JP4133818B2 - より均一かつ高品質のコークスを生成するための方法 - Google Patents

より均一かつ高品質のコークスを生成するための方法 Download PDF

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Description

本発明はディレードコーキングプロセスに関する。特に、本発明はより均一かつ高品質コークスを生成するためのディレードコーキングプロセスに関する。
発明の背景
コーキングプロセスは長い年月の間実施されてきており、多くの精油所の重要な収益源となっている。コーキングプロセスにおいては、重質炭化水素原料を熱分解またはクラッキングしてコークスおよびより軽質な炭化水素生成物にする。石油精製工業においてこれまで使用された様々なタイプのコーキングプロセスのうち、ディレードコーキングはその低い投資コストおよびより高い品質でありながら同等の収量の生成物を生産するその能力のために、たいていの精油所によって好まれる技術として出現した。
典型的なディレードコーキングプロセスは、重質炭化水素原料をコーカー炉といった熱源を使用して分解温度まで加熱する半連続プロセスである。次に、加熱した原料をコーキングドラムに連続して供給すると、その封入された熱中で反応して、前記原料をコークスおよび分解蒸気に転換する。分解蒸気を塔頂からコーカー精留塔に通し、凝縮してより低沸点の炭化水素生成物として回収する。必要であれば精留塔底液を原料へ再循環させてもよい。コークスドラムの内容物が所定のレベルに達すると、原料供給を別のドラムに切り替え、充満したドラムを冷却および脱コークスする。1つのドラムについての全プロセス(充填サイクル開始から充填サイクル開始まで)は、18時間〜120時間を要するであろう。
システム設計、操作パラメーターおよび原料に依存して、ディレードコーキングにより異なる物理的性質をもつある範囲のコークスグレードを生成することができる。コークスの性質はその用途および経済的価値を決定する。高品質グレードのコークスである、針状コークスは、鉄鋼業で利用される電気アーク炉で使用される黒鉛電極の主要成分である。針状コークスは低アスファルテン、高芳香族、低金属および低硫黄の原料から生成され、低い熱膨張率(CTE)および高密度をもつとみなされる。コークスのCTEおよび密度における小さい変化でも、電極の性質に実質的な影響を与えることがある。中間品質グレードのコークスであるアノードコークスは、アルミニウム製造業において使用されるアノードの製造に主に使用される。アノードコークス(針状コークスと燃料コークスの中間にある技術仕様および経済的価値をもつ)は、低硫黄および比較的低金属の原料から生成される。CTEはアノードコークスの特性評価における要因ではないけれども、より高いコークス密度はそのようなコークスに望ましい。「プレミアム」という用語は、時折、針状コークスを指すものとして使用されるが、針状コークスとアノードコークスは燃料コークスより高い経済的価値を示すので、状況に応じて、燃料コークスよりも優れた1以上の品質をもつあらゆるコークスを指すものとしても使用される。燃料コークスは主に発電所およびセメントキルン用の燃料として使用される。燃料コークス(最も低い経済的価値を示す)は、高硫黄、高金属の原料から生成される。
ディレードコーキングプロセスにおいて、原料は全充填サイクルの間にコーキングドラムに導入される。充填サイクルが30時間続けば、最初にコーキングドラムに導入された原料は、30時間の間コーキング状態にさらされる。原料の次の追加分は、しかしながら、より短期間でコークス化され、コーキングドラムに導入された原料の最終部分は比較的短時間のみコーキング状態にさらされる。これを考慮すると、問題はいかにドラム全体を通して均一な性質をもつコークス製品を得るかということである。ドラムの塔頂付近で生成されたコークスは、反応時間が短く、一般的にはドラムの他の部位で生成されたコークスと異なる物理的性質を示す。コーキングプロセスの最後にコーキングドラム中で未転換の原料は、高揮発分含有コークスの形成をもたらすことがある。しかし、様々な量の揮発分含有コークスがコークスドラム全体を通して見出されることがあり、これはコークス強度、気孔率および粒子サイズがドラム全体を通して均一でないことを示唆している。ドラム全体を通して性質が均一でないコークスは、鉄鋼業用の電極およびアルミニウム工業用のアノードのいずれの生成においても問題を生ずる。そのような不均一は低い電極性能及び/又は電極の早期のクラッキングをもたらすことがある。
コークスの生成においては競合する利害関係がある。高いコーキング温度は反応速度を増加させおよび反応時間を短くするが、コークス収量を減少させる。さらに、ある値で、上昇した温度はより高いCTE値を示すコークスをもたらす。低いコーキング温度は、対照的に、通常はより遅い反応速度およびより長い反応時間をもたらすが、コークス収量を増加させ、およびより低いCTE値を示すコークスを生成する。圧力、充填速度、および再循環率もまた、コークス収量および品質に影響を与える。それゆえ、工業品質仕様に適合する最大量のコークスを提供する低品質/多量のコークス製造および高品質/少量のコークス製造の間にある適切なポイントを見出すことが必要となる。針状コークスの製造において、例えばより低いコーキング温度でコーキング反応を行い、ドラムが充填されて原料導入が終了した後、コーキング温度よりも高温で蒸気状態となる非コークス形状物質と接触させることによって生じたコークスを熱処理することが知られている。このタイプの操作は、非コークス形成蒸気への切り替えの間における低密度の「けば(fluff)」物質の形成のために望ましくない。けばの形成の問題は、より低いコーキング温度でコーキング反応を行い、ドラムが充填されおよび原料導入が終了した後、コーキング温度と等温もしくはより高温でコークス形成能をもつ芳香族鉱油および非コーキング物質の混合物と接触させることによって生じたコークスを熱処理し、および任意選択的にその後さらにコーキング温度より高温で非コーキング物質と接触させることによってコークスを熱処理することによって対処している。このタイプの操作は、けばの形成を減少させるけれども、混合物の使用に伴う追加のプロセスの複雑さ、および加熱処理段階に伴う追加のプロセス時間という欠点がある。
改善した物理的性質をもつコークス及び/又はコークスドラム全体を通してより均一な物理的性質をもつコークスを生成することができるディレードコーキングプロセスを提供することが有利である。また、例えば、なくすことはないにしても、必要な熱処理段階を減らすことによって既存のコークス設備のコークス生成能力を高めることができる単純かつ費用効率のよいプロセスを提供することが望ましい。
発明の概要
