JP4332667B2 - スズ及びスズ合金メッキ浴 - Google Patents

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Description

本発明はスズ又は鉛フリーのスズ合金メッキ浴に関して、浴から得られたメッキ皮膜のハンダ濡れ性を経時劣化を起こさずに良好に保持できるとともに、皮膜の摩擦抵抗を軽減できるものを提供する。
一般に、金属材料にハンダ付けをする場合には、ハンダ濡れ性を確保するため、予め金属材料にスズ又はスズ合金のメッキ皮膜を形成しているが、スズ系メッキ面は酸化により経時劣化し、或は変色し易く、初期の表面特性が損なわれる。
また、環境保護・生産性向上・保管の省スペース化の見地から、最近、チップ部品の実装手段がテープ実装システムからバルク実装システムに移って来ているが、このバルク実装システムでは、チップ同士の摩擦により電極が劣化したり、メッキ皮膜の削れ屑が発生してパーツフィーダーが運転不良を起こすなどの問題が発生し、皮膜の摩擦抵抗の改善が要望されている。
特許文献1には、自動車などが塩分などで腐食作用を起こすことを防止する防錆処理剤として、アルミニウムイオン、又は亜鉛イオンを緩衝剤として含有する無電解(置換法又は還元法の)鉛、鉛−スズ合金メッキ浴が記載されている。
上記緩衝剤には、還元剤の急速な化学反応による鉛イオンの析出を極力抑えることで、鉛、鉛−スズ合金皮膜を緻密に改善する作用があり(第2頁右下欄)、また、当該メッキ浴には、アルミニウムイオンの供給源として明バン150〜250g/Lを含有でき、もってメッキ皮膜にはアルミニウムイオンが少量含有されることが記載されている(第3頁左上欄)。
特開平4−36473号公報
上記特許文献1は防錆目的であり、ハンダ濡れ性の確保という本発明の目的とは異なるうえ、特許文献1の防錆用のメッキ浴は、スズメッキ浴、或は鉛フリーのスズ合金メッキ浴を発明の対象とするものではない。しかも、メッキ浴は無電解浴であって、電気メッキ浴ではない。
本発明はスズ又は鉛フリーのスズ合金メッキ浴、それも酸性乃至中性付近のメッキ浴において、ハンダ濡れ性の向上と摩擦抵抗の軽減に優れた電着皮膜を得ることを技術的課題とする。
本発明者らは、スズ又は鉛フリーのスズ合金メッキ浴にアルミニウムイオン又はマグネシウムイオンを所定の少量濃度で含有すると、得られた電着皮膜のハンダ濡れ性を良好に改善できるとともに、当該皮膜の摩擦係数が低下してメッキ面の摩擦抵抗が軽減すること、また、両者が共存するとハンダ濡れ性がより良く改善すること、さらには、酸性浴から中性浴までの広いpH域でハンダ濡れ性や耐摩耗性の改善効果が得られることを見い出して、本発明を完成した。
即ち、本発明1は、(A)第一スズ塩と、第一スズ塩及び銀、ビスマス、銅、亜鉛、インジウム、コバルト、金、アンチモンから選ばれた金属の塩の混合物との可溶性塩のいずれかを含有し、
(B)可溶性アルミニウム塩及び可溶性マグネシウム塩の少なくとも一種を0.01〜5g/L(金属換算)含有し、
ペーハーが10以下であることを特徴とするスズ又はスズ合金メッキ浴である。
本発明2は、上記本発明1において、さらに、グルコン酸、クエン酸より選ばれたオキシカルボン酸をスズの錯化剤として含有することを特徴とするスズ又はスズ合金メッキ浴である。
本発明3は、上記本発明1又は2のスズ又はスズ合金メッキ浴を用いて、電着皮膜を形成した半導体デバイス、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、IC、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、リード線より選ばれた電子部品である。
(1)本発明は、可溶性アルミニウム塩又は可溶性マグネシウム塩を特定濃度(金属換算)で少量含有するスズメッキ浴、又は鉛フリーのスズ合金メッキ浴であるため、浴から得られたスズ及びスズ合金皮膜にはアルミニウム又はマグネシウムが吸着して保護作用を発揮することが推定できる。このため、電着皮膜は経時劣化を起こさずにハンダ濡れ性を良好に保持できる。
また、電着皮膜には上記吸着作用が推測されることから、皮膜の摩擦係数が有効に低下し、メッキ面の摩擦抵抗が軽減するため、チップ部品の実装システムとして最近注目されて来たバルク実装システムに本発明のメッキ浴を適用すると、摩擦により電極が劣化したり、メッキ皮膜の削れ屑が発生してパーツフィーダーが運転不良を起こすなどの弊害を円滑に防止できる。
さらには、スズ系メッキ浴に可溶性アルミニウム塩と可溶性マグネシウム塩を共存させると、得られたスズ系皮膜のハンダ濡れ性をより良く向上できる。
一方、本発明はスズ系メッキ浴であれば広いpH域の浴に適用でき、強酸性浴から、pH3〜10程度の中性浴まで適用可能である。
(2)冒述の特許文献1には、防錆目的で無電解の鉛、鉛−スズメッキ浴に緩衝剤として明バン150〜250g/Lを含有することが記載されているが(同文献の第3頁左上欄)、明バンを一般的なカリウム明バン(KAl(SO4)2・12H2O)に代表させると、そのアルミニウムイオンの含有量は8.53〜14.23g/Lに換算できる。
一方、本発明はスズ系皮膜のハンダ濡れ性や耐摩耗性の改善を目的として、浴にアルミニウムイオンを0.01〜5g/Lの割合で含有するものであるため、防錆目的で無電解鉛、鉛−スズメッキ浴に含有する上記特許文献1のアルミニウムイオンの濃度よりは少量であり、後述の試験例にも示すように、0.05g/L(例えば、実施例1)のごく少量でも所期の目的には有効なのである。
