JP2015086120A - 球状シリカ微粉末とその製造方法 - Google Patents

球状シリカ微粉末とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体封止用樹脂組成物中に高充填化可能であり、更に、樹脂の流動性をも損なわない、粒径が制御された球状シリカ微粉末およびその製造方法を提供することである。【解決手段】粒径1μm〜10μmの範囲に粒度分布の極大値を有する球状シリカ微粉末において、下記(1)〜(3)の要件(1)目開き45μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下(2)ロジン・ラムラー線図で示した粒度分布の勾配nが1.9〜3.6(3)ICP発光分光分析法によるFeとAlのトータル含有量が15ppmW以下を満たすものであることを特徴とする球状シリカ微粉末。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な球状シリカ微粉末とその製造方法に関する。詳しくは、半導体封止用の樹脂組成物中に高充填化でき、且つ流動性も損なわない、球状シリカ微粉末である。
バーナーを内蔵した反応容器内で該バーナーの燃焼熱により球状シリカ粉末を生成させる方法として、金属ケイ素粉末を爆燃させる方法、火炎加水分解法、火炎溶融法などの製造方法が知られている。
これらの製造方法によって得られるシリカ粉末は一般に球状粒子であり、またコロイダルシリカに比べて広い粒度分布を有することから、樹脂への高充填化が可能となり、半導体の封止材用フィラー、液状レジンフィラー、精密樹脂成形品フィラー、フィルムのアンチブロッキング剤など広い分野で利用されている。
半導体封止材料としては、電気絶縁性の他、高熱伝導性、低熱膨張性が要求され、これら物性を満たすためフィラーの高充填化がのぞまれ、一方で、高い成形性が要求され、フィラーが充填された樹脂の流動性、即ち低粘性が望まれてきた。
近年、半導体パッケージの小型化及び半導体素子の高集積化に伴い、従来に増して封止材料を流すべき隙間の狭窄化が進んでいる。その結果、フィラー中の粗大粒子の隙間への詰まり、高粘度による未充填、ボイドの発生等、成形不良を起こしやすいという問題が発生しており、隙間より小さく、樹脂に充填した際の低粘性に優れるフィラーが求められている。このため充填するシリカの平均粒径は、1〜10μmの範囲が求められるようになっており、上記範囲のシリカにおいて、粗大粒子や凝集粒子がコントロールされ、樹脂への高充填化と充填した際の低粘度化が可能な材料設計が求められている。一般に、平均粒径が小さいほど比表面積が大きくなり、樹脂に添加した際に樹脂粘度が上昇し、成形性が低下する傾向がある。
しかしながら、半導体封止材充填材として好適な、平均粒径が10μm以下のシリカ粉末は、一般に比表面積が大きく、上記粗大粒子を分級により除去しようとした場合、分級機において目詰まりやスケーリング等の問題が発生し、連続的な処理が非常に困難であった。また、一般に、比表面積が大きい粉末は樹脂に添加した際に樹脂粘度が上昇し、成形性が低下するという問題もある。
分級処理されたシリカとして、平均粒径が0.1〜3μmの微粉末シリカに平均粒径0.1μm未満の微粉末シリカを混合することによって、凝集性を緩和し、分級処理することにより、22μm以上の粗大粒子の含有量が低減された微粉末シリカ(特許文献1)や、平均粒径が2.0〜8.0μmであって、最大粒径が20μm、比表面積3.3〜7.8m/gのシリカ粉末(特許文献2)が開示されている。前者は、金属ケイ素の直接酸化による方法やアルコキシシランを加水分解するゾル−ゲル法により得られる微細球状シリカ粉末中の粗大粒子を分級により除去したものであるが、一般に、製造の過程での金属不純物の混入が避けられず、アルミニウム等の金属不純物の含有量が多いため、この方法により得られる球状シリカ粉末は純度面で課題が残されている。
また、ゾル−ゲル法で得られた球状シリカ粉末は、一般に、粒径が揃い、粒度分布がシャープであるため、樹脂への充填性において一歩劣る課題がある。さらに、これらの微細球状シリカ粉末における粗大粒子の分級は、一般に、エアー分級装置が用いられている。具体的には、エアー分級装置として、金属製の分級ロータの回転による遠心力を利用する構造のものが示されているが、この構造の場合、球状シリカ粉末と該分級ロータの接触時に金属が削れ易く、鉄等の金属不純物の混入は一層に顕著化する。
さらに、後者においても、原料が結晶質シリカであることから純度面に課題があり、更なる半導体パッケージの小型化に対応するため、樹脂に添加した際の低粘性にも課題が残されていた。
特開平5−345606号公報 特開2001−199713号公報
従って、本発明の目的は、半導体封止用樹脂組成物中に高充填化可能な、更に、樹脂の流動性も損なわない、粒径が制御された球状シリカ微粉末およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の性質を持つ球状シリカ微粉末により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、粒径1μm〜10μmの範囲に粒度分布の極大値を有する球状シリカ微粉末において、
下記(1)〜(3)の要件
