JP2007025536A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 斜入射方式を採用した際に発生する、走査線曲がりの問題、波面収差劣化の問題を解決でき、且つ、低コスト、小型化に適した光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 光偏向器15から被走査面までの経路上に、複数の光ビームで共用される第1の走査レンズ16と、各被走査面毎に個別に設けられた第2の走査レンズ17と、を設ける。第1の走査レンズは、副走査方向に湾曲した複数の母線からなるレンズ面を少なくとも1面有する。また、第2の走査レンズ17は、副走査方向に強い屈折力を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 光偏向器15から被走査面までの経路上に、複数の光ビームで共用される第1の走査レンズ16と、各被走査面毎に個別に設けられた第2の走査レンズ17と、を設ける。第1の走査レンズは、副走査方向に湾曲した複数の母線からなるレンズ面を少なくとも1面有する。また、第2の走査レンズ17は、副走査方向に強い屈折力を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光走査装置及び画像形成装置に関し、特に、斜入射方式の光学系において生じる「走査線曲がり」の問題と、「波面収差劣化」の問題と、を解決する光走査装置及び画像形成装置に関する。
近年、感光体上のトナー像を記録紙に転写することで画像を出力するレーザプリント式の画像形成装置が広く利用されている。該画像形成装置では、光走査装置においてレーザ光源からの光ビーム(レーザ光)を偏向/走査し、該光ビームを予め一様に帯電した感光体上に照射することで感光体上に静電潜像を形成する。そして、該静電潜像をトナー現像することでトナー像を形成し、該トナー像を記録紙上に転写することで画像を形成(出力)する。
上記画像形成装置の光走査装置について詳述する。光走査装置は、レーザ光源と、(複数の)光学系レンズと、ポリゴンミラー・ポリゴンモータからなる光偏向器と、から構成される。レーザ光源からの光ビームは正多角柱形状のポリゴンミラーの一側面で反射され、該反射光はfθレンズ等の走査結像光学系により被走査面である感光体に向けて集光され、光スポットを形成する。該光スポットは、ポリゴンミラーがポリゴンモータにより回転駆動することで、被走査面上を主走査方向で光走査する。
また、レーザプリント式の画像形成装置には、感光体や現像装置からなる作像ユニットをシアン、マゼンタ、イエロ、ブラックなどの各色トナー毎に設け、該作像ユニットを記録紙の進行方向に直列配置した、いわゆるタンデム型画像形成装置と呼ばれるものがある。このタンデム型画像形成装置では、作像ユニットで形成された各色トナー像を記録紙上に重ねて転写することでカラー画像を出力する。
このようなタンデム式画像形成装置に関する技術として、ポリゴンミラーを2段重ねした光偏向器により、水平入射される複数の光ビームを偏向走査するレーザ走査光学装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このように複数の被走査面で光偏向器を共用すれば光偏向器の数を減らすことができるので、画像形成装置をコンパクト化することが可能となる。
しかし、上記の技術では、複数の感光体に向かう光ビームを副走査方向に略平行に並べて光偏向器に入射させるので、光偏向器のポリゴンミラーを2段重ね配置する必要や厚くする必要があり、ポリゴンミラーが高さ方向(副走査方向)に大型化してしまうという問題点がある。また、ポリゴンミラーのコストは高いので、画像形成装置全体の低コスト化を図る場合において弊害となる。
上記の技術は、他にも、偏向光束の偏向の起点が変動する所謂「サグ」が像高:0に対して非対称に発生するので走査光学系の設計が難しいという点、ポリゴンミラーが大きいので高速回転に大きなエネルギーが必要となる点、回転体としてのイナーシャが大きく起動時間が長いという点、該ミラーを高速回転させたときの「風切り音」が大きいので防音手段を大型化せざるを得ない点、などの問題点を有する。
そこで、近年では、光偏向器のポリゴンミラーの偏向反射面に、水平ではなく副走査方向に角度を持たせて光ビームを入射させる斜入射方式の光走査装置が提案されている(例えば、特許文献2)。この斜入射方式では、複数の光ビームはポリゴンミラーの偏向反射面に対し副走査方向に角度を持って入射する。各光ビームは該角度に応じて偏向反射され、各々対応する被走査面(感光体)に折返しミラーなどで導かれる。
この斜入射方式では光偏向器のポリゴンミラーを大型化することなく、すなわちポリゴンミラーの副走査方向への多段化・厚肉化をすることなく、複数の光ビームを単一のポリゴンミラーで偏向することが可能となる(図15参照)。また、斜入射方式の他のメリットとしては、ポリゴンミラーの薄厚化・小径化により高速回転が可能となる点、回転体としてのイナーシャが小さく高速起動が可能となる点、該ミラーを高速回転させたときの「風切り音」が小さい点、「サグ」が発生しにくい点、サグが発生したとしても像高:0に対して対称に発生するので補正が容易である点、などが挙げられる。
しかし、この斜入射方式においては、走査線曲がりの発生、波面収差の劣化といった画像品質に悪影響を与える問題が生じる。以下、この2つの問題について詳述する。
『走査線曲がり』について、図12を参照して説明する。ポリゴンミラー1により反射された光ビームはポリゴンミラー〜被走査面間の経路上の走査レンズに入射する。このとき、該光ビームが副走査方向に角度を持って入射し、且つポリゴンミラー1の回転具合に応じてポリゴンミラー1の偏向反射点と走査レンズとの距離が変化することから、走査レンズに入射する光ビームの軌跡(走査線)は直線ではなく湾曲した円弧形状となる(図中、「主光線軌跡」)。
