JP2014222751A - Sn膜におけるウイスカの軽減 - Google Patents

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Abstract

【課題】Sn膜におけるウイスカ(whisker)形成を抑制する方法を提供する。
【解決手段】電気リードを覆うはんだ前コーティングを形成する方法であって、表面を有する導電性金属リードを提供することを含む。金属リード表面を覆うスズ層を形成し、このスズ層は、結晶粒界領域によって分離された結晶粒を含む。このスズ層に、Alまたは希土類元素から選択された1種または数種の平均濃度のドーパントを、結晶粒界領域におけるこの1種または数種のドーパントの濃度が平均濃度よりも相当に高くなるようにドープする。
【選択図】図1

Description

本開示は一般に、Sn(スズ)膜を含む電子工学パッケージに関し、より詳細には、Sn膜におけるウイスカ(whisker)形成の抑制に関する。
Sn(スズ)膜における「ウイスカ」の形成は、非常に関心の高い研究課題である。多くの電子デバイスは、10年以上の動作寿命を有することが期待されている。しかし、ウイスカは、数カ月以内に形成されることがある。長さ数ミリメートルに達するウイスカも観察されている。望んでいない導電性経路(短絡)を形成する可能性、またはディスク・ドライブなど粒子の影響を受けやすい装置に機械的な損傷を与える可能性があるため、このようなウイスカは、電子システムの信頼性に対する重大な危険を生じさせる。
Snに鉛(Pb)を混ぜて合金化するとSnウイスカの形成が減ることは、ずっと以前から知られている。しかしながら、Pbの有害な生態学的影響に対する環境的懸念の結果、電子機器中でのPbの使用を明確に制限する法律が、世界のさまざまな地域で制定されている。例えば、欧州連合(European Union)によって2003年に採択され、2006年に発効した「the Restriction of Hazardous Substances(危険物質の制限)」(RoHS)指令(directive)は、均質な構成部品(homogeneous component)中の鉛濃度を0.1%(1000ppm)以下に制限している。一般に、信頼性に対する容認できない危険をSnウイスカが生じさせる全てのケースにおいて、この許されたPb濃度は、Snウイスカの形成を抑制する目的には低すぎる。
Snウイスカの形成についてはまだよく分かっていない。Pbドーピングに代わる環境に優しく低コストの許容し得る代替策を見出すためには、現在の理論による手引きは不十分である。
McCabeおよびFine、Met Mater Trans、33A、1531、2002 Boettinger他、Acta Mater.53、5033、2005 「Sn−Whiskers:Truths and Myths」、J.W.Osenbach、J.M.DeLucca、B.D.Potteiger、A.AminおよびF.A.Baiocchi、J.Materials Science:Materials in Electronics、第18巻、2007年、283〜305ページ
上で論じた先行技術の欠陥に対処するため、電子デバイスの一実施形態を提示する。この電子デバイスは、表面を有する導電性金属リード(lead)を含む。この表面をはんだ前コーティング(pre−solder coating)が覆い、このはんだ前コーティングは、本質的に、スズと、Alまたは希土類元素から選択された1種または数種のドーパントとからなる。
他の実施形態は、電気リードを覆うはんだ前コーティングを形成する方法である。この方法は、表面を有する導電性金属リードを提供することを含む。この表面を覆うスズ層を形成する。このスズ層は、結晶粒界領域によって分離された結晶粒を含む。このスズ層に、Alまたは希土類元素から選択された1種または数種の平均濃度のドーパントを、結晶粒界領域におけるこの1種または数種のドーパントの濃度が平均濃度よりも相当に高くなるようにドープする。
以上では、以下の本発明の詳細な説明を当業者がより理解できるように、本発明の特徴を概説した。以下では、本発明の特許請求の範囲の主題をなす本発明の追加の特徴を説明する。開示された着想および特定の実施形態を、本発明と同じ目的を達成するために他の構造を設計しまたは変更するベースとして容易に使用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、このような等価の構造は、本発明の趣旨および範囲を逸脱しないことを当業者は認識すべきである。
次に、本発明のより完全な理解のため、添付図面に関して書かれた以下の説明を参照する。
本発明に従って形成された例示的なさまざまな電子デバイスを示す図である。 基板上のスズ膜を示す図である。 スズ膜上のウイスカを示す図である。 結晶粒および結晶粒界の諸態様を示す図である。 結晶粒および結晶粒界の諸態様を示す図である。 純粋なスズ膜、Cuをドープしたスズ膜およびPbをドープしたスズ膜のクリープ特性(creep characteristic)を示す図である。 電子デバイスを製造する方法を示す図である。 電子デバイスを製造する方法の一例を示す図である。 電子デバイスを製造する方法の一例を示す図である。
