JP2002339095A - スズ−ビスマス−銅合金の析出方法 - Google Patents

スズ−ビスマス−銅合金の析出方法

Info

Publication number
JP2002339095A
JP2002339095A JP2001307286A JP2001307286A JP2002339095A JP 2002339095 A JP2002339095 A JP 2002339095A JP 2001307286 A JP2001307286 A JP 2001307286A JP 2001307286 A JP2001307286 A JP 2001307286A JP 2002339095 A JP2002339095 A JP 2002339095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin
bismuth
alloy
acid
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001307286A
Other languages
English (en)
Inventor
Gernot Strube
ゲルノート・シュトルーベ
Manfred Jordan
マンフレッド・ヨルダン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dr Ing Max Schloetter GmbH and Co KG
Original Assignee
Dr Ing Max Schloetter GmbH and Co KG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dr Ing Max Schloetter GmbH and Co KG filed Critical Dr Ing Max Schloetter GmbH and Co KG
Publication of JP2002339095A publication Critical patent/JP2002339095A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】合金表面上に金属ビスマスの析出をもたらす置
換反応を起さない電気メッキ法を提供すること。 【解決手段】スズ93〜98.5重量%、ビスマス1〜
5重量%、および銅0.5〜2重量%を含有する合金
を、1種またはそれ以上のアルキルスルホン酸および/
またはアルカノールスルホン酸および/または鉱酸、1
種またはそれ以上の可溶性スズ塩、1種またはそれ以上
の可溶性ビスマス塩および1種またはそれ以上の銅塩を
含有する酸性電解浴から電気メッキする方法であって、
pH1以下の酸性電解浴中で電気メッキすることによっ
て、スズ−ビスマス−銅合金表面上にビスマスが置換析
出するのを防止することを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気メッキされた
スズ−ビスマス−銅合金、その製造方法および前記合金
でメッキされた部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特に電子部品の製造のためには共融Sn
−Pbハンダ合金(Sn63重量%、Pb37重量%)
を使用する軟質ハンダ付けが標準的な組立方法である。
この方法に適応し、ハンダ付け適性を維持するために、
組み立てる部品に電気メッキされたスズ−鉛層を施すの
が普通である。原理的には、スズ−鉛層のあらゆる合金
成分が用いられ得る。たいていの場合、Pb3〜40重
量%、特にPb5〜20重量%の合金が使用される。大
量の鉛、たとえばPb95重量%を含有する合金は、高
い融点の要求される特別な応用に対して使用される。純
粋なスズによる皮膜は、排除することのできないホイス
カーの生成という基本的な危険があるにも関わらず、一
般に使用されている。
【0003】上記スズ−鉛合金は、非常に良好なハンダ
付け特性を示すが、鉛の代替に対する大きな要求があ
