JP2006006508A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 洗濯用の水を電気的に処理する水処理ユニットを備えるとともに、供給される水の水質に関わらず、水処理ユニットが機能を十分に発揮できる洗濯機を提供する。
【解決手段】 洗濯機1は水槽20と洗濯槽30を備え、水槽20の中に洗濯水を貯めて洗濯を行う。外部からの取水経路に開閉可能な給水弁50が設けられ、この給水弁50を経由した水が給水口53より水槽20に注がれる。給水弁50から給水口53までの給水経路52には、その中を流れる水にそれぞれ異なった処理を行う2種類の水処理ユニット100、210を直列に配置する。下流側の水処理ユニット100は水を電気的に処理する。上流側の水処理ユニット210は水の濾過及び水からの金属イオン除去を処理の内容とするものである。
【選択図】 図7
【解決手段】 洗濯機1は水槽20と洗濯槽30を備え、水槽20の中に洗濯水を貯めて洗濯を行う。外部からの取水経路に開閉可能な給水弁50が設けられ、この給水弁50を経由した水が給水口53より水槽20に注がれる。給水弁50から給水口53までの給水経路52には、その中を流れる水にそれぞれ異なった処理を行う2種類の水処理ユニット100、210を直列に配置する。下流側の水処理ユニット100は水を電気的に処理する。上流側の水処理ユニット210は水の濾過及び水からの金属イオン除去を処理の内容とするものである。
【選択図】 図7
Description
本発明は着脱可能な水処理ユニットを搭載する洗濯機に関する。
水を使用する機器において、使用する水の質を使用目的に適合するように変化させたいという要請がしばしば生じる。例えば洗濯機では、洗濯物に抗菌処理を施したいという要請が強い。この要請に応えるため、様々な提案がなされている。例を挙げると、特許文献1には、給水弁から分岐した複数の給水経路の少なくとも1つに収納庫を配設し、この収納庫に、水に含まれる遊離塩素を還元する還元剤を収納して、遊離塩素を除去するようにした洗濯機が記載されている。特許文献2には銀イオン、銅イオンなど殺菌力を有する金属イオンを発生するイオン発生機器を装備した電気洗濯機が記載されている。特許文献3には電界の発生によって洗浄液を殺菌するようにした洗濯機が記載されている。特許文献4には洗浄水に銀イオンを添加する銀イオン添加ユニットを具備した洗濯機が記載されている。特許文献5には水を電気分解した電解水を用いて洗濯、すすぎを行う洗濯機が記載されている。銀イオンを水に溶出する水処理ユニットを用いて抗菌処理を行う洗濯機については、既に商品化もなされている。
特開平10−24191号公報(第4−5頁、図1)
実開平5−74487号公報(第1頁、図1)
特開2000−93691号公報(第2頁、図1)
特開2001−276484号公報(第2頁、図1)
特開2003−24692号公報(第3−6頁、図8、10、12、17)
洗濯用の水を電気的に処理する場合、その電気的水処理ユニットに供給される水が塵埃や鉱物粉などの固形異物、あるいはカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの金属イオンを含むものであると、それらの水中不純物が電極に付着して通電を妨げ、水処理ユニットの機能が十分に発揮されないことがある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、洗濯用の水を電気的に処理する水処理ユニットを備えるとともに、供給される水の水質に関わらず、その水処理ユニットが機能を十分に発揮するようにした洗濯機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では洗濯機を次のように構成する。
(1)洗濯水を貯める水槽と、外部からの取水経路を遮断または開放する給水弁と、この給水弁を経由した水を前記水槽に注ぐ給水口と、前記給水弁から給水口までの給水経路とを備え、前記給水経路には、その中を流れる水にそれぞれ異なった処理を行う2種類の水処理ユニットを直列に配置するとともに、前記2種類の水処理ユニットのうち、下流側のユニットは水を電気的に処理するものとする。
(2)前記下流側の水処理ユニットは、電気分解により水を処理するものである。
(3)前記下流側の水処理ユニットは、電気分解により銀イオンを溶出するものである。
(4)前記2種類の水処理ユニットのうち上流側のユニットは、水の濾過を処理の内容とする。
(5)前記2種類の水処理ユニットのうち上流側のユニットは、水からの金属イオン除去を処理の内容とする。
(6)前記上流側及び下流側の水処理ユニットの少なくとも一方は着脱自在である。
(1)洗濯水を水槽に供給する前に、2種類の水処理ユニットでそれぞれ異なる水処理を行うから、洗濯水の水質を容易に調整できる。また、水を電気的に処理する水処理ユニットを下流側に置いたので、電極に障害をもたらす不純物を上流側の水処理ユニットで処理して、電気的処理の能力を低下させないようにすることができる。
(2)下流側の水処理ユニットは電気分解により水を処理するものであるから、上流側に存在する別の種類の水処理ユニットで保護されることにより、電気分解による水処理を安定して継続することができる。
(3)下流側の水処理ユニットは電気分解により銀イオンを溶出するものであるから、上流側に存在する別の種類の水処理ユニットで保護されることにより、銀イオンによる水処理を安定して継続することができる。
(4)上流側の水処理ユニットは水の濾過を処理の内容とするので、塵埃や鉱物粉などの固形異物を下流側の水処理ユニットに近づけず、下流側の水処理ユニットによる水の電気的処理を安定して継続させることができる。
(5)上流側の水処理ユニットは水からの金属イオン除去を処理の内容とするので、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの金属イオンが下流側水処理ユニットの電極に付着して通電を妨げるのを防ぎ、下流側の水処理ユニットの機能を十分に発揮させることができる。
