JP2000273417A

JP2000273417A - 帯電防止性粘着シート

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Publication number: JP2000273417A
Application number: JP11081346A
Authority: JP
Inventors: Tomoo Orui; 知生大類
Original assignee: Lintec Corp
Current assignee: Lintec Corp
Priority date: 1999-03-25
Filing date: 1999-03-25
Publication date: 2000-10-03
Anticipated expiration: 2019-03-25
Also published as: US6562428B1; KR100722059B1; KR20010014616A; TWI239346B; JP4531883B2

Abstract

(57)【要約】【課題】良好な透明性を有し、被着体に貼付すること
により、静電気による様々なトラブルの発生を効果的に
防止しうる帯電防止性粘着シートを提供すること。【解決手段】プラスチック基材フィルムと、その一方
の面に形成された第四級アンモニウム塩を含む帯電防止
層と、さらにその上に形成された粘着剤層とを有する帯
電防止性粘着シートである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性粘着シ
ートに関する。さらに詳しくは、本発明は、帯電防止
性，透明性に優れ、さらに帯電防止剤のブリードアウト
やガスの発生が抑制され、被着体に貼付することによ
り、その帯電を防止して、ゴミやホコリなどの付着、そ
の他静電気による様々なトラブルの発生を抑制すること
ができ、特に被覆シートに対して透明性が要求される物
品の帯電防止用として好適に用いられる帯電防止性粘着
シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プラスチックなどの絶縁抵抗性の高いも
のは、プラスチック同士又は他の物体との摩擦、あるい
は剥離などにより発生した静電気を漏洩せず、蓄積する
（帯電する）性質を有している。このため、空気中のゴ
ミやホコリなどの吸着が生じたり、紙同士やフィルム同
士の貼付きが生じたり、あるいは電撃による不快感のほ
か、電子・電気機器やＯＡ機器などでは、静電気による
誤作動やメモリー破壊などの様々な静電気障害を引き起
こしたりする。このような障害を避けるには、被帯電体
の表面固有抵抗を制御することが必要であり、そのため
に、通常帯電防止剤が使用される。プラスチック製品の
帯電防止方法としては、一般に、帯電防止剤を内部添加
（練り込み）する方法と、表面に塗布する方法とがあ
る。内部添加法は、帯電防止効果の持続性は良好である
ものの、プラスチック本来の特性が損なわれやすいとい
う欠点を有しており、一方、表面塗布法においては、プ
ラスチック本来の特性は損なわれないが、帯電防止効果
の持続性が劣るという欠点がある。

【０００３】ところで、帯電防止性粘着テープが知られ
ており、このものは、例えば静電気に敏感な電子部品の
梱包や保管時に行なうテーピングなどの作業、具体的に
はシールドバックの封止、カートンの封止、ワークシー
トの抑え、導電トレーの束ねなどに用いられている。ま
た、透明帯電防止性粘着シートは、例えば、電子・電気
機器分野、バイオ・メディカル分野、通信機器分野など
における工場や研究室などのクリーンルームの間仕切り
や窓、そこで使用される機械のカバー、各種容器などの
貼付用シートとして有用であり、さらには、パソコンな
どに用いられるハードディスク用ラベルや、光磁気ディ
スクの保護用シートなどとしても有用である。光磁気デ
ィスクは、一般に透明基板上に記録層を設け、その上に
保護層を設けた構造を有しており、そして情報の書込み
及び読み取りは、基板を介して照射されるレーザー光が
記録層で焦点を結ぶことにより、行なわれている。この
ような光磁気ディスクにおいては、基板にゴミやホコリ
などが付着したり、あるいはそれらにより傷が付いたり
すると、レーザー光の散乱による焦点のずれなどによっ
て、誤作動の原因となる。特に読み取りのビーム束は、
より微細化の傾向にあるため、基板表面の帯電防止とハ
ードコート処理が一段と重要になってきている。

