JP6329776B2 - モールドアンダーフィル用封止材 - Google Patents

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Description

本発明は、モールドアンダーフィル用封止材及びその製造方法に関する。
近年、半導体技術の進歩によって、ディジタル家電や携帯端末などの高速化、高機能化が進展してきている。そしてこれらの機器の機能を担う高性能半導体を基板上に実装する際におけるチップと基板との間のギャップも年々小さくなっている。
このギャップには、液状封止材でアンダフィルする場合が一般的である。近年、一部の半導体素子においては、組立コストや工数を削減するため、トランスファモールドによりアンダフィルを行う成形方式であるモールドアンダフィル(以下、「MUF」と記す)の技術開発が進められており、すでに量産段階にある(例えば特許文献1)。
MUFで特に問題となるものの一つが、チップ下への封止材の充填性である。充填を速やか且つ確実に行うためには封止材の流動性を高める(粘度を低くする)必要がある。
特開2011−132268号公報
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、更なる流動性向上を目指したMUF用の封止材を提供することを解決すべき課題とする。
(a)上記課題を解決する本発明のモールドアンダーフィル用封止材は、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにて表面処理された溶融シリカと、VMC法で調製した球状シリカとを質量比で100:0から50:50の範囲で含有するフィラーと、
樹脂材料と、
を有する。
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理を行った溶融シリカを樹脂材料中に分散させると表面処理を行わない場合や他の表面処理剤を用いた場合と比べて流動性が向上することを発見し本発明を完成した。
上述の(a)に開示のMUF用封止材は以下に記載する(b)、(c)のうちの何れか1つ以上の構成要素を付加することが可能である。
(b)体積平均粒径が前記溶融シリカよりも小さく且つ5nm以上300nm以下であるシリカ粒子を有する。粒径が小さいシリカ粒子を更に混合することにより流動性が更に向上する。シリカ粒子は先述したN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理が行われていても良い。
(c)前記シリカ粒子は、
一次粒子の体積平均粒径が300nm以下、嵩密度が450g/L以下であり、
式(1):−OSiXで表される官能基と、式(2):−OSiYで表される官能基とを表面にもつものである。(上記式(1)、(2)中;Xはフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X、Xは−OSiR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択され;YはRであり;Y、YはR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択される。YはRであり;Y及びYは、R及び−OSiRからそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。)
(d)上記課題を解決するモールドアンダーフィル用封止材の製造方法は、一次粒子の体積平均粒径が300nm以下の原料シリカ粒子に対し、嵩密度が450g/L以下になるように解砕する解砕工程と、
前記解砕工程にて得られたシリカ粒子と前記シリカ粒子の一次粒子よりも体積平均粒径が大きい溶融シリカと、VMC法で調製された球状シリカとを質量比で100:0から50:50の範囲で含有するフィラーと樹脂材料とを混合する混合工程と、
を有し、
少なくとも前記フィラーはN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理が為されており、
前記原料シリカ粒子は、
水を含む液状媒体中でシランカップリング剤およびオルガノシラザンによって表面処理する表面処理工程と、
前記液状媒体を除去する工程と、
をもつ前処理工程にて処理されており、
該シランカップリング剤は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基と、を持ち、
該シランカップリング剤と該オルガノシラザンとのモル比は、該シランカップリング剤:該オルガノシラザン=1:2〜1:10である。
上述の(d)の製造方法は下記(e)の構成要素を付加することが可能である。
(e)前記表面処理工程は、
前記シランカップリング剤で処理する第1の処理工程と、
前記オルガノシラザンで処理する第2の処理工程と、を持ち、
該第2の処理工程は、該第1の処理工程後に行う。
本発明のモールドアンダーフィル用封止材は特定の表面処理剤にて表面処理を行うことにより流動性に優れることになる。
実施例における各試験試料の粘度とシェアレートとの関連を示すグラフである。