(6)上流側及び下流側の水処理ユニットの少なくとも一方は着脱自在であるから、メンテナンスを容易に行うことができる。
以下、本発明洗濯機の第1実施形態を図1−22に基づき説明する。
図1は洗濯機1の全体構成を示す垂直断面図である。洗濯機1は全自動型のものであり、外箱10を備える。外箱10は直方体形状で、金属または合成樹脂により成形され、その上面と底面は開口部となっている。外箱10の上面開口部には合成樹脂製の上面板11を重ね、外箱10にネジで固定する。図1において左側が洗濯機1の正面、右側が背面であり、背面側に位置する上面板11の上面に同じく合成樹脂製のバックパネル12を重ね、外箱10または上面板11にネジで固定する。外箱10の底面開口部には合成樹脂製のベース13を重ね、外箱10にネジで固定する。これまでに述べてきたネジはいずれも図示しない。
ベース13の四隅には外箱10を床の上に支えるための脚部14a、14bが設けられている。背面側の脚部14bはベース13に一体成型した固定脚である。正面側の脚部14aは高さ可変のネジ脚であり、これを回して洗濯機1のレベル出しを行う。
上面板11には後述する洗濯槽に洗濯物を投入するための洗濯物投入口15が形設される。洗濯物投入口15を蓋16が上から覆う。蓋16は上面板11にヒンジ部17で結合され、垂直面内で回動する。
外箱10の内部には、洗剤で洗濯を行うための水あるいはすすぎ用の水(以下これらを総称して「洗濯水」という)を貯める水槽20と、脱水槽を兼ねる洗濯槽30を配置する。水槽20も洗濯槽30も上面が開口した円筒形のカップの形状を呈しており、各々軸線を垂直にし、水槽20を外側、洗濯槽30を内側とする形で同心的に配置される。水槽20をサスペンション部材21が吊り下げる。サスペンション部材21は水槽20の外面下部と外箱10の内面コーナー部とを連結する形で計4箇所に配備され、水槽20を水平面内で揺動できるように支持する。
洗濯槽30は上方に向かい緩やかなテーパで広がる周壁を有する。この周壁には、その最上部に環状に配置した複数個の脱水孔31を除き、液体を通すための開口部はない。すなわち洗濯槽30はいわゆる「穴なし」タイプである。洗濯槽30の上部開口部の縁には、洗濯物の脱水のため洗濯槽30を高速回転させるときに振動を抑制する働きをする環状のバランサ32を装着する。洗濯槽30の内部底面には槽内で洗濯水の流動を生じさせるためのパルセータ33を配置する。
水槽20の下面には駆動ユニット40が装着される。駆動ユニット40はモータ41、クラッチ機構42、及びブレーキ機構43を含み、その中心部から脱水軸44とパルセータ軸45を上向きに突出させている。脱水軸44とパルセータ軸45は脱水軸44を外側、パルセータ軸45を内側とする二重軸構造となっており、水槽20の中に入り込んだ後、脱水軸44は洗濯槽30に連結されてこれを支える。パルセータ軸45はさらに洗濯槽30の中に入り込み、パルセータ33に連結してこれを支える。脱水軸44と水槽20の間、及び脱水軸44とパルセータ軸45の間には各々水もれを防ぐためのシール部材を配置する。
バックパネル12の下の空間には電磁的に開閉する給水弁50(図2参照)が配置される。給水弁50は水道などの外部水源から取水経路(多くの場合はホース)を通じて取水し、洗濯水として水槽20に供給するものであり、取水経路の遮断または開放を行う。給水弁50からはパイプ状の取水口51が延び出す。取水口51には、バックパネル12に形成した透孔12a(図7参照)を通じてホースを接続できるようになっている。給水弁50は取水口51から外部の水を受け、受けた水を給水口53まで、給水経路52を通じて供給する。給水口53は容器状で、洗濯槽30の内部に臨む位置にあり、図2に示す構造を有する。
図2には正面側から見た給水口53の模型的垂直断面が示されている。給水口53の内部には、正面側から引き出し53aが挿入される。引き出し53aの内部は左右に区画されている。左側の区画は洗剤室54で、洗剤を入れておく準備空間となる。右側の区画は仕上剤室55で、洗濯用の仕上剤を入れておく準備空間となる。洗剤室54の底部背面側には横長の流出口54aが設けられている。流出口54aから流れ出した水は一旦給水口53の底部に落ちた後、給水口53の正面側に設けられた横長の注水口56から洗濯槽30に注ぎ込まれる。
仕上剤室55にはサイホン部57が設けられている。サイホン部57は仕上剤室55の底面から垂直に立ち上がる内管57aと、内管57aにかぶせられるキャップ状の外管57bとからなる。内管57aと外管57bの間には水の通る隙間が形成されている。内管57aの底部は給水口53の底部に向かって開口する。外管57bの下端は仕上剤室55の底面と所定の隙間を保ち、ここが水の入口になる。内管57aの上端を超えるレベルまで仕上剤室55に水が注ぎ込まれるとサイホンの作用が起こり、水はサイホン部57を通って仕上剤室55から吸い出され、給水口53の底部へと落下する。その水も注水口56から洗濯槽30に注ぎ込まれる。
給水弁50はメイン給水弁50aとサブ給水弁50bからなる。取水口51はメイン給水弁50a及びサブ給水弁50bの両方に共通である。給水経路52はパイプやホースからなり、給水弁50から給水口53までをつなぐものであるが、これもメイン給水弁50aに接続されたメイン給水経路52aとサブ給水弁50bに接続されたサブ給水経路52bとに分かれている。
メイン給水経路52aは洗剤室54の上にあたる給水口53の天井壁に接続され、洗剤室54に水を注ぎ込む。サブ給水経路52bは仕上剤室55の上にあたる給水口53の天井壁に接続され、仕上剤室55に水を注ぎ込む。すなわちメイン給水経路52aから洗剤室54を通って洗濯槽30に注ぐ経路と、サブ給水経路52bから仕上剤室55を通って洗濯槽30に注ぐ経路とは別系統になっている。
図1に戻って説明を続ける。水槽20の底部には水槽20及び洗濯槽30の中の水を外箱10の外に排水する排水ホース60が取り付けられる。排水ホース60には排水管61及び排水管62から水が流れ込む。排水管61は水槽20の底面の外周寄りの箇所に接続されている。排水管62は水槽20の底面の中心寄りの箇所に接続されている。
