WO2005044737A1 - 水処理ユニット及びこれを搭載した機器 - Google Patents

Abstract

　水処理ユニットは洗濯機に取り付けられる。水処理ユニットはカートリッジタイプのケースを有し、このケースには洗濯機に設けられた給水口及び受水口に接続する流入口及び流出口が設けられている。ケースの内部には、通電により水中に金属イオンを溶出する電極が配置され、ケースの外面には電極に給電するためのコネクタ部が配置されている。ケースは細長く、その一方の端に近い箇所に流入口と流出口が同心的に設けられ、他方の端に近い箇所にコネクタ部が設けられている。

Description

明 細 書

水処理ユニット及びこれを搭載した機器

技術分野

[0001] 本発明は、機器の目的に適合した水を得るための水処理ユニット、及びこの水処理 ユニットを搭載した機器に関する。

背景技術

[0002] 水を使用する機器において、使用する水の性質を使用目的に適合するように変化 させたいという要請がしばしば生じる。例えば洗濯機では、洗濯物に抗菌処理を施し たいという要請が強い。この要請に応えるため、様々な提案がなされている。例を挙 げると、特許文献 1には、銀イオン、銅イオンなど殺菌力を有する金属イオンを発生 するイオン発生機器を装備した電気洗濯機が記載されている。特許文献 2には電界 の発生によって洗浄液を殺菌するようにした洗濯機が記載されている。特許文献 3に は洗浄水に銀イオンを添加する銀イオン添加ユニットを具備した洗濯機が記載され ている。特許文献 4には水を電気分解した電解水を用いて洗濯、すすぎを行う洗濯 機が記載されている。銀イオンを用いて抗菌処理を行う洗濯機については、既に商 品化もなされている。

特許文献 1 :実開平 5 - 74487号公報 (第 1頁、図 1)

特許文献 2 :特開 2000 - 93691号公報（第 2頁、図 1)

特許文献 3 :特開 2001 - 276484号公報（第 2頁、図 1)

特許文献 4 :特開 2003—24692号公報（第 3—6頁、図 8、 10、 12、 17)

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] 水を処理して機器の目的に適合した水を得る場合、水処理機能をいかに維持する かが大きな問題になる。長期間の使用により水処理機能が低下したときは、適切な機 能回復処置をとらねばならない。ただしその場合、専門家を呼んで対処させるのでは 不便であり、またコストも力かる。

[0004] 本発明は上記事項に鑑みてなされたものであり、水処理機能回復の処置を使用者 自身の手で簡便に行えるような仕組みを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0005] 上記目的を達成するため、本発明では水処理ユニットを次のように構成する。すな わち、水処理ユニットは水を使用する機器に着脱可能に取り付けられるものであり、 前記機器に設けられた給水口及び受水口に接続する流入口及び流出口を有する力 ートリッジタイプのケースと、このケースに内蔵され、通電により水処理機能を発揮す る電極とを備えるものとする。

[0006] この構成によると、水処理機能が低下したときには使用者の手で水処理ユニットを 取り外し、新しいユニットに交換することができる。このため、専門家の手を煩わすこと なぐ水処理機能を維持し続けることができる。また電極に供給する電流は機器より 簡単に得ることができる。しかも給水口及び受水口が水処理ユニットで塞がれなレ、か ぎり機器の使用は無理なので、水処理の体制を整えないまま機器が使用されるという 事態を回避できる。

[0007] また本発明は、上記構成の水処理ユニットにおいて、前記ケースの外面に、前記電 極に給電するためのコネクタ部が設けられているものとする。

[0008] この構成によると、機器への取り付け取り外しの際、電気的接続の形成及び切断を 簡単に行うことができる。

[0009] また本発明は、上記構成の水処理ユニットにおいて、前記流入口と流出口とが同 心的に配置されているものとする。

[0010] この構成によると、流入口と流出口を別の箇所に形成した場合に比べ機器への接 続が容易であり、接続部の構成もコンパクトになる。また水処理ユニットと機器の間の 水密シール構造も簡単になる。

[0011] また本発明は、上記構成の水処理ユニットにおいて、前記機器に対するバョネット 結合手段を有するものとする。

[0012] この構成によると、水処理ユニットの着脱が簡単であり、し力も確実である。

[0013] また本発明は、上記構成の水処理ユニットにおいて、前記ケースは細長い形状を 有し、その一方の端に近い箇所に前記流入口と流出口が設けられ、他方の端に近い 箇所に前記コネクタ部が設けられるものとする。 [0014] この構成によると、水を通すための接続部と電流供給のための接続部を無理なく配 置すること力 Sできる。

[0015] また本発明は、上記構成の水処理ユニットにおいて、前記電極は前記コネクタ部の 近傍から前記流出口の方へと延びるものとするとともに、前記ケースの内部には前記 流入口から流入した水を前記電極のコネクタ近傍側へ誘導する隔壁が形成されてい るものとする。

[0016] この構成によると、水を電極の全長に沿って流し、通電による水処理作用を十分に 受けさせることができる。また必要十分な長さの電極を配置でき、し力 その形状は直 線状で良いから製作が容易である。

[0017] また本発明は、上記構成の水処理ユニットにおいて、電極間に電圧を印加してこの 電極より抗菌性を有する金属イオンを溶出させることが水処理の内容であるものとす る。

[0018] この構成によると、抗菌性を有する金属イオンを溶出させた水に物品を浸すことに より物品に抗菌処理を施すことができるとともに、金属イオン溶出の能力が低下したと きは水処理ユニットを交換し、抗菌作用が薄れないようにすることができる。

[0019] また本発明は、上記構成の水処理ユニットのいずれかを機器に搭載して用レ、るもの とする。

[0020] この構成によると、処理された水の使用を通じ、機器の扱う物品に機器の目的に適 合した処理を施すことができる。また水処理ユニットの交換により、 目的に適合した処 理を永続的に実施することができる。

