JP2003272622A - リチウム二次電池用負極材の製造方法とリチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池用負極材の製造方法とリチウム二次電池Info
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Abstract
二次電池用負極材の製造方法、この負極材、及びこの負
極材を用いたリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 炭素前駆体を熱処理して、c軸方向の結
晶子サイズLcが成長した予備黒鉛に、剪断力を作用さ
せた後、黒鉛化してリチウム二次電池用負極材を製造す
る。前記炭素前駆体の熱処理温度は、1600〜220
0℃程度であってもよく、前記予備黒鉛は、a軸方向の
結晶子サイズLaが1〜10nm程度、c軸方向の結晶
子サイズLcが5〜30nm程度であってもよい。
Description
又はサイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極材の
製造方法、この製造方法により得られた負極材、及びこ
の負極材を備えたリチウム二次電池に関する。
む中で、電子機器の電源用の電池として、また電子機器
のバックアップ用電池として、高エネルギー密度で充電
でき、高効率で放電できるリチウム二次電池が注目を集
めている。また、リチウムが、環境に与える影響が少な
く、安全性が高いことから、リチウム二次電池は、種々
の用途に用いられており、電気自動車の動力源や分散型
の電力貯蔵用電池としての開発も行われている。
活物質として炭素材を用い、リチウムをイオン状態で炭
素材中に挿入(インターカレーション)及び脱離(デイン
ターカレーション)させることにより充放電を繰り返し
ている。例えば、黒鉛を炭素質材料として用いると、充
電時はLiC6の組成となり、この理論充放電容量は3
72Ah/kgである。現時点では、実用的な充放電容
量として、350Ah/kg以上が必要とされている。
また、充放電効率は最低でも90%は必要である。
は、難黒鉛化炭素質(難黒鉛又は炭素質)と易黒鉛化炭
素質(黒鉛又は黒鉛質)との混合物で構成された負極を
有する二次電池が開示されている。この文献には、黒鉛
の結晶子の層間のみならず、難黒鉛にもリチウムイオン
を吸蔵させることにより、黒鉛単独で構成された負極に
比べて二次電池の充放電容量を高めることができ、かつ
二次電池の充放電サイクル特性を改善できることが記載
されている。
は、炭素化可能な材料を加圧下で前処理(又は熱処理)
し、炭素化処理することによりリチウム2次電池用負極
材を製造する方法が開示されている。この方法により製
造された2次電池では、黒鉛構造やボイド(結晶構造の
隙間)を発達又は向上させることにより、リチウムの吸
蔵量を向上させて、充放電容量を増大できることが記載
されている。
材でも、電池性能(例えば、消費電流の大きさ、耐久性
など)において十分でなく、レート特性の優れた材料
や、サイクル特性が十分とはいえない。
は、レート特性及び/又はサイクル特性に優れたリチウ
ム二次電池用負極材の製造方法、この方法で得られた負
極材、及びこの負極材を備えたリチウム二次電池を提供
することにある。
間にわたり維持できる黒鉛系負極材、及びこの負極材を
備えたリチウム二次電池を簡便に製造できる方法を提供
することにある。
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、炭素化と黒鉛化
との中間的温度で炭素前駆体を焼成すると、a軸方向の
成長が抑制され、かつc軸方向の結晶子サイズ(Lc)
が成長した予備黒鉛が生成すること、この予備黒鉛に剪
断力を作用させた後、黒鉛化することにより、a軸方向
の結晶子サイズ(La)に対するc軸方向の結晶子サイ
