JP2000085068A - 帯電防止透明フィルム及びその光学部材 - Google Patents

帯電防止透明フィルム及びその光学部材

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JP2000085068A JP10279411A JP27941198A JP2000085068A JP 2000085068 A JP2000085068 A JP 2000085068A JP 10279411 A JP10279411 A JP 10279411A JP 27941198 A JP27941198 A JP 27941198A JP 2000085068 A JP2000085068 A JP 2000085068A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブルーミングや密着力不足による接触物の汚
染や手のかぶれ等を生じにくく、透明性や外観の均質
性、帯電防止能に優れるフィルム及び光学部材の開発。 【解決手段】 透明支持フィルム(11)に、四級アン
モニウム塩の基を有するアクリル酸系エステルを少なく
ともモノマー成分とする透明導電性ポリマーからなるコ
ート層(12)を設けた帯電防止透明フィルム(1)、
及びそのフィルムを粘着層(13)を介して光学素材
(2)に接着してなる帯電防止光学部材。 【効果】 透明導電性ポリマーが優れた透明性と導電
性、フィルム密着力を示し、粘着層や剥離剤層を安定保
持するコート層を形成し、四級アンモニウム塩が化学結
合で分離しにくくて優れた帯電防止能を長期に持続し、
静電気によるゴミ等の付着汚染や液晶配向の乱れ等によ
る異常表示、周辺回路素子の静電破壊などを防止でき
て、実用性に優れた表面保護フィルムやセパレータが得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、静電気のシールド性に優
れる帯電防止透明フィルム、及びそれを接着した偏光板
や位相差板や楕円偏光板等からなる帯電防止光学部材に
関する。
【0002】
【発明の背景】従来、透明な帯電防止フィルムとして
は、界面活性剤の混入フィルムやコートフィルム、導電
性塗料や金属蒸着膜のコートフィルムが知られていた。
かかる帯電防止透明フィルムは、例えば偏光板や位相差
板、あるいはそれらを積層してなる楕円偏光板等の光学
素材に粘着層を介して接着するセパレータや表面保護フ
ィルムなどとして用いられている。
【0003】すなわちセパレータは、光学素材に設けた
粘着層を液晶表示装置等に接着するまでの間、被覆保護
しておくためのものであり、表面保護フィルムは、流通
過程や液晶表示装置の組立工程等における表面損傷の防
止等のために光学素材を被覆保護しておくためのもので
あるが、実用時にはセパレータでは粘着層との接着界面
より、表面保護フィルムでは粘着層と共に光学素材より
剥離除去される。
【0004】前記の剥離除去の際には静電気が発生し、
それが粘着面や光学素材表面へのゴミ付着等を誘発して
汚染や外観不良、それによる歩留まりの低下を起こした
り、セパレータ剥離後の粘着層を介した光学素材の接着
や光学素材からの表面保護フィルムの剥離の際に液晶表
示装置等の異常表示や周辺回路素子の静電破壊を起こす
原因となるため、静電気の発生防止等を目的に前記した
帯電防止透明フィルムが使用される。透明性は、セパレ
ータ等を介した光学素材の検査などを目的とする。
【0005】しかしながら、上記した従来の混入フィル
ムやコートフィルムでは、界面活性剤のブルーミングや
コート膜による接触物の汚染や手のかぶれ等の発生、分
散不良による外観不良等の発生、コート膜の密着力不足
による脱落やコート膜による透明性の低下などの問題点
があった。前記の外観不良は、透明性の低下と同様にセ
パレータ等を介した光学素材の検査等を困難として実用
性を大きく阻害する。
【0006】
【発明の技術的課題】本発明は、ブルーミングや密着力
不足による接触物の汚染や手のかぶれ等を生じにくく、
透明性や外観の均質性に優れて帯電防止能にも優れるフ
ィルム及び光学部材の開発を課題とする。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は、透明支持フィルムに、四
級アンモニウム塩の基を有するアクリル酸系エステルを
少なくともモノマー成分とする透明導電性ポリマーから
なるコート層を設けたことを特徴とする帯電防止透明フ