特に、注意すべき点は、後述の試験例(比較例3参照)でも明らかなように、アルミニウムイオンを本発明の適正濃度範囲より大きく、上記特許文献1のアルミニウムイオン濃度の下限値(即ち、8.53g/L)付近の割合で過剰に含有すると、かえってハンダ濡れ性が劣る結果を招くことである。
本発明は、第一に、可溶性アルミニウム塩及び/又は可溶性マグネシウム塩を金属換算で0.01〜5g/Lの特定範囲で含有するpH10以下のスズ又はスズ合金メッキ浴であり、第二に、このスズ又はスズ合金メッキ浴を用いて電着皮膜を形成したプリント基板、フィルムキャリアなどの各種電子部品である。
本発明のスズ又はスズ合金メッキ浴に含有される可溶性アルミニウム塩は、基本的に水中でAl3+を発生させるものであれば特に制限はなく、難溶性塩も排除されない。
可溶性アルミニウム塩としては、アルミニウムの酸化物、水酸化物、硫酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩、或は、明ばん等の複塩などが挙げられ、具体的には、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、臭化アルミニウム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、リン酸アルミニウムなどであり、好ましくは硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムである。
上記可溶性マグネシウム塩は基本的に水中でMg2+を発生させるものであれば特に制限はなく、難溶性塩も排除されない。同マグネシウム塩としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、フッ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウムマグネシウム、硝酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムなどが挙げられ、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムが好ましい。
可溶性アルミニウム塩と可溶性マグネシウム塩は夫々を単用又は併用でき、また、両可溶性塩を複用することができる。メッキ浴に両可溶性塩を共存させると、後述の試験例に示すように、浴から得られるメッキ皮膜のハンダ濡れ性の向上により良く寄与できる。
上記可溶性塩のメッキ浴に対する合計含有量は、金属換算で0.01〜5g/Lであり、好ましくは0.05〜3g/Lである。0.01g/Lより少ないとメッキ皮膜のハンダ濡れ性と耐摩耗性の改善効果が低減し、5g/Lより多いと浴が濁り、メッキ液のハンドリングに悪影響を及ぼす恐れがある。
本発明のスズメッキ浴はスズ供給源として可溶性第一スズ塩を含有するが、この可溶性第一スズ塩は基本的に水中でSn2+を発生させる有機又は無機のスズ塩であり、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、スルホコハク酸、p−フェノールスルホン酸などの有機スルホン酸の第一スズ塩を初め、ホウフッ化第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、塩化第一スズなどが挙げられる。
一方、本発明のスズ合金メッキ浴には、可溶性第一スズ塩と、銀、ビスマス、銅、亜鉛、インジウム、コバルト、金、アンチモンから選ばれた金属の可溶性塩とを含有する。即ち、本発明の対象とする鉛を含まないスズ合金は、スズと、銀、ビスマス、銅、亜鉛、インジウム、コバルト、金、アンチモンから選ばれた少なくとも一種の特定金属との合金をいう。具体的には、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−銅合金、スズ−亜鉛合金、スズ−インジウム合金、スズ−金合金などの2元系のスズ合金を初め、スズ−銅−ビスマス合金、スズ−銅−銀合金、スズ−銅−亜鉛合金などの3元系のスズ合金も含まれる。
上記スズと合金を形成する特定金属の可溶性塩は、水中で相当する金属イオンを発生させる有機又は無機の金属塩であり、具体的には、酸化物、ハロゲン化物、有機スルホン酸塩、スルホコハク酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、硫酸塩、硝酸塩などである。
上記可溶性第一スズ塩又は上記特定金属の可溶性塩は夫々単用又は併用でき、可溶性第一スズ塩のメッキ浴に対する含有量は金属換算で0.5〜300g/L、好ましくは10〜120g/Lである。また、上記特定金属の可溶性塩の含有量は金属換算で0.05〜100g/L、好ましくは0.1〜30g/Lである。
本発明のスズ又はスズ合金メッキ浴は酸性浴からpH3〜10程度の中性浴まで広く適用できる。
中性のスズ又はスズ合金浴にあっては、Sn2+を安定化させ、もって白色沈殿が生じたり、浴が分解するのを防止する見地から、本発明2に示すように、スズの錯化剤を含有することが有効である。
上記錯化剤は、オキシカルボン酸、ポリカルボン酸、モノカルボン酸などであり、具体的には、グルコン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコノラクトン、グルコヘプトラクトン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アスコルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、ジグリコール酸、或はこれらの塩などが挙げられる。好ましくは、グルコン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコノラクトン、グルコヘプトラクトン、或はこれらの塩などである。