スズ膜中の鉛の濃度を低減させる最近の努力は、そのほとんど全てが、スズ膜の純度を向上させることに主眼を置いている。例えば、電気めっき工程は、格子拡散機構をピンニングし(pin)得る包接(inclusion)につながる可能性がある有機化合物の濃度を低下させるように改良された。後にさらに論じるが、このようなピンニングは、ウイスカを成長させる緩和駆動型の(relaxation−driven)拡散機構を、エネルギー的に有利にすると考えられている。
現在のところ、ウイスカ成長は、スズ膜中での応力緩和によって駆動され、結晶粒界ピンニングの影響を受けやすい系内での長距離(long range)結晶粒界拡散によって可能になるクリープの一形態であると理解することができると認識されている。この認識は、ウイスカを成長させるスズ膜の傾向をかなり低減させると予想される個々のドーパントおよびドーパントのクラスを識別することを可能にする。このようなドーパントを添加すると結晶粒界ピンニングが低減し、それにより、ウイスカ形成に寄与しない拡散経路による応力緩和につながる拡散経路が可能になると考えられる。このようなドーパントを使用する本明細書に記載の実施形態は、スズ膜の純度を増大させて、例えばセカンド・フェーズ・ピンニング(second phase pinning)などの拡散ピンニング機構を低減させる現在広く行われている方策とは正反対である。
最初に図1を参照すると、本開示の例示的な電子デバイス100の一部分の透視図が示されている。電子デバイス100は、その上に構成部品が形成されまたは取り付けられた基板105を含み、これらの構成部品の表面にはスズ層を形成することができる。基板105上には、デバイス・パッケージ110が取り付けられている。ある種の実施形態では、デバイス・パッケージ110がリード・フレームから形成される。リード・フレームは、チップ取付け領域、支持構造体およびリードを含むことができる金属構造体であり、リードは、後に支持構造体から切り離され、曲げられてパッケージ・リードを形成する。リード・フレームを使用して、実装工程において、リード・フレーム上に置かれた複数の集積回路の実装を容易にすることができる。リード・フレームから形成されるパッケージの非限定的な例には、プラスチック・デュアル・インライン集積回路パッケージ(PDIP:plastic dual in−line integrated circuit package)、スモール・アウトライン集積回路(SOIC:small outline integrated circuit)、クワッド・フラット・パッケージ(QFP:quad flat package)、薄型QFP(TQFP:thin QFP)、スモール・シュリンク・アウトライン・プラスチック・パッケージ(SSOP:Small Shrink Outline Plastic package)、薄型SSOP(TSSOP:thin SSOP)、薄型ベリー・スモール・アウトライン・パッケージ(TVSOP:thin very small−outline package)、リードを含む他のパッケージなどがある。デバイス・パッケージ110は、例えばRF遮蔽または環境水分に対する密封障壁を提供する金属構成部品を含むことができる。
デバイス・パッケージ110は1つまたは複数のリード120を含む。構成部品リード(component lead)120は、従来型または非従来型の金属導体とすることができる。構成部品リード120は、プリント回路相互接続130に接続することができる。この接続ははんだ135を含むことができる。相互接続130を、カード端コネクタ140、コネクタ・ピン150または貫通穴バイア160まで配線することができる。カード端コネクタ140またはコネクタ・ピン150には、コネクタ・ソケット(図示せず)を接続することができる。電子デバイス100は、1つまたは複数のデバイス・パッケージの温度制御に役立つヒート・シンク170を含むことができる。基板105には、金属電線リード185を有する1つまたは複数の個別デバイス(discrete device)180を取り付けることもできる。上記の金属構成部品および同様の範囲の他の導電性金属リードのうちのいずれかを、本明細書に記載の実施形態とともに使用することが企図される。
