JPWO2013146441A1 - 化学強化時の反りを低減できるガラス板 - Google Patents

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Abstract

本発明は、化学強化後の反りを効果的に抑制することができるとともに、化学強化前の研磨処理等を省略または簡略化することができるガラス板を提供することを目的とする。本発明は、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きく、両者の比が1.4より大きいガラス板に関する。

Description

本発明は、化学強化時の反りを低減できるガラス板に関する。
近年、携帯電話または携帯情報端末(PDA)等のフラットパネルディスプレイ装置において、ディスプレイの保護および美観を高めるために、画像表示部分よりも広い領域となるように薄い板状のカバーガラスをディスプレイの前面に配置することが行われている。
このようなフラットパネルディスプレイ装置に対しては、軽量および薄型化が要求されており、そのため、ディスプレイ保護用に使用されるカバーガラスも薄くすることが要求されている。
しかし、カバーガラスの厚さを薄くしていくと、強度が低下し、使用中または携帯中の落下などによりカバーガラス自身が割れてしまうことがあり、ディスプレイ装置を保護するという本来の役割を果たすことができなくなるという問題がある。
このため従来のカバーガラスは、耐傷性を向上させるため、フロート法により製造されたフロートガラスを、化学強化することで表面に圧縮応力層を形成しカバーガラスの耐傷性を高めている。
フロートガラスは化学強化後に反りが生じて平坦性が損なわれることが報告されている(特許文献1〜3)。該反りは、フロート成形時に溶融錫と接触していないガラス面(以下、トップ面ともいう。)と、溶融錫と接触しているガラス面(以下、ボトム面ともいう。)との化学強化の入り方が異なることにより生じるとされている。
前記フロートガラスの反りは化学強化の入り方が強いほど大きくなるため、高い耐傷性への要求に応えるべく開発された、前記表面圧縮応力が600MPa以上であり、圧縮応力層の深さが15μm以上である化学強化フロートガラスにおいて、従来の表面圧縮応力(CS)が500MPa程度で圧縮応力層の深さ(DOL)が10μm程度の化学強化フロートガラスと比べて、反りの問題がより顕在化することとなる。
特許文献1には、ガラス表面にSiO膜を形成した後に化学強化することにより、化学強化時にガラスに入るイオンの量を調整するガラスの強化方法が開示されている。また、特許文献2および3には、トップ面側の表面圧縮応力を特定範囲とすることにより、化学強化後の反りを低減する方法が開示されている。
また、従来、前記反りの問題を低減するために、化学強化による強化応力を小さくしたり、ガラスの少なくとも一方の面を研削処理または研磨処理等することにより表面異質層を除去した後に化学強化する対処方法がなされている。
米国特許出願公開第2011/0293928号明細書 国際公開第2007/004634号 日本国特開昭62−191449号公報
しかしながら、特許文献1に記載のガラス表面にSiO膜を形成した後に化学強化する方法では、化学強化の際の予熱条件が限定され、さらには条件によってはSiO膜の膜質が変化して反りに影響を与える可能性がある。また、特許文献2および3に記載のように、トップ面側の表面圧縮応力を特定範囲とする方法では、ガラスの強度の観点から問題がある。
また、化学強化前にガラスの少なくとも一方の面を研削処理または研磨処理等する方法は、生産性を向上させる観点から問題があり、これらの研削処理または研磨処理等を省略することが好ましい。
化学強化後にある程度以上の反りが生じる場合、カバーガラスの黒枠を印刷する時にガラスとステージの間に隙間が大きくなりすぎガラスがステージに吸着しなくなることがある。また、タッチパネル一体型のカバーガラスに使用される場合には、後工程にて大板の状態でITO(Indium Tin Oxide)等の成膜を行う場合があり、その際に薬液処理槽や洗浄槽のエアーナイフに接触する等の搬送異常が生じたり、ITO製膜中に反りが増大し、基板周辺部のITOの製膜状態が適切にならず、剥がれてしまう等の不具合を生じることがある。さらに、LCD(Liquid Crystal Display)とタッチパネルが貼りつけられたカバーガラスの間に空間が存在するタイプの場合、カバーガラスの一定以上の反りがある場合、輝度ムラやニュートンリングが生じることがある。
したがって、本発明は、化学強化後の反りを効果的に抑制することができるとともに、化学強化前の研磨処理等を省略または簡略化することができるガラス板を提供することを目的とする。
本発明者らは、ガラス表面をフッ化処理することにより、ガラスの一方の面ともう一方の面において化学強化の入り方に差が生じるのを抑制し、化学強化後の反りを低減できることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイルで、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きく、両者の比が1.4より大きいガラス板。以下、前記平均値のうち大きい方をS、小さい方をSということがある。
2.フロート法により製造されたガラス板である前項1に記載のガラス板。
3.フロート法により製造されたガラス板であって、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、トップ面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)がボトム面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)より大きいガラス板。前項1に関していえば、トップ面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がS、ボトム面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がSに相当する。
4.トップ面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値とボトム面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値の比が4.74以上である前項3に記載のガラス板。
5.一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)をもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値(S)を1以上になるようにSを定義した時、Sの常用対数が0.15より大きく7未満である前項1〜4のいずれか1項に記載のガラス板。
すなわち、S=S/S(S≧1)であり、0.15<log(S)<7である。
6.一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)をもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値(S)を1以上になるようにSを定義した時、Sの常用対数が0より大きく7未満である前項3または前項4に記載のガラス板。
すなわち、S=S/S(S≧1)であり、0<log(S)<7である。
7.横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)を、同方向から見た深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値が1より大きいガラス板。
すなわち、S/S>1である。
8.少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)を、同方向から見た深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値(S/S)が2.1以上である前項7に記載のガラス板。
9.少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)を、同方向から見た深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値(S/S)が2.1〜50である前項1〜8のいずれか1項に記載のガラス板。
10.少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)を、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値の常用対数が0より大きく4未満である前項7に記載のガラス板。
すなわち、0<log(S/S)<4である。
11.厚みが1.5mm以下である前項1〜10のいずれか1項に記載のガラス板。
12.厚みが0.8mm以下である前項1〜11のいずれか1項に記載のガラス板。
13.一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値が大きい方の表面に直径が10nm以上である凹部が存在しない、または同凹部が6個/μm以下の密度で存在する前項1〜12のいずれか1項に記載のガラス板。
14.フロート法により製造されたガラス板である前項3〜13のいずれか1項に記載のガラス板。
15.フロート法により製造され、フロートバスにおいて一方の面がHF処理されたガラス板であって、HF処理温度とHF総接触量が下記式(a)を満たすガラス板。
Y>81lnX+1500…(a)
式(a)において、YはHF処理温度(℃)、XはHF総接触量(mol/cm)を表わし、Xは下記式(b)により求められる。
[HF総接触量(mol/cm)]=[HFガス濃度(体積%)]×[ガス流量(mol/s/cm)]×[処理時間(s)]…(b)
16.前項1〜15のいずれか1項に記載のガラス板を化学強化して得られるガラス板。
17.化学強化されたガラス板であって、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイルで、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きく、両者の比が1.4より大きいガラス板。
18.フロート法により製造されたガラス板が化学強化されたものである前項17に記載のガラス板。
19.フロート法により製造されたガラス板を化学強化したガラス板であって、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、トップ面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)がボトム面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)より大きいガラス板。前項17に関していえば、トップ面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がS、ボトム面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がSに相当する。
20.トップ面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値とボトム面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値の比が4.74以上である前項19に記載のガラス板。
21.一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)をもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値(S)を1以上になるようにSを定義した時、Sの常用対数が0.15より大きく7未満である前項17〜20のいずれか1項に記載のガラス板。
