JP2005087712A - 給水装置、給水方法、給水装置を備えた撒水装置、および給水装置を備えた洗濯機 - Google Patents

給水装置、給水方法、給水装置を備えた撒水装置、および給水装置を備えた洗濯機 Download PDF

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Abstract

【課題】 水に溶けている仕上物質(例えば銀イオン)が一旦結晶化し、再度水に溶け出したときに、仕上物質が発揮する固有の効果をより発揮しやすくする。
【解決手段】 給水装置300に、イオン溶出ユニット100およびシャワー噴射部200を設ける。シャワー噴射部200は、イオン溶出ユニット100から連結管250を介して得られる水をシャワー状にして洗濯物に噴射する。シャワー状の液滴は、小径であり、乾燥しやすいゆえ、より粒子の小さい(表面積の大きい)、格子欠陥の多い、溶解しやすい結晶を生成することができる。洗濯物には、このような結晶が付着するので、この結晶が次に水分に触れたときには、銀イオンが溶出しやすくなる。また、洗濯物が撥水性の布や疎水性の布の場合でも、水がはじかれる前に布表面で乾燥するため、そのような洗濯物にも、銀イオンによる抗菌効果を付与することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、給水対象(例えば洗濯物、食器、庭木)に水を給水するに際し、当該水に溶けている物質(例えば銀イオン、柔軟剤、除放剤)の固有の効果をより発揮しやすくする給水装置、給水方法、給水装置を備えた撒水装置、および給水装置を備えた洗濯機に関するものである。
洗濯機で洗濯物を洗濯する際、水(特に、すすぎ水)に仕上物質を加えることが良く行われる。仕上物質として一般的なのは、柔軟剤やのり剤である。これに加え、最近では、洗濯物に抗菌性を持たせる仕上処理のニーズが高まっている。
洗濯物は、衛生上の観点からは天日干しをすることが望ましい。しかしながら近年では、女性就労率の向上や核家族化の進行により、日中は家に誰もいないという家庭が増えている。このような家庭では、室内干しにたよらざるを得ない。また、日中、誰かが在宅している家庭にあっても、雨天の折りは室内干しをすることになる。
室内干しの場合、天日干しに比べ、洗濯物に細菌やカビが繁殖しやすくなる。梅雨時のような高湿時や低温時など、洗濯物の乾燥に時間がかかる場合には、この傾向は顕著である。また、繁殖状況によっては、洗濯物が異臭を放つときもある。
また、最近では節約意識が高まり、入浴後の風呂水を洗濯に再利用する家庭が多くなっている。ところが、一晩置いた風呂水は、細菌が増加しており、この細菌が洗濯物に付着してさらに繁殖し、異臭の原因となるという問題も発生している。
このため、日常的に室内干しを余儀なくされる家庭、あるいは風呂水を洗濯に再利用する家庭では、細菌やカビの繁殖を抑制するため、布類に抗菌処理を施したいという要請が強い。
一方、最近では、繊維に抗菌防臭加工や制菌加工を施した衣類も多くなっている。しかしながら、家庭内の繊維製品をすべて抗菌防臭加工済みのもので揃えるのは困難である。また、抗菌防臭加工の効果は、洗濯を重ねるにつれ落ちて行く。
そこで、洗濯の都度、洗濯物を抗菌処理しようという考えが生まれた。例えば特許文献1および2には、銀電極間に電圧を印加して、洗浄水に銀イオンを添加する洗濯機が開示されている。また、特許文献3には、銀溶出材(例えば硫化銀)を水道水中の次亜塩素酸と反応させて銀を溶出する銀溶出カートリッジを備えた洗濯機が開示されている。これらの洗濯機では、いずれも、抗菌性の金属イオンを含有する水に洗濯物を浸漬させることで、洗濯物に金属イオンを付着させ、洗濯物を抗菌処理している。
なお、上記した抗菌処理とは関係ないが、近年では、洗濯工程中、すすぎ工程の脱水時において、ミスト給水を行う洗濯機が種々提案されている(例えば特許文献4〜6参照)。これらの洗濯機では、水をミスト状にして洗濯兼脱水槽内に供給することで、洗濯槽兼脱水槽内での水ハネを防止する、空気が含まれている洗濯物を水になじませる、水槽内側に付着している汚れを洗い流す、などの効果が得られるものとなっている。
実開平5−74487号公報(1993年10月12日公開) 特開2001−276484号公報(2001年10月9日公開) 特開2002−113288号公報(2002年4月16日公開) 特開2001−29688号公報(2001年2月6日公開) 特開2001−276472号公報(2001年10月9日公開) 特開2003−10584号公報(2003年1月14日公開)
ところで、金属イオン水(例えば銀イオン水)に浸漬された洗濯物が乾燥すると、洗濯物に浸透した銀イオン水も乾燥する。この場合、銀イオン水に含まれる銀イオンは、金属銀や酸化銀などの銀化合物の結晶の微粉末として洗濯物表面に残留する。そして、この銀化合物が次に水分に触れたときに、銀化合物の表面から銀イオンが溶け出し、この銀イオンが抗菌作用をもたらすようになる。
ここで、銀イオンによる抗菌作用をより効果的に得ようと思えば、洗濯物表面に残留する銀化合物から銀イオンを溶出しやすくすればよい。そのためには、銀イオン水の乾燥をより速めればよいと考えられる。銀イオン水の乾燥を速くすれば、銀化合物の結晶の析出が短時間で起こり、その結果、粒子の小さい、格子欠陥の多い結晶が生成されるが、結晶の溶解は、表面を含めた格子欠陥部分から起こるため、粒子の小さい(表面積の大きい)、格子欠陥の多い結晶ほど、結晶が溶けやすいと言えるからである。
ところが、上述した特許文献1〜3のように、銀イオン水に洗濯物を浸漬させる構成では、洗濯物表面に付着する銀イオン水の液滴自体が大きいため、銀イオン水の乾燥には、ある程度の時間がかかる。その結果、結晶の大きい、格子欠陥の少ない銀化合物の結晶が生成され、次に銀化合物に水分が触れたときでも、銀イオンが溶出しにくく、銀イオンによる抗菌作用をより効果的に得ることができないという問題が生ずる。
なお、銀イオン水の乾燥を速めるために、洗濯物の乾燥目標温度を上げて乾燥を行う、つまり、より温度の高い温風を洗濯物に吹きつけて乾燥を行うことは、洗濯物を傷める原因となるため、好ましくない。
また、銀イオン水に洗濯物を浸漬させる方法では、洗濯物が撥水性の布の場合、銀イオン水は、はじかれてほとんど洗濯物表面に残らない。また、洗濯物が、撥水とまではいかなくても、化繊のような疎水性の布の場合、洗濯物の吸水量が少ないために、銀イオン水に洗濯物を浸漬させても、銀イオン水が洗濯物に滲み込まない。その結果、上記いずれの洗濯物についても、銀化合物を効果的に洗濯物表面に付着させることができず、銀化合物から溶け出す銀イオンによる抗菌作用を確実に得ることができないという問題も生ずる。
なお、以上では、銀イオン水を使用する洗濯機を例に挙げて問題点を指摘したが、このような問題は、洗濯機のみならず、元々、水に溶けている物質が当該水の乾燥によって一旦結晶化し、再度水に溶け出したときに、当該物質固有の効果を発揮させるような給水装置全般について言えることである。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、元々、水に溶けている物質が当該水の乾燥によって一旦結晶化し、再度水に溶け出したときに、当該物質が発揮する固有の効果をより発揮しやすくすることができるとともに、その効果を確実に得ることができる給水装置、給水方法、給水装置を備えた撒水装置、および給水装置を備えた洗濯機を提供することにある。
(1)本発明の給水装置は、給水対象に水を供給する給水装置であって、上記水に仕上物質を投入する投入部と、上記投入部を介して得られる水をシャワー状にして上記給水対象に噴射するシャワー噴射部とを備えている構成である。
シャワー状の液滴は、同一量の水と比較して、水全体の表面積が増大し、空気と触れる部分がより多く存在する。したがって、シャワー水を給水対象に噴射したときには、給水対象に付着した水が乾燥しやすくなる。
これにより、その水に溶けている仕上物質の析出(結晶化)が短時間で起こり、それゆえ、より粒子の小さい(表面積の大きい)、格子欠陥の多い結晶を生成することができる。結晶の溶解は、表面を含めた格子欠陥部分から起こるため、粒子の小さい、格子欠陥の多い結晶ほど、溶解しやすい。
したがって、本発明では、結晶の溶解により仕上物質が溶出しやすい小径粒子の水(液滴)を、シャワー噴射部にて発生させて給水対象に噴射するので、仕上物質がその溶出時において発揮する効果(例えば抗菌効果)をより発揮しやすくすることができ、仕上物質固有の効果を確実に得ることができる。
また、給水対象が例えば撥水性の布や疎水性の布である場合でも、シャワー水をその布に噴射すれば、シャワー水に含まれている仕上物質を確実に布表面に付着させることができる。つまり、シャワー水は、その液滴が小径であり、乾燥しやすいことから、シャワー水が布表面にてはじかれる前に乾燥し、シャワー水に含まれている仕上物質が布表面に付着する。したがって、撥水性の布や疎水性の布のように内部まで仕上物質が滲み込みにくい給水対象についても、仕上物質がその溶出時において発揮する効果(例えば抗菌効果)を確実に得ることができる。
なお、特許文献4〜6に記載の洗濯機は、水のみをミスト状にして給水対象に供給するものであり、「水に仕上物質を投入する投入部を設け、この投入部を介して得られる水をシャワー状にして給水対象に噴射する」構成ではない。したがって、少なくとも水に仕上物質を混ぜたものをシャワー状にして噴射するという概念は、上記いずれの従来技術にも一切なく、この点で、本発明は上記従来技術とは顕著に異なるものである。
(2)本発明の給水装置において、上記投入部は、上記仕上物質としてイオンを溶出し、内部を通過する水に投入するイオン溶出部である構成であってもよい。
投入部を上記イオン溶出部で構成することで、仕上物質としてのイオンを含む水を、シャワー噴射部から給水対象に噴射することができる。これにより、上記イオンが例えば銀イオンや亜鉛イオンであれば、給水対象においてそのようなイオン固有の抗菌効果を得ることができる。また、上記イオンが例えば銅イオンであれば、給水対象において銅イオン固有の防カビ効果を得ることができる。
また、シャワーなどで、抗菌性のある銀イオン、亜鉛イオンや、防カビ性のある銅イオンなどを含む液滴を、空間中に散布することにより、空間中に浮遊する菌、カビなどを、液滴中に取り込み、これらのイオンで不活化することが可能である。なお、上記の不活化とは、殺菌、除菌、滅菌、分解、除去などの作用が施されることを言う。さらに、このようなイオンを含む液滴を食品に振り掛けることで、食品の腐敗を防止し、鮮度を保持することができる。
また、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンや、ニッケルイオン、パラジウムイオン、白金イオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオンなどには、エチレンによる植物の老化や鮮度低下を阻害する作用がある。そのため、これらのイオンを含む液滴を野菜、果物、切花などの植物に振りかけた場合でも、鮮度を保持することができる。
(3)本発明の給水装置において、上記イオン溶出部は、金属イオンを溶出する電極と、上記シャワー噴出部への水の流出口を有し、該流出口は上記電極の下端よりも低位置に設けられている構成であってもよい。
上記の構成によれば、イオン溶出部内に金属イオン水が残留したとしても、その残水は、流出口から排出される。このとき、流出口は、電極下端よりも低位置にあることから、流出口よりも上方に存在する残水が排出される。つまり、流出口より上方に位置する電極が残水に浸かることがない。したがって、残水に含まれる金属イオンが金属またはその塩として析出し、電極間を短絡させる事態を回避することができる。
(4)本発明の給水装置において、上記イオン溶出部は、金属イオンを溶出する電極と、上記シャワー噴出部への水の流出口を複数有し、該流出口は上記電極の下端よりも低位置に設けられた流出口と、上記電極の上端よりも高位置に設けられた流出口とを含む構成であってもよい。
上記の構成によれば、電極の上端よりも高位置に設けられた流出口から、イオン溶出部内の空気を抜くことができるとともに、その流出口の位置まで、つまりは電極を全部覆うように、イオン溶出部内に水を流入させることができる。これにより、電極を有効利用することができる。また、電極の下端よりも低位置に設けられた流出口から、イオン溶出部内の残水を排出することができるので、電極が残水に浸かることがなくなり、残水に含まれる金属イオンが金属またはその塩として析出し、電極間を短絡させる事態を回避することができる。
(5)本発明の給水装置において、上記シャワー噴射部は、上記投入部を介して得られる水を振動により霧化する振動子で構成されていてもよい。
シャワー噴射の場合、液滴を小さくするには、穴(噴射口)を小さくする必要がある。穴が小さいと、経路中に水がたまりやすくなり、また、析出物により穴がつまる場合もある。さらには、投入部内にも水がたまりやすくなり、特に電極を備えた構造の場合、析出物で電極間が短絡する恐れがあるため、流出口を複数も受けるなどの対策が必要である。また、高濃度の銀イオン水を使用した場合や、高粘度の柔軟剤などの仕上物質を使用した場合に、穴自体が詰まる可能性がある。
しかし、振動子による霧化の場合、穴を小さくする必要がないので、それらの恐れがないという利点がある。また、振動子への信号入力を止めれば、銀イオン水が霧化されないため、銀イオン水をなんらかの容器で受けて他の用途に使用したい場合などには便利である。
(6)本発明の給水方法は、上述した本発明の給水装置を用いて、シャワー水を給水対象に噴射する構成である。
本発明の給水装置を用いて、シャワー水を給水対象に噴射することで、給水対象表面に付着した液滴の乾燥を速めて、その水に溶けている仕上物質を、次に溶出しやすい状態で析出・結晶化させることができる。その結果、仕上物質が溶出したときに発揮する固有の効果(例えば抗菌効果)をより発揮しやすくして、その効果を確実に得ることができる。
また、シャワー水は、その液滴が小径であり、表面積が大きいゆえ、乾燥しやすいので、シャワー水を給水対象に噴射することで、給水対象の種類に関係なく(給水対象が撥水性のものであろうと吸水性のものであろうと)、仕上物質を含む水を、給水対象の表面に確実に付着させることができる。これにより、給水対象の種類に関係なく、上述した効果を得ることができる。
(7)本発明の撒水装置は、上述した本発明の給水装置を備え、上記給水装置からシャワー水を給水対象に撒水する構成である。
本発明の給水装置を用いて上記の撒水装置(例えば、食器洗い乾燥機)を構成し、給水対象に応じた仕上物質を含むシャワー水を当該給水対象に撒水することで、給水対象表面に付着した液滴の乾燥を速めて、仕上物質を次に溶出しやすい状態で結晶化させることができる。その結果、その仕上物質が次に水分に触れたときに溶出しやすくなり、給水対象に応じた仕上物質の持つ固有の効果をより発揮しやすくして、その効果を給水対象ごとに確実に得ることができる。
