JP2003313659A - 記録媒体用スパッタリングターゲットと磁気記録媒体 - Google Patents

記録媒体用スパッタリングターゲットと磁気記録媒体

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正 甲斐
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俊彦 永瀬
Tomoyuki Maeda
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Junichi Akiyama
純一 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の記録層にL10構造の規則相合
金膜を適用するにあたって、スパッタ成膜した磁性合金
膜の比較的低いアニール温度での規則化を可能にする。 【解決手段】 記録媒体用スパッタリングターゲット
は、FeおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素
と、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種の元
素、さらに必要に応じて添加成分を含む磁性合金の焼結
体を具備する。この焼結ターゲットは酸素含有量が1000
ppm以下とされている。磁気記録媒体は、支持基板上に
形成され、かつL10構造の規則相を有する磁性合金から
なる記録層と、この記録層を覆うように設けられた保護
層とを具備する。記録層は残留酸素量が30原子%以下と
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体の記
録層の形成に用いられるスパッタリングターゲット、お
よび高密度記録用の磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの処理速度の向上な
どに伴って、情報の記録・再生を行うハードディスク装
置(HDD)などの磁気記録装置には、より一層の高速
・高密度化が要求されている。しかし、記録密度の高密
度化には物理的な限界があると言われており、この要求
を満たし続けていけるかどうか問題視されている。
【0003】情報が実質的に記録される磁気記録媒体
は、記録層として微細な磁性粒子の集合体からなる磁性
体層を有している。高密度記録を行うには磁性体層に記
録される磁区を小さくする必要がある。さらに、小さな
記録磁区の分別には磁区の境界が滑らかであることが求
められることから、磁性体層を構成する磁性粒子を微小
化する必要がある。また、隣接する磁性粒子まで磁化反
転が連鎖すると磁区の境界の乱れとなるため、磁性粒子
間は交換結合相互作用が働かないように磁気的に分断さ
れている必要がある。磁気的なヘッド−媒体相互作用の
観点からは、高密度の記録を行うためには磁性体層の膜
厚を薄くする必要がある。
【0004】このような点から、記録層を構成する磁性
体の磁化反転ユニットはその体積を小さくする方向(上
記した要求を満たしていくと磁性粒子とほぼ等しくな
る)に進んでいる。ところが、磁化反転ユニットを微小
化していくと、そのユニットが持つ磁気異方性エネルギ
ー(磁気異方性エネルギー密度Ku×磁化反転ユニット
の体積V)が室温の熱揺らぎエネルギーよりも小さくな
って、磁区を保持することができなくなってしまう。
【0005】上記した熱揺らぎ現象を抑えて高密度記録
を可能にするためには、磁性体層の磁気異方性エネルギ
ー密度Kuを飛躍的に大きくする必要がある。そこで、
磁気異方性エネルギー密度Kuの大きな磁性材料とし
て、最近、FeおよびCoから選ばれる少なくとも1種
の遷移金属元素(磁性元素)Tと、PtおよびPdから
選ばれる少なくとも1種の貴金属元素Aとの規則相合金
(T100-xx合金(xは例えば40〜60原子%の範囲))
が注目されている。
【0006】すなわち、Fe50Pt50合金、Fe50Pd
50合金、Co50Pt50合金などはL 10構造の規則相を形
成し、高い磁気異方性を示すことが知られている。この
ような規則相合金を記録層としての磁性体層に適用する
ことで、磁性体層の磁気異方性エネルギー密度Kuを大
幅に高めることが可能となる。このようなことから、T
100-xx合金などのL10構造を有する規則相合金の研究
が盛んに行われている(日本金属学会秋期大会講演概要
集(2001),p369、特開2001-101645号公報など参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したL10構造の規
則相合金からなる磁性体層を記録層に適用する際には、
まず規則相合金系材料からなるターゲットを作製し、こ
れをスパッタリングすることにより合金薄膜を得てい
る。ところで、FePt合金、FePd合金、CoPt
合金などのT100-xx合金膜は、スパッタ法で成膜した
直後にはランダムな状態(不規則相)となっており、こ
れを規則化させて大きなKuを得るためには合金膜に熱
処理(アニール)を施す必要がある。
【0008】しかしながら、これまでの研究ではT
100-xx合金膜の典型的なアニール温度は500〜800℃で
あり、現状のガラス基板を用いた量産装置には適用でき
ないという問題がある。また、高圧スパッタにより成膜
中の基板加熱のみで規則化に成功した例も報告されてい
るが、この場合の加熱温度も400℃程度と高く、しかも
規則化が完全に進行したわけではないため、それほど大
きなKuは得られていないのが現状である。
【0009】上述したように、T100-xx合金膜のよう
な規則相合金膜は、熱揺らぎ現象を抑えて高密度記録を
可能にする磁気記録層として有望視されているが、その
実用化にあたっては合金膜の規則化温度を低下させるこ
とが重要となる。このようなことから、現状の量産装置
に適用可能なアニール温度、例えば300℃以下程度のア
ニール温度で規則化させることが可能な合金膜、ひいて
はそのような合金膜を用いた磁気記録媒体の開発が強く
求められている。
【0010】一方、上記したような規則相合金系材料か
らなるターゲットに関しては、溶解鋳造法や焼結法で作
製することが検討されている。これらの製法のうち、溶
解鋳造法では規則相合金の原材料を真空雰囲気中などで
溶解、鋳造することによりターゲットが作製される。一
方、焼結法によれば、規則相合金の原料粉末をホットプ
レス、HIPなどで焼結したり、また冷間でプレス成形
した後に焼結することによってターゲットが作製され
る。
【0011】溶解鋳造法によるターゲットは、実質的に
空孔がなく緻密であり、また成膜速度の点でも問題がな
い。しかし、溶解鋳造法は原料歩留りの点や、鋳造時の
偏析、鋳造後の冷却時における割れなど、まだ改良の余
地が認められる。特に、FePt系材料などの場合、溶
解鋳造後の塑性加工時に割れが発生しやすく、塑性加工
が非常に困難である。このため、得られたターゲットは
鋳造組織となり、欠陥、偏析、結晶粗大粒の生成が避け
られないという問題がある。
【0012】一方、原料粉末を焼成して製造する焼結タ
ーゲットは原料歩留りがよく、また製造時に偏析、割れ
などが生じにくいことから、工業的な安定性に優れるな
どの特徴を有している。しかしながら、焼結ターゲット
は溶解鋳造材に比べて表面や内部に空孔が存在すること
が多く、緻密な構造にすることが難しい。低密度の焼結
ターゲットはスパッタレートなどを十分に高めることが
できず、ターゲットとしての実用性に劣るという問題を
有している。
【0013】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、基本的には磁気記録媒体の記録層にL
10構造の規則相合金膜を適用するにあたって、スパッタ
成膜した合金膜の比較的低いアニール温度での規則化を
可能にすることを目的としている。より具体的には、そ
のような規則化温度を低下させた合金膜を再現性よく得
ることを可能にした記録媒体用スパッタリングターゲッ
ト、またそのようなターゲットを生産性や組織の均一性
などに優れる焼結法で実現した記録媒体用スパッタリン
グターゲットを提供することを目的としている。さら
に、合金膜の比較的低いアニール温度での規則化を可能
にすることで、Kuが大きいL10構造の規則相合金膜の
実用性や量産性などを高めた磁気記録媒体を提供するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
10構造の規則相合金膜を磁気記録媒体の記録層として
適用するにあたって、規則化温度に影響を与える要因に
ついて種々の検討と実験を繰り返した結果、残留酸素量
に代表される残留ガス成分量を低減することで、FeP
t合金、FePd合金、CoPt合金、CoPd合金な
どの合金膜の規則化に必要なアニール温度を低下させる
ことが可能であることを見出した。
【0015】さらに、そのような残留ガス成分量が低い
合金膜を成膜するにあたっては、スパッタ成膜の際に使
用するターゲット中のガス成分量を低減することが有効
であり、このようなガス成分量を低減したターゲットを
用いることによって、高磁気特性(高磁気異方性エネル
ギー密度(高Ku)や高保磁力(高Hc))を有する規
則相合金膜が再現性よく得られることを見出した。
【0016】特に、焼結ターゲット中のガス成分量を低
減することで緻密化が促進されるため、実用性に優れる
高密度の焼結ターゲットが得られることを見出した。こ
のような高密度の焼結ターゲットによれば、ターゲット
組織中の偏析、欠陥、粗大粒の生成などを抑制し得るこ
とから、ターゲットの使い初めから使い終わりに至るま
で、磁気特性のばらつきが少ない規則相合金膜を形成す
ることが可能となる。
【0017】本発明は上述したような知見に基づいて成
されたものであって、本発明のスパッタリングターゲッ
トは、請求項1に記載したように、FeおよびCoから
選ばれる少なくとも1種の元素と、PtおよびPdから
選ばれる少なくとも1種の元素とから実質的になる磁性
合金の焼結体を具備する記録媒体用スパッタリングター
ゲットであって、前記ターゲットの酸素含有量が1000pp
m以下であることを特徴としている。本発明の記録媒体
用スパッタリングターゲットは、さらに請求項2に記載
したように、前記ターゲットの酸素、窒素、炭素、硫黄
および水素の合計含有量が2000ppm以下であることを特
徴としている。
【0018】本発明の記録媒体用スパッタリングターゲ
