JP2001040497A - 錫−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電子部品 - Google Patents

錫−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電子部品

Info

Publication number
JP2001040497A
JP2001040497A JP21275499A JP21275499A JP2001040497A JP 2001040497 A JP2001040497 A JP 2001040497A JP 21275499 A JP21275499 A JP 21275499A JP 21275499 A JP21275499 A JP 21275499A JP 2001040497 A JP2001040497 A JP 2001040497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bismuth
tin
plating
acid
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21275499A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Kato
保夫 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NE Chemcat Corp
Original Assignee
NE Chemcat Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NE Chemcat Corp filed Critical NE Chemcat Corp
Priority to JP21275499A priority Critical patent/JP2001040497A/ja
Publication of JP2001040497A publication Critical patent/JP2001040497A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたハンダ付け性を有する錫−ビスマス合
金皮膜及び該皮膜で被覆された電子部品を提供する。 【解決手段】 炭素含有量が0.3重量%以下であり、
ビスマス含有量が0.1〜10重量%である錫−ビスマ
ス合金皮膜及び該皮膜で被覆された電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れたハンダ付け
性を有する錫−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電
子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】電子工業の分野では電子部品をハンダで
接合することが行われている。また、ハンダ接合を良好
に行うためにハンダ接合に先立って、電子部品にハンダ
下地として、ハンダめっきを施すことが行われている。
【0003】これらのハンダ接合やハンダめっきの材料
には、従来より錫−鉛合金が広く用いられてきた。錫−
鉛合金は優れたハンダ付け性を有しているが、有害な鉛
が含まれているため、鉛を含まないハンダめっき材料が
要望されてきた。ハンダめっき材料には錫も用いられて
きたが、ホイスカーが発生するため、回路を短絡させる
原因となりやすく適切な材料ではない。
【0004】近年、鉛を含まないハンダめっきとして、
錫−銀合金めっき、錫−インジウム合金めっき及び錫−
亜鉛合金めっきが提案された。しかし、錫−銀合金めっ
きは、該合金めっき浴に合金めっき析出のために強力な
錯化剤を使用するので、浴管理が煩雑であり、また高価
な銀を用いるので、得られる皮膜が高価であるという欠
点があった。また錫−インジウム合金めっきは、皮膜の
融点が低いため、ハンダ接合したときの接合強度が低
く、価格も高いという欠点があった。さらに錫−亜鉛合
金めっきは、皮膜が酸化し易いため、空気中でのハンダ
付けが困難であるという欠点があった。このような状況
から、鉛を含まないハンダめっきとして錫−ビスマス合
金めっきが要望されている。
【0005】錫−ビスマス合金めっき皮膜を得るための
めっき浴としては、特開昭63-14887号公報にアルカンス
ルホン酸浴、特公平2-88789号公報に硫酸浴とアルカン
スルホン酸浴、特表平3-503068号公報にアルカンスルホ
ン酸浴、特開平6-63110号公報に硫酸浴とアルカンスル
ホン酸浴、また特開平8-225985号公報に有機リン化合物
浴が開示されている。これらの浴から得られる錫−ビス
マス合金めっき皮膜は、合金中のビスマス含有量が10
重量%以上(例えば特開昭63-14887号公報、特公平2-88
789号公報および特公平2-88789号公報の各浴から得られ
る皮膜では、それぞれ30〜50重量%、35〜40重量%およ
び10〜30重量%)であり、130〜160℃程度の融点を有す
る低融点ハンダ付け用であるので、180℃程度の融点を
有する皮膜が得られる錫−鉛合金めっき浴の代替品とし
ては使用することができない。
【0006】一方、錫−鉛合金めっき皮膜と同程度また
はそれ以上の融点を有する錫−ビスマス合金めっき皮膜
を得る浴としては、特開平8-260185号公報に硫酸浴とア
