JPWO2015016359A1 - 解砕シリカ粒子の製造方法および該微粒子を含む樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

解砕用容器内に導入するガスによって発生させた旋回流中に焼成工程で焼成されたシリカ粒子を供給して解砕する。これにより、解砕が容易に可能になり、低い吸湿性と、高い樹脂分散性を両立する解砕シリカ粒子が実現する。さらに、解砕時に除湿空気(ガス)を導入すると、吸湿性が低くなり、樹脂への分散性が大幅に向上する。さらに、解砕後に再度加熱処理(焼成)すると、解砕シリカ粒子の表面が改質され、吸湿性と樹脂への分散性、が大幅に向上する。このようにして得られた解砕シリカ粒子を含む樹脂組成物は、半導体のアンダーフィル材や、液晶表示装置の面内用スペーサやシール用スペーサに用いた際に注入性、濾過性の良い。

Description

本発明は、解砕シリカ粒子の製造方法および該粒子を含む樹脂組成物に関する。特に、吸湿性が低く、樹脂への分散性に優れた解砕シリカ粒子の製造方法に関する。さらに、半導体のアンダーフィル材や、液晶表示装置の面内用スペーサやシール用スペーサに用いた際に、良好な注入性、濾過性が得られる、解砕シリカ粒子を含んだ樹脂組成物に関する。
真球状のシリカ粒子は各種用途に使用されている。例えば、特許文献1(特開平7−140472号公報)には、有機珪素化合物を加水分解、縮重合して得られた粒子を熱処理(100〜1000℃)して、液晶セル用スペ−サ粒子を得ることが記載されている。また、特許文献2(特開平11−228699号公報)や特許文献3(特開平11−228698号公報)には、有機珪素化合物を加水分解・縮合させて得られるシリカ粒子を高温で焼成し、この焼成シリカ粒子を液晶表示装置の面内用スペーサやシール用スペーサに用いることが記載されている。
また、焼成シリカ粒子は、樹脂組成物に充填剤やフィラーとして混入されている。例えば、半導体素子の封止材や歯科材料として用いる硬化性樹脂組成物には、焼成シリカ粒子を充填剤として混合することが知られている。焼成シリカ粒子には、吸湿性が低いこと、粒度分布が狭く粒径が揃っていること、分散性が良いことなどが求められる。例えば、特許文献4(特開2012−142438号公報)には、平均粒子径が0.5〜30μmの範囲にあり、粒子径変動係数(CV値)が3%以下であるポリオルガノシロキサン粒子と樹脂を含んだ半導体素子の実装用ペーストが開示されている。
また、特許文献5(特開昭62−96313号公報)や特許文献6(特開平1−234319号公報)には、水和物を縮合して得られるシリカ粒子は粒子径が揃っているため、フィラー等として好適であることが開示されている。
特許文献7(特開2003−176121号公報)には、平均粒子径が所定範囲にあり、平均粒子径の標準偏差が小さく、凝集物が少なく、吸湿性の低い焼成シリカ粒子が開示されている。具体的には、加水分解が可能なシリコン化合物を、水と触媒とを含む有機溶媒中で加水分解,縮合することによってシリカ粒子を作製する。このシリカ粒子を噴霧乾燥し、その後、シリカ粒子を1000〜1200℃の範囲内で焼成する。このとき、凝集状態でシリカ粒子を乾燥させることになるため、このまま焼成を行なうとシリカ粒子の融着が進み、凝集体となり単分散したものが得られない。そこで、噴霧乾燥後、ハンマーミル等の粉砕装置でシリカ粒子を粉砕する(粉砕工程)ことで、凝集体を粉砕し、シリカ粒子の焼成時に凝集が生じるのを抑制している。
また、特許文献8(特開2011−245362号公報)には、容器内に高圧気体を導入し、真円容器の内壁面に沿うような旋回流を同心円状に生じさせ、原材料同士を衝突させて粉砕、粉化するジェットミルが開示されている。
特開平7−140472号公報 特開平11−228699号公報 特開平11−228698号公報 特開2012−142438号公報 特開昭62−96313号公報 特開平1−234319号公報 特開2003−176121号公報 特開2011−245362号公報
しかしながら、以下に述べる理由から、いずれの方法で得られる粒子でもアンダーフィル材や、封止材に用いる粒子としては不十分である。シリカ粒子を調製する方法には種々の方法があるが、シリカ粒子の凝集を防ぎ、樹脂への分散性を高めることは容易ではない。特に、粒子径が小さいほど、結果的に表面積が大きくなるため、この問題が顕著になる。凝集した状態のシリカ粒子を高温で焼成すると、シリカ粒子が融着し、十分な分散性が得られない。特許文献5、特許文献6のように噴霧乾燥装置を用いてシリカ粒子を作製すると、シリカ粒子が凝集して樹脂への分散性等が十分ではない。また、特許文献7のように、1000〜1200℃の比較的高温で焼成して緻密化を進めると、粒子の吸湿性が低下することが経験的に知られているが、高温で処理すればするほど、シリカ粒子同士の融着が起こるので一次粒子が合着した凝集体となる。焼成する前に粉砕しておくことにより、凝集体は発生し難くなるにしても、粒子の融着を無くすことはできない。そのため、凝集体は発生してしまい、狭いギャップへの注入性、埋め込み性、及び樹脂と混練した際の混練物の濾過性を悪化させてしまう。
このような場合、更に、融着や合着した粒子を粉砕装置で処理することも経験的になされているが、粉砕された粒子の破砕面はシロキサン結合が切れているため、シラノール基が発生し易く、結果的に親水性の表面になり易い。焼成によって緻密化された表面はシラノール基が少なく、疎水性の表面となるが、粉砕によってシロキサン結合が切断されて、シラノール基が発生すると、疎水性の表面が減り親水性の表面が増加することになる。すると一次粒子がゆるく会合した凝集体(ダマ)が形成され易くなり、後に樹脂成分と共に混練した時に分散が不十分となり、濾過性の低下および注入性の低下を引き起こす。
また、粒子の融着を防ぐには、900℃未満の低温で焼成することが効果的である。しかし、低温でシリカ粒子を焼成すると、焼成シリカ粒子の表面にシラノール基が残りやすく、吸湿量を少なくすることができない。
また、特許文献8に示された装置を用いれば、粉砕による粉化はできたとしても、親水性の表面と疎水性の表面を十分に制御することはできず、樹脂への分散の低下、凝集体の発生、樹脂混練物の濾過性の低下を引き起こす。
このように、従来の製造方法では、焼成シリカ粒子の低吸湿性・高分散性と樹脂組成物の濾過性・注入性とを両立させることができなかった。
そこで、本発明は、粒子径が均一で、吸湿性が低く、樹脂への分散性に優れた粒子を実現することを目的とする。