以下に本発明のMUF用封止材及びその製造方法について実施形態に基づき以下詳細に説明する。本発明のMUF用封止材は半導体デバイスなどをトランスファー成形により封止する封止材として用いることができる。
ここで本明細書中における「モールドアンダーフィル:MUF」について以下に説明する。一般に、基板に実装された半導体チップが樹脂によって封止された半導体装置が周知である。このような半導体装置のさらなる小型化、薄型化、高密度化の要求に対応する技術として、フリップチップ接続方式が知られている。この接続方式は、半導体チップの回路面に突起電極(バンプ)を形成し、フェイスダウンで基板の電極端子に直接接続する方式である。このフリップチップ接続方式によれば、半導体チップの実装エリアが小さくて済み、かつワイヤボンディング接続のようにワイヤまで樹脂封止する必要がないので半導体装置の厚みを薄くできる利点がある。
フリップチップ接続方式の場合、実装された半導体チップと基板との間に数10μmの電極の厚み分の狭ギャップが発生する。従来、このチップ下の狭ギャップは、キャピラリーを用いて液状の樹脂組成物で充填(アンダーフィル)されていた。そして、その後、トランスファー成形によってチップ全体が非液状のエポキシ樹脂組成物で樹脂封止(オーバーモールド)されていた。しかし、狭ギャップのアンダフィルとチップ全体のオーバーモールドとの2工程が必要なので、非液状の樹脂組成物のみでチップ下の狭ギャップの充填とチップ全体の封止とを一括して行う技術として「MUF」の開発が進められている。ここで、非液状の樹脂組成物とは、例えば粉状、粒状、打錠したタブレット状等、常温で固体状の樹脂組成物をいう。
(MUF用封止材)
本実施形態のMUF用封止材はフィラーと樹脂材料とを有する。
フィラーは溶融シリカと球状シリカと含有する。溶融シリカは熔融法により製造されたシリカ粒子である。熔融法とはシリカを原料として破砕などの方法により望みの大きさの粒子を得た後、その粒子を空気などの気体中に浮遊させた状態で火炎などの高温中に供給することにより加熱溶融させることで球形度を高める方法である。球状シリカはVMC法により調製したシリカである。VMC法は金属ケイ素粒子を酸化雰囲気にて燃焼させることによりシリカを形成することにより球形度が高いシリカの粒子を製造する方法である。
溶融シリカ及び球状シリカの混合割合としては質量比で100:0から50:50の範囲で任意に決定できる。つまり、溶融シリカが必須でありその量を超えない程度の球状シリカを含有させることができることを意味する。
溶融シリカ及び球状シリカとしては特に限定しないが、粒径がMUFを適用する対象物のギャップよりも小さいことが望まれる。例えば体積平均粒径が30μm以下、20μm以下、15μm以下などが好ましい粒径として挙げられる。体積平均粒径の下限としては10μm、5μm、2μmなどが挙げられる。更に含まれる粒子の最大径がギャップの大きさ以下であることが望まれる。例えばギャップの大きさから求められたギャップと同じ径、ギャップの3分の1の径よりも大きな粒子の含有量が1000ppm以下であることが望ましく、0ppm以下であることが更に望ましい。粗粒の量を減らすためには混合する前のフィラー単独の状態で分級して粗粒を除去することができるほか、MUF用封止材を調製した後に分級(篩分けなど)を行い粗粒を除去することも出来る。
溶融シリカはN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理が為されている。球状シリカについてもN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにて表面処理を行うことが好ましい。N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを反応させる量は特に限定しないが溶融シリカや球状シリカの表面に存在するOH基の数に相当する量を基準に決定したり、溶融シリカや球状シリカの表面積を基準に決定したり、溶融シリカの質量や体積を基準として決定したりすることができる。OH基の量を基準として50%〜200%程度の量を採用したり、溶融シリカや球状シリカの表面積(窒素を用いたBET法により測定)1g当たり1.0m〜20m程度にしたりすることができる。
溶融シリカや球状シリカへの表面処理は単独の溶融シリカや球状シリカに行っても良いし、樹脂材料中に分散させた後に行っても良い。N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランはそのまま用いても良いし、MEK・MIBK・IPA・水などに任意の濃度で溶解させた状態で添加しても良い。更には一度に全量を用いて表面処理を行っても良いし、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを幾つかに分けて表面処理を行っても良い。更にはN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを表面に反応させる方法としては液状、蒸発させて気体状などの状態で表面に接触させることで行うこともできる。液状で反応させる場合にはアトマイザーなどにより霧状にして噴霧することができる。その時には溶融シリカや球状シリカは撹拌しながら行うことが好ましい。