次に図2を参照すると、金属基板210が示されている。金属基板210は、前述の金属構成部品のうちの任意の金属構成部品、または同様の範囲の金属構成部品のうちの任意の金属構成部品とすることができる。金属基板210とドープされたスズ膜(doped tin film)(以下、ドープト・スズ膜)230の間には、任意選択のアンダープレート層(underplate layer)220が置かれている。ドープト・スズ膜230は薄膜とすることができ、このことは、ドープト・スズ膜230が、約50μm未満、より好ましくは約25μm未満、よりいっそう好ましくは約12μm未満の厚さを有することを意味する。例えば表面領域の自由エネルギーはバルク領域の自由エネルギーに比べて大きいため、薄膜は、より厚い膜とは異なる振舞いを示すことが予想される。この点については後により詳細に説明する。金属基板210は、ウイスカのないスズ仕上げ層をその表面に有することが望ましい任意の金属材料とすることができる。ある場合には、この基板が電子構成部品であり、または構成部品の一部である。その例には、回路板相互接続(めっきされたリードおよび貫通穴を含む)、ヒート・シンク、コネクタ・ピン、圧着端子、デバイス・パッケージ、パッケージ・リードなどが含まれる。ある実施形態では、金属基板210が銅または銅/ベリリウム合金を含むが、本発明はこれに限定されない。アンダープレート層220は例えば、従来のニッケル、銀、金層または他の金属層とすることができる。ある場合には、金属基板210とドープト・スズ膜230との間の相互拡散を低減させるために、アンダープレート層220があることが望ましいことがある。
概念上、ドープト・スズ膜230を、バルク領域と表面領域とに分けることができる。バルク領域は、摂動(perturbation)を引き起こさないと予想される位置をスズ原子が占めているドープト・スズ膜230の部分である。言い換えると、それらのスズ原子は、乱れていない格子(undisturbed lattice)の結晶構造および原子間隔と矛盾しない形で、互いに対して配置されている。表面領域は、ドープト・スズ膜230と環境の間の界面に近い領域であり、原子が乱されてその予想される格子位置にない領域である。無秩序は、例えば表面の自由エネルギーの低減から生じることがある。一般に、表面領域は、表面/環境界面下の数層(2〜3層)の単分子層に限定される。格子が乱れているため、表面領域の材料特性は、バルク領域の材料特性とは著しく異なることがある。
スズ層が十分に薄いとき、表面領域の特性は、スズ層の特性に対してかなりの影響を有することがある。さらに、スズ層の厚さが結晶粒径程度かまたはそれよりも小さいとき、スズ層中の大部分の結晶粒界はスズ層の表面と交わると予想される。ある場合には、表面の結晶粒界への接近(access)が、スズ膜にドーパントを導入するための有利な経路を提供する。スズ層がこのような利点を提供すると考えられる厚さは、約50μm以下であると考えられる。この範囲よりも大きな厚さを有するスズ層のドーピングもウイスカ成長を軽減する可能性があるが、本明細書に記載の実施形態は、この値よりも小さい厚さを有する膜において特に有利であると予想される。さらに、スズ膜中の結晶粒界の割合は一般に、膜厚が低減するにつれて増大すると考えられる。ある実施形態では、ドープト・スズ膜230中の約70%を超える結晶粒界が表面と交わる。しかしながら、スズ膜を薄くしすぎると、ボイドおよびピンホール欠陥の危険があまりに大きくなる。スズ膜厚のこの下限は約0.1μmであると考えられる。本明細書では、約0.1μmから約50μmの厚さを有するスズ膜を「スズ薄膜」と呼ぶ。
図3は、鉛を含まない従来のスズ膜310を示す。スズ膜310は、結晶粒320a、320b、320cおよび結晶粒界330a、330bを含む。応力ベクトル340a、340bによって示されているように、結晶粒320a、320bには圧縮応力が加わっている。この圧縮応力は例えば、付着後の応力、またはスズ膜310の自由エネルギーを全般的に低減させるさまざまな経路によってスズ原子が拡散したときの緩和の後に生じた応力に起因するものである可能性がある。ある場合には、この緩和過程の結果、クリープが生じ、このクリープは、ウイスカ350の形成によって顕在化し、ウイスカ350は、結晶粒界330aなどの結晶粒界を起源とすることがある。本明細書で使用する用語ウイスカは、長軸長さ360が少なくとも約10ミクロン、長軸長さ360と形成物の基部の幅370との比が少なくとも約4:1であるスズ膜上の成長形成物を指す。
結晶粒は、ある固体物質の領域であり、その固体物質の原子が結晶性物質に関連した周期性を示す領域であることを当業者は理解するであろう。特定の結晶粒は一般に、結晶特性を示し、特定の結晶方位を有する内部領域を有する。一般に、膜の結晶粒は、互いに対して任意の方位を有する。結晶粒間の界面は結晶粒界と呼ばれ、結晶格子に比べて原子の秩序化(ordering)の程度が相対的に弱いことが特徴である。結晶粒界は一般に、空孔(vacancy)、歪んだ結合長(distorted bond length)およびダングリング・ボンド(dangling bond)に富む。さらに、核生成および結晶粒の成長によって、不純物は一般に結晶粒界に集められる。結晶粒界に沿った不純物原子および主題物質の原子の拡散は一般に、結晶粒の内部(バルク)におけるそれらの拡散よりも大きい。しかしながら、不純物の中には、結晶粒界に沿った拡散を妨害し、それがなければ拡散するであろう原子を「ピンニング」するものもある。
