JP2008020473A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜め入射方式の光走査装置において、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正する。
【解決手段】複数の光ビームが光偏向器5の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持って入射し、偏向された後、各々異なる被走査面7に集光される光走査装置において、光偏向器と被走査面の間には複数の光ビームで共用される第一の光学素子L1と、第一の光学素子より被走査面側に配置され複数の光ビームで共用される第二の光学素子L2を備え、第一の光学素子と第二の光学素子、もしくは第二の光学素子のみで被走査面に集光する機能を有し、第一の光学素子は少なくとも光偏向器の偏向反射面の法線に対する副走査方向の入射角度に対し、射出する角度を中心から主走査方向周辺に向かい大きくさせる機能を有し、第二の光学素子は主走査方向、副走査方向共に正の屈折力を持つ構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、光走査装置及び、その光走査装置を備えたデジタル複写機、レーザプリンタ、レーザプロッタ、レーザファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置に関する。
デジタル複写機やレーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に関連して広く知られている光走査装置は、一般に、光源装置から出射された光ビームを光偏向器により偏向させ、fθレンズ等の走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットで被走査面を光走査(主走査)するように構成されている。被走査面の実体をなすものは光導電性の感光体等である感光媒体の感光面である。
また、フルカラー画像形成装置の一例として、4つの感光体を記録紙の搬送方向に配列し、これらの各感光体に対応した複数の光源装置から放射された光ビームの光束を1つの偏向手段により偏向走査し、各感光体に対応する複数の光走査光学系により各感光体に同時に露光して潜像を作り、これらの潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各々異なる色の現像剤を使用する現像器で可視像化した後、これらの可視像を同一の記録紙に順次重ね合わせて転写し、定着することで、カラー画像を得られるように構成されている。
このように、光走査装置と感光体の組み合わせを2組以上用いて、2色画像や多色画像、カラー画像等を得るようにした画像形成装置は「タンデム型画像形成装置」として知られている。また、このようなタンデム型画像形成装置として、以下のような複数の感光媒体が単一の光偏向器を共用する方式のものが開示されている。
(1) 偏向器の両側より光束を入射し、光束を振り分けて走査する対向走査方式(特許文献1、特許文献2等参照)。
(2) 略平行でかつ副走査方向に離れた複数の光束を光偏向器に入射し、複数の光束に対応する複数の走査光学素子を副走査方向に並べて走査する方式(特許文献3等参照)。
(3) 光偏向器の片側より光束を入射し、光偏向器で偏向された光束を3枚構成の走査結像光学系を用いて結像走査する方式であり、第1、第2の走査レンズは異なる被走査面に向かう複数の光束が通過し、第3の走査レンズは各被走査面毎に設けられている方式(特許文献4、特許文献5、特許文献6等参照)。
上記の方式のように、複数の被走査面で光偏向器を共用すると、光偏向器の数を減らすことができ、画像形成装置をコンパクト化・低コスト化することが可能になる。
しかしながら、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4つの異なる被走査面(感光体)を持つフルカラー対応の画像形成装置の光走査装置としては、光偏向器の数を減らすことは可能だが、副走査方向に複数の感光体に向かう光ビームを略平行に並べて光偏向器に入射させるため、ポリゴンミラー等の光偏向器が副走査方向に大型化するという課題がある。
さらに最近では、カラー画像形成装置の光走査装置において、単一の光偏向器にして低コスト化を図る手段として、特許文献7に記載の従来技術の如く、光偏向器の偏向反射面に副走査方向に角度を持って光ビームを入射させる斜め入射光学系が知られている。前記斜め入射光学系は、複数の光ビームがそれぞれ偏向反射面で偏向反射された後に、各々対応する被走査面(感光体)に、折返しミラーなどで分離され導かれる。この時、それぞれの光ビームの副走査方向の角度(光偏向器に斜め入射する角度)は、前記ミラーで各光束が分離可能な角度に設定されている。
この斜め入射光学系を用いることで、前記ミラーで各光束が分離可能な副走査方向の隣接する光ビームの間隔を、光偏向器の大型化(副走査方向へのポリゴンミラーの多段化、厚肉化)無しに実現可能となる。つまり、光偏向器の偏向反射面の副走査方向の幅を大きくすること無く低コストな光走査装置が実現可能となる。例えば光偏向器としてポリゴンミラーを用いた場合、高速回転に大きなエネルギーを必要とすることなく、高速回転させたときの「風切り音」も小さくできる。
しかし、その反面、斜め入射方式の光学系においては、特に周辺像高において走査レンズに入射する光束がねじれて入射することで波面収差が増大し、光学性能が著しく劣化し、ビームスポット径が太ってしまい、高画質化を妨げる要因となる。また、中央近傍の像高においては光束のねじれは生じづらく、ビームスポット径は像高間での偏差が大きいという現象が現れる。
さらに、「走査線曲がり」が大きいという問題がある。この走査線曲がり発生量は、前記各光ビームの副走査方向の斜入射角により異なり、各々の光ビームで描かれた潜像を各色のトナーにより重ね合わせ可視化した際に、色ずれとなって現れてしまう。
斜め入射方式に固有の「大きな走査線曲がり」を補正する方法として、走査結像光学系に「副走査断面内におけるレンズ面の固有傾きを、走査線曲がりを補正するように主走査方向へ変化させたレンズ面を有するレンズ」を含める方法(特許文献8参照)や、走査結像光学系に「副走査断面内における反射面の固有傾きを、走査線曲がりを補正するように主走査方向へ変化させた反射面を有する補正反射面」を含める方法(特許文献9参照)等が提案されている。
また、特許文献10においては、斜め入射される光束を走査レンズの軸外を通し、走査レンズの子線の非球面量を主走査方向に沿って変化させる面を用いて走査線の位置を揃える方法が提案されている。この従来技術においては、1枚の走査レンズにて補正を行う例を挙げており、前記走査線曲がりの補正は可能であるが、以下に説明する波面収差増大によるビームスポット径の劣化については記述されていない。
先に説明したように斜め入射方式における問題の一つは、光線スキューにより周辺像高(走査線の両端部近傍)で波面収差の大きな劣化が発生し易いことである。このような波面収差が生じると、周辺像高で光スポットのスポット径が大径化してしまう。この問題を解決できないと、近来強く要請されている「高品質な光走査」を実現できない。上記特許文献10に記載の光走査装置では、斜め入射方式に特有の大きな走査線曲がりが極めて良好に補正されているが、上記波面収差の補正は十分とは言えない。走査線曲がりについては、先に説明した方法の他、折返しミラーや走査レンズの撓みを用いたり、シフト偏芯させる調整機構による補正、電気的な補正などの手段があるが、波面収差補正に関しては設計時点で補正を実施しないと調整による補正は困難であり、その課題は大きい。