ズ(Lc)の比率(Lc/La)を大きくでき、エッジ
面(Lc方向の面)割合が大きい黒鉛が得られるため
か、レート特性やサイクル特性に優れたリチウム二次電
池用負極材が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
理により生成し、かつc軸方向の結晶子サイズLcが成
長した予備黒鉛に、剪断力を作用させた後、黒鉛化して
リチウム二次電池用負極材を製造する。前記炭素前駆体
の焼成温度は、1600〜2200℃程度であってもよ
い。また、前記予備黒鉛において、a軸方向の結晶子サ
イズLaが1〜10nm程度、c軸方向の結晶子サイズ
Lcが5〜30nm程度であってもよい。
次電池用負極材、及び前記負極材を備えているリチウム
二次電池も包含する。
a軸方向の結晶子サイズ(La)が過度に成長しておら
ず、c軸方向の結晶子サイズ(Lc)が成長した黒鉛
(つまり、Lc/Laの値が通常の黒鉛構造に比べて大
きい黒鉛)を意味する。具体的な結晶子サイズ(クリス
タリットサイズ)は、Laの値が10nm以下(例え
ば、1〜10nm、好ましくは1〜8nm、さらに好ま
しくは1〜5nm程度)、Lcの値が5nm以上(例え
ば、5〜30nm、好ましくは7〜30nm、さらに好
ましくは10〜30nm程度)である。
用させたのち、黒鉛化してリチウム二次電池用黒鉛系負
極材を製造する。
りから、まず、Lcが急激に成長し、さらなる温度上昇
に伴ってLaが徐々に成長することにより形成すること
が知られている。従って、前記予備黒鉛は、例えば、炭
素前駆体(黒鉛化可能な材料、易黒鉛化性材料)を、炭
素化温度以上であって、Laが比較的発達しにくい温
度、つまり、炭素化温度と黒鉛化温度との中間的温度
(以下、予備黒鉛化温度ということがある)で熱処理す
ることにより得ることができる。
(炭素化及び黒鉛化可能な材料)であれば特に限定され
ず、例えば、芳香族化合物(例えば、ナフタレン、ピレ
ン、ペリレン、アントラセン、フェナントレン、9,
9’−ビアントリル、ジベンゾクリセン、ベンゾピレ
ン、ベンゾコロネン、アセナフチレン、ピセン、ナフタ
セン、デカサイクレン、コロネン、オバレン、フルオラ
ンテン、ルビセン、ヘキサフェニルエタンなどの縮合多
環式炭化水素;フェナントリジン、アクリジン、フェナ
ジン、アントアントロン、ペリナフテノン、1,4−ナ
フトキノンなどの複素環と芳香族炭化水素環とが縮合し
た縮合環化合物など)、樹脂(ポリアクリロニトリル樹
脂、ポリ塩化ビニルなど)、瀝青質物質[ピッチ、メソ
フェーズピッチ、水素化メソフェーズピッチ、バルクメ
ソフェーズピッチなどのピッチ類(等方性又は異方性ピ
ッチ)、コークス、タールなど]などが例示できる。炭
素前駆体は、単独で又は2種以上組み合わせて用いても
よい。なお、前記瀝青質物質は、石油又は石炭に由来し
てもよく、予め軽質分を除去してもよい。炭素前駆体
は、少なくとも瀝青質物質[ピッチ類(特に異方性ピッ
チ)、コークスなど]を含有しているのが好ましい。
など)は架橋されていてもよい。架橋(又は縮合)反応
は、通常、架橋剤の存在下で行われ、前記架橋剤として
は、キシレンハライド(p−クロロメチルトルエンなど
のキシレンクロライドなど)、キシレンジハライド
(1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼンなどのキシレ
ンジクロライドなど)などの芳香族ハライド;キシレノ
ール(2,4−ジメチルフェノールなど)、キシレング
リコール(ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、ジメチ
ル−p−キシレングリコールなど)などの芳香族アルコ
ール;テレフタル酸ハライド(テレフタル酸クロライド
など)、イソフタル酸ハライド(イソフタル酸ジクロラ