本発明は、改善した性質をもつプレミアムコークスを作るためのディレードコーキングプロセスを提供する。本発明のプロセスはまた、操作上の利益を提供し、およびコークスドラム全体を通したコークスの品質および均一性を有利に改善する。本発明のディレードコーキングプロセスは、コーキングドラムの上部領域近くにしばしば見出される高揮発分含有コークスの量を減らすことができ、およびドラム全体を通してコークスのより均一な品質を提供することもできる。好都合なことに、本発明のプロセスはコーキングプロセスの反応速度を改善するような温度プロファイルを実現する。これは原料のバッチ間の変動が原因となるコークスの品質及び/又は収量の変動を少なくするのに役立つ。本発明のプロセスは針状コークスへの応用について説明するが、揮発分の減少、密度の増加、及び/又はコークスドラム全体を通した性質のより高い均一性が望まれるアノードコークスといった他のグレードのコークスでも使用することができる。
本発明の1つの態様においては、加熱した原料を充填サイクルの間に第1の原料ドラム入口温度でコーキングドラムに供給する、プレミアムコークスを作るためのディレードコーキングプロセスを提供する。充填サイクルの間、原料ドラム入口温度を少なくとも約2°F上げる。
本発明の他の態様においては、加熱した原料を充填サイクルのおよそ前半期の間に第1の平均ドラム入口温度でコーキングドラムに供給し、原料を充填サイクルのおよそ後半期の間に別の平均ドラム入口平均温度で供給する、ディレードコーキングプロセスを提供する。充填サイクルのおよそ後半期の間、平均ドラム入口温度を第1の平均温度よりも少なくとも約2°F上げる。
本発明のさらなる態様においては、加熱した原料を、従来、原料用に使用されたドラム入口温度よりも低い第1のドラム入口温度で供給する、ディレードコーキングプロセスを提供する。原料がコーキングドラムに供給される際のドラム入口温度を、その後、充填サイクルの少なくとも一部の間、従来、原料用に使用されたドラム入口温度よりも高い別の温度まで上げる。
本発明のさらなる態様においては、加熱した供給原料を原料用の従来のドラム入口温度よりも低い第1のドラム入口温度でコーキングドラムに供給する、ディレードコーキングプロセスを提供する。原料がコーキングドラムに供給される際のドラム入口温度を、その後、充填サイクルの少なくとも一部の間、原料用の従来の第1ドラム入口温度よりも高く、第1ドラムの入口温度よりも約2°F〜80°F高い別のドラムの入口温度まで上げる。
本発明のさらなる態様においては、他のプロセス段階と簡単かつ有利に組み合せて、コーキング操作及び/又はコークス品質におけるさらなる改善を達成することができるディレードコーキングプロセスを提供する。
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明はディレードコーキングプロセスにとって有用である。単純化の理由から、本明細書では「ディレード」という用語を一般には省略したが、本発明はそのようなディレードコーキングプロセスにおける用途を包含することを意図している。同じく単純化の理由から本明細書では「プレミアムコークス」という用語を一般にはより広い意味、すなわち、「燃料コークスより優れた1以上の品質を有するあらゆるコークス」として使用した。
次の用語は以下の意味をもつものとする。
「従来の温度」とは、充填サイクル全体を通して同一の原料ドラム入口温度を使用した場合において、操作条件(例えば、充填サイクル長、操作圧、または再循環率)に依存して所定の原料から特定品質のコークスを生成するために使用されるであろう原料ドラム入口温度をいう。
「ドラム入口」とは、原料がコークスドラムに入る位置をいう。
「原料温度」とは、ドラム入口で華氏または摂氏のいずれかで測定されるコークスドラムに供給される原料の温度をいう。
「充填サイクル」とは、原料がコーキングドラムに供給される間の時間をいい、一般にはコークスドラムを所定の体積まで充填させるための時間を示す。
「充填速度」とは、コーキングドラムに供給される単位時間あたりの原料の体積をいう。
「熱処理」または「熱浸透」とは、コーキングまたは非コーキング物質が、液体または気体のいずれかの形状で、充填サイクルの完了に引き続いてコークスドラムに供給される間のプロセスをいう。
「通常」とは、従来のプロセス条件を含むことを意味する。
「塔頂出口」または「塔頂ドラム出口」とは、分解蒸気がコークスドラムを出ていく位置をいう。
「圧力」または「操作圧力」とは、コーキングドラムの塔頂出口で測定される充填サイクルの間のコークスドラムの内部圧をいう。
「プロファイリング」または「プロファイル」とは、プロセスパラメータの値がコーキングプロセス中のある時間と対応するようにプロセスパラメータを調整することを示す。
針状コークスを生成するために適する原料は、低アスファルテン、高芳香族、低金属および低硫黄の原料であり、一方、アノードコークスの生成に適するものは、低硫黄および比較的低金属の原料である。
適切な原料は、これに限定されるものではないが、デカント油、エチレンまたは熱分解タール、減圧残油、減圧ガス油、熱タール、重質コーカーガス油、バージン大気ガス油、抽出タール砂礫ビチューメン、または抽出コールタールピッチを含む。スラリー油または浄化油とも呼ばれるデカント油は、ガス油及び/又は残油の触媒分解による精留溶出液から得られる。エチレンまたは熱分解タールは、エチレンといったオレフィンを生成するための鉱油の高温熱分解から得られた重質芳香族鉱油である。減圧残油は、減圧下での残油をフラッシングまたは蒸留することにより得られるかなり重質な残油である。減圧ガス油は、減圧下でのフラッシングまたは蒸留により得られるより軽質な物質である。熱タールは、ガス油、デカント油または同様の物質を熱的に分解することによって生成される物質の分留により得られる重質油である。重質コーカーガス油は、油のコークスへのコーキング中に生成される液体生成物から得られた重質油である。バージン大気ガス油は、大気圧以上で原油の分留により生成される。好ましい原料は、熱タール、デカント油、熱分解タールおよび種々のタイプの石油ピッチといった低熱膨張率(CTE)、高密度かつ結晶粒子構造をもつコークスの高い収量を提供するものである。あらゆる前述の原料は単独でまたは組み合せて使用してもよい。さらに、あらゆる原料は、プレミアムグレードコークスの生成にそれらを使用する前に、水素化処理、熱処理、熱分解、またはこれらの段階の組み合せで処理してもよい。
従来のディレードコーキングプロセスにおいて、原料をコーキングドラムに供給するドラム入口温度は、全充填サイクル全体を通して実質的に一定に維持される。そのような温度は、ここでは「従来の温度」または「従来のドラム入口温度」といい、そのようなプロセスは、ここでは「従来のディレードコーキングプロセス」という。従来のドラム入口温度は、使用される特定の原料および仕様に合わせるためにコークス製品に必要とされる特定の物理的性質に依存して、広い範囲で設定することができる。特定の原料のための従来のドラム入口温度はまた、ドラム圧、循環率、充填速度、および他のパラメーターの関数である。
