明 細 書
非水系電解液及び非水系電解液二次電池並びにカーボネート化合物 技術分野
[0001] 本発明は、非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池、並びに、フッ 素を有するカーボネートイ匕合物に関する。
背景技術
[0002] 近年の電気製品の軽量化、小型化に伴い、高いエネルギー密度をもつリチウム- 次電池の開発が進められている。また、リチウム二次電池の適用分野が拡大するに つれて電池特性のより一層の改善が要望されている。
このような状況において、金属リチウムを負極とする二次電池が、高容量化を達成 できる電池として盛んに研究されている。し力しながら、金属リチウムには、充放電の 繰り返しにより金属リチウムがデンドライト状に成長し、これが正極に達し電池内部で の短絡が生じてしまうことがあり、これが金属リチウムを負極とするリチウム-次電池を 実用化する際の最大の障害となっている。
[0003] また、金属リチウムに代えて、負極にコータス、人造黒鉛又は天然黒鉛等のリチウム を吸蔵 ·放出することが可能な炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池が提案さ れている。このような非水系電解液二次電池では、リチウムがデンドライト状に成長し ないため、電池寿命と安全性とを向上させることができる。特に、人造黒鉛や天然黒 鉛等の黒鉛系炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池は、高容量化の要求に 応え得るものとして注目されて 、る。
[0004] さらに、近年、より高い容量を得るために、例えば、シリコン (Si)、スズ (Sn)、鉛 (Pb )などの合金力もなる負極活物質が提案されている (例えば特許文献 1, 2等参照)。 また、非水系電解液二次電池の負荷特性、サイクル特性、保存特性、低温特性等 の特性向上のために、電解質と主たる溶媒とに加えて、種々の化合物を含有させた 電解液が提案されている。
[0005] 例えば、黒鉛系負極を用いた非水系電解液二次電池の電解液の電解液分解を抑 制するためにビ-レンカーボネート及びその誘導体を一定量含む電解液 (例えば、
特許文献 3参照)や、側鎖に非共役系不飽和結合を有するエチレンカーボネート誘 導体を一定量含む電解液 (例えば、特許文献 4参照)などの、不飽和結合を有する力 ーボネート誘導体を含む電解液が提案されて 、る。
これらの化合物を含む電解液は、前記化合物が負極表面で還元分解されて皮膜 を形成し、この皮膜により電解液の過度の分解が抑制される。また、ハロゲンを含む カーボネートを用いる電解液についても同様に提案されている(例えば、特許文献 5 参照)。
[0006] さらに、特許文献 6には、フルォロメチルエチレンカーボネート(4 (モノフルォロメ チル) 1, 3 ジォキソラン一 2—オン)を単独溶媒として用いた電解液力 各種 PF
6 塩、 BF塩を用いたとき、プロピレンカーボネートやトリフルォロプロピレンカーボネー
4
トに比較して耐酸ィ匕性に優れ、各種デバイスの電解液として有用と考えられること、 及び、この電解液を用いたリチウム二次電池が優れたサイクル特性を示し、電気二重 層コンデンサが高温時の連続印加特性に優れることが記載されている。
[0007] また、特許文献 7には、フルォロメチルエチレンカーボネート、ジフルォロメチルェ チレンカーボネートを電解液中の溶媒量の 60容量%以上含み、支持電解質として( C H ) NBF、(C H ) NPFを用いた電解液力 耐酸化性に優れるため、電気二
2 5 4 4 2 5 4 6
重層コンデンサ用電解液として有用と考えられる事が記載されている。
[0008] ところで、鎖状カーボネート化合物は、ポリカーボネートの原料、並びに、医農薬の 原料、希釈溶媒等として汎用されている化合物である。また、近年では、例えば Li電 池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ等のエネルギー貯蔵デバイスの電解液 溶媒や固体電解質、並びに、電極の組成物などの、幅広い用途でも用いられている (特許文献 8, 9等)。
[0009] さらに、ファインケミカル分野の合成法や精製法における改良や新法開発の進展、 農薬分野や肥料分野における技術革新、電気電子機器分野における機器の小型化 高密度化に伴った半導体やエネルギーデバイスへの高機能化の要求等により、現 状用いられているカーボネートイ匕合物に対して、さらなる性能の向上や新たなる機能 性の付与が求められ続けて 、る。
[0010] 特許文献 1 :特開平 11 176470号公報
特許文献 2 :特開 2004— 87284号公報
特許文献 3 :特開平 8— 45545号公報
特許文献 4:特開 2000— 40526号公報
特許文献 5:特開平 11— 195429号公報
特許文献 6 :特開平 9— 251861号公報
特許文献 7:特開平 10— 233345号公報
特許文献 8:特開平 1― 311054号公報
特許文献 9:特開昭 61 - 64082号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] し力しながら、非水系電解液について、サイクル特性を更に改善する技術が求めら れていた。
本発明は上記課題に鑑みて創案されたもので、より優れたサイクル特性を得ること ができるようにした、非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池を提供 することを第一の目的とする。
[0012] また、上述したように、従来の鎖状カーボネート化合物は、数々の優れた特性を有 する。しかし、鎖状カーボネートに、より高い性能や機能を備えさせ、その付加価値を 更に高めるために、沸点、誘電率、電気化学的安定性などを更に向上させた新たな 鎖状カーボネートイ匕合物が求められている。
本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたもので、従来には無力ゝつた新規なカー ボネートイ匕合物を提供することを第二の目的とする。
課題を解決するための手段
[0013] 本発明の発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、第一の目的に 鑑みて、後述する式(1)で表わされる鎖状カーボネート、後述する式(2)で表わされ る化合物、及び、後述する式(3)で表わされる化合物の少なくともいずれかを非水系 電解液中に含有させて非水系電解液二次電池に用いることによって、従来の改良法 よりもさらに優れた効果を得る事ができることを見出し、本発明を完成させるに至った
[0014] また、本発明の発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、第二の 目的に鑑みて、以下のような検討を行ない、本発明を完成させるに至った。
即ち、一般的に、フッ素原子は、ファン 'デル'ワールス半径が水素のそれに近ぐ 共有結合半径も比較的小さい。したがって、有機化合物の炭素に結合した水素とフ ッ素との置換は、立体構造上は容易である。
[0015] また、炭素 フッ素は、フッ素の高い電気陰性度の為、結合電子が大きくフッ素側 に引き寄せられている。したがって、有機フッ素化合物は、フッ素を含まない有機化 合物とは大きく異なる特異な性質を示す。特に、炭素に結合する水素を一部フッ素と 置換した有機フッ素化合物は、フッ素を含まない類似した有機化合物に比較して、 沸点の上昇、粘度の低下、極性の上昇、親油性の上昇といった、本来は相反する性 質を共に向上させる可能性がある。さらに、そのほかにも、有機フッ素化合物は、電 気的又は化学的な耐酸ィ匕性の向上も期待できる。
[0016] また、立体的に非対称となるように有機化合物中にフッ素を導入することで、フッ素 以外の置換基を水素と置換した場合と同様に、その立体構造や電子配置の非対称 性から、融点の低下やさらなる粘度の低下も期待できる。
これらの有機フッ素化合物の一般的な特性を考慮すると、鎖状カーボネート化合物 にフッ素を導入することにより、沸点の上昇、誘電率の向上、耐酸化性向上による電 気化学的安定性の向上といった特性向上が可能であると考えられる。
[0017] そこで、本発明者らは、上記の考察を踏まえ、上記課題を解決するべく鋭意検討し た結果、 2, 2—ジフルォロェチル基を有する各種鎖状カーボネートイ匕合物を合成し 、本発明を完成するに至った。
[0018] 即ち、本発明の第一の非水系電解液は、下記式(1)で示される鎖状カーボネート を含有することを特徴とする (請求項 1)。
[化 1] ( 1 )
(上記式(1)において、 Xaはそれぞれ独立に水素又は任意の基を表わす。また、 Ra
は置換基を有してもよいアルキル基を表わす。さらに、 nは 0以上の整数を表わす。 ) [0019] このとき、上記式(1)において、 Raが、
[0020] また、本発明の第一の非水系電解液においては、該鎖状カーボネートが、ビス(2,
2—ジフルォロェチル)カーボネートであることが好まし!/ヽ(請求項 3)。
[0021] さらに、上記式(1)において、 nが 0以上 7以下の整数であることが好ましい(請求項
4)。
[0022] 本発明の第二の非水系電解液は、非水溶媒中に、下記式 (2)で示される化合物を 、 0. 01重量%以上 10重量%以下含有することを特徴とする(請求項 8)。
[化 3]
(上記式(2)において、 X1は、酸素、硫黄、 CD D2又は NE1を表わす。ここで、 D1及 び D2はそれぞれ独立に、水素又は炭素に結合しうる基を表わす。また、 E1は、水素 又は窒素に結合しうる基を表わす。
さらに、 X2は、酸素、硫黄又は NE1を表わす。
また、 Z
1及び Z
2は、それぞれ独立に、水素または炭素に結合しうる基を表わす。 ただし、
D
2及び E
1のうち、少なくとも 1つは、末端の少なくとも 1つの炭
素に、少なくとも 1つの水素と少なくとも 1つのフッ素とが結合したアルキル基を表わす なお、 mは自然数を表わす。 )
[0023] このとき、上記式(2)において、 mが 2又は 3であることが好ましい(請求項 9)。
[0024] また、上記式(2)において、
D
2及び Ε
1が、それぞれ独立に、水素、フッ 素、無置換又はフッ素で置換されたアルキル基の 、ずれかであることが好ま ヽ(請 求項 10)。
[0025] さらに、本発明の第二の非水系電解液において、上記の「末端の少なくとも 1つの 炭素に、少なくとも 1つの水素と少なくとも 1つのフッ素とが結合したアルキル基」は、 フッ素のみで置換されて 、ることが好まし 、(請求項 11)。
[0026] 本発明の第三の非水系電解液は、非水溶媒中に、下記式 (3)で表わされる化合物 を含有することを特徴とする (請求項 15)。
[化 4]
(上記式(3)において、 Xbは酸素または窒素を表わし、 Rbは水素又は置換若しくは無 置換のアルキル基を表わす。また、 Xbが酸素である場合には sは 1であり、 Xbが窒素 である場合には sは 2である。 )
[0027] このとき、上記式(3)において、 Rb力 無置換又はフッ素のみで置換されたアルキ ル基であることが好まし ヽ(請求項 16)。
[0028] また、本発明の第三の非水系電解液において、非水系電解液中における該化合 物の濃度が、 0. 01重量%以上 10重量%以下であることが好ましい(請求項 17)。
[0029] また、上記本発明の第一、第二及び第三の非水系電解液に対して、さらに、不飽 和結合及びハロゲン原子のうち少なくとも一方を有するカーボネート(以下、適宜「所
定カーボネート」という)を含有することが好ましい (請求項 5, 12, 18)。ただし、本発 明の第一の非水系電解液に所定カーボネートを含有させる場合、所定カーボネート のうち、式(1)で示される鎖状カーボネートの定義にも該当するものは、所定カーボ ネートからは除くものとする。また、本発明の第二の非水系電解液に所定カーボネー トを含有させる場合、所定カーボネートのうち、式(2)で示される化合物の定義にも該 当するものは、所定カーボネートからは除くものとする。
この際、該非水系電解液中における上記所定カーボネートの濃度が 0. 01重量% 以上 70重量%以下であることが好ましい(請求項 6, 13, 19)。
また、上記所定カーボネートは、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネー ト、フルォロエチレンカーボネート、及びジフルォロエチレンカーボネート、並びにこ れらの誘導体よりなる群力も選ばれる 1種以上のカーボネートであることが好ましい( 請求項 7, 14, 20)。
[0030] また、本発明の第一、第二及び第三の非水系電解液は、エチレンカーボネート及 び Z又はプロピレンカーボネートを含むことが好ましい(請求項 21)。
[0031] さらに、本発明の第一、第二及び第三の非水系電解液は、ジメチルカーボネート、 ェチルメチルカーボネート、ジェチノレカーボネート、メチルー n—プロピルカーボネー ト、ェチルー n—プロピルカーボネート、ジ—n—プロピルカーボネートよりなる群から 選ばれる少なくとも 1種を含有することが好ま ヽ (請求項 22)。
[0032] 本発明の非水系電解液二次電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出しうる負極及 び正極と、本発明の第一、第二及び第三の非水系電解液のいずれかとを備えること を特徴とする (請求項 23)。
[0033] 本発明のカーボネートイ匕合物は、下記式 (4)で表わされることを特徴とする(請求項 24)。
[化 5]
( 4 )
(上記式 (4)において、 R
eは、炭素数 1〜4の直鎖状の無置換のアルキル基を表わす o )
[0034] 即ち、本発明のカーボネート化合物は、 2, 2—ジフルォロェチルメチルカーボネー ト、 2, 2—ジフルォロェチルェチルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルー n—プロ ピルカーボネート、 n—ブチルー 2, 2—ジフルォロェチルカーボネートよりなる群から 選ばれることを特徴とする(請求項 25)。
発明の効果
[0035] 本発明の第一の非水系電解液によれば、非水系電解液二次電池に用いた場合に 、従来よりも優れたサイクル特性を得ることができる。
また、本発明の第一の非水系電解液二次電池によれば、従来よりも優れたサイクル 特性を得ることができる。
[0036] また、本発明の第二の非水系電解液によれば、非水系電解液二次電池に用いた 場合に、長期に渡り高容量で優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
また、本発明の第二の非水系電解液二次電池によれば、長期に渡り高容量で優れ た充放電サイクル特性を得ることができる。
[0037] さらに、本発明の第三の非水系電解液によれば、非水系電解液二次電池に用いた 場合に、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
また、本発明の第三の非水系電解液二次電池によれば、優れた充放電サイクル特 '性を得ることができる。
[0038] また、本発明によれば、新規なカーボネート化合物が提供される。このカーボネート 化合物は、沸点の上昇、誘電率の向上、耐酸ィ匕性向上による電気化学的安定性の 向上等の利点が得られると推察される。
図面の簡単な説明
[0039] [図 1]本発明の実施例 IV— 1で得られた生成物の1 H NMR ^ベクトルである。
[図 2]本発明の実施例 IV— 1で得られた生成物の13 C NMRのスペクトルである。
[図 3]本発明の実施例 IV— 2で得られた生成物の1 H NMR ^ベクトルである。
[図 4]本発明の実施例 IV— 2で得られた生成物の13 C NMRのスペクトルである。
[図 5]本発明の実施例 IV— 3で得られた生成物の1 H NMR ^ベクトルである。
[図 6]本発明の実施例 IV— 3で得られた生成物の1 dC NMRのスペクトルである。
[図 7]本発明の実施例 IV— 4で得られた生成物の1 H NMR ^ベクトルである。
[図 8]本発明の実施例 IV— 4で得られた生成物の13 C NMRのスペクトルである。 発明を実施するための最良の形態
[0040] 以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要 件の説明は、本発明の実施態様の一例 (代表例)であり、本発明はその要旨を逸脱 しない限り任意に変形して実施することができる。
[0041] [I.第一の非水系電解液]
本発明の第一の非水系電解液は、下記式(1)で表わされる鎖状カーボネート (以 下適宜、「特定鎖状カーボネート」という)を、少なくとも 1種含有するものである。この 特定鎖状カーボネートは、本発明の第一の非水系電解液において非水溶媒として 用いることもできるが、本発明の第一の非水系電解液は、適宜、別途非水溶媒を含 有するよう〖こしてもよい。また、本発明の第一の非水系電解液は通常は電解質を含 有し、さらに、適宜、所定カーボネート及び添加剤を含有する。
[化 6]
(上記式(1)において、 Xaはそれぞれ独立に水素又は任意の基を表わす。また、 Ra は置換基を有してもよいアルキル基を表わす。さらに、 nは 0以上の整数を表わす。 ) [0042] [I 1.特定鎖状カーボネート]
本発明の第一の非水系電解液に力かる特定鎖状カーボネートは、上記の式(1)で 表わされる鎖状カーボネートである。
上記式(1)において、 Xaは、水素又は任意の基を表わす。ここで、式(1)内に存在 する Xaは互 ヽに同種でもよぐ異なって!/、てもよ!/、。
[0043] また、 Xaとして用いることができる基は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意
の基を用いることができる。その具体例を挙げると、フッ素(フルォロ基)、塩素(クロ口 基)、臭素(ブロモ基)、ヨウ素(ョード基)等のハロゲン;メチル基、ェチル基、 n プロ ピル基、 i プロピル基等の鎖状アルキル基;シクロへキシル基等のシクロアルキル基 ;フエニル基、ナフチル基等のァリール基;などが挙げられる。また、アルキル基、シク 口アルキル基、ァリール基中の任意の水素はハロゲンによって置換されていてもよい なかでも、特定鎖状カーボネートの有機物としての安定性や、非水系電解液二次 電池に使用した際に生成する保護皮膜層の安定性から、 xaは、水素又はフッ素であ ることが好ましい。
[0044] さらに、上記式(1)において、 nは 0以上の任意の整数を表わす。ただし、式(1)で 表わされる特定鎖状カーボネートの分子量が大きくなりすぎると、添加量に対する効 果が薄れる可能性があるため、 nは、通常 7以下、好ましくは 4以下、より好ましくは 3 以下であることが望ましい。
[0045] また、上記式(1)にお 、て、 Raは、置換基を有して!/、てもよ 、アルキル基を表わす。
さらに、 が有する炭素数も本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。た だし、式(1)で表わされる特定鎖状カーボネートの分子量が大きくなりすぎると、添カロ 量に対する効果が薄れる可能性があるため、 の炭素数は、通常 10以下、好ましく は 5以下、より好ましくは 3以下が望ましい。
[0046] また、特定鎖状カーボネートの有機物としての安定性や、非水系電解液二次電池 に使用した際に生成する保護皮膜層の安定性から、 Raは分岐鎖を有さないアルキル 基であることが好ましぐまた、無置換又はフッ素のみで置換されたアルキル基である ことが好ましい。
[0047] Raの具体例を挙げると、メチル基、フルォロメチル基、ェチル基、 2 フルォロェチ ル基、 2, 2—ジフルォロェチル基、 2, 2, 2—トリフルォロェチル基、 n プロピル基、 3—フルオロー n—プロピル基、 3, 3—ジフルオロー n—プロピル基、 3, 3, 3—トリフ ルオロー n—プロピル基、 i—プロピル基、 1, 1, 1, 3, 3, 3 へキサフルオロー iープ 口ピル基などが挙げられる。
[0048] これらの中でも、容易に製造する事が可能とであると考えられることから、メチル基、
ェチル基、 2—フルォロェチル基、 2, 2—ジフルォロェチル基、 2, 2, 2—トリフルォ 口ェチル基、 n—プロピル基、 3—フルオロー n—プロピル基、 3, 3—ジフルオロー n プロピル基が好ましぐさらには、メチル基、ェチル基、 n—プロピル基がより好まし い。
また、特定鎖状カーボネートは、式(1)に表わした場合に式(1)の構成が左右非対 称となるようにすることが好ましい。即ち、上記式(1)において、 Raが、
[化 7]
(ただし、この式において、 nは上記式(1)と同じ数である)とは異なる構造を有する基 であることが好ましい。非対称とすることにより、溶媒の融点を低下させる効果がある 他、非対称カーボネート類は保存特性、サイクル特性を向上させる効果が得られる( 特開平 2— 148665号公報、特開平 4 104468号公報)。
[0050] しかしながら、式(1)の構成が左右対称となるものの中でも、ビス(2, 2 ジフルォロ ェチル)カーボネートは、好適に用いることができる。即ち、式(1)において、 Xが水素 であり、 nが 0であり、 Raが 2, 2—ジフルォロェチル基であることも好ましい。
ただし、通常は、特定鎖状カーボネートのなかでも、特に、式(1)の構成が左右非 対称となる構造のものを用いることが、より好ましい。
[0051] 式(1)で表わされる特定鎖状カーボネートの具体例を挙げると、 2, 2 ジフルォロ ェチルメチルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルェチルカーボネート、 2, 2—ジ フルォロェチルー 2'—フルォロェチルカーボネート、ビス(2, 2—ジフルォロェチル) カーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルー 2,, 2' , 2,—トリフルォロェチルカーボネ ート、 2, 2—ジフルォロェチルー n プロピルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチル — 3,一フルオロー n—プロピルカーボネート、 2, 2 ジフルオロー 3,, 3 ' , 3,一トリフ ルオロー n—プロピルカーボネート、 3, 3—ジフルオロー n プロピルメチルカーボネ ート、 3, 3—ジフルオロー n—プロピルェチルカーボネート、 3, 3—ジフルオロー n—
プロピル 2,—フルォロェチルカーボネート、 3, 3 ジフルオロー n—プロピルー2,, 2,—ジフルォロェチルカーボネート、 3, 3 ジフルオロー n—プロピル— 2,, 2' , 2, トリフルォロェチルカーボネート、 3, 3—ジフルオロー n—プロピル—n—プロピル カーボネート、 3, 3—ジフルオロー n—プロピルー3,—フルオロー n—プロピルカー ボネート、ビス(3, 3—ジフルオロー n—プロピル)カーボネート、 3, 3—ジフルオロー n—プロピル一 3,, 3' , 3,一トリフルオロー n—プロピルカーボネート、メチル 2, 2, 3, 3—テトラフルオロー n—プロピルカーボネート、ェチルー 2, 2, 3, 3—テトラフル オロー n—プロピルカーボネート、 2 フルオロー 2,, 2' , 3' , 3,一テトラフルオロー n プロピルカーボネート、 2, 2 ジフルォロェチルー 2,, 2' , 3' , 3,ーテトラフルォ 口一 n—プロピルカーボネート、 2, 2, 3, 3—テトラフルオロー n—プロピル一 2,, 2' , 2,一トリフルォロェチルカーボネート、 n—プロピル 2, 2, 3, 3—テトラフルオロー n —プロピルカーボネート、 3 フルオロー n—プロピル— 2,, 2' , 3' , 3,—テトラフル オロー n—プロピルカーボネート、 3, 3 ジフルオロー n—プロピル— 2,, 2' , 3' , 3, —テトラフルオロー n—プロピルカーボネート、ビス(2, 2, 3, 3—テトラフルオロー n プロピル)カーボネート、などが挙げられる。
[0052] 中でも、上記のように、式(1)の構成が左右非対称となる特定鎖状カーボネートや、 ビス(2, 2—ジフルォロェチル)カーボネートが好まし!/、。
さらに、その中でも、製造のしゃすさから、 2, 2—ジフルォロェチルメチルカーボネ ート、 2, 2—ジフルォロェチルェチルカーボネート、ビス(2, 2—ジフルォロェチル) カーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルー n プロピルカーボネートが好ましい。
[0053] また、更にその中でも、 2, 2 ジフルォロェチルメチルカーボネート、 2, 2 ジフル ォロェチルェチルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルー n プロピルカーボネー トは、より好まし 、。
なお、本発明の第一の非水系電解液に特定鎖状カーボネートを含有させる場合、 特定鎖状カーボネートは、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ 及び比率で併用してもよ!、。
[0054] また、本発明の第一の非水系電解液に特定鎖状カーボネートを含有させる場合、 その配合量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常 0. 01重量
%以上、好ましくは 0. 1重量%以上とすることが望ましい。この下限を下回ると、本発 明の第一の非水系電解液を非水系電解液二次電池に用いた場合にその非水系電 解液二次電池が十分なサイクル特性向上効果を発現しない可能性がある。
[0055] また、中でも本発明の第一の非水系電解液に特定鎖状カーボネートを非水溶媒と して用いる場合には、電解質を除いた非水系電解液中の全ての非水溶媒に対して、 通常 95容量%以下、好ましくは 70容量%以下とすることが望ましい。この上限を上 回ると電解質の溶解が不十分になり、電気伝導率等の電解液特性を低下させた結 果、電池特性が低下する可能性がある。
[0056] 上記の特定鎖状カーボネートを非水系電解液に含有させると、その非水系電解液 を用いた非水系電解液二次電池の充放電サイクル特性を向上させることが可能とな る。
