JP6450106B2 - 圧粉磁芯用粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気回路を構成する磁気部材を製造するために用いられる表面を絶縁被膜で被覆した軟磁性材料からなる粉粒体である圧粉磁芯用粉末に関する。
モーター、アクチュエータ、トランス、リアクトルなどに用いられる磁芯には、磁束密度が高くて鉄損が低いという特性が要求されており、三次元的な磁気回路の形成が容易である圧粉磁芯が注目されている。
圧粉磁芯は絶縁被覆された軟磁性粒子を圧縮成形する為、金型を変更することで、従来の電磁鋼板を上回る形状の自由度を得ることができる。
ここでモータなどにおける磁芯には高い磁気特性が要求される。磁気特性を向上するには種々の特性が関与するが、1つの指標として鉄損の低減が挙げられる。鉄損を低減するには成形後の粒子間の絶縁性が大きく影響する。
そこで、従来より圧粉磁心用粉末には絶縁被膜が表面に形成されている。絶縁被膜を形成する1つの方法として樹脂材料を被覆する方法がある(特許文献1など)。
特開2014-125655号公報
しかしながら絶縁被膜として樹脂材料を用いる方法では充分な絶縁性が付与できない場合があった。樹脂材料にて被覆することにより達成できるよりも高い絶縁性が要求されることがあった。
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、高い絶縁性をもつ被膜を形成した圧粉磁心用粉末を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する目的で本発明者らが鋭意検討を行った結果、軟磁性材料からなる粉粒体の表面を被覆する絶縁被膜として粒径が2nm〜500nmのシリカ粒子と樹脂材料とを採用することにより優れた絶縁性が実現できることを見出した。また、シリカ粒子は耐熱性などにも優れ、耐久性が高いという付随的な効果も発見した。
(A)本発明は上記知見に基づき完成したものであり、上記課題を解決する本発明の圧粉磁心用粉末は、軟磁性材料からなる軟磁性粒子と、
粒径が2nm〜500nmのシリカ粒子を含む微小粒子材料と樹脂材料とからなり前記軟磁性粒子を被覆する絶縁被覆部材と、
を有する。
上記粒径範囲をもつシリカ粒子を樹脂材料と共に用いた絶縁被膜にて軟磁性粒子を被覆することにより最終的に得られた圧粉磁心の比抵抗が高くできる。
上述の(A)の発明は以下に記載する(B)及び(C)のうちの1つ以上の構成要素を加えることができる。
(B)前記シリカ粒子は、
一次粒子の体積平均粒径が300nm以下、嵩密度が450g/L以下であり、
式(1):−OSiXで表される官能基と、式(2):−OSiYで表される官能基とを表面にもつものである。(上記式(1)、(2)中;Xはフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X、Xは−OSiR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択され;YはRであり;Y、YはR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択される。YはRであり;Y及びYは、R及び−OSiRからそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。)
このようなシリカ粒子を採用することにより樹脂中への分散が良好になって軟磁性粒子の表面に優れた絶縁被膜が形成できる。
(C)前記樹脂材料はエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、及びポリイミド樹脂からなる群より選択される1以上である。これらの樹脂材料を採用することにより優れた絶縁被膜が形成できる。
実施例における試料1の粒子表面のSEM写真である。
本発明の圧粉磁心用粉末について以下詳細に説明を行う。本実施形態の圧粉磁心用粉末はモータ、アクチュエータ、トランス、リアクトルなどのコアやその他の磁気回路を構成する部材(圧粉磁心)を製造するために用いることができる。圧粉磁心は本実施形態の圧粉磁心用粉末を型内にて圧力を加えること(圧粉)で製造できる。型内での潤滑性を向上するために本実施形態の圧粉磁心用粉末に潤滑剤(内部潤滑剤)を加えることができる。後述するシリカ粒子を樹脂材料とは独立して添加することにより潤滑性が発現できる。これについては後に詳述する。また、型との潤滑性を向上するために型の内面に潤滑剤を塗布することができる。