従来のディレードコーキングプロセスと対照的に、本発明の方法は、原料ドラム入口温度を上げてより均一かつ高品質のコークス製品を生成することを含む。本発明の1つの実施例においては、原料を充填サイクルの初期の間に第1のドラム入口温度でコーキングドラムに供給し、原料ドラム入口温度を充填サイクルの少なくとも別の期間の間に上げる。
本発明の別の実施例においては、原料を加熱し、および最初は充填サイクルの間に第1のドラム入口温度でコーキングドラムに供給し、その後のある時に、より高温で供給する。ドラム入口温度を充填サイクルのある一部の間に上げることができる。また、全充填サイクル全体を通して、例えば、充填サイクルの最初の75%の間のある時に上げてもよく、充填サイクルの最初の50%の間のある時に上げてもよい。
さらに本発明の別の実施例においては、従来のドラム入口温度よりも低い第1のドラム入口温度で、原料を充填サイクルの始めにコーキングドラムに供給し、次に、ドラム入口温度を従来のドラム入口温度よりも少なくとも約2°F高い第2のドラム入口温度まで上げる。典型的には、本発明の第1のドラム入口温度は約800°F〜1000°F、より好ましくは約820°F〜約975°Fの範囲である。原料ドラム入口温度を第1のドラム入口温度よりも少なくとも約2°F高く上げることで、コークス製品を有利に改善することが解っている。好ましくは、本発明のプロセスに適した温度上昇は、少なくとも約5°Fである。また、好ましくは、前記プロセスに適した温度上昇は約80°F未満である。
本発明の実施に有用な上昇温度プロファイルは、様々な方法で行うことができ、図1(充填サイクルのパーセンテージに対してプロットしたドラム入口温度を示す)からよりよく理解できる。図1に示した上昇温度プロファイルのいずれか1つを実行することは、コーキングドラム全高を通したコークスの品質および均一性を有利に改善することがわかっている。具体的に、コーキングドラムの上部領域における揮発分の量を減少させることができる。
ここで図1を参照すると、ライン100は従来のドラム入口温度を示し、温度は充填サイクルの最初から最後まで実質的に一定のままである。プロファイル120,130,140および150は、本発明に有用な温度プロファイルの例を示し、コークスドラム入口での原料温度は、充填サイクルの少なくとも一部の間に上がる。プロファイル120では、温度は充填サイクルの前半期は一定であり、その後、充填サイクルの後半期に実質的に直線状の割合で上がる。最初のドラム入口温度は、ポイントAとして示したが、従来のものよりも高温である必要性はない。
温度プロファイル130では、温度は、同じく最初は一定のままであるが、充填サイクルの最初の約3分の1に相当する第1間隔のみである。原料温度は、その後、実質的に直線状の割合で充填サイクルの第2間隔{ポイントEおよびポイントF(Fは充填サイクルのおよそ半分の地点である)の間の時間として示される}の間にポイントDから上がる。Aと同じように、開始温度ポイントDは、従来の温度よりも低い必要性はなく、むしろ、従来の温度と等温もしくは高温とすることもできる。ポイントE〜Fまでの第2間隔の長さは変えることができる。しかしながら、第2間隔期間の温度上昇率は、ポイントFでの上昇温度が充填サイクルのおおよそ中間に達するように調整するのが好ましい。続けてプロファイル130を見ると、原料温度は、その後、その上昇値でポイントF〜ポイントC(充填サイクルの後半期を示す)まで一定のままとなる。代わりに、温度プロファイル130の異なる部分135を実行することもでき、それによって2つの異なる温度上昇率が用いられる。プロファイルセグメント135について見ると、原料温度はポイントEとポイントF’との間の第2間隔の間で実質的に直線状の割合で上がる。その後、ポイントF’からポイントCまで(充填サイクルのおよそ後半を示している)、温度は、続けて実質的に直線状に上がるが、先の割合よりも低い割合で上がる。代わりに、セグメント135は弓状のプロファイルをとることができ、曲線状のプロファイルがポイントEとポイントCの間に描かれる。
本発明に適した温度プロファイルの別の例を図1にプロファイル140として示した。このプロファイルでは、原料ドラム入口温度は充填サイクルの始めから終わりまで実質的に直線状の割合で徐々に上がる。特に、プロファイル140の開始温度ポイントHは従来のドラム入口温度よりも低い。ポイントHはライン130によって示した最初の温度よりも低くすることもできる。プロファイル140の温度割合がかなりゆっくりとしているため、充填サイクルの終わりでの最終温度は、例えばプロファイル120および130における温度よりも低いが、従来のドラム入口温度よりは高くすることができる。
さらに、本発明の実施に適した別の温度プロファイルをプロファイル150として示した。図1を見ると、プロファイル150は、ドラム入口温度プロファイルにおいて、150A〜150Dとして記した多数のセグメントをもつ段階的であるがゆっくりとした上昇を示す。プロファイル140と同じように、原料の開始温度Jは、従来のドラム入口温度よりも低くすることができる。しかしながら、ポイントIでの最終温度は従来のドラム入口温度よりも高くすることができる。セグメント150A〜150Dにおいて、温度上昇率はセグメント間で変化させることができ、直線的または非直線的にすることができ、上昇しないセグメント(すなわち温度が一定)を含んでもよい。
図1に示していない別の温度プロファイルにおいて、プレミアムコークスを作るためのディレードコーキングプロセスは、充填サイクルの前半期に最初の平均ドラム入口温度で加熱原料を供給し、その後、充填サイクルの後半期に最初の平均ドラム入口温度よりも少なくとも2°F高い別の平均ドラム入口温度で原料を供給することを含むことができる。
本発明の実施に適した温度上昇は、様々なコーキングユニットの配列で達成することができる。例えば、原料入口温度を変化させるように少なくとも1つの炉を使用するもの;1つの供給ラインを加熱するような少なくとも1つの炉と、少なくとも1つの別個の非加熱の供給ラインを使用するもの;例えば精留塔からのコーカー再循環流を使用して、コーキングドラムに供給される新しい原料に対するコーカー再循環物質の割合を変化させるもの;または、2つの供給ラインの各別に1つずつ少なくとも2つの別個の炉を使用するものがある。
図2は、炉20および2つのコーキングドラム40および45を含む基本的なコーキングプロセスの概略図を示す。原料ライン10は熱源(図示しないがコイル60として示す)を使用する炉20で加熱され、所定の目的温度で原料を提供する。炉20を出る温められた原料は、その後、切り替えバルブ17によって方向づけられ、ドラム40または45のいずれかの塔底に入る。本発明に説明したような所望の温度プロファイルを提供するために、炉20によって供給される熱は、原料温度を上げるもしくは維持するように調整および変更する。バルブ30および35は圧力を制御するのに使用され、蒸気をドラム40および45のそれぞれの塔頂から放出させることができる。ガスはライン50また55を通してドラム塔頂から出て行き、さらに回収プロセスへと進む。典型的には、ドラム40および45に関して、1つのドラムは「サイクル中」(すなわち、充填中)であり、他のドラムは「オフサイクル」(例えば、コークスを急冷し、脱コーキングし、次の充填サイクルのためにドラムを準備する)である。