22.一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)をもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値(S)を1以上になるようにSを定義した時、Sの常用対数が0より大きく7未満である前項19または前項20に記載のガラス板。
すなわち、S=S/S(S≧1)であり、0<log(S)<7である。
23.化学強化されたガラス板であって、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)を、同方向から見た深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値が1より大きいガラス板。
24.少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)を、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値の常用対数が0より大きく4未満である前項21に記載のガラス板。
25.溶融ガラスを溶融金属上に供給してガラスリボンに成形する工程を含むフロートガラスの製造方法であって、該ガラスのTgが550℃以上であり、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体を600℃以上の該ガラスリボンに吹き付けるフロートガラスの製造方法。
26.前記ガラスのTgが650℃超である前項25に記載のフロートガラスの製造方法。
27.両面にフッ素を含有し、一方の面におけるフッ素濃度が他方の面におけるフッ素濃度より大きいフッ素含有ガラス板であって、下記式で表されるaが−0.2以下であるガラス板。
a=(F20−F)/17
20=(フッ素濃度の大きい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)
=(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
なお、本発明における「フッ素を含有し」とは不純物としてフッ素を含有する場合も含み、典型的なフッ素含有量は1×1015atoms/cm以上である。
28.両面にフッ素を含有し、一方の面におけるフッ素濃度が他方の面におけるフッ素濃度より大きいフッ素含有ガラス板であって、下記式で表されるbが5以上であるガラス板。
b=F−3×a
a=(F20−F)/17
20=(フッ素濃度の大きい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)
=(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
29.両面にフッ素を含有し、一方の面におけるフッ素濃度が他方の面におけるフッ素濃度より大きいフッ素含有ガラス板であって、下記式で表されるFが5以上であるガラス板。
=(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
本発明のガラス板はその表面がフッ化処理されていることにより、ガラスの一方の面ともう一方の面において化学強化の入り方に差が生じるのを抑制し、化学強化による応力を小さくすることなく、また化学強化前の研磨処理等を簡略化または省略しても、化学強化後におけるガラスの反りを低減し、優れた平坦度を得ることができる。
図1は、本発明で用いることのできる両流しタイプのインジェクタを模式的に示す図である。 図2は、本発明で用いることのできる片流しタイプのインジェクタを模式的に示す図である。 図3は、本発明の化学強化用フロートガラスを化学強化した後、フラットパネルディスプレイ用のカバーガラスとして用いたフラットパネルディスプレイの断面図である。 図4は、SiO処理またはN処理したガラス板を化学強化した後に、Δ反り量を測定した結果を示す図である。(実施例1) 図5はHF処理またはN処理したガラス板を化学強化した後に、Δ反り量を測定した結果を示す図である。(実施例1) 図6は、HF処理またはN処理したガラスを、予熱30分間で化学強化した場合と予熱120分間で化学強化した場合との化学強化後のガラス板のΔ反り量差を示す図である。(実施例1) 図7は、実施例で用いた実験装置の斜視図である。(実施例2) 図8は、HFまたはフロンで表面処理したガラスの化学強化前の、(1)処理面0−20μm深さのF/Si強度比平均値を、(2)処理面50−70μm深さのF/Si強度比平均値で除した値(1)/(2)と、Δ反り量の関係を示す図である。(実施例2) 図9は、実施例で用いた実験装置の概略断面図である。(実施例3) 図10(a)にフロート法によるガラス板の製造において、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体をビームにより供給してガラスリボンの表面を処理する方法の概略説明図を示す。図10(b)は、図10(a)のA−A断面図である。 図11(a)〜(d)は、気体の量をガラスリボンの幅方向で3分割して調整可能なビームの断面図を示す。 図12(a)〜(c)は、実施例5−7のSIMSプロファイルを示す図である。図12(a)はHF処理面(トップ面)におけるフッ素のSIMSプロファイル、図12(b)はHF非処理面(ボトム面)におけるフッ素のSIMSプロファイル、図12(c)は縦軸を(フッ素濃度の多い面のフッ素濃度)/(フッ素濃度の少ない面のフッ素濃度)としたSIMSプロファイルを示す。 図13(a)〜(c)は、比較例5−1のSIMSプロファイルを示す図である。図13(a)はトップ面におけるフッ素のSIMSプロファイル、図13(b)はボトム面におけるフッ素のSIMSプロファイル、図13(c)は縦軸を(フッ素濃度の多い面のフッ素濃度)/(フッ素濃度の少ない面のフッ素濃度)としたSIMSプロファイルを示す。 図14(a)は、横軸をF=(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)とし、縦軸をΔ反り量としてプロットした図を示す。図14(b)は、横軸をa=(F20−F)/17、縦軸をΔ反り量としてプロットした図を示す。図14(c)は、横軸をb=F−3×a、縦軸をΔ反り量としてプロットした図を示す。図14(a)〜(c)は、R=0.86である。 図15は、(1)処理面0−20μm深さのF/Si強度比平均値を、(2)非処理面0−20μm深さのF/Si強度比平均値で除した値(1)/(2)と反り改善率との相関関係を示す図である。 図16は、凹部の有無を、HF総接触量(mol/cm)とHF処理温度(℃)に対してプロットした結果を示す。 図17(a)〜(d)は、HF処理による凹部発生のメカニズムの説明図を示す。 図18は、BOR試験の結果、およびガラス板をSEMにより観察した結果を示す。
1.ガラス板
本発明において、「ガラス板」とは、溶融硝子が板状に成型されているものも含む。ガラス板の化学強化後の反りは、ガラス板の一方の面ともう一方の面において化学強化の入り方が異なることにより生じる。具体的には、例えば、フロートガラスの場合、フロート成形時に溶融錫と接触していないガラス面(トップ面)と溶融金属(通常、錫)と接触しているガラス面(ボトム面)において化学強化の入り方が異なることにより化学強化後の反りが生じる。
本発明によれば、ガラス板上をフッ化処理して一方の面のフッ化処理の程度ともう一方の面のフッ化処理の程度に差をつけることにより、ガラス板の一方の面ともう一方の面におけるイオンの拡散速度を調整して、一方の面ともう一方の面における化学強化の入り方を均衡化することができる。そのため、本発明のガラス板は、強化応力を調整したり、化学強化処理の前に研削および研磨等の処理をすることなく、化学強化後のガラス板の反りを低減することができる。
また、片面のガラス板上のフッ化処理の程度を変更することにより、処理面のイオン拡散速度と非処理面のイオン拡散速度が同じになるように調整して、化学強化の入り方を均衡化することができる。
ガラス板の表面をフッ化処理することにより化学強化後の反りが低減できるメカニズムとしては、以下のような現象が生じていると考えられる。
(1)ガラスの表面に取り込まれたフッ素により緩和が促進され、フッ素化処理された面のCS(compressive stress、表面圧縮応力)が低下する。
(2)ガラスの表面に取り込まれたフッ素によりイオン交換が阻害され、フッ素化処理された面のDOL(depth of layer、圧縮応力深さ)が低下する。
(3)フッ素化処理により、ガラスの脱アルカリが生じる。
(4)フッ素化処理によりガラス表面の主成分が変化し、ガラス中のSiがSiFまたはHSiFとしてガラス表面から減少するため、応力の入り方が変化する。
(5)フッ素化処理により、ガラス表面からの脱水が抑制されるかあるいは水が侵入することにより、反りが低減される。
本発明のガラス板は、横軸をガラス表面をゼロとした時の深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きいガラス板である。すなわち、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値をS、もう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値をSとした場合に、S/S≠1である。
なお、フロート法により製造されたガラス板である場合、少なくともトップ面の深さ0〜20μmにおける該深さ方向プロファイルの平均値がボトム面の深さ0〜20μmにおける該深さ方向プロファイルの平均値より大きいことが好ましい。
本発明のガラス板は、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値をもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値で除した値が1.0×10より大きく、1.0×10未満であることが好ましく、1.1×10より大きく、1.0×10未満であることがより好ましく、1.3×10より大きく、1.0×10未満であることがさらに好ましく、典型的には7.22/5.19超すなわち1.4超である。尚、割り算の値が1以上になるように計算することとする。
本発明のガラス板は、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値をもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値で除した値を1.0×10未満とすることにより、反りの改善が進行しすぎて反対側に大きく反ってしまうのを防ぐことができる。一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値をもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値で除した値を1.0より大きくすることにより、反りの改善効果が小さくなってしまうのを防ぐことができる。
本発明のガラス板は、化学強化後のガラス板である場合にも、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きいガラス板である。
本発明のガラス板は、化学強化後のガラス板である場合にも、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値をもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値で除した値S/Sが1.0×10より大きく、1.0×10未満であることが好ましく、1.1×10より大きく、1.0×10未満であることがより好ましく、1.3×10より大きく、1.0×10未満であることがさらに好ましい。S/Sはさらには1.4超、1.8超、特には2.1超であることが好ましい。