本実施形態の圧粉磁心用粉末は軟磁性粒子と絶縁被膜部材とその他必要であれば添加するその他の部材とをもつ。軟磁性粒子は軟磁性材料からなる粉粒体である。粉粒体の粒径は特に限定されない。好ましい粒径としては上限として200μm、50μm、15μm、5μmが例示でき、下限として50μm、15μm、5μm、0.5μmが例示でき、好ましい粒径の範囲を規定する場合にこれらの上限及び下限を任意に組み合わせて好ましい粒径の範囲を規定することが可能である。特に効果を確認した粉粒体の粒径は、体積平均粒径で80μm、45μm、20μm、10μm、5μmが例示できる。
粒子の形態は限定しないが、球状であることが好ましい。
軟磁性材料としては、アモルファス純鉄粉(例えば水アトマイズ鉄粉)、カルボニル鉄粉、ケイ素鋼、パーマロイ、センダスト等を使用することができる。アモルファス純鉄粉は、結晶構造を持たない低損失な金属材料の一種であり、Feを主成分とするFe基アモルファス金属材料は、方向性ケイ素鋼板に比べて、無負荷損が小さいという特性を有する。カルボニル鉄粉は、真球状の均質な鉄粉であり、直径1〜8μmの粒度分布を有する。ケイ素鋼は、鉄にケイ素が3%前後含まれた軟質磁性材料であり、透磁率・電気抵抗が高く、磁気ヒステリシス損失が少ないという特性を有する。パーマロイは、鉄ニッケル合金であり、軟磁性合金であるとともに強磁性材である。透磁性が非常に高く、磁気を通し易い性質を有する。
センダストは、高透磁率合金の1つである。ケイ素9.5%,アルミニウム55.5%を含む鉄合金で,パーマロイに匹敵する高い透磁率を示す。また飽和磁束密度も高い。非常に硬くて脆いため、鍛造や圧延などの加工は困難である。
絶縁被膜部材は微小粒子材料と樹脂材料とを有する。微小粒子材料と樹脂材料との混合比は特に限定しない。例えば、微小粒子材料は、絶縁被膜部材の質量を基準として以下の割合で含有させることができる。上限として95質量%、55質量%、25質量%、10質量%が例示でき、下限として75質量%、15質量%、5質量%、0.1質量%が例示でき、好ましい混合比の範囲を規定する場合にこれらの上限及び下限を任意に組み合わせて好ましい混合比の範囲を規定することが可能である。
樹脂材料と微小粒子材料とは軟磁性粒子に接触させる前に混合することが望ましい。混合後に軟磁性粒子と混合することにより軟磁性粒子の表面を樹脂材料と微小粒子材料との混合物からなる絶縁被膜部材にて被覆することができる。被覆させるときには樹脂材料が流動可能な状態にすることが望ましい。樹脂材料として熱硬化性樹脂を採用する場合には硬化前のものを用いることが好ましく、熱可塑性樹脂を採用する場合には融点以上の温度にまで加熱した状態で混合することが好ましい。混合により被覆した後に粉砕操作などを行ってできるだけバラバラな状態にすることが好ましい。シリカ粒子は樹脂材料中に分散させない状態にすると、内部潤滑剤としての作用の増強が期待できる。
樹脂材料は微小粒子材料を分散している。樹脂材料は特に限定しない。樹脂材料は1以上の化合物を含み、加熱により溶融して流動性を発現するもの(熱可塑性樹脂など)、最初は液状であって反応により固化するもの(熱硬化性樹脂など。硬化前後を問わない)の何れであっても良い。樹脂材料としてはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂が例示できる。
微小粒子材料はシリカ粒子を含む。シリカ粒子は粒径が2nm〜500nmである。特に一次粒子の大きさの上限が300nmであることが望ましい。下限としては5nmが望ましい。体積平均粒径としては、好ましい上限として、200nm、100nm、70nm、50nm、30nm、20nmが挙げられる。また、好ましい下限として、8nmが挙げられる。好ましい粒径の範囲を規定する場合にこれらの上限及び下限を任意に組み合わせて好ましい粒径の範囲を規定することが可能である。好ましいシリカ粒子の体積平均粒径としては10nm、25nm、50nm、100nm、180nmが例示できる。
また、式(1):−OSiXで表される官能基と、式(2):−OSiYで表される官能基とを表面にもつことが望ましい。(上記式(1)、(2)中;Xはフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X、Xは−OSiR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択され;YはRであり;Y、YはR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択される。YはRであり;Y及びYは、R及び−OSiRからそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。)
