JP6801499B2 - ディスプレイ用ガラス基板、及びディスプレイ用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスプレイ用ガラス基板、及びディスプレイ用ガラス基板の製造方法に関する。
フラットパネルディスプレイ(FPD)においては、ガラス基板上に透明電極、半導体素子等を形成したものが基板として用いられる。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)においては、ガラス基板上に透明電極、TFT(Thin Film Transistor)等が形成されたものが基板として用いられる。
ガラス基板上への透明電極、半導体素子等の形成は、ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面を吸着ステージ上に真空吸着によって固定した状態で行われる。しかし、透明電極、半導体素子等が形成されたガラス基板を吸着ステージから剥離する際に、ガラス基板が帯電し、TFT等の半導体素子の静電破壊が起こる。
剥離帯電の発生を抑制するため、吸着ステージに接する側のガラス基板の表面を粗面化処理し、ガラス基板と吸着ステージとの接触面積を小さくすることが行われる。粗面化処理の方法として、例えば、ガラス基板の表面を大気圧プラズマプロセスで化学処理する方法が知られている(特許文献1)。
国際公開第2010/128673号
しかし、従来の方法は、ガラス基板と吸着ステージとの仕事関数の差を考慮していないため、剥離帯電の発生が充分に抑えられず、半導体素子の静電破壊が起こる場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、吸着ステージから剥離する際に剥離帯電が発生しにくいディスプレイ用ガラス基板、及びその製造方法を提供する。
本発明は、ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面から深さ0〜10nmにおけるフッ素濃度(mol%)の平均値をF0-10nmとし、該ガラス表面から深さ100〜400nmにおけるフッ素濃度(mol%)の平均値をF100-400nmとするとき、F0-10nm/F100-400nm≧3であり、前記半導体素子形成面とは反対側のガラス表面の表面粗さRaが0.3nm以上であることを特徴とする、ディスプレイ用ガラス基板を提供する。
また、本発明は、熱処理装置内を搬送される板ガラスの一方の表面に対し、フッ化水素(HF)を含有する気体を供給する手順を有するディスプレイ用ガラス基板の製造方法であって、
前記板ガラスの一方の表面が、ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面であり、
前記HFを含有する気体はHF濃度が0.5〜30vol%であり、
前記HFを含有する気体を供給するガラス表面温度が500〜900℃であることを特徴とするディスプレイ用ガラス基板の製造方法を提供する。
本発明のディスプレイ用ガラス基板は、吸着ステージから剥離する際に剥離帯電が発生しにくい。
図1は、本発明の実施形態に係るディスプレイ用ガラス基板の製造方法の説明図であって、熱処理装置の一構成例を示した模式図である。 図2は、本発明の実施形態に係るディスプレイ用ガラス基板の製造方法の説明図であって、熱処理装置の別の一構成例を示した模式図である。 図3は、本発明の実施形態に係るディスプレイ用ガラス基板の製造方法の説明図であって、フロートガラス製造装置の概略を示す断面図である。 図4は、実施例におけるインジェクタのスリット幅(a)、処理長(b)、処理幅(c)の関係を示した図である。 図5は、実施例(例4、例11)におけるガラス板の表面からの深さと、ガラス板中のフッ素濃度との関係を示したグラフである。 図6(a)は、実施例における照射光エネルギーXと、光電子放出数の平方根Yとの関係を示したグラフである。図6(b)は、照射光エネルギーXが5.5〜6.0eVにおける図6(a)の拡大図である。
[ディスプレイ用ガラス基板]
以下、本発明の実施形態に係るディスプレイ用ガラス基板について説明する。
本実施形態のディスプレイ用ガラス基板は、そのガラス組成は特に限定されず、ソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等、幅広いガラス組成であってよい。
一般に、接触帯電は、物質同士の仕事関数の差が大きいと発生しやすい。仕事関数とは、固体内にある電子を、固体の外、正確には真空中に取り出すために必要な最小限のエネルギーの大きさのことである。仕事関数が小さい物質から大きい物質へ電子が移動することにより、帯電が発生する。ガラス基板は、吸着ステージとの仕事関数の差により、帯電が発生する。
