JPWO2009001610A1 - 石油コークスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

強度が高く、熱膨張係数が十分に小さく、且つパッフィングが十分に抑制された石油コークスの製造方法として、硫黄分1質量%以上の重質油を、(1)全圧が10MPa以上16MPa未満、かつ水素分圧が5MPa以上16MPa以下、または(2)全圧が20MPa以上25MPa以下、かつ水素分圧が20MPaを超え25MPa以下の条件で水素化脱硫して得られる硫黄分1.0質量%以下、窒素分0.5質量%以下、芳香族指数0.1以上の第1の重質油と、芳香族指数0.3以上、初留点150℃以上の第2の重質油とを含有する原料油をコークス化することを特徴とする石油コークスの製造方法が提供される。

Description

本発明は石油コークスの製造方法、およびその製造方法により得られる石油コークスに関する。
電気製鋼用黒鉛電極の骨材に使用されるニードルコークスは、一般的には石油系重質油やコールタールを原料として製造される。黒鉛電極の製造工程においては、まず、コークス粒とバインダーピッチとを所定の割合で配合し、加熱捏合した後、押し出し成型して生電極を製造する。そして、この生電極を焼成し、黒鉛化した後、加工することにより黒鉛電極製品が得られる。
ここで、黒鉛電極は高温雰囲気などの過酷な条件で使用されるため、熱膨張係数(CTE)が低いことが望まれる。つまり、熱膨張係数が小さいものほど電気製鋼時の電極消耗は小さくなり、電気製鋼のコストを低減することができる。
また、上記の黒鉛化は、約3000℃で熱処理する工程であり、直接通電方式の炉(LWG炉)を用いる方法が一般的であるが、LWG炉を用いて黒鉛化を行うと、昇温速度が速いためにガスの発生速度が速くなり、パッフィング(puffing)と呼ばれる異常膨張現象が起こりやすくなる。パッフィングが起こると、電極が低密度化し、場合によっては電極が破損してしまう。しかしながら、コスト削減の観点から、昇温速度が速いことが求められており、それに耐えるために、高い強度、低い熱膨張、低いパッフィング特性をもつニードルコークスが強く望まれている。
そこで、ニードルコークスの製造時に熱膨張係数及びパッフィングの品質を制御する方法が検討されており、様々な方法が提案されている。例えば、下記特許文献1には、コールタール系原料から、キノリン不溶分を実質的に除去した脱QIピッチに重合度を調整したオリゴマーを添加し、そのままディレードコーキング法によりコークス化する方法が開示されている。また、下記特許文献2には、コールタール系重質油と石油系重質油とを窒素分1.0重量%以下、硫黄分1.4重量%以下となる範囲の割合に混合して原料油を調整し、この原料油をディレードコーカーに装入して、生コークスを製造し、得られた生コークスを700〜900℃の温度範囲でか焼し、一旦冷却した後、再び1200〜1600℃の温度範囲でか焼する方法が開示されている。また、下記特許文献3には、石炭を急速熱分解して石炭タールを製造するに際し、反応炉内の熱分解温度を750℃以上に保ち、かつ熱分解生成物の反応炉内滞留時間を5秒以下とすることにより液状生成物を得て、この液状生成物またはこれに含まれるピッチを炭化する方法が開示されている。また、下記特許文献4には、石油系重質油単独又は該石油系重質油に予めキノリン不溶分を除去したコールタール系重質油を混合したものを原料油としてディレードコーキングし、ニードルコークスを製造するに際し、石油系重質油として灰分等のパーティクル含有量が0.05重量%乃至1重量%の範囲になるように予め調整したものを用いる方法が開示されている。
特開平5−105881号公報 特開平5−163491号公報 特開平5−202362号公報 特開平7−3267号公報
しかし、上記特許文献1〜4に記載の方法であっても、熱膨張係数の低下又はパッフィングの抑制の効果は必ずしも十分とはいえず、得られるコークスの品質は電気製鋼用黒鉛電極の骨材としての要求レベルに未だ到達していないのが実情である。また、黒鉛化に際しては、約3000℃で熱処理する必要があり、高温雰囲気などの過酷な条件で使用されるため、破損や消耗が大きく、これを削減するためには、原料コークス(ニードルコークス)において高い強度や、低い熱膨張が求められる。また、コスト削減のため、昇温速度を速くすることが望まれ、それに耐えるためにも原料コークス(ニードルコークス)が高い強度をもつこと、および、低い熱膨張率をもつこと求められる。
ニードルコークスの生成機構によれば、重質油は高温処理により、熱分解、縮合反応が起こり、メソフェーズと呼ばれる液晶球体が生成し、これが合体し、バルクメソフェーズという大きな液晶が中間生成物として生成する。このバルクメソフェーズが重縮合を進展させて炭化、固化する過程において、適度なガス発生があれば、配向性を有する針状性の熱膨張率の低いニードルコークスが得られる。
一方、黒鉛電極製造には、3000℃付近までの熱処理を行うが、その過程でのガス発生に伴う異常膨張をパッフィングと呼び、パッフィングを低下させるためには、硫黄分、窒素分の含有量の低減と、特にコークスの結晶構造の制御が重要である。すなわち、高品質なニードルコークスを製造するためには、原料油の熱分解、重縮合反応において、良好なバルクメソフェーズの生成が起こり、そのバルクメソフェーズの重縮合による炭化、固化時において結晶の配向のための適度なガスの発生が必要である。
一般的に、石油系ニードルコークスを製造するためには、流動接触分解油のボトム油や低硫黄原油を減圧蒸留した残渣油、ならびにその混合物が用いられている。また、流動接触分解油のボトム油を水添脱硫したものも用いられている。しかし、このような原料油を用いた場合でも、高強度、低膨張率、低パッフィングのニードルコークスを製造することができなかった。すなわち、流動接触分解装置のボトム油だけでニードルコークスを製造した場合、良好なバルクメソフェーズは生成するが、炭化、固化時に適度なガス発生が得られず、結晶の配向が劣り、低い熱膨張率は得られなかった。また、減圧蒸留した残渣油を用いた場合、良好な炭化、固化時のガス発生は得られるものの、減圧蒸留した残渣油に含有する10%以上のアスファルテン成分がバルクメソフェーズの生成に悪影響して、低熱膨張の発現には至らなかった。流動接触分解油のボトム油と低硫黄原油を減圧蒸留した残渣油の混合物を使用しても改善はされなかった。