本発明のプロセスを実行するのに有用な代わりのコーキングシステムを図3に示した。図に示したように、少なくとも2つの炉20Aおよび20Bは、2つの原料10Aおよび10B(それぞれ異なる温度であることが好ましい)を提供するのに使用することができる。2つの原料流10Aおよび10Bの割合または相対量を混合バルブ15を使用して変更することによって、所望のドラム入口温度での混合原料を提供することができる。また図2で説明したように、切り替えバルブ17は、加熱した原料をドラム40または45のいずれかに方向づけるのに使用することができる。
さらなる代わりのものとして、図4に示したようなコーキングシステムは、本発明のプロセスに適した温度プロファイルを実行するのに使用することができる。図3で説明したシステムと同じように、少なくとも2つの原料ライン10Aおよび10Cは、目的ドラム入口温度をもつ原料を提供するような2つの流れから十分な量または相当な割合を送るように混合パルブ15を使用して混合することができる。しかしながら、この代わりとなるシステムでは、1つの炉は原料ラインの片方だけ(図では10A)を加熱するのに使用される。第2の原料ライン10Cは「非加熱」のバイパス原料ラインである。十分な量を混合することによって、または加熱原料10Aと非加熱原料10Cの割合を変更することによって、混合した原料の温度を調整および制御することができる。例えば、充填サイクルもしくは充填サイクルの一部の間に加熱原料10Aの流速を一定に保ちながら、非加熱原料10Cの流速(およびその結果としての量)を減少させるようにシステムを操作できる。非加熱原料の量(例えば、体積)の減少は、混合原料温度の変化(例えば、上昇)をもたらす。ここで説明したようなバイパスラインをもつコーキングシステムの使用は、炉の汚れの可能性を減少させるのに効果的である。汚れは燃焼量の変化を余儀なくされた炉出口温度の繰り返しもしくは周期的変化に起因するからである。
代わりに、コーキングプロセスに適した温度プロファイルを提供するための有用なシステムは、分離ユニット(例えば、精留塔、蒸留カラム、セパレーター)をドラムと炉を含む基本的コーキングプロセスシステムと組み合せて使用することで達成できる。より重い分留からより軽い分留の物質を選択的に分離することができるあらゆる分離ユニットを使用することができる。操作中、コーキングドラムの上部領域からの出口流を分離ユニットへ流すことができる。分離後、分離ユニットからの重い分留の流れをコーキングドラムに再循環させることができる。コーカー再循環流を非加熱原料と混合し、その後、混合物を炉で加熱してコーキングドラムに供給することができる。また、コーカー再循環流をコーキングドラムに単独で供給することもできる。原料温度が上がる温度プロファイルを得るために、新しい原料に対するコーカー再循環流の相対割合またはコーキングドラムに向けたコーカー再循環流の流速を、原料ドラム入口温度を調整するために変えることができる。
図2〜4に示したシステムは、商業用、工業用規模のコーキング操作に有用な装置全体の一部にすぎないと考えている。すなわち、例えば、ポンプ、フィルター、バルブ、ゲージ、ドラム、分離器、精留塔、等々といった追加的装置を加えてもよい。さらに、図で示した装置の配置を変えることもできる。
オプションとして、温度プロファイリングと組み合せて、コーキングドラムに入る原料の充填速度をプロファイルすることができる。低下する充填速度プロファイルを使用すると、プロセスの全サイクル時間を延長せずにコーキングプロセスの間にコーキング原料が経験する平均反応時間を増加する、及び/又は全プロセスサイクル時間を短縮することができ、それによってコーキングユニットの容量を増加させる。
表1は、非限定的な実例のために、充填サイクルの間に充填速度プロファイルを実行することによって、コーキングプロセスの反応時間がどのように増加するのかを計算したものである。表1に示すモデルは、20時間の充填サイクルで全ての計算を行っている。充填サイクルの最初の部分の間、「通常」充填速度よりも高い体積充填速度の原料を使用する。充填サイクルの後の部分の間、コーキングドラムに供給する前述の「通常」充填速度よりも少ない別の量の原料体積充填速度を計算のために使用した。
このモデルで見るように、高速から低速へという充填速度プロファイルの種々の組み合せを実行することで、コーキングプロセスのための平均反応時間の増加を達成することができる。例えば、表1におけるモデル計算は、通常よりも10%高い充填速度を充填サイクルの前半と仮定し、通常よりも等パーセンテージ(10%)低い充填速度を充填サイクルの後半と仮定したときに、平均反応時間の約5%の予測増加を達成できることを示す。平均反応時間のより大きい増加は、増加した及び/又は減少した充填速度を使用する充填サイクルの割合を変えることによって達成できるものと予測される。例えば、このモデルによれば、充填サイクルの最初の4分の3(15時間)に通常よりも20%高い充填速度と、充填サイクルの最後の4分の1(5時間)に通常よりも60%低い充填速度を使用することで、平均反応時間の15%の増加を達成することが予測される。
温度プロファイリングと充填速度プロファイリングとを組み合せることで、コークスの性質を改善することができる。例えば、「けば」コークスを生成するコークスプロセスの傾向のみならずCTE値(微粉と粗粉の両方)もまた低くすることができる。「けばコークス」とは、コークスドラムの塔頂近くで形成される多孔質、低密度で脆いコークスをいう。このけばコークスは、コーキングドラム内でコークス単位重量あたりでより大きな体積をとるので、コークスの純生産を減少させコーキング操作の収益性を低下させる。理論によって縛られることは望んでいないけれども、けばコークスは未反応または不完全反応の原料の気化により、特に、ドラム内の圧力が減少しているとき、または高温留出物の熱処理が充填期間の終わりに行われるときに生じるものと考えられる。短い反応時間を経験する原料の量を減少させることによって、例えば充填速度を変化させることによって、けばコークスの形成を減らすことができると考えられる。ふたたび表1を見ると、このモデルによれば、通常よりも40%高い充填速度を充填サイクルの前半と仮定し、通常よりも40%低い充填速度を充填サイクルの後半と仮定する充填速度プロファイルは、けばコークスの形成を40%減少させるものと予測される。
