JPWO2009139061A1 - 炭酸ジアリールを用いるイソシアネートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、ホスゲンを使用せずイソシアネートを製造するに際し、先行技術にみられるような種々の問題点がなく、高収率でイソシアネートを長期間安定に製造できる方法を提供することにある。本発明は、炭酸ジアリールとアミン化合物とを、反応溶媒として芳香族ヒドロキシ化合物の存在下で反応させて、炭酸ジアリールに由来するアリール基を有するカルバミン酸アリールと、炭酸ジアリールに由来する芳香族ヒドロキシ化合物と、炭酸ジアリールと、を含有する反応混合物を得る工程と、該反応混合物を熱分解反応器に移送する工程と、該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付すことによってイソシアネートを得る工程と、を含むイソシアネートの製造方法であって、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる反応器と、カルバミン酸アリールの熱分解反応器が異なるこイソシアネートの製造方法を開示する。

Description

本発明は、炭酸ジアリールを原料とするイソシアネートの製造方法に関する。
イソシアネートは、ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤等の製造原料として広く用いられている。イソシアネートの主な工業的製造法は、アミン化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン法)であり、全世界の生産量のほぼ全量がホスゲン法により生産されている。しかしながら、ホスゲン法は多くの問題がある。
第1に、原料としてホスゲンを大量に使用することである。ホスゲンは極めて毒性が高く、従業者への暴露を防ぐためにその取扱いには特別の注意を要し、廃棄物を除害するための特別の装置も必要である。
第2に、ホスゲン法においては、腐食性の高い塩化水素が大量に副生するため、該塩化水素を除害するためのプロセスが必要となる上、製造されたイソシアネートには多くの場合加水分解性塩素が含有されることになり、ホスゲン法で製造されたイソシアネートを使用した場合に、ポリウレタン製品の耐候性、耐熱性に悪影響を及ぼす場合がある。
このような背景から、ホスゲンを使用しないイソシアネート化合物の製造方法が望まれている。ホスゲンを使用しないイソシアネート化合物の製造方法の一つとして、カルバミン酸エステルの熱分解による方法が提案されている。カルバミン酸エステルの熱分解によってイソシアネートとヒドロキシ化合物が得られることは古くから知られている(例えば、非特許文献1参照)。その基本反応は下記式によって例示される。
Figure 2009139061
(式中;
Rは、a価の有機残基を表し、
R’は、1価の有機残基を表し、
aは、1以上の整数を表す。)
カルバミン酸エステルの中でも、エステル基が芳香族基であるカルバミン酸アリールは、エステル基がアルキル基であるカルバミン酸アルキルに比べて熱分解反応の温度を低く設定できるという利点がある(特許文献1参照)。
カルバミン酸アリールを製造する方法としては、これまで様々な方法が開示されている。
特許文献2の記載によれば、ベンゼン、ジオキサン、四塩化炭素等の溶媒の存在下でアルキルモノアミンと炭酸ジアリールを反応させることによって、相当するアルキルモノカルバミン酸アリールが90〜95%の収率で得られることが記載されている。また、特許文献3には、メチルアミンと炭酸ジフェニルからメチルカルバミン酸フェニルエステルを連続的に製造する方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法では、いずれもアミンとして低級アルキルモノアミンを用いて、アルキルカルバミン酸アリールを製造する方法であって、アルキルポリカルバミン酸アリールを製造する方法ではない。アルキルジアミンやアルキルトリアミン等のアルキルポリアミンから対応するアルキルポリカルバミン酸アリールエステルを製造する場合には、アルキルモノアミンを用いる場合とは全く異なる困難な問題が存在する。これは、アルキルモノアミンの場合は、式(2)で表される反応以外に、式(3)および/または式(4)で表される副反応によって尿素化合物が副生するにすぎないが、アルキルジアミン、アルキルトリアミンなどのアルキルポリアミンの場合には、例えば、式(5)および/または式(6)および/または式(7)で表される化合物等の、非常に多くの種類の尿素化合物が副生するからである。
Figure 2009139061
(式中;
R’は、1価のアルキル基もしくは芳香族基を表し、
Arは、1価の芳香族基を表し、
p、q、rは、各々、1以上の整数を表す。)
すなわち、これらの種々の尿素化合物の副生成反応等によって、目的化合物であるアルキルポリカルバミン酸アリールの収率を低下させるという問題と、これらの尿素化合物やポリ尿素化合物との混合物から目的生成物を分離、精製することが非常に困難であるという問題がある。
このようなことから、アルキルポリアミンと炭酸ジアリールからアルキルポリカルバミン酸アリールエステルを製造する試みは非常に少ないが、若干は報告されている。例えば、特許文献4の明細書によれば、1モルの炭酸ジフェニルを5倍量のベンゼンに溶解させた溶液に、1モルの1,6−ヘキサメチレンジアミンを5倍量のベンゼンに溶解させた溶液を滴下しながら、80℃で撹拌する反応方式で、1,6−ヘキサメチレンジカルバミン酸フェニルエステルを得る方法が提案されている。この特許明細書によれば、反応を有利に進行させるためには、生成物である1,6−ヘキサメチレンジカルバミン酸フェニルエステルをできるだけ溶解させない溶媒を反応溶媒として使用することが重要であり、このような溶媒としては、ベンゼンやクロルベンゼンのような炭化水素類が好ましいことが記載されている。
このような観点から、非特許文献3では、0.01モルの炭酸ジフェニルと0.005モルの1,6−ヘキサメチレンジアミンとの反応を、反応溶媒として40mLのトルエンを用いて、20時間という長時間おこなわせることによって、目的とする1,6−ヘキサメチレンジカルバミン酸フェニルエステルを得ている。しかし、このような大量のトルエンを使用しても収率が93%であり、分離しなければならない尿素化合物やポリ尿素化合物が副生しており問題であった。
また、特許文献5には、炭酸ジアリールとアミン化合物をプロトン酸存在下で反応させるジウレタン化合物の製造法が開示されている。しかし、特許文献5に開示された製造法を工業的に実施するには、ジウレタン化合物の収率が充分とは言えず、かつ副反応を抑制するために低温で反応をおこなう必要があり、反応時間が長くなるという欠点を有する。
特許文献6には、炭酸ジアリールと芳香族ポリアミンを2−ヒドロキシピリジン等の複素環第3級アミンの存在下で反応させる方法が記載されている。この方法が、高価な触媒が反応基質に対して等モル以上必要である上、反応速度が低いという問題を抱えている。
特許文献7によると、芳香族アミンと炭酸ジアリールとルイス酸触媒の存在下において、温度140℃〜230℃で反応させる芳香族ウレタンの合成方法が記載されているが、当該方法においても、ルイス酸の使用は、装置の腐食の問題や、生成物との分離、回収が困難となる。
特許文献8では、アルキルポリアミンと炭酸ジアリールを反応させてアルキルポリカルバミン酸アリールエステルを製造するに際し、アルキルポリアミンのアミノ基1当量あたり1〜3当量の炭酸ジアリールを用い、反応溶媒として芳香族ヒドロキシ化合物を用いて、反応を実質的に均一な溶解状態でおこなうことを特徴とするアルキルポリカルバミン酸アリールエステルの製造方法が開示されている。当該特許文献によると、通常96%以上、好ましい実施態様においては98%以上の高収率、高選択率でアルキルポリカルバミン酸アリールエステルが得られる。しかしながら、ごく少量ではあるが、尿素化合物の生成が確認されていることから、尿素化合物の生成を完全に回避することはできない。
一方、カルバミン酸エステルの熱分解反応において、カルバミン酸エステルの好ましくない熱変性反応や、該熱分解によって生成するイソシアネートの縮合反応など、種々の不可逆な副反応を併発しやすい。副反応としては、例えば下記式(8)で表される尿素結合を形成する反応や、例えば下記式(9)で表されるカルボジイミド類を生成する反応や、例えば下記式(10)で表されるイソシアヌレート類を生成する反応が挙げられる(非特許文献1、2参照)。
Figure 2009139061
これらの副反応は、目的とするイソシアネートの収率や選択率の低下を招くばかりでなく、特にポリイソシアネートの製造においては、ポリマー状固形物が析出し、反応器を閉塞させるなど長期操業が困難となる場合があった。
カルバミン酸エステルを原料とするイソシアネートの製造方法としては、これまで様々な方法が提案されている。
特許文献9によると、芳香族ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートは、次の2工程を経て製造される。具体的には、第1工程では、芳香族第1級アミンおよび/または芳香族第1級ポリアミンをO−アルキルカルバメートと、触媒の存在下または不存在下、ならびに、尿素およびアルコールの存在下または不存在下で反応させ、アリールジウレタンおよび/またはアリールポリウレタンを生じさせ、生じるアンモニアを必要に応じて除去する。第2工程において、アリールジウレタンおよび/またはアリールポリウレタンの熱分解によって、芳香族イソシアネートおよび/または芳香族ポリイソシアネートを得る。
(環式)脂肪族、ならびに殊に芳香族のモノウレタンおよびジウレタンの熱分解により対応するイソシアネートおよびアルコールを生成する方法は、いくつかが知られており、気相中で高温下において実施する方法や、液相中で比較的に低い温度条件下で実施する方法がある。しかし、反応混合物が、例えば、上記した副反応を生起し、反応器および回収装置中で、沈殿物、ポリマー状物質および閉塞物を形成したり、また該物質が反応器壁面へ固着物を形成する場合があり、長い期間に亘ってイソシアネートを製造する場合には経済的効率が悪い。
したがって、ウレタンの熱分解における収量を改善するために、例えば、化学的方法、例えば、特殊な触媒の使用(特許文献10、特許文献11参照)または不活性溶剤との組み合わせ物の触媒(特許文献12参照)が開示されている。
具体的には、特許文献13には、ヘキサメチレンジイソシアネートの製造方法として、溶剤として使用されるジベンジルトルエンの存在下、ならびに、メチルトルエンスルホネートおよびジフェニルスズジクロリドからなる触媒混合物の存在下で、ヘキサメチレンジエチルウレタンを熱分解する方法が記載されている。しかし、出発成分の製造、および単離ならびに溶剤および触媒混合物の精製および任意の回収については何も詳細に記載されておらず、したがって、この方法の経済的効率を判断することは不可能であった。
特許文献14の記載の方法によれば、ウレタンは、触媒を使用することなしに炭素含有流動床中でイソシアネートおよびアルコールに容易に分解することができる。また、特許文献15の記載によれば、ヘキサメチレンジアルキルウレタンは、例えば、炭素、銅、黄銅、鋼、亜鉛、アルミニウム、チタン、クロム、コバルトまたは石英からなるガス透過性包装材料の存在下または不存在下で300℃を上回る温度で、ガス相中で、分解することができ、ヘキサメチレンジイソシアネートを生じる。特許文献14の記載によれば、当該方法は、水素ハロゲン化物および/または水素ハロゲン化物供与体の存在下に実施される。しかし、当該方法は、90%以上のヘキサメチレンジイソシアネートの収率を達成することができない。分解生成物は部分的に再結合しウレタン結合を生成するからである。したがって、更に、蒸留によるヘキサメチレンジイソシアネートの精製が必要となり、収率の損失が増大する場合が多い。
さらに、特許文献16には、モノカルバメートを、比較的に低い温度で、有利に減圧下に触媒および/または安定剤の存在下または不存在下で、溶剤を使用することなく、良好な収率で、分解できることが開示されている。分解生成物(モノイソシアネートおよびアルコール)は、沸騰する反応混合物から蒸留によって除去され、かつ分別縮合によって別々に捕集される。熱分解で形成された副生物を除去するために、反応混合物を部分的に除去する方法が、一般的な形で記載されている。従って反応器底部からは副生物を除去することはできるが、前記した反応器壁面に固着する場合に対する課題は依然として残されており、長期運転に対する課題は解決されていない。また、除去された(有用成分が多量に含まれる)この残分の工業的使用については何も記載されていない。
特許文献17の記載によれば、脂肪族、脂環式または芳香族ポリカルバメートの熱分解は、150〜350℃および0.001〜20バールで不活性溶剤の存在下、触媒および助剤としての塩化水素、有機酸塩化物、アルキル化剤または有機スズ塩化物の存在下または不存在下で実施される。生成する副生物は、例えば反応溶液と一緒に反応器から連続的に除去することができ、相応する量の新しい溶剤、または回収された溶剤を、同時に加える。この方法の欠点は、例えば、還流する溶剤の使用により、ポリイソシアネートの空時収量の減少が生じ、その上、例えば、溶剤の回収を含めて大量のエネルギーが必要とされることにある。さらに、使用される助剤は反応条件下で揮発性であり、分解生成物の汚染を生じうる。また、生成したポリイソシアネートに対して残分の量が多く、経済的効率および工業的方法の信頼性については疑いの余地がある。
特許文献18には、高沸点溶剤の存在下に液状の形で、管状反応器の内面に沿って供給されるカルバメート、例えば、脂環式ジウレタン5−(エトキシカルボニルアミノ)−1−(エトキシカルボニルアミノメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンを連続的に熱分解する1つの方法が記載されている。この方法は、(環式)脂肪族ジイソシアネートの製造の際に収率が低く、選択性が低いという欠点を有する。また、再結合されたかまたは部分的に分解されたカルバメートの回収を伴う連続的方法については、何も記載されておらず、副生物および触媒を含有する溶剤の後処理についても述べられていない。
以上で記したカルバミン酸アリールの製造方法およびカルバミン酸エステルの熱分解によるイソシアネートの製造方法を組み合わせれば、炭酸ジアリールとアミン化合物とを原料としてイソシアネートを製造できることは、容易に想像できる。しかしながら、上記したカルバミン酸アリールの製造方法と、カルバミン酸アリールの熱分解反応によるイソシアネートの製造方法を組み合わせるためには、炭酸ジアリールとアミン化合物とを反応させて得られる反応液からカルバミン酸アリールを分離して、該カルバミン酸アリールの熱分解反応をおこなうという煩雑な操作をおこなう方法か、カルバミン酸アリールの製造において得られる反応液をそのまま熱分解反応に用いる方法のいずれかを採用することになる。
この点について、特許文献19には、芳香族アミンと炭酸ジアリールとをルイス酸触媒の存在下に反応させてウレタン化合物を合成し、引き続きウレタン化合物の合成で使用したジアリールカーボネート中で該ウレタン化合物を熱分解して芳香族イソシアネートを合成する方法が開示されている。当該特許文献では、アミン化合物と炭酸ジアリールとをルイス酸触媒存在下に反応させて得られるウレタン含有反応液を、該ウレタン合成に使用した反応器において熱分解反応に付して、イソシアネートを製造する方法が例示されている。
米国特許第3992430号公報 日本国特許出願公開昭52−71443号公報 日本国特許出願公開昭61−183257号公報 ドイツ国特許第925496号公報 日本国特許出願公開平10−316645号公報 日本国特許出願公開昭52−136147号公報 日本国特許出願公開2004−262834号公報 日本国特許出願公開平1−230550号公報 米国特許第4290970号公報 米国特許第2692275号公報 米国特許第3734941号公報 米国特許第4081472号公報 米国特許第4388426号公報 米国特許第4482499号公報 米国特許第4613466号公報 米国特許第4386033号公報 米国特許第4388246号公報 米国特許第4692550号公報 日本国特許出願公開2004−262835号公報 Berchte der Deutechen Chemischen Gesellschaft,第3巻,653頁,1870年 Journal of American Chemical Society,第81巻,2138頁,1959年 Journal of Polymer Science Polymer Chemistry Edition,第17巻,835頁,1979年
しかしながら、ウレタン化合物の合成反応と熱分解反応を同じ反応器でおこなうため、該ウレタン化合物の合成反応および熱分解反応のそれぞれに適する反応器や反応条件を選択することはできない。実際、特許文献19の例示によると、イソシアネートの収率は低い。また、特許文献19には、連続的にイソシアネートを製造する方法に関する詳細な記述はなく、工業的に効率よくイソシアネートを製造するという観点からは、満足のいくものではない。
このように、炭酸ジアリールとアミン化合物を原料として、カルバミン酸アリールを製造し、該カルバミン酸アリールを経由してイソシアネートを製造する方法は、解決すべき課題が多く、未だに工業化されていないのが実情である。
本発明の目的は、先行技術にみられるような種々の問題点がなく、炭酸ジアリールおよびアミン化合物を用いたイソシアネートの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討を重ねた結果、炭酸ジアリールとアミン化合物を特定の条件下で反応させて得られる混合物を、特定の条件下で熱分解反応器に移送し、該混合物に含有されるカルバミン酸エステルを熱分解反応に付してイソシアネートを製造する方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる反応器において、炭酸ジアリールとアミン化合物とを反応させて、炭酸ジアリールに由来するアリール基を有するカルバミン酸アリールと、炭酸ジアリールに由来する芳香族ヒドロキシ化合物と、炭酸ジアリールと、を含有する反応混合物を得る工程と、
炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる該反応器と配管によって接続された熱分解反応器に、該反応混合物を移送する工程と、
該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付すことによってイソシアネートを得る工程と、
を含むイソシアネートの製造方法、
[2] 該熱分解反応器に付着した高沸点副生物を酸によって洗浄する工程をさらに含む前項[1]に記載の製造方法、
[3] 炭酸ジアリールとアミン化合物との反応が、該アミン化合物を構成するアミノ基に対する炭酸ジアリールの化学量論比が1以上でおこなわれる前項[1]または[2]に記載の製造方法、
[4] 炭酸ジアリールとアミン化合物とを、反応溶媒として芳香族ヒドロキシ化合物の存在下で反応させる前項[1]ないし[3]の何れか一項に記載の製造方法、
[5] 反応溶媒としての該芳香族ヒドロキシ化合物が、該炭酸ジアリールArOCOOAr(Arは芳香族基を表し、Oは酸素原子を表す)を構成する基ArOに水素原子が付加した構造を有する化合物ArOHと同種の芳香族ヒドロキシ化合物である前項[4]に記載の製造方法、
[6] 該反応混合物を、液体として、熱分解反応器に供給する前項[1]ないし[5]の何れか一項に記載の製造方法、
[7] 該反応混合物を、10℃〜180℃の温度範囲に保持して、熱分解反応器に供給する前項[6]に記載の製造方法、
[8] 該反応混合物を、連続的に熱分解反応器に供給する前項[1]ないし[7]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[9] 該熱分解反応において生成する低沸点成分を、熱分解反応器から気相成分として回収し、液相成分を該反応器底部より回収する前項[1]ないし[8]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[10] 気相成分の回収と液相成分の回収とが連続的におこなわれる前項[9]に記載の製造方法、
[11] 該カルバミン酸アリールの熱分解反応によって得られるイソシアネートを、熱分解反応器から気相成分として回収し、炭酸ジアリールを含む液相成分を該反応器底部から回収する前項[9]または[10]に記載の製造方法。
[12] 熱分解反応器から回収されたイソシアネートを含有する気相成分を蒸留塔によって蒸留分離してイソシアネートを回収する工程をさらに含み、熱分解反応器から回収されたイソシアネートを含有する気相成分を、気相で蒸留塔に供給する前項[11]に記載の製造方法、
[13] 該炭酸ジアリールを含む液相成分が、カルバミン酸アリールを含有する混合物であって、該混合物の一部または全部を、該反応器の上部に供給する前項[11]または[12]に記載の製造方法、
[14] 該カルバミン酸アリールの熱分解反応によって得られるイソシアネートを、熱分解反応がおこなわれる反応器底部から液相成分として回収する前項[9]または[10]に記載の製造方法、
[15] 該反応器底部から回収する液相成分が、イソシアネートとカルバミン酸アリールを含有し、該液相成分から一部または全部のイソシアネートを分離し、残りの一部または全部を該反応器の上部に供給する前項[14]に記載の製造方法、
[16] 熱分解反応器より回収したイソシアネートを含有する混合物を蒸留分離して、イソシアネートを回収する前項[14]または[15]に記載の製造方法、
[17] 炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる反応器の種類と、該熱分解反応器の種類が、同一であっても異なっていてもよく、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる反応器と、該熱分解反応器が、塔型反応器および槽型反応器からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応器である前項[1]ないし[16]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[18] 該熱分解反応器が、蒸発缶、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器および流下膜蒸発器からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応器から構成される前項[17]に記載の製造方法、
[19] 炭酸ジアリールとアミン化合物との反応が、触媒存在下でおこなわれる前項[1]ないし[18]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[20] 該熱分解反応が、液相でおこなわれる前項[1]ないし[19]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[21] 該炭酸ジアリールが、下記式(11)で表される化合物である、
Figure 2009139061
(式中;
は、炭素数6〜12の芳香族基を表す。)
前項[1]ないし[20]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[22] 該炭酸ジアリールが、金属原子を0.001ppm〜10%含有する前項[21]に記載の製造方法、
[23] 該金属原子が、鉄、ニッケル、コバルト、亜鉛、スズ、銅、チタンの中からなる群から選ばれる1種もしくは複数種の金属である前項[22]に記載の製造方法、
[24] 該炭酸ジアリールが、下記の工程(1)〜工程(3)を含む工程によって製造される炭酸ジアリールである、
工程(1):スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素とを反応させて炭酸ジアルキルを含有する反応混合物を得る工程;
工程(2):該反応混合物を分離して、炭酸ジアルキルと残留液とを得る工程;
工程(3):工程(2)で分離された炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物Aとを反応させて炭酸ジアリールを得、副生するアルコールを回収する工程;
前項[1]ないし[23]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[25] 該芳香族ヒドロキシ化合物Aが、炭素数6〜12の芳香族ヒドロキシ化合物である前項[24]に記載の製造方法、
[26] 該炭酸ジアリールが、下記の工程(4)および工程(5)をさらに含む工程によって製造される炭酸ジアリールである、
工程(4):工程(2)で得られた残留液とアルコールを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程;
工程(5):工程(4)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物を、工程(1)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程;
前項[24]または[25]に記載の製造方法、
[27] 該工程(3)で回収したアルコールを、該工程(4)のアルコールの一部もしくは全部として使用する前項[26]に記載の製造方法、
[28] 熱分解反応器から回収された液相成分または気相成分から炭酸ジアリールを分離回収し、該炭酸ジアリールを出発物質としての炭酸ジアリールとして再利用する前項[9]ないし[27]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[29] 熱分解反応器から回収された液相成分または気相成分から芳香族ヒドロキシ化合物を分離回収し、該芳香族ヒドロキシ化合物を該工程(3)の芳香族ヒドロキシ化合物A、もしくは、該反応溶媒としての該芳香族ヒドロキシ化合物としてリサイクルする前項[1]または[24]に記載の製造方法、
[30] 該アミン化合物がポリアミン化合物である前項[1]ないし[29]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[31] 該アミン化合物が下記式(12)で表わされる化合物である、
Figure 2009139061
(式中;
は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
nは、2〜10の整数である。)
前項[30]に記載の製造方法、
[32] 該アミン化合物が、式(12)において、nが2であるジアミン化合物である前項[31]に記載の製造方法、
[33] 炭酸エステルとアミン化合物とを反応させる反応器へのアミン化合物の供給が、液体の状態でおこなわれる前項[1]ないし[32]のうち何れか一項に記載の製造方法、
[34] 炭酸エステルとアミン化合物を反応させる反応器へのアミン化合物の供給が、アルコール、水、または炭酸エステルとの混合物としておこなわれる前項[1]ないし[33]のうち何れか一項に記載の製造方法、
を提供する。
本発明の方法により、炭酸ジアリールとアミン化合物を原料として、長期間に亘って連続的に、収率よくイソシアネートを製造することができる。
本発明の実施例にかかる炭酸エステルの連続製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかる芳香族炭酸エステル製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかる芳香族炭酸エステル製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるアルコール精製装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかる炭酸ジアリール精製装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかる炭酸ジアリール精製装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるカルバミン酸アリール製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるイソシアネート製造装置を表す概念図である。 本発明の実施例にかかるカルバミン酸アリール製造装置を表す概念図である。
(図1)
101,107:蒸留塔、
102:塔型反応器、
103,106:薄膜蒸留装置、
104:オートクレーブ、
105:除炭槽、
111,112,117:リボイラー、
121,123,126,127:凝縮器、
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17:ライン
(図2)
202:連続多段蒸留塔
205,206:貯槽
201:予熱器
203:凝縮器
204:リボイラー
21,22,23,24,25:ライン
(図3)
302:連続多段蒸留塔
305,306:貯槽
301:予熱器
303:凝縮器
304:リボイラー
31,32,33,34,35:ライン
(図4)
402:連続多段蒸留塔
405,406:貯槽
401:予熱器
403:凝縮器
404:リボイラー
41,42,43,44,45:ライン
(図5)
502:連続多段蒸留塔
505,506:貯槽
501:予熱器
503:凝縮器
504:リボイラー
51,52,53,54,55:ライン
(図6)
602:連続多段蒸留塔
605,606:貯槽
601:予熱器
603:凝縮器
604:リボイラー
61,62,63,64,65:ライン
(図7)
701,702,703,705:貯槽
704:攪拌槽
71,72,73,74:ライン
(図8)
801:薄膜蒸留装置
802,803:連続多段蒸留塔
808,809,810:貯槽
803,806:凝縮器
804,807:リボイラー
81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94:ライン
(図9)
902:連続多段蒸留塔
905,906:貯槽
901:予熱器
903:凝縮器
904:リボイラー
95,96,97,98,99:ライン
(図10)
1002:連続多段蒸留塔
1005,1006:貯槽