上述の目的を達成するため、焼成工程においてシリカ粒子を600〜1200℃で焼成した焼成シリカ粒子を、解砕用容器内に導入するガスによって発生させた旋回流中に供給して解砕することとした。このような方法によれば、粒子を破砕することなく、比較的容易に一次粒子に解砕、分離することができ、親水性の破砕面が生成され難い。そのため、得られる解砕シリカ粒子は吸湿性が低く、かつ、凝集体もでき難いので、樹脂への分散性が良好である。その結果、樹脂成分との混練により得られる組成物は、濾過性が良好で、挟ギャップへの注入性、埋め込み性に優れている。
ここで、解砕シリカ粒子の分散性を向上させるために、平均粒子径が1〜100μmの範囲にあり、水分含有量が0.01〜10質量%の範囲にあるシリカ粒子を用いることが好ましい。例えば、平均粒子径10nm〜1μmの範囲にあるシリカ粒子の分散液を噴霧乾燥して得られる噴霧乾燥シリカ粒子が適している。噴霧乾燥に用いるシリカ粒子は、粒度分布が揃っていると、噴霧乾燥粒子のパッキング性が均一となるため好ましい。小粒子を含む分布のシリカ粒子を用いて噴霧乾燥を行うと、高パッキング性を備えた噴霧乾燥粒子が得られる傾向にあり、粒子間接点が増大し、その結果として焼成工程で融着箇所が増え、解砕され難い粒子となるため、樹脂への分散性の低下に繋がる。用いる噴霧乾燥シリカ粒子の水分含有量が所定量であると、得られる解砕シリカ粒子のシラノール基が全体的に少なく、吸湿量や樹脂への分散性を所定の範囲内にすることができる。
ここで、解砕工程におけるノズルからの噴出速度を亜音速以上とし、旋回流の線速を高めることが好ましい。
また、解砕工程において、旋回流(気体)中に供給する焼成シリカ粒子(固体)の供給量(気固比)を所定の範囲にすることにより、平均粒子径が5nm〜0.95μmの範囲にある解砕シリカ粒子を効率的に得ることができる。
さらに、解砕時に除湿空気(ガス)を導入すると、シラノール基の生成が抑制され、吸湿性がより低くなり、樹脂への分散性が大幅に向上するので好ましい。
さらに、解砕後に再度加熱処理(焼成)を行った場合には、解砕シリカ粒子の表面が改質され、吸湿性が大幅に低減し、樹脂への分散性が大幅に向上するので好ましい。
また、焼成工程を、絶対湿度50g/m3以上の環境下で800〜1000℃でシリカ粒子を焼成する工程(代替焼成工程)とすることはさらに好ましい。加湿環境下で焼成することにより、比較的低温で焼成しても吸湿性が低減することを見出した。さらに、加湿環境下の焼成の後で、焼成炉内に露点0℃以下の不活性ガスを注入して、水蒸気を含む気体を排出することが好ましい。
本発明に係る樹脂組成物は、前述のいずれかの解砕シリカ粒子の製造方法によって得られた解砕シリカ粒子と樹脂を含んでいる。このような樹脂組成物は、解砕シリカ粒子が均一に分散し、狭いギャップでも注入性、充填性に優れ、硬化後も吸湿性がなく、信頼性に優れた電子デバイス等を実現できる。樹脂には、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、シリコン系樹脂、BTレジン、シアネート系樹脂から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。また、解砕シリカ粒子の含有量が5〜75質量%の範囲にあることが好ましい。

本発明に係る樹脂組成物は、前述のいずれかの解砕シリカ粒子の製造方法によって得られた解砕シリカ粒子と樹脂を含んでいる。このような樹脂組成物は、解砕シリカ粒子が均一に分散し、狭いギャップでも注入性、充填性に優れ、硬化後も吸湿性がなく、信頼性に優れた電子デバイス等を実現できる。樹脂には、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、シリコン系樹脂、BTレジン、シアネート系樹脂から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。また、解砕シリカ粒子の含有量が5〜75質量%の範囲にあることが好ましい。
本発明によれば、粒子径が均一で、吸湿性が低く、樹脂への分散性に優れた解砕シリカ粒子が得られ、半導体のアンダーフィル材や、液晶表示装置の面内用スペーサやシール用スペーサに用いた際に注入性、濾過性の良い樹脂組成物を提供することができる。
本発明に用いる解砕装置の1態様を示すモデル図である。 解砕を説明する模式図である。 粉砕を説明する模式図である。
[解砕シリカ粒子の製造方法]
本発明に係る解砕シリカ粒子の製造方法は、シリカ粒子を600〜1200℃で焼成して焼成シリカ粒子を作製する焼成工程と、解砕用容器内に所定速度(線速)で導入するガスによって旋回流を発生させ、該旋回流中に所定量の焼成シリカ粒子を供給して解砕し、解砕シリカ粒子を作製する解砕工程を有している。このような製造方法によれば、焼成シリカ粒子を破砕することなく、一次粒子に解砕することができる。解砕面は破砕面のようにシラノール基が生成されることがないので、解砕シリカ粒子は吸湿性が低く、かつ、凝集体もでき難い。そのため、樹脂への分散性が良好であり、その結果、樹脂成分との混練により得られる組成物の濾過性が良好で、挟ギャップへの注入性、埋め込み性に優れている。
焼成工程に使用するシリカ粒子の製法に関しては、特に制限はない。ただし、樹脂への分散性に優れた焼成シリカ粒子が得られるシリカ粒子が好ましい。
なお、本明細書では、解砕工程前後のシリカ粒子を区別するために、焼成工程後(解砕工程前)のシリカ粒子を焼成シリカ粒子と、解砕工程後のシリカ粒子を解砕シリカ粒子と称することとする。
(焼成工程)
焼成工程では、種々の方法で作製されたシリカ粒子を600〜1200℃で焼成する。焼成により、シリカ粒子(一次粒子)はネック部で融着し、さらにこれらが凝集して集合粒子となる。ここで、焼成温度が600℃未満の場合は、得られる粒子(焼成シリカ粒子)の緻密化が十分に進んでおらず、吸湿性が高い。そのため、これ粒子を含んだ樹脂組成物は硬化後も吸湿性が高く、充分な信頼性が得られ難い。一方、焼成温度が1200℃を超える場合、シリカ粒子の集合体粒子が焼結しやすい。そのため、解砕工程で元の粒子径になるまで解砕すること(すなわち、一次粒子に戻すこと)が困難である。通常、焼成は空気雰囲気で行えるが、焼成後に冷却する際には、結露による吸湿を防ぐために、露点が0℃以下のガス雰囲気にすることが好ましい。露点−10℃以下のガス雰囲気がさらに好ましい。
(解砕工程)
解砕工程では、解砕用容器内にガスを導入して旋回流を発生させ、この旋回流中に焼成工程で得られた焼成シリカ粒子を供給する。これにより、焼成シリカ粒子の集合体粒子が焼成前のシリカ粒子の粒子径になるまで、粒子が破壊されることなく解砕される。これにより、解砕シリカ粒子が得られる。
ここで、解砕の様子を図2Aに模式的に示す。焼成工程により得られた焼成シリカ粒子10の集合体粒子を均一旋回流に供給して解砕すると、集合体粒子同士の接触により、集合体粒子の接触部分が分離して焼成シリカ粒子10が得られる。さらに、焼成シリカ粒子10の融着部分であるネック部12が開裂し、一次粒子経に分散された解砕シリカ粒子13が得られる。次に、破砕の様子を図2Bに模式的に示す。従来から使用される、旋回流を生じない装置、例えば、ハンマーミル等の粉砕装置で焼成シリカ粒子10を粉砕する場合では、焼成シリカ粒子10と容器の壁との衝突や粒子同士の衝突により、粒子が破壊されて活性表面である破壊面15を生じる(図2B参照)。この破壊面15では、粒子のシロキサン結合が切断されることから、シラノール基を生成し易い。その結果、破壊面15は親水性の表面となり、吸湿性を低くすることができない。
これに比べて、均一な旋回流を用いた解砕によって得られる解砕シリカ粒子13は、粒子同士の衝突等ではなく旋回流中の剪断により解砕されるので、破壊面が発生し難い。また、粒子が融着した部分(ネック部)で開裂した際に生じる分離面14は、解砕される力で活性面となっても、破壊面に比べて面積が小さい。そのため、旋回流中の解砕によれば、粒子表面の親水性と疎水性は制御され、吸湿性が低く、凝集体が発生し難く、分散性に優れた解砕シリカ粒子13が得られ易い。
ここで、導入ガスとしては、空気、酸素ガス、不活性ガス等を用いることができる。安全性や経済性の観点から空気が推奨される。
さらに、解砕用容器に導入するガスの露点は0℃以下が好ましい。ガスの露点が0℃を超えていると、解砕により解砕シリカ粒子に現れた活性表面に、水分に依るシラノール基が生成しやすくなるからである。シラノール基を持つ解砕シリカ粒子が配合された樹脂組成物から得られる硬化物は、長時間外気に触れると吸湿し、充分な信頼性が得られない。このような理由から、導入ガスの露点は−10℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましい。露点が0℃以下の導入ガスは、圧縮ガス、エアドライヤー、あるいは吸着剤による吸着除去法等の、公知の方法で調製することができる。解砕時の温度は、結露しない範囲であれば、制限はない。ここで、孤立のシラノール基の比率を増やす目的で、ドライスチームを用いることができる。
さらに、導入ガスの圧力は0.1〜1.5MPaの範囲にあることが好ましい。導入ガスの圧力が0.1MPa未満の場合は、ガスの旋回速度が足りず、解砕が不充分となる場合がある。導入ガスの圧力が1.5MPaを超えると、集合体粒子の解砕にとどまらず、粒子同士の衝突が増えて、粒子が破壊する虞がある。したがって、高圧側を抑えた0.1〜1.0MPaの範囲がより好ましい。また、膨張潜熱によるジュール・トムソン効果により局部的に低温となり、粒子の活性表面から水分を吸着することがある。このように、導入ガスの圧力が適正でないと、吸湿性の低い、樹脂への分散性に優れた解砕シリカ粒子を得ることが困難となる。