ィルム、及びそのフィルムを粘着層を介して光学素材に
接着してなることを特徴とする帯電防止光学部材を提供
するものである。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、上記の透明導電性ポリ
マーが優れた透明性と導電性を示すと共に、透明支持フ
ィルムに対し良好な密着力を示してフィルムより脱落し
にくいコート層を形成し、そのコート層の上に粘着層や
剥離剤層を密着力よく付設することができる。また導電
性を付与する四級アンモニウム塩がコート膜内に化学結
合により保持されてブルーミング等の分離も生じない。
【0009】前記の結果、接触物の汚染や手のかぶれ等
を生じにくくて透明性や外観の均質性に優れ、帯電防止
能とその長期持続性にも優れる帯電防止透明フィルムが
得られ、それを表面保護フィルムやセパレータに用いて
静電気によるゴミ等の付着汚染や液晶配向の乱れ等によ
る異常表示、周辺回路素子の静電破壊などを防止した光
学部材を得ることができる。また上記のコート層上に粘
着層や剥離剤層を設けた前記特性により優れ、実用性に
より優れた表面保護フィルムやセパレータを得ることも
できる。
【0010】
【発明の実施形態】本発明による帯電防止透明フィルム
は、透明支持フィルムに、四級アンモニウム塩の基を有
するアクリル酸系エステルを少なくともモノマー成分と
する透明導電性ポリマーからなるコート層を設けたもの
からなる。また本発明による帯電防止光学部材は、前記
の帯電防止透明フィルムを粘着層を介して光学素材に接
着したものからなる。
【0011】本発明による帯電防止透明フィルム及び帯
電防止光学部材の例を図1〜図10に示した。1,6が
帯電防止透明フィルムで、11,62がその透明支持フ
ィルム、12,61がその帯電防止のコート層である。
なお、1は表面保護フィルム、6はセパレータとしての
使用形態を示している。
【0012】従って、表面保護フィルム1はコート層1
2を介して粘着層13を有しており、セパレータ6はコ
ート層61を介して粘着層4に接着されている。なお、
図中の3は帯電防止透明フィルムを使用していない表面
保護フィルム、5は帯電防止透明フィルムを使用してい
ないセパレータである。
【0013】また図1〜図4は、光学素材に偏光板2を
用いた光学部材、図5〜図8は、光学素材に位相差板7
を用いた光学部材を例示している。図9,図10は、光
学素材に楕円偏光板を用いた光学部材を例示している。
楕円偏光板は、偏光板2と位相差板7の積層体からな
る。
【0014】前記において、図1に例示のものは、偏光
フィルム22の両面に透明フィルム21,23をそれぞ
れ透明な接着剤を介し接着してなる偏光板2の片面に、
透明支持フィルム11と帯電防止のコート層12と粘着
層13からなる表面保護フィルム1を接着し、他面に粘
着層31と支持フィルム32からなる帯電防止処理を施
していない表面保護フィルム3を接着して形成したもの
である。
【0015】図2に例示のものは、前記に準じて偏光板
2の両面に帯電防止のコート層12を有する表面保護フ
ィルム1を接着して形成したものである。図3に例示の
ものは、表面保護フィルム3に代えて、透明な粘着層4
を介し帯電防止処理を施していないセパレータ5を接着
して図1の実施例に準じて形成したものである。図4に
例示のものは、セパレータ5に代えて、透明支持フィル
ム62と帯電防止のコート層61からなるセパレータ6
を接着して図3の実施例に準じて形成したものである。
【0016】図5に例示のものは、位相差板7の片面
に、透明支持フィルム11と帯電防止のコート層12と
粘着層13からなる表面保護フィルム1を接着し、他面
に粘着層4を介し帯電防止処理を施していないセパレー
タ5を接着して形成したものである。図6に例示のもの
は、セパレータ5に代えて、支持フィルム62と帯電防
止のコート層62からなるセパレータ6を接着して図5
の実施例に準じて形成したものである。
【0017】図7に例示のものは、表面保護フィルム1
に代えて、粘着層4を介して帯電防止のコート層61を
有するセパレータ6を接着し、図5の実施例に準じて形
成したものである。図8に例示のものは、セパレータ5
に代えて、帯電防止のコート層61を有するセパレータ
6を接着し、図7の実施例に準じて形成したものであ
る。
【0018】図9に例示のものは、図2の実施例より表
面保護フィルム1を剥離除去すると共に、図7の実施例
よりセパレータ6を剥離除去してそれらを粘着層4を介