本発明者らは、鋭意研究した結果、ニードルコークスの生成機構を生かし、少なくとも2種類の特定の重質油を混合することにより、今まで解決出来なかった低熱膨張率、低パッフィング、高い強度を同時に満足するニードルコークスの製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、硫黄分1質量%以上の重質油を、(1)全圧が10MPa以上16MPa未満、かつ水素分圧が5MPa以上16MPa以下、または(2)全圧が20MPa以上25MPa以下、かつ水素分圧が20MPaを超え25MPa以下の条件で水素化脱硫処理して得られる、硫黄分1.0質量%以下、窒素分0.5質量%以下、芳香族指数0.1以上の第1の重質油と、芳香族指数0.3以上、初留点150℃以上の第2の重質油とを含有する原料油をコークス化することを特徴とする石油コークスの製造方法に関する。
また本発明は、前記第1の重質油が飽和分50質量%以上、アスファルテン分とレジン分の含量の和が10質量%以下であることを特徴とする上記の石油コークスの製造方法に関する。
また本発明は、上記の石油コークスの製造方法により得られることを特徴とする石油コークスに関する。
さらに本発明は、マイクロ強度の値が34%以上、硫黄分が0.5質量%以下、窒素分が0.3質量%以下であることを特徴とする上記の石油コークスに関する。
[発明の効果]
本発明により、強度が高く、熱膨張係数が十分に小さく、且つパッフィングが十分に抑制された石油コークス及びその製造方法が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、特定の第1の重質油と特定の第2の重質油を含む原料油をコークス化することにより、強度が高く、熱膨張係数が十分に小さく、且つパッフィングが十分に抑制された石油コークスを製造することができるものである。
本発明に係る第1の重質油は、硫黄分1質量%以上の重質油を、(1)全圧が10MPa以上16MPa未満、かつ水素分圧が5MPa以上16MPa以下、または(2)全圧が20MPa以上25MPa以下、かつ水素分圧が20MPaを超え25MPa以下の条件で水素化脱硫して得られる硫黄分1.0質量%以下、窒素分0.5質量%以下、芳香族指数0.1以上であることを特徴とする。
第1の重質油の硫黄分が1.0質量%を超えるとコークス中に残存する硫黄分が多くなり、パッフィングが起こり易くなるため、1.0質量%以下であることが必要であり、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。また、第1の重質油の窒素分が0.5質量%を超えるとやはりコークス中に残存する窒素分が多くなり、パッフィングが起こり易くなるため、0.5質量%以下であることが必要であり、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。また、第1の重質油の芳香族指数が0.1未満だと、コークスの収率低くなるため、0.1以上であることが必要であり、好ましくは0.12以上、より好ましくは0.15以上である。
また第1の重質油は、飽和分が50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上である。また、アスファルテン分とレジン分の総和が10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは8質量%以下である。
ここで、「硫黄分」とは、油の場合はJIS K2541に従い測定される値を、コークスの場合はJIS M 8813に従い測定される値を、それぞれ意味する。また、「窒素分」とは、油の場合はJIS K2609に従い測定される値を、コークスの場合はJIS M 8813に従い測定される値を、それぞれ意味する。また、「飽和分」、「アスファルテン分」および「レジン分」は薄層クロマトグラフを用いて測定される値を意味する。「芳香族指数」は、Knight法により求められ、物質中の芳香族炭素の分率を示すものである(「ピッチのキャラクタリゼーション II.化学構造」横野、真田(炭素、1981,No105,p73〜81))。
かかる第1の重質油を得る水素化脱硫運転条件を説明する。
第1の重質油を得るための水素化脱硫は、(1)全圧が10MPa以上16MPa未満、かつ水素分圧が5MPa以上16MPa以下、好ましくは全圧が11MPa以上15MPa以下、かつ水素分圧が6MPa以上14MPa以下、または(2)全圧が20MPa以上25MPa以下、かつ水素分圧が20MPaを超え25MPa以下、好ましくは全圧が21MPa以上24MPa以下、かつ水素分圧が20.5MPa以上23.5MPa以下の条件で行われる。なお、水素分圧が5MPa未満であると、水素化が不十分となり、石油コークスの原料油として有効な重質油を得ることができない。
また、水素化脱硫における全圧および水素分圧以外の条件は特に制限されないが、各種条件を以下のように設定することが好ましい。すなわち、水素化脱硫の温度は、好ましくは300〜500℃、より好ましくは350〜450℃であり、水素/油比は、好ましくは400〜3000NL/L、より好ましくは500〜1800NL/Lであり、液空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1〜3h−1、より好ましくは0.15〜1.0h−1、更に好ましくは0.15〜0.75h−1である。
また、水素化脱硫に用いられる触媒(水素化脱硫触媒)としては、Ni−Mo触媒、Co−Mo触媒、あるいは両者を組合せた触媒などが挙げられ、これらは市販品を用いても良い。
第1の重質油の原料油として用いられる重質油は、硫黄分が所定の条件を満たすものであれば特に制限されず、例えば、原油、原油の蒸留により得られる常圧蒸留残油又は減圧蒸留残油、ビスブレーキング油、タールサンド油、シェールオイル、並びにこれらの混合油等が挙げられる。これらの中でも、常圧蒸留残留及び減圧蒸留残油が好ましく用いられる。第1の重質油の原料油として用いられる重質油の硫黄分は1質量%以上であることが必要であり、好ましくは1.2質量%以上である。なお、硫黄分の上限は特に限定されるものではないが、通常5質量%以下が好ましい。
本発明に係る第2の重質油は、初留点150℃以上、芳香族指数が0.3以上の重質油である。初留点が150℃未満であるとコークスの収率が下がるため、150℃以上であることが必要であり、好ましくは170℃以上である。また、芳香族指数が0.3未満であると、コークスの収率が下がるため、0.3以上であることが必要であり、好ましくは0.4以上である。また、芳香族指数の上限は0.9以下であることが好ましく、より好ましくは0.8以下である。
