JP7408567B2 - ニードルコークス粉体を製造する方法、ニードルコークス粉体、黒鉛成形体を製造する方法、黒鉛成形体、及び黒鉛電極 - Google Patents

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Description

本発明は、ニードルコークス粉体を製造する方法、ニードルコークス粉体、黒鉛成形体を製造する方法、黒鉛成形体、及び黒鉛電極に関する。
ニードルコークスは、黒鉛の層状結晶を部分的に含むか焼コークスであり、一般的には石油系重質油又はコールタールを原料として製造される。ニードルコークスは、例えば電気製鋼用黒鉛電極の原料として使用される。黒鉛電極は、高温雰囲気などの過酷な条件で使用されるため、その熱膨張係数(CTE)が低いことが望まれる。低いCTEの黒鉛電極を得るために、ニードルコークスのCTEを制御する方法が検討されている(例えば、特許文献1、2)。
特開2008-150399号公報 特許第5483334号公報
一般に、ニードルコークスの粒子のアスペクト比が高いと、黒鉛電極のCTEが低くなる傾向がある。しかし、アスペクト比が高いニードルコークスを用いるだけでは、黒鉛電極のCTEが十分に低減されない場合があった。
本発明の目的は、ニードルコークスを用いて得られる黒鉛成形体の熱膨張係数をより効率的に制御することにある。これにより、ニードルコークスを用いて得られる黒鉛成形体の熱膨張係数を、更に低減した非常に高品質なニードルコークスを製造することも可能となる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ニードルコークス粒子の長軸方向に対する、粒子に含まれる結晶の配向の程度が、CTEと相関することを見出した。さらに、この結晶の配向の程度に関する新たな指標に基づいて選別を行い、ニードルコークス粉体を得ることによって、アスペクト比を指標として使用した場合よりも効率的に黒鉛成形体のCTEを制御することができることを見出した。係る知見に基づいて以下の本発明を完成させた。
本発明の一側面は、複数のニードルコークス粒子からなるニードルコークス粉体を製造する方法を提供する。当該方法は、複数のニードルコークス粒子を含む未選別粉体を準備し、前記ニードルコークス粒子に含まれる結晶の、前記ニードルコークス粒子の長軸方向に対する配向の程度を表すオーダーパラメータを測定することと、前記オーダーパラメータの値に基づいて前記ニードルコークス粒子を選別することにより、選別された複数の前記ニードルコークス粒子からなるニードルコークス粉体を得ることと、を含む。
本発明の別の一側面は、複数のニードルコークス粒子からなるニードルコークス粉体を提供する。本発明の一側面に係るニードルコークス粉体において、前記ニードルコークス粒子に含まれる結晶の、前記ニードルコークス粒子の長軸方向に対する配向の程度を表すオーダーパラメータが、前記複数のニードルコークス粒子全体の平均で0.86以上である。
本発明の更に別の一側面は、黒鉛成形体を製造する方法を提供する。当該方法は、バインダー、及び該バインダー中に分散した上記ニードルコークス粉体を含む混合物を押出成形によって成形して原料成形体を得る工程と、前記原料成形体を焼成して黒鉛成形体を得る工程と、を備える。
本発明の更に別の一側面は、上記ニードルコークス粉体の黒鉛化物を含む黒鉛成形体、及び、該黒鉛成形体を含む黒鉛電極を提供する。
本発明によれば、ニードルコークスを骨材として用いて得られる黒鉛成形体の熱膨張係数を、更に低減することができる。
(a)、(b)及び(c)はニードルコークス粒子の表面に観察される直線の例を示す模式図である。 (a)及び(c)は黒鉛成形体の例を示す模式図である。 (a)は、撮影されたニードルコークス粒子の画像の一例であり、(b)は、(a)の画像から得られた2値化画像である。 図3(a)の画像から得られた、ニードルコークス粒子の輪郭に外接する最小の面積を有する長方形を示す画像である。 ニードルコークス粒子のクロージング処理後の2値化画像の例である。 ニードルコークス粒子の画像内に検出された直線の例である。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