図4Aおよび4Bは、結晶粒界の性質をより詳細に示すのに役立つ。図4Aには、例えばスズ膜310の表面を上から見下ろしたときに見えるような形で、いくつかの結晶粒が示されている。核生成および結晶粒の成長の過程は本来、事実上不定であるため、結晶粒は一般に、不規則な形状およびさまざまなサイズを有する。理論によって限定はされないが、議論の目的上、特定の2つの結晶粒が強調されている。結晶粒410の[100]結晶方位は例えば垂直方向であり、結晶粒420の[100]結晶方位は、結晶粒410の[100]結晶方位に対して45°回転している。図4Bには、これらの結晶粒が、それぞれの結晶粒中の原子格子を単純化した図とともに示されている。これらの格子は異なる方位を有するため、これらの格子は一般に、結晶粒410と420が接するところでは整列しない。秩序化された格子が終わる結果、結晶粒界領域430の原子の自由エネルギー状態は比較的に高い。これらの原子は、もしその位置にあればこの局所系の自由エネルギーを低減させることが予想される格子位置からずれていることがある。したがって、結晶粒界領域430の原子は、結晶粒格子中の原子に比べて比較的に秩序化されていない。結晶粒界領域の幅は、格子定数数個分、すなわち約1〜2nmであることがある。さらに、スズ膜310中の一部の不純物が成長中の結晶粒から排除され、それによってそれらの不純物が結晶粒界領域に集められることがある。したがって、結晶粒界領域430の不純物原子440の濃度は、スズ膜310中の不純物原子の平均濃度よりも高い。
図3に戻ると、時間の経過とともに、スズ膜310中の応力は一般にクリープを引き起こす。本明細書で使用するとき、クリープは、その系がより低いエネルギー状態へ向かう形で、物質の固体状態が、応力によって引き起こされた高エネルギー位置から、より低いエネルギー位置へ移動することを指す。この文脈において、スズ膜310は、より低いエネルギー状態を追い求める系を構成する。当業者には、さまざまなクリープ・モデルが知られている。
よく特徴づけられた1つの機構は、べき乗則クリープ(power law creep)である。べき乗則クリープ・モデルは、転位すべり(dislocaiton glide)および/または転位上昇(dislocaiton climb)による応力緩和に関連する。例えば、McCabeおよびFine、Met Mater Trans、33A、1531、2002を参照されたい。そのため、このモデルは、結晶粒の格子内を通るスズ原子の移動によるクリープを記述する。このモデルは下式によって記述することができる。
Figure 2014222751
上式で、&は、有効ひずみ速度(s−1)、
Aは、経験的な物質係数(empirical materials coefficient)、
μは、温度に依存するせん断弾性率、
Rは、気体定数、
Tは、絶対温度、
bは、ベルガーのベクトル(Berger’s vector)、
GSは、平均結晶粒度、
pは、ある定数、
は、有効活性化エネルギー、
σは、加えられた応力、
nは、応力べき指数(stress exponent)である。
Boettinger他によって最近提案されたモデルは、別の研究においてTuおよびHutchinsonが導き出したウイスカ成長速度モデルに基づく。例えばActa Mater.53、5033、2005を参照されたい。本明細書ではこのBoettingerモデルを、TuおよびHutchinsonの貢献を認め、BHTモデルと呼ぶ。BHTモデルは、長距離結晶粒界拡散およびウイスカ成長を介した応力緩和に関連する。このモデルは下式によって記述される。
Figure 2014222751
上式で、Ωは、モル体積、
δは、有効結晶粒界幅、
gbは、結晶粒界拡散係数、
GSは、平均結晶粒度、
cは、長距離拡散距離、
aは、ウイスカの半径である。
べき乗則クリープ・モデルでは、クリープがσのn乗に比例し、BHTモデルでは、クリープがσに正比例することに留意されたい。
一般に、多結晶金属膜中の原子は、限定はされないが、バルク(格子)拡散および結晶粒界拡散を含むいくつかの機構によって拡散することができる。ドープト・スズ膜230中の圧縮応力は、スズ原子が拡散するための駆動力となる。それぞれの拡散経路に関連したエネルギーに応じて、結晶粒320a、320b、320cの格子内を通ってスズ原子が拡散した方がエネルギー的により有利な場合、または結晶粒界330a、330bに沿ってスズ原子が拡散した方がエネルギー的により有利な場合がある。
一般に、融点の約70%よりも低いしきい値温度では、結晶粒界拡散の方が格子拡散よりもエネルギー的に有利である。例えばスズに関しては、このしきい値温度が約80Cである。純粋なスズ膜は、このような態様で振舞うと予想される。しかしながら、もしそうでなければ無ドープであるスズ膜は一般に、酸素を排除する方策がとられない限り、少量の酸素を含むと考えられる。スズ膜中に不純物として酸素が存在するときには、結晶粒界330a、330bに偏析した酸素によって、結晶粒界のスズ原子が効果的にピンニングされる可能性がある。ある場合には、スズ膜310中の応力によって優勢な拡散機構が異なることがある。