嵩密度が450g/L以下であることが望ましい。本明細書における嵩密度の測定は筒井理化学器械(株)製:電磁振動式カサ密度測定器(MVD−86型)を使用して行う。具体的には試料槽としての上部500μm篩に測定対象のサンプルを投入し、加速度4Gの条件で電磁振動により上部・下部の2つの500μm篩を通してサンプルを分散させ100mLの試料容器に落下投入した後、質量を測定し、その質量と体積とからかさ密度を算出した。自重による嵩密度の低下を防止するため測定は落下投入後1時間以内に実施する。
嵩密度の好ましい上限としては400g/L、370g/L、350g/L、300g/L、280g/L、250g/Lが挙げられる。好ましい下限としては100g/Lが挙げられる。嵩密度をこれら上限よりも下の値にすることにより一次粒子の分離がより確実に行われる。また、嵩密度をこれら下限よりも上の値にすることで嵩が小さく取り扱いやすくなる。
シリカ粒子は所定の粒度分布を持つ原料シリカ粒子を解砕することにより製造される。必要に応じて表面処理などを行うことができる。解砕工程は原料シリカ粒子を概ね一次粒子に近い状態になるまで(一次粒子になっているかどうかは後述の判定方法により判定する)行う。
解砕工程は特に方法は問わない。好ましくは凝集体の凝集を分離する程度の作用が加えられる方法が良く、凝集体を構成する一次粒子を破壊するような方法でない方が良い。例えば乾燥状態で行う粉砕に類する方法にて行うことができ、ジェットミル、ピンミル、ハンマーミルが例示できる。特に望ましくはジェットミルにて行う。工程の終期は原料シリカ粒子の嵩密度の値から判断する。適正な嵩密度後としては先述した範囲内から選択できる。ジェットミルは原料シリカ粒子を気流に乗せて粉砕を行う装置である。ジェットミルの種類は問わない。ジェットミルによる解砕は乾式にて行うことが望ましい。
原料シリカ粒子は一次粒径の体積平均粒径が300nm以下である。その他、上限としては200nm、100nm、70nm、50nmが挙げられる。原料シリカ粒子の製造方法は特に限定しない。例えば水ガラス法、アルコキシド法、VMC法が例示でき、水ガラス法を採用することが望ましい。水ガラス法は水ガラスに対して、イオン交換、化学反応による置換基の導入・脱離、pHや温度などの制御などを行うことにより原料シリカ粒子を析出させる方法である。例えば、水ガラスをイオン交換樹脂でイオン交換することによって、ナノメートルオーダーのシリカ粒子が分散された水性スラリーを調製することができる。原料シリカ粒子を構成する二次粒子の粒径は特に限定しないが、体積平均粒径が10μm以上、100μm以上などの値を示すこともある。更に、金属ケイ素をアルカリ溶液などに溶解させた後に析出させることで(水ガラス法類似の方法)、原料シリカ粒子を製造することが出来る。
原料シリカ粒子の調製には前処理工程を適用する。前処理工程は表面処理工程と液状媒体を除去する工程(固形化工程)とをもつ。表面処理工程は水を含む液状媒体(水、水の他にアルコールなどを含むもの)中でシランカップリング剤及びオルガノシラザンによって表面処理する工程である。シランカップリング剤は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基とをもつ。シランカップリング剤とオルガノシラザンとのモル比は、(シランカップリング剤):(オルガノシラザン)=1:2〜1:10である。
表面処理工程は、前述のシランカップリング剤で処理する第1の処理工程と、その後、オルガノシラザンで処理する第2の処理工程と、をもつ。
表面処理工程は、上述の方法にて得られたシリカ粒子に対して、式(1):−OSiXで表される官能基と、式(2):−OSiYで表される官能基とが表面に結合した原料シリカ粒子を得る工程である。以下、式(1)で表される官能基を第1の官能基と呼び、式(2)で表される官能基を第2の官能基と呼ぶ。
第1の官能基におけるXは、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基である。X、Xは、それぞれ、−OSiR又は−OSiYである。YはRである。Y、Yは、それぞれ、R又は−OSiRである。
第2の官能基におけるYはRである。Y、Yは、それぞれ、−OSiR又は−OSiYである。
第1の官能基及び第2の官能基に含まれる−OSiRが多い程、原料シリカ粒子の表面にRを多く持つ。第1の官能基及び第2の官能基に含まれるR(炭素数1〜3のアルキル基)が多い程、原料シリカ粒子は凝集し難い。