ふたたび表1を見ると、このモデルによれば、通常よりも40%高い充填速度を充填サイクルの前半と仮定し、通常よりも40%低い充填速度を充填サイクルの後半と仮定する充填速度プロファイルは、けばコークスの形成を40%減少させるものと予測される。通常よりも20%高い充填速度を20時間の充填サイクルの最初の15時間と仮定し、および通常よりも60%低い充填速度を充填サイクルの最後の5時間と仮定した充填速度プロファイルは、けばコークスの形成を60%減少するものと予測される。形成されるけばコークスの量を減少させ、またはその形成を完全になくすことは、コーキングドラムの有効容量を増加させ、生成されるコークスの品質を高めるので望ましい。
Figure 0004133818
温度プロファイリングと充填速度プロファイリングを組み合せることは、「フォーミング」と呼ばれる望ましくないプロセス状態を減少させるとも考えられている。フォーミングは原料の塔頂ラインへの望ましくないキャリーオーバーを生じさせかねない。フォーミングはコーキングドラムの充填を不完全にすることによって減少またはなくすことができるが、この問題解決策ではコーカー容量を減少させてしまう。フォーミングはまた化学物質(例えば、消泡剤)を添加して泡形成を強める界面張力を小さくすることによって減少またはなくすことができる。しかしながら、消泡剤は高価であり、消泡剤およびその副生物は、留出物の水素化処理装置といった次のプロセスユニットに移動し早い段階で高価な触媒を失活させてしまう。温度プロファイリングと充填速度プロファイリングとを組み合せることは、高価な化学物質の添加やコーカー容量の減少を伴わずに原料がさらされる反応時間を増やすことで、フォーミングを有利に減少させることができる。原料のキャリーオーバーの可能性が最大となる充填サイクルの終わり近くで充填速度を減らすことによって、ドラムのより完全な充填を可能とし、コーキングドラムの容量を実質的に増加させる。
温度プロファイリングと充填速度プロファイリングとを組み合せることは、より低温を使用する結果としての少ない炉の汚れ、およびより低いコーキング温度を使用し、より長い平均コーキング反応時間を達成する結果としての高いコークス品質を含むさらなる利益を提供することができる。
別のオプションにおいては、温度プロファイリング単独または温度および充填速度のプロファイリングと組み合せて、操作圧力を高め及び/又はプロファイルしてもよい。約200psigまでの大気圧範囲でコークスドラム圧力を調べた。一般的に、高い圧力でのコーキングは製造されるコークスの量を増加させる。さらに、高圧でのコーキングによってコークス製品の改善したマクロおよびミクロ結晶化度を得ることができる。しかしながら、高いまたは通常よりも高い圧力を使用することは、望ましくないより高揮発分含有コークスを生成し、結果として焼成したときに低下した強度と増加した気孔率をもつコークスを生じてしまう。高い圧力及び/又は圧力プロファイリングが温度プロファイリングまたは温度および充填速度のプロファイリングとの組み合せで使用される本発明の実施例は、欠点を減らしもしくは解消しつつ高い圧力での操作の利益を得ることができる。例えば、高いコーキング圧力の使用から生じ得る高揮発分含有コークスの形成を最小にするために、上昇する温度プロファイルと低下する圧力プロファイルとの組み合せを充填サイクルの後半期に使用してもよい。代わりに、低下する充填速度プロファイルと低下する圧力プロファイルとの組み合せを充填サイクルの後半期に使用してもよい。結果として、最長の反応時間を経験するコーキングドラム内の原料は高圧にさらされ、一方、最短の反応時間を経験する原料(すなわち、充填サイクルの後半期で供給される原料)はより低圧にさらされる。上昇する温度プロファイルと組み合せて少なくとも約50psigの圧力といった高いドラム圧力を使用することは、本発明の範囲に含まれる。他の実施形態においては、充填サイクルの間に少なくとも約60psigの圧力を維持する。
高圧コーキングすることは、製造されるコークスの量を増加させる能力を提供することにもなる。例えば、約95psigでの操作は約70psigで行ったプロセスと比較して約10%多くのコークスを生成できる。
高い圧力を充填サイクルの始めに使用した場合、全充填サイクルを通してまたは充填サイクルの一部を通して、充填サイクル中いつでも圧力を低下させることができる。例えば、ドラム内圧を充填サイクルの初期から充填サイクルの最後まで続けて徐々に低下させることによって圧力低下を達成することができる。この圧力低下は、様々な方法、例えば、実質的に直線状で、実質的に段階状で、またはこれらを組み合わしたもので行うことができる。代わりに、圧力は充填サイクルの第1間隔で第1の圧力、すなわち高いまたは比較的高い圧力とし、次に、充填サイクルの後の部分で第2、つまりより低い圧力まで減圧し、それによって、充填サイクル時間と圧力との間の関係を示す「圧力プロファイル」を作り出す。好ましくは、圧力低下は実質的に充填サイクルの最後の10%から約90%の範囲で起こる。
本発明のプロセスのための適切な圧力プロファイルの例は、図10に提供した。図10に示した温度プロファイルのいずれか1つを実行することは、コーキングドラム長全体を通した揮発分の均一性を有利に改善することができる。
ここで図10を参照すると、ライン200は従来のコークスプロセスの圧力を示しており、充填サイクル中の圧力は実質的に一定である。ライン220、230、240および250は本発明の有用な圧力プロファイルの例を示す。最初に高いドラム圧力は、充填サイクルの少なくとも一部の間に低下する。プロファイル220において、圧力は充填サイクルの前半期は一定であり、その後、充填サイクルの後半期に実質的に直線状の割合で低下する。プロファイル230における圧力はまた最初は一定であるが、それは充填サイクルの約3分の1に等しい第1間隔の間のみである。その後、ポイントEとポイントF(充填サイクルのほぼ中間)との間の時間として示した充填サイクルの第2間隔の間に、圧力は実質的に直線状の割合で低下する。第1間隔の長さは変えることができる。しかしながら、その後、第2間隔期間中の圧力低下の割合をポイントFが充填サイクルのおよそ中間に達するように調整する。プロファイル230で続けると、圧力はその後にポイントFからポイントCまでの低下した圧力値で一定となる。代わりに、圧力プロファイル230の異なる部分235は、2つの異なる圧力低下の割合を使用して実施することができる。必要であれば、さらに低下する圧力期間を使用することもできる。次のプロファイルセグメント235では、圧力はポイントEとポイントF’の間の第2間隔の間に実質的に直線状の割合で低下し、その後ポイントF’からポイントC(充填サイクルのおよそ後半期を示している)では、圧力はさらに実質的に直線状であるが先の割合よりも低い割合で低下することを示している。代わりに、セグメント235は弓状部のプロファイルとすることができ、曲線プロファイルはポイントEとポイントCの間に達成される。
本発明に適した圧力プロファイルの別の例は、図10のプロファイル240として示した。このプロファイルにおいて、圧力は充填サイクルの始めから最後まで実質的に直線状の割合で徐々に低下する。
