JP2005002368A - ホイスカー防止用スズメッキ浴 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可溶性第一スズ塩と、バナジウム、ニッケル、ビスマスよりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属を含有し、且つ、このホイスカー抑制金属の含有量がメッキ浴に対して100〜2000ppmであるスズメッキ浴である。ホイスカー抑制金属を特定の微量濃度以上で含むため、メッキ皮膜のスズホイスカーを有効に防止できる。また、コバルト、インジウム、亜鉛などもホイスカー抑制金属となり、これらの金属では20ppm又は10ppm以上の含有量(上限は共に2000ppm)でスズホイスカーを防止できる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はホイスカー防止用スズメッキ浴に関して、特定金属を特定の微量濃度以上で含有し、或は、上記金属とは異なる種類の特定金属を特定の微量濃度未満に低減することにより、スズホイスカーの発生を有効に防止できるものを提供する。
【0002】
【発明の背景】
スズメッキは、ハンダ付け性向上用皮膜、エッチングレジスト用皮膜などとして、弱電工業並びに電子工業部品などに広く利用され、また、スズ−鉛合金メッキに替わる実用的な鉛フリーメッキの有力候補でもあるが、スズメッキ皮膜にはいわゆる真正スズホイスカーが発生することが知られており、リードの線幅がきわめて狭い高密度実装用の微細パターンなどでは、このホイスカーが短絡の原因となり、プリント回路基板やフィルムキャリアなどの各種電子部品の信頼性を低下させるという問題がある。
【0003】
【従来の技術】
スズホイスカーの防止方法としては、メッキ後にアニール処理或はリフロー処理を行ったり、スズメッキ皮膜を金やスズ−鉛合金などの他のメッキ皮膜で代替する方法などが知られている。
例えば、特許文献1には、銅又は銅合金の微細パターン上にスズメッキを施し、このスズ層を加熱処理によりすべて銅−スズ拡散層とした後、この拡散層の上に純スズ層を被覆するホイスカー防止方法が開示されている(請求の範囲及び実施例1〜2参照)。
【0004】
また、特許文献2には、フィルムキャリアのインナーリードに、スズ−鉛合金メッキを施した後、スズ−鉛合金皮膜の上にスズメッキを施し、両メッキ層を加熱処理するスズホイスカーの抑制方法が開示されている(請求の範囲及び実施例1参照)。
【0005】
一方、特許文献3には、下地用のビスマス皮膜の上層にスズ皮膜を順次形成することにより、ハンダ付けで加熱された際に、溶融して容易に合金化し、ハンダ接合強度やハンダ濡れ性などに優れた皮膜を形成できることが開示されている。さらに、この2層メッキ皮膜の膜厚比率は、ビスマス皮膜:スズ皮膜=2:8〜8:2程度であり、2層メッキ皮膜の合計膜厚は2〜20μm程度が好ましいことが記載されている(同公報の請求の範囲、段落10、段落14〜15参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−33187号公報
【特許文献2】
特開平5−247683号公報
【特許文献3】
特開平8−199386号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献2では、上層のスズメッキ層にも加熱処理を施すため、加熱の制御が適正でないと、純スズ層が低減して銅拡散スズ層が主要形成層になったり、スズ層が酸化されたりして、表面のスズメッキ層のハンダ付け性を損なって、電子部品の信頼性を低下させる問題がある。
また、上記特許文献1では、上層の純スズ層は加熱をしないため、従来技術2のようなハンダ付け性を損なう問題はなく、また、鉛を使用しないために環境を損なう問題もないが、下地のスズメッキ層を加熱して銅−スズ拡散層とする工程があるため、スズホイスカーの防止操作が煩雑になる。
【0008】
一方、上記特許文献3では、スズの膜厚が8μmを越えるとホイスカー発生の恐れが増すことが記載され、また、ビスマス皮膜の膜厚が1μmより薄くなると、拡散作用によるスズとの合金の形成に支障を来し、やはり、ホイスカーの発生を防止できなくなることが示唆されている(同公報の段落8参照)。即ち、ビスマスとスズの2層メッキにおいて、ホイスカーの発生を有効に防止するためには、ビスマスの膜厚を所定以上に厚くするとともに、スズの膜厚を所定以上に厚くしないことが重要である。
また、他方において、ビスマス皮膜はスズ皮膜などに比べて硬く、皮膜性状としてクラックが発生し易いことから、ビスマス皮膜の上層にスズ皮膜を形成する場合、ホイスカーの発生防止の有効性を高める見地から、ビスマスの膜厚を厚くすると、メッキ後の被メッキ物に折り曲げ加工などの外力を加えた場合、下地のビスマス皮膜にクラックが発生するとともに、これに続いて、当該クラックに起因して上層のスズ皮膜にもクラックが発生して、ハンダ付けの際に接合不良や密着不良が起き、スズ皮膜の初期の目的でもあるハンダ付け性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0009】
以上のように、上記特許文献1〜3では、処理操作が煩雑であったり、スズホイスカーの確実な防止に課題が残ったり、或は、形成したスズ皮膜の性状を低下させる恐れがある。
本発明は、2層メッキを施したり、皮膜に加熱処理を施したりすることなく、スズメッキ浴自体の組成を調整してスズホイスカーを防止することを技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、先に、特願2001−294464号(以下、先行技術1という)で、スズメッキ浴中の銅の含有量を10ppm以下の高純度に調整して、スズホイスカーを有効に防止することなどを提案した。
第二に、特願2001−286554号(以下、先行技術2という)で、メッキ皮膜のハンダ付け性を向上することなどを目的として、酸又は錯化剤と、酸化防止剤と、さらに、周期律表の第4〜6周期のIB〜VB族元素に属するアンチモン、ひ素、カドミウム、ゲルマニウム、ガリウム又は鉛よりなる特定金属を20〜2000ppmの濃度で含有するスズメッキ浴を提案した。
第三に、特願2002−2407(以下、先行技術3という)で、バレルメッキでの導電性媒体の凝集を防止することなどを目的として、アンチモン、鉛、銅、ゲルマニウム、銀、パラジウム、ガリウム、ロジウム、ルテニウム、インジウム、亜鉛よりなる特定金属のイオンを0.1ppm以上で20ppm未満含有し、又は、ビスマスイオンを0.1ppm以上で10ppm未満で含有するスズメッキ浴を提案した。
【0011】
本発明者らは、前記特許文献1〜3のようなメッキ皮膜の積層処理や加熱処理を伴う方式ではなく、上記先行技術1〜3のように、スズメッキ浴中に存在する微量金属のイオン濃度を制御することにより、スズホイスカーを防止することを鋭意研究した結果、スズメッキ浴中においては、ある種の特定金属の存在はホイスカーの発生を抑制する方向に働き、また、他種の特定金属の存在は逆にホイスカーを促進する方向に働くことを突き止めた。
