JP4136675B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗濯物を仕上物質で仕上げることのできる洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗濯機で洗濯を行う際、水、特にすすぎ水に仕上物質を加えることが良く行われる。仕上物質として一般的なのは柔軟剤やのり剤である。これに加え、最近では洗濯物に抗菌性を持たせる仕上処理のニーズが高まっている。
【0003】
洗濯物は、衛生上の観点からは天日干しをすることが望ましい。しかしながら近年では、女性就労率の向上や核家族化の進行により、日中は家に誰もいないという家庭が増えている。このような家庭では室内干しにたよらざるを得ない。日中誰かが在宅している家庭にあっても、雨天の折りは室内干しをすることになる。
【0004】
室内干しの場合、天日干しに比べ洗濯物に細菌やカビが繁殖しやすくなる。梅雨時のような高湿時や低温時など、洗濯物の乾燥に時間がかかる場合にこの傾向は顕著である。繁殖状況によっては洗濯物が異臭を放つときもある。このため、日常的に室内干しを余儀なくされる家庭では、細菌やカビの繁殖を抑制するため、布類に抗菌処理を施したいという要請が強い。
【0005】
最近では繊維に抗菌防臭加工や制菌加工を施した衣類も多くなっている。しかしながら家庭内の繊維製品をすべて抗菌防臭加工済みのもので揃えるのは困難である。また抗菌防臭加工の効果は洗濯を重ねるにつれ落ちて行く。
【0006】
そこで、洗濯の都度洗濯物を抗菌処理しようという考えが生まれた。例えば特許文献1には、銀イオン、銅イオンなど殺菌力を有する金属イオンを発生するイオン発生機器を装備した電気洗濯機が記載されている。特許文献2には電界の発生によって洗浄液を殺菌するようにした洗濯機が記載されている。特許文献3には洗浄水に銀イオンを添加する銀イオン添加ユニットを具備した洗濯機が記載されている。
【0007】
【特許文献1】
実開平5−74487号公報
【特許文献2】
特開2000−93691号公報
【特許文献3】
特開2001−276484号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、殺菌作用のある金属イオンや柔軟剤など、複数の仕上物質を用いて洗濯物の仕上を行うことのできる洗濯機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では洗濯機を次のように構成した。
【0010】
濯工程において複数種類の仕上物質の自動投入が可能であり、
前記複数種類の仕上物質は金属イオン洗濯用の仕上剤を含み、
且つ前記洗濯工程中のすすぎ工程は複数回にわたるものであり、
前記洗濯用の仕上剤が投入されるのは最終すすぎ工程であるとともに、前記金属イオンが投入されるのは最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程であるものとした。
【0011】
この構成によれば、洗濯工程において複数種類の仕上物質を自動投入し、各々の仕上物質の仕上効果を洗濯物に及ぼすことができる。
また、金属イオン洗濯用の仕上剤とが別々のすすぎ工程で投入されるため、同時に投入したとすれば少なくとも一方の効能が減殺される2種類の仕上物質を、各々の効能を損なうことなく洗濯物に付着させることができる。
さらに、洗濯用の仕上剤を洗濯物に付着させた後にはすすぎ工程がなく、洗濯用の仕上剤が洗濯物から洗い流されることがない。また、金属イオン投入後のすすぎ工程は、洗濯用の仕上剤を投入するすすぎ工程1回だけなので、金属イオンが洗濯物から失われる量も最小限にとどめることができる。
【0012】
記のような洗濯機において、前記最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程の時間は、前記最終すすぎ工程の時間よりも長いものとした。
【0013】
洗濯工程において複数種類の仕上物質の自動投入が可能であり、
前記複数種類の仕上物質は第1の仕上物質と第2の仕上物質を含み、
且つ前記洗濯工程中のすすぎ工程は複数回にわたるものであり、
前記第2の仕上物質が投入されるのは最終すすぎ工程であるとともに前記第1の仕上物質が投入されるのは最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程であり、
前記最終すすぎ工程で使用される水の量は前記最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程で使用される水の量よりも少ないものとした。
【0014】
この構成によれば、洗濯工程において複数種類の仕上物質を自動投入し、各々の仕上物質の仕上効果を洗濯物に及ぼすことができるとともに、第1の仕上物質と第2の仕上物質とが別々のすすぎ工程で投入されるため、同時に投入したとすれば少なくとも一方の効能が減殺される2種類の仕上物質を、各々の効能を損なうことなく洗濯物に付着させることができる。
また、第2の仕上物質を洗濯物に付着させた後にはすすぎ工程がなく、第2の仕上物質が洗濯物から洗い流されることがない。また第1の仕上物質投入後のすすぎ工程は、第2の仕上物質を投入するすすぎ工程1回だけなので、第1の仕上物質が洗濯物から失われる量も最小限にとどめることができる。
さらに、第2の仕上物質を投入する場合は少量のすすぎ水とともに投入するので、第1の仕上物質の効能が第2の仕上物質により損なわれる割合を減少させることができ、第1の仕上物質の効能を良く発揮させることができる。
【0015】
上記のような洗濯機において、前記第2の仕上物質を投入するための準備空間内に第2の仕上物質が存在するか否かに関わらず、第2の仕上物質の投入時には投入動作自体は遂行されるものとした。
【0016】
この構成によれば、第2の仕上物質の投入の選択操作は必ず行わねばならないというものではなく、第2の仕上物質を投入したくないときは単に準備空間に第2の仕上物質を入れなければそれで済む。
【0017】
上記のような洗濯機において、前記第2の仕上物質の投入は任意選択事項であって前記第2の仕上物質の投入を選択しなかったときは、選択したときに第2の仕上物質の投入が行われる筈であったすすぎ工程が、前記第1の仕上物質の投入が行われるすすぎ工程となるものとした。
【0018】