この態様を図5に示す。図5は、公表文献に報告されている、対数−対数目盛上にプロットされた、銅基板上のいくつかの16μmスズ膜の実験に基づくクリープ速度を含む。例えば上掲のBoettingerの文献を参照されたい。本明細書では、対数−対数プロット上に示された応力の関数としての膜の有効ひずみ速度を、クリープ特性と呼ぶ。クリープ特性510は、純粋な膜のクリープ速度を示す。クリープ特性520は、Cuをドープした膜のクリープ速度を示す。クリープ特性530は、Pbをドープしたスズ膜のクリープ速度を示す。クリープ特性540は、16μmスズ膜に対して適当なパラメータ値を使用した式2のBHTモデルから得たBHT(ウイスカ)クリープ速度を示す。
図5のいくつかの特徴は注目に値する。第1に、座標軸の対数−対数目盛上のまっすぐな線分から明らかなように、クリープ特性510、520、530はそれぞれ、それぞれの特性の少なくとも一部分にわたって、べき乗則振舞いを示す。例えば、純粋なスズのクリープ特性510は、応力が約1E7 Paよりも大きいときにn≒6.6のべき乗則クリープを示し、応力が約1E7 Paよりも小さいときにn≒2.2のべき乗則クリープを示す。Cuをドープしたスズのクリープ特性520は、n>7のべき乗則クリープを示す。Pbをドープしたスズのクリープ特性530は、高応力側でn≒2.2のべき乗則クリープを示し、低応力側でn≒2のべき乗則クリープを示す。これらの特性のべき乗則振舞いは、コーブル・クリープ(Coble Creep)を引き起こすクリープ機構など、より大きな有効クリープ速度を有するクリープ機構がピンニングされることを示している。
第2に、Cuをドープしたスズのクリープ特性520は、約3E7 PaにおいてBHTクリープ特性540と交わる。外挿された純粋なスズのクリープ特性510は、約2E5 PaにおいてBHTクリープ特性540と交わる。外挿したPbをドープしたスズのクリープ特性530は、外挿したBHTクリープ特性540とほぼ平行であり、そのため、これらの特性は交わらないか、または非常に低い応力値で交わる。
第3に、BHTクリープ特性540は、応力の増大とともに対数関数的に(対数−対数目盛上では直線的に)増大する。BHTクリープ特性540上のより高いクリープ速度は、ウイスカが形成されるまでの遅延時間(潜伏期間(latency))がより短いことに関連する。
Cuをドープしたスズ膜のウイスカ成長特性は、応力約3E7 Pa、有効ひずみ速度約6e−11s−1におけるべき乗則クリープからBHTクリープへの乗換えによるものと理解される。Cuをドープしたスズのクリープ特性520がBHT特性540を下回ったときに、ウイスカは形成されると予想される。この交点におけるひずみ速度は比較的に高いため、ウイスカ成長の潜伏期間は比較的に短いと予想される。他方、BHTクリープ特性540は、Cuをドープしたスズのクリープ特性520のひずみ速度よりも約2桁小さいひずみ速度で、外挿した純粋なスズのクリープ特性510と交わる。この場合もウイスカが形成されると予想されるが、潜伏期間は、純粋なスズの場合よりも長いと予想される。この予想は、純粋な16μmスズ膜(クリープ特性510)の場合に観察される潜伏期間が数カ月であり、Cuをドープした16μmスズ膜(クリープ特性520)の観察される潜伏期間が数日でしかないことと合致する。Pbをドープした16μmスズ膜(クリープ特性530)でウイスカの成長が観察されないのは、一つには、観察期間の間、膜応力範囲全体にわたって、べき乗則クリープが優勢である(例えばクリープ速度がおよそ3桁大きい)ためと理解される。結晶粒界拡散に依存すると考えられる他の緩和機構のアンピンニング(unpinning)、例えばコーブル・クリープのアンピンニングも、ウイスカ成長を低減させる際にある役割を演じると考えられる。
以上のことを考慮すれば、現時点では、図5に示したクリープ特性が、スズ膜におけるウイスカの成長を駆動するダイナミクスを理解するための枠組みを提供すると認識される。べき乗則形態のクリープ特性510、520、530間の関係、およびクリープ特性510、520、530とBHTクリープ特性540との関係から、ウイスカ形成を抑制する鉛を含まないドーパントの一般的な属性を部分的に決定することができる。例えば、所与の応力において、ドーパントを含んでもよいスズ膜のクリープ特性がBHTクリープ速度よりも小さいときには、BHTクリープ機構が、膜のクリープ振舞いを支配すると予想される。したがって、このような場合には、これらの2つの特性が交わる有効ひずみ速度に関係した潜伏期間の後に、スズ膜にウイスカが形成されると予想される。反対に、所与の応力において、スズ膜のクリープ特性がBHTクリープ速度よりも大きいときには、べき乗則クリープ機構が膜のクリープ振舞いを支配すると予想される。このような場合には、ほとんどまたは全くウイスカが形成されないと予想される。