ニードルコークス粉体を製造する方法の一実施形態は、複数のニードルコークス粒子を含む未選別粉体を準備し、ニードルコークス粒子に含まれる結晶の配向の程度を表すオーダーパラメータを測定することと、オーダーパラメータの値に基づいてニードルコークス粒子を選別することにより、選別された複数のニードルコークス粒子からなるニードルコークス粉体を得ることと、を含む。オーダーパラメータは、ニードルコークス粒子の長軸方向に対する結晶の配向の程度を表す値である。オーダーパラメータを測定する方法の詳細は後述される。ニードルコークス粒子を選別することにより、オーダーパラメータが全体の平均で0.86以上、0.87以上、0.90以上、0.91以上、又は0.95以上となるように選ばれた複数のニードルコークス粒子からなるニードルコークス粉体を得てもよい。
ニードルコークスは、通常、石油に由来する石油ニードルコークスである。複数のニードルコークス粒子を含む未選別粉体は、ニードルコークスを製造する通常の方法で製造することができる。例えば、原料油をコーキングして生コークスを得る工程と、生コークスを焼成して、か焼コークスであるニードルコークスを形成する工程とを含む方法によって、ニードルコークスの未選別粉体を得ることができる。か焼コークスを粉砕し、粉砕物を必要により分級して、所望の粒径を有する複数のニードルコークス粒子を含む未選別粉体を得てもよい。
原料油は、例えば、重質油を含んでいてもよいし、重質油及び軽質油を含んでいてもよい。原料油中の軽質油の割合は、原料油の質量を基準として、0~30質量%、又は10~30質量%であってもよい。重質油は、常圧蒸留残油を水素化脱硫して得られる水素化脱硫油、脱硫減圧軽油を流動接触分解して得られる流動接触分解残油、又はこれらの組み合わせであってもよい。原料油の硫黄分が0.3質量%以下であってもよい。原料油の窒素分が0.2質量%以下であってもよい。
原料油をコーキングする方法の例としては、ディレードコーキング法、ビスブレーキング法、フレキシコーキング法、ユリカプロセス、及びH-Oilが挙げられる。ディレードコーキング法においては、原料油が、加熱管中を加熱されながら急速に通過してからコークドラムに導入され、そこでコーキングが進行する。コーキングの条件は、特に制限されない。コーキングのための加熱温度は、例えば400~600℃、又は450~550℃であってもよい。加熱時間は、24~72時間、又は36~60時間であってもよい。
生コークスから、か焼コークス(ニードルコークス)を形成するための焼成(か焼)は、例えば、ロータリーキルン、シャフト炉のような通常の装置を用いて行うことができる。か焼コークスを得るための焼成の温度は、例えば1000~1500℃であってもよい。焼成の時間は、例えば2~6時間であってもよい。
次いで、未選別粉体に含まれるニードルコークス粒子のオーダーパラメータを測定する。ニードルコークス粒子は、通常、黒鉛の層状結晶を部分的に含んでおり、この結晶が一定方向に配向することによって、針状様の結晶相が形成されている。ニードルコークス粒子は、一般に、ある程度アスペクト比の大きい不定形の形状を有している。本発明者らの知見によれば、ニードルコークス粒子の長軸方向に対する結晶の配向の程度が大きいと、熱膨張係数が顕著に小さい黒鉛成形体を得ることができる。そこで、結晶の配向の程度を表す指標として、オーダーパラメータが用いられる。
具体的には、ニードルコークス粒子の表面において観察される多数の直線の方向を結晶の配向方向とみなし、これらとニードルコークス粒子の長軸方向とがなす角度θに基づいて、下記式によりオーダーパラメータが求められる。
オーダーパラメータ = (3<cosθ>-1)/2
式中、<cosθ>は、cosθの1個のニードルコークス粒子の表面において観察される直線全体での平均値である。このオーダーパラメータは、高分子液晶における分子配列の秩序を評価する方法として一般に知られているパラメータである(例えば、色材,62(11),683-690,1990参照)。
本明細書において、ニードルコークス粒子の長軸方向は、ニードルコークス粒子の輪郭に外接する長方形のうち、最小の面積を有する長方形の長辺に沿う方向を意味する。ニードルコークス粒子の輪郭は、ニードルコークス粒子を撮影して得られる画像の画像処理によって検出することができる。結晶の配向を反映した直線も、ニードルコークス粒子を撮影して得られる画像の画像処理によって検出することができる。画像処理の詳細は後述の実施例において説明される。