この構成によれば、第1の仕上物質は第2の仕上物質の投入が行われる筈であったすすぎ工程で投入されるものであるから、第1の仕上物質を投入した後のすすぎ工程の回数が通常の場合よりも少なく、洗濯物中の第1の仕上物質の残留量を増やすことができる。
【0019】
上記のような洗濯機において、イオン溶出ユニットにより生成された金属イオンを前記第1の仕上物質とし、洗濯用の仕上剤を前記第2の仕上物質とするものとした。
【0020】
この構成によれば、金属イオンの殺菌力で洗濯物を殺菌し、また洗濯物に抗菌性を与えたうえで、通常の仕上剤をもって洗濯物の仕上を行うことができる。
【0021】
上記のような洗濯機において、前記最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程から前記最終すすぎ工程への移行にあたっては脱水を伴うことなく排水のみ実施されるものとした。
【0022】
この構成によれば、第1の仕上物質を含む水が洗濯物から脱水されてしまうことがない。洗濯物は第1の仕上物質を多量に含む状態で第2の仕上物質を受け入れることになり、第1の仕上物質の効能が洗濯物に十分に及ぼされる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図17に基づき説明する。
【0042】
図1は横ドラム式洗濯機の外観斜視図、図2は横ドラム式洗濯機の垂直断面図である。横ドラム式洗濯機601は、箱形の本体610の内部に水槽620とドラム630を配置している。水槽620もドラム630も円筒形で、それぞれ一方の端面に洗濯物投入口621、631を有する。ドラム630の底部中心からは外向きに軸632が突出する。この軸632が水槽620の底部中心に設けられた軸受622に支えられることにより、ドラム630と水槽620とはドラム630を内、水槽620を外とする同心配置となるものである。
【0043】
図示しないサスペンション機構が水槽620とドラム630を支える。水槽620とドラム630は軸線が略水平になるように配置される。図示の実施形態では水槽620とドラム630の軸線は水平面に対し角度θの傾斜をなし、洗濯物投入口621、631の方がやや持ち上がった形になっている。これはドラム630の内部を見やすくするのと、洗濯物の出し入れを容易にするためである。
【0044】
洗濯物投入口621、631と向かい合うように、本体610の正面側外壁には開口611が設けられる。開口611の前面には横開きのドア612が設けられる。軟質合成樹脂又はゴムよりなるドアパッキン613が開口611と洗濯物投入口621とを連結する。ドアパッキン613はドラム630の中で生じる水の飛沫や濡れた洗濯物を出し入れする際の水のしたたり、あるいは洗濯物投入口621からの溢水などが本体610の内部を濡らすのを防ぐ。
【0045】
ドアパッキン613の内周面には環状のリップ614が一体形設されていて、これがドア612の内面に設けられた突部615の外周に密着し、ドアパッキン613とドア612の隙間から水が漏れるのを防ぐ。突部615はドラム630の中の洗濯物が洗濯物投入口621からはみ出さないようにする役割を担う。突部615を透明材料で形成し、ドラム630の内部が見通せるようにしておいてもよい。
【0046】
ドラム630の周壁には多数の脱水孔633が形設されている。この脱水孔633を通じドラム630と水槽620との間を水が行き来する。ドラム630の内周面には複数のバッフル634が所定間隔で設けられている。バッフル634はドラム630の回転に伴い洗濯物を引っかけては持ち上げ、上の方から落下させる。
【0047】
ドラム630の外面及び洗濯物投入口631にはバランスウェイト(バランサ)635を取り付ける。図2には洗濯物投入口631に取り付けた環状のバランスウェイト635のみ示し、ドラム630の外面に取り付けたバランスウェイトは図示していない。バランスウェイト635はドラム630が高速回転したときに発生する振動を抑制するものである。
【0048】
水槽620の底部外面にはモータ640が取り付けられている。モータ640はダイレクトドライブ形式のものであり、そのロータにドラム630の軸632が連結固定される。なお前記軸受622はモータ640のハウジングに取り付けられ、モータ640の構成要素の一部となっている。
【0049】
水槽620の上方の空間には電磁的に開閉する給水弁50が配置される。給水弁50は本体610を貫通して後方に突き出す接続管51を有する。接続管51には水道水などの上水を供給する給水ホース(図示せず)が接続される。給水弁50からは給水管52が延び出す。給水管52の先端は容器状の給水口53に接続される。給水口53は図3に示す構造を有する。
【0050】
図3は給水口53の模型的垂直断面図で、正面側から見た形になっている。給水口53は上面が開口しており、内部は左右に区画されている。左側の区画は洗剤室54で、洗剤を入れておく準備空間となる。右側の区画は仕上剤室55で、洗濯用の仕上剤を入れておく準備空間となる。洗剤室54の底部にはドアパッキン613の上部に接続した給水ノズル652の集水桝653に注水する注水口56が設けられている。仕上剤室55には同じく集水桝653に注水するサイホン部57が設けられている。
【0051】
サイホン部57は仕上剤室55の底面から垂直に立ち上がる内管57aと、内管57aにかぶせられるキャップ状の外管57bとからなる。内管57aと外管57bの間には水の通る隙間が形成されている。内管57aの底部は集水桝653に向かって開口する。外管57bの下端は仕上剤室55の底面と所定の隙間を保ち、ここが水の入口になる。内管57aの上端を超えるレベルまで仕上剤室55に水が注ぎ込まれるとサイホンの作用が起こり、水はサイホン部57を通って仕上剤室55から吸い出され、集水桝653へと落下する。
【0052】
給水弁50はメイン給水弁50aとサブ給水弁50bからなる。接続管51はメイン給水弁50a及びサブ給水弁50bの両方に共通である。給水管52もメイン給水弁50aに接続されたメイン給水管52aとサブ給水弁50bに接続されたサブ給水管52bからなる。
【0053】
メイン給水管52aは洗剤室54に接続され、サブ給水管52bは仕上剤室55に接続される。すなわちメイン給水管52aから洗剤室54を通って集水桝653に注ぐ経路と、サブ給水管52bから仕上剤室55を通って集水桝653に注ぐ経路とは別系統になっている。
【0054】
洗剤室54の上面と仕上剤室55の上面はそれぞれ本体610の外部に向かって開口する。この開口には各々図示しない蓋が設けられる。使用者は必要に応じ蓋を開け、洗剤室54に洗剤を、仕上剤室55に仕上剤を、それぞれ投入する。