(1)目開き45μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
(2)ロジン・ラムラー線図で示した粒度分布の勾配nが1.9〜3.6
(3)ICP発光分光分析法によるFeとAlのトータル含有量が15ppmW以下
を満たすものであることを特徴とする球状シリカ微粉末である。
更に、上記球状シリカ微粉末は、
(4)BET法による比表面積が1.0m/g〜3.0m/g
であることが好ましい。
更に、球状シリカ微粉末100gにおける、前記目開き45μmの篩上の粗大粒子残留物のうち、12000ガウスの磁石に付着する磁性異物の数が5個以下である請求項1または請求項2に記載の球状シリカ微粉末。
また、上記球状シリカ微粉末は、前記(1)の要件が、
(1’)目開き25μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
を満足することが好ましく、
更には、
(1’’)目開き10μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
を満足することがより好ましい。
更に、本発明は、上記球状シリカ微粉末からなることを特徴とする半導体封止材用充填剤である。
更に、本発明は、分級ロータの回転により粉体に作用する遠心力と、分級ロータの軸心方向に通過する空気流により粉体に作用する抗力とのバランスにより粉体を分級する機構であって、上記分級ロータの上面が樹脂コーティングされた粉体分級機に、
ヒュームドシリカを火炎溶融して製造された球状シリカの粗粉末の分散気流を供給し、
前記球状シリカの粗粉末に含まれる、粒径が45μmを超える粗大粒子を分級ロータ上から飛散分離させる、前記球状シリカ微粉末の製造方法である。
この球状シリカ微粉末の製造方法において、球状シリカの粗粉末を製造するための原料のヒュームドシリカは、疎水化処理されたものであることが好ましい。
本発明の球状シリカ微粉末は、粒子が球状で、且つ粗大粒子を含まないため、樹脂組成物に充填した場合の低粘性に優れ成形不良をおこさない。また、適度な粒度分布を有するため樹脂組成物への高充填化が可能である。また、純度が高いため電気絶縁性に優れ、半導体の封止材用フィラー、電子材料、フィルム等の充填材として好適に使用できる。また本発明の球状シリカ微粉末の製造方法によれば、上記特徴的な球状シリカ微粉末を効率的に製造することができる。
図1は、本発明を実施するための粉体分級設備の一例を示す工程図である。 図2は、本発明の球状シリカ微粉末を得るための製造方法で使用する粉体分級機の代表的な構造のものの断面図である。
本発明の球状シリカ微粉末は、一次粒子が球形であり、樹脂への高充填化、及び分散性向上に優れる。ここで球形とは、真球度が0.85以上のものを言い、0.90以上であることが更に好ましい。真球度は、一般に、0.95以下である。
また、本発明の球状シリカ微粉末は、粒径1μm〜10μmの範囲に粒度分布の極大値を有する。粒度分布の極大値が上記範囲であることにより、半導体パッケージの小型化に適応した、半導体封止材用フィラーとして充填性に優れたものにすることができる。ここで、上記球状シリカ微粉末の粒度分布は、レーザー回折・散乱法により測定した頻度粒度分布である。なお、球状シリカ粒子の粒度分布において、ピークが複数にある場合、本発明において、粒度分布の極大値とは、最も高いピークの極大値を意味する。
ここで、粒度分布の極大値が10μmを超える場合、半導体パッケージの小型化による隙間の狭窄化に対応できず、詰まり等の原因になったり、樹脂への高充填化が果たせなくなったりする。一方、粒度分布の極大値が1μmよりも小さい場合、比表面積が大きくなり、結果として樹脂粘度が上昇し成形効率が悪化する。上記高充填性と樹脂に充填した際の粘度上昇を良好に抑える観点からは、粒度分布の極大値は2μm〜8μmの範囲にあるのがより好ましい。
本発明の球状シリカ微粉末の最大の特徴は、上記小型化及び高集積化に適応した半導体封止用充填材として望まれている、前記粒度の粉末において、
下記(1)〜(3)の要件
(1)目開き45μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
(2)ロジン・ラムラー線図で示した粒度分布の勾配nが1.9〜3.6
(3)ICP発光分光分析法によるFeとAlのトータル含有量が15ppmW以下
を満足させた点にある。
即ち、本発明の球状シリカ微粉末は、まず、粗大粒子が精度良く低減されており、目開き45μmの湿式篩にかけたときの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下である(45μmカット球状シリカ微粉末)。ここで、粗大粒子とは、粒径の大きい独立粒子、及び独立粒子が二次的に凝集して形成される凝集粒子である。上記篩上の粗大粒子残留物の測定は、試料100gを目開き45μmの湿式篩いにかけたときの篩残の重量を求める方法により実施すれば良い(JIS−Z8801に準拠)。
このように粗大粒子が低減された、粒径1μm〜10μmの範囲に粒度分布の極大値を有する球状シリカ微粉末は、樹脂に充填した際に、狭い間隙に対しても詰まって成形不良を起こすことなく高充填することができる。これに対して、前記目開き45μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%を超える、前記粒度の球状シリカ微粉末では、樹脂の充填性が十分でなくなる。
