JP2003308838A - リチウム二次電池用負極材料及びそれから製造された負極体 - Google Patents
リチウム二次電池用負極材料及びそれから製造された負極体Info
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Abstract
クトン系の電解液でも十分に作動する黒鉛系負極が得ら
れる負極材料を提供。 【解決手段】 黒鉛系炭素質物に、より結晶性の劣る炭
素質物を被着させた構造を有し、条件(イ)〜(ニ)を
満たす粉体状のリチウム二次電池用負極材料。 (イ)黒鉛系炭素質物を50〜99.5重量%、より結
晶性の劣る炭素質物を0.5〜50重量%含有、(ロ)
X線広角回折法(XRD)における菱面体晶系黒鉛層配
向に基づくピーク強度ABC(101)と六方晶系黒鉛
層配向に基づくピーク強度AB(101)との比が0.
01以上、(ハ)黒鉛系炭素質物のXRDによる面間隔
d002が3.37Å未満で、より結晶性の劣る炭素質
物のd002が3.37Å以上、(ニ)負極体を、Li
を対極として評価した際の初回効率が70%以上。
Description
用負極材料及びそれから製造された負極体に関する。
二次電池の高容量化が望まれている。そのためニッケル
・カドミウム電池、ニッケル・水素電池に比べ、よりエ
ネルギー密度の高いリチウム二次電池が注目されてい
る。その負極材料としては、最初にリチウム金属を用い
ることが試みられたが、充放電を繰り返すうちにデンド
ライト状のリチウムが析出し、セパレータを貫通して正
極にまで達し、短絡して発火事故を起こす可能性がある
ことが判明した。そのため、現在では、充放電過程にお
ける非水溶媒の出入りを層間で行ない、リチウム金属の
析出を防止できる炭素材料を負極材料として使用するこ
とが注目されている。
8079号公報に、黒鉛材料を使用することが提案され
ている。特に、結晶性のよい黒鉛をリチウム二次電池用
の炭素負極材料として用いると、黒鉛のリチウム吸蔵の
理論容量である372mAh/gに近い容量が得られ、
材料として好ましいことは知られている。しかしなが
ら、一方、リチウム一次電池で一般的に使用されるプロ
ピレンカーボネート(PC)は高沸点溶媒であり、低温
でも高いイオン電導度を発現できるという点で好ましい
有機溶媒であるにも関わらず、黒鉛系電極を用いた場合
には、溶媒と電極の分解反応が激しく、そのためリチウ
ムの黒鉛層間への挿入・脱離が行えないので、十分な容
量が得られず、これまで実用には供されなかった。これ
を避けるためには、黒鉛材料よりも結晶性の低い、いわ
ゆる非晶質炭素材料を用いるとよいことが知られている
が、これらの材料は、Li/Li+電極に対する電位が
高く、正極との電位差が取りにくい。また、真密度が黒
鉛より低いので、体積当たりの容量が低くなるという欠
点があった。更に、一般に粒子が堅いので、電極成形性
に欠け、従って電極密度を向上させにくいという問題も
あった。また、γ−ブチロラクトン(GBL)は、従来
から安全性の高い溶媒であるが、これも溶媒と負極の分
解反応が見られ、リチウムの黒鉛層間への挿入・脱離は
十分でなかった。
質炭素材料を用いた場合に比較して、リチウム充放電時
の電位の変化がLi/Li+電極の電位に近く、かつ充
放電による電位ヒステリシスを持たないため、正極電位
との差を取りやすいような負極材料でありながら、プロ
ピレンカーボネートやγ−ブチロラクトンのような、こ
れまで黒鉛系電極では十分作動させることのできなかっ
た有機溶媒成分を含む電解質を用いた場合にも、これま
でと同様、充放電容量を得ることが出来るようなリチウ
ム二次電池用負極材料を提供することである。
の解決のために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造及び
特性を有する負極材料を用いると、これまで黒鉛系電極
では十分作動させることのできなかった有機溶媒成分を
含む電解液を用いた場合にも、負極を作動させることが
できることを見出して、本発明を完成させた。
黒鉛系炭素質物より結晶性の劣る炭素質物を被着させた
構造を有する粉体状の負極材料であって、該負極材料と
結着剤とから作製された負極体を、プロピレンカーボネ
ート又はγ−ブチロラクトンから選ばれる有機溶媒を1
0〜99.5重量%含有しかつ皮膜形成剤を0.1〜1
0重量%含有する電解液を構成要素とするリチウム二次
電池で使用するものであり、上記負極材料は以下の条件
(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)を満たすものである
ことを特徴とするリチウム二次電池用負極材料、に存す
る。
部としたとき、黒鉛系炭素質物を50〜99.5重量
部、該黒鉛系炭素質物より結晶性の劣る炭素質物を0.