また、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸(IDP)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジオキシビス(エチルアミン)−N,N,N′,N′−テトラ酢酸、グリシン類、ニトリロトリメチルホスホン酸、或はこれらの塩なども錯化剤として有効である。
上記錯化剤は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は0.05〜10mol/L、好ましくは0.1〜2mol/Lである。
また、スズ合金メッキ浴の場合、銀、ビスマス、銅、金などのスズと合金を形成する金属をメッキ浴中で安定化させるために、安定剤が有効である。
上記安定剤としては、2,2′−ジチオジアニリン、2,2′−ジピリジルジスルフィド、2,2′−チオジグリコール、ビス(ドデカエチレングリコール)チオエーテル、ビス(ペンタデカエチレングリコール)チオエーテル、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、2−(メチルチオ)エタノールなどの芳香族又は脂肪族スルフィド系化合物、メルカプト酢酸、メルカプト乳酸、メルカプトコハク酸、2−メルカプトベンゾチアゾールなどのメルカプト系化合物よりなる含イオウ化合物が挙げられ、グルコン酸又はその塩などの前記オキシカルボン酸も有効である。
本発明のスズ又はスズ合金メッキ浴は基本的に有機酸浴、無機酸浴、或はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などをベースとした浴であり、上記有機酸としては有機スルホン酸、脂肪族カルボン酸などが挙げられ、無機酸としては、硫酸、塩酸、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸などが挙げられる。この中では、スズの溶解性、排水処理の容易性などの見地から有機スルホン酸又はその塩が好ましい。有機スルホン塩としては、有機スルホン酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、ペンタエチレンテトラミン塩などが使用できる。
但し、上記有機酸又は無機酸などをベース酸とする場合、本発明のメッキ浴が酸性浴のときには問題ないが、中性浴では、後述するように、pH調整剤として各種の塩基を浴に添加して、pHを3〜10の適正範囲に調整することはいうまでもない。
上記酸又はその塩は単用又は併用でき、その含有量は0.1〜20mol/L、好ましくは0.5〜5mol/Lである。
上記有機スルホン酸は、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、スルホコハク酸、芳香族スルホン酸などであり、アルカンスルホン酸としては、化学式Cn2n+1SO3H(例えば、n=1〜11)で示されるものが使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンスルホン酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸などが挙げられる。
上記アルカノールスルホン酸としては、化学式
m2m+1-CH(OH)-Cp2p-SO3H(例えば、m=0〜6、p=1〜5)
で示されるものが使用でき、具体的には、2―ヒドロキシエタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸(2−プロパノールスルホン酸)、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―スルホン酸などが挙げられる。また、水酸基を2個以上有するアルカノールスルホン酸も使用できる。
上記芳香族スルホン酸は、基本的にベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸などであり、具体的には、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ジフェニルアミン−4−スルホン酸などが挙げられる。
上記有機スルホン酸では、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、2―ヒドロキシエタン―1―スルホン酸などが好ましい。
一方、本発明のスズ又はスズ合金メッキ浴には上記成分以外に、目的に応じて公知の界面活性剤、光沢剤、半光沢剤、pH調整剤、導電性塩、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤などの各種添加剤を混合できることはいうまでもない。
上記界面活性剤には通常のノニオン系、アニオン系、両性、或はカチオン系などの各種界面活性剤が挙げられ、メッキ皮膜の外観、緻密性、平滑性、密着性、均一電着性などの改善に一層寄与する。
上記アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、モノ〜トリアルキルアミン塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシルリン酸(塩)、ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合させたものなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。