オーダーパラメータは、全ての直線の方向が長軸方向に平行であるときは1であり、直線の方向が完全にランダムであるときは0である。オーダーパラメータが1に近いほど、結晶の配向方向がニードルコークス粒子の長軸方向に対して平行な方向に揃っている、すなわち、長軸方向に対する結晶の配向の程度が高い。
図1は、ニードルコークス粒子の表面に観察される直線の例を示す模式図である。(a)に示されるニードルコークス粒子1a、(b)に示されるニードルコークス粒子1b、及び(c)に示されるニードルコークス粒子1cの表面において、直線3が観察される。ニードルコークス粒子1aは、全ての直線3の方向が長軸方向Dに対して平行であることから、長軸方向Dに対する結晶の配向の程度が高いといえる。ニードルコークス粒子1aのオーダーパラメータは1である。ニードルコークス粒子1bの場合、直線3の方向が一定の方向に対して配向しておらず、結晶の配向の程度が高いとはいえない。ニードルコークス粒子1cの場合、直線3の方向は一定に方向に対してある程度配向しているものの、直線3の方向が長軸方向Dに対して傾いているため、長軸方向に対する結晶の配向の程度が高いとはいえない。
ニードルコークス粒子の表面に観察される直線は、層状結晶の面内方向に対応すると考えられる。したがって、オーダーパラメータが1に近いことは、層状結晶の面内方向がニードルコークス粒子の長軸方向に揃っていることを意味する。一般に、層状結晶を形成する炭素材料の場合、層状結晶の面内方向における熱膨張係数は、層状結晶の垂直方向(層の重なり方向)における熱膨張係数よりも小さい。そのため、1に近いオーダーパラメータを有するニードルコークス粒子は、その長軸方向において低い熱膨張係数を示すと考えられる。
オーダーパラメータの測定値に基づいて、オーダーパラメータが全体の平均で0.86以上となるように、複数のニードルコークス粒子が選別される。選別された複数のニードルコークス粒子のオーダーパラメータの平均値が、0.87以上、0.90以上、0.91以上又は0.95以上であってもよい。例えば、オーダーパラメータが低い一部のニードルコークス粒子を排除することにより、オーダーパラメータの平均値が0.86以上のニードルコークス粉体を得ることができる。例えば、未選別粉体を複数のロットに分割し、それぞれのロットに含まれるニードルコークス粒子全体におけるオーダーパラメータの平均値を測定することと、オーダーパラメータの平均値が0.86以上のロットを選択する、又は、オーダーパラメータの平均値が0.86以上になるように複数のロットを組み合わせることを含む方法により、ニードルコークス粒子を選別してもよい。未選別粉体に含まれるニードルコークス粒子のオーダーパラメータの平均値が0.86以上である場合、未選別粉体をそのままニードルコークス粉体として用いてもよい。未選別粉体に含まれる全てのニードルコークス粒子のオーダーパラメータを測定する必要は必ずしもない。オーダーパラメータの平均値を統計的に推定できる程度の数のニードルコークス粒子を任意に抽出し、それらのオーダーパラメータを測定してもよい。オーダーパラメータの測定のために抽出されるニードルコークス粒子の数は、例えば、10~100個、又は、未選別粉体から抽出した代表サンプルに対する重量割合で50~80%である。
ニードルコークス粒子のアスペクト比が、ニードルコークス粉体中の複数のニードルコークス粒子全体の平均で1.1以上であってもよい。高いアスペクト比と、上述の高いオーダーパラメータとの組み合わせにより、黒鉛成形体の熱膨張係数をより一層低減することができる。アスペクト比の平均値は、1.1以上、1.4以上、1.8以上、2.0以上、2.2以上又は5.0以上であってもよく、10以下であってもよい。ニードルコークス粒子のアスペクト比は、下記式:
アスペクト比 = (長軸長さ)/(短軸長さ)
により算出される。ニードルコークス粒子の輪郭に外接する最小の面積を有する長方形の長辺の長さが、長軸長さである。同長方形の短辺の長さが、短軸長さである。
ニードルコークス粉体における硫黄分は、0.5質量%以下であってもよい。ニードルコークス粉体における窒素分は、0.3質量%以下であってもよい。