1001:予熱器
1003:凝縮器
1004:リボイラー
A1,A2,A3,A4,A5:ライン
(図11)
1102:連続多段蒸留塔
1105,1106:貯槽
1101:予熱器
1103:凝縮器
1104:リボイラー
B1,B2,B3,B4,B5:ライン
(図12)
1201:薄膜蒸留装置
1202,1205,1208:連続多段蒸留塔
1203,1206,1209:凝縮器
1204,1207,1210:リボイラー
C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9,C10,C11,C12,C13,C14,C15,C16,C17,C18:ライン
(図13)
1301,1304,1307:連続多段蒸留塔
1302,1305,1308:凝縮器
1303,1306,1309:リボイラー
D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9,D10,D11,D12,D13,D14,D15:ライン
(図14)
1401,1402,1403,1409,1411:貯槽
1404:攪拌槽
1405,1406:連続多段蒸留塔
1407,1410:凝縮器
1408,1412:リボイラー
E1,E2,E3,E4,E5,E6,E7,E8,E9,E10,E11,E12,E13:ライン
(図15)
1501,1502,1503:貯槽
1504:攪拌槽
1506,1509,1512:連続多段蒸留塔
1505,1508,1511:凝縮器
1507,1510、1513:リボイラー
F1,F2,F3,F4,F5,F6,F7,F8,F9,F10,F11,F12,F13,F14,F15,F16,F17,F18:ライン
(図16)
1601,1602,1603,1606:貯槽
1604:攪拌槽
1605:カラム
1607:凝縮器
G1,G2,G3,G4,G5,G6:ライン
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態における製造方法は、炭酸ジアリールとアミン化合物とを、反応溶媒として芳香族ヒドロキシ化合物の存在下で反応させて、炭酸ジアリールに由来するアリール基を有するカルバミン酸アリールと、炭酸ジアリールに由来する芳香族ヒドロキシ化合物と、炭酸ジアリールとを含有する反応混合物を得る工程と、該反応混合物を熱分解反応器に移送する工程と、該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付すことによってイソシアネートを得る工程と、を含むイソシアネートの製造方法であって、
炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる反応器と、カルバミン酸アリールの熱分解反応器が異なる。
まず、本実施の形態における製造方法に用いる炭酸ジアリールおよびアミン化合物について説明する。
本実施の形態における製造方法に用いる炭酸ジアリールは、下記式(13)で表わされる化合物である。
Figure 2009139061
(式中;
は、炭素数6〜20の芳香族基を表す。)
上記式(13)のRとしては、好ましくは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、より好ましくは、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。Rが、炭素数21以上の芳香族炭化水素基である炭酸ジアリールを用いることもできるが、後述する、カルバミン酸エステルの熱分解反応によって生成するイソシアネートとの分離を容易にするという観点から、Rを構成する炭素数は20以下が好ましい。
このようなRの例としては、フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、メチルエチルフェニル基(各異性体)、メチルプロピルフェニル基(各異性体)、メチルブチルフェニル基(各異性体)、メチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、エチルプロピルフェニル基(各異性体)、エチルブチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、ナフチル基(各異性体)等が挙げられる。これらの炭酸ジアリールの中でも、Rが、炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である炭酸ジアリールが好ましく、このような炭酸ジアリールとしては、炭酸ジフェニル、炭酸ジ(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(メチルエチルフェニル)(各異性体)等が挙げられる。
これらの炭酸ジアリールは、金属原子を、好ましくは0.001ppm〜10%の範囲で、より好ましくは0.001ppm〜5%の範囲で、さらに好ましくは0.002ppm〜3%の範囲で含有していることが好ましい。また、該金属原子は、金属イオンとして存在していても、金属原子単体として存在していてもよい。金属原子としては、2価ないし4価の原子価をとりうる金属原子が好ましく、中でも、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、銅、チタンから選ばれる1種もしくは複数種の金属がより好ましい。本発明者らは、驚くべきことに、上記範囲の濃度で金属原子を含有する炭酸ジアリールを使用すると、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応において、生成するカルバミン酸アリールの変性反応を抑制する効果を奏することを見出した。このような効果を奏するメカニズムについては明らかではないが、本発明者らは、これらの金属原子が、該反応において生成するカルバミン酸エステルのウレタン結合(−NHCOO−)に配位し、該ウレタン結合を安定化させて、例えば、上記した式(4)、式(8)等で示されるような、副反応を抑制するためではないかと推測している。また、金属原子によるカルバミン酸アリールの変性反応を抑制する効果は、後述する、カルバミン酸アリールを含有する反応液の移送においても認められるが、そのメカニズムについても、上記と同様ではないかと推測している。
炭酸ジアリールとアミン化合物とを混合して混合物を製造し、該混合物に上記で例示した金属原子を、上記した範囲で添加しても同様の効果が得られると期待されるが、本発明者らの鋭意検討した結果、炭酸ジアリールとアミン化合物との混合物に、金属原子を添加するだけでは、上記のような効果は得られにくいことが判明した。このような結果となる理由は明確ではないが、本発明者らは、該炭酸ジアリールに含有されている金属原子は、該炭酸ジアリールが金属原子に配位しているのに対して、炭酸ジアリールとアミン化合物との混合物に添加された金属原子は、金属原子と炭酸ジアリールとの相互作用に比べて、金属原子とアミン化合物との相互作用が大きいために、金属原子がアミン化合物に強く配位し、生成するカルバミン酸アリールのウレタン結合に配位しにくいためではないかと推測している。
本実施の形態における炭酸エステルは、好ましくは、後述する方法によって製造されるが、該方法によって製造される炭酸ジアリールに、上で例示した金属原子が、上記の好ましい範囲で含有される場合は、該炭酸ジアリールをそのまま使用することができる。該炭酸ジアリールに含有される該金属原子の量が、上記した範囲よりも少ない場合は、別途金属原子を、例えば、酢酸塩、ナフテン酸塩などの有機酸塩、塩化物、アセチルアセトン錯体として添加することができる。また、上記した範囲よりも多い場合は、例えば、溶媒洗浄、蒸留精製、晶析、イオン交換樹脂による除去、キレート樹脂による除去等の方法によって、該金属原子の量を上記した範囲まで低減して、使用することができる。
なお、炭酸ジアリールに上記の範囲で含有される金属原子には、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応における触媒作用が認められない場合がほとんどであり、その意味で、後述するカルバミン酸アリール製造用の触媒とは明確に区別される。
該炭酸ジアリールに含有される金属成分の量は、公知の方法によって定量することができ、例えば、原子吸光分析法、誘導結合型プラズマ発光分析法、誘導結合型プラズマ質量分析法、蛍光X線分析法、X線光電子分光法、電子線マイクロアナライザ、二次イオン質量分析法等の種々の方法から、試料の形態や、含有される金属成分の量を勘案して選択することができる。
炭酸ジアリールの製造方法としては、公知の方法を用いることができるが、好ましくは、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素を反応させて炭酸エステルを製造し、該炭酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とから炭酸ジアリールを製造する方法を使用する。すなわち、該炭酸エステルは、以下の工程によって製造することができる。
工程(1):(炭酸ジアルキル生成工程)スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素とを反応させて炭酸ジアルキルを含有する反応混合物を得る工程、
工程(2):(炭酸ジアルキル分離工程)該反応混合物から該炭酸ジアルキルを分離するとともに残留液を得る工程、
工程(3):(炭酸ジアリール製造工程)工程(2)で分離された炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物Aとを反応させて炭酸ジアリールを得、副生するアルコールを回収する工程。
また、これらの工程(1)〜工程(3)に加えて、以下の工程(4)および工程(5)をおこなうこともできる。
工程(4):(有機スズ化合物再生工程)工程(B)で得られた該残留液とアルコールとを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程、
工程(5):(リサイクル工程)工程(4)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する該有機スズ化合物を、工程(1)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程。
工程(1)で使用される有機スズ化合物として、好ましくはジアルキルスズ化合物を使用する。ジアルキルスズ化合物とは、1つのスズ原子に2個のアルキル基が結合している有機スズ化合物をいう。
該ジアルキルスズ化合物の例としては、下記式(14)で表されるジアルキルスズ化合物および下記式(15)で表されるテトラアルキルジスタンオキサン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物から選ばれる化合物が挙げられる。
Figure 2009139061
(式中:
およびRは、各々独立に、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表し;
およびXは、各々独立に、アルコキシ基、アシルオキシル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を表し;
aおよびbは、各々0〜2の整数であり、a+b=2であり;
cおよびdは、各々0〜2の整数であり、c+d=2である。)
Figure 2009139061
(式中:
、R、RおよびRは、各々独立に、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表し;
およびXは、アルコキシ基、アシルオキシル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を表し;
e、f、g、hは、各々0〜2の整数であり、e+f=2、g+h=2である。)
上記式(14)で表されるジアルキルスズ触媒のRおよびR、ならびに上記式(15)で表されるテトラアルキルジスタンオキサン化合物のR、R、RおよびRの例としては、メチル、エチル、プロピル(各異性体)、ブチル(各異性体)、ペンチル(各異性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性体)、オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デシル(各異性体)、ドデシル(各異性体)等の、該基を構成する炭素原子の数が1〜12の整数より選ばれる数である脂肪族炭化水素基であるアルキル基等が挙げられる。より好ましくは、該基を構成する炭素原子の数が1〜8の整数より選ばれる数である直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該基を構成する炭素原子の数が以上に示した範囲以外のアルキル基であるジアルキルスズ化合物も使用できるが、流動性が悪くなったり、生産性を損なったりする場合がある。さらに工業的生産時の入手の容易さを考慮すれば、n−ブチル基、n−オクチル基がさらに好ましい。
上記式(14)で表されるジアルキルスズ化合物のXおよびX、ならびに式(15)で表されるテトラアルキルジスタンオキサン化合物のXおよびXとしては、アルコキシ基、アシルオキシル基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基該基を表し、該基が、アルコキシ基および/またはアシルオキシ基である場合は、該基を構成する炭素原子の数が、0〜12の整数より選ばれる数である基であることが好ましい。このような例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(各異性体)、ブトキシ基(各異性体)、ペンチルオキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘプチルオキシ基(各異性体)、オクチルオキシ基(各異性体)、ノニルオキシ基(各異性体)、デシルオキシ基(各異性体)等の、直鎖状または分岐鎖状の飽和アルキル基と酸素原子から構成されるアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、ラウロイルオキシ基等の、直鎖状または分岐鎖状の飽和アルキル基とカルボニル基と酸素原子から構成されるアシルオキシル基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン原子が例示される。流動性や、溶解性を考慮し、また、炭酸エステル製造触媒として用いることを考慮すれば、さらに好ましい例としては、炭素数4〜6のアルコキシ基である。
式(14)で示されるジアルキルスズ化合物の例としては、ジメチル−ジメトキシスズ、ジメチル−ジエトキシスズ、ジメチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジブトキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)等のジアルキル−ジアルコキシスズ、ジメチル−ジアセトキシスズ、ジメチル−ジプロピオニルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジブチリルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−バレリルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジラウロリルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジアセトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジプロピオニルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチリルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジバレリルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジラウロリルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジアセトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジプロピオニルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチリルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−バレリルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジラウロリルオキシスズ(各異性体)等のジアルキル−ジアシルオキシスズ、ジメチル−ジクロロスズ、ジメチル−ジブロモスズ、ジブチル−ジクロロスズ(各異性体)、ジブチル−ジブロモスズ(各異性体)、ジオクチル−ジクロロスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブロモスズ(各異性体)等のジアルキル−ジハロゲン化スズ等を挙げることができる。
これらの中でも、ジメチル−ジメトキシスズ、ジメチル−ジエトキシスズ、ジメチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジブトキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジメチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジメトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジエトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジノニルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジデシルオキシスズ(各異性体)等のジアルキルスズジアルコキシドが好ましく、中でもジブチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)ジオクチル−ジプロポキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブトキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)等のジアルキル−ジアルコキシスズがより好ましく、ジブチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジブチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジブチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジペンチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘキシルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジヘプチルオキシスズ(各異性体)、ジオクチル−ジオクチルオキシスズ(各異性体)がさらに好ましい。
上記式(14)で表されるジアルキルスズ化合物は単量体構造を示しているが、多量体構造であっても会合体であってもよい。
式(15)で示されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの例としては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルコキシ−ジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジアセトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジプロピオニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブチリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジバレリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジラウロリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジアセトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジプロピオニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブチリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジバレリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウロリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジアセトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジプロピオニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブチリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジバレリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジラウロリルオキシジスタンオキサン(各異性体)、等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアシルオキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジクロロジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブロモジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジクロロジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブロモジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジクロロジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブロモジスタンオキサン(各異性体)等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジハロゲン化ジスタンオキサンを挙げることができる。
これらの中でも、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジメトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジエトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジプロポキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジノニルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジデシルオキシジスタンオキサン(各異性体)等の1,1,3,3−テトラアルキル−1,3−ジアルコキシ−ジスタンオキサンがより好ましく、中でも1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジブトキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジペンチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘキシルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジヘプチルオキシジスタンオキサン(各異性体)、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ジオクチルオキシジスタンオキサン(各異性体)がさらに好ましい。
上記式(15)で表されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンは単量体構造を示しているが、多量体構造であっても会合体であってもよい。
一般に、有機スズ化合物は会合構造をとりやすく、例えばジアルキルスズジアルコキシスズはダイマー構造を形成したり、テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンは、2分子または3分子が会合したラダー構造を形成して存在する場合もあることが知られているが、このような会合状態が変化する場合であっても、単量体構造で化合物を表すことは、当業者にとっては一般的である。
また、上記で示したジアルキルスズ化合物は単独であっても2種以上の混合物であってもよい。
ジアルキルスズ化合物の製造方法としては、既に開示されている製造方法(WO2005/111049など)が好ましく利用できる。本工程はジアルキル酸化スズとアルコールとから、ジアルキルスズ化合物を製造する工程である。
本実施の形態において用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノナノール(各異性体)、デカノール(各異性体)等のアルコールであって、該アルコールを構成する炭素原子の数が1〜12の整数から選ばれる数であるアルコールが好ましく使用される。
アルキルスズアルコキシド合成工程で使用するジアルキル酸化スズは、下記式(16)で示したジアルキル酸化スズを用いる。
Figure 2009139061
(式中:
およびR10は、各々独立に、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
およびR10の例としては、メチル、エチル、プロピル(各異性体)、ブチル(各異性体)、ペンチル(各異性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性体)、オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デシル(各異性体)、ウンデシル(各異性体)、ドデシル(各異性体)等の炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基であるアルキル基等が挙げられる。より好ましくは炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状の飽和アルキル基であり、さらに好ましくは、n−ブチル基、n−オクチル基である。
アルコールとジアルキル酸化スズとを脱水反応させ、生成する水を系外に除去しながらテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンおよび/またはジアルキルスズジアルコキシドを得る。該反応が実施される温度は、例えば、80〜180℃の範囲で、生成する水を系外に蒸留除去するために、反応圧力にもよるが、100℃〜180℃が好ましく、反応速度を高めるためには反応温度は高温が好ましいが、一方で、高温では分解等の好ましくない反応も起こる場合もあり、収率が低下することもあるので、さらに好ましくは100℃〜160℃の範囲である。反応の圧力は、生成する水が系外に除去できる圧力であり、反応温度にもよるが、20〜1×10Paで行われる。脱水反応の反応時間に、特に制限はなく、通常0.001〜50時間、好ましくは0.01〜10時間、より好ましくは0.1〜2時間である。所望のアルキルスズアルコキシド組成物が得られれば反応を終了してよい。反応の進行は、系外へ抜き出される水の量を測定することによっても求められるし、反応液をサンプリングして、119Sn−NMRによる方法でも求めることができる。本実施の形態の混合物を工程(1)で製造するためには、上記反応で得られるアルキルスズアルコキシド組成物中に含有されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンとジアルキルスズジアルコキシドのモル比率が、両者を併せたモル%で表して、0:100〜80:20の範囲である組成物、より好ましくは、10:90〜70:30の範囲となった組成物を得たことを確認して反応を終了する。使用したアルコールはそのまま共存した状態で使用してもよいし、場合によってはアルコールを蒸留除去して使用してもよい。他の工程の反応器を小さくできる利点があるので、できるだけアルコールを除去しておくことが好ましい。除去する方法は、公知の蒸留による除去が好ましく、また蒸留に使用する蒸留器は公知の蒸留設備が使用できる。好ましい蒸留装置としては、短時間で除去できることから薄膜蒸留装置が好ましく使用できる。脱水反応の反応器の形式に特に制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。水を含む低沸点反応混合物はガス状で蒸留によって反応器から抜き出し、製造されるアルキルスズアルコキシドまたはアルキルスズアルコキシド混合物を含む高沸点反応混合物を反応器下部から液状で抜き出せればよい。このような反応器として、例えば攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。平衡を生成系側に効率的にずらすという点では、塔状の反応器を用いる方法が好ましく、また形成される水を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。多管式反応器、多段蒸留塔、充填剤を充填した充填塔を用いた連続法も使用できるが、本工程で使用するジアルキル酸化スズが通常固体状であるため、まず、槽状反応器で実施し、次いで塔型反応器でジアルキルスズジアルコキシドの含有量をあげる方法が最も好ましい。反応器およびラインの材質は、悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
工程(1)は、上記方法によって製造したジアルキルスズ化合物と、ガス状の二酸化炭素とを反応させて、炭酸エステルを製造する工程である。該工程は、既に開示されている炭酸エステルの製造方法(WO03/055840、WO04/014840など)が好ましく使用される。
