JP3936810B2 - 帯電防止透明フィルム及びその光学部材 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、静電気のシールド性に優れる帯電防止透明フィルム、及びそれを接着した偏光板や位相差板や楕円偏光板等からなる帯電防止光学部材に関する。
【0002】
【発明の背景】
従来、透明な帯電防止フィルムとしては、界面活性剤の混入フィルムやコートフィルム、導電性塗料や金属蒸着膜のコートフィルムが知られていた。かかる帯電防止透明フィルムは、例えば偏光板や位相差板、あるいはそれらを積層してなる楕円偏光板等の光学素材に粘着層を介して接着するセパレータや表面保護フィルムなどとして用いられている。
【0003】
すなわちセパレータは、光学素材に設けた粘着層を液晶表示装置等に接着するまでの間、被覆保護しておくためのものであり、表面保護フィルムは、流通過程や液晶表示装置の組立工程等における表面損傷の防止等のために光学素材を被覆保護しておくためのものであるが、実用時にはセパレータでは粘着層との接着界面より、表面保護フィルムでは粘着層と共に光学素材より剥離除去される。
【0004】
前記の剥離除去の際には静電気が発生し、それが粘着面や光学素材表面へのゴミ付着等を誘発して汚染や外観不良、それによる歩留まりの低下を起こしたり、セパレータ剥離後の粘着層を介した光学素材の接着や光学素材からの表面保護フィルムの剥離の際に液晶表示装置等の異常表示や周辺回路素子の静電破壊を起こす原因となるため、静電気の発生防止等を目的に前記した帯電防止透明フィルムが使用される。透明性は、セパレータ等を介した光学素材の検査などを目的とする。
【0005】
しかしながら、上記した従来の混入フィルムやコートフィルムでは、界面活性剤のブルーミングやコート膜による接触物の汚染や手のかぶれ等の発生、分散不良による外観不良等の発生、コート膜の密着力不足による脱落やコート膜による透明性の低下などの問題点があった。前記の外観不良は、透明性の低下と同様にセパレータ等を介した光学素材の検査等を困難として実用性を大きく阻害する。
【0006】
【発明の技術的課題】
本発明は、ブルーミングや密着力不足による接触物の汚染や手のかぶれ等を生じにくく、透明性や外観の均質性に優れて帯電防止能にも優れるフィルム及び光学部材の開発を課題とする。
【0007】
【課題の解決手段】 本発明は、透明支持フィルムに、四級アンモニウム塩の基を有するアクリル酸系エステルと架橋性モノマーを少なくともモノマー成分とする共重合体よりなる透明導電性ポリマーの架橋膜からなるコート層を設けてなり、前記のアクリル酸系エステルがジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩化メチル四級塩であると共に、前記の架橋性モノマーが2−メチルイミダゾールであることを特徴とする帯電防止透明フィルム、及びそのフィルムを粘着層を介して光学素材に接着してなることを特徴とする帯電防止光学部材を提供するものである。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、上記の透明導電性ポリマーの架橋膜が優れた透明性と導電性と膜強度を示すと共に、透明支持フィルムに対し良好な密着力を示してフィルムより脱落しにくいコート層を形成し、そのコート層の上に粘着層や剥離剤層を密着力よく付設することができる。また導電性を付与する四級アンモニウム塩がコート膜内に化学結合により保持されてブルーミング等の分離も生じない。
【0009】
前記の結果、接触物の汚染や手のかぶれ等を生じにくくて透明性や外観の均質性に優れ、帯電防止能とその長期持続性にも優れる帯電防止透明フィルムが得られ、それを表面保護フィルムやセパレータに用いて静電気によるゴミ等の付着汚染や液晶配向の乱れ等による異常表示、周辺回路素子の静電破壊などを防止した光学部材を得ることができる。また上記のコート層上に粘着層や剥離剤層を設けた前記特性により優れ、実用性により優れた表面保護フィルムやセパレータを得ることもできる。
【0010】
【発明の実施形態】 本発明による帯電防止透明フィルムは、透明支持フィルムに、四級アンモニウム塩の基を有するアクリル酸系エステルと架橋性モノマーを少なくともモノマー成分とする共重合体よりなる透明導電性ポリマーの架橋膜からなるコート層を設けたものからなり、前記のアクリル酸系エステルとしてジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩化メチル四級塩を用い、かつ前記の架橋性モノマーとして2−メチルイミダゾールを用いたものである。また本発明による帯電防止光学部材は、前記の帯電防止透明フィルムを粘着層を介して光学素材に接着したものからなる。
【0011】