この湾曲した走査線が走査レンズに入射するので、当然被走査面である感光体上にも湾曲した走査線が照射されることになる。これでは、形成される画像の主走査方向両端部が円弧状に歪んでしまう。また、この走査線曲がりの発生量は入射される光ビームの副走査方向の角度に応じて異なるので、各々の光ビームで描かれた潜像を各色のトナーにより重ね合わせ可視化した際に主走査方向両端部に色ズレが生じてしまう。
なお、水平入射方式の場合には光ビームは水平に進行し、走査レンズ上での副走査方向の入射位置が異なることが無いので、この走査線曲がりの問題は生じ得ない。
『波面収差劣化』について、図13を参照して説明する。図13(a)はポリゴンミラー1に入射する光ビームを主走査方向(上方)から見た状態を示し、(b)は(a)を副走査断面(横方向)で見た状態を示す。図中、Cは光ビームの中心光束、L,Rは光ビームの両端光束を示す。
図13(a)に示すように、光ビームは、主走査方向に一定の幅(L−R)を持つ。斜入射方式では、光ビームは副走査方向に角度を持って入射するので、該光ビームの光束はL、C、Rの順番で副走査方向の高さが異なる光束として反射される。よって、反射後の光ビームは反射前の光ビームと比較してねじれたものとなってしまう。反射前の光ビームと反射後の光ビームを比較したものを図14に示す。なお、このねじれによるねじれ量はポリゴンミラー1の回転に応じて変化し、走査線の主走査方向両端に行くほど増加する。
上記のように、反射した光ビームの光束がねじれてしまうと、波面収差(像界における理想球面波と実際の波面のズレ)が著しく劣化し、光ビームのスポット径が太る。スポット径が太ってしまうと、結像性能が劣化し、画質が低下してしまう。特に、走査線の主走査方向両端では波面収差の劣化・スポット径の太りが大きくなり、画質が荒くなる。
上述の斜入射方式の光走査装置において生じる「走査線曲がり」の問題、「波面収差劣化」の問題を解決する技術としては、次のものが提案されている。
特許文献3では、レンズ面の副走査断面に固有傾きを持たせることで走査線曲がりを補正するレンズを有する走査結像光学系が提案されている。また、特許文献4では、斜入射される光束を走査レンズの軸外を通し、走査レンズの子線の非球面量を主走査方向に沿って変化させる面を用いて走査線の位置を揃える光走査装置が提案されている。
また、特許文献5では、光軸が入射する光ビームと略平行で、且つ該回転非対称レンズのレンズ面の子線頂点を結ぶ母線形状は副走査方向に湾曲した曲線により成る回転非対称レンズを複数有する光走査装置が提案されている。
特許第3295281号公報
特開2003−5114号公報
特開平11−14932号公報
特開2004−70109号公報
特許第3450653号公報
しかし、上記特許文献3〜5の技術は、以下の問題点を有している。
特許文献3、特許文献4の技術では、斜入射方式の光走査装置に特有の「走査線曲がり」を極めて良好に補正することができるが、「波面収差劣化」については何ら解決策を提示していない。
また、特許文献5の技術では、「走査線曲がり」の問題とともに「波面収差劣化」の問題も解決しうるが、そのためには母線形状を副走査方向に湾曲させたレンズを光ビーム毎に個別に用意する必要がある。そのため、この技術をタンデム型画像形成装置の光走査装置に適用する場合、走査レンズを多数(少なくとも各光ビーム分)用意せねばならず、コスト面、装置の大きさ面で不利となる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、斜入射方式の光学系において生じる「走査線曲がり」の問題と「波面収差劣化」の問題とを解決でき、且つ、低コスト、小型化に適した光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、光ビームを出力する複数の光源装置と、前記複数の光源装置から出力された複数の光ビームを偏向走査する光偏向器と、前記光偏向器により偏向走査された前記複数の光源装置から出力された複数の光ビームを各々が対応する被走査媒体に集光させる走査光学系と、を有する光走査装置において、前記光源装置からの全ての光ビームは、前記光偏向器の反射面の法線に対し副走査方向に角度を持ち、前記走査光学系は、副走査方向に湾曲した複数の母線を持つレンズ面を少なくとも1面持つ第1の走査レンズを含んで成ることを特徴とする。
請求項1記載の発明により、母線湾曲面を有する第1の走査レンズで周辺像高における光束ねじれ(波面収差劣化)や走査面湾曲を補正することが可能となるので、高品位な画像再現性を実現することが可能となる。また、斜入射方式の光走査装置であるので、装置の低コスト化、装置サイズの縮小をも図ることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光走査装置において、前記第1の走査レンズは、前記複数の光源装置からの光ビームで共用されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の光走査装置において、前記第1の走査レンズは、前記走査光学系の中で、主走査方向に対して副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズよりも前記光偏向器に近い位置に配置されることを特徴とする。また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、前記第1の走査レンズは、前記複数の母線を持つレンズ面を前記光偏向器側にして配置されることを特徴とする。