充放電サイクル特性が改善される理由は、詳細は明らかではないが、次のように推 定される。即ち、非水系電解液中に特定鎖状カーボネートを含有させると、その非水 系電解液を用いた非水系電解液二次電池において上記の特定鎖状カーボネートが 反応し、負極活物質の表面に良好な保護皮膜層を形成し、これにより副反応が抑え られ、サイクル劣化が抑制されるものと推察される。また、この際、上記式(1)で表さ れる特定鎖状カーボネート中の 1つ以上の末端炭素に水素原子とフッ素原子とが同 時に存在する事が、何らかの形で保護皮膜層の特性を向上する事に寄与しているも のと推察される。
[0057] なお、特定鎖状カーボネートの製造方法に制限は無ぐ公知の方法を任意に用い ることがでさる。
[0058] [1- 2.所定カーボネート]
本発明の第一の非水系電解液は、前記の特定鎖状カーボネートのほか、更に、所 定カーボネートを含有することが好ましい。本発明の第一の非水系電解液に係る所 定カーボネートは、不飽和結合及びハロゲン原子のうち少なくとも一方を有するカー ボネートである。即ち、本発明の第一の非水系電解液に係る所定カーボネートは、力 ーボネートであれば、不飽和結合のみを有していてもよぐハロゲン原子のみを有し て 、てもよく、不飽和結合及びハロゲン原子の双方を有して 、てもよ 、。
ただし、本発明の第一の非水系電解液に所定カーボネートを含有させる場合、所 定カーボネートからは、特定鎖状カーボネートは除くものとする。即ち、上述した特定 鎖状カーボネートの定義に該当する化合物は、本発明の第一の非水系電解液にお Vヽては所定カーボネートとしては取り扱わな 、ものとする。
[0059] 所定カーボネートの中でも、不飽和結合を有する所定カーボネート(これを適宜「所 定不飽和カーボネート」と略称する。)としては、炭素-炭素二重結合や炭素-炭素 三重結合等の炭素 炭素不飽和結合を有するカーボネートであればその他に制限 は無ぐ特定鎖状カーボネート以外の任意のカーボネートを用いることができる。なお 、芳香環を有するカーボネートも、不飽和結合を有する所定不飽和カーボネートに含 まれるものとする。
[0060] 所定不飽和カーボネートの例としては、ビ-レンカーボネート誘導体類、芳香環又 は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート誘導 体類、フエ-ルカーボネート類、ビュルカーボネート類、ァリルカーボネート類等が挙 げられる。
[0061] ビ-レンカーボネート誘導体類の具体例としては、ビ-レンカーボネート、メチルビ 二レンカーボネート、 4, 5—ジメチルビ-レンカーボネート、フエ-ルビ-レンカーボ ネート、 4, 5—ジフエ-ルビ-レンカーボネート、等が挙げられる。
[0062] また、芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレン力 ーボネート誘導体類の具体例としては、ビュルエチレンカーボネート、 4, 5—ジビ- ノレエチレンカーボネート、フエニノレエチレンカーボネート、 4, 5—ジフエニノレエチレン カーボネート、等が挙げられる。
[0063] さらに、フエ-ルカーボネート類の具体例としては、ジフエ二ルカーボネート、ェチル フエニルカーボネート、メチルフエニルカーボネート、 t ブチルフエニルカーボネート 、等が挙げられる。
[0064] また、ビュルカーボネート類の具体例としては、ジビュルカーボネート、メチルビ- ルカーボネート、等が挙げられる。
さらに、ァリルカーボネート類の具体例としては、ジァリルカーボネート、ァリルメチ ルカーボネート、等が挙げられる。
[0065] これらの所定不飽和カーボネートの中でも、所定カーボネートとしては、ビニレン力 ーボネート誘導体類、芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換さ れたエチレンカーボネート誘導体類が好ましぐ特に、ビ-レンカーボネート、 4, 5- ジフエ-ルビ-レンカーボネート、 4, 5—ジメチルビ-レンカーボネート、ビニルェチ レンカーボネートは、安定な界面保護皮膜を形成するので、より好適に用いられる。
[0066] 一方、所定カーボネートの中でも、ハロゲン原子を有する所定カーボネート (これを 適宜「所定ハロゲンィ匕カーボネート」と略称する。)としては、ハロゲン原子を有するも のであれば、その他に特に制限は無ぐ特定鎖状カーボネート以外の任意のハロゲ ン化カーボネートを用いることができる。
[0067] 所定ハロゲン化カーボネートが有するハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子
、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。この中でも、好ましくはフッ素原子 又は塩素原子であり、フッ素原子が特に好ましい。
また、所定ハロゲンィ匕カーボネートが有するハロゲン原子の数も、 1以上であれば 特に制限されないが、通常 6以下、好ましくは 4以下である。所定ハロゲンィ匕カーボネ ートが複数のハロゲン原子を有する場合、それらは互いに同一でもよぐ異なってい てもよい。
[0068] 所定ノヽロゲン化カーボネートの例としては、エチレンカーボネート誘導体類、ジメチ ルカーボネート誘導体類、ェチルメチルカーボネート誘導体類、ジェチルカーボネー ト誘導体類等が挙げられる。
[0069] エチレンカーボネート誘導体類の具体例としては、フルォロエチレンカーボネート、 クロ口エチレンカーボネート、 4, 4 ジフノレオ口エチレンカーボネート、 4, 5—ジフノレ ォロエチレンカーボネート、 4, 4ージクロ口エチレンカーボネート、 4, 5—ジクロロェ チレンカーボネート、 4ーフノレオロー 4ーメチノレエチレンカーボネート、 4 クロロー 4 メチルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4 メチルエチレンカーボネート 、 4, 5—ジクロロー 4 メチルエチレンカーボネート、 4 フルオロー 5—メチルェチレ ンカーボネート、 4 クロロー 5—メチノレエチレンカーボネート、 4, 4ージフノレオロー 5 メチルエチレンカーボネート、 4, 4ージクロロー 5—メチルエチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル) エチレンカーボネート、 4 (クロロメチル) エチレンカーボネ
ート、 4 (ジフルォロメチル) エチレンカーボネート、 4 (ジクロロメチル)ーェチレ ンカーボネート、 4 (トリフルォロメチル) エチレンカーボネート、 4 (トリクロロメチ ル) エチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル)ー4 フルォロエチレンカーボネ ート、 4 (クロロメチル) 4 クロ口エチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル) 5 ーフノレオ口エチレンカーボネート、 4 (クロロメチノレ) 5—クロ口エチレンカーボネー ト、 4 フルオロー 4, 5—ジメチルエチレンカーボネート、 4—クロ口— 4, 5—ジメチル エチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4, 5—ジメチルエチレンカーボネート、 4 , 5—ジクロロー 4, 5—ジメチルエチレンカーボネート、 4, 4ージフルオロー 5, 5—ジ メチルエチレンカーボネート、 4, 4ージクロロー 5, 5—ジメチルエチレンカーボネート 、等が挙げられる。
[0070] また、ジメチルカーボネート誘導体類の具体例としては、フルォロメチルメチルカ一 ボネート、ジフルォロメチルメチルカーボネート、トリフルォロメチルメチルカーボネー ト、ビス(フルォロメチル)カーボネート、ビス(ジフルォロ)メチルカーボネート、ビス(ト リフルォロ)メチルカーボネート、クロロメチルメチルカーボネート、ジクロロメチルメチ ルカーボネート、トリクロロメチルメチルカーボネート、ビス(クロロメチル)カーボネート 、ビス(ジクロ口)メチルカーボネート、ビス(トリクロ口)メチルカーボネート、等が挙げら れる。
[0071] さらに、ェチルメチルカーボネート誘導体類の具体例としては、 2 フルォロェチル メチノレカーボネート、ェチルフルォロメチルカーボネート、 2—フルォロェチルフルォ ロメチルカーボネート、ェチルジフルォロメチルカーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロ ェチルメチルカーボネート、 2—フルォロェチルジフルォロメチルカーボネート、ェチ ノレトリフノレオロメチノレカーボネート、 2—クロロェチノレメチノレカーボネート、ェチノレクロ口 メチノレカーボネート、 2, 2—ジクロロェチノレメチノレカーボネート、 2—クロロェチノレクロ ロメチノレカーボネート、ェチルジクロロメチノレカーボネート、 2, 2, 2—トリクロロェチノレ メチノレカーボネート、 2, 2—ジクロロェチノレクロロメチノレカーボネート、 2—クロロェチ ルジクロロメチルカーボネート、ェチルトリクロロメチルカーボネート、等が挙げられる。
[0072] また、ジェチルカーボネート誘導体類の具体例としては、ェチルー(2 フルォロェ チル)カーボネート、ビス(2—フルォロェチル)カーボネート、ェチルー(2, 2, 2—トリ
フルォロェチル)カーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルー 2'—フルォロェチル カーボネート、ビス(2, 2, 2—トリフルォロェチル)カーボネート、ェチルー(2—クロ口 ェチノレ)カーボネート、ェチノレー (2, 2—ジクロロェチノレ)カーボネート、ビス(2—クロ ロェチル)カーボネート、ェチルー(2, 2, 2—トリクロロェチル)カーボネート、 2, 2- ジクロロェチルー 2'—クロロェチノレカーボネート、ビス(2, 2—ジクロロェチル)カーボ ネート、 2, 2, 2—トリクロロェチルー 2'—クロ口ェチルカーボネート、 2, 2, 2—トリク ロロェチノレー 2,, 2,ージクロ口ェチルカーボネート、ビス(2, 2, 2—トリクロロェチノレ) カーボネート、等が挙げられる。
[0073] これらの所定ハロゲン化カーボネートの中でも、フッ素原子を有するカーボネートが 好ましぐフッ素原子を有するエチレンカーボネート誘導体類が更に好ましぐ特にフ ルォロエチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル) エチレンカーボネート、 4, 4 ジフルォロエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルォロエチレンカーボネートは、界面保 護皮膜を形成するので、より好適に用いられる。
[0074] 更に、所定カーボネートとしては、不飽和結合とハロゲン原子とを共に有するカーボ ネート (これを適宜「所定ハロゲン化不飽和カーボネート」と略称する。)を用いることも できる。所定ハロゲンィ匕不飽和カーボネートとしては、特に制限は無ぐ本発明の効 果を著しく損なわない限り、任意のハロゲンィ匕不飽和カーボネートを用いることができ る。
[0075] 所定ノヽロゲン化不飽和カーボネートの例としては、ビ-レンカーボネート誘導体類、 芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネ ート誘導体類、フエ-ルカーボネート類、ビュルカーボネート類、ァリルカーボネート 類等が挙げられる。
[0076] ビ-レンカーボネート誘導体類の具体例としては、フルォロビニレンカーボネート、 4 -フルォロ 5—メチルビ-レンカーボネート、 4 -フルォロ 5—フエ二ルビ-レン カーボネート、クロロビニレンカーボネート、 4 クロロー 5—メチノレビ二レンカーボネ ート、 4 クロロー 5—フエ-ルビ-レンカーボネート、等が挙げられる。
[0077] また、芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレン力 ーボネート誘導体類の具体例としては、 4 フルオロー 4 ビュルエチレンカーボネ
ート、 4 フルオロー 5—ビュルエチレンカーボネート、 4, 4ージフノレオロー 4ービ- ルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4 ビュルエチレンカーボネート、 4 クロロー 5—ビニノレエチレンカーボネート、 4, 4ージクロロー 4ービニノレエチレンカー ボネート、 4, 5—ジクロロー 4 ビュルエチレンカーボネート、 4 フルオロー 4, 5— ジビュルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4, 5—ジビュルエチレンカーボ ネート、 4—クロ口一 4, 5—ジビュルエチレンカーボネート、 4, 5—ジクロロ一 4, 5- ジビュルエチレンカーボネート、 4 フルオロー 4 フエ-ルエチレンカーボネート、 4 ーフノレオロー 5—フエ-ノレエチレンカーボネート、 4, 4ージフノレオロー 5—フエ-ノレェ チレンカーボネート、 4, 5—ジフノレオロー 4 フエ-ノレエチレンカーボネート、 4 クロ ロー 4 フエニノレエチレンカーボネート、 4 クロロー 5—フエニノレエチレンカーボネー ト、 4, 4ージクロロー 5—フエニノレエチレンカーボネート、 4, 5—ジクロロー 4 フエ- ルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4, 5—ジフエ-ルエチレンカーボネー ト、 4, 5—ジクロロー 4, 5—ジフエ-ルエチレンカーボネート、等が挙げられる。
[0078] さらに、フエ-ルカーボネート類の具体例としては、フルォロメチルフエ-ルカーボ ネート、 2—フルォロェチルフエニルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルフエニル カーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルフエ-ルカーボネート、クロロメチノレフェニ ノレカーボネート、 2—クロロェチノレフエ二ノレカーボネート、 2, 2—ジクロロェチノレフエ二 ルカーボネート、 2, 2, 2—トリクロ口ェチルフエ-ルカーボネート、等が挙げられる。
[0079] また、ビュルカーボネート類の具体例としては、フルォロメチルビ-ルカーボネート、 2—フルォロェチルビ-ルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルビ-ルカーボネー ト、 2, 2, 2—トリフルォロェチルビ-ルカーボネート、クロロメチルビ-ルカーボネート 、 2—クロロェチルビ二ノレカーボネート、 2, 2—ジクロロェチルビ二ノレカーボネート、 2 , 2, 2—トリクロロェチルビ-ルカーボネート、等が挙げられる。
[0080] さらに、ァリルカーボネート類の具体例としては、フルォロメチルァリルカーボネート 、 2—フルォロェチルァリルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルァリルカーボネー ト、 2, 2, 2—トリフルォロェチルァリルカーボネート、クロロメチルァリルカーボネート、 2—クロロェチルァリルカーボネート、 2, 2—ジクロロェチルァリルカーボネート、 2, 2 , 2—トリクロロェチルァリルカーボネート、等が挙げられる。
[0081] 上述した所定ノ、ロゲンィ匕不飽和カーボネートの例の中でも、所定カーボネートとし ては、単独で用いた場合に効果が高いビ-レンカーボネート、ビュルエチレンカーボ ネート、フルォロエチレンカーボネート及び 4, 5—ジフルォロエチレンカーボネート、 並びにこれらの誘導体よりなる群力 選ばれる 1種以上のものを用いることが特に好 ましい。
[0082] なお、所定カーボネートの分子量に特に制限は無ぐ本発明の効果を著しく損なわ ない限り任意である力 通常 50以上、好ましくは 80以上、また、通常 250以下、好ま しくは 150以下である。分子量が大き過ぎると、非水系電解液に対する所定カーボネ ートの溶解性が低下し、本発明の効果を十分に発現し難くなる可能性がある。
[0083] また、所定カーボネートの製造方法にも特に制限は無ぐ公知の方法を任意に選 択して製造することが可能である。
[0084] 以上説明した所定カーボネートについても、本発明の第一の非水系電解液中に、 何れ力 1種を単独で含有させてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併 有させてもよい。
[0085] また、本発明の第一の非水系電解液に対する所定カーボネートの配合量に制限は 無ぐ本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の第一の非水系 電解液に対して、通常 0. 01重量%以上、好ましくは 0. 1重量%以上、より好ましくは 0. 3重量%以上、また、通常 70重量%以下、好ましくは 50重量%以下、より好ましく は 40重量%以下の濃度で含有させることが望ましい。この範囲の下限を下回ると、本 発明の第一の非水系電解液を非水系電解液二次電池に用いた場合に、その非水 系電解液二次電池が十分なサイクル特性向上効果を発現し難くなる可能性があり、 また、所定カーボネートの比率が大き過ぎると、本発明の第一の非水系電解液を非 水系電解液二次電池に用いた場合に、その非水系電解液二次電池の高温保存特 性及びトリクル充電特性が低下する傾向があり、特に、ガス発生量が多くなり、放電容 量維持率が低下する可能性がある。
[0086] さらに、本発明の第一の非水系電解液において、特定鎖状カーボネートと所定力 ーボネートとの比率も任意である力 「特定鎖状カーボネートの重量 Z所定カーボネ ートの重量」で表わされる両者の相対重量比力 通常 0. 0001以上、好ましくは 0. 0
01以上、より好ましくは 0. 01以上、また、通常 1000以下、好ましくは 100以下、より 好ましくは 10以下の範囲であることが望ましい。上記相対重量比が低過ぎても高過 ぎても、相乗効果が得られ難くなる可能性がある。
[0087] 上記の特定鎖状カーボネートと所定カーボネートとを非水系電解液に含有させると 、その非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池の充放電サイクル特性を向上 させることが可能となる。この理由の詳細は明らかではないが、次のように推定される 。即ち、非水系電解液中に含まれる特定鎖状カーボネートと所定カーボネートとがと もに反応する事によって、負極活物質の表面に良好な保護皮膜層を形成し、これに より副反応が抑えられ、サイクル劣化が抑制されるものと推察される。詳細は不明で ある力 特定鎖状カーボネートと所定カーボネートとが同時に電解液中に存在するこ とで、何らかの形で保護皮膜の特性を向上させることに寄与しているものと推察され る。
[0088] [1- 3.非水溶媒]
本発明の第一の非水系電解液が含有し得る非水溶媒としては、本発明の効果を著 しく損なわない範囲において、任意のものを用いることができる。なお、上述した特定 鎖状カーボネートを非水溶媒として用いることも可能であり、所定カーボネートを非水 溶媒として用いることも可能である。また、非水溶媒 (特定鎖状カーボネート及び所定 カーボネートを含む)は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及 び比率で併用してもよい。
[0089] 通常使用される非水溶媒の例としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、鎖 状及び環状カルボン酸エステル、鎖状及び環状エーテル類、含リン有機溶媒、含硫 黄有機溶媒などが挙げられる。
[0090] 環状カーボネートに制限は無いが、通常使用されるものの例としては、エチレン力 ーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。これらの うち、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが、誘電率が高いため溶質が溶 解しやすぐ非水系電解液二次電池にしたときにサイクル特性が良い点で好ましい。
[0091] また、鎖状カーボネートにも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、ジメ チノレカーボネート、ェチルメチルカーボネート、ジェチノレカーボネート、メチルー n—
プロピルカーボネート、ェチルー n プロピルカーボネート、ジー n プロピルカーボ ネート等が挙げられる。中でも、ジメチルカーボネート、ェチルメチルカーボネート、ジ ェチノレカーボネート、メチルー n プロピルカーボネート、ェチルー n プロピルカー ボネートが好ましぐ特にジメチルカーボネート、ェチルメチルカーボネート、ジェチ ルカーボネートが非水系電解液二次電池にしたときにサイクル特性が良い点で好ま しい。
[0092] さらに、鎖状カルボン酸エステルにも制限は無いが、通常使用されるものの例として は、酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸—n—プロピル、酢酸 i プロピル、酢酸 n— ブチル、酢酸 iーブチル、酢酸 tーブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ェ チル、プロピオン酸ー n—プロピル、プロピオン酸—i—プロピル、プロピオン酸ー n— ブチル、プロピオン酸ー iーブチル、プロピオン酸ー t ブチル等が挙げられる。これ らの中でも、酢酸ェチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ェチルがより好ましい。 なお、鎖状カーボネートとして、上記式(1)で表わされる特定鎖状カーボネートを用 いることも可能である。
[0093] また、環状カルボン酸エステルにも制限は無いが、通常使用されるものの例として は、 Ί—ブチ口ラタトン、 y—バレロラタトン、 δ—バレロラタトン等が挙げられる。これ らの中でも、 γ ブチロラタトンがより好ましい。
[0094] さらに、鎖状エーテルにも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、ジメト キシメタン、ジメトキシェタン、ジェトキシメタン、ジエトキシェタン、エトキシメトキシメタ ン、エトキシメトキシェタン等が挙げられる。これらの中でも、ジメトキシェタン、ジェトキ シェタンがより好ましい。
[0095] また、環状エーテルにも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、テトラヒド 口フラン、 2—メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。
[0096] さらに、含リン有機溶媒にも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、リン 酸トリメチル、リン酸トリェチル、リン酸トリフエニル等のリン酸エステル類;亜リン酸トリメ チル、亜リン酸トリェチル、亜リン酸トリフエ-ル等の亜リン酸エステル類;トリメチルホ スフインォキシド、トリェチルホスフィンォキシド、トリフエ-ルホスフィンォキシド等のホ スフインォキシド類などが挙げられる。
[0097] また、含硫黄有機溶媒にも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、ェチ レンサノレフアイト、 1, 4ープロノ ンスノレトン、 1, 4 ブタンスノレトン、メタンスノレホン酸メ チル、ブスノレファン、スノレホラン、スノレホレン、ジメチルスルホン、ジフエニルスルホン、 メチルフエ-ルスルホン、ジブチルジスルフイド、ジシクロへキシルジスルフイド、テトラ メチルチウラムモノスルフイド、 N, N ジメチルメタンスルホンアミド、 N, N ジェチ ルメタンスルホンアミド等が挙げられる。
[0098] これらの中でも、環状カーボネートであるエチレンカーボネート及び Z又はプロピレ ンカーボネートを用いる事が好ましぐさらに、これらと鎖状カーボネートを混合して用 いることがより好ましい。
[0099] また、このように環状カーボネートと鎖状カーボネートとを非水溶媒として併用する 場合、本発明の第一の非水系電解液中の非水溶媒中にしめる鎖状カーボネートの 好適な含有量は、通常 30体積%以上、好ましくは 50体積%以上、また、通常 95体 積%以下、好ましくは 90体積%以下である。一方、本発明の第一の非水系電解液中 の非水溶媒中にしめる環状カーボネートの好適な含有量は、通常 5体積%以上、好 ましくは 10体積%以上、また、通常 50体積%以下、好ましくは 40体積%以下である 。この範囲よりも鎖状カーボネートが少なすぎると本発明の第一の非水系電解液の粘 度が上昇する可能性があり、多すぎると電解質であるリチウム塩の解離度が低下して 、本発明の第一の非水系電解液の電気伝導率が低下する可能性がある。
[0100] [1-4.電解質]
本発明の第一の非水系電解液に用いる電解質に制限は無ぐ目的とする非水系 電解液二次電池に電解質として用いられるものであれば公知のものを任意に採用す ることができる。本発明の第一の非水系電解液をリチウム二次電池に用いる場合に は、通常は、電解質としてリチウム塩を用いる。
[0101] 電解質の具体例としては、 LiCIO、 LiAsF、 LiPF、: Li CO、 LiBF等の無機リ
4 6 6 2 3 4
チウム塩; LiCF SO、 LiN (CF SO ) , LiN (C F SO ) 、リチウム環状 1, 4—パ
3 3 3 2 2 2 5 2 2
一フルォロプロパンジスルホ-ルイミド、 LiN (CF SO ) (C F SO )、 LiC (CF SO
3 2 4 9 2 3 2
) 、 LiPF (CF ) 、 LiPF (C F ) , LiPF (CF SO ) 、 LiPF (C F SO ) 、 LiBF
3 4 3 2 4 2 5 2 4 3 2 2 4 2 5 2 2 2
(CF ) 、 LiBF (C F ) 、 LiBF (CF SO ) 、 LiBF (C F SO ) 、リチウムビス(ォ
3 2 2 2 5 2 2 3 2 2 2 2 5 2 2