る。鉛含有ハンダ点を有する部品を廃棄するときに腐蝕
過程が鉛を水溶性の形に変化させる危険をはらんでい
る。このことは、地下水の長期間汚染をもたらす。
【0004】共融鉛−スズハンダの有望な代替品とし
て、スズ−銀合金がある。そのスズ−銀合金の融点を低
下させるため、共融合金を使用することができる。高す
ぎる加工温度は、たとえば印刷回路板および電子部品の
軟質ハンダ付けの間に、組み立てるべき部品の回復不可
能な損傷を招く。スズ−銀合金の共融組成物は、Sn9
6.5重量%およびAg3.5重量%からなる。共融点
は221℃である。少量のCu(略1重量%)の合金化
は、融点をさらに217℃に低下させる。たとえばSn
91〜95.3重量%、Ag 2〜4重量%、Bi
2〜4重量%、およびCu 0.7〜1重量%のSnA
gBiCu組成のハンダ合金がハンダ付けのさらに低い
加工温度に到達するために開発された。この組成物は、
略200℃〜210℃の融点に達した。
【0005】鉛含有ハンダの代替だけでなく、鉛含有皮
膜の代替も望ましい。部品の皮膜組成とハンダ合金の組
成が同一であることは必ずしも必要なことではない。組
み立てるべき部品の組成の元素によって製造工程におけ
るハンダ合金の組成を変化させることは、物理的性質の
劣化を避けるためにできるだけ回避しなければならな
い。このような変化は、液状ハンダ合金がハンダ付け工
程の間に皮膜を溶解し、両方の媒質が混合するときに生
じ得るものである。
【0006】上記ハンダ合金の主要成分はスズである。
したがって、たとえば部品上への純粋なスズの析出が、
適した皮膜となる。鉛非含有ハンダ合金の場合には、通
常90重量%を超えるスズを含有しているが、純粋なス
ズ皮膜は、ハンダ合金の汚染をもたらさない。ハンダ付
けされた部品から脱離する少量のスズがハンダ合金組成
の重大な変化をもたらすことはない。
【0007】このように、純粋なスズの皮膜は電子部品
のハンダ組立品の製造に適しているが、一般的に使用す
るのには少し躊躇されることがある。純粋なスズ皮膜は
特に電気メッキされたときにホイスカーを形成する傾向
がある。ホイスカーは、数ミクロンの直径および数mm
の長さを有するスズの細い単結晶である。電気回路中の
ホイスカーは短絡を生じ、被覆された部品の破壊を招
く。
【0008】低濃度の鉛の共析(析出した皮膜内で略1
重量%鉛)は、ホイスカーの生成を回避するか低減し
て、短絡の危険が排除できる。
【0009】鉛の添加は、望ましいことではなく、さら
に電気部品や電子部品の製造に鉛の禁止が望まれてい
る。ゆえに、スズ析出中のホイスカーの生成もまた排除
することのできる別の皮膜系が要求されている。このよ
うな皮膜は、合金成分として銀、銅およびビスマスを有
するスズを基材とする前記ハンダ合金と互いに相容性を
有するものでなければならず、電解析出することのでき
る2元合金SnAg、SnBiおよびSnCuが特に評
価された。
【0010】これらの被覆に伴う重要な問題は、それぞ
れの成分がかなり異なる電気化学ポテンシャルを持って
いることである。この被覆は(コストの理由から、そし
てハンダの汚染を避けるために)5重量%以下の貴金属
を有している。したがって、皮膜の電気化学ポテンシャ
ルは純粋なスズの電気化学ポテンシャルに大きく対応す
る。スズ−銀合金、スズ−銅合金またはスズ−ビスマス
合金の皮膜は、合金成分の銀、銅またはビスマスと比較
して電気化学的に卑である。このポテンシャルの差異に
より、合金皮膜が電流なしで電解液中に存在するときに
電荷の移動が生じ得るが、このことは電解液中に溶解し
た形(イオンの形)で存在する貴成分が電気メッキされ
たより貴でない皮膜上に金属の形で析出し、当量のスズ
が溶液中にイオンの形で入ることを意味する。
【0011】このような置換によるより貴の金属の析出
は、通常、粗大結晶で部分的にスポンジ形で起こる。こ
の状態では表面はあまりハンダ付け特性を有しない。し
たがって、置換による貴成分の析出は厳しく避けなけれ
ばならない。
【0012】現在の電気メッキプラントにおける工程実
施に関して、メッキ工程の間にすでに被覆された部分が