ットを構成する磁性合金には、例えば請求項3に記載し
たように、 一般式:(Fe1-aCoax(Pt1-bPdb100-x (式中、a、bおよびzは0≦a≦1、0≦b≦1、30≦x
≦80原子%を満足する数である)で実質的に表される組
成を有する合金、また請求項4に記載したように、上記
した磁性合金にさらに、Cu、Au、Ag、Zn、S
n、Mn、Ni、Al、Ti、Hf、Ta、Mo、N
b、W、Cr、V、In、Re、Ru、Ir、Rh、S
m、Tb、Si、B、Si−O、Mg−O、Al−O、
Zr−O、Ti−O、Si−N、Al−N、Zr−N、
Ti−N、B−N、Si−O−N、Al−O−N、Al
−Ti−O−C、およびIn−Sn−Oから選ばれる少
なくとも1種の元素または化合物を0.1〜50原子%の範囲
で含有させた合金などが用いられる。
【0019】本発明の磁気記録媒体は、請求項5に記載
したように、支持基板と、前記支持基板上に形成された
記録層と、前記記録層を覆うように設けられた保護層と
を具備する磁気記録媒体において、前記記録層は、Fe
およびCoから選ばれる少なくとも1種の元素と、Pt
およびPdから選ばれる少なくとも1種の元素とを主と
して含むと共に、L10構造の規則相を有する磁性合金か
らなり、かつ前記記録層中の残留酸素量が30原子%以下
であることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。本発明のスパッタリングターゲッ
トは、FeおよびCoから選ばれる少なくとも1種の遷
移金属元素(磁性元素)Tと、PtおよびPdから選ば
れる少なくとも1種の貴金属元素Aとから実質的になる
磁性合金、さらにこのような磁性合金に添加成分(添加
元素や添加化合物)を含有させた合金の焼結体を具備す
るものである。このような焼結ターゲットを構成する磁
性合金において、T元素とA元素との組成比はL10構造
の規則相が得られる範囲から適宜に選択される。
【0021】ここで、L10構造の規則相は結晶構造的に
は面心正方晶(fct)構造を有し、{001}面をT元素(磁
性元素)が占め、かつ{002}面をA元素(貴金属元素)
が占める結晶構造、あるいは{002}面をT元素が占め、
{001}面をA元素が占める結晶構造である。なお、L10
構造は2元系合金の結晶構造の1つであり、添加成分を含
有する3元系以上の合金は厳密にはL10構造とは言えな
いが、本発明においては主成分であるT元素とA元素と
からなる副格子がL10構造をとっている場合には、その
結晶構造はL10構造を有しているものとする。
【0022】L10構造の規則相(L10規則相)を形成す
るT元素とA元素との組成比は、相図上においても幅が
あり、また添加元素などが優先的にT元素やA元素と結
合する場合には、結合した残りの元素でL10規則相が得
られるように組成比を設定することが好ましい。このよ
うに、T元素とA元素との組成比は磁性合金の材料系や
要求特性などに応じて適宜設定することが好ましい。
【0023】実用的には、T元素とA元素とから実質的
になる磁性合金は、 一般式:Tx100-x …(1) (式中、xは30≦x≦80原子%を満足する数である)で
表される組成を有することが好ましい。より具体的に
は、 一般式:(Fe1-aCoax(Pt1-bPdb100-x …(2) (式中、a、bおよびxは0≦a≦1、0≦b≦1、30≦x
≦80原子%を満足する数である)で表される組成を有す
ることが好ましい。すなわち、焼結ターゲットを構成す
る磁性合金は、T元素を30〜80原子%の範囲で含むと共
に、A元素を20〜70原子%の範囲で含むことが好まし
い。
【0024】T元素の含有量が30原子%未満であって
も、また80原子%を超えても、いずれの場合にも焼結タ
ーゲットを用いて成膜した磁性合金膜において、L10
則相を十分に得ることができない。T元素とA元素との
組合せによっても異なるが、T元素の含有量は30〜65原
子%の範囲であることがより好ましい。同様に、A元素
の含有量については35〜70原子%の範囲であることがよ
り好ましい。このような組成比において、磁性合金膜中
にL10規則相をより十分な量で形成することが可能とな
る。
【0025】また、T元素としてFeを選択すると共
に、A元素としてPtを選択した場合には、Feの含有
量は35〜65原子%の範囲が好ましく、さらに好ましくは
40〜60原子%の範囲である。T元素としてFeを選択す
ると共に、A元素としてPdを選択した場合には、Fe
含有量は35〜65原子%の範囲が好ましく、さらに好まし
くは45〜65原子%の範囲である。T元素としてCoを選
択すると共に、A元素としてPtを選択した場合には、
Coの含有量は30〜60原子%の範囲が好ましく、さらに
好ましくは40〜60原子%の範囲である。なお、A元素の
含有量はいずれもT元素量を除く残量である。
【0026】焼結ターゲットを構成する磁性合金は、T
元素としてFeおよびCoから選ばれる少なくとも1種
を含むと共に、A元素としてPtおよびPdから選ばれ
る少なくとも1種を含むものであればよく、具体的な合
金系としてはFe−Pt、Fe−Pd、Co−Pt、C
o−Pd、もしくはこれらの複合系(Fe−(Pt,P
d)、Co−(Pt,Pd),(Fe,Co)−Ptな
ど)のいずれであってもよい。これらのうち、Fe−P
t合金が最も大きな磁気異方性エネルギー密度Kuを有
することが知られているが、添加成分(添加元素や添加
化合物)などによってはKuが変化することが予想され
るため、選択した材料系や要求特性などに応じて合金系
を選択することが好ましい。
【0027】さらに、焼結ターゲットを構成する磁性合
金は、上記した(1)式(または(2)式)で表されるT元素
とA元素の2元系合金に限られるものではない。すなわ
ち、そのような2元系合金に対して、他の元素や化合物
などの添加成分を含有させた磁性合金を用いることがで
きる。具体的には、Cu、Au、Ag、Zn、Sn、M
n、Ni、Al、Ti、Hf、Ta、Mo、Nb、W、
Cr、V、In、Re、Ru、Ir、Rh、Sm、T
b、Si、およびBから選ばれる少なくとも1種の元素
や、Si−O、Mg−O、Al−O、Zr−O、Ti−
O、Si−N、Al−N、Zr−N、Ti−N、B−
N、Si−O−N、Al−O−N、Al−Ti−O−
C、およびIn−Sn−Oから選ばれる少なくとも1種
の化合物を添加した磁性合金を、焼結ターゲットの構成
材料として用いることができる。
【0028】上述した添加成分のうち、Cu、Au、Z
n、Sn、Mnなどの元素は、焼結ターゲットを用いて
成膜した磁性合金膜の規則化を促進する元素である。C
o−Pt合金を適用した場合には、Niなども磁性合金
膜の規則化の促進に寄与する。さらに、上記した元素や
化合物のうち、非磁性元素や非磁性化合物は磁性合金膜
において、L10構造の規則相とされた磁性結晶粒子の周
囲に存在し、これら磁性結晶粒子間を磁気的に分離する
材料としても機能する。このような磁性結晶粒子間の非
磁性体による分離は、磁気記録密度の向上に寄与する。
【0029】このような添加成分の含有量(複数種を添
加する場合には合計量)は、ターゲットの全体量に対し
て0.1〜50原子%の範囲とすることが好ましい。添加成
分の含有量が50原子%を超えると、得られる磁性合金膜
の磁気特性などを低下させる。一方、0.1原子%未満で
は添加効果を十分に得ることができない。上記した添加
元素や添加化合物のより好ましい含有量は添加理由など
により異なるが、得られる磁性合金膜の特性やスパッタ
リング時の面内分布などの実用特性を考慮すると、さら
に1〜30原子%の範囲とすることが好ましい。
【0030】本発明のスパッタリングターゲットは、上
記したような磁性合金(添加成分を含有するものを含
む)粉末、もくしは磁性合金を構成する各原料粉末の混
合物を、粉末冶金法で焼結させた焼結体を具備するもの
である。そして、このような焼結体からなるスパッタリ
ングターゲット(焼結ターゲット)において、本発明で
は酸素(O)含有量を1000ppm以下としている。さら
に、酸素を含むガス成分全体の含有量、すなわち酸素
(O)、窒素(N)、炭素(C)、硫黄(S)および水
素(H)の合計含有量は2000ppm以下とすることが好ま
しい。なお、ターゲット中のガス成分量(ppm)はいずれ
も質量比に基づく値である。
【0031】このような構成(ガス成分量の規定)は、
後に詳述するように、本発明のスパッタリングターゲッ
トを用いて成膜した磁性合金膜にアニール処理を施し
て、磁性合金膜を規則化させる際の温度がガス成分量、
特に酸素量に影響を受けるという新たな知見に基づくも
のである。すなわち、酸素含有量が1000ppm以下の焼結
ターゲットを用いて磁性合金膜をスパッタ成膜すること
によって、得られる磁性合金膜の規則化温度を低下させ
ることができる。従って、実用的なアニール温度で磁性
合金膜の規則化を十分に進行させることが可能となり、
高磁気異方性エネルギー密度(高Ku)や高保磁力(高
Hc)などの高磁気特性を有する磁性合金膜(規則相合
金膜)を再現性よく得ることができる。
【0032】焼結ターゲット中に存在する不純物ガス成
分のうち、特に酸素は磁性合金膜の規則化温度に影響を
及ぼすことから、焼結ターゲット中の酸素量は1000ppm
以下とする。酸素含有量が1000ppmを超えると、磁性合
金膜のスパッタ成膜時、特に成膜の初期段階において不
純物ガスの発生量が多くなり、得られる磁性合金膜中の
残留酸素量が増大する傾向を示す。その結果として規則
化温度の上昇を招き、実用的な温度でアニール処理した
場合には、磁性合金膜の磁気特性(KuやHc)を十分
に高めることができない。焼結ターゲット中の酸素量は
500ppm以下とすることがより好ましく、さらに好ましく
は300ppm以下である。
【0033】また、酸素を含むガス成分全体(O、N、
C、S、H)の合計含有量があまり多い場合にも、得ら
れる磁性合金膜の規則化温度が上昇し、その結果として
磁性合金膜の磁気特性の低下を招くおそれがあることか
ら、焼結ターゲットのO、N、C、S、Hの合計含有量
は2000ppm以下とすることが好ましい。同様な理由か
ら、焼結ターゲットのN、C、S、Hの合計含有量は10
00ppm以下とすることが好ましい。O、N、C、S、H
の合計含有量は1000ppm以下とすることがより好まし
く、さらに好ましくは600ppm以下である。同様に、N、
C、S、Hの合計含有量は500ppm以下とすることがより