【０００４】前記帯電防止性の粘着テープや粘着シート
は、一般に、帯電防止剤を内部添加してなるプラスチッ
ク基材フィルムの片面に粘着剤層を設けるか、あるい
は、プラスチック基材フィルムの片面に粘着剤層を設
け、その反対面に帯電防止層を設けた構造を有してい
る。そして、これらの粘着剤層の上には、該粘着剤層を
保護するために、通常剥離シートが設けられている。し
かしながら、帯電防止剤を内部添加してなるプラスチッ
ク基材フィルムを用いたものは、前記したように、プラ
スチック基材フィルム本来の特性が損なわれるおそれが
あるし、一方、粘着剤層の反対面に帯電防止層を設けた
ものは、この帯電防止層の上に、例えば易印刷性層やハ
ードコート層を形成する場合、密着性が極めて悪くなる
という問題が生じる。また、該帯電防止層の上になんら
コート層がないと、帯電防止剤がブリードアウトした
り、それからガスが発生するなど、好ましくない事態を
招来するおそれがある。この現象は、低分子の帯電防止
剤の場合に、特に顕著である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、帯電防止性, 透明性に優れ、さらに帯電防止
剤のブリードアウトやガスの発生が抑制され、被着体に
貼付することにより、その帯電を防止して、ゴミやホコ
リなどの付着、その他静電気による様々なトラブルの発
生を抑制することができ、特に被覆シートに対して透明
性が要求される物品の帯電防止用として好適な帯電防止
性粘着シートを提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の優
れた機能を有する帯電防止性粘着シートを開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、プラスチック基材フィルムの片面
に、第四級アンモニウム塩、特に高分子型第四級アンモ
ニウム塩を含む帯電防止層を設け、さらにその上に粘着
剤層を設けることにより、その目的を達成しうることを
見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したも
のである。すなわち、本発明は、プラスチック基材フィ
ルムと、その一方の面に形成された第四級アンモニウム
塩、好ましくは高分子型第四級アンモニウム塩を含む帯
電防止層と、さらにその上に形成された粘着剤層とを有
することを特徴とする帯電防止性粘着シートを提供する
ものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の帯電防止性粘着シート
（以下、単に「本発明の粘着シート」と記載することが
ある。）において用いられるプラスチック基材フィルム
としては、特に制限はなく、従来粘着シートの基材フィ
ルムとして知られている公知のもの、例えばポリエチレ
ン，ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体，エチレン−塩化ビニル共重
合体などのエチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン，Ａ
ＢＳ樹脂，ＡＳ樹脂などのポリスチレン系樹脂、６−ナ
イロン，６，６−ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート，ポリブチレンテレフタレー
ト，ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート，ポリエステルカーボネートなど
のポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルスルフォン，
ポリアミンスルフォンなどのポリスルフォン系樹脂、ポ
リテトラフルオロエチレン，ポリビニリデンフルオライ
ドなどのフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル，ポリ塩化ビニ
リデンなどの塩素系樹脂、ポリメチルメタクリレート，
ポリエチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、さら
にはポリビニルアルコール，ポリ酢酸ビニル，アイオノ
マー樹脂，ポリアセタール，ポリアミドイミド，ポリエ
ーテルイミド，熱可塑性イミド，ポリエーテルエーテル
ケトン，ポリフェニレンエーテル，ポリフェニレンスル
フィド，ポリメチルペンテンなどの中から選ばれる一種
又は二種以上の樹脂からなるフィルムの中から、使用目
的などに応じて適宜選択して用いればよい。