【0055】
図2に戻って説明を続ける。水槽620の最も低くなった箇所に排水口623が設けられ、ここに排水管660の一端が接続する。排水管660の他端はフィルタケーシング661に接続する。フィルタケーシング661の中には糸屑フィルタ662が挿入されている。糸屑フィルタ662は合成樹脂の網や布により形成され、洗濯液中の糸屑を捕集する。フィルタケーシング661の一端は着脱自在なキャップ663で閉ざされており、キャップ663を取り外して糸屑フィルタ662を掃除したり、交換したりすることができる。
【0056】
フィルタケーシング661には排水管664を接続し、フィルタ662を通過した排水を本体610の外に排出する。排水管664の途中には排水弁665が設けられている。
【0057】
フィルタケーシング661にはエアトラップ671が接続され、エアトラップ671から導出された導圧パイプ672の上端に水位センサ673が設けられている。水位センサ673はエアトラップ671内の圧力変化に応じて磁性体をコイル内で移動させ、その結果生じるコイルのインダクタンス変化を発振周波数の変化として検出し、この発振周波数の変化から水位を読みとるものである。ここで読みとるのはドラム630の中の水位である。
【0058】
本体610の前部上面には操作パネル616が設けられる。操作部616には液晶パネルやブザーを備えた表示部682と、各種スイッチの操作ボタン群により構成される操作スイッチ部684とが配置される。
【0059】
690はマイクロコンピュータを主たる構成要素とする制御部である。制御部690はハードディスクなど必要な記憶装置を含み、記憶手段を兼ねる。制御部690は本体610の中に操作パネル616と近接して配置されており、操作スイッチ部684を通じて使用者からの操作指令を受け、モータ640、給水弁50、及び排水弁665に動作指令を発する。また制御部690は表示部682に表示指令を発する。制御部690は後述するイオン溶出ユニットの駆動回路を含む。
【0060】
横ドラム式洗濯機601の動作につき説明する。ドア612を開け、ドラム630の中に洗濯物を入れる。給水口53の洗剤室54には洗剤を入れる。必要なら仕上剤室55に仕上剤を入れる。仕上剤は洗濯工程の途中で入れてもよい。
【0061】
洗剤の投入準備を整えた後、ドア612を閉じ、操作スイッチ部684の操作ボタン群を操作して洗濯条件を選ぶ。最後にスタートボタンを押せば、図4〜図7のフローチャートに従い洗濯工程が遂行される。
【0062】
図4は洗濯工程全体のフローチャートである。ステップS201では、設定した時刻に洗濯を開始する、予約運転の選択がなされているかどうかを確認する。予約運転が選択されていればステップS206に進む。選択されていなければステップS202に進む。
【0063】
ステップS206に進んだ場合は運転開始時刻になったかどうかの確認が行われる。運転開始時刻になったらステップS202に進む。
【0064】
ステップS202では洗い工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択がなされていればステップS300に進む。ステップS300の洗い工程の内容は別途図5のフローチャートで説明する。洗い工程終了後、ステップS203に進む。洗い工程の選択がなされていなければステップS202から直ちにステップS203に進む。
【0065】
ステップS203ではすすぎ工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていればステップS400に進む。ステップS400のすすぎ工程の内容は別途図6のフローチャートで説明する。なお、すすぎ工程は複数回にわたるものである。図4ではすすぎ工程を3回にわたって実施することとし、各回のステップ番号には「S400−1」「S400−2」「S400−3」と枝番号を付して表記している。すすぎ工程の回数は使用者が任意に設定できるが、金属イオンと仕上剤を両方とも投入する場合は最低でも2回は必要である。
【0066】
すすぎ工程終了後、ステップS204に進む。すすぎ工程の選択がなされていなければステップS203から直ちにステップS204に進む。
【0067】
ステップS204では脱水工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていればステップS500に進む。ステップS500の脱水工程の内容は別途図7のフローチャートで説明する。脱水工程終了後、ステップS205に進む。脱水工程の選択がなされていなければステップS204から直ちにステップS205に進む。
【0068】
ステップS205では制御部690、特にその中に含まれる演算装置(マイクロコンピュータ)の終了処理が手順に従って自動的に進められる。また洗濯工程が完了したことを終了音で報知する。すべてが終了した後、横ドラム式洗濯機601は次の洗濯工程に備えて待機状態に戻る。
【0069】
続いて図5〜図7に基づき洗い、すすぎ、脱水の各個別工程の内容を説明する。
【0070】
図5は洗い工程のフローチャートである。ステップS301では水位センサ673の検知しているドラム630内の水位データのとり込みが行われる。ステップS302では容量センシングの選択がなされているかどうかを確認する。選択されていればステップS308に進む。選択されていなければステップS302から直ちにステップS303に進む。
【0071】
ステップS308ではドラム630の回転負荷により洗濯物の量を測定する。容量センシング後、ステップS303に進む。
【0072】
ステップ303ではメイン給水弁50aが開き、メイン給水管52a及び給水口53を通じてドラム630に水が注がれる(正確に言えば、水槽620に水が注がれ、その水が脱水孔633を通じてドラム630に浸入する、ということである)。給水口53の洗剤室54に入れられた洗剤も水に混じってドラム30に投入される。排水弁665は閉じている。水位センサ673が設定水位を検知したらメイン給水弁50aは閉じる。そしてステップS304に進む。
【0073】
ステップS304ではなじませタンブリングを行う。ドラム630が低速で回転し、洗濯物を水から出しては再び水の中に落下させて、洗濯物に水を十分に吸収させる。また洗濯物の各所にとらわれていた空気を逃がす。
【0074】