第1の官能基に関していえば、X、Xがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最小となる。また、X及びXがそれぞれ−OSiYであり、かつ、Y、Yがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最大となる。
第2の官能基に関していえば、Y、Yがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最小となる。また、Y及びYがそれぞれ−OSiYであり、かつ、Y、Yがそれぞれ−OSiRである場合に、Rの数が最大となる。
第1の官能基に含まれるXの数、第1の官能基に含まれるRの数、第2の官能基に含まれるRの数は、RとXとの存在数比や、原料シリカ粒子の粒径や用途に応じて適宜設定すれば良い。
なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。例えば、第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかが、この第1の官能基に隣接する第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。同様に、第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかが、この第2の官能基に隣接する第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。さらには、第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかが、この第1の官能基に隣接する第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。
原料シリカ粒子において、第1の官能基と第2の官能基との存在数比が1:12〜1:60であれば、原料シリカ粒子の表面にXとRとがバランス良く存在する。このため、第1の官能基と第2の官能基との存在数比が1:12〜1:60である原料シリカ粒子は、樹脂に対する親和性及び凝集抑制効果に特に優れる。また、Xが原料シリカ粒子の単位表面積(nm)あたり0.5〜2.5個であれば、原料シリカ粒子の表面に充分な数の第1の官能基が結合し、第1の官能基及び第2の官能基に由来するRもまた充分な数存在する。したがってこの場合にも、樹脂に対する親和性及び原料シリカ粒子の凝集抑制効果が充分に発揮される。
何れの場合にも、原料シリカ粒子の単位表面積(nm)あたりのRは、1個〜10個であるのが好ましい。この場合には、原料シリカ粒子の表面に存在するXの数とRの数とのバランスが良くなり、樹脂に対する親和性及び原料シリカ粒子の凝集抑制効果との両方がバランス良く発揮される。
原料シリカ粒子においては、シリカ粒子の表面に存在していた水酸基の全部が第1の官能基又は第2の官能基で置換されているのが好ましい。第1の官能基と第2の官能基との和が、原料シリカ粒子の単位表面積(nm)あたり2.0個以上であれば、原料シリカ粒子において、シリカ粒子の表面に存在していた水酸基のほぼ全部が第1の官能基又は第2の官能基で置換されているといえる。
原料シリカ粒子は、表面にRを持つ。これは、赤外線吸収スペクトルによって確認できる。詳しくは、原料シリカ粒子の赤外線吸収スペクトルを固体拡散反射法で測定すると、2962±2cm−1にC−H伸縮振動の極大吸収がある。
また、上述したように原料シリカ粒子は凝集し難い。
なお、原料シリカ粒子は、例え僅かに凝集した場合にも、超音波処理することによって再度分散可能である。詳しくは、原料シリカ粒子をメチルエチルケトンに分散させたものに、発振周波数39kHz、出力500Wの超音波を照射することで、原料シリカ粒子を実質的に一次粒子にまで分散できる。このときの超音波照射時間は10分間以下で良い。原料シリカ粒子が一次粒子にまで分散したか否かは、粒度分布を測定することで確認できる。詳しくは、この原料シリカ粒子のメチルエチルケトン分散材料をマイクロトラック装置等の粒度分布測定装置で測定し、原料シリカ粒子の粒度分布があれば、原料シリカ粒子が一次粒子にまで分散したといえる。
原料シリカ粒子は、水を含む液状媒体中で、シランカップリング剤及びオルガノシラザンによってシリカ粒子を表面処理する工程(表面処理工程)にて処理される。シランカップリング剤は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基(すなわち上記のX)とを持つ。前述のN-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランを採用することを妨げない。