そのため、本願発明者らは、ガラス基板の帯電量を減少させるために、ガラス基板の仕事関数に着目した。しかしながら、ガラス基板の仕事関数を測定する方法は確立されていない。
本願発明者らは鋭意検討し、ガラス基板の表面近傍と内部とのフッ素原子濃度差が、ガラス基板と、吸着ステージとの仕事関数の差に関連することを見出した。
すなわち、電気陰性度が高いフッ素原子をガラス基板の表面近傍に高濃度化することによってエネルギー準位の変化が起き、ガラス基板の仕事関数が変化する。
ガラス基板の帯電量は、一般にガラス基板と、吸着ステージとの仕事関数の差によって決まっているとされ(高抵抗絶縁ガラスの接触帯電特性、北林宏佳、藤井治久、電学論A、125巻2号、179−184頁、2005年)、ガラス基板の表面近傍へのフッ素原子の侵入によってその差を小さくしていると考えられる。
本実施形態のディスプレイ用ガラス基板は、ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面から深さ0〜10nmにおけるフッ素濃度(mol%)の平均値をF0-10nmとし、該ガラス表面から深さ100〜400nmにおけるフッ素濃度(mol%)の平均値をF100-400nmとするとき、F0-10nm/F100-400nm≧3である。
これによりガラス基板と、吸着ステージとの仕事関数の差が小さくなり、ガラス基板の剥離帯電を抑制することができる。
ここで、ガラス基板の表面近傍のフッ素濃度を上記F0-10nmとし、ガラス基板の内部のフッ素濃度を上記F100-400nmとした理由は以下に記載する通りである。
接触帯電における電子の移動は、主に、ガラス基板表面から深さ0〜10nmの領域で発生し、該領域と深さ100〜400nmの領域との相互作用に支配されている。
なお、上記F0-10nmおよびF100-400nmは、X線光電子分光分析(XPS)により測定できる。
本実施形態のディスプレイ用ガラス基板において、F0-10nm/F100-400nm≧5であることが好ましく、F0-10nm/F100-400nm≧10であることがより好ましい。
ガラス基板の表面近傍とガラス基板の内部とのフッ素原子濃度差が大きすぎるとヘイズが悪化するので好ましくない。
0-10nm/F100-400nm≦150であることがヘイズの悪化を抑制できるため好ましく、F0-10nm/F100-400nm≦100がより好ましい。
また、ガラス表面の表面粗さが大きいほど、ガラス基板と、吸着ステージとの接触面積が小さくなり、電子の移動が起こりにくくなるため、ガラス基板の剥離帯電を抑制することができる(高抵抗絶縁ガラスの接触帯電特性、北林宏佳、藤井治久、電学論A、125巻2号、179−184頁、2005年)。
本実施形態のディスプレイ用ガラス基板は、ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面の表面粗さRaが0.3nm以上である。
これによりガラス基板と、吸着ステージとの仕事関数の差が小さくなり、ガラス基板の剥離帯電を抑制することができる。
表面粗さRaは原子間力顕微鏡(AFM)により測定できる。
表面粗さRaは0.7nm以上であることが好ましい。
但し、表面粗さRaが大きすぎると、ガラス表面に大きな欠陥が発生し、ガラス基板の強度が低下するおそれがある。表面粗さRaは5nm以下であることが、ガラス表面に大きな欠陥が発生せず、ガラス基板の強度が低下するおそれがないため好ましい。表面粗さRaは2nm以下であることがより好ましい。
本実施形態のディスプレイ用ガラス基板は、後述する実施例に記載の手順で測定される剥離帯電量が−10kV以上であることが好ましい。
これにより、ディスプレイ用ガラス基板上に形成した半導体素子の静電破壊が防止される。
剥離帯電量は−7kV以上であることがより好ましく、−5kV以上であることがさらに好ましい。
光電子収量分光(PYS)測定により得られる照射光エネルギーと、光電子放出数の平方根とをプロットすると、照射光エネルギーがある数値に達した時点で、光電子放出数の平方根が急激に増加する。この際に閾値となる照射光エネルギーが仕事関数である。照射エネルギーをさらに増加させると、光電子放出数の平方根が線型的に増加する。
本願発明者らは鋭意検討した結果、この線型的な増加の傾きと、ガラス基板の剥離帯電量との間に相関性があることを見出した。
本実施形態のディスプレイ用ガラス基板は、光電子収量分光(PYS)測定により得られる照射光エネルギーをX(eV)とし、光電子放出数の平方根をYとするとき、Xが5.5〜6.0eVにおけるYの傾きΔY/ΔXが10以上であることが好ましい。ガラス基板の仕事関数は5.5eVよりも小さい。Xが5.5〜6.0eVの領域は、Yが線型的に増加する領域である。