ルカンスルホン酸浴、特開平8-260186号公報に硫酸浴と
アルカンスルホン酸浴、特開平8-260187号公報に硫酸
浴、特開平10-81991号公報に硫酸浴とアルカンスルホン
酸浴、また特開平10-317184号公報にアルカンスルホン
酸浴が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者が上
記文献に記載のめっき浴から得られた皮膜のハンダ付け
性を調査したところ、加熱処理後のハンダ付け性の劣化
が著しく、所望するハンダ付け性が得られなかった。一
般的に、めっき皮膜のハンダ付け性は、皮膜の金属組
成、結晶サイズ、平滑性、皮膜中の不純物に影響され
る。ハンダ付けの信頼性の目安とされる加熱処理後のハ
ンダ付け性は、ハンダ付け性に優れている錫−鉛合金め
っき皮膜の場合、皮膜に光沢があるからといって良いと
は限らない。本発明の目的は、加熱処理後のハンダ付け
性に優れた錫−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電
子部品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、錫−ビスマス合金めっき皮膜中の不純物炭素
の含有量を特定量以下に抑えるとともに、ビスマス含有
量を特定範囲とすることにより上記目的を達成できるこ
とを見出した。
【0009】すなわち、本発明は炭素含有量が0.3重
量%以下であり、ビスマス含有量が0.1〜10重量%
である錫−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電子部
品を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の錫−ビスマス合金めっき
皮膜で被覆された電子部品は、リードフレーム、コネク
ター、チップコンデンサー、チップ抵抗器等の電子部品
に電気めっきにより錫−ビスマス合金めっき皮膜を形成
することにより製造される。こうして形成される錫−ビ
スマス合金めっき皮膜は、炭素含有量が0.3重量%以
下であり、ビスマス含有量が0.1〜10重量%のもの
である。なお、残部は錫である。
【0011】めっき法で形成される錫−ビスマス合金め
っき皮膜は、不純物として炭素を含有している。めっき
直後では、炭素は皮膜表面にほとんど存在しないため、
ハンダ付け性を阻害しない。しかし、室温で長期間保存
した場合やハンダ付けの信頼性を評価するために加熱処
理した後では、室温での拡散や加熱による熱拡散が起こ
り、炭素が皮膜表面に浮上し、ハンダ付け性が著しく阻
害される。本発明者は、錫−ビスマス合金めっき皮膜中
の炭素含有量を0.3重量%以下に抑えると、加熱処理
後の皮膜のハンダ付け性が格段に向上することを見出し
た。
【0012】一方、錫−ビスマス二元合金においては、
ビスマス含有量が57重量%まではビスマス含有量が増
加するに従って融点が低くなる。ハンダ付け性は、融点
が低い方が一般的には良いが、ビスマス含有量によって
も影響を受ける。すなわち、ビスマス含有量が多くなる
に従って皮膜が脆くなり、電子部品のハンダ接合時の接
合強度が低下する。ビスマス含有量が10重量%より多
くなると、錫−ビスマス合金めっき皮膜が被覆された、
リードフレームやコネクターでは、リード部を成形する
際に皮膜にクラックが発生し易く、これが原因となって
皮膜の耐食性やハンダ付け性が低下する。また錫−ビス
マス合金めっき皮膜が被覆された、チップコンデンサー
やチップ抵抗器では、部品同士の物理的接触で皮膜が剥
離し易くなる。
【0013】さらに前述したように、錫単独の皮膜では
ホイスカーが発生するが、本発明者は、錫−ビスマス合
金めっき皮膜中のビスマス含有量が0.1重量%以上で
あると、ホイスカーの発生が防止されることを見出し
た。このような観点から、本発明に用いられる錫−ビス
マス合金めっき皮膜中のビスマス含有量は0.1〜10
重量%の範囲でなければならない。
【0014】また上記錫−ビスマス合金めっき皮膜の厚
さは、ハンダ下地としての目的に適っていれば特に制限
はないが、1〜30μmが好ましい。厚さが1μmより
小さいと、ハンダ付け性が低下し易くなり、30μmよ
り大きいとそれに見合うハンダ付け性の向上が得られず
不経済である。
【0015】錫−ビスマス合金めっき皮膜を電気めっき
により形成する際のめっき方法として、ラック式めっき
法、バレル式めっき法、オーバーフロー式めっき法、ジ
ェット式めっき法等慣用の方法を用いることができる。
【0016】用いられるめっき浴も、上記錫−ビスマス
合金めっき皮膜が得られる限り制約はない。例えば(A)
アルカンスルホン酸第一錫塩及びアルカノールスルホン
酸第一錫塩から選ばれる少なくとも1種、(B)アルカン
スルホン酸ビスマス塩及びアルカノールスルホン酸ビス
マス塩から選ばれる少なくとも1種、(C)アルカンスル
ホン酸及びアルカノールスルホン酸から選ばれる少なく
とも1種、(D)非イオン性界面活性剤、(E)上記錫塩の酸
化防止剤及び(F)モノヒドロキシナフタレン化合物等を
含む浴が挙げられる。このめっき浴は、結晶組織が緻密
で、めっきムラやめっきヤケがなく、かつハンダ付け性
がいっそう向上した皮膜を得ることができる。上記のめ
っき浴において、(A)〜(F)成分の具体例は次のと
おりである。
【0017】(A)アルカンスルホン酸第一錫塩・アル
カノールスルホン酸第一錫塩:アルカンスルホン酸第一
錫塩としては、例えばメタンスルホン酸第一錫、エタン