【０００８】この基材フィルムは単層フィルムであって
もよく、二層以上の積層フィルムであってもよいし、ま
た白色又は有色着色したものであってもよい。本発明の
粘着シートにおいては透明性を有するものが好ましく、
なかでも全光線透過率が８０％以上であることがさらに
好ましい。本発明の粘着シートにおいて、基材フィルム
の厚さは特に制限はなく、用途などに応じて適宜選定さ
れるが、一般には１０〜３００μｍ、好ましくは２０〜
１５０μｍの範囲である。この基材フィルムとしては、
従来公知の方法、例えばキャスティング法，押出し法，
カレンダー法，溶液コーティング法など、いずれの製膜
方法により得られたものであってもよい。また、無延伸
フィルム，延伸フィルムのいずれであってもよい。本発
明においては、この基材フィルムには、その上に設けら
れる帯電防止層や、反対面に場合により設けられるコー
ト層との密着性を向上させる目的で、所望に応じ、片面
あるいは両面に表面処理を施したり、プライマー層を設
けることができる。上記表面処理方法としては、例えば
サンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化
処理、あるいはコロナ放電処理，クロム酸処理，火炎処
理，熱風処理，オゾン・紫外線照射処理などの表面の酸
化処理などが挙げられる。また、プライマーとしては特
に制限はなく、従来公知のもの、例えばアクリル系，ポ
リエステル系，ポリウレタン系，シリコーン系，ゴム系
などのプライマーを用いることができるが、耐久性及び
密着性などの点から、アクリル系及びポリエステル系プ
ライマーが好適である。このプライマー層の厚さは、均
質な塗布性及び密着性などの点から、0.１〜１０μｍの
範囲が好ましく、特に0.５〜５μｍの範囲が好適であ
る。

【０００９】本発明の粘着シートにおいては、上記基材
フィルムの一方の面に第四級アンモニウム塩を含む帯電
防止層が設けられる。この帯電防止層において、帯電防
止剤として用いられる第四級アンモニウム塩としては、
低分子型及び高分子型のいずれも使用することができる
が、帯電防止剤のブリードアウトやガス発生の防止性、
及びバインダーを用いなくてもよい点などから、特に高
分子型第四級アンモニウム塩が好適である。上記高分子
型第四級アンモニウム塩としては、従来公知のものの中
から、任意のものを適宜選択して用いることができる。
具体的には、分子内に、一般式（Ｉ）

【００１０】

【化１】

【００１１】（式中、Ｒ¹及びＲ²は、それぞれ同一又
は異なる炭素数１〜１０のアルキル基、Ｒ³は炭素数１
〜１０のアルキル基又は炭素数７〜１０のアラルキル
基、Ｘ^n-はｎ価の陰イオン、ｎは１〜４の整数を示
す。）で表される第四級アンモニウム塩基を有する高分
子重合体を好ましく挙げることができる。該高分子型第
四級アンモニウム塩の重量平均分子量は１００００〜１
００００００のものが好ましい。上記一般式（Ｉ）にお
いて、Ｒ¹及びＲ²で示されるアルキル基並びにＲ³の
うちのアルキル基としては、炭素数１〜６のアルキル
基、特に炭素数１〜４のアルキル基が好ましく、また、
Ｒ³のうちのアラルキル基としては、ベンジル基が好ま
しい。炭素数１〜４のアルキル基としては、メチル基，
エチル基，ｎ−プロピル基，イソプロピル基，ｎ−ブチ
ル基，イソブチル基，ｓｅｃ−ブチル基，ｔｅｒｔ−ブ
チル基が挙げられる。

【００１２】一方、Ｘ^n-は無機陰イオン，有機陰イオン
のいずれであってもよく、その例としてはＦ^-，Ｃ
ｌ^-，Ｂｒ^-，Ｉ^-，のハロゲンイオン，ＮＯ₃ ^-，Ｃ
ｌＯ₄ ^-，ＢＦ₄ ^-，ＣＯ₃ ^2-，ＳＯ₄ ^2-などの無機陰
イオン，ＣＨ₃ＯＳＯ₃ ^-，Ｃ₂Ｈ₅ＯＳＯ₃ ^-、さら
には酢酸，マロン酸，コハク酸，マレイン酸，フマル
酸，ｐ−トルエンスルホン酸，トリフルオロ酢酸などの
有機酸の残基からなる有機陰イオンが挙げられる。この
ような高分子型第四級アンモニウム塩としては、例えば
以下に示す化合物、すなわち、ポリビニルベンジル型
〔（ａ）〕，ポリ（メタ）アクリレート型〔（ｂ）〕，
スチレン−（メタ）アクリレート共重合体型
〔（ｃ）〕，スチレン−マレイミド共重合体型
〔（ｄ）〕，メタクリレート−メタクリルイミド共重合
体型〔（ｅ）〕などを挙げることができる。なお、
（ｃ），（ｄ）及び（ｅ）の共重合体型においては、ラ
ンダム共重合体型及びブロック共重合体型のいずれであ
ってもよい。

