来の光ビームを斜め入射させる方式では、光ビームが副走査方向に角度を持って走査レンズに入射することにより、諸収差量が増大し光学性能が劣化することは公知である。
そこで本実施形態においては、レンズの高さを抑えるために共用レンズの副走査断面を円弧形状とし、かつ、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面(以下、特殊トロイダル面)を有する共用レンズを用いて光学性能の劣化を補正している。これにより、異なる斜入射角度の光束に対しても同一形状面で補正しているため、各光束をより隣接させることが可能である。よって、ポリゴンミラーの偏向反射面の法線に対する角度(副走査方向に斜入射する角度)を小さくして光学性能の劣化を小さく抑えることが可能となり、良好な光学性能を実現できる。この結果、安定したビームスポット径を得ることが可能となり、ビームスポット径の小型化による画質向上も図れる。
片側走査方式の場合、図6(b)に示すように、全ての光ビームがポリゴンミラーの偏向反射面の法線に対して水平であった従来の光走査装置においては、良好な光学性能が得られる反面、各光源装置からの光ビーム、つまり互いに異なる被走査面に導かれる光ビーム間の間隔は、光ビームごとに分離するのに必要な間隔(Δd)、通常3mmから5mmの間隔を保つことが必要である。そのため、偏向手段(ポリゴンミラー)の厚さ(副走査方向の高さ)hが大きくなり、空気との接触面積が増大して、風損の影響による消費電力の増大、騒音の増大、コストアップなどの問題が生じていた。特に、光走査装置の構成部品で偏向手段を占めるコスト比率は高く、コスト面での課題が大きい。
これに対し、本実施形態においては、偏向手段としてのポリゴンミラーの偏向反射面で反射される、複数の光源装置からの光ビームは、ポリゴンミラーの偏向反射面の法線に対し、角度を持つ(副走査方向に角度を持つ)光ビームとして走査レンズに入射させることで、図6(c)に示すように、ポリゴンミラーの高さhを大幅に低減することが可能となり、対向走査方式と同様に、ポリゴンミラーの偏向反射面を形成する多面体を一段で、かつ、副走査方向の厚さを低減でき、回転体としてのイナーシャが小さくなり、起動時間を短くできる。また、従来の対向方式における2段化されたポリゴンミラーに対し、コストダウンが可能である。
なお、片側走査方式で最も斜入射角を小さく設定するための構成としては、図6(a)に示すような水平入射と斜入射との組み合わせも考えられる。この構成でも、ポリゴンミラーの小型化に関しては従来の水平入射に比べ改善される。ただし、図6(c)に示すように、全ての光ビームを斜入射させると最も小型化で諸課題の解決が可能となる。
〈走査線曲がり補正〉
副走査方向に斜入射させる方式では、水平入射方式と比較して「走査線曲がり」が大きいという問題がある。この走査線曲がり発生量は、各光ビームの副走査方向の斜入射角によって異なり、各々の光ビームで描かれた潜像を各色のトナーにより重ね合わせて可視化した際に、色ズレとなって現れてしまう。また、斜入射させることにより、光束が走査レンズにねじれて入射することとなり、波面収差も増大し、特に周辺の像高で光学性能が著しく劣化し、ビームスポット径が太くなってしまい、高画質化を妨げる原因となる。
斜入射による走査線曲がりの発生について説明する。走査光学系を構成する走査レンズ、特に副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズ(図1では第2走査結像レンズL2)は入射面の主走査方向の形状が偏向反射面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状でない限り、主走査方向のレンズ高さにより光偏向器の偏向反射面から走査レンズ入射面までの距離は異なる。通常、走査レンズを上記形状(偏向反射面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状)にすることは、光学性能を維持する上で困難である。つまり、図1に示したように、通常の光ビームは、光偏向器により偏向走査され、各像高にて主走査断面において、レンズ面に対し垂直入射することはなく、主走査方向にある入射角を持って入射する。
副走査方向に角度を持っている(斜入射されている)ことにより、光偏向器によって偏向反射された光ビームは、像高に応じて光偏向器の偏向反射面から走査レンズ入射面までの距離が異なり、走査レンズへの副走査方向の入射高さが周辺ほど中心より高い位置若しくは低い位置(光ビームの副走査方向に持つ角度の方向によって異なる)となる。この結果、副走査方向に屈折力を持つ面を通過する際に、副走査方向に受ける屈折力が異なって走査線曲がりが発生してしまう。通常の水平入射であれば、偏向反射面から走査レンズ入射面までの距離が異なっても、光ビームは走査レンズに対し平行に進行するため、走査レンズ上での副走査方向の入射位置が異なることはなく、走査線曲がりは発生しない。