キサラト)ボレート等の含フッ素有機リチウム塩; KPF、 NaPF、 NaBF、 Na CF S
6 6 4 2 3
O等のナトリウム塩又はカリウム塩などが挙げられる。これらのうち、 LiPF、 LiBF、
3 6 4
LiCF SO、 LiN (CF SO ) 、 LiN (C F SO ) が好ましぐ特に LiPF、 LiBFが好
3 3 3 2 2 2 5 2 2 6 4 ましい。
[0102] また、電解質は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比 率で併用してもよい。中でも、特定の無機リチウム塩の 2種を併用したり、無機リチウ ム塩と含フッ素有機リチウム塩とを併用したりすると、連続充電時のガス発生が抑制さ れ、若しくは高温保存後の劣化が抑制されるので好ましい。特に、 LiPFと LiBFと
6 4 の併用や、 LiPF、 LiBF等の無機リチウム塩と、 LiCF SO、 LiN (CF SO ) 、 LiN
6 4 3 3 3 2 2
(C F SO )等の含フッ素有機リチウム塩との併用が好ましい。
2 5 2 2
[0103] さらに、 LiPFと LiBFとを併用する場合、電解質全体に対して LiBFが通常 0. 01
6 4 4
重量%以上、 20重量%以下の比率で含有されていることが好ましい。 LiBFは解離
4 度が低ぐ比率が高すぎると電解液の抵抗を高くする可能性がある。
一方、 LiPF、 LiBF等の無機リチウム塩と、 LiCF SO、 LiN (CF SO ) 、 LiN (C
6 4 3 3 3 2 2
F SO )
2 5 2 2等の含フッ素有機リチウム塩とを併用する場合、電解質全体に占める無機 リチウム塩の割合は、通常 70重量%以上、 99重量%以下の範囲であることが望まし い。一般に、含フッ素有機リチウム塩は無機リチウム塩と比較して分子量が大きぐ比 率が高すぎると電解液全体に占める溶媒の比率が低下し電解液の抵抗を高くする可 能性があるためである。
[0104] また、本発明の第一の非水系電解液中のリチウム塩の濃度は、本発明の効果を著 しく損なわない限り任意である力 通常 0. 5mol'dm_3以上、好ましくは 0. 6mol-d m_3以上、より好ましくは 0. 8mol'dm_3以上、また、通常 3mol'dm_3以下、好ましく は 2mol'dm_3以下、より好ましくは 1. 5mol'dm_3以下の範囲である。この濃度が低 過ぎると非水系電解液の電気伝導率が不十分となる可能性があり、濃度が高過ぎる と粘度上昇のため電気伝導率が低下し、本発明の第一の非水系電解液を用いた非 水系電解液二次電池の性能が低下する可能性がある。
[0105] [1- 5.添加剤]
本発明の第一の非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において
、各種の添加剤を含有していることが好ましい。この添加剤としては、従来公知のもの を任意に用いることができ、また、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み 合わせ及び比率で併用してもよい。添加剤の例としては、過充電防止剤や、高温保 存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤などが挙げられる。
[0106] 過充電防止剤としては、例えば、ビフエ-ル、アルキルビフエ-ル、ターフェ-ル、タ 一フエ-ルの部分水素化体、シクロへキシルベンゼン、 t ブチルベンゼン、 t—アミ ルベンゼン、ジフエ-ルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物; 2—フルォロビ フエ二ノレ、 o シクロへキシノレフノレオ口ベンゼン、 p シクロへキシノレフノレオ口ベンゼン 等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物; 2, 4 ジフルォロア-ノール、 2, 5 ジ フルォロア-ノール、 2, 6 ジフルォロア-オール等の含フッ素ァ-ソール化合物な どが挙げられる。
なお、過充電防止剤は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ 及び比率で併用してもよ!、。
[0107] また、本発明の第一の非水系電解液が過充電防止剤を含有する場合、その濃度 は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液全体に対して 通常 0. 1重量%〜5重量%である。非水系電解液に過充電防止剤を含有させること は、過充電による非水系電解液二次電池の破裂'発火を抑制することができ、非水 系電解液二次電池の安全性が向上するので好ましい。
[0108] 一方、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤としては 、例えば、ビ-レンカーボネート、ビュルエチレンカーボネート、フルォロエチレン力 ーボネート、 4 (トリフルォロメチル) エチレンカーボネート、フエ-ルエチレンカー ボネート、エリスリタンカーボネート、スピロービスージメチレンカーボネート等のカー ボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸 、無水グルタコン酸、無水ィタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロへキサンジカルボ ン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フ -ルコハク酸無水物等 のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、 1, 4 プロパンスルトン、 1, 4 ブタンス ルトン、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスル ホン、ジフエニルスルホン、メチルフエニルスルホン、ジブチルジスルフイド、ジシクロ
へキシルジスルフイド、テトラメチルチウラムモノスルフイド、 N, N ジメチルメタンス ルホンアミド、 N, N ジェチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物; 1—メチル— 2 ピロリジノン、 1ーメチルー 2 ピペリドン、 4ーメチルー 2 ォキサゾリジノン、 1, 4 ジメチルー 2—イミダゾリジノン、 N—メチルスクシイミド等の含窒素化合物;ヘプタ ン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物;フルォロベンゼン、ジフルォ口べ ンゼン、ベンゾトリフルオライド等の含フッ素芳香族化合物などが挙げられる。
[0109] なお、助剤は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率 で併用してもよい。
[0110] また、本発明の第一の非水系電解液が助剤を含有する場合、その濃度は本発明 の効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液全体に対して通常 0. 1 重量%〜5重量%である。
[0111] [II.第二の非水系電解液]
本発明の第二の非水系電解液は、非水溶媒中に、この下記式 (2)で示される化合 物(以下適宜、「特定化合物(2)」という)を、 0. 01重量%以上 10重量%以下含有す る。また、本発明の第二の非水系電解液は通常は電解質を含有し、さらに、適宜、所 定カーボネート及び添加剤を含有する。
(上記式(2)において、 X1は、酸素、硫黄、 CD D2又は NE1を表わす。ここで、 D1及 び D2はそれぞれ独立に、水素又は炭素に結合しうる基を表わす。また、 E1は、水素 又は窒素に結合しうる基を表わす。
さらに、 X2は、酸素、硫黄又は NE1を表わす。
また、 Z
1及び Z
2は、それぞれ独立に、水素または炭素に結合しうる基を表わす。 ただし、
D
2及び Ε
1のうち、少なくとも 1つは、末端の少なくとも 1つの炭 素に、少なくとも 1つの水素と少なくとも 1つのフッ素とが結合したアルキル基を表わす なお、 mは自然数を表わす。 )
[0112] [II 1.特定化合物 (2) ]
本発明の第二の非水系電解液に力かる特定ィ匕合物(2)は、上記の式 (2)で表わさ れる化合物である。
上記の式(2)において、 X1は、酸素、硫黄、 CD D2 又は、 NE1を表わす。
ここで、 CD D2で表わされるユニット(原子団)において、 D1及び D2は、水素、又は 、炭素に結合しうる基を表わす。なお、 D1及び D2は、互いに同種でもよぐ異なって いてもよい。さらに、 D1及び D2は互いに結合して環を形成していてもよい。
[0113] D1, D2の具体例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、ェチル 基、フルォロメチル基、トリフルォロメチル基、 2, 2, 2—トリフルォロェチル基等の置 換又は無置換のアルキル基、アルコキシル基、アルキルカルボキシル基、アルコキシ カルボキシル基などが挙げられる。
[0114] 中でも、 D1, D2は、水素、フッ素、無置換又はフッ素で置換されたアルキル基であ ることが好ましい。また、この場合の無置換又はフッ素で置換されたアルキル基として は、製造の容易さ、安定性から、メチル基、ェチル基、フルォロメチル基、トリフルォロ メチル基、 2, 2, 2—トリフルォロェチル基が好ましい。
[0115] また、上記の NE1で表わされるユニットにおいて、 E1は、水素、又は、窒素に結合し うる基を表わす。
E1の具体例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、ェチル基、 フルォロメチル基、トリフルォロメチル基、 2, 2, 2—トリフルォロェチル基等の置換又 は無置換のアルキル基、アルコキシル基、アルキルカルボキシル基、アルコキシカル ボキシル基などが挙げられる。
[0116] 中でも、 E1も、水素、フッ素、無置換又はフッ素で置換されたアルキル基であること
が好ましい。また、この場合の無置換又はフッ素で置換されたアルキル基としては、 製造の容易さ、安定性から、メチル基、ェチル基、フルォロメチル基、トリフルォロメチ ノレ基、 2—フノレ才ロェチノレ基、 2, 2, 2—トリフノレ才ロェチノレ基カ好まし!/ヽ。
[0117] さらに、上述したものの中でも、 X1としては、電気化学的な安定性から、置換基を持 たな 、か、無置換またはフッ素で置換されたアルキル基を置換基として有するュ-ッ トが好ましい。即ち、具体的には、酸素と、硫黄と、 D1及び D2として無置換又はフッ素 のみで置換されたアルキル基のみを有する CD^2と、 E1として無置換又はフッ素の みで置換されたアルキル基のみを有する NE1とよりなる群力 選ばれる少なくとも 1種 を用いることが好ましい。
また、特に、 X1としては酸素が特に好ましい。
[0118] また、上記の式(2)において、 X2は、酸素、硫黄、又は、 NE1を表わす。
ここで、 NE1において、 E1は、先に X1の説明において述べたものと同様である。 中でも、 X2としては、電気化学的な安定性から、置換基を持たないか、無置換また はフッ素で置換されたアルキル基を置換基として有するユニットが好ましい。即ち、具 体的には、酸素と、硫黄と、 E1として無置換又はフッ素のみで置換されたアルキル基 のみを有する NE1とよりなる群力 選ばれる少なくとも 1種を用いることが好ましい。 また、特に、 X2としても電気化学的な安定性上、酸素が特に好ましい。
[0119] さらに、上記の式(2)において、 Z1及び Z2は、 D1, D2と同様に、水素または炭素に 結合しうる基を表わす。なお、 Z1及び Z2は、互いに同種でもよぐ異なっていてもよい 。さらに、 Z1及び Z2は互いに結合して環を形成していてもよい。
z1, z2の具体例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、ェチル 基、フルォロメチル基、トリフルォロメチル基、 2, 2, 2—トリフルォロェチル基等の置 換又は無置換のアルキル基、アルコキシル基、アルキルカルボキシル基、アルコキシ カルボキシル基などが挙げられる。
[0120] 中でも、 Z1, Z2は、水素、フッ素、無置換又はフッ素で置換されたアルキル基である ことが好ましい。また、この場合の無置換又はフッ素で置換されたアルキル基としては 、メチノレ 、ェチノレ 、フノレ才 Pメチノレ 、卜!;フノレ才 Pメチノレ 、 2, 2, 2—卜!;フノレ才 口ェチル基が好ましい。これにより、式(2)で表わされる特定ィ匕合物(2)の電気的安
定性をより向上させることができる、という利点を得ることができる。
[0121] また、上記の式(2)において、 mは自然数を表わす。特に、式(2)で表わされる環 状化合物である特定化合物(2)の環の安定性の観点から、特定化合物(2)の環が 5 員環又は 6員環となるように、 mは 2又は 3が好ましい。中でも、式(2)において X1及 び X2が共に炭素を含むユニット以外である場合には、同様の理由にて、特定化合物 (2)が 5員環となるよう、 mは 2であることがより好ましい。
[0122] ただし、上記の式(2)において、 7 Z
2、
D
2及び E
1のうち、少なくとも 1つは、末 端の少なくとも 1つの炭素に、少なくとも 1つの水素と少なくとも 1つのフッ素とが結合 したアルキル基(以下適宜、このアルキル基を「特定置換アルキル基 R
f」と!、う)である
[0123] また、特定置換アルキル基 Rfは、本発明の効果を著しく損なわない限り、置換基を 有していてもよい。即ち、上記の通り特定置換アルキル基 Rfの末端の少なくとも 1つ の炭素には少なくとも 1つのフッ素が置換しており、かつ少なくとも 1つの水素が残存 しているのであるが、そのフッ素以外に置換基を有していても構わない。このように特 定置換アルキル基 Rfが有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素、アルキル 基、ァリル基、アルコキシル基、アルキルカルボキシル基、アルコキシカルボキシル基 などが挙げられる。
[0124] ただし、式 (2)で表わされる特定化合物(2)の電気化学的な安定性から、特定置換 アルキル基 Rfは、フッ素以外の置換基を持たないことが好ましい。即ち、特定置換ァ ルキル基 Rfは、フッ素のみで置換されて 、ることが好まし 、。
また、特定置換アルキル基 Rfの炭素数にも制限は無いが、特定置換アルキル基 Rf の分子量が大きくなりすぎると特定ィ匕合物(2)の使用量に対する効果が薄れる可能 性があるため、特定置換アルキル基 Rfの炭素数は、通常 10以下、さらに好ましくは 5 以下、さらに好ましくは 3以下であることが望ましい。
[0125] 上記の条件を満たす特定置換アルキル基 Rfの例を挙げると、フルォロメチル基、ジ フルォロメチル基、 2—フルォロェチル基、 2, 2—ジフルォロェチル基、 1, 2—ジフ ルォロェチル基、 1, 1, 2—トリフルォロェチル基、 1, 2, 2—トリフルォロェチル基、 1 , 1, 2, 2—テトラフルォロェチル基、 3—フルオロー n—プロピル基、 1, 3—ジフルォ
口— n—プロピル基、 2, 3 ジフルオロー n—プロピル基、 3, 3 ジフルオロー n—プ 口ピル基、 1, 1, 3 トリフルオロー n—プロピル基、 1, 2, 3 トリフルオロー n—プロ ピル基、 1, 3, 3 トリフルォロ— n—プロピル基、 2, 2, 3 トリフルォロ— n—プロピ ル基、 1, 1, 2, 3—テトラフルオロー n—プロピル基、 1, 1, 3, 3—テトラフルオロー n —プロピル基、 1, 2, 2, 3—テ卜ラフルォ口— n—プロピル基、 1, 2, 3, 3—テ卜ラフル ォロ— n—プロピル基、 2, 2, 3, 3—テトラフルォ口— n—プロピル基、 1, 1, 2, 2, 3 ペンタフルオロー n—プロピル基、 1, 1, 2, 3, 3 ペンタフルオロー n—プロピル 基、 1, 2, 2, 3, 3 ペンタフルォ口— n—プロピル基、 1, 1, 2, 2, 3, 3 へキサフ ルオロー n—プロピル基、 1—フルオロー i—プロピル基、 1, 2—ジフルオロー i—プロ ピル基、 1, 3 ジフルオロー i—プロピル基、 1, 1, 2 トリフルオロー i—プロピル基、 1, 1, 3 トリフルオロー i—プロピル基、 1, 2, 3 トリフルオロー i—プロピル基、 1, 1 , 1, 3—テトラフルォ口一 i—プロピル基、 1, 1, 2, 3—テトラフルォ口一 i—プロピル 基、 1, 1, 3, 3—テ卜ラフルォ口— i—プロピル基、 1, 1, 1, 2, 3 ペンタフルォ口— i —プロピル基、 1, 1, 1, 3, 3 ペンタフルォ口— i—プロピル基、 1, 1, 2, 3, 3 ぺ ンタフルオロー i—プロピル基、 1, 1, 1, 2, 3, 3 へキサフルオロー i—プロピル基な どが挙げられる。
[0126] 中でも、容易に製造する事が可能である点から、フルォロメチル基、ジフルォロメチ ル基、 2—フルォロェチル基、 2, 2—ジフルォロェチル基、 1, 1, 2, 2—テトラフルォ 口ェチル基、 3—フルオロー n プロピル基が好ましぐさらには、フルォロメチル基、 ジフルォロメチル基がより好まし 、。
なお、特定置換アルキル基 Rfは、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組 み合わせ及び比率で併用してもょ 、。
[0127] さらに、特定ィ匕合物(2)の分子量に制限は無ぐ本発明の効果を著しく損なわない 限り任意であるが、通常 119以上である。また、上限に制限は無く小さいほうが好まし いが、通常 300以下、好ましくは 200以下のものを用いることが実用的である。
[0128] これら好ま 、条件を満たす特定化合物(2)の例としては、フルォロメチルエチレン カーボネート、ジフルォロメチルエチレンカーボネート、(2—フルォロェチル)ェチレ ンカーボネート、 (2, 2 ジフルォロェチル)エチレンカーボネート、 4 (フルォロメチ
ル)ー4 フルォロエチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル)ー5—フルォロェチレ ンカーボネート、 4一(2 フルォロェチル)ー4 フルォロエチレンカーボネート、 4 (2 フルォロェチル) 5 フルォロエチレンカーボネート、
4 フルォロメチル 2 ォキサゾリジノン、 5 フルォロメチル 2 ォキサゾリジノン 、 4ージフルォロメチルー 2 ォキサゾリジノン、 5 ジフルォロメチルー 2 ォキサゾリ ジノン、 4 フルォロメチルー 4 フルオロー 2 ォキサゾリジノン、 4 フルォロメチル —5 フルオロー 2—ォキサゾリジノン、 4— (2 フルォロェチル) 2—ォキサゾリジ ノン、 5— (2 フルォロェチル) 2—ォキサゾリジノン、 4— (2, 2 ジフルォロェチ ル)—2—ォキサゾリジノン、 5- (2, 2 ジフルォロェチル)—2—ォキサゾリジノン、 4 フルォロメチル 3 メチル 2 ォキサゾリジノン、 5 フルォロメチル 3—メチ ルー 2 ォキサゾリジノン、 4ージフルォロメチルー 3—メチルー 2 ォキサゾリジノン、 5 ジフルォロメチル 3 メチル 2 ォキサゾリジノン、 4 フルォロメチル 4 フルォロ 3 メチル 2 ォキサゾリジノン、 4 フルォロメチル 5 フルォロ 3 ーメチルー 2 ォキサゾリジノン、 4一(2 フルォロェチル) 3—メチルー 2 ォキサ ゾリジノン、 5—(2 フルォロェチル)ー3—メチルー 2 ォキサゾリジノン、 4 (2, 2 ージフルォロェチル)ー3—メチルー 2 ォキサゾリジノン、 5—(2, 2 ジフルォロェ チル)ー3—メチルー 2 ォキサゾリジノン、 4 フルォロメチルー 3 ェチルー 2—ォ キサゾリジノン、 5 フルォロメチルー 3 ェチルー 2 ォキサゾリジノン、 4ージフル ォロメチル 3 ェチル 2 ォキサゾリジノン、 5 ジフルォロメチル 3 ェチル 2 ォキサゾリジノン、 4 フルォロメチル 4 フルォロ 3 ェチル 2 ォキサ ゾリジノン、 4 フルォロメチルー 5 フルオロー 3 ェチルー 2 ォキサゾリジノン、 4 - (2 フルォロェチル) 3 ェチル 2—ォキサゾリジノン、 5— (2 フルォロェチ ル) 3 ェチルー 2 ォキサゾリジノン、 4 (2, 2 ジフルォロェチル)ー3 ェチ ルー 2 ォキサゾリジノン、 5—(2, 2 ジフルォロェチル) 3 ェチルー 2 ォキサ ゾリジノン、 3 フルォロメチルー 2 ォキサゾリジノン、 3 ジフルォロメチルー 2—ォ キサゾリジノン、 3- (2 フルォロェチル) 2—ォキサゾリジノン、 3- (2, 2 ジフル ォロェチル) 2 ォキサゾリジノン、 4 フルォロメチルー 3 フルォロメチルー 2— ォキサゾリジノン、 5 フルォロメチルー 3 フルォロメチルー 2 ォキサゾリジノン、 4
- (2 フルォロェチル) 3 フルォロメチル一 2—ォキサゾリジノン、 5— (2 フル ォロェチル) 3 フルォロメチルー 2 ォキサゾリジノン、 4 フルォロメチルー 3— ( 2, 2, 2—トリフルォロェチル)—2—ォキサゾリジノン、
[0130] 4 フルォロメチルー 2 イミダゾリジノン、 4ージフルォロメチルー 2 イミダゾリジノン 、 4— (2 フルォロェチル) 2—イミダゾリジノン、 4— (2, 2 ジフルォロェチル) 2 イミダゾリジノン、 4 フルォロメチルー 1ーメチルー 2 イミダゾリジノン、 4ージフ ルォロメチルー 1ーメチルー 2 イミダゾリジノン、 4一(2 フルォロェチル)一 1ーメ チルー 2 イミダゾリジノン、 4 (2, 2 ジフルォロェチル) 1ーメチルー 2 イミダ ゾリジノン、 5 フルォロメチルー 1ーメチルー 2 イミダゾリジノン、 5 ジフルォロメチ ルー 1ーメチルー 2 イミダゾリジノン、 5—(2 フルォロェチル) 1ーメチルー 2— イミダゾリジノン、 5—(2, 2 ジフルォロェチル) 1ーメチルー 2 イミダゾリジノン、 4 フルォロメチルー 1, 3 ジメチルー 2 イミダゾリジノン、 4ージフルォロメチルー 1, 3 ジメチルー 2 イミダゾリジノン、 4 (2 フルォロェチル) 1, 3 ジメチル 2 イミダゾリジノン、 4ー(2, 2 ジフルォロェチル) 1, 3 ジメチルー 2 イミダ ゾリジノン、 1 フルォロメチルー 2—イミダゾリジノン、 1ージフルォロメチルー 2—イミ ダゾリジノン、 1一(2—フルォロェチル) 2—イミダゾリジノン、 1ー(2, 2—ジフルォ ロェチノレ) 2—イミダゾリジノン、
[0131] 3 フルォロメチルテトラヒドロフランー2 オン、 3 ジフルォロメチルテトラヒドロフラ ン一 2—オン、 3— (2 フルォロェチル)テトラヒドロフラン一 2—オン、 3— (2, 2 ジ フルォロェチル)テトラヒドロフラン 2 オン、 4 フルォロメチルテトラヒドロフラン 2 オン、 4ージフルォロメチルテトラヒドロフラン一 2 オン、 4一(2 フルォロェチル )テトラヒドロフラン一 2—オン、 4— (2, 2 ジフルォロェチル)テトラヒドロフラン一 2— オン、 5 フルォロメチルテトラヒドロフラン 2 オン、 5 ジフルォロメチルテトラヒド 口フランー2 オン、 5—(2 フルォロェチル)テトラヒドロフラン 2 オン、 5— (2, 2 ジフノレオロェチノレ)テトラヒドロフラン 2—オン、
[0132] 3 フルォロメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 3 ジフルォロメチルテトラヒドロピ ロールー2 オン、 3—(2 フルォロェチル)テトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 3— (2 , 2 ジフルォロェチル)テトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4 フルォロメチルテトラヒド
口ピロ一ルー 2 オン、 4ージフルォロメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4 (2 フルォロェチル)テトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4 (2, 2 ジフルォロェチル)テ トラヒドロピロ一ルー 2 オン、 5 フルォロメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 5— ジフルォロメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 5—(2 フルォロェチル)テトラヒド 口ピロ一ルー 2 オン、 5—(2, 2 ジフルォロェチル)テトラヒドロピロ一ルー 2 オン 、 3 フルォロメチルー 1ーメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 3 ジフルォロメチ ルー 1—メチルテトラヒドロピロール一 2—オン、 3— (2 フルォロェチル) 1—メチ ルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 3—(2, 2 ジフルォロェチル) 1ーメチルテトラ ヒドロピロ一ノレ 2 オン、 4ーフノレオロメチノレー 1ーメチノレテトラヒドロピロ一ノレ 2— オン、 4ージフルォロメチルー 1ーメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4一(2 フ ルォロェチル) 1ーメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4 (2, 2 ジフルォロェ チル) 1ーメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 5 フルォロメチルー 1ーメチルテ トラヒドロピロ一ノレ 2 オン、 5 ジフノレオロメチノレー 1ーメチノレテトラヒドロピロ一ノレ —2—オン、 5— (2 フルォロェチル) 1—メチルテトラヒドロピロール一 2—オン、 5 一(2, 2 ジフルォロェチル) 1ーメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 3 フル ォロメチル 1 ェチルテトラヒドロピロール 2 オン、 3 ジフルォロメチル 1 ェチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 3—(2 フルォロェチル) 1ーェチルテトラ ヒドロピロ一ルー 2 オン、 3—(2, 2 ジフルォロェチル) 1ーェチルテトラヒドロピ ロール 2 オン、 4 フルォロメチルー 1ーェチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4 ージフルォロメチルー 1ーェチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4一(2 フルォロェ チル) 1ーェチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4 (2, 2 ジフルォロェチル) 1 ェチルテトラヒドロピロール 2 オン、 5 フルォロメチル 1 ェチルテトラヒド 口ピロ一ノレ 2 オン、 5 ジフルォロメチル 1 ェチルテトラヒドロピロール 2— オン、 5—(2 フルォロェチル) 1ーェチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 5— (2 , 2—ジフルォロェチル) 1ーェチルテトラヒドロピロ一ルー 2—オン、 1 フルォロメ チルテトラヒドロピロール 2—オン、 1 ジフルォロメチルテトラヒドロピロール 2— オン、 1一(2—フルォロェチル)テトラヒドロピロ一ルー 2—オン、 1ー(2, 2—ジフルォ ロェチル)テトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 3 ジフルォロメチルー 1ーメチルテトラヒド