斜め入射方式の問題点といえる上記「走査線曲がりと波面収差の劣化」を良好に補正できる光走査装置として、走査結像光学系に複数の回転非対称レンズを含め、これら回転非対称レンズのレンズ面の子線頂点を結ぶ母線形状を副走査方向に湾曲させたものが提案されている(特許文献11参照)。
しかし、上記「子線頂点を結ぶ母線形状を副走査方向に湾曲させたレンズ面」を有するレンズは母線を湾曲させることで諸問題を解決しており、入射光束に対応した個別の走査レンズが必要となるため、タンデム型の走査光学系に適用する場合、走査レンズの枚数が増大してしまう。
すなわち、同一のレンズに異なる被走査面に向かう複数の光束を入射させた場合、母線形状を湾曲させることにより一方の光束に対しては諸問題の解決がなされるが、他方の光束については走査線曲がりや波面収差を低減させることは難しい。したがって、入射光束に対応した個別の走査レンズが必要となる。
特開平11−157128号公報 特開平9−127443号公報 特開平9−54263号公報 特開2001−4948号公報 特開2001−10107号公報 特開2001−33720号公報 特開2003−5114号公報 特開平11−14932号号公報 特開平11−38348号公報 特開2004−70109号公報 特開平10−73778号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、低コスト、低消費電力、小型化に適した、斜め入射方式の光走査装置における走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正することができる、新規な構成の光走査装置を実現すること、及び、その光走査装置を備えた新規な構成の画像形成装置を実現することを課題とする。
より詳しく述べると、本発明は、斜め入射方式の光走査装置における波面収差の劣化を有効に補正した、低コストな構成の光走査装置を実現することを第1の目的とし、さらにカラー画像の高画質化に向け、色ずれの小さい光走査装置を実現することを第2の目的とする。
さらに本発明は、小型化や、マルチビームによる光偏向器である回転多面鏡の回転数低下による消費電力の低下など、環境を考慮した光走査装置を実現することを第3の目的とし、さらには、前記目的を達成する光走査装置を備えた新規な構成の画像形成装置を実現することを第4の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、複数の光源装置を備え、各光源装置からの光ビームは、光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持って入射し、前記光偏向器により偏向された後、各々異なる被走査面に集光される光走査装置において、前記光偏向器と前記被走査面の間には、複数の光ビームで共用される第一の光学素子と、該第一の光学素子より前記被走査面側に配置され、前記複数の光ビームで共用される第二の光学素子とを備え、前記第一の光学素子と前記第二の光学素子、もしくは、前記第二の光学素子のみで前記被走査面に集光する機能を有し、前記第一の光学素子は、少なくとも前記光偏向器の偏向反射面の法線に対する副走査方向の入射角度に対し、射出する角度を中心から主走査方向周辺に向かい大きくさせる機能を有し、前記第二の光学素子は、主走査方向、副走査方向共に正の屈折力を持つ、ことを特徴とする。
本発明の第2の手段は、第1の手段の光走査装置において、前記第一の光学素子は、副走査方向に曲率を持たない面で構成され、かつ主走査方向に応じて副走査方向のチルト偏芯角度が異なる特殊チルト偏芯面を持つことを特徴とする。
また、本発明の第3の手段は、第2の手段の光走査装置において、前記特殊チルト偏芯面は、入射する光ビームの光偏向器の偏向反射面の法線に対する角度の符号ごとに異なる面を持つことを特徴とする。
本発明の第4の手段は、第1の手段の光走査装置において、前記第一の光学素子は、主走査方向に応じて副走査方向の曲率半径が変化する特殊面を持つことを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第4の手段の光走査装置において、前記第一の光学素子は、副走査方向に負の屈折力を持つことを特徴とする。
さらに本発明の第6の手段は、第2乃至第5のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記特殊チルト偏芯面、もしくは、前記特殊面は、前記第一の光学素子の射出側の面であることを特徴とする。
本発明の第7の手段は、第1乃至第6のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記第一の光学素子は、主走査方向に屈折力を持たないことを特徴とする。
また、本発明の第8の手段は、第1乃至第7のいずれか1つの手段の光走査装置において、前記第二の光学素子と前記被走査面の間に第三の光学素子を配備し、該第三の光学素子は主走査方向、副走査方向共に屈折力を持たず、副走査方向に曲率を持たない面で構成され、かつ主走査方向に応じて副走査方向のチルト偏芯角度が異なる特殊チルト偏芯面を持つことを特徴とする。
本発明の第9の手段は、像担持体に対して帯電、露光、現像の電子写真プロセスを実行することによって前記像担持体上に画像を形成する画像形成装置において、前記電子写真プロセスのうちの露光プロセスを実行する手段として、第1乃至第8のいずれか1つの手段の光走査装置を具備し、被走査面である前記像担持体に露光を行なうことを特徴とする。
本発明の第10の手段は、像担持体に対して帯電、露光、現像の電子写真プロセスを実行することによって前記像担持体上に画像を形成する画像形成装置において、前記電子写真プロセスのうちの露光プロセスを実行する手段として、第1乃至第8のいずれか1つの手段の光走査装置を具備し、異なる被走査面として、少なくとも4つの像担持体を備え、前記光走査装置で4つの像担持体に対して露光を行なうことを特徴とする。
本発明では、複数の光源装置を備え、各光源装置からの光ビームは、光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持って入射し、前記光偏向器により偏向された後、各々異なる被走査面に集光される光走査装置において、前記光偏向器と前記被走査面の間には、複数の光ビームで共用される第一の光学素子と、該第一の光学素子より前記被走査面側に配置され、前記複数の光ビームで共用される第二の光学素子とを備え、前記第一の光学素子と前記第二の光学素子、もしくは、前記第二の光学素子のみで前記被走査面に集光する機能を有し、前記第一の光学素子は、少なくとも前記光偏向器の偏向反射面の法線に対する副走査方向の入射角度に対し、射出する角度を中心から主走査方向周辺に向かい大きくさせる機能を有し(例えば「副走査方向に曲率を持たない面で構成され、かつ、主走査方向に応じて副走査方向のチルト偏芯角度が異なる特殊チルト偏芯面」や「主走査方向に応じて副走査方向の曲率半径が変化する特殊面」)、前記第二の光学素子は、主走査方向、副走査方向共に正の屈折力を持つことにより、斜め入射方式の光走査装置における波面収差の劣化を有効に補正し、光学素子の点数を低減した低コストな光走査装置を実現することが可能である。