本工程に供給されるアルキルスズ化合物は、スタートアップ時にアルキルスズアルコキシド合成工程から供給される場合と、連続製造時に、後述する工程(4)のジアルキルスズ化合物製造工程から、工程(5)を経て供給される場合がある。
工程(1)においては、まず、上記したジアルキルスズアルコキシドとガス状の二酸化炭素を吸収させ、化学反応させてジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を含む混合物を得る。化学反応させる際には、該ジアルキルスズアルコキシドを液状として反応させる。ジアルキルスズアルコキシドが固体の場合に該ジアルキルスズアルコキシドを液状とするには、加熱によって液状とする方法が好ましく使用できる。また、溶媒等によって液状としてもよい。反応させる圧力は、反応させる温度にもよるが、常圧〜1MPaの範囲が好ましく、常圧〜0.6MPaの範囲が更に好ましい。該反応させる温度は、反応させる圧力にもよるが、−40℃〜80℃の範囲が好ましく、移送の際の流動性を考慮すると、0℃〜80℃が更に好ましく、最も好ましい範囲は常温(例えば20℃)〜80℃である。反応時間は数秒〜100時間の範囲で実施してよく、生産性等を考慮すれば、数分〜10時間が好ましい。反応器は公知の槽型反応器、塔型反応器が使用できる。また、複数の反応器を組み合わせて使用してもよい。反応は二酸化炭素ガス(気体)とアルキルスズアルコキシド組成物(液体)の反応であるため、効率よく反応させるためには、気液界面を大きくしてガスと液の接触面積を大きくすることが好ましい。このような気液界面を大きくして反応させる方法は公知の知見が利用でき、例えば、槽型反応器では、攪拌速度を上げたり、液中に気泡を発生させるような方法が好ましく、塔型反応器では、充填塔を利用したり、棚段塔を利用する方法が好ましい。このような塔型反応器の例としては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔方式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔方式のもの等が利用できる。反応器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。反応は通常発熱反応であるから、冷却してもよいし、または反応器の放熱によって冷却してもよい。あるいは炭酸エステル化反応を併発させる目的であれば加熱してもよい。反応器の冷却、加熱はジャケットによる方法、内部コイルによる方法等公知の方法が使用できる。反応器に供給する二酸化炭素ガスとアルキルスズアルコキシド組成物はそれぞれ別々に反応器に供給してもよいし、反応器に供給する前に混合しておいてもよい。反応器の複数箇所から供給してもかまわない。反応終了は、例えば、119Sn−NMR分析によって決定することができる。
次に、上記で得られたジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体から、以下の方法により、炭酸エステルを含む反応液を得る。
反応条件は、110℃〜200℃の範囲、反応速度を高めるためには反応温度は高温が好ましいが、一方で、高温では分解等の好ましくない反応も起こる場合もあり、収率が低下することもあるので、好ましくは120℃〜180℃の範囲であり、0.1時間〜10時間の範囲、反応圧力は、1.5MPa〜20MPa、好ましくは2.0MPa〜10MPaの範囲である。反応は所望の炭酸エステルが反応器中に生成してから終了すればよい。反応の進行は、反応器内の反応液をサンプリングし、H−NMRやガスクロマトグラフィー等の方法で生成した炭酸エステルを分析する方法等で確認できる。例えば、ジアルキルスズアルコキシドおよび/またはジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中に含まれていたジアルキルスズアルコキシドおよび/またはジアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体のモル数に対して10%以上生成したら反応を終了してもよく、炭酸エステルの収量を多くしたい場合、該値を90%以上になるまで反応を続けてから終了する。反応器は公知の反応器が使用でき、塔型反応器、槽型反応器共に好ましく使用できる。反応器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
本実施の形態における工程(2)は、前述の工程(1)で得られた、炭酸エステルを含む反応液から、炭酸エステルを分離回収するとともに、残留液を得る工程である。分離方法は公知の方法や装置が好適に利用できる。好ましい方法は蒸留による方法である。
前述の工程(1)から移送された反応液をバッチもしくはセミバッチ、または連続的に蒸留して炭酸エステルと残留液を得る。好ましい蒸留方法は、該反応液を蒸留器に供給し、炭酸エステルを気相成分として蒸留器上部から系外へ分離し、残留液を液状成分として蒸留器の底部から抜き出す方法である。本工程の温度は該炭酸エステルの沸点や圧力にもよるが、常温(例えば20℃)〜200℃の範囲でよく、高温では残留液中のスズ化合物の変性がおこる場合や、炭酸エステルが逆反応によって減少してしまう場合もあるので常温(例えば20℃)〜150℃の範囲が好ましい。圧力は、炭酸エステルの種類や、実施する温度にもよるが、通常常圧から減圧条件でおこない、生産性を考慮すれば、100Pa〜80KPaの範囲が更に好ましく、100Pa〜50KPaが最も好ましい範囲である。時間は、0.01時間〜10時間の範囲で実施でき、高温で長時間実施すると、該反応液に含まれるスズ化合物が変性する場合や、炭酸エステルが逆反応によって減少する場合もあるため、0.01時間〜0.5時間の範囲が好ましく、0.01時間〜0.3時間の範囲が最も好ましい。蒸留器は公知の蒸留器が使用でき、塔型蒸留器、槽型蒸留器も好ましく使用することができるし、複数組み合わせて使用しても構わない。さらに好ましい蒸留器は薄膜蒸発器、薄膜蒸留器であり、蒸留塔を備えた薄膜蒸発器、薄膜蒸留器が最も好ましい。蒸留器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
工程(3)は、工程(2)で分離された炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物Aとを反応させて炭酸ジアリールを得、副生するアルコールを回収する工程である。ここでいう、芳香族ヒドロキシ化合物とは、前述の式(1)で表わされる炭酸ジアリールを構成する基RO(Rは上記で定義した芳香族基であり、Oは酸素原子を表す)に水素原子が付加した化合物ROHに相当する化合物である。具体的には、好ましく使用される芳香族ヒドロキシ化合物Aの例として、フェノール、メチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)等のモノ置換フェノール類、ジメチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、ジプロピルフェノール(各異性体)、メチルエチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルフェノール(各異性体)、メチルブチルフェノール(各異性体)、メチルペンチルフェノール(各異性体)、エチルプロピルフェノール(各異性体)、エチルブチルフェノール(各異性体)等のジ置換フェノール類、トリメチルフェノール(各異性体)、トリエチルフェノール(各異性体)、ジメチルエチルフェノール(各異性体)、ジメチルプロピルフェノール(各異性体)、ジメチルブチルフェノール(各異性体)等のトリ置換フェノール類、ナフトール(各異性体)等を挙げることができる。
本実施の形態における工程(3)は、工程(2)で分離した主に炭酸エステルを含む成分と芳香族ヒドロキシ化合物Aとを反応させて、炭酸ジアリールを得る工程である。炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物から炭酸アルキルアリール、炭酸ジアリールを得る方法は、これまで多くの提案があり、本実施の形態においても、これらの技術は好ましく適用できる。
工程(3)の反応は、炭酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物のエステル交換反応と、該エステル交換反応で得られる炭酸ジアルキルアリールの不均化反応からなる。
エステル交換反応は平衡反応であって、反応を有利に進めようとすれば、エステル交換反応で脱離生成するアルコールを抜き出しながら反応させることが好ましく、この場合には、工程(3)で使用する芳香族ヒドロキシ化合物の沸点が、工程(2)で得られる炭酸アルキルを構成するアルキルアルコールの沸点よりも高いことが好ましい。特に、工程(1)〜工程(3)の工程を一回以上繰り返して連続して実施する場合には、アルキルアルコールの沸点は芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点より低いことが好ましく、その沸点差は好ましくは2℃、分離の容易さを考えれば、10℃であることが更に好ましい。
工程(3)で用いられる炭酸ジアルキルの例としては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル(各異性体)、炭酸ジブチル(各異性体)、炭酸ジペンチル(各異性体)、炭酸ジヘキシル(各異性体)、炭酸ジヘプチル(各異性体)、炭酸ジオクチル(各異性体)、炭酸ジノニル(各異性体)、炭酸ジデシル(各異性体)、炭酸ジシクロペンチル、炭酸ジシクロヘキシル、炭酸ジシクロヘプチル(各異性体)、炭酸ジベンジル、炭酸ジフェネチル(各異性体)、炭酸ジ(フェニルプロピル)(各異性体)、炭酸ジ(フェニルブチル)(各異性体)、炭酸ジ(クロロベンジル)(各異性体)、炭酸ジ(メトキシベンジル)(各異性体)、炭酸ジ(メトキシメチル)、炭酸ジ(メトキシエチル)(各異性体)、炭酸ジ(クロロエチル)(各異性体)、炭酸ジ(シアノエチル)(各異性体)、炭酸メチルエチル、炭酸メチルプロピル(各異性体)、炭酸メチルブチル(各異性体)、炭酸エチルプロピル(各異性体)、炭酸エチルブチル(各異性体)、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等が用いられる。使用する炭酸エステルは1種類であってもよいし、混合物であってもよい。
これらの炭酸ジアルキルの中で、本実施の形態において好ましく使用されるのは、炭酸エステルを構成するアルコールの標準沸点が、水の標準沸点よりも高いアルコールであって、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルアルコール、直鎖状または分岐鎖状の炭素数4〜12のアルケニル基を有するアルケニルアルコール、シクロアルキルアルコール、アラルキルアルコールである。工程(3)でおこなう反応を有利に進めるために、工程(3)の反応で生成するアルコールを除去することを考慮すれば、工程(3)で使用する芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点よりも、標準沸点の低いアルコールが更に好ましい。すなわち、水よりも標準沸点が高く、芳香族ヒドロキシ化合物よりも標準沸点の低いアルコールから構成される炭酸ジアルキルが好ましい。
工程(3)で使用する芳香族ヒドロキシ化合物の量は、工程(2)で分離され、工程(3)で使用する炭酸ジアルキルの量に対して、化学量論比で、0.1倍〜10000倍の範囲で使用できる。工程(3)の反応は、主に平衡反応であるから、芳香族ヒドロキシ化合物の量は多い方が有利であるが、使用量が増えれば反応器が大きくなり、後の生成物のぶんりにも大きな蒸留塔等が必要となるため、炭酸ジアルキルに対して1〜1000倍の範囲が好ましく、より好ましくは1〜100倍の範囲である。
工程(3)に供給する化合物は、主に炭酸ジアルキル、芳香族ヒドロキシ化合物、必要であれば触媒であるが、反応に特に悪影響を及ぼさない不純物が混入しても差し支えない。
これらの供給原料中に、生成物であるアルコール、炭酸アルキルアリール、および炭酸ジアリール等が含まれていてもよいが、本反応は可逆反応であるため、これらの生成物の濃度があまりに高い場合には原料の反応率を低下させるため好ましくない場合もある。供給する炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物との量比は、触媒の種類および量、ならびに反応条件によっても変わり得るが、通常、供給原料中の該炭酸ジアルキルに対して芳香族ヒドロキシ化合物はモル比で0.01〜1000倍の範囲で供給するのが好ましい。
工程(3)のエステル交換反応における反応時間は、反応条件や反応器の種類や内部構造によっても異なるが、通常、0.001〜50時間、好ましくは、0.01〜10時間、より好ましくは、0.05〜5時間である。反応温度は、反応器内の温度であり、用いる原料化合物である炭酸ジアルキルおよび芳香族ヒドロキシ化合物の種類によって異なるが、通常、50℃〜350℃、好ましくは、100℃〜280℃の範囲でおこなわれる。また、反応圧力は、用いる原料化合物の種類や反応温度などによって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常、10Pa〜20MPaの範囲でおこなわれる。
本実施の形態においては、必ずしも溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当な不活性溶媒、例えば、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類等を反応溶媒として用いることができる。また、反応に不活性な物質として、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させてもよいし、生成する低沸点副生物の留去を加速する目的で、連続多段蒸留塔の下部より、前記の不活性ガスや反応に不活性な低融点有機化合物をガス状で導入してもよい。
工程(3)のエステル交換反応の実施の際には、触媒を添加してもよい。上記したように、エステル交換によって炭酸エステルから炭酸アルキルアリールと炭酸ジアリールを得るが、該エステル交換反応は、平衡が原系に偏っていることに加えて反応速度が遅いことから、この方法によって炭酸ジアリールを製造する際には、これらを改良するためにいくつかの提案がされており、公知の方法が本実施の形態においても好ましく使用できる。
本実施の形態において使用する場合の触媒量は、使用する触媒の種類、反応器の種類、炭酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物の種類やその量比、反応温度、反応圧力等の反応条件の違いによっても異なるが、供給原料である炭酸エステルおよび芳香族ヒドロキシ化合物の合計重量に対する割合で表して、通常、0.0001〜50重量%で使用される。また、固体触媒を使用する場合には、反応器の空塔容積に対して、0.01〜75体積%の触媒量が好ましく使用される。
反応速度を速くするための触媒に関する提案としては、数多くの金属含有触媒が知られている。公知のエステル交換反応触媒が本実施の形態においても使用できる。炭酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物を反応させて炭酸アルキルアリールおよび/または炭酸アルキルアリールと炭酸ジアリールを含んだ混合物を製造する方法では、このような触媒として、例えば、遷移金属ハライド等のルイス酸またはルイス酸を精製させる化合物類、有機スズアルコキシドや有機スズオキシド類等のスズ化合物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩類およびアルコキシド類、鉛化合物類、銅、鉄、ジルコニウム等の金属錯体類、チタン酸エステル類、ルイス酸とプロトン酸の混合物、Sc、Mo、Mn、Bi、Te等の化合物、酢酸第2鉄等が提案されている。炭酸ジアリールの生成は、エステル交換反応のみでも起こりうるが、エステル交換反応で生成した炭酸アルキルアリールの不均化反応によっても生成する。ここでいう不均化反応とは、2分子の炭酸アルキルアリールから炭酸ジアルキルと炭酸ジアリールと生成する反応である。炭酸アルキルアリールが、更に、芳香族ヒドロキシ化合物と反応して、炭酸ジアリールになる反応も起こるが、不均化反応の方が速いため、炭酸ジアリールを得たい場合には、炭酸アルキルアリールを不均化させて炭酸ジアリールを得る。いずれの反応も平衡反応である。炭酸アルキルアリールを製造するエステル交換反応では、アルキルアルコールを抜き出しながら反応させ、不均化工程では炭酸ジアルキルを抜き出しながら反応させることが有利である。従って、各段階において好ましい反応条件が異なる。連続的に反応をおこなう場合には、2段階に分けて反応させることが必要となるが、回分式でおこなう場合には、同一の反応器内で逐次おこなうこともできる。
従って、上記したエステル交換触媒とともに、不均化反応を触媒する触媒を共存させても構わない。このような触媒の例も多く提案されている。このような触媒として、例えば、ルイス酸およびルイス酸を発生しうる遷移金属化合物、ポリマー性スズ化合物、一般式R−X(=O)OH(式中、Xは、SnおよびTiから選択され、Rは1価の炭化水素基から選択される)で表される化合物、ルイス酸とプロトン酸の混合物、鉛触媒、チタンやジルコニウム化合物、スズ化合物、Sc、Mo、Mn、Bi、Te等の化合物等が提案されている。
不均化工程は、エステル交換工程で得られた炭酸アルキルアリールを不均化して、炭酸ジアルキルと炭酸ジアリールを得る工程である。先に述べたように、エステル交換反応実施の際に不均化触媒を加えてエステル交換反応と不均化反応を同時に実施してもよいし、エステル交換反応と不均化反応とを別々に連続的に、または、回分式におこなってもよい。また、エステル交換反応と不均化反応とを別々におこなった場合のエステル交換反応でも、炭酸アルキルアリールと同時に炭酸ジアリールが得られる場合があるが、この場合も、そのまま不均化反応を実施できる。不均化反応は、先に示したように、炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物とのエステル交換反応によって炭酸アルキルアリールを得る工程であって、この平衡反応を有利に進めるためには、アルコールを抜き出しながら反応を進める方法が有利である。不均化反応も、平衡の制約を受けるため、有利に進めようとすれば、不均化反応で生成する炭酸ジアルキルと炭酸ジアリールのうちの一方を系外に抜き出しながら反応させる方法が有利である。本実施の形態においては、生成物のうち、炭酸ジアルキルが炭酸ジアリールよりも低沸となるようにそれぞれのアルコキシ基、アリール基を選択して、炭酸ジアルキルを系外に抜き出しながら不均化反応をおこなうことが好ましい。抜き出した炭酸ジアルキルは、不均化反応以前の工程に戻して使用してもよい。炭酸ジアリールの生産量を多くしようとすれば、抜き出した炭酸ジアルキルをエステル交換工程に戻して使用することが好ましい。
不均化工程では、不均化反応を触媒するを使用してもよい。このような触媒の例も多く提案されている。このような触媒として、例えば、ルイス酸およびルイス酸を発生しうる遷移金属化合物、ポリマー性スズ化合物、一般式R−X(=O)OH(式中、Xは、SnおよびTiから選択され、Rは1価の炭化水素基から選択される)で表される化合物、ルイス酸とプロトン酸の混合物、鉛触媒、チタンやジルコニウム化合物、スズ化合物、Sc、Mo、Mn、Bi、Te等の化合物等が提案されている。
本実施の形態における不均化反応触媒として、エステル交換工程で使用するエステル交換反応触媒と同じ触媒を使用することができる。
不均化工程で用いられる炭酸アルキルアリールは、炭酸アルキルアリールエステルである。炭酸アルキルアリールの例としては、炭酸メチルフェニル、炭酸エチルフェニル、炭酸プロピルフェニル(各異性体)、炭酸ブチルフェニル(各異性体)、炭酸アリルフェニル(各異性体)、炭酸ペンチルフェニル(各異性体)、炭酸ヘキシルフェニル(各異性体)、炭酸ヘプチルフェニル(各異性体)、炭酸オクチルトリル(各異性体)、炭酸ノニル(エチルフェニル)(各異性体)、炭酸デシル(ブチルフェニル)(各異性体)、炭酸メチルトリル(各異性体)、炭酸エチルトリル(各異性体)、炭酸プロピルトリル(各異性体)、炭酸ブチルトリル(各異性体)、炭酸アリルトリル(各異性体)、炭酸メチルキシリル(各異性体)、炭酸メチル(トリメチルフェニル)(各異性体)、炭酸メチル(クロロフェニル)(各異性体)、炭酸メチル(ニトロフェニル)(各異性体)、炭酸メチル(メトキシフェニル)(各異性体)、炭酸メチル(ピリジル)(各異性体)、炭酸エチルクミル(各異性体)、炭酸メチル(ベンゾイルフェニル)(各異性体)、炭酸エチルキシリル(各異性体)、炭酸ベンジルキシリル(各異性体)等が挙げられる。これらの炭酸アルキルアリールは1種類であってもよいし、2種類以上の混合物であってもよい。
これらの炭酸アルキルアリールの中で、本実施の形態において好ましく用いられるのは、炭酸アルキルアリールを構成するアルコールが、水よりも沸点の高いアルコールであって、炭酸アルキルアリールを構成するアルコールの沸点が、炭酸アルキルアリールを構成する芳香族ヒドロキシ化合物の沸点より低く、例えば、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキルアルコール、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素巣4〜12のアルケニル基を有するアルケニルアルコール、シクロアルキルアルコール、アラルキルアルコールの中から選ばれ、不均化反応を有利に進めるために、不均化反応で生成する炭酸ジアルキルを除去することを考慮すれば、不均化反応で得る炭酸ジアリールよりも沸点の低い炭酸ジアルキルであることが好ましい。このような最適な組み合わせとしては、アルコール、上記式(14)および式(15)で表される金属−炭素−酸素結合を有する金属化合物のアルコキシ基に相当するアルコール、炭酸ジアルキルを構成するアルコールが、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)の群から選ばれるアルコールであり、芳香族ヒドロキシ化合物が、フェノール、クレゾールから選ばれる芳香族ヒドロキシ化合物が挙げられる。
不均化工程に供給する化合物は、主に炭酸アルキルアリールであり、必要であれば触媒であるが、反応に特に悪影響を与えない不純物が混入していてもかまわない。
本実施の形態で触媒を用いる場合の触媒量は、使用する触媒の種類、反応器の種類、炭酸アルキルアリールの種類やその量、反応温度ならびに反応圧力等の反応条件等によっても異なるが、供給原料である炭酸アルキルアリールの重量に対する割合で表して、通常0.0001〜50重量%で使用される。また、固体触媒を使用する場合には、反応器の空塔容積に対して、0.01〜75体積%の触媒量が好ましく使用される。
これらの供給原料中に、アルコール、芳香族ヒドロキシ化合物、および炭酸ジアリール等が含まれていてもよいが、本反応は可逆反応であるため、これらの成分のうち、濃度があまりに高い場合には、原料の反応率を低下させるため好ましくない場合もある。
不均化反応の反応時間は、反応条件や反応器の種類や内部構造によっても異なるが、通常0.001〜50時間、好ましくは、0.01〜10時間、より好ましくは、0.05〜5時間である。反応温度は、用いる炭酸アルキルアリールの種類によっても異なるが、通常50℃〜350℃、より好ましくは100℃〜280℃の温度範囲でおこなわれる。また、反応圧力は、用いる原料化合物の種類や反応温度等によっても異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常10Pa〜20MPaの範囲でおこなわれる。
本実施の形態における不均化工程において、必ずしも溶媒を使用する必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で、適当な不活性溶媒、例えば、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類等を反応溶媒として使用することができる。また、反応に不活性な物質として、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させてもよいし、生成する低沸点副生成物の留去を加速する目的で、連続多段蒸留塔の下部より、前記の不活性ガスや反応に不活性な低融点有機化合物をガス状で導入してもよい。
不均化反応終了後は、公知の方法で触媒、炭酸アルキルアリール、芳香族ヒドロキシ化合物、アルコールを分離し、炭酸ジアリールを得る。
エステル交換工程および不均化工程で使用する反応器の形式には、特に制限はなく、撹拌槽方式、多段撹拌槽方式、多段蒸留塔を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。これらの反応器は、バッチ式、連続式のいずれでも使用することができる。平衡を生成系側に効率的にずらすという点で、多段蒸留塔を用いる方法が好ましく、多段蒸留塔を用いた連続法が特に好ましい。多段蒸留塔とは、蒸留の理論段数が2段以上の多段を有する蒸留塔であって、連続蒸留が可能なものであるならばどのようなものであってもよい。このような多段蒸留塔としては、例えば、泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バブルトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔方式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔方式のものなど、通常多段蒸留塔として用いられるものならばどのようなものでも使用することができる。さらには、棚段部分と充填物の充填された部分とをあわせもつ棚段−充填混合塔方式のものも好ましく用いられる。多段蒸留塔を用いて連続法を実施する場合、出発物質と反応物質とを連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該蒸留塔内において金属含有触媒の存在下に、液相または気−液相で両物質間のエステル交換反応、および/または不均化反応をおこなわせると同時に、製造される炭酸アルキルアリールおよび/または炭酸ジアリールを含む高沸点反応混合物を該蒸留塔の下部から液状で抜き出し、一方生成する副生物を含む低沸点反応混合物を蒸留によって該蒸留塔の上部からガス状で連続的に抜き出すことにより炭酸ジアリールが製造される。
以上、ジアルキルスズ化合物を使用した炭酸ジアリールの製造例を示したが、上述した工程(1)〜工程(3)に加えて、以下の工程(4)および工程(5)をおこなうことができる。
工程(4):工程(2)で得られた残留液とアルコールを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程。
工程(5):工程(4)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物を、工程(1)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程。
工程(4)は、工程(2)で得られた残留液とアルコールを反応させてジアルキルスズ化合物を再生する工程である。
本工程で用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノナノール(各異性体)、デカノール(各異性体)等のアルコールであって、該アルコールを構成する炭素原子の数が1〜12の整数から選ばれる数であるアルコールが好ましく使用されるが、より好ましくは、上記したアルキルスズアルコキシド合成工程で使用したアルコールと同じアルコールを使用する。
脱水反応の条件も上記したアルキルスズアルコキシド合成工程と同様の条件で実施することが好ましい。所望のアルキルスズアルコキシド組成物が得られれば反応を終了してよい。反応の進行は、系外へ抜き出される水の量を測定することによっても求められるし、反応液をサンプリングして、119Sn−NMRによる方法でも求めることができる。本実施の形態の混合物を工程(1)で製造するためには、上記反応で得られるアルキルスズアルコキシド組成物中に含有されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンとジアルキルスズジアルコキシドのモル比率が、両者を併せたモル%で表して、0:100〜80:20の範囲である組成物、より好ましくは、10:90〜70:30の範囲となった組成物を得たことを確認して反応を終了する。使用したアルコールはそのまま共存した状態で使用してもよいし、場合によってはアルコールを蒸留除去して使用してもよい。他の工程の反応器を小さくできる利点があるので、できるだけアルコールを除去しておくことが好ましい。除去する方法は、公知の蒸留による除去が好ましく、また蒸留に使用する蒸留器は公知の蒸留設備が使用できる。好ましい蒸留装置としては、短時間で除去できることから薄膜蒸留装置が好ましく使用できる。本工程では、アルキルスズアルコキシドの合成工程とは異なって、通常固体であるジアルキル酸化スズを使用しないので、反応器の制約は少ない。即ち、脱水反応の反応器の形式に特に制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。水を含む低沸点反応混合物はガス状で蒸留によって反応器から抜き出し、製造されるアルキルスズアルコキシドまたはアルキルスズアルコキシド混合物を含む高沸点反応混合物を反応器下部から液状で抜き出せればよい。このような反応器として、例えば攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。平衡を生成系側に効率的にずらすという点で、塔状の反応器を用いる方法が好ましく、また形成される水を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。多管式反応器、多段蒸留塔、充填剤を充填した充填塔を用いた連続法が特に好ましい。反応器およびラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサー等の公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