また、半導体パッケージの小型化が進む中、樹脂への高充填化の目的をより高度に達成する観点からは、粗大粒子の含有量は、
・目開き25μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
を満足する(25μmカット球状シリカ微粉末)のが好ましく、さらには
・目開き20μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
を満足する(20μmカット球状シリカ微粉末)のが好ましく、さらには
・目開き10μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
を満足する(10μmカット球状シリカ微粉末)のが好ましく、さらには
・目開き5μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
を満足する(5μmカット球状シリカ微粉末)のが好ましく、さらには
・目開き45μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下であって、且つ目開き3μmの篩上の粗大粒子残留物が0.03重量%以下
を満足する(3μmカット球状シリカ微粉末)のが好ましい。
このうち、
(1’)目開き25μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
であるのが特に好ましく、さらには
(1’’)目開き10μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
であるのが最も好ましい。
なお、篩の目開きが45μmより小さい場合における、篩上の粗大粒子残留物の測定は、篩の目開きが20μmまでは、上記目開きが45μmの場合と変わらずJIS−Z8801に準拠した方法により実施すれば良い。他方で、篩の目開きが20μm未満にまで小さい場合には、その粗大粒子残留物の測定は、試料10g(目開き5μm以下については試料5g)を、各々の目開きの湿式電成篩にかけたときの篩残の重量を求める方法により実施すれば良い(JIS−Z8801−3に準拠)。
更に、本発明の球状シリカ微粉末は、ロジン・ラムラー線図で示した粒度分布の勾配nが1.9〜3.6である。本発明においてロジン・ラムラー線図とは、下記のロジン・ラムラーの式(1)に従う粒度分布を表す粒度線図のことで、前記レーザー回折・散乱法により測定した粒子径から求められる。
R(Dp)=100exp(−b・Dpn) (1)
(ただし、式中R(Dp)は最大粒子径から粒子径Dpまでの累積体積%、Dpは粒子径、b及びnは定数である。)
ここで、ロジン・ラムラー線図で表示した粒度分布の勾配nは、一般に、nの値が大きいほど粒度分布がシャープとなることを表している。なお、最大粒子径が小さくなればなるほど、粒径幅が小さくなるため勾配nは大きくなる傾向がある。即ち、粒子径が45μmを超える粗大粒子を実質的に含まない本発明の球状シリカ微粉末において、上記勾配nが上記範囲にあるということは、45μmを超える粗大粒子は実質含まない中で、適度な粒度分布を有していることを表しており、樹脂への高充填化の目的に好適に使用できる。該勾配nは、樹脂への充填性をより高度に達成する観点からは、
45μmカット球状シリカ微粉末の場合、1.9〜3.0であることがより好ましく、
25μmカット球状シリカ微粉末の場合、1.9〜3.0であることがより好ましく、
20μmカット球状シリカ微粉末の場合、2.0〜3.0であることがより好ましく、
10μmカット球状シリカ微粉末の場合、2.4〜3.6であることがより好ましく、
5μmカット球状シリカ微粉末の場合、2.7〜3.6であることがより好ましく、
3μmカット球状シリカ微粉末の場合、2.8〜3.6であることがより好ましい。
本発明において上記勾配nは、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した値である。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、例えば、日機装製の「MT−3300EX2」が挙げられ、勾配nは内蔵プログラムによって簡単に算出することができる。
更に、本発明の球状シリカ微粉末は、金属不純物の含有量が少なく、電気絶縁性に優れ、半導体用途に好適に使用することができる。具体的には、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により測定して、球状シリカ微粉末における主要な金属不純物である、Fe(鉄)とAl(アルミニウム)とが、そのトータル含有量で示して15ppmW以下であり、好ましくは10ppmW以下であり、より好ましくは8ppmW以下である。
このうちFe含有量は15ppmW以下であり、10ppmW以下であることが好ましく、7ppmW以下であることが更に好ましい。他方、Al含有量は3ppmW以下であり、2ppmW以下であることが好ましく、1ppmW以下であることが更に好ましい。
球状シリカ微粉末におけるその他の金属不純物として、Ni(ニッケル)含有量は3ppmW以下であることが好ましく、1ppmW以下であることが更に好ましい。Cr(クロム)含有量は3ppmW以下であることが好ましく、1ppmW以下であることが更に好ましい。放射性物質であるU(ウラン)含有量は、0.1ppbW以下であることが好ましく、0.05ppbW以下であることが更に好ましい。