さらに、本発明の実施に適した別のプロファイルは、プロファイル250として示した。図10で見るように、プロファイル250は徐々に低下する圧力プロファイルであり、任意選択的に250A〜250Eと記した多数のセグメントをもつ段階的低下として実施される。セグメント250A〜250Eで、圧力低下の割合はセグメント間で変化させることができ、直線的または非直線的とすることができ、圧力が一定である水平なセグメントを含んでいてもよい。
本発明のプロセスにおいて、圧力は充填サイクルの少なくとも一部の間に少なくとも5psigずつ低下させることができる。好ましくは、圧力は約50〜125psigの間、より好ましくは約65〜125psigの間で変化させる。操作圧力は、最初が高ければ、充填サイクルの一部の間に最初の圧力よりも約5〜100psig低い圧力まで低下させることができる。
温度プロファイリングと組み合せて実行できるさらなる任意選択的な処理段階は、コーキングドラムからの出口流の一部を再循環すること、及び/又はコーキングドラムの内容物を充填サイクルに続いて熱処理することを含む。再循環され得る流れは、例えば、コーキングドラムからの出口流または精留塔からの出口流を含む。
温度プロファイル単独または圧力及び/又は充填速度プロファイルの組み合せによる使用は、充填サイクルに続く熱処理の必要性を減少または排除してもよいが、依然として熱処理が望ましく有利であるという状況にあるであろう。原料タイプ、プロセス装置およびプロセス条件を含む種々の要素は、熱処理を使用する望ましさおよびプロセス条件(例えば、熱処理に使用される温度および時間)に影響を与える。熱処理プロセスおよび熱処理のための適切な物質は周知である。本発明のディレードコーキングプロセスと組み合せて使用する際、熱処理の温度及び/又はコークスドラム内容物を熱処理する間の時間の長さは、従来のプロセスよりも有利に小さくできる。

比較例1および
実施例2および3
熱タールとスラリー油(Alcor炭素含量6.5〜7.5wt%、硫黄0.55〜0.60wt%)で構成される原料を利用して3つの商業用ディレードコーキングプロセスを実施した。比較例1では、実質的に一定のドラム入口温度「T」、すなわち従来のディレードコーキングプロセスによる温度で原料を供給した。本発明の実施例によるプロセスは、例2および3として行った(両方とも上昇する温度プロファイルを使用した)。比較例1、および例2および3で使用された温度プロファイルを図5に示し、それぞれプロファイル300、310および320として示した。3つのプロセス全てにつき、充填サイクルの期間を同一とし、体積充填速度を一定とし、および各コーキングドラムの操作圧力を各充填サイクル全体を通して70psig(482.6kPa)に維持した。コーキングドラムの異なるレベル(例えば、コークスベッドの塔頂との相対的な位置)からの代表的サンプルの生コークスを各プロセスから回収した。比較例1として上記に記載したプロセスに基づいて生成されたサンプルを1つのドラムから収集した。例2(例2aおよび2b)および例3(例3aおよび3b)として上記に記載したプロセスに基づいて生成されたサンプルを2つのドラムから収集した。サンプルの解析はASTM Method D4421を使用して行い、揮発分を評価した。
表2は、各例のドラム内の様々なレベルからのコークス製品の揮発分百分率(VM%)を提供する。
Figure 0004133818
比較例1の従来のプロセスによって作成されたコークスと比較して、本発明(例2aおよび2b、例3aおよび3b)のプロセスによって作成されたコークスは、多くの点で改善されていることが明らかになった。揮発分の最大量がより少なく、揮発分の量の範囲がより狭く、全ドラムの平均揮発分(サンプリングしたまま)がより少なく、そして揮発分の標準偏差がより小さかった。
また、揮発分をドラムレベルの関数としてプロットした。図6において、比較例1、例2aおよび例2bの揮発分百分率は、それぞれライン330、340および350として示した。図7において、比較例1、例3aおよび例3bの揮発分百分率は、それぞれライン330、360および370として示した。図6および7から見て取れるように、本発明のプロセスによって生成されたコークスにおける揮発分の量は、従来のプロセスによって生成されたコークスの揮発分の量よりもドラム全体を通してより均一であった(特に例2a、2bおよび3aにおいて)。本発明のプロセスによって生成されたコークスの揮発分の量はまた従来のドラムによって生成されたコークスの揮発分の量よりもドラムの上部(40〜50%)においてより少なかった(特に例2a,2bおよび3a)。
例4
コーキングプロセスは、前述の例1〜3で説明したコーキング容器および原料を利用して実施した。例4では、本発明の好ましい態様によるコーキングプロセスを行った。結果は比較例1からのデータと比較した。
例4では、実質的に直線状に上昇する温度プロファイルにより制御されたドラム入口温度で原料を供給し、充填サイクル中、操作圧力を95psig(655.0kPa)に維持した。充填サイクル期間中、一定の体積充填速度で原料を供給し、各々のプロセスは同一とした。各々のプロセスに使用される温度プロファイルを図13に示した。ライン300および380はそれぞれ比較例1および例4に該当する。
上記に示したように、比較例1は、操作圧力が充填サイクル全体を通して70psig(482.6kPa)に維持される従来のコーキングプロセスに属する。
コークスドラム中の異なるレベル(コークスベッドの塔頂との相対的な位置)から生じる生コークスの代表的サンプルは、各々のプロセスで取り除かれる。上記に記載した比較例1のプロセスに従って生成されたサンプルを1つのドラムから収集した。上記に記載した例4(例4aおよび4b)のプロセスに従って生成されたサンプルを2つのドラムから収集した。得られたサンプルは、その後ASTM Method D4421によって分析を行い、揮発分を測定した。
ドラムの各々の段階からのコークスの揮発分百分率(VM%)を表3に示した。
Figure 0004133818
比較例1の従来のプロセスによって作成されたコークスと比較すると、本発明(例4aおよび4b)のプロセスによって作成されたコークスは、様々な点において改善されることが明らかとなった。揮発分の最大量はより低く、揮発分の量の範囲はより狭く、全ドラムの平均揮発分(サンプリングしたまま)はより低く、および揮発分の標準偏差はより小さい。
図で説明するために、揮発分をドラムレベルの関数としてチャート化して図14に提供した。図14を参照すると、比較例1、例4aおよび例4bの揮発分百分率は、それぞれライン330、390および400として示す。図をみると、本発明のプロセスとして生成されたコークスの揮発分の量は、従来のプロセスによって生成されたコークスの均一性よりもドラム全体を通してより均一であった。例4のプロセスによって生成されたコークスの揮発分の量はまた、従来のプロセスによって生成されたコークスよりもドラムの上部(おおよそ、上部50%)でより少なかった。
例5