傾きΔY/ΔXは、5.5〜6.0eVにおける電子の状態密度を近似的に表している。傾きΔY/ΔXが大きいほど、ガラス基板は電子を受け取りにくくなり、帯電しにくくなると考えられる。
本実施形態のディスプレイ用ガラス基板は、ΔY/ΔX≧20であることがより好ましく、ΔY/ΔX≧50であることがさらに好ましい。
本実施形態のディスプレイ用ガラス基板の寸法は特に限定されないが、ガラス基板の剥離帯電を抑制させるため、大型のガラス基板に好適である。具体的には、2500mm×2200mm以上であることが好ましく、3130mm×2880mm以上であることがより好ましい。
板厚についても特に限定されないが、ガラス基板の剥離帯電を抑制させるため、薄板のガラス基板に好適である。具体的には、1.0mm以下であることが好ましく、0.75mm以下であることがより好ましく、0.45mm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態のディスプレイ用ガラス基板は、無アルカリガラスであることが好ましい。
無アルカリガラスは、下記酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2を50〜73%、Al23を10.5〜24%、B23を0.1〜12%、MgOを0〜8%、CaOを0〜14.5%、SrOを0〜24%、BaOを0〜13.5%、ZrO2を0〜5%含有し、かつ、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量(MgO+CaO+SrO+BaO)が8〜29.5%であることが好ましい。
また、無アルカリガラスは、下記酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2を58〜66%、Al23を15〜22%、B23を5〜12%、MgOを0〜8%、CaOを0〜9%、SrOを3〜12.5%、BaOを0〜2%含有し、かつ、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量(MgO+CaO+SrO+BaO)が9〜18%であることが好ましい。
また、無アルカリガラスは、下記酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2を54〜73%、Al23を10.5〜22.5%、B23を0.1〜5.5%、MgOを0〜8%、CaOを0〜9%、SrOを0〜16%、BaOを0〜2.5%含有し、かつ、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量(MgO+CaO+SrO+BaO)が8〜26%であることが好ましい。
[ディスプレイ用ガラス基板の製造方法]
次に、本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法の構成例について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るディスプレイ用ガラス基板の製造方法の説明図であって、熱処理装置の一構成例を示した模式図である。
図1に示す熱処理装置60において、板ガラス20は矢印方向に搬送される。搬送手段は特に限定されないが、例えば、図示しない搬送ロールである。また、熱処理装置60および後述する熱処理装置62は、図示しないヒータを備える。
ここで、板ガラス20の下面22が、ディスプレイ用ガラス基板における半導体素子形成面であり、板ガラス20の上面24が半導体素子形成面の反対側のガラス表面であり、上述したように、半導体素子形成時には、吸着ステージ上に真空吸着によって固定される。
図1に示す熱処理装置60は、インジェクタ70を有している。インジェクタ70の供給口71から板ガラス20の上面24に吹き付けられた気体は、板ガラス20の移動方向に対して順方向又は逆方向の流路74を移動し、排気口75へ流出する。
図1に示したインジェクタ70は、供給口71から排気口75へのガスの流れが板ガラス20の移動方向に対して、順方向と逆方向に均等に分かれる両流しタイプのインジェクタである。
図2は、熱処理装置の別の一構成例を示した模式図である。図2に示す熱処理装置62は、インジェクタ80を有している。インジェクタ80は片流しタイプのインジェクタである。片流しタイプのインジェクタとは、供給口81から排気口85へのガスの流れが板ガラス20の移動方向に対して順方向もしくは逆方向のいずれかに固定されるインジェクタである。図2に示すインジェクタ80は、供給口81から排気口85へのガスの流れ84が板ガラス20の移動方向に対して順方向である。但し、これに限定されず、供給口81から排気口85へのガスの流れが板ガラス20の移動方向に対して逆方向であってもよい。
