JP5309514B2 - 光走査装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Description
同図において符号1は反射面の位相をずらした2段式の回転多面鏡(以下単にポリゴンと呼ぶ)、2は書き込み用の光源、3はコリメータレンズ、4は光束分割手段、L、L1、L2は光束をそれぞれ示す。
また、4aは半透鏡、4bは全反射鏡、4−1は三角プリズム、4−2は平行四辺形プリズム、4―2aは入射窓、4−1b、4―2bは出射窓をそれぞれ示す。
同図において紙面の上下方向を副走査方向と呼び、紙面に垂直な方向を主走査方向と呼ぶことがある。
光源数を減らしながらも、高速な画像出力を可能にする光走査装置として、同図に示すように、「共通の光源からのビームを分割し、異なる段の反射鏡にビームを入射させ、異なる被走査面を走査するという方式」が提案されている(例えば、特許文献1 参照。)。
光束分割手段の入射窓4―2aに入射し、半透鏡4aを透過した光束は、ほぼ半分のパワーの光束(ビームL1)となってそのまま直進し、出射窓4−1bから出射し、ポリゴンの上段の反射面1aに入射する。半透鏡4aで反射された光束は、ほぼ半分のパワーの光束(ビームL2)となって下方に設けられた全反射鏡4bに向けて反射され、全反射鏡4bによって元の光束と平行となって出射窓4−2bを出射し、ポリゴンの下段の反射面1bに入射する。
上下段のポリゴンミラーは、互いに回転方向の位相、すなわち取り付け角度(θ)がずれており、ここでは、4面のポリゴンミラーをθ=45degずらしている。
実際には光源とポリゴンミラー間には副走査方向にパワーを有するシリンドリカルレンズが配備されるが、ここでは省略している。また、ポリゴンミラーからの走査光が被走査面である感光体に結像する結像光学系も省略している。
このような構成において、同図に示すように上段のビームL1が感光体面(被走査面)を走査しているときは下段のビームL2は被走査面上にビームが到達しないようにし、望ましくは遮光部材により遮光するようにする。また、下段のビームL2が上段とは異なる感光体面(被走査面)を走査しているときは上段のビームL1は被走査面に到達しないようにする。すなわち、ビームL1とビームL2は背反的に利用される。したがって、、光源の変調駆動も上段と下段でタイミングをずらし、上段に対応する感光体を走査するときは、上段に対応する色(例えばブラック)の画像情報に基づき、光源の変調駆動を行い、下段に対応する感光体を走査するときは下段に対応する色(例えばマゼンタ)の画像情報に基づき、光源の変調駆動を行う。
共通の光源2からビームを分割する光束分割手段4としては、ハーフミラープリズムのほかに、回折光学素子を組み合わせた構成が挙げられるが、詳細な説明は省略する。
両図ではブラック用とマゼンタ用の発光を行う例で示している。
両図において実線はブラック用露光、破線はマゼンタ用露光を示し、各波形はそれぞれ1走査線分の露光を示す。各書き出しのタイミングは有効走査幅外に配備される同期受光手段で走査ビームを検知することにより決定される。なお、同期受光手段は図示していないが、通常はフォトダイオードが用いられる。
図10ではブラックとマゼンタの領域での光量を同じに設定しているが、実際には光学素子の透過率、反射率は相対的に異なるため、光源の光量を同じにしてしまうと、感光体に到達するビームの光量が異なってしまう。そこで、図11に示すように、異なる感光体面を走査するときに互いの設定光量を異ならせることにより、異なる感光体面上に到達するビーム光量を等しくすることができる。
同図において符号20はVCSEL(vertical-cavity surface-emitting laser )(非特許文献1 参照。)、21は各発光部をそれぞれ示す。
同図では発光点が左右方向に10個、上下方向に4個の径40個有する例を示している。各発光点は基板の端面に対して微少量ずつずらしてあり、左右方向を主走査方向としてマルチビームで描画したとき、40本のビームが等間隔になるような配置になっている。
個別の発光点は、基板の端面に平行な辺を有する正方形状に形成されており、この辺の方向に偏光面が生ずる性質を有する。
このような光源は非常に高価であり、数多く使うことはコスト上避けなければならない。上記に示したような光学系を使う限り、ビームのパワーロスは避けられず、その分を大出力で補うか、光源個数を増やして補うかしなければならない。