5〜50重量部含有すること、(ロ)上記負極材料のX
線広角回折法(XRD)における菱面体晶系黒鉛層(A
BCスタッキング層)の配向に基づくXRD(101
面)のピークの強度ABC(101)と六方晶系黒鉛層
(ABスタッキング層)の配向に基づくXRD(101
面)のピークの強度AB(101)との比:ABC(1
01)/AB(101)の値(以下「ABC/AB」と
いう)が0.01以上であること、(ハ)上記黒鉛系炭
素質物のX線広角回折法による(002)面の面間隔
(d002)が3.37Å未満であり、該黒鉛系炭素質
物より結晶性の劣る炭素質物のd002が3.37Å以
上であること、並びに(ニ)上記負極材料と結着剤とか
ら作製された負極体を、上記電解液を用い、Liを対極
として評価した際、0〜1.5Vのカットオフ電位で充
放電を行わせた時の、下式で算出される初回効率が70
%以上であること。
回の充電容量(mAh/g)x100(%) また本発明の他の要旨は、上記リチウム二次電池用負極
材料を含む粉体を結着剤と共に集電体上に付着させ、乾
燥させて得られたことを特徴とするリチウム二次電池用
負極体、に存する。
ーボネート又はγ−ブチロラクトンから選ばれる有機溶
媒を10〜99.5重量%含有しかつ皮膜形成剤を0.
1〜10重量%含有する電解液と、正極と、上記リチウ
ム二次電池用負極体と、を備えてなることを特徴とする
リチウム二次電池、に存する。プロピレンカーボネート
(PC)の分解は、黒鉛の表層や層間で行われるコイン
タカレーションにより起こることが知られているが、本
発明のリチウム二次電池用負極材料においては、結晶性
の劣る炭素質物が黒鉛系炭素質物に被着した構造を有し
ており、それによって上記の分解作用が著しく低減され
ていると考えられる。特に初期充電時には、PCやγ−
ブチロラクトン(GBL)が直接黒鉛系炭素質物に多量
に接触することなく、負極材料および電解液の分解が抑
制されていると考えられる。従って、単に黒鉛と結晶性
の劣る炭素質物とが共存するように混合された負極系に
比べても、充放電初期にリチウムの挿入・脱離に好まし
い皮膜の形成、いわゆるSEI形成が行われる。このこ
とは、従来黒鉛系負極では作動しなかったPCやGBL
系の溶媒中でもサイクル継続時に容量が保持されること
に繋がっていると推察される。即ち、本負極材料は、黒
鉛系炭素質物が有する高容量性と、結晶性の劣る炭素質
物が有する電解液への反応耐性との両特性を引き出した
負極材料であると言うことができる。
詳細を述べる。本発明のリチウム二次電池用負極材料
は、黒鉛系炭素質物に該黒鉛系炭素質物より結晶性の劣
る炭素質物を被着させた構造を有する粉体状の負極材料
であって、特定の物性を有するものである。
材の表面の少なくとも一部に他の材料からなる被覆相を
形成させることを意味し、該被覆相の形成が該核材に対
して外部から供給された材料の付着によるか、或いは該
核材の表面部の材料の変質によるかは問わない。 [黒鉛系炭素質物]本発明において核材として用いられ
る黒鉛系炭素質物とは、高結晶性の黒鉛系炭素質物を指
し、X線広角回折法による(002)面の面間隔:d0
02が3.37Å未満の高結晶性のものを用いる。具体
例としては、天然黒鉛、人造黒鉛、これらの機械的粉砕
品、再熱処理品、膨張黒鉛の再熱処理品、或いはこれら
の黒鉛の高純度精製品から選ばれる粉体が好ましい。
おける菱面体晶系黒鉛層、即ちABCスタッキング層、
の配向に基づくXRD(101面)のピークの強度AB
C(101)と、六方晶系黒鉛層、即ちABスタッキン
グ層、の配向に基づくXRD(101面)のピークの強
度AB(101)との強度比:ABC(101)/AB
(101)の値(ABC/AB)の大きいものを数多く
選べるので特に好ましく、更に高結晶性のものを高純度
精製した品がより好ましい。
ピッチ、石炭系重質油、常圧残油、石油系重質油、芳香
族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合
物、ポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアル
コール、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラー
ル、天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフ
ェニレンオキシド、フルフリルアルコール樹脂、フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂等から選ばれ
る1種以上の有機物を、通常、2500℃以上、320
0℃以下程度の焼成温度で黒鉛化したものを、適当な粉
砕手段で粉化したものが好ましい。
炭素質物の種類に関わらず、これら黒鉛系炭素質物の粉
体をX線回折(XRD)にて101面を測定した時に得
られる、グラフェン面のABCスタッキング層とABス
タッキング層との両配向に基づくXRD(101面)の
ピークの強度比:ABC(101)/AB(101)
(「ABC/AB」)の値が、0.15以上であるもの
が好ましい。0.3以上であるものはより好ましく、
0.4以上であるものはさらに好ましい。これは、AB
Cのスタッキングが多くなると、いわゆる乱層構造とな
り、PCの黒鉛層面内部へのコインターカレーションが
抑制され、溶媒分解による炭素層の剥離が抑制されるた
めと考えられる。
物]上記の黒鉛系炭素質物からなる核材の表面に被覆相
を形成させるための「黒鉛系炭素質物より結晶性の劣る
炭素質物」(以下の説明において単に「結晶性の劣る炭
素質物」ということもある)としては、核材の黒鉛系炭
素質物より結晶性の劣る種々の炭素質物を用いることが
でき、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d
002)が3.37Å以上を示す結晶性の低い各種炭素
質物を用いる。
素質物」からなる被覆相の形成は、黒鉛系炭素質物から
なる核材の表面部の変質、核材の外部から供給された結
晶性の劣る炭素質物からなる材料の付着、或いは核材の
外部から供給された各種材料の付着及び結晶性の劣る炭
素質物への変質、等の種々の形態で達成される。上記
「黒鉛系炭素質物より結晶性の劣る炭素質物」の具体例
としては、上記人造黒鉛の具体例のところで述べた有機
物を、通常、500℃以上、2500℃未満程度の温度
で焼成したものが挙げられる。また、上記の各種黒鉛を
ボールミル等の摩砕手段を用いて処理し、d002が
3.37Å以上を示すようにしたものでもよい。
炭素質物」の粉体においては、前述のXRDのABC/
ABが0.01以上であるものが好ましく、0.3以上
であるものは更に好ましい。 [リチウム二次電池用負極材料]本発明のリチウム二次
電池用負極材料は、黒鉛系炭素質物に該黒鉛系炭素質物
より結晶性の劣る炭素質物を被着させた構造、即ち黒鉛
系炭素質物からなる核材の表面の少なくとも一部に該黒
鉛系炭素質物より結晶性の劣る炭素質物からなる被覆相
を形成させた構造、を有する粉体状の負極材料である。
る、黒鉛系炭素質物と、結晶性の劣る炭素質物との割合
は、重量比で、99.5/0.5〜50/50、好まし
くは95/5〜75/25、より好ましくは94/6〜
80/20である。結晶性の劣る炭素質物の量が少なす
ぎると被覆の効果が薄く、逆に多すぎると負極容量の低
下を招く。
法(XRD)における菱面体晶系黒鉛層(ABCスタッ
キング層)の配向に基づくXRD(101面)のピーク
の強度ABC(101)と六方晶系黒鉛層(ABスタッ
キング層)の配向に基づくXRD(101面)のピーク
の強度AB(101)との比:ABC(101)/AB
(101)の値(以下「ABC/AB」という)が0.
01以上であることが必要である。
のアルゴンイオンレーザー光を用いてラマンスペクトル
分析した際、1570〜1620cm-1の範囲に存在す
るピークの強度をIA、1350〜1370cm-1の範
囲に存在するピークの強度をIBとしたとき、その比で
あるR値(=IB/IA)が、0.2を超えるものが好ま
しく、0.3〜1.5であるものは更に好ましい。
晶性の劣る炭素質物を被着させる方法、即ち黒鉛系炭素
質物の表面にこれより結晶性の劣る炭素質物からなる被
覆相を形成させる方法、は多様であるが、代表的な方法
は次の通りである。 黒鉛系炭素質物を機械的又は化学的に処理して、そ
の表面部の黒鉛系炭素質物をより結晶性の劣る炭素質物
に変質させる方法。
面間隔(d002)が3.37Å以上を示すような結晶
性の低い土状黒鉛や鱗状黒鉛、これらの粉砕物、好まし
くはレーザー回折法で得られる平均粒径d50が5μm
以下、更に好ましくは1μm以下、最も好ましくは0.