上記、金属不純物である、Fe、Al、Ni、Crの含有量は、球状シリカ微粉末に、濃硝酸、フッ化水素を加えて加熱蒸発させて、シリカ粉末を完全に分解乾固した後、濃硝酸を加えて加熱溶解したものを試料とし、ICP発光分析装置を用いて測定した値である。ICP発光分光分析法において検出限界があり、使用した装置の場合、それぞれ、Feは0.1ppmW、Alは0.1ppmW、Niは0.1ppmW、Crは0.1ppmWである。放射性物質であるUの含有量は、球状シリカ微粉末に、濃硝酸、フッ化水素を加えて加熱蒸発させて、シリカ粉末を完全に分解乾固した後、濃硝酸を加えて加熱溶解したものを試料とし、ICP−MS(誘導プラズマ質量分析)装置を用いて測定した値である。使用した装置の場合、Uの検出限界は、0.01ppbWである。
さらに、前記目開き45μmの篩上の粗大粒子残留物のうち、12000ガウスの磁石に付着する磁性異物の数が5個以下である。即ち、本発明の球状シリカ微粉末100g中における、45μ、篩上の当該磁性異物の数が5個以下である。磁性異物の数が5個を超えて含まれるようになると、球状シリカ微粉末を半導体材料の封止材として用いた場合に接触した配線間の短絡をおこす虞があるため好ましくない。
次に、上記特徴を有する本発明の球状シリカ微粉末の製造方法について説明する。即ち、本発明の球状シリカ微粉末は、その製造方法に特に制限されるものではないが、通常は、特定の方法により得られた球状シリカ微粉末を、特定の分級装置により分級することにより初めて製造することができる。詳述すれば、分級ロータの回転により粉体に作用する遠心力と、分級ロータの軸心方向に通過する空気流により粉体に作用する抗力とのバランスにより粉体を分級する機構であって、上記分級ロータの上面が樹脂コーティングされた粉体分級機に、
ヒュームドシリカを火炎溶融して製造された球状シリカの粗粉末の分散気流を供給し、
前記球状シリカの粗粉末に含まれる、粒径が45μmを超える粗大粒子を分級ロータ上から飛散分離させることにより製造することができる。
この方法においては、まず、分級する球状シリカ粗粉末として、ヒュームドシリカを原料とする火炎溶融法で得たものを用いることが重要である。即ち、ヒュームドシリカの火炎溶融法は、それ自体公知の方法が用いられ、例えば、特公平3−36761号公報に記載されている方法、すなわち気体または液体燃料に、酸素または空気などの支燃ガスを混合しそしてバーナーにて燃焼させた火炎中に、エジェクター、スクリューフィーダー、流動層を用いる方法により原料シリカを供給して溶融させ、溶融球状シリカを生成させ、該溶融球状シリカをサイクロンに導いて固気分離する方法が好適である。
なお、ヒュームドシリカとしては、ケイ素化合物、特にケイ素のハロゲン化物、一般的には、ケイ素の塩化物、通常は精製した四塩化ケイ素を酸水素火炎中で燃焼して製造される、公知の製法により得られるものが使用できる。ヒュームドシリカの製造において、通常使用されるケイ素化合物は高純度で有り、得られるヒュームドシリカも、本発明の球状シリカ微粉末と同様に、前記(3)の要件を満足する高純度であるのが普通である。
ヒュームドシリカを火炎溶融して得た球状シリカ粗粉末は、分級後の球状シリカ微粉末の粒度分布の極大値が粒径1μm〜10μmとなるような粒度分布の極大値を有していれば良い。分級により粒度分布の極大値が、粒径の小さい方へシフトする傾向があるため一概には言えないが、球状シリカ粗粉末の粒度分布の極大値は、1μm〜15μmであることが好ましく、2μm〜13μmであることがより好ましい。
しかも、これらの球状シリカ粗粉末を用いて、後述の粉体分級機で分級して得た球状シリカ微粉末は、BET法による比表面積が、通常、1.0m/g〜3.0m/gと小さい値を有する。球状シリカ微粉末は、比表面積が小さければ小さいほど、樹脂に充填した際の樹脂粘度を低く維持できるため好ましい。一般に、比表面積は、粒径が小さいほど大きくなる傾向があり、上記ヒュームドシリカを火炎溶融する以外の方法で得た球状シリカ粗粉末を用いて製造した球状シリカ微粉末の場合、前記粒径1〜10μmの範囲に粒度分布の極大値を有するものとして調整しても、その比表面積は5〜30m/g程度に大きいのが普通である。
さらに、ヒュームドシリカを原料に得た球状シリカ粗粉末は、純度が高く、本発明の球状シリカ微粉末における、前記(3)の要件を満足させるのに重要になる。金属ケイ素粉末を爆燃させて得た球状シリカ粗粉末や、さらには、結晶質シリカを火炎溶融して得た球状シリカ粗粉末を用いても、該結晶質シリカが天然物である場合等には、得られる球状シリカ粗粉末には金属不純物の含有量が多くなり(3)の要件を満足させることが難しくなる。
また、金属ケイ素粉末や結晶質シリカの場合、通常、粉砕粒子であることから、高度に分級しなければ、これらを原料に得られる球状シリカ粗粉末は、粒度分布がブロードになり易い。しかも、金属ケイ素粉末を爆燃させて得た球状シリカは、特異な表面活性を有するため凝集性が非常に大きくなり、粗大粒子の生成量が増大し、ロジン・ラムラー線図で示した粒度分布の勾配nも、本発明の範囲に制御し難くなる。他方で、ゾル−ゲル法で得られる球状シリカ粉末は、粒度分布がシャープになる。これに対して、上記ヒュームドシリカは適度な粒度分布を有しており、これを火炎溶融して得た球状シリカ粗粉末を分級することにより、前記(2)の要件を有利に満足することができる。