し接着積層して楕円偏光板を形成したものである。図1
0に例示のものは、図7の実施例のものに代えて図8の
実施例のものを用いて、図9の実施例に準じ形成したも
のである。なお上記においてセパレータ6としては、コ
ート層61の上面に剥離剤による表面処理層(図示せ
ず)を有するものを用いた。
【0019】本発明において帯電防止透明フィルムは、
図例の如く透明支持フィルム11,62に、四級アンモ
ニウム塩の基を有するアクリル酸系エステルを少なくと
もモノマー成分とする透明導電性ポリマーからなるコー
ト層12,61を設けたものとして形成される。コート
層は、透明支持フィルムの片面又は両面に設けることが
できる。
【0020】また帯電防止透明フィルムを表面保護フィ
ルムとして用いる場合には、図例の如く粘着層13を付
加することもできる。その粘着層は、透明支持フィルム
に直接設けてもよいが、帯電防止性能等の点よりは図例
の如くコート層の上に設けることが好ましい。一方、帯
電防止透明フィルムをセパレータとして用いる場合に
は、必要に応じて剥離剤で表面処理することもできる。
その表面処理は、透明支持フィルムに直接施してもよい
が、帯電防止性能等の点よりはコート層の上に施すこと
が好ましい。
【0021】前記の透明支持フィルムには適宜なプラス
チックからなる透明なフィルムを用いうる。就中、表面
保護フィルムの場合には、例えばポリエチレンやポリプ
ロピレン、エチレン・酢酸ビニル系共重合体やポリエス
テル、それら2種以上のポリマーのブレンド物からなる
フィルムなどが保護機能等の点より好ましく用いうる。
またセパレータの場合には、ポリエステルフィルムなど
が剥離性等の点より好ましく用いうる。なお剥離剤とし
ては、シリコーン系や長鎖アルキル系のものなどの適宜
なものを用いうる。
【0022】帯電防止透明フィルムの形成は、例えば必
要に応じコロナ処理等の密着力の向上等を目的とした表
面処理を施した透明支持フィルムの片面又は両面に、四
級アンモニウム塩の基を有するアクリル酸系エステルを
少なくともモノマー成分とする透明導電性ポリマーをコ
ーティングすることにより行うことができる。
【0023】前記の透明導電性ポリマーを形成するモノ
マー成分の四級アンモニウム塩の基を有するアクリル酸
系エステルとしては、導電性を示す四級アンモニウム塩
の基を導入したアクリル酸やメタクリル酸のエステルの
適宜なものを用いうる。就中、透明性や導電性などの点
より例えばジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチ
ル四級塩やジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メ
チル四級塩などが好ましく用いうる。
【0024】透明導電性ポリマーの調製は、例えば溶液
重合方式などのビニル系モノマーの重合処理で公知の適
宜な方式にて行うことができる。その場合、透明導電性
ポリマーは、導電性等の点より前記した四級アンモニウ
ム塩含有のアクリル酸系エステルからなるモノマー成分
の1種又は2種以上を40重量%以上、就中50重量%
以上、特に55重量%以上含有する組成とすることが好
ましい。
【0025】透明導電性ポリマーの調製に際しては、密
着性等の物性の改質などを目的に必要に応じて前記四級
アンモニウム塩含有モノマー以外の適宜な共重合性モノ
マーの1種又は2種以上を用いうる。用いる共重合性モ
ノマーは、適宜なものであってよい。ちなみにその代表
例としては、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートやブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0026】また透明導電性ポリマーは、膜強度の向上
などを目的に例えば2−メチルイミダゾール等を共重合
させてエポキシ系硬化剤等にて架橋処理する方式などの
如く、適宜な架橋性モノマーを共重合させて架橋膜を形
成し得るように調製することもできる。
【0027】なおコート層は、透明支持フィルムに透明
導電性ポリマーの溶液等をワイヤバー法やドクターブレ
ード法等の適宜なコーティング方式にて塗工する方法な
どにより形成することができる。帯電防止透明フィルム
は、厚さが5〜500μm、就中10〜300μm、特に
15〜150μmの透明支持フィルムに、厚さが50μm
以下、就中0.01〜10μm、特に0.1〜5μmのコ
ート層を設けたものが一般的であるが、これに限定され