本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法では、インジェクタ70、80の供給口71、81から板ガラス20の上面24に対しフッ化水素(HF)を含有する気体を供給する。
これにより、半導体素子形成面の反対側のガラス表面近傍のフッ素濃度が、ガラス基板内部のフッ素濃度に比べて高くなり、ガラス基板と、吸着ステージとの仕事関数の差が小さくなり、ガラス基板の剥離帯電を抑制することができる。
本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法では、HFを含有する気体を供給するガラス表面温度、すなわち、板ガラス20の上面24の温度を500〜900℃とする。ガラス表面温度を500℃以上とすることにより以下の効果を奏する。
フッ素がガラス表面近傍に侵入し、ガラス表面近傍のフッ素濃度が、ガラス基板内部のフッ素濃度に比べて高くなる。ガラス表面温度は550℃以上がより好ましく、600℃以上がさらに好ましい。
また、ガラス表面温度を900℃以下とすることにより以下の効果を奏する。
ガラス表面の表面粗さRaが大きくなり過ぎるのを抑制し、一様な表面形状を形成する。
ガラス表面温度は850℃以下がより好ましく、800℃以下がさらに好ましい。
本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法では、HFを含有する気体は、熱処理装置60、62のインジェクタ70、80等の設備の腐食防止の観点から、窒素(N2)や希ガスといった不活性ガスをキャリアガスとして使用し、これらキャリアガスとの混合ガスとして板ガラス20の上面24に供給する。
インジェクタ70、80の供給口71、81から供給するHFを含有する気体のHF濃度を0.5〜30vol%とする。HF濃度を0.5vol%以上とすることにより以下の効果を奏する。
フッ素がガラス表面近傍に侵入し、ガラス表面近傍のフッ素濃度が、ガラス基板内部のフッ素濃度に比べて高くなる。
HF濃度は2vol%以上がより好ましく、4vol%以上がさらに好ましい。
また、HF濃度を30vol%以下とすることにより以下の効果を奏する。
ガラス表面とHFとの反応により形成されるガラス表面の欠陥が発生するのを抑制し、ガラス基板の強度が低下するのを抑制することができる。HF濃度は26vol%以下がより好ましく、22vol%以下がさらに好ましい。
インジェクタ70、80の供給口71、81と板ガラス20の上面24との距離Dは、好ましくは5〜50mmである。距離Dは、より好ましくは8mm以上である。また、距離Dは、より好ましくは30mm以下、さらに好ましくは20mm以下である。距離Dを5mm以上とすることにより、例えば地震等によって板ガラス20が振動しても、板ガラス20の上面24とインジェクタ70、80との接触を回避できる。一方、距離Dを50mm以下とすることにより、気体が装置内部で拡散するのを抑制し、所望するガス量に対して、板ガラス20の上面24に充分な量のガスを到達させることができる。
インジェクタ70、80の板ガラス20の移動方向の距離Lは、好ましくは100〜500mmである。距離Lは、より好ましくは150mm以上、さらに好ましくは200mm以上である。また、距離Lは、より好ましくは450mm以下、さらに好ましくは400mm以下である。距離Lを100mm以上とすることにより、供給口71、81と排気口75、85とを設けることができる。特に、インジェクタ70の距離Lは150mm以上、インジェクタ80の距離Lは100mm以上であることが好ましい。一方、距離Lを500mm以下とすることにより、インジェクタ70、80による板ガラス20の脱熱量を抑制できるため、複数のヒータの出力を抑制できる。
インジェクタ70、80の板ガラス20の幅方向の距離は、板ガラス20の該方向の製品領域以上の距離を有することが好ましい。本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法をオンライン処理として実施する場合、好ましくは3000mm以上、より好ましくは4000mm以上である。
また、HFを含有する気体の流速(線速度)は、好ましくは20〜300cm/sである。流速(線速度)を20cm/s以上とすることにより、HFを含有する気体の気流が安定し、ガラス表面を一様に処理することができる。流速(線速度)は、より好ましくは50cm/s以上、さらに好ましくは80cm/s以上である。