口ピロ一ノレ一 2—オン、 3— (2 フノレオ口ェチル) 1—メチノレテトラヒドロピロ一ノレ一 2 オン、 3—(2, 2 ジフルォロェチル) 1ーメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン 、 3 フルォロメチルー 1 フルォロメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 3 ジフル ォロメチルー 1 フルォロメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 3—(2 フルォロェ チル) 1 フルォロメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 3—(2, 2 ジフルォロェ チル) 1 フルォロメチルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4 フルォロメチルー 1 フルォロメチルテトラヒドロピロール 2 オン、 4 ジフルォロメチル 1 フルォロメ チルテトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4一(2 フルォロェチル) 1 フルォロメチル テトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 4 (2, 2 ジフルォロェチル) 1 フルォロメチル テトラヒドロピロ一ルー 2 オン、 5 フルォロメチルー 1 フルォロメチルテトラヒドロピ 口一ノレ 2 オン、 5 ジフノレオ口メチノレ 1 フノレオ口メチノレテトラヒドロピロ一ノレ 2 オン、 5—(2 フルォロェチル) 1 フルォロメチルテトラヒドロピロ一ルー 2— オン、 5—(2, 2 ジフルォロェチル) 1 フルォロメチルテトラヒドロピロ一ルー 2— オンなどが挙げられる。
[0133] これらの中でも、窒素原子を含まないもの、例えば、フルォロメチルエチレンカーボ ネート、ジフルォロメチルエチレンカーボネート、(2—フルォロェチル)エチレンカー ボネート、 (2, 2 ジフルォロェチル)エチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル) 4 フルォロエチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル) 5—フルォロエチレン力 ーボネート、 3 フルォロメチルテトラヒドロフランー2 オン、 3 ジフルォロメチルテ トラヒドロフラン一 2—オン、 3— (2 フルォロェチル)テトラヒドロフラン一 2—オン、 3 (2, 2 ジフルォロェチル)テトラヒドロフラン 2 オン、 4 フルォロメチルテトラヒ ドロフラン一 2—オン、 4 ジフルォロメチルテトラヒドロフラン一 2—オン、 4— (2 フ ルォロェチル)テトラヒドロフラン 2 オン、 4 (2, 2 ジフルォロェチル)テトラヒド 口フランー2 オン、 5 フルォロメチルテトラヒドロフランー2 オン、 5 ジフルォロメ チルテトラヒドロフラン 2 オン、 5—(2 フルォロェチル)テトラヒドロフラン 2— オン、 5- (2, 2 ジフルォロェチル)テトラヒドロフラン一 2—オン等が安定性上好ま しい。
[0134] さらに、フルォロメチルエチレンカーボネート、ジフルォロメチルエチレンカーボネー
ト、 3 フルォロメチルテトラヒドロフラン 2 オン、 4 フルォロメチルテトラヒドロフラ ン一 2—オン、 5 フルォロメチルテトラヒドロフラン一 2—オン力 特に安定性が高い ため、より好ましい。
なお、式(2)で表される特定ィ匕合物(2)は、非水系電解液中に、 1種を単独で用い てもよく、 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良 ヽ。
[0135] また、本発明の第二の非水系電解液に特定化合物(2)を含有させる場合、その配 合量は、本発明の第二の非水系電解液に対して、通常 0. 01重量%以上、好ましく は 0. 1重量%以上、また、通常 10重量%以下、好ましくは 5重量%以下とする。上記 範囲の下限を下回ると本発明の第二の非水系電解液を非水系電解液二次電池に 用いた場合にその非水系電解液二次電池が十分なサイクル特性向上効果を発現し えなくなり、上限を上回ると非水系電解液内での反応性が上昇し、上記の非水系電 解液二次電池の電池特性が低下する。
[0136] 上記の特定化合物(2)を非水系電解液に含有させると、その非水系電解液を用い た非水系電解液二次電池の充放電サイクル特性を向上させることが可能となる。この 理由の詳細は明らかではないが、次のように推定される。
即ち、非水系電解液中に特定化合物(2)を含有させると、その非水系電解液を用 V、た非水系電解液二次電池にお!、て上記の特定化合物(2)が反応し、負極活物質 の表面に良好な保護皮膜層を形成し、これにより副反応が抑えられ、サイクル劣化が 抑制されるものと推察される。そして、式 (2)で表される特定ィ匕合物(2)中の特定置 換アルキル基 Rfの 1つ以上の末端炭素に水素とフッ素とが同時に存在する事力 何 らかの形で保護皮膜の特性を向上させる事に寄与しているものと推察される。
[0137] ところで、上記の式(2)で表される特定ィ匕合物(2)の群に含まれる化合物を用いた 非水系電解液は、特許文献 6, 7にも記載されている。しかし、特許文献 6, 7におい ては特定ィヒ合物(2)を 0. 01重量%以上 10重量%以下という所定の濃度範囲で用 V、ることにより本発明のような顕著な効果を得る構成につ!、ては記載されて!、な!/、。 しカゝも、特許文献 6の実際のデバイスを用いた評価においては、物理的蓄電デバィ スである電気二重層キャパシタにおいてその効果を確認している。また、特許文献 7 では、化学電池にぉ 、てその効果を確認しては ヽな 、。
[0138] なお、特定ィ匕合物(2)の製造方法に制限は無ぐ公知の方法を任意に用いることが できる。
[0139] [II- 2.所定カーボネート]
本発明の第二の非水系電解液は、所定カーボネートを含有することが好ましい。本 発明の第二の非水系電解液に係る所定カーボネートは、不飽和結合及びハロゲン 原子のうち少なくとも一方を有するカーボネートである。即ち、本発明の第二の非水 系電解液に係る所定カーボネートは、カーボネートであれば、不飽和結合のみを有 していてもよぐハロゲン原子のみを有していてもよぐ不飽和結合及びハロゲン原子 の双方を有して 、てもよ 、。
ただし、本発明の第二の非水系電解液に所定カーボネートを含有させる場合、所 定カーボネートからは、特定化合物(2)は除くものとする。即ち、上述した特定ィ匕合 物(2)の定義に該当する化合物は、本発明の第二の非水系電解液においては所定 カーボネートとしては取り扱わな 、ものとする。
[0140] 所定カーボネートの中でも、不飽和結合を有する所定カーボネート(これを適宜「所 定不飽和カーボネート」と略称する。)としては、炭素-炭素二重結合や炭素-炭素 三重結合等の炭素 炭素不飽和結合を有するカーボネートであればその他に制限 は無ぐ特定ィ匕合物(2)以外の任意のカーボネートを用いることができる。なお、芳香 環を有するカーボネートも、不飽和結合を有する所定不飽和カーボネートに含まれる ものとする。
[0141] 所定不飽和カーボネートの例としては、ビ-レンカーボネート誘導体類、芳香環又 は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート誘導 体類、フエ-ルカーボネート類、ビュルカーボネート類、ァリルカーボネート類等が挙 げられる。
[0142] ビ-レンカーボネート誘導体類の具体例としては、ビ-レンカーボネート、メチルビ 二レンカーボネート、 4, 5—ジメチルビ-レンカーボネート、フエ-ルビ-レンカーボ ネート、 4, 5—ジフエ-ルビ-レンカーボネート、等が挙げられる。
[0143] また、芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレン力 ーボネート誘導体類の具体例としては、ビュルエチレンカーボネート、 4, 5—ジビ-
ノレエチレンカーボネート、フエニノレエチレンカーボネート、 4, 5—ジフエニノレエチレン カーボネート、等が挙げられる。
[0144] さらに、フエ-ルカーボネート類の具体例としては、ジフエニルカーボネート、ェチル フエニルカーボネート、メチルフエニルカーボネート、 t ブチルフエニルカーボネート 、等が挙げられる。
[0145] また、ビュルカーボネート類の具体例としては、ジビュルカーボネート、メチルビ- ルカーボネート、等が挙げられる。
さらに、ァリルカーボネート類の具体例としては、ジァリルカーボネート、ァリルメチ ルカーボネート、等が挙げられる。
[0146] これらの所定不飽和カーボネートの中でも、所定カーボネートとしては、ビニレン力 ーボネート誘導体類、芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換さ れたエチレンカーボネート誘導体類が好ましぐ特に、ビ-レンカーボネート、 4, 5— ジフエ-ルビ-レンカーボネート、 4, 5—ジメチルビ-レンカーボネート、ビニルェチ レンカーボネートは、安定な界面保護皮膜を形成するので、より好適に用いられる。
[0147] 一方、所定カーボネートの中でも、ハロゲン原子を有する所定カーボネート (これを 適宜「所定ハロゲンィ匕カーボネート」と略称する。)としては、ハロゲン原子を有するも のであれば、その他に特に制限は無く用いることができる。
[0148] 所定ノ、ロゲン化カーボネートが有するハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子
、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。この中でも、好ましくはフッ素原子 又は塩素原子であり、フッ素原子が特に好ましい。
また、所定ハロゲンィ匕カーボネートが有するハロゲン原子の数も、 1以上であれば 特に制限されないが、通常 6以下、好ましくは 4以下である。所定ハロゲンィ匕カーボネ ートが複数のハロゲン原子を有する場合、それらは互いに同一でもよぐ異なってい てもよい。
[0149] 所定ノヽロゲン化カーボネートの例としては、エチレンカーボネート誘導体類、ジメチ ルカーボネート誘導体類、ェチルメチルカーボネート誘導体類、ジェチルカーボネー ト誘導体類等が挙げられる。
[0150] エチレンカーボネート誘導体類の具体例としては、フルォロエチレンカーボネート、
クロ口エチレンカーボネート、 4, 4 ジフノレオ口エチレンカーボネート、 4, 5—ジフノレ ォロエチレンカーボネート、 4, 4ージクロ口エチレンカーボネート、 4, 5—ジクロロェ チレンカーボネート、 4ーフノレオロー 4ーメチノレエチレンカーボネート、 4 クロロー 4 メチルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4 メチルエチレンカーボネート 、 4, 5—ジクロロー 4 メチルエチレンカーボネート、 4 フルオロー 5—メチルェチレ ンカーボネート、 4 クロロー 5—メチノレエチレンカーボネート、 4, 4ージフノレオロー 5 メチルエチレンカーボネート、 4, 4ージクロロー 5—メチルエチレンカーボネート、 4 (クロロメチノレ) エチレンカーボネート、 4 (ジクロロメチノレ) エチレンカーボネ ート、 4 (トリフルォロメチル) エチレンカーボネート、 4 (トリクロロメチル)ーェチ レンカーボネート、 4 (クロロメチノレ)ー4 クロ口エチレンカーボネート、 4 (クロロメ チル) 5—クロ口エチレンカーボネート、 4—フルオロー 4, 5—ジメチルエチレン力 ーボネート、 4 クロロー 4, 5—ジメチルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4, 5—ジメチルエチレンカーボネート、 4, 5—ジクロロー 4, 5—ジメチルエチレン力 ーボネート、 4, 4ージフルオロー 5, 5—ジメチルエチレンカーボネート、 4, 4ージクロ ロー 5, 5—ジメチルエチレンカーボネート、等が挙げられる。
[0151] また、ジメチルカーボネート誘導体類の具体例としては、フルォロメチルメチルカ一 ボネート、ジフルォロメチルメチルカーボネート、トリフルォロメチルメチルカーボネー ト、ビス(フルォロメチル)カーボネート、ビス(ジフルォロ)メチルカーボネート、ビス(ト リフルォロ)メチルカーボネート、クロロメチルメチルカーボネート、ジクロロメチルメチ ノレカーボネート、トリクロロメチノレメチノレカーボネート、ビス(クロロメチノレ)カーボネート 、ビス(ジクロ口)メチルカーボネート、ビス(トリクロ口)メチルカーボネート、等が挙げら れる。
[0152] さらに、ェチルメチルカーボネート誘導体類の具体例としては、 2 フルォロェチル メチノレカーボネート、ェチルフルォロメチルカーボネート、 2—フルォロェチルフルォ ロメチルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルメチルカーボネート、ェチルジフルォ ロメチルカーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルメチルカーボネート、 2—フルォ 口ェチルジフノレオロメチノレカーボネート、ェチルトリフノレオロメチノレカーボネート、 2- クロロェチノレメチノレカーボネート、ェチノレクロロメチノレカーボネート、 2, 2—ジクロロェ
チノレメチノレカーボネート、 2—クロロェチノレクロロメチノレカーボネート、ェチノレジクロ口 メチノレカーボネート、 2, 2, 2—トリクロ口ェチルメチルカーボネート、 2, 2—ジクロロェ チノレクロロメチノレカーボネート、 2—クロロェチノレジクロロメチノレカーボネート、ェチノレト リクロロメチルカーボネート、等が挙げられる。
[0153] また、ジェチルカーボネート誘導体類の具体例としては、ェチルー(2 フルォロェ チル)カーボネート、ビス(2—フルォロェチル)カーボネート、 2, 2—ジフルォロェチ ノレェチノレカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルー 2,一フルォロェチルカーボネート 、ビス(2, 2—ジフルォロェチル)カーボネート、ェチルー(2, 2, 2—トリフルォロェチ ル)カーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルー 2'—フルォロェチルカーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルー 2' , 2,ージフルォロェチルカーボネート、ビス(2, 2, 2—トリフルォロェチル)カーボネート、ェチノレー(2—クロロェチル)カーボネート、ェ チルー(2, 2—ジクロロェチル)カーボネート、ビス(2—クロロェチル)カーボネート、 ェチルー(2, 2, 2—トリクロロェチル)カーボネート、 2, 2—ジクロロェチルー 2,ーク ロロェチノレカーボネート、ビス(2, 2—ジクロロェチノレ)カーボネート、 2, 2, 2—トリク ロロェチノレ一 2,一クロロェチノレカーボネート、 2, 2, 2—トリクロロェチノレ一 2,, 2'― ジクロロェチルカーボネート、ビス(2, 2, 2—トリクロロェチル)カーボネート、等が挙 げられる。
[0154] これらの所定ハロゲン化カーボネートの中でも、フッ素原子を有するカーボネートが 好ましぐフッ素原子を有するエチレンカーボネート誘導体類が更に好ましぐ特にフ ルォロエチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル) エチレンカーボネート、 4, 4 ジフルォロエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルォロエチレンカーボネートは、界面保 護皮膜を形成するので、より好適に用いられる。
[0155] 更に、所定カーボネートとしては、不飽和結合とハロゲン原子とを共に有するカーボ ネート (これを適宜「所定ハロゲン化不飽和カーボネート」と略称する。)を用いることも できる。所定ハロゲンィ匕不飽和カーボネートとしては、特に制限は無ぐ本発明の効 果を著しく損なわない限り、任意のハロゲンィ匕不飽和カーボネートを用いることができ る。
[0156] 所定ノヽロゲン化不飽和カーボネートの例としては、ビ-レンカーボネート誘導体類、
芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネ ート誘導体類、フエ-ルカーボネート類、ビュルカーボネート類、ァリルカーボネート 類等が挙げられる。
[0157] ビ-レンカーボネート誘導体類の具体例としては、フルォロビニレンカーボネート、 4 -フルォロ 5—メチルビ-レンカーボネート、 4 -フルォロ 5—フエ二ルビ-レン カーボネート、クロロビニレンカーボネート、 4 クロロー 5—メチノレビ二レンカーボネ ート、 4 クロロー 5—フエ-ルビ-レンカーボネート、等が挙げられる。
[0158] また、芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレン力 ーボネート誘導体類の具体例としては、 4 フルオロー 4 ビュルエチレンカーボネ ート、 4 フルオロー 5—ビュルエチレンカーボネート、 4, 4ージフノレオロー 4ービ- ルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4 ビュルエチレンカーボネート、 4 クロロー 5—ビニノレエチレンカーボネート、 4, 4ージクロロー 4ービニノレエチレンカー ボネート、 4, 5—ジクロロー 4 ビュルエチレンカーボネート、 4 フルオロー 4, 5— ジビュルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4, 5—ジビュルエチレンカーボ ネート、 4—クロ口一 4, 5—ジビュルエチレンカーボネート、 4, 5—ジクロロ一 4, 5— ジビュルエチレンカーボネート、 4 フルオロー 4 フエ-ルエチレンカーボネート、 4 ーフノレオロー 5—フエ-ノレエチレンカーボネート、 4, 4ージフノレオロー 5—フエ-ノレェ チレンカーボネート、 4, 5—ジフノレオロー 4 フエ-ノレエチレンカーボネート、 4 クロ ロー 4 フエニノレエチレンカーボネート、 4 クロロー 5—フエニノレエチレンカーボネー ト、 4, 4ージクロロー 5—フエニノレエチレンカーボネート、 4, 5—ジクロロー 4 フエ- ルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4, 5—ジフエ-ルエチレンカーボネー ト、 4, 5—ジクロロー 4, 5—ジフエ-ルエチレンカーボネート、等が挙げられる。
[0159] さらに、フエ-ルカーボネート類の具体例としては、フルォロメチルフエ-ルカーボ ネート、 2—フルォロェチルフエニルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルフエニル カーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルフエ-ルカーボネート、クロロメチノレフェニ ノレカーボネート、 2—クロロェチノレフエ二ノレカーボネート、 2, 2—ジクロロェチノレフエ二 ルカーボネート、 2, 2, 2—トリクロ口ェチルフエ-ルカーボネート、等が挙げられる。
[0160] また、ビュルカーボネート類の具体例としては、フルォロメチルビ-ルカーボネート、
2—フルォロェチルビ-ルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルビ-ルカーボネー ト、 2, 2, 2—トリフルォロェチルビ-ルカーボネート、クロロメチルビ-ルカーボネート 、 2—クロロェチルビ二ノレカーボネート、 2, 2—ジクロロェチルビ二ノレカーボネート、 2 , 2, 2—トリクロロェチルビ-ルカーボネート、等が挙げられる。
[0161] さらに、ァリルカーボネート類の具体例としては、フルォロメチルァリルカーボネート 、 2—フルォロェチルァリルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルァリルカーボネー ト、 2, 2, 2—トリフルォロェチルァリルカーボネート、クロロメチルァリルカーボネート、 2—クロロェチルァリルカーボネート、 2, 2—ジクロロェチルァリルカーボネート、 2, 2 , 2—トリクロロェチルァリルカーボネート、等が挙げられる。
[0162] 上述した所定ノ、ロゲンィ匕不飽和カーボネートの例の中でも、所定カーボネートとし ては、単独で用いた場合に効果が高いビ-レンカーボネート、ビュルエチレンカーボ ネート、フルォロエチレンカーボネート及びジフルォロエチレンカーボネート、並びに これらの誘導体よりなる群力 選ばれる 1種以上のものを用いることが特に好ましい。 また、ジフルォロエチレンカーボネートの中でも特に 4, 5—ジフルォロエチレンカー ボネートが好ましい。
[0163] なお、所定カーボネートの分子量に特に制限は無ぐ本発明の効果を著しく損なわ ない限り任意である力 通常 50以上、好ましくは 80以上、また、通常 250以下、好ま しくは 150以下である。分子量が大き過ぎると、非水系電解液に対する所定カーボネ ートの溶解性が低下し、本発明の効果を十分に発現し難くなる可能性がある。
[0164] また、所定カーボネートの製造方法にも特に制限は無ぐ公知の方法を任意に選 択して製造することが可能である。
[0165] 以上説明した所定カーボネートについても、本発明の第二の非水系電解液中に、 何れ力 1種を単独で含有させてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併 有させてもよい。
[0166] また、本発明の第二の非水系電解液に対する所定カーボネートの配合量に制限は 無ぐ本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の第二の非水系 電解液に対して、通常 0. 01重量%以上、好ましくは 0. 1重量%以上、より好ましくは 0. 3重量%以上、また、通常 70重量%以下、好ましくは 50重量%以下、より好ましく
は 40重量%以下の濃度で含有させることが望ましい。この範囲の下限を下回ると、本 発明の第二の非水系電解液を非水系電解液二次電池に用いた場合に、その非水 系電解液二次電池が十分なサイクル特性向上効果を発現し難くなる可能性があり、 また、所定カーボネートの比率が大き過ぎると、本発明の第二の非水系電解液を非 水系電解液二次電池に用いた場合に、その非水系電解液二次電池の高温保存特 性及びトリクル充電特性が低下する傾向があり、特に、ガス発生量が多くなり、放電容 量維持率が低下する可能性がある。
[0167] さらに、本発明の第二の非水系電解液において、特定化合物(2)と所定カーボネ ートとの比率も任意である力 「特定化合物(2)の重量 Z所定カーボネートの重量」 で表わされる両者の相対重量比力 通常 0. 0001以上、好ましくは 0. 001以上、より 好ましくは 0. 01以上、また、通常 1000以下、好ましくは 100以下、より好ましくは 10 以下の範囲であることが望ましい。上記相対重量比が低過ぎても高過ぎても、相乗効 果が得られ難くなる可能性がある。
[0168] 上記の特定化合物(2)と所定カーボネートとを非水系電解液に含有させると、その 非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池の充放電サイクル特性を向上させる ことが可能となる。この理由の詳細は明らかではないが、次のように推定される。即ち 、非水系電解液中に含まれる特定ィ匕合物(2)と所定カーボネートとがともに反応する 事によって、負極活物質の表面に良好な保護皮膜層を形成し、これにより副反応が 抑えられ、サイクル劣化が抑制されるものと推察される。詳細は不明であるが、特定 化合物(2)と所定カーボネートとが同時に電解液中に存在することで、何らかの形で 保護皮膜の特性を向上させることに寄与しているものと推察される。
[0169] [II 3.非水溶媒]