本発明による帯電防止透明フィルム及び帯電防止光学部材の例を図1〜図10に示した。1,6が帯電防止透明フィルムで、11,62がその透明支持フィルム、12,61がその帯電防止のコート層である。なお、1は表面保護フィルム、6はセパレータとしての使用形態を示している。
【0012】
従って、表面保護フィルム1はコート層12を介して粘着層13を有しており、セパレータ6はコート層61を介して粘着層4に接着されている。なお、図中の3は帯電防止透明フィルムを使用していない表面保護フィルム、5は帯電防止透明フィルムを使用していないセパレータである。
【0013】
また図1〜図4は、光学素材に偏光板2を用いた光学部材、図5〜図8は、光学素材に位相差板7を用いた光学部材を例示している。図9,図10は、光学素材に楕円偏光板を用いた光学部材を例示している。楕円偏光板は、偏光板2と位相差板7の積層体からなる。
【0014】
前記において、図1に例示のものは、偏光フィルム22の両面に透明フィルム21,23をそれぞれ透明な接着剤を介し接着してなる偏光板2の片面に、透明支持フィルム11と帯電防止のコート層12と粘着層13からなる表面保護フィルム1を接着し、他面に粘着層31と支持フィルム32からなる帯電防止処理を施していない表面保護フィルム3を接着して形成したものである。
【0015】
図2に例示のものは、前記に準じて偏光板2の両面に帯電防止のコート層12を有する表面保護フィルム1を接着して形成したものである。図3に例示のものは、表面保護フィルム3に代えて、透明な粘着層4を介し帯電防止処理を施していないセパレータ5を接着して図1の実施例に準じて形成したものである。図4に例示のものは、セパレータ5に代えて、透明支持フィルム62と帯電防止のコート層61からなるセパレータ6を接着して図3の実施例に準じて形成したものである。
【0016】
図5に例示のものは、位相差板7の片面に、透明支持フィルム11と帯電防止のコート層12と粘着層13からなる表面保護フィルム1を接着し、他面に粘着層4を介し帯電防止処理を施していないセパレータ5を接着して形成したものである。図6に例示のものは、セパレータ5に代えて、支持フィルム62と帯電防止のコート層62からなるセパレータ6を接着して図5の実施例に準じて形成したものである。
【0017】
図7に例示のものは、表面保護フィルム1に代えて、粘着層4を介して帯電防止のコート層61を有するセパレータ6を接着し、図5の実施例に準じて形成したものである。図8に例示のものは、セパレータ5に代えて、帯電防止のコート層61を有するセパレータ6を接着し、図7の実施例に準じて形成したものである。
【0018】
図9に例示のものは、図2の実施例より表面保護フィルム1を剥離除去すると共に、図7の実施例よりセパレータ6を剥離除去してそれらを粘着層4を介し接着積層して楕円偏光板を形成したものである。図10に例示のものは、図7の実施例のものに代えて図8の実施例のものを用いて、図9の実施例に準じ形成したものである。なお上記においてセパレータ6としては、コート層61の上面に剥離剤による表面処理層(図示せず)を有するものを用いた。
【0019】
本発明において帯電防止透明フィルムは、図例の如く透明支持フィルム11,62に、四級アンモニウム塩の基を有するアクリル酸系エステルと架橋性モノマーを少なくともモノマー成分とする共重合体よりなる透明導電性ポリマーの架橋膜からなるコート層12,61を設けたものとして形成される。コート層は、透明支持フィルムの片面又は両面に設けることができる。
【0020】
また帯電防止透明フィルムを表面保護フィルムとして用いる場合には、図例の如く粘着層13を付加することもできる。その粘着層は、透明支持フィルムに直接設けてもよいが、帯電防止性能等の点よりは図例の如くコート層の上に設けることが好ましい。一方、帯電防止透明フィルムをセパレータとして用いる場合には、必要に応じて剥離剤で表面処理することもできる。その表面処理は、透明支持フィルムに直接施してもよいが、帯電防止性能等の点よりはコート層の上に施すことが好ましい。
【0021】
前記の透明支持フィルムには適宜なプラスチックからなる透明なフィルムを用いうる。就中、表面保護フィルムの場合には、例えばポリエチレンやポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル系共重合体やポリエステル、それら2種以上のポリマーのブレンド物からなるフィルムなどが保護機能等の点より好ましく用いうる。またセパレータの場合には、ポリエステルフィルムなどが剥離性等の点より好ましく用いうる。なお剥離剤としては、シリコーン系や長鎖アルキル系のものなどの適宜なものを用いうる。
【0022】