なじませタンブリングの後、ステップS306に移る。ステップS306ではドラム630が洗いタンブリングのパターンで回転し、洗濯物を高く持ち上げては落下させる。この落下時の衝撃により洗濯物の繊維の間に水の噴流が発生し、洗濯物が洗われる。
【0075】
洗いタンブリングの期間が経過した後、ステップS307に進む。ステップS307ではドラム630がゆるやかに回転する。ドラム630がゆるやかに回転した場合、洗濯物は高い位置に持ち上げられる前に、低い位置でドラム630から離れて落下する。高い位置から落下した場合には洗濯物はドラム630の内壁にたたきつけられ、内壁にぺたりとへばりつく。そのため、ドラム630が高速の脱水回転を始めたとき、アンバランスが解消されにくい。これに対し低い位置でドラム630の内壁から離れた場合は、たたきつけられるというよりもむしろ転がるような感じになり、洗濯物同士比較的ふんわりと重なる。この状態だとドラム630が高速の脱水回転を始めたときに洗濯物が四方に分散しやすい。すなわちバランスをとりやすい。そのため、ドラム630をゆるやかに回転させて洗濯物をほぐし、脱水回転に備えるのである。
【0076】
続いて図6のフローチャートに基づきすすぎ工程の内容を説明する。最初にステップS500の脱水工程が来るが、これについては図7のフローチャートで説明する。脱水後、ステップS401に進む。ステップS401ではメイン給水弁50aが開き、設定水位まで給水が行われる。
【0077】
給水後、ステップS402に進む。ステップS402ではなじませタンブリングが行われる。なじませタンブリングは洗い工程のステップS304で行ったのと同様のものである。
【0078】
なじませタンブリングの後、ステップS405に進む。使用者の設定に従い、ドラム630はすすぎタンブリングのパターンで回転する。ドラム630は洗濯物を水にくぐらせ、また上の方に持ち上げては落下させる。これにより洗濯物のすすぎが行われる。
【0079】
すすぎタンブリングの期間が経過した後、ステップS406に移る。ステップS406ではドラム630がゆるやかに回転して洗濯物をほぐし、脱水回転に備える。
【0080】
上記説明ではドラム630の中にすすぎ水をためておいてすすぎを行う「ためすすぎ」を実行するものとしたが、常に新しい水を補給する注水すすぎ、あるいは洗濯物に水のシャワーを注ぎかけるシャワーすすぎを行うこととしてもよい。
【0081】
続いて図7のフローチャートに基づき脱水工程の内容を説明する。まずステップS501で排水弁665が開く。ドラム630の中の洗濯水あるいはすすぎ水は排水弁665を通じて排水される。排水弁665は脱水工程中は開いたままである。
【0082】
所定時間が経過し、洗濯物から大部分の水が抜けたところでドラム630が脱水回転を開始する。ドラム630が高速で回転すると、洗濯物は遠心力でドラム630の内周壁に押しつけられる。洗濯物に含まれていた水もドラム630の内周壁面に集まり、脱水孔633から放出される。脱水孔633を離れた洗濯水は水槽620の内面にたたきつけられ、水槽620の内面を伝って水槽620の底部に流れ落ちる。そして排水口623、排水管660、フィルタケーシング661、排水管664、及び排水弁665を通って外箱610の外に排出される。
【0083】
図7のシーケンスでは、ステップS502とステップS503で比較的低速の脱水運転を行った後、ステップS504とステップS505で高速の脱水運転を行う組み立てとなっている。ステップS505の後、ステップS506に移行する。ステップS506ではモータ640への通電を断つとともにブレーキを働かせることなくドラム630を慣性で回転させ、自然停止に至らせる。
【0084】
さて、横ドラム式洗濯機601はイオン溶出ユニット100を備える。イオン溶出ユニット100はメイン給水管52aの途中、すなわちメイン給水弁50aと洗剤室54の間に配置されている。以下図8及び図9に基づきイオン溶出ユニット100の構造と機能、及び横ドラム式洗濯機601に搭載されて果たす役割につき説明する。
【0085】
図8及び図9はイオン溶出ユニット100の模型的断面図で、図8は水平断面図、図9は垂直断面図である。イオン溶出ユニット100は合成樹脂などの絶縁材料からなるケース110を有する。ケース110は一方の端に水の流入口111、他方の端に水の流出口112を備える。ケース110の内部には2枚の板状電極113、114が互いに平行する形で、且つ所定間隔を置いて配置されている。電極113、114は抗菌性を有する金属イオンのもとになる金属、すなわち銀、銅、亜鉛などからなる。
【0086】
電極113、114には各々一端に端子115、116が設けられる。電極113と端子115、電極114と端子116をそれぞれ一体化できればよいが、一体化できない場合は、電極と端子の間の接合部及びケース110内の端子部分を合成樹脂でコーティングして水との接触を断ち、電食が生じないようにしておく。端子115、116はケース110の外に突出し、制御部690の中の駆動回路に接続される。
【0087】
ケース110の内部には電極113、114の長手方向と平行に水が流れる。ケース110の中を水が流れている状態で電極113、114に所定の電圧を印加すると、電極113、114の陽極側から電極構成金属の金属イオンが溶出する。電極113、114は例えば2cm×5cm、厚さ1mm程度の銀プレートとし、5mmの距離を隔てて配置する。
【0088】
電極113、114を構成する金属は銀、銅、亜鉛若しくはそれらの合金であることが好ましい。銀電極から溶出する銀イオン及び亜鉛電極から溶出する亜鉛イオンは殺菌効果に優れ、銅電極から溶出する銅イオンは防カビ性に優れる。それらの合金からは成分金属のイオンを同時に溶出させることができる。
【0089】
上記のようなイオン溶出ユニット100では、電圧の印加の有無で金属イオンの溶出/非溶出を選択できる。また電流や電圧印加時間を制御することにより金属イオンの溶出量を制御できる。従って、例えばゼオライトなどの金属イオン担持体から金属イオンを溶出させる方式に比べ、金属イオンを投入するかどうかの選択や金属イオンの濃度の調節をすべて電気的に行えるので使い勝手がよい。
【0090】
本発明は金属イオン(第1の仕上物質)と仕上剤(第2の仕上物質)をどのように投入するかという点に特徴を有するものであり、以下これを図10〜図17のフローチャートに基づき説明する。
【0091】