スルホン酸第一錫、プロパンスルホン酸第一錫、2−プ
ロパンスルホン酸第一錫等が挙げられる。またアルカノ
ールスルホン酸第一錫塩としては、例えばヒドロキシメ
タンスルホン酸第一錫、2−ヒドロキシエタン−1−ス
ルホン酸第一錫、2−ヒドロキシブタン−1−スルホン
酸第一錫等が挙げられる。これらは1種単独で用いても
よいし、2種以上混合して用いてもよい。これらの塩の
めっき浴中の含有量は、金属錫として、好ましくは5〜
100g/L(リットル、以下同じ)、さらに好ましく
は10〜60g/Lである。
【0018】(B)アルカンスルホン酸ビスマス塩・ア
ルカノールスルホン酸ビスマス塩:アルカンスルホン酸
ビスマス塩としては、例えばメタンスルホン酸ビスマ
ス、エタンスルホン酸ビスマス、プロパンスルホン酸ビ
スマス、2−プロパンスルホン酸ビスマス等が挙げられ
る。またアルカノールスルホン酸ビスマス塩としては、
例えば、ヒドロキシメタンスルホン酸ビスマス、2−ヒ
ドロキシエタン−1−スルホン酸ビスマス、2−ヒドロ
キシブタン−1−スルホン酸ビスマス等が挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して
用いてもよい。これらの塩のめっき浴中の含有量は、得
られる皮膜中のビスマス含有量が0.1〜10重量%と
なるような量であればよく、具体的には、金属ビスマス
として、好ましくは0.1〜30g/L、さらに好まし
くは1〜20g/Lである。
【0019】(C)アルカンスルホン酸・アルカノール
スルホン酸:アルカンスルホン酸またはアルカノールス
ルホン酸は、上記錫塩およびビスマス塩の錯化剤とし
て、また、浴中の電気伝導成分としての役割を果たす。
アルカンスルホン酸としては、例えばメタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、2−プロ
パンスルホン酸等が挙げられる。またアルカノールスル
ホン酸としては、ヒドロキシメタンスルホン酸、2−ヒ
ドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシブタ
ン−1−スルホン酸等が挙げられる。これらは1種単独
で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。こ
れらのめっき浴中の含有量は特に限定されないが、好ま
しくは30〜500g/L、さらに好ましくは100〜
250g/Lである。
【0020】(D)非イオン性界面活性剤:非イオン性
界面活性剤としては公知の非イオン性界面活性剤、例え
ばC1〜C20のアルカノール、フェノール、ナフトー
ル、ビスフェノール類、C1〜C25のアルキルフェノ
ール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25のア
ルキルナフトール、C1〜C25のアルコキシル化リン
酸またはその塩、ソルビタンエステル、スチレン化フェ
ノール、ポリアルキレングリコール、C1〜C22の脂
肪族アミン、C1〜C22の脂肪族アミド等に、エチレ
ンオキサイド(EO)および/またはプロピレンオキサ
イド(PO)を2〜300モル付加縮合させたもの;C
1〜C25のアルコキシル化リン酸またはその塩;一般
式(1): RN(R’)2→O (1) 〔式中、RはC5〜C25のアルキル基または−CON
HR"(R"はC1〜C5のアルキレン基を表す)を表
し、R’はC1〜C5のアルキル基で同一でもよいし、
異なっていてもよい。〕で表されるアミンオキサイド等
が挙げられる。
【0021】市販の非イオン性界面活性剤としては、商
品名で例示すると、エマルゲン911(花王製)、エマ
ルゲン950(花王製)、レオドールTWP12(花王
製)、ニッサンナイミーンS−220(日本油脂製)、
ノイゲンET−147(第一工業製薬製)、ノイゲンE
A−157(第一工業製薬製)、エパン485(第一工
業製薬製)、ラミゲンES60(第一工業製薬製)、プ
ライサーフ215C(第一工業製薬製)、ノニポールソ
フトDO−70(三洋化成製)、ニューポールPE−7
8(三洋化成製)、ファスファノールLE−500(東
邦化学工業製)等が挙げられる。
【0022】これらの非イオン性界面活性剤は1種単独
で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。非
イオン性界面活性剤のめっき浴中の含有量は特に限定さ
れないが、好ましくは0.5〜50g/L、さらに好ま
しくは1〜20g/Lである。
【0023】(E)酸化防止剤:酸化防止剤としては、
例えばアスコルビン酸またはその塩(塩の種類として
は、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩
等)、ハイドロキノン、クレゾールスルホン酸またはそ
の塩(塩の種類としては、例えばナトリウム、カリウム
等のアルカリ金属塩等)、フェノールスルホン酸または
その塩(塩の種類としては、例えばナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属塩等)、ピロカテコール、レゾルシ
ン、フロログルシン等が挙げられる。これらは1種単独
で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。酸
化防止剤のめっき浴中の含有量は特に限定されないが、
好ましくは0.1〜25g/L、さらに好ましくは0.