好ましく、さらに好ましくは300ppm以下である。
【0034】ここで、本発明のスパッタリングターゲッ
ト中における主成分(T元素およびA元素)、任意成分
(添加元素や添加化合物)、並びに不純物成分(ガス成
分)の存在量は、いずれも以下に示す方法により測定さ
れた値を示すものとする。すなわち、例えば円板状ター
ゲットの中心部(位置1)と、中心部を通り円周を均等
に分割した4本の直線上において、中心から90%の距離
(中心を0%、半径の長さを100%とする)にある点(位
置2〜9)、および中心から50%の距離にある点(位置
10〜17)の合計17点から、それぞれ長さ15mm、幅15
mmの試験片を採取する。これら17個の試験片の各成分量
をそれぞれ測定し、これらの測定値をそれぞれ平均した
値を、本発明のスパッタリングターゲットにおける各成
分の含有量とする。
【0035】O、N、C、SおよびHの含有量について
は、Oは不活性ガス融解−赤外線吸収法、N、Hは不活
性ガス融解−熱伝導度法、C、Sは高周波燃焼−赤外線
吸収法で求めるものとする。添加物としてSiO2やA
23などの酸化物を用いた場合には、ターゲット中の
酸素が母相(T−A合金)中に存在する酸素か、添加物
に由来するものかを分離して、ガス成分としての酸素含
有量を求める。その際には、XPS(X線光電子分光)
やXRF(蛍光X線分光)を用いることができる。分析
して得られた酸素の価数を調べ、例えばSiO2に由来
するものであれば-2価となっている分の濃度を求め、そ
れを全体の酸素量から引けばよい。あるいは、酸素と化
合している添加元素、例えばSiの量を分析し、その2
倍分の量の酸素が添加物由来であるので、それを全体の
酸素量から引けばよい。
【0036】本発明のスパッタリングターゲットは、公
知の粉末冶金法を適用して製造することができるが、最
終的に得られるターゲット中の酸素量、さらには酸素を
含むガス成分量が上記した値以下にする必要がある。こ
のため、スパッタリングターゲットの原料としては、上
記した各ガス成分(O、N、C、S、H)の含有量が低
いものを用いることが好ましく、さらにターゲットの製
造工程(例えば成形工程、焼結工程、形状加工工程な
ど)は真空中ないしは不純物ガス成分の存在量が低い雰
囲気中で実施することが好ましい。
【0037】具体的には、まずターゲットを構成する各
金属原料を所定の比率で溶解鋳造し、得られたインゴッ
トを粉砕して合金粉末を作製するか、アトマイズ法や回
転電極法などによって合金粉末を得る。あるいは、単体
金属の粉末を所定の比率で混合して混合粉末を作製す
る。各単体金属粉末はガス成分量(特に酸素量)が少な
い粉末を使用するか、残留ガス成分量を低減することが
可能なガスアトマイズ法、回転電極法などを適用して作
製することが好ましい。
【0038】次に、上記した合金粉末や各金属粉末の混
合粉末を用いて、例えば常圧焼結法、ホットプレス(H
P)法、熱間静水圧プレス(HIP)法などにより焼結
体を作製した後、この焼結体に機械加工を行って、所望
の形状および表面特性のスパッタリングターゲットを作
製する。このようなターゲットの製造工程において、金
属粉末の製造および混合工程、焼結工程、機械加工工程
の各工程を真空または不純物ガス成分が実質的に存在し
ない雰囲気下で行うことが好ましい。
【0039】また、上記した原料粉末の製造工程におい
て、粒径が50μm未満の小さい粒子が多く存在すると金
属粒子の比表面積が増大して、O、N、C、S、Hの各
元素量、特に酸素量が増加する傾向がある。一方、粒径
が500μmを超える粗大粒子は、スパッタリングターゲッ
ト中のO、N、C、S、Hの各元素含有量のばらつきを
増大させる傾向があり、さらに焼結性も低下させる。こ
のようなことから、得られた原料粉末は篩分けなどによ
り粒度毎に選別し、過度に粒径が小さい粒子や大きい粒
子は積極的には使用しないことが好ましい。すなわち、
原料粉末の粒径(最大粒径)は50〜500μmの範囲である
ことが好ましく、さらに好ましくは50〜150μmの範囲で
ある。焼結性を向上させるために、粒径が大きい粉末と
小さい粉末を所定の比率で再混合して使用してもよい。
なお、粒子の形状は必ずしも円形である必要はない。
【0040】さらに、上述したような原料粉末をホット
プレス法などで焼結する場合には、真空中(例えば真空
度=0.067Pa以下)で所定時間加熱して脱ガス処理を行
うことが好ましい。脱ガス処理が終了するまでは予備加
圧を付加せず、その状態を所定時間維持することによっ
て、粉末表面に吸着したガス成分を除去することができ
る。このような脱ガス処理を行うことで焼結性が向上
し、その結果として最終的に得られるターゲットの密度
を高めることができ、さらに欠陥を低減することが可能
となる。
【0041】脱ガス処理は200〜600℃の温度で0.5時間
以上行うことが好ましい。脱ガス処理温度は300〜500℃
の範囲とすることがより好ましい。また、脱ガス処理お
よび焼結処理において、加熱時の昇温速度は10℃/分以
下とすることが好ましく、さらに好ましくは5℃/分以
下である。このような昇温速度を採用することによっ
て、効率的に脱ガス処理および焼結処理を行うことがで
きる。
【0042】上述したような加圧焼結工程により得られ
たターゲット材料(焼結体)を所望形状に機械加工し、
これを必要に応じてAlやCuなどからなるバッキング
プレートと接合することによって、本発明のスパッタリ
ングターゲットが得られる。焼結体の機械加工は常法に
より行うことができる。また、バッキングプレートとの
接合には、拡散接合やろう付け接合などが適用される。
【0043】本発明のスパッタリングターゲットは、磁
気記録媒体の記録層を形成する際に用いられるものであ
る。特に、本発明のスパッタリングターゲットは、高記
録密度用の磁気記録媒体の製造に好ましく用いられるも
のである。記録層としての磁性合金膜の成膜方法は、従
来からこの種のスパッタリングターゲットを用いた成膜
工程(スパッタ工程)と本質的に同様であり、従来から
採用されてきた成膜方法をそのままあるいは必要に応じ
て所定の改変を加えて適用することができる。
【0044】次に、本発明の磁気記録媒体の実施形態に
ついて説明する。図1は本発明の一実施形態による磁気
記録媒体の構成を示す断面図である。同図において、1
は例えば金属、ガラス、セラミックスなどの非磁性材料
からなる支持基板であり、この支持基板1上には記録層
2が形成されている。なお、支持基板1と記録層2との
間には、後に詳述するように、単層もくしは複数層の下
地層、さらにはシード層などを設けてもよい。記録層2
の表面は、例えば硬質のCやSiO2などからなる保護
層3により覆われている。これらの各層によって、磁気
記録媒体4が構成されている。
【0045】記録層2は、前述した(1)式(または(2)
式)で表される2元系の磁性合金、もしくはそのような
磁性合金に磁気特性、結晶性、微細構造などの制御を目
的として添加成分(前述した添加元素や添加化合物な
ど)を配合した3元系以上の磁性合金により構成された
ものであって、そのような磁性合金膜を有している。前
述したように、T元素(Fe,Co)とA元素(Pt,
Pd)を所定の比率で含む磁性合金は、L10構造の規則
相を形成する。
【0046】このような磁性合金膜を例えばスパッタ法
で成膜した場合、成膜直後はT元素とA元素とがランダ
ムに合金化しており、不規則相(結晶構造的にはfcc)
となっている。これをアニール処理することによって、
T元素が存在するサイト(面)とA元素が存在するサイ
ト(面)とが分かれたL10規則相(結晶構造的にはfc
t)となる。この磁性合金膜を規則化するための温度
(アニール温度)は、前述したように磁性合金膜中の残
留ガス成分量、特に残留酸素量に影響されることから、
本発明ではより低いアニール温度での規則化を促進する
ために、記録層2を構成する磁性合金膜中の残留酸素量
を30原子%以下に制御している。
【0047】すなわち、記録層2中に残留する酸素は、
主にスパッタリングプロセスによりもたらされる。具体
的には、スパッタリングターゲット中に含まれる酸素、
スパッタリング用Arガス中に含まれるO2やH2O、ス
パッタリング装置のチャンバ内壁に吸着しているH2
などである。本発明者らは種々のプロセス条件下で成膜
したT−A合金膜について、残留酸素濃度と規則化温度
との関係を調べた結果、残留酸素濃度が低いほど規則化
温度が下がることを初めて見出し、本発明に至ったもの
である。
【0048】上記した磁性合金膜の規則化はその保磁力
により判断することができる。すなわち、磁性合金膜の
規則化が進むにしたがって保磁力が増大する。ここで、
記録層2を構成する磁性合金膜の規則化の程度、言い換
えると一定の温度(例えば300℃)でアニールした際の
保磁力は、残留酸素量が低いほど高めることができる。
種々の条件下で成膜した磁性合金膜の保磁力を再現性よ
く高める上で、磁性合金膜中の残留酸素量は1原子%以
下とすることがより好ましい。すなわち、残留酸素量が
30原子%以下の磁性合金膜でも300℃程度の基板加熱で
規則化させることができるが、より広範囲な条件下で成
膜した磁性合金膜を300℃程度の基板加熱で規則化さ
せ、かつ保磁力を再現性よく高める上で、記録層2を構
成する磁性合金膜中の残留酸素量は1原子%以下とする
ことが好ましい。
【0049】上述したように、残留酸素量が30原子%以
下、さらには1原子%以下の磁性合金膜で構成した記録
層2は、現状の量産装置に適用可能なアニール温度、具
体的には100〜300℃程度のアニール温度で良好に規則化
を進行させることができる。従って、このような記録層
2によれば高保磁力(高Hc)に加えて、L10規則相合
金膜の特徴である高磁気異方性エネルギー密度(高K
u)を再現性よく得ることができる。このような高Kuを
有する記録層2は、磁気記録の熱揺らぎ現象の抑制に対
して有効に作用するため、磁気記録媒体4のより一層の
高密度記録化を促進することが可能となる。
【0050】L10規則相合金からなる記録層2中の残留
酸素量を30原子%以下、さらには1原子%以下とするた
めには、上述したスパッタリングプロセスによりもたら
される酸素量を減少させることが有効である。特に、前
述した本発明のスパッタリングターゲット、すなわち酸
素含有量を1000ppm以下、さらには酸素を含むガス成分
全体(O、N、C、S、H)の合計含有量を2000ppm以
下とした焼結ターゲットを用いることによって、記録層