[0021] また本発明は、上記構成の機器において、前記水処理ユニットが機器外面に取り 付けられるものとする。

[0022] この構成によると、水処理ユニットの交換を簡単に行うことができる。

[0023] また本発明は、上記構成の機器において、機器が洗濯機であるものとする。

[0024] この構成によると、電極寿命が来るまで水処理ユニットを使い続けて洗濯物の処理 を行うことができるとともに、電極寿命が尽きたら水処理ユニットを交換することにより、 長期にわたって洗濯物の処理を継続することができる。

発明の効果 [0025] 本発明によると、水を使用する機器に着脱可能に取り付けられる水処理ユニットは 、機器に設けられた給水口及び受水口に接続する流入口及び流出口を有するカー トリッジタイプのケースと、このケースに内蔵され、通電により水処理機能を発揮する 電極とを備えるものであるから、水処理機能が低下したときには、専門家の手を借りる までもなぐ使用者自身の手で水処理ユニットを取り外して新しいユニットに交換する ことにより、水処理機能を維持し続けることができる。電極に供給する電流は機器より 簡単に得ることができる。また給水口及び受水口が水処理ユニットで塞がれないかぎ り機器の使用は無理なので、水処理の体制を整えないまま機器が使用されることが なぐ水処理後の水が確実に使用される。

[0026] また、上記構成の水処理ユニットを機器に搭載して用いることにより、処理された水 の使用を通じ、機器の扱う物品に機器の目的に適合した処理を施すことができる。そ して水処理ユニットの交換により、 目的に適合した処理を永続的に実施することがで きる。機器が洗濯機であれば、電極寿命が来るまで水処理ユニットを使い続けて洗 濯物の処理を行うことができるとともに、電極寿命が尽きたら水処理ユニットを交換す ることにより、長期にわたって洗濯物の処理を継続することができる。

図面の簡単な説明

[0027] [図 1]本発明の一実施形態に係る洗濯機の垂直断面図である。

[図 2]給水口の模型的垂直断面図である。

[図 3]洗濯工程全体のフローチャートである。

[図 4]洗い工程のフローチャートである。

[図 5]すすぎ工程のフローチャートである。

[図 6]脱水工程のフローチャートである。

[図 7]洗濯機の上面部分の構成要素の斜視図である。

[図 8]水処理ユニットの平面図である。

[図 9]水処理ユニットの底面図である。

[図 10]水処理ユニットケースのベースの平面図である。

[図 11]図 10の線 A— Aに沿って切断した垂直断面図である。

[図 12]10の線 B— Bに沿って切断した垂直断面図である。 [図 13]10の線 C一 Cに沿って切断した垂直断面図である。

[図 14]水処理ユニットの側面図である。

[図 15]図 10の線 D— Dに沿って切断した垂直断面図である。

[図 16]図 10の線 E— Eに沿って切断した垂直断面図である。

[図 17]図 10の線 F— Fに沿って切断した垂直断面図である。

[図 18]水処理ユニットを取り付けた洗濯機の部分垂直断面図である。

[図 19]水処理ユニットを取り付けた洗濯機の部分垂直断面図にして、図 18と直角の 方向に切断したものである。

[図 20]水処理ユニットの駆動回路図である。

[図 21]金属イオン投入シーケンスを示すフローチャートである。

符号の説明

1 洗濯機

10 外箱

20 水槽

30 洗濯槽

33 パノレセータ

40 駆動ユニット

50 給水弁

53 給水口

68 排水弁

80 制御部

81 操作/表示部

100 水処理ュニ：

101 ケース

107 流入口

108 流出口

112 コネクタ咅

113、 114 電極 120 駆動回路

130 中央制御部

171 給水口

172 受水口

発明を実施するための最良の形態

[0029] 以下、本発明の水処理ユニットを洗濯機に用いた実施形態を図 1一 20に基づき説 明する。

[0030] 図 1は洗濯機 1の全体構成を示す垂直断面図である。洗濯機 1は全自動型のもの であり、外箱 10を備える。外箱 10は直方体形状で、金属又は合成樹脂により成形さ れ、その上面と底面は開口部となっている。外箱 10の上面開口部には合成樹脂製 の上面板 11を重ね、外箱 10にネジで固定する。図 1において左側が洗濯機 1の正 面、右側が背面であり、背面側に位置する上面板 11の上面に同じく合成樹脂製の バックパネル 12を重ね、外箱 10又は上面板 11にネジで固定する。外箱 10の底面開 口部には合成樹脂製のベース 13を重ね、外箱 10にネジで固定する。これまでに述 ベてきたネジはいずれも図示しない。

[0031] ベース 13の四隅には外箱 10を床の上に支えるための脚部 14a、 14bが設けられて いる。背面側の脚部 14bはベース 13に一体成型した固定脚である。正面側の脚部 1 4aは高さ可変のネジ脚であり、これを回して洗濯機 1のレベル出しを行う。

[0032] 上面板 11には後述する洗濯槽に洗濯物を投入するための洗濯物投入口 15が形 設される。洗濯物投入口 15を蓋 16が上から覆う。蓋 16は上面板 11にヒンジ部 17で 結合され、垂直面内で回動する。

[0033] 外箱 10の内部には水槽 20と、脱水槽を兼ねる洗濯槽 30を配置する。水槽 20も洗 濯槽 30も上面が開口した円筒形のカップの形状を呈しており、各々軸線を垂直にし 、水槽 20を外側、洗濯槽 30を内側とする形で同心的に配置される。水槽 20をサス ペンション部材 21が吊り下げる。サスペンション部材 21は水槽 20の外面下部と外箱 10の内面コーナー部とを連結する形で計 4箇所に配備され、水槽 20を水平面内で 揺動できるように支持する。

[0034] 洗濯槽 30は上方に向かい緩やかなテーパで広がる周壁を有する。この周壁には、 その最上部に環状に配置した複数個の脱水孔 31を除き、液体を通すための開口部 はない。す

なわち洗濯槽 30はいわゆる「穴なし」タイプである。洗濯槽 30の上部開口部の縁に は、洗濯物の脱水のため洗濯槽 30を高速回転させたときに振動を抑制する働きをす る環状のバランサ 32を装着する。洗濯槽 30の内部底面には槽内で洗濯水あるいは すすぎ水の流動を生じさせるためのパルセータ 33を配置する。