図10は金属イオン及び仕上剤の投入シーケンスの第1例のフローチャートである。ここに示すシーケンスは、図4の洗濯工程のシーケンスの中で、ステップS203からステップS204までを取り出したものである。すすぎ工程の回数は3回で、1回目のすすぎ工程S400−1と2回目のすすぎ工程S400−2の間には金属イオン投入の確認ステップS407が挿入され、2回目のすすぎ工程S400−2と3回目のすすぎ工程S400−3の間には仕上剤投入の確認ステップS408が挿入されている。
【0092】
1回目のすすぎ工程S400−1の後、ステップS407で金属イオン投入の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていればステップS400Aに進む。ステップS400Aは金属イオンすすぎ工程で、その内容は別途図11のフローチャートにより説明する。金属イオン投入が選択されていなければステップS400−2に進む。2回目のすすぎ工程としてステップS400A又はステップS400−2を実行した後、ステップS408に進む。
【0093】
ステップS408では仕上剤投入の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていればステップS400Bに進む。ステップS400Bは仕上剤すすぎ工程で、その内容は別途図12のフローチャートにより説明する。仕上剤投入が選択されていなければステップS400−3に進む。3回目のすすぎ工程としてステップS400B又はステップS400−3を実行した後、ステップS204に進む。
【0094】
上記のシーケンスによれば、金属イオンの投入と仕上剤の投入が共に選択されていれば、第2の仕上物質である仕上剤が投入されるのは最終すすぎ工程であり、第1の仕上物質である金属イオンが投入されるのは最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程であることになる。
【0095】
図10のシーケンスではすすぎ工程を都合3回にわたって実行することになっているが、その回数は任意である。例えば2回を選択した場合は、1回目のすすぎ工程で金属イオンを投入し、2回目のすすぎ工程で仕上剤を投入する。4回を選択した場合には、3回目のすすぎ工程で金属イオンを投入し、4回目のすすぎ工程で仕上剤を投入することとするのが望ましい。
【0096】
続いて図11のフローチャートに基づき金属イオンすすぎ工程の内容を説明する。最初にステップS500の脱水工程が入る。脱水後、ステップS401Aに進む。ステップS401Aではメイン給水弁50aが開き、イオン溶出ユニット100に所定流量の水を流す。同時に制御部690が電極113、114の間に電圧を印加し、電極構成金属のイオンを水中に溶出させる。金属イオンが添加された水は給水口53から給水ノズル652を経てドラム630に投入される。
【0097】
所定量の金属イオンが溶出した時点で電極113、114に対する電圧印加は停止される。その時点でドラム630内の水位がすすぎに必要な水位に達していない場合は、所定水位に到達するまで、金属イオンを添加していない普通の水を給水する。所定水位が得られた後、ステップS402に進み、なじませタンブリングを実行する。
【0098】
なじませタンブリングの後、ステップS405Aに進む。ステップS405Aでは金属イオンを洗濯物に均等に付着させるため攪拌(タンブリング)を行う。一定時間タンブリングを行って洗濯物と金属イオン添加水とを攪拌することにより、洗濯物と金属イオンとの接触を促進し、金属イオンを洗濯物に行き渡らせることができる。
【0099】
一定時間通常のタンブリングを行った後、ドラム630の回転数を落としてタンブリングを行うか、あるいはドラム630を静止させることとしてもよい。この期間は洗濯物に対する金属イオン添加水の流動がゆるやかになり、洗濯物に金属イオンが付着する。また通常のタンブリングを継続する場合に比べ、モータ640の負担を軽減し、消費電力を抑えることができる。
【0100】
洗濯物の種類によっては、長時間、例えば30分から1時間程度、金属イオン添加水に漬け置くこととすることもできる。このようにすることにより、洗濯物に金属イオンを付着させて抗菌性を付与するだけでなく、洗濯物と水を除菌し、カビも殺すことができる。これは次のようなケースに効力を発揮する。
▲1▼洗濯物が細菌に汚染されている(病院内で使用された衣類やリネン類。病院外で使用された衣類やリネン類であっても、大便が付着したり、大腸菌による汚染が懸念されるもの)。
▲2▼洗濯物にカビが繁殖している(ユニットバスのカーテンなど)。
▲3▼水に対し次亜塩素酸などによる殺菌処理がなされていない(井戸水、湧水、雨水など)。
▲4▼殺菌処理がなされた水であったとしても、その殺菌効果が薄らいでいるか、あるいは消滅していて、細菌の繁殖が懸念される(汲み置きの水、前夜入浴した残りの風呂水など)。
【0101】
「金属イオン添加水への長時間漬け置き」は、操作パネル616での操作を通じて選択することができる。すすぎ工程における選択事項にとどめず、洗い工程における選択事項としてもよい。またその実行タイミングは、タンブリングの後でなく、前としてもよい。
【0102】
ステップS405A(金属イオン攪拌)が終了した後、ステップS406に移る。ステップS406ではドラム630がゆるやかに回転して洗濯物をほぐし、脱水回転に備える。
【0103】
続いて図12のフローチャートに基づき仕上剤すすぎ工程の第1例を説明する。最初にステップS500の脱水工程が入る。脱水後、ステップS401Bに進む。ステップS401Bではサブ給水弁50bが開き、給水口53の仕上剤室55に水を流す。仕上剤室55に仕上剤が入れられていれば、その仕上剤はサイホン部57から水と共にドラム630に投入される。仕上剤室55の中の水位が所定高さに達してはじめてサイホン効果が生じるので、時期が来て水が仕上剤室55に注入されるまで、液体の仕上剤を仕上剤室55に保持しておくことができる。
【0104】
所定量(サイホン部57にサイホン作用を起こさせるに足る量か、それ以上)の水を仕上剤室55に注入したところでサブ給水弁50bは閉じる。なおこの水の注入工程すなわち仕上剤投入動作は、仕上剤が仕上剤室55に入れられているかどうかに関わりなく、仕上剤の投入工程が選択されていれば自動的に実行される。
【0105】
仕上剤投入終了時点でドラム630内の水位がすすぎに必要な水位に達していない場合は、所定水位に到達するまで、仕上剤を含まない普通の水を給水する。この給水はメイン給水弁50aから行うことができる。所定水位が得られた後、ステップS402に進み、なじませタンブリングを実行する。