2中の残留酸素量を低減することができる。この他に、
スパッタリング用Arガス中に含まれるO2量やH2O量
を低減したり、さらにスパッタリング装置のチャンバや
ガス供給管などに滞留するO2やH2Oの影響を排除する
ことも有効である。
【0051】ここで、記録層(磁性合金膜)2中の残留
酸素濃度は、以下に示す方法により測定された値を示す
ものとする。すなわち、例えば円板状の磁気記録媒体の
中心部を通り、円周を均等に分割した2本の直線上にお
いて、中心から50%の距離(中心を0%、半径の長さを1
00%とする)にある各点(合計4点)から、それぞれ長
さ10mm、幅10mmの試験片を採取する。これら4個の試験
片の各残留酸素濃度をそれぞれ測定し、これらの測定値
を平均した値を、本発明の磁気記録媒体における残留酸
素濃度とする。
【0052】なお、記録層(磁性合金膜)2中の残留酸
素濃度は、SIMS(二次イオン質量分光分析)とXP
S(X線光電子分光)とを併用することで分析すること
ができる。例えば、数%の酸素濃度まではRBS(ラザ
フォード後方散乱)で較正したXPSで定量することが
でき、数%以下の領域ではXPSやRBSで較正したS
IMSを使って分析することができる。XPSで定量す
る場合、10〜20%の誤差が見込まれるが、酸素量の僅か
な変化が磁気特性に及ぼす影響は小さく、本発明による
磁気記録媒体の残留酸素濃度の規定値は10〜20%の誤差
を許容するものである。
【0053】また、添加成分として酸化物を用いる場合
には、磁性合金膜中の残留酸素と添加物として存在する
化合物の酸素との区別が必要である。これにはXPSの
ケミカルシフトを利用することができる。酸素のXPS
ピークが2つ以上明確に見られる場合は、残留酸素と添
加物の酸素とが区別できる。どのピークの酸素が残留酸
素かは、添加した元素との化合の可能性から判断する。
そして、残留酸素に相当するピークから残留酸素濃度を
算出する。また、区別がつきにくい場合には、酸素と化
合する添加元素を分析し、それが化学量論組成になって
いるものとして、検出された全酸素量から減じればよ
い。残留酸素はどの元素とも強くは化合していないこと
が、本発明者らによる実験で明らかになっているので、
酸素との化合力が強い元素を添加元素として存在させた
場合、その元素が化合しきれない酸素のみが残留酸素と
して存在すると考えられる。
【0054】上述した磁性合金膜からなる記録層2にお
いて、L10規則相は磁性結晶粒子を形成している。この
結晶粒子の大きさは、円形近似で平均直径が20nm以下で
あることが好ましく、より好ましくは10nm以下、さらに
好ましくは8nm以下である。磁性結晶粒子の大きさは、
記録層2部分の平面/断面TEM(透過電子顕微鏡)観
察により確認することができる。隣接する磁性結晶粒子
間は、添加元素や残留元素あるいは空隙が存在するが、
部分的には磁性結晶粒子同士が接していてもよい。磁性
結晶粒子間が非磁性体で物理的に分断されていると、磁
性結晶粒子間の交換結合相互作用が小さくなって記録分
解能が向上する。これは磁気記録媒体4として好ましい
構成である。ただし、記録層2はKuが大きいので相対
的に交換結合相互作用は小さくなる。従って、磁性結晶
粒子間の交換結合相互作用はある程度存在していても構
わない。
【0055】記録層2の磁気異方性は特に限定されるも
のではなく、垂直磁気異方性であってもよいし、面内磁
気異方性であってもよい。さらに、これらが混合した状
態でであっても構わない。また、記録層2の厚さに特に
制限はないが、高密度記録を考えると100nm以下とする
ことが好ましい。記録層2の厚さは50nm以下とすること
がより好ましく、さらに好ましくは20nm以下である。た
だし、記録層2の厚さをあまり薄くしすぎると薄膜を構
成するのが困難になるため、記録層2の厚さは0.1nm以
上とすることが好ましい。
【0056】本発明の磁気記録媒体において、支持基板
1と記録層2との間には図2に示すように下地層5を介
在させることができる。下地層5は磁性体であってもよ
いし、また非磁性体であってもよい。さらに、下地層5
は1層に限られるものではなく、2層以上の下地層5を存
在させることも可能である。下地層5の厚さは特に限定
されるものではないが、あまり厚いと製造コストが増加
するため、下地層5の厚さは500nm以下(2層以上の下地
層を適用する場合にはそれらの合計厚)とすることが好
ましい。
【0057】磁性体からなる下地層5は、磁性合金膜
(記録層2)に効率的な記録/再生を行うために用いら
れ、そのような効果を得る上で、磁性合金膜中の磁区や
記録/再生ヘッドと交換相互作用・静磁気相互作用を介
して磁気的に結合された状態で使用される。例えば、記
録層2を垂直磁化膜とする場合、軟磁性膜を下地層5と
し、単磁極ヘッドで記録を行うことで高密度の記録が可
能となる。また、記録層2が面内磁化膜の場合には、軟
磁性層を記録層2の上側あるいは下側に設け、再生時に
軟磁性層を飽和させる強度の磁界を印加することで高密
度の記録が可能となり、また熱揺らぎ耐性を向上させる
こともできる。
【0058】一方、非磁性体からなる下地層5は、例え
ば記録層2の磁性部や非磁性部の結晶構造を制御する目
的で、あるいは基板1からの不純物の混入を防ぐ目的で
設置される。例えば、記録層2の磁性部を結晶配向させ
る場合、その格子間隔に近い格子間隔を持つ下地層5を
用いることによって、磁性部の結晶状態を制御すること
ができる。また、ある表面エネルギーを持ったアモルフ
ァス下地層を用いることによって、記録層2の磁性部や
非磁性部の結晶性もしくはアモルファス性を制御する場
合もある。基板1からの不純物の混入を防ぐ目的には、
格子間隔の小さい、あるいは緻密な薄膜を下地層5とし
て用いればよい。
【0059】上述した磁性体や非磁性体からなる下地層
5は、それらの機能を共通に持っていても構わない。す
なわち、記録層2の結晶性を磁性体からなる下地層(磁
性下地層)5で構成して制御することも可能である。こ
のような場合には、記録/再生特性上の効果と結晶性上
の効果とが相乗されるので、各目的の下地層を個別に形
成する場合よりも好ましい結果が得られることもある。
なお、下地層5はイオンプレーティング、雰囲気ガス中
でのドープ、中性子線照射などによる基板1の表面改質
層であってもよい。この場合には、薄膜の堆積プロセス
を削減できるため、磁気記録媒体4のコスト削減に寄与
する。
【0060】さらに、上述した下地層5の下側にさらに
下地層を設けてもよい。そのような場合には、機能を分
担させることが可能となるため、それらの効果を高める
ことができる。例えば、図3に示すように、下地層5や
記録層2の結晶粒を小さくする目的で、粒径の小さいシ
ード層6を基板1上に設け、その上に記録層2の結晶性
を制御する下地層5を設ける手法などが有効に適用され
る。
【0061】下地層5(シード層6を含む)の機能や構
成材料は、上述したように使用目的などに応じて適宜に
選択可能であるが、特にL10規則相合金膜からなる記録
層2を有する磁気記録媒体4においては、少なくとも記
録層2と接して非磁性体層からなる下地層5を設けるこ
とが好ましい。このような非磁性体層からなる下地層5
としては、Pt、Pd、Al、Cr、Cu、Ir、A
g、Au、およびMgOから選ばれる少なくとも1種を
主成分として含有すると共に、(200)配向しているこ
とが好ましい。このような非磁性体層からなる下地層5
を適用することによって、L10規則相(fct相)のc軸
を膜面に対して垂直方向に配向させた垂直磁化膜としや
すくなる。これは本発明の磁気記録媒体4を垂直磁気記
録媒体として用いる場合に有効である。
【0062】上記したような非磁性体層からなる下地層
5に対して、さらにその下側にシード層6を形成するこ
とも有効である。例えば、基板1の種類や他の目的のた
めに、下地層5で(200)配向が得にくい場合には、基
板1上で(200)配向が得やすい膜をまずシード層6と
して設置し、その上に非磁性体層からなる下地層5を設
置すればよい。もちろん、このシード層6自体が多層膜
であっても構わない。このようなシード層6の具体例と
しては、Pt、Pd、Al、Cr、Cu、Ir、Ag、
Au、NiAlおよびMgOから選ばれる少なくとも1
種を主成分として含有すると共に、(200)配向してい
る層が挙げられる。
【0063】さらに、シード層6を用いることによっ
て、結晶粒径を制御することも可能となる。例えば、ガ
ラス基板上でMgO膜の結晶粒径を小さくしやすいとい
うような特性を利用し、結晶粒径が小さい(200)配向
のMgOシード層6上に(200)配向のPt下地層5な
どを成膜することによって、結晶粒が小さくかつ結晶性
の良い下地層5を得ることができる。
【0064】ここで、下地層5などの(200)配向は、
例えばX線回折装置(XRD)などで評価した結果にお
いて、(200)ピークを主とすることを意味し、他のピ
ークが混在していても特に構わない。ただし、良好な結
晶ほど記録再生特性が向上するため、他のピークは小さ
いほど好ましい。なお、XRD装置はmmオーダーの比較
的広い領域での平均値を測定するので、他のピークが完
全にゼロであるかどうかは必ずしも明確にならないこと
もある。
【0065】本発明の磁気記録媒体4において、下地層
5はL10規則相合金膜からなる記録層2と連続している
ことから、下地層5における残留酸素濃度も磁気特性に
対して影響を及ぼす。具体的には、記録層2と接する下
地層5の残留酸素濃度を30原子%以下、さらには1原子
%以下とすることによって、記録層2の保磁力をより一
層増加させることができる。すなわち、下地層5中の残
留酸素が記録層2中に侵入すると、記録層2の下地層5
との界面部分において残留酸素濃度が過多の状態とな
り、そのために規則化が遅れて磁気特性が劣化した初期
層を形成されるためと考えられる。このようなことか
ら、記録層2と接する下地層5の残留酸素濃度は30原子
%以下、さらには1原子%以下とすることが好ましい。
なお、下地層5にMgOやSiO2などの酸化物を適用
する場合には、前述した方法にしたがって酸化に寄与し
ていない酸素の残留濃度測定するものとする。
【0066】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0067】実施例1 まず、電解Feをカルシア坩堝中で真空溶解して、低不
純物および低ガス成分のFeインゴットを作製した。得
られた高純度Feインゴットを用いて、プラズマ回転電