5μm以下となるように微粉砕した粉体、を黒鉛系炭素
質物の表面に、必要により適当な粉体結着剤を用いて、
結着させる方法。
出可能な結晶性の劣る炭素質物に変質し得る性質を有す
る有機物を、黒鉛系炭素質物の表面に付着させ、これを
焼成して結晶性の劣る炭素質物に変質させる方法。上記
各方法の中では上記の方法(以下、焼成法という)
が、簡便であり、かつ得られる効果としても優れた方法
である。
体例としては、炭素化可能な有機物として、液相で炭素
化が進行する軟ピッチから硬ピッチまでのコールタール
ピッチや乾留液化油などの石炭系重質油や、常圧残油、
減圧残油等の直留系重質油、原油、ナフサなどの熱分解
時に副生するエチレンタール等分解系重質油等の石油系
重質油、或いは以上のものを炭素化が進む温度以下の温
度で蒸留、溶媒抽出等の手段を経て固化したものが挙げ
られる。更にアセナフチレン、デカシクレン、アントラ
センなどの芳香族炭化水素、フェナジンやアクリジンな
どの窒素含有環状化合物、チオフェンなどの硫黄含有環
状化合物、30MPa以上の加圧が必要となるがアダマ
ンタンなどの多環脂環式化合物が挙げられる。また熱可
塑性高分子である、炭素化に至る過程で液相を経るビフ
ェニルやテルフェニルなどのポリフェニレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどの
ポリビニルエステル類、ポリビニルアルコールが挙げら
れる。また、上記各種の有機物質に適量の燐酸、ホウ
酸、塩酸などの酸類、水酸化ナトリウム等のアルカリ類
を添加したものでもよい。更にこれらのものを300〜
600℃、好ましくは300〜400℃で酸素、硫黄、
窒素、又は硼素から選ばれる元素により適度に架橋処理
したものでもよい。
物と上記有機物とを混合し、焼成を行う。焼成温度は、
通常、500〜2200℃、好ましくは650〜150
0℃、更に好ましくは700〜1200℃とする。焼成
温度が低すぎると導電性に劣り、逆に高すぎると上記P
CやGBLを含有する溶媒を含む電解液中で用いた場
合、これらを分解しやすくなる。
系炭素質物にこれより結晶性の劣る炭素質物を被着させ
た構造を有する材料は、必要により適当な解砕又は粉砕
の処理を行って、粒径が4〜40μm、好ましくは10
〜32μm、更に好ましくは15〜30μmに調整し
て、本発明のリチウム二次電池用負極材料の粉体とす
る。
る表面積は0.5〜25m2/gの範囲であるのが好ま
しい。さらに、上記負極材料は、該負極材料と結着剤と
から作製された負極体を、上記のPC又はGBL並びに
皮膜形成剤を含有する溶媒を含む電解液を用い、Liを
対極として評価した際、0〜1.5Vのカットオフ電位
で充放電を行わせた時の、下式で算出される初回効率が
70%以上であることが必要である。
回の充電容量(mAh/g)x100(%) 上記の充放電の条件としては、上記電解液を用い、Li
対極で、上記負極材料を用いた電極と共にコイン型セル
を組み、0.16mA/cm2で0Vまで充電し、0.
33mA/cm2で1.5Vまで放電させるものとす
る。
は、PC分解によるガス発生量が少なく、かつ後続サイ
クル時の容量も維持されやすい。初回効率は好ましくは
85%以上であり、より好ましくは92%以上である。
本発明の負極材料における上記のような好ましい特性の
取得は、黒鉛系炭素質物に被着させるこれより結晶性の
劣る炭素質物の量及び結晶性の程度、例えば焼成法にお
ける焼成温度の調整によって達成することができる。
極材料と結着剤とから作製された負極体を使用するため
の電解液は、プロピレンカーボネート(PC)又はγ−
ブチロラクトン(GBL)から選ばれる有機溶媒を10
〜99.5重量%含有し、皮膜形成剤を0.1〜10重
量%含有し、さらに電解質としてのリチウム塩を含有す
る電解液である。
プロピレンカーボネート又はγ−ブチロラクトンであ
り、これらを10〜99.5重量%含む電解液が対象と
なる。該電解液の組成の残部は、種々の有機溶媒を用い
ることができる。例えばエチレンカーボネート等の環状
カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボ
ネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネー
ト、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン
等のエーテル類、スルホラン等が挙げられる。
レンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネー
ト(VEC)、メチルフェニルカーボネート、エチレン
サルファイト(ES)、プロピレンサルファイト(P
S)、1、3−プロパンスルトン、1、4−ブタンスル
トン、或いは無水コハク酸、無水マレイン酸等の酸無水
物等が挙げられ、好ましくはビニレンカーボネート、ビ
ニルエチレンカーボネート、メチルフェニルカーボネー
ト、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、
無水コハク酸及び無水マレイン酸である。皮膜形成剤の
添加量は0.1〜10重量%、好ましくは8重量%以