シランカップリング剤で表面処理することで、シリカ粒子の表面に存在する水酸基がシランカップリング剤に由来する官能基で置換される。シランカップリング剤に由来する官能基は式(3);−OSiXで表される。式(3)で表される官能基を第3の官能基と呼ぶ。第3の官能基におけるXは式(1)で表される官能基におけるXと同じである。X、Xは、それぞれ、アルキコキシ基である。オルガノシラザンで表面処理することで、第3の官能基のX、Xがオルガノシラザンに由来する−OSiY(式(2)で表される官能基、第2の官能基)で置換される。シリカ粒子の表面に存在する水酸基の全てが第3の官能基で置換されていない場合には、シリカ粒子の表面に残存する水酸基が第2の官能基で置換される。このため、表面処理された原料シリカ粒子の表面には、式(1):−OSiXで表される官能基(すなわち第1の官能基)と、式(2):−OSiYで表される官能基と(すなわち第2の官能基)が結合する。なお、シランカップリング剤とオルガノシラザンとのモル比は、シランカップリング剤:オルガノシラザン=1:2〜1:10であるため、得られた原料シリカ粒子における第1の官能基と第2の官能基との存在数比は理論上1:12〜1:60となる。
表面処理工程においては、シリカ粒子をシランカップリング剤及びオルガノシラザンで同時に表面処理しても良い。又は、先ずシリカ粒子をシランカップリング剤で表面処理し、次いでオルガノシラザンで表面処理しても良い。又は、先ずシリカ粒子をオルガノシラザンで表面処理し、次いでシランカップリング剤で表面処理し、更にその後にオルガノシラザンで表面処理しても良い。何れの場合にも、シリカ粒子の表面に存在する水酸基全てが第2の官能基で置換されないように、オルガノシラザンの量を調整すれば良い。なお、シリカ粒子の表面に存在する水酸基は、全てが第3の官能基で置換されても良いし、一部のみが第3の官能基で置換され、他の部分が第2の官能基で置換されても良い。第3の官能基に含まれるX、Xは、全て第2の官能基で置換されるのが良い。
なお、オルガノシラザンの一部を、第2のシランカップリング剤で置き換えても良い。第2のシランカップリング剤としては、3つのアルコキシ基と、1つのアルキル基とを持つものを用いることができる。この場合には、第3の官能基に含まれるX、Xが、第2のシランカップリング剤に由来する第4の官能基で置換される。第4の官能基は式(4);−OSiYで表される。Yは第2の官能基におけるYと同じRであり、X、Xはそれぞれアルコキシ基又は水酸基である。第4の官能基に含まれるX、Xは、オルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換されるか、又は、別の第4の官能基で置換される。この場合には、原料シリカ粒子の表面に存在するRの量を更に多くする事ができる。なお、オルガノシラザンの一部を、第2のシランカップリング剤に置き換える場合、第2のシランカップリング剤で表面処理した後に、再度オルガノシラザンで表面処理する必要がある。第4の官能基に含まれるX、Xを、最終的にはオルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換するためである。
オルガノシラザンの一部を第2のシランカップリング剤で置き換える場合、上述した第1の官能基に含まれるX、Xは、オルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換されるか、第2のシランカップリング剤に由来する第4の官能基で置換される。X、Xが第4の官能基で置換された場合、第4の官能基に含まれるX、Xは、第2の官能基で置換されるか、別の第4の官能基によって置換される。第4の官能基に含まれるX、Xが別の第4の官能基によって置換された場合、第4の官能基に含まれるX、Xは、第2の官能基で置換される。このため第2のシランカップリング剤は、第1のカップリング剤及びオルガノシラザンのみで表面処理する場合(オルガノシラザンを第2のシランカップリング剤で置き換えなかった場合)に設定されるオルガノシラザンの量(a)molに対して、最大限5a/3mol置き換えることができる。この場合に必要になるオルガノシラザンの量は、8a/3molである。