請求項3及び4に記載の発明により、波面収差劣化補正、走査線曲がり補正を効率よく行うことが可能となる。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の光走査装置において、前記第1の走査レンズの前記複数の母線を持つレンズ面の副走査方向の各母線に対応する曲率半径は同符号であり、該レンズ面を正面から見た形状が凸型形状となっており、該レンズ面を構成する複数の母線の副走査方向の間隔が中心部で狭く周辺部で広いことを特徴とする。また、請求項6記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の光走査装置において、前記第1の走査レンズの前記複数の母線を持つレンズ面の副走査方向の各母線に対応する曲率半径は同符号であり、該レンズ面を正面から見た形状が凹型形状となっており、該レンズ面を構成する複数の母線の副走査方向の間隔が中心部で広く周辺部で狭いことを特徴とする。
請求項5、6に記載の発明により、第1の走査レンズにおいて、周辺部での光ビームが、より斜入射角度が増えるように偏向されるので、波面収差の補正がより良好に実施されることになる。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の光走査装置において、前記光偏向器の偏向反射面に入射する光ビームは、偏向反射面の法線に対し副走査方向に同一角度で且つ符号の異なる光ビームの対で構成され、前記第1の走査レンズの前記複数の母線の副走査方向中心を主走査方向に連ねた線は直線であることを特徴とする。
請求項7記載の発明により、片側のみの設計で逆側の母線湾曲形状も決定可能となるので、走査レンズ設計時の効率を上げることができる。
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の光走査装置において、前記走査光学系は、前記各被走査媒体に向かう光ビーム毎に設けられた第2の走査レンズを含み、前記第2の走査レンズは、主走査方向に対して副走査方向に強い屈折力を有することを特徴とする。
請求項8の発明により、主走査方向よりも副走査方向に強い屈折力を有する第2の走査レンズを用いて走査線曲がりを補正することが可能となるので、斜入射方式の光走査装置において生じる走査面湾曲を補正することが可能となり、高品位な画像再現性を実現することが可能となる。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の光走査装置において、前記第2の走査レンズは、前記走査光学系の中で最も前記被走査媒体に近い位置に配置されることを特徴とする。また、請求項10記載の発明は、請求項8または9に記載の光走査装置において、前記第2の走査レンズのレンズ面の少なくとも1面の母線は、副走査方向に湾曲していることを特徴とする。
請求項9、10に記載の発明により、走査線曲がりの補正を効率良く実行することが可能となる。
請求項11記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の光走査装置において、前記光源装置は、1つの光源装置で複数の光ビームを照射するマルチビーム光源装置であり、同一の被走査面を該複数の光ビームで同時に光走査することを特徴とする。
請求項11記載の発明により、一度に複数ラインの走査線を被走査面に光走査することが可能となるので、静電潜像形成の高速化、高密度化を図ることが可能となる。
請求項12記載の発明は、電子写真プロセス方式により画像を形成する画像形成装置であって、電子写真プロセスの露光プロセスを実行する手段として、請求項1か11のいずれか1項に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置である。また、請求項13記載の発明は、請求項12記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、少なくとも4以上の被走査面としての感光体を持つタンデム型画像形成装置であることを特徴とする。
請求項12、13記載の発明により、波面収差劣化や走査線曲がりなどの画質上の問題のない画像形成装置を提供することが可能となる。また、画像形成装置の低コスト化、小サイズ化を実現することが可能となる。
本発明によれば、母線湾曲面を有する第1の走査レンズ、副走査方向に屈折力を有する第2の走査レンズを解して被走査面に偏向走査することで、斜入射方式の光走査装置において生じる周辺像高における光束ねじれ(波面収差劣化)や走査面湾曲を補正することが可能となるので、高品位な画像再現性を実現することが可能となる。また、斜入射方式の光走査装置であるので、装置の低コスト化、装置サイズの縮小をも図ることができる。
以下、本発明の光走査装置について、実施形態に即して説明する。なお、以下の説明において、「主走査方向」は、偏向手段である光偏向器のポリゴンミラーの回転軸に垂直な方向、すなわち光偏向器により光ビームが偏向走査(光走査)される方向を示し、「副走査方向」は、偏向手段である光偏向器のポリゴンミラーの回転軸と平行な方向を示す。また、「主走査断面」は、主走査方向に平行な平面を示し、「副走査断面」は、主走査断面と垂直な断面を示す。
<光走査装置>
まず、図1、図2を参照して、本実施形態の光走査装置の構成について説明する。図1は、本実施形態の光走査装置の光学系構成の主走査断面図であり、図2は、同光学系構成の副走査断面図である。
まず、図1、図2を参照して、本実施形態の光走査装置の構成について説明する。図1は、本実施形態の光走査装置の光学系構成の主走査断面図であり、図2は、同光学系構成の副走査断面図である。
本実施形態の光走査装置10は、レーザ光源11と、カップリングレンズ12と、シリンダレンズ13と、折り返しミラー14と、光偏向器15と、走査光学系である第1の走査レンズ16と、第2の走査レンズ17と、から構成される。
なお、図1、図2においては、走査光学系として、第1の走査レンズ16と、第2の走査レンズ17と、を図示しているが、第3、第4の走査レンズがあってもかまわない。
レーザ光源11は、半導体レーザなどから構成され、光ビーム(レーザ光)を出力する。カップリングレンズ12は、レーザ光源11から出力された発散性の光束を以後の光学系に適した光束形態に変換する。なお、変換後の光ビームの光束は、平行光束、弱発散性光束、弱集束性光束などになる。