下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2
重量%以下である。添加量が多すぎると初期不可逆容量
の増加や低温特性、レート特性の低下を招くおそれがあ
る。
例えばLiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3
SO3、LiAsF6、LiCl、LiBr、Liトリフ
ルオロスルホンイミド等の塩が挙げられる。電解質の濃
度は有機溶媒中に0.5〜2.0M程度とする。これら
の電解液を更に有機高分子化合物中に含ませて、ゲル
状、ゴム状或いは固体シート状としたものを用いてもよ
い。そのような場合には骨材となる有機高分子化合物の
分量を除いた有機溶媒のみの組成で上記組成を議論す
る。これら有機高分子化合物の具体例としては、ポリエ
チレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエー
テル系高分子化合物、これらポリエーテル化合物の架橋
体高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、これらの不溶化物、ポリエピクロルヒドリン、ポリ
ホスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリ
ルが挙げられる。また、ポリ(ω−ヒドロキシオリゴオ
キシエチレンメタクリレート)、ポリ(ω−ヒドロキシ
オリゴオキシエチレンメタクリレート−co−メチルメ
タクリレート)等のポリマー共重合体も使用可能であ
る。
チオンの導電体である高分子固体電解質を用いることも
でき、その例としては、上記ポリエーテル系高分子化合
物にLi塩を溶解させたものや、ポリエーテル末端水酸
基がアルコキシドに置換されているポリマーなどが挙げ
られる。 [リチウム二次電池用正極]本発明のリチウム二次電池
を構成するための正極体の材料は、特に限定されない
が、リチウムイオンなどのアルカリ金属カチオンを充放
電時に吸蔵、放出できる金属カルコゲン化合物からなる
ことが好ましい。そのような金属カルコゲン化合物とし
ては、バナジウムの酸化物、バナジウムの硫化物、モリ
ブデンの酸化物、モリブデンの硫化物、マンガンの酸化
物、クロムの酸化物、チタンの酸化物、チタンの硫化物
及びこれらの複合酸化物、複合硫化物等が挙げられる。
好ましくは、Cr3O8、V2O5、V5O13、VO2、Cr
2O5、MnO2、TiO2、MoV 2O8、TiS2、V2S
5、MoS2、MoS3VS2、Cr0.25V0.75S2、Cr
0.5V0.5S2等である。また、LiMY2(Mは、Co、
Ni等の遷移金属、YはO、S等のカルコゲン元素)、
LiM2Y4(MはMn、YはO)、WO3等の酸化物、
CuS、Fe0.25V0.75S2、Na0.1CrS2等の硫化
物、NiPS3、FePS3等のリン・硫黄化合物、VS
e2、NbSe3等のセレン化合物等を用いることもでき
る。
様の手法で、結着剤と混合し、集電体上に塗布、乾燥し
て正極板とする。 [リチウム二次電池用負極]本発明のリチウム二次電池
用負極材料を用いて本発明のリチウム二次電池用負極を
製造する方法について説明する。
る方法としては、上記本発明の負極材料を負極の成分と
して含む限り、従来公知の方法が採用可能である。例え
ば、上記負極材料に結着剤、溶媒等を加えて、スラリー
状とし、銅箔等金属製の集電体基板にスラリーを塗布・
乾燥することで負極シート等の負極体とする。上記結着
剤としては、溶媒に対して安定な、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリ
アミド、セルロース等の樹脂系高分子、スチレン・ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレ
ン・プロピレンゴム等のゴム状高分子、スチレン・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、
スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、そ
の水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子、シン
ジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、エチレン・
酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭
素数2又は4〜12)共重合体等の軟質樹脂状高分子、
ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフ
ッ素系高分子、アルカリ金属イオン、特にリチウムイオ
ンの伝導性を有する高分子組成物が挙げられる。
しては、各種の形態をとることができる。即ち、両者の
粒子が混合した形態、繊維状の結着剤が炭素質物の粒子
に絡み合う形で混合した形態、または結着剤の層が炭素
質物の粒子表面に付着した形態などが挙げられる。上記
結着剤の混合割合は、炭素質物に対し、好ましくは0.