(8)本発明の洗濯機は、上述した本発明の給水装置と、上記給水対象としての洗濯物が収容される収容槽とを備えている構成である。
上記構成の洗濯機では、給水装置からの仕上物質を含む水がシャワーの状態で収容槽内部の洗濯物に噴射されるので、洗濯物表面に付着した液滴の乾燥を速めて、仕上物質を次に溶出しやすい状態で結晶化させることができる。その結果、その仕上物質が次に水分に触れたときに溶出しやすくなり、仕上物質の持つ固有の効果(例えば抗菌効果や柔軟剤の効果)をより発揮しやすくして、その効果を洗濯物にて確実に得ることができる。
(9)本発明の洗濯機は、上記仕上物質を含む第1の水と、上記仕上物質を含まない第2の水とのうちの一方が洗濯物に噴射されるように、上記投入部における上記仕上物質の水への投入を制御する制御手段をさらに備えている構成であってもよい。
上記の構成によれば、制御手段の制御により、第1の水または第2の水を選択的にシャワー噴射部から給水対象に噴射させることができるので、例えば、給水対象に対して先に第1の水を噴射させ、その後に第2の水を噴射させた場合には、第1の水の噴射によって給水対象の表面に付着した仕上物質を、第2の水の噴射によって給水対象の奥まで行き渡らせることができる。逆に、給水対象に対して先に第2の水を噴射させ、その後に第1の水を噴射させた場合でも、第2の水の噴射によって給水対象が湿っているので、その後の第1の水の噴射によって給水対象表面に付着した仕上物質が、給水対象の奥まで浸透しやすくなる。したがって、上記いずれの場合でも、仕上物質が発揮する効果(例えば抗菌効果)を、洗濯物全体に対して均一に得ることができる。
(10)本発明の洗濯機において、上記制御手段は、すすぎ工程と脱水工程と乾燥工程との少なくともいずれかの工程中に、上記第1の水を上記シャワー噴射部から噴射させる構成であってもよい。
上記の構成によれば、すすぎ工程と脱水工程と乾燥工程との少なくともいずれかの工程において、第1の水に含まれる仕上物質による効果(例えば抗菌効果)を洗濯物に付与することができる。
(11)本発明の洗濯機において、上記制御手段は、乾燥工程中に上記第1の水の上記シャワー噴射部からの噴射と停止とを繰り返す構成であってもよい。
上記の構成によれば、第1の水を洗濯物に複数回シャワー噴射する中で、洗濯物に先に付着した第1の水が素早く、こまめに乾燥される。これにより、さらに粒子の小さい、格子欠陥の多い結晶を生成することができ、仕上物質をより一層溶出しやすくして、仕上物質の効果をより一層発揮しやすくすることができる。
(12)本発明の洗濯機において、上記制御手段は、上記第1の水の噴射中に、洗濯物を移動させる構成であってもよい。
例えば、洗濯物を収容する収容槽を回転させたり、攪拌部材(パルセータ)を回転させることにより、洗濯物を移動させれば、噴射されている第1の水が、洗濯物表面の同じ場所に噴射され続けるといったことがない。したがって、第1の水の洗濯物に対する当てムラを無くし、仕上物質の効果を洗濯物全体にわたって均一に得ることができる。
(13)本発明の洗濯機において、上記制御手段は、上記第1の水の噴射中に、洗濯物に送風する構成であってもよい。
第1の水の噴射中に洗濯物に送風すれば、洗濯物に付着した第1の水がより速く乾燥する。これにより、より粒子の小さい、格子欠陥の多い結晶(仕上物質)を確実に生成することができ、仕上物質をより一層溶出しやすくして、仕上物質の効果をより一層発揮しやすくすることができる。
(14)本発明の洗濯機において、上記仕上物質は、金属イオンであってもよい。
例えば、金属イオンが銀イオンや亜鉛イオンであれば、洗濯物に対して抗菌効果を付与することができ、金属イオンが銅イオンであれば、洗濯物に対して防カビ効果を付与することができる。つまり、仕上物質が金属イオンであれば、洗濯物に対して金属イオン特有の抗菌効果や防カビ効果を付与することができる。
(15)本発明の洗濯機において、上記金属イオンは、銀イオンであり、上記銀イオンを含む上記第1の水が噴射された洗濯物における金属付着量が、洗濯物1kgあたり0.1mg以上である構成であってもよい。
上記金属付着量が洗濯物1kgあたり0.1mg未満であれば、洗濯終了後の洗濯物を湿った状態のまま密閉して所定時間放置しておくと、その洗濯物から不快な臭気が発生することが実験的にわかっている。これに対して、上記金属付着量が洗濯物1kgあたり0.1mg以上であれば、銀イオンの抗菌作用が効果的に働くので、そのような不快な臭気の発生をほとんど抑えることができる。
(16)本発明の洗濯機において、上記金属イオンは、銀イオンであり、上記銀イオンを含む上記第1の水が噴射された洗濯物における金属付着量が、洗濯物1kgあたり19mg未満である構成であってもよい。
洗濯物1kgあたり19mg以上の金属(銀)が洗濯物に付着すると、金属の非付着時に比べてその洗濯物における光反射率が低下することを、目視で確認することができる。このことは、金属付着量を増大させすぎると、逆に今度は洗濯物が上記金属によって汚れることを意味する。したがって、洗濯物の金属付着量を、洗濯物1kgあたり19mg未満に制限することで、付着する銀による洗濯物の汚れを、目視では分からない程度に抑えることができる。
(17)本発明の洗濯機において、上記制御手段は、上記シャワー噴射部からのシャワー水の噴射終了後、所定期間排水が停止されるように、上記収容槽内の水を排水するための排水弁を制御する構成であってもよい。
収容槽内の洗濯物(例えば布)に仕上物質を含むシャワー水を噴射し、その後すぐに排水を行った場合、表層付近にある布にはすぐに仕上物質が付着するが、通常の洗濯条件では、ほとんどの場合、布が多層になっており、下層にある布には仕上物質が付着しない恐れがある。
そこで、制御手段が排水弁を制御して、例えばシャワー噴射中から排水弁を閉じて、シャワー噴射後、所定期間排水を停止させる、あるいは、シャワー噴射部からのシャワー水の噴射終了後に排水弁を所定期間だけ閉じてその間排水されないようにすることにより、収容槽内に残存している水に含まれる仕上物質を布(特に下層の布)に確実に吸着させることができる。
(18)本発明の洗濯機において、上記制御手段は、上記シャワー噴射部からのシャワー水の噴射終了後、所定期間、上記収容槽を回転させる構成であってもよい。
シャワー噴射終了後、一定時間排水しないことで、仕上げ物質を吸収させることができるが、収容槽が静止していた場合、シャワー噴射部から噴射された仕上物質を含む水は、重力によって収容槽下部に集まる。収容槽下部には、洗濯物を攪拌するための攪拌部材(パルセータ)があり、排水弁を閉じていても、水はパルセータの下側に入ってしまい、布と接しない場合がある。
しかし、制御手段が上記所定期間の間、収容槽を回転させることにより、回転時の遠心力で水が上方に上がってくるため、その水を布と接触させることができ、布に付着させる仕上物質をより増大させることができる。また、このように収容槽を回転させる場合、遠心力で水が上がってくるため、下方にある排水弁から排水されることはなく、排水弁は閉じていなくてもよい。
(19)本発明の洗濯機は、洗濯コースを設定するための入力部と、上記入力部にて設定された洗濯コースの運転を制御する運転制御部とをさらに備え、上記収容槽は、穴なし槽であり、上記運転制御部は、上記入力部により、上記収容槽の洗浄を行う槽洗浄コースが上記洗濯コースとして設定された場合に、上記穴なし槽内の洗濯物を攪拌するための攪拌部材が浸る量の水で槽洗浄が実行されるように、槽洗浄コースの運転を制御する構成であってもよい。
収容槽が穴なし槽であれば、カビが発生して収容槽内に進入する可能性があるのは、洗濯物を攪拌するための攪拌部材(パルセータ)の部分のみである。したがって、入力部により槽洗浄コースが設定されたときに、運転制御部の制御により、攪拌部材が浸る程度の水量で槽洗浄が実行されれば、少量の水でも有効に槽洗浄を行うことができ、収容槽内や攪拌部材表面での菌やカビの繁殖を抑えることができる。
(20)本発明の洗濯機において、上記運転制御部は、金属イオンを含む水で槽洗浄が実行されるように、槽洗浄コースの運転を制御する構成であってもよい。
槽洗浄に用いる水に金属イオン(例えば銀イオンや銅イオン)が含まれていれば、収容槽内や攪拌部材表面における菌やカビの繁殖を有効に抑えることができる。
以上のように、本発明の給水装置、給水方法、撒水装置および洗濯機では、乾燥しやすい小径粒子の液滴、すなわち、結晶の溶解により仕上物質が溶出しやすい液滴を、シャワー噴射部にて発生させて給水対象に噴射するので、仕上物質がその溶出時において発揮する効果をより発揮しやすくすることができ、仕上物質固有の効果を確実に得ることができる。
また、給水対象が例えば撥水性の布や疎水性の布である場合でも、シャワー水をその布に噴射すれば、シャワー水に含まれている仕上物質を確実に布表面に付着させることができる。したがって、撥水性の布や疎水性の布のように内部まで仕上物質が滲み込みにくい給水対象についても、仕上物質がその溶出時において発揮する効果を確実に得ることができる。
本発明の実施の一形態について、図1ないし図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明は、給水対象に対して仕上物質を含む水をシャワー状で噴射し、給水対象の表面に小径粒子の水(液滴)を付着させることで、上記水を乾燥しやすくするとともに、上記水の乾燥によって結晶化する仕上物質を再度水に溶け出しやすくし、仕上物質が発揮する固有の効果をより発揮しやすくする点に最も大きな特徴がある。以下、このような点を踏まえて本発明について説明する。
なお、給水対象としては、ここでは例えば以下のようなものを考えることができる。本発明の給水装置が洗濯機に用いられれば、給水対象は洗濯物であり、給水装置が食器洗い乾燥機に用いられれば、給水対象は食器である。また、給水装置が例えば風呂場や洗面所に設置されるシャワー装置に用いられれば、給水対象は入浴者(人間、動物)または洗顔者(洗髪者)であり、給水装置がトイレに設置されるシャワー装置に用いられれば、給水対象は人間(臀部)である。さらに、給水装置が園芸用の散水装置に用いられれば、給水対象は庭木である。
また、本発明の給水装置とは、上記した給水対象に水を供給するものであり、洗濯機や撒水装置に用いることが可能である。ここで、撒水装置とは、本発明の給水装置を備え、上記給水装置からシャワー水を給水対象に撒水するものであり、例えば、上述した食器洗い乾燥機、シャワー装置、散水装置を想定することができる。
本発明の給水装置は、給水対象に対して水を給水するものであれば、どのようなものにも適用可能であるが、ここでは、一例として、本発明の給水装置を洗濯機に適用した例について説明する。
(1.洗濯機の構成)
図1は、洗濯機1の全体構成を示す垂直断面図である。洗濯機1は、全自動型のものであり、外箱10を備えている。外箱10は、直方体形状で、金属または合成樹脂により成形され、その上面および底面は開口部となっている。外箱10の上面開口部には、合成樹脂製の上面板11が重ねられ、この上面板11が外箱10にネジで固定されている。
図1において、左側が洗濯機1の正面、右側が背面とすると、洗濯機1の背面側に位置する上面板11の上面には、同じく合成樹脂製のバックパネル12が重ねられ、このバックパネル12が外箱10または上面板11にネジで固定されている。外箱10の底面開口部には、合成樹脂製のベース13が重ねられ、このベースが外箱10にネジで固定されている。なお、図1では、これまでに述べてきたいずれのネジの図示をも省略している。
ベース13の四隅には、外箱10を床の上に支えるための脚部14a・14bが設けられている。正面側の脚部14aは、高さ可変のネジ脚であり、これを回して洗濯機1のレベル出しを行う。背面側の脚部14bは、ベース13に一体成型した固定脚である。
上面板11には、後述する洗濯槽30に洗濯物を投入するための洗濯物投入口15が形設されている。蓋16は、上面板11にヒンジ部17で結合され、垂直面内で回動するとともに、洗濯物投入口15を上から覆う。
外箱10の内部には、水槽20と、脱水槽を兼ねる洗濯槽30とが配置されている。水槽20および洗濯槽30は、両者ともに、上面が開口した円筒形のカップの形状を呈しており、各々の軸線が鉛直方向となり、かつ、水槽20が外側、洗濯槽30が内側となるように同心状に配置されている。
水槽20は、サスペンション部材21によって吊り下げられている。サスペンション部材21は、水槽20の外面下部と外箱10の内面コーナー部とを連結する形で計4箇所に配備され、水槽20を水平面内で揺動できるように支持している。
洗濯槽30は、上方に向かうにつれて緩やかに広がるテーパー形状の周壁を有している。この周壁には、その最上部に環状に配置した複数個の脱水孔31を除き、液体を通すための開口部はない。すなわち、洗濯槽30は、いわゆる「穴なし」タイプである。洗濯槽30の上部開口部の縁には、環状のバランサ32が装着されている。バランサ32は、洗濯物の脱水のため、洗濯槽30を高速回転させたときに、その振動を抑制する働きを有している。洗濯槽30の内部底面には、槽内で洗濯水あるいはすすぎ水の流動を生じさせるためのパルセータ33が配置されている。
水槽20の下面には、駆動ユニット40が装着されている。駆動ユニット40は、モータ41、クラッチ機構42およびブレーキ機構43を含んでおり、その中心部から、脱水軸44とパルセータ軸45とが上向きに突出している。脱水軸44とパルセータ軸45とは、脱水軸44を外側、パルセータ軸45を内側とする二重軸構造となっている。脱水軸44は、下方から上方に向かって水槽20の中に入り込んだ後、洗濯槽30に連結し、これを支えている。パルセータ軸45は、下方から上方に向かって水槽20を貫いてさらに洗濯槽30の中に入り込み、パルセータ33に連結し、これを支えている。脱水軸44と水槽20との間、および、脱水軸44とパルセータ軸45の間には、各々、水もれを防ぐためのシール部材が配置されている。
バックパネル12の下の空間には、電磁的に開閉する給水弁50が配置されている。給水弁50は、バックパネル12を貫通して上方に突きだす接続管51を有している。接続管51には、水道水などの上水を供給する給水ホース(図示せず)が接続されている。また、給水弁50は、容器状の給水口53に接続されている。給水口53は、洗濯槽30の内部に臨む位置にあり、図2に示す構造を有している。
図2は、給水口53の模式的な垂直断面図であり、正面側から見た図である。給水口53は、正面側が開口しており、その開口部から引き出し53a(投入ケース)が挿入される。引き出し53aの内部は、複数(本実施形態では左右2個)に区画されている。左側の区画は、洗剤を入れておく準備空間となる洗剤室54である。右側の区画は、洗濯用の仕上剤を入れておく準備空間となる仕上剤室55である。洗剤室54の底部には、給水口53の内部に向かって開口する注水口54aが設けられている。仕上剤室55には、サイホン部57が設けられている。給水口53は、引き出し53aの下の箇所が洗濯槽30に注水する注水口56となっている。