一定時間電流なしに電解液中に留まることを完全に回避
することはできない。たとえば、このような全自動メッ
キプラントの一連の工程に不調が生じたときに、自動制
御システムが整流器の電流を零にする。したがって、被
覆された部品が電流のない電解液中に残される。このよ
うな制御は、工程ラインを停止する間に電解液中に長時
間放置することが必要以上に厚い皮膜を与えないことを
確実にするために必要である。
【0013】さらに合金のより貴の部分は、通常使用さ
れるスズ陽極上に析出する。このことは、電解液中に溶
解したその金属の濃度を変化する。一定組成の合金を得
るために電解液中に一定濃度の溶解金属が与えられなけ
ればならない。したがって、スズ陽極へのより貴の金属
の析出には追加の技術を必要とする付加的分析制御が要
求される。
【0014】スズ−銀またはスズ−銅皮膜の電気メッキ
方法において、電気化学的により貴の金属は電解液に適
当な錯体形成剤を添加することにより錯体化され、より
貴の金属の電気化学ポテンシャルは負の方向に移行し、
スズのより貴でない性質へと適応する。部品皮膜上の銀
または銅の置換反応は除去されるか、または少なくとも
このようにして遅延される。電荷移動反応およびスズ−
ビスマス面上のビスマスの析出を排除するために適当な
ビスマス錯体形成剤を見出すことは未だ可能ではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、した
がって、合金面上に金属ビスマスの析出をもたらす置換
反応のないハンダ付け可能な電気メッキされたスズ−ビ
スマス合金を提供することである。さらに、ハンダ付け
による合金皮膜の組立はハンダ合金の変化を生じてはな
らず、電気メッキされた合金は短絡を生じるホイスカー
を生成してはならない。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題は、Sn93〜
98.5重量%、Bi1〜5重量%およびCu0.5〜
2重量%を含有する電気メッキされた合金によって解決
される。本発明の合金を電気メッキにより析出させてお
けば、電気メッキ液中に浸漬されていても、該合金上
に、金属ビスマスが置換によって析出することが避けら
れる。
【0017】それぞれの成分を一緒に溶融することによ
って製造されるSnBiCu3元合金は、成分として知
られている。これらの合金はSnCuの2元状態図に応
じて電気的に析出される合金とは異なっている。両成分
はSnxCuyの金属間相として反応するので室温では遊
離のCuは存在しない。電気的析出を用いる時異なる成
分が相の中に共存している。
【0018】特開平9−78285号公報(US 5,
759,381)および特開2001−172791号
公報によってスズ−ビスマス−銅合金は公知である。前
者では、Cuおよび/またはCoおよび/またはAgを
付加的に含むスズ−ビスマス合金の析出が、Sn,B
i,Cu,および/またはCoおよび/またはAgイオ
ンとカルボン酸、ラクトン化合物、アルカンスルホン
酸、アルカノールスルホン酸、フェノールスルホン酸、
およびそれらの塩を含有する電解浴を用いて行われてい
る。電解浴のpHは2〜9に調整され、それによりセラ
ミック、鉛ガラス、プラスチック、フェライト等の材料
がメッキされる。これらの材料が、pH1以下の強酸性
溶液では腐食されてしまうので、2〜9のpHは重要な
要件である。後者の実施例7では、pH3のメッキ浴か
らSn,Bi,Cuからなる合金がメッキされている。
【0019】これらのタイプの電解浴は、高電流密度が
実施できないという問題点を有していて、高速度メッキ
の連続プラントには適用できない。また、このタイプの
溶液はpH2〜9では不安定なために、Bi(III)イ
オンはSn(II)によってBi(0)に還元され沈殿を
生じてしまうであろう。
【0020】また、DE10006128は、縮合リン
酸塩およびアミノカルボン酸を含むスズ−ビスマス電解
浴を開示している。しかし、この方法も、pHが変化す
ると沈殿が生成してしまうという問題点があった。