即ち、ビスマス、バナジウム、ニッケル、コバルトなどの特定金属がスズメッキ浴中に特定の微量濃度以上で存在すると、メッキ皮膜のスズホイスカーを有効に抑制できること、逆に、モリブデンを特定の微量濃度未満に低減すると、同様にスズホイスカーを抑制できることを見い出し、本発明を完成した。
【0012】
即ち、本発明1は、可溶性第一スズ塩を含有してなるスズメッキ浴において、
バナジウム、ニッケル、ビスマスよりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の少なくとも一種を含有し、
上記ホイスカー抑制金属の含有量がメッキ浴に対して100〜2000ppmであることを特徴とするホイスカー防止用スズメッキ浴である。
【0013】
本発明2は、可溶性第一スズ塩を含有してなるスズメッキ浴において、
亜鉛、銀よりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の少なくとも一種を含有し、
上記ホイスカー抑制金属の含有量がメッキ浴に対して20〜2000ppmであることを特徴とするホイスカー防止用スズメッキ浴である。
【0014】
本発明3は、可溶性第一スズ塩を含有してなるスズメッキ浴において、
コバルト、インジウム、チタン、ジルコニウムよりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の少なくとも一種を含有し、
上記ホイスカー抑制金属の含有量がメッキ浴に対して10〜2000ppmであることを特徴とするホイスカー防止用スズメッキ浴である。
【0015】
本発明4は、可溶性第一スズ塩を含有してなるスズメッキ浴において、
モリブデンよりなるホイスカー促進金属を浴中より排除して、
上記ホイスカー促進金属の含有量をメッキ浴に対して10ppm未満に低減することを特徴とするホイスカー防止用スズメッキ浴。
【0016】
本発明5は、可溶性第一スズ塩を含有してなるスズメッキ浴において、
(a)メッキ浴に対して、バナジウム、ニッケル、ビスマスよりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の含有量が100〜2000ppmであるか、
亜鉛、銀よりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の含有量が20〜2000ppmであるか、
コバルト、インジウム、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、鉛よりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の含有量が10〜2000ppmであり、且つ、
(b)メッキ浴に対して、モリブデン、アンチモン、銅よりなるホイスカー促進金属の含有量が10ppm未満であるか、
ガリウムよりなるホイスカー促進金属の含有量が100ppm未満であることを特徴とするホイスカー防止用スズメッキ浴。
【0017】
本発明6は、上記本発明1〜5のいずれかのホイスカー防止用スズメッキ浴を用いてスズメッキ皮膜を形成した、半導体デバイス、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、リード線などの電子部品である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、スズメッキ浴中の特定の微量金属の含有量を増量側又は減量側に調整するものであり、第一に、バナジウム、ニッケル、ビスマス、コバルトなどよりなるホイスカー抑制金属を特定の微量濃度以上で含有するホイスカー防止用スズメッキ浴であり、第二に、モリブデンよりなる特定のホイスカー促進金属を特定の微量濃度未満に低減する同スズメッキ浴であり、第三に、上記ホイスカー抑制金属を特定の微量濃度以上で含有し、且つ、上記ホイスカー促進金属を特定の微量濃度未満に低減した同スズメッキ浴であり、第四に、これらのメッキ浴を用いてスズ皮膜を形成したプリント基板などの各種電子部品である。
尚、本発明で特定される金属の微量濃度は、各種の金属イオンの濃度を意味する。
【0019】
本発明のホイスカー抑制金属には、バナジウム、ニッケル、ビスマス、亜鉛、銀、コバルト、インジウム、チタン、ジルコニウムが属する。
このホイスカー抑制金属をスズメッキ浴に微量含有するには、相当する特定金属の可溶性塩をメッキ浴に直接添加することを基本とする。
上記特定金属の可溶性塩としては、スズメッキ浴中で相当する特定金属のイオンを生成する任意の無機又は有機の塩を意味し、具体的には、V2+、V3+、Ni2+、Bi3+、Zn2+、Ag+、Co2+、Co3+、In3+、Ti4+、Zr2+などの各種金属イオンを生成する任意の塩をいう。難溶性塩であってもこれらのイオンを微量含有できれば良いので排除されない。
例えば、可溶性ニッケル塩は、有機スルホン酸のニッケル塩、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酸化ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケルなどである。
可溶性ビスマス塩は、硫酸ビスマス、酸化ビスマス、塩化ビスマス、臭化ビスマス、硝酸ビスマス、有機スルホン酸のビスマス塩、スルホコハク酸のビスマス塩などである。
可溶性銀塩は、有機スルホン酸銀を初め、シアン化銀、ホウフッ化銀、硫酸銀、亜硫酸銀、炭酸銀、スルホコハク酸銀、硝酸銀、クエン酸銀、酒石酸銀、グルコン酸銀、シュウ酸銀、酸化銀、酢酸銀などである。
可溶性亜鉛塩は塩化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛など、可溶性インジウム塩は塩化インジウム、硫酸インジウム、酸化インジウム、有機スルホン酸のインジウム塩などが挙げられ、他の上記特定金属の可溶性塩も、これらと同様に、酸化物、ハロゲン化物、無機酸又は有機酸の塩などが挙げられる。
一方、上記ホイスカー抑制金属をスズメッキ浴に微量含有させる方法としては、当該金属をスズ陽極にドープし、電気メッキ時の陽極の溶解により、ホイスカー抑制金属をイオン形態でメッキ浴に供給するようにしても良い。
【0020】
上記ホイスカー抑制金属のスズメッキ浴の全量に対する含有量は、その金属の種類によって適正範囲が異なる。
本発明1に示すように、ホイスカー抑制金属がバナジウム、ニッケル、ビスマスである場合、その1種又は2種以上の含有量は100〜2000ppmであり、好ましくは200〜2000ppmである。即ち、バナジウムなどの各金属を単用する場合には、各金属の含有量は100ppm以上であることが必要であるが、2種以上を併用する場合には、各金属の合計含有量が100ppm以上であれば良い。