したがって、ウイスカを抑制する鉛を含まないドーパントの一般的な基準は以下のとおりである:ドーパントの添加が、1)ドープト・スズ膜のクリープ特性をより高いひずみ速度に移動させ、2)特定の有効ひずみ速度に対する応力を低下させ、3)応力べき指数nの値を小さくし、その結果、スズ膜の応力特性がBHT特性と交わる場合に、所望の観察期間中には到達し得ない応力値において、スズ膜の応力特性がBHT特性と交わるようにする。これらの基準と一致した態様でクリープ特性を移動させる元素は、スズ層ドーパントの前述のクラスに含まれる。このようなドーパントは、スズ・ウイスカを実質的に含まないスズを含む層(以下、スズ含有層)を与えると予想される。このようなスズ含有層は、例えば構成部品リードおよびデバイス・パッケージの金属部分に対するはんだ前コーティングとして使用するのによく適している。このスズ含有層は、例えばヒート・シンクなどにはんだ付けできない構成部品上の上塗り(finish coat)としてもよく適している。
本明細書で使用するとき、「スズ・ウイスカを実質的に含まない」は、標準条件下(25℃、1気圧、RH約60%未満、O約20%/N約80%)での10年の平均継続期間の間、その表面の約10μmよりも長いウイスカの数が、スズ層の表面1cmあたり約1つ未満であることを意味する。ドープト・スズ膜のこの10年性能(10−year performance)は、加速環境中における加速モデルによって推定することができる。例えばここに、全体を複製するがごとく組み込んだ「Sn−Whiskers:Truths and Myths」、J.W.Osenbach、J.M.DeLucca、B.D.Potteiger、A.AminおよびF.A.Baiocchi、J.Materials Science:Materials in Electronics、第18巻、2007年、283〜305ページを参照されたい。この議論の目的上、標準条件下のドープト・スズ膜の10年性能は、60C、RH85%で約3200〜4000時間の間の膜の性能によって決定される。
理論によって限定はされないが、スズとの間にある金属間化合物を形成するドーパントをスズ膜に添加すると、べき乗則拡散機構をピンニングして、べき乗則特性を、より高い応力およびより高い応力べき指数へと移動させる沈殿物(precipitate)が生じると予想される。例えば、スズは、例えば銅、金および鉄を含む多くの金属元素と化合物を形成することが知られている。銅に関して言えば、スズと銅は、例えばCuSn、CuSnおよびCu31Snを含むいくつかの金属間化合物を形成し、Cuをドープした16μm膜のCuをドープしたクリープ特性520は、クリープ特性510、520よりも高い応力値を有することが観察されており、応力べき指数nの値が大きく、容認できないウイスカ成長に関連する。したがって、銅などの元素はドーパントとしてはあまり適さない。他方、約300Cよりも低い温度ではスズと化合物を形成しないAlなどの金属元素の結晶粒界における包接は、膜のクリープ特性を所望のとおりに移動させる拡散経路をアンピンニングし、またはこのような拡散経路を生み出すと考えられる。
しかしながら、スズと希土類元素との金属間化合物は比較的に数が少なく、スズの結晶粒界をピンニングするようには見えないが、実際にはクリープ速度を速める。したがって、希土類元素は、例えばPbおよびAlと同様に振舞って、スズ膜の結晶粒界に偏析し、応力緩和に関連した結晶粒界拡散機構をアンピンニングし、ウイスカを成長させないと予想される。したがって、前述の特性を与えると予想されるドーパントには希土類元素が含まれる。希土類元素には、ランタノイド(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)、ScおよびYが含まれる。これらの元素は、スズ層ドーパントの前述のクラスに含まれる。比較的に豊富に存在し、したがって比較的に安価であるため、ある場合には、希土類元素のうち、Gd、Yb、Eu、NdおよびCeが好ましい。
スズ薄膜にAlをドープすることも、Pbを含まないドーパントの前述の特性を与えると予想される。このケースにおいて、Alは、普通ならば滑り面および転位をピンニングする働きをし、したがって格子拡散速度を増大させるであろうスズ格子中の痕跡量の酸素に対するゲッタ(getter)の働きをすると考えられる。予想される結果は、べき乗則クリープ特性を有する純粋なスズのクリープ特性510を、より高いひずみ速度およびより低い応力へと移動させることであり、この場合もウイスカ成長は抑制される。したがって、Alは、スズ層ドーパントの前述のクラスに含まれる。
所望のクリープ特性は、前述のドーパント元素のうちの1種または数種の元素を添加することによって得ることができる。このようなドーピングは、スズ膜の純度を増大させることによってウイスカ形成を低減させる現在の努力とは正反対である。ある場合には、形成される可能性がある金属間化合物の数を制限して、得られるはんだ前コーティングの特性の予測性と均一性の両方をより高めるために、単一のドーパントの使用が好ましい。したがって、はんだ前コーティングは、本質的に、スズと前述のドーパントのうちの1種類のドーパントだけからなり、またはスズと前述のドーパントのうちの2種類以上のドーパントだけからなることができる。本明細書で使用するとき、「本質的に〜からなる」は、スズおよびそのドーパント(1種または数種)以外の元素が存在しないか、または存在する場合でも、全てのドーパントの累積濃度よりも小さい濃度でしか存在しないことを意味する。本明細書ではこのような異質元素を「汚染物質」と呼ぶ。