イドなど)、フタル酸ハライド(フタル酸ジクロライド
など)、ナフタレンジカルボン酸ハライド(2,6−ナ
フタレンジカルボン酸クロライドなど)などの芳香族酸
ハライド;ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデ
ヒド(p−ヒドロキシベンズアルデヒド、2,5−ジヒ
ドロキシベンズアルデヒドなど)、アルコキシベンズア
ルデヒド(p−メトキシベンズアルデヒドなど)、ベン
ズアルデヒドジメチルアセタール、テレフタルアルデヒ
ド、イソフタルアルデヒド、サリチルアルデヒドなどの
芳香族アルデヒドなどが例示できる。好ましい架橋剤
は、2官能性架橋剤(例えば、キシレンジハライド、キ
シレンジオール、テレフタル酸ハライドなど)である。
架橋剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用しても
よい。
架橋剤との割合は、例えば、前者/後者(重量比)=9
9.9/0.01〜60/40、好ましくは99/1〜
70/30程度である。
下で行ってもよい。触媒には、通常、酸触媒を用いるこ
とができる。酸触媒としては、例えば、ルイス酸、ブレ
ンステッド酸などの慣用的な酸が使用でき、ルイス酸と
しては、ZnCl2、BF3、AlCl3、SnCl4、T
iCl4などが例示でき、ブレンステッド酸としては、
p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、キシレンスルホン酸などの有機酸、塩酸、硫酸、硝
酸などの鉱酸などが例示できる。好ましい酸触媒は、ブ
レンステッド酸(例えば、p−トルエンスルホン酸な
ど)である。これらの触媒は、単独で又は2種以上組み
合わせて使用してもよい。触媒の使用量は、特に限定さ
れず、前記架橋剤1モルに対して、0.001〜1モル
当量程度、好ましくは0.05〜0.5モル当量程度で
ある。また、前記架橋反応は、活性雰囲気(空気、酸素
など)又は不活性雰囲気(窒素、ヘリウム、アルゴンな
ど)下で行ってもよく、加熱下でおこなってもよい。加
熱温度は、例えば、50〜400℃、好ましくは80〜
350℃程度である。
融化処理(又は酸化処理)していてもよい。不融化処理
としては、公知の方法が利用できる。例えば、必要によ
り粉砕処理(例えば、ボールミル、ハンマーミルなどに
よる粉砕処理)された前記炭素前駆体を、酸化性ガス
(例えば、空気、酸素、オゾンなど)の存在下、加熱す
ることにより行うことができる。不融化処理温度は、例
えば、120〜400℃、好ましくは150〜330
℃、さらに好ましくは170〜320℃程度である。
て、粉砕機(ボールミル、ハンマーミルなど)により粉
砕してもよい。前記炭素前駆体の平均粒径は、特に制限
されず、例えば、1〜200μm、好ましくは1〜15
0μm、さらに好ましくは1〜100μm程度であって
もよい。
化温度は、炭素化温度と黒鉛化温度との中間温度域であ
ればよく、例えば、1500〜2300℃、好ましくは
1600〜2200℃、さらに好ましくは1800〜2
100℃程度である。このような温度範囲で炭素前駆体
を熱処理すると、Lc/Laの値が比較的大きい予備黒
鉛を得ることができる。なお、前記炭素前駆体の熱処理
は、炭素化温度以上の温度で行われるため、黒鉛化炉単
独で行ってもよく、炭素化炉と黒鉛化炉とを組み合わせ
て段階的に行ってもよい。前記黒鉛化炉としては、所定
の温度に到達し得る炉であれば加熱方式や種類は特に限
定されず、例えば、アチソン炉、直接通電黒鉛化炉、真
空炉などが例示できる。なお、炭素前駆体の熱処理は、
必要に応じて、還元剤(例えば、コークス、黒鉛、炭な
ど)の存在下で行ってもよく、通常、非酸化性雰囲気
(特に、ヘリウム、アルゴン、ネオンなどの不活性雰囲
気)中、又は真空中で行うことができる。
面間隔d(002)の値が、例えば、0.335〜0.