なお、第2の重質油の硫黄分、窒素分は特に限定されないが、硫黄分は1.0質量%以下であることが好ましく、窒素分は0.5質量%以下であることが好ましい。
かかる第2の重質油は、所定の原料油を流動接触分解して得ることができる。ここで、「流動接触分解」とは、固体酸触媒などを用いて高沸点留分を分解する処理を意味し、FCC(Fluidized Catalytic Cracking)とも呼ばれる。
第2の重質油の原料油としては、流動接触分解により初留点150℃以上、芳香族指数が0.3以上の重質油を得ることが可能なものであれば特に制限されないが、15℃における密度が0.8g/cm以上である炭化水素油が好ましい。このような原料油としては、常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、シェールオイル、タールサンドビチューメン、オリノコタール、石炭液化油、及びこれらを水素化精製した重質油などが挙げられる。また、第2の重質油の原料油は、上記以外に、直留軽油、減圧軽油、脱硫軽油、脱硫減圧軽油等の比較的軽質な油を更に含有してもよく、特に減圧軽油及び脱硫減圧軽油が好ましく用いられる。
また、流動接触分解の条件は、初留点および芳香族指数が上記の条件を満たす重質油を得ることが可能であれば特に制限されないが、例えば反応温度480〜550℃、全圧100〜300KPa、触媒/油比1〜20、接触時間1〜10秒とすることが好ましい。
また、流動接触分解に用いられる触媒としては、例えばシリカ・アルミナ触媒、ゼオライト触媒、あるいはこれらの触媒に白金(Pt)などの金属を担持したものなどが挙げられる。これらの触媒は市販品を用いてもよい。
第2の重質油は、上記した流動接触分解により得られるものの他に、エチレンタールを挙げることができる。エチレンタールとは、エチレン、プロピレン等のオレフィン類を製造するナフサの熱分解装置の塔底部で得られるものである。すなわち、その代表的な管式加熱炉プロセス、いわゆるスチームクラッキング法において、ナフサをスチームとともに加熱分解炉に導入し、760〜900℃程度の温度で加熱分解して得られる炭化水素類を急冷した後、精留塔に導き、塔底部よりエチレンタールを得ることができる。
本発明においては、上記の第1の重質油と第2の重質油とを含有する原料油をコークス化することによって、強度が高く、熱膨張係数が十分に小さく、且つパッフィングが十分に抑制された石油コークスを安定的に得ることができる。ここで、原料油における第1の重質油と第2の重質油との混合比は特に制限されないが、原料油全量を基準として、第1の重質油が1〜50質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。
上記原料油をコークス化する方法としては、ディレードコーキング法が好ましい。より具体的には、ディレードコーカーで加圧下、原料油を熱処理して生コークスを得、次いで生コークスをロータリーキルン、シャフト炉等でか焼してニードルコークスとすることが好ましい。ディレードコーカーの圧力及び温度はそれぞれ300〜800KPa、400〜600℃とすることが好ましく、また、か焼温度は1200〜1500℃が好ましい。
かくして得られた石油コークスは、マイクロ強度(microstrength)が34%以上であり、硫黄分が0.5質量%以下、窒素分が0.3質量%以下である。マイクロ強度が34%未満であると、電極作製時に破損し易くなるため、34%以上であることが必要であり、36%以上であることが好ましい。ここで、マイクロ強度は、コークスの強度を表す指標として常用されるものであり、H.E.Blaydenの方法に従って測定される。具体的測定方法は次のとおりである。即ち、鋼製シリンダー(内径25.4mm,長さ304.8mm)に20〜30メッシュの試料2gと直径5/16inch(7.9mm)の鋼球12個を入れ、鉛直面を管と直角方向に25rpmで800回転させたのち(即ち、シリンダーを立てた状態から上下が入れ替わるように、回転軸を水平にして、あたかもプロペラが回転するように回転させる。)、48meshで篩い分け、篩い上の重量を試料に対するパーセントで表示する。
本発明の石油コークスのマイクロ強度の値は、通常34〜50%の範囲である。マイクロ強度の値は、一種のボールミル粉砕特性の指数で、前述の通り、H.E.Blaydenの方法に従って測定され、100%の値は実質的に粉砕がなされていないことを示し、0%の値は粉砕されやすいことを示す。コークス類の強度を示すその他の指標として、ドラム強度試験、落下強度試験等が用いられるが、これらはコークス中のひび割れなどに左右され、コークスかたまりとしての強度を示すのに対し、マイクロ強度は、コークス固有の強度すなわち気孔壁を主体とした強度を表すとされる。
本発明の石油コークス中の硫黄分は0.5質量%以下であり、0.3質量%以下が好ましい。硫黄分が0.5質量%を超えると、パフィングが起こり易くなり好ましくない。
本発明の石油コークス中の窒素分は0.3質量%以下であり、0.2質量%以下が好ましい。窒素分が0.3質量%を超えると、やはりパフィングが起こり易くなり好ましくない。
本発明で得られる石油コークスの熱膨張率は、パッフィング抑制の面から出来る限り小さいことが望まれ、1.5×10−6/℃以下が好ましい。
また、本発明の石油コークスを用いて黒鉛電極製品を製造する方法としては、本発明の石油コークスにバインダーピッチを適当量添加した原料を加熱捏合した後、押し出し成型して生電極を製造して生電極を得、この生電極を焼成し、黒鉛化した後、加工する方法が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
第1の重質油として、硫黄分3.0質量%の常圧蒸留残油を、Ni−Mo触媒の存在下、水素化脱硫し、水素化脱硫油(以下、「水素化脱硫油A」という。)を得た。水素化脱硫条件は、全圧15MPa、水素分圧13MPa、温度370℃、水素/油比590NL/L、液空間速度(LHSV)0.17h−1とした。得られた水素化脱硫油Aの初留点は190℃であり、硫黄分は0.3質量%、窒素分は0.1質量%であった。
また、水素化脱硫油Aを13C−NMR装置を用いKnight法により求めた芳香族指数は0.15で、TLC法での飽和分60質量%、アススファルテン分2質量%、レジン分6質量%であった。