〈斜入射による波面収差劣化〉
上記のように、走査光学系を構成する走査レンズ入射面の主走査方向の形状が、偏向反射面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状でない限り、像高により光偏向器の偏向反射面から走査レンズ入射面までの距離は異なる。通常、走査レンズの形状を偏向反射面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状とすることは、光学性能を維持する上で困難である。つまり、通常の光ビームは、光偏向器により偏向走査され、各像高にて主走査断面において、レンズ面に対し垂直入射することはなく、主走査方向にある入射角を持って入射する。
光偏向器により偏向反射された光ビームの光束は、主走査方向にある幅を持っており、光束内で主走査方向の両端の光ビームは、光偏向器の偏向反射面から走査レンズ入射面までの距離が異なり、副走査方向に角度を持っている(斜入射されているため)ことにより、図7に示すように走査レンズにねじれた状態で入射することとなる。この結果、波面収差が著しく劣化し、ビームスポット径が拡大する。主走査方向の入射角は、周辺像高に行くほどきつくなり、光束のねじれは大きくなるため、周辺に行くほど波面収差の劣化によるビームスポット径の増大量は大きくなる。
本実施形態においては、特殊トロイダル面を採用して波面収差及び走査線曲がりを補正している。また、走査線曲がりの補正は、レンズ面を副走査方向にチルト偏心させることでも補正可能である。像高間での副走査方向の走査位置、及び劣化した波面収差量のバランスを取ることにより、各像高での走査位置や波面収差を補正し、被走査面上での走査線曲がりや波面収差の劣化によるビームスポット径の拡大を補正している。
しかし、レンズ面に入射する光束のねじれ(スキュー)による波面収差の劣化量や、回転多面鏡に斜入射することによる像高間での物点の副走査方向の変化量、偏向反射面からレンズ面までの距離は、像高間で異なるため、波面収差の補正や走査線曲がりの補正を完全に行うことはできない。
そこで、本実施形態においては、結像光学系のうち、共通で使用される第1レンズ群を、光学面基準軸を含む副走査断面におけるパワーをゼロかゼロに近いレンズ一枚とし、かつ、そのレンズ面は像高に応じて副走査断面内の曲率が変化するトロイダル面とすることで波面収差の補正を実施している。
ここで、副走査断面内のパワーを略ゼロとしているのは、光学面基準軸近傍ではレンズ面に入射する光束のねじれ(スキュー)による波面収差の劣化が少ないことと、製造誤差や組み付け時の偏心による性能の変動を低減させるためである。なお、光学面基準軸とはレンズ形状を表現する式の原点を結んだ線のことを指す。また、周辺像高に向かう光束に対しては、光学面基準軸から離れるに従い副走査断面内においてパワーの強くなるレンズとして像高が高いほど光束をより跳ね上げることで波面収差補正を行っている。
さらに好ましくは、副走査方向の屈折力が最も大きいレンズよりも光偏向器側にトロイダル面を配置すると良い。
波面収差の劣化は、副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズへの入射時に、光束がねじれることにより特に大きく発生する。このため、波面収差の補正のためには、副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズへの入射高さを補正し、被走査面上で一点に集光するようにする必要がある。
特殊トロイダル面で波面収差を補正する場合、第2結像走査レンズL2への入射高さを高くし、光束内の主走査方向両端の光ビームについても、周辺に行くほど副走査方向に角度を持つ光ビームに対し、光学面基準軸より離れるにつれて副走査断面内におけるパワーがより大きくなるように特殊トロイダル面を形成し、副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズへの入射位置を調整することで、波面収差の劣化を補正可能となる。このため、波面収差の補正を行うために用いる特殊トロイダル面は、副走査方向に最も強い屈折力を持つ走査レンズよりも光偏向器側に設けることが望ましい。