また、本発明2に示すように、ホイスカー抑制金属が亜鉛、銀の場合には、その1種又は2種の含有量は20〜2000ppm、好ましくは50〜2000ppmである。この場合、2種を併用する際には、各金属の合計含有量が20ppm以上であれば良い点は上記バナジウムなどの場合と同様である。
さらに、本発明3に示すように、ホイスカー抑制金属がコバルト、インジウム、チタン、ジルコニウムの場合には、その1種又は2種以上の含有量は10〜2000ppm、好ましくは20〜2000ppmである。この場合、2種以上を併用する際には、各金属の合計含有量が10ppm以上であれば良い点は上記バナジウムなどの場合と同様である。
ちなみに、上記先行技術2〜3にも提案されているゲルマニウム、鉛もホイスカー抑制金属として有効であり、その含有量は10ppm以上が好ましい。
そこで、ホイスカー抑制金属(a)の種類とその含有量をまとめると次の通りであり、下記(a)の1〜3の条件を択一的に満たせば良い。
(a)の1:バナジウム、ニッケル、ビスマスの1種及び2種類以上の含有量が100〜2000ppmである。
(a)の2:亜鉛、銀の1種及び2種類以上の含有量が20〜2000ppmである。
(a)の3:コバルト、インジウム、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、鉛の1種及び2種以上の含有量が10〜2000ppmである。
この場合、本発明はスズメッキ浴を対象とするため、上記ホイスカー抑制金属はスズ合金を形成しない範囲で浴に含有する必要があり、上述の通り、その濃度の上限は2000ppm程度である。
一方、上記ホイスカー抑制金属(a)の1〜3に属するグループにおいては、異なるグループの金属が共存してもホイスカー防止に有効であることはいうまでもなく、例えば、上記(a)の1に属するビスマスが100ppm以上、且つ、上記(a)の2に属する亜鉛が20ppm以上共存するスズ浴であっても良く、或は、さらに、上記(a)の3に属するコバルトが10ppm以上で追加共存するスズ浴であっても差し支えない。
尚、ビスマスと亜鉛が共存する場合には、両者共に特定濃度の下限を下回る条件でもホイスカー防止に寄与し、例えば、ビスマスが80ppm以上、亜鉛が5ppm以上(好ましくは、ビスマスが90ppm以上、亜鉛が9pm以上)共存すると、ホイスカー防止には有効なのである。
【0021】
本発明のホイスカー促進金属にはモリブデンが属する。
上記ホイスカー抑制金属については、スズメッキ浴に積極的に含有してホイスカー防止作用を発揮させることが重要であるが、このホイスカー促進金属では、ホイスカー抑制金属とは逆に、スズメッキ浴からイオン形態の含有量を所定微量濃度以下に排除することが必要である。
モリブデンの含有量は10ppm未満であり、好ましくは、1ppm未満である。
ちなみに、上記先行技術1〜3にも提案されている銅、アンチモン、ガリウムは、その後の研究の結果、ホイスカー促進作用があり、ホイスカー抑制には、その含有濃度を銅、アンチモンでは10ppm未満に、ガリウムでは100ppm未満にするのが好ましい。
そこで、ホイスカー促進金属(b)の種類とその含有量をまとめると次の通りであり、下記(b)の1〜2の条件を択一的に満たせば良い。
(b)の1:モリブデン、アンチモン、銅の1種及び2種以上の含有量が10ppm未満である。
(b)の2:ガリウムの含有量が100ppm未満である。
このホイスカー促進金属をスズメッキ浴から排除するには、例えば、メッキに使用する可溶性第一スズ塩としてファイブ・ナイン程度、或はそれ以上の高純度品を使用することが、処理の容易性と経済性に鑑みて好ましい。また、錯化剤、包接化合物、或は吸着剤などを使用して、浴中からモリブデンイオンを排除する方法も考えられる。
【0022】
上述のように、スズメッキ浴中でのビスマス、バナジウムなどの特定金属の存在はホイスカーの発生を抑制する方向に働き、逆に、モリブデンの存在はホイスカーを促進する方向に働く。このため、上記本発明5は、スズホイスカーの防止作用をさらに増す観点から、上記ホイスカー抑制金属を所定の微量濃度以上で含み、且つ、上記ホイスカー促進金属を所定の微量濃度未満に排除したスズメッキ浴である。
この場合、ホイスカー抑制金属の種類は上記本発明1〜3より拡大して、ゲルマニウムや鉛を加えることができる。また、ホイスカー促進金属の種類も同様に、本発明4から拡大して、銅、アンチモン、ガリウムを加えることができる。
具体的には、前述のホイスカー抑制金属の条件(a)の1〜3のいずれかと、ホイスカー促進金属の条件(b)の1〜2のいずれかとの両方を加重的に満たせば良いのである。
このホイスカー抑制金属とホイスカー促進金属がスズ浴中に共存する場合、重要なことは、スズ浴中にホイスカー抑制金属が条件(a)の1〜3で存在すると、後述の試験例に示すように、ホイスカー促進金属が存在しても、ホイスカーを有効に防止でき、たとえ、ホイスカー促進金属が条件(b)の1〜2に示す特定濃度以上で存在しても、ホイスカーの抑制に寄与することである。
【0023】
上記ホイスカー抑制金属を所定微量濃度以上で、及び/又は、本発明の促進金属を所定微量濃度未満で含有する本発明のスズメッキ浴は、可溶性第一スズ塩、浴ベースとしての酸又はその塩を基本組成とするが、さらには、必要に応じて、錯化剤、酸化防止剤、界面活性剤などの各種添加剤を含有したものである。
上記可溶性第一スズ塩は基本的に水中でSn2+を発生させる有機又は無機のスズ塩であり、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、スルホコハク酸、p−フェノールスルホン酸などの有機スルホン酸の第一スズ塩を初め、ホウフッ化第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、ピロリン酸スズ、スルファミン酸スズ、塩化第一スズ、亜スズ酸塩などが挙げられる。
上記可溶性第一スズ塩は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は金属換算で0.5〜300g/L、好ましくは10〜120g/Lである。
【0024】
上記浴ベースとしての酸又はその塩は、基本的に有機酸浴、無機酸浴、或はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などである。上記有機酸としては、有機スルホン酸、脂肪族カルボン酸などが挙げられ、無機酸としては、硫酸、塩酸、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸などが挙げられる。このなかでは、硫酸浴を初め、スズの溶解性、排水処理の容易性などの見地から有機スルホン酸又はその塩の浴も好ましい。
上記酸又はその塩は単用又は併用でき、その含有量は0.1〜10mol/L、好ましくは0.5〜5mol/Lである。
【0025】