第2の重質油として、脱硫減圧軽油(硫黄分500質量ppm、15℃における密度0.88g/cm)を流動接触分解し、流動接触分解残油(以下、「流動接触分解残油A」という。)を得た。得られた流動接触分解残油Aの初留点は180℃であり、硫黄分は0.1質量%、窒素分は0.1質量%、芳香族指数は、0.60であった。
上記の水素化脱硫油Aと流動接触分解残油Aとを質量比で1:3で混合しコークスの原料油を得た。この原料油を試験管に入れ常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例2]
第2の重質油として、ナフサ分解時に、精留塔底部よりエチレンタールを得た。得られたエチレンタールは、硫黄分は0.1質量%、芳香族指数が0.70、初留点は170℃であった。
実施例1で製造した水素化脱硫油Aと上記エチレンタールを質量比1:2で混合し、コークスの原料油を調製した。得られた原料油を試験管に入れ、常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1で製造した水素化脱硫油Aと実施例2で製造したエチレンタールを質量比1:3で混合し、コークスの原料油を調製した。得られた原料油を試験管に入れ、常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例4]
第1の重質油として、硫黄分1.8質量%の常圧蒸留残油を、Ni−Mo触媒の存在下、水素化脱硫し、水素化脱硫油(以下、「水素化脱硫油B」という。)を得た。水素化脱硫条件は、全圧10.1MPa、水素分圧6.9MPa、温度410℃、水素/油比500NL/L、液空間速度(LHSV)0.15h−1とした。得られた水素化脱硫油Bの硫黄分は0.3質量%、窒素分は0.2質量%であった。
また、水素化脱硫油Bを13C−NMR装置を用いKnight法により求めた芳香族指数は0.21で、TLC法での飽和分53質量%、アススファルテン分2質量%、レジン分7質量%であった。
上記の水素化脱硫油Bと実施例1で製造した流動接触分解残油Aとを質量比で1:3で混合しコークスの原料油を得た。この原料油を試験管に入れ常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例5]
第1の重質油として、硫黄分3質量%の常圧蒸留残油を、Ni−Mo触媒の存在下、水素化脱硫し、水素化脱硫油(以下、「水素化脱硫油C」という。)を得た。水素化脱硫条件は、全圧22MPa、水素分圧20.5MPa、温度370℃、水素/油比590NL/L、液空間速度(LHSV)0.17h−1とした。得られた水素化脱硫油Cの硫黄分は0.2質量%、窒素分は0.1質量%であった。
また、水素化脱硫油Cを13C−NMR装置を用いKnight法により求めた芳香族指数は0.13で、TLC法での飽和分64質量%、アススファルテン分1質量%、レジン分6質量%であった。
上記の水素化脱硫油Cと実施例1で製造した流動接触分解残油Aとを質量比で1:3で混合しコークスの原料油を得た。この原料油を試験管に入れ常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例6]
第1の重質油として、硫黄分1.8質量%の常圧蒸留残油を、Ni−Mo触媒の存在下、水素化脱硫し、水素化脱硫油(以下、「水素化脱硫油D」という。)を得た。水素化脱硫条件は、全圧24MPa、水素分圧22MPa、温度370℃、水素/油比640NL/L、液空間速度(LHSV)0.15h−1とした。得られた水素化脱硫油Dの硫黄分は0.2質量%、窒素分は0.1質量%であった。
また、水素化脱硫油Dを13C−NMR装置を用いKnight法により求めた芳香族指数は0.14で、TLC法での飽和分69質量%、アススファルテン分1質量%、レジン分5質量%であった。
上記の水素化脱硫油Dと実施例1で製造した流動接触分解残油Aとを質量比で1:3で混合しコークスの原料油を得た。この原料油を試験管に入れ常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で製造した水素化脱硫油Aを試験管に入れ、常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1で製造した流動接触分解残油Aを試験管に入れ、常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例2で製造したエチレンタールを常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[比較例4]
第1の重質油として、水素化脱硫時の水素分圧が5MPa未満で得られた重質油を用いた。すなわち、硫黄分3.0質量%の常圧蒸留残油を、Ni−Mo触媒の存在下、水素化脱硫し、水素化脱硫油(以下、「水素化脱硫油E」という。)を得た。水素化脱硫条件は、全圧6MPa、水素分圧4MPa、温度370℃、水素/油比590NL/L、液空間速度(LHSV)0.17h−1とした。得られた水素化脱硫油Eの初留点は190℃であり、硫黄分は1.5質量%、窒素分は0.6質量%であった。
また、水素化脱硫油Eを13C−NMR装置を用いKnight法により求めた芳香族指数は0.25で、TLC法での飽和分60質量%、アススファルテン分5質量%、レジン分7質量%であった。
上記の水素化脱硫油Eと実施例1で製造した流動接触分解残油Aとを質量比で1:3で混合しコークスの原料油を得た。この原料油を試験管に入れ常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
表1より、特定の第1の重質油と特定の第2の重質油を混合した原料油を用いてコークス化することにより、強度が高く、熱膨張率が低く、かつ、パッフィングが抑制されたバランスのとれたニードルコークスを得ることができた(実施例1〜6)。
Figure 2009001610
本発明により、強度が高く、熱膨張係数が十分に小さく、且つパッフィングが十分に抑制された石油コークス及びその製造方法が提供されるため工業的価値が大きい。
本発明は石油コークスの製造方法、およびその製造方法により得られる石油コークスに関する。
電気製鋼用黒鉛電極の骨材に使用されるニードルコークスは、一般的には石油系重質油やコールタールを原料として製造される。黒鉛電極の製造工程においては、まず、コークス粒とバインダーピッチとを所定の割合で配合し、加熱捏合した後、押し出し成型して生電極を製造する。そして、この生電極を焼成し、黒鉛化した後、加工することにより黒鉛電極製品が得られる。