サイホン部57は、仕上剤室55の底面から垂直に立ち上がる内管57aと、内管57aにかぶせられるキャップ状の外管57bとからなっている。内管57aと外管57bとの間には、水の通る隙間が形成されている。内管57aの底部は、給水口53の底部に向かって開口している。外管57bの下端は、仕上剤室55の底面と所定の隙間を保ち、ここが水の入口になる。内管57aの上端を超えるレベルまで仕上剤室55に水が注ぎ込まれると、サイホンの作用が起こり、水はサイホン部57を通って仕上剤室55から吸い出され、給水口53の底部に向かい、そこから注水口56を通じて洗濯槽30へと落下する。
給水弁50は、メイン給水弁50aと、サブ給水弁50bと、シャワー用給水弁50cとからなり、これら3つの給水弁に接続管51が枝分かれして接続されている。接続管51の入水側は、ホース等を介して水道の蛇口に接続される。
メイン給水弁50aは、メイン給水管52aを通じて給水口53の天井部の開口に接続される。この開口は、洗剤室54に向かって開いている。したがって、メイン給水弁50aから流れ出す水は、メイン給水管52aから洗剤室54に注ぎ込まれる。
サブ給水弁50bは、サブ給水管52bを通じて給水口53の天井部の開口に接続される。この開口は、仕上剤室55に向かって開いている。したがって、サブ給水弁50bから流れ出す水は、サブ給水管52bから仕上剤室55に注ぎ込まれる。すなわち、メイン給水弁50aから洗剤室54を通って洗濯槽30に注ぐ経路と、サブ給水弁50bから仕上剤室55を通って洗濯槽30に注ぐ経路とは別系統である。
シャワー用給水弁50cは、シャワー給水管52cを介して本発明の給水装置300に接続される。3つの給水管、すなわち、メイン給水管52a、サブ給水管52bおよびシャワー給水管52cで、給水管52が構成されている。
なお、接続管51の中には、図示しないストレーナが配置されている。ストレーナは、給水弁50の中および給水装置300に異物が入り込まないようにするためのものである。
図1に戻って説明を続ける。水槽20の底部には、水槽20および洗濯槽30の中の水を外箱10の外に排水する排水ホース60が取り付けられている。排水ホース60には、排水管61および排水管62から水が流れ込む。排水管61は、水槽20の底面の外周寄りの箇所に接続されている。一方、排水管62は、水槽20の底面の中心寄りの箇所に接続されている。
水槽20の内部底面には、排水管62の接続箇所を内側に囲い込むように環状の隔壁63が固定されている。隔壁63の上部には、環状のシール部材64が取り付けられている。このシール部材64が洗濯槽30の底部外面に固定したディスク65の外周面に接触することにより、水槽20と洗濯槽30との間に独立した排水空間66が形成されている。排水空間66は、洗濯槽30の底部に形設した排水口67を介して洗濯槽30の内部に連通している。
排水管62には、電磁的に開閉する排水弁68が設けられている。排水管62の排水弁68の上流側にあたる箇所には、エアトラップ69が設けられており、エアトラップ69からは導圧管70が延び出している。導圧管70の上端には、洗濯槽30または水槽20の水量検知手段である水位スイッチ71が接続されている。
外箱10の正面側には、制御部80が配置されている。制御部80は、上面板11の下に置かれており、上面板11の上面に設けられた操作/表示部81を通じて使用者からの操作指令を受け、駆動ユニット40、給水弁50および排水弁68に動作指令を発する。また、制御部80は、操作/表示部81に表示指令を発する。制御部80は、後述するイオン溶出ユニット100の駆動回路120(図10参照)を含んでいる。
メイン給水弁50aよりも給水経路下流側には、流量検知手段185が配置されている。流量検知手段185は、周知の流量計により構成することができる。流量検知手段185は、図1では、給水弁50に付属しているように描かれているが、配置場所はここに限定されず、後述するイオン溶出ユニット100のところに設けられてもよいし、給水口53のところに設けられてもよい。また、流量検知は、水位スイッチ71の検知した単位時間当たりの水量変化や、単位水量の変化に要する時間などから演算して求めるという手法で行うこともできる。また、流量検知を行わず、一般的な給水水圧では、ある範囲の流量しか流れない弁を用いて、流量をある範囲内に設定する構成であってもよい。
(2.洗濯機の動作)
次に、洗濯機1の通常の洗濯動作について説明する。
(2−1.洗濯機の準備動作)
まず、蓋16を開け、洗濯物投入口15から洗濯槽30の中へ洗濯物を投入する。そして、給水口53から引き出し53aを引き出し、洗剤室54には洗剤を入れる。必要であるなら、給水口53の仕上剤室55に仕上剤を入れる。なお、仕上剤は、洗濯工程の途中で入れてもよいし、必要がなければ入れなくてもよい。洗剤と仕上剤のセットを終えたら、引き出し53aを給水口53に押し込む。また、洗剤や仕上剤は、洗濯物の量を検知する手段を有していれば、検知後、目安の負荷量や洗剤量や水量にしたがって入れてもよい。
洗剤と仕上剤の投入準備を整えた後、蓋16を閉じ、操作/表示部81の操作ボタン群を操作して洗濯条件(洗濯コース)を選ぶ。最後にスタートボタンを押せば、図3ないし図6のフローチャートにしたがって各工程が遂行される。
ここで、洗濯機1が実行する洗濯コースとしては、大きく分けて、通常コースと、槽洗浄コースとがある。槽洗浄コースは、洗濯槽30と水槽20とのうち少なくとも一方の槽を洗浄するコースである。これらの洗濯コースは、操作/表示部81により選択可能となっている。また、各洗濯コースは、洗濯工程としての後述する洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の少なくともいずれか、またはこれらの組み合わせで構成されている。
上記の通常コースは、さらに、標準コースと、抗菌処理コースとに区別される。
標準コースは、洗濯物の洗濯を実行するコースであり、洗濯物の種類に応じて、ソフトコース、ゴシゴシコース、ドライコース、毛布コースなどがある。これらのコースは、操作/表示部81により個別に設定可能であり、各コースに応じて、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の少なくともいずれかの洗濯工程が選択され、実行される。また、これらの各コース同士では、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の時間、回転数(攪拌力)などが目的に応じてそれぞれ異なっている。
抗菌処理コースは、洗濯物に対して抗菌処理を行うコースである。操作/表示部81により抗菌処理コースが設定されると、基本的には、同じく操作/表示部81にて設定される標準コースと同じ洗濯工程が実行される。そして、その途中の工程(例えばすすぎ工程)で、イオン溶出ユニット100(図7参照)から金属イオンが溶出されて、その金属イオンを含む水が後述するシャワー噴射部200(図7参照)から洗濯槽30に供給され、洗濯物に対して抗菌処理がされることになる。この抗菌処理コースの詳細については、後述することとする。
(2−2.標準コースの基本動作)
次に、洗濯機1の洗濯コースとして、標準コースが設定されたときの洗濯機1の基本動作について、図3に基づいて説明する。図3は、洗濯工程全体の動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下の工程において、所定の判断を行う主体は、制御部80である。
ステップS201では、設定した時刻に洗濯を開始する予約運転が選択されているかどうかを確認する。予約運転が選択されていれば、ステップS202に進み、選択されていなければステップS203に進む。
ステップS202に進んだ場合は、運転開始時刻になったかどうかの確認が行われる。運転開始時刻になったら、ステップS203に進む。
ステップS203では、洗い工程が選択されているかどうかを確認する。洗い工程が選択されていればステップS300に進み、選択されていなければ、そのままステップS204に進む。なお、ステップS300の洗い工程の内容は、別途、図4のフローチャートで説明する。ステップS300の洗い工程終了後は、ステップS204に進む。
ステップS204では、すすぎ工程が選択されているかどうかを確認する。すすぎ工程が選択されていれば、ステップS400に進み、選択されていなければ、そのままステップS205に進む。なお、ステップS400のすすぎ工程の内容は、別途、図5のフローチャートで説明する。ステップS400のすすぎ工程終了後は、ステップS205に進む。
ステップS205では、脱水工程が選択されているかどうかを確認する。脱水工程が選択されていれば、ステップS500に進み、選択されていなければ、そのままステップS206に進む。なお、ステップS500の脱水工程の内容は、別途、図6のフローチャートで説明する。ステップS500の脱水工程終了後は、ステップS206に進む。
ステップS206では、乾燥工程が選択されているかどうかを確認する。乾燥工程が選択されていれば、ステップS600に進み、選択されていなければ、そのままステップS207に進む。ステップS600の乾燥工程では、例えば、洗濯槽30内に温風を供給することで、洗濯物を乾燥させる。洗濯槽30から排出される高温多湿の空気は、冷却水によって冷却され(水冷除湿方式)、当該空気中の湿気が水に変換された後、機外に排出される。ステップS600の乾燥工程終了後は、ステップS207に進む。
ステップS207では、制御部80、特にその中に含まれる演算装置(マイクロコンピュータ)による終了処理が、所定の手順に従って自動的に進められる。また、ステップS208では、制御部80は、洗濯工程が完了したことを終了音で報知する。すべての工程が終了した後、洗濯機1は、次の洗濯工程に備えて待機状態に戻る。
(2−2−1.洗い工程)
次に、上述した洗い工程の詳細について、図4に基づいて説明する。図4は、洗い工程における動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下の工程においても、所定の判断を行う主体は、制御部80である。
ステップS301では、水位スイッチ71の検知している洗濯槽30内の水位データのとり込みが行われる。ステップS302では、容量センシングの選択がなされているかどうかを確認する。容量センシングが選択されていれば、ステップS308に進み、選択されていなければ、そのままステップS303に進む。
ステップS308では、パルセータ33の回転負荷により、洗濯物の量を測定する。容量センシング後、ステップS303に進む。
ステップ303では、メイン給水弁50aが開き、メイン給水管52aおよび給水口53を通じて洗濯槽30に水が注がれる。このとき、給水口53の洗剤室54に装填された洗剤も、水に混じって洗濯槽30に投入される。なお、この時点では、排水弁68は閉じている。水位スイッチ71が設定水位を検知すると、メイン給水弁50aが閉じ、ステップS304に進む。
ステップS304では、なじませ運転を行う。すなわち、パルセータ33が反転回転し、洗濯物と水とを攪拌して、洗濯物を水になじませる。これにより、洗濯物に水を十分に吸収させることができる。また、洗濯物の各所にとらわれていた空気を逃がすこともできる。なじませ運転の結果、水位スイッチ71の検知する水位が当初より下がったときは、ステップS305で、メイン給水弁50aを開いて水を補給し、設定水位を回復させる。
このとき、「布質センシング」を行う洗濯コースを選択していれば、なじませ運転と共に布質センシングが実施される。なじませ運転を行った後、設定水位からの水位変化を検出し、水位が規定値以上に低下していれば、吸水性の高い布質であると判断する。
ステップS305で、所定の設定水位が得られると、ステップS306に進む。ステップS306では、使用者の設定に従い、モータ41がパルセータ33を所定のパターンで回転させ、洗濯槽30の中に洗濯のための主水流を形成する。この主水流により、洗濯物の洗濯が行われる。脱水軸44にはブレーキ装置43によりブレーキがかかっており、洗濯水および洗濯物が動いても、洗濯槽30は回転しない。
主水流の期間が経過した後、ステップS307に進む。ステップS307では、パルセータ33が小刻みに反転して洗濯物をほぐし、洗濯槽30の中に洗濯物がバランス良く配分されるようにする。これは、洗濯槽30の脱水回転に備えるためである。
(2−2−2.すすぎ工程)
次に、上述したすすぎ工程の詳細について、図5に基づいて説明する。図5は、すすぎ工程における動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下の工程においても、所定の判断を行う主体は、制御部80である。
最初に、ステップS500の脱水工程が入るが、これについては図6のフローチャートで説明する。この脱水工程後は、ステップS401に進む。ステップS401では、メイン給水弁50aが開き、設定水位まで給水が行われる。なお、仕上剤の投入も選択されていれば、サブ給水弁50bも開き、給水が行われ、サイホン部57を通り、注水口56を通じて、洗濯槽30に仕上剤が注ぎ込まれる。
給水後、ステップS402に進む。ステップS402では、なじませ運転が行われる。このなじませ運転では、ステップS500(脱水工程)で洗濯槽30に貼り付いた洗濯物を剥離し、水になじませ、洗濯物に水を十分に吸収させる。
なじませ運転の後、ステップS403に進む。なじませ運転の結果、水位スイッチ71の検知する水位が設定水位より下がっていたときは、メイン給水弁50aを開いて水を補給し、設定水位を回復させる。
ステップS403で設定水位を回復した後は、ステップS404に進む。ステップS404では、使用者の設定に従い、モータ41がパルセータ33を所定のパターンで回転させ、洗濯槽30の中にすすぎのための主水流を形成する。この主水流により洗濯物を攪拌し、洗濯物のすすぎが行われる。脱水軸44にはブレーキ装置43によりブレーキがかかっており、すすぎ水および洗濯物が動いても、洗濯槽30は回転しない。
主水流(攪拌)の期間が経過した後、ステップS405に移る。ステップS405では、パルセータ33が小刻みに反転して洗濯物をほぐす。これにより、洗濯槽30の中に洗濯物がバランス良く配分されるようにし、脱水回転に備える。
なお、以上の説明では、洗濯槽30の中にすすぎ水をためておいてすすぎを行う「ためすすぎ」を実行するものとしたが、常に新しい水を補給する「注水すすぎ」、あるいは洗濯槽30を低速回転させながら給水口53より洗濯物に水を注ぎかける「シャワーすすぎ」を行うこととしてもよい。
(2−2−3.脱水工程)
次に、上述した脱水工程の詳細について、図6に基づいて説明する。図6は、脱水工程における動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下の工程においても、所定の判断を行う主体は、制御部80である。