[0035] 水槽 20の下面には駆動ユニット 40が装着される。駆動ユニット 40はモータ 41、クラ ツチ機構 42、及びブレーキ機構 43を含み、その中心部から脱水軸 44とパルセータ 軸 45を上向きに突出させている。脱水軸 44とパルセータ軸 45は脱水軸 44を外側、 パルセータ軸 45を内側とする二重軸構造となっており、水槽 20の中に入り込んだ後 、脱水軸 44は洗濯槽 30に連結されてこれを支える。パルセータ軸 45はさらに洗濯 槽 30の中に入り込み、パルセータ 33に連結してこれを支える。脱水軸 44と水槽 20 の間、及び脱水軸 44とパルセータ軸 45の間には各々水もれを防ぐためのシール部 材を配置する。

[0036] バックパネル 12の下の空間には電磁的に開閉する給水弁 50 (図 2参照）が配置さ れる。給水弁 50には後述する給水経路より水道水などの上水が供給される。給水弁 50からは給水管 52が延び出す。給水管 52の先端は容器状の給水口 53に接続する 。給水口 53は洗濯槽 30の内部に臨む位置にあり、図 2に示す構造を有する。

[0037] 図 2は給水口 53の模型的垂直断面図で、正面側から見た形になっている。給水口 53の内部には、正面側から引き出し 53aが挿入される。引き出し 53aの内部は左右 に区画されている。左側の区画は洗剤室 54で、洗剤を入れておく準備空間となる。 右側の区画は仕上剤室 55で、洗濯用の仕上剤を入れておく準備空間となる。洗剤 室 54の底部背面側には横長の流出口 54aが設けられている。流出口 54aから流れ 出した水はー且給水口 53の底部に落ちた後、給水口 53の正面側に設けられた横 長の注水口 56から洗濯槽 30に注ぎ込まれる。

[0038] 仕上剤室 55にはサイホン部 57が設けられている。サイホン部 57は仕上剤室 55の 底面から垂直に立ち上がる内管 57aと、内管 57aにかぶせられるキャップ状の外管 5 7bとからなる。内管 57aと外管 57bの間には水の通る隙間が形成されている。内管 5 7aの底部は給水口 53の底部に向かって開口する。外管 57bの下端は仕上剤室 55 の底面と所定の隙間を保ち、ここが水の入口になる。内管 57aの上端を超えるレベル まで仕上剤室 55に水が注ぎ込まれるとサイホンの作用が起こり、水はサイホン部 57 を通って仕上剤室 55から吸い出され、給水口 53の底部へと落下する。その水も注水 口 56から洗濯槽 30に注ぎ込まれる。

[0039] 給水弁 50はメイン給水弁 50aとサブ給水弁 50bからなる。接続管 51はメイン給水 弁 50a及びサブ給水弁 50bの両方に共通である。給水管 52もメイン給水弁 50aに接 続されたメイン給水管 52aとサブ給水弁 50bに接続されたサブ給水管 52bからなる。

[0040] メイン給水管 52aは洗剤室 54の上にあたる給水口 53の天井壁に接続され、洗剤 室 54に水を注ぎ込む。サブ給水管 52bは仕上剤室 55の上にあたる給水口 53の天 井壁に接続され、仕上剤室 55に水を注ぎ込む。すなわちメイン給水管 52aから洗剤 室 54を通って洗濯槽 30に注ぐ経路と、サブ給水管 52bから仕上剤室 55を通って洗 濯槽 30に注ぐ経路とは別系統になっている。

[0041] 図 1に戻って説明を続ける。水槽 20の底部には水槽 20及び洗濯槽 30の中の水を 外箱 10の外に排水する排水ホース 60が取り付けられる。排水ホース 60には排水管 61及び排水管 62から水が流れ込む。排水管 61は水槽 20の底面の外周寄りの箇所 に接続

されている。排水管 62は水槽 20の底面の中心寄りの箇所に接続されている。

[0042] 水槽 20の内部底面には排水管 62の接続箇所を内側に囲い込むように環状の隔 壁 63が固定されている。隔壁 63の上部には環状のシール部材 64が取り付けられる 。このシール部材 64が洗濯槽 30の底部外面に固定したディスク 65の外周面に接触 することにより、水槽 20と洗濯槽 30との間に独立した排水空間 66が形成される。排 水空間 66は洗濯槽 30の底部に形設した排水口 67を介して洗濯槽 30の内部に連通 する。

[0043] 排水管 62には電磁的に開閉する排水弁 68が設けられる。排水管 62の排水弁 68 の上流側にあたる箇所にはエアトラップ 69が設けられる。エアトラップ 69からは導圧 管 70が延び出す。導圧管 70の上端には水位スィッチ 71が接続される。

[0044] 外箱 10の正面側には制御部 80を配置する。制御部 80は上面板 11の下に置かれ ており、上面板 11の上面に設けられた操作/表示部 81を通じて使用者からの操作 指令を受け、駆動ユニット 40、給水弁 50、及び排水弁 68に動作指令を発する。また 制御部 80は操作/表示部 81に表示指令を発する。制御部 80は後述する水処理ュ ニットの駆動回路を含む。

[0045] 洗濯機 1の動作につき説明する。蓋 16を開け、洗濯物投入口 15から洗濯槽 30の 中へ洗濯物を投入する。また給水口 53から引き出し 53aを引き出し、洗剤室 54には 洗剤を入れる。必要なら給水口 53の仕上剤室 55に仕上剤を入れる。洗剤と仕上剤 を入れた後、引き出し 53aを元のように給水口 53に押し込む。なお仕上剤は洗濯ェ 程の途中で入れてもよい。

[0046] 洗剤の投入準備を整えた後、蓋 16を閉じ、操作 Z表示部 81の操作ボタン群を操 作して洗濯条件を選ぶ。最後にスタートボタンを押せば、図 3_6のフローチャートに 従レ、洗濯工程が遂行される。

[0047] 図 3は洗濯の全体工程を示すフローチャートである。ステップ S201では、設定した 時刻に洗濯を開始する、予約運転の選択がなされているかどうかを確認する。予約 運転が選択されていればステップ S206に進む。選択されていなければステップ S20 2に進む。