請求項4に記載の発明では、光走査装置と、4個の被走査面としての感光体と、各感光体に対応させた帯電手段・現像手段・転写手段と、定着手段と、を有する画像形成装置において、該光走査装置として請求項1または2に記載の光走査装置を用いるとともに、該光走査装置に備えられている前記光路切り替え装置を2組用いて前記4個の被走査面に対し画像を形成する画像形成装置を特徴とする。
同図において符号5は特定の方向に偏光面を有する偏光を出射するレーザ光源、14は光路切り換え手段、20は光源としてのVCSELをそれぞれ示す。また、14cは偏光ビームスプリッタ(PBS)、14bは全反射鏡をそれぞれ示す。その他の符号は図5に準ずる。
図2はVCSELの外観を示す図である。
同図において符号20aはレーザ光出射窓部を示す。
以下にVCSELの特性を簡単に説明する。
VCSELは特定の方向に偏光面を以て発光する性質がある。この特定の偏光面を便宜上「立ち上がり偏光面」と呼ぶ。以下理解を容易にするために、上記立ち上がり偏光面の光束をPBS14cに対し仮にS偏光であるものとする。
VCSELは、発光中にその偏光面と90度偏光面の異なるP偏光である外部光が発光点に入射すると、出射光が、入射した偏光面と同じP偏光に瞬時に切り替わるという性質を持っている。発光を続けている場合、外部からの光束が遮断されても、切り替わった偏光面はそのまま維持される。発光を停止してから再度発光を行ったとき、外部光が無ければ立ち上がり偏光面になる。すなわち、初めのS偏光に戻る。発光開始時点で上記外部光が入っている場合、その外部光の偏光面がS偏光であれば何も変化は起こらず、立ち上がり偏光面のままである。この性質のことを偏光双安定性と呼んでいる。
P偏光が入射している状況で、VCSELの点灯を開始した場合、S偏光で発光開始するが、所定の発光レベルに至ると瞬時にP偏光に切り替わる。このときS偏光でいる時間はきわめて短く、用途によっては全く無視できる程度である。VCSELの偏光面を切り換えることができる外部光のエネルギレベルが小さくて済み、照射時間も7ps(参考文献:OplusE)と極めて小さくて済む。外部光の波長は基本的には発光波長と同じか、非常に近い波長である必要がある。VCSELは基本構成が半導体レーザであるから、発熱等の状況により発光波長には微妙な揺らぎがあるため、外部光として特定の単波長を入射させたのでは発光波長に一致させることは難しい。逆に外部光としても、レーザ光が必要であることから、その発光波長の安定性が問題になる場合がある。
レーザ光源5はVCSELの発光波長と同程度の発光波長を有し、VCSELの偏光面と直交する偏光面を有する光束をVCSELに照射するよう配置されている。
この実施形態ではPBS14cに対してS偏光となるように、VCSELの偏光面を水平面に一致させたものとして、水平面に対する角度で表現して0度と表記する。したがって、レーザ光源5の偏光面を90度と表現する。
このようにレーザ光源5のオン・オフを繰り返すと、VCSELから出射されるレーザ光の偏光方向が交互にスイッチングされ、PBS面で反射したり透過したりして、VCSELから出射される光路を、光路切り換え手段14で切り替えることが可能となる。この役割から言えば、図8における光束分割手段4は、図1においては光路切り換え手段14となる。
このような構成とすると、安価なレーザ光源5を用い、高価なVCSEL光源からの光路を高速に切り替える事が可能であり、光通信において光路切り替えや、光走査光学系などに用いることができる。
同図において符号6は外部共振器としての凹面鏡を示す。
非特許文献1において、偏光双安定VCSELは偏光方向の切り替え感度波長の帯域が狭い事が報告されている。したがって、正確な波長をVCSELに入射させる必要がある。しかしながら、安価な端面発光半導体レーザでは波長のバラツキが大きく、VCSELの偏光方向切り替え波長帯域内で照射する事が出来ない場合が多い。
よって、図1に示すような光路切り替え装置において光源5として図3に示すような公知の外部共振器型半導体レーザを用い、レーザ光源5と凹面鏡6の間の距離Lを変化させることで、VCSELに照射するレーザー光の波長をコントロールする事が可能となり、偏光双安定VCSELの偏光を正確に、且つ、高速に 切り替える事が可能で、光通信や、光走査光学系などにおいて、高速で正確な光路切り替えが可能となる