シランカップリング剤及び第2のシランカップリング剤のアルコキシ基は特に限定しないが、比較的炭素数の小さなものが好ましく、炭素数1〜12であることが好ましい。アルコキシ基の加水分解性を考慮すると、アルコキシ基はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基の何れかであることがより好ましい。
シランカップリング剤として、具体的には、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
オルガノシラザンとしては、シリカ粒子の表面に存在する水酸基及びシランカップリング剤に由来するアルコキシ基を、上述した第2の官能基で置換できるものであれば良いが、分子量の小さなものを用いるのが好ましい。具体的には、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザン等が挙げられる。
第2のシランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
なお、表面処理工程において、シランカップリング剤の重合や第2のシランカップリング剤の重合を抑制するため、重合禁止剤を加えても良い。重合禁止剤としては、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、p−メトキシフェノール(メトキノン)等の一般的なものを用いることができる。
原料シリカ粒子は、表面処理工程後に固形化工程を備えても良い。固形化工程は、表面処理後の原料シリカ粒子を鉱酸で沈殿させ、沈殿物を水で洗浄・乾燥して、原料シリカ粒子の固形物を得る工程である。上述したように、一般的なシリカ粒子は非常に凝集し易いため、一旦固形化したシリカ粒子を再度分散するのは非常に困難である。しかし、原料シリカ粒子は凝集し難いため、固形化しても凝集し難く、また、例え凝集しても再分散し易い。なお、洗浄工程においては、原料シリカ粒子の抽出水(詳しくは、シリカ粒子を121℃で24時間浸漬した水)の電気伝導度が50μS/cm以下となるまで、洗浄を繰り返すのが好ましい。
固形化工程で用いる鉱酸としては塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などが例示でき、特に塩酸が望ましい。鉱酸はそのまま用いても良いが、鉱酸水溶液として用いるのが好ましい。鉱酸水溶液における鉱酸の濃度は0.1質量%以上が望ましく、0.5質量%以上が更に望ましい。鉱酸水溶液の量は、洗浄対象である原料シリカ粒子の質量を基準として6〜12倍程度にすることができる。
鉱酸水溶液による洗浄は複数回数行うことも可能である。鉱酸水溶液による洗浄は原料シリカ粒子を鉱酸水溶液に浸漬後、撹拌することが望ましい。また、浸漬した状態で1時間から24時間、更には72時間程度放置することができる。放置する際には撹拌を継続することもできるし、撹拌しないこともできる。鉱酸含有液中にて洗浄する際には常温以上に加熱することもできる。
その後、洗浄して懸濁させた原料シリカ粒子をろ取した後、水にて洗浄する。使用する水はアルカリ金属などのイオンを含まない(例えば質量基準で1ppm以下)ことが望ましい。例えば、イオン交換水、蒸留水、純水などである。水による洗浄は鉱酸水溶液による洗浄と同じく、原料シリカ粒子を分散、懸濁させた後、ろ過することもできるし、ろ取した原料シリカ粒子に対して水を継続的に通過させることによっても可能である。水による洗浄の終了時期は、上述した抽出水の電気伝導度で判断しても良いし、原料シリカ粒子を洗浄した後の排水中のアルカリ金属濃度が1ppm以下になった時点としても良いし、抽出水のアルカリ金属濃度が5ppm以下になった時点としても良い。なお、水で洗浄する際には常温以上に加熱することもできる。
原料シリカ粒子の乾燥は、常法により行うことができる。例えば、加熱や、減圧(真空)下に放置する等である。
(試験1)
軟磁性粒子として、目開きが180μmの篩を通過させたものであって体積平均粒径80μmの水アトマイズ鉄粉(へガネス、ABC100.30)を用いた。微小粒子材料としてのシリカ粒子は、平均粒径10nmの表面処理ナノシリカ(アドマテックス、YA010C-SP3)を用いた。表面処理については後述する。樹脂材料として、BisA/BisF混合型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学、ZX-1059)及び芳香族アミン(Albemarle、Ethacure 100)を用いた。これは硬化前の状態である。エポキシ樹脂と芳香族アミンの分量はエポキシ当量とアミン当量とが合うように調製した。