【００１３】

【化２】

【００１４】

【化３】

【００１５】本発明においては、この高分子型第四級ア
ンモニウム塩は一種用いてもよいし、二種以上を組み合
わせて用いてもよく、また、所望により、低分子型第四
級アンモニウム塩を併用することができる。また、本発
明においては、低分子型第四級アンモニウム塩を高分子
のバインダー（例えばアクリル系バインダー）と組み合
わせて用いることができる。上記低分子型第四級アンモ
ニウム塩としては、例えば一般式（ＩＩ）

【００１６】

【化４】

【００１７】（式中、Ａは炭素数１〜３０のアルキル
基、Ｒ⁴及びＲ⁵は、それぞれ同一又は異なる炭素数１
〜１０のアルキル基、Ｒ⁶は炭素数１〜１０のアルキル
基又は炭素数７〜１０のアラルキル基、Ｙ^m-はｍ価の陰
イオン、ｍは１〜４の整数を示す。）で表される化合物
を好ましく挙げることができる。上記一般式（ＩＩ）に
おけるＡの例としては、メチル基，エチル基，ｎ−プロ
ピル基，イソプロピル基，ｎ−ブチル基，イソブチル
基，ｓｅｃ−ブチル基，ｔｅｒｔ−ブチル基，ペンチル
基，ヘキシル基，ヘプチル基，オクチル基，デシル基，
ラウリル基などのドデシル基，ミリスチル基などのテト
ラデシル基，パルミチル基などのヘキサデシル基，ステ
アリル基などのオクタデシル基，エイコシル基，ベヘニ
ル基などが挙げられる。

【００１８】また、Ｒ⁴，Ｒ⁵，Ｒ⁶，Ｙ^m-及びｍは、
それぞれ一般式（Ｉ）におけるＲ¹，Ｒ²，Ｒ³，Ｘ^n-
及びｎと同じである。本発明においては、この帯電防止
層は、適当な溶剤に、前記高分子型第四級アンモニウム
塩及び所望により併用される前記低分子型第四級アンモ
ニウム塩、さらに前記高分子型第四級アンモニウム塩又
は前記低分子型第四級アンモニウム塩に適当なバインダ
ーを溶解させてなる塗工液を、従来公知の方法、例えば
バーコート法，ナイフコート法，ロールコート法，ブレ
ードコート法，ダイコート法，グラビアコート法などを
用いて、コーティングして塗膜を形成させ、乾燥させる
ことにより，形成することができる。この帯電防止層の
厚さとしては、特に制限はなく、用途に応じて適宜選定
されるが、通常0.０１〜１０μｍの範囲である。この厚
さが0.０１μｍ未満では帯電防止効果が充分に発揮され
ないおそれがあり、１０μｍを超えると粘着剤層との密
着性が低下する傾向がみられる。帯電防止効果及び粘着
剤層との密着性のバランスなどの面から、この帯電防止
層の好ましい厚さは0.０５〜１μｍの範囲である。