まず、ステップS501では、排水弁68を開く。これにより、洗濯槽30の中の洗濯水は、排水空間66を通じて排水される。排水弁68は、脱水工程中は開いたままである。
そして、ステップS502にて、比較的低速の脱水運転を行った後、ステップS503にて、高速の脱水運転を行う。ステップS504では、モータ41への通電を断ち、ブレーキをかける等の停止処理を行う。
ステップS502およびステップS503の脱水工程では、以下の動作が行われる。すなわち、洗濯槽30および洗濯物から大部分の洗濯水が抜けたところで、クラッチ装置42およびブレーキ装置43が切り替わる。クラッチ装置42およびブレーキ装置43の切り替えタイミングは、排水開始前または排水と同時でよい。そして、今度は、モータ41が脱水軸44を回転させる。これにより、洗濯槽30が脱水回転を行う。このとき、パルセータ33も洗濯槽30とともに回転する。
洗濯槽30が回転すると、洗濯物は、遠心力で洗濯槽30の内周壁に押しつけられる。そして、洗濯物に含まれていた洗濯水も、洗濯槽30の周壁内面に集まってくる。このとき、前述の通り、洗濯槽30はテーパー状に上方に広がっているので、遠心力を受けた洗濯水は、洗濯槽30の内面を上昇する。洗濯水は、洗濯槽30の上端にたどりついたところで脱水孔31から放出される。脱水孔31を離れた洗濯水は、水槽20の内面にたたきつけられ、水槽20の内面を伝って水槽20の底部に流れ落ちる。そして、上記洗濯水は、排水管61と、それに続く排水ホース60とを通って外箱10の外に排出される。
(3.給水装置の構成)
次に、本発明の最も特徴的な部分である給水装置300について説明する。
図7は、給水装置300を取り付けた洗濯機1を斜め上方から見たときの洗濯機1の斜視図を示している。また、図8は、給水装置300の模式的な側面図を示している。給水装置300は、給水対象としての洗濯物に水を供給する装置であり、イオン溶出ユニット100と、シャワー噴射部200とを有している。イオン溶出ユニット100とシャワー噴射部200とは、連結管250を介して連結されている。
(3−1.イオン溶出ユニットの構成)
イオン溶出ユニット100は、シャワー給水管52cから給水対象である洗濯物に供給される水に仕上物質を投入する投入部であり、また、上記仕上物質として金属イオンを溶出し、内部を通過する水に投入するイオン溶出部でもある。イオン溶出ユニット100は、筐体110と、流入口111と、流出口112と、電極113・114と、端子部115・116(図9参照)とを有している。
筐体110は、電極113・114を収容するものであり、合成樹脂、シリコン、ゴムなど絶縁材料で構成されている。筐体110は、上側筐体110aと下側筐体110bとをビス117で数箇所ネジ止めされて構成されている。
筐体110は、その一断面が円形となっており、全体として略円柱形状で構成されている。筐体110をこのような形状とすることにより、イオン溶出ユニット100を耐圧構造にすることができる。つまり、後述するシャワー噴射部200にてシャワー噴射を行うべく、その噴射口を絞っていることによって、イオン溶出ユニット100の筐体110内部には、高い内圧がかかる。しかし、筐体110が略円柱形状であれば、そのような内圧が周方向に均等に分散されるので、そのような内圧にも耐え得るようにすることができる。これにより、イオン溶出ユニット100の上記内圧による破壊を防止することができる。
なお、筐体110の形状は、上記の略円柱形状に限定されず、楕円形状や球形、回転楕円体であっても、耐圧構造を容易に実現することができる。
流入口111は、シャワー給水管52cから筐体110内に供給される水の流入口であり、この流入口111を介して筐体110の内部に水が流入する。
流出口112は、筐体110からシャワー噴射部200への水の流出口である。筐体110内の水は、流出口112および連結管250を介して、シャワー噴射部200に供給される。また、筐体110内の残水を排出するために、流出口112は複数設けられることが望ましく、本実施形態では、2個の流出口112a・112bが設けられている。なお、流出口112a・112bの位置関係については後述する。
電極113・114は、金属イオンを溶出するものである。ここで、図9は、イオン溶出ユニット100の外観および内部構造を模式的に示す斜視図である。なお、説明の便宜上、図中、流入口111および流出口112の図示を省略している。電極113・114は、平板状で構成されており、筐体110内で所定間隔をおいて平行に配置されている。後述する端子部115・116を介して、この2枚の電極113・114間に電圧を印加することにより、例えば陽極の電極にて電極の構成金属が溶出し、筐体110内の水に添加されることになる。
電極113・114を構成する金属としては、銀、銅、亜鉛若しくはそれらの合金であることが好ましい。銀電極から溶出する銀イオン、亜鉛電極から溶出する亜鉛イオンは、殺菌効果に優れ、銅電極から溶出する銅イオンは、防カビ性に優れている。また、これらの合金からは、成分金属のイオンを同時に溶出させることができるので、優れた殺菌効果および防カビ効果を得ることができる。
ここで、電極113・114を銀電極とした場合の抗菌メカニズムについて、具体的に説明すると以下の通りである。
例えば、汗をかいたとき、衣類が臭うのは、菌の繁殖が原因である。汗は、本来無臭であり、脂肪酸とグリセリンとからなるグリセリドをその成分の一つとして含んでいるが、菌がそのグリセリドを分解することで、グリセリドから分解された脂肪酸が臭いを放つ。
しかし、電極113・114が銀電極の場合、これらの電極に電圧を印加することによって、陽極側の電極においてAg→Ag+eの反応が起こり、水中に銀イオンが溶出する。この銀イオンが臭いの原因となる菌に作用することにより、菌が不活化されるので、汗成分(グリセリド)が分解されず、臭いの発生が抑えられるということである。なお、上記の不活化とは、殺菌、除菌、滅菌、分解、除去などの作用が施されることを言う。
端子部115・116は、電極113・114に電圧を印加するためのものである。電極113と端子部115とは、同じ金属(例えば銀)で構成されており、電極114と端子部116とは、同じ金属(例えば銀)で構成されている。端子部115・116は、筐体110の外部から筐体110を貫通して電極113・114と電気的に接続されている。筐体110の外部の端子部115・116は、後述する制御部80の駆動回路120(図10参照)に接続される。
ここで、本実施形態では、端子部115・116は、円柱形状で形成されている。これにより、端子部115・116の筐体110の貫通部分において、端子部115・116と筐体110とのシール性を高めることができる。
つまり、筐体110内部には、シャワー噴射に起因する大きな内圧がかかるが、端子部115・116を円柱形状、すなわち、断面を円形とすることにより、そのような大きな圧力が端子部115・116の周方向において均等に分散される。これにより、端子部115・116の破損を防止できるとともに、端子部115・116と筐体110とのシール性を高めることができる。
なお、上述した効果を得るためには、端子部115・116は、少なくとも筐体110の貫通部分において断面が円形であればよい。しかし、本実施形態のように、端子部115・116を、その軸方向全域にわたって断面円形となるように構成すれば、端子部115・116の製造がしやすくなり、イオン溶出ユニット100の生産性が向上するという利点もある。
また、端子部115と電極113、端子部116と電極114とは、一体成形により形成されてもよいが、円柱形状の端子部115・116と、平板状の電極113・114との一体成形が困難であることから、本実施形態では、端子部115・116を銀蝋付けにより電極113・114にそれぞれ電気的に接続している。なお、銀蝋付けとは、例えば銀と錫との銀合金を蝋材とし、母材の金属を熔かさずに、母材よりも低温で溶融する蝋材を熔かして金属を母材に接着する方法のことである。
次に、上述した複数の流出口112の位置関係について説明する。
給水対象への水の給水後、金属イオンを含む水がイオン溶出ユニット100の筐体110内に残留していると、その金属イオンが金属またはその塩として析出し、筐体100内の電極113・114間を短絡させるおそれがある。また、イオン溶出ユニット100の筐体110内に空気が残存していると、次に筐体110内に水が流入したときに、上記空気の存在により、筐体100内の電極113・114が上部まで水に浸からない。その結果、水に浸かっていない電極部分を金属イオンの溶出に利用することができない。
そこで、本実施形態では、図8に示すように、イオン溶出ユニット100において、筐体110に複数の流出口112a・112bを設けるとともに、これらの流出口112a・112bを互いに高低差が付くように設けている。つまり、流出口112aを流出口112bよりも高い位置に設けている。流出口112aは、連結管250(250a)を介してシャワー噴射部200(200a)と連結されており、流出口112bは、連結管250(250b)を介してシャワー噴射部200(200b)と連結されている。
これにより、筐体110内に金属イオン水が残留していても、その残水を、より低い位置にある流出口112bから連結管250bおよびシャワー噴射部200bを介して筐体110外部に流出させることができる。また、イオン溶出ユニット100への水の流入時に筐体110内に空気が残存していても、その空気を、より高い位置にある流出口112aから連結管250aおよびシャワー噴射部200aを介して筐体110外部へ抜くことができ、少なくとも流出口112aの位置までは、筐体110内に流入する水の水位を上げることができる。その結果、残水中の金属イオンに起因する電極113・114間の短絡を回避しながら、筐体110内の電極113・114を有効利用することができる。
このとき、最下部に位置する流出口112bは、イオン溶出ユニット100の電極113・114の下端Aよりも低位置に設けられることが好ましい。この場合、流出口112bよりも上方に存在する筐体110内の残水を流出口112bから排出することができ、電極113・114全体が残水に浸かるのを確実に回避することができる。その結果、電極113・114間の短絡を確実に回避することができる。
また、金属イオン水を噴射した後、金属イオンを含まない水か、または、金属イオン濃度が低い水を、所定量、または所定時間噴射するようにしても良い。そうすることによって、ユニットを最後に通過する水の金属イオン濃度を低くできるので、仮にユニット内部に残水が生じた場合でも、その残水中の金属イオン濃度が低く、残水中の金属イオンに起因する電極113・114間の短絡を起こりにくくすることができる。
また、本実施形態では、最下部に位置する流出口112bは、筐体110の下面に接して設けられている。なお、下面に接するとは、流出口112bの最下部が、筐体110の下面と同じ高さ位置にあることを意味する。これにより、筐体110内の残水をほとんど全て流出口112bから排出することができる。したがって、電極113・114間の短絡を防止できる上述の効果に加えて、残水の凍結によって生じる不都合、すなわち、筐体110の変形および破壊や、筐体110内部がつまって水が流れないといった事態を防止することもできる。
また、本実施形態では、最上部に位置する流出口112aは、イオン溶出ユニット100の電極113・114の上端Bよりも高位置に設けられている。これにより、イオン溶出ユニット100への水の流入時に筐体110内に空気が残存していても、流出口112aから筐体110内の空気を抜くことができる。したがって、少なくともその位置までは、イオン溶出ユニット100内に流入する水の水位を上げることができるので、最上部の流出口112aより低位置にある電極113・114全体を水に浸からせることができる。よって、筐体110内の電極113・114を確実に有効利用することができる。
また、本実施形態では、最上部に位置する流出口112aは、筐体110の上面に接して設けられている。なお、上面に接するとは、流出口112aの最上部が、筐体110の上面と同じ高さ位置にあることを意味する。これにより、筐体110内に存在するほとんどの空気が、流出口112aから抜ける。その結果、筐体110内に流入する水の水位を筐体110の上部まで確実に上げることができ、筐体110内の電極113・114をより一層確実に有効利用することができる。
(3−2.シャワー噴射部の構成)
次に、シャワー噴射部200について説明する。図7および図8に示すように、シャワー噴射部200は、投入部としてのイオン溶出ユニット100を介して得られる水をシャワー状にして給水対象に噴射するものである。
ここで、シャワー状の水とは、洗濯槽30内の給水対象(ここでは洗濯物)に断続的に降り注がれる小径粒子の水(液滴)を言う。このようなシャワー水は、シャワー噴射部200の噴射口を小さく絞り、所定時間内に所定量以上の水を空気と混ぜて噴射口に供給することで、上記噴射口から噴射させることが可能である。
なお、シャワー水の水滴の径(大きさ)については、特に制限はない。水滴は、小さくなればなるほど霧状(ミスト状、スプレー状)となり、同一量の水と比較して、その表面積が大きくなる。水滴の表面積が大きくなればなるほど、空気と触れる部分が増えるので、水滴はより乾燥しやすくなる。本発明は、噴射によって給水対象に付着させる水の乾燥を極力速くして、その水に溶けている仕上物質の結晶をより大きくすることにポイントがあるため、乾燥のしやすさだけを考えれば、シャワー水としては霧状のものが望ましい。
しかし、水道水の水圧は一定なので、噴射口を絞ってシャワー水の水滴を小さくすればするほど、同一量の水を給水(噴射)する場合における給水時間(噴射時間)は長くなる。したがって、シャワー水の水滴の大きさ(または噴射口の大きさ)は、水滴の乾燥スピードと給水時間との兼ね合いで適宜設定されればよい。なお、例えば風呂場のシャワー水のような大きさの水滴であっても、同一量の水と比較して、その表面積が大きくなり、乾燥しやすくなることに変わりはないので、後述する本発明の効果を十分に得ることができる。
このようなシャワー水を噴射するシャワー噴射部200は、上記した複数の流出口112に対応して複数設けられている。つまり、流出口112aに対応してシャワー噴射部200aが設けられており、流出口112bに対応してシャワー噴射部200bが設けられている。これらシャワー噴射部200a・200bは、洗濯槽30の上方に位置しており、洗濯槽30内部に向かってシャワー状の水を噴射するようになっている。
本実施形態では、各シャワー噴射部200a・200bは、互いに高低差が付くように、各連結管250a・250bを介して各流出口112a・112bと接続されている。つまり、シャワー噴射部200aは、シャワー噴射部200bよりも高い位置に設けられており、その高低差Hは例えば1cmとなっている。