36nm、好ましくは0.335〜0.35nm(例え
ば、0.337〜0.345nm)程度、a軸方向の結
晶子サイズLaが、1〜10nm、好ましくは1〜8n
m、さらに好ましくは1〜5nm程度、c軸方向の結晶
子サイズLcが、5〜30nm、好ましくは7〜30n
m、さらに好ましくは10〜30nm程度であり、La
の成長が抑制され、Lcが成長した構造を有している場
合が多い。
させる。剪断力を作用させることにより、前記予備黒鉛
を構成する結晶子の配向を乱すことができる。このよう
な予備黒鉛を、さらに黒鉛化した焼成物(黒鉛)を負極
材として用いることにより、サイクル特性及び/又はレ
ート特性の高いリチウム電池を製造できる。
定されず、例えば、前記予備黒鉛を粉砕する方法、超音
波を照射する方法などが例示できる。なお、粉砕する方
法において、予備黒鉛の粉砕とは、粉砕機などを用いて
剪断力や衝撃力を加える処理のことであり、単に混合す
る処理は本発明における粉砕に相当しない。粉砕機とし
ては、ハンマーミル、ファインミル、アトリションミ
ル、ボールミルなどが例示でき、衝撃力を加えることが
可能な粉砕機(ボールミルなど)が汎用される。また、
前記粉砕は、原理の異なる複数の粉砕機を併用して行っ
てもよい。予備黒鉛の粉砕物の平均粒径は、特に限定さ
れず、例えば、1〜40μm、好ましくは1〜30μ
m、さらに好ましくは3〜25μm程度であってもよ
い。
(黒鉛化)は、前記炭素前駆体の焼成の項で記載の黒鉛
化炉(例えば、アチソン炉など)などを用いて行うこと
ができる。また、予備黒鉛の焼成温度T2は、前記予備
黒鉛化温度T1よりも高い温度、例えば、Δ(T2−
T1)=500〜1800℃、好ましくは600〜17
00℃、さらに好ましくは700〜1600℃程度で行
うことができる。例えば、黒鉛化温度(又は最終到達温
度)は、2500〜3300℃、好ましくは2600〜
3200℃、さらに好ましくは2800〜3000℃程
度であってもよい。なお、予備黒鉛の焼成は、必要に応
じて、還元剤(例えば、コークス、黒鉛、炭など)の存
在下で行ってもよく、通常、非酸化性雰囲気(特に、ヘ
リウム、アルゴン、ネオンなどの不活性雰囲気)中又は
真空中で行うことができる。
称することがある)において、面間隔d(002)の値
は、放電容量又は初期充放電効率を低下させない範囲で
選択でき、例えば、0.34nm以下(例えば、0.3
354〜0.34nm、好ましくは0.3354〜0.
337nm程度)である。真密度ρの値は、放電容量の
低下を生じさせない程度の範囲で選択でき、2.24g
/cm3以上(例えば、2.24〜2.26g/cm3、
好ましくは2.25〜2.26g/cm3程度)であ
る。浸液比重D(浸液としてn−ブタノール)の値は、
単位体積当たりのリチウム吸蔵量の低下に伴う放電容量
の低下を生じさせない範囲で選択でき、例えば、2.1
5以上(例えば、2.15〜2.26、好ましくは2.