また、本発明の光走査装置では、前記特殊チルト偏芯面は、入射する光ビームの光偏向器の偏向反射面の法線に対する角度の符号ごとに異なる面を持たせることにより、偏向反射面の法線に対する副走査方向の角度を増大させること無く、良好な光学性能を維持し、光学素子を小型化し、低コストな光学素子を実現することができる。また、前記特殊チルト偏芯面、もしくは、前記特殊面を、前記第一の光学素子の射出側とすることで、ゴースト光の発生しない高品質な画像形成を実現可能となる。
さらに本発明では、前記第二の光学素子と前記被走査面の間に第三の光学素子を配備し、該第三の光学素子は主走査方向、副走査方向共に屈折力を持たず、副走査方向に曲率を持たない面で構成され、かつ主走査方向に応じて副走査方向のチルト偏芯角度が異なる特殊チルト偏芯面を持つことにより、カラー画像の高画質化に向け、「走査線曲がり」を良好に補正し、色ずれの小さい光走査装置を実現することができる。
さらに本発明では、光偏向器の小型化や、光偏向器の偏向反射面の薄肉化による消費電力の低下、低騒音など、環境を考慮した光走査装置を実現することができ、その光走査装置を用いて前記効果を達成する画像形成装置を実現することができる。さらに本発明では、高速、高密度に対応し、フルカラー画像形成装置における色ずれを低減することができる光走査装置の実現と、その光走査装置を用いて高速、高密度化を図ることができ、温度変動時においても色ずれ発生が小さい画像形成装置の実現が可能となる。
以下、本発明の構成、動作及び作用効果を、図示の実施例に基いて詳細に説明する。
[実施例1(第1、2、3の手段に対応)]
図1は本発明に係る光走査装置の一実施例を説明するための図であり、光走査装置の光学系を主走査断面(光軸を含み、光偏向器による偏向走査方向(主走査方向)に平行な平断面)に展開して示す光学系配置図である。
先ず、図1を参照して説明すると、光源装置1としての半導体レーザ(LD)から放射された発散性の光束はカップリングレンズ2により以後の光学系に適した光束形態に変換される。カップリングレンズ2により変換された光束形態は、平行光束であることも、弱い発散性あるいは弱い集束性の光束であることもできる。
カップリングレンズ2からの光束はシリンドリカルレンズ3により副走査方向に集光され、折返しミラー4で光路を折り返されて光偏向器としてのポリゴンミラー(あるいは振動ミラーを用いても良い)5の偏向反射面に入射する。また、この光源側からの光束は、ポリゴンミラー5の偏向反射面の法線に対して副走査方向に傾いて入射する。
このように偏向反射面の法線に対して副走査方向に傾いて入射する光ビームは、所望の角度に光源装置1、カップリングレンズ2、シリンドリカルレンズ3を傾けて配置しても良いし、前記折返しミラー4を用いて角度をつけても良い。また、シリンドリカルレンズ3の光軸を副走査方向にシフトすることで、偏向反射面に向かう光ビームに角度をつけても構わない。
ポリゴンミラー5の偏向反射面により反射された光束は、ポリゴンミラー5の等速回転とともに等角速度的に偏向し、第一、第二の光学素子L1,L2を透過して、被走査面7上に到達する。そして第二の光学素子L2、もしくは第一の光学素子L1と第二の光学素子L2により、偏向光束を被走査面7に向けて集光する。これにより、偏向光束は被走査面7上に光スポットを形成し、被走査面7の光走査を行う。
本発明の光走査装置の光学系の特徴について、タンデム型のカラー画像形成装置の光走査装置を例に挙げ説明する。ここでは一例として、図2に示すような片側走査方式の光走査装置について説明する。
図2は光偏向器(ポリゴンミラー)以降の光学系配置例を示す概略断面図である。図中の符号5は光偏向器(ポリゴンミラー)、L1は第一の光学素子、L2は第二の光学素子、M1〜M3は折り返しミラー、7は被走査面である感光体である。各感光体に付したY,C,M,Kは、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の画像が形成されることを示している。
図2において、複数の光源装置(図示せず)からの各光ビームは、同一の光偏向器(ポリゴンミラー)5の同一の偏向反射面に斜め入射される。各光ビームは、偏向反射面の法線を挟み副走査方向両側(図中のAの領域とBの領域)より入射している。全ての光ビームは、共通の光学素子L1,L2を透過後、副走査方向への折り返しミラーM1〜M3により分離され、対応する被走査面としての感光体7に導かれる。本実施例は、複数の光ビームで共用される第一、第二の光学素子L1,L2により構成されており、前記折り返しミラーは、偏向反射面の法線を挟み副走査方向片側、例えば図中Aの領域より入射される光ビームに対応する枚数は奇数枚であり、逆側、つまり図中Bの領域側から入射される光ビームに対応する枚数は偶数枚として配置されている(図中の光ビームは光偏向器5で偏向された後の光ビームであり、入射光は図中の光ビームの副走査方向反対側の領域からの入射となる)。この配置により、斜め入射光学系で発生する走査線曲がりの方向を一致させることができ、重ね合わせ画像による色ずれを低減することができる。
図2に示すように、偏向手段としてのポリゴンミラー5の偏向反射面で反射される、複数の光源装置(図示せず)からの光ビームをポリゴンミラー5の偏向反射面の法線に角度を持つ光ビーム、すなわち副走査方向に角度を持つ光ビームとすることで、光走査装置を構成する部品でコスト比率の高い光偏向器(ポリゴンミラー)5の副走査方向の幅を最小とし、コストを下げ、消費電力や騒音を低減可能な、環境を考慮した光走査装置を実現可能となる。
次に第一の光学素子L1と第二の光学素子L2について説明する。各々の光学素子は、図1、図2に示すように全ての光ビームで共用される。第二の光学素子L2は、主走査方向、副走査方向共に正の屈折力を持つ走査レンズである。副走査方向においては、光偏向器としてのポリゴンミラー5の偏向反射面と被走査面7を共役な関係とし、偏向反射面の副走査方向の倒れ、つまり面倒れを補正する光学系となっている。
第一の光学素子L1は、例えば図3に示すように、副走査方向に屈折力を持たず、副走査方向の形状は、曲率を持たない面で、主走査方向に副走査方向のチルト偏芯量が変化する特殊チルト偏芯面で構成されている。なお、図3(a)に記載のグラフは、主走査方向に副走査方向のチルト偏芯量が変化する状態を示している。
次に第一の光学素子L1の特殊チルト偏芯面について説明する。特殊チルト偏芯面の面形状は、以下の形状式による。ただし、この発明の内容は以下の形状式に限定されるものではなく、同一の面形状を別の形状式を用いて特定することも可能である。
第一の光学素子L1の特殊チルト偏芯面の面形状は、光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径をRY、光軸から主走査方向の距離をY、高次係数をA,B,C,D・・・とし、主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径をRZとすると、以下の形状式によって表せる。
