JP2004321306A - 洗濯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】槽洗浄時の残水が原因で洗濯物が色落ちしたり、シール部材が劣化するのを回避しながら、槽洗浄による効果を得る。
【解決手段】入力部(操作/表示部)により、洗濯コースのうち槽洗浄コースの実行が指示されたときに、制御手段が、イオン溶出ユニットにて溶出された金属イオンを含む金属イオン添加水を槽(洗濯槽、水槽)に供給する。上記金属イオンには、除菌、抗菌作用はあるが、漂白作用はないので、たとえ金属イオン添加水が機内に残存していても、この金属イオン添加水がその後の洗濯工程にて洗濯される洗濯物(衣類)を色落ちさせることはない。また、金属イオンがゴム等のシール部材と化学反応することもなく、シール部材の劣化を引き起こすこともない。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯物の洗濯を行う洗濯コースの他に、槽(洗濯槽や水槽)の洗浄を行う槽洗浄コースを実行する洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、全自動洗濯機においては、洗濯物を洗濯すると、洗濯物の汚れや使用された洗剤水が、洗濯槽や水槽から排水装置を介して機外に排出される。しかし、洗濯回数を重ねると、洗剤の溶け残りや洗濯物の汚れ等が、洗濯槽の外周面や水槽の内周面、攪拌部材(パルセータ)の裏面等に付着し、溜まっていく。付着した汚れは、黒カビや菌の繁殖をもたらし、時には、異臭を発生させることもある。
【0003】
そこで、従来から、洗濯槽や水槽に付着した汚れ(カビや菌を含む)を除菌剤により除去するようにした洗濯機が種々提案されている。例えば、特許文献1には、上記の除菌剤として次亜塩素酸水を含む電気分解液を用い、これを槽洗浄剤の代わりに用いて槽の汚れを除去する洗濯機が開示されている。つまり、この洗濯機では、食塩水を電気分解して次亜塩素酸水を生成し、この次亜塩素酸水を含む電気分解液を洗濯槽と水槽との間に供給することで、槽に付着した汚れを除去するようにしている。そして、併せて、食塩水の濃度に関係なく一定の殺菌効果を得るようにしている。
【0004】
一方、特許文献2には、上記の除菌剤としてハロゲン化ヒダントイン化合物を用い、これを洗濯槽に供給することで、槽の汚れを除去する洗濯機が開示されている。また、この洗濯機では、水温や気温に応じた量の除菌剤を用いることで、水温や気温の変化によって生ずる除菌剤の過不足を無くし、無駄を排除している。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−170392号公報
【特許文献2】
特開2003−19390号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、家庭で使用される洗濯機は、その利便性から、風呂場の横や洗面所の近くに設置されることが多い。このような場所は、日光が差し込まないこともあり、湿度も高めである。そのため、洗濯機の機内の水は蒸発しにくく、残存しやすい状態にある。このため、除菌剤としてハロゲン化合物を用いて槽洗浄を行う特許文献1および2の構成では、以下の問題が生ずる。
【0007】
▲1▼槽洗浄後に上記の除菌剤が槽表面に残存していると、上記の除菌剤は、ハロゲン化合物であるがゆえに、その後の洗濯物の洗濯工程にて洗濯物に付着すると、洗濯物が漂白され、洗濯物が色落ちする。
【0008】
なお、特許文献1では、そのような色落ちを防止するために、槽洗浄後に還元剤を投入するようにしているが、そのような工程ならびに還元剤が別途必要となり、槽洗浄に手間がかかる。
【0009】
▲2▼洗濯槽や水槽は、通常、ゴム等のシール部材により、その周辺の部材とシールされており、周りへの水漏れが防止されている。しかし、上記の除菌剤としてのハロゲン化合物が機内に残存し、これが上記シール部材に触れれば、化学反応を起こしてシール部材が劣化するため、そのシール性が悪くなる。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、槽洗浄時の残水が原因となって洗濯物が色落ちしたり、シール部材が劣化するのを回避しながら、槽洗浄による効果を確実に得ることができる洗濯機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の洗濯機は、金属イオン(例えば銀イオン)を溶出するイオン溶出手段と、洗濯コースを選択してその実行を指示するための入力部とを備えた洗濯機であって、上記入力部により、洗濯槽と水槽とのうち少なくとも一方の槽を洗浄する槽洗浄コースの実行が指示されたときに、上記イオン溶出手段にて溶出された金属イオンを含む金属イオン添加水を上記槽に供給する制御手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
この構成では、入力部により、洗濯コースのうち槽洗浄コースの実行が指示されたときに、制御手段が、イオン溶出手段にて溶出された金属イオンを含む金属イオン添加水を槽(洗濯槽、水槽)に供給することで、槽洗浄コースが実行される。
【0013】
ここで、金属イオンには、除菌、抗菌作用はあるが、漂白作用はない。したがって、洗濯機の設置環境により、たとえ金属イオン添加水が機内に残存していても、この金属イオン添加水がその後の洗濯工程にて洗濯される洗濯物(衣類)を色落ちさせることはない。また、金属イオンがゴム等のシール部材と化学反応することもなく、シール部材の劣化を引き起こすこともない。したがって、槽洗浄時の残水に起因して洗濯物が色落ちしたり、シール部材が劣化するのを回避しながら、金属イオンの除菌、抗菌作用による槽洗浄効果を得ることができる。
【0014】
また、上記金属イオン添加水は、従来の除菌剤のような漂白作用はないので、槽洗浄時に洗濯物の色落ちを防止するための還元剤の投入は全く不要であり、槽洗浄に際して使用者に煩わしさを与えることもない。
【0015】
(2)本発明の洗濯機は、上記槽洗浄コースは、槽洗浄剤を含む水で上記槽を洗浄する洗い工程を含んでおり、上記制御手段は、上記洗い工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給する構成であってもよい。
【0016】
この構成によれば、槽洗浄コースの洗い工程にて、槽表面の汚れを槽洗浄剤で専門に除去しながら、槽表面に付着した菌を金属イオン添加水で専門に除去することができる。したがって、このように槽洗浄剤と金属イオン添加水とを併用することにより、槽洗浄を効率的に行うことができる。
【0017】
(3)本発明の洗濯機は、上記槽は、上記洗い工程にて、つけおき洗いされる構成であってもよい。
【0018】
槽洗浄コースでの槽のつけおき洗いの時間としては、例えば、槽洗浄剤を入れてから2〜6時間の長時間を想定することができる。この間に金属イオン添加水を槽に供給すれば、金属イオンが菌に対して作用するのに必要な時間を十二分に確保することができる。したがって、金属イオンによる除菌、抗菌効果を十二分に得ながら、槽洗浄コースを運転することができる。
【0019】
(4)本発明の洗濯機は、上記制御手段は、上記洗い工程において、上記槽洗浄剤を上記槽に投入してから所定時間経過後に、上記金属イオン添加水を上記槽に供給する構成であってもよい。
【0020】
槽洗浄剤によっては、例えば塩基性の槽洗浄剤のように、槽に付着したカビなどの菌を溶かしながら槽を洗浄できるものもあり、槽洗浄剤を上記槽に投入してから所定時間内(例えば2〜3時間内)は、この槽洗浄剤のみによって菌やカビを除去することができる。したがって、上記所定時間経過後に、金属イオン添加水を槽に供給する構成とすれば、槽洗浄剤によって除去される菌に対して金属イオンを作用させなくても済む。言い換えれば、槽洗浄剤によって完全に除去しきれない菌に対してのみ、金属イオンを作用させることができる。その結果、金属イオンを有効的に利用することができるとともに、効率的に槽に対して抗菌処理を行うことができる。
【0021】
(5)本発明の洗濯機は、上記槽洗浄コースは、すすぎ工程を含んでおり、上記制御手段は、上記すすぎ工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給する構成であってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、例えば洗い工程にて使用した槽洗浄剤とぶつかることなしに、槽表面の菌に対してのみ金属イオンを作用させることができる。その結果、金属イオンによる除菌、抗菌効果を確実に発揮させることができる。
【0023】
(6)本発明の洗濯機は、上記すすぎ工程は、複数の副すすぎ工程を含んでおり、上記制御手段は、最終の副すすぎ工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給する構成であってもよい。
【0024】
例えば、一の副すすぎ工程にて金属イオン添加水を槽に供給した後に、別の副すすぎ工程を、金属イオンを添加しない水を槽に供給して実行すると、先の副すすぎ工程で供給された金属イオン添加水の金属イオンが、後の副すすぎ工程での水により、洗い流されてしまう。しかし、最終の副すすぎ工程にて、金属イオン添加水を槽に供給する構成とすれば、金属イオンがすすぎ水によって洗い流されてしまうことがなく、使用する金属イオンの無駄を無くし、金属イオンを有効活用することができる。
【0025】
(7)本発明の洗濯機は、上記槽洗浄コースは、脱水工程を含んでおり、上記制御手段は、上記脱水工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給する構成であってもよい。
【0026】
この構成によれば、脱水工程にて槽に供給された金属イオン添加水は、脱水時の遠心力で、槽の外周方向へ押しつけられ水面が上昇するので、内周部分に水を供給することなく槽の全体を金属イオン添加水につけることができる。言い換えれば、少ない量の金属イオン添加水でも、槽表面全体に金属イオン添加水を行き渡らせることができる。その結果、少ない量の金属イオン添加水でも、金属イオンによる除菌、抗菌効果を確実に得ることができる。
【0027】
(8)本発明の洗濯機は、上記槽内の水を排水するための排水装置と、上記排水装置における排水を指示する排水指示手段とをさらに備え、上記制御手段は、上記排水指示手段による排水指示があるまで、上記排水装置を止水状態とする構成であってもよい。
【0028】
上記の排水指示手段としては、例えば、脱水工程における洗濯槽の回転数(回転速度、単位時間あたりの回転数)を検知するとともに、上記回転数が所定数以上になったときに排水指示信号を上記制御手段に出力する手段や、上記脱水工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給してからの時間を計時するとともに、当該時間が所定時間を経過したときに排水指示信号を上記制御手段に出力する手段を考えることができる。
【0029】
例えば、初めから排水装置を排水状態として槽洗浄コースを実行すると、脱水工程にて供給した金属イオン添加水の一部は、そのまま槽に対して抗菌作用を及ぼさずに排水されてしまう。しかし、上記構成のように、制御手段が排水指示手段による排水指示があるまで排水装置を止水状態としておくことにより、槽に供給される金属イオン添加水を無駄に排水してしまうことがない。つまり、上記金属イオン添加水を、槽表面の抗菌処理に確実に活用することができる。
【0030】
(9)本発明の洗濯機は、上記排水指示手段は、脱水工程における上記洗濯槽の回転数(回転速度、単位時間あたりの回転数)を検知するとともに、上記回転数が所定数以上になったときに排水指示信号を上記制御手段に出力する回転数検知手段を含んでおり、上記制御手段は、上記回転数検知手段から上記排水指示信号を受けたときに、上記排水装置を排水状態とする構成であってもよい。
【0031】
排水装置がいつまでも止水状態であれば、槽に供給された金属イオン添加水が洗濯槽の回転を阻害し、洗濯槽を拘束する状態となる。その結果、モータの過熱や、異常振動を来たすおそれがある。
【0032】