また、導入ガスの線速は、亜音速以上が好ましく、遷音速〜超音速がより好ましい。導入ガスの線速が亜音速未満であると、旋回速度が足りず解砕が不充分となる場合がある。また、超音速を超えると、集合体粒子の解砕にとどまらず、粒子同士の衝突が増えて粒子が破壊する虞がある。なお、導入ガスの線速は、導入ガスの圧力から算出することができる。
更に、一定の粉砕チャンバー容積に対する旋回流に供給する焼成シリカ粒子と導入ガスの量比(固気比:g/m3)は、4.4〜36.3g/m3が好ましく、6.6〜30.3g/m3がより好ましい。気固比が、4.4g/m3未満であると、焼成シリカ粒子の供給量が安定しない場合があり、36.3g/m3を超えると、解砕が不充分となる場合がある。
なお、固気比は、単位時間あたりの、焼成シリカ粒子(固体)供給量と、導入ガス(気体)の風量の比(固体(g/Hr)/気体(m3/Hr))で算出することができる。なお、旋回流の流れが維持されて、粉砕チャンバー容積/固気比が維持されれば、粉砕チャンバーの大きさに制限されるものではない。
図1は本発明に好適な解砕装置を示すモデル図である。焼成シリカ粒子は解砕用容器1に設けられた導入口3から解砕用容器1内に供給される。導入口3と焼成シリカ粒子の貯留部4は一つの密閉空間5にあり、密閉空間5に導入ガスが充填されることが好ましい。また、導入ガスはガス導入部2から容器内に流入する。
高圧ガスにより発生する旋回流を用いて解砕を行う解砕装置としては、アイシンナノテクノロジーズ社製のナノジェットマイザーシリーズや、サンレックス工業株式会社製のナノグラインディングミルシリーズ等が挙げられる。
解砕用容器1内の表面の材質は炭化ケイ素(SiC)が適している。特に、900℃以上で焼成されたSiCを用いることが好ましい。材質がSiCである解砕用容器1を用いると、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、ウラン(U)、トリウム(Th)等の不純物を含まない解砕シリカ粒子を得ることができる。そのため、信頼性に優れた電子デバイス(半導体チップ、液晶シール材等)が実現できる。
このようにして調製した解砕シリカ粒子は平均粒径が5nm〜0.95μm、さらには20nm〜0.95μmの範囲にあることが好ましい。解砕シリカ粒子の平均粒径が5nm未満の場合は、樹脂への分散性が不充分となる場合がある。また、解砕シリカ粒子の平均粒径が0.95μmを超えると、集積度の高い半導体素子等に用いる場合にギャップが狭いために、充填性が低下する場合がある。
また、解砕シリカ粒子は粒子径が均一であることが好ましい。すなわち、粒子径変動係数(CV値)は1〜50%、さらには1〜45%の範囲にあることが好ましい。CV値が1%未満の粒子は、上述の範囲の平均粒子径を得ることが困難である。仮に、得られたとしても粒子調製の諸条件を精緻に調整する必要があり、生産性、経済性が低下する。CV値が50%を超える粒子では、ギャップが狭い場合、注入性や充填性が低下する。適切な範囲のCV値が得られないときには、解砕や粗大粒子除去を行って、目的のCV値にすればよい。
粒子径変動係数(CV値)は下記の式(2)によって算出できる。
Figure 2015016359
なお、粒子径変動係数(CV値)を求める際の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製:JSM−5300型)により写真を撮影し、この画像の250個の粒子について画像解析装置(旭化成(株)製:IP−1000)を用いて測定される。
また、解砕シリカ粒子中には平均粒子径の4倍以上の粒子径を持つ粗大粒子が存在することがあるが、この粗大粒子の割合は5質量%以下であることが好ましい。粗大粒子の割合が5重量%を超えると、樹脂への分散性が低下するとともに、樹脂組成物は粒子径によって注入性、充填性が低下する場合がある。粗大粒子の割合は2質量%以下が、より好ましい。
また、解砕シリカ粒子の吸湿量は0.2質量%以下であることが好ましい。解砕シリカ粒子の吸湿量が0.2質量%を超えると、樹脂への分散性が低下するとともに、粒子を配合した樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物が吸湿しやすく、電子デバイス等の信頼性が低下する場合がある。より好ましくは、解砕シリカ粒子の吸湿量を0.15質量%以下にする。
ここでは、吸湿量を以下のように求める。質量(WD)の焼成シリカ微粒子(B1)を、温度25℃、湿度90%の環境下に暴露し、48時間経過後の質量(WH)を測定する。このとき、吸湿量(質量%)は、((WH)−(WD))/(WD)×100 で表される。
(表面改質工程)
上述した解砕工程により得られた解砕シリカ粒子は、そのまま樹脂組成物に用いることができるが、表面を改質することが好ましい。具体的には、解砕工程に次いで、500〜1100℃で加熱処理する。解砕工程により粒子の融着部が開裂して活性表面が現れて、活性表面にシラノール基が生成しても、500℃以上で加熱処理すると、活性表面がシロキサン化されるので、表面の吸湿を防ぐことができる。加熱処理温度が500℃未満だと、活性表面を一時的にシロキサンできても、再水和によってシラノール基が生成され易い。そのため、吸湿性の低い、樹脂への分散性に優れた解砕シリカ粒子が得られない。活性表面が露出した粒子を配合した樹脂組成物も同様で、加熱処理温度が500℃未満だと、活性表面をシロキサン化することが困難である。そのため、使用中に表面にシラノール基が生成することとなる。一方、加熱処理温度が1100℃を超えると、解砕された粒子が再び凝集、融着する虞がある。
また、加熱処理は空気、酸素ガス、不活性ガス等の雰囲気で行うことが好ましい。特に、表面改質工程後の冷却時には露点が0℃以下のガス雰囲気下にすることが好ましい。
なお、熱処理温度800〜1100℃の表面改質工程を設けた場合には、焼成工程の温度が600〜1000℃という比較的低い温度範囲でも、吸湿性が低く、かつ、樹脂への分散性に優れた解砕シリカ粒子を得ることができる。

(分級工程)
解砕工程の後、あるいは、表面改質工程の後に分級工程を設けてもよい。解砕工程にて得られた解砕シリカ粒子(あるいは、表面改質工程にて得られた表面改質された解砕シリカ粒子)を分級装置により分級し、平均粒子径の4倍以上の粒径を持つ粗大粒子を除去し、この粗大粒子の割合を5質量%以下とすることが好ましい。2質量%以下とすることがさらに好ましい。また、分級装置により、平均粒子径が所定範囲内の解砕シリカ粒子を多く得ることができる(すなわち、CV値を低くすることができる)。ここで、分級装置としては、ドナルドソン社製のドレセレック、セイシン企業社製のスピンエアシーブ、日清エンジニアリング社製のエアロファインクラシファイア、パウダーシステムズ社製のハイプレック分級機、ホソカワミクロン社製のツインターボプレックス等が使用できる。