極法により粒径100〜200μmの粉末を作製した。この高
純度Fe粉末と純度4N以上のPt粉末(粒径80μm以
下)とを、真空中にてボールミルで24時間混合した。こ
の際の混合比は原子比でFe:Pt=50:50とした。
【0068】次に、上記した混合粉末をカーボンモール
ド型に充填し、真空中にて1350℃×5時間の条件でホッ
トプレスした。この際の条件は以下に示す通りである。
まず、温度500℃まで押し圧をかけずに昇温し、この温
度にて1時間程度真空中で保持する。その後、24.5MPaの
プレス圧力をかけつつ、5℃/分の昇温速度で1350℃ま
で昇温し、この温度および圧力で5時間保持する。ここ
で、500℃まで圧力をかけずに昇温して1時間保持した
り、また昇温速度を5℃/分に制御する理由は、原料粉
末表面に吸着したガス成分などを除去するためである。
【0069】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、直径122.5mm(5イ
ンチ)×厚さ3mmのスパッタリングターゲットを作製し
た。このターゲットの組成(主成分組成およびガス成分
量)を前述した方法にしたがって測定した。また、ター
ゲットの相対密度を測定した。ターゲットの密度はアル
キメデス法で測定した。これらの測定結果を表1に示
す。さらに、このFe−Pt系スパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0070】実施例2 電解FeおよびPt地金を真空溶解した後、プラズマ回
転電極法により低ガス成分のFePt合金粉末を作製し
た。なお、FeとPtの混合比は原子比でFe:Pt=
50:50とした。このFePt合金粉末をカーボンモール
ド型に充填し、真空中にて1350℃×5時間の条件でホッ
トプレスした。ホットプレス条件は実施例1と同一とし
た。
【0071】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表1に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0072】実施例3 電解FeおよびPt地金を真空溶解した後、ガスアトマ
イズ法により低ガス成分のFePt合金粉末を作製し
た。このFePt合金粉末を1350℃×2時間の条件下で
キャニングHIPした。得られたターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表1に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0073】実施例4 電解FeおよびPt地金を真空溶解した後、プラズマ回
転電極法により低ガス成分のFePt合金粉末を作製し
た。このFePt合金粉末を1350℃×4時間の条件下で
キャニングHIP焼結を行った。得られたターゲット素
材(焼結体)に機械加工を施すことによって、実施例1
と同一形状のスパッタリングターゲットを作製した。こ
のターゲットの組成(主成分組成およびガス成分量)お
よび相対密度を実施例1と同様にして測定した。これら
の測定結果を表1に示す。さらに、このスパッタリング
ターゲットを後述する特性評価に供した。
【0074】実施例5 まず、電解Feをカルシア坩堝中で真空溶解して、低不
純物および低ガス成分のFeインゴットを作製した。得
られたFeインゴットを用いて、ガスアトマイズ法によ
り粒径100μm以下の高純度Fe粉末を作製した。この高
純度Fe粉末と高純度Pt粉末とを真空中にてボールミ
ルで24時間混合した。混合比は原子比でFe:Pt=5
0:50とした。次に、上記した混合粉末をカーボンモー
ルド型に充填し、真空中にて1350℃×5時間の条件でホ
ットプレスした。ホットプレス条件は実施例1と同一と
した。
【0075】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表1に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0076】実施例6 まず、電解Feをカルシア坩堝中で真空溶解して、低不
純物および低ガス成分のFeインゴットを作製した。得
られたFeインゴットを用いて、プラズマ回転電極法に
より粒径150〜200μmの高純度Fe粉末を作製した。同
様に、電解Cuを原料として用いて、Feと同様な方法
で粒径150〜200μmの高純度Cu粉末を作製した。これ
ら高純度Fe粉末および高純度Cu粉末と純度4N〜5Nの
Pt粉末(粒径100μm以下)とを、真空中にてボールミ
ルで24時間混合した。
【0077】次に、上記した混合粉末をカーボンモール
ド型に充填し、真空中にて1350℃×5時間の条件でホッ
トプレスした。ホットプレス条件は実施例1と同一とし
た。このようにして得たターゲット素材(焼結体)に機
械加工を施すことによって、実施例1と同一形状のスパ
ッタリングターゲットを作製した。このターゲットの組
成(主成分組成およびガス成分量)および相対密度を実
施例1と同様にして測定した。これらの測定結果を表1
に示す。さらに、このスパッタリングターゲットを後述
する特性評価に供した。
【0078】実施例7 まず、電解Feをカルシア坩堝中で真空溶解して、低不
純物および低ガス成分のFeインゴットを作製した。得
られたFeインゴットを用いて、プラズマ回転電極法に
より粒径150〜200μmの高純度Fe粉末を作製した。こ
の高純度Fe粉末と純度4N〜5NのAu粉末(粒径100μm
以下)と純度4N〜5NのPt粉末(粒径100μm以下)と
を、真空中にてボールミルで24時間混合した。
【0079】次に、上記した混合粉末をカーボンモール
ド型に充填し、真空中にて1350℃×5時間の条件でホッ
トプレスした。ホットプレス条件は実施例1と同一とし
た。このようにして得たターゲット素材(焼結体)に機
械加工を施すことによって、実施例1と同一形状のスパ
ッタリングターゲットを作製した。このターゲットの組
成(主成分組成およびガス成分量)および相対密度を実
施例1と同様にして測定した。これらの測定結果を表1
に示す。さらに、このスパッタリングターゲットを後述
する特性評価に供した。
【0080】実施例8〜13 高純度Zn粉末(実施例8)、高純度Sn粉末(実施例
9)、高純度Mn粉末(実施例10)、高純度Pd粉末
(実施例11)、高純度Mo粉末(実施例12)、高純
度Ta粉末(実施例13)をそれぞれ用いる以外は、実
施例6もしくは実施例7と同様にして、実施例1と同一
形状のスパッタリングターゲットを作製した。これらの
ターゲットの組成(主成分組成およびガス成分量)およ
び相対密度を実施例1と同様にして測定した。これらの
測定結果を表1に示す。さらに、これらのスパッタリン
グターゲットを後述する特性評価に供した。
【0081】実施例14〜15 電解FeおよびPt地金を真空溶解した後、プラズマ回
転電極法により低ガス成分のFe−Pt合金粉末を作製
した。この合金粉末を篩い分けして所定の粒径とした。
篩い分けにより粒径選別した合金粉末とSiO2粉末
(実施例14)またはMgO粉末(実施例15)とを、
真空中にてボールミルで24時間混合した。次に、この混
合粉末をカーボンモールド型に充填し、真空中にて1350
℃×5時間の条件でホットプレスした。ホットプレス条
件は実施例1と同一とした。
【0082】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表1に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0083】実施例16 電解FeおよびPt地金を真空溶解した後、プラズマ回
転電極法により低ガス成分のFe−Pt合金粉末を作製
した。この合金粉末を篩い分けして所定の粒径とした。
篩い分けにより粒径選別した合金粉末とTiN粉末と
を、真空中にてボールミルで24時間混合した。次に、こ
の混合粉末をカーボンモールド型に充填し、真空中にて
1350℃×5時間の条件でホットプレスした。ホットプレ
ス条件は実施例1と同一とした。
【0084】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表1に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0085】比較例1 市販の純度3NのFe粉末(粒径100μm以下)と純度3Nの
Pt粉末(粒径100μm以下)とを、大気中にてボールミ
ルで24時間混合した。次に、この混合粉末をカーボンモ
ールド型に充填し、真空中にて1350℃×5時間の条件で
ホットプレスした。ホットプレスは、24.5MPaのプレス
圧力をかけつつ、5℃/分の昇温速度で1350℃まで昇温
し、この温度および圧力で5時間保持することにより実
施した。
【0086】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表1に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0087】比較例2 市販の純度3NのFe粉末(粒径100μm以下)、純度3Nの
Cu粉末(粒径250μm以下)、および純度3NのPt粉末
(粒径100μm以下)を、大気中にてボールミルで24時間
混合した。次に、この混合粉末をカーボンモールド型に
充填し、真空中にて1350℃×5時間の条件でホットプレ
スした。ホットプレス条件は比較例1と同一とした。
【0088】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表1に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0089】比較例3 市販の純度3NのFe粉末(粒径100μm以下)、純度3Nの
Au粉末(粒径100μm以下)、および純度3NのPt粉末
(粒径100μm以下)を、大気中にてボールミルで24時間
混合した。次に、この混合粉末をカーボンモールド型に
充填し、真空中にて1350℃×5時間の条件でホットプレ
スした。ホットプレス条件は比較例1と同一とした。
【0090】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表1に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0091】比較例4 電解Fe、電解CuおよびPt地金を真空溶解して合金