上記有機スルホン酸は、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、スルホコハク酸、芳香族スルホン酸などであり、アルカンスルホン酸としては、化学式CnH2n+1SO3H(例えば、n=1〜11)で示されるものが使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンスルホン酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸などが挙げられる。
【0026】
上記アルカノールスルホン酸としては、化学式
CmH2m+1−CH(OH)−CpH2p−SO3H(例えば、m=0〜6、p=1〜5)
で示されるものが使用でき、具体的には、2―ヒドロキシエタン―1―スルホン酸(イセチオン酸)、2―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸(2−プロパノールスルホン酸)、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―スルホン酸などが挙げられる。
【0027】
上記芳香族スルホン酸は、基本的にベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸などであり、具体的には、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ジフェニルアミン−4−スルホン酸などが挙げられる。
上記有機スルホン酸では、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸などが好ましい。
【0028】
本発明は酸性、中性(弱酸性を含む)などの任意のpH領域のスズメッキ浴に適用できる。基本的に、第一スズイオンは酸性では安定であるが、中性付近では白色沈澱が生じ易い。このため、本発明を中性付近のスズメッキ浴に適用する場合には、スズイオンを安定化させる目的で、錯化剤を含有するのが好ましい。
上記錯化剤は、オキシカルボン酸、ポリカルボン酸、モノカルボン酸などであり、具体的には、グルコン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコノラクトン、グルコヘプトラクトン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アスコルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、ジグリコール酸、或はこれらの塩などが挙げられる。好ましくは、グルコン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコノラクトン、グルコヘプトラクトン、或はこれらの塩などである。
また、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸(IDP)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジオキシビス(エチルアミン)−N,N,N′,N′−テトラ酢酸、グリシン類、ニトリロトリメチルホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、或はこれらの塩なども錯化剤として有効である。
【0029】
また、本発明のスズメッキ浴には、前述したように、上記錯化剤の外にも、酸化防止剤、界面活性剤、平滑剤、光沢剤、半光沢剤、pH調整剤、導電性塩、防腐剤、消泡剤などの各種添加剤を含有できることは勿論である。
上記酸化防止剤は浴中のSn2+の酸化防止を目的としたもので、アスコルビン酸又はその塩、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、フロログルシン、クレゾールスルホン酸又はその塩、フェノールスルホン酸又はその塩、カテコールスルホン酸又はその塩、ハイドロキノンスルホン酸又はその塩、ヒドロキシナフタレンスルホン酸又はその塩、ヒドラジンなどが挙げられる。例えば、中性浴ではアスコルビン酸又はその塩などが好ましい。
上記界面活性剤は、メッキ皮膜の外観、緻密性、平滑性、密着性などの改善を目的とし、通常のアニオン系、カチオン系、ノニオン系、或は両性などの各種界面活性剤が使用できる。
上記アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、モノ〜トリアルキルアミン塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシルリン酸(塩)、ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合させたものなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。
【0030】
上記平滑剤としては、β−ナフトール、β−ナフトール−6−スルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、(o−、p−)メトキシベンズアルデヒド、バニリン、(2,4−、2,6−)ジクロロベンズアルデヒド、(o−、p−)クロロベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、2(4)−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、2(4)−クロロ−1−ナフトアルデヒド、2(3)−チオフェンカルボキシアルデヒド、2(3)−フルアルデヒド、3−インドールカルボキシアルデヒド、サリチルアルデヒド、o−フタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−バレルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、グリオキサール、アルドール、スクシンジアルデヒド、カプロンアルデヒド、イソバレルアルデヒド、アリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、1−ベンジリデン−7−ヘプタナール、2,4−ヘキサジエナール、シンナムアルデヒド、ベンジルクロトンアルデヒド、アミン−アルデヒド縮合物、酸化メシチル、イソホロン、ジアセチル、ヘキサンジオン−3,4、アセチルアセトン、3−クロロベンジリデンアセトン、sub.ピリジリデンアセトン、sub.フルフリジンアセトン、sub.