(代替の焼成工程)
また、前述の焼成工程を以下のように設定してもよい。すなわち、シリカ粒子を、50g/m3以上の水蒸気の存在下で800〜1000℃で焼成する。これにより、焼成シリカ粒子が作製される。このような焼成工程により、焼成シリカ粒子の表面の水酸基を低減することができるので、低温での焼成にも関わらず焼成シリカ粒子の吸湿性が低減する。特に、炉内の水蒸気量を100g/m3〜2000g/m3に維持した状態で焼成することが好ましい。炉内の水蒸気量が100g/m3未満の場合は、水蒸気量が少ないため、低温では粒子が持つシラノール基の縮合重合が進みにくく、粒子中のシラノール基が多く残る傾向がある。一方、炉内の水蒸気量を2000g/m3より多くしても、シラノール基の縮合重合はこれ以上加速的に進むことはなく、経済的観点から好ましくない。
また、この代替の焼成工程後に、炉内に露点0℃以下の不活性ガスを注入し、炉内の水蒸気を排出することが好ましい。冷却中に水蒸気が存在していると、焼成シリカ粒子に水分が付着する虞があるためである。例えば、焼成工程の後で、焼成シリカ粒子の冷却中に、炉内にある水蒸気を含む気体を露点0℃以下の不活性ガスに置き換えることでも効果がある。
ここでは、水蒸気量を適正に維持できれば特に焼成法に制限はなく、回転焼成、バッチ焼成、コンベア焼成でもよい。水蒸気も気体として炉内に導入してもよく、液体として導入し炉内で水蒸気化させてもよい。
このようにして、平均粒子径10nm〜10μmのシリカ粒子の分散液から、平均粒子径10nm〜10μmの焼成シリカ粒子が得られる。水蒸気量を100g/m3 〜2000g/m3に維持した条件で焼成した場合には、水蒸気量が少ない焼成条件に比べ、低温でシラノール基を低減することが可能となり、吸湿性が低く水の吸着しにくい焼成シリカ粒子が得られる。さらに、低温で焼成しているため、粒子の融着も少なく、分散性の良い粒子が得られる。一方、平均粒子径が10nm未満の焼成シリカ粒子は、均一な粒子径を得ることが困難である。仮に得られたとしても粒子の比表面積が大きいため焼成時に強く焼結し易く、吸湿性の低い、樹脂への分散性に優れた焼成シリカ粒子が得られない。平均粒子径が10μmを超える焼成シリカ粒子では、狭いギャップに充填し難くなるため、集積度の高い半導体素子等に用いる充填剤には適さない。
このように、この代替焼成工程により得られる解砕シリカ粒子は、前述の焼成工程で得られるそれに比べて融着が少なく分散性に優れている。
また、焼成シリカ粒子には粒子径が平均粒子径の4倍以上の粗大粒子が存在することがあるが、この粗大粒子の割合を5質量%以下にすることが好ましい。特に、2質量%以下が適している。粗大粒子の割合が5重量%を超えると、樹脂への分散性が低下するとともに、粒子径によっては注入性、充填性が低下する場合がある。
上述と同様の目的で、比重差を利用した水比分級やフィルターによる除去、サイクロン法による粗大粒子除去も必要に応じて利用することができる。

[シリカ粒子の作製について]
次に、前述の焼成工程で使用するシリカ粒子について詳細に説明する。後述する平均粒子径範囲にあり、樹脂への分散性に優れた球状の焼成シリカ粒子が得られれば、シリカ粒子の製造方法は問わない。例えば、特開平11−228698号公報、特開平11−228699号公報等に開示した、有機珪素化合物を加水分解して得られるシリカ粒子、あるいは、これに準じた方法で得られるシリカ粒子でもよい。また、特開昭63−45114号公報、特開2004−203729号公報、特開2013−126925公報等に開示した、種粒子に、水硝子をイオン交換樹脂で脱アルカリして得られる活性珪酸液を添加することにより粒子成長したシリカ粒子、あるいは、これに準じた方法で得られるシリカ粒子でもよい。

ここでは、下記式(1)で表される加水分解可能な有機珪素化合物を加水分解し、次いで粒子成長(ビルドアップ)させてシリカ粒子の分散液を作製し、これを噴霧乾燥してシリカ粒子を得る調製法を説明する。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素。nは0〜3の整数)
(1)種粒子調製工程
まず、水とアルコールの混合溶媒に加水分解用触媒を加えて混合溶媒とする。この混合溶媒に式(1)で示した有機珪素化合物を添加すると、シリカ微粒子(種粒子ということもある)の分散液(A液)が得られる。すなわち、シリカ種粒子は有機珪素化合物の加水分解物である。
混合溶媒に有機珪素化合物を添加する際、できるだけ短時間で、できれば一気に添加することが好ましい。短時間で添加することによって、均一な粒子径の種粒子が作製できる。これを後述する粒子成長工程で粒子成長させると、均一な粒子径の(粒子径変動係数の小さい)シリカ粒子が得られる。
アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等を用いることができる。なお、必要に応じて他の有機溶媒を併用してもよい。このとき、混合溶媒中の水/アルコール重量比は1/1〜3/1の範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば、比較的単分散のシリカ種粒子が得られ、均一な粒子径のシリカ粒子の作製に有効である。
加水分解用触媒としては、アルカリ金属水酸化物、塩基性窒素化合物等の塩基性化合物を用いることができる。ここでは、アンモニアが推奨される。アンモニアは、加水分解能だけでなく、各工程における分散液のpH調整に有効で、かつ、最終的に得られる解砕シリカ粒子中にアンモニアは不純物として残存することがない。
加水分解用触媒や有機珪素化合物の種類によって、混合溶媒中の加水分解用触媒の濃度は異なるものの、1〜7.5質量%の範囲にあることが好ましい。加水分解用触媒の濃度がこの範囲にあれば、種粒子に適した比較的単分散のシリカ微粒子が得られる。さらに、加水分解用触媒の濃度は3〜5質量%がより好ましい。
シリカ種粒子の分散液(A液)の濃度はRn−SiO(4-n)/2として0.01〜5質量%の範囲にあることが好ましい。分散液(A液)の濃度がこの範囲にあれば、所望の粒子径を有するシリカ種粒子を得ることができる。より好ましくは、0.1〜1質量%の範囲である。また、分散液(A液)の温度は5〜40℃の範囲が、pHは8〜13が好ましい。より好ましいpHの範囲は10〜12である。このように、温度とpHを適正な範囲にすることにより、シリカ種粒子の平均粒子径を5nm〜0.8μmの間に制御することができ、標準偏差を0.5μm以下にすることができる。
さらに、シリカ微粒子の分散液(A液)に、pH調整剤を添加することが好ましい。本実施例ではアンモニア水を加える。必要に応じて水を加えてもよい。このようにして、pHが10〜13の範囲のシリカ微粒子の分散液(B液)が得られる。シリカ微粒子の分散液(B液)の温度を5〜40℃の範囲にすることが好ましい。また、分散液の電導度は80〜200μs/cmの範囲が好ましい。シリカ微粒子の分散液(B液)のpH、温度および電導度をこのような範囲とすることによってシリカ微粒子は凝集することなく、より均一な粒子径となり、種粒子として好適に用いることができる。
(2)粒子成長工程
次いで、粒子成長工程を行う。すなわち、シリカ微粒子の分散液(B液)に加水分解可能な有機珪素化合物と加水分解用触媒を連続的にあるいは断続的に添加する。ここでは、有機珪素化合物と加水分解用触媒を同時かつ連続的に添加する。同時に添加することにより、粒子成長工程で分散液のpHの変動を小さくすることが可能となり、粒子成長用の有機珪素化合物の加水分解およびシリカ微粒子(種粒子)表面への析出速度が一定となり、均一な粒子径のシリカ粒子が得られる。
このとき、有機珪素化合物の添加量は、前述の分散液(A液)のRn−SiO(4-n)/2量の2〜200倍の範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば、平均粒子径が後述する10nm〜1μm範囲にあるシリカ粒子を、凝集することなく単分散で得られる。より好ましくは、10〜150倍の範囲である。1μm以上のシリカ粒子を得たい場合には、ここで得られた粒子を種粒子として、同様の粒子成長工程を更に行えばよい。このように、粒子成長工程を繰り返すことで、10μm程度までシリカ粒子を成長させることができる。
この工程で、有機珪素化合物と加水分解用触媒(アンモニア水)の添加時間は、シリカ粒子の作製量によっても異なるが、1〜48時間である。特に、2〜24時間が好ましい。添加時間がこの範囲にあれば、凝集することなく単分散のシリカ粒子を作製することができる。また、粒子成長中には分散液のpHを8〜13の範囲にする。pHの変動幅は±1.0が好ましく、±0.5の範囲にあることがより好ましい。
またこのとき、シリカ微粒子(SiO2)1モルに対して、水を4〜200モル加えることが好ましい。特に、6〜100モルの範囲が適している。水が4モル未満であると、加水分解が生じにくく、球状の粒子が得られない場合がある。水が200モル以上であると、加水分解速度が速くなるため、粒子成長が生じずに自己核生成が生じる場合がある。さらに加水分解用の触媒は種類にもよるが、系内に0.5〜7.5%存在するように添加することが好ましい。0.5%未満の場合は、粒子成長をせず目的の粒子サイズにならない場合がある。7.5%より多い場合は粒子成長に影響は及ぼさないがコスト的観点から好ましくない。
このように、シリカ微粒子の分散液(B液)に有機珪素化合物と加水分解用触媒を同時かつ連続的に添加することでシリカ微粒子が成長し、シリカ粒子の分散液(C液)が得られる。以上のような方法により、平均粒子径10nm〜1μmのシリカ粒子の分散液を作製することができる。
(3)噴霧乾燥工程
次に、シリカ分散液(C液)を噴霧乾燥して、造粒を行う。噴霧乾燥シリカ粒子(噴霧乾燥により得られる造粒粒子であり、シリカ粒子の均一な集合体粒子)の平均粒子径は1〜100μmが適している。特に、1〜70μmの範囲が好ましい。噴霧乾燥シリカ粒子の平均粒子径が1μm未満の場合は、流動性が低く、焼成工程で均一に焼成できないことがある。その場合、解砕工程の処理条件を固定にしたままでは、元の粒子径になるように解砕できないおそれがある。噴霧乾燥シリカ粒子の平均粒子径が100μmを超えると、粒子が大きすぎて解砕工程で元の粒子径になるまで解砕できないおそれがある。できたとしても長時間の解砕を要する。また、吸湿性の低い、樹脂への分散性に優れた解砕シリカ粒子を得ることが困難となる。
また、噴霧乾燥シリカ粒子の水分含有量は0.01〜10質量%が適している。特に、0.1〜7質量%の範囲が好ましい。水分含有量を0.01質量%未満とすることは困難であり、できたとしても噴霧乾燥工程で融着が起き、これをこのまま焼成したのでは、解砕工程で元の粒子径になるまで解砕できないことがある。また、水分含有量が10質量%を超えると、焼成工程で融着が促進され、解砕工程で元の粒子径になるまで解砕できないことがある。
噴霧乾燥方法としては、後述する解砕シリカ粒子が結果的に得られれば特に制限は無いが、回転ディスク法、加圧ノズル法、2流体ノズル法等、従来の方法を採用できる。特に、2流体ノズル法が好適である。
噴霧乾燥における熱風の温度は、出口温度で120〜300℃が適している。特に、130〜250℃が好ましい。入口温度にも依るが、出口温度が120℃未満の場合、造粒粒子は十分に乾燥できない。十分に乾燥していない造粒粒子を焼成すると、融着が起きやすい。前述の解砕工程を用いても、融着した粒子を均一に解砕することは困難である。また、出口温度が300℃を越える場合には、造粒粒子の水分は少なくなるものの、焼成工程で融着する粒子が増大する。そのため、全ての融着粒子を解砕することは難しい。
噴霧乾燥に用いるシリカ分散液(C液)の濃度は1〜40質量%が適している。特に、10〜30質量%の範囲が好ましい。シリカ分散液(C液)の濃度が1質量%未満だと、生産性が低下するだけでなく、造粒粒子の粒子径が小さくなる。即ち、シリカ粒子の集合数の少ない造粒粒子となるため、造粒粒子の流動性が低下する。焼成工程で均一に焼成できない場合、流動性が低いと解砕工程に一定の条件で造粒粒子を供給できないために、元の粒子径になるように解砕できないおそれがある。一方、シリカ分散液(C液)の濃度が40質量%を超えると、分散液の安定性が低下するため、均一な形状の集合体粒子(造粒粒子)が得られ難い。そのため、焼成工程で均一な焼成ができない場合、解砕工程に一定の条件で造粒粒子を供給できない場合があり、元の粒子径になるように解砕できないおそれがある。
この噴霧乾燥工程で、シリカ分散液の濃度を20質量%程度に調整して、噴霧乾燥シリカ粒子の粒子径を概ね数十μmに揃えることにより、800〜1100℃で焼成しても焼成後に生じる融着粒子が大きく減少することがわかった(後述の実施例1〜8を参照)。