上記においてVCSELの偏光切り替え感度帯域が狭い為に、その帯域に合わせる目的で、外部共振器型レーザを用いたが、そのためには、VCSELからの出射レーザ光の波長をモニタするモニタ手段と、その波長に外部共振器型レーザの波長をコントロールする回路系手段(いずれも図示せず)が必要となる。
そこでレーザ光源を発振させるためのコントローラに周知の高周波重畳回路を設けることによりレーザ光源から出射される光の波長は、同図に示すように、少しずつ波長の異なる多波長の光となる。発振波長の間隔(同図のΔλ)は重畳させる高周波の周波数によって制御できる。レーザ光源の中心的波長は、VCSELの平均的発振波長にほぼ合わせておき、Δλの大きさを、VCSELの偏光切り替え感度帯域より小さくしておけば、レーザ光源から出射される光のうちのどれかの波長はVCSELの偏光切り替え波長帯域内に入るため、偏光切り替えが可能となる。
よって、外部共振器型半導体レーザを用いるよりも安価にVCSELの偏光方向を切り替える事が可能となり、部品点数も少ない為、信頼性も向上する。
同図において符号4は光路切り換え手段、7はハーフミラープリズム、8はfθレンズをそれぞれ示す。また、符号Wsは光路切り換え手段に対してS偏光の光束、Wpは同P偏光の光束をそれぞれ示す。
同図は、前記偏光双安定VCSEL20の光軸上に、光軸と45度の角度を有するハーフミラー面を持ったハーフミラープリズム7を設け、該ハーフミラー面において偏光双安定VCSEL20の光軸と直交する第2の光軸上にレーザ光源5を設けた事を特徴とした光路切り替え装置である。光路切り換え手段4は偏光ビームスプリッタ(PBS)14cを利用している。
ここでハーフミラープリズム7は透過率90%以上であり、レーザ光源5の光を数% 偏光双安定VCSEL20へ照射させる構成とする。
上段1aによる1走査が終わったらレーザ光源5の発光を止める。下段1bが走査可能な位置に来たときはレーザ光源5は発光させない。
このような構成にすることにより、偏光双安定VCSEL20の偏光方向を切り替える為のレーザ光源5から出射されるレーザ光を偏光双安定VCSEL20のレーザ光出射面に対して垂直に入射することが可能となる。
したがって、偏光双安定VCSEL20のアレーになった場合など、偏光方向を切り替える為のレーザ光を均一に照射する事が可能となり、切り替えの動作を安定化することが可能となり、装置の信頼性が向上できる。
例えば、図8の光束分割手段4は従来はハーフミラーであり、偏光双安定VCSELから出射される光量の半分は多面反射鏡1の上段と下段に均等に振り分けられていた。しかしながら、下段が書き込みをしている時点では上段の光は遮光部材により遮光され、捨てられていた。
本発明のような光路切り替え手段14により、偏光双安定VCSEL20から出射される光量は多面鏡から被走査面に光が反射されるとき、上段か下段に光路が切り替えられる為、有効に光を利用できる。
このように光を切り替える事で、従来の方式より光量が2倍になるため、書き込み速度を2倍に改善する事が可能となる。
また、逆に光量が足りている場合は、偏光双安定VCSEL20の出射光量を半分にすることができるため、VCSELの信頼性を向上することが可能となる。
同図において符号41、41’は半導体レーザ、43、43’はカップリングレンズ、44は光路切り換え手段、あるいは偏光切り換え手段と偏光分離手段、45、45’はシリンドリカルレンズ、47は偏向手段としてのポリゴンミラー、48、50は走査レンズ(fθレンズ)、49はミラー、51は感光体をそれぞれ示す。
このような光走査装置を2組用いることで画像形成装置を構成することができる。ただし、主要部本であるポリゴンは高価なものなので、これを1個で済ませる構成も可能である。
2個のレーザ光源(2LDユニット)から光路切り換え手段、あるいは偏光切り換え手段と偏光分離手段のあとのシリンドリカルレンズまでの前段の光学系(光学系1)、および、fθレンズを含む結像光学系(光学系2)のそれぞれを2セットと、1つの2段ポリゴンミラーを用いることによって2ビームで光走査4箇所へ書き込む光走査装置を構築できる。4個所の光走査は4色(シアン、イエロー、マゼンダ、黒)に対応する感光体であり、多色画像形成装置を構築することができる。