ず使用目的に応じて適宜な厚さ等とすることができる。
【0028】本発明による帯電防止光学部材は、上記し
た図例の如く帯電防止透明フィルムを表面保護フィルム
1やセパレータ6などとして、粘着層13,4を介し光
学素材2,7に接着してなるものであるが、その光学素
材については例えば偏光板や位相差板、楕円偏光板など
の適宜なものであってよく、特に限定はない。なお楕円
偏光板は、上記した如く偏光板と位相差板を積層したも
のである。
【0029】前記の偏光板や位相差板についても適宜な
ものを用いてよく、一般には、偏光フィルムからなる偏
光板、延伸フィルムや液晶ポリマー配向フィルムからな
る位相差板などが用いられる。ちなみにその偏光フィル
ムの具体例としては、ポリビニルアルコール系フィルム
や部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、
エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの
如き親水性高分子フィルムにヨウ素及び/又は二色性染
料を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの
脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリ
エン配向フィルムなどがあげられる。偏光フィルムの厚
さは通例5〜80μmであるが、これに限定されない。
【0030】偏光フィルムは、そのまま偏光板として用
いうるし、その片側又は両側に透明保護層を設けた偏光
板としても用いうる。透明保護層は、補強や水分の侵入
防止等による偏光フィルムの耐久性の向上などを目的と
するものである。従ってポリエン配向系偏光フィルムの
如く、充分な強度等を有する偏光フィルムでは省略でき
る場合もあり、必須のものではない。なお透明保護層
は、偏光フィルムの片側又は両側において2層以上設け
られていてもよい。
【0031】透明保護層の形成材としては、透明性や機
械的強度、熱安定性や水分遮蔽性などに優れるものが好
ましく用いうる。その代表例としては、ガラス板、ポリ
エステル系樹脂やポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂やポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹
脂やポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂やアセテー
ト系樹脂の如きポリマーなどがあげられる。
【0032】ポリマー系の透明保護層の形成は、例えば
偏光フィルムにポリマー溶液を塗工する方式などによっ
ても行いうるが、偏光板の品質の安定性等の点よりはキ
ャスティング方式等で透明フィルムを形成し、それを偏
光フィルムに接着する方式が好ましい。透明保護層の厚
さは通例、1〜500μm、就中5〜300μm、特に1
0〜200μmとされるが、これに限定されない。なお
通例、透明保護層は光学歪が可及的に少ないことが好ま
しいが、一軸や二軸等で処理した延伸フィルムなども用
いることができ、その場合、楕円偏光板とするための位
相差板を兼ねさせることもできる。
【0033】位相差板としては、例えばポリカーボネー
トやポリビニルアルコール、ポリスチレンやポリメチル
メタクリレート、ポリアミドの如き上記に例示の適宜な
透明プラスチックからなるフィルムを一軸や二軸等の適
宜な方式で延伸処理してなる複屈折性フィルムや、適宜
な液晶ポリマーを配向処理したフィルムなどがあげられ
る。位相差板は、2種以上の位相差フィルム等を積層し
て位相差等の光学特性を制御したものとして形成されて
いてもよい。
【0034】なお偏光板や位相差板ないし楕円偏光板等
の光学素材には、その偏光子や透明保護層、位相差フィ
ルム等の構成部材を紫外線吸収剤、例えばサリチル酸エ
ステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリ
アゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッ
ケル錯塩系化合物等で処理する方式などにより紫外線吸
収能をもたせることもできる。
【0035】本発明による光学部材には、図示した実施
例より明らかな如く、必要に応じて適宜な位置に粘着層
を設けることができる。その粘着層の形成には例えばゴ
ム系やアクリル系、シリコーン系やスチレン系などの任