各シャワー噴射部200a・200bにこのような高低差を設けることで、給水対象への金属イオン水の給水停止時(止水時)には、より高い位置にあるシャワー噴射部200aと、より低い位置にあるシャワー噴射部200bとの間に水圧差(揚程差)が生じる。これにより、止水時に給水装置300全体に金属イオン水が残水していても、その残水は、高位置のシャワー噴射部200aから、連結管250a、イオン溶出ユニット100、連結管250bを順に介して、低位置のシャワー噴射部200bへと流れ、そのシャワー噴射部200bから外部に抜ける。したがって、止水時に筐体110内部に金属イオン水が残ることがないので、残水に含まれる金属イオンに起因して起こる電極113・114間の短絡や残水の凍結による筐体110の破壊等、残水に起因する上述した不都合をより確実に回避することができる。
また、本実施形態では、最下部に位置するシャワー噴射部200bは、イオン溶出ユニット100の電極113・114の下端Aよりも低位置に設けられている。これにより、最下部のシャワー噴射部200bよりもイオン溶出ユニット100内で上方に存在する残水を排出することができ、シャワー噴射部200bよりもイオン溶出ユニット100内で上方に位置する電極113・114が残水に浸かることがない。その結果、残水に含まれる金属イオンに起因する電極113・114間の短絡を回避することができる。
(4.駆動回路の構成)
次に、イオン溶出ユニット100の駆動回路120について、図10に基づいて説明する。図10は、駆動回路120の概略の構成を示す説明図である。
商用電源121には、トランス122が接続されており、このトランス122が100Vを所定の電圧に降圧する。トランス122の出力電圧は、全波整流回路123によって整流された後、定電圧回路124で定電圧とされる。定電圧回路124には、定電流回路125が接続されている。定電流回路125は、後述する電極駆動回路150に対し、電極駆動回路150内の抵抗値の変化にかかわらず一定の電流を供給するように動作する。
また、商用電源121には、トランス122と並列に整流ダイオード126が接続されている。整流ダイオード126の出力電圧は、コンデンサ127によって平滑化された後、定電圧回路128によって定電圧とされ、マイクロコンピュータ130に供給される。マイクロコンピュータ130は、トランス122の一次側コイルの一端と商用電源121との間に接続されたトライアック129を起動制御する。
電極駆動回路150は、NPN型トランジスタQ1〜Q4、ダイオードD1・D2、抵抗R1〜R7を図のように接続して構成されている。トランジスタQ1とダイオードD1とは、フォトカプラ151を構成し、トランジスタQ2とダイオードD2とは、フォトカプラ152を構成している。すなわち、ダイオードD1・D2は、フォトダイオードであり、トランジスタQ1・Q2は、フォトトランジスタである。
今、マイクロコンピュータ130からラインL1にハイレベルの電圧、ラインL2にローレベルの電圧またはOFF(ゼロ電圧)が与えられると、ダイオードD2がONになり、それに付随してトランジスタQ2もONになる。トランジスタQ2がONになると、抵抗R3・R4・R7に電流が流れ、トランジスタQ3のベースにバイアスがかかり、トランジスタQ3はONになる。
一方、ダイオードD1はOFFなので、トランジスタQ1はOFF、トランジスタQ4もOFFとなる。この状態では、陽極側の電極113から陰極側の電極114に向かって電流が流れる。これによって、イオン溶出ユニット100では、陽イオンの金属イオンと陰イオンとが発生する。
イオン溶出ユニット100に長時間一方向に電流を流すと、図10で陽極側となっている電極113が減耗するとともに、陰極側となっている電極114には、水中のカルシウムなどの不純物がスケールとして固着する。また、電極の成分金属の塩化物および硫化物が電極表面に発生する。このことはイオン溶出ユニット100の性能低下をもたらすので、本実施形態では、電極の極性を反転して電極駆動回路150を運転できるように構成されている。
電極の極性を反転するにあたっては、ラインL1・L2の電圧を逆にして、電極113・114を逆方向に電流が流れるようにマイクロコンピュータ130が制御を切り替える。この場合、トランジスタQ1・Q4がON、トランジスタQ2・Q3がOFFとなる。マイクロコンピュータ130は、カウンタ機能を有していて、所定カウント数に達する度に上述の切り替えを行う。
電極駆動回路150内の抵抗の変化、特に電極113・114の抵抗変化によって、電極間を流れる電流値が減少するなどの事態が生じた場合は、定電流回路125がその出力電圧を上げ、電流の減少を防止する。しかしながら、累積使用時間が長くなると、イオン溶出ユニット100が寿命を迎える。この場合、電極の極性反転や、特定極性である時間を平時よりも長くして電極に付着した不純物を強制的に取り除く電極洗浄モードへの切り替えや、定電流回路125の出力電圧上昇を実施しても、電流減少を防ぐことができなくなる。
そこで、本回路では、イオン溶出ユニット100の電極113・114間を流れる電流を抵抗R7に生じる電圧によって監視し、その電流が所定の最小電流値に至ると、それを電流検知手段が検知するようにしている。電流検知回路160がその電流検知手段である。最小電流値を検知したという情報は、フォトカプラ163を構成するフォトダイオードD3からフォトトランジスタQ5を介してマイクロコンピュータ130に伝達される。マイクロコンピュータ130は、ラインL3を介して報知手段を駆動し、所定の警告報知を行わせる。警告報知手段131がその報知手段である。警告報知手段131は、操作/表示部81または制御部80に配置されている。
また、電極駆動回路150内でのショートなどの事故については、電流が所定の最大電流値以上になったことを検出する電流検知手段が用意されており、この電流検知手段の出力に基づいて、マイクロコンピュータ130は警告報知手段131を駆動する。電流検知回路161が、その電流検知手段である。さらに、定電流回路125の出力電圧が予め定めた最小値以下になると、電圧検知回路162がこれを検知し、同様にマイクロコンピュータ130が警告報知手段131を駆動する。なお、マイクロコンピュータ130は、電極駆動回路150を動作させるために専用に設けてもよいし、制御部80の洗濯機全体の動きを制御するマイクロコンピュータと一体としてもよい。
制御部80の駆動回路120を以上のように構成することにより、制御部80は、イオン溶出ユニット100内の電極113・114への電圧印加を制御することによって、電極113・114から溶出される銀イオンの、筐体110内の水への投入/非投入を制御することができる。そして、制御部80は、電極113・114に流す電流や電圧印加時間を制御することにより、金属イオンの溶出量、言い換えれば、金属イオン水における金属イオンの濃度を制御することができる。
したがって、例えばゼオライトなどの金属イオン担持体から金属イオンを溶出させる方式に比べ、金属イオンを投入するかどうかの選択や、金属イオンの濃度の調節をすべて電気的に行えるので使い勝手がよい。さらに、制御部80は、給水弁50(シャワー用給水弁50c)の開閉量を調節してイオン溶出ユニット100に供給される水の単位時間あたりの量(給水流量、給水速度)を変化させることにより、金属イオン水の金属イオン濃度を制御することも可能である。
また、制御部80は、電極113・114への電圧印加を制御することによって、溶出される銀イオンの水への投入/非投入を制御することができることから、仕上物質としての銀イオンを含む第1の水と、仕上物質を含まない第2の水とのうちの一方がシャワー噴射部200から給水対象(洗濯物)に噴射されるように、投入部(イオン溶出ユニット100)における銀イオンの水への投入を制御する制御手段として機能することができる。
ここで、洗濯機1の洗濯槽30内で、給水対象である洗濯物が幾重にも重なっている場合に、第1の水を洗濯物に噴射すると、その洗濯物において第1の水が直接あたる表層付近の銀イオンの付着量が増大する。このような場合には、制御部80が、第1の水を給水対象に噴射した後に、第2の水をシャワー噴射部200から給水対象に噴射させる制御を行えばよい。この制御は、イオン溶出ユニット100を介してシャワー噴射部200に水を供給し続けながら、制御部80がイオン溶出ユニット100の電極113・114に電圧を印加して銀イオンを水に溶出し、同じく上記水を供給し続けながら、電圧印加を停止して銀イオンの溶出を停止させることで実現可能である。
この場合、第1の水があたる表層付近の洗濯物に付着した銀イオンを、第2の水の噴射によって奥の方の洗濯物に移動させることができる。つまり、洗濯物全体に銀イオンを行き渡らせることができる。これにより、銀イオンが発揮する抗菌効果を洗濯物全体に対して均一に得ることができる。
また、制御部80が第1の水の噴射後(銀イオンの投入後)に、第2の水を噴射(銀イオンの投入を停止)させることで、最後にイオン溶出ユニット100内に残水が生じた場合でも、その残水を、銀イオンを含まない第2の水とすることができる。これにより、イオン溶出ユニット100内に残水が生じても、銀イオンが銀化合物として析出して電極113・114間を短絡させるという事態を確実に回避することができる。
また、制御部80が、上記とは逆に、第2の水の噴射後に、第1の水をシャワー噴射部200から噴射させるようにしてもよい。この場合、第2の水の噴射によって予め洗濯物が湿っているので、その洗濯物の表面に銀イオンを含む第1の水を噴射することで、銀イオンが洗濯物に浸透している第2の水を伝って、徐々に奥まで浸透していく。これにより、洗濯物が洗濯槽30内で重なり合っている場合でも、例えば第1の水のみを洗濯物に噴射する場合に比べれば、銀イオンが発揮する抗菌効果を洗濯物のより広い範囲で得ることができる。
(5.抗菌処理コースの動作)
次に、上述したイオン溶出ユニット100および制御部80を備える洗濯機1において、操作/表示部81にて、洗濯コースとして抗菌処理コースが選択された場合の動作について説明する。
抗菌処理コースが選択された場合、基本的には、同時に操作/表示部81にて選択される所望の標準コースの運転中に、制御部80の制御によって、銀イオンを含むシャワー水(第1の水)または銀イオンを含まないシャワー水(第2の水)が所定のタイミングでシャワー噴射部200から噴射される。
ここで、図11は、標準コースおよび抗菌処理コースの内容を示している。図中、(1)が標準コースの内容を示しており、(2)〜(6)が抗菌処理コースの内容を示している。また、図中の『○』印は、実行される洗濯工程を示し、『◎』印は、上記洗濯工程と併せてシャワー噴射部200からのシャワー給水が行われることを示している。
なお、ここでは、各コースともに、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の全ての洗濯工程が実行されるものとするが、例えば、乾燥を行わずに、洗い、すすぎ、脱水を行ったり、すすぎのみを行ったりといったように、これらの工程のうち、特定の工程を行わなかったり、特定の工程のみを行ったりすることも可能である。
以下、各抗菌処理コースについて説明する。
(5−1.銀イオンシャワー(すすぎ1・2)による抗菌処理)
この抗菌処理コース(図11の(2)・(3)のコース)が設定されると、制御部80は、洗濯工程のすすぎ工程中に、銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200から噴射させる制御を行う。
洗濯工程のすすぎ工程では、同図に示すように、シャワーすすぎや、ためすすぎが行われる。シャワーすすぎとは、シャワー噴射部200とは異なる給水口53(図1、図2参照)から、通常の水道水をシャワーで給水(メイン給水)しながら洗濯槽30内で洗濯物をすすぐ工程である。一方、ためすすぎとは、給水口53から給水される水を洗濯槽30内に溜めて洗濯物をすすぐ工程である。
このようなすすぎ工程にて、銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200から噴射させることで、洗濯物をすすぐ際に、第1の水が洗濯物に付着する。これにより、第1の水に含まれる銀イオンが洗濯物に付着するので、銀イオンによる抗菌効果を洗濯物に付与することができる。つまり、シャワー噴射部200から噴射される第1の水で、洗濯物を抗菌処理することができる。
ここで、図11の(2)の抗菌処理コースにおけるすすぎ工程としては、以下のバリエーションがある。例えば、(ア)すすぎ工程が、少なくとも1回のシャワーすすぎ工程からなり、かつ、ためすすぎ工程を含まない場合や、(イ)すすぎ工程が少なくとも1回のシャワーすすぎ工程と、ためすすぎ工程とを含んでおり、ためすすぎ工程の後に上記シャワーすすぎ工程が実行される場合がある。
このように、すすぎ工程のうちで最終の工程が少なくとも1回のシャワーすすぎ工程である場合に、上記(2)の抗菌処理コースが設定された場合は、制御部80は、最終のシャワーすすぎ工程にて、銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200から噴射させる制御を行う。なお、シャワーすすぎ工程が1回のみの場合は、その実行されるシャワーすすぎ工程を最終のシャワーすすぎ工程とする。
メイン給水によるシャワーすすぎ工程を複数回行う場合、最終のシャワーすすぎ工程以外のシャワーすすぎ工程にて第1の水を噴射させると、その第1の水に含まれる銀イオンが洗濯物表面に付着したとしても、その後のシャワーすすぎ工程にて給水されるシャワー水(メイン給水)により、その銀イオンが洗い流されてしまい、洗濯物にて銀イオンによる抗菌効果が発揮されないばかりか、その銀イオンが無駄となってしまう。
しかし、最終のシャワーすすぎ工程にて、第1の水をシャワー噴射部200から噴射させれば、上記のように洗濯物表面に付着した先の銀イオンが洗い流されてしまうといった事態は生じない。したがって、最終のシャワーすすぎ工程以外のシャワーすすぎ工程にて第1の水を噴射させる場合に比べれば、洗い流されて無駄となってしまう銀イオンの量を減らすことができる。
また、このとき、制御部80は、最終のシャワーすすぎ工程以外のすすぎ工程(それより前のシャワーすすぎ工程も含む)では、銀イオンを含まない第2の水をシャワー噴射部200から噴射させる制御を行ってもよい。この場合、上記第2の水を、洗い工程を終えた後の洗濯物のすすぎ水として活用することができる。
一方、図11の(3)の抗菌処理コースの場合、すなわち、すすぎ工程が、少なくとも、ためすすぎ工程を含んでおり、かつ、上記ためすすぎ工程が最終のすすぎ工程である場合、上記制御手段(制御部80)は、上記最終のためすすぎ工程にて、上記第1の水をシャワー噴射部200から噴射させる制御を行う。