そこで、脱水工程における止水状態にて、洗濯槽の回転数が所定数以上となった場合には、水面が槽の所定高さ以上に達し、槽に抗菌処理する必要水面高さが確保できた、または、それ以上の回転数では、回転により発生する気泡や水の粘性によりモータへの負荷が増大することによるモータの過熱や、水面が上昇しすぎて異常振動や漏水などの弊害を起こす恐れがあると判断することができる。したがって、このときに回転数検知手段が排水指示信号を制御手段に出力し、制御手段がこの信号に基づいて排水装置を排水状態とすることにより、槽内の水を排水して、上述したモータの過熱や異常振動などの不都合を確実に回避することができる。
【0033】
(10)本発明の洗濯機は、上記排水指示手段は、上記脱水工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給してからの時間を計時するとともに、当該時間が所定時間を経過したときに排水指示信号を上記制御手段に出力する計時手段を含んでおり、上記制御手段は、上記計時手段から上記排水指示信号を受けたときに、上記排水装置を排水状態とする構成であってもよい。
【0034】
脱水工程における止水状態にて、金属イオン添加水を上記槽に供給してから所定時間を経過すると、洗濯槽は、ある程度の回転数に達したと判断することができる。したがって、このときに計時手段が排水指示信号を制御手段に出力し、制御手段がこの排水指示信号に基づいて排水装置を排水状態とすることにより、上記の構成の場合と同様に、モータの過熱や異常振動などの不都合を確実に回避することができる。つまり、排水装置の排水条件を、洗濯槽の回転数制御だけでなく、時間制御でも管理することができる。
【0035】
(11)本発明の洗濯機は、上記洗濯コースは、上記槽洗浄コースと、洗濯物に対して抗菌処理を行う抗菌処理コースとを含んでおり、上記制御手段は、上記入力部により、上記抗菌処理コースの実行が指示されたときに、上記イオン溶出手段にて溶出された金属イオンを含む金属イオン添加水を上記槽に供給する構成であってもよい。
【0036】
上記の構成によれば、入力部にて実行指示された洗濯コースが、槽洗浄コースであっても、抗菌処理コースであっても、同じイオン溶出手段から金属イオン添加水を上記槽に供給することができる。したがって、各洗濯コースに対応してイオン溶出手段を設ける必要がなく、低コスト化を図ることができる。
【0037】
(12)本発明の洗濯機は、上記制御手段は、上記槽洗浄コースでは、上記抗菌処理コースに比べて、用いる金属イオン添加水の金属イオン濃度を高くする構成であってもよい。
【0038】
抗菌処理コースの場合、金属イオン添加水の金属イオン濃度が高すぎると、生成される金属イオンの化合物の黒化物(例えば銀化合物)が多量に洗濯物に付着して黒ずみ、逆に洗濯物を汚す結果となる。そのため、抗菌処理コースでは、金属イオン濃度を低く抑える必要がある。
【0039】
これに対して、槽洗浄コースでは、洗濯物の洗濯ではなく、槽の洗浄が行われるため、洗濯物の汚れを防止する観点から、金属イオン濃度を抑える必要がない。つまり、槽洗浄コースでは、抗菌処理コースに比べて金属イオン濃度を高くしても何ら問題がなく、これにより、槽洗浄の際の金属イオンによる抗菌効果をさらに高めることができる。
【0040】
(13)本発明の洗濯機は、上記制御手段は、上記槽洗浄コースでは、上記抗菌処理コースに比べて、(例えばすすぎ工程において)金属イオン添加水を投入してから排水するまでの抗菌処理時間を短くする構成であってもよい。
【0041】
抗菌処理コースでは、例えばすすぎ工程にて金属イオン添加水が槽に供給され、洗濯物に対して抗菌処理される。このとき、金属イオン添加水を洗濯物に十分に浸透させるため、ある程度の抗菌処理時間を確保する必要がある。
【0042】
しかし、槽洗浄コースでは、槽表面に金属イオン添加水を流して洗浄するだけなので、金属イオン添加水の浸透時間などを考慮する必要はない。したがって、槽洗浄コースでの例えばすすぎ工程において抗菌処理を行う場合には、抗菌処理コースよりも抗菌処理時間を短くしても、槽表面において十分に抗菌効果を得ることができる。
【0043】
(14)本発明の洗濯機は、上記制御手段は、上記槽洗浄コースでは、上記抗菌処理コースに比べて、脱水工程の時間を長くする構成であってもよい。
【0044】
槽表面が水に濡れている時間が長ければ長いほど、槽表面に付着した菌も繁殖しやすい。したがって、槽洗浄コースでは、抗菌処理コースに比べて、脱水工程の時間を長くすることにより、遠心力と風力とにより水分を飛ばし、槽表面をなるべく早く乾燥状態にもっていって、菌の繁殖しにくい環境を早く作り出すことができる。その結果、槽表面を早く清潔に保つことができる。
【0045】
(15)本発明の洗濯機は、上記制御手段は、上記槽洗浄コースにおいて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給する工程のうち最終の工程よりも後で、乾燥工程を実行させる構成であってもよい。
【0046】
上記の構成によれば、金属イオン添加水を槽に供給した後に乾燥工程を実行することにより、槽表面の金属イオン添加水の乾きを早くして、菌の繁殖を抑えることができる。また、金属イオンで殺しきれなかった菌やカビをも、乾燥の熱で殺すことができ、より槽表面を清潔に保つことができる。
【0047】
(16)本発明の洗濯機は、上記制御手段は、洗濯物の乾燥工程を有する洗濯コースの当該乾燥工程よりも乾燥目標温度が高くなるように、上記槽洗浄コースの乾燥工程を実行させる構成であってもよい。
【0048】
洗濯物の乾燥工程では、普通、洗濯物の黄ばみ、やきつき等の理由から、乾燥時には温度をあまり高くできない。しかし、槽内に洗濯物が入っていない場合(洗濯槽だけの場合)は、当然、乾燥時の洗濯物のやけ等の問題は起こらない。したがって、槽洗浄コースの乾燥工程では、通常の洗濯コースの乾燥工程よりも乾燥目標温度を高くした乾燥を実行することで、乾燥に要する時間をさらに短縮することができる。そして、金属イオンで殺しきれなかった菌やカビを、高い乾燥時の熱によってさらに確実に殺すこともできる。
【0049】
(17)本発明の洗濯機は、上記槽に供給される上記金属イオン添加水の水量または水位を設定する設定手段をさらに備え、上記制御手段は、上記槽洗浄コースでは、上記設定手段にて設定された水量または水位に応じて、上記金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更する構成であってもよい。
【0050】
例えば、洗濯槽が穴なし槽の場合、洗濯物を攪拌するための樹脂部材である攪拌部材(パルセータ)の部分に一番菌が発生しやすい。そのため、使用者によっては、槽洗浄コースの運転によって、その部分のみ集中して洗浄したいという場合が生ずる。
【0051】
そこで、設定手段により、槽に供給される金属イオン添加水の水量または水位を設定可能とし、その設定された水量または水位に応じて、制御手段が金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更することにより、金属イオン添加水の供給水量または水位に応じた金属イオン量を実現することができる。したがって、槽洗浄コースにおいて、金属イオンを経済的に使用することができ、その金属イオンを溶出するイオン溶出手段の寿命を延ばすことができる。
【0052】
(18)本発明の洗濯機は、洗濯運転の実行回数を記憶する運転回数記憶手段をさらに備え、上記制御手段は、上記槽洗浄コースでは、上記実行回数に応じて、上記金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更する構成であってもよい。
【0053】
洗濯機の洗濯運転の実行回数が増えれば増えるほど、攪拌部材(パルセータ)裏面や槽表面に汚れが溜まっていき、菌が繁殖していく。そこで、槽洗浄コースでは、運転回数記憶手段にて記憶されている洗濯運転の実行回数に応じて、制御手段が金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更することで、槽の汚れの度合いや菌の繁殖の程度に応じた槽洗浄を実行することができる。その結果、洗濯運転の実行回数が増えても、槽表面の清潔性を維持することができる。
【0054】
(19)本発明の洗濯機は、上記抗菌処理コースの実行の際に上記金属イオンを使用した回数を記憶するイオン使用回数記憶手段をさらに備え、上記制御手段は、上記使用回数に応じて、上記金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更する構成であってもよい。
【0055】
金属イオンを使用して普通の洗濯工程(抗菌処理コース)を運転していれば、その処理によって洗濯物に付着する金属イオンもあるが、その他、槽表面に付着する金属イオンもある。したがって、上記後者の金属イオンにより、槽表面における菌の繁殖は、ある程度抑えられる。
【0056】
そこで、上記構成では、イオン使用回数記憶手段が、抗菌処理コースの実行の際に金属イオンを使用した回数を記憶し、制御手段が、その使用回数に応じて、金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更する。例えば、抗菌処理コースでの金属イオンの使用回数が増えれば増えるほど、制御手段は、槽洗浄コースにて使用する金属イオン濃度を減らす制御を行う。
【0057】
上述したように洗濯物の抗菌処理時の金属イオンにより、槽表面の菌の繁殖がある程度抑えられているので、上記の制御を行っても、槽洗浄のときには、少ない金属イオン量で槽表面に付着した菌を十分に殺すことができる。その結果、槽洗浄コースにおいて金属イオンを経済的に使用することができ、イオン溶出手段の寿命を延ばすことができる。
【0058】
(20)本発明の洗濯機は、上記イオン溶出手段は、複数種類の金属イオンを溶出可能な電極を有する構成であってもよい。
【0059】
例えば、金属イオンとしての銀イオンは、抗菌性に優れており、銅イオンは、防カビ性に優れている。そこで、イオン溶出手段の電極を、銀イオンや銅イオンに対応した電極、すなわち、銀電極や銅電極で構成し、銀イオンや銅イオンの溶出を選択できる構成とすれば、銀イオンによる効果と銅イオンによる効果とを選択的にもしくは両方同時に得ることができ、利便性を向上させることができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1ないし図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0061】
(1.洗濯機の構成)
図1は、洗濯機1の全体構成を示す垂直断面図である。洗濯機1は、全自動型のものであり、外箱10を備えている。外箱10は、直方体形状で、金属または合成樹脂により成形され、その上面および底面は開口部となっている。外箱10の上面開口部には、合成樹脂製の上面板11が重ねられ、この上面板11が外箱10にネジで固定されている。
【0062】
図1において、左側が洗濯機1の正面、右側が背面とすると、洗濯機1の背面側に位置する上面板11の上面には、同じく合成樹脂製のバックパネル12が重ねられ、このバックパネル12が外箱10または上面板11にネジで固定されている。外箱10の底面開口部には、合成樹脂製のベース13が重ねられ、このベースが外箱10にネジで固定されている。なお、図1では、これまでに述べてきたいずれのネジの図示をも省略している。
【0063】
ベース13の四隅には、外箱10を床の上に支えるための脚部14a・14bが設けられている。正面側の脚部14aは、高さ可変のネジ脚であり、これを回して洗濯機1のレベル出しを行う。背面側の脚部14bは、ベース13に一体成型した固定脚である。
【0064】
上面板11には、後述する洗濯槽30に洗濯物を投入するための洗濯物投入口15が形設されている。蓋16は、上面板11にヒンジ部17で結合され、垂直面内で回動するとともに、洗濯物投入口15を上から覆う。
【0065】
外箱10の内部には、水槽20と、脱水槽を兼ねる洗濯槽30とが配置されている。水槽20および洗濯槽30は、両者ともに、上面が開口した円筒形のカップの形状を呈しており、各々の軸線が鉛直方向となり、かつ、水槽20が外側、洗濯槽30が内側となるように同心状に配置されている。
【0066】