以上の工程(4)で製造されるジアルキルスズ化合物は、次の工程(5)(リサイクル工程)である、工程(4)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する該有機スズ化合物を、工程(1)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程により、工程(1)で使用されるジアルキルスズ化合物として再利用される。
<アミン化合物>
一方、本実施の形態における製造方法に用いるアミン化合物としては、下記式(17)で表されるアミン化合物が使用される。
Figure 2009139061
(式中、Rは、炭素、酸素から選ばれる原子を含む、炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
nは、2〜10の整数である。)
上記式(17)において、好ましくはnが2以上のポリアミンであり、さらに好ましくはnが2であるジアミン化合物が使用される。
上記式(17)におけるRは、より好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基が挙げられ、このようなRの例としては、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン等の直鎖炭化水素基;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ビス(シクロヘキシル)アルカン等の無置換の脂環式炭化水素基;メチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン(各異性体)、エチルシクロヘキサン(各異性体)、プロピルシクロヘキサン(各異性体)、ブチルシクロヘキサン(各異性体)、ペンチルシクロヘキサン(各異性体)、ヘキシルシクロヘキサン(各異性体)等のアルキル置換シクロヘキサン;ジメチルシクロヘキサン(各異性体)、ジエチルシクロヘキサン(各異性体)、ジブチルシクロヘキサン(各異性体)等のジアルキル置換シクロヘキサン;1,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,5,5−トリエチルシクロヘキサン、1,5,5−トリプロピルシクロヘキサン(各異性体)、1,5,5−トリブチルシクロヘキサン(各異性体)等のトリアルキル置換シクロヘキサン;トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン等のモノアルキル置換ベンゼン;キシレン、ジエチルベンゼン、ジプロピルベンゼン等のジアルキル置換ベンゼン;ジフェニルアルカン、ベンゼン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。中でも、ヘキサメチレン、フェニレン、ジフェニルメタン、トルエン、シクロヘキサン、キシレニル、メチルシクロヘキサン、イソホロンおよびジシクロヘキシルメタン基が好ましく使用される。
このようなポリアミン化合物の例としては、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(各異性体)、シクロヘキサンジアミン(各異性体)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(各異性体)等の脂肪族ジアミン;フェニレンジアミン(各異性体)、トルエンジアミン(各異性体)4,4’−メチレンジアニリン等の芳香族ジアミンを挙げることができる。中でもヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(各異性体)、シクロヘキサンジアミン(各異性体)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(各異性体)等の脂肪族ジアミンが好ましく使用され、中でも、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンがより好ましく使用される。
<炭酸ジアリールとアミン化合物の反応>
上記で説明した炭酸ジアリールとアミン化合物との反応について説明する。
炭酸ジアリールとアミン化合物との反応は、芳香族ヒドロキシ化合物存在下でおこなわれる。該芳香族ヒドロキシ化合物としては、該芳香族ヒドロキシ化合物を構成する芳香族炭化水素環に直接結合するヒドロキシル基を1つ有する化合物が好ましい。該芳香族ヒドロキシ化合物を構成する芳香族炭化水素環に直接結合するヒドロキシル基を2つ以上有する芳香族ヒドロキシ化合物であっても、本実施の形態の組成物を構成する芳香族ヒドロキシ化合物として使用することが可能であるが、該炭酸ジアリールと該アミン化合物との反応において溶液の粘度が高くなる場合があり、反応効率が低下したり、後述する反応液の移送に際して効率低下を招くことがある。
炭酸ジアリールとアミン化合物との反応において使用される芳香族ヒドロキシ化合物としては、フェノール、メチル−フェノール(各異性体)、エチル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェノール(各異性体)、デシル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェノール(各異性体)、フェニル−フェノール(各異性体)、フェノキシフェノール(各異性体)、クミル−フェノール(各異性体)等のモノ置換フェノール類、ジメチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−フェノール(各異性体)、ジブチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−フェノール(各異性体)、ジデシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシフェノール(各異性体)、ジクミル−フェノール(各異性体)メチル−エチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−クミル−フェノール(各異性体)プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−クミル−フェノール(各異性体)ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−クミル−フェノール(各異性体)ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−クミル−フェノール(各異性体)ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−クミル−フェノール(各異性体)ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)等のジ置換フェノール類、トリメチル−フェノール(各異性体)、トリエチル−フェノール(各異性体)、トリプロピル−フェノール(各異性体)、トリブチル−フェノール(各異性体)、トリペンチル−フェノール(各異性体)、トリヘキシル−フェノール(各異性体)、トリヘプチル−フェノール(各異性体)、トリオクチル−フェノール(各異性体)、トリノニル−フェノール(各異性体)、トリデシル−フェノール(各異性体)、トリドデシル−フェノール(各異性体)、トリフェニル−フェノール(各異性体)、トリフェノキシフェノール(各異性体)、トリクミル−フェノール(各異性体)、ジメチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジメチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジメチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジメチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジメチル−クミル−フェノール(各異性体)、ジエチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジエチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジエチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジエチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジエチル−クミル−フェノール(各異性体)ジプロピル−メチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−エチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−デシル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジプロピル−クミル−フェノール(各異性体)ジブチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジブチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジブチル−クミル−フェノール(各異性体)ジペンチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジペンチル−クミル−フェノール(各異性体)ジヘキシル−メチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−エチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)ジヘプチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)ジオクチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジオクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ジノニル−メチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−エチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジノ
ニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ジデシル−メチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−エチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−メチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−エチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−デシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−メチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−エチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−デシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジフェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシメチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシエチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシプロピル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシブチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシペンチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシヘキシル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシヘプチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシオクチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシノニル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシデシル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシドデシル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシフェニル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシクミル−フェノール(各異性体)、ジクミル−メチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−エチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジクミル−デシル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジクミル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジクミル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−エチル−プロピル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ブチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−エチル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−プロピル−クミル−
フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−プロピル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−デシル−フェ
ノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−フェノール(各異性体)、エチル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェノール(各異性体)、デシル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェノール(各異性体)、フェニル−フェノール(各異性体)、フェノキシフェノール(各異性体)、クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノキシクミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)
、ヘキシル−ノニル−フェノキフェノール(各異性体)、シヘキシル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)
、ヘキシル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ノニル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ノニル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ノニル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、デシル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、デシル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、デシル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、デシル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、デシル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ドデシル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、フェニル−フェノキシクミル−フェノール(各異性体)等のトリ置換フェノール類等を挙げることができる。これらの芳香族ヒドロキシ化合物の中でも、炭酸ジアリールを構成する基RO(Rは上記で定義した芳香族基であり、Oは酸素原子を表す)に水素原子が付加した化合物ROHに相当する化合物がより好ましく使用される。これは、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応によって得られる反応混合物における化合物の種類を少なくすることができ、分離操作を簡素化することができるためである。
アミン化合物は、好ましくは、カルバミン酸アリールの製造をおこなう反応器に液体の状態で供給される。一般的に、上で例示したアミン化合物は、常温(例えば20℃)で固体のものが多いが、そのような場合には、該アミン化合物の融点以上に加熱して、液体の状態で供給することもできるが、あまりに高温でアミン化合物を供給すると、加熱による熱変性反応等の副反応を生じる場合があることから、好ましくは、該アミン化合物を、上述の芳香族ヒドロキシ化合物、炭酸ジアリールまたは水との混合物とし、比較的低い温度で、液体の状態で供給することが好ましい。
炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる反応条件は,反応させる化合物によって異なるが、アミン化合物のアミノ基に対して炭酸ジアリールを化学量論比で、1〜1000倍の範囲、反応速度を高め、反応を早期に完結させるためには、炭酸ジアリールはアミン化合物のアミノ基に対して過剰量が好ましいが、反応器の大きさを考慮すれば、好ましくは1.1〜50倍の範囲、さらに好ましくは、1.5〜10倍の範囲である。芳香族ヒドロキシ化合物の使用量は、アミン化合物のアミノ基に対して、芳香族ヒドロキシ化合物を化学量論比で、1〜100倍の範囲であり、より好ましくは、1.2〜50倍、さらに好ましくは1.5〜10倍である。反応温度は、通常、0℃〜150℃の範囲である。反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温では好ましくない反応も起こる場合があるので、好ましくは10℃〜100℃の範囲である。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常20〜1×10Paの範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく通常0.001〜50時間、好ましくは0.01〜20時間、より好ましくは0.1〜10時間である。また、反応液を採取し、例えば、液体クロマトグラフィーによって所望する量のカルバミン酸アリールが生成していることを確認して反応を終了することもできる。
本実施の形態においては、炭酸ジアリールとアミン化合物の反応において、好ましくは触媒を使用しない。後述する、反応混合物の移送、および、反応混合物に含有されるカルバミン酸エステルの熱分解反応において、触媒に由来する金属成分の存在下でカルバミン酸アリールを加熱すると、該カルバミン酸アリールの熱変性反応等を生起する場合がある。炭酸ジアリールとアミン化合物との反応をおこなう際に触媒を使用し、触媒を除去する工程を経てから、反応混合物の移送や熱分解反応をおこなうこともできるが、工程が増えるので好ましくない。
しかしながら、反応を短時間で完結させる、反応温度を低くする等の目的で、触媒を使用することは否定されない。一般的に、芳香族アミン化合物は脂肪族アミンに比べて反応性が低いので、アミン化合物として芳香族アミン化合物を使用する場合には、触媒の使用が有効な場合がある。触媒を使用する場合には、例えば、スズ、鉛、銅、チタン等の有機金属化合物や無機金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属のアルコラートであって、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウムのメチラート、エチラート、ブチラート(各異性体)等の塩基性触媒等を使用することができる。
本実施の形態においては、好ましくは、上述した芳香族ヒドロキシ化合物、および/または、余剰の炭酸ジアリール以外に、反応溶媒を使用しない。従来技術では、カルバミン酸ジアリールの熱分解反応によって生成するイソシアネートおよびカルバミン酸エステルに対して不活性な反応溶媒を使用する方法が開示されている場合があるが、このような不活性溶媒を使用すると、後述するカルバミン酸エステルの熱分解反応によって生成するイソシアネートや芳香族ヒドロキシ化合物との分離等が煩雑となり、好ましくない。
炭酸ジアリールとアミン化合物との反応において使用される反応器は、公知の槽型反応器、塔型反応器、蒸留塔が使用でき、反応器およびラインの材質は、出発物質や反応物質に悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316L等が安価であり、好ましく使用できる。
<カルバミン酸アリール>
当該反応によって、カルバミン酸アリールと、余剰の炭酸ジアリールと、芳香族ヒドロキシ化合物を含有する反応混合物が得られる。
該カルバミン酸アリールは、下記式(18)で表される化合物である。
Figure 2009139061
(式中;
は、上記で定義した基であって、アミン化合物に由来する基を表し、
は、上記で定義した基であって、炭酸ジアリールに由来する基を表し、
nは、2〜10の整数であって、アミン化合物のアミノ基の数と同じ数である。)
上記式(18)で表されるカルバミン酸エステルとしては、例えば、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステル、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(メチルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(エチルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(プロピルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(ブチルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジ(ペンチルフェニル)エステル(各異性体)、、ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ジ(メチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ジ(エチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート、ジ(プロピルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジ(ブチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジ(ペンチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジ(ヘキシルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジ(ヘプチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、ジ(オクチルフェニル)−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメート(各異性体)、3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステル、3−(メチルフェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(メチルフェノキシ)エステル(各異性体)、3−(エチルフェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(エチルフェニル)エステル(各異性体)、3−(プロピルフェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(プロピルフェニル)エステル(各異性体)、3−(ブチルフェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ブチルフェニル)エステル(各異性体)、3−(ペンチルフェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ペンチルフェニル)エステル(各異性体)、3−(ヘキシルフェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、3−(ヘプチルフェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(ヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、3−(オクチルフェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸(オクチルフェニル)エステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジフェニルエステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジ(メチルフェニル)エステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジ(エチルフェニル)エステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジ(プロピルフェニル)エステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジ(ブチルフェニル)エステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジ(ペンチルフェニル)エステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジ(ヘキシルフェニル)エステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジ(ヘプチルフェニル)エステル(各異性体)、トルエン−ジカルバミン酸ジ(オクチルフェニル)エステル(各異性体)、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジ(メチルフェニル)エステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジ(エチルフェニル)エステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジ(プロピルフェニル)エステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジ(ブチルフェニル)エステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジ(ペンチルフェニル)エステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジ(ヘキシルフェニル)エステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジ(ヘプチルフェニル)エステル、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジ(オクチルフェニル)エステル(各異性体)等のカルバミン酸アリールを挙げることができる。
<ウレタン化反応液の移送>
上記方法によって製造された、カルバミン酸アリールを含有する反応液は、好ましくは、該反応がおこなわれる反応器から取り出し、該カルバミン酸アリールの熱分解反応がおこなわれる反応器(以下、熱分解反応器という)に移送され、該カルバミン酸アリールの熱分解反応を実施する。このように、カルバミン酸アリールを製造する反応器と、熱分解反応器を別にすることによって、それぞれの反応に適する反応器を選択することができ、反応条件の設定を柔軟におこなうことができるため、それぞれの反応における収率を高めることが可能となる。
これらのカルバミン酸アリールは、カルバミン酸アリールを構成するウレタン結合によって分子間で水素結合を形成しやすいことから、高い融点を有する場合が多い。このようなカルバミン酸アリールを移送するにあたっては、例えば、固体のカルバミン酸エステルを粉砕したりペレット状に加工する等の賦形化処理をおこなったものを移送することができる。しかしながら、賦形化処理をおこなった固体のカルバミン酸アリールを移送する場合、移送ラインの閉塞を招いたり、カルバミン酸アリールの形状にばらつきが多い場合に一定量のカルバミン酸アリールを安定的に移送するために煩雑な装置を必要としたり、該カルバミン酸アリールの形状をある範囲に揃える工程を必要とする場合が多い。したがって、該カルバミン酸アリールは、好ましくは、液体状で熱分解反応器に供給される。
カルバミン酸アリールを液体状で熱分解反応器に供給する方法としては、好ましくは、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応によって得られる反応混合物として供給する方法を採用することができる。