水槽20の内部底面には排水管62の接続箇所を内側に囲い込むように環状の隔壁63が固定されている。隔壁63の上部には環状のシール部材64が取り付けられる。このシール部材64が洗濯槽30の底部外面に固定したディスク65の外周面に接触することにより、水槽20と洗濯槽30との間に独立した排水空間66が形成される。排水空間66は洗濯槽30の底部に形設した排水口67を介して洗濯槽30の内部に連通する。
排水管62には電磁的に開閉する排水弁68が設けられる。排水管62の排水弁68の上流側にあたる箇所にはエアトラップ69が設けられる。エアトラップ69からは導圧管70が延び出す。導圧管70の上端には水位スイッチ71が接続される。
外箱10の正面側には制御部80を配置する。制御部80は上面板11の下に置かれており、上面板11の上面に設けられた操作/表示部81を通じて使用者からの操作指令を受け、駆動ユニット40、給水弁50、及び排水弁68に動作指令を発する。また制御部80は操作/表示部81に表示指令を発する。制御部80は後述する水処理ユニットの駆動回路を含む。
洗濯機1の動作につき説明する。蓋16を開け、洗濯物投入口15から洗濯槽30の中へ洗濯物を投入する。また給水口53から引き出し53aを引き出し、洗剤室54には洗剤を入れる。必要なら給水口53の仕上剤室55に仕上剤を入れる。洗剤と仕上剤を入れた後、引き出し53aを元のように給水口53に押し込む。なお仕上剤は洗濯工程の途中で入れてもよい。
洗剤の投入準備を整えた後、蓋16を閉じ、操作/表示部81の操作ボタン群を操作して洗濯条件を選ぶ。最後にスタートボタンを押せば、図3−6のフローチャートに従い洗濯工程が遂行される。
図3は洗濯の全体工程を示すフローチャートである。ステップS201では、設定した時刻に洗濯を開始する、予約運転の選択がなされているかどうかを確認する。予約運転が選択されていればステップS206に進む。選択されていなければステップS202に進む。
ステップS206に進んだ場合は運転開始時刻になったかどうかの確認が行われる。運転開始時刻になったらステップS202に進む。
ステップS202では洗い工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択がなされていればステップS300に進む。ステップS300の洗い工程の内容は別途図4のフローチャートで説明する。洗い工程終了後、ステップS203に進む。洗い工程の選択がなされていなければステップS202から直ちにステップS203に進む。
ステップS203ではすすぎ工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていればステップS400に進む。ステップS400のすすぎ工程の内容は別途図5のフローチャートで説明する。図3ではすすぎ工程を3回にわたって実施することとし、各回のステップ番号には「S400−1」「S400−2」「S400−3」と枝番号を付して表記している。すすぎ工程の回数は使用者が任意に設定できる。この場合は「S400−3」が最終のすすぎ工程になる。
すすぎ工程終了後、ステップS204に進む。すすぎ工程の選択がなされていなければステップS203から直ちにステップS204に進む。
ステップS204では脱水工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていればステップS500に進む。ステップS500の脱水工程の内容は別途図6のフローチャートで説明する。脱水工程終了後、ステップS205に進む。脱水工程の選択がなされていなければステップS204から直ちにステップS205に進む。
ステップS205では制御部80、特にその中に含まれる演算装置(マイクロコンピュータ)の終了処理が手順に従って自動的に進められる。また洗濯工程が完了したことを終了音で報知する。すべてが終了した後、洗濯機1は次の洗濯工程に備えて待機状態に戻る。
続いて図4−6に基づき洗い、すすぎ、脱水の各個別工程につき説明する。
図4は洗い工程のフローチャートである。ステップS301では水位スイッチ71の検知している洗濯槽30内の水位データのとり込みが行われる。ステップS302では容量センシングの選択がなされているかどうかを確認する。選択されていればステップS308に進む。選択されていなければステップS302から直ちにステップS303に進む。
ステップS308ではパルセータ33の回転負荷により洗濯物の量を測定する。容量センシング後、ステップS303に進む。
ステップ303ではメイン給水弁50aが開き、メイン給水経路52a及び給水口53を通じて洗濯槽30に水が注がれる。給水口53の洗剤室54に入れられた洗剤も水に混じって洗濯槽30に投入される。排水弁68は閉じている。水位スイッチ71が設定水位を検知したらメイン給水弁50aは閉じる。そしてステップS304に進む。
ステップS304ではなじませ運転を行う。パルセータ33が反転回転し、洗濯物と水を攪拌して、洗濯物を水になじませる。これにより、洗濯物に水を十分に吸収させる。また洗濯物の各所にとらわれていた空気を逃がす。なじませ運転の結果、水位スイッチ71の検知する水位が当初より下がったときは、ステップS305でメイン給水弁50aを開いて水を補給し、設定水位を回復させる。
「布質センシング」を行う洗濯コースを選んでいれば、なじませ運転と共に布質センシングが実施される。なじませ運転を行った後、設定水位からの水位変化を検出し、水位が規定値以上に低下していれば吸水性の高い布質であると判断する。
ステップS305で安定した設定水位が得られた後、ステップS306に移る。使用者の設定に従い、モータ41がパルセータ33を所定のパターンで回転させ、洗濯槽30の中に洗濯のための主水流を形成する。この主水流により洗濯物の洗濯が行われる。脱水軸44にはブレーキ装置43によりブレーキがかかっており、洗濯水及び洗濯物が動いても洗濯槽30は回転しない。