【0106】
なじませタンブリングの後、ステップS405Bに進む。ステップS405Bでは仕上剤を洗濯物に均等に付着させるため攪拌(タンブリング)を行う。一定時間タンブリングを行って洗濯物と仕上剤入りの水を攪拌することにより、洗濯物と仕上剤との接触を促進し、仕上剤を洗濯物に行き渡らせることができる。
【0107】
ステップS405B(仕上剤攪拌)が終了した後、ステップS406に移る。ステップS406ではドラム630がゆるやかに回転して洗濯物をほぐし、脱水回転に備える。
【0108】
図13は仕上剤すすぎ工程の第2例のフローチャートである。図12のシーケンス(仕上剤すすぎ工程1)では最初のステップが脱水工程S500であったが、図13のシーケンス(仕上剤すすぎ工程2)では最初のステップが脱水工程でなく、ステップS501(排水)となっている。
【0109】
図13のシーケンスによれば、直前の工程が金属イオンすすぎ工程であるとき、金属イオン添加水が脱水回転で振り切られることなく洗濯物に残留する。従って金属イオンの効果をより多く発揮させることができる。この場合、金属イオンすすぎ工程の中のステップS406(バランス)は割愛することができる。
【0110】
図12、図13いずれのシーケンスを実行するにせよ、第1の仕上物質である金属イオンが投入されるすすぎ工程と、第2の仕上物質である仕上剤が投入されるすすぎ工程とは別で、前者が後者に先行する。
【0111】
このように、金属イオン添加水によるすすぎ工程の後、仕上剤を含む水によるすすぎ工程が実行されるので、金属イオンと仕上剤(柔軟剤)を同時にすすぎ水に投入すれば金属イオンが柔軟剤成分と反応して抗菌性が減殺されるところ、金属イオンが洗濯物に十分に付着した後に仕上剤が洗濯物に接触することになり、金属イオンと仕上剤成分との反応が防がれ、金属イオンの抗菌効果を洗濯物に残すことができる。
【0112】
上記のように、金属イオンと仕上剤とを時間差をもって洗濯物に接触させるという配慮を施したにせよ、仕上剤を使用した場合、金属イオンの抗菌性がある程度減殺することは免れがたい。そこで、仕上剤を使用する場合は使用しない場合に比べすすぎ水中の金属イオンを高め、抗菌力の低下を極力阻止する。
【0113】
抗菌効果を発揮する金属イオンは陽イオンである。洗濯物は水中では負に帯電しており、このため金属イオンは洗濯物に電気的に吸着される。洗濯物に吸着された状態では金属イオンは電気的に中和される。そのため仕上剤(柔軟剤)の成分である塩化物イオン(陰イオン)とは反応しにくくなる。ただし金属イオンは時間をかけて洗濯物に吸着されて行くので、仕上剤を投入するまでにある程度時間を置かねばならない。従って、金属イオンすすぎ工程の攪拌(タンブリング)時間は10分を確保する。仕上剤すすぎ工程の攪拌時間は3分ほどで十分である。
【0114】
金属イオンはメイン給水管52aから洗剤室54を通ってドラム630に投入される。仕上剤は仕上剤室55からドラム630に投入される。このように金属イオンをすすぎ水に投入するための経路と、仕上剤をすすぎ水に投入するための経路とが別系統のため、仕上剤をすすぎ水に投入するための経路を金属イオンが通り、この経路に残留していた仕上剤に金属イオンが接触して化合物となり、抗菌力を失うということがない。
【0115】
金属イオンの投入は任意選択事項である。金属イオンの投入を選択しなかったときは、仕上剤を洗濯物に付着させるのに要する時間だけの仕上剤すすぎ工程を最終すすぎ工程として実行すればよい。
【0116】
仕上剤すすぎ工程では、仕上剤室55に仕上剤が存在するか否かに関わらず、投入動作自体は遂行される。そのため、仕上剤の投入の選択操作は必ず行わねばならないというものではない。仕上剤を投入したくないときは単に仕上剤室55に仕上剤を入れなければそれで済む。
【0117】
また、金属イオンの投入及び仕上剤の投入はいずれも不実行とすることができる。従って、金属イオン又は仕上剤の投入が必要でないときは、操作パネル616を通じての選択動作で「金属イオン投入不実行」又は「仕上剤投入不実行」を選択し、洗濯機1の無駄な動きを止めることができる。
【0118】
図14は金属イオン及び仕上剤の投入シーケンスの第2例のフローチャートである。ここでは、ステップS407で金属イオン投入の選択がなされていることが確認されなかった場合、直接ステップS408に進む。図10のシーケンスではステップS400−2のすすぎ工程を経てからステップS408に進んでいたので、結局、金属イオン投入を選択しなかったときは選択したときに比べすすぎ工程の総回数が削減されることになる。これにより、洗濯工程の総時間や水の使用量を削減することができる。
【0119】
図15は金属イオン及び仕上剤の投入シーケンスの第3例のフローチャートである。ここでは、ステップS408で仕上剤投入の選択がなされていることが確認されなかった場合、直接ステップS204に進む。図10のシーケンスではステップS400−3のすすぎ工程を経てからステップS204に進んでいたので、結局、仕上剤投入を選択しなかったときは選択したときに比べすすぎ工程の総回数が削減されることになる。これにより、洗濯工程の総時間や水の使用量を削減することができる。
【0120】
図15のシーケンスによれば、金属イオンの投入を選択し、且つ仕上剤の投入を選択しなかった場合、金属イオンすすぎ工程(ステップS400A)が最終すすぎ工程ということになる。つまり仕上剤の投入を選択していれば最終すすぎ工程は仕上剤すすぎ工程(S400B)となる筈であったところ、金属イオンすすぎ工程(ステップS400A)がそれにとって代わったという訳である。
【0121】
図15のシーケンスでは、仕上剤を投入しない場合、金属イオン投入後にもう一度すすぎが行われるということがないので、洗濯物への金属イオンの残留量を多くすることができる。
【0122】
図16は金属イオン及び仕上剤の投入シーケンスの第4例のフローチャートである。ここでは最初のすすぎ工程S400−1の後に仕上剤の投入を確認するステップS408が置かれている。仕上剤投入が選択されていることが確認されればステップS407−1に進み、金属イオンの投入が選択されているかどうかを確認する。選択されていればステップS400A−1に進み、金属イオンすすぎ工程が実施される。それからステップS400Bの仕上剤すすぎ工程に進み、さらにステップS204へと進む。すなわちステップS400A−1は2回目のすすぎ工程ということになる。