上記光沢剤、或は半光沢剤としては、ベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、2,4,6−トリクロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、フルフラール、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、3−アセナフトアルデヒド、ベンジリデンアセトン、ピリジデンアセトン、フルフリリデンアセトン、シンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、サリチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、グルタルアルデヒド、パラアルデヒド、バニリンなどの各種アルデヒド、トリアジン、イミダゾール、インドール、キノリン、2−ビニルピリジン、アニリン、フェナントロリン、ネオクプロイン、ピコリン酸、チオ尿素類、N―(3―ヒドロキシブチリデン)―p―スルファニル酸、N―ブチリデンスルファニル酸、N―シンナモイリデンスルファニル酸、2,4―ジアミノ―6―(2′―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―エチル―4―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―ウンデシルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール、2―メルカプトベンゾチアゾール、2―メチルベンゾチアゾール、2―アミノベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メトキシベンゾチアゾール、2―メチル―5―クロロベンゾチアゾール、2―ヒドロキシベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メチルベンゾチアゾール、2―クロロベンゾチアゾール、2,5―ジメチルベンゾチアゾール、5―ヒドロキシ―2―メチルベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール類などが挙げられる。
本発明のスズ又はスズ合金メッキ浴には必要に応じて上記pH調整剤を含有できる。
本発明は酸性浴乃至中性浴に適用できるが、特に、中性浴にあっては、pH調整剤を用いることでpHを3〜10程度に有効に調整できる。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の各種の酸、アンモニア水、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の各種の塩基などが挙げられるが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのモノカルボン酸類、ホウ酸類、リン酸類、シュウ酸、コハク酸などのジカルボン酸類、乳酸、酒石酸などのオキシカルボン酸類、モノ、ジ又はトリアルキルアミン、モノ、ジ又はトリアルキロールアミンなどのアミン類なども有効である。
上記導電性塩としては、硫酸、塩酸、リン酸、スルファミン酸、スルホン酸などのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩などが挙げられるが、上記pH調整剤で共用できる場合もある。
上記酸化防止剤は、浴中のSn2+の酸化防止を目的とし含有され、アスコルビン酸又はその塩、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、フロログルシン、クレゾールスルホン酸又はその塩、フェノールスルホン酸又はその塩、カテコールスルホン酸又はその塩、ハイドロキノンスルホン酸又はその塩、ヒドラジンなどが挙げられる。また、中性浴では有効性の見地から、アスコルビン酸又はその塩などが好ましい。
上記防腐剤としては、ホウ酸、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、塩化ベンザルコニウム、フェノール、フェノールポリエトキシレート、チモール、レゾルシン、イソプロピルアミン、グアヤコールなどが挙げられる。
上記消泡剤としては、プルロニック界面活性剤、高級脂肪族アルコール、アセチレンアルコール及びそれらのポリアルコキシレートなどが挙げられる。
本発明のスズ又はスズ合金メッキ浴での上記各種添加剤の含有濃度は、バレルメッキ、ラックメッキ、高速連続メッキ、ラックレスメッキなどに対応して任意に調整・選択できる。
本発明のスズ系浴を用いた電気メッキの条件としては、浴温は0℃以上、好ましくは10〜50℃程度であり、陰極電流密度は0.001〜50A/dm2、好ましくは0.01〜30A/dm2である。
本発明3は、上記本発明1又は2のメッキ浴を用いて、スズの電着皮膜又は鉛フリーのスズ合金の電着皮膜を形成した物品であり、具体的には、半導体デバイス、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、IC、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、リード線などの電子部品が好適である。
以下、本発明のスズメッキ浴及び鉛フリーのスズ合金メッキ浴の実施例、当該スズ系メッキ浴から得られた電着皮膜のハンダ濡れ性試験例、並びに当該皮膜の摩擦試験例を順次説明する。