テニリデンアセトン、4−(1−ナフチル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−フリル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−チオフェニル)−3−ブテン−2−オン、クルクミン、ベンジリデンアセチルアセトン、ベンザルアセトン、アセトフェノン、(2,4−、3,4−)ジクロロアセトフェノン、ベンジリデンアセトフェノン、2−シンナミルチオフェン、2−(ω−ベンゾイル)ビニルフラン、ビニルフェニルケトン、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、クロトン酸、プロピレン−1,3−ジカルボン酸、ケイ皮酸、(o−、m−、p−)トルイジン、(o−、p−)アミノアニリン、アニリン、(o−、p−)クロロアニリン、(2,5−、3,4−)クロロメチルアニリン、N−モノメチルアニリン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、N−フェニル−(α−、β−)ナフチルアミン、メチルベンズトリアゾール、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,3−ベンズトリアジン、イミダゾール、2−ビニルピリジン、インドール、キノリン、モノエタノールアミンとo−バニリンの反応物、ポリビニルアルコール、カテコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ポリエチレンイミン、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
また、ゼラチン、ポリペプトン、N−(3−ヒドロキシブチリデン)−p−スルファニル酸、N−ブチリデンスルファニル酸、N−シンナモイリデンスルファニル酸、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル(1’))エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’))エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル(1’))エチル−1,3,5−トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール類も平滑剤として有効である。
上記ベンゾチアゾール類としては、ベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(メチルメルカプト)ベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、2−メチル−5−クロロベンゾチアゾール、2−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾール、2−クロロベンゾチアゾール、2,5−ジメチルベンゾチアゾール、6−ニトロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾチアゾール、2−ベンゾチアゾールチオ酢酸などが挙げられる。
【0031】
上記光沢剤、或は半光沢剤としては、上記平滑剤とも多少重複するが、ベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、2,4,6−トリクロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、フルフラール、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、3−アセナフトアルデヒド、ベンジリデンアセトン、ピリジデンアセトン、フルフリリデンアセトン、シンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、サリチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、グルタルアルデヒド、パラアルデヒド、バニリンなどの各種アルデヒド、トリアジン、イミダゾール、インドール、キノリン、2−ビニルピリジン、アニリン、フェナントロリン、ネオクプロイン、ピコリン酸、チオ尿素類、N―(3―ヒドロキシブチリデン)―p―スルファニル酸、N―ブチリデンスルファニル酸、N―シンナモイリデンスルファニル酸、2,4―ジアミノ―6―(2′―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―エチル―4―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―ウンデシルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール、2―メチルベンゾチアゾール、2―アミノベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メトキシベンゾチアゾール、2―メチル―5―クロロベンゾチアゾール、2―ヒドロキシベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メチルベンゾチアゾール、2―クロロベンゾチアゾール、2,5―ジメチルベンゾチアゾール、5―ヒドロキシ―2―メチルベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール類などが挙げられる。
【0032】
上記pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の各種の酸、アンモニア水、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の各種の塩基などが挙げられるが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのモノカルボン酸類、ホウ酸類、リン酸類、シュウ酸、コハク酸などのジカルボン酸類、乳酸、酒石酸などのオキシカルボン酸類なども有効である。
上記導電性塩としては、硫酸、塩酸、リン酸、スルファミン酸、スルホン酸などのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩などが挙げられるが、上記pH調整剤で共用できる場合もある。
上記防腐剤としては、ホウ酸、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、塩化ベンザルコニウム、フェノール、フェノールポリエトキシレート、チモール、レゾルシン、イソプロピルアミン、グアヤコールなどが挙げられる。
上記消泡剤としては、プルロニック界面活性剤、高級脂肪族アルコール、アセチレンアルコール及びそれらのポリアルコキシレートなどが挙げられる。
【0033】
上記本発明6は、上記ホイスカー抑制金属を所定微量濃度以上で含み、或は、ホイスカー促進金属を所定微量濃度未満で含むスズメッキ浴を用いてメッキ皮膜を形成した、半導体デバイス、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、リード線などの電子部品である。
【0034】
【発明の効果】
スズメッキ浴に特定金属を所定の微量濃度以上で含有し、或は、特定金属を所定の微量濃度未満に排除することにより、メッキ皮膜にスズホイスカーが発生するのを有効に防止できる。
本発明では、スズメッキ浴に存在する特定金属の濃度を微量レベルで制御するため、前記特許文献1〜3のような積層処理や加熱処理などの煩雑な操作が不要であり、簡便な操作でホイスカーを防止できる。