この場合、シャワー噴射部200から噴射される第1の水の量に応じて、洗濯槽30内に溜められたすすぎ水に含まれる銀イオンの量を調整することができる。つまり、上記第1の水の噴射量と、給水口53からのメイン給水の給水量との比により、すすぎ水の銀イオン濃度を調整することができる。
例えば、洗濯機1の仕様が、イオン溶出ユニット100の電極113・114に流す電流が29mA、シャワー用給水弁50cの給水流量が2L/min、ためすすぎ時の洗濯槽30内の水量が40Lであるとする。シャワー噴射部200から噴射される第1の水の銀イオン濃度が、900ppb(part per billion)であるとすると、この第1の水によるシャワー給水を例えば2分間行うことで、900ppbの銀イオン水が4L給水される。その後、所定水量である40Lまで、メイン給水弁50aなどから銀イオンを含まない水(水道水)を給水すれば、銀イオン濃度が10倍に薄まる。その結果、洗濯槽30内にて、40Lで90ppbの銀イオン水を得ることができる。
なお、洗濯槽30内の銀イオン水の銀イオン濃度を90ppbよりも低くしたければ、900ppbの銀イオン水の噴射量を減らし、高くしたければ、900ppbの銀イオン水の噴射量を多くすればよい。
また、メイン給水弁50aとシャワー用給水弁50cとから同時に洗濯槽30に給水を行いながら、イオン溶出ユニット100の電極113・114への電圧印加を2分間だけ行い、全給水量が40Lに達するまで、これら両方の給水弁からの給水を続けるようにしてもよい。この場合でも、銀イオン濃度が900ppbで4Lの銀イオン水に相当する銀が電極113・114から溶出されるため、全給水量が40Lに到達したときには、銀イオン濃度が90ppbの銀イオン水を得ることができる。
このように、上記ためすすぎ工程にて、制御部80が銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200から噴射させることで、すすぎ水の銀イオン濃度を調整できるので、浴比(洗濯物の量に対する水の量)に応じて、すすぎ水の銀イオン濃度を適切に設定することができる。その結果、すすぎ工程にて、浴比に応じた所望の抗菌処理を適切に行うことができる。
ここで、菌に対する銀イオン水の銀イオン濃度の影響を調査するため、銀イオン水と菌液とを混合し、一定時間後の菌数を測定する試験を行った。菌としては、洗濯機に繁殖して問題になることがある黒かびの一種であるクラドスポリウムを用いた。初期の菌数を3×105個/mLにすると、初期菌数の1/10に減少させるのに要した時間は、銀イオン濃度90ppbでは24時間であったのに対し、銀イオン濃度600ppbでは3時間であった。このように、銀イオン濃度を高くすることで、銀イオンの効果を高くすることが可能になる。
また、これらの銀イオン水を洗濯槽30の洗浄をする槽洗浄コースに用いることで、カビの繁殖を防ぐことができ、通常の洗濯時に使用するだけでも繁殖を抑制することができるが、高い濃度であればより効果的である。
さらに、洗濯槽30が穴なし槽であれば、槽洗浄コースとして、パルセータ33がぎりぎり浸る程度の水量で洗浄するコースを設けてもよい。つまり、洗濯機1が、洗濯コースを設定するための入力部(操作/表示部81)と、上記入力部にて設定された洗濯コースの運転を制御する運転制御部(制御部80)とを備えており、洗濯槽30が穴なし槽であれば、運転制御部は、入力部により洗濯槽の洗浄を行う槽洗浄コースが洗濯コースとして設定された場合に、穴なし槽内の洗濯物を攪拌するための攪拌部材(パルセータ33)が浸る量の水で槽洗浄が実行されるように、槽洗浄コースの運転を制御する構成であってもよい。
水が少量であれば、銀濃度を高くすることも容易なので、上記構成の場合は、カビに対する効果を上げやすい。また、洗濯槽30が穴なし槽であれば、カビが発生して槽内に進入する可能性があるのは、パルセータ33の部分のみであるから、水が少量であっても有効である。例えば、600ppbの銀イオン水を6L程度使用すると、パルセータ33部分のカビに対して十分効果がある上、銀使用量も3.6mgで、90ppbの銀イオン水40L使用時と同量であり、銀電極の寿命への影響を抑えることができる。
また、運転制御部は、上述のように金属イオン(例えば銀イオン)を含む水で槽洗浄が実行されるように、槽洗浄コースの運転を制御するので、その金属イオンの作用により、穴なし槽内やパルセータ33表面における菌やカビの繁殖を有効に抑えることができる。
(5−2.銀イオンシャワー(脱水)による抗菌処理)
この抗菌処理コース(図11の(4)のコース)が設定されると、制御部80は、洗濯工程の脱水工程中に、銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200から噴射させる制御を行う。
脱水工程の前工程では、上述したすすぎ工程が実行されるが、このすすぎ工程において、洗濯物が水分を十分に含むことになる。したがって、その後の脱水工程中に銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200から噴射することで、洗濯物表面に第1の水が付着するとともに、その付着した第1の水に含まれる銀イオンが、洗濯物になじんで奥のほうまで浸透しやすくなる。その結果、洗濯物のほぼ全体にわたって銀イオンによる抗菌効果を付与することができる。
また、脱水工程の他の例として、制御部80は、脱水後に銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200から噴射させる制御を行ってもよい。つまり、ここでは、脱水開始からその脱水後の第1の水の噴射動作までを全体として脱水工程と呼んでいる。洗濯物は、脱水後でも多少は湿っているので、そのような洗濯物に対して第1の水をシャワー噴射しても、第1の水に含まれる銀イオンが、洗濯物になじんで奥のほうまで浸透しやすくなる。その結果、上記と同様に、洗濯物のほぼ全体にわたって銀イオンによる抗菌効果を付与することができる。
(5−3.銀イオンシャワー(すすぎ・脱水)による抗菌処理)
この抗菌処理コース(図11の(5)のコース)が設定されると、制御部80は、洗濯工程のすすぎ工程と脱水工程との両工程中で、銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200から噴射させる制御を行う。
このような制御の下では、洗濯物に銀イオンを付着させる工程が、すすぎ工程と脱水工程との2つの工程であるので、どちらか一方の工程のみで銀イオンを洗濯物に付着させる場合よりも、銀イオンを洗濯物に確実に付着させることができるとともに、より多くの銀イオンを洗濯物に付着させることができる。その結果、洗濯物において銀イオンによる高い抗菌効果を確実に得ることができる。
(5−4.銀イオンシャワー(乾燥)による抗菌処理)
この抗菌処理コース(図11の(6)のコース)が設定されると、制御部80は、洗濯工程の乾燥工程中で、銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200から噴射させる制御を行う。
例えば、洗濯物を強制的に乾燥させずに、自然乾燥させても、銀イオンの結晶が洗濯物表面に結晶として析出するが、その場合は、乾燥が徐々に進行するため、粒子の大きい、格子欠陥の少ない結晶が生成される。このような結晶は、表面積が大きく、格子欠陥も少ないがゆえに、次に水分に触れたときに銀イオンが溶出しにくく、洗濯物において得られる銀イオンによる抗菌効果が薄い。
しかし、洗濯物を例えば温風の供給により強制的に乾燥させる乾燥工程を実行するとともに、その乾燥工程中で銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部から噴射すると、その第1の水は、洗濯物に付着した後、自然乾燥のときよりも速い速度で乾燥する。これにより、より粒子の小さい、格子欠陥の多い結晶を生成することができる。その結果、結晶が次に水分に触れたときに、銀イオンがより溶出しやすくなり、洗濯物において銀イオンによる抗菌効果を発揮しやすくすることができる。
また、制御部80は、上記の乾燥工程中に、上記第1の水のシャワー噴射部200からの噴射と停止とを繰り返す制御を行ってもよい。この場合は、第1の水の先の噴射と後の噴射との間で、洗濯物に先に噴射された第1の水が乾燥され、洗濯物に先に付着した第1の水が素早く、こまめに乾燥される。これにより、さらに粒子の小さい、格子欠陥の多い結晶を生成することができ、銀イオンをより一層溶出しやすくして、銀イオンの抗菌効果をより一層発揮しやすくすることができる。
(5−5.抗菌処理コースでの併用措置)
以上で説明した抗菌処理コースにおいて、制御部80は、銀イオンを含む第1の水の噴射中に、洗濯槽30を回転させる制御を行ってもよい。洗濯槽30を回転させれば、そこに収容された洗濯物の位置も変化するため、噴射されている第1の水が、洗濯物表面の同じ場所に噴射され続けるといったことがなく、第1の水の洗濯物に対する当てムラを無くすことができる。
また、制御部80は、上記第1の水の噴射中に、洗濯物を攪拌するためのパルセータ33(攪拌部材)を回転させる構成であってもよい。第1の水の噴射中にパルセータ33を回転させれば、洗濯物が攪拌されるので、洗濯物が重なり合っていても、第1の水を洗濯物の全体に当てることができる。これにより、第1の水に含まれる銀イオンを洗濯物全体にわたって均一に付着させることができ、洗濯物全体にわたって銀イオン固有の抗菌効果を得ることができる。このとき、制御部80は、上述した洗濯槽30の回転と同時にパルセータ33を回転させるようにすれば、銀イオンをさらに均一に洗濯物に付着させることができる。
また、制御部80は、上記第1の水の噴射中に、洗濯物に送風する制御を行ってもよい。なお、この送風は、乾燥工程に限らず、すすぎ工程や脱水工程にて行われてもよい。第1の水の噴射中に洗濯物に送風すれば、洗濯物に付着した第1の水がより速く乾燥するので、より粒子の小さい、格子欠陥の多い結晶を確実に生成することができる。これにより、第1の水に含まれる銀イオンをより一層溶出しやすくして、銀イオンの抗菌効果をより一層発揮しやすくすることができる。
また、制御部80は、上述した抗菌処理コース(2)〜(6)のいずれかを組み合わせて、銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200から噴射させる制御を行うようにしてもよい。つまり、制御部80は、洗濯工程におけるすすぎ工程、脱水工程、乾燥工程のいずれか2以上の工程において、銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射部200からシャワー噴射させるようにしてもよい。上記(5)の抗菌処理コースでは、すすぎ工程と脱水工程との2つの洗濯工程において、第1の水のシャワー噴射を行うようにしているが、このコースに限らず、複数の洗濯工程にて第1の水をシャワー噴射することにより、洗濯物に付着させる銀イオンの量を増大させることができ、銀イオンの抗菌効果を多大に得ることができる。
以上のことから、制御部80は、すすぎ工程と脱水工程と乾燥工程との少なくともいずれかの工程中に、第1の水をシャワー噴射部200から噴射させる制御を行えばよいと言える。
なお、どの洗濯工程で銀イオンを含む第1の水をシャワー噴射するかは、洗濯物の種類や、その洗濯物の種類に基づいて設定される標準コースの内容に応じて、制御部80が判断するようにしてもよい。そして、制御部80は、その判断結果に基づいて、上記第1の水をシャワー噴射部200からシャワー噴射させてもよい。
例えば、抗菌処理コースに、標準コースのソフトコースが併せて設定されたときには、制御部80は、上記(3)の抗菌処理コースを実行させるようにしてもよい。つまり、この場合、制御部80は、洗濯工程中のすすぎ工程(特に、ためすすぎ)においてのみ、上記第1の水をシャワー噴射させることになる。また、抗菌処理コースに、標準コースのドライコースが併せて設定されたときには、制御部80は、上記(5)の抗菌処理コースを実行させるようにしてもよい。つまり、この場合、制御部80は、洗濯工程中のすすぎ工程および脱水工程において、上記第1の水をシャワー噴射させることになる。
制御部80がこのような制御を行うことで、洗濯物の種類に応じて適切に銀イオンを洗濯物に付着させることができる。したがって、どのような洗濯物であっても、銀イオンによる抗菌効果を発揮させることができる。
また、銀イオンを含む第1の水のシャワー噴射の時期(タイミング)は、使用者が操作/表示部81での設定により選択または指定できるようにしてもよい。例えば、上記のシャワー噴射の時期は、デフォルトでためすすぎ工程のときのみに設定しておき、しっかりと抗菌処理をしたいと思ったときには、操作/表示部81にて、ためすすぎ工程および脱水工程の両工程に設定変更できるようにしてもよい。
(6.銀付着量について)
次に、銀イオンを含む第1の水のシャワー噴射による洗濯物表面の銀付着量の好適な範囲について説明する。
本実施形態では、上記第1の水のシャワー噴射により付着する、洗濯物1kgあたりの銀付着量と、その銀付着量で洗濯物にて発揮される抗菌効果および洗濯物から発生する臭いとの関係について調べ、銀付着量の好適な範囲を調べた。
ここで、抗菌効果の評価については、JIS(日本工業規格)L1902:2002に基づく定量試験法(菌液吸収法)を参考にして行った。より具体的には、のり抜きを行ったのみで、抗菌処理を施していない布A1と、抗菌処理を施した布A2とのそれぞれに、菌液を接種し、37℃の温度で18時間保存後、それぞれの菌数を測定し、これらのlog増減値差を静菌活性値とし、この静菌活性値に基づいて抗菌効果の評価を行った。なお、上記定量試験法では、通常、黄色ぶどう球菌などを用いて試験を行うが、本実施形態ではそれを白癬菌に変更して行った。
例えば、18時間後の菌数が、布A1で1.9×107個/mlであり、布A2で2.4×106個/mlであれば、静菌活性値は、log(1.9×107)−log(2.4×106)=0.9ということになる。表1は、このときの銀イオン濃度と静菌活性値との関係を示している。
Figure 2005087712
表1の結果より、洗濯物1kgあたりの銀付着量が単調増加するにつれて、静菌活性値も単調増加することがわかる。また、一般に、静菌活性値が2以上であれば、抗菌効果があると認められている。したがって、表1からは、洗濯物1kgあたりの銀付着量が1mg以上であれば、静菌活性値が3.1以上であることから、抗菌効果があると言える。
ここで、上記銀付着量と静菌活性値との関係をさらに調べるべく、表1の結果から、上記銀付着量と静菌活性値との関係のグラフ化を試みた。図12は、表1の結果に基づいて、上記銀付着量と静菌活性値との関係をグラフ化したものである。
図12に示すように、洗濯物1kgあたりの銀付着量を横軸(x軸)に、静菌活性値を縦軸(y軸)にとったとき、表1の銀付着量と静菌活性値とを両座標に持つ3点を滑らかに結ぶ曲線は、単調増加の関数である、y=0.0981exp(3.4084x)で近似できることがわかった。この関数から、静菌活性値が2となる銀付着量、つまり、y=2となるときのxの値を求めると、x=0.88(約0.9)である。
