JP4812365B2 - 錫電気めっき液および錫電気めっき方法 - Google Patents
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Description
日本国特許公告昭49−16176号公報は、β−ナフトールスルホン酸を含む芳香族スルホン酸と金属化合物との錯塩を基剤とする電着浴を使用した電着方法を開示する。この特許は、β−ナフトールスルホン酸を添加剤として有機酸浴に添加することを開示していない。
日本国特許公開2002−17478号は、可溶性第一錫塩および可溶性鉛塩と、特定のナフトールスルホン酸の一種以上を含む錫−鉛合金めっき浴を開示する。この特許は、2−ナフトール−7−スルホン酸を錫めっき浴に使用することを開示していない。
また、第2の態様として、有機酸がアルカンスルホン酸およびアルカノールスルホン酸からなる群から選択される1以上の酸である前記錫電気めっき液を提供する。
第3の態様として、有機酸の錫塩と、1種又は2種以上のアルカンスルホン酸と、2−ナフトール−7−スルホン酸およびそのアルカリ塩からなる群から選択される1種または2種以上の化合物と、置換または非置換のジヒドロキシベンゼン化合物から選択される1種または2種以上の酸化防止剤と、1種または2種以上の非イオン性界面活性剤とを含有する錫電気めっき液であって、鉛イオンを実質的に含有しないめっき液を提供する。
第4の態様として、有機酸の錫塩と、1種又は2種以上のアルカンスルホン酸と、2−ナフトール−7−スルホン酸およびそのアルカリ塩からなる群から選択される1種または2種以上の化合物と、置換または非置換のジヒドロキシベンゼン化合物から選択される1種または2種以上の酸化防止剤と、1種または2種以上の非イオン性界面活性剤と、水とからなる酸性錫電気めっき液を提供する。
第5の態様として、上記いずれかの錫電気めっき液を用いて基体上に錫被膜を電解析出する方法を提供する。
第6の態様として、錫被膜を有する電子部品を製造する方法であって、有機酸の錫塩と、1種又は2種以上のアルカンスルホン酸と、2−ナフトール−7−スルホン酸およびそのアルカリ塩からなる群から選択される1種または2種以上の化合物と、置換または非置換のジヒドロキシベンゼン化合物から選択される1種または2種以上の酸化防止剤と、1種または2種以上の非イオン性界面活性剤と、水とからなる酸性錫電気めっき液により電気めっきする工程を含む基体上に錫被膜を有する電子部品を製造する方法を提供する。
本明細書を通じて使用される略語は、他に明示されない限り、次の意味を有する。
g=グラム;mg=ミリグラム;℃=摂氏度;min=分;m=メートル;cm=センチメートル;L=リットル;mL=ミリリットル;A=アンペア;dm2=平方デシメートル。全ての数値範囲は境界値を含み、さらに任意の順序で組み合わせ可能である。
本明細書を通じて用語「めっき液」および「めっき浴」は、同一の意味を持ち交換可能なものとして使用される。用語「アルカン」および「アルカノール」とは、直鎖または分岐鎖アルカンまたはアルカノールをいう。
第一錫イオンのめっき浴中の含有量は、錫イオンとして、例えば、10g/L以上150g/L以下であり、好ましくは30g/L以上120g/L以下、より好ましくは50g/L以上100g/L以下である。
2−ナフトール−7−スルホン酸またはその塩は、そのめっき浴中の含有量として、例えば、0.01g/L以上20g/L以下、好ましくは0.2g/L以上10g/L以下、より好ましくは、0.3g/L以上5g/L以下である。
界面活性剤は、めっき浴中において、例えば、0.01g/L以上50g/L以下、好ましくは0.1g/L以上20g/L以下、より好ましくは1g/L以上15g/L以下の濃度で使用することが適当である。
酸化防止剤は、めっき浴中において、例えば、0.01g/L以上10g/L以下、好ましくは0.1g/L以上5.0g/L以下、より好ましくは0.5g/L以上2.0g/L以下の濃度で使用することが適当である。