また、後述するように、本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法をオンライン処理として実施する場合、流速(線速度)を300cm/s以下とすることにより、気体が徐冷装置の内部で拡散するのを抑制した状態で、ガラスリボンのトップ面に充分な量のガスを到達させることができる。流速(線速度)は、より好ましくは250cm/s以下、さらに好ましくは200cm/s以下である。
本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法はオンライン処理として実施してもよく、オフライン処理として実施してもよい。本明細書における「オンライン処理」とは、フロート法やダウンドロー法などで成形されたガラスリボンを徐冷する徐冷過程において、本発明の方法を適用する場合を指す。一方、「オフライン処理」とは、成形され所望の大きさに切断された板ガラスに対して、本発明の方法を適用する場合を指す。したがって、本明細書における板ガラスは、成形され所望の大きさにカットされた板ガラスに加えて、フロート法やダウンドロー法などで成形されたガラスリボンを含む。
本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法はオンライン処理として実施することが以下の理由から好ましい。
オフライン処理だと、工程を増やす必要があるのに対し、オンライン処理だと、工程を増やす必要がないので、低コストで処理が可能となる。また、オフライン処理だと、HFを含有する気体が、ガラス基板間で、ガラス基板の半導体素子形成面に回り込むのに対し、ガラスリボンのオンライン処理だと、HFを含有する気体の回り込みを抑制することができる。
ディスプレイ用ガラス基板のような板ガラスの製造手順は、ガラス原料を溶解し溶融ガラスとする溶解工程と、上記溶解工程で得られた溶融ガラスを帯状に成形してガラスリボンとする成形工程と、上記成形工程で得られたガラスリボンを徐冷する徐冷工程と、を有する。上記の成形工程としては、フロート法によるフロート成形工程、ダウンドロー法によるダウンドロー成形工程が挙げられる。
本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法をオンライン処理として実施する場合、上記徐冷工程において、ガラスリボンのトップ面に対しHFを含有する気体を供給する。
図3は、本発明の実施形態に係るディスプレイ用ガラス基板の製造方法の説明図であって、フロートガラス製造装置の概略を示す断面図である。
図3に示すフロートガラス製造装置100は、ガラス原料10を溶解し溶融ガラス12とする溶解装置200と、溶解装置200から供給される溶融ガラス12を帯状に成形してガラスリボン14とする成形装置300と、成形装置300で成形されたガラスリボン14を徐冷する徐冷装置400とを備える。
溶解装置200は、溶融ガラス12を収容する溶解槽210と、溶解槽210内に収容される溶融ガラス12の上方に火炎を形成するバーナ220とを備える。溶解槽210内に投入されたガラス原料10は、バーナ220が形成する火炎からの輻射熱によって溶融ガラス12に徐々に溶け込む。溶融ガラス12は、溶解槽210から成形装置300に連続的に供給される。
成形装置300は、溶融スズ310を収容する浴槽320を備える。成形装置300は、溶融スズ310上に連続的に供給される溶融ガラス12を溶融スズ310上で所定方向に流動させることにより帯状に成形し、ガラスリボン14とする。成形装置300内の雰囲気温度は、成形装置300の入口から出口に向かうほど低温となっている。成形装置300内の雰囲気温度は、成形装置300内に設けられるヒータ(不図示)等で調整される。ガラスリボン14は、所定方向に流動しながら冷却され、浴槽320の下流域で溶融スズ310から引き上げられる。溶融スズ310から引き上げられたガラスリボン14は、リフトアウトロール510によって徐冷装置400に搬送される。
徐冷装置400は、成形装置300で成形されたガラスリボン14を徐冷する。徐冷装置400は、例えば、断熱構造の徐冷炉(レア)410と、徐冷炉410内に配設され、ガラスリボン14を所定方向に搬送する複数の搬送ロール420とを含む。徐冷炉410内の雰囲気温度は、徐冷炉410の入口から出口に向かうほど低温となっている。徐冷炉410内の雰囲気温度は、徐冷炉410内に設けられるヒータ440等で調整される。徐冷炉410の出口から搬出されたガラスリボン14は、切断機で所定のサイズに切断され、製品として出荷される。