1〜30重量%、より好ましくは0.5〜10重量%で
ある。結着剤の量が多すぎると、電極の内部抵抗が大き
くなり、逆に少なすぎると集電体と炭素質粉体の結着性
に劣る。
してもよい。そのような例としては、アセチレンブラッ
ク、ファーネスブラック、ケッチェンブラックなどのカ
ーボンブラックや平均粒径が1μm以下のニッケル、銅
などの金属パウダーが挙げられる。 [リチウム二次電池]上記のようにして作製した負極、
正極及び電解液を、その他の電池構成要素であるセパレ
ータ、ガスケット、集電体、封口板、セルケース等と組
み合わせてリチウム二次電池を構成する。作製可能な電
池は筒型、角型、コイン型等特に限定されるものではな
いが、基本的にはセル床板上に集電体と負極材料とを乗
せ、その上に電解液とセパレータを、更に負極と正極を
対向させ、ガスケット、封口板と共にかしめて二次電池
とする。
液性に優れた材料であり、例えば、ポリオレフィン系樹
脂の不織布や多孔性フィルムなどを使用して、上記電解
液を含浸させる。
詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定さ
れるものではない。 [電極材料の評価方法]負極材料中の結晶性の劣る炭素質物の含有量 焼成法においては、黒鉛系炭素質物の表面に有機物質を
付着させ焼成することによって生成される炭素質物が結
晶性の劣る炭素質物を構成するので、この焼成操作によ
る重量の増加、即ち残炭率によって結晶性の劣る炭素質
物の量を定量した。
し、X線回折装置(日本電子製、JDX−3500)
で、CuKα線にて出力30kV、200mAで測定し
た。得られたABC(101)及びAB(101)の両
ピークからバックグラウンドを差し引いた後、強度比A
BC(101)/AB(101)を算出した。
線広角回折法(XRD)によって算出した。粒径測定 分散媒としてポリオキシエチレン(20)ソルビタンモ
ノラウレイト(商品名Tween20)を用いて、レー
ザー回折式粒径評価装置(堀場製作所製、HORIBA
LA−920)により行い、自動的に算出される中心粒
径d50を評価基準に用いた。
波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を、30m
Wの強度で照射した。ここでは1570〜1620cm
-1の範囲に存在するピークの強度IA及び1350〜1
370cm-1の範囲に存在するピークの強度IBを測定
し、これらからR値(=IB/IA)を求めた。
ン(PVdF)のジメチルアセトアミド溶液をPVdF
の固形分換算で7重量%加えたものを撹拌し、スラリー
を得た。このスラリーを銅箔上に塗布し、80℃で予備
乾燥を行った。さらに圧着させたのち、直径12.5m
mの円盤状に打ち抜き、110℃で減圧乾燥をして負極
とした。
ポリプロピレン製セパレータをはさみ、リチウム金属正
極に対向させたコイン型セルを作製し、充放電試験を行
った。充放電試験の条件としては、電流密度0.16m
A/cm2で極間電位差が0Vになるまで充電を行い、
電流密度0.33mA/cm2で極間電位差が1.5V
になるまで放電を行うこととした。初回効率は下式で計
算し、コイン型セル4個の結果の平均値で評価した。
回の充電容量(mAh/g)x100(%) また、後続サイクル時の容量維持特性は、上記充放電試
験における3回目の放電容量によって評価した。
に、結着剤を用い集電体とともにペレット状に成形した
負極材料を、セパレータ、電解液と共に、対極をリチウ
ム金属とした半電池とし、2016コイン型セル中に組
み立て、充放電試験機で評価したが、対極としてリチウ
ムに代えてLiCoO2等の正極を用いた場合について
も同様の効果が期待できる。
き、これが25μmで、ABC/AB比が0.25であ
る黒鉛粒子と石油系ピッチとをミキサーにより70℃、
大気中で攪拌し、均一混合した。得られた粉体を回分式
加熱炉で不活性雰囲気下にて1300℃に保ち、焼成処
理した。不活性雰囲気下で放冷した後、得られた粉体を
解砕し、中心粒径d50を26μmに整えてサンプル粉
体とした。残炭率から計算される黒鉛より結晶性の劣る
炭素質物の含有量は、粉体全体を100重量部としたと
き、8重量部であった。また、前述の方法でX線測定の
結果から計算されたABC/AB比は0.17であり、
ラマン分光の結果から計算されたR値は0.23であっ
た。
C)とエチレンカーボネート(EC)とを体積比で1/
1に混合したものに、リチウムヘキサフルオロホスフェ
ート(LiPF6)を1.0mol/Lの割合で溶解さ
せたものを作製し、更にビニルエチレンカーボネート
(VEC)を、前記混合溶媒量を100としたときに重
量比で1混合した溶媒を用いて、前記の方法による電気
化学的評価を行った。初回効率は85%であった。