【００１９】このようにして形成された帯電防止層は、
透明性に優れたものである。粉末状帯電防止剤として、
例えばＡｇ，Ｃｕ，Ａｌ，Ｎｌ，Ｓｎ，Ｆｅ，Ｐｂ，Ｔ
ｉ，Ｍｏ，Ｗ，Ｔａ，Ｎｂ，Ｐｔ，Ａｕ，Ｐｄ，Ｃｕ−
Ｓｎ合金，Ｃｕ−Ｚｎ合金などの金属系導電性フィラ
ー，酸化亜鉛系，硫酸バリウム系，酸化チタン系，ホウ
酸アルミニウム系，酸化スズ系，チタンブラック系，チ
タン酸カリウム系，酸化インジウム系，インジウムチン
オキシド（ＩＴＯ）などの金属化合物系導電性フィラ
ー、さらにはカーボンブラックなどが知られているが、
ＩＴＯなどの特殊なものを除いて、上記粉末状帯電防止
剤を含む帯電防止層は、一般に有色であったり、透明性
に劣っていたりし、したがってその帯電防止性粘着シー
トは任意の色を着色したり、被覆シートとして透明性が
要求される分野には、適用しにくいという問題がある。
これに対し、本発明の帯電防止性粘着シートは、着色及
び光線透過率の低下がほとんどなく、透明性に優れてい
るので、着色や透明性が要求される分野に好適に用いら
れる。本発明の粘着シートにおいては、前記のようにし
て形成された帯電防止層の上に、粘着剤層が設けられ
る。この粘着剤層を形成する粘着剤としては特に制限は
なく、従来、粘着シートの粘着剤層に慣用されているも
の、例えばアクリル系粘着剤，ゴム系粘着剤，シリコー
ン系粘着剤などを使用することができる。

【００２０】前記アクリル系粘着剤としては、主成分と
して、例えばアクリル酸エステル単独重合体，アクリル
酸エステル単位二種以上を含む共重合体及びアクリル酸
エステルと他の官能性単量体との共重合体の中から選ば
れた少なくとも一種を含有するものが用いられる。該ア
クリル酸エステルとしては、例えば（メタ）アクリル酸
ブチル，（メタ）アクリル酸ペンチル，（メタ）アクリ
ル酸ヘキシル，（メタ）アクリル酸ヘプチル，（メタ）
アクリル酸オクチル，（メタ）アクリル酸ノニル，（メ
タ）アクリル酸デシルなどが挙げられる。また、官能性
単量体としては、例えば（メタ）アクリル酸ヒドロキシ
エチル，（メタ）アクリル酸ヒドロキシプロピルなどの
ヒドロキシル基含有単量体、（メタ）アクリルアミド，
ジメチル（メタ）アクリルアミドなどのアミド基含有単
量体などが挙げられる。このアクリル系粘着剤は、一般
に溶剤型とエマルジョン型に大別され、溶剤型は、通常
前記アクリル系ポリマー，溶剤，架橋剤及び所望に応じ
て用いられる粘着付与剤などから構成されており、架橋
システムとしてはメチロール基縮合，イオン架橋，ウレ
タン架橋，エポキシ架橋などが利用されている。一方、
エマルジョン型は、通常前記アクリル系ポリマー，乳化
剤，水性溶媒，所望に応じて用いられる粘着付与剤など
から構成されている。

【００２１】前記ゴム系粘着剤としては、主成分とし
て、例えば天然ゴム，ポリイソプレンゴム，ポリイソブ
チレン，ポリブタジエンゴム，スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体，スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体などの中から選ばれた少なくと
も一種を含有するものが用いられる。このゴム系粘着剤
には、所望に応じ、粘着付与剤，可塑剤，老化防止剤，
充填剤などを配合することできる。また、形態として
は、通常溶剤型や前記ゴムのラテックスを用いたエマル
ジョン型のものが好ましく用いられる。さらに、シリコ
ーン系粘着剤としては、例えば主成分としてポリジメチ
ルシロキサンやポリジフェニルシロキサンを含有し、さ
らに所望に応じて粘着付与剤，可塑剤，充填剤などを含
有する溶剤型のものが好ましく用いられる。この粘着剤
層の厚さは、通常５〜１００μｍ、好ましくは１０〜６
０μｍの範囲である。このように、帯電防止層の上に粘
着剤層を形成することにより、第四級アンモニウム塩の
ブリードアウトやそれからのガスの発生を効果的に抑制
することができる。

【００２２】本発明の粘着シートにおいいては、所望に
より、前記粘着剤層の上に、剥離シート層を設けること
ができる。この剥離シートとしては、例えばグラシン
紙，コート紙，ラミネート紙などの紙及び各種プラスチ
ックフィルムにシリコーン樹脂などの剥離剤を塗布した
ものが挙げられる。さらに、本発明の粘着シートにおい
ては、基材フィルムの前記粘着剤層とは反対面に、必要
に応じ、所望の機能を有するコート層を形成させること
ができる。このコート層の機能については特に制限はな
く、該粘着シートの使用目的などに応じて適宜選択さ
れ、例えば印刷適性を付与しうる易印刷性層や、耐擦傷
性などを付与しうるハードコート層などが好ましく設け
られる。