シリンダレンズ13は、カップリングレンズ12を通過した光ビームの光束を副走査方向に集光する。折り返しミラー14は、シリンダレンズ13を通過した光ビームを反射し、該光ビームを光偏向器15の偏向反射面に、副走査方向に所定の角度を持たせて入射させる。
なお、上記のレーザ光源11、カップリングレンズ12、シリンダレンズ13は、感光体や現像装置から成る作像ユニット毎に設けられている。
光偏向器15は、正多角柱形状のポリゴンミラー(図では正六角柱)と、該ミラーを回転駆動するポリゴンモータとから成り、ポリゴンミラーの柱体側面が光ビームを反射する偏向反射面となる。該偏向反射面において副走査方向に所定の角度を有する光ビームを反射するので、該偏向反射面で反射された光ビームもまた、副走査方向に所定の角度を有することとなる。つまり、入射光と反射光とは、反射偏向面の法線を基準に副走査方向に鏡像対称となる。
偏向反射面で反射された光ビームは、走査光学系である第1の走査レンズ16、第2の走査レンズ17を透過して被走査面(感光体)上に集光され、光スポットを形成する。該光スポットは、光偏向器15のポリゴンミラーが回転駆動することで等角速度的に偏向され、被走査面上を主走査方向に光走査する。
第1の走査レンズ16は、光偏向器15のポリゴンミラーの周囲近傍に設けられ、ポリゴンミラーで反射された各光ビームで共用される光学レンズであり、波面収差劣化補正、すなわち光束ねじれの補正を行う。また、第2の走査レンズ17は、最も被走査面よりに設けられ、第1の走査レンズを通過し異なる被走査面(感光体)に向かう光ビーム毎に設けられた光学レンズであり、走査線曲がりの補正を行う。
以下、第1の走査レンズ16、第2の走査レンズ17について詳述する。
<第1の走査レンズ>
まず、図3、図4を参照して、第1の走査レンズ16について説明する。図3は、第1の走査レンズ16を斜視したものを示し、図4は第1の走査レンズの副走査断面を示す。
まず、図3、図4を参照して、第1の走査レンズ16について説明する。図3は、第1の走査レンズ16を斜視したものを示し、図4は第1の走査レンズの副走査断面を示す。
まず、第1の走査レンズ16が、複数の光ビームにより共用される光学レンズである点について説明する。上述したように第1の走査レンズ16は、複数の光ビームすなわち異なる被走査面に向かう光ビームにより共用される。図4から、第1の走査レンズ16の基準軸に対し副走査方向に角度を有する光ビームが複数(図では2本)通過していることがわかる。なお、ここでいう基準軸とは、偏向反射面上の偏向反射点の法線を含む中心軸のことである。
第1の走査レンズ16は、光束ねじれ補正を光ビームの光束の副走査方向の角度を偏向することで行うが、光束の幅が小さいと該補正は困難となる。なので、第1の走査レンズ16は、主走査方向の光束幅が絞られている被走査面に近い位置ではなく、主走査方向の光束幅が絞られていない光偏向器15のポリゴンミラー近傍に配置する。
第1の走査レンズ16を共用することのメリットとしては、第1の走査レンズ16を共用しない場合と比べて、第1の走査レンズ16の枚数を減らすことができることが挙げられる。例えば、片側走査方式の光走査装置においては、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの各作像ユニットに向かう光ビームを単一の走査レンズで走査することができるので、走査レンズの数を大幅に減らすことが可能となる。また、対向走査方式の光走査装置においては、2色分の光ビームを単一の走査レンズで走査することができるので、走査レンズの数を減らすことができる。これにより、低コストに光走査装置を提供することが可能となる。
また、光偏向器15の近傍に位置する第1の走査レンズ16を異なる被走査面に向かう光ビームで共用することで、斜入射角をできるだけ小さく設定することが可能となるので、波面収差の発生、走査線曲がりの発生を抑制することが可能となる。
また、第1の走査レンズを共用せずに多段重ねで使用すると、複数の光ビームの副走査方向の間隔を広く取る必要があるため斜入射角が増大し、波面収差劣化、走査線曲がりが悪化してしまうが、第1の走査レンズ16を共用すればこの問題を回避することができる。また第1の走査レンズ16を多段重ねする場合の、多段固定のための接着や精度良い位置決めなどの組み付けにおける諸問題を回避することができる。
また、他のメリットとしては、部品点数を減らすことによる部品間のばらつきを抑えることが可能となる点が挙げられる。
次に、第1の走査レンズ16の副走査方向の屈折力について説明する。
第1の走査レンズ16の副走査方向に強い屈折力を付与した場合、副走査方向の高さが増すに連れ主走査方向の形状が大きく変化してしまう。これでは、温度変動や光学素子組み付け時の組み付け誤差などにより副走査方向で光ビームの入射位置がずれた場合に倍率誤差変動が大きく発生し色ずれなどが発生してしまう。
そこで、本実施形態の第1の走査レンズ16については副走査方向の屈折力を弱く設定する。このように設定することで、副走査方向に光ビームの入射位置がずれた場合の倍率誤差変動を小さくすることができ、色ずれの発生を抑えることができる。
なお、屈折力を与えない、すなわち、副走査方向の形状を完全な平面としてしまうと、副走査方向の像高間の倍率合わせや良好な結像性能を得るための設計パラメータが減ってしまい弊害となるので、副走査方向に弱い屈折力を与えておくほうが都合がよい。
次に、第1の走査レンズ16の形状について説明する。第1の走査レンズ16は、副走査方向に湾曲する母線を複数有するレンズ面を、少なくとも1面に有する。この複数の母線は異なる被走査面に導かれる光ビーム毎に設定されている。
この湾曲した母線を複数有するレンズ面において光ビームの進路を副走査方向に変化させ、光束ねじれ補正が行われる。なお、この母線湾曲面は、光ビームの入射側にあっても光ビームの出射側にあってもよい。また、その両方にあってもよい。図3では、光ビームの出射側に母線湾曲面を有している。