X(Y,Z)=Y・Cm/{1+√[1-(1+K)・(Y・Cm)]}
+A・Y+B・Y+C・Y+D・Y10+E・Y12+・・・
+(Cs(Y)・Z)/{1+√[1-(Cs(Y)・Z)]}
+(F0+F1・Y+F2・Y+F3・Y+F4・Y+・・)Z
但し、
Cm=1/RY
Cs(Y)=1/RZ
とする。
なお、(F0+F1・Y+F2・Y+F3・Y+F4・Y+・・)Zは、チルト量を表す部分であり、チルト量を持たないときは、F0,F1,F2,・・・は全て0である。また、F1,F2,・・・が0で無いとき、チルト量は、主走査方向に変化することになる。
走査レンズの入射面の主走査方向の形状が、偏向反射面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状でない限り、像高により光偏向器の偏向反射面から走査レンズ入射面までの距離は異なる。本実施例における走査レンズとは第二の光学素子L2である。
通常、走査レンズL2を前記形状にすることは、光学性能を維持する上で困難である。つまり、通常の光ビームは、光偏向器5により偏向走査され、各像高にて主走査断面において、レンズ面に対し垂直入射することはなく、主走査方向にある入射角を持って入射する。
光偏向器5により偏向反射された光ビームの光束は、主走査方向にある幅を持っており、光束内で主走査方向の両端の光ビームは、光偏向器5の偏向反射面から走査レンズL2の入射面までの距離が異なり、副走査方向に角度を持っていることにより(斜め入射されているため)、走査レンズL2にねじれた状態で入射することになる。この結果、波面収差が著しく劣化し、ビームスポット径が太る。図1で示すが如く、主走査方向の入射角は、周辺像高に行くほどきつくなり、光束の主走査方向両端の光ビームの副走査方向の走査レンズL2への入射位置は大きくずれるため、光束のねじれは大きくなり、周辺に行くほど波面収差の劣化によるビームスポット径の太りは大きくなる。
波面収差の劣化は、特に副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズL2への入射時に、光束がねじれることにより大きく発生する。
光偏向器5としてのポリゴンミラーで反射された各光ビームは、走査レンズL2に副走査方向に高さを異ならせて入射する。中心像高においては、走査レンズL2にほぼ垂直に入射するため、光束内の各光ビーム(例えば、アパーチャの副走査方向中心、主走査方向両端の2本の光線)は副走査方向に高さを異ならせることなく走査レンズL2に入射している。このため、波面は劣化せず良好なビームスポット径を保つことができる。一方、周辺像高では、ポリゴンミラー5から走査レンズL2までの光路長の違いにより、光束内の各光ビームは副走査方向に入射高さが異なり周辺ほど強く屈折することで、被走査面7上では各光ビームは一点に集まらず、つまり波面収差が劣化している状態になり、ビームスポット径が劣化している。
波面収差の補正のためには、前記副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズL2への入射高さを補正し、被走査面上で一点に集光するようにする必要がある。このため、波面収差の補正を行うために用いる特殊チルト偏芯面は、副走査方向に最も強い屈折力を持つ走査レンズ、つまり本実施例においては第二の光学素子L2より、光偏向器側の光学素子(本実施例では第一の光学素子)L1に設ける必要がある。具体的には、第一の光学素子L1により周辺の光ビームを跳ね上げ、第二の光学素子L2の副走査方向の高い位置に入射させることで、波面収差の劣化(光束のねじれ)を補正可能となり、被走査面で各光ビーム(同一光束内)を一点に集光することができる。
さらに、特殊チルト偏芯面の副走査方向の形状を曲率を持たない平面形状としている理由について説明する。
副走査方向に曲率を付けた場合、副走査方向の高さ毎に主走査方向の形状が大きく変化し、温度変動、光学素子の組み付け誤差により副走査方向に光ビームの入射位置がずれた場合に倍率誤差変動が大きく発生し、カラー画像形成装置においては、各色間でのビームスポット位置がずれ、色ずれが発生してしまう。そこで、本発明の如く特殊面の副走査方向の面形状は、曲率を持たない平面形状とすることで、副走査方向の高さ毎に主走査方向の形状誤差を小さくでき、副走査方向に光ビームの入射位置がずれた場合の倍率誤差変動を小さくすることができ、色ずれの発生を抑えることができる。
実際には、特殊面を用いることで主走査形状は副走査方向の高さにより変化するが、その量は僅かであり、副走査方向に曲率を付けた場合に比べ主走査形状の変化を小さくできる。この結果、温度分布発生による光ビーム間での倍率変動の差は小さくでき、同期を取ることで書き出し位置と書き終わり位置を各光ビームで一致させたときの中間像高での色ずれを低減することができる。
また、図4は光学素子への入射光線が副走査方向にシフトした場合に、光学素子が副走査方向に屈折力を持つ場合と持たない場合の走査線曲がりとビーム径劣化の説明図であるが、図4(b)に示すが如く入射光線が副走査方向にシフトした場合、第一の光学素子L1の特殊面は屈折力を持たないため光線の進行方向もシフトするのみで、その方向の変化は小さい。また、副走査方向に曲率を持つ、つまり屈折力を持つ面では、図4(a)の如く入射光線が副走査方向にシフトした場合、屈折力が変わることにより光線の進行方向が変わる。各像高でこの進行方向の変化量が異なると、走査線曲がりが大きく発生してしまう。また、光束のスキューが発生し波面収差の劣化、ビームスポット径の劣化が生じる。以上の理由から、特殊面における副走査方向の形状は、曲率を持たない平面形状とする必要がある。
以上のように、本発明によれば、特殊チルト偏芯面により、斜め入射光学系の課題となる波面収差の劣化を補正可能となる。
本発明において、各光学素子を共用するメリットは、複数の被走査面7に向かう光ビームごとに走査レンズを設ける場合に対し、走査レンズの枚数を減らすことができ、低コストな光走査装置が提供できる点、また、斜め入射光学系の場合、走査レンズを共用せず2段重ねる場合には、複数の光ビームの副走査方向の間隔を広く取る必要があるため、斜め入射角が増大し、波面収差の劣化や走査線曲がりの発生が増大してしまうのを抑制する点、が上げられる。
走査レンズを異なる被走査媒体に向かう光ビームで共用し、斜め入射角をできるだけ小さく設定することで、波面収差の劣化を抑制することが可能となる。波面収差は前記面で補正可能であるが、その補正量が小さいほうが良いことは言うまでも無い。
また、本実施例の第一の光学素子L1は、図5に示すように、4つの異なる被走査面に向かう光ビームで共用されている。第一の光学素子L1の前記特殊チルト偏芯面は、光偏向器5の偏向反射面の法線に対し一方から入射する光ビームが通過する面と、他方から入射する面の2つの特殊チルト偏芯面により構成されている。
先の説明の通り、波面収差の補正のためには第一の光学素子L1により主走査方向の周辺に向かうにつれ入射光束の偏向反射面の法線に対する副走査方向の角度をより大きくさせて第二の光学素子L2(副走査方向に強い屈折力を持つ光学素子)に入射させる必要がある。このため、前記副走査方向の斜め入射の角度が、一方と他方でその符号(正(+)、負(−))が異なる場合、つまり偏向反射面の法線に対し異なる方向へ向かう光ビームにより、特殊チルト偏芯面の補正方向は異なる。そこで、光偏向器5の偏向反射面の法線に対し一方ら入射する光ビームが通過する面と、他方から入射する面の2つの特殊チルト偏芯面により構成することで、全ての光ビームの波面収差補正を実施可能としている。