ここで、黒鉛電極は高温雰囲気などの過酷な条件で使用されるため、熱膨張係数(CTE)が低いことが望まれる。つまり、熱膨張係数が小さいものほど電気製鋼時の電極消耗は小さくなり、電気製鋼のコストを低減することができる。
また、上記の黒鉛化は、約3000℃で熱処理する工程であり、直接通電方式の炉(LWG炉)を用いる方法が一般的であるが、LWG炉を用いて黒鉛化を行うと、昇温速度が速いためにガスの発生速度が速くなり、パッフィング(puffing)と呼ばれる異常膨張現象が起こりやすくなる。パッフィングが起こると、電極が低密度化し、場合によっては電極が破損してしまう。しかしながら、コスト削減の観点から、昇温速度が速いことが求められており、それに耐えるために、高い強度、低い熱膨張、低いパッフィング特性をもつニードルコークスが強く望まれている。
そこで、ニードルコークスの製造時に熱膨張係数及びパッフィングの品質を制御する方法が検討されており、様々な方法が提案されている。例えば、下記特許文献1には、コールタール系原料から、キノリン不溶分を実質的に除去した脱QIピッチに重合度を調整したオリゴマーを添加し、そのままディレードコーキング法によりコークス化する方法が開示されている。また、下記特許文献2には、コールタール系重質油と石油系重質油とを窒素分1.0重量%以下、硫黄分1.4重量%以下となる範囲の割合に混合して原料油を調整し、この原料油をディレードコーカーに装入して、生コークスを製造し、得られた生コークスを700〜900℃の温度範囲でか焼し、一旦冷却した後、再び1200〜1600℃の温度範囲でか焼する方法が開示されている。また、下記特許文献3には、石炭を急速熱分解して石炭タールを製造するに際し、反応炉内の熱分解温度を750℃以上に保ち、かつ熱分解生成物の反応炉内滞留時間を5秒以下とすることにより液状生成物を得て、この液状生成物またはこれに含まれるピッチを炭化する方法が開示されている。また、下記特許文献4には、石油系重質油単独又は該石油系重質油に予めキノリン不溶分を除去したコールタール系重質油を混合したものを原料油としてディレードコーキングし、ニードルコークスを製造するに際し、石油系重質油として灰分等のパーティクル含有量が0.05重量%乃至1重量%の範囲になるように予め調整したものを用いる方法が開示されている。
特開平5−105881号公報 特開平5−163491号公報 特開平5−202362号公報 特開平7−3267号公報
しかし、上記特許文献1〜4に記載の方法であっても、熱膨張係数の低下又はパッフィングの抑制の効果は必ずしも十分とはいえず、得られるコークスの品質は電気製鋼用黒鉛電極の骨材としての要求レベルに未だ到達していないのが実情である。また、黒鉛化に際しては、約3000℃で熱処理する必要があり、高温雰囲気などの過酷な条件で使用されるため、破損や消耗が大きく、これを削減するためには、原料コークス(ニードルコークス)において高い強度や、低い熱膨張が求められる。また、コスト削減のため、昇温速度を速くすることが望まれ、それに耐えるためにも原料コークス(ニードルコークス)が高い強度をもつこと、および、低い熱膨張率をもつこと求められる。
ニードルコークスの生成機構によれば、重質油は高温処理により、熱分解、縮合反応が起こり、メソフェーズと呼ばれる液晶球体が生成し、これが合体し、バルクメソフェーズという大きな液晶が中間生成物として生成する。このバルクメソフェーズが重縮合を進展させて炭化、固化する過程において、適度なガス発生があれば、配向性を有する針状性の熱膨張率の低いニードルコークスが得られる。
一方、黒鉛電極製造には、3000℃付近までの熱処理を行うが、その過程でのガス発生に伴う異常膨張をパッフィングと呼び、パッフィングを低下させるためには、硫黄分、窒素分の含有量の低減と、特にコークスの結晶構造の制御が重要である。すなわち、高品質なニードルコークスを製造するためには、原料油の熱分解、重縮合反応において、良好なバルクメソフェーズの生成が起こり、そのバルクメソフェーズの重縮合による炭化、固化時において結晶の配向のための適度なガスの発生が必要である。
一般的に、石油系ニードルコークスを製造するためには、流動接触分解油のボトム油や低硫黄原油を減圧蒸留した残渣油、ならびにその混合物が用いられている。また、流動接触分解油のボトム油を水添脱硫したものも用いられている。しかし、このような原料油を用いた場合でも、高強度、低膨張率、低パッフィングのニードルコークスを製造することができなかった。すなわち、流動接触分解装置のボトム油だけでニードルコークスを製造した場合、良好なバルクメソフェーズは生成するが、炭化、固化時に適度なガス発生が得られず、結晶の配向が劣り、低い熱膨張率は得られなかった。また、減圧蒸留した残渣油を用いた場合、良好な炭化、固化時のガス発生は得られるものの、減圧蒸留した残渣油に含有する10%以上のアスファルテン成分がバルクメソフェーズの生成に悪影響して、低熱膨張の発現には至らなかった。流動接触分解油のボトム油と低硫黄原油を減圧蒸留した残渣油の混合物を使用しても改善はされなかった。
本発明者らは、鋭意研究した結果、ニードルコークスの生成機構を生かし、少なくとも2種類の特定の重質油を混合することにより、今まで解決出来なかった低熱膨張率、低パッフィング、高い強度を同時に満足するニードルコークスの製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、硫黄分1質量%以上の重質油を、(1)全圧が10MPa以上16MPa未満、かつ水素分圧が5MPa以上16MPa以下、または(2)全圧が20MPa以上25MPa以下、かつ水素分圧が20MPaを超え25MPa以下の条件で水素化脱硫処理して得られる、硫黄分1.0質量%以下、窒素分0.5質量%以下、芳香族指数0.1以上の第1の重質油と、芳香族指数0.3以上、初留点150℃以上の第2の重質油とを含有する原料油をコークス化することを特徴とする石油コークスの製造方法に関する。
また本発明は、前記第1の重質油が飽和分50質量%以上、アスファルテン分とレジン分の含量の和が10質量%以下であることを特徴とする上記の石油コークスの製造方法に関する。
また本発明は、上記の石油コークスの製造方法により得られることを特徴とする石油コークスに関する。
さらに本発明は、マイクロ強度の値が34%以上、硫黄分が0.5質量%以下、窒素分が0.3質量%以下であることを特徴とする上記の石油コークスに関する。