水槽20は、サスペンション部材21によって吊り下げられている。サスペンション部材21は、水槽20の外面下部と外箱10の内面コーナー部とを連結する形で計4箇所に配備され、水槽20を水平面内で揺動できるように支持している。
【0067】
洗濯槽30は、上方に向かうにつれて緩やかに広がるテーパー形状の周壁を有している。この周壁には、その最上部に環状に配置した複数個の脱水孔31を除き、液体を通すための開口部はない。すなわち、洗濯槽30は、いわゆる「穴なし」タイプである。洗濯槽30の上部開口部の縁には、環状のバランサ32が装着されている。バランサ32は、洗濯物の脱水のため、洗濯槽30を高速回転させたときに、その振動を抑制する働きを有している。洗濯槽30の内部底面には、槽内で洗濯水あるいはすすぎ水の流動を生じさせるためのパルセータ33が配置されている。
【0068】
水槽20の下面には、駆動ユニット40が装着されている。駆動ユニット40は、モータ41、クラッチ機構42およびブレーキ機構43を含んでおり、その中心部から、脱水軸44とパルセータ軸45とが上向きに突出している。脱水軸44とパルセータ軸45とは、脱水軸44を外側、パルセータ軸45を内側とする二重軸構造となっている。脱水軸44は、下方から上方に向かって水槽20の中に入り込んだ後、洗濯槽30に連結し、これを支えている。パルセータ軸45は、下方から上方に向かって水槽20を貫いてさらに洗濯槽30の中に入り込み、パルセータ33に連結し、これを支えている。脱水軸44と水槽20との間、および、脱水軸44とパルセータ軸45の間には、各々、水もれを防ぐためのシール部材が配置されている。
【0069】
バックパネル12の下の空間には、電磁的に開閉する給水弁50が配置されている。給水弁50は、バックパネル12を貫通して上方に突きだす接続管51を有している。接続管51には、水道水などの上水を供給する給水ホース(図示せず)が接続されている。また、給水弁50は、容器状の給水口53に接続されている。給水口53は、洗濯槽30の内部に臨む位置にあり、図2に示す構造を有している。
【0070】
図2は、給水口53の模式的な垂直断面図であり、正面側から見た図である。給水口53は、正面側が開口しており、その開口部から引き出し53a(投入ケース)が挿入される。引き出し53aの内部は、複数(本実施形態では左右2個)に区画されている。左側の区画は、洗剤を入れておく準備空間となる洗剤室54である。右側の区画は、洗濯用の仕上剤を入れておく準備空間となる仕上剤室55である。洗剤室54の底部には、給水口53の内部に向かって開口する注水口54aが設けられている。仕上剤室55には、サイホン部57が設けられている。給水口53は、引き出し53aの下の箇所が洗濯槽30に注水する注水口56となっている。
【0071】
サイホン部57は、仕上剤室55の底面から垂直に立ち上がる内管57aと、内管57aにかぶせられるキャップ状の外管57bとからなっている。内管57aと外管57bとの間には、水の通る隙間が形成されている。内管57aの底部は、給水口53の底部に向かって開口している。外管57bの下端は、仕上剤室55の底面と所定の隙間を保ち、ここが水の入口になる。内管57aの上端を超えるレベルまで仕上剤室55に水が注ぎ込まれると、サイホンの作用が起こり、水はサイホン部57を通って仕上剤室55から吸い出され、給水口53の底部に向かい、そこから注水口56を通じて洗濯槽30へと落下する。
【0072】
給水弁50は、メイン給水弁50aとサブ給水弁50bとからなっている。接続管51は、メイン給水弁50aおよびサブ給水弁50bの両方に共通である。給水管は、メイン給水弁50aに接続されたメイン給水管52aと、サブ給水弁50bに接続されたサブ給水管52bとからなっている。
【0073】
メイン給水弁50aは、メイン給水管52aを通じて給水口53の天井部の開口に接続される。この開口は、洗剤室54に向かって開いている。したがって、メイン給水弁50aから流れ出す水は、メイン給水管52aから洗剤室54に注ぎ込まれる。一方、サブ給水弁50bは、サブ給水管52bを通じて給水口53の天井部の開口に接続される。この開口は、仕上剤室55に向かって開いている。したがって、サブ給水弁50bから流れ出す水は、サブ給水管52bから仕上剤室55に注ぎ込まれる。すなわち、メイン給水弁50aから洗剤室54を通って洗濯槽30に注ぐ経路と、サブ給水弁50bから仕上剤室55を通って洗濯槽30に注ぐ経路とは別系統である。
【0074】
なお、図2中、180・181は、ストレーナである。ストレーナ180は、接続管51の中に設けられ、給水弁50の中に異物が入り込まないようにするためのものであるが、後述するイオン溶出ユニット100の上流側ストレーナーも兼ねている。ストレーナ181は、イオン溶出ユニット100の流出口に設けられ、長期間の使用により、イオン溶出ユニット100の後述する電極113・114がやせ細ったとき、それが折れて破片が流失するのを防ぐ。
【0075】
図1に戻って説明を続ける。水槽20の底部には、水槽20および洗濯槽30の中の水を外箱10の外に排水する排水ホース60が取り付けられている。排水ホース60には、排水管61および排水管62から水が流れ込む。排水管61は、水槽20の底面の外周寄りの箇所に接続されている。一方、排水管62は、水槽20の底面の中心寄りの箇所に接続されている。
【0076】
水槽20の内部底面には、排水管62の接続箇所を内側に囲い込むように環状の隔壁63が固定されている。隔壁63の上部には、環状のシール部材64が取り付けられている。このシール部材64が洗濯槽30の底部外面に固定したディスク65の外周面に接触することにより、水槽20と洗濯槽30との間に独立した排水空間66が形成されている。排水空間66は、洗濯槽30の底部に形設した排水口67を介して洗濯槽30の内部に連通している。
【0077】
排水管62には、電磁的に開閉する排水弁68が設けられている。排水管62の排水弁68の上流側にあたる箇所には、エアトラップ69が設けられており、エアトラップ69からは導圧管70が延び出している。導圧管70の上端には、洗濯槽30または水槽20の水量検知手段である水位スイッチ71が接続されている。
【0078】
外箱10の正面側には、制御部80が配置されている。制御部80は、上面板11の下に置かれており、上面板11の上面に設けられた操作/表示部81を通じて使用者からの操作指令を受け、駆動ユニット40、給水弁50および排水弁68に動作指令を発する。また、制御部80は、操作/表示部81に表示指令を発する。制御部80は、後述するイオン溶出ユニット100の駆動回路120(図9参照)を含んでいる。
【0079】
メイン給水弁50aよりも給水経路下流側には、流量検知手段185が配置されている。流量検知手段185は、周知の流量計により構成することができる。流量検知手段185は、図1では、給水弁50に付属しているように描かれているが、配置場所はここに限定されず、後述するイオン溶出ユニット100のところに設けられてもよいし、給水口53のところに設けられてもよい。また、流量検知は、水位スイッチ71の検知した単位時間当たりの水量変化や、単位水量の変化に要する時間などから演算して求めるという手法で行うこともできる。
【0080】
(2.洗濯機の動作)
次に、洗濯機1の動作について説明する。
【0081】
(2−1.洗濯機の準備動作)
まず、蓋16を開け、洗濯物投入口15から洗濯槽30の中へ洗濯物を投入する。そして、給水口53から引き出し53aを引き出し、洗剤室54には洗剤を入れる。必要であるなら、給水口53の仕上剤室55に仕上剤を入れる。なお、仕上剤は、洗濯工程の途中で入れてもよいし、必要がなければ入れなくてもよい。洗剤と仕上剤のセットを終えたら、引き出し53aを給水口53に押し込む。また、洗剤や仕上剤は、洗濯物の量を検知する手段を有していれば、検知後、目安の負荷量や洗剤量や水量にしたがって入れてもよい。
【0082】
洗剤と仕上剤の投入準備を整えた後、蓋16を閉じ、操作/表示部81の操作ボタン群を操作して洗濯条件(洗濯コース)を選ぶ。最後にスタートボタンを押せば、図3ないし図6のフローチャートにしたがって各工程が遂行される。
【0083】
ここで、洗濯機1が実行する洗濯コースとしては、大きく分けて、通常コースと、槽洗浄コースとがある。これらの洗濯コースは、操作/表示部81により選択可能となっている。また、各洗濯コースは、後述する洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の少なくともいずれか、またはこれらの組み合わせで構成されている。
【0084】
上記の通常コースは、さらに、標準コースと、抗菌処理コースとに区別される。
【0085】
標準コースは、洗濯物の洗濯を実行するコースであり、洗濯物の種類に応じて、ソフトコース、ゴシゴシコース、ドライコース、毛布コースなどがある。これらの通常コースは、操作/表示部81により個別に設定可能であり、各コースに応じて、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の少なくともいずれかが選択され、実行される。また、これらの各コース同士では、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の時間、回転数(攪拌力)などが目的に応じてそれぞれ異なっている。
【0086】
抗菌処理コースは、洗濯物に対して抗菌処理を行うコースである。操作/表示部81により抗菌処理コースが設定されると、基本的には、同じく操作/表示部81にて設定される標準コースと同じ工程が実行される。そして、その途中の工程(例えばすすぎ工程)で、イオン溶出ユニット100から金属イオンが溶出されて、その金属イオンを含む水が洗濯槽30に供給され、洗濯物に対して抗菌処理がされることになる。
【0087】
一方、上記の槽洗浄コースは、洗濯槽30と水槽20とのうち少なくとも一方の槽を洗浄するコースである。この槽洗浄コースについては、本発明の最も特徴的な部分であるため、その詳細については後述することとする。
【0088】
(2−2.標準コースの基本動作)
次に、洗濯機1の洗濯コースとして、標準コースが設定されたときの洗濯機1の基本動作について、図3に基づいて説明する。図3は、洗濯工程全体の動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下の工程において、所定の判断を行う主体は、制御部80である。
【0089】
ステップS201では、設定した時刻に洗濯を開始する予約運転が選択されているかどうかを確認する。予約運転が選択されていれば、ステップS202に進み、選択されていなければステップS203に進む。
【0090】
ステップS202に進んだ場合は、運転開始時刻になったかどうかの確認が行われる。運転開始時刻になったら、ステップS203に進む。
【0091】
ステップS203では、洗い工程が選択されているかどうかを確認する。洗い工程が選択されていればステップS300に進み、選択されていなければ、そのままステップS204に進む。なお、ステップS300の洗い工程の内容は、別途、図4のフローチャートで説明する。ステップS300の洗い工程終了後は、ステップS204に進む。
【0092】
ステップS204では、すすぎ工程が選択されているかどうかを確認する。すすぎ工程が選択されていれば、ステップS400に進み、選択されていなければ、そのままステップS205に進む。なお、ステップS400のすすぎ工程の内容は、別途、図5のフローチャートで説明する。ステップS400のすすぎ工程終了後は、ステップS205に進む。
【0093】
ステップS205では、脱水工程が選択されているかどうかを確認する。脱水工程が選択されていれば、ステップS500に進み、選択されていなければ、そのままステップS206に進む。なお、ステップS500の脱水工程の内容は、別途、図6のフローチャートで説明する。ステップS500の脱水工程終了後は、ステップS206に進む。
【0094】
ステップS206では、乾燥工程が選択されているかどうかを確認する。乾燥工程が選択されていれば、ステップS600に進み、選択されていなければ、そのままステップS207に進む。ステップS600の乾燥工程では、例えば、洗濯槽30内に温風を供給することで、洗濯物を乾燥させる。洗濯槽30から排出される高温多湿の空気は、冷却水によって冷却され(水冷除湿方式)、当該空気中の湿気が水に変換された後、機外に排出される。ステップS600の乾燥工程終了後は、ステップS207に進む。