カルバミン酸アリールの融点よりも高い温度に加熱してカルバミン酸アリールを液体状として移送する方法も可能ではあるが、移送中の固化を防止することも考慮して、該カルバミン酸アリールの融点よりも高い温度(例えば200℃)に加熱する必要がある。このような高温下でカルバミン酸アリールを保持した場合、所望しない場所でカルバミン酸アリールの熱分解反応が生起してイソシアネートが生成したり、上記したようなカルバミン酸アリールの熱変性反応を生起する場合が多い。
これに対して、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応によって得られる反応混合物は、常温(20℃)で液体、もしくは、常温で固体であっても、該カルバミン酸アリールの融点よりも低い温度で均一な液体となる場合が多いため、カルバミン酸アリールの熱変性反応等を抑制することができる。
また、本発明者らは、驚くべきことに、カルバミン酸アリールを、該炭酸ジアリールとアミン化合物との反応によって得られる反応混合物として移送すると、該カルバミン酸アリールの熱変性反応等によるカルバミン酸アリールの減少が抑制されることを見出した。このような効果を奏する理由は明確ではないが、本発明者らは、上記式(2)で表される尿素結合を形成する反応において、該反応混合物に含有される芳香族ヒドロキシ化合物と、カルバミン酸エステルのウレタン結合(−NHCOO−)とが水素結合を形成することにより、ウレタン結合同士が近接しにくい状態を形成するため、尿素結合を形成する反応を生起しにくいのではないかと推測している。
該反応混合物の移送は、好ましくは、10℃〜180℃の温度範囲、より好ましくは、30℃〜170℃、さらに好ましくは、50℃〜150℃の温度範囲にて実施される。
カルバミン酸アリールを、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応によって得られる反応混合物として熱分解反応に供給する方法では、反応混合物を、蒸留分離操作等をおこなうことなく供給することになるため、工程を簡略化できる利点をも有する。また、反応混合物から一部または全部の芳香族ヒドロキシ化合物を分離した混合物として供給する方法においても、該反応混合物から、カルバミン酸アリールのみを単離する操作をおこなう必要がないため、工程は簡略化される。
<カルバミン酸アリールの熱分解反応>
次に、カルバミン酸アリールの熱分解反応によるイソシアネートの製造について説明する。
本実施の形態における熱分解反応は、カルバミン酸アリールから、対応するイソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物を生成させる反応である。
反応温度は、通常100℃〜300℃の範囲であり、反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温ではカルバミン酸アリールおよび/または生成物であるイソシアネートによって、上述したような副反応が引き起こされる場合があるので、好ましくは150℃〜250℃の範囲である。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常20〜1×10Paの範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく、通常0.001〜100時間、好ましくは0.005〜50時間、より好ましくは0.01〜10時間である。
本実施の形態において、好ましくは触媒を使用しない。触媒を使用して熱分解反応を促進してもよいが、上述した、カルバミン酸アリールおよび/または生成物であるイソシアネートによる副反応が生起しやすくなる場合が多いため好ましくない。
カルバミン酸アリールは、高温下で長時間保持された場合、上述したような副反応を生起する場合がある。また、熱分解反応によって生成したイソシアネートが、上述したような副反応を引き起こす場合がある。したがって、該カルバミン酸アリールおよび該イソシアネートが高温下に保持される時間は、可能な限り短時間であることが好ましく、該熱分解反応は、好ましくは連続法でおこなわれる。連続法とは、該カルバミン酸アリールを含有する混合物を、反応器に連続的に供給して、熱分解反応に付し、生成するイソシアネートおよび芳香族ヒドロキシ化合物を、該熱分解反応器から連続的に抜き出す方法である。該連続法において、カルバミン酸アリールの熱分解反応によって生成する低沸点成分は、好ましくは、気相成分として該熱分解反応器の上部より回収され、残りは液相成分として該熱分解反応器の底部より回収される。熱分解反応器中に存在する全ての化合物を気相成分として回収することもできるが、液相成分を該熱分解反応器中に存在させることによって、カルバミン酸アリールおよび/またはイソシアネートによって生起される副反応によって生成するポリマー状化合物を溶解して、該ポリマー状化合物の該熱分解反応器への付着・蓄積を防止する効果がある。カルバミン酸アリールの熱分解反応により、イソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物が生成するが、これらの化合物のうち、少なくとも一方の化合物を気相成分として回収する。どの化合物を気相成分として回収するかは、熱分解反応条件に依存する。
ここで、本実施の形態で用いる用語「カルバミン酸アリールの熱分解反応によって生成する低沸点成分」とは、該カルバミン酸エステルの熱分解反応によって生成する芳香族ヒドロキシ化合物および/またはイソシアネートが相当するが、特に、当該熱分解反応が実施される条件下において、気体として存在しうる化合物を指す。
例えば、熱分解反応によって生成するイソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを気相成分として回収し、炭酸ジアリールおよび/またはカルバミン酸エステルを含有する液相成分を回収する方法を採用することができる。当該方法において、熱分解反応器でイソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物を別々に回収してもよい。回収されたイソシアネートを含有する気相成分は、好ましくは、気相で、該イソシアネートを精製分離するための蒸留装置に供給される。回収されたイソシアネートを含有する気相成分を、凝縮器等によって液相としたのち、蒸留装置に供給することもできるが、装置が煩雑となったり、使用するエネルギーが大きくなる場合が多く、好ましくない。一方、炭酸ジアリールおよび/またはカルバミン酸アリールを含有する液相成分は、熱分解反応器底部から回収され、該液相成分が炭酸ジアリールを含有する場合は、好ましくは、該液相成分から炭酸ジアリールを分離回収して、該炭酸ジアリールを再利用する。また、該液相成分が、カルバミン酸アリールを含有する場合は、好ましくは、該液相成分の一部または全部を、該熱分解反応器の上部に供給し、該カルバミン酸アリールを、再度、熱分解反応に付す。ここでいう、熱分解反応器の上部とは、例えば、該熱分解反応器が蒸留塔の場合は、理論段数で塔底より2段目以上上の段を指し、該熱分解反応器が薄膜蒸留器の場合は、加熱されている伝面部分よりも上の部分を指す。該液相成分の一部または全部を熱分解反応器の上部に供給する際は、該液相成分を、好ましくは50℃〜180℃、より好ましくは、70℃〜170℃、さらに好ましくは、100℃〜150℃に保持して移送する。
また、例えば、熱分解反応によって生成するイソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物と炭酸ジアリールとを気相成分として回収し、カルバミン酸アリールを含有する液相成分を熱分解反応器の底部から回収する方法を採用することができる。当該方法においても、回収されたイソシアネートを含有する気体成分は、好ましくは、気相で、該イソシアネートを生成分離するための蒸留装置に供給される。一方、カルバミン酸アリールを含有する液相成分は、その一部もしくは全部を、該熱分解反応器の上部に供給し、該カルバミン酸アリールを、再度、熱分解反応に付す。該液相成分の一部または全部を熱分解反応器の上部に供給する際は、該液相成分を、好ましくは50℃〜180℃、より好ましくは、70℃〜170℃、さらに好ましくは、100℃〜150℃に保持して移送する。
さらに、例えば、熱分解反応によって生成するイソシアネートと芳香族ヒドロキシ化合物のうち、芳香族ヒドロキシ化合物を気相成分として回収し、該イソシアネートを含有する混合物を液相成分として、該熱分解反応器の底部より回収する方法を採用することができる。この場合、該液相成分を蒸留装置に供給し、イソシアネートを回収する。該液相成分に、炭酸ジアリールが含有される場合には、好ましくは、炭酸ジアリールを分離回収して再利用する。また、該液相成分に、カルバミン酸アリールが含有される場合には、好ましくは、該カルバミン酸アリールを含有する混合物は、その一部もしくは全部を、該熱分解反応器の上部に供給し、該カルバミン酸アリールを、再度、熱分解反応に付す。該液相成分の一部または全部を熱分解反応器の上部に供給する際は、該液相成分を、好ましくは50℃〜180℃、より好ましくは、70℃〜170℃、さらに好ましくは、100℃〜150℃に保持して移送する。
先にも述べたが、該熱分解反応においては、液相成分を該熱分解反応器の底部より回収することが好ましい。それは、液相成分を該熱分解反応器中に存在させることによって、カルバミン酸アリールおよび/またはイソシアネートによって生起される副反応によって生成するポリマー状副生物を溶解して、液相成分として熱分解反応器から排出させることができ、以って該ポリマー状化合物の該熱分解反応器への付着・蓄積を低減する効果があるためである。
液相成分にカルバミン酸アリールが含有される場合には、該液相成分の一部もしくは全部を、該熱分解反応器の上部に供給し、該カルバミン酸アリールを、再度、熱分解反応に付すが、この工程を繰り返すと、液相成分にポリマー状副生物が蓄積される場合がある。その場合には、該液相成分の一部もしくは全部を反応系から除去し、ポリマー状副生物の蓄積を減少させる、もしくは、一定の濃度に保持することができる。
以上の熱分解反応において得られる気相成分および/または液相成分に含有される芳香族ヒドロキシ化合物および/または炭酸ジアリールは、それぞれ、分離回収して、再利用することができる。具体的には、芳香族ヒドロキシ化合物は、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応における反応溶媒、および/または、炭酸ジアリールの製造にかかる工程(3)の芳香族ヒドロキシ化合物Aとして再利用できるし、炭酸ジアリールは、カルバミン酸アリールの製造における原料として再利用することができる。
該熱分解反応器の形式に、特に制限はないが、気相成分を効率よく回収するために、好ましくは、公知の蒸留装置を使用する。例えば、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器のいずれかを含む反応器を用いる方式、およびこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。低沸点成分を素早く反応系から除去する観点から、好ましくは、管状反応器、より好ましくは、管状薄膜蒸発器、管状流下膜蒸発器等の反応器を用いる方法であり、生成する低沸点成分を気相にすみやかに移動させられる気−液接触面積の大きな構造が好ましい。
熱分解反応器およびラインの材質は、該カルバミン酸アリールや生成物である芳香族ヒドロキシ化合物、イソシアネート等に悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316、SUS316L等が安価であり、好ましく使用できる。
<熱分解反応器の洗浄>
本実施の形態において、炭酸ジアリールとアミン化合物とを反応させて得られる、カルバミン酸アリールを含有する反応液は、例えば、上記式(5)、式(6)、式(7)で表されるポリマー状副反応生成物等を含有する。該副反応生成物は、多くの場合、芳香族ヒドロキシ化合物に溶解しやすいため、該カルバミン酸アリールを含有する反応液中に溶解している。しかしながら、熱分解反応器において、大部分の芳香族ヒドロキシ化合物が気相成分として該熱分解反応器から抜き出されると、該副反応生成物が析出し該熱分解反応器に付着する場合が多い。また、該カルバミン酸アリールの熱分解反応に伴って、例えば、上記式(8)、式(9)、式(10)等で表される副反応に由来するポリマー副生成物等が生成するが、この熱分解反応による副生物も該熱分解反応器に付着する場合が多い。これら熱分解反応に付着した化合物は、ある程度蓄積すると、該熱分解反応器の運転の妨げとなり、長期間に亘る運転が難しい場合が多いため、該熱分解反応器を解体して清掃する等の作業が必要であった。
本発明者らは、驚くべきことに、該熱分解反応器に付着する化合物が、酸に溶解しやすいことを見出した。この知見を基に、該熱分解反応器に高沸物が付着した場合は、該熱分解反応器の壁面を酸で洗浄し、これらの高沸物を溶解して、該熱分解反応器より除去することにより、該熱分解反応器内(特に壁面)を清浄に保つ方法を考案し、完成させた。該方法により、該熱分解反応器を解体し、分掃することなく、該熱分解反応器の壁面を洗浄できることから、該熱分解反応器の運転停止期間を大幅に短縮することができ、イソシアネートの生産効率が高い。
洗浄の酸としては、該ポリマー状副生物を溶解するものであれば、特に限定されず、有機酸、無機酸のいずれが用いられてもよいが、好ましくは、有機酸が用いられる。有機酸としては、カルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸、フェノール類、エノール類、チオフェノール類、イミド類、オキシム類、芳香族スルホンアミド類等を例示することができるが、好ましくはカルボン酸、フェノール類が使用される。このような化合物としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、2−メチルブタン酸、ピバリン酸、ヘキサン酸、イソカプロン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、ヘプタン酸(各異性体)、オクタン酸(各異性体)、ノナン酸(各異性体)、デカン酸(各異性体)、ウンデカン酸(各異性体)、ドデカン酸(各異性体)、テトラデカン酸(各異性体)、ヘキサデカン酸(各異性体)、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、アリル酢酸、ウンデセン酸(各異性体)等の飽和もしくは不飽和脂肪族モノカルボン酸化合物、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸(各異性体)、オクタン二酸(各異性体)、ノナン二酸(各異性体)、デカン二酸(各異性体)、マレイン酸、フマル酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、ペンテン二酸(各異性体)、イタコン酸、アリルマロン酸等の飽和もしくは不飽和脂肪族ジカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3−プロペントリカルボン酸、2,3−ジメチルブタン−1,2,3−トリカルボン酸等の飽和もしくは不飽和脂肪族トリカルボン酸化合物、安息香酸、メチル安息香酸(各異性体)、エチル安息香酸(各異性体)、プロピル安息香酸(各異性体)、ジメチル安息香酸(各異性体)、トリメチル安息香酸(各異性体)等の芳香族単カルボン酸化合物、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルイソフタル酸(各異性体)等の芳香族ジカルボン酸化合物、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸等の芳香族トリカルボン酸化合物、フェノール、メチル−フェノール(各異性体)、エチル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェノール(各異性体)、デシル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェノール(各異性体)、フェニル−フェノール(各異性体)、フェノキシフェノール(各異性体)、クミル−フェノール(各異性体)等のモノ置換フェノール類、ジメチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−フェノール(各異性体)、ジブチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−フェノール(各異性体)、ジデシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシフェノール(各異性体)、ジクミル−フェノール(各異性体)メチル−エチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−クミル−フェノール(各異性体)プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−クミル−フェノール(各異性体)ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−クミル−フェノール(各異性体)ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−クミル−フェノール(各異性体)ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−クミル−フェノール(各異性体)ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)等のジ置換フェノール類、トリメチル−フェノール(各異性体)、トリエチル−フェノール(各異性体)、トリプロピル−フェノール(各異性体)、トリブチル−フェノール(各異性体)、トリペンチル−フェノール(各異性体)、トリヘキシル−フェノール(各異性体)、トリヘプチル−フェノール(各異性体)、トリオクチル−フェノール(各異性体)、トリノニル−フェノール(各異性体)、トリデシル−フェノール(各異性体)、トリドデシル−フェノール(各異性体)、トリフェニル−フェノール(各異性体)、トリフェノキシフェノール(各異性体)、トリクミル−フェノール(各異性体)、ジメチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジメチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジメチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジメチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジメチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジメチル−クミル−フェノール(各異性体)、ジエチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジエチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジエチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジエチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジエチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジエチル−クミル−フェノール(各異性体)ジプロピル−メチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−エチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−デシル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジプロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジプロピル−クミル−フェノール(各異性体)ジブチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジブチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジブチル−クミル−フェノール(各異性体)ジペンチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジペンチル−クミル−フェノール(各異性体)ジヘキシル−メチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−エチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジ
ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)ジヘプチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)ジオクチル−メチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−エチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジオクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジオクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ジノニル−メチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−エチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ジノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ジデシル−メチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−エチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジデシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−メチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−エチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−デシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−メチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−エチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−デシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジフェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ジフェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシメチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシエチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシプロピル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシブチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシペンチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシヘキシル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシヘプチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシオクチル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシノニル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシデシル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシドデシル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシフェニル−フェノール(各異性体)、ジフェノキシクミル−フェノール(各異性体)、ジクミル−メチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−エチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−プロピル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ブチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ペンチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−オクチル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ノニル−フェノール(各異性体)、ジクミル−デシル−フェノール(各異性体)、ジクミル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ジクミル−フェニル−フェノール(各異性体)、ジクミル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−エチル−プロピル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ブチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−エチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−エチル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−メチル−プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−プロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−プロピル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、メチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−プロピル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−プロピル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、エチル−デシル−フェニル−フェ
ノール(各異性体)、エチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、エチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、エチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、メチル−フェノール(各異性体)、エチル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェノール(各異性体)、デシル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェノール(各異性体)、フェニル−フェノール(各異性体)、フェノキシフェノール(各異性体)、クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェノキシクミル−フェノール(各異性体)プロピル−ブチル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ブチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、プロピル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、クミル−フェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、プロピル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ヘキシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ペンチル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ブチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−ヘプチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−オクチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ヘキシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−ドデシル−フェノール