また、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
下記の実施例1〜17のうち、実施例1〜8は可溶性アルミニウム塩の濃度(金属換算)を0.01〜5g/Lの範囲で適宜変化させた単用例、実施例9〜実施例16は同様に可溶性マグネシウム塩の濃度を変化させた単用例、実施例17は可溶性アルミニウム塩と可溶性マグネシウム塩を併用した例である。実施例1と9は酸性スズ浴の例、実施例2〜4と実施例10〜12は酸性スズ合金浴の例、実施例5と実施例13は中性スズ浴の例、実施例6〜8と実施例14〜16は中性スズ合金浴の例である。
また、比較例1〜3のうち、可溶性アルミニウム塩を含有しないブランク例、比較例2は可溶性アルミニウム塩(金属換算)を0.001g/Lの微量含有した例、比較例3は同アルミニウム塩(金属換算)を冒述の特許文献1の明バン換算の下限値付近である8.6g/Lの過剰割合で含有した例である。
《実施例1》
下記の組成で酸性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸 160g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.08g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 0.05g/L
《実施例2》
下記の組成で酸性スズ−ビスマス合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.3g/L
メタンスルホン酸 160g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.08g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 1g/L
《実施例3》
下記の組成で酸性スズ−銅合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
硫酸銅(Cu2+として) 0.17g/L
メタンスルホン酸 160g/L
2,2′−ジチオジアニリン 2g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 2g/L
《実施例4》
下記の組成で酸性スズ−銀合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.15g/L
メタンスルホン酸 120g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.08g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 0.5g/L
《実施例5》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
メタンスルホン酸 40g/L
グルコン酸ナトリウム 200g/L
アスコルビン酸 1g/L
ベンジルセチルジメチルアンモニウムメチルスルホネート 0.5g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 1.5g/L
水酸化カリウムでpH4.5に調製
《実施例6》
下記の組成で中性スズ−ビスマス合金メッキを建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.1g/L
メタンスルホン酸 40g/L
クエン酸ナトリウム 150g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 3g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 3g/L
水酸化カリウムでpH5.5に調製
《実施例7》
下記の組成で中性スズ−銅合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.1g/L
メタンスルホン酸 40g/L
クエン酸ナトリウム 150g/L
やしアミンポリエトキシレート(EO12モル) 2g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 0.05g/L
アンモニア水でpH6.5に調製
《実施例8》
下記の組成で中性スズ−銀合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.1g/L
メタンスルホン酸 40g/L
クエン酸ナトリウム 200g/L
ポリエチレングリコール(分子量2000) 2g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 0.01g/L
アンモニア水でpH8.5に調製
《実施例9》
下記の組成で酸性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸 160g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.08g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
硫酸マグネシウム(Mg2+として) 0.05g/L
《実施例10》
下記の組成で酸性スズ−ビスマス合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.3g/L
メタンスルホン酸 160g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.08g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