意な粘着剤を用いてよいが、一般にはアクリル系粘着剤
の如く接着性や加工性、耐久性等に優れるものが好まし
い。
【0036】なお偏光子と透明保護層、位相差板との接
着などには、例えば透明な接着剤ないし粘着剤等が用い
られる。その接着剤等の種類については特に限定はない
が、光学素材の光学特性の変化防止などの点より、硬化
や乾燥の際に高温プロセスや長時間の処理を要しないも
のが好ましい。
【0037】本発明による帯電防止透明フィルムは、例
えば光学素材の静電気シールドなどの各種の目的に用い
ることができ、帯電防止光学部材は、例えば計器類や電
子時計、OA機器や卓上電子計算機等の液晶表示装置な
ど、種々の光学系装置に好ましく用いることができる。
なお表面保護フィルムやセパレータについては、図示し
た実施例より明らかな如く、帯電防止処理を施したもの
と施していないものとを適宜に組み合わせて使用するこ
とができる。
【0038】実施例1 厚さ38μmのポリエステルフィルムのコロナ処理した
片面に、四級アンモニウム塩含有の透明導電性ポリマー
の溶液をワイヤバーにて塗工し乾燥させて厚さ0.5μ
mのコート層を設けて帯電防止透明フィルムを形成した
後、そのコート層の上にアプリケータを介しアクリル系
粘着剤を塗布乾燥し厚さ10μmの粘着層を設けて表面
保護フィルムを形成し、それを偏光板の片面に接着し
た。ついでその偏光板の他面にアクリル系粘着剤を塗布
乾燥して厚さ20μmの粘着層を形成し、それにシリコ
ーン系剥離剤で処理したポリエステル系のセパレータを
接着して帯電防止光学部材を得た。
【0039】なお前記の透明導電性ポリマーは、N,N
−ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級
塩55重量部、メチルメタクリレート40重量部、及び
2−メチルイミダゾール5重量部をエタノール/水(1
/1容量比)混合溶剤100重量部中でアゾ系開始剤
(和光純薬社製、V−50)0.2重量部を用いて50
〜60℃で共重合処理して得たものである。また前記の
偏光板は、厚さ30μmのヨウ素・ポリビニルアルコー
ル系偏光フィルムの両面にポリビニルアルコール系接着
剤を介し厚さ50μmのトリアセチルセルロースフィル
ムを接着したものである。
【0040】実施例2 厚さ50μmの延伸ポリカーボネートフィルムからなる
位相差板の両面にアクリル系粘着剤を塗布乾燥して厚さ
20μmの粘着層を形成し、それにシリコーン系剥離剤
で処理したポリエステル系のセパレータを接着し、その
セパレータの一方に実施例1で得た帯電防止透明フィル
ムのコート層を剥離剤で処理したものを用いて、帯電防
止光学部材を得た。
【0041】実施例3 実施例1の光学部材(偏光板)及び実施例2の光学部材
(位相差板)よりセパレータ(帯電防止透明フィルム未
使用のもの)を剥離除去してそれらを粘着層を介して接
着積層し、楕円偏光板からなる帯電防止光学部材を得
た。
【0042】比較例1 帯電防止のコート層を設けない表面保護フィルムを用い
たほかは実施例1に準じて偏光板からなる光学部材を得
た。
【0043】比較例2 両面に帯電防止のコート層を設けないセパレータを接着
したほかは実施例2に準じて位相差板からなる光学部材
を得た。
【0044】比較例3 比較例1の光学部材(偏光板)と比較例2の光学部材
(位相差板)を用いたほかは実施例3に準じて楕円偏光
板からなる光学部材を得た。
【0045】比較例4 厚さ38μmのポリエステルフィルムの片面に、四級ア
ンモニウム塩(界面活性剤)を塗布して帯電防止層を形
成し(表面抵抗108Ω/□)、他面に厚さ10μmのア
クリル系粘着層を設けて表面保護フィルムを形成して、
それを用いたほかは実施例1に準じた光学部材を得た。
【0046】比較例5 ポリエチレンにN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
ラウリルアミン(界面活性剤)を0.2phr練り込ん
で厚さ60μmのフィルムに成形し(表面抵抗2×10
10Ω/□)、それに厚さ10μmのアクリル系粘着層を
設けて表面保護フィルムを形成して、それを用いたほか
は実施例1に準じた光学部材を得た。
【0047】比較例6 厚さ38μmのポリエステルフィルムの片面に、チタン
酸カリウムからなる導電性塗料(大塚化学社製、ティス
タットーA)を塗布して帯電防止層を形成し(表面抵抗
105Ω/□)、他面に厚さ10μmのアクリル系粘着層