さらに、噴霧乾燥工程の前、上述の粒子成長工程の後に、必要に応じて熟成工程と濾過工程を以下のように設けてもよい。
(熟成工程)
粒子成長工程を経たシリカ粒子の分散液(C液)を、35〜120℃に加温し、所定時間撹拌する。するとシリカ粒子の分散液が熟成し、シリカ粒子の分散液(D液)が得られる。40〜80℃の範囲で熟成させることがより好ましい。この温度範囲内であれば分散液(C液)の温度は変動してもかまわない。
また、熟成時の分散液のpHを8〜13の範囲にする必要がある。このとき、分散液のpHの変動幅を±1.0にする必要がある。±0.5の範囲に制御することが、より好ましい。熟成時間は温度によっても異なるが概ね1〜24時間である。このような条件で熟成することによって、有機珪素化合物の加水分解物の縮合が進むとともに、より均一な粒子径の(粒子径変動係数の小さい)シリカ粒子が得られる。
(濾過工程)
さらに、必要に応じて濾過工程を設けてもよい。濾過工程の前に前述の熟成工程を行っているか否かは問わない。濾過によって、所定の平均粒子径よりも大きい、シリカ粒子の凝集体を分離できる。この時点で所定の平均粒子径よりも大きい凝集体が残存していると、焼成工程での焼成により、解砕が困難な焼成シリカ粒子が生成する。これは、融着度合が大きい焼成シリカ粒子ができるからで、仮にその後に粉砕したとしても、粒子内部での破壊が起こるためシロキサン結合が切断され、破断面にシラノール基が生成しやすい。そのためシリカ粒子の吸湿性を低くすることができない。このように、この時点で凝集状態にあるシリカ粒子をそのまま焼成すると、吸湿性が低く、樹脂への分散性、充填性に優れた解砕シリカ粒子を得ることができない。

濾過方法としては、所定の平均粒子径以上のシリカ粒子の凝集体を分離できれば特に制限はなく、従来公知の各種フィルターを用いて分離することができる。濾過工程を経たシリカ分散液を用いて前述の噴霧乾燥を行い、得られたシリカ粒子を焼成する。
噴霧乾燥工程に供給するシリカ粒子の平均粒子径(DA)は10nm〜1μmが適している。特に、20nm〜1μmの範囲が好ましい。平均粒子径(DA)が10nm未満の場合は、均一な粒子径の粒子を得ることが困難で、得られたとしても焼成時に強く焼結する。そのため、吸湿性の低い、樹脂への分散性に優れた解砕シリカ粒子を得ることが困難である。シリカ粒子の平均粒子径(DA)が1μmを超えると、集積度の高い半導体素子でギャップが狭い場合に、樹脂組成物の充填性が低下する。
なお、本明細書において述べる各シリカ粒子の平均粒子径は、1μm未満の粒子は堀場製作所製の粒度分布測定装置LA-950V2を用い、1μm以上の場合はベックマン・コールター社製のコールターカウンターIIIを用いて測定する。

[解砕シリカ粒子を含む樹脂組成物]
ここでは、本発明に係る樹脂組成物について説明する。樹脂組成物は、上述した解砕工程を経て得られた解砕シリカ粒子と樹脂を含んでいる。
樹脂は、用途によって適宜選択できる。ここでは、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、シリコン系樹脂、BTレジン、シアネート系樹脂から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
このような樹脂を用いると、解砕シリカ粒子が均一に分散し、得られる樹脂組成物はギャップが狭い場合であっても注入性、充填性に優れている。さらに、硬化させた後も吸湿性がなく、信頼性に優れた電子デバイス等を得ることができる。
樹脂組成物中の解砕シリカ粒子の含有量は5〜75質量%、さらには10〜70質量%の範囲にあることが好ましい。樹脂組成物中の解砕シリカ粒子の含有量が5質量%未満の場合は、粒子が少ないので膨張率が樹脂のみの場合と大きく変わらず、例えばバンプ周辺にクラックが発生する場合がある。樹脂組成物中の解砕シリカ粒子の含有量が75質量%を超えると樹脂組成物の粘度が高くなり、注入性、充填性、浸透性等が不充分となる場合がある。
なお、前述の式(1)で表される加水分解性有機ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、パ−フルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パ−フルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パ−フルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン、ジメトキシメチルトリフルオロプロピルシラン、ペンタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロデシルトリプロポキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン,3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン,3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、およびこれらの化合物を2種以上含む混合物が挙げられる。