硫酸マグネシウム(Mg2+として) 1g/L
《実施例11》
下記の組成で酸性スズ−銅合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
硫酸銅(Cu2+として) 0.17g/L
メタンスルホン酸 160g/L
2,2′−ジチオジアニリン 2g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
硫酸マグネシウム(Mg2+として) 2g/L
《実施例12》
下記の組成で酸性スズ−銀合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.15g/L
メタンスルホン酸 120g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.08g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
硫酸マグネシウム(Mg2+として) 0.5g/L
《実施例13》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
メタンスルホン酸 40g/L
グルコン酸ナトリウム 200g/L
アスコルビン酸 1g/L
ベンジルセチルジメチルアンモニウムメチルスルホネート 0.5g/L
硫酸マグネシウム(Mg2+として) 1.5g/L
水酸化カリウムでpH4.5に調製
《実施例14》
下記の組成で中性スズ−ビスマス合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 0.1g/L
メタンスルホン酸 40g/L
クエン酸ナトリウム 150g/L
α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 3g/L
硫酸マグネシウム(Mg2+として) 3g/L
水酸化カリウムでpH5.5に調製
《実施例15》
下記の組成で中性スズ−銅合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 0.1g/L
メタンスルホン酸 40g/L
クエン酸ナトリウム 150g/L
やしアミンポリエトキシレート(EO12モル) 2g/L
硫酸マグネシウム(Mg2+として) 0.05g/L
アンモニア水でpH6.5に調製
《実施例16》
下記の組成で中性スズ−銀合金メッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.1g/L
メタンスルホン酸 40g/L
クエン酸ナトリウム 200g/L
ポリエチレングリコール(分子量2000) 2g/L
硫酸マグネシウム(Mg2+として) 0.01g/L
アンモニア水でpH8.5に調製
《実施例17》
下記の組成で酸性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸 160g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.08g/L
α−ナフトールポリエトキシレート(EO10モル) 1g/L
カテコール 1g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 0.05g/L
硫酸マグネシウム(Mg2+として) 0.05g/L
《比較例1》
下記の組成で酸性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸 160g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.08g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
《比較例2》
下記の組成で酸性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸 160g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.08g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 0.001g/L
《比較例3》
下記の組成で酸性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸 160g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.08g/L
α−ナフトールポリオキシレート(EO10モル) 5g/L
カテコール 1g/L
硫酸アルミニウム(Al3+として) 8.7g/L
そこで、25mm×25mmの銅板を試験片として、上記実施例1〜9及び比較例1〜3の各スズ系メッキ浴にこの試験片を浸漬し、下記の条件により電気メッキを行って、得られたスズ系メッキ皮膜についてハンダ濡れ性と耐摩耗性を評価した。
[電気メッキ条件]
(1)浴温25℃
(2)陰極電流密度とメッキ時間
実施例1〜4、9〜12及び17、
並びに比較例1〜3の酸性浴:2.0A/dm2で12分
実施例5〜8、13〜16の中性浴:0.4A/dm2で60分
《スズ系メッキ皮膜のハンダ濡れ性試験例》
下記の通り、加速試験を加えて、メッキ表面をいわば苛酷な雰囲気中において、ゼロクロスタイム(秒)を測定した。
(A)加速試験
プレッシャークッカーに基づき、温度105℃、相対湿度100%、8時間とした。
(B)濡れ性試験の条件
