JP2012236737A - ガラスの製造方法及びガラス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス表面のナトリウム濃度を、ガラス中心部のナトリウム濃度よりも低くするナトリウム濃度低減工程を行った後、カリウムイオンを含む溶融塩に前記ガラスを浸漬し、前記ガラス中のナトリウムイオンの一部を前記カリウムイオンと置換する化学強化処理工程を行うガラスの製造方法。
【選択図】図1
Description
カバーガラスに対しては、機器等の小型化に伴い、軽量化、薄型化が要求されており、例えばモバイル機器等では、装置のモデルチェンジ毎により薄いガラスが採用される傾向にある。
しかしながら、ガラスの厚みを低減すると、強度が低下し、落下等による割れが生じ易くなる。このため、ガラスに対しては、薄型化とともに、強度が高く、優れた保護機能を得られるものが求められている。
また、化学強化処理法では、溶融塩中のアルカリイオンの濃度の減少に伴い、処理後のガラスの表面圧縮応力も低下する。このため、処理後のガラスの表面圧縮応力を指標として、溶融塩の追加または交換が行われるが、従来の方法では、表面圧縮応力の低下が比較的早期に生じるため、溶融塩の交換頻度が高くなり、このため、製造コストが高くなる上に、生産性にも劣るという問題がある。
また、前記ガラスをフロート法により製造することが好ましい。
また、溶融塩の交換頻度が低減されるため、生産性に優れたガラスの製造方法とすることができる。
また、本発明によれば、表面圧縮応力を向上させることができ、高強度で、保護機能に優れたガラスとすることができる。
本発明のガラスの製造方法は、ガラス表面のナトリウム濃度を、ガラス中心部のナトリウム濃度よりも低くするナトリウム濃度低減工程を行った後、カリウムイオンを含む溶融塩に前記ガラスを浸漬し、前記ガラス中のナトリウムイオンの一部を前記カリウムイオンと置換する化学強化処理工程を行うことを特徴とする。
図1は、本発明のガラスの製造方法に用いる製造装置の概略構成を示す図であり、ガラスの板成形をフロート法にて行うものである。ガラスの製造装置1は、ガラス原料を溶融する溶解炉2の後段に、溶融ガラスを所定の厚みに成形するフロートバス3、フロートバス3で得られたリボン状のガラス(以下、リボン状ガラス7と示す。)を冷却する冷却炉4が順次設けられている。
フロートバス3の出口部分を構成するシールドレア5内、冷却炉4内、及びその後段には、複数の搬送ロール6が並設されており、これら搬送ロール6により、リボン状ガラス7が順次後段に搬送されるように構成されている。
図1において、溶融炉2の投入口21から投入されたガラス原料は、溶融炉2内で加熱溶融された後、流入路22によりフロートバス3内に供給される。フロートバス3内に供給された溶融ガラスは、貯留槽31内に貯留された溶融スズ上面を浮流して均一な幅、厚みのリボン状に成形され、搬送ロール6によりシールドレア5に搬送される。
図2は、シールドレア5周辺の構造を拡大して示す断面図であり、図3は、シールドレア5内部を上方から見たときの拡大平面図である。
ガス吐出ノズル8は、リボン状ガラス7の幅と略同等の長さ領域に亘ってガス吐出口を有しており、図2及び3で示すように、リボン状ガラス7の下方に、その幅方向に延設されている。リボン状ガラス7は、シールドレア5内を通過する過程で、硫黄成分を含むガスがガス吐出ノズル8により吹き付けられ、ガラス表面に付着する。リボン状ガラス7表面では、ガラス表面のナトリウム成分と硫黄成分とが反応して、硫黄化合物が析出する。(ナトリウム濃度低減工程)
ガラス表面に析出した硫黄化合物は、後述する洗浄工程もしくは化学強化処理工程において除去されるまでの間、搬送ローラ等との接触によるガラス表面へのキズ入りを抑制し、ガラスの強度向上に寄与する。
ガラス表面の硫黄化合物は、ガラス表面に付着させた亜硫酸ガス等の硫黄成分と、ガラス表面のナトリウム成分との反応による析出物である。このため、硫黄化合物をガラス表面から除去することで、ガラス表面のナトリウム濃度を、ガラス基板中心部のナトリウム濃度よりも低くすることができる。
なお、化学強化処理槽12の溶融塩への浸漬による硫黄化合物の除去は、後述する化学強化処理工程と兼ねて行うことができる。
具体的には、所定サイズに切断されたガラス基板11を、化学強化処理槽12に貯留された無機化合物の溶融塩に浸漬することで、ガラス基板11表面を化学強化処理する。これにより、ガラス基板11表面では、ガラス成分のナトリウムイオンの一部が、ナトリウムイオンよりイオン半径の大きい溶融塩中のカリウムイオンと置換されて、表面圧縮応力層が形成される。
よって、溶融塩に硫酸イオンを含有させることで、化学強化処理の処理効率の低下が抑制され、ガラス基板において、高い表面圧縮応力を得ることができる。
前述の実施形態で述べたフロート法により板成形されたガラスを得る。その後、蒸留水、脱イオン水、オゾン水、酸性水溶液の群から選ばれるいずれか1種以上の洗浄液を用いてガラス基板表面を洗浄することで、ガラス基板表面のナトリウム濃度をガラス中心部のナトリウム濃度よりも低くする(ナトリウム濃度低減工程)。その後、化学強化処理工程を行う。