ドープト・スズ膜230中の1種または数種のドーパントの平均濃度がある最大値よりも大きいと、ドーパントまたは金属間化合物の沈殿物が形成される危険が、ドーパントの利点を打ち消すのに十分な程度まで大きくなる。他方、ある最小値よりも小さいと、この1種または数種のドーパントの累積濃度が、利点を与えるのには不十分となる。この最大値および最小値は、使用するドーパントによって決まると考えられる。ドーパントが希土類元素である実施形態では、この平均濃度の有益な範囲が約0.1重量%から約7重量%であると考えられる。ある実施形態では、例えばドーピング工程のマージン(margin)を提供するため、これよりも狭い約1.5重量%から約3.5重量%の範囲が好ましいことがある。ドープト・スズ膜230にAlをドープする実施形態では、有益なドーパント濃度が約0.1重量%から約4重量%であると考えられる。この場合も、工程マージンのため、より狭い濃度、例えば約1重量%から約2重量%の濃度が好ましいことがある。汚染物質については、全ての汚染物質の累積濃度を、全てのドーパントの累積濃度の約10%未満に制限することが好ましい。この制限は、意図的に導入された1種または数種のドーパントによってドープト・スズ膜の特性が支配されることを保証すると予想される。
ドーパント濃度が記載した範囲に含まれるとき、結晶粒界における濃度がバルク領域の濃度よりも相当に高いことを除いて、ドーパント元素は、膜全体にわたって均一に分布すると考えられる。この文脈において、「相当に」は、少なくとも3倍を意味する。このような場合、結晶粒界に沿ったスズの拡散速度は、結晶粒界に沿って、結晶粒内を通した拡散速度の少なくとも約2倍であると予想される。ドーパントの濃度がこれらの範囲に含まれない場合、理論によって限定されない以下の理由から、ウイスカはより形成されやすくなると考えられる。濃度が範囲の下限よりも低い場合には、結晶粒界領域のうち十分に高い割合の結晶粒界領域にドーパントが集中するようにするには、ドーパントの濃度が不十分であると考えられる。したがって、ドーパントが有効に存在しない膜の領域が生じ、その膜は、ウイスカ形成および成長を受けやすい無ドープのスズとして振舞うと予想される。ドーパント濃度が濃度の上限を超える場合、その濃度は、ドーパント元素またはスズとドーパントの金属間化合物の限局された沈殿および成長を引き起こすには十分に高い濃度であると考えられる。沈殿がいったん起こると、それは、いくつかの大きな沈殿物が形成するのにエネルギー的に有利であり、沈殿物に近い領域のドーパントを枯渇させると考えられる。この枯渇の結果、ドーパントがほとんど存在しない膜の領域が生じる。前述のとおり、これらの領域は、ウイスカ成長の影響を受けやすい。さらに、これらの沈殿物は、膜が緩和するときに限局された応力勾配を生じさせる、スズ膜とは異なるモジュラス(modulus)を有し、ウイスカ成長をさらに駆動すると予想される。
ある実施形態では、例えば供給源(例えばターゲットまたはめっき浴)中にドーパントが存在するスパッタリング、電気めっきなどの従来の方法によって、ドープト・スズ膜230を形成することができる。他の実施形態では、薄いオーバレイヤ(overlayer)として付着した後の純粋なスズ膜に、純粋な形態のドーパントを、この場合も例えばスパッタリングまたは電気めっきによって付着させることができる。
スズ層を処理する方法は、ウイスカを成長させる傾向に対して重大な影響を有すると予想される。例えば、例えば圧延(rolling)など機械的変形を含む方法は、転位、空孔などの多数の欠陥を導入すると予想される。これらの欠陥は、前述のような沈殿物の形成に有利な形で局所的な拡散動力学(diffusion kinetics)を駆動し、ウイスカ成長を増大させると予想される。この影響は、温度が、短期緩和経路(short−term relaxation pathway)が効果的に抑制される結晶粒界拡散しきい値よりも低い、例えばスズでは約80Cよりも低い冷間圧延において特に顕著であると予想される。圧延法は一般に、本明細書ではシート(sheet)と呼ぶ数ミリメートル以上の厚さを有する層に対して使用される。
圧延法およびスズ層を形成する他の機械的な方法とは対照的に、本明細書に記載する製造方法は、2つの関連した特性を特徴とするスズ膜を提供する。第1に、この膜は、形成直後の欠陥の数が比較的に少ない。したがって、例えば転位および空孔の密度が小さい。第2に、この膜は、比較的に均一な初期応力を有し、例えば、ドーパントまたは金属間沈殿物の形成を駆動する限局された応力の領域が、たとえあったとしても、ごく少ない。これらの特性は、スズ膜の結晶粒界におけるドーパントの前述の有利な分布にかなり寄与すると考えられる。