本発明により、強度が高く、熱膨張係数が十分に小さく、且つパッフィングが十分に抑制された石油コークス及びその製造方法が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、特定の第1の重質油と特定の第2の重質油を含む原料油をコークス化することにより、強度が高く、熱膨張係数が十分に小さく、且つパッフィングが十分に抑制された石油コークスを製造することができるものである。
本発明に係る第1の重質油は、硫黄分1質量%以上の重質油を、(1)全圧が10MPa以上16MPa未満、かつ水素分圧が5MPa以上16MPa以下、または(2)全圧が20MPa以上25MPa以下、かつ水素分圧が20MPaを超え25MPa以下の条件で水素化脱硫して得られる硫黄分1.0質量%以下、窒素分0.5質量%以下、芳香族指数0.1以上であることを特徴とする。
第1の重質油の硫黄分が1.0質量%を超えるとコークス中に残存する硫黄分が多くなり、パッフィングが起こり易くなるため、1.0質量%以下であることが必要であり、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。また、第1の重質油の窒素分が0.5質量%を超えるとやはりコークス中に残存する窒素分が多くなり、パッフィングが起こり易くなるため、0.5質量%以下であることが必要であり、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。また、第1の重質油の芳香族指数が0.1未満だと、コークスの収率低くなるため、0.1以上であることが必要であり、好ましくは0.12以上、より好ましくは0.15以上である。
また第1の重質油は、飽和分が50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上である。また、アスファルテン分とレジン分の総和が10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは8質量%以下である。
ここで、「硫黄分」とは、油の場合はJIS K2541に従い測定される値を、コークスの場合はJIS M 8813に従い測定される値を、それぞれ意味する。また、「窒素分」とは、油の場合はJIS K2609に従い測定される値を、コークスの場合はJIS M 8813に従い測定される値を、それぞれ意味する。また、「飽和分」、「アスファルテン分」および「レジン分」は薄層クロマトグラフを用いて測定される値を意味する。「芳香族指数」は、Knight法により求められ、物質中の芳香族炭素の分率を示すものである(「ピッチのキャラクタリゼーション II.化学構造」横野、真田(炭素、1981,No105,p73〜81))。
かかる第1の重質油を得る水素化脱硫運転条件を説明する。
第1の重質油を得るための水素化脱硫は、(1)全圧が10MPa以上16MPa未満、かつ水素分圧が5MPa以上16MPa以下、好ましくは全圧が11MPa以上15MPa以下、かつ水素分圧が6MPa以上14MPa以下、または(2)全圧が20MPa以上25MPa以下、かつ水素分圧が20MPaを超え25MPa以下、好ましくは全圧が21MPa以上24MPa以下、かつ水素分圧が20.5MPa以上23.5MPa以下の条件で行われる。なお、水素分圧が5MPa未満であると、水素化が不十分となり、石油コークスの原料油として有効な重質油を得ることができない。
また、水素化脱硫における全圧および水素分圧以外の条件は特に制限されないが、各種条件を以下のように設定することが好ましい。すなわち、水素化脱硫の温度は、好ましくは300〜500℃、より好ましくは350〜450℃であり、水素/油比は、好ましくは400〜3000NL/L、より好ましくは500〜1800NL/Lであり、液空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1〜3h−1、より好ましくは0.15〜1.0h−1、更に好ましくは0.15〜0.75h−1である。
また、水素化脱硫に用いられる触媒(水素化脱硫触媒)としては、Ni−Mo触媒、Co−Mo触媒、あるいは両者を組合せた触媒などが挙げられ、これらは市販品を用いても良い。
第1の重質油の原料油として用いられる重質油は、硫黄分が所定の条件を満たすものであれば特に制限されず、例えば、原油、原油の蒸留により得られる常圧蒸留残油又は減圧蒸留残油、ビスブレーキング油、タールサンド油、シェールオイル、並びにこれらの混合油等が挙げられる。これらの中でも、常圧蒸留残留及び減圧蒸留残油が好ましく用いられる。第1の重質油の原料油として用いられる重質油の硫黄分は1質量%以上であることが必要であり、好ましくは1.2質量%以上である。なお、硫黄分の上限は特に限定されるものではないが、通常5質量%以下が好ましい。
本発明に係る第2の重質油は、初留点150℃以上、芳香族指数が0.3以上の重質油である。初留点が150℃未満であるとコークスの収率が下がるため、150℃以上であることが必要であり、好ましくは170℃以上である。また、芳香族指数が0.3未満であると、コークスの収率が下がるため、0.3以上であることが必要であり、好ましくは0.4以上である。また、芳香族指数の上限は0.9以下であることが好ましく、より好ましくは0.8以下である。
なお、第2の重質油の硫黄分、窒素分は特に限定されないが、硫黄分は1.0質量%以下であることが好ましく、窒素分は0.5質量%以下であることが好ましい。
かかる第2の重質油は、所定の原料油を流動接触分解して得ることができる。ここで、「流動接触分解」とは、固体酸触媒などを用いて高沸点留分を分解する処理を意味し、FCC(Fluidized Catalytic Cracking)とも呼ばれる。
第2の重質油の原料油としては、流動接触分解により初留点150℃以上、芳香族指数が0.3以上の重質油を得ることが可能なものであれば特に制限されないが、15℃における密度が0.8g/cm以上である炭化水素油が好ましい。このような原料油としては、常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、シェールオイル、タールサンドビチューメン、オリノコタール、石炭液化油、及びこれらを水素化精製した重質油などが挙げられる。また、第2の重質油の原料油は、上記以外に、直留軽油、減圧軽油、脱硫軽油、脱硫減圧軽油等の比較的軽質な油を更に含有してもよく、特に減圧軽油及び脱硫減圧軽油が好ましく用いられる。