尚、浴中に特定金属を所定の微量濃度以上で含有させることを含む本発明では、微量の特定金属が共析化してスズ合金皮膜を形成し、スズホイスカーの防止機能が働くという機序も推測されるが、微量の特定金属の中には、スズ皮膜中に共析化してこない可能性が高いものもある。従って、前記機序によっては、本発明のホイスカー防止機能をうまく説明できず、その防止原理の解明は今後の課題である。
【0035】
【実施例】
以下、ホイスカー防止用スズメッキ浴の実施例、当該実施例で得られたスズメッキ皮膜についてのホイスカー防止評価試験例を説明する。
尚、本発明は下記の処理例、実施例、試験例などに拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0036】
先ず、基準例は高純度の第一スズ塩を使用することにより、第一スズ塩以外のいかなる金属の塩も不純物として存在しないという想定が可能な高純度環境のスズメッキ浴の建浴例であり、ホイスカー防止評価の基準となる浴である。
下記の実施例と比較例は、この基準例のメッキ浴にホイスカー抑制金属又はホイスカー促進金属の塩を特定の微量濃度だけ添加したものである。
比較例1と実施例1〜2はホイスカー抑制金属としてバナジウム塩を添加した例である。
比較例2と実施例3〜4はホイスカー抑制金属としてニッケル塩を添加した例である。
比較例3と実施例5〜6はホイスカー抑制金属としてビスマス塩を添加した例である。
比較例4と実施例7〜9はホイスカー抑制金属として亜鉛塩を添加した例である。
比較例5と実施例10〜12はホイスカー抑制金属として銀塩を添加した例である。
比較例6と実施例13〜14はホイスカー抑制金属としてコバルト塩を添加した例である。
比較例7と実施例15〜17はホイスカー抑制金属としてインジウム塩を添加した例である。
比較例8と実施例18〜19はホイスカー抑制金属としてチタン塩を添加した例である。
比較例9と実施例20〜21はホイスカー抑制金属としてジルコニウム塩を添加した例である。
比較例10〜11と実施例22はホイスカー促進金属としてモリブデン塩を添加した例である。
実施例23はホイスカー抑制金属としてニッケル塩を特定濃度の下限で添加するとともに、ホイスカー促進金属としてモリブデン塩を特定濃度を越えて添加した例である。
実施例24はホイスカー抑制金属として亜鉛塩を特定濃度の下限で添加し、ホイスカー促進金属としてガリウム塩を特定濃度内で添加した例であり、比較例12は上記ガリウム塩のみを実施例24と同濃度で添加した例である。
実施例25はホイスカー抑制金属としてコバルト塩を特定濃度の下限で添加し、ホイスカー促進金属として銅塩を特定濃度内で添加した例であり、比較例13は上記銅塩のみを特定濃度以上で添加した例である。
実施例26はホイスカー抑制金属としてジルコニウム塩を特定濃度の下限で添加し、ホイスカー促進金属としてアンチモン塩を特定濃度内で添加した例であり、実施例27は上記ジルコニウム塩を特定濃度の下限で添加し、上記アンチモン塩を特定濃度を越えて添加した例であり、比較例14は上記アンチモン塩のみを実施例27と同濃度で添加した例である。
【0037】
《基準例》
下記の組成によりスズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸 100g/L
ノニオン系界面活性剤 10g/L
イオウ系有機化合物 0.5g/L
上記第一スズ塩は純度99.999%のSn金属(和光純薬(株)製)を用い、メタンスルホン酸中で電解したものを使用した。また、上記イオウ系化合物は光沢剤である。
【0038】
(1)バナジウム含有浴
《比較例1》
上記基準例を基本として、さらに、市販のバナジウム標準溶液を適正に濃度制御することにより、バナジウムイオンを10ppm添加した。
《実施例1》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でバナジウムイオンを100ppm添加した。
《実施例2》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でバナジウムイオンを220ppm添加した。
【0039】
(2)ニッケル含有浴
《比較例2》
上記基準例を基本として、さらに硫酸ニッケル5水和物を使用することで、ニッケルイオンを10ppm添加した。
《実施例3》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でニッケルイオンを100ppm添加した。
《実施例4》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でニッケルイオンを1000ppm添加した。
【0040】
(3)ビスマス含有浴
《比較例3》
上記基準例を基本として、さらに酸化ビスマスを使用することで、ビスマスイオンを10ppm添加した。
《実施例5》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でビスマスイオンを100ppm添加した。
《実施例6》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でビスマスイオンを1000ppm添加した。
【0041】
(4)亜鉛含有浴
《比較例4》
上記基準例を基本として、さらに硫酸亜鉛7水和物を使用することで、亜鉛イオンを5ppm添加した。
《実施例7》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作で亜鉛イオンを20ppm添加した。
《実施例8》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作で亜鉛イオンを100ppm添加した。
《実施例9》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作で亜鉛イオンを1000ppm添加した。
【0042】
(5)銀含有浴
《比較例5》
上記基準例を基本として、さらに、市販の銀標準液(濃度1000ppm)を適正に濃度制御することにより、銀イオンを5ppm添加した。
《実施例10》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作で、銀イオンを20ppm添加した。
《実施例11》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作で銀イオンを100ppm添加した。
《実施例12》
上記基準例を基本として、さらに硝酸銀を使用することで、銀イオンを1000ppm添加した。
【0043】
(6)コバルト含有浴
《比較例6》
上記基準例を基本として、さらに硫酸コバルト7水和物を使用することで、コバルトイオンを5ppm添加した。
《実施例13》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でコバルトイオンを10ppm添加した。