本発明の第二の非水系電解液が含有し得る非水溶媒としては、本発明の効果を著 しく損なわない範囲において、任意のものを用いることができる。なお、上述した特定 化合物(2)を非水溶媒として用いることも可能であり、所定カーボネートを非水溶媒と して用いることも可能である。また、非水溶媒 (特定化合物(2)及び所定カーボネート を含む)は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併 用してちょい。
[0170] 通常使用される非水溶媒の例としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、鎖 状及び環状カルボン酸エステル、鎖状及び環状エーテル類、含リン有機溶媒、含硫 黄有機溶媒などが挙げられる。
[0171] 環状カーボネートに制限は無いが、通常使用されるものの例としては、エチレン力 ーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。これらの うち、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが、誘電率が高いため溶質が溶 解しやすぐ非水系電解液二次電池にしたときにサイクル特性が良い点で好ましい。
[0172] また、鎖状カーボネートにも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、ジメ チノレカーボネート、ェチルメチルカーボネート、ジェチノレカーボネート、メチルー n— プロピルカーボネート、ェチルー n プロピルカーボネート、ジー n プロピルカーボ ネート等が挙げられる。中でも、ジメチルカーボネート、ェチルメチルカーボネート、ジ ェチノレカーボネート、メチルー n プロピルカーボネート、ェチルー n プロピルカー ボネートが好ましぐ特にジメチルカーボネート、ェチルメチルカーボネート、ジェチ ルカーボネートが非水系電解液二次電池にしたときにサイクル特性が良い点で好ま しい。
[0173] さらに、鎖状カルボン酸エステルにも制限は無いが、通常使用されるものの例として は、酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸—n—プロピル、酢酸 i プロピル、酢酸 n— ブチル、酢酸 iーブチル、酢酸 tーブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ェ チル、プロピオン酸ー n—プロピル、プロピオン酸—i—プロピル、プロピオン酸ー n— ブチル、プロピオン酸ー iーブチル、プロピオン酸ー t ブチル等が挙げられる。これ らの中でも、酢酸ェチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ェチルがより好ましい。
[0174] また、環状カルボン酸エステルにも制限は無いが、通常使用されるものの例として は、 Ί—ブチ口ラタトン、 y—バレロラタトン、 δ—バレロラタトン等が挙げられる。これ らの中でも、 γ ブチロラタトンがより好ましい。
[0175] さらに、鎖状エーテルにも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、ジメト キシメタン、ジメトキシェタン、ジェトキシメタン、ジエトキシェタン、エトキシメトキシメタ ン、エトキシメトキシェタン等が挙げられる。これらの中でも、ジメトキシェタン、ジェトキ シェタンがより好ましい。
[0176] また、環状エーテルにも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、テトラヒド 口フラン、 2—メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。
[0177] さらに、含リン有機溶媒にも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、リン 酸トリメチル、リン酸トリェチル、リン酸トリフエニル等のリン酸エステル類;亜リン酸トリメ チル、亜リン酸トリェチル、亜リン酸トリフエ-ル等の亜リン酸エステル類;トリメチルホ スフインォキシド、トリェチルホスフィンォキシド、トリフエ-ルホスフィンォキシド等のホ スフインォキシド類などが挙げられる。
[0178] また、含硫黄有機溶媒にも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、ェチ レンサノレフアイト、 1, 4ープロノ ンスノレトン、 1, 4 ブタンスノレトン、メタンスノレホン酸メ チル、ブスノレファン、スノレホラン、スノレホレン、ジメチルスルホン、ジフエニルスルホン、 メチルフエ-ルスルホン、ジブチルジスルフイド、ジシクロへキシルジスルフイド、テトラ メチルチウラムモノスルフイド、 N, N ジメチルメタンスルホンアミド、 N, N ジェチ ルメタンスルホンアミド等が挙げられる。
[0179] これらの中でも、環状カーボネートであるエチレンカーボネート及び Z又はプロピレ ンカーボネートを用いる事が好ましぐさらに、これらと鎖状カーボネートを混合して用 いることがより好ましい。
[0180] また、このように環状カーボネートと鎖状カーボネートとを非水溶媒として併用する 場合、本発明の第二の非水系電解液中の非水溶媒中にしめる鎖状カーボネートの 好適な含有量は、通常 30体積%以上、好ましくは 50体積%以上、また、通常 95体 積%以下、好ましくは 90体積%以下である。一方、本発明の第二の非水系電解液中 の非水溶媒中にしめる環状カーボネートの好適な含有量は、通常 5体積%以上、好 ましくは 10体積%以上、また、通常 50体積%以下、好ましくは 40体積%以下である 。この範囲よりも鎖状カーボネートが少なすぎると本発明の第二の非水系電解液の粘 度が上昇する可能性があり、多すぎると電解質であるリチウム塩の解離度が低下して 、本発明の第二の非水系電解液の電気伝導率が低下する可能性がある。
[0181] [II 4.電解質]
本発明の第二の非水系電解液に用いる電解質は、本発明の第一の非水系電解液 と同様である。
[0182] [II 5.添加剤]
本発明の第二の非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において 、各種の添加剤を含有していることが好ましい。この添加剤としては、従来公知のもの を任意に用いることができ、また、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み 合わせ及び比率で併用してもよい。添加剤の例としては、過充電防止剤や、高温保 存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤などが挙げられる。
[0183] 過充電防止剤としては、例えば、ビフエ-ル、アルキルビフエ-ル、ターフェ-ル、タ 一フエ-ルの部分水素化体、シクロへキシルベンゼン、 t ブチルベンゼン、 t—アミ ルベンゼン、ジフエ-ルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物; 2—フルォロビ フエ二ノレ、 o シクロへキシノレフノレオ口ベンゼン、 p シクロへキシノレフノレオ口ベンゼン 等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物; 2, 4 ジフルォロア-ノール、 2, 5 ジ フルォロア-ノール、 2, 6 ジフルォロア-オール等の含フッ素ァ-ソール化合物な どが挙げられる。
なお、過充電防止剤は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ 及び比率で併用してもよ!、。
[0184] また、本発明の第二の非水系電解液が過充電防止剤を含有する場合、その濃度 は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液全体に対して 通常 0. 1重量%〜5重量%である。非水系電解液に過充電防止剤を含有させること は、過充電による非水系電解液二次電池の破裂'発火を抑制することができ、非水 系電解液二次電池の安全性が向上するので好ましい。
[0185] 一方、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤としては 、例えば、ビ-レンカーボネート、ビュルエチレンカーボネート、フルォロエチレン力 ーボネート、ジフルォロエチレンカーボネート、 4 (トリフルォロメチル) エチレン力 ーボネート、フエニノレエチレンカーボネート、エリスリタンカーボネート、スピロービス ジメチレンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無 水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水ィタコン酸、無水ジグリコー ル酸、シクロへキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物 、フエ-ルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、 1, 4 プロ
パンスルトン、 1, 4 ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホラ ン、スノレホレン、ジメチノレスノレホン、ジフエニノレスノレホン、メチノレフエニノレスノレホン、ジ ブチルジスルフイド、ジシクロへキシルジスルフイド、テトラメチルチウラムモノスルフィ ド、 N, N ジメチルメタンスルホンアミド及び N, N ジェチルメタンスルホンアミド等 の含硫黄ィ匕合物; 1—メチル—2 ピロリジノン、 1—メチル—2 ピぺリドン、 4—メチ ルー 2 ォキサゾリジノン、 1, 4 ジメチルー 2 イミダゾリジノン、 N—メチルスクシィ ミド等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物、フ ルォロベンゼン、ジフルォロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等の含フッ素芳香族化 合物などが挙げられる。
[0186] なお、助剤は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率 で併用してもよい。
[0187] また、本発明の第二の非水系電解液が助剤を含有する場合、その濃度は本発明 の効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液全体に対して通常 0. 1 重量%〜5重量%である。
[0188] [III.第三の非水系電解液]
本発明の第三の非水系電解液は、非水溶媒中に下記式 (3)で表わされる化合物( 以下適宜、「特定化合物(3)」という)を、少なくとも 1種含有するものである。また、本 発明の第三の非水系電解液は通常は電解質を含有し、さらに、適宜、所定カーボネ ート及び添加剤を含有する。
[化 9]
b) / S ( 3 )
(上記式(3)において、 Xbは酸素または窒素を表わし、 Rbは水素又は置換若しくは無 置換のアルキル基を表わす。また、 Xbが酸素である場合には sは 1であり、 Xbが窒素
である場合には sは 2である。 )
[0189] [III 1.特定化合物(3) ]
本発明の第三の非水系電解液に力かる特定ィ匕合物(3)は、上記の式 (3)で表わさ れる化合物である。
上記式(3)において、 Xbは酸素または窒素を表わす。
また、上記式(3)において、 Rbは水素、又は、置換若しくは無置換のアルキル基を 表わす。
[0190] Rbがアルキル基である場合、そのアルキル基は直鎖状でもよぐ分岐状でもよぐ環 状でもよい。ただし、分岐鎖をもっと分解性が高くなる可能性があるため、このアルキ ル基は分岐鎖を有さな 、直鎖状のアルキル基であることが望ま 、。
[0191] さらに、 Rbが置換されたアルキル基である場合、置換基としては、本発明の効果を 著しく損なわない限り任意の基を用いることができる。例えば、フッ素、アルコシキル 基、アルコキシカルボキシル基、アルキルカルボキシル基等を挙げることができる。な お、これらの置換基は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及 び比率で併用してもよい。
[0192] また、 Rbが有する炭素の数にも制限は無ぐ本発明の効果を著しく損なわない限り 任意である。ただし、 Rbの分子量が大きくなりすぎると、特定ィ匕合物(3)を本発明の 第三の非水系電解液に用いる場合の使用量に対する効果が薄れる可能性があるた め、 Rbの炭素数は、通常 10以下、好ましくは 5以下、より好ましくは 3以下であることが 望ましい。
[0193] さらに、上記式(3)において、 sは 1又は 2を表わす。詳しくは、 Xbが酸素である場合 には sは 1を表わし、 Xbが窒素である場合には sは 2を表わす。また、 sが 2である場合 には、式(3)において Rbは同種でもよぐ異なっていてもよい。
ただし、通常は、特定ィ匕合物(3)の有機物としての安定性を向上させることができる 点、特定化合物 (3)を電解液中に存在させた場合に形成される保護皮膜層の安定 性を向上させる点などから、 Rbとしては、無置換のアルキル基、または、フッ素原子の みで置換されたアルキル基を用いることが好まし 、。
[0194] Rbの具体例を挙げると、水素原子、メチル基、フルォロメチル基、ジフルォロメチル
基、ェチル基、 2—フルォロェチル基、 2, 2—ジフルォロェチル基、 2, 2, 2—トリフ ルォロェチル基、 n—プロピル基、 3—フルオロー n プロピル基、 3, 3—ジフルォロ —n—プロピル基、 3, 3, 3 トリフルオロー n—プロピル基、 i—プロピル基、 1, 1, 1 , 3, 3, 3—へキサフルオロー i—プロピル基などが挙げられる。
[0195] これらの中でも、容易に製造する事が可能であるために入手が容易である点から、 メチル基、ェチル基、 2—フルォロェチル基、 2, 2—ジフルォロェチル基、 2, 2, 2— トリフルォロェチル基、 n—プロピル基、 3—フルオロー n—プロピル基などが好ましく 、さら〖こはメチル基、ェチル基等力 Sもっとも好ましい。
[0196] 特定化合物(3)の具体例を挙げると、メチルー 3 フルォロプロピオネート、ェチル
3 フノレオ口プロピオネート、 2 フノレォロェチノレー 3 フノレオ口プロピオネート、 2 , 2 ジフルォロェチルー 3 フルォロプロピオネート、 2, 2, 2 トリフルォロェチル 3—フルォロプロピオネート、 n プロピル 3—フルォロプロピオネート、 3—フノレ オロー n—プロピルー3—フルォロプロピオネート、 3—フルォロプロピオンアミド、 N ーメチルー 3—フルォロプロピオンアミド、 N, N—ジメチルー 3—フルォロプロピオン アミド、 N ェチルー 3—フルォロプロピオンアミド、 N, N ジェチルー 3—フルォロ プロピオンアミド、 N—フルォロメチルー 3—フルォロプロピオンアミド、 N, N—ビス( フルォロメチル) 3 フルォロプロピオンアミド、 N- (2 フルォロェチル) 3 フ ノレォロプロピオンアミド、 N, N—ビス(2 フノレォロェチル) 3 フノレオ口プロピオン アミド、 N— (2, 2—ジフルォロェチル)—3—フルォロプロピオンアミド、 N, N ビス( 2, 2 ジフルォロェチル) 3 フルォロプロピオンアミド、 N— (2, 2, 2 トリフルォ 口ェチル) 3 フルォロプロピオンアミド、 N, N—ビス(2, 2, 2 トリフルォロェチル )一 3—フルォロプロピオンアミド、 N—n—プロピル 3—フルォロプロピオンアミド、 N, N ジ— n—プロピル— 3—フルォロプロピオンアミド、 N— (3—フルオロー n—プ 口ピル)—3—フルォロプロピオンアミド、 N, N ビス(3—フルオロー n—プロピル) - 3—フルォロプロピオンアミド、などが挙げられる。
[0197] これらの中でも、製造のしゃすさから、メチルー 3 フルォロプロピオネート、ェチル
3 フノレオ口プロピオネート、 2 フノレォロェチノレー 3 フノレオ口プロピオネート、 2 , 2, 2 トリフルォロェチルー 3 フルォロプロピオネート、 3 フルォロプロピオンァ
ミド、メチルー 3—フルォロプロピオンアミド、ェチルー 3—フルォロプロピオンアミドな どが好ましい。
なお、本発明の第三の非水系電解液に特定ィ匕合物 (3)を含有させる場合、特定ィ匕 合物(3)は、 1種を単独に用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併 用してちょい。
[0198] また、本発明の第三の非水系電解液に特定化合物(3)を含有させる場合、その配 合量は、本発明の第三の非水系電解液に対して、通常 0. 01重量%以上、好ましく は 0. 1重量%以上、また、通常 10重量%以下、好ましくは 5重量%以下とすることが 望ましい。上記範囲の下限を下回ると本発明の第三の非水系電解液を非水系電解 液二次電池に用いた場合にその非水系電解液二次電池が十分なサイクル特性向上 効果を発現しえなくなる可能性があり、上限を上回ると非水系電解液内での反応性 が上昇し、上記の非水系電解液二次電池の電池特性が低下する可能性がある。
[0199] 上記の特定化合物(3)を非水系電解液に含有させると、その非水系電解液を用い た非水系電解液二次電池の充放電サイクル特性を向上させることが可能となる。この 理由の詳細は明らかではないが、次のように推定される。即ち、非水系電解液中に 特定化合物(3)を含有させると、その非水系電解液を用いた非水系電解液二次電 池において上記の特定ィ匕合物(3)が反応し、負極活物質の表面に良好な保護皮膜 層を形成し、これにより副反応が抑えられ、サイクル劣化が抑制されるものと推察され る。また、この際、上記式 (3)で表される特定化合物(3)中の 1つ以上の末端炭素に 水素原子とフッ素原子とが同時に存在する事が、何らかの形で保護皮膜の特性を向 上する事に寄与して 、るものと推察される。
[0200] なお、特定ィ匕合物(3)の製造方法に制限は無ぐ公知の方法を任意に用いることが できる。
[0201] [III 2.所定カーボネート]
本発明の第三の非水系電解液は、所定カーボネートを含有することが好ましい。本 発明の第三の非水系電解液に係る所定カーボネートは、不飽和結合及びハロゲン 原子のうち少なくとも一方を有するカーボネートである。即ち、本発明の第三の非水 系電解液に係る所定カーボネートは、カーボネートであれば、不飽和結合のみを有
していてもよぐハロゲン原子のみを有していてもよぐ不飽和結合及びハロゲン原子 の双方を有して 、てもよ 、。
[0202] 所定カーボネートの中でも、不飽和結合を有する所定カーボネート(これを適宜「所 定不飽和カーボネート」と略称する。)としては、炭素-炭素二重結合や炭素-炭素 三重結合等の炭素 炭素不飽和結合を有するカーボネートであればその他に制限 は無ぐ特定ィ匕合物(3)以外の任意のカーボネートを用いることができる。なお、芳香 環を有するカーボネートも、不飽和結合を有する所定不飽和カーボネートに含まれる ものとする。
[0203] 所定不飽和カーボネートの例としては、ビ-レンカーボネート誘導体類、芳香環又 は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート誘導 体類、フエ-ルカーボネート類、ビュルカーボネート類、ァリルカーボネート類等が挙 げられる。
[0204] ビ-レンカーボネート誘導体類の具体例としては、ビ-レンカーボネート、メチルビ 二レンカーボネート、 4, 5—ジメチルビ-レンカーボネート、フエ-ルビ-レンカーボ ネート、 4, 5—ジフエ-ルビ-レンカーボネート、等が挙げられる。
[0205] また、芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレン力 ーボネート誘導体類の具体例としては、ビュルエチレンカーボネート、 4, 5—ジビ- ノレエチレンカーボネート、フエニノレエチレンカーボネート、 4, 5—ジフエニノレエチレン カーボネート、等が挙げられる。
[0206] さらに、フエ-ルカーボネート類の具体例としては、ジフエニルカーボネート、ェチル フエニルカーボネート、メチルフエニルカーボネート、 t ブチルフエニルカーボネート 、等が挙げられる。
[0207] また、ビュルカーボネート類の具体例としては、ジビュルカーボネート、メチルビ- ルカーボネート、等が挙げられる。
さらに、ァリルカーボネート類の具体例としては、ジァリルカーボネート、ァリルメチ ルカーボネート、等が挙げられる。
[0208] これらの所定不飽和カーボネートの中でも、所定カーボネートとしては、ビニレン力 ーボネート誘導体類、芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換さ
れたエチレンカーボネート誘導体類が好ましぐ特に、ビ-レンカーボネート、 4, 5- ジフエ-ルビ-レンカーボネート、 4, 5—ジメチルビ-レンカーボネート、ビニルェチ レンカーボネートは、安定な界面保護皮膜を形成するので、より好適に用いられる。
[0209] 一方、所定カーボネートの中でも、ハロゲン原子を有する所定カーボネート (これを 適宜「所定ハロゲンィ匕カーボネート」と略称する。)としては、ハロゲン原子を有するも のであれば、その他に特に制限は無く用いることができる。
[0210] 所定ノ、ロゲン化カーボネートが有するハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子
、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。この中でも、好ましくはフッ素原子 又は塩素原子であり、フッ素原子が特に好ましい。
また、所定ハロゲンィ匕カーボネートが有するハロゲン原子の数も、 1以上であれば 特に制限されないが、通常 6以下、好ましくは 4以下である。所定ハロゲンィ匕カーボネ ートが複数のハロゲン原子を有する場合、それらは互いに同一でもよぐ異なってい てもよい。
[0211] 所定ノヽロゲン化カーボネートの例としては、エチレンカーボネート誘導体類、ジメチ ルカーボネート誘導体類、ェチルメチルカーボネート誘導体類、ジェチルカーボネー ト誘導体類等が挙げられる。
[0212] エチレンカーボネート誘導体類の具体例としては、フルォロエチレンカーボネート、 クロ口エチレンカーボネート、 4, 4 ジフノレオ口エチレンカーボネート、 4, 5—ジフノレ ォロエチレンカーボネート、 4, 4ージクロ口エチレンカーボネート、 4, 5—ジクロロェ チレンカーボネート、 4ーフノレオロー 4ーメチノレエチレンカーボネート、 4 クロロー 4 メチルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4 メチルエチレンカーボネート 、 4, 5—ジクロロー 4 メチルエチレンカーボネート、 4 フルオロー 5—メチルェチレ ンカーボネート、 4 クロロー 5—メチノレエチレンカーボネート、 4, 4ージフノレオロー 5 メチルエチレンカーボネート、 4, 4ージクロロー 5—メチルエチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル) エチレンカーボネート、 4 (クロロメチル) エチレンカーボネ ート、 4 (ジフルォロメチル) エチレンカーボネート、 4 (ジクロロメチル)ーェチレ ンカーボネート、 4 (トリフルォロメチル) エチレンカーボネート、 4 (トリクロロメチ ル) エチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル)ー4 フルォロエチレンカーボネ
ート、 4 (クロロメチル) 4 クロ口エチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル) 5 ーフノレオ口エチレンカーボネート、 4 (クロロメチノレ) 5—クロ口エチレンカーボネー ト、 4 フルオロー 4, 5—ジメチルエチレンカーボネート、 4—クロ口— 4, 5—ジメチル エチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4, 5—ジメチルエチレンカーボネート、 4 , 5—ジクロロー 4, 5—ジメチルエチレンカーボネート、 4, 4ージフルオロー 5, 5—ジ メチルエチレンカーボネート、 4, 4ージクロロー 5, 5—ジメチルエチレンカーボネート 、等が挙げられる。
[0213] また、ジメチルカーボネート誘導体類の具体例としては、フルォロメチルメチルカ一 ボネート、ジフルォロメチルメチルカーボネート、トリフルォロメチルメチルカーボネー ト、ビス(フルォロメチル)カーボネート、ビス(ジフルォロ)メチルカーボネート、ビス(ト リフルォロ)メチルカーボネート、クロロメチルメチルカーボネート、ジクロロメチルメチ ルカーボネート、トリクロロメチルメチルカーボネート、ビス(クロロメチル)カーボネート 、ビス(ジクロ口)メチルカーボネート、ビス(トリクロ口)メチルカーボネート、等が挙げら れる。
[0214] さらに、ェチルメチルカーボネート誘導体類の具体例としては、 2 フルォロェチル メチノレカーボネート、ェチルフルォロメチルカーボネート、 2—フルォロェチルフルォ ロメチルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルメチルカーボネート、ェチルジフルォ ロメチルカーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルメチルカーボネート、 2—フルォ 口ェチルジフノレオロメチノレカーボネート、ェチルトリフノレオロメチノレカーボネート、 2- クロロェチノレメチノレカーボネート、ェチノレクロロメチノレカーボネート、 2, 2—ジクロロェ チノレメチノレカーボネート、 2—クロロェチノレクロロメチノレカーボネート、ェチノレジクロ口 メチノレカーボネート、 2, 2, 2—トリクロ口ェチルメチルカーボネート、 2, 2—ジクロロェ チノレクロロメチノレカーボネート、 2—クロロェチノレジクロロメチノレカーボネート、ェチノレト リクロロメチルカーボネート、等が挙げられる。
[0215] また、ジェチルカーボネート誘導体類の具体例としては、ェチルー(2 フルォロェ チル)カーボネート、ビス(2—フルォロェチル)カーボネート、 2, 2—ジフルォロェチ ノレェチノレカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルー 2,一フルォロェチルカーボネート 、ビス(2, 2—ジフルォロェチル)カーボネート、ェチルー(2, 2, 2—トリフルォロェチ