シリカ粒子の一次粒子は溶融シリカよりも体積平均粒径が小さくシリカ粒子が溶融シリカや球状シリカ同士の間でいわゆる「ころ」のような作用を発揮する。シリカ粒子の添加量は特に限定しないが溶融シリカの質量を基準として0.1%以上などの量を添加することができる。添加量の上限としては10%が例示できる。
ここで、シリカ粒子はMUF用封止材中で一次粒子としてほぼ存在することが望ましい。ここで一次粒子で存在するとはSEM写真において、粒子同士が接触している状態から互いに離散している状態の間である粒子を意味する。特にSEM写真において粒子同士が重なり合っている割合が全体の数を基準にして10%以下であることが望ましい。
シリカ粒子は一次粒子の体積平均粒径が5nm以上300nm以下である。特に嵩密度が450g/L以下であることが望ましい。体積平均粒径としては、好ましい上限として、200nm、100nm、70nm、50nm、30nm、20nmが挙げられる。また、好ましい下限として、10nmが挙げられる。シリカ粒子としてはすべて500nm以下の粒径であることが望ましく、300nm以下の粒径であることが更に望ましい。
本明細書における嵩密度の測定は筒井理化学器械(株)製:電磁振動式カサ密度測定器(MVD−86型)を使用して行う。具体的には試料槽としての上部500μm篩に測定対象のサンプルを投入し、加速度4Gの条件で電磁振動により上部・下部の2つの500μm篩を通してサンプルを分散させ100mLの試料容器に落下投入した後、質量を測定し、その質量と体積とからかさ密度を算出した。自重による嵩密度の低下を防止するため測定は落下投入後1時間以内に実施する。
嵩密度の好ましい上限としては400g/L、370g/L、350g/L、300g/L、280g/L、250g/Lが挙げられる。好ましい下限としては100g/Lが挙げられる。嵩密度をこれら上限よりも下の値にすることにより一次粒子の分離がより確実に行われる。また、嵩密度をこれら下限よりも上の値にすることで嵩が小さく取り扱いやすくなる。
本実施形態のシリカ粒子は表面に炭素を含む官能基が表面に導入されている。炭素を含む官能基の具体的な構成及びシリカ粒子表面への導入方法などについては後述する製造方法にて詳述するため、ここでの説明は省略する。
樹脂材料は前述のフィラーの存在下で最終的に固化可能で半導体デバイスを封止する。樹脂材料は1以上の化合物を含み、加熱により溶融して流動性を発現するもの(熱可塑性樹脂など)、最初は液状であって反応により固化するもの(熱硬化性樹脂など)の何れであっても良い。樹脂材料としてはエポキシ樹脂と硬化剤との組み合わせが例示できる。
フィラーと樹脂材料との混合割合としては特に限定しないが、表面処理による流動性向上の結果、大量のフィラーを含有させることが可能になった。例えば全体の質量を基準としてフィラーが60%以上含有させることができる。上限としては特に限定しないが90%程度が挙げられる。
(MUF用封止材の製造方法)
本実施形態のMUF用封止材の製造方法は、原料シリカ粒子に対して解砕工程を行い製造したシリカ粒子を溶融シリカや球状シリカに混合(混合工程)する方法である。前述の本実施形態のMUF用封止材の製造に好適に利用できる方法である。原料シリカ粒子は一次粒子同士が結合している割合が多いが、その結合を解砕工程にて分離することが出来る。
混合工程はシリカ粒子と溶融シリカや球状シリカとを混合する工程で有り特に限定しないが前述したように乾燥状態で一次粒子にまで解砕したシリカ粒子をそのまま金属窒化物粒子と混合する。
混合工程においてはN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを添加して表面処理を行う。添加は溶融シリカや球状シリカ単独のときに行うこともできるしシリカ粒子を混合した後に行うこともできる。
混合工程では同時に樹脂材料を混合することも出来る。
解砕工程は特に方法は問わない。好ましくは凝集体の凝集を分離する程度の作用が加えられる方法が良く、凝集体を構成する一次粒子を破壊するような方法でない方が良い。例えば乾燥状態で行う粉砕に類する方法にて行うことができ、ジェットミル、ピンミル、ハンマーミルが例示できる。特に望ましくはジェットミルにて行う。工程の終期は原料シリカ粒子の嵩密度の値から判断する。適正な嵩密度後としては先述した範囲内から選択できる。ジェットミルは原料シリカ粒子を気流に乗せて粉砕を行う装置である。ジェットミルの種類は問わない。ジェットミルによる解砕は乾式にて行うことが望ましい。