実際には、同一符号においても副走査方向の角度が異なれば、波面収差補正のための特殊チルト偏芯面は各々に対応するよう最適設計することが望ましい。つまり、本実施例においては、副走査方向に4面の異なる面を持たせることが理想である。
しかしながら、同一符号の光ビームは副走査方向に近接しており、面を副走査方向に4分割することは難しく、更に分割する場合には副走査方向の角度を増大させる必要がある。副走査方向に角度を増大させると波面収差の劣化も大きくなり、光学性能が劣化してしまう。また、光学素子の副走査方向の大きさも増大し、コストアップになったり、光学素子の成型時の精度維持が難しくなる。
このため、本実施例においては同一符号の光ビームには同一の特殊チルト偏芯面を用い波面収差の補正を実施している。このとき、特殊チルト偏芯面は、波面収差の劣化の大きい外側の光ビーム(副走査方向の角度の大きい光ビーム)を良好に補正するようにするか、同一符号の複数の光ビームの副走査方向の角度の中間の仮想光ビームの波面収差補正を実施するように特殊チルト偏芯面の形状を設定することが望ましい。
また、光偏向器5の偏向反射面の法線に対し対称な副走査方向の角度で光ビームが配置されている場合、前記各特殊チルト偏芯面の形状は、副走査方向に鏡面対称な形状にすればよい。また、この場合には、光ビームの配置が、最も副走査方向の角度を小さく設定可能となる。
なお、本実施例では、片側走査方式を例に上げて説明したが、これに限定する物ではなく、例えば図6、図7に示すような、対向走査方式においても同様に実施することができ、同様の効果が得られる。
ここで、図6は対向走査方式の光走査装置の構成例を示す図であり、図7はタンデム型のカラー画像形成装置に適用した対向走査方式の光走査装置の一例を示す図である。図中の符号1は光源装置、2はカップリングレンズ、3はシリンドリカルレンズ、4は折り返しミラー、5は光偏向器(ポリゴンミラー)、5bは防音ガラス、L1は第一の光学素子、L2は第二の光学素子(走査レンズ)、M1〜M3は折り返しミラー、7は被走査面である光導電性の感光体である。
図6や図7に示すような対向走査方式の光走査装置においては、4つの光源装置1からの光束を1つの光偏向器5で2光束づつ2方向に振り分けて偏向走査するが、本発明では、前述の片側走査方式と同様に、斜め入射光学系を用いているので、光偏向器5の偏向反射面の法線に対し副走査方向に異なる角度を持つ複数の光源装置1からの光ビームの対を、図中左右より同一の光偏向器5の左右の反射面に斜め入射させることで、光偏向器5の偏向反射面を形成する多面体を一段で、かつ副走査方向の厚みを低減でき、回転体としてのイナーシャを小さくでき、起動時間を短くできる。そして、図6や図7に示すような対向走査方式における光偏向器では、一段のポリゴンミラーで構成でき、かつ、副走査方向の厚みを低減できるので、コストダウンが可能である。
つまり、本発明では、異なる被走査面(感光体)7に向かう全ての光ビームを、光偏向器(ポリゴンミラー)5の反射面の法線に対し角度を持つ、すなわち副走査方向に角度を持つ光ビームとすることで、光走査装置を構成する部品でコスト比率の高い光偏向器のコストを下げ、消費電力や騒音を低減可能な、環境を考慮した光走査装置が提供可能となる。また、左右に振り分けられる光ビームの対で第一の光学素子L1と第二の光学素子L2を共用することで、従来の光ビーム毎に走査レンズを設けていた光走査装置に比べて、よりコストダウンが可能である。
なお、本発明の光走査装置において、光偏向器5の偏向反射面への斜め入射角を小さく設定するためには、図6、図7に示すような構成の対向走査方式として、共用する光学素子L1,L2に入射する光ビームの数を減らし(図6、図7では共用する光学素子L1,L2に2ビームづつ入射)、斜め入射角を小さくすることが有利である。しかし、図2に示したような片側走査方式のように、全ての光ビーム(図2では4ビーム)で光学素子L1,L2を共用することで、走査レンズの枚数は最も少なくすることができ、低コストに有利になる。したがって、走査結像光学系6に求められるスペックによりどちらも選択可能である。特に、後に説明する特殊面においては、副走査方向の高い位置に入射するほど、波面収差補正に必要な副走査方向の偏向が同一面で容易に設定可能であるため、全ての光ビームで共用する走査レンズを持つ片側走査方式において有利な面となる。
本発明の光走査装置のように第一の光学素子L1や第二の光学素子(走査レンズ)L2を共有しない場合には、異なる光源装置1からの光ビーム毎、つまり異なる被走査面(感光体)7に向かう光ビーム毎に対応する走査レンズを副走査方向に並べて配置する必要がある。対向走査方式では少なくとも副走査方向に2段重ね、片側走査方式においては副走査方向に4段重ねが必要となる。この時、各走査レンズは、各光束に対応するレンズ面の有効範囲外にリブが必要となり、副走査方向に隣り合う光ビーム間の距離が離れて斜め入射角が増大し、光学性能の劣化が大きくなってしまう。斜め入射角を変えずに隣り合う光ビームの間隔を広げるためには、走査レンズを光偏向器から遠ざける必要があり、特に主走査方向に置いては屈折力を上げる必要があるため、レンズの肉厚が厚くなり、走査レンズが大型化しコストアップとなってしまう。さらに、重ねるレンズの固定のための接着工程、精度良い位置決めなど、組み付けにおける課題も生じてしまう。
また、共有されたレンズを一体的に成形することで部品点数を減らすことができ、部品間のばらつきを小さく抑えることが可能となる。例えば、図2に示すような片側走査方式の光走査装置においては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各被走査面7としての感光体に向かう光ビームの全てで光学素子(第一の光学素子L1、第二の光学素子(走査レンズ)L2)を共有することで、走査レンズの数を大幅に減らすことが可能となる。また、図6、図7に示すような対向走査方式の光走査装置においては、2色分の光ビームで光学素子(第一の光学素子L1、第二の光学素子(走査レンズ)L2)を共有することで、走査レンズの数を減らすことができる。つまり、各色に対応する光ビーム間での部品公差のばらつきを低減でき、各色間で安定した光学性能を得ることができる。
[実施例2(第1、4、5の手段に対応)]
次に波面収差補正の別の実施例について説明する。本実施例では、第一の光学素子L1に主走査方向に応じて副走査方向の曲率半径が変化する特殊面を用いて波面収差の補正を実施している。
ここで、特殊面について説明する。特殊面のレンズ面の面形状は、以下の形状式による。ただし、この発明の内容は以下の形状式に限定されるものではなく、同一の面形状を別の形状式を用いて特定することも可能である。
第一の光学素子L1の特殊面のレンズ面形状は、光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径をRY、光軸から主走査方向の距離をY、高次係数をA、B、C、D・・・とし、主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径をRZとすると、以下の形状式により表せる。