(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ペンチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ペンチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−オクチル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−ヘプチル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ノニル−フェノキシヘキシル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘキシル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘキシル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−ノニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−オクチル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ヘプチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ヘプチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−デシル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−ドデシル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−ノニル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、オクチル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、オクチル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ノニル−デシル−ドデシル−フェノール(各異性体)、ノニル−デシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ノニル−デシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−デシル−クミル−フェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、ノニル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ノニル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、デシル−ドデシル−フェニル−フェノール(各異性体)、デシル−ドデシル−フェノキシフェノール(各異性体)、デシル−ドデシル−クミル−フェノール(各異性体)、デシル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、デシル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、ドデシル−フェニル−フェノキシフェノール(各異性体)、ドデシル−フェニル−クミル−フェノール(各異性体)、フェニル−フェノキシクミル−フェノール(各異性体)等を挙げることができる。これらの有機酸の中でも、該熱分解反応器の洗浄操作後に該洗浄溶剤が残存した場合の影響を考慮して、より好ましくは、芳香族ヒドロキシ化合物、さらに好ましくは炭酸ジアリールとアミン化合物との反応において使用される芳香族ヒドロキシ化合物と同種の化合物である。
なお、洗浄の酸として芳香族ヒドロキシ化合物を用いる場合、該芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点は、洗浄効果の観点から、前述のカルバミン酸アリールの熱分解反応によって生成するイソシアネートに相当する化合物や、該カルバミン酸アリールの熱分解反応によって生成する芳香族ヒドロキシ化合物の標準沸点と10℃以上の沸点差を有することが好ましい。
上記洗浄溶剤を使用して該熱分解反応器を洗浄する方法としては、該熱分解反応器上部より洗浄溶剤を導入して該熱分解反応器を洗浄する方法、該熱分解反応器の底部に洗浄溶剤を導入し、該洗浄溶剤を該熱分解反応器内で炊き上げて内部を洗浄する方法等、様々な方法を使用できる。
該洗浄操作は、該熱分解反応を実施する度に毎回おこなう必要はなく、使用する化合物、運転レート等により任意に決定することができ、好ましくは、運転時間1時間〜20000時間に1回、より好ましくは、運転時間1日〜1年に1回、さらに好ましくは、運転時間1ヶ月〜1年に1回の頻度で洗浄操作をおこなうことができる。該熱分解反応器は、洗浄溶剤を導入するラインを、該熱分解反応器に具備していてもよい。
また、該熱分解反応器の洗浄を目的として、カルバミン酸アリールの熱分解反応をおこなう際に、該熱分解反応の条件において上記した洗浄溶剤を共存させることもできる。これは、従来技術(例えば、米国特許第4081472号公報参照)でいう不活性溶媒とは異なる。例えば、該特許文献によれば、不活性溶媒は、カルバミン酸エステルの熱分解によって生成するイソシアネートと反応しない化合物を指すが、これに対して、例えば、文献(Journal of the American Chemical Society,第64巻,2229頁,1942年)に、芳香族ヒドロキシ化合物とフェニルイソシアネートの反応によりウレタンが生成するとの記述があるように、芳香族ヒドロキシ化合物はイソシアネートと反応し得る。該芳香族ヒドロキシ化合物は、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応によって得られる反応混合物を熱分解反応器に移送する際に混合して熱分解反応器に供給してもよいし、該反応混合物を供給するラインとは別に、該芳香族ヒドロキシ化合物を供給するラインを設けて供給してもよい。
本実施の形態における製造方法で得られるイソシアネートは、ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤等の製造原料として好適に使用することができる。本実施の形態における製造方法によって、猛毒のホスゲンを使用することなくイソシアネートを収率よく製造できるため、本発明は、産業上極めて重要である。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<分析方法>
1)NMR分析方法
装置:日本国、日本電子(株)社製JNM−A400 FT−NMRシステム
(1)Hおよび13C−NMR分析サンプルの調製
サンプル溶液を約0.3g秤量し、重クロロホルム(米国、アルドリッチ社製、99.8%)を約0.7gと内部標準物質としてテトラメチルスズ(日本国、和光純薬工業社製、和光一級)を0.05g加えて均一に混合した溶液をNMR分析サンプルとした。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
2)液体クロマトグラフィー分析方法
装置:日本国、島津社製 LC−10ATシステム
カラム:日本国、東ソー社製 Silica−60カラム 2本直列に接続
展開溶媒:ヘキサン/テトラヒドロフラン=80/20(体積比)の混合液
溶媒流量:2mL/分
カラム温度:35℃
検出器:R.I.(屈折率計)
(1)液体クロマトグラフィー分析サンプル
サンプルを約0.1g秤量し、テトラヒドロフラン(日本国、和光純薬工業社製、脱水)を約1gと内部標準物質としてビスフェノールA(日本国、和光純薬工業社製、一級)を約0.02g加えて均一に混合した溶液を、液体クロマトグラフィー分析のサンプルとした。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
3)ガスクロマトグラフィー分析方法
装置:日本国、島津社製 GC−2010
カラム:米国、アジレントテクノロジーズ社製 DB−1
長さ30m、内径0.250mm、膜厚1.00μm
カラム温度:50℃で5分間保持後、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温
200℃で5分間保持後、昇温速度10℃/分で300℃まで昇温
検出器:FID
(1)ガスクロマトグラフィー分析サンプル
サンプルを約0.05g秤量し、アセトン(日本国、和光純薬工業社製、脱水)を約1gと内部標準物質としてトルエン(日本国、和光純薬工業社製、脱水)を約0.02g加えて均一に混合した溶液を、液体クロマトグラフィー分析のサンプルとした。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
4)誘導結合型プラズマ質量分析法
装置:日本国、セイコー電子社製、SPQ−8000
(1)誘導結合型プラズマ質量分析サンプル
試料約0.15gを希硫酸で灰化させた後、希硝酸に溶解した。
(2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した
[参考例1] 炭酸ジフェニルの製造
・工程(I−1):ジアルキルスズ触媒の製造
容積3000mLのナス型フラスコに、ジ−n−ブチルスズオキシド692g(2.78mol)および1−ブタノール(日本国、和光純薬工業社製)2000g(27mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバスと真空ポンプと真空コントローラーを接続したエバポレーターに取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を126℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約30分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を8時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が76〜54kPaの状態で残存低沸成分を蒸留した。低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液952gを得た。119Sn,H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジ−n−ブチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を12回繰り返し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを合計11480g得た。
・工程(I−2):炭酸ジブチルの製造
図1に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Mellapak 750Y(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器にライン4から工程(I−1)で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサン4201g/hrで、ライン2から蒸留塔101で精製した1−ブタノールを24717g/hrで、塔型反応器102に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーターおよびリボイラー112によって調整し、圧力が約150kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約10分であった。反応器上部からライン6を経て水を含む1−ブタノール24715g/hrおよびライン1を経て1−ブタノール824g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111および凝縮器121を備えた蒸留塔101に輸送し、蒸留精製を行った。蒸留塔101の上部では高濃度の水を含む留分が凝縮器121によって凝縮されライン3から回収された。蒸留塔101の下部にあるライン2を経て精製された1−ブタノールを輸送した。塔型反応器102の下部からジ−n−ブチルスズ−ジ−n−ブトキシドと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド触媒組成物を得、ライン5を経て薄膜蒸発装置103(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置103において1−ブタノールを留去し、凝縮器123、ライン8およびライン4を経て塔型反応器102に戻した。薄膜蒸発装置103の下部からライン7を経てアルキルスズアルコキシド触媒組成物を輸送し、ジブチルスズジブトキシドと1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンの活性成分の流量が約4812g/hrになるように調節しオートクレーブ104に供給した。オートクレーブにライン9を介し二酸化炭素を973g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調製し、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド触媒組成物との反応を行い、炭酸ジブチルを含む反応液を得た。該反応液をライン10と調節バルブを介して除炭槽105に移送し残存二酸化炭素を除去し、ライン11から二酸化炭素を回収した。その後、該反応液を、ライン12を経て140℃、約1.4kPaとした薄膜蒸発装置106(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に輸送し、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約4201g/hrになるように調節し供給して炭酸ジブチルを含む留分を得、一方で蒸発残渣をライン13とライン4を介して、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサン流量が約4201g/hrになるように調節し塔型反応器102に循環する。炭酸ジブチルを含む留分は凝縮器126およびライン14を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー117および凝縮器127を備えた蒸留塔107に830g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、ライン15から99wt%の炭酸ジブチルを814g/hr得た。ライン13のアルキルスズアルコキシド触媒組成物を119Sn,H,13C−NMRによる分析を行ったところ、1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンが含まれており、ジ−n−ブチルスズ−ジ−n−ブトキシドは含まれていなかった。上記連続運転を約600時間行った後、ライン16からアルキルスズアルコキシド触媒組成物を16g/hrで、一方でライン17から工程(I−1)で製造した1,1,3,3−テトラ−n−ブチル−1,3−ジ(n−ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを16g/hrで供給した。
・工程(I−3):芳香族炭酸エステルの製造
[触媒の調製]
フェノール79gと一酸化鉛32gを180℃で10時間加熱し、生成する水をフェノールと共に留去した。10時間で水を約2.5g抜き出した。その後、反応器上部からフェノールを留去し、触媒を調製した。
[芳香族炭酸エステルの製造]
図2に示すような装置を使用した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填して内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔202の中段に、工程(I−2)で得た炭酸ジブチル、フェノール、および上記で調製した触媒からなる混合液(混合液中の炭酸ジブチルとフェノールの重量比が約65/35、鉛濃度が約1重量%となるように調製した)を、予熱器201を経て、ライン21から約270g/hrで、液状で連続的にフィードして反応をおこなった。反応および蒸留に必要な熱量は、塔下部の液を、ライン23とリボイラー204を経て循環させることによって供給した。連続多段蒸留塔202の塔底部の液温度は238℃、塔頂圧力は約250kPaであり、還流比は約2とした。連続多段蒸留塔202の塔頂から留出するガスをライン22より抜き出し、凝縮器203を経て、ライン24より約67g/hrで、貯槽205に連続的に抜き出した。塔底からはライン23を経て貯槽206に約204g/hrで連続的に抜き出した。
ライン24から抜き出された液の組成は、1−ブタノール約33重量%、フェノール約65重量%、炭酸ジブチル約2重量%であった。貯槽206へ抜き出された液の組成は、フェノール約11重量%、炭酸ジブチル約60重量%、炭酸ブチルフェニル約26重量%、炭酸ジフェニル約1.6重量%、鉛濃度約1重量%であった。
次に、図3に示すような装置を使用した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔302の中段に、貯槽206に抜き出された液を、予熱器301を経て、ライン31から約203g/hrで、液状で連続的にフィードした。反応および蒸留に必要な熱量は、塔下部液をライン33とリボイラー304を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔302の塔底部の液温度は240℃、塔頂圧力は約27kPaであり、還流比は約2とした。連続多段蒸留塔302の塔頂から留出するガスを、ライン32を経て凝縮器303で凝縮してライン34より貯槽305へ、約165g/hrで連続的に抜き出した。塔底からは、ライン33を経て貯槽306へ約39g/hrで連続的に抜き出した。
ライン34より抜き出された液の組成は、1−ブタノール約500ppm、フェノール約13重量%、炭酸ジブチル約85重量%、炭酸ブチルフェニル約2重量%であった。貯槽306に抜き出された液の組成は、炭酸ジブチル約0.3重量%、炭酸ブチルフェニル約32重量%、炭酸ジフェニル約61重量%、鉛濃度約7重量%であった。
[アルコールのリサイクル]
図4に示すような装置を使用して、アルコールのリサイクルをおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔402の塔最下部より約0.7mに、上記工程において貯槽205に連続的に抜き出された液を、ライン41から予熱器401を経て約201g/hrで連続的にフィードして、蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン43とリボイラー404を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔402の塔底部の液温度は145℃、塔頂圧力は約13kPaであり、還流比は約0.3とした。連続多段蒸留塔402より留出するガスを、ライン42を経て、凝縮器403で凝縮し、ライン44より貯槽405へ約68g/hrで抜き出した。塔底からは、ライン43を経て、貯槽406へ、約133g/hrで連続的に抜き出した。
ライン44から抜き出された液の組成は、1−ブタノール約99重量%、フェノール約100ppmであった。貯槽406へ抜き出された液の組成は、炭酸ジブチル約2重量%、フェノール約98重量%であった。
[炭酸ジアリールの精製]
図5、6に示すような装置を使用して、炭酸ジアリールの精製をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔502の中段に、貯槽306に抜き出された液をライン51から予熱器501を経て、役195g/hrで連続的にフィードした。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン53とリボイラー504を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔502の塔底部の液温度は210℃、塔頂圧力は約1.5kPaであり、還流比は約1とした。連続多段蒸留塔502の塔頂から留出するガスを、ライン52を経て凝縮器503で凝縮してライン54より連続的に抜き出した。塔底からはライン53を経て貯槽506へ約14g/hrで抜き出した。
ライン54より抜き出された液の組成は、炭酸ジブチル約0.3重量%、炭酸ブチルフェニル約34重量%、炭酸ジフェニル約66重量%であった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔602の中段に、ライン54より抜き出された液をライン61から予熱器601を経て、役181g/hrで連続的にフィードした。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン63とリボイラー604を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔602の塔底部の液温度は232℃、塔頂圧力は約15kPaであり、還流比は約2とした。連続多段蒸留塔602の塔頂から留出するガスを、ライン62を経て凝縮器603で凝縮してライン64より連続的に抜き出した。塔底からはライン63を経て貯槽606へ約119g/hrで抜き出した。
ライン64より抜き出された液の組成は、炭酸ジブチル約0.6重量%、炭酸ブチルフェニル約99重量%、炭酸ジフェニル約0.4重量%であった。貯槽606に抜き出された液の組成は、炭酸ブチルフェニル0.1重量%、炭酸ジフェニル約99.9重量%であった。該炭酸ジフェニルには、金属成分として、鉄が22ppm含有されていた。
[実施例1]
・工程(1−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
図7のような装置を使用して反応をおこなった。
ライン74を閉止した状態で、参考例1の炭酸ジフェニル1350g(6.3mol)を貯槽701よりライン71を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器704に供給し、フェノール(米国、Aldrich社製)987g(10.5mol)を貯槽702よりライン72を経て該SUS製反応器に供給した。該反応器704内の液温度を約50℃に調整し、ヘキサメチレンジアミン(米国、Aldrich社製)244g(2.1mol)を貯槽703よりライン73を経て該反応器704に約200g/hrで供給した。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率99.5%で生成していた。
ライン74を開き、該反応液を、ライン74を経て貯槽705に移送した。
・工程(1−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図8のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置801(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を220℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(1−1)で貯槽705に回収した混合物を150℃に加熱し、ライン81を経て約800g/hrで薄膜蒸留装置801の上部に供給した。薄膜蒸留装置801の底部より、液相成分をライン83より抜き出し、ライン84およびライン81を経て、薄膜蒸留装置801の上部に循環させた。気相成分をライン82より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔802の中段に、薄膜蒸留装置801よりライン82を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン86とリボイラー804を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔802の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約15kPaであった。連続多段蒸留塔802の塔頂から留出するガスを、ライン85を経て凝縮器803で凝縮してライン87より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔802の、ライン82より低い位置にあるライン89より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔805の中段に、ライン89より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン91とリボイラー807を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔805の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔805の塔頂から留出するガスを、ライン90を経て凝縮器806で凝縮して、ライン92を経て貯槽809へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約104g/hrであった。
定常状態において、液相成分をライン94より貯槽810へ約140g/hrで抜き出した。該液相成分は、炭酸ジフェニルを約97重量%含有していた。
ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は95.3%であった。・工程(1−3):炭酸ジアリールのリサイクル
図9、10に示すような装置を使用して炭酸ジアリールのリサイクルをおこなった。
工程(1−2)において、ライン94より抜き出した液を、ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔902の中段に、ライン95から予熱器901を経て、約195g/hrで連続的にフィードした。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン97とリボイラー904を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔902の塔底部の液温度は210℃、塔頂圧力は約1.5kPaであり、還流比は約1とした。連続多段蒸留塔902の塔頂から留出するガスを、ライン96を経て凝縮器903で凝縮してライン99より連続的に抜き出した。塔底からはライン97を経て貯槽906へ約14g/hrで抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1002の中段に、ライン99より抜き出された液をラインA1から予熱器1001を経て、約181g/hrで連続的にフィードした。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインA3とリボイラー1004を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1002の塔底部の液温度は232℃、塔頂圧力は約15kPaであり、還流比は約2とした。連続多段蒸留塔1002の塔頂から留出するガスを、ラインA2を経て凝縮器1003で凝縮してラインA4より連続的に抜き出した。塔底からはラインA3を経て貯槽1006へ約119g/hrで抜き出した。貯槽1006に抜き出された液は、炭酸ジフェニルを約99.9重量%含有していた。
・工程(1−4):フェノールのリサイクル
図11に示すような装置を使用してフェノールのリサイクルをおこなった。
工程(1−2)において、ライン87より抜き出した液を、ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1102の中段に、ラインB1から予熱器1101を経て、約200g/hrで連続的にフィードした。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインB3とリボイラー1104を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1102の塔底部の液温度は230℃、塔頂圧力は大気圧であり、還流比は約1とした。連続多段蒸留塔1102の塔頂から留出するガスを、ラインB2を経て凝縮器1103で凝縮してラインA4より貯槽1105へ連続的に抜き出した。貯槽1105に抜き出された液はフェノールを約99.9重量%含有していた。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。さらに300日連続運転をおこなったところ、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積が見られた。
[実施例2]
・工程(2−1):3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルの製造
図7のような装置を使用して反応をおこなった。
ライン74を閉止した状態で、参考例1の炭酸ジフェニル1992g(9.3mol)を貯槽701よりライン71を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器704に供給し、フェノール1311g(14.0mol)を貯槽702よりライン72を経て該SUS製反応器に供給した。該反応器704内の液温度を約50℃に調整し、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(米国、Aldrich社製)528g(3.1mol)を貯槽703よりライン73を経て該反応器704に約250g/hrで供給した。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルが収率99.3%で生成していた。
ライン74を開き、該反応液を、ライン74を経て貯槽705に移送した。