【0123】
ステップS407−1で金属イオンの投入が選択されていることが確認されなければステップS400−4に進み、イオンを添加していない普通の水による2回目のすすぎ工程が実行される。それからステップS400Bの仕上剤すすぎ工程が実行される。
【0124】
ステップS408で仕上剤の投入が選択されていることが確認されなければステップS400−2に進み、普通の水による2回目のすすぎ工程が実行される。それからステップS407−2に進み、金属イオンの投入が選択されているかどうかを確認する。選択されていればステップS400A−2に進み、金属イオンすすぎ工程が実行される。それからステップS204に進む。ステップS400A−2は3回目のすすぎ工程ということになる。
【0125】
ステップS407−2で金属イオンの投入が選択されていることが確認されなければステップS400−3に進み、普通の水による3回目のすすぎ工程が実行される。それからステップS204に進む。
【0126】
図16のシーケンスによれば、仕上剤の投入を選択することなく金属イオンの投入を選択した場合、金属イオンすすぎ工程(ステップS400A−2)が最終すすぎ工程ということになる。つまり仕上剤の投入を選択していれば最終すすぎ工程は仕上剤すすぎ工程(S400B)となる筈であったところ、金属イオンすすぎ工程(ステップS400A−2)がそれにとって代わったという訳である。
【0127】
図16のシーケンスでは、仕上剤を投入しない場合、金属イオン投入後にもう一度すすぎが行われるということがないので、洗濯物への金属イオンの残留量を多くすることができる。
【0128】
図17は金属イオン及び仕上剤の投入シーケンスの第5例のフローチャートである。ここでは、ステップS407で金属イオン投入の選択がなされていることが確認されなかった場合、直接ステップS408に進む。図10のシーケンスではステップS400−2のすすぎ工程を経てからステップS408に進んでいたので、金属イオン投入を選択しなかったときは選択したときに比べすすぎ工程が1回削減されることになる。
【0129】
ステップS408で仕上剤投入の選択がなされていることが確認されなかった場合、直接ステップS204に進む。図10のシーケンスではステップS400−3のすすぎ工程を経てからステップS204に進んでいたので、仕上剤投入を選択しなかったときは選択したときに比べすすぎ工程が1回削減されることになる。すなわち金属イオン投入も仕上剤投入も選択しなかったときは、すすぎ工程が図10のシーケンスから2回減ってステップS400−1の1回だけとなる。これにより洗濯工程の総時間や水の使用量を大幅に削減することができる。
【0130】
図17のシーケンスによれば、図15のシーケンスと同様、金属イオンの投入を選択し、且つ仕上剤の投入を選択しなかった場合、金属イオンすすぎ工程(ステップS400A)が最終すすぎ工程ということになる。つまり仕上剤の投入を選択していれば最終すすぎ工程は仕上剤すすぎ工程(S400B)となる筈であったところ、金属イオンすすぎ工程(ステップS400A)がそれにとって代わったという訳である。金属イオン投入後にもう一度すすぎが行われるということがないので、洗濯物への金属イオンの残留量を多くすることができる。
【0131】
上記各シーケンスを横型ドラム式洗濯機601で実行することにより、次のようなメリットがもたらされる。
【0132】
横型ドラム式洗濯機601は、通常の渦巻型洗濯機に比べ、すすぎ工程で用いる水の量が少なくて済む。そのため、金属イオンすすぎ工程の後に仕上剤すすぎ工程あるいは通常のすすぎ工程を置いたとしても、洗濯物に付着した金属イオンが洗い流される率が低い。従って金属イオンの抗菌作用が失われにくい。
【0133】
また横型ドラム式洗濯機601に衣類乾燥機の機能を組み込み、乾燥機兼用洗濯機として構成した場合には、さらに次のようなメリットが生まれる。
【0134】
乾燥機兼用洗濯機は、乾燥工程で洗濯物を攪拌する必要があるため、少量の水しか存在しない状態でも洗濯物を攪拌できる構造になっている。そこで、第2の仕上物質を投入する場合、少量のすすぎ水とともに投入することとすれば、第1の仕上物質の効能が第2の仕上物質により損なわれる割合を減少させることができ、第1の仕上物質の効能を良く発揮させることができる。
【0135】
図18は金属イオン及び仕上剤の投入実験の結果をまとめた表である。実験は4通り行ったが、その共通条件は次の通りである。まず布量は4kgとした。すすぎ時の水量は20Lとした。洗濯のシーケンスは「洗い工程→すすぎ工程(3回)→脱水工程」とした。すすぎ工程で、様々に条件を変えて金属イオン添加水と仕上剤を投入した。各実験の投入シーケンスを図19〜図22のフローチャートに示す。なお各実験において金属イオンは銀イオン、仕上剤は柔軟剤である。
【0136】
実験▲1▼では図19に示すように最終すすぎ工程で銀イオンと柔軟剤を同時に投入した。すなわち3回目のすすぎを開始する時にメイン給水弁とサブ給水弁から給水を行い、同時にすすぎ水の銀イオン濃度が180ppbとなるようにイオン溶出ユニットの電極に電圧を印加した。すすぎ終了後排水し、脱水した。
【0137】
実験▲2▼では図20に示すように2回目のすすぎ工程で銀イオンを投入し、3回目のすすぎ工程で柔軟剤を投入した。2回目のすすぎ工程では図11のシーケンスを実行した。メイン給水弁から給水を行い、すすぎ水の銀イオン濃度が180ppbとなるようにイオン溶出ユニットの電極に電圧を印加した。10分間攪拌を行った後、バランスをとり、3回目のすすぎ工程に移行した。
【0138】
3回目のすすぎ工程では図13のシーケンスを実行した。すなわち排水のみで脱水は行わず、所定水位までメイン給水弁とサブ給水弁から給水を行い、同時に柔軟剤を投入した。投入後2分間攪拌を行い、排水し、脱水した。
【0139】
実験▲3▼では図21に示すように柔軟剤の投入は行わず、3回目のすすぎ工程で銀イオンの投入のみ行った。メイン給水弁から給水を行い、すすぎ水の銀イオン濃度が180ppbとなるようにイオン溶出ユニットの電極に電圧を印加した。投入後10分間攪拌を行い、排水し、脱水した。
【0140】
実験▲4▼では図22に示すように柔軟剤の投入は行わず、2回目のすすぎ工程で銀イオンの投入のみ行った。
【0141】
上記▲1▼▲2▼▲3▼▲4▼の条件で洗濯し、常温の室内で乾燥させた布の静菌活性値を図18の表の右端の欄に示す。静菌活性値はJIS L1902の定量試験法によって求めた。