X(Y,Z)=Y・Cm/{1+√[1-(1+K)・(Y・Cm)]}
+A・Y+B・Y+C・Y+D・Y10+E・Y12+・・・
+(Cs(Y)・Z)/{1+√[1-(Cs(Y)・Z)]}
但し、
Cm=1/RY
Cs(Y)=1/RZ+aY+bY+CY+dY+eY+fY+gY
+hY+iY+jY10・・・
この面形状の特殊面を用い、中心から周辺に向け負の屈折力を強くし光ビームの跳ね上げ量、つまり、第二の光学素子L2への副走査方向の入射位置を調整するようにすることで、実施例1で説明したのと同様に、波面収差の補正が可能となる。このとき、第一の光学素子L1の中心近傍の副走査方向の屈折力は実施例1で説明した特殊チルト偏芯面と同様にゼロもしくは略ゼロとし、主走査方向周辺に向け負の屈折力を大きくすることで、周辺の波面収差のみを補正可能となる。前に説明したとおり、中心近傍においては光束がスキューすることが無いため斜め入射により生じる波面収差の劣化は小さい。
このような特殊面は、光偏向器5の偏向反射面の法線に対し一方から入射する光ビームが通過する面と、他方から入射する面を共通の面形状で構成可能である。前記説明の図2に示す片側走査方式の光走査装置のように、第一の光学素子L1を全ての光ビームが透過する構成や、図6、図7に示す対向走査方式の光走査装置のように、2つの異なる被走査面に向かう光ビームが透過する構成の、どちらにおいても、同一の面形状で対応可能となる。
次に第一の光学素子L1は、中心においても負の屈折力を持つ場合について説明する。
本発明は、第一の光学素子L1と第二の光学素子L2を複数の光ビームで共用する。このため、各光学素子L1,L2の配置位置は光偏向器5に近づける必要がある。第二の光学素子L2の透過後に各々の光ビームは対応する被走査面7に導かれるために、折返しミラーM1〜M3などの光路分離手段を用いて分離される。このため、光走査装置の小型化のためには、共用される光学素子はなるべく光偏向器5に近いことが望ましい。また、このように光偏向器5に近づけることにより、光学素子の副走査方向の高さも小さく設定でき、光学素子の小型化、低コスト化を達成可能となる。
一方で、副走査方向に大きな屈折力を持つ第二の光学素子L2の配置位置が光偏向器5に近いということで、本走査光学系の副走査方向の倍率は大きくなり拡大系の光学系となる。拡大系となることで同じビームスポット径を狙う場合の光量確保には有利となるが、光源装置1から被走査面7の間に配置される光学素子の部品の加工ばらつきや、組み付け時のばらつきによる光学性能の変動が大きくなる。
そこで、第一の光学素子L1の副走査方向の屈折力を負とすることで倍率を下げることが可能となり、光学性能を安定させることが可能となる。
これは、倍率を下げるために新たに光学素子を追加するのではなく、波面収差補正のための第一の光学素子L1を用いているため、部品点数を増やすことなく、良好で安定した光学性能の実現が可能となる。
[実施例3(第6、7の手段に対応)
実施例1で説明した特殊チルト偏芯面、または実施例2で説明した特殊面は、第一光学素子L1の射出側の面に配置することが望ましい。先の説明の如く、特殊チルト偏芯面、特殊面ともに、波面収差補正のためには光ビームを周辺で跳ね上げる必要がある。つまり、特殊面では副走査方向に負の屈折力を持ち、特殊チルト偏芯面では射出側であればレンズ面が副走査方向にチルト偏芯する。
第一の光学素子L1の入射面に各々の面を設けても同様の効果は得られるが、特殊面、特殊チルト偏芯面ともに、同面での反射光が光偏向器5に戻る方向に面が形成されてしまう。この反射光が光偏向器5やその他の光学素子により再度反射され走査されると、被走査面上に正規の光ビーム以外の光ビーム(ゴースト)として結像し、画像品質を著しく低下させる可能性がある。このため、第一の光学素子L1の射出面側に特殊チルト偏芯面、または特殊面を設け、反射光が光偏向器側に戻らない構成にすることが望ましい。
さらに、第一の光学素子L1は主走査方向に屈折力を持たないことが望ましい。第一の光学素子L1は平行平板状の光学素子とすることで、光学素子は均肉となり、その材質を樹脂とした場合において成形がしやすく形状精度が向上する。
もちろんより良好な光学性能を得るために第一の光学素子L1が屈折力を持っても良いが、上記理由から第一の光学素子L1に屈折力を持たせないことにより、加工面の課題が解消される。
[実施例4(第8の手段に対応)]
本発明の第8の手段では、図8に示すように、光走査装置の走査結像光学系6の第二の光学素子L2と被走査面7の間の光路に、副走査方向に曲率を持たない第三の光学素子L3を配置し、この第三の光学素子L3の少なくとも一面に、前記特殊チルト偏芯面を用いることで、第三の光学素子L3の主走査方向の高さ毎に光ビームの副走査方向の角度を補正(副走査方向の射出角を偏向)し、走査線曲がりを補正している。なお、第三の光学素子L3を新たに配置した以外は、実施例1〜3で説明した光走査装置と同様の構成である。
ここで、本実施例の光走査装置で、第二の光学素子L2と被走査面7の間の光路に配置した第三の光学素子L3に特殊チルト偏芯面を採用するのは、光束が被走査面7に近づくほど絞られており、第三の光学素子L3の特殊チルト偏芯面の影響を光束内の光ビームに及ぼさないためである。特に主走査方向に光束の絞られていない場所で走査線曲がり補正用の特殊チルト偏芯面を用いた場合、光束内の光ビームの副走査方向の角度も変化してしまい、光束がねじれ波面収差を劣化させてしまう。そこで、主走査方向に光束が絞られている場所、つまり被走査面7に近い位置に特殊チルト偏芯面を用い、光束のねじれを発生させることなく、走査線曲がりを補正することで、波面収差を劣化させることなく、走査線曲がりの補正が可能となる。
また、被走査面7に近い位置では、各像高に向かう光ビームがより分離されており、隣り合う光ビームの重なりが小さい。このため、前記特殊チルト偏芯面の偏心量を細かく設定することが可能であり、走査線曲がりの補正をより良好に行うことが可能となる。
以上、走査線曲がりを良好に補正することで高品質な画像が提供可能となる。特に異なる被走査面7を複数持つタンデム型カラー画像形成装置の光走査装置においては、光偏向器5に入射する副走査方向の角度(斜め入射の角度)やその方向が各色で異なるため、各被走査面毎に異なる量の走査線曲がりが発生してしまう。各色の走査線を重ねて画像形成するカラー画像形成装置においては、前記画像品質の他に「色ずれ」という新規な課題が生じ、画像品質の低下はより目立って現れてしまう。このため、走査線曲がりに対する要求仕様はより高く、本発明の特殊チルト偏芯面によれば、色ずれを大幅に低減可能となり、高品質な画像を得ることができる光走査装置の提供が可能となる。
上記第三の光学素子L3は、主走査方向、副走査方向共に屈折力を持たない。これは、第三の光学素子L3を、主走査方向、副走査方向ともに屈折力を持たない平行平板状の光学素子とすることで、光学素子は均肉となり、その材質を樹脂とした場合において成形がしやすく形状精度が向上するからである。実際には、特殊面を用いているため完全なる均肉とはならないが、特殊面の副走査方向のチルト量は小さく、成形上は平行平板と変わらず均肉であるといえる。