・工程(2−2):3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図8のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置801(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を220℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(2−1)で貯槽705に回収した混合物を150℃に加熱し、ライン81を経て、約780g/hrで薄膜蒸留装置801の上部に供給した。薄膜蒸留装置801の底部より、液相成分をライン83より抜き出し、ライン84およびライン81を経て、薄膜蒸留装置801の上部に循環させた。気相成分をライン82より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔802の中段に、薄膜蒸留装置801よりライン82を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン86とリボイラー804を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔802の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約15kPaであった。連続多段蒸留塔802の塔頂から留出するガスを、ライン85を経て凝縮器803で凝縮してライン87より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔802の、ライン82より低い位置にあるライン89より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔805の中段に、ライン89より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン91とリボイラー807を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔805の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.3kPaであった。連続多段蒸留塔805の塔頂から留出するガスを、ライン90を経て凝縮器806で凝縮して、ライン92を経て貯槽809約134g/hrで連続的に抜き出した。
ライン92より抜き出された液は、イソホロンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する収率は95.0%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例3]
・工程(3−1):ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
参考例1の炭酸ジフェニルに、アセチルアセトナト鉄(II)を添加し、金属原子として鉄を2.3%含有する炭酸ジフェニルを調製した。
図7のような装置を使用して反応をおこなった。
ライン74を閉止した状態で、炭酸ジフェニル1577g(7.4mol)を貯槽701よりライン71を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器704に供給し、フェノール1189g(12.7mol)を貯槽702よりライン72を経て該SUS製反応器に供給した。該反応器704内の液温度を約50℃に調整し、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(米国、Aldrich社製)484g(2.3mol)を貯槽703よりライン73を経て該反応器704に約250g/hrで供給した。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートが収率99.1%で生成していた。
ライン74を開き、該反応液を、ライン74を経て貯槽705に移送した。
・工程(3−2):ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの熱分解によるイソシアネートの製造
図12のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置1201(日本国、神鋼環境ソリューション社製)を250℃に加熱し、内部の圧力を約1.3kPaとした。工程(3−1)で貯槽705に回収した混合物を170℃に加熱し、ラインC1を経て、約650g/hrで薄膜蒸留装置1201の上部に供給した。薄膜蒸留装置1201の底部より、液相成分をラインC3より抜き出し、ラインC4およびラインC1を経て、薄膜蒸留装置1201の上部に循環させた。気相成分をラインC2より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1202中段に、薄膜蒸留装置1201よりラインC2を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインC6とリボイラー1204を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1201の塔底部の液温度は210℃、塔頂圧力は大気圧であった。連続多段蒸留塔1201の塔頂から留出するガスを、ラインC5を経て凝縮器1203で凝縮してラインC7より連続的に抜き出した。ラインC8より液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1205の中段に、ラインC8より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインC11とリボイラー1207を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1205の塔底部の液温度は210℃、塔頂圧力は約2.5kPaであった。連続多段蒸留塔1205の塔頂から留出するガスを、ラインC10を経て凝縮器1206で凝縮して、ラインC12を経て連続的に抜き出した。ラインC14より液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1208の中段に、ラインC14より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインC16とリボイラー1210を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1208の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約0.5kPaであった。連続多段蒸留塔1205の塔頂から留出するガスを、ラインC15を経て凝縮器1209で凝縮して、ラインC17を経て約113g/hrで連続的に抜き出した。C17より抜き出された液は4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)を約99.9重量%含有していた。4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は93.2%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置1202の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例4]
・工程(4−1):ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
参考例1の炭酸ジフェニル1650g(7.7mol)、フェノールの代わりに2,6−ジメチルフェノール(米国、Aldrich社製)1344g(11.0mol)、および、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)463g(2.2mol)を供給した以外は、実施例3の工程(3−1)と同様の方法をおこなった。反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートが収率99.3%で生成していた。
・工程(4−2):ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの熱分解によるイソシアネートの製造
工程(3−1)で得られた混合物の代わりに、工程(4−1)で得た混合物を使用し、該混合物を140℃に加熱した以外は、実施例3の工程(3−2)と同様の方法をおこなった。C7よりフェノールと2,6−ジメチルフェノールの混合物が抜き出された。C17より抜き出された液は4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)を約99.9重量%含有していた。4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は92.3%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置1202の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例5]
・工程(5−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
参考例1の炭酸ジフェニル1874g(8.8mol)、フェノール1246(13.3mol)およびヘキサメチレンジアミン291g(2.5mol)を供給した以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率99.4%で生成していた。
・工程(5−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
工程(1−1)で得られた混合物の代わりに、工程(5−1)で得られた混合物を使用し、該混合物を190℃に加熱して、薄膜蒸留装置801に供給した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。ライン92より貯槽809へ約76.5g/hrで連続的に液を抜き出した。ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は77.5%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例6]
・工程(6−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
参考例1の炭酸ジフェニル2056g(9.6mol)、フェノール1504g(16.0mol)およびヘキサメチレンジアミン372g(3.2mol)を供給した以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率99.4%で生成していた。
・工程(6−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図8のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置801を220℃に加熱し、内部の圧力を約0.13kPaとした。工程(6−1)で貯槽705に回収した混合物を100℃に加熱し、ライン81を経て約800g/hrで薄膜蒸留装置801の上部に供給した。薄膜蒸留装置801より気相成分を、ライン82を経て抜き出した。薄膜蒸留装置801の底部に具備されたライン83からは、ほとんど液相成分が回収されなかった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔802の中段に、薄膜蒸留装置801よりライン82を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン86とリボイラー804を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔802の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約8kPaであった。連続多段蒸留塔802の塔頂から留出するガスを、ライン85を経て凝縮器803で凝縮してライン87より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔802の、ライン82より低い位置にあるライン89より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔805の中段に、ライン89より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン91とリボイラー807を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔805の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔805の塔頂から留出するガスを、ライン90を経て凝縮器806で凝縮して、ライン92を経て貯槽809へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約104g/hrであった。
ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.9重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は95.4%であった。10日間連続運転をおこなったところ、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積が見られた。
[実施例7]
・工程(7−1):ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの製造
参考例1の炭酸ジフェニル1874g(8.8mol)、フェノール1175g(12.5mol)および4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)526g(2.5mol)を使用した以外は、実施例3の工程(3−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートが収率99.2%で生成していた。
・工程(7−2):ジフェニル−4,4’−メチレン−ジシクロヘキシルカルバメートの熱分解によるイソシアネートの製造
図13のような装置を使用して反応をおこなった。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1301の中段に、工程(7−1)で貯槽705に回収した混合物を150℃に加熱し、ラインD1を経て、約510g/hrでフィードし熱分解反応をおこなった。熱分解反応に必要な熱量は、塔下部液をラインD3とリボイラー1303を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1301の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約15kPaであった。連続多段蒸留塔1301の塔頂から留出するガスを、ラインD2を経て凝縮器1302で凝縮してラインD4より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔1301の底部より、液相成分を、ラインD3を経て回収した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1304の中段に、ラインD6を経て抜き出した液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液を、ラインD8ボイラー1306を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1304の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約5.2kPaであった。連続多段蒸留塔1304の塔頂から留出するガスを、ラインD7を経て凝縮器1305で凝縮してラインD9より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔1304の底部より、液相成分を、ラインD8およびラインD11を経て回収した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1307の中段に、ラインD8より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインD14とリボイラー1309を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1307の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約0.40kPaであった。連続多段蒸留塔1307の塔頂から留出するガスを、ラインD12を経て凝縮器1308で凝縮して、ラインD13を経て連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約75g/hrであった。
ラインD13より抜き出された液は、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)を約99.8重量%含有する溶液であった。4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は80.4%であった。10日間連続運転をおこなったところ、連続多段蒸留塔1301の内部に付着物の蓄積がみられた。
[実施例8]
・工程(8−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
参考例1の炭酸ジフェニル1350g(6.3mol)、フェノールの代わりに4−ドデシルフェノール(米国、Aldrich社製)2204g(8.4mol)およびヘキサメチレンジアミン244g(2.1mol)を供給した以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率99.0%で生成していた。
・工程(8−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図8のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置801を220℃に加熱し、内部の圧力を約5.2kPaとした。工程(8−1)で貯槽705に回収した混合物を150℃に加熱し、ライン81を経て約1200g/hrで薄膜蒸留装置801の上部に供給した。薄膜蒸留装置801の底部より、液相成分をライン83より抜き出し、ライン84およびライン81を経て、薄膜蒸留装置801の上部に循環させた。気相成分をライン82より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔802の中段に、薄膜蒸留装置801よりライン82を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン86とリボイラー804を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔802の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約4.0kPaであった。連続多段蒸留塔802の塔頂から留出するガスを、ライン85を経て凝縮器803で凝縮してライン87より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔802の、ライン82より低い位置にあるライン89より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔805の中段に、ライン89より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン91とリボイラー807を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔805の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約0.8kPaであった。連続多段蒸留塔805の塔頂から留出するガスを、ライン90を経て凝縮器806で凝縮して、ライン92を経て貯槽809へ連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約104g/hrであった。
定常状態において、液相成分をライン94より貯槽810へ約690g/hrで抜き出した。該液相成分は、4−ドデシルフェノールを約97重量%含有していた。
ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は93.1%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例9]
・工程(9−1):3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルの製造
参考例1の炭酸ジフェニル1028g(4.8mol)、フェノールの代わりに2,4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノール(日本国、東京化成社製)2643g(8.0mol)、および、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン273g(1.6mol)を供給した以外は、実施例2の工程(2−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルが収率99.0%で生成していた。
・工程(9−2):3−(フェノキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
工程(8−1)で得た混合物の代わりに、工程(9−2)で得た混合物を使用し、該混合物を150℃に加熱して約1310g/hrで供給した以外は、実施例8の工程(8−2)と同様の方法をおこなった。
連続多段蒸留塔805の塔頂から留出するガスを、ライン90を経て凝縮器806で凝縮して、ライン92を経て貯槽809に約112g/hrで連続的に抜き出した。
ライン92より抜き出された液は、イソホロンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する収率は94.5%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例10]
・工程(10−1):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステルの製造
図7のような装置を使用して反応をおこなった。
ライン74を閉止した状態で、参考例1の炭酸ジフェニル1478g(6.9mol)と酢酸亜鉛2水和物(米国、Aldrich社製)50.5g(0.2mol)の混合液を貯槽701よりライン71を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器704に供給し、フェノール1297g(13.8mol)を貯槽702よりライン72を経て該SUS製反応器に供給した。該反応器704内の液温度を約50℃に調整し、4,4’−メチレン字アニリン(米国、Aldrich社製)456g(2.3mol)を貯槽703よりライン73を経て該反応器704に約200g/hrで供給した。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステルが収率98.8%で生成していた。
ライン74を開き、該反応液を、ライン74を経て貯槽705に移送した。
・工程(10−2):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図12のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置1201を230℃に加熱し、内部の圧力を約1.3kPaとした。工程(10−1)で貯槽705に回収した混合物を130℃に加熱し、ラインC1を経て、約690g/hrで薄膜蒸留装置1201の上部に供給した。薄膜蒸留装置1201の底部より、液相成分をラインC3より抜き出し、ラインC4およびラインC1を経て、薄膜蒸留装置1201の上部に循環させた。気相成分をラインC2より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1202中段に、薄膜蒸留装置1201よりラインC2を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン86とリボイラー804を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1201の塔底部の液温度は200℃、塔頂圧力は60kPaであった。連続多段蒸留塔1201の塔頂から留出するガスを、ラインC5を経て凝縮器1203で凝縮してラインC7より連続的に抜き出した。ラインC8より液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1205の中段に、ラインC8より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインC11とリボイラー1207を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1205の塔底部の液温度は210℃、塔頂圧力は約2.5kPaであった。連続多段蒸留塔1205の塔頂から留出するガスを、ラインC10を経て凝縮器1206で凝縮して、ラインC12を経て連続的に抜き出した。ラインC14より液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1208の中段に、ラインC14より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインC16とリボイラー1210を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1208の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約0.5kPaであった。連続多段蒸留塔1205の塔頂から留出するガスを、ラインC15を経て凝縮器1209で凝縮して、ラインC17を経て約99.6g/hrで連続的に抜き出した。C17より抜き出された液は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを約99.9重量%含有していた。4,4’−メチレンジアニリンに対する収率は82.3%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置1202の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例11]
・工程(11−1):トルエン−2,4−ジカルバミン酸ジフェニルエステルの製造
図7のような装置を使用して反応をおこなった。
ライン74を閉止した状態で、参考例1の炭酸ジフェニル2125g(9.9mol)および酢酸亜鉛2水和物35.1g(0.2mol)の混合液を貯槽701よりライン71を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器704に供給し、フェノール1534g(16.3mol)を貯槽702よりライン72を経て該SUS製反応器に供給した。該反応器704内の液温度を約50℃に調整し、2,4−トルエンジアミン(米国、Aldrich社製)391g(3.2mol)を貯槽703よりライン73を経て該反応器704に約230g/hrで供給した。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、トルエン−2,4−ジカルバミン酸ジフェニルエステルが収率98.1%で生成していた。
ライン74を開き、該反応液を、ライン74を経て貯槽705に移送した。
・工程(11−2):トルエン−2,4−ジカルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図8のような装置を使用して反応をおこなった。
伝熱面積0.1mの薄膜蒸留装置801を220℃に加熱し、内部の圧力を約13kPaとした。工程(11−1)で貯槽705に回収した混合物を130℃に加熱し、ライン81を経て、約820g/hrで薄膜蒸留装置801の上部に供給した。薄膜蒸留装置801の底部より、液相成分をライン83より抜き出し、ライン84およびライン81を経て、薄膜蒸留装置801の上部に循環させた。気相成分をライン82より抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔802の中段に、薄膜蒸留装置801よりライン82を経て抜き出した気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン86とリボイラー804を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔802の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約15kPaであった。連続多段蒸留塔802の塔頂から留出するガスを、ライン85を経て凝縮器803で凝縮してライン87より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔802の、ライン82より低い位置にあるライン89より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔805の中段に、ライン89より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をライン91とリボイラー807を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔805の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.3kPaであった。連続多段蒸留塔805の塔頂から留出するガスを、ライン90を経て凝縮器806で凝縮して、ライン92を経て貯槽809約93g/hrで連続的に抜き出した。
ライン92より抜き出された液は、2,4−トリレンジイソシアネートを約99.7重量%含有する溶液であった。2,4−トルエンジアミンに対する収率は83.4%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例12]
・工程(12−1):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステルの製造