製品として出荷される前に、必要に応じて、ガラス基板の両表面の少なくとも一方を研磨し、ガラス基板を洗浄してもよい。なお、本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法はオンライン処理として実施する場合、ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面が、ガラスリボン14のトップ面に対応し、半導体素子形成面が、ガラスリボン14のボトム面に対応する。
本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法では、半導体素子形成面の反対側のガラス表面近傍のフッ素濃度をガラス基板内部のフッ素濃度に比べて高くすることにより、ガラス基板と、吸着ステージとの仕事関数の差を小さくし、ガラス基板の剥離帯電を抑制するため、研磨を実施する場合はガラスリボン14のボトム面のみを研磨するのが好ましい。ガラス基板の半導体素子形成面は、酸化セリウム水溶液を供給しながら研磨具によって研磨する。研磨に際して、酸化セリウム水溶液の一部は、ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面に回り込み、スラリー残渣となる。
ガラス基板の洗浄は、例えば、シャワー洗浄、ディスクブラシを使用したスラリー洗浄、シャワーリンスによって行われる。スラリー洗浄は、ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面に、スラリー(例えば、酸化セリウム水溶液、炭酸カルシウム水溶液)を供給しながらディスクブラシで研磨することにより、半導体素子形成面とは反対側のガラス表面に残っているスラリー残渣を除去する。
図3に示すフロートガラス製造装置100は、本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法をオンライン処理として実施するため、徐冷装置400内のガラスリボン14の上方にインジェクタ70、80が設置されており、このインジェクタ70、80を用いて、ガラスリボン14のトップ面に、フッ化水素(HF)を含有する気体を供給する。なお、図1、2に示す熱処理装置60、62は、本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法をオンライン処理として実施する場合、図3に示す徐冷装置400に対応する。
また、図3では、インジェクタ70、80は、徐冷装置400内に設置されているが、本発明の別の実施形態に係るフロートガラス製造装置は、HFを含有する気体を供給するガラス表面温度が500〜900℃であれば、インジェクタを成形装置300内に設置してもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例について具体的に説明する。なお、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
(実験例1)
実験例1では、オフライン処理として、本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法を実施した。
実験例1では、SiO2:59.5%、Al23:17%、B23:8%、MgO:3.3%、CaO:4%、SrO:7.6%、BaO:0.1%、ZrO2:0.1%を含有し、MgO+CaO+SrO+BaO:15%であって、残部が不可避的不純物であり、アルカリ金属酸化物の含有量の合量が0.1%以下である無アルカリガラス板(520mm×410mm×厚さ0.5mm)を準備した。図1に示す熱処理装置のインジェクタ70から、無アルカリガラス板の上面にHFを含む気体を供給した。図4は、実験例1におけるインジェクタのスリット幅(a)、処理長(b)、処理幅(c)の関係を示した図である。
実験例1では、上記a(mm)、b(mm)、c(mm)、および、HFを含む気体の流量(L/min)、処理時間(sec)、線速(mm/sec)は下記表1に示す条件とした。
また、インジェクタ70の供給口71とガラス板20の上面との距離Dは、10mmに設定した。
また、HFを含む気体を供給する際のガラス表面温度(表2中、温度と記載)、HF濃度(vol%)は下記表2に示す条件とした。表2中、例1、2は比較例、例3、4は実施例である。
HFを含む気体の供給後、ガラス表面温度を同じ温度で5min保持した後、30minかけて常温まで冷却した。
その後、以下に示す評価を実施した。
[ガラス基板の表面近傍と内部のF濃度(F0-10nm、F100-400nm)]
以下の手順でF0-10nmおよびF100-400nmを測定した。