【0021】本発明の電気メッキ合金は、前記のような
問題を生じることなく、アルキルスルホン酸および/ま
たはアルカノールスルホン酸、1種以上の可溶性スズ
塩、1種以上の可溶性ビスマス塩、1種以上の可溶性銅
塩を含む、pH1より低い酸性電解浴から、被覆される
基質からなる陰極上に直流を通電して、析出することが
できる。
【0022】Sn(II)は、電解浴中でカルボン酸、ラ
クトン化合物、アミノカルボン酸、縮合リン酸塩などの
錯化剤によって錯体になる。pH2〜9のときその錯体
によってスズの電気化学的ポテンシャルはより卑な方向
にシフトして、スズとビスマスとの電気化学的ポテンシ
ャルの差が大きくなる。よってビスマスは、2価のスズ
によって還元され黒いスラッジとして沈殿する。pH1
未満の強酸性溶液中では、スズとビスマスのポテンシャ
ルの差は小さくなり、よってビスマスは2価のスズによ
って還元されなくなる。
【0023】アルキルスルホン酸、およびアルカノール
スルホン酸は、炭素原子を好ましくは1個〜10個、特
に好ましくは1個〜5個持っている。アルキルスルホン
酸としては、たとえばメタンスルホン酸、エタンスルホ
ン酸、n−プロパンスルホン酸、イソプロパンスルホン
酸、メタンジスルホン酸、エタンジスルホン酸、2,3
−プロパンジスルホン酸、または1,3−プロパンジス
ルホン酸がある。適用可能なアルカノールスルホン酸
は、たとえば2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2−ヒ
ドロキシプロパンスルホン酸、および3−ヒドロキシプ
ロパンスルホン酸である。アルキルスルホン酸および/
またはアルカノールスルホン酸は好ましくは電解液中に
50g〜300g/l電解液、特に好ましくは100g
〜200g/lの濃度で存在する。
【0024】鉱酸としてHCl、H3PO4、H2SO4
および/またはHBF4が添加されるが、特にH2SO4
が好ましい。鉱酸の添加量はアルキルスルホン酸の添加
量と同程度である。
【0025】スズ塩は電解液中に鉱酸、アルキルスルホ
ン酸またはアルカノールスルホン酸の塩として存在する
ことができる。鉱酸の塩の例は、硫酸塩およびテトラフ
ルオロホウ酸塩である。アルキルスルホン酸の好ましい
塩は、たとえばメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸
塩、n−およびイソプロパンスルホン酸塩、メタンジス
ルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2,3−プロパンジ
スルホン酸塩および1,3−プロパンジスルホン酸塩で
ある。適用可能なアルカノールスルホン酸塩は、2−ヒ
ドロキシエタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシプロパン
スルホン酸塩および3−ヒドロキシプロパンスルホン酸
塩である。特に好ましいのは、スズ(II)メタンスル
ホン酸塩である。
【0026】電解液中のスズ塩は、スズとして計算し
て、好ましくは5g〜200g/l電解液、特に好まし
くは10g〜100g/l電解液の量で存在する。
【0027】ビスマス塩は電解液中に鉱酸、アルキルス
ルホン酸またはアルカノールスルホン酸の塩として存在
することができる。鉱酸塩、アルキルスルホン酸塩また
はアルカノールスルホン酸塩の例は、スズ塩について前
記した組成のものに対応する。特に好ましいのはビスマ
ス(III)メタンスルホン酸塩である。ビスマス塩
は、ビスマスとして計算して、電解液中に好ましくは
0.05g〜50g/l電解液、特に好ましくは0.1
g〜20g/l電解液の量で存在する。
【0028】銅塩は、好ましくは電解液中に鉱酸、アル
キルスルホン酸またはアルカノールスルホン酸の塩の形
で存在することができる。鉱酸塩、アルキルスルホン酸
塩またはアルカノールスルホン酸塩の例は、スズ塩につ
いて前記した組成のものに対応する。特に好ましいのは
銅(II)メタンスルホン酸塩である。
【0029】電解液は銅として計算して、電解液中に好