また、本発明のガラス板は、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)をもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値(S)を1以上になるようにSを定義した時、Sの常用対数が0.15より大きく7未満であることが好ましい、または、フロートガラス板の場合にはSがSよりも大きくかつSの常用対数が0より大きく7未満であることが好ましい。Sの常用対数は4未満であることがより好ましい。すなわち、S=S/S(S≧1)であり、0.15<log(S)<7、または、フロートガラス板の場合にはSがSよりも大きく0<log(S)<7であることが好ましい。Sの常用対数を0.15より大きくし、SがSよりも大きいフロートガラス板の場合には0より大きくすることにより、ガラス板の反りを低減させることができる。また、Sの常用対数を7未満とすることにより反りの改善が進行しすぎて反対側に大きく反ってしまうことを抑制することができる。なお、本発明のガラス板が、化学強化後のガラス板である場合にも同様である。
また、本発明のガラス板は、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値が、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きいガラス板である。すなわち、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値をS、同方向から見た深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値をSとした場合に、S/S>1であり、2.1以上であることが好ましく、2.1以上50以下であることがより好ましい。
なお、フロート法により製造されたガラス板である場合、トップ面の深さ0〜20μmにおける該深さ方向プロファイルの平均値が、深さ50〜70μmにおける該深さ方向プロファイルの平均値より大きいことが好ましく、少なくともトップ面において、深さ0〜20μmにおける該深さ方向プロファイルの平均値が、深さ50〜70μmにおける該深さ方向プロファイルの平均値より大きいことがより好ましい。
本発明のガラス板は、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値を、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値で除した値が1.0×10より大きく、1.0×10未満であることが好ましく、1.1×10より大きく、1.0×10未満であることがより好ましく、1.3×10より大きく、1.0×10未満であることがさらに好ましい。S/Sはさらには1.4超、1.8超、特には2.1超であることが好ましい。
横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値を、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値で除した値を1.0×10未満とすることにより、反りの改善が進行しすぎて反対側に大きく反ってしまうのを防ぐことができる。また、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値を、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値で除した値を1.0より大きくすることにより、反りの改善効果が小さくなってしまうのを防ぐことができる。
本発明のガラス板は、化学強化後のガラス板である場合にも、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値が、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きいガラス板である。
本発明のガラス板は、化学強化後のガラス板である場合にも、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値を、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値で除した値が1.0×10より大きく、1.0×10未満であることが好ましく、1.1×10より大きく、1.0×10未満であることがより好ましく、1.3×10より大きく、1.0×10未満であることがさらに好ましい。S/Sはさらには1.4超、1.8超、特には2.1超であることが好ましい。
また、本発明のガラス板は、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)を、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値の常用対数が0より大きく4未満であることが好ましく、0より大きく3未満であることがより好ましい。すなわち、0<log(S/S)<4であることが好ましい。log(S/S)を0より大きくすることにより、ガラス板の反りを低減させることができる。また、log(S/S)を4未満とすることにより、反りの改善が進行しすぎて反対側に大きく反ってしまうことを抑制することができる。なお、本発明のガラス板が、化学強化後のガラス板である場合にも同様である。
本発明のガラス板は、両面にフッ素を含有し、一方の面におけるフッ素濃度が他方の面におけるフッ素濃度より大きいガラス板であって、下記式で表されるaが−0.2以下であり、好ましくは−0.5以下であり、より好ましくは−3.0以上−0.5以下である。aは、通常−0.2より高い。図14(b)に示すように、下記式で表されるaとΔ反り量は相関関係を示し、aが−0.2以下であることにより、化学強化後のガラス板の反りを低減することができる。
a=(F20−F)/17
20=(フッ素濃度の大きい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)
=(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
なお、本明細書において、「深さxμmのフッ素濃度」とは深さ(x−0.5)〜(x+0.5)μmの平均フッ素濃度として算出する。例えば、深さ3μmのフッ素濃度とは深さ2.5〜3.5μmの平均フッ素濃度として算出し、20μmのフッ素濃度とは、19.5〜20.5μmの平均フッ素濃度として算出する。
本発明のガラス板は、両面にフッ素を含有し、一方の面におけるフッ素濃度が他方の面におけるフッ素濃度より大きいガラス板であって、下記式で表されるbが5以上であり、10以上であることが好ましく、10以上60以下であることがより好ましい。bは、通常5未満である。図14(c)に示すように、下記式で表されるbとΔ反り量は相関関係を示し、bが5以上であることにより、化学強化後のガラス板の反りを低減することができる。
b=F−3×a
a=(F20−F)/17
20=(フッ素濃度の大きい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)
=(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
上記においてa、bを求める際に深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度を考慮するのは、試料の履歴の観点から、深さ0〜2μmにおけるフッ素濃度と比較して、フッ化処理後に試料が受ける影響を受けにくいと考えられるためである。
本発明のガラス板は、両面にフッ素を含有し、一方の面におけるフッ素濃度が他方の面におけるフッ素濃度より大きいガラス板であって、下記式で表されるFが5以上であり、10以上であることが好ましく、10以上55以下であることがより好ましい。Fは、通常5未満である。図14(a)に示すように、下記式で表されるFとΔ反り量は相関関係を示し、Fが5以上であることにより、ガラス板の反りを低減することができる。
=(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
本発明のガラス板は、少なくとも一方の面におけるフッ素富化度が5以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましい。また、フッ素富化度は通常100以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましく、60以下であることがさらに好ましい。化学強化後のガラス板である場合にも、同様である。
少なくとも一方の面におけるフッ素富化度が5以上であることにより、十分な反り改善効果が得られる。また、フッ素富化度が100以下であることにより、逆方向に大きく反ることなく効果的に処理された基板が得られる。本発明において、「フッ素富化度」とは、バルク中のフッ素濃度に対する表面(1μm深さ)のSIMS分析によるフッ素濃度比をいう。
本明細書において、ガラス板の一方の面と他方の面とは、板厚方向に対向する一方の面と他方の面をいう。また、ガラス板の両面とは、板厚方向に対向する両面をいう。
二次イオン質量分析における元素Mの同位体Mの二次イオン強度IM1は、一次イオン強度I、マトリックスのスパッタ率Y、元素Mの濃度C(全濃度に対する比)、同位体Mの存在確率α、元素Mの二次イオン化率β、および質量分析計の透過効率η(検出器の検出効率を含む)に比例する。
M1=A・I・Y・C・α・β・η (式1)
ここで、Aは一次イオンビームの走査範囲に対する二次イオンの検出面積の比である。
一般的には装置のηを求めるのは困難なためβの絶対値を求めることができない。そこで、同じ試料の中の主成分元素などを参照元素として用い、(式1)との比をとることによりηを消去する。
ここで参照元素をR、その同位体をRとした場合、(式2)が得られる。
M1/IRj=(C・α・β)/(C・α・β)=C/K (式2)
ここでKは元素Mの元素Rに対する相対感度因子である。
K=(C・α・β)/(α・β) (式3)
この場合、元素Mの濃度は(式4)より求められる。
=K・IM1/IRj (式4)
本発明においては、FはMに、SiはRにそれぞれ対応する。したがって、(式2)より両者の強度比(F/Si)はフッ素濃度CをKで除したものに等しい。すなわち、F/Siはフッ素濃度の直接的な指標である。
二次イオン質量分析(Secondary Ion Mass Spectrometry、SIMS分析)の分析条件としては、例えば、以下の条件が挙げられる。なお、以下で示す分析条件は例示であり、測定装置、サンプルなどによって適宜変更されるべきものである。また、SIMS分析によって得られる深さ方向プロファイルの横軸の深さは、分析クレーターの深さを触針式膜厚計(例えば、Veeco社製Dektak150)によって測定することで、求められる。
(分析条件)
一次イオン種:Cs
一次イオン入射角:60°
一次加速電圧:5kV
より具体的な分析条件としては、例えば、以下の条件が挙げられる。
(分析条件)
測定装置:四重極型質量分析器を有する二次イオン質量分析装置
一次イオン種:Cs
一次加速電圧:5.0kV
一次イオンカレント:1μA
一次イオン入射角(試料面垂直方向からの角度):60°
ラスターサイズ:200x200μm
検出領域:40x40μm
二次イオン極性:マイナス
中和用の電子銃使用:有
四重極型質量分析器を有する二次イオン質量分析装置としては、例えば、アルバック・ファイ社製ADEPT1010が挙げられる。
2.ガラス板の製造方法
本発明において溶融ガラスを板状のガラス板に成形する方法は特に限定されず、また該ガラスは化学強化処理による強化が可能な組成を有するものである限り、種々の組成のものを使用することができる。例えば、種々の原料を適量調合し、加熱溶融した後、脱泡または攪拌などにより均質化し、周知のフロート法、ダウンドロー法(例えば、フュージョン法など)またはプレス法などによって板状に成形し、徐冷後所望のサイズに切断、研磨加工を施して製造される。これらの製造方法の中でも、フロート法により製造されたガラスは、特に本発明の効果である化学強化後の反り改善が発揮され易いため、好ましい。
本発明に用いられるガラス板としては、具体的には、例えば、典型的にはソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、ボレートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラスおよび無アルカリガラス並びにその他の各種ガラスからなるガラス板が挙げられる。