主水流の期間が経過した後、ステップS307に進む。ステップS307ではパルセータ33が小刻みに反転して洗濯物をほぐし、洗濯槽30の中に洗濯物がバランス良く配分されるようにする。これは洗濯槽30の脱水回転に備えるためである。
続いて図5のフローチャートに基づきすすぎ工程を説明する。最初にステップS500の脱水工程が入るが、これについては図6のフローチャートで説明する。脱水後、ステップS401に進む。ステップS401ではメイン給水弁50aが開き、設定水位まで給水が行われる。
給水後、ステップS402に進む。ステップS402ではなじませ運転が行われる。ステップS402のなじませ運転では、ステップS500(脱水工程)で洗濯槽30に貼り付いた洗濯物を剥離し、水になじませ、洗濯物に水を十分に吸収させる。
なじませ運転の後、ステップS403に進む。なじませ運転の結果、水位スイッチ71の検知する水位が当初より下がっていたときはメイン給水弁50aを開いて水を補給し、設定水位を回復させる。
ステップS403で設定水位を回復した後、ステップS404に進む。使用者の設定に従い、モータ41がパルセータ33を所定のパターンで回転させ、洗濯槽30の中にすすぎのための主水流を形成する。この主水流により洗濯物のすすぎが行われる。脱水軸44にはブレーキ装置43によりブレーキがかかっており、すすぎ水及び洗濯物が動いても洗濯槽30は回転しない。
主水流の期間が経過した後、ステップS405に移る。ステップS405ではパルセータ33が小刻みに反転して洗濯物をほぐす。これにより洗濯槽30の中に洗濯物がバランス良く配分されるようにし、脱水回転に備える。
上記説明では洗濯槽30の中にすすぎ水をためておいてすすぎを行う「ためすすぎ」を行うものとしたが、洗濯槽30を低速回転させながら給水口53より水を注ぐ「シャワー注水」を行うこともある。どちらを採用するか、あるいは両方とも採用するかは使用者の選択により決定される。
続いて図6のフローチャートに基づき脱水工程を説明する。まずステップS501で排水弁68が開く。洗濯槽30の中の洗濯水は排水空間66から排水管62を通じて排水される。排水弁68は脱水工程中は開いたままである。
所定時間が経過し、洗濯物から大部分の洗濯水が抜けたところでクラッチ装置42が切り替わり、モータ41が今度は脱水軸44を回転させる。これにより洗濯槽30が脱水回転を行う。パルセータ33も洗濯槽30とともに回転する。
洗濯槽30が高速で回転すると、洗濯物は遠心力で洗濯槽30の内周壁に押しつけられる。洗濯物に含まれていた洗濯水も洗濯槽30の周壁内面に集まってくるが、前述の通り、洗濯槽30はテーパ状に上方に広がっているので、遠心力を受けた洗濯水は洗濯槽30の内面を上昇する。洗濯水は洗濯槽30の上端にたどりついたところで脱水孔31から放出される。脱水孔31を離れた洗濯水は水槽20の内面にたたきつけられ、水槽20の内面を伝って水槽20の底部に流れ落ちる。そして排水管61と、それに続く排水ホース60を通って外箱10の外に排出される。
図6のフローでは、ステップS502で比較的低速の脱水運転を行った後、ステップS503で高速の脱水運転を行う構成となっている。ステップS503の後、ステップS504に移行する。ステップS504ではモータ41への通電を断ち、停止処理を行う。
さて、洗濯機1には2種類の水処理ユニット100、210をそれぞれ着脱自在に取り付ける。水処理ユニット100、210は給水経路52に直列に配置され、給水経路52の中を流れる水にそれぞれ異なる処理を行う。上流側に配置されるのが水処理ユニット210、下流側に配置されるのが水処理ユニット100である。以下図7−21に基づき水処理ユニット100、210の構造と機能、及び洗濯機1に搭載されて果たす役割につき説明する。水処理ユニット210の方から説明を開始する。
図7は洗濯機1の上面部分の斜視図である。水処理ユニット210はバックパネル12の上面のほぼ中央に設置されるものであり、図8に示す構造を備える。
水処理ユニット210は円筒を横にした形のケース211を備える。ケース211は一端が閉じ、他端が開いた形であり、開放端は着脱可能なキャップ212で閉ざされる。ケースの内部は、キャップ212の側から受水室213、濾過室214、吸着室215、給水室216と合計4室に区画されている。
受水室213からはパイプ状の流入口217が下向きに突出する。給水室216からは同じくパイプ状の流出口218が下向きに突出する。流入口217はエルボ管219(メイン給水路52aの一環をなすものである)を介して給水弁50のメイン給水弁50aに接続される。流出口218はエルボ管220(これもメイン給水路52aの一環をなすものである)を介して水処理ユニット100に接続される。
濾過室214にはフィルタ221を収納する。フィルタ221は水に含まれる塵埃や鉱物粉などの固形異物を捕捉して水処理ユニット100に近づけず、水処理ユニット100による水の電気的処理(詳細は後述する)を安定して継続させる働きをする。
吸着室215にはイオン交換樹脂や粒状ゼオライトなどの吸着材222を収納する。吸着材222は水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの金属イオンを吸着して水から除去し、これらの金属イオンが水処理ユニット100の電極(詳細は後述する)に付着して通電を妨げるのを防ぐ働きをする。
キャップ212はネジなどの結合手段を用いてケース211に容易に取り付けたり、取り外したりすることができるようにする。フィルタ221や吸着材222の交換を簡単に行えるようにするためである。水処理ユニット210は給水弁50の下流側に配置されているので、洗濯運転終了後は水圧等の影響を受けることがなく、また、水中に浸された状態とはならないので、その寿命を損ねることもない。
下流側の水処理ユニット100は、バックパネル12の中で、水処理ユニット210の向かって右側に配置されるものであり、図9−20に示す構造を備える。