原料シリカ粒子は一次粒径の体積平均粒径が300nm以下である。その他、上限としては200nm、100nm、70nm、50nmが挙げられる。原料シリカ粒子の製造方法は特に限定しない。例えば水ガラス法、アルコキシド法、VMC法が例示でき、水ガラス法を採用することが望ましい。水ガラス法は水ガラスに対して、イオン交換、化学反応による置換基の導入・脱離、pHや温度などの制御などを行うことにより原料シリカ粒子を析出させる方法である。例えば、水ガラスをイオン交換樹脂でイオン交換することによって、ナノメートルオーダーのシリカ粒子が分散された水性スラリーを調製することができる。原料シリカ粒子を構成する二次粒子の粒径は特に限定しないが、体積平均粒径が10μm以上、100μm以上などの値を示すこともある。更に、金属ケイ素をアルカリ溶液などに溶解させた後に析出させることで(水ガラス法類似の方法)、原料シリカ粒子を製造することが出来る。
原料シリカ粒子の調製には前処理工程を適用する。前処理工程は表面処理工程と液状媒体を除去する工程(固形化工程)とをもつ。表面処理工程は水を含む液状媒体(水、水の他にアルコールなどを含むもの)中でシランカップリング剤およびオルガノシラザンによって表面処理する工程である。シランカップリング剤は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基とをもつ。シランカップリング剤とオルガノシラザンとのモル比は、(シランカップリング剤):(オルガノシラザン)=1:2〜1:10である。
表面処理工程は、前述のシランカップリング剤で処理する第1の処理工程と、その後、オルガノシラザンで処理する第2の処理工程と、をもつ。
表面処理工程は、上述の方法にて得られたシリカ粒子に対して、式(1):−OSiXで表される官能基と、式(2):−OSiYで表される官能基とが表面に結合した原料シリカ粒子を得る工程である。以下、式(1)で表される官能基を第1の官能基と呼び、式(2)で表される官能基を第2の官能基と呼ぶ。
第1の官能基におけるXは、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基である。X、Xは、それぞれ、−OSiR又は−OSiYである。YはRである。Y、Yは、それぞれ、R又は−OSiRである。
第2の官能基におけるYはRである。Y、Yは、それぞれ−OSiR又は−OSiYである。
第1の官能基および第2の官能基に含まれる−OSiRが多い程、原料シリカ粒子の表面にRを多く持つ。第1の官能基および第2の官能基に含まれるR(炭素数1〜3のアルキル基)が多い程、原料シリカ粒子は凝集し難い。
第1の官能基に関していえば、X、Xがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最小となる。また、XおよびXがそれぞれ−OSiYであり、かつ、Y、Yがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最大となる。
第2の官能基に関していえば、Y、Yがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最小となる。また、YおよびYがそれぞれ−OSiYであり、かつ、Y、Yがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最大となる。
第1の官能基に含まれるXの数、第1の官能基に含まれるRの数、第2の官能基に含まれるRの数は、RとXとの存在数比や、原料シリカ粒子の粒径や用途に応じて適宜設定すれば良い。
なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。例えば、第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかが、この第1の官能基に隣接する第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。同様に、第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかが、この第2の官能基に隣接する第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。さらには、第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかが、この第1の官能基に隣接する第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。
原料シリカ粒子において、第1の官能基と第2の官能基との存在数比が1:12〜1:60であれば、原料シリカ粒子の表面にXとRとがバランス良く存在する。このため、第1の官能基と第2の官能基との存在数比が1:12〜1:60である原料シリカ粒子は、樹脂に対する親和性および凝集抑制効果に特に優れる。また、Xが原料シリカ粒子の単位表面積(nm)あたり0.5〜2.5個であれば、原料シリカ粒子の表面に充分な数の第1の官能基が結合し、第1の官能基および第2の官能基に由来するRもまた充分な数存在する。したがってこの場合にも、樹脂に対する親和性および原料シリカ粒子の凝集抑制効果が充分に発揮される。
何れの場合にも、原料シリカ粒子の単位表面積(nm)あたりのRは、1個〜10個であるのが好ましい。この場合には、原料シリカ粒子の表面に存在するXの数とRの数とのバランスが良くなり、樹脂に対する親和性および原料シリカ粒子の凝集抑制効果との両方がバランス良く発揮される。