ましくは0.05g〜50g/l電解液、特に好ましく
は0.1g〜20g/lの銅塩を含有している。可溶性
銅塩は、酸性領域(acidic range)内で溶解して塩を生成
する銅化合物を添加することによって、電解液の調製の
間に作ることができる。酸性領域内で溶解して塩を生成
する銅化合物の例は、酸化銅(CuO)、炭酸銅(Cu
CO3)、および塩基性炭酸銅(Cu2(OH)2CO3
である。
【0030】電解液は、スズ合金析出のための酸性電解
液中で通常使用される他の添加剤、たとえば細粒化添加
剤、酸化安定剤、湿潤剤および/または光沢剤も含有す
ることができる。
【0031】細粒化添加剤としては一般式RO−(CH
2−CH2−O)nH(式中、Rは炭素原子1個〜20
個、好ましくは1個〜15個を有するアルキル基、アリ
ール基、アルカリル基またはアラルキル基であり、nは
1〜20である)で表される非イオン性テンサイド、た
とえばビスフェノールA−エトキシレートがある。細粒
化添加剤は、好ましくは0.1g〜50g/l電解液、
さらに好ましくは1g〜10g/l電解液の量で存在す
る。
【0032】酸化安定剤としては、たとえばブレンツカ
テキン、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロールのよ
うなモノ−またはポリヒドロキシフェニル化合物および
/またはアスコルビン酸のような化合物が使用される。
酸化安定剤は、好ましくは電解液中に0.05g〜10
g/l電解液、特に好ましくは0.5g〜2g/l電解
液の量で存在する。湿潤剤は、0.1g〜50g/l電
解液、好ましくは0.5g〜10g/l電解液の量で存
在することができる。
【0033】酸性電解質のpH値は好ましくは0〜1未
満である。本発明方法の電流密度は0.1A/dm
2(バレル(barrel)およびラック(rack)メッキ)〜10
0A/dm2(高速メッキライン)である。電解液の温
度は好ましくは0℃〜70℃の範囲内に、特に好ましく
は20℃〜50℃の範囲内に調整される。被覆すべき基
質は、たとえば電気部品および電子部品に通常使用され
るすべての材料、たとえば銅、銅含有合金、ニッケル−
鉄合金(たとえば合金42)またはニッケルメッキされ
た材料である。
【0034】
【発明の効果】本発明方法において本発明の合金で電気
メッキされた基質は、合金表面上に金属ビスマスを析出
することなく電流なしで電解液中に留まることができ
る。本発明の電気メッキされた合金で被覆された部品
は、特に鉛非含有ハンダ、たとえばSn−、Ag−、S
n−Ag−、Sn−Ag−Cu−、およびSn−Ag−
Cu−Bi−ハンダによるハンダ付けによって組み立て
ることができる。したがって、本発明は、本発明の電気
メッキされた合金で被覆された部品、特に電気部品およ
び電子部品を含むものである。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明を以下の実施例によって説
明する。
【0036】
【実施例1】次の電解液を調製した: メタンスルホン酸(70重量%) 150g/l スズ(スズメタンスルホン酸塩として) 40g/l 銅(銅メタンスルホン酸塩として) 1g/l ビスマス(ビスマスメタンスルホン酸塩として) 1.6g/l 非イオン性テンサイド(ビスフェノールA−エトキシレート Lutron H F−3、BASF社) 4g/l カテコール 1g/l 2−ナフタリンスルホン酸Na塩 0.3g/l
【0037】この電解液のpHは0である。電解液中で
Cu 1重量%、Bi 1.7重量%およびSn 9
7.3重量%の組成の3元合金を浴温40℃および陰極
電流密度5A/dm2で析出させた。皮膜の外観は均一
な明るい灰色−絹状艶消し(silky-matte)であった。析
出厚さを10μmにするために4分間固定メッキした
後、整流器を切り、4分間電流なしで上記電解液中に試
験板を放置した。この電流なしにさらされた後に皮膜の
外観は変化しないままであった。
【0038】
【比較例1】メタンスルホン酸を基材とする市販のスズ