[0048] ステップ S206に進んだ場合は運転開始時刻になったかどうかの確認が行われる。

運転開始時刻になったらステップ S202に進む。

[0049] ステップ S202では洗い工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択がなさ れていればステップ S300に進む。ステップ S300の洗い工程の内容は別途図 4のフ ローチャートで説明する。洗い工程終了後、ステップ S203に進む。洗い工程の選択 がなされていなければステップ S202から直ちにステップ S203に進む。

[0050] ステップ S203ではすすぎ工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択さ れていればステップ S400に進む。ステップ S400のすすぎ工程の内容は別途図 5の フローチャートで説明する。すすぎ工程終了後、ステップ S204に進む。すすぎ工程 の選択がなされていなければステップ S203から直ちにステップ S204に進む。

[0051] ステップ S204では脱水工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択され ていればステップ S500に進む。ステップ S500の脱水工程の内容は別途図 6のフロ 一チャートで説明する。脱水工程終了後、ステップ S205に進む。脱水工程の選択が なされていなければステップ S204から直ちにステップ S205に進む。

[0052] ステップ S205では制御部 80、特にその中に含まれる演算装置（マイクロコンピュー タ）の終了処理が手順に従って自動的に進められる。また洗濯工程が完了したことを 終了音で報知する。すべてが終了した後、洗濯機 1は次の洗濯工程に備えて待機状 態に戻る。

[0053] 続いて図 4一 6に基づき洗レ、、すすぎ、脱水の各個別工程につき説明する。

[0054] 図 4は洗い工程のフローチャートである。ステップ S301では水位スィッチ 71の検知 している洗濯槽 30内の水位データのとり込みが行われる。ステップ S302では容量セ ンシングの選択がなされてレ、るかどうかを確認する。選択されてレヽればステップ S308 に進む。選択されていなければステップ S302から直ちにステップ S303に進む。

[0055] ステップ S308ではパルセータ 33の回転負荷により洗濯物の量を測定する。容量セ ンシング後、ステップ S 303に進む。

[0056] ステップ 303ではメイン給水弁 50aが開き、メイン給水管 52a及び給水口 53を通じ て洗濯槽 30に水が注がれる。給水口 53の洗剤室 54に入れられた洗剤も水に混じつ て洗濯槽 30に投入される。排水弁 68は閉じている。水位スィッチ 71が設定水位を検 知したらメイン給水弁 50aは閉じる。そしてステップ S304に進む。

[0057] ステップ S304ではなじませ運転を行う。パルセータ 33が反転回転し、洗濯物と水 を攪拌して、洗濯物を水になじませる。これにより、洗濯物に水を十分に吸収させる。 また洗濯物の各所にとらわれていた空気を逃がす。なじませ運転の結果、 7位スイツ チ 71の検知する水位が当初より下がったときは、ステップ S305でメイン給水弁 50a を開いて水を補給し、設定水位を回復させる。

[0058] 「布質センシング」を行う洗濯コースを選んでいれば、なじませ運転と共に布質セン シングが実施される。なじませ運転を行った後、設定水位からの水位変化を検出し、 水位が規定値以上に低下していれば吸水性の高い布質であると判断する。

[0059] ステップ S305で安定した設定水位が得られた後、ステップ S306に移る。使用者の 設定に従い、モータ 41がパルセータ 33を所定のパターンで回転させ、洗濯槽 30の 中に洗濯のための主水流を形成する。この主水流により洗濯物の洗濯が行われる。 脱水軸 44にはブレーキ装置 43によりブレーキがかかっており、洗濯水及び洗濯物が 動レヽても洗濯槽 30は回転しなレ、。

[0060] 主水流の期間が経過した後、ステップ S307に進む。ステップ S307ではパルセー タ 33が小刻みに反転して洗濯物をほぐし、洗濯槽 30の中に洗濯物がバランス良く配 分されるようにする。これは洗濯槽 30の脱水回転に備えるためである。

[0061] 続いて図 5のフローチャートに基づきすすぎ工程を説明する。最初にステップ S500 の脱水工程が入るが、これについては図 6のフローチャートで説明する。脱水後、ス テツプ S401に進む。ステップ S401ではメイン給水弁 50aが開き、設定水位まで給水 が行われる。

[0062] 給水後、ステップ S402に進む。ステップ S402ではなじませ運転が行われる。ステ ップ S402のなじませ運転では、ステップ S500 (脱水工程）で洗濯槽 30に貼り付レ、た 洗濯物を剥離し、 7 になじませ、洗濯物に水を十分に吸収させる。

[0063] なじませ運転の後、ステップ S403に進む。なじませ運転の結果、水位スィッチ 71の 検知する水位が当初より下がっていたときはメイン給水弁 50aを開いて水を補給し、 設定水位を回復させる。

[0064] ステップ S403で設定水位を回復した後、ステップ S404に進む。使用者の設定に 従レ、、モータ 41がパルセータ 33を所定のパターンで回転させ、洗濯槽 30の中にす すぎのための主水流を形成する。この主水流により洗濯物のすすぎが行われる。脱 水軸 44にはブレーキ装置 43によりブレーキがかかっており、すすぎ水及び洗濯物が 動レヽても洗濯槽 30は回転しなレ、。

[0065] 主水流の期間が経過した後、ステップ S406に移る。ステップ S405ではパルセータ 33が小刻みに反転して洗濯物をほぐす。これにより洗濯槽 30の中に洗濯物がバラン ス良く配分されるようにし、脱水回転に備える。

[0066] 上記説明では洗濯槽 30の中にすすぎ水をためておいてすすぎを行う「ためすすぎ 」を行うものとした力 洗濯槽 30を低速回転させながら給水口 53より水を注ぐ「シャヮ 一注水」を行うこともある。どちらを採用する力、、あるいは両方とも採用するかは使用 者の選択により決定される。

[0067] 続いて図 6のフローチャートに基づき脱水工程を説明する。まずステップ S501で排 水弁 68が開く。洗濯槽 30の中の洗濯水は排水空間 66から排水管 62を通じて排水 される。排水弁 68は脱水工程中は開いたままである。