5〜10g/Lである。
【0024】(F)モノヒドロキシナフタレン化合物:
モノヒドロキシナフタレン化合物は、浴中の有機物の共
析を抑制し、皮膜の錫−ビスマス合金組成を安定化させ
るとともに、皮膜中への不純物炭素の混入を抑制する作
用を有する。モノヒドロキシナフタレン化合物は、ヒド
ロキシル基を1個有するほか、例えば、カルボン酸基、
スルホン酸基、アルデヒド基等の置換基を有していても
いなくてもよい。具体例としては、1−ナフトール、2
−ナフトール、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ナフトール−3,6
−ジスルホン酸、2−ナフトール−3,6−ジスルホン
酸、ナフトールグリーンB,1−ナフトールベンゼイ
ン、α−ナフトールオレンジ、α−ナフトールフタレイ
ン、1−ナフトールー2−スルホン酸、1−ナフトール
−4−スルホン酸、1−ナフトール−8−スルホン酸、
2−ナフトール−6−スルホン酸、2−ヒドロキシ−1
−ナフトアルデヒド、6−ヒドロキシ−2−ナフタレン
スルホン酸、3−ヒドロキシ−ナフトエ酸メチルエステ
ル、3−アミノ−2−ナフトール、5−アミノ−1−ナ
フトール、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジス
ルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール、1−アミノ−
ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフト
ール−7−スルホン酸またはそれらの塩(塩の種類とし
ては、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩
等)などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよ
いし、2種以上混合して用いてもよい。モノヒドロキシ
ナフタレン化合物のめっき浴中の含有量は特に限定され
ないが、好ましくは0.01〜10g/L、さらに好ま
しくは0.1〜5g/Lである。
【0025】また上記のめっき浴は、浴安定剤(例えば
グルコン酸、酒石酸、フマル酸等の有機カルボン酸)、
光沢剤[例えばベンザルアセトン、(メタ)アクリル
酸、o−クロロベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒ
ド、パラアセトアルデヒド、2−メルカプトベンゾチア
ゾール等]や、皮膜の合金組成安定化等のためにアニオ
ン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等
を、本発明の効果を損なわない範囲の量で含有してもよ
い。
【0026】電気めっきに使用される陽極、及び陰極電
流密度、浴温等のめっき条件は、用いる浴の種類や所望
する皮膜厚さ等に応じて適宜選定すればよい。例えば陽
極としては、錫や錫−ビスマス合金等の可溶性陽極の他
に、白金、ロジウムやこれらの金属で被覆されたチタン
またはタンタル等の不溶性陽極を使用することができ
る。なお、陰極は電子部品である。めっき浴の温度(以
下、浴温という)は10〜70℃、好ましくは20〜5
0℃である。
【0027】陰極電流密度は、通常0.1〜100A/
dm2の範囲であり、好ましくはバレル式めっきでは
0.2〜1A/dm2、ラック式めっきでは0.5〜4
A/dm2、オーバーフロー式めっきでは4〜30A/
dm2、ジエツト式めっきでは30〜60A/dm2であ
る。
【0028】以上のようにして上記錫−ビスマス合金め
っき皮膜を電子部品に被覆する際、その構成材料に応じ
て、電子部品に耐熱性や耐食性を付与するために、錫−
ビスマス合金めっき皮膜の下地として、電気めっき又は
無電解めっきにより銅、ニッケル又はそれらの合金のめ
っきを施すことができる。
【0029】本発明に用いられる錫−ビスマス合金めっ
き皮膜は電子部品のみならず、他の分野でのハンダ下地
用としても用いることができる。このようにして、有害
な鉛を含まない、安価で優れたハンダ付け性を有する錫
−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電子部品を得る
ことができる。
【0030】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0031】実施例1 42アロイ(鉄58重量%、ニッケル42重量%)製D
IP(Dual Inline Packageの略称)24ピン(板厚0.2
5mm)リードフレームを、アルカリ脱脂、水洗、アル
カリ電解脱脂、水洗、10重量%硫酸浸漬、水洗、乾燥
の順で処理したものを試料とした。該試料を下記組成の
めっき浴及びめっき条件でめっきした。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 40g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 3.5g/L メタンスルホン酸 150g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10g/L ピロカテコール 1.0g/L 1−ナフトール 0.5g/L めっき条件: 浴温 40℃ 陰極電流密度 12A/dm2 得られた皮膜は、灰白色無光沢で、厚さが25μmであ
り、皮膜のビスマス含有量は2.5重量%、炭素含有量
は0.003重量%であった。
【0032】実施例2 実施例1と同様の試料に、下記のめっき浴およびめっき