さらに、タンデム型のカラー画像形成装置に対応した光走査装置の場合においては、第三の光学素子L3は被走査面7、つまり感光体に近い位置に配置される。ここで、図9はタンデム型のカラー画像形成装置に対応した片側走査方式の光走査装置の光偏向器(ポリゴンミラー)以降の光学系配置例を示す概略断面図である。図中の符号5は光偏向器(ポリゴンミラー)、L1は第一の光学素子、L2は第二の光学素子、L3は第3の光学素子、M1〜M3は折り返しミラー、7は被走査面である感光体である。
図9から明らかなように、この構成の場合、異なる被走査面7に向かう光ビームに対応する第三の光学素子L3は、光走査装置内で離れた場所に配置され、光走査装置内の光偏向器5や、画像形成装置における定着装置など、熱源となる物の近くに配置されたり、離れた位置に配置されたりする可能性が非常に高い。この場合、異なる被走査面7に対応する各第三の光学素子L3は、その環境の違いが大きい。具体的に言うと、光偏向器や定着装置近傍に配置される第三の光学素子L3は発熱の影響を受け、光偏向器5や定着装置から離れた位置に配置される第三の光学素子L3に対し高い温度となる。つまり、各第三の光学素子内に温度分布が生じる。
この結果、第三の光学素子L3の膨張、収束により、第三の光学素子L3が主走査方向に屈折力を持つ場合、その屈折力に変化が生じ、主走査方向の書込位置が各色毎に変化して「色ずれ」が発生してしまう。例えば、書込開始と終了位置で同期を取ることにより、走査線の主走査方向の長さを一致させることは可能だが、書込開始と終了の中間点においては、各色で書込位置を合わせることは難しく、「色ずれ」が生じてしまう。
しかし、本発明の如く、第三の光学素子L3には、主走査方向に屈折力を持たせないことで、前記課題は解決され主走査方向の書込位置変動を小さく抑えることができる。この結果、タンデム型のカラー画像形成装置において課題となる「色ずれ」を低減することができる。
また、第三の光学素子L3は、副走査方向にチルト偏芯して配置されていることが望ましい。例えば、被走査面7としての感光体での反射光等により被走査面7に外乱光(ゴースト光)として再度到達しないように、第三の光学素子L3を副走査方向にチルト偏芯させることで、良好な出力画像を得ることが可能である。この時のチルト偏芯の方向は、入射光束に対し、反射光束が走査結像光学系から離隔する方向が望ましい。また、このような構成にすることで、第三の光学素子L3を、光走査装置内にトナーや埃が入り込まないように密閉するために配置される防塵ガラスと共通化することで、部品点数を増やすことなく良好な光学性能を有する光走査装置を提供することが可能となる。
[実施例5(第9、10の手段に対応)]
次に、本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の一実施例を、図10を参照しながら説明する。本実施例は、本発明に係る光走査装置(例えば図2に示す片側走査方式の光走査装置)をタンデム型フルカラーレーザプリンタに適用した例である。図10において、装置内の下部側には水平方向に配設された給紙カセット13から給紙される記録材(例えば転写紙)Sを搬送する搬送ベルト17が設けられている。この搬送ベルト17上にはイエロー(Y)用の感光体7Y,マゼンタ(M)用の感光体7M,シアン(C)用の感光体7C及びブラック(K)用の感光体7Kが、転写紙Sの搬送方向上流側から下流側に向けて順に等間隔で配設されている。なお、以下、符号に対する添字Y,M,C,Kを適宜付けて区別するものとする。これらの感光体7Y,7M,7C,7Kは全て同一径に形成されたもので、その周囲には、電子写真プロセスにしたがって各プロセスを実行するプロセス部材が順に配設されている。感光体7Yを例に採れば、帯電チャージャ8Y、光走査装置9の走査結像光学系6Y、現像装置10Y、転写チャージャ11Y、クリーニング装置12Y等が順に配設されている。なお、他の感光体7M,7C,7Kに対しても同様である。
本実施例では、感光体7Y,7M,7C,7Kの表面を各色毎に設定された被走査面(または被照射面)とするものであり、各々の感光体7Y,7M,7C,7Kに対して光走査装置9の走査結像光学系6Y,6M,6C,6Kが1対1の対応関係で設けられている。但し、光偏向器(ポリゴンミラー)5と、第一の光学素子L1、第二の光学素子L2は、4つの走査結像光学系6Y,6M,6C,6Kで共通使用しており、各光学系の光路を折り返す折り返しミラーは、各光学系にそれぞれ設けられている。また、図9に示す片側走査方式の光走査装置を用いる場合には、第三の光学素子L3が各光学系にそれぞれ設けられる。なお、複数の光源装置1やカップリングレンズ2、シリンドリカルレンズ3等の図示は省略している。
搬送ベルト17は駆動ローラ18と従動ローラ19に支持されて図中の矢印の方向に回転され、その周囲には、感光体7Yよりも上流側に位置させてレジストローラ16と、ベルト帯電チャージャ20が設けられ、感光体7Kよりもベルト17の回転方向下流側に位置させてベルト分離チャージャ21、ベルト除電チャージャ22、ベルトクリーニング装置23等が順に設けられている。また、ベルト分離チャージャ21よりも転写紙搬送方向下流側には加熱ローラ24aと加圧ローラ24bからなる定着装置24が設けられ、排紙トレイ26に向けて排紙ローラ25で結ばれている。
このような概略構成のレーザプリンタにおいて、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、各感光体7Y,7M,7C,7Kを帯電チャージャ8Y,8M,8C,8Kで帯電した後、各感光体7Y,7M,7C,7Kに対してY,M,C,K用の各色の画像信号に基づき光走査装置9の各々の走査結像光学系6Y,6M,6C,6Kによる光ビームの光走査で、各感光体表面に、各色信号に対応した静電潜像が形成される。これらの静電潜像は各々の対応する現像装置10Y,10M,10C,10KでY,M,C,Kの各色のトナーにより現像されてトナー像となる。この画像形成プロセスにタイミングを合わせて給紙カセット13内の転写紙Sが給紙ローラ14と搬送ローラ15により給紙され、レジストローラ16により搬送ベルト17に送り出される。搬送ベルト17に給紙された転写紙Sは、ベルト帯電チャージャ20の作用により搬送ベルト17に静電的に吸着されて感光体7Y,7M,7C,7Kに向けて搬送され、各感光体7Y,7M,7C,7K上の画像が転写紙S上に順次転写されることにより重ね合わせられ、転写紙S上にフルカラー画像が形成される。このフルカラー画像が転写された転写紙Sはベルト分離チャージャ21により搬送ベルト17から分離されて定着装置24に搬送され、定着装置34でフルカラー画像が転写紙Sに定着された後、排紙ローラ25により排紙トレイ26に排紙される。
本実施例では、上記のような構成の画像形成装置の光走査装置9を、前述の実施例1〜4で説明した光走査装置の構成とすることで、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正し、色ずれが無く、高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現することができる。