[0068] 所定時間が経過し、洗濯物から大部分の洗濯水が抜けたところでクラッチ装置 42 が切り替わり、モータ 41が今度は脱水軸 44を回転させる。これにより洗濯槽 30が脱 水回転を行う。パルセータ 33も洗濯槽 30とともに回転する。

[0069] 洗濯槽 30が高速で回転すると、洗濯物は遠心力で洗濯槽 30の内周壁に押しつけ られる。洗濯物に含まれていた洗濯水も洗濯槽 30の周壁内面に集まってくるが、前 述の通り、洗濯槽 30はテーパ状に上方に広がっているので、遠心力を受けた洗濯水 は洗濯槽 30の内面を上昇する。洗濯水は洗濯槽 30の上端にたどりついたところで 脱水孔 31から放出される。脱水孔 31を離れた洗濯水は水槽 20の内面にたたきつけ られ、水槽 20の内面を伝って水槽 20の底部に流れ落ちる。そして排水管 61と、それ に続く排水ホース 60を通って外箱 10の外に排出される。

[0070] 図 6のフローでは、ステップ S502で比較的低速の脱水運転を行った後、ステップ S 503で高速の脱水運転を行う構成となっている。ステップ S503の後、ステップ S504 に移行する。ステップ S504ではモータ 41への通電を断ち、停止処理を行う。

[0071] さて、洗濯機 1には着脱可能な水処理ユニット 100を取り付ける。以下図 7-20に基 づき水処理ユニット 100の構造と機能、及び洗濯機 1に搭載されて果たす役割につ き説明する。

[0072] 図 7は洗濯機 1の上面部分の構成要素の斜視図である。水処理ユニット 100はバッ クパネル 12の上面ほぼ中央の位置に配置される。水処理ユニット 100は図 8_19に 示す構造を備える。

[0073] 図 8は水処理ユニット 100の平面図、図 9は底面図、図 10はケースのベースの平面 図、図 11は図 10の線 A-Aに沿って切断した垂直断面図、図 12は図 10の線 B—Bに 沿って切断した垂直断面図、図 13は図 10の線 C一 Cに沿って切断した垂直断面図、 図 14は側面図、図 15は図 10の線 D—Dに沿って切断した垂直断面図、図 16は図 1 0の線 E— Eに沿って切断した垂直断面図、図 17は図 10の線 F— Fに沿って切断した 垂直断面図、図 18及び図 19は水処理ユニット 100を取り付けた洗濯機 1の部分垂 直断面図にして、互いに直角の方向に切断したものである。 [0074] 水処理ユニット 100は小判に似た細長い平面形状の合成樹脂製ケース 101を有す る。ケース 101はベース 101aとこれにかぶさるカバー 101bからなる。ベース 101aの 上面には平面形状長円形の隔壁 102を形成する。カバー 101bの下面には隔壁 10 2の上端を受け入れる二重壁 103を形成する。二重壁 103の中に環状のシール部材 104を入れた状態でカバー 101bをベース 101aにかぶせ、ベース 101aの下面から ネジ 105をカバー 101bにネジ込んで締め付ければ、ベース 101aとカバー 101bとが 結合されるとともに、内部には隔壁 102に周囲を囲まれた空間 106が形成される。な お、ネジ 105は 4箇所に配置される。

[0075] 前述の通りケース 101は細長い形状を有する力 その一方の端に近い側に管状の 流入口 107と流出口 108が設けられる。流入口 107と流出口 108はベース 101aの 下面から下方に垂直に延び出すものであり、流入口 107を外側、流出口 108を内側 にして同心的に配置されている。なおここで「同心的」とは、流入口 107の断面領域 内に流出口 108が存在するということである。流入口 107と流出口 108の断面中心同 士が重なる「同軸配置」であること、また流入口 107と流出口 108の断面力 Sレ、ずれも 円形であることは必須条件ではない。ただし本実施形態では、後述するようにケース 101にひねりを加えて洗濯機 1に装着し、また洗濯機 1から取り外すという構成を採用 している関係上、流入口 107と流出口 108を同軸配置とし、またいずれも断面円形と してレ、る。ひねりを加えないで単に上力 押し込む取り付け方であれば、流入口 107 と流出口 108の中心同士がずれていたり、円形以外の断面であったりする構成も可 能である。

[0076] 空間 106にはもう一つの隔壁 109を設ける。隔壁 109はベース 101 aの上面から立 ち上がる隔壁部分 109aとカバー 101bの下面から垂下する隔壁部分 109bにより構 成される。隔壁部分 109aは一方が開き他方が閉じた袋小路 1 10を形成するもので あり、この袋小路 110の行き止まりの箇所に流出口 108が配置されている（図 10参照 )。流入口 107は隔壁部分 109aの外側に開口する。つまり流入口 107と流出口 108 とは隔壁部分 109aによって仕切られた形になる。

[0077] カバー 101bに形成される隔壁部分 109bは、隔壁部分 109aの開いた方の端に整 列する形で設けられ、これにより、袋小路 110が延長された形になる。 [0078] 袋小路 110の中には 2枚の板状電極 113、 114を互いに平行する形で、且つ所定 間隔を置いて配置する。電極 113、 114は抗菌性を有する金属イオンのもとになる金 属、すなわち銀、銅、亜鉛などからなる。

[0079] 電極 113、 114は袋小路 110の入口から流出口 108の方へと延びる。流入口 107 力、ら空間 106に流入した水は隔壁 109の外側を通って袋小路 110の入口へと誘導さ れ、袋小路 110に入った後、電極 113、 114の長手方向に沿って流出口 108へと流 れて行く。

[0080] ケース 101の中に水が存在する状態で電極 113、 114に所定の電圧を印加すると 、電極 113、 114の陽極側から電極構成金属の金属イオンが溶出する。電極 113、 1 14は例えば 2cm X 5cm、厚さ lmm程度の平板状の銀プレートにより構成し、 5mm の距離を隔てて配置する。