【0095】
ステップS207では、制御部80、特にその中に含まれる演算装置(マイクロコンピュータ)による終了処理が、所定の手順に従って自動的に進められる。また、ステップS208では、制御部80は、洗濯工程が完了したことを終了音で報知する。すべての工程が終了した後、洗濯機1は、次の洗濯工程に備えて待機状態に戻る。
【0096】
(2−2−1.洗い工程)
次に、上述した洗い工程の詳細について、図4に基づいて説明する。図4は、洗い工程における動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下の工程においても、所定の判断を行う主体は、制御部80である。
【0097】
ステップS301では、水位スイッチ71の検知している洗濯槽30内の水位データのとり込みが行われる。ステップS302では、容量センシングの選択がなされているかどうかを確認する。容量センシングが選択されていれば、ステップS308に進み、選択されていなければ、そのままステップS303に進む。
【0098】
ステップS308では、パルセータ33の回転負荷により、洗濯物の量を測定する。容量センシング後、ステップS303に進む。
【0099】
ステップ303では、メイン給水弁50aが開き、メイン給水管52aおよび給水口53を通じて洗濯槽30に水が注がれる。このとき、給水口53の洗剤室54に装填された洗剤も、水に混じって洗濯槽30に投入される。なお、この時点では、排水弁68は閉じている。水位スイッチ71が設定水位を検知すると、メイン給水弁50aが閉じ、ステップS304に進む。
【0100】
ステップS304では、なじませ運転を行う。すなわち、パルセータ33が反転回転し、洗濯物と水とを攪拌して、洗濯物を水になじませる。これにより、洗濯物に水を十分に吸収させることができる。また、洗濯物の各所にとらわれていた空気を逃がすこともできる。なじませ運転の結果、水位スイッチ71の検知する水位が当初より下がったときは、ステップS305で、メイン給水弁50aを開いて水を補給し、設定水位を回復させる。
【0101】
このとき、「布質センシング」を行う洗濯コースを選択していれば、なじませ運転と共に布質センシングが実施される。なじませ運転を行った後、設定水位からの水位変化を検出し、水位が規定値以上に低下していれば、吸水性の高い布質であると判断する。
【0102】
ステップS305で、所定の設定水位が得られると、ステップS306に進む。ステップS306では、使用者の設定に従い、モータ41がパルセータ33を所定のパターンで回転させ、洗濯槽30の中に洗濯のための主水流を形成する。この主水流により、洗濯物の洗濯が行われる。脱水軸44にはブレーキ装置43によりブレーキがかかっており、洗濯水および洗濯物が動いても、洗濯槽30は回転しない。
【0103】
主水流の期間が経過した後、ステップS307に進む。ステップS307では、パルセータ33が小刻みに反転して洗濯物をほぐし、洗濯槽30の中に洗濯物がバランス良く配分されるようにする。これは、洗濯槽30の脱水回転に備えるためである。
【0104】
(2−2−2.すすぎ工程)
次に、上述したすすぎ工程の詳細について、図5に基づいて説明する。図5は、すすぎ工程における動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下の工程においても、所定の判断を行う主体は、制御部80である。
【0105】
最初に、ステップS500の脱水工程が入るが、これについては図6のフローチャートで説明する。この脱水工程後は、ステップS401に進む。ステップS401では、メイン給水弁50aが開き、設定水位まで給水が行われる。なお、仕上剤の投入も選択されていれば、サブ給水弁50bも開き、給水が行われ、サイホン部57を通り、注水口56を通じて、洗濯槽30に仕上剤が注ぎ込まれる。
【0106】
給水後、ステップS402に進む。ステップS402では、なじませ運転が行われる。このなじませ運転では、ステップS500(脱水工程)で洗濯槽30に貼り付いた洗濯物を剥離し、水になじませ、洗濯物に水を十分に吸収させる。
【0107】
なじませ運転の後、ステップS403に進む。なじませ運転の結果、水位スイッチ71の検知する水位が設定水位より下がっていたときは、メイン給水弁50aを開いて水を補給し、設定水位を回復させる。
【0108】
ステップS403で設定水位を回復した後は、ステップS404に進む。ステップS404では、使用者の設定に従い、モータ41がパルセータ33を所定のパターンで回転させ、洗濯槽30の中にすすぎのための主水流を形成する。この主水流により洗濯物を攪拌し、洗濯物のすすぎが行われる。脱水軸44にはブレーキ装置43によりブレーキがかかっており、すすぎ水および洗濯物が動いても、洗濯槽30は回転しない。
【0109】
主水流(攪拌)の期間が経過した後、ステップS405に移る。ステップS405では、パルセータ33が小刻みに反転して洗濯物をほぐす。これにより、洗濯槽30の中に洗濯物がバランス良く配分されるようにし、脱水回転に備える。
【0110】
なお、以上の説明では、洗濯槽30の中にすすぎ水をためておいてすすぎを行う「ためすすぎ」を実行するものとしたが、常に新しい水を補給する「注水すすぎ」、あるいは洗濯槽30を低速回転させながら給水口53より洗濯物に水を注ぎかける「シャワーすすぎ」を行うこととしてもよい。
【0111】
(2−2−3.脱水工程)
次に、上述した脱水工程の詳細について、図6に基づいて説明する。図6は、脱水工程における動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下の工程においても、所定の判断を行う主体は、制御部80である。
【0112】
まず、ステップS501では、排水弁68を開く。これにより、洗濯槽30の中の洗濯水は、排水空間66を通じて排水される。排水弁68は、脱水工程中は開いたままである。
【0113】
そして、ステップS502にて、比較的低速の脱水運転を行った後、ステップS503にて、高速の脱水運転を行う。ステップS504では、モータ41への通電を断ち、ブレーキをかける等の停止処理を行う。
【0114】
ステップS502およびステップS503の脱水工程では、以下の動作が行われる。すなわち、洗濯槽30および洗濯物から大部分の洗濯水が抜けたところで、クラッチ装置42およびブレーキ装置43が切り替わる。クラッチ装置42およびブレーキ装置43の切り替えタイミングは、排水開始前または排水と同時でよい。そして、今度は、モータ41が脱水軸44を回転させる。これにより、洗濯槽30が脱水回転を行う。このとき、パルセータ33も洗濯槽30とともに回転する。
【0115】
洗濯槽30が回転すると、洗濯物は、遠心力で洗濯槽30の内周壁に押しつけられる。そして、洗濯物に含まれていた洗濯水も、洗濯槽30の周壁内面に集まってくる。このとき、前述の通り、洗濯槽30はテーパー状に上方に広がっているので、遠心力を受けた洗濯水は、洗濯槽30の内面を上昇する。洗濯水は、洗濯槽30の上端にたどりついたところで脱水孔31から放出される。脱水孔31を離れた洗濯水は、水槽20の内面にたたきつけられ、水槽20の内面を伝って水槽20の底部に流れ落ちる。そして、上記洗濯水は、排水管61と、それに続く排水ホース60とを通って外箱10の外に排出される。
【0116】
(3.イオン溶出ユニットの構成)
次に、洗濯機1が有するイオン溶出ユニット100について、図7および図8に基づいて説明する。図7および図8は、イオン溶出ユニット100の概略の構成を示す断面図であり、図7は水平断面図を示し、図8は垂直断面図を示している。
【0117】
イオン溶出ユニット100(イオン溶出手段)は、電極から金属イオンを溶出させるものであり、本実施形態では、メイン給水管52aの途中、すなわちメイン給水弁50aと洗剤室54との間に配置されている。なお、イオン溶出ユニット100は、商品の仕様によっては、サブ給水管52bの途中、すなわちサブ給水弁50bと仕上剤室55との間に配置されていてもよい。
【0118】
イオン溶出ユニット100は、合成樹脂、シリコン、ゴムなど絶縁材料からなるケース110を有している。ケース110は、一方の端に水の流入口111を有しており、他方の端に水の流出口112を有している。ケース110の内部には、2枚の板状の電極113・114が互いに平行する形で、かつ、所定間隔を置いて配置されている。
【0119】
電極113・114の一端には、端子115・116がそれぞれ設けられている。電極113と端子115、電極114と端子116とは、それぞれ一体形成されている。なお、これらを一体形成できない場合は、電極と端子との間の接合部およびケース110内の端子部分を合成樹脂でコーティングして水との接触を断ち、電食が生じないようにしておく。端子115・116は、ケース110の外に突出し、制御部80の中の駆動回路120(図9参照)に接続されている。
【0120】
ケース110の内部には、電極113・114の長手方向と平行に水が流れる。ケース110の中に水が存在する状態で、電極113・114に所定の電圧を印加すると、電極113・114の陽極側から電極構成金属の金属イオンが溶出する。なお、金属イオンの溶出が終了した後、ケース110の中に水がたまらないようにするため、ケース110の底面は、下流側が低くなるように傾斜をつけておくとよい。
【0121】
ここで、上記した電極113・114は、例えば2cm×5cm、厚さ1mm程度の銀プレートであり、5mmの距離を隔てて配置されている。電極113・114を構成する金属は、銀、銅、亜鉛若しくはそれらの合金であることが好ましい。銀電極から溶出する銀イオン、亜鉛電極から溶出する亜鉛イオンは、殺菌効果に優れ、銅電極から溶出する銅イオンは、防カビ性に優れている。また、これらの合金からは、成分金属のイオンを同時に溶出させることができるので、優れた殺菌効果および防カビ効果を得ることができる。例えば銀電極の場合、陽極側の電極においてAg→Ag+eの反応が起こり、水中に銀イオンAgが溶出する。
【0122】
このようなイオン溶出ユニット100の構成により、制御部80(駆動回路120)は、電極113・114への電圧の印加の有無で金属イオンの溶出/非溶出を選択することができる。そして、制御部80は、電極113・114に流す電流や電圧印加時間を制御することにより、金属イオンの溶出量、言い換えれば、金属イオン添加水における金属イオンの濃度を制御することができる。したがって、例えばゼオライトなどの金属イオン担持体から金属イオンを溶出させる方式に比べ、金属イオンを投入するかどうかの選択や、金属イオンの濃度の調節をすべて電気的に行えるので使い勝手がよい。さらに、制御部80は、給水弁50の開閉量を調節してイオン溶出ユニット100に供給される水の単位時間あたりの量(給水流量、給水速度)を変化させることにより、金属イオン添加水の金属イオン濃度を制御することも可能である。
【0123】
(4.駆動回路の構成)
次に、イオン溶出ユニット100の駆動回路120について、図9に基づいて説明する。図9は、駆動回路120の概略の構成を示す説明図である。
【0124】
商用電源121には、トランス122が接続されており、このトランス122が100Vを所定の電圧に降圧する。トランス122の出力電圧は、全波整流回路123によって整流された後、定電圧回路124で定電圧とされる。定電圧回路124には、定電流回路125が接続されている。定電流回路125は、後述する電極駆動回路150に対し、電極駆動回路150内の抵抗値の変化にかかわらず一定の電流を供給するように動作する。
【0125】
また、商用電源121には、トランス122と並列に整流ダイオード126が接続されている。整流ダイオード126の出力電圧は、コンデンサ127によって平滑化された後、定電圧回路128によって定電圧とされ、マイクロコンピュータ130に供給される。マイクロコンピュータ130は、トランス122の一次側コイルの一端と商用電源121との間に接続されたトライアック129を起動制御する。
【0126】