分散媒としてのメチルエチルケトンにナノシリカを分散した後、樹脂材料を加え、均一の分散体を得た。シリカ粒子及び樹脂材料の量は軟磁性粒子の表面に所定の厚さの被膜が形成できるように配合した。具体的には表1に示した量を用いた。軟磁性粒子10000質量部に対して、約10000質量部のメチルエチルケトンで希釈した、所定量のシリカ粒子・樹脂材料の混合物(軟磁性粒子の表面で硬化することにより絶縁被膜部材になる)を加え、 ボールミルにてよく混合した。これを80℃で30分、180℃で20分加温し、樹脂材料を硬化させた。硬化物をミキサーでできるだけ解砕したもの(絶縁被膜部材にて被覆された軟磁性粒子。圧粉磁心用粉末)て試験に用いた。
このようにして調製した圧粉磁心用粉末の表面をSEM(日立、SU8000)で観察すると、図1のように確かに表面にシリカが一様に付着していた。このシリカは溶媒等で洗浄しても脱離することはなかった。
得られた圧粉磁心用粉末を用いて、直径15mm×高さ約5mmの円柱状成形体を58839.9N/m(6ton/cm2)の成形面圧により作成した。金型は予めフッ素系グリスを用いて潤滑を行った。この成形に際して、内部潤滑剤は使用しなかった。成形体の密度は、成形体の外形及び質量より計算して求めた。成形体の抵抗は4端子式抵抗計(HIOKI、RM3548)を用いて測定した。端子間距離、断面積より比抵抗に換算した。比較実験として、軟磁性粒子のみ、及び絶縁被膜部材として使用した樹脂材料のみとしたものを用いて、同様の操作にて成形体の密度及び比抵抗を求めた。これらの結果を表1にまとめた。
表より明らかなように、試料1〜3と試料5〜6との結果から絶縁被膜部材中にシリカ粒子を含有させることにより比抵抗が大きくなった。また、試料1〜3に向けて絶縁被膜部材の膜厚が大きくなると比抵抗も大きくなることが分かった。ここで、シリカ粒子の有無により圧粉体の密度に大きな影響は認められなかった。以上の結果から、樹脂材料としてエポキシ樹脂を採用し、シリカ粒子を絶縁被膜部材中に含有させることにより圧粉体密度などに影響をほとんど与えずに比抵抗を大きくできることが分かった。
(試験2)
樹脂材料として2液型シリコーンゴム(信越化学工業、 KER-6020AB)を用い、樹脂材料の硬化処理を100℃で1時間の後、150℃で2時間とした以外は試験1と同様の試験を行った。2液型シリコーンゴムはA液B液を当量混合したものを用いた。混合比は表2に示した。試験1と同じ試験を行った結果を表2に示す。
表より明らかなように、試料8〜10と試料11〜13との結果から絶縁被膜部材中にシリカ粒子を含有させることにより比抵抗が大きくなった。また、試料8〜10に向けて絶縁被膜部材の膜厚が大きくなると比抵抗も大きくなることが分かった。ここで、シリカ粒子の有無により圧粉体の密度は1%程度低くなった。以上の結果から、樹脂材料としてシリコーン樹脂を採用し、シリカ粒子を絶縁被膜部材中に含有させることにより圧粉体密度などに影響が少しあるものの比抵抗を大きくできることが分かった。
(試験3)
樹脂として、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)溶液(ユニチカ、UイミドワニスAR)を用いた以外は試験1と同ようにして試験を行った。具体的にはN-メチル-2-ピロリドン (NMP) にシリカ粒子を分散し、樹脂材料を加えた。シリカ粒子及び樹脂材料は表3に示した量を用いた。軟磁性粒子10000質量部に対して、約10000質量部のNMPで希釈した所定量のシリカ粒子・樹脂材料の混合物を加え、 ボールミルにてよく混合した。これを80℃から350℃まで段階的に昇温した後、350℃で30分加温して樹脂を硬化させた。硬化物をミキサーで解砕して得られた圧粉磁心用粉末を試験1と同様に評価した。結果を表3に示す。
表より明らかなように、試料14〜16と試料17〜19との結果から絶縁被膜部材中にシリカ粒子を含有させることにより比抵抗が大きくなった。また、試料14〜16に向けて絶縁被膜部材の膜厚が大きくなると比抵抗も大きくなることが分かった。ここで、シリカ粒子の有無により圧粉体の密度は大差無かった。以上の結果から、樹脂材料としてポリイミド樹脂を採用し、シリカ粒子を絶縁被膜部材中に含有させることにより圧粉体密度などに影響をほとんど与えずに比抵抗を大きくできることが分かった。
・まとめ:試験1〜3の結果からシリカ粒子を混合させたときの比抵抗が上昇する効果は(エポキシ樹脂)>(シリコーン樹脂)>(ポリイミド樹脂)であった。
(シリカ粒子の製造)
〔試験例1〕
(原料シリカ粒子の製造)