帯電防止透明フィルムの形成は、例えば必要に応じコロナ処理等の密着力の向上等を目的とした表面処理を施した透明支持フィルムの片面又は両面に、四級アンモニウム塩の基を有するアクリル酸系エステルと架橋性モノマーを少なくともモノマー成分とする共重合体よりなる透明導電性ポリマーをコーティングし、それを架橋処理して架橋膜とすることにより行うことができる。
【0023】
前記の透明導電性ポリマーを形成するモノマー成分の四級アンモニウム塩の基を有するアクリル酸系エステルとしては、透明性や導電性などの点よりジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩化メチル四級塩、すなわちジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル四級塩又はジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩が用いられる。
【0024】
透明導電性ポリマーの調製は、例えば溶液重合方式などのビニル系モノマーの重合処理で公知の適宜な方式にて行うことができる。その場合、透明導電性ポリマーは、導電性等の点より前記した四級アンモニウム塩含有のアクリル酸系エステルからなるモノマー成分の1種又は2種以上を40重量%以上、就中50重量%以上、特に55重量%以上含有する組成とすることが好ましい。
【0025】
透明導電性ポリマーの調製に際しては、密着性等の物性の改質などを目的に必要に応じて前記四級アンモニウム塩含有モノマー及び架橋性モノマー以外の適宜な共重合性モノマーの1種又は2種以上を用いうる。用いる共重合性モノマーは、適宜なものであってよい。ちなみにその代表例としては、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0026】
なお透明導電性ポリマーは、膜強度の向上などを目的に架橋性モノマーの2−メチルイミダゾールを共重合させてエポキシ系硬化剤等にて架橋処理する方式などにより架橋膜を形成するように調製したものである。
【0027】
なおコート層は、透明支持フィルムに透明導電性ポリマーの溶液等をワイヤバー法やドクターブレード法等の適宜なコーティング方式にて塗工し、それを架橋処理して架橋膜とする方法などにより形成することができる。帯電防止透明フィルムは、厚さが5〜500μm、就中10〜300μm、特に15〜150μmの透明支持フィルムに、厚さが50μm以下、就中0.01〜10μm、特に0.1〜5μmのコート層を設けたものが一般的であるが、これに限定されず使用目的に応じて適宜な厚さ等とすることができる。
【0028】
本発明による帯電防止光学部材は、上記した図例の如く帯電防止透明フィルムを表面保護フィルム1やセパレータ6などとして、粘着層13,4を介し光学素材2,7に接着してなるものであるが、その光学素材については例えば偏光板や位相差板、楕円偏光板などの適宜なものであってよく、特に限定はない。なお楕円偏光板は、上記した如く偏光板と位相差板を積層したものである。
【0029】
前記の偏光板や位相差板についても適宜なものを用いてよく、一般には、偏光フィルムからなる偏光板、延伸フィルムや液晶ポリマー配向フィルムからなる位相差板などが用いられる。ちなみにその偏光フィルムの具体例としては、ポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素及び/又は二色性染料を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルムなどがあげられる。偏光フィルムの厚さは通例5〜80μmであるが、これに限定されない。
【0030】
偏光フィルムは、そのまま偏光板として用いうるし、その片側又は両側に透明保護層を設けた偏光板としても用いうる。透明保護層は、補強や水分の侵入防止等による偏光フィルムの耐久性の向上などを目的とするものである。従ってポリエン配向系偏光フィルムの如く、充分な強度等を有する偏光フィルムでは省略できる場合もあり、必須のものではない。なお透明保護層は、偏光フィルムの片側又は両側において2層以上設けられていてもよい。
【0031】
透明保護層の形成材としては、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性などに優れるものが好ましく用いうる。その代表例としては、ガラス板、ポリエステル系樹脂やポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂やポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂やポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂やアセテート系樹脂の如きポリマーなどがあげられる。
【0032】