《実施例14》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でコバルトイオンを100ppm添加した。
【0044】
(7)インジウム含有浴
《比較例7》
上記基準例を基本として、さらに硫酸インジウムを使用することで、インジウムイオンを5ppm添加した。
《実施例15》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でインジウムイオンを10ppm添加した。
《実施例16》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でインジウムイオンを100ppm添加した。
《実施例17》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でインジウムイオンを1000ppm添加した。
【0045】
(8)チタン含有浴
《比較例8》
上記基準例を基本として、さらに硫酸チタン溶液を使用することで、チタンイオンを5ppm添加した。
《実施例18》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でチタンイオンを10ppm添加した。
《実施例19》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でチタンイオンを100ppm添加した。
【0046】
(9)ジルコニウム含有浴
《比較例9》
上記基準例を基本として、さらに硫酸ジルコニウム4水和物を使用することで、ジルコニウムイオンを5ppm添加した。
《実施例20》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でジルコニウムイオンを10ppm添加した。
《実施例21》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でジルコニウムイオンを100ppm添加した。
【0047】
(10)モリブデン含有浴、ニッケルとモリブデンの共存浴
《比較例10》
上記基準例を基本として、さらに市販のモリブデン標準液を濃度制御することにより、モリブデンイオンを10ppm添加した。
《比較例11》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でモリブデンイオンを100ppm添加した。
《実施例22》
上記基準例を基本として、さらに同様の操作でモリブデンイオンを5ppm添加した。
《実施例23》
上記基準例を基本として、さらにニッケルイオンを100ppm、モリブデンイオンを10ppm添加した。
【0048】
(11)ガリウム含有浴、亜鉛とガリウムの共存浴
《比較例12》
上記基準例を基本として、さらに市販のガリウム標準液を濃度制御することにより、ガリウムイオンを50ppm添加した。
《実施例24》
上記基準例を基本として、さらに亜鉛イオンを20ppm、ガリウムイオンを50ppm添加した。
【0049】
(12)銅含有浴、コバルトと銅の共存浴
《比較例13》
上記基準例を基本として、さらに硫酸銅5水和物を使用することで、銅イオンを100ppm添加した。
《実施例25》
上記基準例を基本として、さらにコバルトイオンを10ppm、銅イオンを5ppm添加した。
【0050】
(13)アンチモン含有浴、ジルコニウムとアンチモンの共存浴
《比較例14》
上記基準例を基本として、さらに市販のアンチモン標準液を濃度制御することにより、アンチモンイオンを10ppm添加した。
《実施例26》
上記基準例を基本として、さらにジルコニウムイオンを10ppm、アンチモンイオンを5ppm添加した。
《実施例27》
上記基準例を基本として、さらにジルコニウムイオンを10ppm、アンチモンイオンを10ppm添加した。
【0051】
《スズホイスカーの発生防止評価試験例》
そこで、上記実施例1〜27、比較例1〜14並びに基準例の各スズメッキ浴を用いて、陰極電流密度2A/dm2、浴温25℃の条件で、圧延銅板上に電気メッキを施し、膜厚1μmのスズメッキ皮膜を形成した。
次いで、スズメッキを形成した銅板をデシケータ内にて40日間常温で放置した後、試料のスズメッキ表面を光学顕微鏡で微視観察し、単位面積(1mm2)当たりのホイスカーの発生本数を測定した。
【0052】
下表はその試験結果である。
【0053】
【0054】
上表に見るように、不純物の金属イオンを含まない高純度環境のスズ浴である基準例では、ホイスカーの発生本数は180本であった。
これに対して、バナジウムイオンを10ppm含有する比較例1では、ホイスカーの発生本数は185本であって、基準例とあまり変わらず、有意義なホイスカーの防止作用は認められなかったが、バナジウムイオンの濃度が100ppmに増した実施例1や220ppmの実施例2では、ホイスカーの発生本数は70〜50本に減少していた。従って、実施例1〜2及び比較例1を上記基準例に対比すると、バナジウムには明らかなホイスカー防止効果があり、その有効含有濃度は100ppm以上であることが確認できた。
比較例2と実施例3〜4を基準例に対比すると、上記微量金属イオンの種類がニッケルイオンであり、その濃度が100ppm以上の場合には、バナジウムイオンと同様に、明らかなホイスカー防止効果が認められ、特に、濃度1000ppmではホイスカーの発生本数は10本にまで減少した(実施例4参照)。
同じく、比較例3と実施例5〜6を基準例に対比すると、ビスマスイオンの濃度が100ppm以上である場合にも、明らかなホイスカー防止効果が認められ、特に、濃度1000ppmではゼロ本であった(実施例6参照)。
【0055】
比較例4と実施例7〜9では、亜鉛イオンの濃度が5ppmではホイスカーの本数は175本であったが、濃度が20ppmに増すとホイスカーは10本にまで顕著に減少し、さらに100〜1000ppmでも同本数であった。従って、亜鉛イオンの濃度が20ppm以上になると、明らかなホイスカー防止効果が確認できた。亜鉛の場合には、濃度が20ppmから増しても効果にあまり変化はないことから、20ppmのレベルでホイスカー防止作用を確実に担保できることが判った。
また、比較例5及び実施例10〜12を見ると、銀も亜鉛と同様に20ppm以上で明らかなホイスカー防止効果が確認できた。
【0056】
比較例6及び実施例13〜14では、コバルトイオンの濃度が5ppmではホイスカーの本数は180本であったが、濃度が10ppmに増すとホイスカーの本数は70本にまで減少し、さらに100ppmに増しても同本数であった。従って、コバルトイオンの濃度が10ppm以上になると、明らかなホイスカー防止効果が確認できた。
同様に、比較例7及び実施例15〜17からインジウムイオンが、比較例8及び実施例18〜19からチタンイオンが、比較例9及び実施例20〜21からジルコニウムイオンが、各々10ppm以上の濃度で明らかなホイスカー防止効果を発揮することが確認できた。特に、インジウムやチタンでは濃度10ppmでホイスカーは20本に顕著に減少し、さらにジルコニウムでは同濃度でゼロになり、強いホイスカー防止効果を具備することが判った。