電極駆動回路150は、NPN型トランジスタQ1〜Q4、ダイオードD1・D2、抵抗R1〜R7を図のように接続して構成されている。トランジスタQ1とダイオードD1とは、フォトカプラ151を構成し、トランジスタQ2とダイオードD2とは、フォトカプラ152を構成している。すなわち、ダイオードD1・D2は、フォトダイオードであり、トランジスタQ1・Q2は、フォトトランジスタである。
【0127】
今、マイクロコンピュータ130からラインL1にハイレベルの電圧、ラインL2にローレベルの電圧またはOFF(ゼロ電圧)が与えられると、ダイオードD2がONになり、それに付随してトランジスタQ2もONになる。トランジスタQ2がONになると、抵抗R3・R4・R7に電流が流れ、トランジスタQ3のベースにバイアスがかかり、トランジスタQ3はONになる。
【0128】
一方、ダイオードD1はOFFなので、トランジスタQ1はOFF、トランジスタQ4もOFFとなる。この状態では、陽極側の電極113から陰極側の電極114に向かって電流が流れる。これによって、イオン溶出ユニット100では、陽イオンの金属イオンと陰イオンとが発生する。
【0129】
イオン溶出ユニット100に長時間一方向に電流を流すと、図9で陽極側となっている電極113が減耗するとともに、陰極側となっている電極114には、水中のカルシウムなどの不純物がスケールとして固着する。また、電極の成分金属の塩化物および硫化物が電極表面に発生する。このことはイオン溶出ユニット100の性能低下をもたらすので、本実施形態では、電極の極性を反転して電極駆動回路150を運転できるように構成されている。
【0130】
電極の極性を反転するにあたっては、ラインL1・L2の電圧を逆にして、電極113・114を逆方向に電流が流れるようにマイクロコンピュータ130が制御を切り替える。この場合、トランジスタQ1・Q4がON、トランジスタQ2・Q3がOFFとなる。マイクロコンピュータ130は、カウンタ機能を有していて、所定カウント数に達する度に上述の切り替えを行う。
【0131】
電極駆動回路150内の抵抗の変化、特に電極113・114の抵抗変化によって、電極間を流れる電流値が減少するなどの事態が生じた場合は、定電流回路125がその出力電圧を上げ、電流の減少を防止する。しかしながら、累積使用時間が長くなると、イオン溶出ユニット100が寿命を迎える。この場合、電極の極性反転や、特定極性である時間を平時よりも長くして電極に付着した不純物を強制的に取り除く電極洗浄モードへの切り替えや、定電流回路125の出力電圧上昇を実施しても、電流減少を防ぐことができなくなる。
【0132】
そこで、本回路では、イオン溶出ユニット100の電極113・114間を流れる電流を抵抗R7に生じる電圧によって監視し、その電流が所定の最小電流値に至ると、それを電流検知手段が検知するようにしている。電流検知回路160がその電流検知手段である。最小電流値を検知したという情報は、フォトカプラ163を構成するフォトダイオードD3からフォトトランジスタQ5を介してマイクロコンピュータ130に伝達される。マイクロコンピュータ130は、ラインL3を介して報知手段を駆動し、所定の警告報知を行わせる。警告報知手段131がその報知手段である。警告報知手段131は、操作/表示部81または制御部80に配置されている。
【0133】
また、電極駆動回路150内でのショートなどの事故については、電流が所定の最大電流値以上になったことを検出する電流検知手段が用意されており、この電流検知手段の出力に基づいて、マイクロコンピュータ130は警告報知手段131を駆動する。電流検知回路161が、その電流検知手段である。さらに、定電流回路125の出力電圧が予め定めた最小値以下になると、電圧検知回路162がこれを検知し、同様にマイクロコンピュータ130が警告報知手段131を駆動する。なお、マイクロコンピュータ130は、電極駆動回路150を動作させるために専用に設けてもよいし、制御部80の洗濯機全体の動きを制御するマイクロコンピュータと一体としてもよい。
【0134】
(5.抗菌処理コースの動作)
次に、上述したイオン溶出ユニット100および駆動回路120を備える洗濯機1において、操作/表示部81にて、洗濯コースとして抗菌処理コースが選択された場合の動作について説明する。
【0135】
抗菌処理コースが選択された場合、基本的には、所望の標準コースに比べ、金属イオン投入工程が加わり、十分に金属イオンを洗濯物に行き渡らせて浸透させ、十分に金属イオンの抗菌効果を発揮させるために攪拌工程が変更される。金属イオンの投入は、本実施形態では、例えば図3に示したすすぎ工程のうちで最終すすぎ工程にて実行される。そして、その最終すすぎ工程の中で、例えば図5のステップS401(給水)またはステップS403(補給水)の段階で、金属イオンの投入が実行される。
【0136】
そこで、以下、最終すすぎ工程において、金属イオンの投入に関係する部分の処理について、図10に基づいて説明する。図10は、最終すすぎ工程の一部の動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下の工程では、所定の判断を行う主体は、制御部80である。
【0137】
まず、最終すすぎが開始されると、ステップS500の脱水工程が実行され、続いて、ステップS411で、抗菌処理コースであるか、つまりは金属イオンの投入が選択されているかどうかを確認する。なお、この確認ステップは、もっと前(例えば図3のフローチャートのステップS201)で行ってもよい。ステップS411で、金属イオンの投入が選択されていれば、ステップS412に進み、選択されていなければ、ステップS414に進む。
【0138】
ステップS412では、図5のステップS401(給水)、S402(なじませ)、S403(補給水)に対応する工程とともに、金属イオンの投入が実行される。すなわち、メイン給水弁50aが開き、イオン溶出ユニット100に所定流量の水を流す。同時に、駆動回路120が電極113・114の間に電圧を印加し、電極構成金属のイオンを水中に溶出させる。なお、電極113・114間を流れる電流は、直流である。溶出された金属イオンを含む水(金属イオン添加水)は、洗剤室54に入り、注水口54aから注水口56を経て洗濯槽30に投入される。
【0139】
所定量の金属イオン添加水が投入され、以後金属イオン非添加水を設定水位まで注げばすすぎ水の金属イオン濃度が所定値に達すると判断されたところで、制御部80は、電極113・114への電圧印加を停止する。イオン溶出ユニット100が金属イオンを生成しなくなった後もメイン給水弁50aは給水を続け、洗濯槽30の内部の水位が設定水位となったところで、メイン給水弁50aを閉じ、給水を止める。
【0140】
続いて、ステップS413では、図5のステップS404(主水流)に対応した工程が実行される。つまり、すすぎ水が攪拌され、洗濯物と金属イオンとの接触が促進される。この攪拌は、所定時間行われる。
【0141】
続いて、ステップS414では、仕上剤の投入が選択されているかどうかを確認する。なお、この確認ステップは、もっと前に行ってもよく、例えば、ステップS411で、金属イオンの投入設定の確認と同時に行ってもよい。ステップS414で、仕上剤の投入が選択されていれば、ステップS415に進み、選択されていなければ、ステップS405に進む。ステップS405では、パルセータ33が小刻みに反転して洗濯物をほぐし、洗濯槽30の中に洗濯物がバランス良く配分されるようにして脱水回転に備える。
【0142】
一方、ステップS415では、サブ給水弁50bが開き、給水口53の仕上剤室55に水を流す。仕上剤室55に仕上剤が装填されていれば、その仕上剤はサイホン部57から水と共に洗濯槽30に投入される。仕上剤室55の中の水位が所定高さに達してはじめてサイホン効果が生じるので、時期が来て水が仕上剤室55に注入されるまで、液体の仕上剤を仕上剤室55に保持しておくことができる。
【0143】
所定量(サイホン部57にサイホン作用を起こさせるに足る量か、それ以上)の水を仕上剤室55に注入したところで、サブ給水弁50bは閉じる。なお、この水の注入工程、すなわち仕上剤投入動作は、仕上剤が仕上剤室55に入れられているかどうかに関わりなく、仕上剤の投入工程が選択されていれば自動的に実行される。
【0144】
そして、ステップS416で、すすぎ水が攪拌され、洗濯物と仕上剤との接触が促進される。所定時間の攪拌を行った後、ステップS405に進む。
【0145】
なお、上述したステップS412とステップS415とは、略同時に行ってもよい。この場合、最終すすぎ工程は、図5のフローチャートで言えば、給水(金属イオン・仕上剤投入)、なじませ、補給水、主水流、バランス、の順序で行われることになる。
【0146】
(6.槽洗浄コース)
次に、本発明の最も特徴的な部分である槽洗浄コースについて説明する。
【0147】
図11は、洗濯機1が運転する槽洗浄コースのチャートを示している。槽洗浄コースは、基本的には、上述した通常コースの洗い工程、すすぎ工程、脱水工程と同じ工程を実行しながら、洗濯槽30と水槽20とのうち少なくとも一方の槽を洗浄するコースである。操作/表示部81(入力部)により槽洗浄コースの実行が指示されると、洗濯機1は、制御部80の制御のもとで、図11のチャートに沿って槽洗浄コースの運転を実行する。
【0148】
なお、図11では、槽洗浄に要する合計時間を3種類記載しているが、これは、洗い工程における主水流時間を、用いる槽洗浄剤が推奨している時間に対応させて2時間、6時間、9時間としているからである。それ以外の各工程(給水、なじませ、排水、脱水)の時間については、本実施形態では、用いる槽洗浄剤の種類に関係なく、共通としている。なお、図11に示した各時間は、一例であって、この時間に限定されるわけではない。
【0149】
本実施形態では、操作/表示部81(入力部)により槽洗浄コースの実行が指示されると、制御部80(制御手段)は、槽洗浄コースの上記した各工程(洗い工程、すすぎ工程、脱水工程)において、イオン溶出ユニット100にて溶出された金属イオン(銀イオン)を含む金属イオン添加水を上記槽に供給する制御を行っている。つまり、本発明は、槽洗浄コースにおいて、漂白作用を有する物質(除菌剤)を槽に投入するではなく、抗菌、除菌作用のある金属イオン添加水を槽に投入している点で、従来と大きく異なっている。以下、各工程ごとに、図11を参照しながら槽洗浄について説明する。
【0150】
なお、以下では、回転軸が鉛直方向となるように洗濯槽30が設けられた縦型の洗濯機1について説明するが、本発明は、横型ドラム(タンブラー方式)、斜めドラム、乾燥機兼用のもの、または二層式など、あらゆる形式の洗濯機に適用することが可能である点を先に断っておく。そして、特にドラム方式について言えることは、適宜、説明を付け加えていく。
【0151】
(6−1.洗い工程での金属イオン投入)
槽洗浄コースは、図11に示すように、洗い工程を含んでいる。この洗い工程は、槽洗浄剤を含む水(以下、槽洗浄水と称する)で上記槽を洗浄する工程であり、基本的には、図4で示した洗い工程と同様の工程が実行される。なお、図11では、図4のステップS303、S304、S306の工程以外の工程に要する時間の図示を省略している。
【0152】
これに説明を付け加えるとすれば、図4のステップS303の給水工程では、槽洗浄剤を含む水を洗濯槽30に投入する。そして、ステップS304のなじませ工程で、槽洗浄剤を投入して水に溶かすための攪拌工程を行う。この攪拌工程が必要なのは、槽洗浄剤は、メーカーによっては液体のものもあれば固体(固形状、粉末状)のものもあり、槽洗浄の効果を出すためには、槽洗浄剤を単に水に投入しただけでは不十分だからである。この攪拌工程では、槽洗浄剤の投入後、パルセータ33の回転により、槽洗浄剤を攪拌して水に溶かしている。
【0153】
また、本実施形態では、洗濯槽30への給水後に、使用者に槽洗浄剤の投入を促すため、給水完了後に一度報知音を出すようにしている。このとき、洗濯機1自体の運転を一時停止させてもよいが、使用者が近くにいない可能性もあり、むしろその可能性のほうが高いので、そのまま運転を続けるようにしている。
【0154】