浴(Dr.Ing.Max Schlotterのスズ
浴SAT20)の中で、析出厚さ10μmの普通の純粋
なスズ析出を行った。この皮膜の外観は均一な明るい灰
色−滑らかであった。析出の直後に、被覆された試験板
をスズ電解液から取り出し、実施例1に相当する電解液
の中に直ちに移し、そこに40℃で4分間電流なしで放
置した。表面の外観はその後ビロード状黒色となり、置
換によるビスマスの激しい析出が生じた。
【0039】
【比較例2】スズ−ビスマス合金析出用の市販の合金浴
(Dr.Ing.Max Schlotterの合金浴
SLOTOLOY SNB20)の中で、スズ−ビスマ
ス合金の析出を陰極電流密度5A/dm2および温度4
0℃で4分間行った。皮膜の外観は、均一な明るい灰色
−滑らかであり、合金皮膜はBi 1.8%を含有して
いた。この試料は、浴から取り出して合金組成の測定の
ために乾燥しなければならなかったので、置換試験には
使用しなかった。第2の試料を同一条件の下で被覆し
た。被覆後この試料をすすぎおよび乾燥することなく実
施例1に相当する電解液に直ちに移し、そこに40℃で
4分間放置した。表面の外観はその後ビロード状黒色に
なり、置換によるビスマスの激しい析出が生じた。
【0040】
【比較例3】次の組成の電解液を調製した。 150g/l 70%メタンスルホン酸 10g/l スズ(メタンスルホン酸スズとして) 100g/l クエン酸 3g/l ビスマス(メタンスルホン酸ビスマスとし
て) この溶液はpH0であり、透明で無色であった。この溶
液のpHを苛性ソーダを添加して3に調整すると、直ち
に黒い沈殿が生成した。この比較例は、pHを2〜9に
調整する特開平9−078285公報のような方法で
は、電解浴が不安定でスラッジが生じてしまうことを示
している。
【0041】
【比較例4】特開2001−172791号公報の実施
例7にしたがって、次の組成の電解液を調製した。 15g/l Sn2+(硫酸第一スズとして) 1g/l Cu2+(硫酸銅として) 1g/l Bi2+(硫酸ビスマスとして) 200g/l クエン酸一水和物 2g/l ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 1g/l 没食子酸 溶液を苛性ソーダでpH3に調節すると、溶液は金属ビ
スマスが沈殿して黒くなった。
【比較例5】DE10006128の実施例にしたがっ
て、次の電解液を調製した。 75g/l ニトリロトリ酢酸三ナトリウム 8.4g/l Bi(メタンスルホン酸ビスマスとして) 23.7g/l Sn(メタンスルホン酸スズとして) 90g/l ピロリン酸4ナトリウム塩(Na427) 苛性ソーダによりpHを調整しようとしたができなかっ
た。苛性ソーダ溶液を滴下すると、滴下した場所ではp
Hが局所的に高くなり、黒いビスマスの沈殿を生じた。
このような現象は、製造プロセスにおいて難点になる。
すなわち、pHが製造プロセスの間変化するのを避ける
ために、pHを調整する必要性が生じてしまうからであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1による皮膜の外観を示す。
【図2】図2は、比較例2による皮膜の外観を示す。
【図3】図3は、比較例3による皮膜の外観を示す。
フロントページの続き (72)発明者 ゲルノート・シュトルーベ ドイツ国 ガイスリンゲン/ステルゲ 73312 ゼッペリンストラーセ 70 (72)発明者 マンフレッド・ヨルダン ドイツ国 サラハ 73084 パノラマスト ラーセ 36 Fターム(参考) 4K023 AB04 AB34 BA17 BA29 CA01 CB08 CB21 CB33 DA02 4K024 AA15 AA21 AB01 BB09 BB11 CA01 CA02 CA03 GA14 GA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スズ−ビスマス合金の電気メッキ方法にお
    いて、pH1以下の酸性電解浴中で、スズ93〜98.