また、流動接触分解の条件は、初留点および芳香族指数が上記の条件を満たす重質油を得ることが可能であれば特に制限されないが、例えば反応温度480〜550℃、全圧100〜300KPa、触媒/油比1〜20、接触時間1〜10秒とすることが好ましい。
また、流動接触分解に用いられる触媒としては、例えばシリカ・アルミナ触媒、ゼオライト触媒、あるいはこれらの触媒に白金(Pt)などの金属を担持したものなどが挙げられる。これらの触媒は市販品を用いてもよい。
第2の重質油は、上記した流動接触分解により得られるものの他に、エチレンタールを挙げることができる。エチレンタールとは、エチレン、プロピレン等のオレフィン類を製造するナフサの熱分解装置の塔底部で得られるものである。すなわち、その代表的な管式加熱炉プロセス、いわゆるスチームクラッキング法において、ナフサをスチームとともに加熱分解炉に導入し、760〜900℃程度の温度で加熱分解して得られる炭化水素類を急冷した後、精留塔に導き、塔底部よりエチレンタールを得ることができる。
本発明においては、上記の第1の重質油と第2の重質油とを含有する原料油をコークス化することによって、強度が高く、熱膨張係数が十分に小さく、且つパッフィングが十分に抑制された石油コークスを安定的に得ることができる。ここで、原料油における第1の重質油と第2の重質油との混合比は特に制限されないが、原料油全量を基準として、第1の重質油が1〜50質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。
上記原料油をコークス化する方法としては、ディレードコーキング法が好ましい。より具体的には、ディレードコーカーで加圧下、原料油を熱処理して生コークスを得、次いで生コークスをロータリーキルン、シャフト炉等でか焼してニードルコークスとすることが好ましい。ディレードコーカーの圧力及び温度はそれぞれ300〜800KPa、400〜600℃とすることが好ましく、また、か焼温度は1200〜1500℃が好ましい。
かくして得られた石油コークスは、マイクロ強度(microstrength)が34%以上であり、硫黄分が0.5質量%以下、窒素分が0.3質量%以下である。マイクロ強度が34%未満であると、電極作製時に破損し易くなるため、34%以上であることが必要であり、36%以上であることが好ましい。ここで、マイクロ強度は、コークスの強度を表す指標として常用されるものであり、H.E.Blaydenの方法に従って測定される。具体的測定方法は次のとおりである。即ち、鋼製シリンダー(内径25.4mm,長さ304.8mm)に20〜30メッシュの試料2gと直径5/16inch(7.9mm)の鋼球12個を入れ、鉛直面を管と直角方向に25rpmで800回転させたのち(即ち、シリンダーを立てた状態から上下が入れ替わるように、回転軸を水平にして、あたかもプロペラが回転するように回転させる。)、48meshで篩い分け、篩い上の重量を試料に対するパーセントで表示する。
本発明の石油コークスのマイクロ強度の値は、通常34〜50%の範囲である。マイクロ強度の値は、一種のボールミル粉砕特性の指数で、前述の通り、H.E.Blaydenの方法に従って測定され、100%の値は実質的に粉砕がなされていないことを示し、0%の値は粉砕されやすいことを示す。コークス類の強度を示すその他の指標として、ドラム強度試験、落下強度試験等が用いられるが、これらはコークス中のひび割れなどに左右され、コークスかたまりとしての強度を示すのに対し、マイクロ強度は、コークス固有の強度すなわち気孔壁を主体とした強度を表すとされる。
本発明の石油コークス中の硫黄分は0.5質量%以下であり、0.3質量%以下が好ましい。硫黄分が0.5質量%を超えると、パフィングが起こり易くなり好ましくない。
本発明の石油コークス中の窒素分は0.3質量%以下であり、0.2質量%以下が好ましい。窒素分が0.3質量%を超えると、やはりパフィングが起こり易くなり好ましくない。
本発明で得られる石油コークスの熱膨張率は、パッフィング抑制の面から出来る限り小さいことが望まれ、1.5×10−6/℃以下が好ましい。
また、本発明の石油コークスを用いて黒鉛電極製品を製造する方法としては、本発明の石油コークスにバインダーピッチを適当量添加した原料を加熱捏合した後、押し出し成型して生電極を製造して生電極を得、この生電極を焼成し、黒鉛化した後、加工する方法が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
第1の重質油として、硫黄分3.0質量%の常圧蒸留残油を、Ni−Mo触媒の存在下、水素化脱硫し、水素化脱硫油(以下、「水素化脱硫油A」という。)を得た。水素化脱硫条件は、全圧15MPa、水素分圧13MPa、温度370℃、水素/油比590NL/L、液空間速度(LHSV)0.17h−1とした。得られた水素化脱硫油Aの初留点は190℃であり、硫黄分は0.3質量%、窒素分は0.1質量%であった。
また、水素化脱硫油Aを13C−NMR装置を用いKnight法により求めた芳香族指数は0.15で、TLC法での飽和分60質量%、アススファルテン分2質量%、レジン分6質量%であった。
第2の重質油として、脱硫減圧軽油(硫黄分500質量ppm、15℃における密度0.88g/cm)を流動接触分解し、流動接触分解残油(以下、「流動接触分解残油A」という。)を得た。得られた流動接触分解残油Aの初留点は180℃であり、硫黄分は0.1質量%、窒素分は0.1質量%、芳香族指数は、0.60であった。
上記の水素化脱硫油Aと流動接触分解残油Aとを質量比で1:3で混合しコークスの原料油を得た。この原料油を試験管に入れ常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例2]
第2の重質油として、ナフサ分解時に、精留塔底部よりエチレンタールを得た。得られたエチレンタールは、硫黄分は0.1質量%、芳香族指数が0.70、初留点は170℃であった。
実施例1で製造した水素化脱硫油Aと上記エチレンタールを質量比1:2で混合し、コークスの原料油を調製した。得られた原料油を試験管に入れ、常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1で製造した水素化脱硫油Aと実施例2で製造したエチレンタールを質量比1:3で混合し、コークスの原料油を調製した。得られた原料油を試験管に入れ、常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例4]