さらに望ましくは、第2レンズ群は、副走査方向の形状を曲率を持たない平面形状とし、かつ、レンズ長手方向(主走査方向)のレンズ高さに応じてレンズ短手方向(副走査方向)の偏心角度(チルト量)が異なる図8に示すような特殊チルト偏心面を設けて走査線曲がりの補正を実施すると良い。特殊チルト偏心面のチルト量(偏心角度)とは、光学素子の光学面における短手方向の傾き角をいう。チルト量が0であるときには傾きがない状態、つまり通常のレンズと同じ状態となる。
このように、光偏向器に近い走査レンズ(少なくとも副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズよりも光偏向器側の走査レンズ)の特殊トロイダル面で波面収差補正を行い、被走査面に近いレンズ(副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズ)の特殊チルト偏心面で走査線曲がり補正を行うように、それぞれの補正機能を分離することで、ビームスポット径のさらなる小径化と走査線曲がりの低減とを達成可能となる。もちろん、完全に機能分離させなければならない訳ではなく、それぞれの特殊面で、波面収差補正の一部、走査線曲がり補正の一部とを受け持つようにしても良い。
〈特殊チルト偏心面〉
特殊チルト偏心面について説明する。
特殊チルト偏心面形状は、次式による。ただし、光軸を含み主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」のうち、近軸曲率半径をRy、光軸から主走査方向の距離をY、高次係数をA、B、C、d・・・とし、主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径をRzとする。
Figure 2008020649
前式において、(F0+F1・Y+F2・Y2+F3・Y3+F4・Y4+・・・)Zは、チルト量を表す部分であり、チルト量を持たないとき、F0、F1、F2・・・は全て0である。
F1、F2・・・が0で無い時、チルト量は、主走査方向に変化することとなる。
特殊チルト偏心面の副走査方向の形状を曲率を持たない平面としている理由は、副走査方向に曲率を付けた場合、副走査方向の高さごとに主走査方向の形状が大きく変化し、温度変動や光学素子の組み付け誤差によって副走査方向に光ビームの入射位置がずれた場合に倍率誤差変動が大きく発生し、カラー機においては、各色間でのビームスポット位置がずれて、色ずれが発生してしまうためである。そこで、本実施形態のように、特殊チルト偏心面の副走査方向の面形状を、曲率を持たない平面形状とすることで、副走査方向の高さごとに主走査方向の形状誤差を小さくでき、副走査方向に光ビームの入射位置がずれた場合の倍率誤差変動を小さくでき、色ズレの発生を抑えられる。
実際には、特殊チルト偏心面を用いることで主走査形状は副走査方向の高さによって変化する。しかし、その量は僅かであり、副走査方向に曲率を付けた場合に比べて主走査形状の変化は小さい。
また、この特殊チルト偏心面を最も被走査面側の面に設けると良い。この主走査形状変化を最小限としてより高画質な光走査装置とできる。ひいては、温度分布発生による光ビーム間での倍率変動の差を小さくでき、同期を取ることで書き出し位置を各光ビームで一致させた時の中間像高での色ずれを低減できる。
また、図9(a)に示すように、入射光線が副走査方向にシフトした場合、特殊チルト偏心面は屈折力を持たないため光線の進行方向も単にシフトするのみで、その方向の変化は小さい。副走査方向に曲率を持つ、つまり屈折力を持つ面では図9(b)のように入射光線が副走査方向にシフトした場合、屈折力が変わることにより光線の進行方向も変わる。各像高でこの進行方向の変化量が異なると、走査線曲がりが大きくなってしまう。以上の理由から、特殊チルト偏心面における副走査方向の形状は、曲率を持たない平面形状とする必要がある。
本実施形態においては、各像高に向かう光ビームの副走査方向の方向に関して、走査レンズの主走査方向に異なるチルト量を、特殊チルト偏心面によって最適に与えることで走査線曲がりについて補正している。
またこの時、特殊チルト偏心面を有するレンズは、光学面基準軸近傍を中心像高に向かう光線が通過するように副走査断面内においてレンズ全体を傾けている。
このために、光軸近傍では走査レンズに対し光束のスキューや走査線曲がりがほとんど発生しない。このため、本発明における特殊チルト偏心面において、光学面基準軸上における偏心量はゼロとすることができる。
また、走査線曲がりの発生を小さく抑えるためには、結像光学系の副走査断面内における結像倍率を1.0倍以下の縮小光学系とすると良い。このようにすることで、走査光学系に製造上の誤差及び組み付け上の誤差が発生したとしても、走査線曲がりの変化の影響を小さく抑えられる。