参考例1の炭酸ジフェニル2055g(9.5mol)と酢酸亜鉛2水和物54.9g(0.3mol)の混合液、フェノール1293g(13.8mol)および4,4’−メチレンジアニリン496g(2.5mol)を使用した以外は、実施例10の工程(10−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステルが収率98.6%で生成していた。
・工程(12−2):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
工程(7−1)で得た混合物の代わりに、工程(12−1)で得た混合物を使用し、該混合物を130℃に加熱し、ラインD1を経て、約700g/hrでフィードし熱分解反応をおこなった。熱分解反応に必要な熱量は、塔下部液をラインD3とリボイラー1303を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1301の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約15kPaであった。連続多段蒸留塔1301の塔頂から留出するガスを、ラインD2を経て凝縮器1302で凝縮してラインD4より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔1301の底部より、液相成分を、ラインD3を経て回収した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1304の中段に、ラインD6を経て抜き出した液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液を、ラインD8ボイラー1306を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1304の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約5.2kPaであった。連続多段蒸留塔1304の塔頂から留出するガスを、ラインD7を経て凝縮器1305で凝縮してラインD9より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔1304の底部より、液相成分を、ラインD8およびラインD11を経て回収した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1307の中段に、ラインD8より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインD14とリボイラー1309を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1307の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約0.40kPaであった。連続多段蒸留塔1307の塔頂から留出するガスを、ラインD12を経て凝縮器1308で凝縮して、ラインD13を経て連続的に抜き出した。定常状態における抜き出し量は約92g/hrであった。
ラインD13より抜き出された液は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。4,4’−メチレンジアニリンに対する収率は76.9%であった。10日間連続運転をおこなったところ、連続多段蒸留塔1301の内部に付着物の蓄積がみられた。
[実施例13]
・工程(13−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
参考例1の炭酸ジフェニルを、内容積が10Lのナス型フラスコに入れ、該ナス型フラスコに、三方コック、ヘリパックNo.3を充填した蒸留カラムおよび留出液受器と連結した還流冷却器付分留塔および温度計を取り付け、系内を真空−窒素置換し、炭酸ジフェニルを蒸留精製した。該蒸留精製物についてH−NMR測定をおこなったところ、炭酸ジフェニルを約99.9重量%含有していた。また、金属原子として鉄を0.002ppm含有していた。
該炭酸ジフェニル1414g(6.6mol)、フェノール1034g(11.0mol)およびヘキサメチレンジアミン256g(2.2mol)を供給した以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率99.0%で生成していた。
・工程(13−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
工程(1−1)で得られた混合物の代わりに、工程(13−1)で得られた混合物を使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。ライン92より貯槽809へ約104g/hrで連続的に液を抜き出した。ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は95.0%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例14]
・工程(14−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
参考例1の炭酸ジフェニルに、アセチルアセトナト鉄(II)を添加し、金属原子として鉄を8%含有する炭酸ジフェニルを調製した。該炭酸ジフェニルを1371g(6.4mol)、フェノールを940g(10.0mol)およびヘキサメチレンジアミンを232g(2.0mol)供給した以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率98.9%で生成していた。
・工程(14−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
工程(1−1)で得られた混合物の代わりに、工程(14−1)で得られた混合物を使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。ライン92より貯槽809へ約101g/hrで連続的に液を抜き出した。ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は95.2%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例15]
・工程(15−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
参考例1の炭酸ジフェニルを、内容積が10Lのナス型フラスコに入れ、該ナス型フラスコに、三方コック、ヘリパックNo.3を充填した蒸留カラムおよび留出液受器と連結した還流冷却器付分留塔および温度計を取り付け、系内を真空−窒素置換し、炭酸ジフェニルを蒸留精製した。仕込み量の約4分の1の留出物を得た時点で該フラスコを冷却し、蒸留精製を終了した。留出物についてH−NMR測定をおこなったところ、該留出物は炭酸ジフェニルを約99.9重量%含有していた。また、該留出物中に含有される金属原子は、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、銅、チタンについて、検出下限界(0.001ppm)以下であった。
該炭酸ジフェニル1553g(7.3mol)、フェノール1175g(12.5mol)およびヘキサメチレンジアミン291g(2.5mol)を供給した以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率95.6%で生成していた。
・工程(15−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
工程(1−1)で得られた混合物の代わりに、工程(15−1)で得られた混合物を使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。ライン92より貯槽809へ約99.1g/hrで連続的に液を抜き出した。ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は88.9%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例16]
・工程(16−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
参考例1の炭酸ジフェニルに、アセチルアセトナト鉄(II)を添加し、金属原子として鉄を13%含有する炭酸ジフェニルを調製した。該炭酸ジフェニルを1527g(7.1mol)、フェノールを1081g(11.5mol)およびヘキサメチレンジアミン267gを(2.3mol)供給した以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率94.5%で生成していた。
・工程(16−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
工程(1−1)で得られた混合物の代わりに、工程(16−1)で得られた混合物を使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。ライン92より貯槽809へ約95.1g/hrで連続的に液を抜き出した。ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は88.0%であった。10日間連続運転をおこなったところ、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積が認められた。
[実施例17]
・工程(17−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
炭酸ジフェニル1350g(6.3mol)およびフェノール790g(8.4mol)を供給し、ヘキサメチレンジアミンの代わりに、ヘキサメチレンジアミン244g(2.1mol)とフェノール197g(2.1mol)の混合液を供給した以外は、実施例1の工程(1−1)と同様の方法をおこなった。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率99.0%で生成していた。
・工程(17−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
工程(1−1)で得られた混合物の代わりに、工程(17−1)で得られた混合物を使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。ライン92より貯槽809へ約106g/hrで連続的に液を抜き出した。ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は97.0%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例18]
・工程(18−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ビス(3−メチルブチル)エステルの製造
図16のような装置を使用した。
ラインG4を閉止した状態で、炭酸ジフェニル1660g(7.8mol)を貯槽1601よりラインG1を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器1604に供給し、フェノール1175g(12.5mol)を貯槽1602よりラインG2を経て該SUS製反応器に供給した。該反応器1604内の液温度を約50℃に調整し、ヘキサメチレンジアミン291g(2.5mol)と水の混合液を貯槽1603よりラインG3を経て該反応器1604に約200g/hrで供給した。
反応終了後、該反応器1604内を10kPaに減圧し、水を留去した。水は、凝縮器1607で凝縮され、ラインG6を経て抜き出した。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率99.0%で生成していた。
ラインG4を開き、該反応液を、ラインG4を経て貯槽1605に移送した。
・工程(18−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
工程(1−1)で得られた混合物の代わりに、工程(18−1)で得られた混合物を使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。薄膜蒸留装置801の、反応器容量に対する加熱面積は、図16の反応器1604に比べて大きい。ライン92より貯槽809へ約104g/hrで連続的に液を抜き出した。ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は96.5%であった。10日間連続運転をおこなったが、薄膜蒸留装置801の壁面に付着物の蓄積はみられなかった。
[実施例19]反応器の洗浄
実施例6において付着物の蓄積がみられた薄膜蒸留装置801の洗浄操作をおこなった。薄膜蒸留装置801を180℃に加熱し、薄膜蒸留装置801内部を大気圧窒素雰囲気とした。ライン81よりフェノールを約1200g/hrで供給し、ライン83より抜き出し、ライン94を経て貯槽810に液相成分を回収した。この操作を1時間おこなったところ、薄膜蒸留装置801の内部に付着物はみられなかった。
[実施例20]〜[実施例27]
実施例6の操作を連続しておこない、10日ごとに、種々の洗浄溶剤を使用して、実施例19と同様の方法で洗浄操作をおこなった結果を表1に示す。
[比較例1]
・工程(A−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
図14のような装置を使用して反応をおこなった。
ラインE4を閉止した状態で、炭酸ジフェニル1979g(9.2mol)を貯槽1401よりラインE1を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器1404に供給し、フェノール1316g(14.0mol)を貯槽1402よりラインE2を経て該SUS製反応器に供給した。該反応器1404内の液温度を約50℃に調整し、ヘキサメチレンジアミン325g(2.8mol)を貯槽1403よりラインE3を経て該反応器1404に約190g/hrで供給した。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率99.3%で生成していた。
・工程(A−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
引き続き、図14のような装置を使用して反応をおこなった。
SUS製反応器1404を220℃に加熱し、該反応器内を1.3kPaに減圧した。気相成分をラインE4より抜き出し、ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1405の中段に、該気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインE6とリボイラー1408を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1405の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約15kPaであった。連続多段蒸留塔802の塔頂から留出するガスを、ラインE5を経て凝縮器1407で凝縮してラインE7より連続的に抜き出した。連続多段蒸留塔1405の、ラインE4より低い位置にあるラインE9より、液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1406の中段に、ラインE9より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインE11とリボイラー1412を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1406の塔底部の液温度は150℃、塔頂圧力は約1.5kPaであった。連続多段蒸留塔1406の塔頂から留出するガスを、ラインE10を経て凝縮器1410で凝縮して、ラインE12を経て貯槽1411へ連続的に抜き出した。貯槽1411に回収された液は約304gであった。該液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は64.5%であった。
[比較例2]
・工程(B−1):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステルの製造
図15のような装置を使用して反応をおこなった。
ラインF4を閉止した状態で、炭酸ジフェニル1527g(7.1mol)と酢酸亜鉛2水和物50.5g(0.2mol)の混合物を貯槽1501よりラインF1を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器1504に供給し、フェノール1146g(1.2mol)を貯槽1502よりラインF2を経て該SUS製反応器に供給した。該反応器1504内の液温度を約50℃に調整し、4,4’−メチレンジアニリン456g(2.3mol)を貯槽1503よりラインF3を経て該反応器1504に約200g/hrで供給した。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステルが収率98.3%で生成していた。
・工程(B−2):N,N’−(4,4’−メタンジイル−ジフェニル)−ビスカルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
引き続き、図15のような装置を使用して反応をおこなった。
SUS製反応器1504を220℃に加熱し、該反応器内を1.3kPaに減圧した。気相成分をラインF4より抜き出し、ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1506の中段に、該気相成分を連続的にフィードし、該気相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインF6とリボイラー1507を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1506の塔底部の液温度は200℃、塔頂圧力は60kPaであった。連続多段蒸留塔1506の塔頂から留出するガスを、ラインF5を経て凝縮器1505で凝縮してラインF7より連続的に抜き出した。ラインF6より液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1509の中段に、ラインF6より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインF11とリボイラー1510を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1509の塔底部の液温度は210℃、塔頂圧力は約2.5kPaであった。連続多段蒸留塔1509の塔頂から留出するガスを、ラインF10を経て凝縮器1508で凝縮して、ラインF12を経て連続的に抜き出した。ラインF11より液相成分を抜き出した。
ディクソンパッキング(6mmφ)を充填した内径約5cm、塔長2mの連続多段蒸留塔1512の中段に、ラインF14より抜き出された液相成分を連続的にフィードし、該液相成分の蒸留分離をおこなった。蒸留分離に必要な熱量は、塔下部液をラインF16とリボイラー1513を経て循環させることにより供給した。連続多段蒸留塔1512の塔底部の液温度は220℃、塔頂圧力は約0.5kPaであった。連続多段蒸留塔1512の塔頂から留出するガスを、ラインF15を経て凝縮器1511で凝縮して、ラインF17を経て抜き出した。F17より抜き出された液は約70gであり、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを約99.9重量%含有していた。4,4’−メチレンジアニリンに対する収率は56.0%であった。
[比較例3]
・工程(C−1):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの製造
図7のような装置を使用して反応をおこなった。
ライン74を閉止した状態で、炭酸ジフェニル2454g(11.5mol)を貯槽701よりライン71を経て内容積5Lのバッフル付きSUS製反応容器704に供給した。該反応器704内の液温度を約80℃に調整して炭酸ジフェニルを溶融し、ヘキサメチレンジアミン372g(3.2mol)を貯槽703よりライン73を経て該反応器704に約100g/hrで供給した。
反応後の溶液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルが収率77.5%で生成していた。
ライン74を開き、該反応液を、ライン74を経て貯槽705に移送した。
・工程(C−2):N,N’−ヘキサンジイル−ビス−カルバミン酸ジフェニルエステルの熱分解によるイソシアネートの製造
図8のような装置を使用して反応をおこなった。
工程(1−1)で得られた混合物の代わりに、工程(C−1)で得られた混合物を使用した以外は、実施例1の工程(1−2)と同様の方法をおこなった。
ライン92を経て貯槽809へ連続的に約113g/hrの液を抜き出した。
ライン92より抜き出された液は、ヘキサメチレンジイソシアネートを約99.8重量%含有する溶液であった。ヘキサメチレンジアミンに対する収率は74.4%であった。
[比較例4]〜[比較例6]
実施例6の操作を連続しておこない、10日ごとに、種々の洗浄溶剤を使用して、実施例13と同様の方法で洗浄操作をおこなった結果を表1に示す。
Figure 2009139061
本発明によるイソシアネートの製造方法は、猛毒のホスゲンを使用することなく、効率よくイソシアネートを製造することができるため、本発明の製造方法は産業上大いに有用であり商業的価値が高い。

Claims (34)

  1. 炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる反応器において、炭酸ジアリールとアミン化合物とを反応させて、炭酸ジアリールに由来するアリール基を有するカルバミン酸アリールと、炭酸ジアリールに由来する芳香族ヒドロキシ化合物と、炭酸ジアリールと、を含有する反応混合物を得る工程と、
    炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる該反応器と配管によって接続された熱分解反応器に、該反応混合物を移送する工程と、
    該カルバミン酸アリールを熱分解反応に付すことによってイソシアネートを得る工程と、
    を含むイソシアネートの製造方法。
  2. 該熱分解反応器に付着した高沸点副生物を酸によって洗浄する工程をさらに含む請求項1に記載の製造方法。
  3. 炭酸ジアリールとアミン化合物との反応が、該アミン化合物を構成するアミノ基に対する炭酸ジアリールの化学量論比が1以上でおこなわれる請求項1に記載の製造方法。
  4. 炭酸ジアリールとアミン化合物とを、反応溶媒として芳香族ヒドロキシ化合物の存在下で反応させる請求項1に記載の製造方法。
  5. 反応溶媒としての該芳香族ヒドロキシ化合物が、該炭酸ジアリールArOCOOAr(Arは芳香族基を表し、Oは酸素原子を表す)を構成する基ArOに水素原子が付加した構造を有する化合物ArOHと同種の芳香族ヒドロキシ化合物である請求項4に記載の製造方法。
  6. 該反応混合物を、液体として、熱分解反応器に供給する請求項1に記載の製造方法。
  7. 該反応混合物を、10℃〜180℃の温度範囲に保持して、熱分解反応器に供給する請求項6に記載の製造方法。
  8. 該反応混合物を、連続的に熱分解反応器に供給する請求項1に記載の製造方法。
  9. 該熱分解反応において生成する低沸点成分を、熱分解反応器から気相成分として回収し、液相成分を該反応器底部より回収する請求項1に記載の製造方法。
  10. 気相成分の回収と液相成分の回収とが連続的におこなわれる請求項9に記載の製造方法。
  11. 該カルバミン酸アリールの熱分解反応によって得られるイソシアネートを、熱分解反応器から気相成分として回収し、炭酸ジアリールを含む液相成分を該反応器底部から回収する請求項9に記載の製造方法。
  12. 熱分解反応器から回収されたイソシアネートを含有する気相成分を蒸留塔によって蒸留分離してイソシアネートを回収する工程をさらに含み、熱分解反応器から回収されたイソシアネートを含有する気相成分を、気相で蒸留塔に供給する請求項11に記載の製造方法。
  13. 該炭酸ジアリールを含む液相成分が、カルバミン酸アリールを含有する混合物であって、該混合物の一部または全部を、該反応器の上部に供給する請求項11に記載の製造方法。
  14. 該カルバミン酸アリールの熱分解反応によって得られるイソシアネートを、熱分解反応がおこなわれる反応器底部から液相成分として回収する請求項9に記載の製造方法。
  15. 該反応器底部から回収する液相成分が、イソシアネートとカルバミン酸アリールを含有し、該液相成分から一部または全部のイソシアネートを分離し、残りの一部または全部を該反応器の上部に供給する請求項14に記載の製造方法。
  16. 熱分解反応器より回収したイソシアネートを含有する混合物を蒸留分離して、イソシアネートを回収する請求項14に記載の製造方法。
  17. 炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる反応器の種類と、該熱分解反応器の種類が、同一であっても異なっていてもよく、炭酸ジアリールとアミン化合物との反応がおこなわれる反応器と、該熱分解反応器が、塔型反応器および槽型反応器からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応器である請求項1記載の製造方法。
  18. 該熱分解反応器が、蒸発缶、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器および流下膜蒸発器からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応器から構成される請求項17に記載の製造方法。
  19. 炭酸ジアリールとアミン化合物との反応が、触媒存在下でおこなわれる請求項1に記載の製造方法。
  20. 該熱分解反応が、液相でおこなわれる請求項1に記載の製造方法。
  21. 該炭酸ジアリールが、下記式(1)で表される化合物である、
    Figure 2009139061
    (式中;
    は、炭素数6〜12の芳香族基を表す。)
    請求項1に記載の製造方法。
  22. 該炭酸ジアリールが、金属原子を0.001ppm〜10%含有する請求項21に記載の製造方法。
  23. 該金属原子が、鉄、ニッケル、コバルト、亜鉛、スズ、銅、チタンの中からなる群から選ばれる1種または複数種の金属である請求項22に記載の製造方法。
  24. 該炭酸ジアリールが、下記の工程(1)〜工程(3)を含む工程によって製造される炭酸ジアリールである、
    工程(1):スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と二酸化炭素とを反応させて炭酸ジアルキルを含有する反応混合物を得る工程;
    工程(2):該反応混合物を分離して、炭酸ジアルキルと残留液とを得る工程;
    工程(3):工程(2)で分離された炭酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合物Aとを反応させて炭酸ジアリールを得、副生するアルコールを回収する工程;
    請求項1に記載の製造方法。
  25. 該芳香族ヒドロキシ化合物Aが、炭素数6〜12の芳香族ヒドロキシ化合物である請求項24に記載の製造方法。
  26. 該炭酸ジアリールが、下記の工程(4)および工程(5)をさらに含む工程によって製造される炭酸ジアリールである、
    工程(4):工程(2)で得られた残留液とアルコールを反応させて、スズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物と水を形成し、該水を反応系より除去する工程;
    工程(5):工程(4)で得られたスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物を、工程(1)のスズ−酸素−炭素結合を有する有機スズ化合物として再利用する工程;
    請求項24に記載の製造方法。
  27. 該工程(3)で回収したアルコールを、該工程(4)のアルコールの一部もしくは全部として使用する請求項24に記載の製造方法。
  28. 熱分解反応器から回収された液相成分または気相成分から炭酸ジアリールを分離回収し、該炭酸ジアリールを出発物質としての炭酸ジアリールとして再利用する請求項9に記載の製造方法。
  29. 熱分解反応器から回収された液相成分または気相成分から芳香族ヒドロキシ化合物を分離回収し、該芳香族ヒドロキシ化合物を該工程(3)の芳香族ヒドロキシ化合物A、もしくは、該反応溶媒としての該芳香族ヒドロキシ化合物としてリサイクルする請求項1または24に記載の製造方法。
  30. 該アミン化合物がポリアミン化合物である請求項1に記載の製造方法。
  31. 該アミン化合物が下記式(2)で表わされる化合物である、
    Figure 2009139061
    (式中;
    は、炭素、酸素から選ばれる原子を含む炭素数1〜20の脂肪族基および炭素数6〜20の芳香族基からなる群から選ばれる1つの基であって、nに等しい原子価を有する基を表し、
    nは、2〜10の整数である。)
    請求項30に記載の製造方法。
  32. 該アミン化合物が、式(2)において、nが2であるジアミン化合物である請求項31に記載の製造方法。
  33. 炭酸エステルとアミン化合物とを反応させる反応器へのアミン化合物の供給が、液体の状態でおこなわれる請求項1に記載の製造方法。
  34. 炭酸エステルとアミン化合物を反応させる反応器へのアミン化合物の供給が、アルコール、水、または炭酸エステルとの混合物としておこなわれる請求項1に記載の製造方法。
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