なお、槽洗浄剤の攪拌工程では、槽洗浄剤を収容ボックスに収容しておき、洗濯槽30への給水時または給水後に、自動的に洗濯槽30に投入されるようにしてもよい。この場合、上記の報知音を出さないようにすることができ、夜中の運転であっても周囲に迷惑がかかることがない。
【0155】
ステップS306の主水流の工程では、パルセータ33の回転により主水流を形成しながら、槽洗浄水で上記槽をつけおき洗いする。なお、このつけおき洗いの時間は、上述したように用いる槽洗浄剤によって異なるが、標準的には2時間以上である。
【0156】
ここで、なじませ工程(槽洗浄剤の攪拌工程)では、パルセータ33のON時間は例えば2.0秒であり、OFF時間は例えば0.8秒であり、パルセータ33の回転数は例えば85rpmである。一方、主水流工程では、パルセータ33のON時間は例えば3.0秒であり、OFF時間は例えば12.0秒であり、パルセータ33の回転数は例えば10rpmである。すなわち、なじませ工程では、パルセータ33のON時間がOFF時間よりも長く、主水流工程では、パルセータ33のON時間がOFF時間よりも短い。
【0157】
槽洗浄コースでは、洗い工程の主水流工程の時間が非常に長いので、消費電力を抑えるために、極端にパルセータ33のOFF時間が長くなっている。また、槽洗浄コースは、運転時間を長く必要とするため、夜中に運転されることが多く想定されるので、運転音を静かにし、水ハネ音も出さないようにするために、上記のように回転数を非常に低く抑えている。ちなみに、標準コースでは、パルセータ33のON時間は2.0秒であり、OFF時間は0.5秒であり、その回転数は115rpmである。
【0158】
なお、ドラム式の場合は、水のたまらないドラム上部にも水を回すため、ドラムの回転数は、標準コースで例えば46rpmに対し、槽洗浄コースで例えば60rpmに設定される。
【0159】
このように洗い工程が実行されるとき、イオン溶出ユニット100からの金属イオン添加水の上記槽への投入タイミングは、図4に示した洗い工程の間であればいつでもよい。つまり、金属イオン添加水の投入は、上記槽への槽洗浄水の給水と同時に行ってもよいし、なじませ工程の最中に行ってもよいし、主水流工程の間に行ってもよい。
【0160】
また、極端に言えば、金属イオン添加水の投入は、槽洗浄水の給水工程の前であってもよい。しかし、槽表面に付着した汚れや菌は、槽洗浄剤によって容易に除去可能であるので、それらに対して最初から金属イオンを作用させる必要はない。このことから、金属イオン添加水の投入は、上記槽洗浄剤の上記槽への投入後であることが望ましい。
【0161】
以上のように、本実施形態では、制御部80が、槽洗浄コースでは、漂白作用ではなく、抗菌作用を有する金属イオン添加水を上記槽に供給する制御を行っている。これにより、洗濯機1の置かれる環境等により、機内の水が蒸発しにくく、たとえ金属イオン添加水が機内に残存する状態となっても、この金属イオン添加水がその後の洗濯工程にて洗濯される衣類を色落ちさせることはない。また、その金属イオンがゴム等のシール部材(例えばシール部材64)と化学反応を起こすこともなく、シール部材の劣化を引き起こすこともない。したがって、上記構成によれば、槽洗浄時の残水に起因して洗濯物が色落ちしたり、シール部材が劣化するのを回避しながら、金属イオンの除菌、抗菌作用による槽洗浄効果を得ることができる。
【0162】
また、上記金属イオン添加水は、従来の除菌剤のような漂白作用はないので、洗濯物の色落ちを防止するための還元剤の投入は全く不要であり、槽洗浄に際して使用者に煩わしさを与えることもない。
【0163】
また、従来の除菌剤(例えばハロゲン化合物)は、そのときの汚れを除去する効果はあっても、その後の菌(カビを含む)の繁殖を抑える効果までは有していない。これに対して、金属イオンは、イオンの状態(金属が水に溶けた状態)であれば、抗菌効果を持続することができるので、その後の菌の繁殖を抑えることができる。したがって、槽洗浄に金属イオン添加水を用いることにより、槽表面に金属イオン水が残存したときに、槽表面の菌の繁殖を将来的にも抑えるという、従来の除菌剤にはない、金属イオンならではの予防効果を得ることができる。特に、湿度の高い場所に設置されやすいという洗濯機の設置環境を考慮すれば、その効果は絶大である。
【0164】
また、制御部80は、槽洗浄コースにおいて、槽洗浄剤を用いる洗い工程にて、金属イオン添加水を上記槽に供給することにより、槽表面の汚れを槽洗浄剤で専門に除去しながら、槽表面に付着した菌を金属イオン添加水で専門に除去することができる。その結果、槽洗浄剤と金属イオン添加水とを併用して槽洗浄を行うことになり、槽洗浄を効率的に行うことができる。
【0165】
また、槽洗浄コースでは、上記槽は、上記洗い工程(例えば主水流形成工程)にて、槽洗浄剤の効果を発揮させるために長時間つけおき洗いされる。金属イオン添加水を含む水で上記槽がつけおき洗いされると、つけおき洗いをしている間に、金属イオンが槽表面の菌に対して十分に作用する時間が確保される。その結果、金属イオンの効果を得るための時間を別途設ける必要なく、金属イオンによる槽表面の除菌、抗菌効果を確実に得ることができる。
【0166】
また、制御部80は、上記洗い工程において、上記槽洗浄剤を上記槽に投入してから所定時間経過後(例えば2〜3時間後)に、上記金属イオン添加水を上記槽に供給する構成が望ましい。上記所定時間内は、槽洗浄剤の作用のみによって菌やカビを除去することができるので、上記所定時間経過後に、金属イオン添加水を槽に供給することにより、槽洗浄剤によって除去される菌に対して金属イオンを作用させなくても済む。その結果、金属イオンを有効的に利用することができるとともに、効率的に槽に対して抗菌処理を行うことができる。
【0167】
(6−2.すすぎ工程での金属イオン投入)
槽洗浄コースは、図11に示すように、すすぎ工程を含んでいる。槽洗浄コースでのすすぎ工程は、副すすぎ工程としての第1すすぎ工程および第2すすぎ工程とを有している。第1すすぎ工程および第2すすぎ工程は、基本的には、図5で示したすすぎ工程と同様の工程である。
【0168】
つまり、槽洗浄コースのすすぎ工程では、まず、先の洗い工程にて使用した槽洗浄水を排水し、その後、図5で示した脱水、給水、なじませ、主水流の形成等の各工程が全体として2回繰り返し実行される。
【0169】
なお、主水流工程では、排水しながら給水する注水すすぎが実行される。したがって、すすぎ工程では、注水すすぎが2回実行されるが、これは、槽洗浄剤が溶け残らないようにするためである。ちなみに、標準コースのすすぎ工程では、シャワーすすぎと、ためすすぎ1回とが実行される。
【0170】
本実施形態では、制御部80は、槽洗浄コースのすすぎ工程においても、上記金属イオン添加水を上記槽に供給する。このように、槽洗浄剤を用いる洗い工程とは異なるすすぎ工程にて、金属イオン添加水を上記槽に供給することにより、上記槽洗浄剤とぶつかることなしに、金属イオンを槽表面の菌に対してのみ純粋に作用させることができる。これにより、上記金属イオンによる除菌、抗菌効果を確実に得ることができる。
【0171】
また、上記構成では、先の副すすぎ工程のすすぎ水を、洗い工程にて用いた槽洗浄剤を洗い流すための専用のすすぎ水として用いることができ、槽洗浄剤を洗い流すために金属イオンが使用されることもない。したがって、このような観点からも、使用する金属イオンの無駄を無くすことができると言える。
【0172】
また、本実施形態のように、槽洗浄コースのすすぎ工程として、第1すすぎ工程および第2すすぎ工程の各副すすぎ工程を実行する場合は、制御部80は、最終の副すすぎ工程である第2すすぎ工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給する構成とするのが望ましい。第1すすぎ工程にて金属イオン添加水を上記槽に投入すると、第2すすぎ工程にて、その金属イオンが洗い流されて無駄が生じるが、最終の副すすぎ工程である第2すすぎ工程にて金属イオン添加水を上記槽に供給すれば、そのような無駄は生じない。
【0173】
また、使用する金属イオンの無駄を抑えることを考慮すれば、第2すすぎ工程でも、さらにその中の最終工程である主水流工程にて金属イオン添加水の投入を行うのが望ましい。
【0174】
(6−3.脱水工程での金属イオン投入)
槽洗浄コースの脱水工程は、図6で示した標準コースの脱水工程と基本的に同様であり、また、このときの洗濯槽30の回転制御についても、標準コースの脱水工程と同様であるが、本実施形態では、槽洗浄コースの脱水工程でも、制御部80が金属イオン添加水を上記槽に供給している。
【0175】
槽洗浄コースの脱水工程にて、金属イオン添加水が上記槽に供給されると、その金属イオン添加水は、脱水時の遠心力で、槽の表面を沿いながら流れ、排水される。この遠心力の作用により、槽表面に付着した金属イオン添加水が少量でも、槽表面全体に上記金属イオン添加水を行き渡らせることができる。その結果、少ない量の金属イオン添加水でも、金属イオンによる除菌、抗菌効果を得ることができる。
【0176】
次に、槽洗浄コースの脱水工程時の処理に関係する本発明の洗濯機1の構成について、図12に基づいて説明する。
【0177】
洗濯機1は、洗濯槽30および水槽20内の水を排水するための排水弁68(排水装置)を備えていることは前述の通りである。これに加え、洗濯機1は、排水弁68による排水を指示する排水指示手段200をさらに備えている。
【0178】
排水指示手段200は、回転数検知手段201と計時手段202とのうち少なくとも一方を含んで構成されている(本実施形態では両方とも含んでいる)。回転数検知手段201は、脱水工程における洗濯槽30の回転数(回転速度(単位時間あたりの回転数))を検知するとともに、上記回転数が所定数以上になったときに排水指示信号を制御部80に出力する。また、計時手段202は、上記脱水工程にて、金属イオン添加水を上記槽に供給してからの時間を計時するとともに、当該時間が所定時間を経過したときに排水指示信号を制御部80に出力する。
【0179】
なお、排水指示手段200は、制御部80と一体的に構成されてもよい。つまり、回転数検知手段201は、洗濯槽30を回転させるためのモータを制御するものとして使用することができ、計時手段202は、工程の時間管理等に使用されることから、これらを制御部80として一体的に構成することは可能である。また、例えば、洗濯機1の高級機種(インバータ制御機種)では、回転数検知手段201(例えばホールIC)を内蔵しているが、普及機種(非インバータ制御機種)では、そのような回転数検知手段を内蔵していないため、この場合は、排水指示手段200として計時手段202で対応すればよい。
【0180】
以上のような構成とした場合、制御部80は、排水指示手段200による排水指示があるまで、排水弁68を止水状態(閉状態)とすることができる。
【0181】
例えば、初めから排水弁68を排水状態(開状態)として槽洗浄コースを実行すると、脱水工程にて供給した金属イオン添加水の一部は、そのまま上記槽に対してほとんど抗菌作用を及ぼさずに排水されてしまう。しかし、上記構成の場合、排水指示手段200からの排水指示があるまで排水弁68は止水状態であるので、脱水工程時に上記槽に供給される金属イオン添加水を無駄に排水してしまうことがない。
【0182】
また、排水弁68がいつまでも止水状態であれば、上記槽に供給された金属イオン添加水が洗濯槽30の回転を阻害し、洗濯槽30を拘束する状態となる。その結果、モータの過熱や、水面が上昇しすぎて異常振動や漏水などの弊害を来たすおそれがある。
【0183】
そこで、脱水工程における止水状態にて、▲1▼回転数検知手段201が洗濯槽30の回転数が所定数以上となったことを検知し、制御部80に排水指示信号を出力した場合、または、▲2▼計時手段202が、金属イオン添加水を上記槽に供給してから所定時間を経過したことを検知し、制御部80に排水指示信号を出力した場合には、洗濯槽30はある程度の回転数に達したと判断できるので、制御部80は、上記排水指示信号に基づいて排水弁68を排水状態とすることにより、上述したモータの過熱や異常振動や漏水などの不都合を確実に回避することができる。
【0184】