ハンダバス:Sn63/Pb37
フラックス:25%ロジンフラックス/イソプロピルアルコール溶液
バス温度:215℃
浸漬深さ:5mm
《スズ系メッキ皮膜の摩擦試験例》
下記の条件により、負荷を掛けた鋼材を各試験片のメッキ表面上で移動させて、最大動摩擦係数を測定し、メッキ皮膜表面の摩擦の度合を調べた。
[摩擦測定試験条件]
装置 :新東科学(株)製の表面性試験器
相手材:鋼材
荷重 :10gf
速度 :60mm/分
ハンダ濡れ性と摩擦試験の結果は次の通りである。
ハンダ濡れ性試験 摩擦試験
ゼロクロスタイム(秒) 最大動摩擦係数
実施例1 1.4 0.6
実施例2 1.3 0.6
実施例3 1.4 0.6
実施例4 1.4 0.6
実施例5 1.3 0.6
実施例6 1.3 0.6
実施例7 1.4 0.6
実施例8 1.4 0.6
実施例9 1.4 0.6
実施例10 1.4 0.6
実施例11 1.4 0.6
実施例12 1.3 0.6
実施例13 1.3 0.6
実施例14 1.4 0.6
実施例15 1.4 0.6
実施例16 1.4 0.6
実施例17 1.3 0.6
比較例1 2.6 1.5
比較例2 2.5 1.5
比較例3 3.6 0.6
《スズ系皮膜のハンダ濡れ性と摩耗度合の評価》
(1)ハンダ濡れ性の評価
アルミニウムイオンを0.05g/Lの濃度で含有した酸性スズ浴の実施例1と、アルミニウムイオンを含有しない比較例1を対比すると、実施例1のゼロクロスタイムは比較例1より大きく短縮され、スズ浴へのアルミニウムイオンの含有がハンダ濡れ性の改善に寄与することが明らかになった。アルミニウムイオンを0.001g/Lの少量含有した比較例2では、ゼロクロスタイムは比較例1とほとんど変わらず、逆に、冒述の特許文献1に準拠して、アルミニウムイオンを8.7g/Lの過剰割合で含有した比較例3では、ゼロクロスタイムは比較例1より増大した。これにより、ハンダ濡れ性の改善にはアルミニウムイオンの含有濃度を適正範囲に調整することの重要性が確認できた。
また、スズメッキ浴を実施例1の酸性浴から実施例5の中性浴に替えても、アルミニウムイオンの適正濃度の含有がハンダ濡れ性の改善につながることが確認できた。
さらには、実施例1の酸性スズ浴を、スズ−ビスマス合金、スズ−銅合金又はスズ−銀合金の酸性スズ合金浴(実施例2〜4参照)に替えても、また、中性スズ合金浴(実施例6〜8参照)に替えても、アルミニウムイオンの適正濃度での含有がハンダ濡れ性を改善させる点では同様の評価であった。
一方、アルミニウムイオンに替えてマグネシウムイオンを含有した実施例9〜16を見ても、ブランク例である比較例1とのゼロクロスタイムの差異は明らかであり、スズ浴へのマグネシウムイオンの含有がハンダ濡れ性の改善に寄与することが確認できた。そして、このマグネシウムイオンの含有例にあっては、スズ浴がスズ−ビスマス合金などのスズ合金浴に替わっても、また、酸性浴と中性浴を問わず、同様にハンダ濡れ性を有効に改善できた。
次いで、アルミニウムイオンとマグネシウムイオンを各0.05g/Lづつ共存させた実施例17では、各イオンを単用した実施例1や実施例9よりゼロクロスタイムが短縮され、ハンダ濡れ性をより良く増進できることが判明した。
(2)摩擦度合の評価
アルミニウムイオンを含有した酸性スズ浴の実施例1と、アルミニウムイオンを含有しない比較例1を対比すると、実施例1の最大動摩擦係数の低減は明らかであり、この酸性スズ浴(実施例1)を、実施例2〜4の酸性スズ合金浴、実施例5の中性スズ浴、又は実施例6〜8の中性スズ合金浴に替えても同様の低減効果を発揮することが認められた。
一方、マグネシウムイオンを含有させた実施例9〜16、又は、アルミニウムとマグネシウムの両イオンを共存させた実施例17においても、ブランク例である比較例1に対して、上記アルミニウムイオンを含有させた場合と同様のレベルで最大動摩擦係数の低減が確認できた。
これにより、スズ系浴にアルミニウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを適正濃度で含有すると、メッキ表面の摩擦抵抗を軽減することができ、もってバルク実装システムでの電極の擦れによる劣化を防止できるうえ、削れ屑の発生量を減じてパーツフィーダーへの当該屑の付着を円滑に阻止できる。
尚、比較例2に示すように、アルミニウムイオンの濃度が適正範囲より低いと動摩擦係数の低減効果は働かないが、比較例3に示すように、適正濃度範囲より高くても同様の低減効果の発揮には支障がなかった。

Claims (3)

  1. (A)第一スズ塩と、第一スズ塩及び銀、ビスマス、銅、亜鉛、インジウム、コバルト、金、アンチモンから選ばれた金属の塩の混合物との可溶性塩のいずれかを含有し、
    (B)可溶性アルミニウム塩及び可溶性マグネシウム塩の少なくとも一種を0.01〜5g/L(金属換算)含有し、
    ペーハーが10以下であることを特徴とするスズ又はスズ合金メッキ浴。
  2. さらに、グルコン酸、クエン酸より選ばれたオキシカルボン酸をスズの錯化剤として含有することを特徴とする請求項1に記載のスズ又はスズ合金メッキ浴。
  3. 請求項1又は2に記載のスズ又はスズ合金メッキ浴を用いて、電着皮膜を形成した半導体デバイス、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、IC、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、リード線より選ばれた電子部品。
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