本実施形態にかかる光走査装置の走査線曲がり補正の効果を図10に示す。図中二つの曲線はそれぞれ特殊チルト偏心面を有する光学系の走査線曲がりと特殊チルト偏心面を用いない光学系の走査線曲がりとを示している。図から明らかなように、特殊チルト偏心面によって斜入射光学系の走査線曲がりは良好に補正されている。
なお、偏心や環境変動により強い光走査装置とするためには、第1レンズ群において全てのレンズ高さで副走査断面形状が平面となるような面を持たせると良い。第1レンズ群は、光学面基準軸から離れるに従い副走査断面内でパワーを有するが、一方の面はパワーを有する面とし、もう一方の面は平面形状とすることで、レンズの偏心の影響を低減できる。
さらには、全てのレンズ高さで副走査断面形状が平面となる面は第1レンズ群の入射面側に設けると良い。レンズ面における反射光が像面や光源に到達すると画質が劣化するが、このような構成とすることで第1レンズ群の入射面における反射光は再び偏向器に入射して像面や光源に到達しなくなる。また、この時第1レンズ群の光学面基準軸を含まない副走査断面内におけるレンズのパワーは負のパワーを有する。
特殊チルト偏心面を異なる被走査面に向かう光ビームごと、すなわち光偏向器の反射面の法線に対する副走査方向の角度(斜入射角度)ごとに最適に設定することで、全ての光ビームにおいて良好な波面収差補正、及び走査線曲がり補正が可能となる。この場合、斜入射角度が異なっても、特殊チルト偏心面を用い形状式の係数を変えて最適に設計することで対応可能となる。
さらに、図1に示すように、回転多面鏡の偏向反射面に入射する光ビームを走査レンズに干渉させないように主走査方向に角度を持って入射(ここでは60deg)させることで、副走査方向の入射角度を小さく設定できる。上記のように、副走査方向に斜入射させる角度が大きいと光学性能の劣化が大きくなるため、波面収差及び走査線曲がりの良好な補正は困難となってしまう。このため、回転多面鏡の偏向反射面に入射する光ビームを主走査方向に角度を持って入射させることが好ましい。
より高速な動作を可能とするためには、最も被走査面に近いレンズの少なくとも一面を、像高に応じて副走査方向の曲率が異なる面とすると良い。このような構成とすることで、像高間の倍率偏差を十分に低減できる。また、副走査方向の像面湾曲をより良好に補正できる。
さらに好ましくは、副走査方向の曲率を、基準軸を中心として主走査方向に非対称に変化させると良い。本実施形態においては、光ビームを主走査方向に角度を持って光偏向器に入射させている。
この結果、回転多面鏡による「光学的サグ」は、走査レンズの基準軸に対して主走査方向に対称には発生しない。すなわち、諸収差が発生する原因となる光路長差が中心に対し左右対称とならないため、諸収差も左右非対称に発生するため、効果的な収差補正が可能となる。
また、さらなる低コスト化のためには、走査結像レンズをプラスチックレンズとすると良い。走査結像レンズをプラスチックとすることで、面形状の自由度が増し、より良好な光学性能を達成できる。
光源は、複数の発光点を有する半導体レーザアレイや、単数の発光点若しくは複数の発光点を有する光源を複数用いたマルチビーム光源装置とし、複数の光ビームを感光体表面に同時に走査するようにしても良い。このようにすることで、高速化、高密度化を図った光走査装置、画像形成装置を実現できる。このような構成とした場合でも、上記同様の効果が得られることは言うまでもない。図11に、マルチビーム光源装置を構成する光源ユニットの構成例を示す。
図11において、半導体レーザ403、404は各々ベース部材405の裏側に形成した不図示の嵌合穴に個別に嵌合されている。嵌合穴は主走査方向に所定角度(ここでは約1.5°)微小に傾斜していて、この嵌合穴に嵌合された半導体レーザ403、404も主走査方向に同じだけ傾斜している。半導体レーザ403、404は、その円筒状ヒートシンク4031、4041に切り欠きが形成されていて、押さえ部材406、407の中心丸孔に形成された突起4061、4071を上記ヒートシンク部の切り欠き部に合わせることによって発光源の配列方向が合わせられている。押さえ部材406、407はベース部材405にその背面側からネジ412で固定されることにより、半導体レーザ403、404がベース部材405に固定されている。
また、コリメートレンズ408、409は各々その外周をベース部材405の半円状の取り付けガイド面4054、4055に沿わせて光軸方向の調整を行い、発光点から射出した発散ビームが平行光束となるような位置決めがなされた上で接着されている。