以上のことから、上記構成によれば、排水弁68の排水条件を、洗濯槽30の回転数や金属イオンによる抗菌処理時間に基づいて管理することができる。したがって、制御部80は、所定条件をクリアするまで排水弁68を止水状態とすることで、脱水工程時に上記槽に供給される金属イオン添加水を無駄に排水してしまうのを回避することができると言える。なお、モータ過熱や異常振動や漏水を起こさない回転数にて、抗菌処理を確実に行えるまでの時間、止水状態で脱水回転を持続するようにしてもよい。
【0185】
また、洗濯機1の通算運転回数が増えれば増えるほど、それだけ洗濯槽30や水槽20の汚れも増えるので、この通算運転回数がわかれば、洗濯槽30や水槽20表面の汚れをある程度予測することは可能である。なお、上記の通算運転回数とは、例えば、洗濯機1を使用し始めてから現在に至るまでの通算した運転回数、あるいは、前回、槽洗浄を行ってからの洗濯機1の通算の運転回数を考えることができる。
【0186】
そこで、例えば後述する記憶部210(図13参照)が洗濯機1の上記通算運転回数を記憶し、これが所定運転回数以上となったときには、制御部80が例えば図示しない報知手段に報知音を鳴らさせたり、操作/表示部81に表示信号を出力してその旨の表示(例えばランプの点灯や画面の文字表示)をさせる構成とすることも可能である。これにより、所定の時期がくれば、使用者に槽洗浄の必要があることを促すことができ、槽洗浄が必要であるにもかかわらず、使用者が槽洗浄を実行しないまま洗濯機1を使用し続けることで、汚れがひどくなるといった事態を回避できる。
【0187】
また、上記所定運転回数を低く設定すれば、槽表面の汚れがひどくなる前に、槽洗浄コースの実行を使用者に促すこともできる。この場合に、使用者が洗濯機1に槽洗浄を実行させることで、槽表面の汚れを比較的容易に除去することが可能となる。また、上記所定運転回数を低く設定すれば、槽洗浄も頻繁に行われるようになり、槽表面の汚れも発生しにくくなるので、効果的である。
【0188】
(6−4.抗菌処理コースとの比較)
次に、槽洗浄コースの実行の際における、先に説明した抗菌処理コースとの各種設定条件の違いについて説明する。
【0189】
槽洗浄コースと抗菌処理コースとは、どちらも、イオン溶出ユニット100から溶出される金属イオンを含む金属イオン添加水を上記槽に供給する点で共通している。つまり、操作/表示部81にて実行指示された洗濯コースが、槽洗浄コースであっても、抗菌処理コースであっても、同じイオン溶出ユニット100から金属イオン添加水が上記槽に供給される。したがって、各洗濯コースに対応してイオン溶出ユニット100を複数設ける必要がなく、低コスト化を図ることができる。
【0190】
ここで、槽洗浄コースでは、制御部80は、抗菌処理コースに比べて、用いる金属イオン添加水の金属イオン濃度を高くする制御を行ってもよい。この制御は、例えば、制御部80が、イオン溶出ユニット100の電極113・114に流す電流や、電圧印加時間を調整したり、イオン溶出ユニット100への水の供給を制御するための給水弁50の開閉を調整することで実現可能である。
【0191】
抗菌処理コースの場合、金属イオン添加水の金属イオン濃度が高すぎると、生成される金属イオンの化合物の黒化物(例えば銀化合物)が多量に洗濯物に付着して黒ずみ、逆に洗濯物を汚す結果となる。そのため、抗菌処理コースでは、通常、金属イオン濃度は90ppb程度に抑えられている。
【0192】
これに対して、槽洗浄コースでは、洗濯物の洗濯ではなく、槽の洗浄が行われるため、洗濯物の汚れを防止する観点から、金属イオン濃度に上限を設ける必要がない。したがって、槽洗浄コースでは、金属イオン濃度を例えば900ppbに設定して、抗菌処理コースに比べて金属イオン濃度を高くすることができる。これにより、槽洗浄の際の金属イオンによる抗菌効果をさらに高めることができる。
【0193】
また、槽洗浄コースでは、制御部80は、抗菌処理コースに比べて、抗菌処理時間を短くする構成であってもよい。なお、上記の抗菌処理時間とは、抗菌処理コースおよび槽洗浄コースの両者ともに、例えばすすぎ工程において、金属イオン添加水を投入してから排水するまでの時間を指している。抗菌処理時間の調整は、例えば、ステップS413の攪拌工程を変更することで実現可能である。
【0194】
抗菌処理コースでは、金属イオン添加水を洗濯槽30内の洗濯物に十分に浸透させるため、ある程度の抗菌処理時間(例えば10分)を確保する必要がある。しかし、槽洗浄コースでは、槽表面に金属イオン添加水を流すだけなので、金属イオン添加水の浸透時間などを考慮する必要はない。したがって、槽洗浄コースにて槽の抗菌処理を行う場合には、抗菌処理コースよりも抗菌処理時間を短く設定(例えば5分に設定)しても、槽表面において十分に抗菌効果を得ることができる。
【0195】
また、槽洗浄コースでは、制御部80は、抗菌処理コースに比べて、脱水工程の時間を長くする構成であってもよい。この構成は、例えば、制御部80が、洗濯槽30の回転時間を調整することで実現可能である。
【0196】
抗菌処理コースでの脱水時間は、例えば7分程度であるが、槽洗浄コースでの脱水時間は、例えば20分に設定する。このように槽洗浄コースでの脱水時間を調整することで、遠心力と風力とにより水分を飛ばし、通常運転時よりも槽表面をなるべく早く乾燥状態にもっていって、菌の繁殖しにくい環境を早く作り出すことができる。その結果、槽表面を早く清潔に保つことができる。
【0197】
(6−5.乾燥工程の実行)
次に、槽洗浄コースの乾燥工程について説明する。
【0198】
操作/表示部81により槽洗浄コースが実行指示されると、制御部80は、上述した洗い工程、すすぎ工程、脱水工程の後に、乾燥工程を実行する制御を行ってもよい。なお、この乾燥工程の内容は、図3のステップS600で示した工程とほぼ同様である。
【0199】
このように、先の各工程で金属イオン添加水を上記槽に供給した後に乾燥工程を実行することにより、槽表面に付着している金属イオン添加水の乾きを早くして、菌の繁殖を抑えることができる。また、金属イオンで殺しきれなかった菌やカビをも、乾燥時の熱で殺すこともでき、より槽表面を清潔に保つことができる。
【0200】
また、乾燥工程を実行する場合、制御部80は、洗濯物の乾燥工程を有する洗濯コースの当該乾燥工程よりも乾燥目標温度が高くなるように、槽洗浄コースの乾燥工程を実行させる構成であってもよい。
【0201】
洗濯物の通常コースの乾燥工程では、普通、洗濯物の黄ばみ、やきつき等の理由から、乾燥時には温度をあまり高くできず、例えば70℃程度に乾燥目標温度が設定されている。しかし、槽洗浄コースのように、槽内に洗濯物が入っていない場合(洗濯槽だけの場合)は、当然、乾燥時の洗濯物のやけ等の問題は起こらないので、通常コースよりも高い乾燥目標温度(例えば80℃)に設定することができる。したがって、槽洗浄コースでは、通常コースよりも乾燥目標温度を高く設定することで、乾燥に要する時間をさらに短縮することができ、金属イオンで殺しきれなかった菌やカビも、高い乾燥時の熱によってさらに確実に殺すことができる。
【0202】
なお、通常の縦型の洗濯機1では、標準コースの乾燥工程において、パルセータ33を動かして衣類を攪拌させるが、槽洗浄コースでは、その必要がないので、パルセータ33ではなく、洗濯槽33(洗濯槽兼脱水槽)を動かすようにしてもよい。この場合、脱水により、水切りをより素早くすることができたり、風力による気化により、乾燥をより促進させることができるなどのメリットがある。
【0203】
なお、ドラム式に関しては、メモリの節約を考えて、標準コースと槽洗浄コースとで、ドラムの動き(回転数)を同じにすることもできるが、槽洗浄コースでは、ドラムに衣類が入らないので、乾燥時間を約30分(標準コースは約1時間以上)と短くすることができる。また、標準コースでは、乾燥後も衣類の風合いを保つためにある程度の時間、電源が切られるまでドラムを回転させるが、槽洗浄コースでは、そのような必要がないので、そのようなドラムの回転を行うことなく、乾燥工程を終了させることができる。
【0204】
(6−6.槽洗浄に関するその他の構成)
次に、洗濯機1のその他の構成について説明する。
【0205】
(6−6−1.金属イオン濃度制御)
図13は、洗濯機1の制御部80を中心とする他の構成を示すブロック図である。洗濯機1は、制御部80と、操作/表示部81と、記憶部210とを有している。設定手段としての操作/表示部81は、ここでは、上記槽に供給される金属イオン添加水の水量または水位を設定する機能を有している。記憶部210は、洗濯機1の洗濯運転の実行回数を記憶する運転回数記憶手段であり、また、抗菌処理コースの実行の際に金属イオンを使用した回数を記憶するイオン使用回数記憶手段として機能するものである。
【0206】
この構成において、制御部80は、槽洗浄コースでは、操作/表示部81にて設定された水量または水位に応じて、金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更する構成であってもよい。なお、金属イオン濃度の変更は、イオン溶出ユニット100の電極113・114に流す電流を調整するなど、上述した方法で可能である。
【0207】
洗濯槽30が本実施形態のように穴なし槽の場合、洗濯物を攪拌するための樹脂部材であるパルセータ33(攪拌部材)の部分に一番菌が発生しやすいので、使用者によっては、槽洗浄コースの運転により、その部分のみを集中して洗浄したいという場合が生ずる。
【0208】
そこで、操作/表示部81により設定された水量または水位に応じて、制御部80が金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更することにより、金属イオン添加水の供給水量または水位に応じた金属イオン量を実現することができる。例えば、パルセータ33のみを洗浄すべく、金属イオン添加水の供給水量を少なめに設定すれば、その供給水量に応じた金属イオンの濃度変更により、金属イオン量が減らされて、洗浄に必要な金属イオン量のみ確保される。したがって、槽洗浄コースにおいて、金属イオンを経済的に使用することができ、その金属イオンを溶出するイオン溶出ユニットの寿命を延ばすことができる。
【0209】
また、制御部80は、槽洗浄コースでは、記憶部210に記憶された洗濯運転の実行回数に応じて、金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更する構成であってもよい。
【0210】
洗濯機の洗濯運転の実行回数が増えれば増えるほど、槽表面に汚れが溜まっていき、菌が繁殖していくので、制御部80が上記の金属イオン濃度制御を行うことで、槽の汚れの度合いや菌の繁殖の程度に応じた槽洗浄を実行することができる。例えば、洗濯運転の実行回数が増えれば増えるほど、金属イオン濃度を高くすれば、汚れの量や菌の繁殖が広範囲にわたっている場合でも、その汚れや菌を確実に除去することができる。その結果、洗濯運転の実行回数が増えても、槽表面の清潔性を維持することができる。
【0211】
また、制御部80は、記憶部210に記憶された金属イオンの使用回数に応じて、金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更する構成であってもよい。なお、上記金属イオンの使用回数としては、例えば、抗菌処理コース実行時での金属イオンの溶出回数そのものであってもよいし、金属イオンの溶出が行われる工程(例えばすすぎ工程)の実行回数であってもよい。
【0212】
金属イオンを使用して抗菌処理コースを運転していれば、その処理によって洗濯物に付着する金属イオンもあるが、その他、槽表面に付着する金属イオンもある。したがって、上記後者の金属イオンにより、槽表面における菌の繁殖は、ある程度抑えられる。
【0213】
そこで、制御部80が、例えば、抗菌処理コースでの金属イオンの使用回数が増えれば増えるほど、槽洗浄コースにて使用する金属イオン濃度を減らすことにより、槽洗浄のときには、少ない金属イオン量で槽表面に付着した菌を十分に殺すことができる。このように、制御部80が、抗菌処理コースでの金属イオンの使用回数に応じて金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更することで、槽洗浄コースにおいて金属イオンを経済的に使用することができ、イオン溶出ユニットの寿命を延ばすことができる。
【0214】