ポリマー系の透明保護層の形成は、例えば偏光フィルムにポリマー溶液を塗工する方式などによっても行いうるが、偏光板の品質の安定性等の点よりはキャスティング方式等で透明フィルムを形成し、それを偏光フィルムに接着する方式が好ましい。透明保護層の厚さは通例、1〜500μm、就中5〜300μm、特に10〜200μmとされるが、これに限定されない。なお通例、透明保護層は光学歪が可及的に少ないことが好ましいが、一軸や二軸等で処理した延伸フィルムなども用いることができ、その場合、楕円偏光板とするための位相差板を兼ねさせることもできる。
【0033】
位相差板としては、例えばポリカーボネートやポリビニルアルコール、ポリスチレンやポリメチルメタクリレート、ポリアミドの如き上記に例示の適宜な透明プラスチックからなるフィルムを一軸や二軸等の適宜な方式で延伸処理してなる複屈折性フィルムや、適宜な液晶ポリマーを配向処理したフィルムなどがあげられる。位相差板は、2種以上の位相差フィルム等を積層して位相差等の光学特性を制御したものとして形成されていてもよい。
【0034】
なお偏光板や位相差板ないし楕円偏光板等の光学素材には、その偏光子や透明保護層、位相差フィルム等の構成部材を紫外線吸収剤、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等で処理する方式などにより紫外線吸収能をもたせることもできる。
【0035】
本発明による光学部材には、図示した実施例より明らかな如く、必要に応じて適宜な位置に粘着層を設けることができる。その粘着層の形成には例えばゴム系やアクリル系、シリコーン系やスチレン系などの任意な粘着剤を用いてよいが、一般にはアクリル系粘着剤の如く接着性や加工性、耐久性等に優れるものが好ましい。
【0036】
なお偏光子と透明保護層、位相差板との接着などには、例えば透明な接着剤ないし粘着剤等が用いられる。その接着剤等の種類については特に限定はないが、光学素材の光学特性の変化防止などの点より、硬化や乾燥の際に高温プロセスや長時間の処理を要しないものが好ましい。
【0037】
本発明による帯電防止透明フィルムは、例えば光学素材の静電気シールドなどの各種の目的に用いることができ、帯電防止光学部材は、例えば計器類や電子時計、OA機器や卓上電子計算機等の液晶表示装置など、種々の光学系装置に好ましく用いることができる。なお表面保護フィルムやセパレータについては、図示した実施例より明らかな如く、帯電防止処理を施したものと施していないものとを適宜に組み合わせて使用することができる。
【0038】
実施例1
厚さ38μmのポリエステルフィルムのコロナ処理した片面に、四級アンモニウム塩含有の透明導電性ポリマーの溶液をワイヤバーにて塗工し乾燥させて厚さ0.5μmのコート層を設けて帯電防止透明フィルムを形成した後、そのコート層の上にアプリケータを介しアクリル系粘着剤を塗布乾燥し厚さ10μmの粘着層を設けて表面保護フィルムを形成し、それを偏光板の片面に接着した。ついでその偏光板の他面にアクリル系粘着剤を塗布乾燥して厚さ20μmの粘着層を形成し、それにシリコーン系剥離剤で処理したポリエステル系のセパレータを接着して帯電防止光学部材を得た。
【0039】
なお前記の透明導電性ポリマーは、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級塩55重量部、メチルメタクリレート40重量部、及び2−メチルイミダゾール5重量部をエタノール/水(1/1容量比)混合溶剤100重量部中でアゾ系開始剤(和光純薬社製、V−50)0.2重量部を用いて50〜60℃で共重合処理して得たものである。また前記の偏光板は、厚さ30μmのヨウ素・ポリビニルアルコール系偏光フィルムの両面にポリビニルアルコール系接着剤を介し厚さ50μmのトリアセチルセルロースフィルムを接着したものである。
【0040】
実施例2
厚さ50μmの延伸ポリカーボネートフィルムからなる位相差板の両面にアクリル系粘着剤を塗布乾燥して厚さ20μmの粘着層を形成し、それにシリコーン系剥離剤で処理したポリエステル系のセパレータを接着し、そのセパレータの一方に実施例1で得た帯電防止透明フィルムのコート層を剥離剤で処理したものを用いて、帯電防止光学部材を得た。
【0041】
実施例3
実施例1の光学部材(偏光板)及び実施例2の光学部材(位相差板)よりセパレータ(帯電防止透明フィルム未使用のもの)を剥離除去してそれらを粘着層を介して接着積層し、楕円偏光板からなる帯電防止光学部材を得た。
【0042】
比較例1
帯電防止のコート層を設けない表面保護フィルムを用いたほかは実施例1に準じて偏光板からなる光学部材を得た。
【0043】
比較例2
両面に帯電防止のコート層を設けないセパレータを接着したほかは実施例2に準じて位相差板からなる光学部材を得た。
【0044】
比較例3