20〜2.26程度)である。アスペクト比(粒子の短
径に対する長径の比)は、例えば、1〜6、好ましくは
1〜4、さらに好ましくは1〜3程度である。アスペク
ト比が大きすぎると、負極の成形において黒鉛粒子が配
向し、充放電に伴って電極の膨張・収縮が一方向に集中
し、サイクル特性が低下する可能性がある。
きる。このため、前記黒鉛は、粉砕機(前記粉砕機な
ど)により粉砕してもよい。粉粒状炭素材(炭素質負極
材)の平均粒径は、通常、1〜40μm、好ましくは1
〜30μm、さらに好ましくは1〜15μm程度であっ
てもよい。
(黒鉛)は、リチウム二次電池用負極材として利用で
き、この負極材を用いてレート特性及び/又はサイクル
特性に優れたリチウム二次電池を製造できる。レート特
性やサイクル特性が高くなる理由は定かではないが、次
のように考えられる。通常、易黒鉛化性材料を黒鉛化す
ると、La及びLcが発達した黒鉛[例えば、面間隔d
(002)の値が、0.34nm以下(例えば、0.3
354〜0.34nm程度)、Laが、10nm以上
(例えば、50〜300nm程度)、Lcが、10nm
以上(例えば、30〜200nm程度)]が得られる。
Laの値が比較的大きい結晶子で構成されており、剪断
力を作用させることにより、結晶子同士の配向を乱すこ
とができる。このような配向が乱れた予備黒鉛を、さら
に高温で熱処理することにより、Laの成長を抑制しな
がら黒鉛化できるため、Lc/Laの値が大きく、かつ
エッジ面(Lc方向の面)の比率が高い黒鉛を得ること
ができる。こうして得られた黒鉛は、前記したような通
常の黒鉛に比べて、エッジ面の比率が高く、リチウムイ
オンの黒鉛層間への挿入・放出を容易にするためか、前
記黒鉛で構成された負極材を用いると、リチウム二次電
池のレート特性を向上できる。また、負極材として用い
る場合、黒鉛を粉砕などにより微粒子化することが多い
が、通常の方法で得られた黒鉛(Laが過度に成長した
黒鉛)を粉砕すると、a軸方向に沿って黒鉛粒子が割
れ、アスペクト比の大きい黒鉛粒子(つまり、扁平な黒
鉛粒子)が得られる。本発明で得られる黒鉛では、Lc
/Laの値が小さく、粉砕してもアスペクト比が小さい
黒鉛粒子が得られるため、負極として用いた場合、黒鉛
粒子同士の配向性が等方的に近く、充放電サイクルに伴
う黒鉛結晶構造の膨張・収縮を緩和(又は抑制)できる
ためか、サイクル特性が向上する。
黒鉛の焼成物)は、常法により、リチウム二次電池用負
極の構成材料として使用できる。例えば、負極材、バイ
ンダーなどを含む混合物を成形する方法;負極材、有機
溶媒、バインダーなどを含むペーストを負極集電体に塗
布手段(ドクターブレードなど)を用いて塗布する方法
などにより、任意の形状のリチウム二次電池用負極とす
ることができる。負極の形成においては、必要に応じて
端子と組み合わせてもよい。
電体、例えば、銅などの導電体を使用することができ
る。有機溶媒としては、通常、バインダーを溶解又は分
散可能な溶媒が使用され、例えば、N−メチルピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒を例
示することができる。有機溶媒の使用量は、ペースト状
となる限り特に制限されず、例えば、負極材100重量
部に対して、通常、80〜150重量部程度、好ましく
は60〜100重量部程度である。
樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチ
レンなど)などが例示できる。バインダーの使用量(分
散液の場合には、固形分換算の使用量)は、特に限定さ
れず、その下限値は、負極材(焼成物)100重量部に
対して、通常、3重量部以上程度、好ましくは5重量部
以上程度である。バインダーの使用量の上限は、負極材
100重量部に対して、通常、20重量部以下(例え
ば、15重量部以下)、好ましくは10重量部以下程度
である。より具体的には、バインダーの使用量は、固形
分換算で、例えば、負極材(焼成物)100重量部に対
して、3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部(例
えば、5〜10重量部)程度である。ペーストの調製方
法は、特に制限されず、例えば、バインダーと有機溶媒
との混合液(又は分散液)と負極材とを混合する方法な
どを例示することができる。
電材(又は炭素質材料、導電性炭素材)とを併用して、
負極を製造してもよい。導電材(又は炭素質材料)の使
用割合は特に制限されないが、本発明の方法により得ら
れた負極材と炭素質材料の総量に対して、通常、1〜1
0重量%程度、好ましくは1〜5重量%程度である。導
電材(炭素質材料)を併用することにより、電極として