ル)カーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルー 2'—フルォロェチルカーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルー 2' , 2,ージフルォロェチルカーボネート、ビス(2, 2, 2—トリフルォロェチル)カーボネート、ェチノレー(2—クロロェチル)カーボネート、ェ チルー(2, 2—ジクロロェチル)カーボネート、ビス(2—クロロェチル)カーボネート、 ェチルー(2, 2, 2—トリクロロェチル)カーボネート、 2, 2—ジクロロェチルー 2,ーク ロロェチノレカーボネート、ビス(2, 2—ジクロロェチノレ)カーボネート、 2, 2, 2—トリク ロロェチノレ一 2,一クロロェチノレカーボネート、 2, 2, 2—トリクロロェチノレ一 2,, 2'― ジクロロェチルカーボネート、ビス(2, 2, 2—トリクロロェチル)カーボネート、等が挙 げられる。
[0216] これらの所定ハロゲン化カーボネートの中でも、フッ素原子を有するカーボネートが 好ましぐフッ素原子を有するエチレンカーボネート誘導体類が更に好ましぐ特にフ ルォロエチレンカーボネート、 4 (フルォロメチル) エチレンカーボネート、 4, 4 ジフルォロエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルォロエチレンカーボネートは、界面保 護皮膜を形成するので、より好適に用いられる。
[0217] 更に、所定カーボネートとしては、不飽和結合とハロゲン原子とを共に有するカーボ ネート (これを適宜「所定ハロゲン化不飽和カーボネート」と略称する。)を用いることも できる。所定ハロゲンィ匕不飽和カーボネートとしては、特に制限は無ぐ本発明の効 果を著しく損なわない限り、任意のハロゲンィ匕不飽和カーボネートを用いることができ る。
[0218] 所定ノヽロゲン化不飽和カーボネートの例としては、ビ-レンカーボネート誘導体類、 芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネ ート誘導体類、フエ-ルカーボネート類、ビュルカーボネート類、ァリルカーボネート 類等が挙げられる。
[0219] ビ-レンカーボネート誘導体類の具体例としては、フルォロビニレンカーボネート、 4 -フルォロ 5—メチルビ-レンカーボネート、 4 -フルォロ 5—フエ二ルビ-レン カーボネート、クロロビニレンカーボネート、 4 クロロー 5—メチノレビ二レンカーボネ ート、 4 クロロー 5—フエ-ルビ-レンカーボネート、等が挙げられる。
[0220] また、芳香環又は炭素 炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレン力
ーボネート誘導体類の具体例としては、 4 フルオロー 4 ビュルエチレンカーボネ ート、 4 フルオロー 5—ビュルエチレンカーボネート、 4, 4ージフノレオロー 4ービ- ルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4 ビュルエチレンカーボネート、 4 クロロー 5—ビニノレエチレンカーボネート、 4, 4ージクロロー 4ービニノレエチレンカー ボネート、 4, 5—ジクロロー 4 ビュルエチレンカーボネート、 4 フルオロー 4, 5— ジビュルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4, 5—ジビュルエチレンカーボ ネート、 4—クロ口一 4, 5—ジビュルエチレンカーボネート、 4, 5—ジクロロ一 4, 5- ジビュルエチレンカーボネート、 4 フルオロー 4 フエ-ルエチレンカーボネート、 4 ーフノレオロー 5—フエ-ノレエチレンカーボネート、 4, 4ージフノレオロー 5—フエ-ノレェ チレンカーボネート、 4, 5—ジフノレオロー 4 フエ-ノレエチレンカーボネート、 4 クロ ロー 4 フエニノレエチレンカーボネート、 4 クロロー 5—フエニノレエチレンカーボネー ト、 4, 4ージクロロー 5—フエニノレエチレンカーボネート、 4, 5—ジクロロー 4 フエ- ルエチレンカーボネート、 4, 5—ジフルオロー 4, 5—ジフエ-ルエチレンカーボネー ト、 4, 5—ジクロロー 4, 5—ジフエ-ルエチレンカーボネート、等が挙げられる。
[0221] さらに、フエ-ルカーボネート類の具体例としては、フルォロメチルフエ-ルカーボ ネート、 2—フルォロェチルフエニルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルフエニル カーボネート、 2, 2, 2—トリフルォロェチルフエ-ルカーボネート、クロロメチノレフェニ ノレカーボネート、 2—クロロェチノレフエ二ノレカーボネート、 2, 2—ジクロロェチノレフエ二 ルカーボネート、 2, 2, 2—トリクロ口ェチルフエ-ルカーボネート、等が挙げられる。
[0222] また、ビュルカーボネート類の具体例としては、フルォロメチルビ-ルカーボネート、 2—フルォロェチルビ-ルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルビ-ルカーボネー ト、 2, 2, 2—トリフルォロェチルビ-ルカーボネート、クロロメチルビ-ルカーボネート 、 2—クロロェチルビ二ノレカーボネート、 2, 2—ジクロロェチルビ二ノレカーボネート、 2 , 2, 2—トリクロロェチルビ-ルカーボネート、等が挙げられる。
[0223] さらに、ァリルカーボネート類の具体例としては、フルォロメチルァリルカーボネート 、 2—フルォロェチルァリルカーボネート、 2, 2—ジフルォロェチルァリルカーボネー ト、 2, 2, 2—トリフルォロェチルァリルカーボネート、クロロメチルァリルカーボネート、 2—クロロェチルァリルカーボネート、 2, 2—ジクロロェチルァリルカーボネート、 2, 2
, 2—トリクロロェチルァリルカーボネート、等が挙げられる。
[0224] 上述した所定ノ、ロゲンィ匕不飽和カーボネートの例の中でも、所定カーボネートとし ては、単独で用いた場合に効果が高いビ-レンカーボネート、ビュルエチレンカーボ ネート、フルォロエチレンカーボネート及びジフルォロエチレンカーボネート、並びに これらの誘導体よりなる群力 選ばれる 1種以上のものを用いることが特に好ましい。 また、ジフルォロエチレンカーボネートの中でも特に 4, 5—ジフルォロエチレンカー ボネートが好ましい。
[0225] なお、所定カーボネートの分子量に特に制限は無ぐ本発明の効果を著しく損なわ ない限り任意である力 通常 50以上、好ましくは 80以上、また、通常 250以下、好ま しくは 150以下である。分子量が大き過ぎると、非水系電解液に対する所定カーボネ ートの溶解性が低下し、本発明の効果を十分に発現し難くなる可能性がある。
[0226] また、所定カーボネートの製造方法にも特に制限は無ぐ公知の方法を任意に選 択して製造することが可能である。
[0227] 以上説明した所定カーボネートについても、本発明の第三の非水系電解液中に、 何れ力 1種を単独で含有させてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併 有させてもよい。
[0228] また、本発明の第三の非水系電解液に対する所定カーボネートの配合量に制限は 無ぐ本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の第三の非水系 電解液に対して、通常 0. 01重量%以上、好ましくは 0. 1重量%以上、より好ましくは 0. 3重量%以上、また、通常 70重量%以下、好ましくは 50重量%以下、より好ましく は 40重量%以下の濃度で含有させることが望ましい。この範囲の下限を下回ると、本 発明の第三の非水系電解液を非水系電解液二次電池に用いた場合に、その非水 系電解液二次電池が十分なサイクル特性向上効果を発現し難くなる可能性があり、 また、所定カーボネートの比率が大き過ぎると、本発明の第三の非水系電解液を非 水系電解液二次電池に用いた場合に、その非水系電解液二次電池の高温保存特 性及びトリクル充電特性が低下する傾向があり、特に、ガス発生量が多くなり、放電容 量維持率が低下する可能性がある。
[0229] さらに、本発明の第三の非水系電解液において、特定化合物(3)と所定カーボネ
ートとの比率も任意である力 「特定化合物(3)の重量 Z所定カーボネートの重量」 で表わされる両者の相対重量比力 通常 0. 0001以上、好ましくは 0. 001以上、より 好ましくは 0. 01以上、また、通常 1000以下、好ましくは 100以下、より好ましくは 10 以下の範囲であることが望ましい。上記相対重量比が低過ぎても高過ぎても、相乗効 果が得られ難くなる可能性がある。
[0230] 上記の特定化合物(3)と所定カーボネートとを非水系電解液に含有させると、その 非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池の充放電サイクル特性を向上させる ことが可能となる。この理由の詳細は明らかではないが、次のように推定される。即ち 、非水系電解液中に含まれる特定ィ匕合物(3)と所定カーボネートとがともに反応する 事によって、負極活物質の表面に良好な保護皮膜層を形成し、これにより副反応が 抑えられ、サイクル劣化が抑制されるものと推察される。詳細は不明であるが、特定 化合物(3)と所定カーボネートとが同時に電解液中に存在することで、何らかの形で 保護皮膜の特性を向上させることに寄与しているものと推察される。
[0231] [III 3.非水溶媒]
本発明の第三の非水系電解液が含有し得る非水溶媒としては、本発明の効果を著 しく損なわない範囲において、任意のものを用いることができる。なお、上述した特定 化合物(3)を非水溶媒として用いることも可能であり、所定カーボネートを非水溶媒と して用いることも可能である。また、非水溶媒 (特定化合物(3)及び所定カーボネート を含む)は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併 用してちょい。
[0232] 通常使用される非水溶媒の例としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、鎖 状及び環状カルボン酸エステル、鎖状及び環状エーテル類、含リン有機溶媒、含硫 黄有機溶媒などが挙げられる。
[0233] 環状カーボネートに制限は無いが、通常使用されるものの例としては、エチレン力 ーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。これらの うち、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが、誘電率が高いため溶質が溶 解しやすぐ非水系電解液二次電池にしたときにサイクル特性が良い点で好ましい。
[0234] また、鎖状カーボネートにも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、ジメ
チノレカーボネート、ェチルメチルカーボネート、ジェチノレカーボネート、メチルー n— プロピルカーボネート、ェチルー n プロピルカーボネート、ジー n プロピルカーボ ネート等が挙げられる。中でも、ジメチルカーボネート、ェチルメチルカーボネート、ジ ェチノレカーボネート、メチルー n プロピルカーボネート、ェチルー n プロピルカー ボネートが好ましぐ特にジメチルカーボネート、ェチルメチルカーボネート、ジェチ ルカーボネートが非水系電解液二次電池にしたときにサイクル特性が良い点で好ま しい。
[0235] さらに、鎖状カルボン酸エステルにも制限は無いが、通常使用されるものの例として は、酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸—n—プロピル、酢酸 i プロピル、酢酸 n— ブチル、酢酸 iーブチル、酢酸 tーブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ェ チル、プロピオン酸ー n—プロピル、プロピオン酸—i—プロピル、プロピオン酸ー n— ブチル、プロピオン酸ー iーブチル、プロピオン酸ー t ブチル等が挙げられる。これ らの中でも、酢酸ェチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ェチルがより好ましい。
[0236] また、環状カルボン酸エステルにも制限は無いが、通常使用されるものの例として は、 Ί—ブチ口ラタトン、 y—バレロラタトン、 δ—バレロラタトン等が挙げられる。これ らの中でも、 γ ブチロラタトンがより好ましい。
[0237] さらに、鎖状エーテルにも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、ジメト キシメタン、ジメトキシェタン、ジェトキシメタン、ジエトキシェタン、エトキシメトキシメタ ン、エトキシメトキシェタン等が挙げられる。これらの中でも、ジメトキシェタン、ジェトキ シェタンがより好ましい。
[0238] また、環状エーテルにも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、テトラヒド 口フラン、 2—メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。
[0239] さらに、含リン有機溶媒にも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、リン 酸トリメチル、リン酸トリェチル、リン酸トリフエニル等のリン酸エステル類;亜リン酸トリメ チル、亜リン酸トリェチル、亜リン酸トリフエ-ル等の亜リン酸エステル類;トリメチルホ スフインォキシド、トリェチルホスフィンォキシド、トリフエ-ルホスフィンォキシド等のホ スフインォキシド類などが挙げられる。
[0240] また、含硫黄有機溶媒にも制限は無いが、通常使用されるものの例としては、ェチ
レンサノレフアイト、 1, 4ープロノ ンスノレトン、 1, 4 ブタンスノレトン、メタンスノレホン酸メ チル、ブスノレファン、スノレホラン、スノレホレン、ジメチルスルホン、ジフエニルスルホン、 メチルフエ-ルスルホン、ジブチルジスルフイド、ジシクロへキシルジスルフイド、テトラ メチルチウラムモノスルフイド、 N, N ジメチルメタンスルホンアミド、 N, N ジェチ ルメタンスルホンアミド等が挙げられる。
[0241] これらの中でも、環状カーボネートであるエチレンカーボネート及び Z又はプロピレ ンカーボネートを用いる事が好ましぐさらに、これらと鎖状カーボネートを混合して用 いることがより好ましい。
[0242] また、このように環状カーボネートと鎖状カーボネートとを非水溶媒として併用する 場合、本発明の第三の非水系電解液中の非水溶媒中にしめる鎖状カーボネートの 好適な含有量は、通常 30体積%以上、好ましくは 50体積%以上、また、通常 95体 積%以下、好ましくは 90体積%以下である。一方、本発明の第三の非水系電解液中 の非水溶媒中にしめる環状カーボネートの好適な含有量は、通常 5体積%以上、好 ましくは 10体積%以上、また、通常 50体積%以下、好ましくは 40体積%以下である 。この範囲よりも鎖状カーボネートが少なすぎると本発明の第三の非水系電解液の粘 度が上昇する可能性があり、多すぎると電解質であるリチウム塩の解離度が低下して 、本発明の第三の非水系電解液の電気伝導率が低下する可能性がある。
[0243] [III 4.電解質]
本発明の第三の非水系電解液に用いる電解質は、本発明の第一の非水系電解液 と同様である。
[0244] [III- 5.添加剤]
本発明の第三の非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において 、各種の添加剤を含有していることが好ましい。この添加剤としては、従来公知のもの を任意に用いることができ、また、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み 合わせ及び比率で併用してもよい。添加剤の例としては、過充電防止剤や、高温保 存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤などが挙げられる。
[0245] 過充電防止剤としては、例えば、ビフエ-ル、アルキルビフエ-ル、ターフェ-ル、タ 一フエ-ルの部分水素化体、シクロへキシルベンゼン、 t ブチルベンゼン、 t—アミ
ルベンゼン、ジフエ-ルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物; 2—フルォロビ フエ二ノレ、 o シクロへキシノレフノレオ口ベンゼン、 p シクロへキシノレフノレオ口ベンゼン 等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物; 2, 4 ジフルォロア-ノール、 2, 5 ジ フルォロア-ノール、 2, 6 ジフルォロア-オール等の含フッ素ァ-ソール化合物な どが挙げられる。
なお、過充電防止剤は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ 及び比率で併用してもよ!、。
[0246] また、本発明の第三の非水系電解液が過充電防止剤を含有する場合、その濃度 は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液全体に対して 通常 0. 1重量%〜5重量%である。非水系電解液に過充電防止剤を含有させること は、過充電による非水系電解液二次電池の破裂'発火を抑制することができ、非水 系電解液二次電池の安全性が向上するので好ましい。
[0247] 一方、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤としては 、例えば、ビ-レンカーボネート、ビュルエチレンカーボネート、フルォロエチレン力 ーボネート、ジフルォロエチレンカーボネート、 4 (トリフルォロメチル) エチレン力 ーボネート、フエニノレエチレンカーボネート、エリスリタンカーボネート、スピロービス ジメチレンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無 水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水ィタコン酸、無水ジグリコー ル酸、シクロへキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物 、フエ-ルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、 1, 4 プロ パンスルトン、 1, 4 ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホラ ン、スノレホレン、ジメチノレスノレホン、ジフエニノレスノレホン、メチノレフエニノレスノレホン、ジ ブチルジスルフイド、ジシクロへキシルジスルフイド、テトラメチルチウラムモノスルフィ ド、 N, N ジメチルメタンスルホンアミド、 N, N ジェチルメタンスルホンアミド等の 含硫黄ィ匕合物; 1—メチル—2 ピロリジノン、 1—メチル—2 ピぺリドン、 4—メチル 2 ォキサゾリジノン、 1, 4 ジメチルー 2 イミダゾリジノン、 N—メチルスクシイミド 等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物、フル ォロベンゼン、ジフルォロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等の含フッ素芳香族化合
物などが挙げられる。
[0248] なお、助剤は、 1種を単独で用いてもよく、 2種以上を任意の組み合わせ及び比率 で併用してもよい。
[0249] また、発明の第三の非水系電解液が助剤を含有する場合、その濃度は本発明の 効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液全体に対して通常 0. 1重 量%〜5重量%である。
[0250] [IV.非水系電解液二次電池]
本発明の非水系電解液二次電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出しうる負極及 び正極と、上記の本発明の非水系電解液とを備える。
この本発明の非水系電解液二次電池は、非水系電解液以外の構成については従 来公知の非水系電解液二次電池と同様のものを任意に採用することができる。通常 、非水系電解液二次電池は、本発明の非水系電解液が含浸されている多孔膜 (セ パレータ)を介して正極と負極とが積層され、これらがケース (外装体)に収納された 形態を有する。
[0251] [IV— 1.非水系電解液]
非水系電解液としては、非水溶媒中に上記の特定鎖状カーボネート、特定化合物 (2)及び特定ィ匕合物(3)の少なくともいずれか 1つを含有する、本発明の第一、第二 及び第三の非水系電解液のうち少なくともいずれ力 1つを用いる。
[0252] [IV- 2.負極]
本発明の非水系電解液二次電池に用いる負極は、リチウムイオンを吸蔵及び放出 可能なものであれば、本発明の効果を損なわない限り任意のものを用いることができ る。通常は、負極として、集電体に負極活物質を固定したものを用いる。
[0253] 負極活物質に制限は無く任意であるが、例えば、リチウムを吸蔵及び放出可能な、 炭素質材料、金属材料、リチウム金属、リチウム合金などを用いる事ができる。また、 負極活物質は 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で 併用してちょい。
[0254] 中でも好ましいのは、炭素質材料、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属の 1種以上 とリチウムとからなる合金、及びこれらの金属の硼化物、酸化物、窒化物、硫化物、燐
化物等の複合化合物材料が挙げられる。
[0255] 負極活物質として炭素質材料を用いる場合、この炭素質材料としては任意のものを 用いることができる力 例えば、黒鉛や、黒鉛の表面を黒鉛に比べて非晶質の炭素 で被覆したものが好まし 、。
ここで、黒鉛は、学振法による X線回折で求めた格子面 (002面)の d値 (層間距離) 1S 通常 0. 335nm以上、また、通常 0. 338nm以下、好ましくは 0. 337nm以下で あるものが好ましい。
[0256] さらに、黒鉛としては、学振法による X線回折で求めた結晶子サイズ (Lc)は、通常 3 Onm以上、好ましくは 50nm以上、より好ましくは lOOnm以上であることが望ましい。 また、黒鉛の灰分は、通常 1重量%以下、好ましくは 0. 5重量%以下、より好ましく は 0. 1重量%以下であることが望ましい。
[0257] また、黒鉛の表面を非晶質の炭素で被覆したものとしては、 X線回折における格子 面(002面)の d値が通常 0. 335nm〜0. 338nmである黒鉛を核材とし、その表面 に該核材よりも X線回折における格子面 (002面)の d値が大き ヽ炭素質材料が付着 したものを用いることが好ましい。さら〖こ、核材と、核材の表面に付着した X線回折に おける格子面 (002面)の d値が核材よりも大き 、炭素質材料との割合が、重量比で、 通常 99Zl〜80Z20のものがより好ましい。これを用いると、高い容量で、かつ非水 系電解液と反応しにく 、負極を製造することができる。
[0258] さらに、炭素質材料の粒径は本発明の効果を損なわない限り任意であるが、レーザ 一回折 ·散乱法によるメジアン径で、通常 1 μ m以上、好ましくは 3 m以上、より好ま しくは 5 m以上、さらに好ましくは 7 m以上である。一方、上限は、通常 100 m 以下、好ましくは 50 μ m以下、より好ましくは 40 μ m以下、さらに好ましくは 30 μ m以 下である。上記範囲の下限を下回ると比表面積が大きくなりすぎる可能性があり、上 限を上回ると比表面積力 、さくなりすぎる可能性がある。
[0259] また、炭素質材料の BET法による比表面積も本発明の効果を著しく損なわない限 り任意であるが、通常 0. 3m2Zg以上、好ましくは 0. 5m2Zg以上、より好ましくは 0. 7m2Zg以上、さらに好ましくは 0. 8m2Zg以上である。一方、上限は通常 25. Om2 Zg以下、好ましくは 20. 0m2Zg以下、より好ましくは 15. 0m2Zg以下、さらに好ま
しくは 10. 0m2Zg以下である。上記範囲の下限を下回るとリチウムイオンの挿入脱 離に十分な面積が確保できなくなる可能性があり、上限を上回ると電解液との反応性 が高くなりすぎる可能性がある。
[0260] さらに、炭素質材料は、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトルで分析 したときに、 1570cm―1〜 1620cm_1の範囲にあるピーク Pのピーク強度 Iと、 130
A A
Ocm―1〜 1400cm_1の範囲にあるピーク Pのピーク強度 Iとの比で表される R値(=
B B
I /\ )力、通常、 0. 01〜0. 7の範囲であるものが良好な電池特性を得る上で好ま
B A
しい。
[0261] また、これに関連して、炭素質材料は、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンス ベクトルで分析したときに、 1570cm―1〜 1620cm_1の範囲にあるピークの半値幅が 、通常 26cm_1以下、好ましくは 25cm_1以下であるものが良好な電池特性を得る上 で好ましい。
[0262] また、負極活物質として、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属の 1種以上とリチウム とからなる合金、又は、これらの金属の硼化物、酸化物、窒化物、硫化物、燐化物等 の複合化合物材料を用いる場合、これらの合金や複合ィ匕合物材料としては、複数の 金属元素を含む合金を用いてもよぐ更にその複合ィ匕合物を用いても良い。例えば、 金属の合金や合金の硼化物、酸化物、窒化物、硫化物、燐化物等の複合化合物等 力 更に複雑に化学的に結合したものを用いるようにしてもょ 、。