上記の手順で得られたガラス基板を幅10mm×長さ10mmに切断し、ガラス基板のガラス表面からの深さ0、2、5、7、10nmにおけるF濃度(モル%)をX線光電子分光装置(アルバック・ファイ社製、ESCA5500)により測定した。深さ0、2、5、7、10nmにおけるF濃度の測定値を平均し、深さ0〜10nmにおけるF濃度の平均値F0-10nmを算出した。ガラス基板表面からの深さ10nmまでの研削は、C60イオンビームによりスパッタエッチングした。
また、ガラス基板のガラス表面からの深さ100、101、112、123、134、145、156、167、178、189、200、211、222、266、310、354、398、400nmにおけるF濃度(モル%)をX線光電子分光装置(アルバック・ファイ社製、ESCA5500)により測定した。深さ100〜400nmにおけるF濃度の測定値を平均し、深さ100〜400nmにおけるF濃度の平均値F100-400nmを算出した。
例4におけるガラス板の表面からの深さと、ガラス板中のフッ素濃度との関係を図5に示した。
[ガラス表面の平均表面粗さRa]
上記の手順で得られたガラス基板を幅5mm×長さ5mmに切断し、ガラス基板のガラス表面の平均表面粗さRa(算術平均表面粗さRa(JIS B0601−2013))を、以下の方法で測定した。ガラス基板のガラス表面を、原子間力顕微鏡(製品名:SPI−3800N、セイコーインスツル社製)を用いて観察した。カンチレバーは、SI−DF40P2を用いた。観察は、スキャンエリア5μm×5μmに対し、ダイナミック・フォース・モードを用いて、スキャンレート1Hzで行った(エリア内データ数:256×256)。この観察に基づき、各測定点での平均表面粗さRaを算出した。計算ソフトは、原子間力顕微鏡に付属のソフト(ソフト名:SPA−400)を用いた。
[ガラス基板の剥離帯電量]
上記の手順で得られたガラス基板の剥離帯電量を、以下の方法で測定した。幅410mm×長さ520mm×厚さ0.5mmのガラス基板をSUS304製の真空吸着ステージに接触させた後、ガラス基板の吸着と解放を110サイクル繰り返した。その後、真空吸着ステージから、リフトピンを用いてガラス基板を剥離した。ガラス基板が真空吸着ステージから離れて5cm上昇するまでの表面電位の変化を表面電位計(製品名:MODEL 341B、トレック・ジャパン社製)で測定した。測定結果のピーク値を剥離帯電量とした。
[PYS測定(ΔY/ΔX)]
例4については、下記手順で光電子収量分光(PYS)測定を実施し、照射光エネルギーXと、光電子放出数の平方根Yとの傾き(ΔY/ΔX)を求めた。
幅20mm×長さ20mm×厚さ0.5mmのガラス基板を準備した。紫外線の照射面は、ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面とした。照射面の光電子放出数は、大気中光電子分光測定装置AC−5(理研計器社製)を用いて測定した。照射紫外線強度は2000nWとした。紫外線は、照射光エネルギーXが4.2〜6.2eVの範囲で0.1eV刻みで照射した。光電子の計数時間は、0.1eV当たり5秒に設定した。
例4における照射光エネルギーXと、光電子放出数の平方根Yとの関係を示したグラフを図6(a)に示した。図6(b)は、照射光エネルギーXが5.5〜6.0eVにおける図6(a)の拡大図である。傾きΔY/ΔXは、Xが5.5〜6.0eVにおけるプロットを最小二乗法で線形近似して算出した。
(実験例2)
実験例2では、オンライン処理として、本発明のディスプレイ用ガラス基板の製造方法を実施した。
実験例2では、図3に示すフロートガラス製造装置100を用いて、SiO2:59.5%、Al23:17%、B23:8%、MgO:3.3%、CaO:4%、SrO:7.6%、BaO:0.1%、ZrO2:0.1%を含有し、MgO+CaO+SrO+BaO:15%であって、残部が不可避的不純物であり、アルカリ金属酸化物の含有量の合量が0.1%以下である、厚さ0.5mmの無アルカリガラス板を製造した。
溶解装置200でガラス原料10を溶解し溶融ガラス12とした後、溶融ガラス12を成形装置300に供給し、溶融ガラス12を帯状に成形してガラスリボン14を得た。成形装置300の出口からガラスリボン14を引き出した後、徐冷装置400内で徐冷した。
徐冷装置400内のガラスリボン14の温度が500℃の位置に、ガラスリボン14の移動方向の距離Lが300mmのインジェクタ70を設置した。
図4は、実験例2におけるインジェクタのスリット幅(a)、処理長(b)、処理幅(c)の関係を示した図である。
実験例2では、上記a(mm)、b(mm)、c(mm)、および、HFを含む気体の流量(L/min)、処理時間(sec)、線速(mm/sec)は下記表2に示す条件とした。