図2は、ニードルコークス粉体の黒鉛化物を含む黒鉛成形体の例を示す模式図である。図2に示される黒鉛成形体5a,5cは、黒鉛化バインダー7と、黒鉛化バインダー7内に分散した、ニードルコークス粒子の黒鉛化物1a’又は1c’とを含む。黒鉛成形体5a中の黒鉛化物1a’は、図1(a)のニードルコークス粒子1aから形成された黒鉛化物である。図2に示される棒状又は円柱状の黒鉛成形体5a,5cの場合、ニードルコークス粒子の黒鉛化物1a’,1c’の長軸方向が、黒鉛成形体5a,5cの長手方向にある程度揃うことが多い。言い換えると、黒鉛化物1a’,1c’が、その長軸方向が黒鉛成形体5a、5cの長手方向に平行となる向きに配向し易い。その結果、黒鉛化物1a’を含む黒鉛成形体5aは、200℃以上の高温域を含めた温度域において、極めて小さな熱膨張係数を示すことができる。黒鉛成形体5aを、例えば黒鉛電極(例えば電気製鋼用黒鉛電極)として使用することができる。
黒鉛成形体は、例えば、バインダー、及び該バインダー中に分散したニードルコークス粉体を含む混合物を押出成形によって成形して原料成形体を得る工程と、原料成形体を焼成して黒鉛成形体を得る工程とを含む方法により、製造することができる。
バインダーは、焼成によって黒鉛化して、黒鉛化バインダーを形成し得る材料であればよく、例えばバインダーピッチであってもよい。バインダーの量は、ニードルコークス粉体の質量に対して20~30質量%であってもよい。
押出成形によって、棒状等の長く伸びた形状の原料成形体を得ることができる。原料成形体及びこれから得られる黒鉛成形体が、長さL、最大幅Wの長く伸びた形状を有する場合、L/Wが1.5~10であってもよい。押出成形によって得られた原料成形体においては、ニードルコークス粒子が、その長軸方向が原料成形体の長手方向に平行となるように配向し易い。その結果、黒鉛成形体が特に小さい線膨張係数を示すことができる。黒鉛成形体の線膨張係数は、200~300℃の範囲で1.35×10-6/℃以下、又は1.30×10-6/℃以下であってもよい。黒鉛成形体が長く伸びた形状を有する場合、その長さの変化量によって求められる線膨張係数が上記範囲内であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.ニードルコークス粒子のアスペクト比、及びオーダーパラメータの測定方法
以下の手順により、ニードルコークス粒子のアスペクト比、及びオーダーパラメータを測定した。
(1)撮影
ニードルコークス粒子を、白色の平坦な面の上に置く。複数のニードルコークス粒子を撮影する場合、それらを10mm以上の間隔を空けて並べる。ニードルコークス粒子の上方に配置された画像撮影機器によって、ニードルコークス粒子を照度300ルクス以上の環境下で撮影する。画像撮影機器は、顕微鏡で観察された拡大画像を撮影する装置であってもよい。画像撮影機器のレンズは、その焦点面がニードルコークス粒子が並べられた面に平行になる向きで配置される。解像度300ppi以上でピント合わせ機能を有する画像撮影機器が用いられる。1個のニードルコークス粒子のサイズが画像中で250ピクセル×250ピクセル以上となるように、ニードルコークス粒子が撮影される。画像中に撮影者及びニードルコークス粒子自体の影が映りこまないようにする。図3の(a)は、撮影により得られたニードルコークス粒子の画像の一例である。
(2)解析
(2値化)
ニードルコークス粒子の画像に対して、画像処理を行う。ニードルコークス粒子の撮影画像の色空間をグレースケール空間に変換し、グレースケール画像を得る。グレースケール画像の各ピクセル値に閾値を設け、ニードルコークス粒子の画像が白色領域、背景が黒色領域となるように2値化処理して、2値化画像を得る。図3(b)は、図3(a)の画像から得られた2値化画像である。
(輪郭検出)
2値化画像から、各ニードルコークス粒子の輪郭を検出する。ここでの輪郭とは、同じ色又は値を持つ境界線に沿った連続する点を繋いで形成される曲線として定義される。
(アスペクト比)
検出された各ニードルコークス粒子の輪郭に外接する長方形のうち、最小の面積を有する長方形を求める。最小の面積を有する長方形の長辺の長さ及び短辺の長さが、それぞれ、ニードルコークス粒子の長軸長さ及び短軸長さとみなされる。図4は、図3(a)の画像から得られた、ニードルコークス粒子の輪郭に外接する最小の面積を有する長方形を示す。下式によって、各ニードルコークス粒子のアスペクト比が算出される。
アスペクト比 = (長軸長さ)/(短軸長さ)