【００２３】上記易印刷性層を構成する材料としては、
基材フィルムとの密着性がよく、かつ印刷インキの密着
性が良好なコート層を形成しうるものであればよく、特
に制限されず、様々なものを用いることができる。この
ような材料としては、例えばアクリル系樹脂，スチレン
系樹脂，架橋化ポリエステルウレタン系樹脂，ポリエス
テル系樹脂，ポリウレタン系樹脂，ポリオール系樹脂，
ポリビニルアルコール，ポリビニルピロリドン，セルロ
ース誘導体，アセテート誘導体，ポリ塩化ビニル系樹
脂，ポリイミド系樹脂，ラテックス樹脂，デンプン，ゼ
ラチン，植物タンパク，カゼイン，アラビアゴム，アル
ブミンなどの有機結着剤、シリカゾル，アルミナゾル，
ジルコニアゾル，チタニアゾルなどの無機結着剤などを
含み、所望により粗面化形成剤、具体的にはシリカ，ジ
ルコニア，クレー，タルク，カオリン，ケイソウ土，ア
ルミナ，チタニア，ゼオライト，炭酸カルシウム，硫酸
バリウム，水酸化アルミニウム，水酸化マグネシウム，
リン酸カルシウム，ガラスなどの無機粉末、アクリル系
樹脂，ウレタン樹脂，塩化ビニル樹脂，ベンゾグアナミ
ン樹脂，ベンゾグアナミン／メラミン／ホルムアルデヒ
ド縮合物，イオン交換樹脂，尿素樹脂，ポリスチレン系
樹脂などの有機粉末を含有するものを挙げることができ
る。これらの易印刷性層形成材料は、基材フィルムを構
成する樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。
なお、粘着シートが透明性を要求される場合には、この
易印刷性層も透明性を有することが望ましい。基材フィ
ルム上に、前記材料をコーティングする方法としては特
に制限はなく、従来公知の方法、例えばバーコート法，
ナイフコート法，ロールコート法，ブレードコート法，
ダイコート法，グラビアコート法などを用いることがで
きる。このようにして形成された易印刷性層の厚さは、
通常0.２〜３０μｍ、好ましくは0.５〜３０μｍの範囲
で選定される。

【００２４】一方、ハードコート層としては、紫外線や
電子線などの照射によって硬化する電離放射線硬化型樹
脂が好ましく用いられるが、特に紫外線硬化型樹脂が好
適である。この紫外線硬化型樹脂としては特に制限はな
く、従来公知のものの中から、任意のものを適宜選択し
て用いることができる。該紫外線硬化型樹脂は、通常、
光重合性プレポリマーを基本成分とし、さらに所望によ
り光重合性モノマー、光重合開始剤などを含有するもの
であって、上記光重合性プレポリマーとしては、例えば
ポリエステルアクリレート系，エポキシアクリレート
系，ウレタンアクリレート系，ポリオールアクリレート
系などのラジカル重合型や、エポキシ系樹脂などのカチ
オン重合型などがある。また、光重合開始剤としては、
ラジカル重合型の光重合性プレポリマーを用いる場合に
は、例えばベンゾイン系，アセトフェノン系，ベンゾフ
ェノン系，アントラキノン系，チオキサンテン系などが
用いられ、一方カチオン重合型の光重合性プレポリマー
を用いる場合には、例えばスルホニウムイオンやヨード
ニウムイオンなどのオニウムイオンと、テトラフルオロ
ボレート，ヘキサフルオロホスフェートなどの陰イオン
とからなる化合物などが用いられる。また、光重合性モ
ノマーとしては、特に制限はなく、分子内にエチレン性
不飽和基を一つ有する単官能性モノマーや、エチレン性
不飽和基を二つ以上有する多官能性モノマーの中から、
適宜一種又は二種以上を選択して用いることができる。