また、インジェクタ70の供給口71とガラス板20の上面との距離Dは、10mmに設定した。
また、HFを含む気体を供給する際のガラス表面温度(表3中、温度と記載)、HF濃度(vol%)は下記表3に示す条件とした。表3中、例11は比較例、例12、13は実施例である。
得られたガラス板を実験例1と同様の手順で評価した。例11におけるガラス板の表面からの深さと、ガラス板中のフッ素濃度との関係を図5に示した。
例11、13における照射光エネルギーXと、光電子放出数の平方根Yとの関係を示したグラフを図6(a)、図6(b)に示した。


0-10nm/F100-400nm<3、またはRaが0.3nm未満の例1、2、例11は、剥離帯電量が−10kV未満である。これに対し、F0-10nm/F100-400nm≧3であり、Raが0.3nm以上である例3、4、例12、13は、剥離帯電量が抑制されており、−10kV以上であった。また、例11ではΔY/ΔX<10であるのに対し、例4、例12、13はΔY/ΔX≧10であった。
10 ガラス原料
12 溶融ガラス
14 ガラスリボン
20 板ガラス
22 下面
24 上面
60、62 熱処理装置
70、80 インジェクタ
71、81 供給口
74、84 流路
75、85 排気口
100 フロートガラス製造装置
200 溶解装置
210 溶解槽
220 バーナ
300 成形装置
310 溶融スズ
320 浴槽
400 徐冷装置
410 徐冷炉
420 搬送ロール
440 ヒータ
510 リフトアウトロール

Claims (5)

  1. ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面から深さ0〜10nmにおけるフッ素濃度(mol%)の平均値をF0-10nmとし、該ガラス表面から深さ100〜400nmにおけるフッ素濃度(mol%)の平均値をF100-400nmとするとき、F0-10nm/F100-400nm≧3であり、
    前記半導体素子形成面とは反対側のガラス表面の表面粗さRaが0.3nm以上5nm以下であり、
    前記ガラス基板の剥離帯電量は−10kV以上であり、
    前記ガラス基板は無アルカリガラスであることを特徴とする、ディスプレイ用ガラス基板。
  2. ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面から深さ0〜10nmにおけるフッ素濃度(mol%)の平均値をF0-10nmとし、該ガラス表面から深さ100〜400nmにおけるフッ素濃度(mol%)の平均値をF100-400nmとするとき、F0-10nm/F100-400nm≧3であり、
    前記半導体素子形成面とは反対側のガラス表面の表面粗さRaが0.3nm以上5nm以下であり、
    光電子収量分光(PYS)測定での照射光エネルギーをX(eV)とし、光電子放出数の平方根をYとするとき、前記Xが5.5〜6.0eVにおける前記Yの傾きΔY/ΔXが10以上であり、
    前記ガラス基板は無アルカリガラスであることを特徴とする、ディスプレイ用ガラス基板。
  3. 熱処理装置内を搬送される板ガラスの一方の表面に対し、フッ化水素(HF)を含有する気体を供給する手順を有する、請求項1または2に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法であって、
    前記板ガラスの一方の表面が、ガラス基板の半導体素子形成面とは反対側のガラス表面であり、
    前記HFを含有する気体はHF濃度が0.5〜30vol%であり、
    前記HFを含有する気体を供給するガラス表面温度が500〜900℃であることを特徴とするディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
  4. ガラス原料を溶解し溶融ガラスとする溶解工程と、前記溶解工程で得られた溶融ガラスを帯状に成形してガラスリボンとする成形工程と、前記成形工程で得られたガラスリボンを徐冷する徐冷工程と、を有し、
    前記徐冷工程において、前記ガラスリボンのトップ面に対しHFを含有する気体を供給する、請求項3に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記成形工程がフロート成形工程である、請求項4に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
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