インゴットを作製した。得られた合金インゴットに機械
加工を施すことによって、実施例1と同一形状のスパッ
タリングターゲットを作製した。このターゲットの組成
(主成分組成およびガス成分量)および相対密度を実施
例1と同様にして測定した。これらの測定結果を表1に
示す。さらに、このスパッタリングターゲットを後述す
る特性評価に供した。
【0092】実施例17 まず、電解Feをカルシア坩堝中で真空溶解して、低不
純物および低ガス成分のFeインゴットを作製した。得
られた高純度Feインゴットを用いて、プラズマ回転電
極法により粒径100〜200μmの粉末を作製した。この高
純度Fe粉末と純度4N以上のPd粉末(粒径80μm以
下)とを、真空中にてボールミルで24時間混合した。次
に、この混合粉末をカーボンモールド型に充填し、真空
中にて1350℃×5時間の条件でホットプレスした。ホッ
トプレス条件は実施例1と同一とした。
【0093】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表2に示す。さらに、このFe−Pd系スパッタリ
ングターゲットを後述する特性評価に供した。
【0094】実施例18 電解FeおよびPd地金を真空溶解した後、プラズマ回
転電極法により低ガス成分のFePd合金粉末を作製し
た。このFePd合金粉末をカーボンモールド型に充填
し、真空中にて1350℃×5時間の条件でホットプレスし
た。ホットプレス条件は実施例1と同一とした。
【0095】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表2に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0096】実施例19 電解FeおよびPd地金を真空溶解した後、ガスアトマ
イズ法により低ガス成分のFePd合金粉末を作製し
た。このFePd合金粉末を1350℃×2時間の条件下で
キャニングHIPした。得られたターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表2に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0097】実施例20〜26 高純度Pt粉末に代えて高純度Pd粉末を用いる以外
は、実施例6もしくは実施例7と同様にして、添加成分
として金属元素を含むFe−Pd系スパッタリングター
ゲットをそれぞれ作製した。これらのターゲットの組成
(主成分組成およびガス成分量)および相対密度を実施
例1と同様にして測定した。これらの測定結果を表2に
示す。さらに、これらのスパッタリングターゲットを後
述する特性評価に供した。
【0098】実施例27〜28 高純度Pt粉末に代えて高純度Pd粉末を用いる以外
は、実施例14および実施例15と同様にして、添加成
分としてSiO2またはMgOを含むFe−Pd系スパ
ッタリングターゲットを作製した。このターゲットの組
成(主成分組成およびガス成分量)および相対密度を実
施例1と同様にして測定した。これらの測定結果を表2
に示す。さらに、このスパッタリングターゲットを後述
する特性評価に供した。
【0099】比較例5〜6 Pt粉末に代えてPd粉末を用いる以外は、比較例1、
2と同様にして、Fe−Pd系スパッタリングターゲッ
トを作製した。これらのターゲットの組成(主成分組成
およびガス成分量)および相対密度を実施例1と同様に
して測定した。これらの測定結果を表2に示す。さら
に、これらのスパッタリングターゲットを後述する特性
評価に供した。
【0100】実施例29 まず、電解Coをカルシア坩堝中で真空溶解して、低不
純物および低ガス成分のCoインゴットを作製した。得
られた高純度Coインゴットを用いて、プラズマ回転電
極法により粒径100〜200μmの粉末を作製した。この高
純度Co粉末と純度4N以上のPt粉末(粒径80μm以
下)とを、真空中にてボールミルで24時間混合した。次
に、この混合粉末をカーボンモールド型に充填し、真空
中にて1350℃×5時間の条件でホットプレスした。ホッ
トプレス条件は実施例1と同一とした。
【0101】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表3に示す。さらに、このCo−Pt系スパッタリ
ングターゲットを後述する特性評価に供した。
【0102】実施例30 電解CoおよびPt地金を真空溶解した後、プラズマ回
転電極法により低ガス成分のCoPt合金粉末を作製し
た。このCoPt合金粉末をカーボンモールド型に充填
し、真空中にて1350℃×5時間の条件でホットプレスし
た。ホットプレス条件は実施例1と同一とした。
【0103】このようにして得たターゲット素材(焼結
体)に機械加工を施すことによって、実施例1と同一形
状のスパッタリングターゲットを作製した。このターゲ
ットの組成(主成分組成およびガス成分量)および相対
密度を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結
果を表3に示す。さらに、このスパッタリングターゲッ
トを後述する特性評価に供した。
【0104】実施例31〜35 高純度Fe粉末に代えて高純度Co粉末(高純度Coイ
ンゴットからプラズマ回転電極法により作製)を用いる
以外は、実施例6もしくは実施例7と同様にして、添加
成分として金属元素を含むCo−Pt系スパッタリング
ターゲットをそれぞれ作製した。これらのターゲットの
組成(主成分組成およびガス成分量)および相対密度を
実施例1と同様にして測定した。これらの測定結果を表
3に示す。さらに、これらのスパッタリングターゲット
を後述する特性評価に供した。
【0105】実施例36〜37 高純度Fe粉末に代えて高純度Co粉末(高純度Coイ
ンゴットからプラズマ回転電極法により作製)を用いる
以外は、実施例14および実施例15と同様にして、添
加成分としてSiO2またはMgOを含むCo−Pt系
スパッタリングターゲットを作製した。このターゲット
の組成(主成分組成およびガス成分量)および相対密度
を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結果を
表3に示す。さらに、このスパッタリングターゲットを
後述する特性評価に供した。
【0106】比較例7〜8 Fe粉末に代えてCo粉末を用いる以外は、比較例1、
2と同様にして、Co−Pt系スパッタリングターゲッ
トを作製した。これらのターゲットの組成(主成分組成
およびガス成分量)および相対密度を実施例1と同様に
して測定した。これらの測定結果を表2に示す。さら
に、これらのスパッタリングターゲットを後述する特性
評価に供した。
【0107】上述した実施例1〜37および比較例1〜
8のスパッタリングターゲットをそれぞれ用いて作製し
た各合金膜(磁気記録層)の特性を、以下のようにして
測定、評価した。まず、ガラス基板上に厚さ10nmのMg
O下地層を形成し、この下地層上に各スパッタリングタ
ーゲットを用いて厚さ20nmの合金膜を成膜した。この
後、カーボンからなる厚さ5nmの保護層を成膜した。M
gO下地層はRFスパッタにより成膜し、また磁気記録
層および保護層はDCスパッタにより成膜した。スパッ
タ成膜にはアルゴンガスを用い、成膜中のアルゴンガス
圧力は0.665Paとした。成膜中の基板加熱は実施してい
ない。各層を成膜した後に、水素雰囲気中で300℃×1時
間の条件でアニール処理を行った。
【0108】このようにして得た各磁気記録媒体の保磁
力を、最大印加磁界50kOeのSQUIDを用いて測定
(室温下)した。保磁力は膜面に対して垂直方向の特性
として評価した。これら各磁気記録媒体の磁気特性の測
定結果を表1、表2、表3に併せて示す。また、実施例
1、実施例2、実施例29、および比較例4の各スパッ
タリングターゲットを用いた際の各ターゲットの使い始
めから使い終わりまでの磁性合金膜の保磁力変化を図4
に示す。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】表1、表2および表3から明らかなよう
に、実施例1〜37による各スパッタリングターゲット
は酸素含有量、さらにはガス成分(O、N、C、S、
H)の合計含有量が少ないことが分かる。そして、この
ようなスパッタリングターゲットを用いて成膜した磁性
合金膜(磁気記録層)は、いずれも300℃のアニールで
優れた保磁力(高Hc)が得られていることが分かる。
これは磁性合金膜の規則化(L10規則相の生成)が十分
に進行していることを意味する。さらに、図4からは、
各実施例ではターゲットの使い始めから使い終わりに至
るまで、磁性合金膜の特性(保磁力)が安定しているこ
とが分かる。これは高密度の焼結ターゲットなどに基づ
く効果である。
【0113】一方、酸素含有量やガス成分(O、N、
C、S、H)の合計含有量が多い比較例1〜3のスパッ
タリングターゲットを用いて成膜した磁性合金膜は、30
0℃のアニールでは小さい保磁力しか得られておらず、
規則化が十分に進行していないことが分かる。また、溶
解材に機械加工を施して形成した比較例4のスパッタリ
ングターゲットは、酸素含有量やガス成分量は少ないも
のの、図4から明らかなように磁性合金膜の磁気特性の
ばらつきが大きいことが分かる。これは溶解ターゲット
の鋳造組織に基づいて欠陥や偏析などが多いことによる
ものである。
【0114】実施例38 図1に構成を示した磁気記録媒体4を、以下のようにし
て作製した。具体的には、3.5インチのガラスディスク
基板1上に、膜厚20nmのFe53Pt47合金膜からなる記
録層2と、膜厚5nmのC膜からなる保護層3を続けて堆
積した。Fe53Pt47合金膜は、Fe50Pt50合金から
なるターゲットを用い、静止対向でDCスパッタして成
膜した。スパッタガスはArとし、スパッタ圧力は1Pa
であった。
【0115】スパッタリング装置のガス導入系/排気系
については、図5に示す構成を適用した。図5におい
て、10は真空チャンバ、11はゲートバルブ、12は
クライオポンプ、13はAr純化装置、14はArガス
ボンベ、15はArガスのバルブ、16はプロセス/循
環切替えバルブ、17はArガス配管であり、A、Bは
Arガスの流入方向を示す。真空チャンバ10およびA
rガス配管17の内壁は電界研磨しており、不純物ガス
(水)の吸着を抑制している。
【0116】また、Arガスバルブ15は、Arガスボ