ここで、原料であるヒュームドシリカの比表面積は、特に限定されないが、生産性等を勘案すると、100m/g〜400m/g、好適には130m/g〜200m/gのものが好ましく使用される。
これらヒュームドシリカは、疎水化されていることが好ましい。疎水化されたヒュームドシリカを用いることにより、火炎中での分散性が向上するため、より真球度の高い、そして粒径の揃った球状シリカ粗粉末が効率よく得られる。こうして製造された球状シリカ粗粉末中には、比表面積が極端に大きい微細なシリカ粒子が低減され、前記(2)の要件が高度に満足される。疎水化は特に制限されるものではなく、従来知られている疎水化処理によって行うことができ、使用する疎水化剤についても、公知の処理剤を何ら制限されずに使用することができる。具体的に例示すれば、シリル化剤として、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等のクロロシラン類やテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、へキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ヘキサヘキシルジシラザン、ヘキサシクロヘキシルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザン等のシラザン類等がある。また、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、クロロアルキル変性シリコーンオイル、クロロフェニル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、及び、末端反応性シリコーンオイル等のシリコーンオイルや、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、テトラシクロシロキサン等のシロキサン類も疎水化剤として好ましい。これらのうち、シリル化剤が最も一般的であり、さらにクロロシラン類、シラザン類は処理を実施しやすいので、好ましい。このような疎水化剤の1種類を単独で、あるいは、2種類以上の場合は混合するか、または、順次段階的に使用することができる。
なお、前記したようにヒュームドシリカは、通常、金属不純物の含有量が少なく、前記(3)の要件を満足する性状であるが、ジェットミル等により解砕して用いる場合には、該解砕装置に由来して金属不純物が混入することがあるので、得られる球状シリカ微粉末において前記規定の値を超えないように注意を要する。
こうしたヒュームドシリカの火炎溶融は、酸水素炎が好ましく、シリカ融点を超える火炎温度条件で行うのが好ましい。
前記した本発明の球状シリカ微粉末を得るための方法では、上記ヒュームドシリカを火炎溶融して製造した球状シリカ粗粉末を、次いで、粉体分級機により分級する。粉体分級機としては、分級ロータの回転により粉体に作用する遠心力と、分級ロータの軸心方向に通過する空気流により粉体に作用する抗力とのバランスにより粉体を分級する機構であって、上記分級ロータの上面が樹脂コーティングされたものを用いる。斯様にヒュームドシリカを火炎溶融して製造した球状シリカ粗粉末を、上記特定の粉体分級機により分級することにより、粒径1〜10μmの範囲に粒度分布の極大値を有する球状シリカ微粉末において、目詰まりやスケーリング等の問題を発生させることなく、(1)の要件を満足、すなわち、目開き45μmで篩した際に粗大粒子残留物が0.01重量%以下になる分級が安定的に可能になる。
しかも、この粉体分級機では、分級ロータとシリカ粒子とが接触した際に、分級ロータ表面が、シリカ粒子により削れて金属不純物が混入する虞があるが、本発明で使用する該粉体分級機は、上記分級ロータの上面が樹脂コーティングされたものであるため、このような金属不純物の削れによる混入が良好に抑制され、得られる球状シリカ微粉末において(3)の要件を損なうことがない。特に、分級ロータは通常、ステンレス等の鋼材により製造されており、該ステンレスは一般には磁性がないと考えられるが、加工時等に強い衝撃を受けると弱い磁性を帯びることが知られている。従って、上記分級ロータ表面の削れは前記(3)の要件にあっても、そのうちの、12000ガウスの磁石に付着する磁性異物の数が5個以下である要件を満足できなくなる原因でも有り、分級ロータの上面を樹脂コーティングすることはその達成にも重要である。
斯くして、前記ヒュームドシリカを火炎溶融して製造した球状シリカ粗粉末を、上記特定の粉体分級機により分級することにより、粒径1μm〜10μmの範囲に粒度分布の極大値を有し、且つ(1)〜(3)の要件を満足する球状シリカ微粉末を特異的に得ることが可能になる。
さらに、上記製造方法で使用する粉体分級機は、上記分級ロータが、周縁部から軸心部下方に連通する内空部を有する円盤状であって、該内空部側から吸引し、粒径が45μm以下の微粒子を選択的に該内空部内に吸入しながら分離を実施する構造であるのが好ましい。そうすることにより、分級時における目詰まりやスケーリングを、より高度に抑制できるとともに、安定した連続的な分級処理が可能となる。