条件でめっきした。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 25g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 5.0g/L メタンスルホン酸 120g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10g/L ピロカテコール 0.5g/L 2−ナフトール 0.3g/L ベンザルアセトン 0.5g/L メタクリル酸 2.0g/L めっき条件: 浴温 25℃ 陰極電流密度 5A/dm2 得られた皮膜は、灰白色光沢で、厚さが10μmであ
り、皮膜のビスマス含有量は6.4重量%、炭素含有量
は0.15重量%であった。
【0033】実施例3 実施例1と同様の試料に、下記のめっき浴およびめっき
条件でめっきした。 めっき浴: 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸第一錫(錫として) 20g/L 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 6.0g/L 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸 100g/L ポリオキシエチレンアルキルアミン 5g/L レゾルシン 0.5g/L 5−アミノ−1−ナフトール 0.2g/L めっき条件: 浴温 30℃ 陰極電流密度 4A/dm2 得られた皮膜は、灰白色光沢で、厚さが1.5μmであ
り、皮膜のビスマス含有量は2.8重量%、炭素含有量
は0.005重量%であった。
【0034】実施例4 実施例1において、42アロイ製DIP24ピンリード
フレームの代わりに、厚さ2μmのニッケルめっきを施
したオーリン195(銅)製24ピンリードフレームを用
いた他は実施例1と同様に処理して試料を作製した。こ
の試料に下記のめっき浴およびめっき条件でめっきし
た。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 55g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 5.6g/L メタンスルホン酸 250g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル 12g/L アスコルビン酸 0.5g/L 1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸 0.8g/L ベンザルアセトン 0.5g/L めっき条件: 浴温 45℃ 陰極電流密度 18A/dm2 得られた皮膜は、灰白色光沢で、厚さが12μmであ
り、皮膜のビスマス含有量は1.2重量%、炭素含有量
は0.11重量%であった。
【0035】実施例5 実施例4と同様の試料に、下記のめっき浴およびめっき
条件でめっきした。 めっき浴: エタンスルホン酸第一錫(錫として) 40g/L エタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 7.0g/L エタンスルホン酸 120g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 3g/L レゾルシン 0.5g/L 2−ナフトール 0.2g/L めっき条件: 浴温 30℃ 陰極電流密度 2.5A/dm2 得られた皮膜は、灰白色光沢で、厚さが7μmであり、
皮膜のビスマス含有量は8.3重量%、炭素含有量は
0.008重量%であった。
【0036】比較例1 実施例1と同様の試料に、下記のめっき浴およびめっき
条件でめっきした。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 40g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 5.0g/L メタンスルホン酸 70g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10g/L o−クロロベンズアルデヒド 0.1g/L 1−ナフトアルデヒド 0.4g/L パラアセトアルデヒド 6.0g/L めっき条件: 浴温 25℃ 陰極電流密度 10A/dm2 得られた皮膜は、灰色光沢で、厚さが10μmであり、
皮膜のビスマス含有量は1.5重量%、炭素含有量は
0.56重量%であった。
【0037】比較例2 実施例1と同様の試料に、下記のめっき浴およびめっき
条件でめっきした。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 15g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 5.0g/L メタンスルホン酸 200g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5g/L 2−メルカプトベンゾチアゾール 2g/L アクリル酸 0.5g/L めっき条件: 浴温 25℃ 陰極電流密度 2A/dm2 得られた皮膜は、灰色光沢で、厚さが23μmであり、
皮膜のビスマス含有量は5.4重量%、炭素含有量は
0.43重量%であった。
【0038】比較例3 実施例1と同様の試料に、下記のめっき浴およびめっき
条件でめっきした。 硫酸錫(錫として) 15g/L 硫酸ビスマス(ビスマスとして) 2g/L 硫酸 100g/L ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 5g/L めっき条件: 浴温 30℃ 陰極電流密度 2A/dm2 得られた皮膜は、灰色半光沢で、厚さが4μmであり、
皮膜のビスマス含有量は8.5重量%、炭素含有量は
0.32重量%であった。