なお、走査光学系として第1の走査レンズ16しか有さない構成の光走査装置10の場合には、この母線湾曲面が光ビームの入射側に当たるように、すなわち、この母線湾曲面が光偏向器15側になるように配置する。このように配置することにより、走査光学系が、第1のレンズ16だけであっても有効に波面収差劣化補正、走査線曲がり補正を行うことができる。
母線が副走査方向に湾曲したレンズは、副走査方向のチルト偏芯量を主走査方向に変化させる、あるいは、副走査方向のシフト偏芯量を主走査方向に変化させるので、母線の湾曲量を最適に与えれば、主走査方向に走査される光ビームを所望の副走査方向に偏向することができで、光束ねじれを補正し、波面収差劣化補正を行うことが可能となる。
光束ねじれ量は、斜入射角、つまりポリゴンミラーの偏向反射面の法線に対する副走査方向の角度により異なる。なので、斜入射角に応じて、その斜入射角において生じる光束ねじれを補正し得る母線の湾曲量を与える必要がある。また、光束ねじれ量は、主走査方向両端(主走査方向入射角:大)において大きくなるので、この点も考慮して母線の湾曲量を与える必要がある。本実施形態の第1の走査レンズ16は、最適な補正を与える湾曲母線を複数有するので、各光ビームに最適な母線湾曲を与え、光束ねじれ補正(波面収差劣化補正)を行うことができる。
このような母線湾曲面の面形状は、以下の形状式により与えられる。
なお、上記形状式の各パラメータは、以下の通りである。
X,Y,Z:空間座標
RY:光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径
RZ:主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径
Y:光軸を基準とする主走査方向距離
A,B,C,D・・・:高次係数
X,Y,Z:空間座標
RY:光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径
RZ:主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径
Y:光軸を基準とする主走査方向距離
A,B,C,D・・・:高次係数
上記形状式において、(F0+F1・Y+F2・Y2+F3・Y3+F4・Y4+・・・)Zは、チルト量を表す部分であり、F0,F1,F2・・・、が全て0であるときは、チルト量を持たない。また、F0,F1,F2・・・、が0で無いとき、チルト量を持ち、該チルト量は主走査方向に変化することになる。
また、上記形状式において、Z0(Y)で表される式は、副走査方向シフト量を表す部分であり、Dが係数を持つ場合、シフト量は主走査方向に変化することになる。
また、上記形状式において、Cs(Y)で表される式は、主走査方向に応じて副走査方向の曲率が変化することを意味する。
第1の走査レンズ16の湾曲した母線を複数持つレンズ面は、上記式で表される面が副走査方向に複数並んで配置されることで一体的に成型されている。
なお、母線の湾曲は副走査方向のチルト偏芯あるいは副走査方向のシフト偏芯が主走査方向に変化していれば発生するため、上記式のDの項、Fの項のどちらでも表現可能である。但し、副走査方向の形状が平面である場合、シフト偏芯しても(Dの係数を設定しても)面形状は変わらず、母線という概念がなくなることから、本実施形態の第1の走査レンズ16からは除外する。
なお、本実施形態の第1の走査レンズの形状式は、上記の形状式に限定されるものではなく、同一の面形状を特定し得る別の形状式を用いてもよい。
<第2の走査レンズ>
第2の走査レンズ17について説明する。第2の走査レンズ17は、第1の走査レンズ16を透過した各光ビーム毎に個別に設けられており、光ビームの走査線曲がりを補正する。
第2の走査レンズ17について説明する。第2の走査レンズ17は、第1の走査レンズ16を透過した各光ビーム毎に個別に設けられており、光ビームの走査線曲がりを補正する。
この第2の走査レンズ17は、主走査方向よりも副走査方向に強い屈折力を持ち、光ビームを副走査方向に収束させる。これにより、走査線曲がりを補正するのである。なお、例えば、第2の走査レンズ17を副走査方向にシフト偏芯させる、あるいは副走査方向にチルト偏芯させることによっても走査線曲がりを改善することができる。
このような第2の走査レンズ17について、本実施形態の光走査装置10では、母線が副走査方向に湾曲しているレンズ面を少なくとも一面有する構成を持つ走査レンズを利用する。第2の走査レンズ17として母線湾曲面を有する走査レンズを利用することにより、主走査方向、つまり各像高における像点位置を副走査方向に補正し、走査線曲がりの補正を精度良く行うことが可能となる。
なお、このような走査線曲がりを補正するための母線湾曲面を有する光学レンズは、最も被走査面よりの走査レンズである第2の走査レンズ17で使用する。何故なら、光ビームの光束径は被走査面に近づく程小さくなるので、走査線曲がり補正のために光束の進行方向を変化させてもその影響は小さく、ポリゴンミラーに近い走査レンズで波面収差を補正した状態を劣化させること(補正後の光束を大きくスキューさせ波面を乱すことはない)を防ぐことができるからである。また、被走査面に近い走査レンズでは、各像高に向かう光ビームがよく分離されており、隣り合う光ビームの重なりが小さい。このため、母線の湾曲量(副走査方向のシフト偏芯量、チルト偏芯量)を細かく設定でき、走査線曲がり補正を良好に行うことが可能となる。
このような母線湾曲面は、上記形状式のCs(Y)で表すことができる。
<補正比較>
以下、本実施形態の光走査装置10による走査線曲がり補正、波面収差劣化補正について、図5、図6を参照して説明する。図5は、上述の光走査装置10に光ビームを斜入射させた際の、該光ビームの副走査断面の光束を示す。また、図6は、上記光走査装置10と同構成ながら母線湾曲面のない走査レンズを用いた光走査装置に光ビームを斜入射させた際の、該光ビームの副走査断面の光束を示す。