なお、本実施形態においては、各々の半導体レーザからの光線が主走査面内で交差するように設定するため、光線方向に沿って嵌合孔及び半円状の取り付けガイド面4054、4055を傾けて形成している。ベース部材405の円筒状係合部4053をホルダ部材410に係合し、ネジ413を貫通孔4102に通してネジ4056、4057に螺合することにより、ベース部材405がホルダ部材410に固定され、光源ユニットを構成している。
上記光源ユニットのホルダ部材410は、その円筒部4101が光学ハウジングの取り付け壁411に設けた基準孔4111に嵌合され、取り付け壁411の表面からスプリング611を挿入してストッパ部材612を円筒部突起4103に係合することで、取り付け壁411の裏側に密着して保持される。これによって上記光源ユニットが保持されている。スプリング611の一端を取り付け壁411の突起4112に引っかけ、スプリング611の他端を光源ユニットに引っかけることで、光源ユニットに円筒部中心を回転軸とした回転力を発生させている。この光源ユニットの回転力を係止するように調整ネジ613が設けられており、調整ネジ613により、光軸の周りであるθ方向にユニット全体を回転し、ピッチを調整することができるように構成されている。光源ユニットの前方にはアパーチャ415が配置され、アパーチャ415には半導体レーザごとに対応したスリットが設けられ、光学ハウジングに取り付けられて光ビームの射出径を規定するように構成されている。
図12に、光源ユニットの別の構成例を示す。
図12において、4個の発光源を持つ半導体レーザ703からの各光ビームは、ビーム合成手段を用いて合成するように構成されている。
この構成例は、光源が半導体レーザ703一つであり、これに応じて押さえ部材706も一つである点で上記構成例と相違するが、これ以外については同様である。
図13に、光源ユニットの別の構成例を示す。
図13は、4個の発光源を持つ半導体レーザアレイ801からの光ビームを、ビーム合成手段を用いて合成する例を示している。発光源が複数であることを除いては、図12と同様である。
図14に、本実施形態にかかる光走査装置を用いた画像形成装置の構成を示す。この画像形成装置は、タンデム型フルカラーレーザプリンタである。図14において、装置内の下部側には水平方向に配設された給紙カセット13から給紙される記録材(ここでは転写紙S)を搬送する搬送ベルト17が設けられている。搬送ベルト17にはイエロー(Y)用の感光体7Y、マゼンタ(M)用の感光体7M、シアン(C)用の感光体7C及びブラック(K)用の感光体7Kが、転写紙Sの搬送方向上流側から下流側に向けて順に等間隔で配設されている。なお、以下、符号に添え字Y、M、C、Kを付することで、各色用の部材を適宜区別するものとする。
感光体7Y、7M、7C、7Kは、全て同一径に形成されたもので、その周囲には、電子写真プロセスに従って各プロセスを実行するプロセス部材が順に配設されている。感光体7Yを例にとれば、帯電チャージャ8Y、光走査装置9の光走査光学系6Y、現像装置10Y、転写チャージャ11Y、クリーニング装置12Y等が順に配設されている。他色の感光体についても同様である。
感光体7Y、7M、7C、7Kの表面を各色ごとに設定された被走査面(又は被照射面)とするものであり、各々の感光体7Y、7M、7C、7Kに対して光走査装置9の光走査光学系6Y、6M、6C、6Kが1対1の対応関係で設けられている。ただし、図1と同様に、光偏向器5とこれに近い側の走査結像レンズL1は、四つの光走査光学系6Y、6M、6C、6Kで共通して使用しており、感光体(被走査面)7Y、7M、7C、7Kに近い側の走査結像レンズL2は、各光学系に対してそれぞれ設けられている。なお、複数の光源装置やカップリングレンズ、アパーチャ、シリンドリカルレンズ等の偏向器前光学系の図示は省略している。
搬送ベルト17は、駆動ローラ18と従動ローラ19とに支持されて図中の矢印方向に回転され、その周囲には、感光体7Yよりも上流側に位置するようにレジストローラ16とベルト帯電チャージャ20とが設けられている。また、感光体7Yよりも下流側には、ベルト分離チャージャ21、ベルト除電チャージャ22、ベルトクリーニング装置23が順に設けられている。また、ベルト分離チャージャ21よりも転写紙搬送方向下流側には加熱ローラ24aと加圧ローラ24bとからなる定着装置24が設けられ、排紙トレイ26に向けて排紙ローラ25で結ばれている。