図9は水処理ユニット100の平面図、図10は底面図、図11はケースのベースの平面図、図12は図11の線A−Aに沿って切断した垂直断面図、図13は図11の線B−Bに沿って切断した垂直断面図、図14は図11の線C−Cに沿って切断した垂直断面図、図15は側面図、図16は図11の線D−Dに沿って切断した垂直断面図、図17は図11の線E−Eに沿って切断した垂直断面図、図18は図11の線F−Fに沿って切断した垂直断面図、図19及び図20は水処理ユニット100を取り付けた洗濯機1の部分垂直断面図にして、互いに直角の方向に切断したものである。
水処理ユニット100は小判に似た細長い平面形状の合成樹脂製ケース101を有する。ケース101はベース101aとこれにかぶさるカバー101bからなる。ベース101aの上面には平面形状長円形の隔壁102を形成する。カバー101bの下面には隔壁102の上端を受け入れる二重壁103を形成する。二重壁103の中に環状のシール部材104を入れた状態でカバー101bをベース101aにかぶせ、ベース101aの下面からネジ105をカバー101bにネジ込んで締め付ければ、ベース101aとカバー101bとが結合されるとともに、内部には隔壁102に周囲を囲まれた空間106が形成される。なお、ネジ105は4箇所に配置される。
前述の通りケース101は細長い形状を有するが、その一方の端に近い側に管状の流入口107と流出口108が設けられる。流入口107と流出口108はベース101aの下面から下方に垂直に延び出すものであり、流入口107を外側、流出口108を内側にして同心的に配置されている。なおここで「同心的」とは、流入口107の断面領域内に流出口108が存在するということである。流入口107と流出口108の断面中心同士が重なる「同軸配置」であること、また流入口107と流出口108の断面がいずれも円形であることは必須条件ではない。ただし本実施形態では、後述するようにケース101にひねりを加えて洗濯機1に装着し、また洗濯機1から取り外すという構成を採用している関係上、流入口107と流出口108を同軸配置とし、またいずれも断面円形としている。ひねりを加えないで単に上から押し込む取り付け方であれば、流入口107と流出口108の中心同士がずれていたり、円形以外の断面であったりする構成も可能である。
空間106にはもう一つの隔壁109を設ける。隔壁109はベース101aの上面から立ち上がる隔壁部分109aとカバー101bの下面から垂下する隔壁部分109bにより構成される。隔壁部分109aは一方が開き他方が閉じた袋小路110を形成するものであり、この袋小路110の行き止まりの箇所に流出口108が配置されている(図10参照)。流入口107は隔壁部分109aの外側に開口する。つまり流入口107と流出口108とは隔壁部分109aによって仕切られた形になる。
カバー101bに形成される隔壁部分109bは、隔壁部分109aの開いた方の端に整列する形で設けられ、これにより、袋小路110が延長された形になる。
袋小路110の中には2枚の板状電極113、114を互いに平行する形で、且つ所定間隔を置いて配置する。電極113、114は抗菌性を有する金属イオンのもとになる金属、すなわち銀、銅、亜鉛などからなる。電極113、114は例えば2cm×5cm、厚さ1mm程度の平板状の銀プレートにより構成し、5mmの距離を隔てて配置する。
電極113、114は袋小路110の入口から流出口108の方へと延びる。流入口107から空間106に流入した水は隔壁109の外側を通って袋小路110の入口へと誘導され、袋小路110に入った後、電極113、114の長手方向に沿って流出口108へと流れて行く。
隔壁部分109aの上端とカバー101bの下面との間には若干の隙間を設ける。これは、流出口108への水の供給経路が袋小路110の入口だけであると水量が不足気味になるので、それを補うためである。
ベース101aの上面とカバー101bの下面には、電極113、114を抱える枕形の突起111a、111bを形成する。突起111a、111bの間に電極113、114を挟み、前述のようにネジ105を締め付ければ、電極113、114は互いの間、隔壁109の内面との間、またベース101aとの間、及びカバー101bとの間に所定の間隔を保つ形でしっかりと保持される。
電極113、114には、袋小路110の入口の近傍の箇所において、コネクタブレード112a、112bを形成する。コネクタブレード112a、112bは水密シール部材115とベース101aを突き抜ける形でベース101aの下面に突出し、コネクタ部112を形成する。コネクタ部112は、流入口107及び流出口108がケース101の一方の端に近い箇所に設けられているのに対し、その反対側の端に近い箇所に設けられる。なお流入口107及び流出口108の突出方向とコネクタ部112の突出方向は同じである。
ベース101aには、ケース101をバックパネル12にバヨネット結合するためのバヨネットフック116を形成する。バヨネットフック116は、流入口107より外側に、流入口107を中心とする点対称をなすように2個配置する。
流入口107の外面には後述するシールリングを取り付ける環状溝117を形成する。またカバー101bの一角には蓋118を設ける。蓋118の下の位置には、カバー101bとベース101aを貫通する透孔119を形成する。
図19、20に見られるように、バックパネル12には給水口171と受水口172を一体成形した水路形成部材170が取り付けられている。給水口171及び受水口172はバックパネル12に設けた開口から露出し、水処理ユニット100を受け入れる。すなわち水路形成部材170は水処理ユニット100の設置場所を構成する。給水口171及び受水口172はいずれも管状であって、軸線を垂直にする形で同心的に配置される。
給水口171からは給水管173が水平に突出する。給水管173は水処理ユニット210の側のエルボ管220に接続される。給水口171の内面上部にはバヨネットフック116を受け入れる凹部174を形成する。凹部174の底近くにはバヨネットフック116の先端を係合させる係合部を形成するが、これは図示しない。