を設けて表面保護フィルムを形成し、それを用いたほか
は実施例1に準じた光学部材を得た。
【0048】評価試験 透明性 実施例、比較例で得た(帯電防止)表面保護フィルム、
又はセパレータについて、その透明性を調べた。
【0049】静電気シールド性 実施例、比較例で得た(帯電防止)光学部材について、
帯電防止フィルム未使用側のセパレータを剥離除去し、
その光学部材における表面の静電気量を集電式電位測定
機(春日電気社製、KS−471型)にて測定した。な
おサンプルサイズは、25mm×100mmとした。
【0050】ゴミ付着量 セパレータ剥離後の粘着層におけるゴミの付着量を調べ
た。
【0051】装置の異常表示 セパレータ剥離後の粘着層を介して光学部材を液晶表示
装置に接着固定した後の装置の異常表示について調べ
た。
【0052】汚染性 実施例、比較例で得た(帯電防止)光学部材について、
その(帯電防止)フィルム面にステンレス板(BA仕上
げ)を接触させ、20g/cm2の荷重を負荷して40
℃、90%RHのオーブン中に3日間放置した後、ステ
ンレス板を回収して汚染の有無を調べた。
【0053】前記の結果を次表に示した。
【0054】なお比較例4及び比較例6において、帯電
防止層の上に粘着層又は剥離剤処理層を設けた表面保護
フィルム又はセパレータとした場合、支持フィルムと帯
電防止層との界面、あるいは帯電防止層と粘着層又は剥
離剤処理層との界面での剥離現象を示して表面保護フィ
ルム又はセパレータとして実用しうるものを得ることが
できなかった。
【0055】また比較例5においても、フィルム上に剥
離剤処理層を設けてセパレータとした場合、剥離剤処理
層が粘着層に移着してその残存汚染が著しく、セパレー
タとして実用しうるものを得ることができなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電防止光学部材例(偏光板)の断面図
【図2】他の帯電防止光学部材例(偏光板)の断面図
【図3】さらに他の帯電防止光学部材例(偏光板)の断
面図
【図4】さらに他の帯電防止光学部材例(偏光板)の断
面図
【図5】さらに他の帯電防止光学部材例(位相差板)の
断面図
【図6】さらに他の帯電防止光学部材例(位相差板)の
断面図
【図7】さらに他の帯電防止光学部材例(位相差板)の
断面図
【図8】さらに他の帯電防止光学部材例(位相差板)の
断面図
【図9】さらに他の帯電防止光学部材例(楕円偏光板)
の断面図
【図10】さらに他の帯電防止光学部材例(楕円偏光
板)の断面図
【符号の説明】
1:表面保護フィルム(帯電防止透明フィルム) 11:透明支持フィルム 12:コート層 13:粘着層 2:偏光板 21,23:透明保護層 22:偏光フィルム 4:粘着層 6:セパレータ(帯電防止透明フィルム) 61:コート層 62:透明支持フィルム 7:位相差板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 俊隆 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 高田 信一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA04 BA06 BB23 BB46 BB54 BB67 4F100 AJ06 AK21 AK25B AK25J AK41 AL01 AL06B AT00A AT00C BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C CB00 EH46 EJ55 JG01B JG03 JL06 JN01A JN01B JN10C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持フィルムに、四級アンモニウム
    塩の基を有するアクリル酸系エステルを少なくともモノ
    マー成分とする透明導電性ポリマーからなるコート層を
    設けたことを特徴とする帯電防止透明フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の帯電防止透明フィルム
    を粘着層を介して光学素材に接着してなることを特徴と
    する帯電防止光学部材。
  3. 【請求項3】 請求項2において、光学素材が偏光板、
    位相差板又は楕円偏光板である帯電防止光学部材。
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