このような処理を経た後のガラスを化学強化処理工程に供することで、ナトリウムイオンとカリウムイオンとの置換深さ、いわゆる表面圧縮応力層深さ(DOL)は深く入らないものの、ガラス表面におけるナトリウムイオンとカリウムイオンとの置換率が高まり、高い表面圧縮応力を得ることができる。
また、オゾン水を用いることで、ガラス表面の有機物汚れを除去することも可能となり好ましい。
また、オゾン水を用いた場合の洗浄条件は、例えば液温5〜45℃で10秒〜30分間行えばよい。またその洗浄は、流液中で行なっても良いし、滞留液に浸漬して行なっても良い。
また、酸性水溶液を用いた場合の洗浄条件は、例えば液温5〜45℃で10秒〜30分間行えばよい。またその洗浄は、流液中で行なっても良いし、滞留液に浸漬して行なっても良い。
本発明のガラスの製造方法では、これらの成形を行ったガラスに対し、ナトリウム濃度低減工程を行い、その後に化学強化処理工程を行う。
SiO2が80%超ではガラスの粘性が増大し溶融性が著しく低下する。好ましくは75%以下、典型的には70%以下である。
Al2O3が16%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。好ましくは14%以下、典型的には12%以下である。
B2O3が12%超では溶融時における揮散が激しくなる。好ましくは11%以下、典型的には10%以下である。
Na2Oが16%超では耐候性が低下する。好ましくは15%以下、典型的には14%以下である。
K2Oが5%超では耐候性が低下する。好ましくは4.5%以下、典型的には4%以下である。
MgOが15%超では耐候性が低下する。好ましくは13%以下、典型的には12%以下である。
CaOが3%超では化学強化特性が低下する。好ましくは1%以下、典型的には0.5%以下である。
ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)が18%超では耐候性が低下する。好ましくは15%以下、より好ましくは13%以下、典型的には11%以下である。なお、ΣROとは、全てのRO成分の合量を示すものである。
TiO2が1%超ではガラスが不安定になり、失透が生じるおそれがある。好ましくは0.8%以下、典型的には0.6%以下である。
Li2Oが20%超では耐候性が低下するおそれがある。好ましくは18%以下、典型的には16%以下である。
SrOが15%超では耐候性や化学強化特性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
BaOが15%超では耐候性や化学強化特性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
ZnOが15%超では耐候性が低下するおそれがある。好ましくは12%以下、典型的には9%以下である。
ガラスの強度と加工性との両立の観点から、表面圧縮応力層の深さは、より好ましくは30〜100μmであり、さらに好ましくは30〜70μmであり、特に好ましくは30〜50μmである。
まず、酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2 64.3%、Na2O 12.0%、K2O 4.0%、MgO 11.0%、CaO 0.1%、SrO 0.1%、Al2O3 6.0%、ZrO 2.5%となるように原料を配合、混合し、この原料混合物を溶融炉に投入し、約1500℃で溶融した後、溶融状態のガラスをフロートバス3内に供給した。フロートバス3内では、溶融スズ上にてリボン状にガラスを成形し、シールドレア5に搬送した。
シールドレア5内では、ナトリウム濃度低減処理として、ガラス表面に亜硫酸ガスを吹き付け、ガラス表面に芒硝(NaSO4)を析出させた。
次いで、冷却した後、適宜のサイズに切断し、厚さ1mmの板状のガラスを得た。
このガラスに対し、水洗処理を行わずに、化学強化処理を行った。化学強化処理は、硝酸カリウム(KNO3)と硝酸ナトリウム(NaNO3)を、それぞれ硝酸カリウム(KNO3)99質量%、硝酸ナトリウム(NaNO3)1質量%の割合で混合した混合溶融塩を用いて行った。混合溶融塩の温度は450℃とした。この混合溶融塩に、ガラス基板を4時間浸漬して化学強化処理を行った。
化学強化処理の前に、板状に切断後のガラスの水洗処理を行った以外は、実施例1と同様にしてガラスを用意した。
ガラス表面への亜硫酸ガスの吹き付け量を実施例1よりも多くした以外は、実施例1と同様にしてガラスを用意した。
化学強化処理の前に、板状に切断後のガラスの水洗処理を行った以外は、実施例3と同様にしてガラスを用意した。
ガラス表面への亜硫酸ガスの吹き付け量を実施例3よりも多くした以外は、実施例3と同様にしてガラスを用意した。
化学強化処理の前に、板状に切断後のガラスの水洗処理を行った以外は、実施例5と同様にしてガラスを用意した。
ガラス表面への亜硫酸ガスの吹き付け(ナトリウム濃度低減処理)を行わなかったことおよび化学強化処理の前に板状に切断後のガラスの水洗処理を行った以外は、実施例1と同様にしてガラスを用意した。