(6−6−2.イオン溶出ユニット)
イオン溶出ユニット100の構成については、図7および図8に示した通りであるが、このイオン溶出ユニット100において、上述した電極113・114を複数種類の金属イオンに対応した電極で構成してもよい。
【0215】
金属イオンとしての銀イオンや亜鉛イオンは、抗菌性に優れており、銅イオンは、防カビ性に優れている。したがって、イオン溶出ユニット100の電極113・114を、それぞれ銀イオン(または亜鉛イオン)や銅イオンに対応した電極、すなわち、銀電極(または亜鉛電極)や銅電極で構成すれば、銀イオン(または亜鉛イオン)や銅イオンを選択的にもしくは両方とも溶出することで、銀イオン(または亜鉛イオン)による効果と銅イオンによる効果とを選択的にもしくは両方同時に得ることができ、利便性を向上させることができる。
【0216】
なお、イオン溶出ユニット100の電極113・114としては、正負の電圧が印加される一対の電極のうち、一方を銀電極、他方を銅電極としてもよい。また、一対の電極を両方とも銀電極で構成したものと、一対の電極を両方とも銅電極で構成したものを2組用いてイオン溶出ユニットを構成してもよい。
【0217】
上記前者の場合は、各電極113・114に印加する電圧の極性を一定とするか、所定周期で反転させるかにより、上記両者の金属イオンを選択的に溶出させることができる。また、上記後者の場合は、各組の電極113・114に電圧を印加すれば、上記両者の金属イオンを両方得ることができ、いずれか一方の組の電極113・114にのみ電圧を印加するようにすれば、いずれか一方の金属イオンのみを選択的に溶出させることができる。
【0218】
また、金属イオンを溶出するイオン溶出手段としては、上述したイオン溶出ユニット100に限定されるわけではない。イオン溶出手段は、例えば、カートリッジ内に金属イオン溶出材(銀溶出材であれば硫化銀など)を装填し、カートリッジ内に水を通すだけで(電圧を印加しないで)金属イオンを溶出するものであっても構わない。給水される限られた量の水の金属イオン濃度を短時間で細かく制御できる点では、上述したイオン溶出ユニット100か、これと同等の金属イオン濃度の制御ができるものが好適である。
【0219】
(6−6−3.その他)
本実施形態では、槽洗浄コースの実行が指示されたときには、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程の全ての工程において、金属イオン添加水を洗濯槽30に投入しているが、これは上述した槽洗浄の効果を最大限に得るためである。しかし、金属イオン添加水の投入は、少なくとも上記いずれかの工程において実行されればよく、この場合であっても、槽洗浄時の残水に起因して洗濯物が色落ちしたり、シール部材が劣化するのを回避しながら、金属イオンの除菌、抗菌作用による槽洗浄効果を得るという上述した本発明の効果を少しでも得られることに代わりはない。
【0220】
【発明の効果】
以上のように、本発明の洗濯機は、入力部により槽洗浄コースの実行が指示されたときに、制御手段が、漂白作用ではなく、抗菌作用を有する金属イオン添加水を槽(洗濯槽、水槽)に供給する構成である。
【0221】
これにより、洗濯機の置かれる環境等により、機内の水が蒸発しにくく、たとえ金属イオン添加水が機内に残存する状態となっても、この金属イオン添加水がその後の洗濯工程にて洗濯される衣類を色落ちさせることはない。また、その金属イオンがゴム等のシール部材と化学反応を起こすこともなく、シール部材の劣化を引き起こすこともない。したがって、上記構成によれば、槽洗浄に起因して洗濯物が色落ちしたり、シール部材が劣化するのを回避しながら、金属イオンの除菌、抗菌作用による槽洗浄効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る洗濯機の概略の構成を示す垂直断面図である。
【図2】上記洗濯機の給水口の模式的な垂直断面図である。
【図3】上記洗濯機による洗濯工程全体の動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】上記洗濯工程の洗い工程の動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】上記洗濯工程のすすぎ工程の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】上記洗濯工程の脱水工程の動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】上記洗濯機が備えるイオン溶出ユニットの水平断面図である。
【図8】上記イオン溶出ユニットの垂直断面図である。
【図9】上記イオン溶出ユニットの駆動回路の概略の構成を示す説明図である。
【図10】上記洗濯機が運転する抗菌処理コースにおける最終すすぎ工程の一部の動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】上記洗濯機が運転する槽洗浄コースのチャートを示す説明図である。
【図12】上記槽洗浄コースの脱水工程時の処理に関係する洗濯機の主要部の構成を示すブロック図である。
【図13】上記洗濯機の制御部を中心とする構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 洗濯機
20 水槽(槽)
30 洗濯槽(槽)
68 排水弁(排水装置)
80 制御部(制御手段)
81 操作/表示部(入力部、設定手段)
100 イオン溶出ユニット
113 電極
114 電極
120 駆動回路(制御手段)
200 排水指示手段
201 回転数検知手段(排水指示手段)
202 計時手段(排水指示手段)
210 記憶部(運転回数記憶手段、イオン使用回数記憶手段)

Claims (20)

  1. 金属イオンを溶出するイオン溶出手段と、
    洗濯コースを選択してその実行を指示するための入力部とを備えた洗濯機であって、
    上記入力部により、洗濯槽と水槽とのうち少なくとも一方の槽を洗浄する槽洗浄コースの実行が指示されたときに、上記イオン溶出手段にて溶出された金属イオンを含む金属イオン添加水を上記槽に供給する制御手段を備えていることを特徴とする洗濯機。
  2. 上記槽洗浄コースは、槽洗浄剤を含む水で上記槽を洗浄する洗い工程を含んでおり、
    上記制御手段は、上記洗い工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  3. 上記槽は、上記洗い工程にて、つけおき洗いされることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
  4. 上記制御手段は、上記洗い工程において、上記槽洗浄剤を上記槽に投入してから所定時間経過後に、上記金属イオン添加水を上記槽に供給することを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯機。
  5. 上記槽洗浄コースは、すすぎ工程を含んでおり、
    上記制御手段は、上記すすぎ工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の洗濯機。
  6. 上記すすぎ工程は、複数の副すすぎ工程を含んでおり、
    上記制御手段は、最終の副すすぎ工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給することを特徴とする請求項5に記載の洗濯機。
  7. 上記槽洗浄コースは、脱水工程を含んでおり、
    上記制御手段は、上記脱水工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の洗濯機。
  8. 上記槽内の水を排水するための排水装置と、
    上記排水装置における排水を指示する排水指示手段とをさらに備え、
    上記制御手段は、上記脱水工程において、上記排水指示手段による排水指示があるまで、上記排水装置を止水状態とすることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
  9. 上記排水指示手段は、上記脱水工程における上記洗濯槽の回転数を検知するとともに、上記回転数が所定数以上になったときに排水指示信号を上記制御手段に出力する回転数検知手段を含んでおり、
    上記制御手段は、上記回転数検知手段から上記排水指示信号を受けたときに、上記排水装置を排水状態とすることを特徴とする請求項8に記載の洗濯機。
  10. 上記排水指示手段は、上記脱水工程にて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給してからの時間を計時するとともに、当該時間が所定時間を経過したときに排水指示信号を上記制御手段に出力する計時手段を含んでおり、
    上記制御手段は、上記計時手段から上記排水指示信号を受けたときに、上記排水装置を排水状態とすることを特徴とする請求項8または9に記載の洗濯機。
  11. 上記洗濯コースは、上記槽洗浄コースと、洗濯物に対して抗菌処理を行う抗菌処理コースとを含んでおり、
    上記制御手段は、上記入力部により、上記抗菌処理コースの実行が指示されたときに、上記イオン溶出手段にて溶出された金属イオンを含む金属イオン添加水を上記槽に供給することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の洗濯機。
  12. 上記制御手段は、上記槽洗浄コースでは、上記抗菌処理コースに比べて、用いる金属イオン添加水の金属イオン濃度を高くすることを特徴とする請求項11に記載の洗濯機。
  13. 上記制御手段は、上記槽洗浄コースでは、上記抗菌処理コースに比べて、金属イオン添加水を投入してから排水するまでの抗菌処理時間を短くすることを特徴とする請求項11または12に記載の洗濯機。
  14. 上記制御手段は、上記槽洗浄コースでは、上記抗菌処理コースに比べて、脱水工程の時間を長くすることを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の洗濯機。
  15. 上記制御手段は、上記槽洗浄コースにおいて、上記金属イオン添加水を上記槽に供給する工程のうち最終の工程よりも後で、乾燥工程を実行させることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の洗濯機。
  16. 上記制御手段は、洗濯物の乾燥工程を有する洗濯コースの当該乾燥工程よりも乾燥目標温度が高くなるように、上記槽洗浄コースの乾燥工程を実行させることを特徴とする請求項15に記載の洗濯機。
  17. 上記槽に供給される上記金属イオン添加水の水量または水位を設定する設定手段をさらに備え、
    上記制御手段は、上記槽洗浄コースでは、上記設定手段にて設定された水量または水位に応じて、上記金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更することを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の洗濯機。
  18. 洗濯運転の実行回数を記憶する運転回数記憶手段をさらに備え、
    上記制御手段は、上記槽洗浄コースでは、上記実行回数に応じて、上記金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更することを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の洗濯機。
  19. 上記抗菌処理コースの実行の際に上記金属イオンを使用した回数を記憶するイオン使用回数記憶手段をさらに備え、
    上記制御手段は、上記使用回数に応じて、上記金属イオン添加水の金属イオン濃度を変更することを特徴とする請求項11ないし18のいずれかに記載の洗濯機。
  20. 上記イオン溶出手段は、複数種類の金属イオンを溶出可能な電極を有していることを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の洗濯機。
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