[0081] 隔壁部分 109aの上端とカバー 101bの下面との間には若干の隙間を設ける。これ は、流出口 108への水の供給経路が袋小路 110の入口だけであると水量が不足気 味になるので、それを補うためである。

[0082] ベース 101aの上面とカバー 101bの下面には、電極 113、 114を抱える枕形の突 起 l l la、 11 lbを形成する。突起 l l la、 11 lbの間に電極 113、 114を挟み、前述 のようにネジ 105を締め付ければ、電極 113、 114は互いの間、隔壁 109の内面との 間、またベース 101aとの間、及びカバー 101bとの間に所定の間隔を保つ形でしつ カゝりと保持される。

[0083] 電極 113、 114には、袋小路 110の入口の近傍の箇所において、コネクタブレード 112a, 112bを形成する。 才ヽクタブレード 112a、 112bは水密シーノレ咅材 115とべ ース 101aを突き抜ける形でベース 101aの下面に突出し、コネクタ部 112を形成する 。コネクタ部 112は、流入口 107及び流出口 108がケース 101の一方の端に近い箇 所に設けられているのに対し、その反対側の端に近い箇所に設けられる。なお流入 口 107及び流出口 108の突出方向とコネクタ部 112の突出方向は同じである。

[0084] ベース 101aには、ケース 101をバックパネル 12にバョネット結合するためのバヨネ ットフック 116を形成する。バョネットフック 116は、流入口 107より外側に、流入口 10 7を中心とする点対称をなすよう 2個配置する。 [0085] 流入口 107の外面には後述するシールリングを取り付ける環状溝 117を形成する。 またカバー 101bの一角には蓋 118を設ける。蓋 118の下の位置には、カバー 101b とベース 101aを貫通する透孔 119を形成する。

[0086] 図 18、 19に見られるように、バックパネル 12には給水口 171と受水口 172が設けら れてレ、る。給水口 171及び受水口 172は単一の水路形成部材 170に一体成形され 、バックパネル 12に設けた開口力も露出する。給水口 171及び受水口 172はいずれ も管状であって、軸線を垂直にする形で同心的に配置される。

[0087] 給水口 171からは給水管 173が水平に突出する。給水管 173は給水弁 50を経たう え図示しなレ、ホースを介して水道の蛇口に接続される。給水口 171の内面上部には バョネットフック 116を受け入れる凹部 174を形成する。凹部 174の底近くにはバヨネ ットフック 116の先端を係合させる係合部を形成するが、これは図示しない。

[0088] 受水口 172は水路形成部材 170の底面に突出した接続管 175に連通する。給水 口 53に連通するエルボ管 176が接続管 1 Ί 5に接続する。

[0089] バックパネル 12にはコネクタ部 112を受け入れる凹部 177を形成する。凹部 177の 中には図示しないコネクタが配置される。コネクタは所定の遊びを有するリード線に 接続され、バックパネル 12の上に引き出した状態でコネクタ部 112への接続、あるい はコネクタ部 112からの抜き取りが行えるようになつている。コネクタ部 112へのコネク タの接続により、電極 113、 114に対する駆動回路（後述）の電気的接続が確立され る。

[0090] 水処理ユニット 100を洗濯機 1に取り付けるにあたっては、バックパネル 12の上でコ ネクタ部 112とコネクタとの接続を済ませてから流入口 107を給水口 171に差し込む 。この時、ノ ョネットフック 116を凹部 174に入れる。ケース 101を上力も押さえると、 流入口 107は給水口 171の中に、流出口 108は受水口 172の中に、そ

れぞれ侵入して行く。

[0091] 流入口 107を給水口 171に十分深くまで押し込んだ後、ケース 101を少しひねると 、バョネットフック 116の先端が凹部 174の中の係合部に引つかかり、以後、ケース 1 01を引き抜こうとしても抜けなくなる。この状態になったところで蓋 118を開け、透孔 1 19を通じてネジ 178を水路形成部材 170にねじ込む。これによりケース 101は回転 を阻止され、完全に洗濯機 1に固定される。

[0092] 水処理ユニット 100は流入口 107の環状溝 117にシールリング 179をはめ込んだ 状態で洗濯機 1に取り付けられる。水処理ユニット 100を洗濯機 1に固定した状態で はシールリング 179が流入口 107と給水口 171との間の水密を保つ。

[0093] 水処理ユニット 100を取り外すときは、蓋 118を開けてネジ 178を取り外し、ケース 1 01を取付時とは反対の方向にひねる。するとバョネットフック 116が係合部から外れ るので、そのままケース 101を上方に引き抜く。そしてコネクタ部 112からコネクタを外 す。

[0094] 上記のような取り付け、取り外しの作業はドライバー 1本でできる。すなわち専門家 の手を煩わすまでもなぐ使用者が自分で簡単に水処理ユニット 100の交換を行うこ とができる。

[0095] 図 20に示すのは水処理ユニット 100の駆動回路 120である。商用電源 121にトラン ス 122が接続され、 100Vを所定の電圧に降圧する。トランス 122の出力電圧は全波 整流回路 123によって整流された後、定電圧回路 124で定電圧とされる。定電圧回 路 124には定電流回路 125が接続されている。定電流回路 125は後述する電極駆 動回路 150に対し、電極駆動回路 150内の抵抗値の変化にかかわらず一定の電流 を供給するように動作する。

[0096] 商用電源 121にはトランス 122と並列に整流ダイオード 126が接続される。整流ダ ィオード 126の出力電圧はコンデンサ 127によって平滑化された後、定電圧回路 12 8によって定電圧とされ、中央制御部 130に供給される。中央制御部 130はトランス 1 22の一次側コイルの一端と商用電源 121との間に接続されたトライアツク 129を起動 制御する。

[0097] 電極駆動回路 150は NPN型トランジスタ Q1—Q4とダイオード Dl、 D2、抵抗 Rl_ R7を図のように接続して構成されてレ、る。トランジスタ Q1とダイオード D1はフォトカプ ラ 151を構成し、トランジスタ Q2とダイオード D2はフォト力ブラ 152を構成する。すな わちダイオード Dl、 D2はフォトダイオードであり、トランジスタ Ql、 Q2はフォトトラン ジスタである。