以下、解砕シリカ粒子の製造方法の実施例を説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
焼成シリカ粒子の調製
(種粒子調製工程)
まず、水、アルコールと加水分解用触媒を加えて混合溶媒を調製する。本実施例では、水221.2g、エチルアルコール(関東化学社製)185.1g、及び濃度28質量%アンモニア水(関東化学社製)38.1gを容量2L(リットル)のガラス製反応器に入れ撹拌する。この溶液の液温を35±0.5℃に調節して、反応器にテトラエトキシシラン(多摩化学社製)7.88gを一気に加える。その後、1時間撹拌する。1時間撹拌することにより、テトラエトキシシランは加水分解・縮合し、シリカ微粒子の分散液(A液)が得られる。このとき、シリカ微粒子の平均粒子径は0.083μm、平均粒子径の標準偏差は0.072μmとなった。
このシリカ微粒子の分散液(A液)のpHを調整するために、28重量%アンモニア水61.1gと水10.0gを加え、撹拌しながら液温を35±0.5℃に調整する。これにより、シリカ微粒子の分散液(B液)を得る。この分散液(B液)のpHは12.2で、電導度は196μs/cmであった。
(粒子成長工程)
第一滴下装置に粒子成長用の有機珪素化合物としてテトラエトキシシラン497.0gを入れる。第二滴下装置には、濃度28質量%アンモニア水126.0gを水315.0gで希釈した濃度8質量%アンモニア水(加水分解用触媒)を入れる。35±0.5℃に管理された分散液(B液)に、第一滴下装置と第二滴下装置を用いてテトラエトキシシランとアンモニア水を12時間かけて滴下する。滴下期間中にpHが11.5を下回らないようにする。また、滴下終了後の分散液(C液)の電導度は96.1μs/cmで、同様に、滴下期間中90μs/cmを下回ることはなかった。
(熟成工程)
滴下終了後、分散液(C液)の液温を60±0.5℃に調節し、1時間撹拌して熟成させ、シリカ粒子(A1)の分散液(D液)を調製する。このとき、シリカ粒子(A1)の平均粒子径は0.27μmであり、平均粒子径の標準偏差は0.07μmであった。また、この時の分散液のpHは11.7であった。
(濾過工程および噴霧乾燥用分散液調製工程)
このようにして得られたシリカ粒子(A1)の分散液(D液)を0.5μmのナイロンフィルターで濾過して、シリカ粒子の凝集粒子を除去する。さらに、蒸留装置を用いて水溶媒に置換する。その後、シリカ濃度が20質量%になるまで濃縮して、シリカ粒子(A1)の分散液(E液)を得る。
(噴霧乾燥工程)
シリカ粒子(A1)の分散液(E液)を、噴霧乾燥装置(大川原化工機株式会社製:FOC−25型)を用いて噴霧乾燥してシリカ粉体(噴霧乾燥シリカ粒子)を造粒する。このとき、噴霧乾燥装置の入口温度を250℃、出口温度を150℃とする。シリカ粉体の水分含有量は7質量%である。シリカ粉体を構成するシリカ粒子(A1)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
(焼成工程)
次に、シリカ粉体をSiC製のるつぼ(焼成用容器)に入れ、電気炉を用いて900℃で10時間焼成する。これを冷却して焼成シリカ粒子が得られる。
(解砕工程)
続いて、この焼成シリカ粒子を、高圧ガスによる旋回流が発生している解砕装置(アイシンナノテクノロジーズ社製:ナノジェットマイザーNJ−100)に投入して、焼成シリカ粒子を解砕し、解砕シリカ粒子(B1)を得る。このとき、高圧ガスとして、エアドライヤーにより圧力が1.0MPaの場合に露点マイナス10℃に制御された乾燥空気を用いる。また、焼成シリカ粒子の導入口を密閉するように囲いを設けた。そこへ露点マイナス10℃の乾燥空気が導入される。露点がマイナス10℃の環境から焼成シリカ粒子を供給し、焼成シリカ粒子とともに導入される乾燥空気も露点マイナス10℃の空気とする。
本装置の運転条件は、解砕圧力(解砕部における旋回流空気圧)を0.85MPa、焼成シリカ粒子の導入部における圧力を1.0MPa、原料の導入速度を5kg/Hr、旋回流の速度(線速)を391m/s、固気比を22.6g/m3と設定した。また、この装置の解砕用容器は、900℃以上で熱処理された炭化ケイ素により構成することが好ましい。
得られた解砕シリカ粒子(B1)について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、結果を表2に示す。さらに、以下のように、粗大粒子の含有量、吸湿性(吸着水量)、不純物(Fe、Zr、U、Th)含有量の測定、分散性を評価した。結果を表2に示す。
更に、得られた解砕シリカ粒子(B1)を、日清エンジニアリング社製のエアロファインクラシファイアにより分級すると、平均粒子径が0.25μm、CV値が19.0%、粗大粒子含有量が0.1質量%、吸着水量が0.12質量%、Fe含有量が0.3ppm、Zr含有量が0.0ppm、U含有量が0.1ppm、Th含有量が0.0ppmである分級シリカ粒子を得ることができる。


粗大粒子の測定
平均粒子径を測定する際に、粒子径の大きな粒子の分布が観察された場合、平均粒子径の4倍以上の粒子の割合(重量割合)を求め粗大粒子の含有量とした。
吸湿性
解砕シリカ粒子(B1)を、温度25℃、湿度90%の環境下に暴露し、48時間経過後の質量(WH)を測定し、解砕シリカ粒子の質量(WD)からの増加量((WH)−(WD))を(WD)で除して吸着水分量Q(質量%)を求めた。Q=((WH)−(WD))/(WD)×100(%)
Q≦0.15 : ◎(非常に好ましい。)
0.2≧Q>0.15 : ○(好ましい。)
1.0≧Q>0.2 : △
2.0≧Q>1.0 : ×
不純物含有量
解砕シリカ粒子(B1)を硫酸・硝酸・弗化水素酸で前処理した後、硝酸に溶解させ、ICP質量分析装置(Agilent製:型式Agilent 7500S)を用いて不純物含有量を測定した。
分散性の評価
次のように、樹脂組成物を作製し、分散性を評価する。エポキシアクリレート樹脂(共栄社化学(株)製:3000A)とエポキシアクリレート樹脂(共栄社化学(株)製:M600A)を重量比85:15で混合した樹脂25.5gに、解砕シリカ粒子(B1)4.5gを混合し、自転・公転ミキサー(シンキー社製:あわとり練太郎AR−100)を用いて、2000rpmで10分間混練した。次いで、三本ロールミル(EXAKT社製:EXAKT50)に1回通過させて樹脂組成物(ペースト1)を作製する。樹脂組成物について、以下の基準で分散性を評価し、結果を表2に示す。
微細な粒子凝集体が全く認められない。 : ◎
微細な粒子凝集体が殆ど認められない。 : ○
微細な粒子凝集体が僅かに認められる。 : △
比較的大きな粒子凝集体が認められる。 : ×

注入性の評価
次のように、樹脂組成物を作製し、注入性を評価する。ビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鐵住金化学(株)社製:YDF8170)と液状フェノール樹脂(明和化成(株)社製:MEH8000)とイミダゾール(四国化成工業(株)社製:2E4MZ)と解砕シリカ粒子(B1)を重量比31.0:19.0:0.26:50.0で混合し、自転・公転ミキサー(シンキー社製:あわとり練太郎AR−100)を用いて、2000rpmで10分間混練した。次いで、三本ロールミル(EXAKT社製:EXAKT50)に5回通過させて樹脂組成物(ペースト1)15gを作製する。得られた樹脂組成物について、110℃で注入性の評価を行った。注入性の評価は、ガラスの上に、ギャップ約20μmの松浪硝子工業(株)社製のギャップカバーグラス(CG00024)を貼り付けたものを用い、開口部(ギャップカバーグラスの短辺)に、シリンジを用いて満遍なく各実施例及び比較例の樹脂組成物を載置した。載置した樹脂組成物は、110℃に加熱されることで粘度が下がり、毛管現象により、ギャップカバーガラス内を対辺(開口部)まで進んでいく。その際、以下の基準で注入性を評価し、結果を表2に示す。
注入口付近に微細な粒子凝集体が全く認められない。 : ◎
注入口付近に微細な粒子凝集体が殆ど認められない。 : ○
注入口付近に微細な粒子凝集体が僅かに認められる。 : △
注入口付近に比較的大きな粒子凝集体が認められる。 : ×
濾過性の評価
次のように、樹脂組成物を作製し、分散性を評価する。エポキシアクリレート樹脂(共栄社化学(株)製:3000A)とエポキシアクリレート樹脂(共栄社化学(株)製:M600A)を重量比85:15で混合した樹脂51.0gに、焼成シリカ微粒子(B1)9.0gを混合し、自転・公転ミキサー(シンキー社製:あわとり練太郎AR−100)を用いて、2000rpmで10分間混練した。次いで、三本ロールミル(EXAKT社製:EXAKT50)に1回通過させて樹脂組成物(ペースト1)を作製する。得られた樹脂組成物を、SUS製のカラムに充填し、40度に加温した状態で、0.4MPaの窒素で加圧し、3μmの金属製フィルター(日本金網商工(株)社製:NKSスーパーポアA3)で濾過を行った。樹脂組成物について、以下の基準で濾過性を評価し、結果を表2に示す。
濾過速度の低下が全く認められない。 : ◎
濾過速度の低下が殆ど認められない。 : ○
濾過速度の低下が僅かに認められる。 : △
濾過速度の低下が認められる。 : ×