受水口172は水路形成部材170の底面に突出した接続管175に連通する。給水口53に連通するエルボ管176(これもメイン給水路52aの一環をなすものである)が接続管175に接続する。
バックパネル12にはコネクタ部112を受け入れる凹部177を形成する。凹部177の中には図示しないコネクタが配置される。コネクタは所定の遊びを有するリード線に接続され、バックパネル12の上に引き出した状態でコネクタ部112への接続、あるいはコネクタ部112からの抜き取りが行えるようになっている。コネクタ部112へのコネクタの接続により、電極113、114に対する駆動回路(後述)の電気的接続が確立される。
水処理ユニット100を洗濯機1に取り付けるにあたっては、バックパネル12の上でコネクタ部112とコネクタとの接続を済ませてから流入口107を給水口171に差し込む。この時、バヨネットフック116を凹部174に入れる。ケース101を上から押さえると、流入口107は給水口171の中に、流出口108は受水口172の中に、それぞれ侵入して行く。
流入口107を給水口171に十分深くまで押し込んだ後、ケース101を少しひねると、バヨネットフック116の先端が凹部174の中の係合部に引っかかり、以後、ケース101を引き抜こうとしても抜けなくなる。この状態になったところで蓋118を開け、透孔119を通じてネジ178を水路形成部材170にねじ込む。これによりケース101は回転を阻止され、完全に洗濯機1に固定される。
水処理ユニット100は流入口107の環状溝117にシールリング179をはめ込んだ状態で洗濯機1に取り付けられる。水処理ユニット100を洗濯機1に固定した状態ではシールリング179が流入口107と給水口171との間の水密を保つ。
水処理ユニット100を取り外すときは、蓋118を開けてネジ178を取り外し、ケース101を取付時とは反対の方向にひねる。するとバヨネットフック116が係合部から外れるので、そのままケース101を上方に引き抜く。そしてコネクタ部112からコネクタを外す。
上記のような取り付け、取り外しの作業はドライバー1本でできる。すなわち専門家の手を煩わすまでもなく、使用者が自分で簡単に水処理ユニット100の交換を行うことができる。
水処理ユニット210も、摩擦嵌合あるいは少数のネジによりバックパネル12に固定し、フィルタ221が目詰まりしたときや吸着材222の吸着性能が落ちたときには使用者が自分で簡単に交換できるようにする。
図21に示すのは水処理ユニット100の駆動回路120である。商用電源より給電される電源回路121にトランス122が接続され、100Vを所定の電圧に降圧する。トランス122の出力電圧は全波整流回路123によって整流された後、定電圧回路124で定電圧とされる。定電圧回路124には定電流回路125が接続されている。定電流回路125は後述する電極駆動回路150に対し、電極駆動回路150内の抵抗値の変化にかかわらず一定の電流を供給するように動作する。
電源回路121にはトランス122と並列に整流ダイオード126が接続される。整流ダイオード126の出力電圧はコンデンサ127によって平滑化された後、定電圧回路128によって定電圧とされ、中央制御部130に供給される。中央制御部130はトランス122の一次側コイルの一端と電源回路121との間に接続されたトライアック129を起動制御する。
電極駆動回路150はNPN型トランジスタQ1−Q4とダイオードD1、D2、抵抗R1−R7を図のように接続して構成されている。トランジスタQ1とダイオードD1はフォトカプラ151を構成し、トランジスタQ2とダイオードD2はフォトカプラ152を構成する。すなわちダイオードD1、D2はフォトダイオードであり、トランジスタQ1、Q2はフォトトランジスタである。
今、中央制御部130からラインL1にハイレベル、ラインL2にローレベルの電圧(またはゼロ電圧、すなわち「OFF」)が与えられると、ダイオードD2がONになり、それに付随してトランジスタQ2もONになる。トランジスタQ2がONになると抵抗R3、R4、R7に電流が流れ、トランジスタQ3のベースにバイアスがかかり、トランジスタQ3はONになる。
一方、ダイオードD1はOFFなのでトランジスタQ1はOFF、トランジスタQ4もOFFとなる。この状態では、陽極側の電極113から陰極側の電極114に向かって電流が流れる。これによって水処理ユニット100内で、陽極から金属イオンが溶出する。
このように、ケース101の中に水が存在する状態で電極113、114に所定の電圧を印加すると、電極113、114において電気分解の作用が生じ、陽極側から電極構成金属の金属イオンが溶出する。この場合、ケース101の中の水に塵埃や鉱物粉などの固形異物、あるいはカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの金属イオンが含まれていると、それらの水中不純物が電極に付着して電極金属の溶出を妨げる。電極が銀であれば銀イオンの溶出が妨げられて水中の銀イオン濃度が所期のレベルに達せず、目的とする抗菌効果が得られなくなる。
また電極113、114にカルシウムイオンやマグネシウムイオンが局部的に付着すると、その付着した箇所では電極金属の溶出が鈍る一方、付着しなかった箇所では溶出が却って加速され、電極が偏って減耗する。これは電極寿命を縮める。
しかしながら本実施形態では、水処理ユニット100の電気的処理機能を低下させるような水中不純物は上流側で水処理ユニット210が取り除いており、水処理ユニット100を安定して機能させることができる。電極113、114が銀であれば、銀イオンによる水処理を安定して継続することができる。
水処理ユニット100に長時間一方向に電流を流すと、図21で陽極側となっている電極113が減耗するとともに、陰極側となっている電極114には水中の不純物がスケールとして固着する。これは水処理ユニット100の性能低下をもたらすので、強制的電極洗浄モードで電極駆動回路150を運転できるようになっている。