これらの中でも、Alを含む組成のガラスが好ましい。Alはアルカリが共存すると4配位をとってSiと同様にガラスの骨格となる網目の形成に参加する。4配位のAlが増えると、アルカリイオンの移動が容易になり、化学強化処理時にイオン交換が進行しやすくなる。
ガラス板の厚みは、特に制限されるものではなく、たとえば2mm、0.8mm、0.73mm、0.7mmが挙げられるが、後述する化学強化処理を効果的に行うために、通常5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましく、1.5mm以下であることがさらに好ましく、0.8mm以下であることが特に好ましい。
通常、厚み0.7mmのガラス板の化学強化後における反り量は40μm以下であることが求められる。90mm角のガラス板でCSが750MPa、DOLが40μmの場合、化学強化後の反り量は約130μmである。一方、化学強化後におけるガラス板の反り量は板厚の2乗と反比例の関係にあるので、ガラス板の厚みが2.0mmのときの反り量は約16μmとなり、実質的に反りが問題となることはない。したがって、ガラス板の厚み2mm未満、典型的には1.5mm以下で化学強化後における反りの問題が生じる可能性がある。
本発明のガラス板の組成としては特に限定されないが、例えば、以下のガラスの組成が挙げられる。なお、例えば、「MgOを0〜25%含む」とは、MgOは必須ではないが25%まで含んでもよい、の意であり、ソーダライムシリケートガラスは(i)のガラスに含まれる。なお、ソーダライムシリケートガラスとはモル%表示でSiOを69〜72%、Alを0.1〜2%、NaOを11〜14%、KOを0〜1%、MgOを4〜8%、CaOを8〜10%含有するガラスである。
(i)モル%で表示した組成で、SiOを50〜80%、Alを0.1〜25%、LiO+NaO+KOを3〜30%、MgOを0〜25%、CaOを0〜25%およびZrOを0〜5%を含むガラスとしては、ソーダライムシリケートガラスや、モル%で表示した組成で、SiOを50〜80%、Alを2〜25%、LiOを0〜10%、NaOを0〜18%、KOを0〜10%、MgOを0〜15%、CaOを0〜5%およびZrOを0〜5%を含むガラスが挙げられる。
(ii)モル%で表示した組成が、SiOを50〜74%、Alを1〜10%、NaOを6〜14%、KOを3〜11%、MgOを2〜15%、CaOを0〜6%およびZrOを0〜5%含有し、SiOおよびAlの含有量の合計が75%以下、NaOおよびKOの含有量の合計が12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計が7〜15%であるガラス
(iii)モル%で表示した組成が、SiOを68〜80%、Alを4〜10%、NaOを5〜15%、KOを0〜1%、MgOを4〜15%およびZrOを0〜1%含有するガラス
(iv)モル%で表示した組成が、SiOを67〜75%、Alを0〜4%、NaOを7〜15%、KOを1〜9%、MgOを6〜14%およびZrOを0〜1.5%含有し、SiOおよびAlの含有量の合計が71〜75%、NaOおよびKOの含有量の合計が12〜20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス
本発明のガラス板の製造方法では、ガラス板またはガラスリボンの少なくとも一面に対して、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体を接触させて表面処理する。ガラスリボンの少なくとも一面に対して前記気体または液体を接触させて表面処理する場合、ガラスリボンの温度は650℃以上であることが好ましい。650℃以上とすることにより後述する凹部の発生を抑制しつつ、化学強化後のガラスの反り量を低減するのに十分なHF総接触量でHF吹き付け処理を実施しやすくなる。なお、以下ではガラス板という語をガラス板およびガラスリボンを総称するものとして用いることがある。
その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体としては、例えば、フッ化水素(HF)、フロン(例えば、クロロフルオロカーボン、フルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハロン)、フッ化水素酸、フッ素単体、トリフルオロ酢酸、四フッ化炭素、四フッ化ケイ素、五フッ化リン、三フッ化リン、三フッ化ホウ素、三フッ化窒素、三フッ化塩素などが挙げられるが、これらの気体または液体に限定されるものではない。
これらの中でも、フッ化水素、フロンまたはフッ化水素酸がガラス板表面との反応性が高い点で好ましい。またこれらのガスのうち、2種以上を混合して使用してもよい。また、フロートバス内では酸化力が強すぎるので、フッ素単体を使用しないことが好ましい。
また液体を使用する場合は、液体のまま、例えば、スプレー塗布でガラス板表面に供給しても、液体を気化してからガラス板表面に供給してもよい。また必要に応じて他の液体または気体で希釈してもよい。
その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体としては、それらの液体や気体以外の液体または気体を含んでいてもよく、常温でフッ素原子が存在する分子と反応しない液体または気体であることが好ましい。
前記液体または気体としては、例えば、N、空気、H、O、Ne、Xe、CO、Ar、HeおよびKrなどが挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。またこれらのガスのうち、2種以上を混合して使用することもできる。
その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体のキャリアガスとしては、N、アルゴンなどの不活性ガスを用いることが好ましい。また、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体には、更にSOを含んでもよい。SOはフロート法などで連続的にガラス板を生産する際に使用されており、徐冷域において搬送ローラーがガラス板と接触して、ガラスに疵を発生させることを防ぐ働きがある。また、高温で分解するガスを含んでいてもよい。
更に、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体には、水蒸気または水を含んでもよい。水蒸気は加熱した水に窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスをバブリングさせて取り出すことができる。大量の水蒸気が必要な場合は、気化器に水を送り込んで直接気化させる方法をとることも可能である。
本発明において溶融ガラスを板状のガラス板に成形する方法の具体例としては例えばフロート法が挙げられる。フロート法では、ガラスの原料を溶解する溶融炉と、溶融ガラスを溶融金属(錫等)上に浮かせてガラスリボンを成形するフロートバスと、該ガラスリボンを徐冷する徐冷炉とを有するガラス製造装置を用いてガラス板が製造される。
溶融金属(錫)浴上でガラスが成形される際に、溶融金属浴上を搬送されるガラス板に対して、金属面に触れていない側からその構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体を供給して当該ガラス板表面を処理してもよい。溶融金属(錫)浴に続く徐冷領域では、ガラス板はローラー搬送により搬送される。
ここで、徐冷領域とは、徐冷炉内だけではなく、フロートバス内で上記溶融金属(錫)浴から搬出されてから徐冷炉内に搬送されるまでの部分も含むものである。徐冷領域においては溶融金属(錫)に触れていない側から当該ガスを供給してもよい。
図10(a)にフロート法によるガラス板の製造において、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体を供給してガラス表面を処理する方法の概略説明図を示す。
溶融ガラスを溶融金属(錫等)上に浮かせてガラスリボン101を成形するフロートバスにおいて、フロートバス内に挿入したビーム102により、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体を、該ガラスリボン101に吹き付ける。図10(a)に示すように、該気体は、ガラスリボン101が溶融金属面に触れていない側からガラスリボン101に吹き付けることが好ましい。矢印Yaは、フロートバスにおいてガラスリボン101が流れる方向を示す。
ビーム102によりガラスリボン101に前記気体を吹き付ける位置は、ガラス転移点が550℃以上の場合には、ガラスリボン101が好ましくは600〜900℃、より好ましくは700℃〜900℃、さらに好ましくは750〜850℃、典型的には800℃の位置であることが好ましい。また、ビーム102の位置は、ラジエーションゲート103の上流であってもよいし、下流であってもよい。ガラスリボン101に吹きつける前記気体の量は、HFとして1×10−6〜5×10−4mol/ガラスリボン1cmであることが好ましい。
図10(b)に図10(a)のA−A断面図を示す。ビーム102によりY1の方向からガラスリボン101に吹き付けられた前記気体は、「IN」から流入して、「OUT」の方向から流出する。すなわち、矢印Y4およびY5の方向に移動して、ガラスリボン101に曝露する。また、矢印Y4の方向に移動した該気体は矢印Y2の方向から流出し、矢印Y5の方向に移動した該気体は矢印Y3の方向から流出する。
ガラスリボン101の幅方向の位置によって化学強化後におけるガラス板の反り量が変化する場合もあり、そのような場合は、前記気体の量を調整することが好ましい。すなわち、反り量が大きい位置には該気体を吹きつける量を多くし、反り量が少ない位置には該気体を吹きつける量を少なくすることが好ましい。
ガラスリボン101の位置によって化学強化後におけるガラス板の反り量が変化する場合には、ビーム102の構造を、ガラスリボン101の幅方向で前記気体量を調整可能な構造とすることにより、ガラスリボン101の幅方向で反り量を調整してもよい。
具体例として、前記気体の量をガラスリボン101の幅方向110をI〜IIIで3分割して調整するビーム102の断面図を図11(a)示す。ガス系統111〜113は、隔壁114,115によって分割されており、それぞれガス吹き穴116から該気体を流出させて、ガラスに吹き付ける。
図11(a)における矢印は気体の流れを示す。図11(b)における矢印は、ガス系統111における気体の流れを示す。図11(c)における矢印は、ガス系統112における気体の流れを示す。図11(d)における矢印は、ガス系統113における気体の流れを示す。
ガラス板にその構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体をガラス表面に供給する方法としては、例えば、インジェクタを用いる方法、および導入チューブを用いる方法等が挙げられる。
本発明で用いることのできるガラス板の表面処理に用いるインジェクタの模式図を図1および図2に示す。図1は、本発明で用いることのできる両流しタイプのインジェクタを模式的に示す図である。図2は、本発明で用いることのできる片流しタイプのインジェクタを模式的に示す図である。
インジェクタより供給される「その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体」が気体である場合、インジェクタの気体吐出口とガラス板との距離は50mm以下であることが好ましい。
前記距離を50mm以下とすることにより、気体が大気中に拡散するのを抑制し、所望するガス量に対して、ガラス板に十分量のガスを到達させることができる。逆にガラス板との距離が短すぎると、例えばフロート法で生産されるガラス板にオンラインで処理をする際に、ガラスリボンの変動により、ガラス板とインジェクタが接触する恐れがある。
またインジェクタより供給される「その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体」が液体である場合、インジェクタの液体吐出口とガラス板との距離には特段の制限がなく、ガラス板が均一に処理できるような配置であればよい。