    5重量%、ビスマス1〜5重量%、および銅0.5〜2
    重量%を含有する合金を電気メッキすることによって、
    スズ−ビスマス−銅合金表面上にビスマスが置換析出す
    るのを防止することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】電解浴が、無機酸、アルキルスルホン酸、
    またはアルカノールスルホン酸の少なくとも一種を含有
    する請求項1に記載の電気メッキ方法。
  3. 【請求項3】アルキルスルホン酸およびアルカノールス
    ルホン酸として炭素原子1個〜10個を有する化合物を
    使用する請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】無機酸として、HCl、H3PO4、H2
    4、またはHBF4の1種以上が添加される請求項2ま
    たは3に記載の方法。
  5. 【請求項5】電解浴が、スズ、ビスマスおよび銅を、無
    機酸、アルキルスルホン酸、またはアルカノールスルホ
    ン酸の1種以上の塩として含有する請求項1〜4のいず
    れかに記載の方法。
  6. 【請求項6】電解浴に細粒化添加剤、酸化安定剤、湿潤
    剤および/または光沢剤を添加することからなる請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】請求項1に記載される方法によってSn9
    3〜98.5重量%、Bi1〜5重量%、およびCu
    0.5〜2重量%を含有する合金を電気メッキされた部
    品。
  8. 【請求項8】部品が、電気部品、または電子部品である
    請求項7に記載の部品。
JP2001307286A 2001-05-16 2001-10-03 スズ−ビスマス−銅合金の析出方法 Pending JP2002339095A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE10123753.7 2001-05-16
DE10123753 2001-05-16

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002339095A true JP2002339095A (ja) 2002-11-27

Family

ID=7684950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001307286A Pending JP2002339095A (ja) 2001-05-16 2001-10-03 スズ−ビスマス−銅合金の析出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002339095A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005002368A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Ishihara Chem Co Ltd ホイスカー防止用スズメッキ浴
JP2006117980A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Ishihara Chem Co Ltd 鉛フリーの酸性スズ−ビスマス系合金電気メッキ浴
JP2009522449A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 アーケマ・インコーポレイテッド 高速錫めっき方法
EP2740820A1 (de) * 2012-12-04 2014-06-11 Dr.Ing. Max Schlötter GmbH & Co. KG Elektrolyt und Verfahren zur Abscheidung von lötbaren Schichten

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005002368A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Ishihara Chem Co Ltd ホイスカー防止用スズメッキ浴
JP2006117980A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Ishihara Chem Co Ltd 鉛フリーの酸性スズ−ビスマス系合金電気メッキ浴
JP4605359B2 (ja) * 2004-10-20 2011-01-05 石原薬品株式会社 鉛フリーの酸性スズ−ビスマス系合金電気メッキ浴
JP2009522449A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 アーケマ・インコーポレイテッド 高速錫めっき方法
EP2740820A1 (de) * 2012-12-04 2014-06-11 Dr.Ing. Max Schlötter GmbH & Co. KG Elektrolyt und Verfahren zur Abscheidung von lötbaren Schichten

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7273540B2 (en) Tin-silver-copper plating solution, plating film containing the same, and method for forming the plating film
EP1001054B1 (en) Tin-copper alloy electroplating bath and plating process therewith
KR100268967B1 (ko) 금속 착물 형성용 수용액, 주석-은 합금도금욕 및 당해도금욕을 사용하는 도금물의 제조방법
EP1467004B1 (en) Tin alloy electroplating compositions and methods
US5759381A (en) Sn-Bi alloy-plating bath and method for forming plated Sn-Bi alloy film
JP4812365B2 (ja) 錫電気めっき液および錫電気めっき方法
JP4446040B2 (ja) 錫−銀合金層を電着させるための電解液および方法
KR101729658B1 (ko) 은 및 주석 합금의 전기도금조
EP1553211B1 (en) Tin-silver-copper plating solution, plating film containing the same, and method for forming the plating film
JP2525521B2 (ja) 無電解スズ―鉛合金めっき浴
JP5150016B2 (ja) スズ又はスズ合金メッキ浴、及び当該メッキ浴を用いたバレルメッキ方法
JP2004510053A (ja) 錫−銅合金層を析出させるための電解質及び方法
JP6432667B2 (ja) 錫合金めっき液
WO2023050980A1 (zh) 用于在镍镀层上电镀金的镀液和在镍镀层上电镀金的方法和镀金件
JP3632499B2 (ja) 錫−銀系合金電気めっき浴
JP4219224B2 (ja) 錫系合金の電解めっき方法
JP5278675B2 (ja) スズ−ビスマス合金層沈着(析出)のための電解液及び方法
JP2002339095A (ja) スズ−ビスマス−銅合金の析出方法
KR102629674B1 (ko) 주석 합금 도금액
JP2008536011A5 (ja)
KR960008155B1 (ko) 주석-비스무트 합금의 전기도금법
WO2018142776A1 (ja) 錫合金めっき液
US6726827B2 (en) Electroplating solution for high speed plating of tin-bismuth solder
TWI728396B (zh) 錫合金鍍敷液
JPH10204676A (ja) 錫−銀合金電気めっき浴及び錫−銀合金電気めっき方法