図6は、電子デバイスを製造する方法600の例示的な一実施形態の選択されたステップを示す流れ図である。ステップ610で、表面を有する金属構成部品を提供する。用語「提供する」は、限定はされないが、方法600の後続のステップを実行する局所製造環境内で金属構成部品を製造すること、および前記局所製造環境の外部の供給源から金属構成部品を受け取ることを含む。この表面は、任意選択で、ニッケル、銀または金の層など、金属構成部品以外の金属の層を含むことができる。
ステップ620で、前記表面にスズ含有層を形成する。このスズ含有層は、結晶粒界領域によって分離されたスズ結晶粒を含む。ある場合には、約70%を超える結晶粒界領域が、スズ含有層と環境の間の界面と交わる。ステップ630で、スズ層に、Alまたは希土類元素から選択された平均濃度の1種または数種のドーパントをドープする。ある場合には、このドーパントが、Alまたは希土類元素のうちのただ1種のドーパントである。ステップ640で、結晶粒界領域が、スズ層中の平均ドーパント濃度よりも高い濃度のドーパントでドープされるようにする。ステップ620〜640を実行する順序は、この例示的な実施形態でステップ620〜640を提示した順序に限定されないことに留意されたい。例えば、スズとドーパントを同時にめっきするときのように、任意選択で、ステップ630をステップ620と同時に実行することもできる。
図7Aおよび7Bは、形成後にスズ膜にドープする、方法600の非限定的な例示的な一実施形態を示す。図7Aでは、基板705が提供されている。基板705の上に、例えば電気めっきまたはスパッタリングによって純粋なスズ膜710を形成する。スズ膜710は、スズ膜710の表面と交わる結晶粒720a、720b、720cおよび結晶粒間の結晶粒界領域730a、730bを含む。Alまたは希土類元素を含むドーパントの供給源740が、スズ膜710の上にドーパント層750を形成する。この場合も、供給源740は、例えば電気めっきまたはスパッタリング工程とすることができるが、スズ膜を提供するのに使用した工程と同じタイプの工程とする必要はない。
図7Bでは、例えば放射熱、加熱されたプラットホームまたは炉などの熱源760が、スズ膜710中へドーパント層750を拡散させる活性化エネルギーを提供し、その結果、スズ膜710中の平均ドーパント濃度に達する。ドーパント層750は、結晶粒界領域730a、730b中へ優先的に拡散し、その結果、結晶粒界領域730a、730b中のドーパント濃度は、スズ膜710中の平均ドーパント濃度よりも高くなる。ある実施形態では、結晶粒界領域730a、730b中のドーパントの濃度が、スズ膜710中の平均ドーパント濃度の濃度よりも少なくとも約10%高い。ある場合には、結晶粒720a、720b、720c中へのドーパントの拡散速度と結晶粒界領域730a、730b中へのドーパントの拡散速度が異なる結果、結晶粒界領域730a、730b中の濃度が、平均濃度よりも少なくとも約50%高くなることがある。これらの拡散速度の差が特に大きなドーパントに関しては、結晶粒界領域730a、730b中のドーパントの濃度が、平均濃度よりも少なくとも約90%高くなることがある。限定はされないが、この方法では、格子クリープ機構をピンニングする働きをする可能性がある欠陥の数密度が、ドープされた源を使用した方法に比べて小さくなると予想されるため、この方法は、ドープされた源から付着させる方法にはないある利点を提供すると予想される。さらに、普通ならばスズ膜710中の局所応力およびドーパントの枯渇を引き起こし得る金属間沈殿物が相当に低減され、またはスズ膜710から排除されると予想される。
本発明を詳細に説明したが、当業者は、その最も幅広い形態における本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書においてさまざまな変更、置換えおよび改変を実施することができることを理解すべきである。

Claims (4)

  1. 電気リードの上にはんだ前コーティングを形成する方法であって、
    表面を有する導電性金属リードを提供すること、
    結晶粒界領域によって分離された結晶粒を含むスズ層を前記表面を覆って形成すること、および
    前記スズ層に、アルミニウムまたは1種もしくは数種のランタノイド希土類元素を平均濃度でドープすることを含み、
    前記はんだ前コーティングが本質的にスズおよびアルミニウムまたは1種もしくは数種のランタノイド希土類元素からなり、前記アルミニウムまたは1種もしくは数種のランタノイド希土類元素は前記スズとの金属間化合物を形成可能であり、
    前記結晶粒界領域における前記アルミニウムまたは前記1種もしくは数種のランタノイド希土類元素の濃度が前記平均濃度よりも相当に高い
    方法。
  2. 前記はんだ前コーティングが、本質的に、前記スズおよび前記1種もしくは数種のランタノイド希土類元素からなる、請求項に記載の方法。
  3. 前記はんだ前コーティングにおける前記1種もしくは数種のランタノイド希土類元素の全濃度が1.5重量%から3.5重量%の範囲である、請求項に記載の方法。
  4. 前記スズ層がドープ前に形成される、請求項又はに記載の方法。
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