本発明のめっき液を用いた電気めっき方法としては、例えば、10〜65℃、好ましくは室温〜50℃のめっき浴温度で行なうことができる。
また、陰極電流密度は、例えば、0.01〜100A/dm2、好ましくは0.05〜70A/dm2の範囲で適宜選択される。
めっき処理の間、めっき浴は無攪拌でも良いが、スターラー等による攪拌、ポンプによる液流動などの方法を選択することも可能である。
下記の組成で錫めっき液を建浴した。
メタンスルホン酸(遊離酸として):175g/L
2−ナフトール−7−スルホン酸ナトリウム:0.5g/L
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(C8−C18)アルキルアミン:10g/L
ハイドロキノンスルホン酸カリウム:2g/L
蒸留水:残部
析出異常とは、一般的に過大な電流密度部分に形成されやすい「ヤケ」「焦げ」と呼ばれる析出部分または低電流部分に発生しやすい無めっき部分をいう。均一性は、電気めっき方法で用いられる一般的な電流密度帯域における析出皮膜表面の状態を観察したものをいう。
実施例1の2−ナフトール−7−スルホン酸ナトリウム0.5g/Lを2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム0.5g/Lに替えためっき浴を、実施例1と同条件にてハルセルテストを行なった。めっき被膜の外観を目視により測定した結果を表1に示す。
実施例1の2−ナフトール−7−スルホン酸ナトリウム0.5g/Lを2−ナフトール−3、6−ジスルホン酸−2ナトリウム0.5g/Lに替えためっき浴を、実施例1と同条件にてハルセルテストを行なった。めっき被膜の外観を目視により測定した結果を表1に示す。
実施例1の2−ナフトール−7−スルホン酸ナトリウム0.5g/Lを1−ナフトール−3、6−ジスルホン酸−2ナトリウム0.5g/Lに替えためっき浴を、実施例1と同条件にてハルセルテストを行なった。めっき被膜の外観を目視により測定した結果を表1に示す。
実施例1の2−ナフトール−7−スルホン酸ナトリウムの添加量を0.5g/Lから0.2g/Lに替えためっき浴を、実施例1と同条件にてハルセルテストを行なった。めっき被膜の外観を目視により測定した結果を表1に示す。
実施例1の2−ナフトール−7−スルホン酸ナトリウムの添加量を0.5g/Lから0.3g/Lに替えためっき浴を、実施例1と同条件にてハルセルテストを行なった。めっき被膜の外観を目視により測定した結果を表1に示す。
比較例2の2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸−2ナトリウムの添加量を0.5g/Lから1.0g/Lに替えためっき浴を、実施例1と同条件にてハルセルテストを行なった。めっき被膜の外観を目視により測定した結果を表1に示す。
実施例1の2−ナフトール−7−スルホン酸ナトリウム0.5g/Lを2−ナフトール0.2g/Lに替えためっき浴を、実施例1と同条件にてハルセルテストを行なった。めっき被膜の外観を目視により測定した結果を表1に示す。
実施例1の2−ナフトール−7−スルホン酸ナトリウム0.5g/Lをサリチルアルデヒド10mg/Lに替えためっき浴を、実施例1と同条件にてハルセルテストを行なった。めっき被膜の外観を目視により測定した結果を表1に示す。
実施例1および比較例4で調整しためっき浴をそれぞれ2L準備し、各めっき浴を10Aの電流で4時間の間電解を行なった。電解を行なう前の浴と電解処理後の浴を用いて、実施例1と同様に錫めっき皮膜を形成し、その外観を目視により観察した。
実施例1のめっき浴では、電解処理前と処理後のめっき浴から形成されためっき皮膜の外観に変化は見られなかったが、比較例4のめっき浴では、電解処理後のめっき皮膜がより無光沢となっていた。
実施例1および比較例4のめっき液をそれぞれ2L準備し、浴温27℃、4m/分の陰極揺動およびスターラーによる攪拌、5〜40A/dm2のさまざまな電流密度の条件下で、銅リードフレーム上に10μmの錫めっき被膜を堆積した。