原料シリカ粒子においては、シリカ粒子の表面に存在していた水酸基の全部が第1の官能基または第2の官能基で置換されているのが好ましい。第1の官能基と第2の官能基との和が、原料シリカ粒子の単位表面積(nm)あたり2.0個以上であれば、原料シリカ粒子において、シリカ粒子の表面に存在していた水酸基のほぼ全部が第1の官能基または第2の官能基で置換されているといえる。
原料シリカ粒子は、表面にRを持つ。これは、赤外線吸収スペクトルによって確認できる。詳しくは、原料シリカ粒子の赤外線吸収スペクトルを固体拡散反射法で測定すると、2962±2cm−1にC−H伸縮振動の極大吸収がある。
また、上述したように原料シリカ粒子は凝集し難い。
なお、原料シリカ粒子は、例え僅かに凝集した場合にも、超音波処理することによって再度分散可能である。詳しくは、原料シリカ粒子をメチルエチルケトンに分散させたものに、発振周波数39kHz、出力500Wの超音波を照射することで、原料シリカ粒子を実質的に一次粒子にまで分散できる。このときの超音波照射時間は10分間以下で良い。原料シリカ粒子が一次粒子にまで分散したか否かは、粒度分布を測定することで確認できる。詳しくは、この原料シリカ粒子のメチルエチルケトン分散材料をマイクロトラック装置等の粒度分布測定装置で測定し、原料シリカ粒子の粒度分布があれば、原料シリカ粒子が一次粒子にまで分散したといえる。
原料シリカ粒子は、凝集し難いため、水やアルコール等の液状媒体に分散されていない原料シリカ粒子として提供できる。この場合、液状媒体の持ち込みがないために、樹脂材料用のフィラーとして好ましく用いられる。
また、原料シリカ粒子は凝集し難いために、水で容易に洗浄できる。
原料シリカ粒子は、水を含む液状媒体中で、シランカップリング剤およびオルガノシラザンによってシリカ粒子を表面処理する工程(表面処理工程)にて処理される。シランカップリング剤は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基(すなわち上記のX)とを持つ。前述のN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを採用することを妨げない。
シランカップリング剤で表面処理することで、シリカ粒子の表面に存在する水酸基がシランカップリング剤に由来する官能基で置換される。シランカップリング剤に由来する官能基は式(3);−OSiXで表される。式(3)で表される官能基を第3の官能基と呼ぶ。第3の官能基におけるXは式(1)で表される官能基におけるXと同じである。X、Xは、それぞれ、アルキコキシ基である。オルガノシラザンで表面処理することで、第3の官能基のX、Xがオルガノシラザンに由来する−OSiY(式(2)で表される官能基、第2の官能基)で置換される。シリカ粒子の表面に存在する水酸基の全てが第3の官能基で置換されていない場合には、シリカ粒子の表面に残存する水酸基が第2の官能基で置換される。このため、表面処理された原料シリカ粒子の表面には、式(1):−OSiXで表される官能基(すなわち第1の官能基)と、式(2):−OSiYで表される官能基と(すなわち第2の官能基)が結合する。なお、シランカップリング剤とオルガノシラザンとのモル比は、シランカップリング剤:オルガノシラザン=1:2〜1:10であるため、得られた原料シリカ粒子における第1の官能基と第2の官能基との存在数比は理論上1:12〜1:60となる。
表面処理工程においては、シリカ粒子をシランカップリング剤及びオルガノシラザンで同時に表面処理しても良い。または、先ずシリカ粒子をシランカップリング剤で表面処理し、次いでオルガノシラザンで表面処理しても良い。または、先ずシリカ粒子をオルガノシラザンで表面処理し、次いでシランカップリング剤で表面処理し、さらにその後にオルガノシラザンで表面処理しても良い。何れの場合にも、シリカ粒子の表面に存在する水酸基全てが第2の官能基で置換されないように、オルガノシラザンの量を調整すれば良い。なお、シリカ粒子の表面に存在する水酸基は、全てが第3の官能基で置換されても良いし、一部のみが第3の官能基で置換され、他の部分が第2の官能基で置換されても良い。第3の官能基に含まれるX、Xは、全て第2の官能基で置換されるのが良い。
なお、オルガノシラザンの一部を、第2のシランカップリング剤で置き換えても良い。第2のシランカップリング剤としては、3つのアルコキシ基と、1つのアルキル基とを持つものを用いることができる。この場合には、第3の官能基に含まれるX、Xが、第2のシランカップリング剤に由来する第4の官能基で置換される。第4の官能基は式(4);−OSiYで表される。Yは第2の官能基におけるYと同じRであり、X、Xはそれぞれアルコキシ基または水酸基である。第4の官能基に含まれるX、Xは、オルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換されるか、または、別の第4の官能基で置換される。この場合には、原料シリカ粒子の表面に存在するRの量をさらに多くする事ができる。なお、オルガノシラザンの一部を、第2のシランカップリング剤に置き換える場合、第2のシランカップリング剤で表面処理した後に、再度オルガノシラザンで表面処理する必要がある。第4の官能基に含まれるX、Xを、最終的にはオルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換するためである。