このような機構(分級ロータの回転により粉体に作用する遠心力と、分級ロータの軸心方向に通過する空気流により粉体に作用する抗力とのバランスにより粉体を分級する機構)の粉体分級機について、その代表的な構造のものの断面図である図2を示して詳述すると、球状シリカ粗粉末を、予め空気中に分散させた状態で、該空気流15にのせて原料投入口16より、分級ロータ11の上面中心部に供給する。供給された球状シリカ粗粉末は、空気の流れに乗った状態で分散羽根12と分散円盤13で均一に分散されながら、回転する上記分級ロータ11の上面をその周縁に向かって流れる。このとき、球状シリカ粗粉末中の各粒子は、分級ロータ11の回転によって、各粒径に応じた分級ロータの中心から周縁に向かう遠心方向の遠心力が負荷された状態で分級室14に送り込まれる。
一方で、空気供給口18より供給された空気17は、17_1、17_2の如く流れ、分級室14において、分散気流15と合流し、17_3へと流れる。したがって、分級室14において、空気は、分級ロータ11の軸心方向に向かって流れる。即ち、球状シリカ粗粉末中の各粒子には、分級室14において遠心方向の遠心力と空気による軸方向の抗力とが働き、両者のバランスで負荷された遠心力の影響が大きい粗粒子はより遠心方向へ、抗力の影響の大きい微粒子はロータの軸心方向へ、それぞれ異なる奇跡を描き移動して分級される。
更に、本発明で使用する粉体分級機は、分級ロータ11が周縁部から軸心部下方に連通する内空部19を有する円盤状であって、該内空部側から吸引し目的とする球状シリカ微粉末を選択的に該内空部内に吸入しながら分離を実施する構造であるのが好ましい。そうすることにより、分級時における目詰まりやスケーリングを、より高度に抑制できるとともに、安定した連続的な分級処理が可能となる。分級されたシリカ微粉末は上記内空部19を経て微粒子取出口22より回収され、上記飛散分離された粗大粒子は、粗大粒子取出口21より回収される。即ち、上記機構の粉体分級機によれば、処理する粗粉末に対して、分級ロータの中心から周縁に向かう遠心力と、外部より分級ロータの軸方向に働く空気の抗力とのバランス点を調整することにより、45μを超える大きさの粗大粒子、さらには45μ以下にあっても3μmまでの間の所望の大きさの粗大粒子を分級ロータ上から外部に飛散させて除去することができる。
こうした粉体分級機は、上記機構のものであれば制限無く適用できるが、市販品であれば、例えば、日新エンジニアリング社製ターボクラシファイア、日本ニューマチック社製マイクロスピン等が好適に使用できる。
ここで、分級ロータ11の回転数は、500rpm〜7000rpm、より好適には2000rpm〜6500rpm、更に好適には2200rpm〜6500rpm、特に好適には4000rpm〜6500rpmである。
また、分級ロータ11の上面中心部に供給する、球状シリカ粗粉末の分散気流において、球状シリカ粗粉末の分散量は、0.1〜1.5kg/m、より好適には、0.3〜0.6kg/mであることが望ましい。該球状シリカ粗粉末の原料投入口16における分散気流の流速および供給量は、20〜100m/sおよび20〜130Nm/h、より好適には、40〜70m/sおよび50〜90Nm/hであることが望ましい。さらに、分級室14において、外部より分級ロータ11の軸方向に向かって流れる空気17の供給量は、300〜550Nm/h、より好適には350〜500Nm/hであることが望ましい。これらの条件を適宜に組み合わせて、分級ロータの中心から周縁に向かう遠心力と、外部より分級ロータの軸方向に働く空気の抗力とのバランス点を調整し、所望の大きさの粗大粒子を除去すれば良い。
本発明において、上記製造方法で使用する粉体分級機は、前記球状シリカ粗粉末の分散気流を供給する、分級ロータの原料投入口16の手前のラインに分散室20なる空間を設け、該球状シリカ粗粉末の分散気流とは異なる方向、例えば、上記気流の直交方向から、別途加圧した空気流を吹き込み、上記球状シリカ粗粉末の分散気流に衝突させ、球状シリカ粗粉末の分散性を向上させるのが、より好ましい。そうすることにより、球状シリカ粗粉末を紛体分級機に供給前に、その凝集を高度に解すことができ、収率を向上させることができる。吹き込む空気流の量は、衝突させる、球状シリカ粗粉末の分散気流に対して 40〜95%、より好適には60〜80%であることが好ましく、その流速は0.1〜1.2倍、より好適には0.1〜0.3倍であることが望ましい。
なお、本発明において、前記したように粉体分級機の分級ロータの上面は樹脂コーティングされている。コーティングされる樹脂の種類は特に限定されないが、シリカ粉末を分級するに際し、耐摩耗性の高い材質が好ましい。具体的には、ウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂が挙げられる。
次に、本発明の球状シリカ微粉末の用途について説明する。本発明の球状シリカ微粉末は、前記樹脂に充填した際の高充填性や粘度の低さに起因して、各種の充填用途に好適に使用できる。具体的には、電子材料、接着剤、塗料、テープ、基板穴埋め用樹脂、ダイアタッチフィルム、アンチブロッキング材等を挙げることができるが、半導体封止材用の充填材であるのが特に好ましい。