極材料)の物性パラメータを表−1に、また電気化学的
評価における初回効率、初回放電容量(mAh/g)及
び3回目放電容量(mAh/g)の結果を表−2にそれ
ぞれ示す。 実施例2 天然黒鉛の機械粉砕により平均粒径14μmで、ABC
/AB比が0.17である黒鉛粒子と石油系ピッチをミ
キサーにより70℃、大気中で攪拌し、均一混合した。
得られた粉体を回分式加熱炉で不活性雰囲気下にて10
00℃に保ち、焼成処理した。不活性雰囲気下で放冷し
た後、得られた粉体を解砕し、中心粒径d50を22μ
mに整えてサンプル粉体とした。残炭率から計算される
黒鉛より結晶性の劣る炭素質物の含有量は、粉体全体を
100重量部としたとき、8重量部であった。また、X
線測定の結果から計算されたABC/AB比は0.17
であり、ラマン分光の結果から計算されたR値は0.5
5であった。電気化学的評価は実施例1と同様に行っ
た。初回効率は93%であった。
焼成処理の温度を1100℃にし、中心粒径d50を2
4μm、残炭率から計算される黒鉛より結晶性の劣る炭
素質物の含有量を、粉体全体を100重量部としたと
き、7重量部とした。X線測定の結果から計算されたA
BC/AB比は0.19であり、ラマン分光の結果から
計算されたR値は0.52であった。電気化学的評価は
実施例1と同様に行った。初回効率は85%であった。
レンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(E
C)とを体積比で1/1に混合したものに、リチウムヘ
キサフルオロホスフェート(LiPF6)を1.0mo
l/Lの割合で溶解させたものを作製し、更に無水コハ
ク酸を、前記混合溶媒量を100としたときに重量比で
0.5混合した溶媒に変えた。その他の点では電気化学
的評価は実施例1と同様に行った。初回効率は86%で
あった。
成処理の温度を700℃にし、中心粒径d50を24μ
m、残炭率から計算される黒鉛より結晶性の劣る炭素質
物の含有量を、粉体全体を100重量部としたとき、8
重量部とした。X線測定の結果から計算されたABC/
AB比は0.19であり、ラマン分光の結果から計算さ
れたR値は0.56であった。電気化学的評価は実施例
1と同様に行った。初回効率は91%であった。
こに黒鉛粒子を投入して攪拌混合を行った。これを回分
式加熱炉で熱処理を1300℃にし、中心粒径d50を
25μm、残炭率から計算される黒鉛より結晶性の劣る
炭素質物の含有量を、粉体全体を100重量部としたと
き、10重量部とした。X線測定の結果から計算された
ABC/AB比は0.16であり、ラマン分光の結果か
ら計算されたR値は0.36であった。電気化学的評価
は実施例1と同様に行った。初回効率は88%であっ
た。
50を平均粒径としたとき、これが20μmで、ABC
/AB比が0.09である黒鉛粒子を作成し、石油系ピ
ッチをミキサーにより70℃、大気中で攪拌し、均一混
合した。得られた粉体を回分式加熱炉で不活性雰囲気下
にて1300℃に保ち、焼成処理した。不活性雰囲気下
で放冷した後、得られた粉体を解砕し、中心粒径d50
を20μmに整えてサンプル粉体とした。残炭率から計
算される黒鉛より結晶性の劣る炭素質物の含有量は、粉
体全体を100重量部としたとき6重量部であった。ま
た、前述の方法でX線測定の結果から計算されたABC
/AB比は0.17であり、ラマン分光の結果から計算
されたR値は0.33であった。電気化学的評価は実施
例1と同様に行った。初回効率は25%であった。本例
においては3回目の充放電試験中にコイン型セルが膨張
し、破裂した。
き、これが24μmで、ABC/AB比が0.36であ
る黒鉛粒子を作製し、石油系ピッチをミキサーにより7
0℃、大気中で攪拌し、均一混合した。得られた粉体を
回分式加熱炉で不活性雰囲気下にて1300℃に保ち、
焼成処理した。不活性雰囲気下で放冷した後、得られた
粉体を解砕し、中心粒径d50を23μmに整えてサン
プル粉体とした。残炭率から計算される黒鉛より結晶性
の劣る炭素質物の含有量は、粉体全体を100重量部と
したとき6重量部であった。また、X線測定の結果から
計算されたABC/AB比は0.29であり、ラマン分
光の結果から計算されたR値は0.33であった。電気
化学的評価は実施例1と同様に行った。初回効率は58
%であった。
000℃に保ち、焼成処理した。不活性雰囲気下で放冷
した後、得られた粉体を解砕し、中心粒径d50を21
μmに整えてサンプル粉体とした。残炭率から計算され
る黒鉛より結晶性の劣る炭素質物の含有量は、粉体全体
を100重量部としたとき、6重量部であった。また、
X線測定の結果から計算されたABC/AB比は0.1
7であり、ラマン分光の結果から計算されたR値は0.