オルガノシラザンの一部を第2のシランカップリング剤で置き換える場合、上述した第1の官能基に含まれるX、Xは、オルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換されるか、第2のシランカップリング剤に由来する第4の官能基で置換される。X、Xが第4の官能基で置換された場合、第4の官能基に含まれるX、Xは、第2の官能基で置換されるか、別の第4の官能基によって置換される。第4の官能基に含まれるX、Xが別の第4の官能基によって置換された場合、第4の官能基に含まれるX、Xは、第2の官能基で置換される。このため第2のシランカップリング剤は、第1のカップリング剤及びオルガノシラザンのみで表面処理する場合(オルガノシラザンを第2のシランカップリング剤で置き換えなかった場合)に設定されるオルガノシラザンの量(a)molに対して、最大限5a/3mol置き換えることができる。この場合に必要になるオルガノシラザンの量は、8a/3molである。
シランカップリング剤および第2のシランカップリング剤のアルコキシ基は特に限定しないが、比較的炭素数の小さなものが好ましく、炭素数1〜12であることが好ましい。アルコキシ基の加水分解性を考慮すると、アルコキシ基はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基の何れかであることがより好ましい。
シランカップリング剤として、具体的には、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
オルガノシラザンとしては、シリカ粒子の表面に存在する水酸基およびシランカップリング剤に由来するアルコキシ基を、上述した第2の官能基で置換できるものであれば良いが、分子量の小さなものを用いるのが好ましい。具体的には、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザン等が挙げられる。
第2のシランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
なお、表面処理工程において、シランカップリング剤の重合や第2のシランカップリング剤の重合を抑制するため、重合禁止剤を加えても良い。重合禁止剤としては、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、p−メトキシフェノール(メトキノン)等の一般的なものを用いることができる。
原料シリカ粒子は、表面処理工程後に固形化工程を備えても良い。固形化工程は、表面処理後の原料シリカ粒子を鉱酸で沈殿させ、沈殿物を水で洗浄・乾燥して、原料シリカ粒子の固形物を得る工程である。上述したように、一般的なシリカ粒子は非常に凝集し易いため、一旦固形化したシリカ粒子を再度分散するのは非常に困難である。しかし、原料シリカ粒子は凝集し難いため、固形化しても凝集し難く、また、例え凝集しても再分散し易い。なお、洗浄工程においては、原料シリカ粒子の抽出水(詳しくは、シリカ粒子を121℃で24時間浸漬した水)の電気伝導度が50μS/cm以下となるまで、洗浄を繰り返すのが好ましい。
固形化工程で用いる鉱酸としては塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などが例示でき、特に塩酸が望ましい。鉱酸はそのまま用いても良いが、鉱酸水溶液として用いるのが好ましい。鉱酸水溶液における鉱酸の濃度は0.1質量%以上が望ましく、0.5質量%以上が更に望ましい。鉱酸水溶液の量は、洗浄対象である原料シリカ粒子の質量を基準として6〜12倍程度にすることができる。
鉱酸水溶液による洗浄は複数回数行うことも可能である。鉱酸水溶液による洗浄は原料シリカ粒子を鉱酸水溶液に浸漬後、撹拌することが望ましい。また、浸漬した状態で1時間から24時間、更には72時間程度放置することができる。放置する際には撹拌を継続することもできるし、撹拌しないこともできる。鉱酸含有液中にて洗浄する際には常温以上に加熱することもできる。
その後、洗浄して懸濁させた原料シリカ粒子をろ取した後、水にて洗浄する。使用する水はアルカリ金属などのイオンを含まない(例えば質量基準で1ppm以下)ことが望ましい。例えば、イオン交換水、蒸留水、純水などである。水による洗浄は鉱酸水溶液による洗浄と同じく、原料シリカ粒子を分散、懸濁させた後、ろ過することもできるし、ろ取した原料シリカ粒子に対して水を継続的に通過させることによっても可能である。水による洗浄の終了時期は、上述した抽出水の電気伝導度で判断しても良いし、原料シリカ粒子を洗浄した後の排水中のアルカリ金属濃度が1ppm以下になった時点としても良いし、抽出水のアルカリ金属濃度が5ppm以下になった時点としても良い。なお、水で洗浄する際には常温以上に加熱することもできる。