インジェクタは、両流しまたは片流しなど、いずれの態様で用いてもよく、ガラス板の流れ方向に直列に2個以上並べて、ガラス板表面を処理してもよい。両流しインジェクタとは、図1に示す通り、吐出から排気へのガスの流れがガラス板の移動方向に対して、順方向と逆方向に均等に分かれるインジェクタである。
片流しインジェクタとは、図2に示す通り、吐出から排気へのガスの流れがガラス板の移動方向に対して順方向もしくは逆方向のいずれかに固定されるインジェクタである。片流しインジェクタを使用するときは、気流安定性の点でガラス板上のガスの流れとガラス板の移動方向が同じであること方が好ましい。
また、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体の供給口と、未反応のその構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体ならびにガラス板と反応して生成する気体、またはその構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体のうち2種以上のガスが反応して生成する気体の排気口とが、ガラス板の同じ側の面に存在することが好ましい。
搬送されているガラス板表面に対してその構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体を供給して表面処理をするにあたっては、例えば、ガラス板がコンベヤーの上を流れている場合は、コンベヤーに触れていない側から供給してもよい。また、コンベヤーベルトにメッシュベルトなどのガラス板の一部が覆われていないメッシュ素材を用いることにより、コンベヤーに触れている側から供給してもよい。
また2つ以上のコンベヤーを直列に並べて、隣り合うコンベヤーの間にインジェクタを設置することにより、コンベヤーに触れている側から当該ガスを供給してガラス板表面を処理してもよい。また、ガラス板がローラーの上を流れている場合は、ローラーに触れていない側から供給してもよいし、ローラーに触れている側において、隣り合うローラーの間から供給してもよい。
ガラス板の両方の側から同じまたは異なるガスを供給してもよい。例えば、ローラーに触れていない側と、ローラーに触れている側の両方の側からガスを供給してガラス板を表面処理してもよい。例えば、徐冷領域で両方の側からガスを供給する場合は、連続的に搬送されているガラスに対してインジェクタを、ガラス板を挟んで向かい合うように配置して、ローラーに触れていない側とローラーに触れている側の両方の側からガスを供給してもよい。
ローラーに触れている側に配置されるインジェクタと、ローラーに触れていない側に配置されるインジェクタは、ガラス板の流れ方向に異なる位置に配置してもよい。異なる位置に配置するにあたっては、いずれがガラス板の流れ方向に対して上流に配置されても、下流に配置されてもよい。
フロート法によるガラス製造技術とCVD技術を組み合わせて、オンラインで機能膜付きガラス板が製造されていることは広く知られている。この場合透明導電膜及びその下地膜については、いずれも錫に触れていない面から、もしくは、ローラーに触れていない面からガスを供給して、ガラス板上に製膜されることが知られている。
例えば、このオンラインCVDによる機能膜付きガラス板の製造において、ローラーに触れている面にインジェクタを配置して、そのインジェクタからガラス板にその構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体を供給してガラス板表面を処理してもよい。
本発明においては、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体を搬送中のガラス板の表面に供給して該表面を処理する際のガラス板の温度は、該ガラス板のガラス転移温度をTgとした場合に、ガラス板の表面温度が(Tg−200℃)〜(Tg+300℃)であることが好ましく、(Tg−200℃)〜(Tg+250℃)であることがより好ましい。なお、以上にかかわらずガラス板の表面温度は(Tg+300℃)以下である限り、650℃超であることが好ましい。後掲の実施例で示されるようにガラス板の表面温度が650℃以下で脱アルカリ処理すると凹部が発生しやすくなる。
ガラス板における凹部の発生を抑制し、且つ化学強化後の反りの改善効果を得るためには、(Tg+90)℃以上であることが好ましい。本明細書において、凹部とはSEMにより視認できるガラス板の表面に発生する微小穴である。ガラス板に凹部が発生することにより、ガラス板の強度が低下する。
凹部は典型的には、表面から深さ方向に縮径した後、略球状の袋状に広がった形状を示す。このような凹部の直径は、縮径部と袋状部の間のくびれ部分の直径を表し、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)等により観察することができる。凹部の深さは、ガラス表面から袋状部の最深部までの深さを表わし、断面SEM観察等により測定することができる。
本発明における凹部は大きさが10nm以上であるものをいい、通常は20nm以上であり、また典型的には直径が40nm以下である。凹部の深さはたとえば断面のSEM観察により測定されるが、その深さは通常10nm以上であり、また典型的には150nm以下である。
F濃度が大きい方の表面に凹部が7個/μm超の密度で存在すると、化学強化されたガラス板の強度が低下するおそれがある。したがって、凹部が存在するとしてもその密度は6個/μm以下であることが好ましく、より好ましくは4個/μm以下であり、最も好ましくは0個/μmである。なお、凹部密度が6個/μmのときの凹部平均間隔は460nmである。
凹部の有無を、HF総接触量(mol/cm)とHF処理温度(℃)に対してプロットすると、図16に示すグラフのように相関関係を示す。図16では、凹部未発生を○、凹部発生を×でプロットしている。
ここで、HF総接触量とHF処理温度が下記式(a)を満たすことにより、HF処理による凹部は発生しないと考えられる。すなわち、(1)処理温度が低く(フッ化物の揮散速度が遅く)、(2)HF総接触量が多い(フッ化物の生成速度が速い)場合に、凹部がより発生しやすいと考えられる。
Y>81lnX+1500…式(a)
式(a)において、YはHF処理温度(℃)、XはHF総接触量(mol/cm)を表わし、Xは下記式(b)により求められる。
[HF総接触量(mol/cm)]=[HFガス濃度(体積%)]×[ガス流量(mol/s/cm)]×[処理時間(s)]…(b)
図17にHF処理による凹部発生のメカニズムの説明図を示す。ガラスをHF処理することによりフッ化物の生成と揮散が生じ[図17(a)]、HFと硝子の反応によるフッ化物の生成速度が、生成したフッ化物の揮散速度よりも早い場合に、生成したフッ化物が処理面に残存し[図17(b)]、溶融したフッ化物がエッチングしながら結晶成長するとともに溶融塩が減少し[図17(c)]、その結果最終生成物が凹部として観察される[図17(d)]と考えられる。
また、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体をガラス板表面に供給する際のガラス板表面の圧力は、大気圧−100パスカルから大気圧+100パスカルの圧力範囲の雰囲気であることが好ましく、大気圧−50パスカルから大気圧+50パスカルの圧力範囲の雰囲気であることがより好ましい。
ガス流量について、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体としてHFを用いた場合について代表して述べる。HFでガラス板を処理するにあたっては、HF流量が多いほど化学強化処理時の反り改善効果が大きいため好ましく、全ガス流量が同じ場合は、HF濃度が高いほど、化学強化処理時の反り改善効果が大きくなる。
全ガス流量とHFガス流量の両方が同じ場合は、ガラス板を処理する時間が長いほど、化学強化処理時の反り改善効果が大きくなる。例えばガラス板を加熱した後に、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体を用いてガラス板表面を処理する場合、ガラス板の搬送速度が低いほど化学強化後の反りが改善する。全ガス流量やHF流量をうまくコントロールできない設備でも、ガラス板の搬送速度を適宜コントロールすることによって、化学強化後の反りを改善することができる。
また、図9に、導入チューブを用いてその構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体をガラス板に供給する方法の模式図を示す。導入チューブを用いてその構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体をガラス板に供給する方法としては、具体的には、例えば、予め、処理温度で加熱しておいた管状炉60中央に設置した反応容器61内にサンプル乗せ台車62に乗せたガラス板のサンプル63を、スライダー64を動かすことにより移動させる。
次に好ましくは60〜180秒間均熱化処理を行なった後、導入チューブ65からその構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体を導入方向67の方向で導入して保持し、排気方向68から排気する。保持時間終了後、サンプル63をサンプル取り出し棒66で、徐冷条件(例えば、500℃1分保持および400℃1分保持)を経てサンプルを取り出す。
導入チューブ65からガラス板に導入するフッ素原子が存在する分子を含有する気体の濃度は0.01〜1%であることが好ましく、0.05〜0.5%であることがより好ましい。また、該気体を導入後の保持時間は、10〜600秒間であることが好ましく、30〜300秒間であることがより好ましい。
3.化学強化
化学強化は、ガラス転移点以下の温度でイオン交換によりガラス表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(典型的には、LiイオンまたはNaイオン)をイオン半径のより大きなアルカリイオン(典型的には、Kイオン)に交換することで、ガラス表面に圧縮応力層を形成する処理である。化学強化処理は従来公知の方法によって行うことができる。
本発明のガラス板は、化学強化後の反りが改善されたガラス板である。化学強化前のガラス板に対する化学強化後のガラス板の反りの変化量(反り変化量)は、三次元形状測定器(例えば、三鷹光器株式会社製)で測定することができる。
本発明において、化学強化後の反りの改善は、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体により表面処理する以外は全て同じ条件の実験において、以下に示す式により求める反り改善率により評価する。
反り改善率(%)=[1−(ΔY/ΔX)]×100ΔX:未処理ガラス板の化学強化による反り変化量ΔY:処理ガラス板の化学強化による反り変化量
ここで反り変化量は、ΔX>0とする。ΔYはΔXと同方向に反る場合にΔY>0、ΔXと逆方向に反る場合はΔY<0となる。
その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体により表面処理してないガラス板はΔX=ΔYとなり、反り改善率0%となる。またΔYが負の値をとる場合は、反り改善率>100%となる。
ガラス板のCS(表面圧縮応力)およびDOL(圧縮応力層の深さ)は、表面応力計により測定することができる。化学強化ガラスの表面圧縮応力は600MPa以上であることが好ましく、圧縮応力層の深さは15μm以上であることが好ましい。化学強化ガラスの表面圧縮応力および圧縮応力層の深さを当該範囲とすることにより、優れた強度と耐傷性が得られる。
以下、本発明のガラス板を化学強化した後、フラットパネルディスプレイ用のカバーガラスとして用いた例について説明する。図3は、カバーガラスが配置されたディスプレイ装置の断面図である。なお、以下の説明において、前後左右は図中の矢印の向きを基準とする。
ディスプレイ装置40は、図2に示すように、筐体15内に設けられた表示パネル45と、表示パネル45の全面を覆い筐体15の前方を囲うように設けられるカバーガラス30とを備える。