得られた各錫めっき被膜を105℃、100%、8時間の耐湿試験処理(PCT処理(105℃ 100%Rh 8Hr))を行ない、耐湿試験後のめっき被膜のはんだぬれ性について、ソルダ−チェッカーを用いたメニスコグラフ法によりゼロクロスタイムを測定し評価を行なった。測定条件は以下のとおりである。
はんだ槽:Sn/Pb=63/37
浴温:235℃
浸漬深さ:1mm
浸漬速度:10mm/秒
浸漬時間:5秒
フラックス:ロジン系不活性タイプ
Claims (9)
- 第一錫イオンと、有機酸と、2−ナフトールー7−スルホン酸またはその塩から選ばれる1種又は2種以上とを含有し、実質的に鉛イオンを含有しない錫電気めっき液。
- 有機酸が、アルカンスルホン酸およびアルカノールスルホン酸からなる群から選ばれる1以上の酸である請求項1記載の錫電気めっき液。
- 有機酸の錫塩を錫イオンとして10g/L〜150g/L;アルカンスルホン酸から選ばれる1種又は2種以上の酸を50g/L〜300g/L;2−ナフトール−7−スルホン酸およびその塩からなる群から選択される1以上の化合物を0.2g/L〜5g/Lを含み、実質的に鉛イオンを含有しない錫電気めっき液。
- 更に、酸化防止剤または界面活性剤の1種又は2種以上を含有する請求項1又は3に記載の錫電気めっき液。
- 有機酸の錫塩と、1種又は2種以上のアルカンスルホン酸と、2−ナフトール−7−スルホン酸およびその塩からなる群から選択される1種または2種以上の化合物と、置換または非置換のジヒドロキシベンゼン化合物から選択される1種または2種以上の酸化防止剤と、1種または2種以上の非イオン性界面活性剤とを含有する錫電気めっき液であって、鉛イオンを実質的に含有しないめっき液。
- 有機酸の錫塩と、1種又は2種以上のアルカンスルホン酸と、2−ナフトール−7−スルホン酸およびそのアルカリ塩からなる群から選択される1種または2種以上の化合物と、置換または非置換のジヒドロキシベンゼン化合物から選択される1種または2種以上の酸化防止剤と、1種または2種以上の非イオン性界面活性剤と、水とからなる錫電気めっき液。
- 基体上に錫被膜を電解析出する方法であって、(1)錫電気めっき液、電極および電圧源を準備する工程、(2)基体および電極を該めっき液に接触させる工程、(3)電極および基体を該電圧源と電気的に接続して、該電極が陽極に且つが基体が陰極に分極する工程、を含む方法において、錫電気めっき液として、請求項1から6に記載のいずれか1項記載のめっき液を使用する前記方法。
- 基体上の金属に錫めっき被膜を形成する方法であって、表面上に金属を有する基体を準備する工程、該基体を酸により活性化処理をする工程、および該活性化処理基体を酸性錫電気めっき液により電気めっきする工程を含む上記方法であって、該酸性錫電気めっき液が、有機酸の錫塩と、1種又は2種以上のアルカンスルホン酸と、2−ナフトール−7−スルホン酸およびそのアルカリ塩からなる群から選択される1種または2種以上の化合物と、置換または非置換のジヒドロキシベンゼン化合物から選択される1種または2種以上の酸化防止剤と、1種または2種以上の非イオン性界面活性剤と、水とからなるめっき液である方法。
- 錫被膜を有する電子部品を製造する方法であって、基体を錫電気めっき液により電気めっきする工程を含み、該酸性錫電気めっき液が、有機酸の錫塩と、1種又は2種以上のアルカンスルホン酸と、2−ナフトール−7−スルホン酸およびそのアルカリ塩からなる群から選択される1種または2種以上の化合物と、置換または非置換のジヒドロキシベンゼン化合物から選択される1種または2種以上の酸化防止剤と、1種または2種以上の非イオン性界面活性剤と、水とからなるめっき液である方法。
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PLATING | Plating Lead-Free Soldering in Electronics |
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