56であった。電気化学的評価は実施例1と同様に行っ
た。初回効率は66%であった。
ト系又はγ−ブチロラクトン系の電解液を用いた場合に
も十分に作動させることができる黒鉛系負極を得ること
のできるリチウム二次電池用負極材料が提供される。
Claims (11)
- 【請求項1】 黒鉛系炭素質物に該黒鉛系炭素質物より
結晶性の劣る炭素質物を被着させた構造を有する粉体状
の負極材料であって、該負極材料と結着剤とから作製さ
れた負極体を、プロピレンカーボネート又はγ−ブチロ
ラクトンから選ばれる有機溶媒を10〜99.5重量%
含有しかつ皮膜形成剤を0.1〜10重量%含有する電
解液を構成要素とするリチウム二次電池で使用するもの
であり、上記負極材料は以下の条件(イ)、(ロ)、
(ハ)及び(ニ)を満たすものであることを特徴とする
リチウム二次電池用負極材料。 (イ)上記負極材料が、全体を100重量部としたと
き、黒鉛系炭素質物を50〜99.5重量部、該黒鉛系
炭素質物より結晶性の劣る炭素質物を0.5〜50重量
部含有すること、 (ロ)上記負極材料のX線広角回折法(XRD)におけ
る菱面体晶系黒鉛層(ABCスタッキング層)の配向に
基づくXRD(101面)のピークの強度ABC(10
1)と六方晶系黒鉛層(ABスタッキング層)の配向に
基づくXRD(101面)のピークの強度AB(10
1)との比:ABC(101)/AB(101)の値
(以下「ABC/AB」という)が0.01以上である
こと、 (ハ)上記黒鉛系炭素質物のX線広角回折法による(0
02)面の面間隔(d002)が3.37Å未満であ
り、該黒鉛系炭素質物より結晶性の劣る炭素質物のd0
02が3.37Å以上であること、並びに (ニ)上記負極材料と結着剤とから作製された負極体
を、上記電解液を用い、Liを対極として評価した際、
0〜1.5Vのカットオフ電位で充放電を行わせた時
の、下式で算出される初回効率が70%以上であるこ
と。 【数1】初回効率=初回の放電容量(mAh/g)/初
回の充電容量(mAh/g)x100(%) - 【請求項2】 黒鉛系炭素質物に有機物を付着させ、焼
成したものである、請求項1に記載のリチウム二次電池
用負極材料。 - 【請求項3】 黒鉛系炭素質物の表面を有機物で被覆し
た後に焼成することによって得られた非晶質炭素被着黒
鉛系炭素質物である、請求項1に記載のリチウム二次電
池用負極材料。 - 【請求項4】 焼成温度が500〜2200℃である、
請求項2又は3に記載のリチウム二次電池用負極材料。 - 【請求項5】 上記負極材料を波長5145Åのアルゴ
ンイオンレーザー光を用いてラマンスペクトル分析した
際、1570〜1620cm-1の範囲に存在するピーク
の強度をIA、1350〜1370cm-1の範囲に存在
するピークの強度をIBとしたとき、その比であるR値
(=IB/IA)が、0.2を超え1.5以下である、請
求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極
材料。 - 【請求項6】 上記負極材料のBET法によって求めら
れる表面積が0.5〜25m2/gである、請求項1〜
5のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極材料。 - 【請求項7】 上記負極材料の粒径が4〜40μmであ
る、請求項1〜6のいずれかに記載ののリチウム二次電
池用負極材料。 - 【請求項8】 原料の黒鉛系炭素質物として、X線広角
回折法(XRD)における菱面体晶系黒鉛層(ABCス
タッキング層)の配向に基づくXRD(101面)のピ
ークの強度ABC(101)と六方晶系黒鉛層(ABス
タッキング層)の配向に基づくXRD(101面)のピ
ークの強度AB(101)との比:ABC(101)/
AB(101)の値(ABC/AB)が0.15以上の
ものが使用されている、請求項1〜7のいずれかに記載
のリチウム二次電池用負極材料。 - 【請求項9】 皮膜形成剤が、ビニレンカーボネート、
ビニルエチレンカーボネート、メチルフェニルカーボネ
ート、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイ
ト、無水コハク酸及び無水マレイン酸からなる群から選
ばれたものである、請求項1〜8のいずれかに記載のリ
チウム二次電池用負極材料。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のリチ
ウム二次電池用負極材料を含む粉体を結着剤と共に集電
体上に付着させ、乾燥させて得られたことを特徴とする
リチウム二次電池用負極体。 - 【請求項11】 プロピレンカーボネート又はγ−ブチ
ロラクトンから選ばれる有機溶媒を10〜99.5重量
%含有しかつ皮膜形成剤を0.1〜10重量%含有する
電解液と、正極と、請求項10に記載のリチウム二次電
池用負極体と、を備えてなることを特徴とするリチウム
二次電池。
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