カバーガラス30は、主として、ディスプレイ装置40の美観や強度の向上、衝撃破損防止などを目的として設置されるものであり、全体形状が略平面形状の一枚の板状ガラスから形成される。カバーガラス30は、図2に示すように、表示パネル45の表示側(前側)から離間するように(空気層を有するように)設置されていてもよく、透光性を有する接着膜(図示せず)を介して表示パネル45の表示側に貼り付けられてもよい。
カバーガラス30の表示パネル45からの光を出射する前面には機能膜41が設けられ、表示パネル45からの光が入射する背面には、表示パネル45と対応する位置に機能膜42が設けられている。なお、機能膜41、42は、図2では両面に設けたが、これに限らず前面または背面に設けてもよく、省略してもよい。
機能膜41、42は、例えば、周囲光の反射防止、衝撃破損防止、電磁波遮蔽、近赤外線遮蔽、色調補正、および/または耐傷性向上などの機能を有し、厚さおよび形状などは用途に応じて適宜選択される。機能膜41、42は、例えば、樹脂製の膜をカバーガラス30に貼り付けることにより形成される。あるいは、蒸着法、スパッタ法またはCVD法などの薄膜形成法により形成されてもよい。
符号44は、黒色層であり、例えば、顔料粒子を含むインクをカバーガラス30に塗布し、これを紫外線照射、または加熱焼成した後、冷却することによって形成された被膜であり、筐体15の外側からは表示パネル等が見えなくなり、外観の審美性を向上させる。
以下に本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(ガラス板の組成)
本実施例では、以下の組成の硝材A〜Dのガラス板を用いた。
(硝材A)モル%表示で、SiOを72.0%、Alを1.1%、NaOを12.6%、KOを0.2%、MgOを5.5%、CaOを8.6%含有するガラス(ガラス転移温度566℃)
(硝材B)モル%表示で、SiOを64.3%、Alを6.0%、NaOを12.0%、KOを4.0%、MgOを11.0%、CaOを0.1%、SrOを0.1%、BaOを0.1%およびZrOを2.5%含有するガラス(ガラス転移温度620℃)
(硝材C)モル%表示で、SiOを64.3%、Alを8.0%、NaOを12.5%、KOを4.0%、MgOを10.5%、CaOを0.1%、SrOを0.1%、BaOを0.1%およびZrOを0.5%含有するガラス(ガラス転移温度604℃)
(硝材D)モル%表示で、SiOを73.0%、Alを7.0%、NaOを14.0%、MgOを6.0%、含有するガラス(ガラス転移温度617℃)
(反り量の測定)
化学強化前に三鷹光器株式会社製三次元形状測定器(NH−3MA)で反り量を測定した後、各ガラスを化学強化し、化学強化後の反り量も同様に測定し、下式で表されるΔ反り量を算出した。なお、後述の実施例6の反り量測定では株式会社ニデック製フラットネステスターFT−17を使用した。
Δ反り量=化学強化後反り量−化学強化前反り量
(反り改善率)
化学強化後の反りの改善は、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体または液体により表面処理する以外は全て同じ条件の実験において、以下に示す式により求める反り改善率により評価した。
反り改善率(%)=[1−(ΔY/ΔX)]×100
ΔX:未処理ガラス板の化学強化による反り変化量
ΔY:処理ガラス板の化学強化による反り変化量
ここで反り変化量は、ΔX>0とした。ΔYはΔXと同方向に反る場合にΔY>0、ΔXと逆方向に反る場合はΔY<0とした。
(二次イオン質量分析)
二次イオン質量分析における元素Mの同位体Mの二次イオン強度IM1は、一次イオン強度I、マトリックスのスパッタ率Y、元素Mの濃度C(全濃度に対する比)、同位体Mの存在確率α、元素Mの二次イオン化率β、および質量分析計の透過効率η(検出器の検出効率を含む)に比例する。
M1=A・I・Y・C・α・β・η (式1)
Aは一次イオンビームの走査範囲に対する二次イオンの検出面積の比である。同じ試料の中の主成分元素などを参照元素として用い、(式1)との比をとることによりηを消去した。
ここで参照元素をR、その同位体をRとした場合、(式2)が得られる。
M1/IRj=(C・α・β)/(C・α・β)=C/K (式2)
Kは元素Mの元素Rに対する相対感度因子である。
K=(C・α・β)/(α・β) (式3)
元素Mの濃度は(式4)より求めた。
=K・IM1/IRj (式4)
本発明においては、FはMに、SiはRにそれぞれ対応する。したがって、(式2)より両者の強度比(F/Si)はフッ素濃度CをKで除したものに等しい。すなわち、F/Siをフッ素濃度の直接的な指標とした。
二次イオン質量分析の分析条件は以下とした。
測定装置:アルバック・ファイ社製 ADEPT1010
一次イオン種:Cs
一次加速電圧:5.0kV
一次イオンカレント:1μA
一次イオン入射角(試料面垂直方向からの角度):60°
ラスターサイズ:200x200μm
検出領域:40x40μm
二次イオン極性:マイナス
中和用の電子銃使用:有
また、SIMS分析によって得られる深さ方向プロファイルの横軸の深さは、分析クレーターの深さを触針式膜厚計(Veeco社製Dektak150)によって測定した。
(凹部の有無)
ガラスのHF処理面をSEM観察し、観察視野内(倍率5万〜20万倍)において、凹部が一か所以上観察された場合、凹部有りとした。
(ボールオンリング試験)
ボールオンリング(Ball on Ring;BOR)試験では、ガラス板を水平に載置した状態で、SUS304製の加圧治具(焼入れ鋼、直径10mm、鏡面仕上げ)を用いてガラス板を加圧し、ガラス板の強度を測定した。
SUS304製の受け治具(直径30mm、接触部の曲率R2.5mm、接触部は焼入れ鋼、鏡面仕上げ)の上に、サンプルとなるガラス板を水平に設置し、ガラス板の上方には、ガラス板を加圧するための、加圧治具を設置した。ガラス板の上方から、ガラス板の中央領域を加圧し、ガラスが破壊された際の、破壊荷重(単位N)をBOR強度とした。なお、試験条件は下記の通りとした。
サンプルの厚み:1.1(mm)
加圧治具の下降速度:1.0(mm/min)
[実施例1]
(1)フロートガラスの製造
硝材Cのガラス板を、板厚0.8mmになるようにフロート法で製造し、50×50mmに切断してフロート板ガラスを作製した。大気圧CVD法で用いる両流しインジェクタ10を用いて、図1に示す模式図のようにして、ガラス板の表面に、SiOを含むガスまたはフッ化水素を含むガスを接触させた。また、それぞれリファレンスとして、ガラスの表面にNを含むガスを接触させた。
すなわち、SiOを含むガスについては、図1に示す中央スリット1から、SiH0.09SLMと窒素(N)40.4SLMを混合したガスを150℃に加熱して流速72cm/sで、外スリット2からO4.1SLMとN36.5SLMをガス板に向けて吹きつけた。リファレンスとして、図1に示す中央スリット1から、窒素(N)40.5SLMを混合したガスを150℃に加熱して流速72cm/sで、外スリット2からN40.6SLMをガラス板に向けて吹きつけた。ガスはガラス板20上を流路4を通じて流れ、排気スリット5では吹きつけガス流量の2倍量を排気している。ガスの温度と流速の計測には、熱線風速計(カノマックス社製、クリモマスター6543)を用いた。ガラス板は580℃に加熱して、速度4m/minで搬送した。ガラス板の温度は、ガスを吹き付ける直前に放射温度計を設置して測定した。
また、フッ化水素を含むガスについては、図1に示す中央スリット1から、HF1.0SLM(標準状態での気体で毎分リットル)と窒素(N)59.0SLMを混合したガスを150℃に加熱して流速64.0cm/sで、外スリット2からN30SLMをガラス板に向けて吹きつけた。リファレンスとして、図1に示す中央スリット1から、窒素(N)60.0SLMを含むガスを150℃に加熱して流速64.0cm/sで、外スリット2からN30SLMをガラス板に向けて吹きつけた。
ガスはガラス板20上を流路4を通じて流れ、排気スリット5では吹きつけガス流量の2倍量を排気している。ガスの温度と流速の計測には、熱線風速計(カノマックス社製、クリモマスター6543)を用いた。
ガラス板は530℃または590℃で30分間または120分間加熱して、速度0.2/minまたは2m/minで搬送した。ガラス板の温度は、ガスを吹き付ける直前に放射温度計を設置して測定した。
SiOを製膜したガラス板については、得られたガラス板を硝酸カリウム溶融塩により435℃にて4時間化学強化し、Δ反り量を測定した。得られた結果を図4に示す。
また、HF処理したガラス板については、得られたガラス板を硝酸カリウム溶融塩により、435℃にて2、4または6時間処理し、Δ反り量を測定した。得られた結果を図5に示す。また、図6に、HF処理またはN処理したガラスを、予熱30分間で化学強化した場合と予熱120分間で化学強化した場合との化学強化後のガラス板のΔ反り量差を示す。
図4に示すように、SiO製膜したガラス板は、化学強化後の反り量が予熱時間により大きく異なることがわかった。一方、図5および図6に示すように、HF処理したガラス板は、予熱時間を変化させたとしても、化学強化後の反り量の変化が生じにくいことがわかった。
[実施例2]
図7に示す模式図のように、硝材Cのフロート法により製造したガラスを、体積3.2Lの石英管50に入れ、管内を真空にした後、H10%およびN90%の混合ガスで系内を充填した。系全体にH10%およびN90%の混合ガスを流量1.6L/minで導入しながら、3分間加熱しガラス板51の温度を昇温させた。H10%およびN90%の混合ガスはガス導入方向53から導入してガス排出方向54に排出した。
昇温させたガラス板51を800℃で30秒間加熱しながら、内径3.5〜4.0mmのガス導入ノズル52で表1に示す濃度のHFまたはフロンを流量0.4L/minでガラス板51に吹きつけた。その後、H10%およびN90%の混合ガスを流量1.6L/minで導入しながら、20分間かけて降温させた。
得られたHFまたはフロンで表面処理したガラス板を、硝酸カリウム溶融塩により435℃にて4時間化学強化し、Δ反り量、反り改善率を測定した。その結果を表1に示す。
また、SIMS分析により、ガラス表面におけるフッ素導入量を測定し、反り改善率とガラス表面から深さ20μmに導入されたフッ素導入量との相関関係について得られた結果を図8に示す。
Figure 2013146441
表1および図8に示すように、表面をHF処理またはフロン処理して一方の面のフッ素濃度を高めた後に化学強化することにより、化学強化後のガラス板の反りが改善されることがわかった。
また、各実施例及び比較例のガラス板のHF処理面を、倍率5万倍でSEMを用いて表面観察を行うと、実施例2−5、2−6、2−7においてのみ、表面に凹部が観察された。また、それぞれのガラス板における表面の凹部密度をSEM観察画像から見積もると、実施例2−5は5個/μm、実施例2−6は13個/μm、実施例2−7は172個/μmである。
[実施例3]
図9に示す模式図のように、硝材Cからなる大きさ50mm×50mm、板厚0.7mmtのガラス板を用いて実験した。予め、処理温度で加熱しておいた管状炉60中央に設置した反応容器61内にサンプル乗せ台車62に乗せたガラス板のサンプル63をスライダー64を動かすことにより移動させた。
次に30秒間均熱化処理を行なった後、表2に示す温度条件、反応時間およびガス濃度で導入チューブ65から処理ガス(フロン)をガス導入方向67の方向で導入し、所定時間保持し、排気方向68から排気した。保持時間終了後、サンプル63をサンプル取り出し棒66で、所定の徐冷条件(500℃1分間保持、400℃1分間保持)を経てサンプルを取り出した。
なお、雰囲気導入は、管状炉60内パージガスとして反応容器61の条件と同等のN−1%Hを用いた。導入ガスとしては、750℃付近で燃焼分解するR−134a(C)0.5%含有Nガス500cc/lを、ガス量2l/minでN導入方向69の方向で管状炉60に導入し排気方向70で排気した。処理時間は5秒〜5分間とし、その後N−1%Hに切替えて冷却した。