【0142】
銀イオンと同時に柔軟剤を投入した実験▲1▼では、柔軟剤を投入していない実験▲3▼に比べ、抗菌性が著しく低下している。柔軟剤を後で投入している実験▲2▼では、実験▲3▼には及ばないが、実験▲1▼よりも抗菌性が高くなっている。
【0143】
実験▲4▼は、柔軟剤の投入が行われる訳ではないが、銀イオンを投入するすすぎの後にもう一度すすぎが行われるため、最終すすぎ時に銀イオンを投入する実験▲3▼に比べ、抗菌性は劣っている。
【0144】
実験▲2▼の条件で、ただし柔軟剤を仕上剤準備空間に入れることなく実験を行ったところ、実験▲4▼と同様の結果が得られた。図20のシーケンスで、柔軟剤をセットせずに仕上剤投入動作を含めた運転を行った場合、実験▲3▼よりは低いが、実験▲1▼よりは高い抗菌性が得られる。
【0145】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。また本発明は、上記実施形態でとり上げたような横ドラム式洗濯機に適用対象が限定されるものではない。通常の渦巻式全自動洗濯機や二層式洗濯機など、あらゆる形式の洗濯機に本発明を適用できる。
【0146】
【発明の効果】
本発明の洗濯機によれば、殺菌作用のある金属イオンや柔軟剤など、複数の仕上物質を洗濯工程で自動投入し、各々の仕上物質の仕上効果を洗濯物に及ぼすことができるとともに、第1の仕上物質と第2の仕上物質とが別々のすすぎ工程で投入されるため、同時に投入したとすれば少なくとも一方の効能が減殺される2種類の仕上物質を、各々の効能を損なうことなく洗濯物に付着させることができ、各々の仕上物質の効能を最大限に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る洗濯機の外観斜視図
【図2】 図1の洗濯機の垂直断面図
【図3】 給水口の模型的垂直断面図
【図4】 洗濯工程全体のフローチャート
【図5】 洗い工程のフローチャート
【図6】 すすぎ工程のフローチャート
【図7】 脱水工程のフローチャート
【図8】 イオン溶出ユニットの模型的水平断面図
【図9】 イオン溶出ユニットの模型的垂直断面図
【図10】 金属イオン及び仕上剤の投入シーケンスの第1例のフローチャート
【図11】 金属イオンすすぎ工程のフローチャート
【図12】 仕上剤すすぎ工程の第1例のフローチャート
【図13】 仕上剤すすぎ工程の第2例のフローチャート
【図14】 金属イオン及び仕上剤の投入シーケンスの第2例のフローチャート
【図15】 金属イオン及び仕上剤の投入シーケンスの第3例のフローチャート
【図16】 金属イオン及び仕上剤の投入シーケンスの第4例のフローチャート
【図17】 金属イオン及び仕上剤の投入シーケンスの第5例のフローチャート
【図18】 金属イオン及び仕上剤の投入実験の結果をまとめた表
【図19】 実験時における投入シーケンスを示す第1のフローチャート
【図20】 実験時における投入シーケンスを示す第2のフローチャート
【図21】 実験時における投入シーケンスを示す第3のフローチャート
【図22】 実験時における投入シーケンスを示す第4のフローチャート
【符号の説明】
601 横ドラム式洗濯機
610 外箱
620 水槽
630 ドラム
640 モータ
50 給水弁
50a メイン給水弁
50b サブ給水弁
53 給水口
54 洗剤室
55 仕上剤室
652 給水ノズル
665 排水弁
690 制御部
100 イオン溶出ユニット
113、114 電極

Claims (7)

  1. 洗濯工程において複数種類の仕上物質の自動投入が可能であり、
    前記複数種類の仕上物質は金属イオン洗濯用の仕上剤を含み、
    且つ前記洗濯工程中のすすぎ工程は複数回にわたるものであり、
    前記洗濯用の仕上剤が投入されるのは最終すすぎ工程であるとともに、前記金属イオンが投入されるのは最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程であることを特徴とする洗濯機。
  2. 前記最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程の時間は、前記最終すすぎ工程の時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  3. 洗濯工程において複数種類の仕上物質の自動投入が可能であり、
    前記複数種類の仕上物質は第1の仕上物質と第2の仕上物質を含み、
    且つ前記洗濯工程中のすすぎ工程は複数回にわたるものであり、
    前記第2の仕上物質が投入されるのは最終すすぎ工程であるとともに前記第1の仕上物質が投入されるのは最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程であり、
    前記最終すすぎ工程で使用される水の量は前記最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程で使用される水の量よりも少ないことを特徴とする洗濯機。
  4. 前記第2の仕上物質を投入するための準備空間内に第2の仕上物質が存在するか否かに関わらず、第2の仕上物質の投入時には投入動作自体は遂行されることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機。
  5. 前記第2の仕上物質の投入は任意選択事項であって前記第2の仕上物質の投入を選択しなかったときは、選択したときに第2の仕上物質の投入が行われる筈であったすすぎ工程が、前記第1の仕上物質の投入が行われるすすぎ工程となることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の洗濯機。
  6. イオン溶出ユニットにより生成された金属イオンを前記第1の仕上物質とし、洗濯用の仕上剤を前記第2の仕上物質とすることを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の洗濯機。
  7. 前記最終すすぎ工程の直前のすすぎ工程から前記最終すすぎ工程への移行にあたっては脱水を伴うことなく排水のみ実施されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の洗濯機。
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