したがって、静菌活性値が2以上であれば、抗菌効果があると認められていることから、図12より、洗濯物1kgあたりの銀付着量が0.9mg以上であれば、抗菌効果があると言える。
一方、洗濯物1kgあたりの銀付着量と、そのときの光反射率との関係についても調べた。その結果を表2に示す。なお、光反射率は、無処理時(銀付着量0mg/kg)のときの反射率を1とした相対的な比で示している。
Figure 2005087712
この表2の結果より、洗濯物1kgあたりの銀付着量が10mg程度であれば、光反射率の無処理時との差は1%程度で目視でも差はなかった。しかし、上記銀付着量が19mg以上となると、光反射率の無処理時との差が3%と広がり、目視でもその差を認識できるものとなった。これは、銀化合物に由来する黒い変色物が洗濯物に付着しているためと考えられる。白色の洗濯物では、そのような黒化物の付着は目立ちやすく、また、白色でない洗濯物であっても、洗濯を繰り返していくと、黒化物が目立ってくる可能性もある。このことから、洗濯物1kgあたりの銀付着量は、19mg未満であることが望ましく、さらには10mg以下であることが望ましいと考えることができる。
次に、洗濯物1kgあたりの銀付着量と、臭いとの関係について調べたところ、洗濯終了後(脱水終了後)の布を、湿った状態のまま、密閉して、37℃の高温槽で18時間保持したところ、銀を付着していない布では不快な臭気が発生した。これに対して、洗濯物1kgあたり0.1mgの銀を付着させた布では、上記と同じ条件では、不快な臭気が発生しなかった。このことから、洗濯物1kgあたりの銀付着量は、0.1mg以上であれば、人間が不快を感じる程度の臭いは、洗濯物に付着した銀(銀イオン)の抗菌効果により確実に抑えることができると言える。
以上、抗菌効果、光反射率および臭いとの関係を総合的に勘案すると、洗濯物1kgあたりの銀付着量は、最低でも0.1mgは必要であり、0.9mg以上であることが望ましく、さらには1mg以上であることが望ましいと言える。また、洗濯物1kgあたりの銀付着量の上限は、19mg未満であることが望ましく、10mg以下であることがさらに望ましいと言える。したがって、洗濯物1kgあたりの銀付着量の好適な範囲は、これらの下限および上限を種々組み合わせることによって得ることができる。
次に、例として、図13のシーケンスで運転を行った場合の洗濯物への銀付着量および抗菌性について説明する。このシーケンスでは、洗い(S701)、中間脱水(S702)、シャワーすすぎ(S703)、中間脱水(S704)までは、通常のシーケンスで運転した後、最終すすぎとして、300ppbの銀イオン水を給水してのためすすぎを行った(S705)。その後、中間脱水を行い(S706)、100rpmで脱水回転させながら、600ppbの銀イオン水のシャワーを1分間噴射する(S707)。その後、シャワーを止めるが、5分間脱水回転は維持する(S708)。その後、最終脱水を行う(S709)。
ここで、S708は、排水弁68を閉じたまま洗濯槽30を回転させる点で、排水弁68を開いて洗濯槽30を回転させるS709とは異なっている。つまり、図13のシーケンスでは、制御部80(制御手段)は、シャワー噴射部200からのシャワー水の噴射終了後、所定期間(上記の例では5分間)排水が停止されるように、洗濯槽30内の水を排水するための排水弁68を制御し、しかも、その所定期間の間、洗濯槽30を回転させる制御を行っている。
なお、制御部80による排水弁68の上記制御は、例えば以下のようにすればよい。すなわち、シャワー噴射部200によるシャワー噴射中から排水弁68を閉じ、シャワー噴射後、所定期間(例えば5分)排水を停止させる。あるいは、シャワー噴射部200からのシャワー水の噴射終了後に排水弁68を所定期間(例えば5分)だけ閉じ、その間排水されないようにする。
このようなシーケンスで洗濯を行い、洗濯した布の中から、12個のサンプルを取り出し、銀付着量を測定したところ、図14に示すように、全サンプルが、洗濯物1kgあたりの銀付着量が0.9mg以上で、平均は、2.0mgであった。また、この条件で作成したサンプルを、前記のJIS(日本工業規格)L1902:2002に基づく定量試験法(菌液吸収法)を参考に、白癬菌を使用しての試験を行ったところ、静菌活性値は2.0以上で抗菌性があった。
また、図13のシーケンスで作成したサンプルと、最終すすぎ時に銀イオン濃度90ppbの水を用いて、ためすすぎを行い、シャワーの噴射を行わなかったサンプルとで、菌種として緑膿菌を用い、JIS(日本工業規格)L1902:2002に基づく定量試験法(菌液吸収法)を実施したところ、前者は静菌活性値2.0以上で、抗菌性が得られたが、後者は2以下であった。
また、サンプルとして、綿ではなく、疎水性繊維であるポリエステルを使用し、図13のシーケンスで作成したサンプルと、最終すすぎ時に銀イオン濃度90ppbの水を用いて、ためすすぎを行い、シャワーの噴射を行わなかったサンプルとで、菌種として黄色ブドウ球菌を用い、JIS(日本工業規格)L1902:2002に基づく定量試験法(菌液吸収法)を実施したところ、前者は静菌活性値2.0以上で、抗菌性が得られたが、後者は2以下であった。
一方、比較として、シャワー噴射停止後の5分間の脱水回転を行わず、すぐに最終脱水を行った場合、洗濯物1kgあたりの銀付着量の平均は、1.6mgであった。これは、シャワーによって布に降り掛けられた銀イオンが、繊維に浸透するのに時間がかかるのですぐに最終脱水を行うと銀付着量が減少するためと考えられる。したがって、制御部80がシャワー噴射後の所定期間排水弁68を閉じることにより、残存する水に含まれる銀イオンを、繊維の奥のほうまで(表層のみならず、下層の繊維にまで)浸透させ、吸着させることができると言える。
また、上記所定期間の間、脱水回転(S708)を行うことによって、シャワーによって供給された銀イオン水を遠心力で上方へ移動させ、事前の中間脱水(S706)によって洗濯槽30の外よりに寄った洗濯物に水を接触させる効果がある。
つまり、シャワー噴射終了後、一定時間排水しないことで、仕上物質を洗濯物(布)に吸収させることができるが、洗濯槽30が静止していた場合、図15(a)のようにシャワーによって噴射された仕上物質を含む水は、重力によって洗濯槽30の下部に集まる。洗濯槽30の下部は、パルセータ33があり、排水弁68を閉じていても、水(図中の斜線部分)はパルセータ33の下側に入ってしまうため、布Pと接しない。
しかし、洗濯槽30を回転させると、回転時の遠心力により、図15(b)のように、水が上方に上がってくるため、その水を布Pと接触させることができ、布Pに付着する仕上物質がより増える。また、シャワー水を噴射する工程の前に中間脱水が行われた場合、図15(c)のように、布Pが遠心力で周囲によった状態になるので、より効果的である。また、少なくとも洗濯槽30下部に穴がなければ、穴から仕上物質を含む水が洗濯槽30の外側へ出ることがなく、より効果的である。
なお、図13のシーケンスでは、制御部80は、排水弁68を閉じながら、洗濯槽30を回転させる制御を行っているが、洗濯槽30を回転させたときには、上述のように遠心力で洗濯槽30内の水が上がってくるため、下方にある排水弁68から排水されることはない。したがって、シャワー噴射後に洗濯槽30を回転させる場合、排水弁68は閉じていなくてもよい。
(7.本発明の効果について)
以上で説明したように、本発明の給水装置300は、給水対象(例えば洗濯物)に水を供給する装置(方法)であって、上記水に仕上物質(例えば銀イオン)を投入する投入部(イオン溶出ユニット100)と、上記投入部を介して得られる水をシャワー状にして上記給水対象に噴射するシャワー噴射部200とを備えている構成である。また、本発明の給水方法は、本発明の給水装置300を用いて、シャワー水を給水対象に噴射する構成である。これにより、以下の作用効果を得ることができる。
銀は、水溶液中では、銀イオン(Ag)して存在するが、この銀イオンには殺菌作用がある。銀イオンを含んだ水が蒸発していくと、水中の銀イオン濃度が高くなるため、上記銀イオンは水中の陰イオンと塩を形成し、固体(銀化合物)として析出する。塩としては、AgClやAgOHなどが存在すると考えられるが、これらは不安定であるため、分解し、AgOやAgになる。AgOやAgは、一般的にはほとんど不溶であるが、実際には、洗濯物表面に存在するAgOやAgから銀イオンが溶出し、殺菌効果が出ている。固体の表面は、エネルギー的に不安定で、物性、組成とも内部とは大きく異なり、成分の溶出なども起こりやすいことが知られており、本発明の場合も、AgOやAgの表面などから銀イオンが溶出していると考えられる。
ここで、銀イオンを含む水を乾燥させると、銀イオンは、金属銀や酸化銀などの銀化合物の微粉末(結晶)として析出し、次に水分が触れた時にそれらの結晶表面から銀イオンが溶出することにより殺菌作用をもたらす。
本発明のように、銀イオン水(第1の水)をシャワー噴射部200からシャワー噴射することにより、銀イオン水の液滴の表面積が大きくなるため、乾燥が速まる。乾燥すると、銀イオンなどの溶解物が結晶となって析出するが、乾燥が速くなると、結晶の析出が短時間で起こるため、小さく、欠陥の多い結晶となる。結晶の溶解は、表面を含めた欠陥から起こるため、表面積が大きい小さな結晶や欠陥の多い結晶は溶けやすい。したがって、そのような結晶からは銀イオンも溶出しやすくなり、殺菌作用を発揮する上で効果的となる。
つまり、本発明によれば、乾燥しやすい小径粒子の液滴をシャワー噴射により洗濯物表面に付着させるので、その液滴に含まれる銀イオンを洗濯物表面にて溶出しやすくして、銀イオン固有の抗菌効果を発揮しやすくすることができる。
したがって、銀イオン水をシャワー噴射したときに、特に、送風等によって乾燥を速めれば、さらに小さく、格子欠陥のさらに多い結晶を生成できるので、銀イオンをさらに溶出しやすくすることができ、銀イオンの持つ抗菌作用をさらに高めることができる。
なお、銀化合物の結晶は、水分が完全に無ければ銀イオンを溶出することは無いが、水分が完全にない環境では菌も死滅するため、問題はない。
また、洗濯物が撥水性の布の場合、これを銀イオン水に浸漬する方法では、水がほとんど布に残らないため、銀イオン水中の銀を効果的に付着させることができない。また、撥水とまではいかなくとも、化繊のような疎水性布の場合、吸水量が少ないため、銀イオン水に浸漬しても水があまり布に残らず、銀も布に残らない。
しかし、本発明のように、シャワー噴射で銀イオン水の液滴を布に付着させる場合、その液滴が布に染み込まなくても、布表面に残ったまま乾燥させることで、液滴に含まれていた銀を確実に布に付着させることができる。そのため、吸水性の低い布でも、効率よく銀を付着させることができる。また、このような銀の付着方法の場合、付着量が布の影響を受けにくいため、銀イオン水の濃度を高くしても、吸水性の高い布の付着量が高くなりすぎるということがない。
また、銀イオン水をシャワーにすることで、少ない水量で布全体に銀イオンを行き渡らせることができる。これにより、同じ量の銀イオンで高濃度の銀イオン水を作ることができ、抗菌効果の高い抗菌処理を行うことができる。また、この場合、使用する水の節約にもなる。
また、吸水性の低い布で水が余りつかない場合でも、銀イオンをシャワーにより直接付着させているので、多くの銀をそのまま布に残留させることができる。また、乾燥機能を活用することにより、銀イオン水が乾燥し、銀が布に安定付着するまでの時間を短縮することができるので、さらに効率的に銀イオンを布に残留させることができる。
また、銀の付着量が1回の処理で不十分な場合でも、銀イオン水のシャワー噴射を繰り返し行うことで、銀の付着量を増加させることが可能である。例えば銀イオン水を水槽30に溜めて抗菌処理を行う銀イオンすすぎの場合、洗濯物を水に完全に浸してしまうので、このような抗菌処理を繰り返し行うと、以前に洗濯物に付着させた銀が、水に浸漬したときに離れてしまい、繰り返し処理してもあまり効果的ではない。なお、各抗菌処理にて同濃度または徐々に高濃度となる銀イオン水を用いれば、先に付着した銀が離れることにより、抗菌効果が低下することはないと考えられる。
しかし、本発明のように、銀イオン水をシャワーで噴射する場合、銀イオン水を直接布へ散布するので、以前に布に付着させた銀が離れず、それどころか、さらにプラスアルファで銀を付着させることができる。これにより、銀イオン水のシャワー噴射の繰り返しによる繰り返し処理が、非常に有効となる。
特に、シャワー噴射後、布を脱水せずに乾燥するようにすれば、脱水する水によって銀イオンが飛ばされることがなく、乾燥時に銀イオンを布に安定して付着させることができるので望ましい。つまり、この場合、全ての銀イオンを布に残留させることができ、銀イオンによる高い抗菌効果を得ることができる。
また、銀イオン水をシャワーにすることで、少量の水で洗濯物(布)の広範囲に銀イオンを振り掛けることが可能になる。したがって、洗濯物を銀イオン水に浸漬する方法と比較して、同じ量の銀イオンで高濃度の銀イオン水を使用することができる。そのため、単位時間あたりの銀イオン溶出量を大きくするためには、例えば電極113・114間に流す電流を上げる必要があるが、本発明では、そのような措置を講ずることなく、洗濯物1kgあたり1mgオーダーの高い銀付着量を実現することができる。また、浸漬式と同じ程度の銀付着量にする場合には、水および銀の使用量を削減することもできる。
(8.その他)
次に、本発明のその他の構成について説明する。
(8−1.イオン溶出ユニット)
イオン溶出ユニット100の構成については、図7ないし図9に示した通りであるが、このイオン溶出ユニット100において、上述した電極113・114を複数種類の金属イオンに対応した電極で構成してもよい。
金属イオンとしての銀イオンや亜鉛イオンは、抗菌性に優れており、銅イオンは、防カビ性に優れていることは上述した通りである。したがって、イオン溶出ユニット100の電極113・114を、それぞれ銀イオン(または亜鉛イオン)や銅イオンに対応した電極、すなわち、銀電極(または亜鉛電極)や銅電極で構成すれば、銀イオン(または亜鉛イオン)や銅イオンを選択的にもしくは両方とも溶出することで、銀イオン(または亜鉛イオン)による効果と銅イオンによる効果とを選択的にもしくは両方同時に得ることができ、利便性を向上させることができる。
なお、イオン溶出ユニット100の電極113・114としては、正負の電圧が印加される一対の電極のうち、一方を銀電極、他方を銅電極としてもよい。また、一対の電極を両方とも銀電極で構成したものと、一対の電極を両方とも銅電極で構成したものを2組用いてイオン溶出ユニットを構成してもよい。