以上のように、特定の金属イオンをスズメッキ浴に特定以上の濃度で微量添加すると、ホイスカー抑制金属として作用することが明らかになった。この場合、上記特定金属がバナジウム、ニッケル、ビスマスの場合、特定濃度の下限は10ppmであり、亜鉛、銀の下限は20ppmであり、また、コバルト、インジウム、チタン、ジルコニウムの下限は10ppmであることが確認できた。
【0057】
一方、比較例10〜11及び実施例22を見ると、モリブデンイオンの添加濃度が10ppmから100ppmに増えると、ホイスカーも300本から600本に増えて、上記基準例の180本を大きく上回ったが、添加濃度が5ppmに減少すると、ホイスカーは基準例並みに下がったことから、バナジウムなどの上記金属とは逆に、モリブデンはホイスカーの促進効果があり、ホイスカー防止には、スズメッキ浴中の濃度を10ppmより少なく低減する必要があることが確認できた。
しかしながら、実施例23を見ると、モリブデンイオンが10ppm存在しても、ホイスカー抑制金属であるニッケルイオンが100ppm共存すると、ホイスカーは基準例を大きく下回る50本に減少した。従って、ホイスカー抑制金属イオンが特定濃度以上で浴中に存在すると、ホイスカー促進金属が特定濃度以上で存在しても、ホイスカーを有効に防止できることが判明した。
【0058】
ガリウムイオンの添加濃度が50ppmである比較例12では、ホイスカーは基準例と同じ180本であったが、ホイスカー抑制金属である亜鉛イオンが20ppm共存する実施例24では、ホイスカーが10本に顕著に減少していた。
ちなみに、上記試験結果には記載していないが、ガリウムの添加濃度が216ppmではホイスカーが250本に増えたことから、ガリウムはホイスカーの促進金属であると考えられるが、このようなホイスカーを促進する方向に働くガリウムイオンが存在しても、ホイスカー抑制金属である亜鉛のイオンが特定濃度以上で浴中に存在すると、上記実施例22〜23と同様に、ホイスカーを有効に防止できることが判明した。
【0059】
銅イオンの添加濃度が100ppmである比較例13では、ホイスカーの発生本数は基準例を大きく越える300本であって、銅にはホイスカー促進効果があることが明らかであり、ホイスカーを抑制するには濃度を10ppm未満にする必要があると考えられるが、この銅イオンの濃度が5ppmであり、ホイスカー抑制金属であるコバルトのイオンが10ppm共存する実施例25では、ホイスカーが50本に減少していた。
従って、銅とコバルトが共存する場合でも、ホイスカー抑制金属イオンが特定濃度以上で浴中に存在すると、ホイスカー促進金属が存在しても、上記実施例22〜23と同様に、ホイスカーを有効に防止できることが判明した。
【0060】
アンチモンイオンの添加濃度が10ppmである比較例14では、ホイスカーの発生本数は基準例を大きく越える500本であって、アンチモンにはホイスカー促進効果があることが明らかであり、ホイスカーを抑制するには濃度を10ppm未満にする必要があると考えられる。しかしながら、このアンチモンイオンの濃度が5ppmであり、ホイスカー抑制金属であるジルコニウムのイオンが10ppm共存する実施例26では、ホイスカー本数がゼロであり、また、10ppmのアンチモンイオンと10ppmのジルコニウムイオンの共存浴である実施例27でも、同様にゼロであった。
従って、アンチモンとジルコニウムが共存する場合でも、ホイスカー抑制金属イオンが特定濃度以上で浴中に存在すると、ホイスカー促進金属が存在しても、ホイスカーを有効に防止できることが判明した。
特に、この実施例26〜27の共存浴に鑑みると、ホイスカー促進金属にホイスカー抑制金属が共存する場合、ホイスカー促進金属の浴中濃度はホイスカーを抑制するための特定濃度以下又は以上を問わず、当該濃度に拘束されることなく、ホイスカー抑制金属の作用によりホイスカーを有効に防止できるという重要な点が再確認できた。
Claims (6)
- 可溶性第一スズ塩を含有してなるスズメッキ浴において、
バナジウム、ニッケル、ビスマスよりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の少なくとも一種を含有し、
上記ホイスカー抑制金属の含有量がメッキ浴に対して100〜2000ppmであることを特徴とするホイスカー防止用スズメッキ浴。 - 可溶性第一スズ塩を含有してなるスズメッキ浴において、
亜鉛、銀よりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の少なくとも一種を含有し、
上記ホイスカー抑制金属の含有量がメッキ浴に対して20〜2000ppmであることを特徴とするホイスカー防止用スズメッキ浴。 - 可溶性第一スズ塩を含有してなるスズメッキ浴において、
コバルト、インジウム、チタン、ジルコニウムよりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の少なくとも一種を含有し、
上記ホイスカー抑制金属の含有量がメッキ浴に対して10〜2000ppmであることを特徴とするホイスカー防止用スズメッキ浴。 - 可溶性第一スズ塩を含有してなるスズメッキ浴において、
モリブデンよりなるホイスカー促進金属を浴中より排除して、
上記ホイスカー促進金属の含有量をメッキ浴に対して10ppm未満に低減することを特徴とするホイスカー防止用スズメッキ浴。 - 可溶性第一スズ塩を含有してなるスズメッキ浴において、
(a)メッキ浴に対して、バナジウム、ニッケル、ビスマスよりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の含有量が100〜2000ppmであるか、
亜鉛、銀よりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の含有量が20〜2000ppmであるか、
コバルト、インジウム、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、鉛よりなる群から選ばれたホイスカー抑制金属の含有量が10〜2000ppmであり、且つ、
(b)メッキ浴に対して、モリブデン、アンチモン、銅よりなるホイスカー促進金属の含有量が10ppm未満であるか、
ガリウムよりなるホイスカー促進金属の含有量が100ppm未満であることを特徴とするホイスカー防止用スズメッキ浴。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のホイスカー防止用スズメッキ浴を用いてスズメッキ皮膜を形成した、半導体デバイス、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、リード線などの電子部品。
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