このような概略構成のレーザプリンタにおいて、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、各感光体7Y、7M、7C、7Kを帯電チャージャ8Y、8M、8C、8Kで帯電した後、各感光体7Y、7M、7C、7Kに対してY、M、C、K用の各色の画像信号に基づき光走査装置9の各々の光走査光学系6Y、6M、6C、6Kによる光ビームの光走査で、各感光体表面に、各色信号に対応した静電潜像が形成される。これらの静電潜像は、各々の対応する現像装置10Y、10M、10C、10KでY、M、C、Kの各色のトナーにより現像されてトナー像となる。この画像形成プロセスにタイミングを合わせて給紙カセット13内の転写紙Sが給紙ローラ14と搬送ローラ15とによって給紙され、レジストローラ16により搬送ベルト17に送り出される。搬送ベルト17に給紙された転写紙Sは、ベルト帯電チャージャ20の作用により搬送ベルト17に静電気的に吸着されて感光体7Y、7M、7C、7Kに向けて搬送され、各感光体7Y、7M、7C、7K上の画像が転写紙S上に順次転写されることにより重ね合わされ、転写紙S上にフルカラー画像が形成される。このフルカラー画像が転写された転写紙Sは、ベルト分離チャージャ21により搬送ベルト17から分離されて定着装置24へ搬送され、定着装置24にてフルカラー画像が転写紙Sに定着された後、排紙ローラ25により排紙トレイ26に排紙される。
上記画像形成装置の光走査光学系5Y、5M、5C、5Kを本実施形態にかかる光走査装置とすることで、十分に小型でありながら高品位な画像再現性が確保された画像形成装置を実現できる。
本実施形態にかかる光走査装置の実施例について説明する。
表1〜3に実施例1にかかるレンズの形状を、表4〜6に実施例2にかかるレンズの形状を、表7〜9に実施例3にかかるレンズの形状をそれぞれ示す。また、実施例1〜3にかかるレンズの光学性能を表10に示す。
Figure 2008020649
Figure 2008020649
Figure 2008020649
Figure 2008020649
Figure 2008020649
Figure 2008020649
Figure 2008020649
Figure 2008020649
Figure 2008020649
Figure 2008020649
図15に、実施例1〜3にかかるレンズのリニアリティ特性を示す。図15(a)〜(c)に示すように、本実施形態においては、異なる主走査形状を有する走査光学系間のリニアリティ特性の差は十分に(0.2未満に)低減されている。
図16(a)、図17(a)、図18(a)に第2レンズ群の主走査断面形状を示す。
図16(b)、図17(b)、図18(b)は、各実施例における|D1|−|D2|を表すが、いずれの例においても、|d1max|−|d2max|である。
図16(c)、図17(c)、図18(c)は、各実施例における(|Din|−|Dout|)・Yを示す。図から明らかなように、斜入射角度の小さいレンズの湾曲量をより大きくすることで、斜入射角度が異なっていてもリニアリティ特性を略同一に補正できる。
なお、上記実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることなく様々な変形が可能である。
本発明の好適な実施の形態にかかる光走査装置の光学系の構成を示す図である。 斜入射片側走査方式の光走査装置の構成を示す図である。 水平入射片側走査方式の光走査装置が適用された画像形成装置の構成を示す図である。 光偏向器の構成を示す図であり、(a)は水平入射方式、(b)は斜入射方式の構成を示す。 第二レンズ群の形状を示す図である。 水平対向走査方式と斜入射対向走査方式とにおけるポリゴンミラーと出射光線との関係を示す図である。 斜入射光学系において波面収差が発生する原理を示す図である。 特殊チルト偏心面の概念を示す図であり、横軸は像高、縦軸はチルト偏心量を表す。 入射ビームが副走査方向にシフトした場合の射出ビームの変化を示す図である。 特殊チルト偏心面の有無による走査線曲がりの相違を示す図である。 マルチビーム光走査装置の光源の構成を示す図である。 マルチビーム光走査装置の光源の構成を示す図である。 マルチビーム光走査装置の光源の構成を示す図である。 斜入射片側走査方式の光走査装置が適用された画像形成装置の構成を示す図である。 走査光学系のリニアリティ特性の一例を示す図である。 レンズの主走査断面形状、肉厚変化、及び斜入射角度とレンズ高さとの関係を示す図である。 レンズの主走査断面形状、肉厚変化、及び斜入射角度とレンズ高さとの関係を示す図である。 レンズの主走査断面形状、肉厚変化、及び斜入射角度とレンズ高さとの関係を示す図である。
符号の説明
1 光源
2 カップリングレンズ
3 シリンドリカルレンズ
5 回転多面鏡
6 光走査光学系
7 被走査面
9 光走査装置
10 現像装置
11 転写チャージャ
12 クリーニング装置
13 給紙カセット
14 給紙ローラ
15 搬送ローラ
16 レジストローラ
17 搬送ベルト