B面へのガスの回り込みの影響を排除するため、得られたガラス板の片面(B面)を1.8μm除去してB面エッチングした後、硝酸カリウム溶融塩により435℃に4時間化学強化処理し、反り改善率および、SIMS測定により求めた、(1)処理面0−20μm深さのF/Si強度比、(2)処理面50−70μm深さのF/Si強度比、(3)非処理面0−20μm深さのF/Si強度比を測定した。さらに(1)を(2)の値で除した値、(1)を(3)の値で除した値をそれぞれ算出した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2013146441
表2に示すように、フロンで表面処理した実施例3−1〜3−3のガラス板は、フロンで表面処理しなかった比較例3−1〜3−5のガラス板と比較して、化学強化後の反りが改善されていた。この結果から、表面をHF処理またはフロン処理して一方の面のフッ素濃度を高めた後に化学強化することにより、化学強化後のガラス板の反りが改善されることがわかった。
また、表2の結果により、ガラス板の表面をフロン処理して、一方の面における0−20μm深さのF/Si強度比の平均値を、同一面における50−70μm深さのF/Si強度比の平均値や、もう片方の面における処理面0−20μm深さのF/Si強度比の平均値よりも大きくすることで、化学強化後の反り改善率が大幅に向上することがわかった。なお、実施例3−1〜3−3および比較例3−1〜3−5について凹部の発生は観察されなかった。
[実施例4]
大気圧CVD法で用いる両流しインジェクタ10を用いて、図1に示す模式図のようにして、ガラス板20の表面に、フッ化水素、N、HOまたはOを含むガスを接触させて表面処理した。
ガラス板20の組成、大きさおよび板厚、並びにガラス板20の表面処理の条件(処理方法、ガスの種類、レベル、ガラス板20の搬送速度、温度、主原HF量、主原濃度、主原流速)は表3〜7に示す通りとした。
また、実施例A1〜D1および比較例A1〜D1では100mm×100mmのガラス板を表面処理した後、50mm×50mmに切断後化学強化し、ガラス板の反りについて評価した。実施例E1〜R3および比較例E1〜R1では50mm×50mmのガラス板を表面処理後に化学強化し、評価した。
図1に示す中央スリット1から、フッ化水素、N、HOまたはOを含むガスを加熱して、外スリット2からNをガラス板に向けて吹きつけた。ガスはガラス板20上を流路4を通じて流れ、排気スリット5では吹きつけガス流量の2倍量を排気させた。
ガスの温度と流速の計測には、熱線風速計(カノマックス社製、クリモマスター6543)を用いた。ガラス板は表3〜7に記載の表面処理温度に加熱して搬送した。ガラス基体の温度は、ガスを吹き付ける直前に放射温度計を設置して測定した。
得られた表面処理したガラス板を、表3〜7に示す条件(温度、時間)で化学強化した。化学強化後の評価結果(CS、DOL)および反りについての評価結果(反り、Δ反り量、反り改善率)、および表面処理したガラス板の表面における深さ0〜20μmの平均F濃度および深さ50〜70μmの平均F濃度をSIMS分析により測定した結果を表3〜7に示す。
CSおよびDOLは、折原製作所社製表面応力計(FSM−6000LE)を用いて測定した。なお、表6および表7の「(1)/(2)」欄に記載の数値は、各実施例及び比較例に記載の「(1)深さ0〜20μmの平均F濃度」を「(2)深さ50〜70μmの平均F濃度」で除した値である。上述の通り、平均F濃度の割り算は、平均F/Si値の割り算と同じ意味を持つ。
Figure 2013146441
Figure 2013146441
Figure 2013146441
Figure 2013146441
Figure 2013146441
表3〜7に示すように、ガラス板の表面をHF処理することにより、化学強化後のガラス板の反りが改善されることがわかった。なお、全実施例(HFを含むガスを吹いたもの)のサンプルについて凹部の発生が観察された。また、全比較例(HFを含まないガスを吹いたもの)のサンプルについて凹部の発生は観察されなかった。
[実施例5]
硝材Cのガラスリボンが流れるフロートバスにおいてHF処理(HF濃度0〜2.0%)を実施した。得られたガラス表面の深さ0〜20μmの平均フッ素濃度および深さ50〜70μmの平均フッ素濃度をSIMS分析により測定した。
得られた板厚0.7mmのガラスを100mm角3枚に切断し、その基板の90mm角部に相当する部分の対角線2本の反りを測定し、その平均値を強化前の反り量とした。その後、435℃に加熱されたKNO熔融塩中にガラスを4時間浸漬し化学強化を行った。次に、基板の90mm角部に相当する部分の対角線2本の反りを測定し、その平均値を強化後の反り量とした。
トップ面についての結果を表8に示す。実施例5−7および比較例5−1についてはボトム面の深さ0〜20μmの平均F濃度(S)も測定したが、それぞれ4.18×1017atoms/cm、7.22×1017atoms/cmであった。
尚、比較例5−1はHF処理をしていないリファレンスであるが、そのトップ面の深さ0〜20μmの平均F濃度(S)を便宜上表8の(1)の欄に示す。比較例5−1のSはSよりも小さいが、これはトップ面のフッ素がフロートバス内で揮散したためである。
深さ0〜20μmのデータ3点(比較例5−1のトップ面及びボトム面、実施例5−7のボトム面)から、実施例5−7のトップ面側深さ50〜70μmの数値4.24×1017atoms/cmは、HF処理されていないガラス表面と同等と考えることができる。 4.24×1017atoms/cmをSとして実施例5−1〜5−9、比較例5−1のS/Sを算出した結果を表8の(1)/(2)の欄に示す。
また、表中のたとえば「2.01E+18」は2.01×10+18の略記である。
また、表8の「(1)/(2)」欄に記載の数値は、各実施例及び比較例に記載の「(1)深さ0〜20μmの平均F濃度」を実施例5−7における「(2)深さ50〜70μmの平均F濃度」で除した値である。上述の通り、平均F濃度の割り算は、平均F/Si値の割り算と同じ意味を持つ。
表8の「F」欄に記載の数値は、(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)である。各実施例における「F」欄に記載の数値は、各実施例に記載の「(4)処理面深さ3μmのF濃度」と実施例5−7における「(5)非処理面深さ3μmのF濃度」の内、値の大きい方を分子、値の小さい方を分母として算出した値である。また、比較例5−1における「F」欄に記載の数値は、比較例5−1に記載の「(5)非処理面の深さ3μmのF濃度」を比較例5−1に記載の「(4)処理面の深さ3μmのF濃度」で除した値である。図14(a)に、横軸を「F」とし、縦軸をΔ反り量としてプロットした図を示す。
表8の「F20」欄に記載の数値は、(フッ素濃度の大きい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)である。各実施例における「F20」欄に記載の数値は、各実施例に記載の「(6)処理面深さ20μmのF濃度」と実施例5−7における「(7)非処理面深さ20μmのF濃度」の内、値の大きい方を分子、値の小さい方を分母として算出した値である。また、比較例5−1における「F20」欄に記載の数値は、比較例5−1における「(7)非処理面深さ20μmのF濃度」を比較例5−1に記載の「(6)処理面深さ20μmのF濃度」で除した値である。
表8の「a」欄に記載の数値は、下記式により求めた。図14(b)に、横軸をa、縦軸をΔ反り量としてプロットした図を示す。
a=(F20−F)/17
20=(フッ素濃度の大きい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)
=(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
表8の「b」欄に記載の数値は、下記式により求めた。図14(c)に、横軸をb、縦軸をΔ反り量としてプロットした図を示す。
b=F−3×a
a=(F20−F)/17
20=(フッ素濃度の大きい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)
=(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
Figure 2013146441
表8に示すように、HFで表面処理した実施例5−7のガラス板は、HFで表面処理しなかった比較例5−1と比較して、化学強化後の反りが改善されていた。このことから、一方の面の深さ0〜20μmにおけるSIMS分析における平均フッ素濃度が、もう一方の面の深さ0〜20μmにおける平均フッ素濃度より大きいガラス板は、Δ反り量が小さくなり、化学強化後の反りが改善されることが分かった。
図4(b)に示すように、aを−0.2以下とすることにより、Δ反り量が小さくなり、化学強化後の反りが改善されることが分かった。また、図4(c)に示すように、bを5以上とすることにより、Δ反り量が小さくなり、化学強化後の反りが改善されることが分かった。さらに、図4(a)に示すように、Fを5以上とすることにより、Δ反り量が小さくなり、化学強化後の反りが改善されることが分かった。なお、実施例5−1〜5−4および比較例5−1〜5−2について凹部の発生は観察されなかった。また、実施例5−5〜5−8について凹部の発生が観察された。
[実施例6]
図10(a)に示すように、前述の硝材Cのガラスリボンが流れるフロートバスにおいて、ガラスリボン101が約800℃の位置に挿入したビーム102により、ガラスリボン101にHFを表9に示す条件で吹きつけた。
実施例6−1では、表9に示すように、オペレーション条件を吹きつけるプロセスガスのHFモル濃度を変更することにより、部位[図10(a)におけるX1:ガラスリボン101の幅方向の中心から1741.5mm、X2:ガラスリボン101の幅方向の中心、X3:ガラスリボン101の幅方向の中心から−1841.5mm、X1〜X3はすべてビーム直下の位置]によってHF供給量を変更した。
得られた板厚0.7mmのガラスについて、ガラスリボン101の幅方向の中心および該中心から、(ガラスリボンの中心位置を原点、流れ進行方向に向かって右側を正方向として)+1741.5、0、−1841.5mmにおける部位において100mm角に切断し、各基板の90mm角部分の反りに相当する値を測定し、強化前の反り量とした。その後、450℃に加熱されたKNO溶融塩中にガラスを2時間浸漬し、化学強化を行った。
次に、基板の90mm角部分の反りに相当する値を測定し、その平均値を強化後の反り量とした。また、図10(a)に示すガラスリボン101の幅方向の中心から368mmの位置のガラスを切断して表面応力の値を測定した。その結果を表9に示す。
また、前記部位X1、X2、X3に対応する位置の各ガラスについて、トップ面およびボトム面の深さ0〜20μmにおけるF/Si強度比ならびにトップ面の深さ50〜70μmにおけるF/Si強度比を同表のF/Si強度比平均値の欄に示す。なお、同表中のたとえば「5.2E+18」は5.2×1018の略記であり、「→」は当該欄の数値が右隣の欄の数値と同じであることを示す。
Figure 2013146441
表9に示すように、比較例6−1より、ガラスリボンの幅方向によって反り量が異なることがわかった。また、全部位でHF吹きつけ濃度が同じ実施例6−2と比べて、実施例6−1は、部位ごとの強化後反り量がより0μmに近い値であった。この結果から、部位によってHF供給量を変えることで、ガラスリボン幅方向で強化後反り量をより均一な値に近づけることができることがわかった。なお、実施例6−1〜6−2および比較例3−1について凹部の発生は観察されなかった。
[実施例7]
図10(a)に示すように、前述の硝材Cのガラスリボンが流れるフロートバスにおいて、ガラスリボン101が750〜800℃程度の位置に挿入したビーム102により、ガラスリボン101にHFを表10に示す条件で吹きつけた。
得られた板厚0.71mmのガラスを100mm角の大きさに切断した。この時、ガラスを切断する位置は、(ガラスリボンの中心位置を原点、流れ進行方向に向かって右側を正方向として)X=−368mmとした。切断した100mm角ガラス基板の90mm角範囲の反り量を、化学強化前反り量として測定した。その後、450℃に加熱されたKNO溶融塩中にガラスを2時間侵積し、化学強化を行った。次に、ガラス基板の90mm角範囲の反り量を、化学強化後反り量として測定した。表面応力の値も同サンプルにて測定した。その結果を表9に示す。