電極の極性を反転するにあたっては、ラインL1、L2の電圧を逆にして、電極113、114を逆方向に電流が流れるように中央制御部130が制御を切り替える。この場合、トランジスタQ1、Q4がON、トランジスタQ2、Q3がOFFとなる。中央制御部130はカウンタ機能を有していて、所定カウント数に達する度に上述の切り替えを行う。
電極駆動回路150内の抵抗の変化、特に電極113、114の抵抗変化によって、電極間を流れる電流値が減少するなどの事態が生じた場合は、定電流回路125がその出力電圧を上げ、電流の減少を防止する。しかしながら、累積使用時間が長くなると水処理ユニット100が寿命を迎え、強制的電極洗浄モードへの切り替えや、定電流回路125の出力電圧上昇を実施しても電流減少を防げなくなる。
そこで本回路では、水処理ユニット100の電極113、114間を流れる電流を抵抗R7に生じる電圧によって監視し、その電流が所定の最小電流値に至ると、それを電流検知回路160が検出するようにしている。最小電流値を検出したという情報はフォトカプラ163を構成するフォトダイオードD3からフォトトランジスタQ5を介して中央制御部130に伝達される。中央制御部130は線路L3を介して警告報知手段131を駆動し、所定の警告表示を行わせる。警告報知手段131は操作/表示部81に配置されている。
また、電極駆動回路150内でのショートなどの事故については、電流が所定の最大電流値以上になったことを検出する電流検知回路161が用意されており、この電流検知回路161の出力に基づいて中央制御部130は警告報知手段131を駆動する。さらに、定電流回路125の出力電圧が予め定めた最小値以下になると、電圧検知回路162がこれを検知し、同様に中央制御部130が警告報知手段131を駆動する。
駆動回路120は、洗濯機1に搭載された水処理ユニット100を次のように駆動する。
図22は金属イオン投入のシーケンスを示すフローチャートである。図22のシーケンスは、図5のフローのステップS404(主水流)をもって最終すすぎが行われるときに遂行される。すなわち最終すすぎが開始されるとステップS411で金属イオンの投入が選択されているかどうかを確認する。操作/表示部81による選択動作で「金属イオンの投入」が選択されていればステップS412に進む。選択されていなければステップS414に進む。
ステップS412ではメイン給水弁50aが開き、水処理ユニット100に所定流量の水を流す。同時に駆動回路120が電極113、114の間に電圧を印加し、電極構成金属のイオンを水中に溶出させる。電極間を流れる電流は直流である。金属イオン含有水は給水口53から洗濯槽30に投入される。
所定量の金属イオン含有水が投入され、すすぎ水の金属イオン濃度が所定値に達したと判断されたところでメイン給水弁50aは閉じ、電極113、114への電圧印加も停止される。
続いてステップS413ですすぎ水が攪拌され、洗濯物と金属イオンとの接触が促進される。所定時間の間攪拌を行う。
続いてステップS414で仕上剤の投入が選択されているかどうかを確認する。この確認ステップはもっと前に置いてもよい。ステップS411で金属イオンの投入設定の確認と同時に確認してもよい。操作/表示部81を通じての選択動作で「仕上剤の投入」が選択されていればステップS415に進む。選択されていなければステップS405に進む。ステップS405ではパルセータ33が小刻みに反転して洗濯物をほぐし、洗濯槽30の中に洗濯物がバランス良く配分されるようにして脱水回転に備える。
ステップS415ではサブ給水弁50bが開き、給水口53の仕上剤室55に水を流す。仕上剤室55に仕上剤が入れられていれば、その仕上剤はサイホン部57から水と共に洗濯槽30に投入される。仕上剤室55の中の水位が所定高さに達してはじめてサイホン効果が生じるので、時期が来て水が仕上剤室55に注入されるまで、液体の仕上剤を仕上剤室55に貯めておくことができる。
所定量(サイホン部57にサイホン作用を起こさせるに足る量か、それ以上)の水を仕上剤室55に注入したところでサブ給水弁50bは閉じる。なおこの水の注入工程すなわち仕上剤投入動作は、仕上剤が仕上剤室55に入れられているかどうかに関わりなく、仕上剤の投入工程が選択されていれば自動的に実行される。
続いてステップS416ですすぎ水が攪拌され、洗濯物と仕上剤との接触が促進される。所定時間の間攪拌を行った後、ステップS405に進む。
上記シーケンスによれば、すすぎ水に対する金属イオンの投入実行後、所定時間の経過を待ってすすぎ水に対する仕上剤の投入が実行される。そのため、金属イオンと仕上剤(柔軟剤)を同時にすすぎ水に投入すれば金属イオンが柔軟剤成分と反応して抗菌性が減殺されるところ、金属イオンが洗濯物に十分に付着した後に仕上剤が投入されるものであり、金属イオンと仕上剤成分との反応が防がれ、金属イオンの抗菌効果を洗濯物に残すことができる。
電極113、114を構成する金属は銀、銅、もしくは銀と銅の合金であることが好ましい。銀電極から溶出する銀イオンは殺菌効果に優れ、銅電極から溶出する銅イオンは防カビ効果に優れる。銀と銅の合金からは銀イオンと銅イオンを同時に溶出させることができる。
電極113、114を銀電極とした場合に溶出する銀イオンは陽イオンである。洗濯物は水中では負に帯電しており、このため銀イオンは洗濯物に電気的に吸着される。洗濯物に吸着された状態では銀イオンは電気的に中和される。そのため仕上剤(柔軟剤)の成分である塩化物イオン(陰イオン)とは反応しにくくなる。ただし銀イオンは時間をかけて洗濯物に吸着されて行くので、仕上剤投入までにある程度時間を置かねばならない。そこで、銀イオン投入後の攪拌時間は10分を確保する。仕上剤投入後の攪拌時間は3分ほどで十分である。
銀イオンをはじめとする金属イオンはメイン給水経路52aから洗剤室54を通って洗濯槽30に投入される。仕上剤は仕上剤室55から洗濯槽30に投入される。このように金属イオンをすすぎ水に投入するための経路と、仕上剤をすすぎ水に投入するための経路とが別系統のため、仕上剤をすすぎ水に投入するための経路を金属イオンが通り、この経路に残留していた仕上剤に金属イオンが接触して化合物となり、抗菌力を失うということがない。