(直線検出)
検出された輪郭に囲まれた各ニードルコークス粒子の画像を、前記と同様の方法で2値化する。2値化の際には、ニードルコークス粒子内部の凹凸及び針状性を解析できるように、コークス粒子の輪郭内部が黒色領域と白色領域に分かれるように2値化する。得られた2値化画像に対して、ノイズ除去処理を施す。図5は、ノイズ除去としてクロージング処理を実施した後の2値化画像の例である。ノイズ除去として、クロージング処理の他、ディレーション処理又はエロージョン処理を単独で採用しても、フィルタリング処理、又は鮮鋭化処理を採用してもよい。
次いで、ノイズ除去処理後の2値化画像から、直線を検出する。直線検出の処理により、検出された直線の両端点の座標が得られる。図6は、得られた座標に基づいて描画された直線の画像の例である。
(オーダーパラメータ)
検出された各直線と、ニードルコークス粒子の長軸方向(輪郭に外接する最小の面積を有する長方形の長辺の向き)とがなす角度θを求め、cosθを算出する。1個のニードルコークス粒子内に検出された直線の全てについてニードルコークス粒子の長軸方向に対するcosθを算出し、それらの平均値を求める。得られた平均値<cosθ>を下記式に代入して、オーダーパラメータを算出する。
オーダーパラメータ = (3<cosθ>-1)/2
未選別粉体から抽出された複数のニードルコークス粒子それぞれのオーダーパラメータを算出し、得られたオーダーパラメータに基づいて、ニードルコークス粒子を選別することができる。ニードルコークス粒子は、複数のニードルコークス粒子の全体におけるオーダーパラメータの平均値が所望の範囲内となるように、選別される。
2.ニードルコークス粉体の作製
(実施例1)
水素化脱硫油と流動接触分解残油を質量比1:3で混合して原料油を得た。この原料油を試験管中で常圧雰囲気下、500℃で3時間の加熱によりコーキングして、生コークスを得た。生成した生コークスを1200℃で5時間焼成して、か焼コークスを得た。か焼コークスを粉砕し、ニードルコークスの未選別紛体を得た。得られた未選別紛体を2つ以上のロットに分け、ロット毎に篩によって分級した。分級後にそれぞれのロットから、代表サンプルとして10~20個のニードルコークス粒子を抽出した。抽出したニードルコークス粒子のオーダーパラメータを測定し、測定値の平均値を求めた。未選別紛体から分けられたロットのうち、オーダーパラメータの平均値が0.98であったロットを選別した。選別されたロットの粒子のアスペクト比を測定したところ、アスペクト比の平均値は2.88であった。求められた平均値が表1に示される。選別後のニードルコークス粉体の硫黄含有量及び窒素含有量も測定した。
(実施例2)
実施例1と同様の原料及び条件でニードルコークスの未選別粉体を作製し、2つ以上のロットに分けて分級後、各ロットから10~20個の代表サンプル粒子を抽出した。抽出したニードルコークス粒子のオーダーパラメータを測定した。オーダーパラメータの測定値に基づいて複数ロットを組合せることにより、ニードルコークス粒子全体の平均として、オーダーパラメータの平均値が0.97となるようにニードルコークス粒子を選別してニードルコークス紛体を得た。選別後の粒子のアスペクト比の平均値は2.25であった。
(実施例3)
実施例2と同様にしてニードルコークスの未選別粉体を作製し、2つ以上のロットに分けて分級後、各ロットから10~20個の代表サンプル粒子を抽出した。抽出したニードルコークス粒子のオーダーパラメータを測定した。オーダーパラメータの測定値に基づいて複数ロットを組合せることにより、ニードルコークス粒子全体の平均として、オーダーパラメータの平均値が0.87となるようにニードルコークス粒子を選別してニードルコークス紛体を得た。選別後の粒子のアスペクト比の平均値は2.13であった。
(比較例1)
原料油として低硫黄の減圧蒸留残油と流動接触分解残油の質量比7:3の混合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ニードルコークス粉体を作製した。得られたニードルコークス粉体について、粒子のオーダーパラメータの平均値が0.85となるように選別し、オーダーパラメータ及びアスペクト比の平均値を実施例1と同様にして測定した。
(比較例2)