ンベ14の交換時以外は常にオープンとなっている。ス
パッタ時には切替えバルブ16をチャンバ側(B)に倒
し、それ以外の場合には循環側(A)に倒すようにし
た。このような構成を採用することによって、常にAr
ガスは配管中を流れており、滞留による不純物ガスのA
rガス中への取り込み量は低いレベルに保たれている。
さらに、Arガスは純化装置13により僅かな不純物ガ
スをも取り除くようになっている。使用したArガスは
Arガスボンベ14の時点で99.9999%の純度を有して
いる。
【0117】このようなスパッタリング装置を用いて、
スパッタ前の到達真空度(ゲートバルブの開放時間)、
Arガス純度(純化装置13のON/OFFや故意に滞
留させることにより調整)、ターゲットの純度(一般焼
結品、溶融品、本発明のスパッタリングターゲット)を
変えることによって、残留酸素濃度を変化させた複数の
FePt合金膜を作製し、これらFePt合金膜の磁気
特性を調べた。作製したFePt合金膜は10-4Paの真空
雰囲気中にて300℃および200℃で1時間アニールした
後、急冷して取り出した。磁気特性は最大印加磁界20k
OeのVSMを用いて測定した。なお、アニール後に通
常の磁気記録媒体で用いられているものと同等の潤滑材
を塗布した。
【0118】FePt合金膜中の残留酸素濃度の分析は
下記の要領で行った。まず、磁気記録媒体を装置から取
り外し、表面についている潤滑材を概ね除去する目的
で、アセトン中で超音波洗浄した。その後、ディスク内
径25mmを中心に、周方向に90度ずつ異なる位置から、そ
れぞれ10mm角の試料をガラスカッタで切り出した。この
ようにして切り出した4個の試料について、まずXPS
(シエンタ社製ESCA-300)で分析した。この際、試料を
Arイオンでスパッタしながら行う、いわゆる深さ方向
分析を行った。
【0119】分析される元素から、保護層とその下のF
ePt記録層の位置(深さ)を特定し、さらにFe、P
t、およびその他の添加元素の組成を見積った。この
際、参照試料として、同様な元素構成で数原子%の酸素
を含む条件で作製した、膜厚50nmの記録層部分のみの試
料を別途用意し、RBS(ナショナル・エレクトロスタ
ティクス・コーポレーション製3S-R10)で分析を行っ
た。同じ参照試料をXPSで分析し、Fe、Pt、酸
素、および他の元素の定量(感度補正)を行った。添加
元素については、添加量が数原子%以下の場合にはその
元素を含まない試料を参照試料としても残留酸素測定に
影響がないことを確認しており、参照試料は完全には元
素を一致させる必要はない。数原子%の酸素は前述のプ
ロセス条件やターゲットを適宜選ぶことで含有させた。
この参照試料と切り出した試料を同じようにSIMS
(ATOMIKA社製4000)で分析した。RBSの結果をもと
に、SIMSの検出数を原子%に換算した。
【0120】酸素量が5原子%を超えると、SIMSは
マトリックス効果の影響を受けて定量性が低下する。従
って、5原子%以上の試料はXPSの測定結果をもって
残留酸素濃度とし、それ以外の試料はSIMSの結果を
もって残留酸素濃度とした。なお、記録層中の酸素濃度
が膜厚方向に分布している場合には、記録層と思われる
部分のほぼ中央の値を残留酸素濃度とした。
【0121】記録層中の残留酸素濃度と保磁力との関係
を図6に示す。横軸は残留酸素濃度で、縦軸は保磁力H
cである。磁気特性評価の結果、磁気異方性は3次元ラ
ンダムであった。図中の温度はアニール温度を示す。保
磁力が1kOeを超えるものは、規則相の異方性エネルギ
ーの値から規則化によるものと考えられる。実際、Hc
が10kOe程度の試料をX線回折で調べたところ、L10
則相に特有のピークが観察され、規則化が進行している
ことが確認された。
【0122】図6から明らかなように、量産性の確保が
可能なアニール温度の上限である300℃でアニールした
場合、残留酸素濃度が30原子%を超えると急激にHcが
減少し、規則化が進行しなくなっていることが分かる。
磁気記録媒体として有用な保磁力である3kOeは30原子
%以下の残留酸素濃度のみで得られている。なお、10- 4
原子%(1at.ppm)未満ではHcの変化はほとんどな
く、規則化に対する残留酸素濃度の影響はないものと思
われる。残留酸素濃度は少なければ少ない程好ましいこ
とが図6から示唆されるが、プロセスや装置に対する精
密な制御が必用になり、磁気記録媒体のコスト増をもた
らすので、作製する媒体の程度に応じて適宜に残留酸素
濃度を選択することが好ましい。
【0123】さらに、残留酸素量が1原子%以下の場合
には、アニール温度が200℃でも3kOe以上のHcを達成
できることが分かる。このことから、残留酸素量が1原
子%以下とすると必用なアニール温度がより低下し、媒
体製造装置の加熱部分のコストなどを下げることができ
ることが分かる。すなわち、記録層の残留酸素濃度は1
原子%以下とすることがより好ましい。なお、残留酸素
量が1原子%以下の試料は、本発明のスパッタリングタ
ーゲットを用いた場合にのみ得られた結果である。
【0124】同様の実験を(Fe,Co)x(Pt−P
d)100-xの各系について実施した。FePd合金膜、
CoPt合金膜、CoPd合金膜の各結果を、それぞれ
図7、図8、図9に示す。残留酸素濃度に対する依存性
は全て同様であり、磁気異方性の違いに基づくHcの大
きさのみが異なるという結果が得られた。このことは、
残留酸素は材料、組成にかかわらず、規則相の形成に影
響を及ぼすことを示している。
【0125】また、合金膜中の残留酸素濃度を1原子%
としたときのHcを、(FeaCo1- a)Pt合金膜、
(FeaCo1-a)Pd合金膜、Fe(PtaPd1-a)合
金膜、Co(PtaPd1-a)合金膜の各組成a(原子
%)に対してプロットした図を図10に示す。同様に、
合金膜中の残留酸素濃度を10-3原子%としたときのHc
の変化を図11に示す。これらの図から明らかなよう
に、残留酸素濃度を制御すればあるアニール温度に対す
るHcの値を制御でき、またFe−PtにおけるFeの
サイトにCoを置換する、あるいはPtのサイトにPd
を置換することによってもHcを制御することができ
る。どの方法でシステムが要求するHcを実現するか
は、Hc以外の特性(残留磁化)や製造コストなどによ
り適宜選択することができる。
【0126】実施例39 上記した実施例38と同様な磁気記録媒体を作製した。
ただし、基板には2.5インチの結晶化ガラスディスク基
板を用いた。記録層は膜厚10nmの(Fe55Pt 45)B5
合金膜とし、基板と記録層と間には膜厚10nmのPt下地
層を形成した。この実施例においては、記録層の成膜前
に基板(下地まで成膜したもの)を加熱チャンバ内で加
熱した。加熱温度はビューポート越しに赤外線温度計で
測定した。また、スパッタ圧力は10Paとした。X線回折
装置(XRD)測定により、下地層は(200)配向して
いることを確認した。
【0127】実施例38と同様に、スパッタ前の到達真
空度、Arガス純度、ターゲットの純度などを変えるこ
とによって、残留酸素濃度を変化させたFePt合金膜
を作製し、これらFePt合金膜のHcを調べた。磁気
特性は全て垂直方向のHcが面内方向のHcより大き
い、いわゆる垂直磁化膜となっていた。これは、高圧で
スパッタしたために、スパッタされたFePt粒子の運
動エネルギーが小さくなって、外乱の少ない状態で膜堆
積が起こる、いわゆるナチュラル・スタッキングが実現
したために、Pt下地上でエネルギー的に一番安定なL
10規則相のc軸が基板に対して鉛直方向に成長したこと
によると思われる。
【0128】Hcの残留酸素濃度依存性を図12に示
す。図中の温度は成膜直前に行った基板加熱温度であ
る。実施例38と同様に、基板加熱の上限である300℃
加熱の場合には、残留酸素濃度が30原子%以下の条件
で、磁気記録媒体として有用な3kOeの保磁力が得られ
ることが分かる。また、1原子%以下の場合には150℃の
加熱でも3kOeの保磁力が得られており、磁気記録媒体
としてより好ましいことが分かる。
【0129】また、上記した磁気記録媒体のPt下地層
と基板との間に、さらにNiAlシード層(100nm)/
Crシード層(30nm)を配置して、配向性や磁気特性を
調べた。この多層シード層は、ガラス基板上での(20
0)配向をより良くする、具体的には(200)以外のピー
クの強度を最大でも(200)ピーク強度の10%以下とす
る効果を有することが確認された。この磁気記録媒体の
保磁力自体は上記した媒体とそれほど変わらなかった
が、Hcの面内成分は上記媒体の10%程度になってお
り、媒体ノイズが少ないより優れた垂直磁気記録媒体と
なった。
【0130】さらに、微粒子化のためのシード層とし
て、膜厚1nmのMgO膜を基板上に堆積し、その上に膜
厚10nmのPt下地層を堆積したものを作製した。MgO
膜の配向はXRDの分解能以下なので不明であるが、P
tやFePtのXRDスペクトルから判断して、(20
0)配向していると推定された。この記録媒体の平面T
EM像を見たところ、結晶粒径が5nmと微細なものがで
きていた。これにより、高密度記録が可能なより優れた
垂直磁気記録媒体となった。
【0131】Pt下地層をPd、Al、Cr、Cu、I
r、Ag、Auに置き換えて、同様の実験を行った結
果、保磁力の値がPtの場合よりも10〜20%程度小さく
はなったが、300℃加熱、150℃加熱における保磁力の急
峻な増加が見られる残留酸素濃度はそれぞれ30原子%、
1原子%と同じであった。すなわち、規則化温度は下地
の材料にかかわりなく、残留酸素濃度で制御できること
が判明した。NiAlシード層(100nm)/Crシード
層(30nm)の効果も同様に得られた。
【0132】また、下地層構成をCoZrNbTa膜
(100nm)/MgO膜(3nm)とした媒体を作製した。下
地層のうち、CoZrNbTa膜はいわゆる軟磁性裏打
ち層で、垂直磁気記録の記録磁界の効率を上げるための
ものである。従って、本発明による磁気記録媒体がこの
下地構成に制限されないことは言うまでもない。さら
に、記録層に添加元素として、さらにモル比で3%のS
iO2と10%のMgOを添加した。これらの添加成分に
よって、FePt合金などのfct相の磁性結晶粒子の磁
気的分断が促進される。
【0133】MgO下地はCoZrNbTa軟磁性下地
層上でも(200)配向しやすい。このような媒体の場合
には、XRDの分解能を超えているのでMgOの配向を