【0039】性能評価例 各実施例および比較例で得られためっき皮膜について、
次の方法でハンダ付け性を評価した。めっきを施したリ
ードフレームを熱風炉で150℃で168時間加熱した
後、リードフレームの外部リード部を5mmの長さに切
断し試料とした。
【0040】エコソルダーM42(千住金属工業製ハン
ダの商品名、組成は錫:94.25重量%、銀:2.0
重量%、銅:0.75重量%、ビスマス:3.0重量
%)を溶融して250℃に保持したハンダ浴に、ラピッ
クスR(ニホンハンダ製、非活性タイプのロジンフラッ
クス)を塗布した上記試料を10秒間浸漬し、メニスコ
グラフ法によるゼロクロスタイム(ハンダ付け性評価用
試料を溶融ハンダ槽に浸漬し始めた後、溶融ハンダ液に
よる浮力と引力とが同一となるまでの時間で、この時間
が短いほど、ハンダ付け性が良好と判断する。)を測定
した。さらに、10秒間浸漬した上記試料を40倍の顕
微鏡で観察し、次の基準でハンダ濡れ外観を評価した。
【0041】 ◎:濡れ面積100% ○:濡れ面積100%未満95%以上で一部にピットあ
り。 △:濡れ面積95〜70%でピット多数あり。 結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より、各実施例で得られた錫−ビスマ
ス合金めっき皮膜被覆電子部品の皮膜は、めっきムラや
めっきヤケがなく、皮膜の結晶が緻密であり、また炭素
含有量が0.3重量%以下と低いため、加熱処理後であ
ってもゼロクロスタイムが短く、ハンダ濡れ外観も良好
で、優れたハンダ付け性を示した。一方、各比較例で得
られた錫−ビスマス合金めっき皮膜被覆電子部品の皮膜
は、炭素含有量が0.3重量%を超えているため、ゼロ
クロスタイムが全実施例の平均値の4倍以上であり、ハ
ンダ濡れ外観も劣悪で、ハンダ付け性が劣っていた。
【0044】
【発明の効果】本発明に使用される錫−ビスマス合金め
っき皮膜は、皮膜の結晶が緻密であるため、めっきムラ
やめっきヤケがなく、また炭素含有量が0.3重量%以
下と低いため、長期間の保存後や加熱処理後、またスチ
ームエージング後でも優れたハンダ付け性を示す。この
ため、有害な鉛を含むハンダめっきに代替することがで
き、人体に対する安全面およびコスト面から産業上極め
て有用である。またビスマス含有量が0.1〜10重量%の
範囲にあるので、錫−鉛合金めっき皮膜に代替できる融
点を有する。したがって本発明で使用される錫−ビスマ
ス合金めっき皮膜は電子部品の被覆に好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素含有量が0.3重量%以下であり、
    ビスマス含有量が0.1〜10重量%である錫−ビスマ
    ス合金めっき皮膜で被覆された電子部品。
  2. 【請求項2】 皮膜の厚さが1〜30μmである請求項
    1に記載の電子部品。
JP21275499A 1999-07-27 1999-07-27 錫−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電子部品 Pending JP2001040497A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21275499A JP2001040497A (ja) 1999-07-27 1999-07-27 錫−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21275499A JP2001040497A (ja) 1999-07-27 1999-07-27 錫−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電子部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001040497A true JP2001040497A (ja) 2001-02-13

Family

ID=16627870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21275499A Pending JP2001040497A (ja) 1999-07-27 1999-07-27 錫−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001040497A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193778A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Fujitsu Ltd 電子部品のSnめっき皮膜
JP2008536011A (ja) * 2005-04-12 2008-09-04 デーエル.−イーエヌゲー.マックス シュレッター ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー スズ−ビスマス合金層沈着(析出)のための電解質及び方法
USRE45987E1 (en) 2003-09-11 2016-04-26 Renesas Electronics Coporation Electronic component and method of manufacturing the same
US20190189349A1 (en) * 2016-04-15 2019-06-20 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer Capacitor Having External Electrode Including Conductive Resin Layer