比較例1の光学部材(偏光板)と比較例2の光学部材(位相差板)を用いたほかは実施例3に準じて楕円偏光板からなる光学部材を得た。
【0045】
比較例4
厚さ38μmのポリエステルフィルムの片面に、四級アンモニウム塩(界面活性剤)を塗布して帯電防止層を形成し(表面抵抗108Ω/□)、他面に厚さ10μmのアクリル系粘着層を設けて表面保護フィルムを形成して、それを用いたほかは実施例1に準じた光学部材を得た。
【0046】
比較例5
ポリエチレンにN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン(界面活性剤)を0.2phr練り込んで厚さ60μmのフィルムに成形し(表面抵抗2×1010Ω/□)、それに厚さ10μmのアクリル系粘着層を設けて表面保護フィルムを形成して、それを用いたほかは実施例1に準じた光学部材を得た。
【0047】
比較例6
厚さ38μmのポリエステルフィルムの片面に、チタン酸カリウムからなる導電性塗料(大塚化学社製、ティスタットーA)を塗布して帯電防止層を形成し(表面抵抗105Ω/□)、他面に厚さ10μmのアクリル系粘着層を設けて表面保護フィルムを形成し、それを用いたほかは実施例1に準じた光学部材を得た。
【0048】
評価試験
透明性
実施例、比較例で得た(帯電防止)表面保護フィルム、又はセパレータについて、その透明性を調べた。
【0049】
静電気シールド性
実施例、比較例で得た(帯電防止)光学部材について、帯電防止フィルム未使用側のセパレータを剥離除去し、その光学部材における表面の静電気量を集電式電位測定機(春日電気社製、KS−471型)にて測定した。なおサンプルサイズは、25mm×100mmとした。
【0050】
ゴミ付着量
セパレータ剥離後の粘着層におけるゴミの付着量を調べた。
【0051】
装置の異常表示
セパレータ剥離後の粘着層を介して光学部材を液晶表示装置に接着固定した後の装置の異常表示について調べた。
【0052】
汚染性
実施例、比較例で得た(帯電防止)光学部材について、その(帯電防止)フィルム面にステンレス板(BA仕上げ)を接触させ、20g/cm2の荷重を負荷して40℃、90%RHのオーブン中に3日間放置した後、ステンレス板を回収して汚染の有無を調べた。
【0053】
前記の結果を次表に示した。
【0054】
なお比較例4及び比較例6において、帯電防止層の上に粘着層又は剥離剤処理層を設けた表面保護フィルム又はセパレータとした場合、支持フィルムと帯電防止層との界面、あるいは帯電防止層と粘着層又は剥離剤処理層との界面での剥離現象を示して表面保護フィルム又はセパレータとして実用しうるものを得ることができなかった。
【0055】
また比較例5においても、フィルム上に剥離剤処理層を設けてセパレータとした場合、剥離剤処理層が粘着層に移着してその残存汚染が著しく、セパレータとして実用しうるものを得ることができなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電防止光学部材例(偏光板)の断面図
【図2】他の帯電防止光学部材例(偏光板)の断面図
【図3】さらに他の帯電防止光学部材例(偏光板)の断面図
【図4】さらに他の帯電防止光学部材例(偏光板)の断面図
【図5】さらに他の帯電防止光学部材例(位相差板)の断面図
【図6】さらに他の帯電防止光学部材例(位相差板)の断面図
【図7】さらに他の帯電防止光学部材例(位相差板)の断面図
【図8】さらに他の帯電防止光学部材例(位相差板)の断面図
【図9】さらに他の帯電防止光学部材例(楕円偏光板)の断面図
【図10】さらに他の帯電防止光学部材例(楕円偏光板)の断面図
【符号の説明】
1:表面保護フィルム(帯電防止透明フィルム)
11:透明支持フィルム
12:コート層
13:粘着層
2:偏光板
21,23:透明保護層
22:偏光フィルム
4:粘着層
6:セパレータ(帯電防止透明フィルム)
61:コート層
62:透明支持フィルム
7:位相差板
Claims (3)
- 透明支持フィルムに、四級アンモニウム塩の基を有するアクリル酸系エステルと架橋性モノマーを少なくともモノマー成分とする共重合体よりなる透明導電性ポリマーの架橋膜からなるコート層を設けてなり、前記のアクリル酸系エステルがジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩化メチル四級塩であると共に、前記の架橋性モノマーが2−メチルイミダゾールであることを特徴とする帯電防止透明フィルム。
- 請求項1に記載の帯電防止透明フィルムを粘着層を介して光学素材に接着してなることを特徴とする帯電防止光学部材。
- 請求項2において、光学素材が偏光板、位相差板又は楕円偏光板である帯電防止光学部材。
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