[0098] 今、中央制御部 130力もライン L1にハイレベル、ライン L2にローレベルの電圧（又 はゼロ電圧、すなわち「OFF」）が与えられると、ダイオード D2が ONになり、それに 付随してトランジスタ Q2も ONになる。トランジスタ Q2が ONになると抵抗 R3、 R4、 R 7に電流が流れ、トランジスタ Q3のベースにバイアスが力かり、トランジスタ Q3は ON になる。

[0099] 一方、ダイオード D1は OFFなのでトランジスタ Q1は OFF、トランジスタ Q4も OFFと なる。この状態では、陽極側の電極 113から陰極側の電極 114に向かって電流が流 れる。これによつて水処理ユニット 100内で、陽極から金属イオンが溶出する。

[0100] 水処理ユニット 100に長時間一方向に電流を流すと、図 20で陽極側となっている 電極 113が減耗するとともに、陰極側となっている電極 114には水中の不純物がスケ ールとして固着する。これは水処理ユニット 100の性能低下をもたらすので、強制的 電極洗浄モードで電極駆動回路 150を運転できるようになつている。

[0101] 電極の極性を反転するにあたっては、ライン Ll、 L2の電圧を逆にして、電極 113、

114を逆方向に電流が流れるように中央制御部 130が制御を切り替える。この場合、 トランジスタ Ql、 Q4が ON、トランジスタ Q2、 Q3が OFFとなる。中央制御部 130は力 ゥンタ機能を有していて、所定カウント数に達する度に上述の切り替えを行う。

[0102] 電極駆動回路 150内の抵抗の変化、特に電極 113、 114の抵抗変化によって、電 極間を流れる電流値が減少するなどの事態が生じた場合は、定電流回路 125がそ の出力電圧を上げ、電流の減少を防止する。し力 ながら、累積使用時間が長くなる と水処理ユニット 100が寿命を迎え、強制的電極洗浄モードへの切り替えや、定電流 回路 125の出力電圧上昇を実施しても電流減少を防げなくなる。

[0103] そこで本回路では、 7 処理ユニット 100の電極 113、 114間を流れる電流を抵抗 R 7に生じる電圧によって監視し、その電流が所定の最小電流値に至ると、それを電流 検知回路 160が検出するようにしている。最小電流値を検出したという情報はフォト力 プラ 163を構成するフォトダイオード D3からフォトトランジスタ Q5を介して中央制御部 130に伝達される。中央制御部 130は線路 L3を介して警告報知手段 131を駆動し、 所定の警告表示を行わせる。警告報知手段 131は操作/表示部 81に配置されてい る。

[0104] また、電極駆動回路 150内でのショートなどの事故については、電流が所定の最大 電流値以上になったことを検出する電流検知回路 161が用意されており、この電流 検知回路 161の出力に基づレ、て中央制御部 130は警告報知手段 131を駆動する。 さらに、定電流回路 125の出力電圧が予め定めた最小値以下になると、電圧検知回 路 162がこれを検知し、同様に中央制御部 130が警告報知手段 131を駆動する。

[0105] 駆動回路 120は、洗濯機 1に搭載された水処理ユニット 100を次のように駆動する

[0106] 図 21は金属イオン投入のシーケンスを示すフローチャートである。図 21のシーケ ンスは、図 5のフローの中で、ステップ S405 (主水流）における最終すすぎの段階に 生じる。すなわち最終すすぎが開始されるとステップ S411で金属イオンの投入が選 択されているかどうかを確認する。操作/表示部 81による選択動作で「金属イオンの 投入」が選択されていればステップ S412に進む。選択されていなければステップ S4 14に進む。

[0107] ステップ S412ではメイン給水弁 50aが開き、水処理ユニット 100に所定流量の水を 流す。同時に駆動回路 120が電極 113、 114の間に電圧を印加し、電極構成金属の イオンを水中に溶出させる。電極間を流れる電流は直流である。金属イオン含有水 は給水口 53から洗濯槽 30に投入される。

[0108] 所定量の金属イオン含有水が投入され、すすぎ水の金属イオン濃度が所定値に達 したと判断されたところでメイン給水弁 50aは閉じ、電極 113、 114への電圧印カロも停 止される。

[0109] 続いてステップ S413ですすぎ水が攪拌され、洗濯物と金属イオンとの接触が促進 される。所定時間の間攪拌を行う。

[0110] 続いてステップ S414で仕上剤の投入が選択されているかどうかを確認する。この 確認ステップはもつと前に置レ、てもよレ、。ステップ S411で金属イオンの投入設定の 確認と同時に確認してもよい。操作 Z表示部 81を通じての選択動作で「仕上剤の投 入」が選択されていればステップ S415に進む。選択されていなければステップ S406 に進む。ステップ S406ではパルセータ 33が小刻みに反転して洗濯物をほぐし、洗 濯槽 30の中に洗濯物がバランス良く配分されるようにして脱水回転に備える。

[0111] ステップ S415ではサブ給水弁 50bが開き、給水口 53の仕上剤室 55に水を流す。 仕上剤室 55に仕上剤が入れられていれば、その仕上剤はサイホン部 57から水と共 に洗濯槽 30に投入される。仕上剤室 55の中の水位が所定高さに達してはじめてサ ィホン効果が生じるので、時期が来て水が仕上剤室 55に注入されるまで、液体の仕 上剤を仕上剤室 55に保持しておくことができる。

[0112] 所定量 (サイホン部 57にサイホン作用を起こさせるに足る量力、、それ以上）の水を 仕上剤室 55に注入したところでサブ給水弁 50bは閉じる。なおこの水の注入工程す なわち仕上剤投入動作は、仕上剤が仕上剤室 55に入れられているかどうかに関わり なぐ仕上剤の投入工程が選択されていれば自動的に実行される。