原料油として流動接触分解残油のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ニードルコークス粉体を作製した。得られたニードルコークス粉体について、粒子のオーダーパラメータの平均値が0.84となるように選別し、オーダーパラメータ及びアスペクト比の平均値を実施例1と同様にして測定した。
(比較例3)
原料油として流動接触分解残油のみを用い、コーキング温度を510℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ニードルコークス粉体を作製した。得られたニードルコークス粉体について、粒子のオーダーパラメータの平均値が0.82となるように選別し、オーダーパラメータ及びアスペクト比の平均値を実施例1と同様にして測定した。
(比較例4)
比較例1と同様の原料及び条件でニードルコークス粉体を作製した。未選別粉体中のニードルコークス粒子のオーダーパラメータを測定し、測定値に基づいてニードルコークス粒子を選別して、オーダーパラメータの平均値が0.66で、アスペクト比の平均値が1.48であるニードルコークス粉体を得た。
(比較例5)
比較例1と同様の原料及び条件でニードルコークス粉体を作製した。未選別粉体中のニードルコークス粒子のオーダーパラメータを測定し、測定値に基づいてニードルコークス粒子を選別して、オーダーパラメータの平均値が0.44で、アスペクト比の平均値が1.19であるニードルコークス粉体を得た。
3.黒鉛成形体の線膨張係数(CTE)
ニードルコークス粉体を石炭系のバインダーピッチと捏合した。バインダーピッチの量は、ニードルコークス粉体の質量に対して30質量%とした。得られた混合物を押出成形機で成形して、円柱状のピースを作製した。このピースをマッフル加熱炉を用いて1000℃で1時間焼成して、熱膨張係数を評価するための黒鉛成形体の試験片を得た。この試験片を200℃に設定した恒温槽に入れ、300℃まで加熱した。200℃から300℃まで加熱する過程での試験片の長さ方向への長さの変化量を測定し、測定値から熱膨張係数(CTE)を算出した。加熱前の試験片の長さをL、加熱過程での長さの変化量をΔL、加熱過程での温度変化量をΔTとすると、CTEは以下の式から算出される。
CTE=ΔL/(L・ΔT)
4.結果
表1に評価結果を示す。実施例1、2及び3のニードルコークス粉体においては、オーダーパラメータの平均値が0.86以上である。実施例1、2及び3のニードルコークス粉体を含む黒鉛成形体は、200~300℃の範囲で1.27×10-6/℃以下の線膨張係数を示した。一般に、高温になるほど線膨張係数が大きくなる傾向があることから、200℃を超える高温域を含む範囲で示される1.27×10-6/℃以下の線膨張係数は、非常に小さいものであるといえる。
Figure 0007408567000001
1a,1b,1c…ニードルコークス粒子、1a’,1c’…ニードルコークス粒子の黒鉛化物、3…ニードルコークス粒子の表面に観察される直線、5a,5c…黒鉛成形体、7…黒鉛化バインダー、D…ニードルコークス粒子の長軸方向。

Claims (2)

  1. 複数のニードルコークス粒子を含む未選別粉体を準備し、前記ニードルコークス粒子に含まれる結晶の、前記ニードルコークス粒子の長軸方向に対する配向の程度を表すオーダーパラメータを測定することと、
    前記オーダーパラメータが全体の平均で0.86以上1以下である複数の前記ニードルコークス粒子からなるニードルコークス粉体が得られるように、前記オーダーパラメータの値に基づいて前記ニードルコークス粒子を選別することにより、選別された複数の前記ニードルコークス粒子からなるニードルコークス粉体を得ることと、
    を含
    前記オーダーパラメータが、前記ニードルコークス粒子の表面において観察される多数の直線の方向を結晶の配向方向とみなし、これらと前記ニードルコークス粒子の長軸方向とがなす角度θに基づいて、下記式により求められる、
    オーダーパラメータ = (3<cos θ>-1)/2
    ニードルコークス粉体を製造する方法。
  2. 前記ニードルコークス粉体に含まれる前記ニードルコークス粒子のアスペクト比が、複数の前記ニードルコークス粒子全体の平均で1.1以上10以下である、請求項1に記載の方法。
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