原料シリカ粒子の乾燥は、常法により行うことができる。例えば、加熱や、減圧(真空)下に放置する等である。
本発明のMUF用封止材及びその製造方法について実施例に基づき説明を行う。なお、本実施例では粒径について言及するときには特に一次粒子の粒径であるとの記載が無い場合には二次粒子の粒径について記載する。
(粘度測定)
・試験試料の調製
溶融シリカ(体積平均粒径5μm)を80質量部、球状シリカ(VMC法にて調製:アドマファイン:体積平均粒径5μm)を20質量部、シリカ粒子(アドマテックス製;ナノシリカ;YA010C−SP3;体積平均粒径10nm)を0.3質量部、樹脂材料としてのZX−1059(東都化成)を75質量部を混合して各試験例の試験試料とした。
溶融シリカと球状シリカとからなるフィラーは予め下記の表面処理剤にて表面処理を行った。試験例A1、A5〜A7:HMDS、試験例A2及びA4:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−573)、試験例A3、A8:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)。
表面処理剤の反応はフィラーの質量を基準として0.5質量%の量を反応させた。反応はフィラーと化合物(表面処理剤)等を混合機の中に投入し、数時間程度撹拌した。
・粘度測定及び結果
試験例A1〜A8のそれぞれの試験試料についてシェアレートと粘度との関係を測定した。結果を図1に示す。図1より明らかなように表面処理剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを採用している試験例A2及びA4の試験試料はシェアレートが10付近から小さい範囲においては最も粘度が小さく、それ以上の範囲でも充分に低い値を示すことが分かった。
表面処理剤としてHMDSを採用した試験例A1、A5〜A7の試験試料については試験例A2及びA4の試験試料よりもシェアレートの全般にわたって粘度が大きいことが分かった。特にシェアレートが0.1〜10の範囲近傍では粘度が大きくなることが分かった。
表面処理剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを採用した試験例A3、A8の試験試料の粘度についてはシェアレート10超付近では僅かに大きい程度であるが、10よりも小さくなるにつれて飛び抜けて大きくなることがわかった。
以上の結果から表面処理剤としてはN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを採用することによりシェアレートの広い範囲において小さい粘度を実現できることが分かった。
(凝集性の評価)
・樹脂組成物の調製
溶融シリカ(体積平均粒径5μm)を80質量部、球状シリカ(VMC法にて調製:アドマファイン:体積平均粒径5μm)を20質量部、シリカ粒子(アドマテックス製;ナノシリカ;YA010C−SP3;体積平均粒径10nm)を0.3質量部を混合した後、25μm以上の粗粒を除去して試験試料B1、B2を調製した。溶融シリカと球状シリカとからなるフィラーは予め表面処理剤(試験試料B1はHMDSであり試験試料A1・A5〜A7相当、試験試料B2はKBM−573であり試験試料A2及びA4相当)にて表面処理を行った。
試験試料B1及びB2のいずれかを25質量部と樹脂材料としてのZX−1059(東都化成)を16.7質量部とを配合した後、遊星混合機にて混合し(混合条件:2000rpm、7分)、シリカ含有量が60質量%に調整された各試験例の樹脂組成物B1及びB2(本発明のMUF用封止材に相当)を作成した。
・凝集性の評価
樹脂組成物B1及びB2のそれぞれについて41.7g量り取り、メチルエチルケトン(MEK)50gと混合し1分間振り混ぜた。目視で均一に溶解していることを確認した。目開き25μmの篩を通過させた後、篩に付着している樹脂材料をMEKにて洗い落とした。その後、篩ごと乾燥機にて乾燥させて篩上の残渣を回収してその質量を測定した。
結果、樹脂組成物B1では0.0102g、樹脂組成物B2では0.0062gであり樹脂組成物B1を基準として約60.8%の凝集量になった。KBM−573による処理が凝集性の低減に対して有効であることが分かった。
<シリカ粒子(表面処理を行ったもの)の製造>
〔試験例1〕
(原料シリカ粒子の製造)
シリカ粒子を水系媒質としての水に分散させた水系スラリーとしてのコロイドシリカスノーテックスOS(シリカ分20%:日産化学製:一次粒子の粒径が10nm)100質量部に対して前処理工程(表面処理工程及び乾燥工程)を行った。
(表面処理工程)
(1)準備工程
水系スラリー100質量部にイソプロパノール40質量部を加え、室温(約25℃)で混合することで、シリカ粒子が液状媒体に分散されてなる分散液を得た。
(2)第1工程
この分散液にフェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM103)1.82質量部を加え40℃で72時間混合した。この工程により、シリカ粒子の表面に存在する水酸基をシランカップリング剤で表面処理した。なお、このときフェニルトリメトキシシランは必要な量の水酸基(一部)が表面処理されず残存するように計算して加えた。