【００２５】本発明の粘着シートにおいては、該ハード
コート層は、必要に応じて用いられる適当な溶剤中に、
前記電離放射線硬化型樹脂を溶解させてなる塗工液を、
従来公知の方法、例えばバーコート法，ナイフコート
法，ロールコート法，ブレードコート法，ダイコート
法，グラビアコート法などを用いて、コーティングして
塗膜を形成させ、乾燥させたのち、これに紫外線や電子
線などの電離放射線を照射して塗膜を硬化させることに
より、形成することができる。このようにして形成され
たハードコート層の厚さは、通常0.５〜２０μｍ、好ま
しくは１〜１５μｍの範囲である。なお、本発明の粘着
シートにおいては、前記帯電防止層，粘着剤層及び所望
により設けられる易印刷性層やハードコート層などのコ
ート層には、必要に応じ、紫外線吸収剤，光安定剤，酸
化防止剤などの各種添加剤を含有させることができる。

【００２６】このような本発明の帯電防止性粘着シート
は、透明性に優れることから、例えば電子・電気機器分
野，バイオ・メディカル分野，通信機器分野などにおけ
る工場や研究室などのクリーンルームの間仕切りや窓、
そこで使用される機械のカバー、各種容器などの貼付用
シートとして、さらには、パソコンなどに用いられるハ
ードディスク用ラベルや、光磁気ディスクの保護用シー
トなどとして有用である。また、帯電防止用粘着テープ
として、静電気に敏感な電子部品の梱包や保管時に行な
うテーピングなどの作業、具体的にはシールドバックの
封止、カートンの封止、ワークシートの抑え、導電トレ
ーの束ねなどに用いることができると共に、電子・電気
部品や半導体部品などを製造する際に、例えばシリコン
ウエーハやガラス，セラミックス，ポリマーなどの基板
の保護用，ダイシング用の粘着シートとしても有用であ
る。

【００２７】

【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。実施例１基材フィルムとして、片面にポリエステル系樹脂を用い
て形成された厚さ0.１μｍの易印刷性層を有する厚さ３
８μｍの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート（ＰＥ
Ｔ）フィルムを用い、その反対面に、第四級アンモニウ
ム塩を含む表面塗布型帯電防止剤液〔三菱化学（株）
製、商品名「サフトマーＳＴ−２０００Ｈ」；ポリ（メ
タ）アクリレート型第四級アンモニウム塩３４重量％、
変性エタノール６４重量％、水２重量％〕を、乾燥厚さ
が0.１μｍになるように塗布し、乾燥させて帯電防止層
を形成させた。次に、この帯電防止層の上に、アクリル
系粘着剤〔一方社油脂工業（株）製、商品名「ＡＳ６６
５」〕１００重量部に、イソシアネート系硬化剤〔東洋
インキ製造（株）製、商品名「ＢＨＳ８５１５」〕４重
量部を添加したものを、ナイフコート方式で乾燥厚さが
２３μｍになるように塗布したのち、８０℃で２分間乾
燥させて、アクリル系粘着剤層を形成し、さらにその上
に剥離紙を貼付することにより、粘着シートを作製し
た。