CN115029745A (zh) * 2022-07-08 2022-09-09 云南锡业集团(控股)有限责任公司研发中心 一种可减少元件镀层工艺步骤并提升焊点可靠性的方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE45987E1 (en) 2003-09-11 2016-04-26 Renesas Electronics Coporation Electronic component and method of manufacturing the same
JP2006193778A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Fujitsu Ltd 電子部品のSnめっき皮膜
JP2008536011A (ja) * 2005-04-12 2008-09-04 デーエル.−イーエヌゲー.マックス シュレッター ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー スズ−ビスマス合金層沈着(析出)のための電解質及び方法
US20190189349A1 (en) * 2016-04-15 2019-06-20 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer Capacitor Having External Electrode Including Conductive Resin Layer
US10658116B2 (en) * 2016-04-15 2020-05-19 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer capacitor having external electrode including conductive resin layer
US10658117B2 (en) 2016-04-15 2020-05-19 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer capacitor having external electrode including conductive resin layer
US11342119B2 (en) 2016-04-15 2022-05-24 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer capacitor having external electrode including conductive resin layer
CN115029745A (zh) * 2022-07-08 2022-09-09 云南锡业集团(控股)有限责任公司研发中心 一种可减少元件镀层工艺步骤并提升焊点可靠性的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4812365B2 (ja) 錫電気めっき液および錫電気めっき方法
JP5583894B2 (ja) 電気錫めっき液および電気錫めっき方法
KR101729658B1 (ko) 은 및 주석 합금의 전기도금조
JP2004002970A (ja) スズ又はスズ合金電気メッキ浴液における酸化によるスズ損失の制限
JP2007262458A (ja) 耐ウィスカー性リフローSnめっき材
JP3274766B2 (ja) 低融点錫合金めっき浴
TW201700797A (zh) 使用銨鹽之鍍敷液
US20020166774A1 (en) Alloy composition and plating method
JP2000226686A (ja) 鉛および鉛/錫合金の電気めっき用電気めっき溶液
JP2001040497A (ja) 錫−ビスマス合金めっき皮膜で被覆された電子部品
JP2001040498A (ja) 錫−銅合金めっき皮膜で被覆された電子部品
JP4077119B2 (ja) 錫−ビスマス合金電気めっき浴およびめっき方法
JP2006283149A (ja) 銅又は銅合金の表面処理方法、表面処理材及びこれを用いた電子部品
JP2006206977A (ja) ハンダ性に優れた表面処理Al板
JP2667323B2 (ja) 酸化防止剤、めっき浴用助剤およびこれを用いためっき浴
JPS61117297A (ja) スズ属金属めつき液
JP2006342395A (ja) ハンダ性に優れた樹脂被覆めっき金属板
JPS63161186A (ja) リフロ−処理錫−鉛合金めつき材の製造方法
JP7462799B2 (ja) 銀/スズ電気めっき浴及びその使用方法
JPH0253519B2 (ja)
JPS63161183A (ja) リフロ−処理錫めつき材の製造方法
TW201704546A (zh) 使用鋶鹽之鍍敷液
JPH11269692A (ja) 錫−銀系合金酸性電気めっき浴
JPS6316477B2 (ja)
JPH0995794A (ja) 皮膜物性改質用スズ、及びスズ―鉛合金メッキ浴

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060523

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080118

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080331

A02 Decision of refusal

Effective date: 20091104

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02