以下、本実施形態の光走査装置10による走査線曲がり補正、波面収差劣化補正について、図5、図6を参照して説明する。図5は、上述の光走査装置10に光ビームを斜入射させた際の、該光ビームの副走査断面の光束を示す。また、図6は、上記光走査装置10と同構成ながら母線湾曲面のない走査レンズを用いた光走査装置に光ビームを斜入射させた際の、該光ビームの副走査断面の光束を示す。
図5、図6において、各直線はカップリングレンズ12の後方に配置されるアパーチャの副走査方向中心且つ主走査方向両端の光ビームの光束(図中L、R)を示す。なお、図5、図6とも、被走査面の中心像高(被走査面上の±0mm)に向かう光束と、周辺像高(被走査面上の+150mm)に向かう光束について、図示している。
また、図5、図6において、横軸は偏向反射面から被走査面までの距離を表す。つまり、0が偏向反射面(ポリゴンミラー)を示し、360あたりが被走査面を示す。また、縦軸は副走査方向の高さを表す。
また、図5、図6において、レンズ1は第1の走査レンズ16を示し、レンズ2は第2の走査レンズ17を示す。なお、図6においては、L1、L2に母線湾曲面を有しないレンズを用いている。また、図中「仮想面」とは、L1とL2とを水平配置させるために設置された仮想ミラー面であり、実際には存在しない。
まず、図6で表される通常レンズを用いた光走査装置における光ビームの副走査断面光束について説明する。図6から、ポリゴンミラーで反射された光ビームは、周辺像高に向かう光ビームと、中心像高に向かう光ビームと、がレンズ1に副走査方向の高さを異ならせて入射していることがわかる。
この光ビームの光束において、中心像高に向かう光束については、第1の走査レンズ16´にほぼ垂直に入射するため、L、Rで副走査方向高さを異ならせておらず、それゆえ、波面収差は劣化せず良好なビームスポット径を保っている(図中では、LRが重なっている)。他方、周辺像高に向かう光束は、ポリゴンミラーから第1の走査レンズ16´までの光路長の違いにより、L、Rで副走査方向の入射高さが異なっている。なので、被走査面においても光ビーム光束は一点に集まらず、走査線曲がり、波面収差劣化が発生している状態となっている。
次に、図5で表される本実施形態の光走査装置10における光ビームの副走査断面光束について説明する。図5において、レンズ1(本実施形態の第1の走査レンズ16)は、周辺像高に向かう光束L、Rについて、第2の走査レンズ17への入射高さを高くしている。これにより、周辺像高に行くほど副走査方向に強い屈折力を持つ第2の走査レンズ17へ高い入射高さを持って入射するので被走査面において光ビームは集光し、走査面湾曲、波面収差劣化の発生が抑制された状態となっている。
上述のように、本実施形態の光走査装置10によれば、母線湾曲面を有する第1の走査レンズ16、第2の走査レンズ17により、周辺像高における光束ねじれ(波面収差劣化)や走査面湾曲を補正することが可能となるので、高品位な画像再現性を実現することが可能となる。また、斜入射方式の光走査装置10であるので、装置の低コスト化、装置サイズの縮小をも図ることができる。
<補足事項>
第1の走査レンズ16の形状について補足する。第1の走査レンズ16の形状は、湾曲した母線を複数持つレンズ面の副走査方向の曲率半径が同符号であり、該レンズ面が凸形状で且つ該レンズ面を形成する母線の副走査方向の間隔は中心が狭く周辺が広い形状であることが好ましい。このような形状の第1の走査レンズを図7(a)、図3に示す。または、図7(b)に示すように、湾曲した母線を複数持つレンズ面の副走査方向の曲率半径が同符号であり、該レンズ面が凹形状で且つ該レンズ面を形成する母線の副走査方向の間隔は中心が広く周辺が狭い形状であることが好ましい。
第1の走査レンズ16の形状について補足する。第1の走査レンズ16の形状は、湾曲した母線を複数持つレンズ面の副走査方向の曲率半径が同符号であり、該レンズ面が凸形状で且つ該レンズ面を形成する母線の副走査方向の間隔は中心が狭く周辺が広い形状であることが好ましい。このような形状の第1の走査レンズを図7(a)、図3に示す。または、図7(b)に示すように、湾曲した母線を複数持つレンズ面の副走査方向の曲率半径が同符号であり、該レンズ面が凹形状で且つ該レンズ面を形成する母線の副走査方向の間隔は中心が広く周辺が狭い形状であることが好ましい。
このような形状にすることにより、周辺部での光ビームについて、より斜入射角度が増えるように偏向され、その後副走査方向に強い屈折力を持つレンズへ入射されるので、波面収差の補正がより良好に実施されることになる。
また、上記の光走査装置10において、ポリゴンミラーの偏向反射面に入射する光ビームは、偏向反射面の法線に対し副走査方向に同一角度で且つ符号の異なる光ビームの対で構成され、第1の走査レンズ16の母線湾曲面の複数の湾曲母線の副走査方向の中心を主走査方向に連ねた線は直線であることが望ましい。すなわち、第1の走査レンズは、副走査方向において鏡像対称形状であることが望ましい。このような形状にすることにより、片側のみの設計で逆側の母線湾曲形状も決定可能となるので、走査レンズ設計時の効率を上げることができる。さらに、第1の走査レンズ16が主走査方向に対称な形状であれば、同レンズを上下反転させて使用することも可能となる。
また、上記のように鏡像対象形状にすることにより、ポリゴンミラーの偏向反射面にて偏向反射された以降の折返しミラーを全て省略した状態で、第2の走査レンズ17の形状を偏向反射面の法線と複数の母線の中心を主走査方向に連ねた直線を含む面に対し鏡面対称とすることが可能であり、設計効率を大幅に向上できる。更に、副走査方向の面形状を主走査方向に非対称に変化させる面を用いない場合、第2の走査レンズ17の共通化が可能となる。
<レーザ光源>