ここで、2個のレーザ光源からの光は同時に2段ポリゴンミラー47の上段および下段にそれぞれレーザビームは2本(2ビーム)が同時に入射する。切り替え素子44は2ビームを上下に切り替える機能である。ここでは2ビームで図示したがVCSEL20を用いた場合は、多ビームのレーザ光を同時に切り替えることとなる。
同図において符号53は帯電器、54は現像器、55は転写用帯電手段、56はクリーニング手段、57は転写ベルト、58は定着手段、59は書き込みユニット(光走査装置)をそれぞれ示す。
感光体51Y、51M、51C、51Kは矢印の方向に回転し、回転順に帯電器53Y、53M、53C、53K、現像器54Y、54M、54C、54K、転写用帯電手段55Y、55M、55C、55K、クリーニング手段56Y、56M、56C、56Kが配備されている。
帯電器53Y、53M、53C、53Kは、感光体表面を均一に帯電する。この帯電器と現像器54Y、54M、54C、54Kの間の感光体表面に書き込みユニット59によりビームが照射され、感光体51Y、51M、51C、51Kに静電潜像が形成されるようになっている。そして、静電潜像に基づき、現像器により感光体面上にトナー像が形成される。さらに、転写用帯電手段55Y、55M、55C、55Kにより、記録紙Pに各色順次転写トナー像が転写され、最終的に定着手段58により記録紙に画像が定着される。
図6、7のような4ドラムタンデム方式において、2段ポリゴンミラーを用いる場合、順次走査記録は、例えば、イエローとマゼンタ、シアンとブラックのそれぞれ2つの感光体を交互に走査記録することができる。
2 光源
4 光束分割手段
5 レーザ光源
6 凹面鏡
7 ハーフミラープリズム
8 fθレンズ
14 光路切り換え手段
20 偏光双安定VCSEL
Claims (4)
- 発光点がマルチアレーになっている偏光双安定VCSELと、
該偏光双安定VCSELの立ち上がり偏光面と直交する偏光面を有する光束を出射するレーザ光源と、
偏光面によって光路を切り換えることができる光路切り換え手段と、
前記偏光双安定VCSELの出射光の光軸上に設けられたハーフミラープリズムと、を有し、
前記偏光双安定VCSELからの光束は前記光路切り換え手段の入射窓に入射するよう配置され、
前記レーザ光源からの光束を前記偏光双安定VCSELの出射窓部に入射させるように設定し、
前記レーザ光源として、外部共振器型レーザを用い、
前記ハーフミラープリズムのハーフミラー面上で前記光軸と直交する第2の光軸上に前記レーザ光源の光軸を一致させて配置し、該レーザ光源からの光束を前記ハーフミラーを介して前記偏光双安定VCSELに入射させ、
前記ハーフミラープリズムの透過率が90%以上である光路切り替え装置と、一方の段と他方の段との2段構成の多面反射鏡とを有し、
前記偏光双安定VCSELと前記レーザ光源とが共に発光した状態とされることで前記多面反射鏡の前記一方の段による走査を行い、前記多面反射鏡の前記他方の段による走査を行うときは前記偏光双安定VCSELの発光と前記レーザ光源の発光とが共に停止されてから該偏光双安定VCSELが発光した状態とされるとともに該レーザ光源の発光が停止された状態に保たれることにより該他方の段による走査を行うことで、2個の被走査面を背反的に交互に走査することを特徴とする光走査装置。 - 請求項1に記載の光走査装置において、前記偏光双安定VCSELの前にコリメータレンズを配置し、前記偏光双安定VCSELからの出射光束をほぼ平行光束に整形することを特徴とする光走査装置。
- 光走査装置と、被走査面としての複数の感光体と、各感光体に対応させた帯電手段・現像手段・転写手段と、定着手段と、を有する画像形成装置において、前記光走査装置として請求項1または2に記載の光走査装置を2組用いて4個の被走査面に対し画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
- 光走査装置と、4個の被走査面としての感光体と、各感光体に対応させた帯電手段・現像手段・転写手段と、定着手段と、を有する画像形成装置において、該光走査装置として請求項1または2に記載の光走査装置を用いるとともに、該光走査装置に備えられている前記光路切り替え装置を2組用いて前記4個の被走査面に対し画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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