上記前者の場合は、各電極113・114に印加する電圧の極性を一定とするか、所定周期で反転させるかにより、上記両者の金属イオンを選択的に溶出させることができる。また、上記後者の場合は、各組の電極113・114に電圧を印加すれば、上記両者の金属イオンを両方得ることができ、いずれか一方の組の電極113・114にのみ電圧を印加するようにすれば、いずれか一方の金属イオンのみを選択的に溶出させることができる。
また、金属イオンを溶出するイオン溶出部としては、上述したイオン溶出ユニット100に限定されるわけではない。イオン溶出部は、例えば、カートリッジ内に金属イオン溶出材(銀溶出材であれば硫化銀など)を装填し、カートリッジ内に水を通すだけで(電圧を印加しないで)金属イオンを溶出するものであっても構わない。この場合は、制御部80がイオン溶出部に供給される水の水量を、シャワー用給水弁50cで調節することにより、シャワー噴射される水に含まれる金属イオン量を制御することができる。
また、本実施形態では、イオン溶出ユニット100を、シャワー用給水弁50cだけに対応して1つ設けているが、メイン給水弁50aとシャワー用給水弁50cとの2つに対応して2つ設けるようにしてもよい。この場合は、洗濯槽30へのメイン給水で銀イオン水を短時間で供給することができ、ためすすぎでの抗菌処理も素早く行うことができる。
(8−2.シャワー噴射部)
本実施形態で説明したシャワー噴射部200は、給水対象全体にシャワーで水分を行き渡らせるものであればよく、ミストやスプレーなどのように、より少量の水でシャワー噴射するものであってもよい。また、シャワー噴射部200は、シャワー噴射時に水分が複数の方向に分散して出るものではなく、噴出後に何らかの手段で散水させるものであってもよい。また、シャワー噴射部200として、一方向にしか出水しないノズルを用いた場合でも、そのノズルと給水対象とのうちの一方を相対的に移動させることによって、給水対象表面に水分を行き渡らせるようにしてもよい。あるいは、ファンなどを用いて気流を起こし、ベンチュリー効果により液体を吸い上げ、霧状にして、シャワーを得る方式であっても良い。あるいは、超音波振動子による霧化など、液体に加速度を与えて液滴にする方式であってもよい。
ここで、図16は、シャワー噴射部200を超音波振動子で構成した洗濯機401の概略の構成を示す斜視図である。洗濯機401の上面には、洗濯槽へ洗濯物を出し入れするために開閉する蓋部402が設けられており、その蓋部402に、超音波部分洗い装置405(振動子)が設けられている。また、図示しない銀イオン溶出ユニット(イオン溶出ユニット100に相当)は、超音波部分洗い装置405への給水管410の経路中に設けられている。なお、給水は、超音波部分洗い装置405内の超音波振動子に接続された金属ホーンに水が触れるように行われている。
銀イオン溶出ユニットから銀を溶出し、部分洗い装置405への給水を銀イオン水にし、ホーンを振動させることで、銀イオン水を霧化することができた。また、この構成で銀イオン水を給水対象に付着させたところ、図7に示した洗濯機1、つまり、シャワーで銀イオンを給水対象に付着させる構成と同様に抗菌効果があった。
また、シャワーノズルの場合、液滴を小さくするには、穴(噴射口)を小さくする必要がある。穴が小さいと、経路中に水が残りやすくなり、また、析出物により詰まりが生じたり、溶出ユニット内にも水が残りやすくなる。特に、溶出ユニットが電極を備えた構造の場合、析出物で電極間が短絡する恐れがあるため、流出口を複数設けるなどして排水されやすくする必要がある。また、高濃度の銀イオン水を使用した場合や、柔軟剤など高粘度の仕上物質を使用した場合に、穴自体が詰まる可能性がある。
しかし、振動子による霧化の場合、穴を小さくすることなく、微小な液滴が生成できるのでそれらの恐れがないという利点がある。また、振動子への信号入力を止めれば、銀イオン水が霧化されないため、銀イオン水を容器で受けて他のことに使用したい場合などには便利である。
また、本実施形態では、金属ホーンを備え、そこに随時給水する方式の洗濯機401であったが、ホーンを備えず、振動子で霧化を行う構成であってもよいし、随時給水するのではなく、ホーンまたは振動子が、水を溜めた中に浸漬される構成であってもよい。
また、ファン、エアポンプなどで送風または吸引するなどして、銀イオンを含むミストを対象物に送り出してもよい。そうすることで、広い範囲の対象物や、遠くの対象物にまで抗菌などの効果を及ぼすことが可能である。
また、シャワー噴射部は、洗濯機に設置する必要はなく、シャワーの噴射対象も洗濯物でなくてもよい。例えば、台所のシンク、まな板、おもちゃ、床、カーペット、浴槽、トイレ、便器などに、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンなどの抗菌性イオンを含むシャワーを吹きかけて抗菌効果をもたらしてもよい。また、シャワーなどで、抗菌性イオンを含む液滴を、空間中に散布することにより、空間を除菌してもよい。また、動物、植物に掛けて、細菌による臭気の発生や病害を防ぐのに用いてもよい。
また、このような抗菌性イオンを含む液滴を食品に振り掛けることで食品の腐敗を防止し、鮮度を保持してもよい。また、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンや、ニッケルイオン、パラジウムイオン、白金イオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオンなどには、エチレンによる植物の老化や鮮度低下を阻害する作用があるので、これらを含む液滴を野菜、果物、生花などの植物に振りかけ、鮮度を保持してもよい。
(8−3.仕上物質)
本実施形態では、投入部(イオン溶出ユニット100)に供給される水に投入する仕上物質として、銀イオンを例に挙げて説明したが、この銀イオンに限定されるわけではない。仕上物質としては、この他にも、柔軟剤を想定することもできる。投入部にて柔軟剤を水に投入して、シャワー噴射部200からシャワー噴射させ、洗濯物に付着させることにより、洗濯物に付着した結晶を溶け出しやすくして、その柔軟剤の持つ固有の効果を洗濯物にて発揮しやすくすることができる。また、柔軟剤を含む液体をシャワーで洗濯物に吹きかけることにより、柔軟剤を含む液体に洗濯物を浸漬する場合に比べ、柔軟剤使用量が少量で済む。また、シャワーの液滴が小さければ小さいほど、少量の液体で洗濯物表面にすきまなく付着させることができる。
また、仕上物質として除放剤を用いることもでき、この場合でも、上述した原理でその除放剤の持つ固有の効果を発揮しやすくすることができる。
なお、除放剤とは、銀を含んだ材料で、水に接触した時に、徐々に銀イオンを放出するものを言い、例えば、難溶性の硫化銀が徐々に溶けていくようなもの、銀を担持したゼオライトから銀イオンが徐々に溶出するもの、銀イオンを含む水溶性のガラスでガラスが溶けるのに伴って、銀イオンが徐々に溶出するものなどを言う。
除放剤を用いる場合、ON/OFF制御(銀の溶出/非溶出の制御)ができないので、独立した水の流路を設け、しかも、その流路は銀イオン添加時にのみ使用するという方法が望ましい。また、除放剤を用いる場合、銀の溶出量の制御もできないので、水の流量が大体決まっているような場合に使用するのが望ましい。
この点では、本発明の給水装置を使用する洗濯機のように、主な給水を行うメイン給水弁50aからの給水経路や、柔軟剤の添加を行うサブ給水弁50bからの給水経路とは別に、シャワー用の流量の低い給水経路を設け、銀イオン添加時に限り、その経路を使用する方式は、除放剤を利用しやすい。低流量であれば、水道水圧が変化しても流量が安定しやすいからである。
(8−4.洗濯機)
本実施形態では、給水対象としての洗濯物が収容される収容槽である洗濯槽30の回転軸が、略鉛直方向となる縦型の洗濯機1を例に挙げて説明したが、本発明の給水装置300は、回転軸が鉛直方向とは交差するような上記収容槽としてのドラムを有する横ドラム式洗濯機や、二槽式洗濯機など、あらゆる形式の洗濯機にも適用することが可能である。
本発明の実施の一形態に係る洗濯機の概略の構成を示す断面図である。 上記洗濯機の給水口の構成を模式的に示す断面図である。 上記洗濯機による洗濯工程全体の動作の流れを示すフローチャートである。 上記洗濯工程の洗い工程の動作の流れを示すフローチャートである。 上記洗濯工程のすすぎ工程の動作の流れを示すフローチャートである。 上記洗濯工程の脱水工程の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の給水装置を取り付けた上記洗濯機を斜め上方から見たとき斜視図である。 上記給水装置の概略の構成を模式的に示す側面図である。 上記給水装置のイオン溶出ユニットの外観および内部構造を模式的に示す斜視図である。 上記イオン溶出ユニットの駆動回路の概略の構成を示す説明図である。 上記洗濯機が実行する標準コースおよび抗菌処理コースの内容を示す説明図である。 洗濯物1kgあたりの銀付着量と静菌活性値との関係を示すグラフである。 上記洗濯機での運転シーケンスの一例を示すフローチャートである。 上記シーケンスで運転した場合の各サンプルごとの銀付着量を示すグラフである。 (a)は、シャワー水が下部に溜まっている洗濯槽の断面図であり、(b)は、洗濯槽の回転により、内部の水が上方に上がった状態の洗濯槽の断面図であり、(c)は、洗濯槽の回転時の遠心力で布が周囲によった状態の洗濯槽の断面図である。 シャワー噴射部として超音波振動子を用いた本発明の他の洗濯機の概略の構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 洗濯機
30 洗濯槽(収容槽)
80 制御部(制御手段)
100 イオン溶出ユニット(投入部、イオン溶出部)
112 流出口
112a 流出口
112b 流出口
113 電極
114 電極
120 駆動回路(制御手段)
200 シャワー噴射部
200a シャワー噴射部
200b シャワー噴射部
300 給水装置
405 超音波部分洗い装置(振動子)

Claims (20)

  1. 給水対象に水を供給する給水装置であって、
    上記水に仕上物質を投入する投入部と、
    上記投入部を介して得られる水をシャワー状にして上記給水対象に噴射するシャワー噴射部とを備えていることを特徴とする給水装置。
  2. 上記投入部は、上記仕上物質としてイオンを溶出し、内部を通過する水に投入するイオン溶出部であることを特徴とする請求項1に記載の給水装置。
  3. 上記イオン溶出部は、金属イオンを溶出する電極と、上記シャワー噴出部への水の流出口を有し、該流出口は上記電極の下端よりも低位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の給水装置。
  4. 上記イオン溶出部は、金属イオンを溶出する電極と、上記シャワー噴出部への水の流出口を複数有し、該流出口は上記電極の下端よりも低位置に設けられた流出口と、上記電極の上端よりも高位置に設けられた流出口とを含むことを特徴とする請求項2に記載の給水装置。
  5. 上記シャワー噴射部は、上記投入部を介して得られる水を振動により霧化する振動子で構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の給水装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の給水装置を用いて、シャワー水を給水対象に噴射することを特徴とする給水方法。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の給水装置を備え、上記給水装置からシャワー水を給水対象に撒水することを特徴とする撒水装置。
  8. 請求項1ないし5のいずれかに記載の給水装置と、
    上記給水対象としての洗濯物が収容される収容槽とを備えていることを特徴とする洗濯機。
  9. 上記仕上物質を含む第1の水と、上記仕上物質を含まない第2の水とのうちの一方が洗濯物に噴射されるように、上記投入部における上記仕上物質の水への投入を制御する制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載の洗濯機。
  10. 上記制御手段は、すすぎ工程と脱水工程と乾燥工程との少なくともいずれかの工程中に、上記第1の水を上記シャワー噴射部から噴射させることを特徴とする請求項9に記載の洗濯機。
  11. 上記制御手段は、乾燥工程中に上記第1の水の上記シャワー噴射部からの噴射と停止とを繰り返すことを特徴とする請求項10に記載の洗濯機。
  12. 上記制御手段は、上記第1の水の噴射中に、洗濯物を移動させることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の洗濯機。
  13. 上記制御手段は、上記第1の水の噴射中に、洗濯物に送風することを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載の洗濯機。
  14. 上記仕上物質は、金属イオンであることを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の洗濯機。
  15. 上記金属イオンは、銀イオンであり、
    上記銀イオンを含む上記第1の水が噴射された洗濯物における金属付着量が、洗濯物1kgあたり0.1mg以上であることを特徴とする請求項14に記載の洗濯機。
  16. 上記金属イオンは、銀イオンであり、
    上記銀イオンを含む上記第1の水が噴射された洗濯物における金属付着量が、洗濯物1kgあたり19mg未満であることを特徴とする請求項14または15に記載の洗濯機。
  17. 上記制御手段は、上記シャワー噴射部からのシャワー水の噴射終了後、所定期間排水が停止されるように、上記収容槽内の水を排水するための排水弁を制御することを特徴とする請求項9ないし16のいずれかに記載の洗濯機。
  18. 上記制御手段は、上記シャワー噴射部からのシャワー水の噴射終了後、所定期間、上記収容槽を回転させることを特徴とする請求項9ないし17のいずれかに記載の洗濯機。
  19. 洗濯コースを設定するための入力部と、
    上記入力部にて設定された洗濯コースの運転を制御する運転制御部とをさらに備え、
    上記収容槽は、穴なし槽であり、
    上記運転制御部は、上記入力部により、上記収容槽の洗浄を行う槽洗浄コースが上記洗濯コースとして設定された場合に、上記穴なし槽内の洗濯物を攪拌するための攪拌部材が浸る量の水で槽洗浄が実行されるように、槽洗浄コースの運転を制御することを特徴とする請求項8ないし18のいずれかに記載の洗濯機。
  20. 上記運転制御部は、金属イオンを含む水で槽洗浄が実行されるように、槽洗浄コースの運転を制御することを特徴とする請求項19に記載の洗濯機。
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