[0113] 続いてステップ S416ですすぎ水が攪拌され、洗濯物と仕上剤との接触が促進され る。所定時間の間攪拌を行った後、ステップ S405に進む。

[0114] 上記シーケンスによれば、すすぎ水に対する金属イオンの投入実行後、所定時間 の経過を待ってすすぎ水に対する仕上剤の投入が実行される。そのため、金属ィォ ンと仕上剤（柔軟剤）を同時にすすぎ水に投入すれば金属イオンが柔軟剤成分と反 応して抗菌性が減殺されるところ、金属イオンが洗濯物に十分に付着した後に仕上 剤が投入されるものであり、金属イオンと仕上剤成分との反応が防がれ、金属イオン の抗菌効果を洗濯物に残すことができる。

[0115] 電極 113、 114を構成する金属は銀、銅、もしくは銀と銅の合金であることが好まし レ、。銀電極から溶出する銀イオンは殺菌効果に優れ、銅電極から溶出する銅イオン は防カビ効果に優れる。銀と銅の合金力 は銀イオンと銅イオンを同時に溶出させる こと力 Sできる。

[0116] 銀イオンは陽イオンである。洗濯物は水中では負に帯電しており、このため銀ィォ ンは洗濯物に電気的に吸着される。洗濯物に吸着された状態では銀イオンは電気 的に中和される。そのため仕上剤（柔軟剤）の成分である塩ィ匕物イオン (陰イオン)と は反応しに《なる。ただし銀イオンは時間をかけて洗濯物に吸着されて行くので、仕 上剤投入までにある程度時間を置かねばならない。そこで、銀イオン投入後の攪拌 時間は 10分を確保する。仕上剤投入後の攪拌時間は 3分ほどで十分である。

[0117] 金属イオンはメイン給水管 52aから洗剤室 54を通って洗濯槽 30に投入される。仕 上剤は仕上剤室 55から洗濯槽 30に投入される。このように金属イオンをすすぎ水に 投入するための経路と、仕上剤をすすぎ水に投入するための経路とが別系統のため 、仕上剤をすすぎ水に投入するための経路を金属イオンが通り、この経路に残留し てレ、た仕上剤に金属イオンが接触して化合物となり、抗菌力を失うとレ、うことがなレ、。

[0118] また上記シーケンスによれば、金属イオン及び仕上剤のそれぞれの投入に伴って すすぎ

水の攪拌が実行される。これにより、金属イオン及び仕上剤を洗濯物全体に確実に 付着させることができる。

[0119] 水処理ユニット 100を駆動するにあたり、駆動回路 120の定電流回路 125は電極 1 13、 114間を流れる電流が値一定となるよう電圧を制御する。これにより、単位時間 あたりの金属イオン溶出量が一定になる。単位時間あたりの金属イオン溶出量が一 定であれば、水処理ユニット 100に流す水量とイオン溶出時間を制御することにより 洗濯槽 30内の金属イオン濃度を制御することができることになり、所望の金属イオン 濃度を得るのが容易になる。

[0120] 電極 113、 114が減耗すると、値一定の電流を保つのに必要な電圧が高くなる。電 圧が所定のしきい値を超えたら、電極 113、 114の減耗が限界に達したものと判断し 、警告報知手段 131にその旨を報知させる。また水処理ユニット 100の交換を促すメ ッセージを出させる。これを受け、使用者は水処理ユニット 100の交換を行う。

[0121] 水処理ユニット 100を組みあわせる洗濯機 1としては、この実施形態のような全自動 洗濯機の他、横型ドラム（タンブラ一方式）、斜めドラム、乾燥機兼用のもの、又は二 層式など、あらゆる形式の洗濯機が適用対象となる。

[0122] 以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるも のではなぐ発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更をカ卩えて実施することがで きる。例えば水処理ユニットの姿勢であるが、上記実施形態での姿勢を「水平姿勢」 であるとした場合、「垂直姿勢」、すなわちケースの長手方向が垂直で流入口と流出 口が水平に突き出す姿勢、あるいは「横向き姿勢」、すなわちケースの長手方向が水 平で流入口と流出口が水平に突き出す姿勢での使用も可能である。また水処理の内 容も、金属イオンの溶出にとどまらず、電解水の生成などの実施も可能である。 産業上の利用可能性 本発明は、洗濯機のみならず、食器洗浄機や加湿器など、水を用いる機器全般 利用可能である。

Claims

請求の範囲

[I] 水を使用する機器に取り付けて用いられる着脱可能な水処理ユニットにおいて、 前記機器に設けられた給水口及び受水口に接続する流入口及び流出口を有する カートリッジタイプのケースと、このケースに内蔵され、通電により水処理機能を発揮 する電極とを備える。

[2] 請求項 1に記載の水処理ユニットにおいて、

前記ケースの外面に、前記電極に給電するためのコネクタ部が設けられている。

[3] 請求項 2に記載の水処理ユニットにおいて、

前記流入口と流出口とが同心的に配置されている。

[4] 請求項 3に記載の水処理ユニットにおいて、

前記機器に対するバョネット結合手段を有する。

[5] 請求項 3に記載の水処理ユニットにおいて、

前記ケースは細長い形状を有し、その一方の端に近い箇所に前記流入口と流出口 が設けられ、他方の端に近レ、箇所に前記コネクタ部が設けられる。

[6] 請求項 5に記載の水処理ユニットにおいて、

前記電極は前記コネクタ部の近傍から前記流出口の方へと延びるものとするととも に、前記ケースの内部には前記流入口から流入した水を前記電極のコネクタ近傍側 へ誘導する隔壁が形成されてレ、る。

[7] 請求項 1_6のいずれか 1項に記載の水処理ユニットにおいて、

電極間に電圧を印加してこの電極より抗菌性を有する金属イオンを溶出させること が水処理の内容である。

[8] 請求項 1一 6のいずれ力、 1項に記載の水処理ユニットを搭載した機器。

[9] 請求項 7に記載の水処理ユニットを搭載した機器。

[10] 請求項 8に記載の機器において、

前記水処理ユニットが機器外面に取り付けられる。

[II] 請求項 9に記載の機器において、

前記水処理ユニットが機器外面に取り付けられる。

[12] 請求項 8に記載の機器において、 機器が洗濯機である。

[13] 請求項 9に記載の機器において、 機器が洗濯機である。