第1の重質油として、硫黄分1.8質量%の常圧蒸留残油を、Ni−Mo触媒の存在下、水素化脱硫し、水素化脱硫油(以下、「水素化脱硫油B」という。)を得た。水素化脱硫条件は、全圧10.1MPa、水素分圧6.9MPa、温度410℃、水素/油比500NL/L、液空間速度(LHSV)0.15h−1とした。得られた水素化脱硫油Bの硫黄分は0.3質量%、窒素分は0.2質量%であった。
また、水素化脱硫油Bを13C−NMR装置を用いKnight法により求めた芳香族指数は0.21で、TLC法での飽和分53質量%、アススファルテン分2質量%、レジン分7質量%であった。
上記の水素化脱硫油Bと実施例1で製造した流動接触分解残油Aとを質量比で1:3で混合しコークスの原料油を得た。この原料油を試験管に入れ常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例5]
第1の重質油として、硫黄分3質量%の常圧蒸留残油を、Ni−Mo触媒の存在下、水素化脱硫し、水素化脱硫油(以下、「水素化脱硫油C」という。)を得た。水素化脱硫条件は、全圧22MPa、水素分圧20.5MPa、温度370℃、水素/油比590NL/L、液空間速度(LHSV)0.17h−1とした。得られた水素化脱硫油Cの硫黄分は0.2質量%、窒素分は0.1質量%であった。
また、水素化脱硫油Cを13C−NMR装置を用いKnight法により求めた芳香族指数は0.13で、TLC法での飽和分64質量%、アススファルテン分1質量%、レジン分6質量%であった。
上記の水素化脱硫油Cと実施例1で製造した流動接触分解残油Aとを質量比で1:3で混合しコークスの原料油を得た。この原料油を試験管に入れ常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例6]
第1の重質油として、硫黄分1.8質量%の常圧蒸留残油を、Ni−Mo触媒の存在下、水素化脱硫し、水素化脱硫油(以下、「水素化脱硫油D」という。)を得た。水素化脱硫条件は、全圧24MPa、水素分圧22MPa、温度370℃、水素/油比640NL/L、液空間速度(LHSV)0.15h−1とした。得られた水素化脱硫油Dの硫黄分は0.2質量%、窒素分は0.1質量%であった。
また、水素化脱硫油Dを13C−NMR装置を用いKnight法により求めた芳香族指数は0.14で、TLC法での飽和分69質量%、アススファルテン分1質量%、レジン分5質量%であった。
上記の水素化脱硫油Dと実施例1で製造した流動接触分解残油Aとを質量比で1:3で混合しコークスの原料油を得た。この原料油を試験管に入れ常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で製造した水素化脱硫油Aを試験管に入れ、常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1で製造した流動接触分解残油Aを試験管に入れ、常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例2で製造したエチレンタールを常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
[比較例4]
第1の重質油として、水素化脱硫時の水素分圧が5MPa未満で得られた重質油を用いた。すなわち、硫黄分3.0質量%の常圧蒸留残油を、Ni−Mo触媒の存在下、水素化脱硫し、水素化脱硫油(以下、「水素化脱硫油E」という。)を得た。水素化脱硫条件は、全圧6MPa、水素分圧4MPa、温度370℃、水素/油比590NL/L、液空間速度(LHSV)0.17h−1とした。得られた水素化脱硫油Eの初留点は190℃であり、硫黄分は1.5質量%、窒素分は0.6質量%であった。
また、水素化脱硫油Eを13C−NMR装置を用いKnight法により求めた芳香族指数は0.25で、TLC法での飽和分60質量%、アススファルテン分5質量%、レジン分7質量%であった。
上記の水素化脱硫油Eと実施例1で製造した流動接触分解残油Aとを質量比で1:3で混合しコークスの原料油を得た。この原料油を試験管に入れ常圧、500℃で3時間熱処理を行いコークス化した。
次に、生成したコークスを1200℃で5時間焼成してか焼コークスを得た。得られたか焼コークスの硫黄分、窒素分及びマイクロ強度を表1に示す。
また、か焼コークスに石炭系のバインダーピッチを30質量%加え、押し出し成形器で円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成し、焼成後の熱膨張係数を測定した。さらに、ピースを室温から2800℃まで熱処理し、この過程での膨張の度合いをパッフィングとして測定した。得られた結果を表1に示す。
表1より、特定の第1の重質油と特定の第2の重質油を混合した原料油を用いてコークス化することにより、強度が高く、熱膨張率が低く、かつ、パッフィングが抑制されたバランスのとれたニードルコークスを得ることができた(実施例1〜6)。
Figure 2009001610
本発明により、強度が高く、熱膨張係数が十分に小さく、且つパッフィングが十分に抑制された石油コークス及びその製造方法が提供されるため工業的価値が大きい。

Claims (4)

  1. 硫黄分1質量%以上の重質油を、(1)全圧が10MPa以上16MPa未満、かつ水素分圧が5MPa以上16MPa以下、または(2)全圧が20MPa以上25MPa以下、かつ水素分圧が20MPaを超え25MPa以下の条件で水素化脱硫して得られる硫黄分1.0質量%以下、窒素分0.5質量%以下、芳香族指数0.1以上の第1の重質油と、芳香族指数0.3以上、初留点150℃以上の第2の重質油とを含有する原料油をコークス化することを特徴とする石油コークスの製造方法。
  2. 前記第1の重質油が飽和分50質量%以上、アスファルテン分とレジン分の含量の和が10質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の石油コークスの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の石油コークスの製造方法により得られることを特徴とする石油コークス。
  4. マイクロ強度の値が34%以上、硫黄分が0.5質量%以下、窒素分が0.3質量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の石油コークス。
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