シリカ粒子を水系媒質としての水に分散させた水系スラリーとしてのコロイドシリカスノーテックスOS(シリカ分20%:日産化学製:一次粒子の粒径が10nm)100質量部に対して前処理工程(表面処理工程及び乾燥工程)を行った。
(表面処理工程)
(1)準備工程
水系スラリー100質量部にイソプロパノール40質量部を加え、室温(約25℃)で混合することで、シリカ粒子が液状媒体に分散されてなる分散液を得た。
(2)第1工程
この分散液にフェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM103)1.82質量部を加え40℃で72時間混合した。この工程により、シリカ粒子の表面に存在する水酸基をシランカップリング剤で表面処理した。なお、このときフェニルトリメトキシシランは必要な量の水酸基(一部)が表面処理されず残存するように計算して加えた。
(3)第2工程
次いで、この混合物にヘキサメチルジシラザン3.71質量部を加え、40℃で72時間放置した。この工程によって、シリカ粒子が表面処理され、シリカ粒子材料が得られた。表面処理の進行に伴い、疎水性になったシリカ粒子が水及びイソプロパノールの中に安定に存在できなくなり、凝集・沈殿した。なお、フェニルトリメトキシシランとメキサメチルジシラザンとのモル比は2:5であった。
(固形化工程)
表面処理工程で得られた混合物に35%塩酸水溶液を4.8質量部加え、シリカ粒子材料を沈殿させた。沈殿物をろ紙(アドバンテック社製 5A)で濾過した。濾過残渣(固形分)を純水で洗浄した後に100℃で真空乾燥して、シリカ粒子材料の固形物(原料シリカ粒子)を得た。
得られたシリカ粒子はD10が8.8μm、D50が124.5μm、D90が451.9μmであった。
(解砕工程)
得られた原料シリカ粒子に対して解砕工程を行い、本試験例のシリカ粒子を得た。解砕工程はジェットミル((株)セイシン企業製、型番STJ−200)を用い、解砕圧0.3MPa、供給量10kg/hの条件で実施した。得られたシリカ粒子は嵩密度が251.7g/L、D10が0.8μm、D50が1.8μm、D90が4.0μm、一次粒子の体積平均粒径が10nmであった。
〔試験例2〕
試験例1における解砕工程に代えてスプレードライ法にて噴霧乾燥を行ったものを本試験例の試験試料とした。具体的には固形化工程にて得られた原料シリカ粒子100質量部をIPA200質量部に分散させ、それを180℃、5L/hの流量で噴霧して乾燥した。得られたシリカ粒子は嵩密度が341.3g/Lであった。
〔試験例3〕
試験例1における解砕工程を実施せずに固形化工程で得られたものを本試験例の試験試料とした。得られたシリカ粒子は嵩密度が769g/L、D10が8.8μm、D50が124.5μm、D90が451.9μmであり、一次粒子の体積平均粒径が10nmであった。
〔試験例4〕
市販のシリカ粒子(日本アエロジル(株)製、AEROSIL R972、いわゆるアエロジルシリカ)を本試験例の試験試料とした。本試験例のシリカ粒子は嵩密度が41.0g/Lであった。
〔試験例5〜7〕
試験例1における解砕工程において解砕圧及び供給量を調節することにより嵩密度を調節した。嵩密度は試験例5の試験試料が271.3g/L、試験例6の試験試料が364.6g/L、試験例7の試験試料が249.8g/Lであった。解砕圧を大きくすることにより嵩密度が大きくなる傾向があった。

Claims (1)

  1. 軟磁性材料からなる軟磁性粒子と、
    粒径が2nm〜500nmのシリカ粒子を含む微小粒子材料と樹脂材料とからなり前記軟磁性粒子を被覆する絶縁被覆部材と、
    を有し、
    前記シリカ粒子は、
    一次粒子の体積平均粒径が300nm以下、嵩密度が450g/L以下であり、
    式(1):−OSiXで表される官能基と、式(2):−OSiYで表される官能基とを表面にもつものである圧粉磁芯用粉末。(上記式(1)、(2)中;Xはフェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基であり;X、Xは−OSiR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択され;YはRであり;Y、YはR及び−OSiYよりそれぞれ独立して選択される。YはRであり;Y及びYは、R及び−OSiRからそれぞれ独立して選択され;Rは炭素数1〜3のアルキル基から独立して選択される。なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。)
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