なお、上記の光走査装置10において、レーザ光源11として、複数の発光点を有する半導体レーザアレイや、単数の発光点もしくは複数の発光点を有する光源を複数用いたマルチビーム光源装置などを用い、複数の光ビームにより同一の被走査面(感光体)を同時に走査するような構成にするとなお良い。このように構成することにより、一度に複数ラインの走査線を被走査面に光走査することが可能となるので、静電潜像形成の高速化、高密度化を達成でき、出力画像形成の高速化、高密度化を図ることが可能となる。
なお、上記の光走査装置10において、レーザ光源11として、複数の発光点を有する半導体レーザアレイや、単数の発光点もしくは複数の発光点を有する光源を複数用いたマルチビーム光源装置などを用い、複数の光ビームにより同一の被走査面(感光体)を同時に走査するような構成にするとなお良い。このように構成することにより、一度に複数ラインの走査線を被走査面に光走査することが可能となるので、静電潜像形成の高速化、高密度化を達成でき、出力画像形成の高速化、高密度化を図ることが可能となる。
以下、このようなレーザ光源11であるマルチビーム光源装置の一形態について、図8〜図10を参照して説明する。図8〜図10は、それぞれマルチビーム光源装置の構成を示す。
図8のマルチビーム光源装置について説明する。本マルチビーム光源装置は、光ビームを出力する半導体レーザ101をベース部材102の裏側の嵌め込み孔に個別に嵌め込んでいる。なお、該嵌め込み孔は主走査方向に所定角度(本実施形態では約1.5°)傾斜しており、それゆえ、嵌め込み孔に嵌め込まれた半導体レーザ101も主走査方向に所定角度(約1.5°)傾斜している。
半導体レーザ101は、背面側を押え部材104により押えられることでベース部材102に固定される。なお、押え部材104はネジ、ビスによりベース部材102に固定される。半導体レーザ101の円筒状ヒートシンク部103には切り欠きが形成されており、この切り欠きと押え部材104の中心孔に形成された突起とを合わせることによって発光源の配列方向が決定されている。
また、ベース部材102にはコリメートレンズ105が固定接着されている。このコリメートレンズ105は、半導体レーザ101から射出した発散ビームが平行光束となるように、且つ、各々の半導体レーザ101からの光線が主走査面内で交差するように位置決めされ、固定接着されている。
ベース部材102はホルダ部材106にネジ、ビスにより固定接合され、光源ユニットを構成する。光源ユニットのホルダ部材106の円筒部107は、光走査装置の光学ハウジングの取り付け壁108に設けた基準孔に嵌め込まれ、取り付け壁108の表側よりスプリング109を挿入してストッパ部材110を円筒部107の突起に係合されており、この構成により取り付け壁108の裏側に密着して保持され、上記光源ユニットが保持されている。
スプリング109の一端を取り付け壁108に固定し、スプリング109の他端を光源ユニットに引っ掛けることで、光源ユニットには円筒部107を中心回転軸とした回転力が発生している。光源ユニットの近傍には、この回転力を調整するための調節ネジ111が設けられており、この調節ネジ111により光軸周りであるθ方向にユニット全体を回転しピッチ調節を行うことが可能となっている。
光源ユニットの前方には、半導体レーザ101毎に対応したスリットが設けられたアパーチャ112が配置されており、光ビームの射出径を規定する。
図9は、マルチビーム光源装置の他構成を示す。本マルチビーム光源装置では、4個の発光源を持つ半導体レーザ101´からの各光ビームが、ビーム合成手段により合成されて射出される。この構成においては、光源としての半導体レーザ101´が1個であり、これに応じて押え部材104が1個である点、アパーチャ112の開口が1つである点以外は図8のものと構成は同じであるので説明を省略する。
図10は、図9に示すマルチビーム光源装置に準ずる構成のものであって、4個の発光源を持つ半導体レーザアレイ101´からの光ビームを、ビーム合成手段を用いて合成する光源部とコリメートレンズ105を示す。他の構成要素については図8、図9のものと同様であるので、その図示、説明は省略する。
<画像形成装置>
次に、図11を参照して、上述した光走査装置10を用いた画像形成装置の一実施形態を説明する。図11は、本実施形態の光走査装置10を搭載したタンデム型画像形成装置200を示す。
次に、図11を参照して、上述した光走査装置10を用いた画像形成装置の一実施形態を説明する。図11は、本実施形態の光走査装置10を搭載したタンデム型画像形成装置200を示す。
画像形成装置200は、下部側には水平方向に配設された給紙カセット201から給紙される記録紙を搬送する搬送ベルト202が設けられている。この搬送ベルト202上には、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロ、ブラック)各色毎の感光体203が等間隔に設けられている。この感光体203の周囲には電子写真プロセスに従ったプロセスを実行する装置、すなわち、静電潜像を現像する現像装置204、感光体203を帯電させる帯電チャージャ205などが配置されている。
感光体203に静電潜像を書き込む書き込み装置は上述の光走査装置10から構成される。つまり、斜入射方式の光走査装置10であり、第1の走査レンズ16、第2の走査レンズ17を有する。
搬送ベルト202の下流側には、記録紙に転写されたトナー像を熱定着する定着装置206や記録紙を排紙トレイ208に排紙するための排紙ローラ207が設けられている。
このような概略構成において、例えば、フルカラーモード時には、各感光体203(CMYK)に対して各色の画像信号に基づく光ビームの光走査が光走査装置10によりなされ、各感光体203表面に各色信号に対応した静電潜像が形成される。これらの静電潜像は各色現像装置203で現像されてトナー像となり、搬送ベルト202上を搬送される記録紙上に順次転写されることにより重ね合わせられ、転写紙上にフルカラー画像が形成される。このフルカラー像は定着装置206で熱定着された後、排紙ローラ207により排紙トレイ208に排紙される。