球状シリカ微粉末を樹脂に混合するに際しては、単独で使用するだけでなく、他の球状若しくは破砕状無機粒子と併用することもできる。上記無機粒子の材質は、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム等、公知の半導体封止材用の充填材を制限なく用いることができ、それらを単独で用いても、二種類以上混合したものを用いてもよい。
半導体封止材用である場合において、配合する樹脂の種類は、特に限定されないが、エポキシ樹脂が好ましい。これら樹脂への配合割合は、樹脂組成物の要求特性によって一概に決定することができないが、本発明の球状シリカ微粉末の混入量として、30〜95%の範囲で任意に選択される。その他、樹脂組成物に配合される、上記球状シリカ微粒子以外の配合材料、添加剤については特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例における各種の物性測定等は以下の方法による。
(1)平均粒径(体積基準累積50%径)、および粒度分布の極大値
日機装製のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(MT−3300EX2)を用いて測定した。
(2)比表面積
柴田科学製の比表面積測定装置(SA−1000)を用いてBET法により測定した。
(3)ロジン・ラムラー線図で示した粒度分布の勾配n
日機装製のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(MT−3300EX2)を用いて粒度分布を測定し、該装置に内蔵されたプログラムにより算出された値を採用した。
(4)粗大粒子残留物量
球状シリカ微粉末を、使用する篩の目開きが20μm以上の場合は100g、5μmを超えて20μm未満の場合は10g、5μm以下の場合は5g量りとり、純水を加え、懸濁させた試料を試験篩に移して水篩を行った後、篩上残分の乾燥重量を試料重量に対する割合を測定した。このとき、試験篩の目開きは、分級処理時に設定した粗大粒子カットサイズの大きさに合わせて、45μm、25μm、20μm、10μm、5μm、3μmのものから使い分けた。
尚、目開き20μm以上は試験篩(JIS Z8801)、20μm未満は電成篩(JIS Z8801−3)を用いた。
(5)金属異物含有量重金属(Fe、Al、Ni、Cr)
アジレント・テクノロジー社製ICP装置を用いて、ICP発光分光光度法により、Fe、Al、Ni、Cr、それぞれの含有量を定量した。
なお、ICP測定用の試料は、球状シリカ微粉末1gを量りとり、濃硝酸10mlとフッ化水素10mlを加え加熱しシリカを分解乾固させ、冷却した後、濃硝酸2mlを加えて加熱溶解したものを用いた。
(6)放射性物質含有量(U)
アジレント・テクノロジー社製ICP−MS(誘導プラズマ質量分析)装置を用いて、Uの含有量を定量した。
なお、ICP−MS測定用の試料は、球状シリカ微粉末1gを量りとり、超高純度硝酸(1+1)1mlと超高純度フッ化水素5mlを加え加熱しシリカを分解乾固させた後、超高純度硝酸(1+1)1mlを加えて加熱し再度分解乾固させた後、超高純度硝酸(1+1)1mlを加えて加熱溶解したものを用いた。ここで、超高純度硝酸(1+1)は、超高純度硝酸を同体積の超純水に溶解したものである。
(7)磁性異物
球状シリカ微粉末を100gを量りとり、純水を加えてスラリーとして、この中に永久磁石(ダイカ製12000ガウス)を挿入して撹拌した。磁石表面の付着物を目開き45μmのメッシュフィルターでろ過した後、キーエンス社製デジタルマイクロスコープ(VHX−100F)を用いて、メッシュフィルター上の45μm以上の異物の個数をカウントした。
実施例1
図1に示す工程に準じて、下記の方法により球状シリカ微粉末を製造した。
原料ホッパー1に粗球状シリカ粉末として、ヒュームドシリカを火炎溶融して製造した、球状シリカA(平均粒径:3.66μm、粒度分布の極大値:3.89μm)を仕込み、原料供給機2により、図2の構造の紛体分級機3に導入した。該紛体分級機における分級条件を、原料供給量を40kg/h、分級室にて外部より分級ロータの軸方向に向かって流れる空気の供給量を6.8Nm/min、分級ロータの回転数を2500rpmとした。
粗大粒子が除去された後のガスを含む球状シリカ微粉末を、サイクロン4によりガスと分離し、球状シリカ微粉末を製造した。
なお、上記紛体分級機3として、分級ロータ上部面がウレタンコートされた、日新エンジニアリング社製ターボクラシファイア(TC−25)を使用した。
20μmを超える粗大粒子を分級除去し、球状シリカ微粉末を得た。分級条件及び収率を表1、得られた球状シリカ微粉末の物性を表2に示す。
実施例2
実施例1において分級条件を、分級ロータの回転数を4300rpmとした以外は同一の操作を行った。
10μmを超える粗大粒子を分級除去し、球状シリカ微粉末を得た。分級条件及び収率を表1、得られた球状シリカ微粉末の物性を表2に示す。
実施例3
実施例1において粉体分級機に分散室を設け、該分散室に分散気流の直行方向から加圧した分散気流を45m/h吹き込み、また分級条件において分級ロータの回転数を5000rpmとした以外は同一の操作を行った。
5μmを超える粗大粒子を分級除去し、球状シリカ微粉末を得た。分級条件及び収率を表1、得られた球状シリカ微粉末の物性を表2に示す。
実施例4
実施例1において粉体分級機に分散室を設け、該分散室に分散気流の直行方向から加圧した分散気流を45m/h吹き込み、また分級ロータの回転数を6500rpmとした以外は同一の操作を行った。