また上記シーケンスによれば、金属イオン及び仕上剤のそれぞれの投入に伴ってすすぎ水の攪拌が実行される。これにより、金属イオン及び仕上剤を洗濯物全体に確実に付着させることができる。
水処理ユニット100を駆動するにあたり、駆動回路120の定電流回路125は電極113、114間を流れる電流が値一定となるよう電圧を制御する。これにより、単位時間あたりの金属イオン溶出量が一定になる。単位時間あたりの金属イオン溶出量が一定であれば、水処理ユニット100に流す水量とイオン溶出時間を制御することにより洗濯槽30内の金属イオン濃度を制御することができることになり、所望の金属イオン濃度を得るのが容易になる。
電極113、114が減耗すると、値一定の電流を保つのに必要な電圧が高くなる。電圧が所定のしきい値を超えたら、電極113、114の減耗が限界に達したものと判断し、警告報知手段131にその旨を報知させる。また水処理ユニット100の交換を促すメッセージを出させる。これを受け、使用者は水処理ユニット100の交換を行う。
上記実施形態において、水処理ユニット100、210を組み合わせる洗濯機1は一般的な構造の全自動洗濯機であった。しかしながら水処理ユニット100、210を組み合わせる洗濯機はこれに限られるものではなく、横型ドラム(タンブラー方式)、斜めドラム、乾燥機兼用のもの、または二槽式など、あらゆる形式の洗濯機が適用対象となる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば下流側の水処理ユニットの姿勢であるが、上記実施形態での姿勢を「水平姿勢」であるとした場合、「垂直姿勢」、すなわちケースの長手方向が垂直で流入口と流出口が水平に突き出す姿勢、あるいは「横向き姿勢」、すなわちケースの長手方向が水平で流入口と流出口が水平に突き出す姿勢での使用も可能である。また電気的な水処理の内容も、金属イオンの溶出に限定されない。オゾン水や酸性水又はアルカリ水などの電解水の生成を行ってもよい。
上流側及び下流側の水処理ユニットは、それぞれ単数である必要はない。一方あるいは双方を複数としてもよい。
本実施形態では、上流側の水処理ユニットは水中不純物の除去をもって下流側の水処理ユニットによる水の電気的処理に貢献するものとしたが、これ以外の手段で貢献することとしてもよい。
本発明は、洗濯機に広く利用可能である。
1 洗濯機
10 外箱
20 水槽
30 洗濯槽
33 パルセータ
40 駆動ユニット
50 給水弁
53 給水口
68 排水弁
80 制御部
81 操作/表示部
100 水処理ユニット
101 ケース
113、114 電極
120 駆動回路
130 中央制御部
210 水処理ユニット
221 フィルタ
222 吸着材
10 外箱
20 水槽
30 洗濯槽
33 パルセータ
40 駆動ユニット
50 給水弁
53 給水口
68 排水弁
80 制御部
81 操作/表示部
100 水処理ユニット
101 ケース
113、114 電極
120 駆動回路
130 中央制御部
210 水処理ユニット
221 フィルタ
222 吸着材
Claims (6)
- 洗濯水を貯める水槽と、外部からの取水経路を遮断または開放する給水弁と、この給水弁を経由した水を前記水槽に注ぐ給水口と、前記給水弁から給水口までの給水経路とを備え、前記給水経路には、その中を流れる水にそれぞれ異なった処理を行う2種類の水処理ユニットを直列に配置するとともに、前記2種類の水処理ユニットのうち、下流側のユニットは水を電気的に処理するものであることを特徴とする洗濯機。
- 前記下流側の水処理ユニットは、電気分解により水を処理するものであることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
- 前記下流側の水処理ユニットは、電気分解により銀イオンを溶出するものであることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
- 前記2種類の水処理ユニットのうち上流側のユニットは、水の濾過を処理の内容とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯機。
- 前記2種類の水処理ユニットのうち上流側のユニットは、水からの金属イオン除去を処理の内容とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯機。
- 前記上流側及び下流側の水処理ユニットの少なくとも一方は着脱自在であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗濯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004185936A JP2006006508A (ja) | 2004-06-24 | 2004-06-24 | 洗濯機 |
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JP2004185936A JP2006006508A (ja) | 2004-06-24 | 2004-06-24 | 洗濯機 |
Publications (1)
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JP2004185936A Pending JP2006006508A (ja) | 2004-06-24 | 2004-06-24 | 洗濯機 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020133916A (ja) * | 2019-02-13 | 2020-08-31 | 株式会社コロナ | イオン溶出ユニット |
-
2004
- 2004-06-24 JP JP2004185936A patent/JP2006006508A/ja active Pending
Cited By (2)
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