[実施例2]
本実施例は、実施例1の解砕工程の後で、表面改質工程を設けている。すなわち、実施例1と同様にして解砕工程で得られた解砕シリカ微粒子(B1)を、再びるつぼに入れ、電気炉を用いて700℃で10時間焼成し、次いで冷却して焼成シリカ微粒子(B2)を調製する。得られた焼成シリカ微粒子(B2)を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
[実施例3]
本実施例は、得られるシリカ粒子の大きさが実施例2とは異なっている。まず、実施例1と同様に、シリカ微粒子の分散液(A3液)を作製する。その後、シリカ濃度20%まで濃縮する。次いで、容量2Lのガラス製反応器に、シリカ微粒子の分散液(A3液)26.9g、水125.5g、エチルアルコール136.0g及び濃度28質量%アンモニア水92.5gを入れる。これを撹拌しながら液温を35±0.5℃に調節し、分散液(B3液)を得る。
第一滴下装置に粒子成長用のテトラエトキシシラン702.0gを入れ、第二滴下装置に、濃度28質量%アンモニア水183.0gを水458.0gで希釈した8重量%アンモニア水を入れる。35±0.5℃に管理された分散液(B3液)に、それぞれの滴下装置から、テトラエトキシシランと濃度8質量%アンモニア水を19時間かけて滴下する。
滴下終了後、液温を60±0.5℃に調節し、1時間撹拌する。これにより、テトラエトキシシランの加水分解、縮合が行われ、シリカ粒子の分散液(D3液)が得られる。このとき、シリカ粒子(A3)の平均粒子径は0.96μm、平均粒子径の標準偏差は0.22μmとなった。
この分散液(D3液)を、2.0μmのナイロンフィルターで濾過し、蒸留装置を用いて水溶媒に置換後、シリカ濃度35質量%まで濃縮し、濃縮した分散液(E3液)を得る。
実施例1と同様に、この分散液(E3液)をスプレードライヤで乾燥造粒し、電気炉で900℃焼成した後、ナノジェットマイザーを用いて解砕する。更に実施例2と同様に表面改質して、解砕シリカ粒子(B3)が得られる。解砕シリカ粒子(B3)の製造条件の概要を表1に示す。この解砕シリカ粒子(B3)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
[実施例4]
本実施例は焼成条件が実施例2とは異なっている。すなわち、本実施例では、焼成工程において、800℃で10時間焼成する。これ以外は実施例2と同様とする。このようにして、解砕シリカ粒子(B4)を作製する。解砕シリカ粒子(B4)の製造条件の概要を表1に示す。この解砕シリカ粒子(B4)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
[実施例5]
本実施例では、焼成工程において、1100℃で10時間焼成する。これ以外は実施例2と同様とする。このようにして、解砕シリカ粒子(B5)を作製する。解砕シリカ粒子(B5)の製造条件の概要を表1に示す。この解砕シリカ粒子(B5)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。

[実施例6]
本実施例は解砕工程において使用する高圧ガスが実施例2と異なっている。本実施例では、旋回流を発生する高圧ガスとして、圧力が1.0MPaの場合に露点が−20℃の乾燥空気を用いることとした。これ以外は実施例2と同様にして解砕シリカ粒子(B6)を作製する。解砕シリカ粒子(B6)の製造条件の概要を表1に示す。この解砕シリカ粒子(B6)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
[実施例7]
本実施例は表面改質工程における焼成条件が実施例2と異なっている。本実施例では、600℃で10時間焼成する。これ以外は実施例2と同様に解砕シリカ粒子(B7)を作製する。解砕シリカ粒子(B7)の製造条件の概要を表1に示す。この解砕シリカ粒子(B7)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
[実施例8]
本実施例は表面改質工程における焼成条件が実施例2と異なっている。本実施例では、表面改質工程において1000℃で10時間焼成する。これ以外は実施例2と同様に解砕シリカ粒子(B8)を作製する。解砕シリカ粒子(B8)の製造条件の概要を表1に示す。この解砕シリカ粒子(B8)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
[実施例9]
本実施例は、解砕工程における解砕条件が実施例1と異なっている。本実施例では、解砕工程において、解砕圧力を0.85MPa、焼成シリカ粒子の導入部における圧力を1.0MPa、原料の導入速度を1.8kg/Hr、旋回流の速度(線速)を391m/s、固気比を8.1g/m3と設定した。解砕シリカ粒子(B9)の製造条件の概要を表1に示す。この解砕シリカ粒子(B9)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
[実施例10]
本実施例は、実施例9の解砕工程の後で、表面改質工程を設けている。すなわち、実施例9と同様にして解砕工程で得られた解砕シリカ粒子(B9)を、再び焼成用容器に入れ、電気炉を用いて700℃で10時間焼成し、次いで冷却して解砕シリカ粒子(B10)を調製する。得られた解砕シリカ粒子(B10)を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
本比較例では解砕工程を行っていない。実施例1で、焼成工程により得た焼成シリカ粒子(R1)を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。ただし、焼成シリカ粒子(R1)が大き過ぎるので、樹脂組成物の調製、分散性の評価は実施していない。
[比較例2]
本比較例では、実施例1の焼成工程における焼成条件を550℃で10時間とする。焼成工程以外は実施例1と同様の条件で解砕シリカ粒子(R2)を作製する。この解砕シリカ粒子(R2)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
[比較例3]
本比較例は、実施例2の焼成工程における焼成条件を1250℃で10時間とする例である。焼成工程以外は実施例2と同じ条件で解砕シリカ粒子(R3)を作製する。この解砕シリカ粒子(R3)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
[比較例4]
本比較例では、実施例1の焼成工程と解砕工程の順序を入れ替えている。すなわち、種粒子調整工程から噴霧乾燥工程を実施例1と同様に行って、シリカ粉体を造粒する。次いで、シリカ粉体を、実施例1の解砕工程と同様にナノジェットマイザー(アイシンナノテクノロジーズ社製:NJ−100)を用いて解砕する。すなわち、低湿度の高圧ガスにより生じた旋回流にシリカ粉体を投入して、解砕する。次いで、解砕したシリカ粉体を焼成用容器に入れ、電気炉を用いて900℃で10時間焼成する。次いで冷却し、解砕シリカ粒子(R4)を作製する。この解砕シリカ粒子(R4)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
[比較例5]
本比較例では、比較例4で示した製造工程の後に、表面改質工程を設けている。すなわち、比較例4と同様に作製した解砕シリカ粒子(R4)を、焼成用容器に入れ、電気炉を用いて700℃で10時間焼成し、ついで冷却して解砕シリカ粒子(R5)を得る。この解砕シリカ粒子(R5)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
[比較例6]
本比較例は、実施例1の解砕工程を、粉砕機(ホソカワミクロン(株)製:ミクロンジェットMJT)を用いて行う例である。すなわち、焼成工程までは実施例1と同様に行い焼成シリカ粒子を作製する。この焼成シリカ粒子を粉砕機(ホソカワミクロン(株)製:ミクロンジェットMJT)で粉砕し、解砕シリカ粒子(R6)を取り出す。この粉砕機は旋回流式の解砕装置ではなく、ジルコニア製のターゲットに粒子を衝突させる方式の粉砕装置である。
解砕シリカ粒子(R6)について、実施例1と同様に特性を評価する。結果を表2に示す。
Figure 2015016359
Figure 2015016359
[実施例11]
本実施例は、実施例1とは焼成工程以降が異なっている。まず、種粒子調製工程から噴霧乾燥工程までは実施例1と同様に行う。これにより、シリカ粉体が得られる。
(焼成工程)
次に、このシリカ粉体を焼成用容器に入れ、電気炉(村尾電気製)で3時間かけて室温から350℃まで昇温する。本実施例では、一つの焼成用容器に0.9Kgのシリカ粉を収め、容積が0.8m3の電気炉に115個の焼成用容器を収めた。350℃で2時間保持した後、電気炉内の水蒸気量が100g/m3になるように水を供給する。その状態から11時間かけて900℃まで昇温し、900℃で10時間焼成を行った。焼成終了後(10時間経過後)、ヒーターの電源を切り、水の供給を止め、炉内に窒素ガスを90L/minで導入する。そのまま19時間かけて500℃まで冷却し、電気炉の扉を開け6時間かけて50℃まで冷却する。その後、窒素ガスの導入を止め、電気炉内から焼成用容器を取り出し、焼成シリカ粒子(シリカ粒子の焼成体)を得た。