本画像形成装置200においては、書き込み装置として上述の光走査装置10を利用しているので、斜入射方式の光走査装置において発生する「走査線曲がり」の問題、「波面収差劣化」の問題を解決し、色ズレが無く、高品位な画像再現性を達成できる画像形成装置を実現することができる。また、光走査装置の低コスト化、小サイズ化が達成されているので、画像形成装置の低コスト化、小サイズ化を実現することができる。
<付記事項>
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施形態の一例を示すものにすぎず、本発明の実施の形態を限定する趣旨のものではない。よって、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施を行うことが可能である。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施形態の一例を示すものにすぎず、本発明の実施の形態を限定する趣旨のものではない。よって、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施を行うことが可能である。
例えば、走査線曲がり補正と波面収差補正の機能を、第1の走査レンズ16、第2の走査レンズ17の母線湾曲面で完全に分離する必要は無く、主な機能を分離し、それぞれで最終性能(波面収差の補正、走査線曲がり補正)を得るようにしても良い。
10 光走査装置
11 レーザ光源
15 光偏向器
16 第1の走査レンズ
17 第2の走査レンズ
11 レーザ光源
15 光偏向器
16 第1の走査レンズ
17 第2の走査レンズ
Claims (13)
- 光ビームを出力する複数の光源装置と、前記複数の光源装置から出力された複数の光ビームを偏向走査する光偏向器と、前記光偏向器により偏向走査された前記複数の光源装置から出力された複数の光ビームを各々が対応する被走査媒体に集光させる走査光学系と、を有する光走査装置において、
前記光源装置からの全ての光ビームは、前記光偏向器の反射面の法線に対し副走査方向に角度を持ち、
前記走査光学系は、副走査方向に湾曲した複数の母線を持つレンズ面を少なくとも1面持つ第1の走査レンズを含んで成ることを特徴とする光走査装置。 - 前記第1の走査レンズは、前記複数の光源装置からの光ビームで共用されることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
- 前記第1の走査レンズは、前記走査光学系の中で、主走査方向に対して副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズよりも前記光偏向器に近い位置に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
- 前記第1の走査レンズは、前記複数の母線を持つレンズ面を前記光偏向器側にして配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記第1の走査レンズの前記複数の母線を持つレンズ面の副走査方向の各母線に対応する曲率半径は同符号であり、
該レンズ面を正面から見た形状が凸型形状となっており、
該レンズ面を構成する複数の母線の副走査方向の間隔が中心部で狭く周辺部で広いことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光走査装置。 - 前記第1の走査レンズの前記複数の母線を持つレンズ面の副走査方向の各母線に対応する曲率半径は同符号であり、
該レンズ面を正面から見た形状が凹型形状となっており、
該レンズ面を構成する複数の母線の副走査方向の間隔が中心部で広く周辺部で狭いことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光走査装置。 - 前記光偏向器の偏向反射面に入射する光ビームは、偏向反射面の法線に対し副走査方向に同一角度で且つ符号の異なる光ビームの対で構成され、
前記第1の走査レンズの前記複数の母線の副走査方向中心を主走査方向に連ねた線は直線であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光走査装置。 - 前記走査光学系は、前記各被走査媒体に向かう光ビーム毎に設けられた第2の走査レンズを含み、
前記第2の走査レンズは、主走査方向に対して副走査方向に強い屈折力を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光走査装置。 - 前記第2の走査レンズは、前記走査光学系の中で最も前記被走査媒体に近い位置に配置されることを特徴とする請求項8記載の光走査装置。
- 前記第2の走査レンズのレンズ面の少なくとも1面の母線は、副走査方向に湾曲していることを特徴とする請求項8または9に記載の光走査装置。
- 前記光源装置は、1つの光源装置で複数の光ビームを照射するマルチビーム光源装置であり、
同一の被走査面を該複数の光ビームで同時に光走査することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光走査装置。 - 電子写真プロセス方式により画像を形成する画像形成装置であって、
電子写真プロセスの露光プロセスを実行する手段として、請求項1か11のいずれか1項に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、少なくとも4以上の被走査面としての感光体を持つタンデム型画像形成装置であることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
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