なお、ここでは片側走査方式の光走査装置9を例に上げて説明したが、この他、図6、図7に示したような構成の対向走査方式の光走査装置としても良く、その場合には、光偏向器5を中央に配置し、その光偏向器5を挟んで一方の側にY用とM用の走査結像光学系(例えば第一の光学素子L1、第二の光学素子L2等)を配置し、他方の側にC用とK用の走査結像光学系(例えば第一の光学素子L1、第二の光学素子L2等)を配置すれば、一つの光偏向器5で4つの光ビームを2方向に振り分けて同時に偏向走査することができる。また、この場合にも、各色の走査結像光学系を前述の実施例1〜4で説明した光走査装置の構成とすることで、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正し、色ずれが無く、高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現することができる。
本発明に係る光走査装置の一実施例を説明するための図であり、光走査装置の光学系を主走査断面に展開して示す光学系配置図である。 タンデム型のカラー画像形成装置に適用した片側走査方式の光走査装置の光偏向器以降の光学系配置の一例を示す概略断面図である。 第一の光学素子の面形状の説明図であり、(a)は第一の光学素子の特殊チルト偏芯面において主走査方向に副走査方向のチルト偏芯量が変化する状態を示すグラフであり、(b)は第一の光学素子の形状例を示す概略斜視図である。 光学素子への入射光線が副走査方向にシフトした場合に、光学素子の面が副走査方向に屈折力を持つ場合と持たない場合の走査線曲がりとビーム径劣化の説明図である。 複数の光ビームで第一、第二の光学素子を共用する場合の、光学素子の面形状の説明図である。 対向走査方式の光走査装置の一例を示す概略要部斜視図である。 タンデム型のカラー画像形成装置に適用した対向走査方式の光走査装置の一例を示す概略斜視図である。 本発明に係る光走査装置の別の実施例を説明するための図であり、光走査装置の光学系を主走査断面に展開して示す光学系配置図である。 タンデム型のカラー画像形成装置に適用した片側走査方式の光走査装置の光偏向器以降の光学系配置の別の例を示す概略断面図である。 本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の一実施例を示す図であって、タンデム型カラーレーザプリンタの概略構成図である。
符号の説明
1:光源装置
2:カップリングレンズ
3:シリンドリカルレンズ
4:折り返しミラー
5:光偏向器(ポリゴンミラー)
6、6Y,6M,6C,6K:走査結像光学系
7:被走査面(感光体)
7Y,7M,7C,7K:感光体(被走査面)
8Y,8M,8C,8K:帯電チャージャ
9:光走査装置
10Y,10M,10C,10K:現像装置
11Y,11M,11C,11K:転写チャージャ
12Y,12M,12C,12K:クリーニング装置
13:給紙カセット
14:給紙ローラ
15:搬送ローラ
16:レジストローラ
17:搬送ベルト
18:駆動ローラ
19:従動ローラ
20:ベルト帯電チャージャ
21:ベルト分離チャージャ
22:除電チャージャ
23:ベルトクリーニング装置
24:定着装置
25:排紙ローラ
26:排紙トレイ
L1:第一の光学素子
L2:第二の光学素子
L3:第三の光学素子
M1〜M3:折り返しミラー
S:転写紙

Claims (10)

  1. 複数の光源装置を備え、各光源装置からの光ビームは、光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持って入射し、前記光偏向器により偏向された後、各々異なる被走査面に集光される光走査装置において、
    前記光偏向器と前記被走査面の間には、複数の光ビームで共用される第一の光学素子と、該第一の光学素子より前記被走査面側に配置され、前記複数の光ビームで共用される第二の光学素子とを備え、
    前記第一の光学素子と前記第二の光学素子、もしくは、前記第二の光学素子のみで前記被走査面に集光する機能を有し、
    前記第一の光学素子は、少なくとも前記光偏向器の偏向反射面の法線に対する副走査方向の入射角度に対し、射出する角度を中心から主走査方向周辺に向かい大きくさせる機能を有し、
    前記第二の光学素子は、主走査方向、副走査方向共に正の屈折力を持つ、
    ことを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    前記第一の光学素子は、副走査方向に曲率を持たない面で構成され、かつ主走査方向に応じて副走査方向のチルト偏芯角度が異なる特殊チルト偏芯面を持つことを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項2記載の光走査装置において、
    前記特殊チルト偏芯面は、入射する光ビームの光偏向器の偏向反射面の法線に対する角度の符号ごとに異なる面を持つことを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1記載の光走査装置において、
    前記第一の光学素子は、主走査方向に応じて副走査方向の曲率半径が変化する特殊面を持つことを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項4記載の光走査装置において、
    前記第一の光学素子は、副走査方向に負の屈折力を持つことを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記特殊チルト偏芯面、もしくは、前記特殊面は、前記第一の光学素子の射出側の面であることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記第一の光学素子は、主走査方向に屈折力を持たないことを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光走査装置において、
    前記第二の光学素子と前記被走査面の間に第三の光学素子を配備し、該第三の光学素子は主走査方向、副走査方向共に屈折力を持たず、副走査方向に曲率を持たない面で構成され、かつ主走査方向に応じて副走査方向のチルト偏芯角度が異なる特殊チルト偏芯面を持つことを特徴とする光走査装置。
  9. 像担持体に対して帯電、露光、現像の電子写真プロセスを実行することによって前記像担持体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記電子写真プロセスのうちの露光プロセスを実行する手段として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光走査装置を具備し、被走査面である前記像担持体に露光を行なうことを特徴とする画像形成装置。
  10. 像担持体に対して帯電、露光、現像の電子写真プロセスを実行することによって前記像担持体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記電子写真プロセスのうちの露光プロセスを実行する手段として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光走査装置を具備し、異なる被走査面として、少なくとも4つの像担持体を備え、前記光走査装置で4つの像担持体に対して露光を行なうことを特徴とする画像形成装置。
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