【００２８】実施例２基材フィルムとして、厚さ３８μｍの二軸延伸ポリエチ
レンテレフタレート（ＰＥＴ）フィルムを用い、片面に
低分子型第四級アンモニウム塩を含む表面塗布型帯電防
止剤液〔紫外線硬化型アクリル系バインダー（日本化薬
（株）製、商品名カヤラッドＤＰＨＡ）１００重量部、
１−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン（アクリ
ル系バインダーの重合開始剤）３重量部、テトラエチル
アンモニウムクロライド（帯電防止剤）２０重量部及び
トルエン（溶剤）２８０重量部を配合してなる液状帯電
防止剤組成物〕を、乾燥厚さが１μｍになるように塗
布、乾燥した後、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射（光
量２４０ｍＪ／ｃｍ²）して帯電防止層を形成した。次
に、この帯電防止層の上に、アクリル系粘着剤〔一方社
油脂工業（株）製、商品名「ＡＳ６６５」〕１００重量
部に、イソシアネート系硬化剤〔東洋インキ製造（株）
製、商品名「ＢＨＳ８５１５」〕４重量部を添加したも
のを、ナイフコート方式で乾燥厚さが２３μｍになるよ
うに塗布したのち、８０℃で２分間乾燥させて、アクリ
ル系粘着剤層を形成し、さらにその上に剥離紙を貼付す
ることにより、粘着シートを作製した。次いで、得られ
た粘着シートについて、実施例１の評価方法と同じ方法
を用いて、剥離帯電圧，全光線透過率などの物性を評価
した。その結果は、剥離帯電圧が0.０ＫＶであり、全光
線透過率は９0.２％であった。比較例１実施例１において、帯電防止層を形成しなかったこと以
外は、実施例１と同様にして粘着シートを作製した。比較例２実施例１において、帯電防止層をＰＥＴフィルムの易印
刷性層の反対面に設ける代わりに、該易印刷性層上に設
けた以外は、実施例１と同様にして粘着シートを作製し
た。

【００２９】比較例３実施例１において、帯電防止層として、第四級アンモニ
ウム塩を含む帯電防止層の代わりに、１００重量部のア
クリル系バインダーに３００重量部の酸化スズ系フィラ
ー粉末（平均粒径0.０２μｍ）を分散させてなる帯電防
止層を設けた以外は、実施例１と同様にして粘着シート
を作製した。実施例１〜２及び比較例１〜３で得られた
各粘着シートについて、以下に示す方法に従い、諸物性
を評価した。その結果を第１表に示す。（１）剥離帯電圧温度２３℃，相対湿度６５％の条件にて、剥離紙を５０
０ｍｍ／ｍｉｎで剥離したあと、粘着剤層表面の帯電圧
を５０ｍｍの距離で静電気電位測定機ＫＳＤ−６１１０
（春日電機（株））を用いて測定した。（２）全光線透過率剥離紙を剥がしたものについて、ヘイズメーターＮＤＨ
−Σ８０〔日本電色工業（株）製〕を用い、ＪＩＳＫ
７１０５に準拠して全光線透過率を測定した。（３）印刷適性易印刷性層（実施例１、比較例１，３）または帯電防止
層（比較例２）の面に、紫外線硬化型インキ（（株）テ
イアンドケイ東華製商品名ＢＥＳＴＣＵＲＥ１６１
スミＳ）を厚さ0.５μｍになるように凸版印刷方式で印
刷し、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射（光量１２０ｍ
Ｊ／ｃｍ²）した後、ＪＩＳＫ５４００に準拠してイン
キ密着性試験を行った。インキの剥離が無いものを良
好、インキが剥離したものを不可とした。

【００３０】

【表１】

【００３１】

【発明の効果】本発明の帯電防止性粘着シートは、帯電
防止剤のブリードアウトやガスの発生が抑制されると共
に、着色や光線透過率の低下がほとんどなく、良好な透
明性を有し、被着体に貼付することにより、その帯電を
防止して、ゴミやホコリなどの付着、その他静電気によ
る様々なトラブルの発生を抑制することができ、特に被
覆シートに対して透明性が要求される物品の帯電防止用
として好適に用いられる。

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Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プラスチック基材フィルムと、その一方
の面に形成された第四級アンモニウム塩を含む帯電防止
層と、さらにその上に形成された粘着剤層とを有するこ
とを特徴とする帯電防止性粘着シート。
【請求項２】第四級アンモニウム塩が高分子型第四級
アンモニウム塩である請求項１記載の帯電防止性粘着シ
ート。
【請求項３】プラスチック基材フィルムの粘着剤層と
は反対面にコート層が形成されてなる請求項１又は２記
載の帯電防止性粘着シート。
【請求項４】コート層が易印刷性層又はハードコート
層である請求項３記載の帯電防止性粘着シート。
【請求項５】全光線透過率が８０％以上である請求項
１〜４のいずれかに記載の帯電防止性粘着シート。