の導電性を向上させることができる。このような導電材
(炭素質材料)として、例えば、カーボンブラック(例
えばアセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネ
スブラック)などが例示できる。導電材(導電性炭素
材)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
なお、導電材(炭素質材料)は、例えば、負極材と溶媒
とを含むペーストに混合し、このペーストを負極集電体
に塗布する方法などにより、負極材とともに有効に利用
できる。
に制限されず、通常、5〜15mg/cm2程度、好ま
しくは7〜13mg/cm2程度である。また、負極集
電体に塗布した膜の厚さ(前記ペーストの膜厚)は、例
えば、50〜300μm、好ましくは80〜200μ
m、さらに好ましくは100〜150μm程度である。
なお、塗布後、負極集電体には、乾燥処理(例えば、真
空乾燥など)を施してもよい。
電池用負極を用いることにより、サイクル特性及び/又
はレート特性が改善又は向上されたリチウム二次電池を
製造できる。なお、リチウム二次電池は、負極と、リチ
ウムを吸蔵・放出可能な正極と、非水電解質とで構成で
き、上記負極、正極、電解液、セパレータなどを用い
て、常法によりリチウム二次電池を製造することができ
る。
用でき、正極は、例えば、正極集電体、正極活物質、導
電剤などで構成できる。正極集電体として、例えば、ア
ルミニウムなどを例示することができる。正極活物質と
して、TiS2,MoS3,NbSe3,FeS,VS2,
VSe2等の層状構造を有する金属カルコゲン化物;C
oO2,Cr3O5,TiO2,CuO,V3O6,Mo
3O,V2O5(・P2O5),Mn2O(・Li2O)、L
iCoO2、LiNiO2、LiMn2O4などの金属酸化
物;ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリパラフェニレ
ン、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性を有する
共役系高分子物質などが例示できる。好ましい正極活物
質は、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4などの
リチウム複合酸化物である。正極活物質は、単独で又は
二種以上組み合わせて使用してもよい。導電剤として、
例えば、導電性カーボンブラック(アセチレンブラック
など)などが例示できる。
用いることができる。例えば、電解液として、有機溶媒
に電解質を溶解させた溶液を用いることにより、非水系
リチウム二次電池を製造することができる。電解質とし
ては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、
LiClF4、LiAsF6、LiSbF6、LiAl
O4、LiAlCl4、LiCl、LiIなどの溶媒和し
にくいアニオンを生成するリチウム塩を例示することが
できる。有機溶媒としては、例えば、カーボネート類
(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジ
エチルカーボネートなど)、ラクトン類(γ一ブチロラ
クトンなど)、鎖状エーテル類(1,2−ジメトキシエ
タン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなど)、環
状エーテル類(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラ
ヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン
など)、スルホラン類(スルホランなど)、スルホキシ
ド類(ジメチルスルホキシドなど)、ニトリル類(アセ
トニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルな
ど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミドなど)、ポリオキシアルキレ
ングリコール類(ジエチレングリコールなど)などの非
プロトン性溶媒を例示することができる。有機溶媒は、
単独で用いてもよく二種以上の混合溶媒として用いても
よい。
て、電解質0.3〜5モル、好ましくは0.5〜3モ
ル、さらに好ましくは0.8〜1.5モル程度である。
レータ、例えば、多孔質ポリプロピレン製不織布、多孔
質ポリエチレン製不織布などのポリオレフィン系の多孔
質膜などが例示できる。
む負極、正極および電解液の他に、例えば、通常当該分
野において使用されるガスケット、封口板、ケースなど
をさらに備えていてもよい。