確認できないが、FePt−SiO2−MgO膜のXR
Dスペクトルから判断して、(200)配向しているもの
と推定される。この場合においても、保磁力と残留酸素
濃度との関係は図12とほとんど同様となった。すなわ
ち、基板加熱の上限である300℃加熱の場合、残留酸素
濃度が30原子%以下の条件で磁気記録媒体として有用な
3kOeの保磁力が得られる。1原子%以下の場合には150
℃の加熱でも3kOeの保磁力が得られ、より好ましいこ
とが分かった。
【0134】実施例40 上記した実施例39と同様な磁気記録媒体を作製した。
ただし、記録層にはBに代えてCuを10原子%添加し
た。EXAFSによる動径分布評価、およびUPS(紫
外線光電子分光)とバンド計算との比較の2つの検討か
ら、Cu原子はFeサイトに優先的に入ることが分かっ
たため、Ptに対する(Fe−Cu)の組成を53原子%
とした。また、Pt下地層形成時のプロセス条件を記録
層のときと同様に変えることによって、Pt下地層中の
残留酸素濃度を変化させた。このとき、記録層のプロセ
ス条件は残留酸素濃度が10原子%となる条件を選んだ。
アニール温度は300℃である。
【0135】Pt下地層中の残留酸素濃度と保磁力の関
係を図13に示す。下地層中の残留酸素濃度が30原子%
を超えるとHcが急激に劣化して、磁気記録媒体として
実用に供し得ないことが分かった。これは、前述したよ
うに下地からの残留酸素の流入によって、記録層界面に
磁気特性の劣化した初期層ができたためと考えられる。
同様の傾向は、添加元素をTa、Mo、Vとした場合で
も確認された。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録媒体
用スパッタリングターゲットによれば、スパッタ成膜し
た磁性合金膜を規則化(L10規則相)する際のアニール
温度を低下させることができ、その結果として高磁気異
方性エネルギー密度(高Ku)や高保磁力(高Hc)な
どを有する規則相合金膜を再現性よく得ることが可能と
なる。また、本発明の磁気記録媒体は磁性合金膜を比較
的低いアニール温度で規則化(L10規則相)することを
可能にしているため、磁気異方性エネルギー密度Kuが
大きいL10構造の規則相合金膜を記録層として用いた磁
気記録媒体の実用性や量産性などを高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による磁気記録媒体の構
成を模式的に示す断面図である。
【図2】 図1に示す磁気記録媒体の変形例の構成を示
す断面図である。
【図3】 図1に示す磁気記録媒体の他の変形例の構成
を示す断面図である。
【図4】 本発明の実施例および比較例によるスパッタ
リングターゲッの使い始めから使い終わりまでの磁性合
金膜の保磁力変化を示す図である。
【図5】 本発明の実施例で使用したスパッタリング装
置の概略構成を示す図である。
【図6】 300℃および200℃でアニールした各FePt
合金膜中の残留酸素濃度と保磁力との関係をそれぞれ示
す図である。
【図7】 300℃でアニールしたFePd合金膜中の残
留酸素濃度と保磁力との関係を示す図である。
【図8】 300℃でアニールしたCoPt合金膜中の残
留酸素濃度と保磁力との関係を示す図である。
【図9】 300℃でアニールしたCoPd合金膜中の残
留酸素濃度と保磁力との関係を示す図である。
【図10】 残留酸素濃度が1原子%の磁性合金膜の組
成と残留酸素濃度との関係を示す図である。
【図11】 残留酸素濃度が10-3原子%の磁性合金膜の
組成と残留酸素濃度との関係を示す図である。
【図12】 Pt下地層を適用したFePt合金膜の残
留酸素濃度と保磁力との関係を示す図である。
【図13】 Pt下地層中の残留酸素濃度と記録層の保
磁力との関係を示す図である。
【符号の説明】
1……支持基板,2……記録層(L10規則相合金膜),
3……保護層,4……磁気記録媒体,5……下地層,6
……シード層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 32/00 C22C 32/00 Z G11B 5/64 G11B 5/64 5/65 5/65 5/738 5/738 5/851 5/851 // C22C 38/00 303 C22C 38/00 303H (72)発明者 甲斐 正 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 永瀬 俊彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 前田 知幸 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 秋山 純一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 相川 尚徳 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 鈴木 幸伸 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 渡邊 光一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 渡辺 高志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 石上 隆 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4K018 AA02 AA10 AA24 AB01 AB03 AC01 BA01 BA04 BA16 BB04 DA11 EA01 EA11 FA01 FA08 KA29 4K029 BA22 BA24 BA26 BA64 BD11 CA05 DC04 DC09 5D006 BB05 BB06 BB07 CA01 CA05 CA06 EA03 5D112 AA03 AA05 BB02 BD03 BD04 FA04 FB02 FB06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FeおよびCoから選ばれる少なくとも
    1種の元素と、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1
    種の元素とから実質的になる磁性合金の焼結体を具備す
    る記録媒体用スパッタリングターゲットであって、 前記ターゲットの酸素含有量が1000ppm以下であること
    を特徴とする記録媒体用スパッタリングターゲット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録媒体用スパッタリン
    グターゲットにおいて、 前記ターゲットの酸素、窒素、炭素、硫黄および水素の
    合計含有量が2000ppm以下であることを特徴とする記録
    媒体用スパッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の記録媒体
    用スパッタリングターゲットにおいて、 前記磁性合金は、 一般式:(Fe1-aCoax(Pt1-bPdb100-x (式中、a、bおよびxは0≦a≦1、0≦b≦1、30≦x
    ≦80原子%を満足する数である)で実質的に表される組
    成を有することを特徴とする記録媒体用スパッタリング
    ターゲット。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載の記録媒体用スパッタリングターゲットにおいて、 前記磁性合金は、さらにCu、Au、Ag、Zn、S
    n、Mn、Ni、Al、Ti、Hf、Ta、Mo、N
    b、W、Cr、V、In、Re、Ru、Ir、Rh、S
    m、Tb、Si、B、Si−O、Mg−O、Al−O、
    Zr−O、Ti−O、Si−N、Al−N、Zr−N、
    Ti−N、B−N、Si−O−N、Al−O−N、Al
    −Ti−O−C、およびIn−Sn−Oから選ばれる少
    なくとも1種の元素または化合物を0.1〜50原子%の範囲
    で含むことを特徴とする記録媒体用スパッタリングター
    ゲット。
  5. 【請求項5】 支持基板と、前記支持基板上に形成され
    た記録層と、前記記録層を覆うように設けられた保護層
    とを具備する磁気記録媒体において、 前記記録層は、FeおよびCoから選ばれる少なくとも
    1種の元素と、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1
    種の元素とを主として含むと共に、L10構造の規則相を
    有する磁性合金からなり、かつ前記記録層中の残留酸素
    量が30原子%以下であることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の磁気記録媒体において、 前記記録層中の残留酸素量が1原子%以下であることを
    特徴とする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6記載の磁気記録
    媒体において、 さらに、前記支持基板と前記記録層との間に設けられた
    1層以上の下地層を具備し、かつ前記下地層は前記記録
    層と接する非磁性体層を有することを特徴とする磁気記
    録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の磁気記録媒体において、 前記非磁性体層は、Pt、Pd、Al、Cr、Cu、I
    r、Ag、Au、およびMgOから選ばれる少なくとも
    1種を主成分として含有すると共に、(200)配向してい
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8記載の磁気記録
    媒体において、 さらに、前記支持基板と前記下地層との間に設けられた
    シード層を具備することを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項7ないし請求項9のいずれか1
    項記載の磁気記録媒体において、 前記下地層中の残留酸素量が30原子%以下であることを
    特徴とする磁気記録媒体。
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