18 駆動ローラ
19 従動ローラ
20 ベルト帯電チャージャ
21 ベルト分離チャージャ
22 ベルト除電チャージャ
23 ベルトクリーニング装置
24 定着装置
24a 加圧装置
24b 加熱装置
25 排紙ローラ
26 排紙トレイ
403、404、703 半導体レーザ
405、705 ベース部材
406、407、706 押さえ部材
408、409、708 コリメートレンズ
410、710 ホルダ部材
411、711 取り付け壁
412、413、713、7056、7057、4056、4057 ネジ
415 アパーチャ
611 スプリング
613 調整ネジ
4031、4041 円筒状ヒートシンク
4053 円筒状係合部
4054、4055、7054、7055 取り付けガイド面
4101、7101 円筒部
4102、7102 貫通孔
4103、7103 円筒部突起
4111、7111 基準孔
4112 突起
L1 第1走査結像レンズ
L2 第2走査結像レンズ
S 転写紙

Claims (10)

  1. 複数の光源装置からの光ビームを光偏向器の同一面で偏向し、それぞれ異なる被走査面に結像させて走査する光ビーム走査装置であって、
    複数の前記光ビームは、前記光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に複数の大きさの角度を持って入射するとともに、
    結像光学系は、同一偏向面で偏向走査された全ての前記光ビームが共に通過する第1のレンズ群と、前記各被走査面ごとに設けられた第2のレンズ群とからなり、
    前記第2のレンズ群を構成するレンズの面のうちの少なくとも一面は副走査方向に曲率を持たないとともに、主走査断面内における前記第2のレンズ群の入射面の走査端に向かう光束の通過点と面頂点を含み基準軸と直交する平面から基準軸方向の距離が、副走査方向の斜入射角度ごとに異なっていることを特徴とする光ビーム走査装置。
  2. 前記主走査断面内における前記第2のレンズ群の入射面の走査端に向かう光束の通過点と面頂点を含み基準軸と直交する平面からの基準軸方向の距離のうち、最も斜入射角度が大きいレンズの入射面のものをdout、最も斜入射角度が小さいレンズの入射面のものをdin、走査端に対応したレンズ高さの絶対値をYmaxとするとき、(|din|−|dout|)・Ymax>0、であることを特徴とする請求項1記載の光ビーム走査装置。
  3. 前記第2のレンズ群の周辺像高の主走査断面内における肉厚は、偏向面に対する副走査方向の入射角が小さいほど厚いことを特徴とする請求項2記載の光ビーム走査装置。
  4. 前記第2のレンズ群の入射面の走査端に向かう光束の通過点と面頂点を含み基準軸と直交する平面との基準軸方向の距離をd1max、前記第2レンズ群の射出面の走査端に向かう光束の通過点と面頂点を含み基準軸と直交する平面との基準軸方向の距離をd2maxとしたとき、
    |d1max|−|d2max|>0
    であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の光ビーム走査装置。
  5. 前記第2のレンズ群を構成する各レンズは、入射面が副走査方向に曲率を有し、射出面は副走査方向に曲率を持たないことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の光ビーム走査装置。
  6. 前記第2のレンズ群を構成するレンズの面のうち少なくとも一面は、光学面基準軸からの距離に応じて副走査方向のチルト偏心角度が変化する特殊チルト偏心面であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の光ビーム走査装置。
  7. 中心像高への光束が、前記第2のレンズ群の基準軸近傍を通過することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の光ビーム走査装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の光ビーム走査装置を光走査手段として備えることを特徴とするマルチビーム光走査装置。
  9. 請求項1から7のいずれか1項記載の光ビーム走査装置を電子写真プロセスにおける書き込み手段として備えることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項8記載のマルチビーム走査装置を電子写真プロセスにおける書き込み手段として備えることを特徴とする画像形成装置。
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