また、各ガラスについて、化学強化前に、SIMS分析によりガラス表面におけるフッ素導入量を測定し、反り改善率とガラス表面から深さ20μmに導入されたフッ素導入量を測定した。その結果を表9に示す。また、(1)T面(処理面)0−20μm深さのF/Si強度比を、(2)B面(非処理面)0−20μm深さのF/Si強度比で除した値と、反り改善率との相関関係について得られた結果を図15に示す。なお、同表中の例えば「4.0E+17」は4.0×1017の略記であることを示す。
Figure 2013146441
表10および図15に示すように、表面をHF処理してΔF/Si強度比を高めた後に化学強化することにより、化学強化後のガラス板の反りが改善されることがわかった。なお、実施例7−1〜7−4、実施例7−11、実施例7−21〜7−24および比較例7−1、比較例7−21について凹部の発生は観察されなかった。また、実施例7−5、実施例7−12〜7−15について凹部の発生が観察された。
[実施例8]
実施例5および6の設備を用いて作製された、フロートバス内でHF処理したガラスのSEM観察結果に基づいて、HF総接触量および処理温度と凹部発生の有無との相関関係について解析した結果を図16に示す。
得られた結果から、HF総接触量とHF処理温度が下記式(a)を満たすことにより、HF処理による凹部は発生しないことがわかった。
Y>81lnX+1500…式(a)
式(a)において、YはHF処理温度(℃)、XはHF総接触量(mol/cm)を表わし、Xは下記式(b)により求めた。
[HF総接触量(mol/cm)]=[HFガス濃度(体積%)]×[ガス流量(mol/s/cm)]×[処理時間(s)]…(b)
処理時間は、ガス吹き付け領域長さ(m)をガラスリボン速度(m/s)で除した値であり、ガス吹き付け領域長さは図5(b)についていえば「OUT」の文字が付されている2個のガス流路間の距離すなわちガスがガラスリボンと接触している距離である。
[実施例9]
硝材Cのガラスリボンが流れるフロートバスにおいて、HF処理を実施した。HF処理は、(1)未処理、(2)ガラスリボン749℃におけるHF総接触量1.92×10−5(mol/cm)での処理、(3)ガラスリボン749℃におけるHF総接触量1.28×10−4(mol/cm)での処理、または(4)ガラスリボン749℃におけるHF総接触量1.92×10−4(mol/cm)での処理とした。得られた各ガラス板(50mm角)をKNOにより453℃にて200分間化学強化処理し、BOR試験により強度を評価した。また、SEM(倍率は50000倍)によりガラス板の表面を観察した。その結果を図18に示す。
図18に示す結果から、HF処理におけるHF濃度が高くなると凹部が増え、ガラス板の強度が下がることが分かった。SEM観察結果からガラス表面の凹部密度を見積もると、それぞれのガラス表面において、(1)及び(2)は、0個/μm、(3)は7個/μm、(4)は13個/μmであった。また、観察された凹部は、直径10〜30nm、且つ深さが10nm以上である。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更および変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお本出願は、2012年3月26日付で出願された日本特許出願(特願2012−069557)、2012年3月29日付で出願された日本特許出願(特願2012−078171)、2012年3月30日付で出願された日本特許出願(特願2012−081072)、2012年3月30日付で出願された日本特許出願(特願2012−081073)および2012年12月19日付で出願された日本特許出願(特願2012−276840)に基づいており、その全体が引用により援用される。
1 中央スリット
2 外スリット
4 流路
5 排気スリット
20 ガラス板
30 カバーガラス
40 ディスプレイ装置
41,42 機能膜
15 筐体
45 表示パネル
50 石英管
51 ガラス板
52 ガス導入ノズル
60 管状炉
61 反応容器
62 サンプル乗せ台車
63 サンプル
64 スライダー
65 導入チューブ
66 サンプル取り出し棒
101 ガラスリボン
102 ビーム
103 ラジエーションゲート
110 ガラスリボンの幅方向
111,112,113 ガス系統
114,115 隔壁
116 ガス吹き穴

Claims (23)

  1. 横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きく、両者の比が1.4より大きいガラス板。
  2. フロート法により製造されたガラス板である請求項1に記載のガラス板。
  3. フロート法により製造されたガラス板であって、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、トップ面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がボトム面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きいガラス板。
  4. トップ面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値とボトム面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値の比が4.74以上である請求項3に記載のガラス板。
  5. 横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値が、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きいガラス板。
  6. 横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)を、同方向から見た深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値(S/S)が2.1以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス板。
  7. 少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)を、同方向から見た深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値(S)で除した値(S/S)が2.1〜50である請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス板。
  8. 厚みが1.5mm以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラス板。
  9. 厚みが0.8mm以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載のガラス板。
  10. 一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値が大きい方の表面に直径が10nm以上である凹部が存在しない、または同凹部が6個/μm以下の密度で存在する請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス板。
  11. フロート法により製造され、フロートバスにおいて一方の面がHF処理されたガラス板であって、HF処理温度とHF総接触量が下記式(a)を満たすガラス板。
    Y>81lnX+1500…(a)
    式(a)において、YはHF処理温度(℃)、XはHF総接触量(mol/cm)を表わし、Xは下記式(b)により求められる。
    [HF総接触量(mol/cm)]=[HFガス濃度(体積%)]×[ガス流量(mol/s/cm)]×[処理時間(s)]…(b)
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のガラス板を化学強化して得られるガラス板。
  13. カバーガラスを備えたフラットパネルディスプレイ装置であって、該カバーガラスが請求項12に記載の化学強化ガラス板であるフラットパネルディスプレイ装置。
  14. 化学強化されたガラス板であって、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がもう一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きく、両者の比が1.4より大きいガラス板。
  15. フロート法により製造されたガラス板が化学強化されたものである請求項14に記載のガラス板。
  16. フロート法により製造されたガラス板を化学強化したガラス板であって、横軸を深さとし、且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、トップ面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値がボトム面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きいガラス板。
  17. トップ面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値とボトム面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値の比が4.74以上である請求項16に記載のガラス板。
  18. 化学強化されたガラス板であって、横軸を深さとし且つ縦軸をF/Si強度比とする二次イオン質量分析装置(SIMS)による深さ方向プロファイル上で、少なくとも一方の面の深さ0〜20μmにおける深さ方向プロファイルの平均値が、深さ50〜70μmにおける深さ方向プロファイルの平均値より大きいガラス板。
  19. 溶融ガラスを溶融金属上に供給してガラスリボンに成形する工程を含むフロートガラスの製造方法であって、該ガラスのTgが550℃以上であり、その構造中にフッ素原子が存在する分子を含有する気体を600℃以上の該ガラスリボンに吹き付けるフロートガラスの製造方法。
  20. 前記ガラスのTgが650℃超である請求項19に記載のフロートガラスの製造方法。
  21. 一方の面におけるフッ素濃度が他方の面におけるフッ素濃度より大きいフッ素含有ガラス板であって、下記式で表されるaが−0.2以下であるガラス板。
    a=(F20−F)/17
    20=(フッ素濃度の大きい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)
    =(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
  22. 一方の面におけるフッ素濃度が他方の面におけるフッ素濃度より大きいフッ素含有ガラス板であって、下記式で表されるbが5以上であるガラス板。
    b=F−3×a
    a=(F20−F)/17
    20=(フッ素濃度の大きい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ20μmのSIMSによるフッ素濃度)
    =(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
  23. 一方の面におけるフッ素濃度が他方の面におけるフッ素濃度より大きいフッ素含有ガラス板であって、下記式で表されるFが5以上であるガラス板。
    =(フッ素濃度の大きい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)/(フッ素濃度の小さい面における深さ3μmのSIMSによるフッ素濃度)
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