商業用原料(原料A)から作成されたコークスサンプルのシリーズは、小さな実験室規模のコークス容器で生成した。容器はおおよそ1.5インチの外径をもち、おおよそ16インチの長さをもつ垂直方向管状リアクター(a vertically oriented tubular reactor)である。この容器を電気抵抗素子を内蔵したヒーターブロックに配置して加熱した。一定のコーキング温度875°F(全規模のコークスドラム内での典型的コーキング温度に相当)で熱タールを反応させることによってコークスサンプルを生成した。コーキング容器圧力をコーキング反応の間100psigに維持した。各々のサンプルを異なる時間間隔、すなわち2、4、8、16、32、および64時間の1つで反応させた。
指定した反応期間の終わりに、容器を冷却し内容物を回収した。製造されたコークスの品質は、002グラファイトピークの強度を決定するための通常のX線技術を使用して熱膨係数(CTE)を決定することによって解析した(米国特許4,822,479,Fig.2)。これらの値は図8のみならず表4にも記した。図8に示したように、CTEは実質的に反応時間が増加するにつれて顕著に減少した。
例6
異なる商業用原料、原料Bを使用し、コークス容器圧力を60psigに維持したことを除き、例5に説明したのと同一の手順で行った。各々のサンプルを異なる時間間隔、すなわち、4、8、16、32、64および128時間の1つで反応させた。図9および表4は、この例から得られたデータを提供する。図9に見られるように、CTEの著しい減少は、反応時間が約8時間を超えた際に観察され、より長い反応期間で劇的に改善した。
Figure 0004133818
例5および6で行われたバッチ操作は、コークスドラム中の反応物に利用可能な平均反応時間が増加すると、商業用コーキングプロセスで得られる最終コークスの品質に有利な影響を与え得ることを示している。数時間の増加でさえも製造されるコークスのCTE値の著しい減少を提供し得ることが明らかとなった。
例7〜10
プレミアムまたは針状グレードのコークスの生成において典型的に使用される熱タール(Alcor炭素含量8.3wt%、硫黄0.615wt%)からコークスを生成した。小さな実験室規模のコーキング容器を使用した。容器はおおよそ1.5インチ(3.8cm)の外径をもち、およびおおよそ16インチ(40.6cm)の長さをもつ垂直方向管状リアクターとした。容器を電気抵抗素子を内蔵した金属ブロックに挿入して加熱した。容器は約900°F(482.2℃)の温度で8時間にわたり次の圧力レベルで維持した。
Figure 0004133818
8時間後、容器を冷却し、生じたコークス内容物を回収した。この反応から生成したコークスの品質を、コークスサンプルにおけるディスインクリネーションの密度の尺度を提供する正規化オプティカルテクスチャーインデックス(normalized optical texture index)を決定するために解析した。また、各々のサンプルをd002X線ピークの正規化高さを決定するための通常のX線技術によって評価した。このX線試験のためのサンプルは、実験室オーブンで焼成することによって調製した。サンプルは試験前に冷却した。これらの試験の結果を表5に示した。
Figure 0004133818
ミクロ結晶化度は、一般にX線解析を使用して測定される。これらの測定技術において、焼成コークスの002X線ピークの高さを測定した。高い002ピーク高さは、コークスが秩序正しい(well-ordered)高結晶構造をもつことを示し、一方、相対的に低い002ピーク高さは、無秩序な低結晶構造を示す。米国特許4,822,479の図2に記載されているように、002ピークの正規化高さは、黒鉛化電極からの微紛のCTEの自然対数と線形に相関していることを示している。本発明の好ましい態様において、コークス製品は約1.20よりも大きい正規化002ピーク高さを示す。より好ましくは、正規化002ピーク高さは約1.25よりも大きい。
炭素質の製品(例えば、コークス)のマクロ結晶化度は、一般に偏光顕微鏡による光学的方法を用いて測定することができ、結晶構造中の不完全性(ディスインクリネーションという)は偏光顕微鏡下で観察することができ、そのようなディスインクリネーションの密度は光学画像解析を使用して計算することができる。実例としての目的で、図11は、約50の正規化オプティカルディスインクリネーションテクスチャー(optical disinclination texture)(密度)またはオプティカルテクスチャーインデックス(OTI)をもつコークス製品(おおよそ200倍に拡大)を示す。このサンプルは「非常に良好」であると考えられる。対照的に、図12は、約200のOTIをもつコークスサンプルの例であり、「非常に悪い」マクロ結晶化度であると考えられる。
表5から見てとれるように、より低いオプティカルテクスチャーインデックスによって示されるマクロ結晶化度の顕著な改善と、ミクロ結晶化度のかなりの改善は、より高圧で観察された。また、圧力がより高圧で維持されたときに高いコークス収量も達成された。例7〜10で行ったバッチ操作は、充填サイクルの間の操作圧力が上がると、商業用コーキングプロセスで得られる最終コークスの品質に有利な影響を与え得ることを示している。
例11〜16
小さな実験室規模のコーキングドラムと例7〜10に記載したような熱タール原料を使用してコークスを生成した。熱タールは、次の圧力55psig(379.2kPa)または115psig(792.9kPa)で、および次の3つの温度825°F(440.6℃)、875°F(468.3℃)、925°F(496.1℃)の1つでコークス化した。各々の例のプロセス条件を提供する以下の表6を参照されたい。表6に示したように約2〜約336時間までの様々な反応時間を使用した。各バッチのコークス中の揮発分はASTM Method D4421によって決定した。
Figure 0004133818
より短い反応時間とより高圧でのコーキングは、より高いレベルの揮発分を生じることが明らかとなった。これは、望ましいレベルの揮発分(約7%未満)を一定の圧力で達成するためには、プロセスはより長い反応時間を必要とすることを示す。例えば、875°F、55psig、16時間では、7%未満の揮発分をもつコークスを得た。しかしながら、より高い圧力115psigで7%未満の揮発分をもつコークスを得るためには、コーキング反応は24時間を必要とした。同一の傾向はプロセスを925°Fで操作した場合でも見られた。925°F、55psig、反応時間4時間で、6%未満の揮発分をもつコークスを得た。925°F、115psigで操作すると、同一の低レベルの揮発分を達成するために少なくとも6時間の反応時間を必要とした。
本発明のディレードコーキング方法は、種々の変更および代替形態が可能であるが、その具体的実施形態は例および図のいずれも例として示したものにすぎず、開示された特定形態に本発明を制限することを意図するものではない。むしろ、本発明は添付した特許請求の範囲に表現された本発明の範囲および精神に含まれる全ての変更、均等物および代替物を包含するものである。