(解砕工程)
続いてシリカ粒子の焼成体を解砕装置に投入して、シリカ粒子の焼成体を解砕し、解砕シリカ粒子が得られる。得られた解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定した。結果を表3に示す。
また、解砕シリカ粒子の吸湿性について、以下の方法と基準で評価した。結果を表3に示す。解砕シリカ粒子を、温度25℃、湿度90%の環境下に暴露し、48時間経過後の質量(WH)を測定し、解砕シリカ粒子の質量(WD)からの増加量((WH)−(WD))を(WD)で除して吸着水分量Q(質量%)を求めた。Q=((WH)−(WD))/(WD)×100(%)
求めた吸着水分量Qに基づいて評価する。
Q≦0.15 : ○(好ましい)
0.2≧Q>0.15 : △(やや好ましい)
Q>0.2 : ×(好ましくない)


樹脂組成物(ペースト)の調製
エポキシアクリレート樹脂(共栄社化学(株)製:3000A)とエポキシアクリレート樹脂(共栄社化学(株)製:M600A)を重量比85:15で混合した樹脂25.5gに、この解砕シリカ粒子4.5gを混ぜ、自転・公転ミキサー(シンキー社製:あわとり練太郎AR−100)を用いて、2000rpmで10分間混練する。次いで、三本ロールミル(EXAKT社製:EXAKT50)に1回通過させて樹脂組成物を調製する。

分散性の評価
実施例1と同様に、この樹脂組成物中の解砕シリカ粒子の分散性を評価した。結果を表1に示す。

[実施例12]
本実施例では、実施例11の焼成工程で、水蒸気量700g/m3、900℃10時間と設定した。これ以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
[実施例13]
本実施例では、実施例11の焼成工程を、水蒸気量2000g/m3、900℃10時間と設定した。これ以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
[実施例14]
本実施例では、実施例11の焼成工程で、水蒸気量2000g/m3、800℃10時間に設定した。これ以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
[実施例15]
本実施例では、実施例11の焼成工程で、水蒸気量100g/m3、800℃10時間に設定した。これ以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
[実施例16]
本実施例では、実施例11の焼成工程で、水蒸気量100g/m3、1000℃10時間に設定した。これ以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
[実施例17]
本実施例では、実施例11の焼成工程を、水蒸気量2000g/m3、1000℃10時間に設定した。これ以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
[実施例18]
本実施例では、実施例11の焼成工程で、焼成装置に5Lの回転焼成炉を用い、水蒸気量2000g/m3 、900℃1時間に設定した。これ以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
[比較例7]
実施例11の焼成工程で、水蒸気量を10g/m3に設定した以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。湿度45%、温度24度の大気を炉内に導入する場合、水蒸気量は約10g/m3となる。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
[比較例8]
比較例7の焼成工程で、焼成温度を800℃に設定した以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
[比較例9]
比較例7の焼成工程で、焼成温度を1000℃に設定した以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
[比較例10]
比較例7の焼成工程で、焼成装置に5Lの回転焼成炉を用い、900℃1時間に設定した。これ以外は、同様の条件で解砕シリカ粒子を作製した。この解砕シリカ粒子について、平均粒子径、粒子径変動係数(CV値)を測定し、実施例11と同様に吸湿性と分散性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2015016359

Claims (22)

  1. シリカ粒子を600〜1200℃の範囲で焼成して焼成シリカ粒子を作製する焼成工程と、
    解砕容器内に導入するガスによって旋回流を発生させ、該旋回流中に前記焼成シリカ粒子を供給し、前記焼成シリカ粒子を解砕して解砕シリカ粒子を作製する解砕工程と、
    を含むことを特徴とする解砕シリカ粒子の製造方法。
  2. 前記導入するガスの線速が亜音速以上であることを特徴とする請求項1に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  3. 前記解砕工程において、前記旋回流中に供給される焼成シリカ粒子の供給量W1(g/Hr)と、導入するガスの供給量W2(m3/Hr)の比である固気比W1/W2が4.4〜36.3g/m3の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  4. 前記ガスの露点が0℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  5. 前記解砕用容器の導入部では、前記ガスの圧力が0.1〜1.5MPaの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  6. 前記解砕工程の後に、500〜1100℃の温度範囲で加熱処理する表面改質工程が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  7. 前記表面改質工程が、露点0℃以下のガス雰囲気下で行なわれることを特徴とする請求項6に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  8. 前記焼成工程と前記解砕工程の間で、前記焼成工程で焼成されたシリカ粒子の冷却が、露点0℃以下のガス雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  9. 前記焼成工程が、
    前記シリカ粒子を絶対湿度50g/m3以上の環境下で800〜1000℃の範囲で焼成する工程であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  10. 前記焼成工程において、100g/m3〜2000g/m3の水蒸気を含む気体が充填された炉内で前記シリカ粒子を焼成することを特徴とする請求項9に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  11. 前記焼成工程の後で、前記炉内に露点0℃以下の不活性ガスを注入して、前記水蒸気を含む気体を排出することを特徴とする請求項10に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  12. 前記焼成工程の後に、前記シリカ粒子を前記炉内で50℃まで冷却する冷却工程が設けられ、該冷却工程において、前記炉内にある前記水蒸気を含む気体を露点0℃以下の不活性ガスに置き換えることを特徴とする請求項10または11に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  13. 前記焼成工程で焼成されたシリカ粒子は、前記解砕用容器に設けられた導入口から前記解砕用容器内に供給され、前記導入口と前記焼成体の貯留部は一つの密閉空間にあり、前記密閉空間に前記ガスが充填されたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  14. 前記解砕用容器の内表面の材質が炭化ケイ素(SiC)であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  15. 前記炭化ケイ素が900℃以上で焼成されていることを特徴とする請求項14に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  16. 前記シリカ粒子が、平均粒子径10nm〜1μmの範囲にあるシリカ粒子の分散液を噴霧乾燥して得られる噴霧乾燥シリカ粒子であり、前記噴霧乾燥シリカ粒子の平均粒子径が1〜100μmの範囲にあり、水分含有量が0.01〜10質量%の範囲にあり、
    前記解砕工程により得られた焼成シリカ微粒子の平均粒子径が5nm〜0.95μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  17. 前記焼成工程に用いるシリカ粒子が、下記式(1)で表される加水分解性有機珪素化合物を加水分解し、ついで粒子成長させて得たシリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
    n−SiX4-n (1)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換の炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、または水素。nは0〜3の整数)
  18. 前記シリカ粒子の調製において加水分解時の分散液のpHが8〜13の範囲にあり、粒子成長時の分散液のpHが8〜13の範囲にあり、このときの分散液のpHの変動幅が±1.0の範囲にあることを特徴とする請求項17に記載の解砕シリカ粒子の製造方法。
  19. シリカ粒子を600〜1000℃の範囲で焼成して焼成シリカ粒子を得る焼成工程と、
    解砕用容器内に導入するガスによって旋回流を発生させ、該旋回流中に前記焼成シリカ粒子を供給して、前記焼成されたシリカ粒子を解砕して解砕シリカ粒子を得る解砕工程と、
    前記解砕シリカ粒子を、800〜1100℃の温度範囲で加熱処理して表面改質された解砕シリカ粒子を得る表面改質工程と、を含むことを特徴とする解砕シリカ粒子の製造方法。
  20. 解砕シリカ粒子と樹脂を含むとともに、
    前記解砕シリカ粒子が、シリカ粒子を600〜1200℃の範囲で焼成して焼成シリカ粒子を得る焼成工程と、解砕用容器内に導入するガスによって旋回流を発生させ、該旋回流中に前記焼成シリカ粒子を供給して、前記焼成シリカ粒子を解砕して解砕シリカ粒子を得る解砕工程とを経て得られた樹脂組成物。
  21. 前記解砕シリカ粒子の含有量が5〜75質量%の範囲にあることを特徴とする請求項20に記載の樹脂組成物。
  22. 前記樹脂がエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、シリコン系樹脂、BTレジン、シアネート系樹脂から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項20に記載の樹脂組成物。
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