3μmを超える粗大粒子を分級除去し、球状シリカ微粉末を得た。分級条件及び収率を表1、得られた球状シリカ微粉末の物性を表2に示す。
実施例5
実施例1において粉体分級機に分散室を設け、該分散室に分散気流の直行方向から加圧した分散気流を45m/h吹き込み、また分級ロータの回転数を2000rpmとした以外は同一の操作を行った。
45μmを超える粗大粒子を分級除去し、球状シリカ微粉末を得た。分級条件及び収率を表1、得られた球状シリカ微粉末の物性を表2に示す。
実施例6
実施例1において、球状シリカ粗粉末として、ヒュームドシリカを火炎溶融して製造したトクヤマ製エクセリカSE−8(平均粒径:9.32μm、粒度分布の極大値:12.00μm)を仕込み、また、粉体分級機に分散室を設け、該分散室に分散気流の直行方向から加圧した分散気流を45m/h吹き込み、更に分級条件を分級ロータの回転数を2250rpmとした以外は同一の操作を行った。
25μmを超える粗大粒子を分級除去し、球状シリカ微粉末を得た。分級条件及び収率を表1、得られた球状シリカ微粉末の物性を表2に示す。
実施例7
実施例2において粉体分級機に分散室を設け、該分散室に分散気流の直行方向から加圧した分散気流を45m/h吹き込んだ以外は同一の操作を行った。
10μmを超える粗大粒子を分級除去し、球状シリカ微粉末を得た。分級条件及び収率を表1、得られた球状シリカ微粉末の物性を表2に示す。
比較例1
実施例1において、紛体分級機3に変えて、A社製の回転羽による分級機を用いた。該分級機の分級条件を、原料供給量を21kg/h、回転羽根の回転速度1000rpmとした。スクリーンが目詰まりし、運転できなかった。
比較例2
実施例1において、紛体分級機3に変えて、S社製のサイクロン式分級機を用いた。該分級機の分級条件を、原料供給量を80kg/hとした。連続運転は可能であったものの、収率が実施例5の85%に対して50%と低く、また、目開き45μmの篩上の粗大粒子残留物の量が1%以上と多かった。
比較例3
実施例1において、粉体分級機3に変えて、E社製の振動篩機を用い、原料供給量を20kg/hとした。網目が詰まり、運転できなかった。
比較例4
実施例1において、粉体分級機3に変えて、E社製の超音波振動篩機を用い、原料供給量を12kg/hとした。網目が詰まり、運転できなかった。
Figure 2015086120
Figure 2015086120
1.原料ホッパー
2.原料供給機
3.粉体分級機
4.サイクロン
5.集塵装置
6.送風機
7.粗大粒子回収容器
8.微粒子(球状シリカ微粉末)回収容器
9.超微細粒子回収容器
11.分級ロータ
12.分散円盤
13.分散羽根
14.分級室
15.空気流
16.原料投入口
17.空気
18.空気供給口
19.内空部
20.分散室
21.粗粒子取出口
22.微粒子取出口
23.粒子の流れ

Claims (8)

  1. 粒径1μm〜10μmの範囲に粒度分布の極大値を有する球状シリカ微粉末において、
    下記(1)〜(3)の要件
    (1)目開き45μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
    (2)ロジン・ラムラー線図で示した粒度分布の勾配nが1.9〜3.6
    (3)ICP発光分光分析法によるFeとAlのトータル含有量が15ppmW以下
    を満たすものであることを特徴とする球状シリカ微粉末。
  2. 更に、
    (4)BET法による比表面積が1.0m/g〜3.0m/g
    である請求項1記載の球状シリカ微粉末。
  3. 球状シリカ微粉末100gにおける、前記目開き45μmの篩上の粗大粒子残留物のうち、12000ガウスの磁石に付着する磁性異物の数が5個以下である請求項1または請求項2に記載の球状シリカ微粉末。
  4. 前記(1)の要件が、
    (1’)目開き25μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
    を満足する請求項1〜3のいずれか一項に記載の球状シリカ微粉末。
  5. 前記(1)の要件が、
    (1’’)目開き10μmの篩上の粗大粒子残留物が0.01重量%以下
    を満足する請求項1〜4のいずれか一項に記載の球状シリカ微粉末。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の球状シリカ微粉末からなることを特徴とする半導体封止材用充填剤。
  7. 分級ロータの回転により粉体に作用する遠心力と、分級ロータの軸心方向に通過する空気流により粉体に作用する抗力とのバランスにより粉体を分級する機構であって、上記分級ロータの上面が樹脂コーティングされた粉体分級機に、
    ヒュームドシリカを火炎溶融して製造された球状シリカの粗粉末の分散気流を供給し、
    前記球状シリカの粗粉末に含まれる、粒径が45μmを超える粗大粒子を分級ロータ上から飛散分離させることを特徴とする、請求項1に記載の球状シリカ微粉末の製造方法。
  8. 球状シリカの粗粉末を製造するための原料のヒュームドシリカが、疎水化処理されたものである請求項7記載の球状シリカ微粉末の製造方法。
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