模範的な温度プロファイルを示したチャートである。 本発明の有用な基本的コーキングシステムの実施例のプロセス概略図である。 2つの炉をもつ、本発明の有用なコーキングシステムの他の実施例のプロセス概略図である。 1つの炉と2つの供給流をもつ、本発明の有用なコーキングシステムのさらなる実施例のプロセス概略図である。 実施例1〜3で実施した温度プロファイルを示したチャートである。 実施例1および2からのドラムレベルの関数としての揮発分のデータを表示するチャートである。 実施例1および3からのドラムレベルの関数としての揮発分のデータを表示するチャートである。 実施例5からのデータを表示するグラフである。 実施例6からのデータを表示するグラフである。 模範的な圧力プロファイルを示したチャートである。 約50の正規化オプティカルディスインクリネーションテキスチャーをもつコークスの走査型電子顕微鏡(SEM)の図である。 約200の正規化オプティカルディスインクリネーションテキスチャーをもつコークスのSEMの図である。 実施例4で実施した温度プロファイルを示したチャートである。 実施例4からのドラムレベルの関数としての揮発分のデータを表示するチャートである。

Claims (20)

  1. コークスを作るディレードコーキング方法であって、
    (a)加熱した原料を、充填サイクルの前半期の間に第1の平均ドラム入口温度でコーキングドラムに供給する工程と、
    (b)前記加熱した原料を、前記充填サイクルの後半期の間に別の平均ドラム入口温度で前記コーキングドラムに供給する工程と、
    を含み、
    前記充填サイクルの後半期の間の平均ドラム入口温度が、前記第1の平均ドラム入口温度よりも少なくとも1.11℃(2°F)高い、
    ディレードコーキング方法。
  2. (a)前記原料を第1の充填速度で前記コーキングドラムに供給し、前記充填速度を前記充填サイクルの少なくとも一部の間に前記第1の充填速度よりも低い別の充填速度まで下げる工程、
    (b)前記原料を前記コーキングドラムに供給し、前記ドラムは前記充填サイクルの間に第1の圧力をもち、前記圧力を前記充填サイクルの少なくとも一部の間に前記第1の圧力よりも低い別の圧力まで下げる工程、
    (c)コーカー再循環流を前記充填サイクルの少なくとも一部の間に前記コーキングドラムに供給する工程、および
    (d)前記コーキングドラムを所望のレベルまで充填した後に、前記コーキングドラムの内容物を熱処理する工程
    の少なくとも1つをさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記原料をコーカー再循環流と混合して混合物を形成し、前記混合物を前記充填サイクルの少なくとも一部の間に前記コーキングドラムに供給する請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記コーカー再循環流は、重炭化水素留分を含む請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記コーカー再循環流は、重質コーカーガス油を含む請求項2ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記ドラム入口温度を、前記充填サイクルの最初の75%の間に上げる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記別のドラム入口温度が、前記第1のドラム入口温度よりも1.11℃(2°F)から44.4℃(80°F)高い請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記第1のドラム入口温度が、427℃(800°F)から538℃(1000°F)である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記ドラム入口温度を、前記充填サイクルの少なくとも一部の間に実質的に直線状に上げる請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ドラム入口温度を、前記充填サイクルの少なくとも一部の間に実質的に段階状に上げる請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記第1のドラム入口温度は438℃(820°F)から524℃(975°F)であり、前記充填サイクルの間の前記コーキングドラム内の圧力は344kPag(50psig)から862kPag(125psig)である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記原料を、異なる温度をもつ少なくとも2つの個別の原料流の混合物として前記コーキングドラムに供給する請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記原料は異なる温度をもつ少なくとも2つの個別の原料流を含み、前記原料のドラム入口温度を前記少なくとも2つの個別の原料流の相対量を変化させることによって上げる請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記コーキングドラムを所定の体積の原料まで充填し、所定の体積の最後の15%を前記充填サイクルの最後の25%の間に前記コーキングドラムに導入する請求項1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記原料を前記コーキングドラムに供給し、前記ドラムは前記充填サイクルの間に第1の圧力をもち、前記圧力を前記充填サイクルの少なくとも1部の間に前記第1の圧力よりも低い別の圧力まで下げる請求項1ないし14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記第1の圧力が、約344kPag(50psig)よりも高い請求項15に記載の方法。
  17. 前記別の圧力が、約414kPag(60psig)よりも低い請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記圧力を、前記充填サイクルの少なくとも一部の間に実質的に直線状に下げる請求項15ないし17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記圧力を、前記充填サイクルの少なくとも一部の間に実質的に段階状に下げる請求項15ないし17のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記圧力を、前記充填サイクルの少なくとも最後の半分の間に下げる請求項15ないし19のいずれか1項に記載の方法。
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