[0263] さらに、これらの合金や複合ィ匕合物材料力 なる負極活物質の中でも、非水系電 解液二次電池にしたときに負極の単位重量当りの容量を大きくできる観点から、 Si、 Sn又は Pbなどを含有するものを用いることが好ましぐ特に、 Si又は Snを含有するも のを用いることがより好まし 、。
[0264] また、負極の集電体にも制限は無ぐ本発明の効果を著しく損なわない限り公知の ものを任意に用いることができる。さらに、集電体は 1種を単独で用いてもよぐ 2種以 上を任意に組み合わせて用いてもょ 、。
負極用集電体の材質に制限は無いが、通常用いられるものの例としては、鋼、銅合 金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス等が挙げられる。これらのうち、薄膜に加工し やす 、と 、う点及びコストの点から銅箔が好ま U、。
[0265] また、表面に形成される活物質層との結着効果を向上させるため、集電体の表面 は予め粗面化処理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理 、粗面ロールによる圧延、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砲石、ェメリパフ、鋼線 などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨 法、化学研磨法等が挙げられる。
[0266] また、集電体の重量を低減させて非水系電解液電池の重量当たりのエネルギー密 度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの 集電体を使用することもできる。このタイプの集電体は、その開口率を変更することで 、重量も自在に変更可能である。また、このタイプの集電体の両面に活物質層を形成 させた場合、この穴を通してのリベット効果により活物質層の剥離が更に起こりにくく なる。しかし、開口率があまりに高くなつた場合には、活物質層と集電体との接触面 積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなることがある。
[0267] また、集電体の厚さは、通常 1 μ m以上、好ましくは 5 μ m以上であり、通常 100 μ m以下、好ましくは 50 m以下である。集電体の厚さが厚過ぎると、非水系電解液二 次電池全体の容量が低下し過ぎることになり、逆に薄過ぎると集電体の取り扱いが困 難になることがある。
[0268] さらに、負極の製造方法に制限は無ぐ通常は常法によればよい。
負極の製造方法の例としては、負極活物質に、導電材、結着剤、増粘剤、充填剤、 溶媒等を加えてスラリー状とし、これを集電体に塗布し、乾燥した後にプレスして高密 度化して、集電体上に負極活物質層を形成する方法が挙げられる。
[0269] この方法においては、スラリーは、負極材に対して、結着剤、増粘剤、充填剤、溶媒 等を加えて作製される。なお、ここでいう負極材とは、負極活物質と導電材を含わせ た材料と定義する。
負極活物質の含有量は、負極材 100重量部に対して、通常 70重量部以上、好まし くは 75重量部以上で、通常 97重量部以下、好ましくは 95重量部以下であることが望 ま 、。この範囲よりも負極活物質量が少な 、と負極の容量が不足する可能性があり 、多いと相対的に結着剤等の含有量が不足することによって負極の強度が不足する 可能性がある。
[0270] 導電材に制限は無いが、例えば、銅やニッケル等の金属材料;黒鉛、グラフアイト、 カーボンブラック等の炭素材料などが挙げられる。特に導電材として炭素材料を用い ると炭素材料が活物質としても作用するため好ましい。なお、導電材は、 1種を単独 で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[0271] また、導電材の含有量に制限は無いが、負極材 100重量部に対して、通常 3重量 部以上、好ましくは 5重量部以上で、通常 30重量部以下、好ましくは 25重量部以下 であることが望ま 、。この範囲よりも導電材の含有量が少な 、と導電性が不足する 可能性があり、多いと相対的に負極活物質等の含有量が不足することによって電池 容量や強度が低下する可能性がある。
[0272] さらに、結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安全な材 料であれば、任意のものを使用することができる。例えば、ポリフッ化ビ-リデン、ポリ テトラフルォロエチレン等のフッ素系榭脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ フィン、スチレン 'ブタジエンゴム'イソプレンゴム、ブタジエンゴム等の不飽和ポリマー 及びその共重合体、エチレン アクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合 体等のアクリル酸系ポリマー及びその共重合体などが挙げられる。なお、結着剤は 1 種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよ ヽ。
[0273] また、結着剤の含有量にも制限は無いが、負極材 100重量部に対して、通常 0. 5 重量部以上、好ましくは 1重量部以上で、通常 10重量部以下、好ましくは 8重量部以 下であることが望ま 、。この範囲よりも結着剤の含有量が少な 、と負極の強度が不 足する可能性があり、多いと相対的に負極活物質等の含有量が不足することによつ て電池容量や導電性が不足する可能性がある。
[0274] さらに、増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、 ヒドロキシメチルセルロース、ェチルセルロース、ポリビュルアルコール、酸化スターチ
、リン酸化スターチ、カゼイン等を用いることができる。なお、増粘剤は 1種を単独で 用いてもよく、 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもょ 、。
また、増粘剤の含有量にも制限は無いが、負極活物質層中に、通常 0. 5重量%〜 5重量%の範囲で用いることが好まし!/、。
[0275] さらに、充填剤としては、例えば、ラウリル酸誘導体類、 TWIN20 (商品名)等を用
いることができる。なお、充填剤は 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み 合わせ及び比率で併用してもょ 、。
また、充填剤の含有量にも制限は無いが、負極活物質層中に、通常 0. 5重量%〜 5重量%の範囲で用いることが好まし!/、。
[0276] さらに、スラリーを調製する際の溶媒にも制限は無いが、例えば、水、 NMP (N—メ チルピロリドン)、 DMF (N, N—ジメチルホルムアミド)などを用いることができる。 そして、上記のスラリーを集電体に塗布し、乾燥した後にプレスして負極活物質層 を形成する。この負極活物質層の乾燥、プレス後の密度に制限は無いが、通常 1. 0 gZ cm '以上である。
[0277] なお、負極はまた、負極活物質に結着剤や導電材等を加えたものをそのままロー ル成型してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたり、或いは、蒸着' スパッタ.メツキ等の手法で集電体上に電極材料の薄膜を形成したりすることによって 製造することちできる。
[0278] [IV— 3.正極]
本発明の非水系電解液二次電池に用いる正極は、リチウムイオンを吸蔵及び放出 可能なものであれば、本発明の効果を損なわない限り任意のものを用いることができ る。通常は、正極として、集電体に正極活物質を固定したものを用いる。
[0279] 正極活物質に制限は無く任意であるが、例えば、遷移金属の酸化物、遷移金属とリ チウムとの複合酸化物(リチウム遷移金属複合酸化物)、遷移金属の硫化物、金属酸 化物等の無機化合物、リチウム金属、リチウム合金若しくはそれらの複合体などが挙 げられる。なお、正極活物質は 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合 わせ及び比率で併用してもょ 、。
[0280] 正極活物質の具体例を挙げると、 MnO、 V O、 V O 、 TiO等の遷移金属酸ィ匕
2 5 6 13 2
物;基本組成が LiCoOであるリチウムコバルト複合酸化物、 LiNiOであるリチウム-
2 2
ッケル複合酸化物、 LiMn O又は LiMnOであるリチウムマンガン複合酸化物、リチ
2 4 2
ゥムニッケルマンガンコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合 酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物; TiS、 FeS等の遷移金属硫化物; SnO、
2
SiO等の金属酸ィ匕物などが挙げられる。
[0281] 中でも、リチウム遷移金属複合酸化物、具体的には、特にリチウムコバルト複合酸 化物、リチウムニッケル複合酸ィ匕物、リチウムコバルトニッケル複合酸ィ匕物、リチウム- ッケルマンガンコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化 物等は、高容量と高サイクル特性とを両立させ得るので好適に用いられる。
[0282] また、リチウム遷移金属複合酸化物は、コノ レト、ニッケル又はマンガンの一部を A1 、 Ti、 V、 Cr、 Mn、 Fe、 Co、 Li、 Ni、 Cu、 Zn、 Mg、 Ga、 Zr等の他の金属で置換す ることにより、その構造を安定ィ匕させることができるので好ましい。
[0283] また、正極の集電体にも制限は無ぐ本発明の効果を著しく損なわない限り公知の ものを任意に用いることができる。
正極集電体の材質に制限は無いが、通常用いられるものの例としては、アルミ-ゥ ム、チタン、タンタル及びこれらの合金等が挙げられる。なかでもアルミニウム及びそ の合金が好ましい。
また、粗面化処理をしておくことが好ましい点、穴あきタイプの集電体を用いてもよ い点、集電体の厚み等を含め、その他の事項は負極の集電体と同様である。
[0284] さらに、正極の製造方法に制限は無ぐ通常は常法によればよい。
正極の製造方法の例としては、負極の場合と同様に、正極活物質に、結着剤、増 粘剤、導電材、充填剤、溶媒等を加えてスラリー状とし、これを集電体に塗布し、乾 燥した後にプレスして高密度化して、集電体上に負極活物質層を形成する方法が挙 げられる。また、負極と同様、正極には、機械的強度や電気伝導度を高める目的で、 増粘剤、導電材、充填剤などを含有させてもよい。
なお、正極活物質層の乾燥、プレス後の密度に制限は無いが、通常 3. Og/cm3 以上である。
[0285] また、正極についても、負極と同様に、正極活物質に結着剤や導電材等を加えた ものをそのままロール成型してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極とした り、或いは、蒸着'スパッタ 'メツキ等の手法で集電体上に電極材料の薄膜を形成した りすること〖こよって製造することもできる。
[0286] [IV— 4.セパレータ]
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。
この場合、本発明の非水系電解液は、通常はこのセパレータに含浸させて用いる。 セパレータに制限は無ぐ本発明の効果を著しく損なわない限り公知のものを任意 に採用することができる。したがって、セパレータの材料や形状については特に限定 されないが、本発明の非水系電解液に対し安定な材料で形成された、保液性に優 れた多孔性シート又は不織布等を用いるのが好ま 、。
[0287] セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン 、ポリテトラフルォロエチレン、ポリエーテルスルホン、ガラスフィルタ一等を用いること 力 Sできる。中でも好ましくはガラスフィルター、ポリオレフインであり、さらに好ましくはポ リオレフインである。なお、これらの材料は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任 意の組み合わせ及び比率で併用してもょ 、。
[0288] また、セパレータの厚さは任意である力 通常 1 μ m以上、好ましくは 5 μ m以上、よ り好ましくは 10 μ m以上であり、通常 50 μ m以下、好ましくは 40 μ m以下、より好まし くは 30 /z m以下である。セパレータが薄過ぎると、絶縁性や機械的強度が低下する 可能性があり、厚過ぎるとレート特性等の電池性能が低下する可能性があるば力りで なぐ非水系電解液二次電池全体としてのエネルギー密度が低下する可能性がある
[0289] さらに、セパレータとして多孔性シートゃ不織布等の多孔質のものを用いる場合、 セパレータの空孔率は任意である力 通常 20%以上、好ましくは 35%以上、より好ま しくは 45%以上であり、通常 90%以下、好ましくは 85%以下、より好ましくは 75%以 下である。空孔率が小さ過ぎると膜抵抗が大きくなつてレート特性が悪ィ匕する傾向に ある。また、大き過ぎるとセパレータの機械的強度が低下し、絶縁性が低下する傾向 にある。
[0290] また、セパレータの平均孔径も任意である力 通常 0. 5 μ m以下、好ましくは 0. 2 m以下であり、通常 0. 05 m以上である。平均孔径が大き過ぎると短絡が生じや すくなり、小さ過ぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が低下する可能性がある。
[0291] [5.外装体]
本発明の非水系電解液二次電池は、通常、上記の非水系電解液、負極、正極、セ ノルータ等を外装体内に収納して構成される。この外装体に制限は無ぐ本発明の
効果を著しく損なわない限り公知のものを任意に採用することができる。
[0292] 外装体の材質は任意である力 通常は、例えばニッケルメツキを施した鉄、ステンレ ス、アルミニウム又はその合金、ニッケル、チタン等が用いられる。
また、外装体の形状も任意であり、例えば円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大 型等の 、ずれであってもよ 、。
[0293] [V.カーボネート化合物]
以下、本発明の新規なカーボネートイ匕合物について説明する。
[V— 1.構造]
本発明のカーボネート化合物は、下記式 (4)で表わされる鎖状のカーボネート化合 物(以下適宜、「新規カーボネート化合物」と 、う)である。
[化 10]
[0294] 上記式 (4)にお!/、て、 Reは、炭素数 1〜4の直鎖状の無置換のアルキル基を表わ す。即ち、 Reは、メチル基、ェチル基、 n—プロピル基、 n—ブチル基のうちのいずれ かを表わす。
[0295] 即ち、本発明の新規カーボネートイ匕合物としては、 2, 2—ジフルォロェチルメチル カーボネート、 2, 2—ジフノレォロェチノレエチノレカーボネート、 2, 2—ジフノレオロェチ ルー n—プロピルカーボネート、及び、 n—ブチルー 2, 2—ジフルォロェチルカーボ ネートが挙げられる。
これらの新規カーボネートイ匕合物は、鎖状カーボネートの片側のェチル基にフッ素 を 2個導入された構造である。
[0296] [V- 2.性質]
本発明の新規カーボネートイ匕合物は、従来のカーボネートイ匕合物に比べて高い沸 点を有している。
さらに、本発明の新規カーボネートイ匕合物は、従来のカーボネートイ匕合物に比べて
高い耐酸ィ匕性を有している。また、これにより、本発明の新規カーボネートイ匕合物は、 従来のカーボネートイ匕合物に比べて高い電気化学的安定性を発揮することができる
[0297] [V-3.製造方法]
本発明の新規カーボネートイ匕合物の製造方法に制限は無いが、例えば、 2, 2—ジ フルォロエタノールに、クロ口炭酸メチル、クロ口炭酸ェチル、クロ口炭酸プロピル及び クロ口炭酸ブチルというクロ口炭酸アルキルのうちの少なくとも 1種を反応させることに より、合成することができる。
[0298] また、上記の合成反応は、反応媒中で行なうようにすることが望ましい。使用する反 応媒は、本発明の新規カーボネートイ匕合物を得ることができる限り任意であるが、例 えば、ジクロロメタン、ジェチルエーテルなどを用いることができる。なお、反応媒は、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよ ヽ
[0299] また、上記の合成反応の反応温度も、本発明の新規カーボネートイ匕合物を得ること ができる限り任意である力 通常 30°C以上、好ましくは 10°C以上、より好ましく は 0°C以上、また、通常 100°C以下、好ましくは 80°C以下、より好ましくは 50°C以下 である。この範囲の下限を下回ると反応速度が遅くなり、反応時間が長くなる可能性 があり、上限を上回るとクロ口炭酸アルキルが系外に出てしまう可能性がある。特に、 クロ口炭酸アルキル滴下時は、温度を 30°C以下に保つことが望ましい。
[0300] さらに、上記の合成反応の反応時間も、本発明の新規カーボネートイ匕合物を得るこ とができる限り任意である力 通常 30分以上、好ましくは 1時間以上、また、通常 48 時間以下、好ましくは 24時間以下、より好ましくは 12時間以下である。この範囲の下 限を下回ると反応が未完了となり、収率が低下する可能性があり、上限を上回ると系 内でエステル交換等の好ましく反応が生じ、 目的物の収率が低下する可能性がある
[0301] また、上記の合成反応に供する際、原料である 2, 2 ジフルォロエタノールとクロ口 炭酸アルキルとの比率も、本発明の新規カーボネートイ匕合物を得ることができる限り 任意であるが、「(2, 2—ジフルォロエタノールのモル量) Z (クロ口炭酸アルキルのモ
ル量)」で表わされる比率で、通常 1. 2以上、好ましくは 1. 3以上、より好ましくは 1. 5 以上、また、通常 2. 0以下、好ましくは 1. 8以下、より好ましくは 1. 7以下とすることが 望ましい。この範囲の下限を下回ると原料のアルコールが未反応で残ってしまい、収 率低下を招く可能性があり、上限を上回ると滴下に時間がかかってしまう可能性があ る。
[0302] さらに、通常は、上記の合成反応で得られる生成物を精製し、本発明の新規カーボ ネートイ匕合物を得るようにする。この際、精製の方法に制限は無く任意であるが、例 えば、蒸留精製などを用いることができる。
[0303] [V-4.用途]
本発明の新規カーボネートイ匕合物は任意の産業分野において用いることができる 。ただし、本発明の新規カーボネートイ匕合物は上記のように高い沸点、高い誘電率、 高い耐酸化性、高い電気的安定性などを有するため、これらの性質を有効に活用で きる分野に用いて好適である。例えば、有機合成の反応溶媒、高分子化合物の原料 、各種無機物や有機物の抽出溶媒、塗料やインク等の希釈溶媒、医農薬の原料や 希釈溶媒、エネルギー貯蔵デバイス用電解質溶液の溶媒や添加剤として有用である
[0304] なかでも、特に二次電池の電解液に本発明の新規カーボネートイ匕合物を添加剤と して用いることにより、当該二次電池のサイクル特性を向上させることができる。したが つて、本発明の新規カーボネートイ匕合物は、特に、二次電池の電解液に含有させる ようにすると好ましい。
実施例
[0305] 以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明はこの実施例 に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施する ことができる。
[0306] [I.本発明の第一の非水系電解液及び非水系電解液二次電池に関する実施例]
[実施例 I 1〜1 24及び比較例 I 1〜1 4]
実施例1 1〜1 24及び比較例1 1〜1 4にぉぃて、それぞれ、以下の手順で 非水系電解液二次電池を組み立て、その評価を行ない、結果を表 1—1, 1— 2に示し
た。
[0307] 〔正極の作製〕
正極活物質として LiCoO (日本化学工業杜製「C5」)85重量%に、カーボンブラッ
2
ク (電気化学工業杜製商品名「デンカブラック」) 6重量%と、ポリフッ化ビ-リデン (呉 羽化学杜製商品名「KF— 1000」)9重量%とをカ卩えて混合し、 N—メチル—2 ピロ リドンで分散してスラリー状としたものを、正極集電体である厚さ 20 mのアルミ-ゥ ム箔上に、用いる負極の理論容量の 9割となるように均一に塗布し、 100°Cで 12時間 乾燥後、直径 12. 5mmの円盤状に打ち抜いて正極とした。
[0308] 〔負極の作製〕
〈グラフアイト負極の作製〉
人造黒鉛粉末 (ティムカル杜製商品名「KS— 6」) 100重量部に、 PVDF (ポリフッ 化ビ-リデン)を 12重量%含有する N—メチルピロリドン溶液 83. 5重量部、並びに、 N—メチルピロリドン 50重量部をデイスパーザーで混合してスラリー状としたものを、 負極集電体である厚さ 18 mの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、電極密度が 1. 5g Zcm3程度となるようにプレスし、その後、直径 12. 5 /z mの円盤状に打ち抜いてダラ ファイト製の負極 (グラフアイト負極)とした。
[0309] 〈ケィ素合金負極の作製〉
負極活物質の非炭素材料としてケィ素 73. 2重量部と、銅 8. 1重量部とを用い、こ れに、人造黒鉛粉末 (ティムカル杜製商品名「KS— 6」) 13. 3重量%と、 PVDFを 12 重量0 /0含有する N—メチルピロリドン溶液 54. 2重量部と、 N—メチルビ口リドン 50重 量部とをデイスパーザーで混合してスラリー状としたものを、負極集電体である厚さ 1 8 mの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、電極密度が 1. 5gZcm3程度となるように プレスし、その後、直径 12. 5mmの円盤状に打ち抜いてケィ素合金製の負極 (ケィ 素合金負極)とした。
[0310] 〔非水系電解液の調製〕
実施例 I 1〜1 24及び比較例 I 1〜1 4のそれぞれにつ!/、て、非水系電解液 の糸且成がそれぞれ表 1—1, 1— 2に示すものとなるように、エチレンカーボネート(EC) と各種カーボネート化合物(実施例 I 1〜1 5, I— 13〜1 17では特定鎖状カー
ボネート)とを各体積比にて混合させた溶液 (非水溶媒)に、電解質として LiPFを 1
6 モル Zリットルの濃度となるように溶解させて調製した。また、実施例 I 6〜1— 10、 及び実施例 I— 18〜1— 22につ 、ては、実施例 I— 2及び実施例 I— 14で用いた電 解液に、表 1—1, 1— 2に示す割合で各種所定カーボネートを添加剤として添加して 非水電解液を調製した。また、実施例 1—11, 1—12及び実施例 1— 23, 1— 24につ いては、比較例 1— 2及び比較例 1—4で用いた電解液に、表 1—1, 1— 2に示す割合 で各種特定鎖状カーボネートを添加剤として添加して非水電解液を調製した。
[0311] なお、表 I 1, I 2において、電解質の欄のカツコ内の表示は非水系電解液中の 電解質の濃度を表わし、非水溶媒の欄のカツコ内の表示は非水系電解液に用いた 非水溶媒におけるエチレンカーボネートと各種カーボネートイ匕合物との混合体積比 を表わし、添加剤の欄のカツコ内の表示は非水溶媒中における添加剤(特定鎖状力 ーボネート)の濃度を表わす。また、表 1—1, 1— 2において、「DFEMC」は 2, 2—ジ フルォロェチルメチルカーボネートを表わし、「DFEEC」は 2, 2—ジフルォロェチル ェチルカーボネートを表わし、「DFEPC」は 2, 2—ジフルォロェチルー n—プロピル カーボネートを表わし、「BDFEC」はビス(2, 2—ジフルォロェチル)カーボネートを 表わし、「FEC」はフルォロエチレンカーボネートを表し、「VC」はビ-レンカーボネー トを表し、「DFEC」は 4, 5—ジフルォロエチレンカーボネートを表し、「EMC」はェチ ルメチルカーボネートを表わし、「DEC」はジェチルカーボネートを表わす。
[0312] 〔コイン型セルの作製〕
上記の正極及び負極と、各実施例及び比較例で調製した非水系電解液とを用い て、正極導電体を兼ねるステンレス鋼製の缶体に正極を収容し、その上に非水系電 解液を含浸させたポリエチレン製のセパレータを介して負極を載置した。この缶体と 負極導電体を兼ねる封口板とを、絶縁用のガスケットを介してカゝしめて密封し、コイン 型セルを作製した。
なお、実施例 I 1〜1 12及び比較例 I 1, I 2においては負極としてケィ素合 金負極を用い、実施例 1—13〜1— 24及び比較例 1— 3, 1—4においては負極として グラフアイト負極を用いた。
[0313] 〔コイン型セルの評価〕
25°Cにおいて、充電終止電圧 4. 2V、定電流時電流 3mA、充電終了電流 0. 15 Aの定電流定電圧充電と放電終止電圧 3. OV、定電流時電流 3mAの定電流放 電とを 1サイクルとして、 100サイクル充放電を実施した。この時の、 1サイクル目、並 びに、ケィ素合金負極を用いた実施例及び比較例では 10サイクル目、グラフアイト負 極を用いた実施例及び比較例では 100サイクル目の放電容量をそれぞれ測定し、そ れぞれのサイクルにおける容量維持率を下記式で算出した。なお、容量はいずれも 負極活物質単位重量当りの容量とした。
[数 1]
1 0サイクル目の容量維持率 (%)
= { ( 1 0サイクル目の放電容量) I ( 1サイクル目の放電容量) } X 1 0 0
[数 2]
1 0 0サイクル冃の容量維持率 (! ¾ )
= { ( 1 0 0サイクル目の放電容量) I ( 1サイクル目の放電容量) } X 1 0 0
[表 1]
[表 I一 1 ]:ケィ素合金負極を使用した場合
i¾ DFEMC:2, 2-ジフルォロェチルメチルカ一ポネ一ト
※ DFEEC:2, 2-ジフル才ロェチルェチルカ一ボネート
DFEPC:2, 2-ジフルォロェチル一 n—プロピルカーボネート
※ BDFEC:ビス(2, 2—ジフルォロェチル)カーボネート
FEC:フルォロエチレンカーボネート:所定カーボネート
※ VC:ビニレンカーボネート:所定力一ポネート