型、ボタン型など任意の形態とすることができる。本発
明のリチウム二次電池は、分散型、可搬性電池として、
電子機器、電気機器、自動車、電力貯蔵などの電源や補
助電源として利用できる。
子サイズ(Lc)が成長した黒鉛)に剪断力を作用させ
た後、黒鉛化することにより、Lc/Laの値が大き
く、エッジ面の割合が大きい黒鉛を形成できるためか、
レート特性及び/又はサイクル特性を向上できるリチウ
ム二次電池用負極材を提供できる。
を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
0メッシュ以下に粉砕した後、酸化性雰囲気下300℃
で2時間処理し、不融化した。その後、黒鉛化炉におい
て、アルゴン中で昇温速度3℃/minで2000℃まで
昇温し、その温度で10分間保持し、室温まで自然冷却
させた後に取り出し、ボールミルで粉砕し、平均粒径が
15〜20μm程度の予備黒鉛を得た。次に、黒鉛化炉
において、アルゴン中で昇温速度3℃/minで2800
℃まで昇温し、その温度で10分間保持することによ
り、黒鉛系負極材を得た。
フルオライド溶液(N−メチルピロリドン溶液)を、ポ
リビニリデンフルオライド換算で8重量%となる量だけ
加え、充分に攪拌しペースト状にした後、銅箔上に10
mg/cm2の目付量で塗布することにより負極を作成し
た。
と、電解液としてLiClO4を1Mの割合で混合した
エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合液
(体積比1:1)とを使用してリチウム二次電池を作製
し、所定の定電流で、電圧範囲0〜2.0Vで二極式密
閉セルを用いて充放電試験を行った。
ルは0.2Cで充放電し、4サイクル目では、0.2C
で充電させてから2Cで放電させ、1サイクル目の放電
容量に対する4サイクル目の放電容量の比率をレート特
性の指標とした。また、1〜10サイクルまで0.2C
で充放電を行い、1サイクル目に対する10サイクル目
の放電容量の比率をサイクル特性の指標とした。
て1600℃で熱処理する以外は実施例1と同様にして
リチウム二次電池を作製して、充放電試験を行った。
て1800℃で熱処理する以外は実施例1と同様にして
リチウム二次電池を作製して、充放電試験を行った。
て2100℃で熱処理する以外は実施例1と同様にして
リチウム二次電池を作製し、充放電試験を行った。
て2200℃で熱処理する以外は実施例1と同様にして
リチウム二次電池を作製し、充放電試験を行った。
0メッシュ以下に粉砕した後、酸化性雰囲気下300℃
で2時間処理し、不融化し、黒鉛化炉において、アルゴ
ン中で昇温速度3℃/minで2800℃まで昇温し、そ
の温度で10分間保持することにより、黒鉛系負極材を
得た。得られた負極材を用いて、実施例1と同様にして
リチウム二次電池を作製し、充放電試験を行った。
ム二次電池の充放電試験の結果を、表1及び表2に示
す。
例の負極材を用いると、レート特性が著しく向上する。
例の負極材を用いると、サイクル特性が著しく向上す
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 炭素前駆体を熱処理して、結晶子サイズ
Lcを成長させ、生成した予備黒鉛に剪断力を作用させ
た後、黒鉛化してリチウム二次電池用負極材を製造する
方法。 - 【請求項2】 炭素前駆体の熱処理温度が、1600〜
2200℃である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 予備黒鉛において、a軸方向の結晶子サ
イズLaが1〜10nm、c軸方向の結晶子サイズLc
が5〜30nmである請求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】 予備黒鉛を粉砕することにより、剪断力
を作用させる請求項1記載の製造方法。 - 【請求項5】 異方性ピッチ及びコークスから選択され
た少なくとも1種を含有する炭素前駆体を1800〜2
100℃で熱処理した焼成物を粉砕し、黒鉛化する請求
項1記載の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1記載の方法で得られたリチウム
二次電池用負極材。 - 【請求項7】 請求項1記載の方法で得られた負極材を
備えているリチウム二次電池。
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- 2002-03-15 JP JP2002072196A patent/JP2003272622A/ja active Pending
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