また、実施例1、3、5はそれぞれ、実施例2、4、6と同一の条件でナトリウム濃度低減工程(亜硫酸ガスの吹き付け)を行っており、化学強化処理前の各ガラス表面のガラスのナトリウム濃度(芒硝に含まれるナトリウムを除く)は、それぞれ実施例2、4、6と同一である。
これらの測定結果を、表1に示す。
また、ガラス表面の硫黄濃度が高いほど、ガラス表面のナトリウム濃度が低くなっている。すなわち、ガラス表面に付着する硫黄化合物が多いほど、ガラス表面のナトリウム濃度低減効果が高いことがわかる。
ナトリウム濃度低減工程を行った実施例1〜6の各ガラスは、比較例1のガラスと比較して、ガラス表面のナトリウム濃度が低く、表面圧縮応力が高いことが認められた。
化学強化処理にて硝酸カリウム(KNO3)95質量%、硝酸ナトリウム(NaNO3)2.5質量%、硫酸ナトリウム(NaSO4)2.09質量%の割合で混合した混合溶融塩を用いた以外は、実施例4と同様にしてガラスを用意した。このガラスの表面圧縮応力を測定したところ、818MPaであり、実施例4と比較して3.6%の向上が確認された。
前記シールドレア内でのガラス表面への亜硫酸ガスの吹き付けを行わず、ナトリウム濃度低減工程として、酸性水溶液を用いたガラス表面の洗浄を化学強化処理前に行った以外は、実施例1と同様にしてガラスを用意した。なお、洗浄条件は、液温30℃の酸性水溶液(1wt%の塩酸水溶液)に15分浸漬した後、超純水で洗浄を行った。
また、化学強化処理後の表面圧縮応力を、実施例1〜6のガラスと同様にして測定したところ、761MPaであった。これより、酸性水溶液による洗浄にて、化学強化処理においてより高い表面圧縮応力が形成されることが確認された。これは、ガラス表面のナトリウム濃度低減が行われたと考えられる。
Claims (15)
- ガラス表面のナトリウム濃度を、ガラス中心部のナトリウム濃度よりも低くするナトリウム濃度低減工程を行った後、カリウムイオンを含む溶融塩に前記ガラスを浸漬し、前記ガラス中のナトリウムイオンの一部を前記カリウムイオンと置換する化学強化処理工程を行うことを特徴とするガラスの製造方法。
- 前記ナトリウム濃度低減工程は、ガラス表面のナトリウム濃度を、ガラス中心部のナトリウム濃度に対し、蛍光X線の強度カウントで3%以上低くする請求項1に記載のガラスの製造方法。
- 前記ナトリウム濃度低減工程は、前記ガラス表面に硫黄化合物を析出させる請求項1または2に記載のガラスの製造方法。
- 前記ガラス表面に析出させた硫黄化合物は、硫酸ナトリウムを含む請求項3に記載のガラスの製造方法。
- 前記硫酸ナトリウムは前記ガラス基板表面に亜硫酸ガスを接触させて析出させたものである請求項4に記載のガラスの製造方法。
- 前記ナトリウム濃度低減工程で析出させた前記ガラス表面の硫黄化合物の付着量は、SO4換算で0.001〜0.1mg/cm2である請求項3乃至5のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
- 前記溶融塩は、硝酸カリウムと、硫酸ナトリウムおよび/または硫酸カリウムとの混合溶融塩である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
- 前記ナトリウム濃度低減工程は、蒸留水、脱イオン水、オゾン水、酸性水溶液の群から選ばれるいずれか1種以上を用いてガラス表面を洗浄する請求項1または2に記載のガラスの製造方法。
- 前記ガラスは、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55〜80%、Al2O3を3〜16%、B2O3を0〜12%、Na2Oを5〜16%、K2Oを0〜5%、MgOを0〜15%、CaOを0〜3%、ΣRO(Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)を0〜18%、ZrO2を0〜3%、含有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
- 前記ガラスをフロート法により製造する請求項1乃至9のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のガラスの製造方法を用いて製造したことを特徴とするガラス。
- ガラス中のナトリウムイオンの一部をカリウムイオンに置換する化学強化処理して得られるガラスであって、前記化学強化処理される前のガラス表面のナトリウム濃度が、ガラス中心部のナトリウム濃度よりも低いことを特徴とするガラス。
- 前記化学強化処理される前のガラス表面のナトリウム濃度が、ガラス中心部のナトリウム濃度に対し、蛍光X線の強度カウントで3%以上低いことを特徴とする請求項12に記載のガラス。
- 前記ガラスは、ディスプレイ装置用ガラス基板である請求項11乃至13のいずれか1項に記載のガラス。
- 前記ガラスは、タッチパネル式表示装置用カバーガラスである請求項11乃至13のいずれか1項に記載のガラス。
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