※ DFEC:4, 5—ジフルォロェチレンカーポネート:所定カーボネート EMC:ェチルメチルカ一ボネート
DEC:ジェチルカーポネート 2]
[表 I一 2]:グラフアイト負極を使用した場合
※ DFEMC: 2, 2 -ジフルォロェチルメチルカ一ポネート
« DFEEC :2, 2-ジフルォロェチルェチルカ一ポネート
« DFEPC:2, 2-ジフルォロェチル一 n—プロピル力一ポネート
« BDFEC:ビス(2. 2—ジフルォロェチル)カーボネート
※ FEC:フルォ口エチレンカーポネート:所定カーボネート
« VC:ビニレン力一ボネ一ト:所定カーボネート
※ DFEC:4. 5—ジフルォロエチレン力一ポネート:所定カーポネート
EMC:ェチルメチルカ一ポネ一ト
※ DEC:ジェチルカ一ポネート
[0316] 表 I 1, I 2より、特定鎖状カーボネートを含有する実施例 I 1〜1 12及び実施 例 I— 13〜1— 24が、特定鎖状カーボネートを含有しない比較例 1—1, 1—2及び比 較例 1— 3, 1—4よりもサイクル後の容量維持率が高ぐサイクル特性に優れていること が分かる。
[0317] [II.本発明の第二の非水系電解液及び非水系電解液二次電池に関する実施例]
[実施例 II 1〜11 11及び比較例 II 1〜11 3]
実施例11 1〜11 11及び比較例11 1〜11 3にぉぃて、それぞれ、以下の手順で
非水系電解液二次電池を組み立て、その評価を行ない、結果を表 II 1及び表 II 2 に示した。
[0318] 〔正極の作製〕
正極活物質として LiCoO (日本化学工業杜製「C5」 ) 85重量%にカーボンブラッ
2
ク (電気化学工業杜製商品名「デンカブラック」) 6重量%、ポリフッ化ビ-リデン (呉羽 化学杜製商品名「KF— 1000」)9重量0 /0をカ卩えて混合し、 N—メチル—2 ピロリド ンで分散してスラリー状としたものを、正極集電体である厚さ 20 mのアルミニウム箔 上に、用いる負極の理論容量の 9割となるように均一に塗布し、 100°Cで 12時間乾 燥後、直径 12. 5mmの円盤状に打ち抜いて正極とした。
[0319] 〔グラフアイト負極の作製〕
人造黒鉛粉末 (ティムカル杜製商品名「KS— 6」) 100重量部に、 PVDF (ポリフッ 化ビ-リデン)を 12重量%含有する N—メチルピロリドン溶液 83. 5重量部と、 N—メ チルピロリドン 50重量部とをデイスパーザーで混合してスラリー状としたものを、負極 集電体である厚さ 18 mの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、電極密度が 1. 5g/c m3程度となるようにプレスし、その後直径 12. 5 mの円盤状に打ち抜いて負極とし た。
[0320] 〔非水系電解液の調製〕
エチレンカーボネートとェチルメチルカーボネートとを体積比 3: 7の比率で混合さ せた溶液に、表 II 1及び表 II 2にそれぞれ示す割合で、適宜、特定化合物(2)及 び Z又は各種の所定カーボネートをカ卩え、さら〖こ、電解質として LiPF
6を 1モル Zリツ トルの濃度となるように溶解させて非水系電解液を調製した。なお、表 II 1及び表 II —2中の「-」は、その欄に該当する特定ィ匕合物(2)又は所定カーボネートを使用し な力つたことを表わす。
[0321] 〔コイン型セルの作製〕
上記の正極及び負極と、各実施例及び比較例で調製した電解液とを用いて、正極 導電体を兼ねるステンレス鋼製の缶体に正極を収容し、その上に電解液を含浸させ たポリエチレン製のセパレータを介して負極を載置した。この缶体と負極導電体を兼 ねる封口板とを、絶縁用のガスケットを介してカゝしめて密封し、コイン型セルを作製し
た。
[0322] 〔コイン型セルの評価〕
25°Cにおいて、充電終止電圧 4. 2V、定電流時電流 3mA、充電終了電流 0. 15 Aの定電流定電圧充電と、放電終止電圧 3. OV、定電流時電流 3mAの定電流放 電とを 1サイクルとして、 100サイクル充放電を実施した。この時の、 1サイクル目及び 100サイクル目の放電容量を測定し、 100サイクル目における容量維持率を下記式 で算出した。なお、容量はいずれも負極活物質単位重量当りの容量とした。
[数 3]
1 0 0サイクル目の容量維持率 (%)
= { ( 1 0 0サイクル目の放電容量) I ( 1サイクル目の放電容量) } X 1 0 0
[0323] [表 3]
[0325] [実施例 II 12〜11 18及び比較例 II 4, II 5]
実施例 II— 12〜11— 18及び比較例 II— 4, II— 5として、それぞれ、負極をケィ素合 金製のものに代え、また、非水系電解液に混合する特定ィ匕合物(2)及び Z又は所定 カーボネートとして表 II— 3に示すものを用い、さらに、 10サイクル目の放電容量を測 定することにより 100サイクル目の容量維持率の代わりに 10サイクル目の容量維持 率を算出した他は、上述した〔実施例 II 1〜11 11及び比較例 II 1〜11 3〕と同 様の手順で、非水系電解液二次電池を組み立て、その評価を行なった。それぞれの 結果を表 II— 3に示した。なお、表 II— 3中の「-」は、その欄に該当する特定化合物( 2)又は所定カーボネートを使用しな力つたことを表わす。また、 10サイクル目の容量 維持率は下記式で算出した。さらに、容量はいずれも負極活物質単位重量当りの容 量とした。
画
1 0サイクル目の容量維持率 (; ¾ )
= { ( 1 0サイクル目の放電容量) I ( 1サイクル目の放電容量) } X 1 0 0
[0326] なお、ケィ素合金製の負極は以下のようにして作製したものを用いた。
〔ケィ素合金負極の作製〕
負極活物質の非炭素材料としてケィ素 73. 2重量部と銅 8. 1重量部とを用い、これ に、人造黒鉛粉末 (ティムカル杜製商品名「KS— 6」) 12. 2重量%と、 PVDFを 12重 量0 /0含有する N メチルピロリドン溶液 54. 2重量部と、 N—メチルビ口リドン 50重量 部とをデイスパーザーで混合してスラリー状としたものを、負極集電体である厚さ 18
/z mの銅箔上に均—に塗布し、乾燥後、電極密度が 1. 5gZcm3程度となるようにプ レスし、その後、直径 12. 5mmの円盤状に打ち抜いてケィ素合金製の負極 (ケィ素 合金負極)とした。
[0327] [表 5]
[0328] [まとめ]
表11 1〜11 3ょり、次のことが明らかである。
負極にグラフアイトを用いた場合、非水系電解液中に特定ィ匕合物(2)を含有させた 実施例 II— 1〜11— 11においては、比較例 II— 1〜11— 3に対して、サイクル特性が良 好である。
さらに、実施例 II 1〜11 7を比較すると、既にサイクル特性を向上させる事が知ら れて 、る化合物(所定カーボネート)と特定化合物(2)とを組み合わせて使用して!/、 る実施例 II— 2〜11— 7は、実施例 II— 1に比べて、さらにサイクル特性が向上している 事が分力る。
また、負極にケィ素合金を用いた実施例 II— 12〜11— 18と比較例 II— 4, II— 5との 比較においても、同様の傾向を示すことがわかる。
[0329] [III.本発明の第二の非水系電解液及び非水系電解液二次電池に関する実施例]
[実施例 III 1〜ΠΙ— 11及び比較例 III 1, III 2]
実施例111 1〜111 11及び比較例111 1, III— 2において、それぞれ、以下の手順 で非水系電解液二次電池を組み立て、その評価を行ない、結果を表 III 1に示した
[0330] 〔正極の作製〕
正極活物質として LiCoO (日本化学工業杜製「C5」)85重量%に、カーボンブラッ
2
ク (電気化学工業杜製商品名「デンカブラック」) 6重量%、及び、ポリフッ化ビ -リデ ン(呉羽化学杜製商品名「KF— 1000」)9重量%をカ卩えて混合し、 N—メチル 2— ピロリドンで分散してスラリー状としたものを、正極集電体である厚さ 20 mのアルミ ユウム箔上に、用いる負極の理論容量の 9割となるように均一に塗布し、 100°Cで 12 時間乾燥後、直径 12. 5mmの円盤状に打ち抜いて正極とした。
[0331] 〔グラフアイト負極の作製〕
人造黒鉛粉末 (ティムカル杜製商品名「KS— 6」) 100重量部に、 PVDF (ポリフッ 化ビ-リデン)を 12重量%含有する N—メチルピロリドン溶液 83. 5重量部、及び、 N —メチルピロリドン 50重量部をデイスパーザーで混合してスラリー状としたものを、負 極集電体である厚さ 18 mの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、電極密度が 1. 5gZ cm3程度となるようにプレスし、その後、直径 12. 5 /z mの円盤状に打ち抜いてグラフ
アイト製の負極 (グラフアイト負極)とした。
[0332] 〔非水系電解液の調製〕
エチレンカーボネートとェチルメチルカーボネートとを体積比 3: 7の比率で混合さ せた溶液に、表 III 1に示す割合で、適宜、特定化合物(3)及び Z又は各種の所定 カーボネートを加え、さらに電解質として LiPFを 1モル
6 Zリットルの濃度となるように 溶解させて非水系電解液を調製した。なお、表 ΙΠ— 1中の「-」は、その欄に該当す る特定化合物(3)又は所定カーボネートを使用しな力つたことを表わす。
[0333] 〔コイン型セルの作製〕
上記の正極及び負極と、各実施例及び比較例で調製した非水系電解液とを用い て、正極導電体を兼ねるステンレス鋼製の缶体に正極を収容し、その上に電解液を 含浸させたポリエチレン製のセパレータを介して負極を載置した。
この缶体と負極導電体を兼ねる封口板とを、絶縁用のガスケットを介してカゝしめて密 封し、コイン型セルを作製した。
[0334] 〔コイン型セルの評価〕
25°Cにおいて、充電終止電圧 4. 2V、定電流時電流 3mA、充電終了電流 0. 15
Aの定電流定電圧充電と、放電終止電圧 3. OV、定電流時電流 3mAの定電流放 電とを 1サイクルとして、 100サイクル充放電を実施した。この時の、 1サイクル目及び 100サイクル目の放電容量を測定し、 100サイクル目における容量維持率を下記式 で算出した。なお、容量はいずれも負極活物質単位重量当りの容量とした。
[数 5]
1 0サイクル目又は i 0 0サイクル目の容量維持率 (! ¾ )
= { (丄 0サイクル目又は 1 0 0サイクル目の放電容量) / ( 1サイクル の放電容量) } X 1 0 0
施例 III 12 ΠΙ— 18及び比較例 III 3, III— 4」
実施例 III— 12 ΠΙ— 18及び比較例 III— 3, III— 4として、それぞれ、負極をケィ素
合金製のものに代え、非水系電解液に混合する特定化合物(3)および Z又は所定 カーボネートとして表 III 2に示すものを用い、さらに、 10サイクル目の放電容量を測 定することにより 100サイクル目の容量維持率の代わりに 10サイクル目の容量維持 率を算出した他は、上述した〔実施例 III 1〜111 11及び比較例 III 1, III 2〕と同 様の手順で、非水系電解液二次電池を組み立て、その評価を行なった。それぞれの 結果を表 III— 2に示した。なお、表 III— 2中の「-」は、その欄に該当する特定化合物 (3)又は所定カーボネートを使用しな力つたことを表わす。また、 10サイクル目の容 量維持率は下記式で算出した。さらに、容量はいずれも負極活物質単位重量当りの 容量とした。
[数 6] 丄 0サイクル目又は 1 0 0サイクル目の容量維持率 (; ¾ )
- { ( 1 0サイクル目又は 1 0 0サイクル目の放電容量) / ( 〖サイクル Bの放電容量) } X 1 0 0
[0337] なお、ケィ素合金製の負極は以下のようにして作製したものを用いた。
〔ケィ素合金負極の作製〕
負極活物質の非炭素材料としてケィ素 73. 2重量部と銅 8. 1重量部とを用い、これ に、人造黒鉛粉末 (ティムカル杜製商品名「KS— 6」) 12. 2重量%と、 PVDFを 12重 量0 /0含有する N メチルピロリドン溶液 54. 2重量部と、 N—メチルビ口リドン 50重量 部とをデイスパーザーで混合してスラリー状としたものを、負極集電体である厚さ 18 mの銅箔上に均—に塗布し、乾燥後、電極密度が 1. 5gZcm3程度となるよ うにプレスし、その後、直径 12. 5mmの円盤状に打ち抜いてケィ素合金製の負極( ケィ素合金負極)とした。
[まとめ]
表 III一 1, III一 2より、次のことが明らかである。
負極にグラフアイトを用いた場合、非水系電解液中に特定化合物(3)を含有させた
実施例 III— 1〜ΠΙ— 11においては、比較例 III— 1, III— 2に対して、サイクル特性が 良好である。
さらに、実施例 III 1〜ΠΙ— 7を比較すると、既にサイクル特性を向上させる事が知 られて 、る化合物(所定カーボネート)と特定化合物(3)とを組み合わせて使用して いる実施例 III— 2〜ΠΙ— 7は、実施例 III— 1に比べて、さらにサイクル特性が向上して いる事が分かる。
また、負極にケィ素合金を用いた実施例 III— 12〜! II— 18と比較例 III— 3, III— 4と の比較においても、同様の傾向を示すことがわかる。
[0340] [IV.本発明のカーボネート化合物に関する実施例]
[実施例 IV - 1]
<ジフルォロ酢酸の合成 >
500mlの耐圧容器にエタノール (46g、 lmol)とナトリウム金属(2g)とを入れ、ドラ ィアイスを用いて冷却した。そこへ、テトラフルォロエチレン(67g、 0. 67mol)を添カロ し、容器を密閉した。
[0341] 密閉した容器を 55°Cにて 4時間振った。得られたジフルォロェチルェチルエーテ ル (42g、 0. 3mol)に発煙硝酸 (42ml)を滴下しながら加え、 55°Cにて 8時間加熱 撹拌を行なった。得られたものを水に注ぎ、その後、ジェチルエーテルにて抽出し、 五酸化二燐にて乾燥、蒸留を実施し、ジフルォロ酢酸ェチルを得た。
得られたジフルォロ酢酸ェチルを希硫酸にて加水分解しジフルォロ酢酸を得た。
[0342] < 2, 2 ジフルォロエタノールの合成 >
ジフノレ才ロ醉酸(85. 5g、0. 89mol)を塩ィ匕べンジノレ(140ml、 1. 2mol)にゆつく り滴下し、その後、 170°Cに加熱した。その後冷却し、水酸化リチウムアルミニウム(1 5g、 0. 4mol)が入ったジェチルエーテル(700ml)中に滴下し、激しく撹拌した。
[0343] 滴下終了後、 1時間、加熱還流を行なった。その後水(75ml)を加え、濃硫酸(500 ml)と氷とが入った容器に注いだ。得られた水相をジェチルエーテルを用いて抽出し 、 2, 2—ジフルォロエタノールを得た。
[0344] < 2, 2 ジフルォロェチルメチルカーボネートの合成 >
ジフノレ才ロエタノーノレ(5g、 0. 06mol)と塩ィ匕メチレン(20g)とピリジン(7. 9g、 0. 1
mol)とが入ったフラスコにクロ口炭酸メチル(6.9g、0. O73mol)を氷冷下滴下し、 滴下後室温にて 1時間撹拌した。得られた混合物に 1N塩酸を加え、その後、水、飽 和食塩水を用いて洗浄、抽出作業を行なった。
[0345] 抽出で得られた有機相から溶媒を留去し、蒸留を行ない、生成物(2, 2—ジフルォ 口ェチルメチルカーボネート)を得た。得られた 2, 2—ジフルォロェチルメチルカーボ ネートは 4.5g、収率は 54%であった。なお、生成化合物は1 H NMRスペクトル、 13 C NMR ^ベクトル及び19 F NMR ^ベクトル並びに質量分析のスペクトル(MZe = 140)力も構造決定した。
以下に、測定された1 H NMR ^ベクトル、 13C NMR ^ベクトル及び19 F NMR^ ベクトルのピーク、並びに、上記スペクトルから決定される構造式を示す。なお、下記 構造式及びスペクトルのピークデータにおいて、 a、 b、 c及び dはそれぞれ構造式中 で対応する位置の炭素を指す記号である。
[0346] [化 11]
δ 3. ■ 75 s (d)
δ 4. . 38 t d JH- 1 5Hz, J H„.H = 3 H z (b) δ 6. . 26 t t — F=54Hz、 J = 3 H z (a)
3C NMR (DMS Ο - - d 6 )
δ 55. . 20 s (d)
δ 64. , 89 t J c- F= 26 H z (b)
δ 1 1 3. , 07 t J c = 239 H z (a)
δ 1 54. , 42 s (c)
9F NMR (DMS Ο- - d 6、 内部標準: C 6 F 6)
δ 一 1 2 6. 7 d t J — H=54Hz、 J F_H = 1 5 H z
[0347] また、実施例 IV— 1で得られた生成物(2, 2—ジフルォロェチルメチルカーボネート
)の、1 H NMR ^ベクトルを図 1に示し、13 C NMR ^ベクトルを図 2に示す。
[0348] [実施例 IV— 2]
<2, 2—ジフルォロェチルェチルカーボネートの合成 >
実施例 IV— 1のく 2, 2—ジフルォロェチルメチルカーボネートの合成 >において、 クロ口炭酸メチル(6.9g、 0.073mol)の代わりにクロ口炭酸ェチル(7.9g、 0.073
mol)を用いた以外は同様な操作を行ない、 2, 2—ジフルォロェチルェチルカーボ ネートを得た。
[0349] 得られた 2, 2—ジフルォロェチルェチルカーボネートは 5. lg、収率は 55%であつ た。なお、生成化合物は1 H NMR ^ベクトル、 13C NMRスペクトル及び19 F NMR スペクトル並びに質量分析のスペクトル(MZe= 154)力 構造決定した。
以下に、測定された1 H NMR ^ベクトル、 13C NMR ^ベクトル及び19 F NMR^ ベクトルのピーク、並びに、上記スペクトルから決定される構造式を示す。なお、下記 構造式及びスペクトルのピークデータにおいて、 a、 b、 c、 d及び eはそれぞれ構造式 中で対応する位置の炭素を指す記号である。
[0350] [化 12]
δ 4. . 3 7 t d JH- F一 1 5 H z、 J H- — H= 3 H z (b) δ 6. . 2 6 t t JH- F― 54 H z、 J H— — H= 3 H z (a)
NMR (DMS Ο - -d 6)
δ 1 3. . 94 s (e) δ 64. . 3 0 s (d)
5 64. . 6 8 t J c- F― 2 6 H z (b) δ 1 1 3. . 0 9 t J c- F― 2 3 8 Hz (a) δ 1 5 3. , 7 6 s (c )
NMR
δ 一 1 2 6. 7 d t - H― 54Hz , J p — H= l 5Hz
[0351] また、実施例 IV— 2で得られた生成物(2, 2—ジフルォロェチルェチルカーボネー ト)の、1 H NMR ^ベクトルを図 3に示し、13 C NMRスペクトルを図 4に示す。
[0352] [実施例 IV - 3]
< 2, 2—ジフルォロェチルー n—プロピルカーボネートの合成 >
実施例 IV— 1のく 2, 2—ジフルォロェチルメチルカーボネートの合成 >において、 クロ口炭酸メチノレ(6.9g、 0.073mol)の代わりにクロ口炭酸プロピノレ(7.4g、 0.07
3mol)を用いた以外は同様な操作を行ない、 2, 2—ジフルォロェチルー n—プロピ ルカーボネートを得た。
[0353] 得られた 2, 2—ジフルォロェチルー n—プロピルカーボネートは 5.4g、収率は 53 %であった。なお、生成化合物は1 H NMR ^ベクトル、 13C NMR ^ベクトル及び19 F NMR ^ベクトル並びに質量分析のスペクトル(MZe= 168)力 構造決定した。 以下に、測定された1 H NMR ^ベクトル、 13C NMR ^ベクトル及び19 F NMR^ ベクトルのピーク、並びに、上記スペクトルから決定される構造式を示す。なお、下記 構造式及びスペクトルのピークデータにおいて、 a、 b、 c、 d、 e及び fはそれぞれ構造 式中で対応する位置の炭素を指す記号である。
[0354] [化 13]
H NMR (DMSO d 6)
δ 0. 89 t J H - H 7 H z ( f ) δ 1. 6 2 s e x t e t J H -H 7 H z (e) δ 4. 08 t J H H— 7 H z (d) δ 4. 3 7 t d J H - F— 1 5 H z、 J H-H - 3 H Z (b) δ 6. 2 7 t t J H — F— 54H z、 J II -II - 3 H z (a)
NMR (DMS O - d 6 )
δ 9. 9 3 s ( f ) δ 2 1. 43 s (e) δ 6 9. 6 6 t J c F 26 H z (b) δ 64. 7 0 s (d) δ 1 1 3. 09 t J c - F— 2 38 Hz (a) δ 1 5 3. 87 s (c)
NMR
δ - 1 26 . 7 d t J F — H— 54 H z、 J F -H ~ 1 5 H z
[0355] また、実施例 IV— 3で得られた生成物(2, 2—ジフルォロェチルー n—プロピル力 ーボネート)の、1 H NMR ^ベクトルを図 5に示し、13 C NMRスペクトルを図 6に示 す
[0356] [実施例 IV— 4]
<n—ブチルー 2, 2—ジフルォロェチルカーボネートの合成 >
実施例 IV— 1のく 2, 2—ジフルォロェチルメチルカーボネートの合成 >において、 クロ口炭酸メチル(6. 9g、0. O73mol)の代わりにクロ口炭酸ブチル(10. 0g、 0. 07 3mol)を用いた以外は同様な操作を行ない、 n—ブチルー 2, 2—ジフルォロェチル カーボネートを得た。
[0357] 得られた n—ブチルー 2, 2—ジフルォロェチルカーボネートは 5. 9g、収率は 54% であった。なお、生成化合物は1 H NMR ^ベクトル、 13C NMR ^ベクトル及び19 F NMRスペクトル並びに質量分析のスペクトル(MZe= 182)力 構造決定した。 以下に、測定された1 H NMR ^ベクトル、 13C NMR ^ベクトル及び19 F NMR^ ベクトルのピーク、並びに、上記スペクトルから決定される構造式を示す。なお、下記 構造式及びスペクトルのピークデータにおいて、 a、 b、 c、 d、 e、 f及び gはそれぞれ構 造式中で対応する位置の炭素を指す記号である。
[0358] [化 14]
NMR (DMS O- d 6)
δ 0. . 90 t J H- -H一 7 H z (g) δ 1. . 32 s e x t e t J II- II一 7 H z ( f ) δ 1. . 58 Q u i n t e t J H-H _ 7 H z (e) δ 4. . 1 2 t J H- H— 7 H z (d) δ 4. , 3 7 t d J H- - F― 1 5 H z、 J H H = 3 H z (b) δ 6. . 2 6 t t J H- - F 5 4H z、 J H-II = 3 H z (a)
13 C NMR (DM S O— d 6 )
δ 1 3. , 44 s (g) δ 1 8. ■ 36 s ( f )
6 3 0. . 03 s (e) δ 64. . 7 1 t J c- ■ F 一 2 6 H z (b)
6 6 7. 94 s (d) δ 1 1 3. 09 t J c— F― 2 38 H z (a) δ 1 5 3. 86 s (c)
F NMR
δ 一 1 2 6. 6 d t J F- ―. H—— 5 4 H z、 J F -H一 1 511 z
[0359] また、実施例 IV— 4で得られた生成物(n—ブチルー 2, 2—ジフルォロェチルカ一 ボネート)の、1 H NMR ^ベクトルを図 7に示し、13 C NMRスペクトルを図 8に示す。 産業上の利用可能性
[0360] 本発明の第一、第二及び第三の非水系電解液及び非水系電解液二次電池は、い ずれも、産業上の任意の分野において広く用いることができるが、特に長期の充放電 サイクル特性に優れているため、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モパイル ノ ソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリン ター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポ ータブル CDプレイヤー、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリー力 ード、携帯テープレコーダー、ラジオ、ノ ックアップ電源、モーター、照明器具、玩具 、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、電力のロードレべリング等の電源をはじめ、電 気自転車、電気スクーター、電気自動車等に用いて好適である。
[0361] また、本発明のカーボネートイ匕合物は、産業上の任意の分野において広く用いるこ とができ、例えば、有機合成の反応溶媒、高分子化合物の原料、各種無機物や有機 物の抽出溶媒、塗料やインク等の希釈溶媒、医農薬の原料や希釈溶媒、エネルギ 一貯蔵デバイス用電解質溶液の溶媒や添加剤などとして用いて好適である。
[0362] 以上、本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離 れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
なお本出願は、 2005年 6月 10日付で出願された日本特許出願 (特願 2005— 17 0911号)、 2005年 6月 10日付で出願された日本特許出願 (特願 2005— 170912 号)、 2005年 6月 10日付で出願された日本特許出願 (特願 2005— 170913号)、 2 005年 6月 10日付で出願された日本特許出願 (特願 2005— 170910号)、 2005年 6月 29日付で出願された日本特許出願 (特願 2005— 190351号)、及び、 2006年 6月 9日付で出願された日本特許出願 (特願 2006— 161353号)、 2006年 6月 9日 付で出願された日本特許出願 (特願 2006— 161354号)、及び、 2006年 6月 9日付 で出願された日本特許出願 (特願 2006— 161355号)に基づいており、その全体が 引用により援用される。