(3)第2工程
次いで、この混合物にヘキサメチルジシラザン3.71質量部を加え、40℃で72時間放置した。この工程によって、シリカ粒子が表面処理され、シリカ粒子材料が得られた。表面処理の進行に伴い、疎水性になったシリカ粒子が水及びイソプロパノールの中に安定に存在できなくなり、凝集・沈殿した。なお、フェニルトリメトキシシランとメキサメチルジシラザンとのモル比は2:5であった。
(固形化工程)
表面処理工程で得られた混合物に35%塩酸水溶液を4.8質量部加え、シリカ粒子材料を沈殿させた。沈殿物をろ紙(アドバンテック社製 5A)で濾過した。濾過残渣(固形分)を純水で洗浄した後に100℃で真空乾燥して、シリカ粒子材料の固形物(原料シリカ粒子)を得た。
得られたシリカ粒子はD10が8.8μm、D50が124.5μm、D90が451.9μmであった。
(解砕工程)
得られた原料シリカ粒子に対して解砕工程を行い、本試験例のシリカ粒子を得た。解砕工程はジェットミル((株)セイシン企業製、型番STJ−200)を用い、解砕圧0.3MPa、供給量10kg/hの条件で実施した。得られたシリカ粒子は嵩密度が251.7g/L、D10が0.8μm、D50が1.8μm、D90が4.0μm、一次粒子の体積平均粒径が10nmであった。
〔試験例2〕
試験例1における解砕工程に代えてスプレードライ法にて噴霧乾燥を行ったものを本試験例の試験試料とした。具体的には固形化工程にて得られた原料シリカ粒子100質量部をIPA200質量部に分散させ、それを180℃、5L/hの流量で噴霧して乾燥した。得られたシリカ粒子は嵩密度が341.3g/Lであった。
〔試験例3〕
試験例1における解砕工程を実施せずに固形化工程で得られたものを本試験例の試験試料とした。得られたシリカ粒子は嵩密度が769g/L、D10が8.8μm、D50が124.5μm、D90が451.9μmであり、一次粒子の体積平均粒径が10nmであった。
〔試験例4〕
市販のシリカ粒子(日本アエロジル(株)製、AEROSIL R972、いわゆるアエロジルシリカ)を本試験例の試験試料とした。本試験例のシリカ粒子は嵩密度が41.0g/Lであった。
〔試験例5〜7〕
試験例1における解砕工程において解砕圧及び供給量を調節することにより嵩密度を調節した。嵩密度は試験例5の試験試料が271.3g/L、試験例6の試験試料が364.6g/L、試験例7の試験試料が249.8g/Lであった。解砕圧を大きくすることにより嵩密度が大きくなる傾向があった。詳しい結果は示さないが、上述の試験と同様に金属窒化物粒子の表面を概ね隙間無く被覆できることが分かった。

Claims (5)

  1. N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにて表面処理された溶融シリカと、金属ケイ素粒子を酸化雰囲気にて燃焼させるVMC法で調製した球状シリカとを質量比で100:0から50:50の範囲で含有するフィラーと、
    体積平均粒径が前記溶融シリカよりも小さく且つ5nm以上300nm以下であるシリカ粒子と、
    樹脂材料と、
    を有し、
    前記シリカ粒子は、
    一次粒子の体積平均粒径が300nm以下、嵩密度が450g/L以下であり、
    式(1):−OSiX で表される官能基と、式(2):−OSiY で表される官能基とを表面にもつものであるモールドアンダーフィル用封止材。
    (上記式(1)、(2)中;X はフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X 、X は−OSiR 及び−OSiY よりそれぞれ独立して選択され;Y はRであり;Y 、Y はR及び−OSiY よりそれぞれ独立して選択される。Y はRであり;Y 及びY は、R及び−OSiR からそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X 、X 、Y 、Y 、Y 、及びY の何れかは、隣接する官能基のX 、X 、Y 、Y 、Y 、及びY の何れかと−O−にて結合しても良い。)
  2. 前記球状シリカは、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにて表面処理されている請求項1に記載のモールドアンダーフィル用封止材。
  3. 前記シリカ粒子は、一次粒子にまで分散されている請求項1又は2に記載のモールドアンダーフィル用封止材。
  4. 前記シリカ粒子は、前記溶融シリカの質量を基準として0.1%以上含有する請求項1〜3の何れかに記載のモールドアンダーフィル用封止材。
  5. モールドアンダーフィルの対象となる半導体と基板との間のギャップの3分の1の径よりも大きな粒子の含有量が1000ppm以下である請求項1〜4のうちの何れか1項に記載のモールドアンダーフィル用封止材。
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