JPWO2007049802A1 - トナー - Google Patents
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Abstract
Description
近年このような複写装置は、より小型化,より軽量化そしてより高速化,より高信頼性が厳しく追及されてきている。例えば、単なる一般に言うオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機ということだけでなく、コンピューターの出力としてのデジタルプリンターあるいはグラフィックデザイン等の高細密画像のコピー用、さらにはより信頼性が要求される軽印刷(パソコンによる文書の編集からコピー、製本までの多品種少量印刷が可能なプリント・オン・デマンド用途)向けに使われはじめた。そのため、多彩な紙種に対応できる定着性能を求められるようになってきた。
従来、トナー用樹脂としてはポリエステル樹脂、及びスチレン系樹脂などのビニル系共重合体が主に使用されている。ポリエステル樹脂は元来低温定着性に優れた性能を有しているが、その反面高温でのオフセット現象を発生しやすいという欠点も合わせもっている。この欠点を補うためにポリエステル樹脂の分子量を上げて粘度を上げようとすると、低温定着性を損なうばかりではなく、トナー製造時の粉砕性についても悪化させてしまい、トナーの微粒子化にも不適なものとなってしまう。
また、スチレン系樹脂などのビニル系共重合体は、トナー製造時の粉砕性に優れ、高分子量化が容易なため耐高温オフセット性には優れているが、低温定着性を向上させるために分子量を下げると耐ブロッキング性や現像性が低下してしまう。
これらの2種類の樹脂の長所を有効に活かし、欠点を補うために、ポリエステル樹脂とスチレン系樹脂とポリエステル樹脂とスチレン系樹脂の一部が反応した樹脂のうち少なくとも2種以上の樹脂を用いたトナーが開示されている。(例えば、特開平11−194536号公報および特開2000−56511号公報参照。)
これらの方法では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体の相溶性は向上し、定着温度領域の広いトナーを得ることは出来るが、近年軽印刷用途として求められている表面に凹凸のある厚紙から非常に薄い紙に至るまでの幅広い紙種において同一の定着性を達成するには未だ不十分である。
さらに、トナーの粘弾性の周波数分散測定から得られた合成曲線の周波数依存状態を制御することで低温定着性を向上させることが出来る技術が開示されている。(例えば、特開平4−199061号公報参照。)また、トナーの弾性率を制御することで幅広い定着領域を得ることが出来る技術が開示されている。(例えば、特開平8−234480号公報参照。)
しかし、これらの技術も同様に軽印刷用途としての高速の画像形成に対する対応及び多様な紙種への対応を考慮した場合、改善の余地を有する。さらに、印刷物自体を商品として考慮した場合、トナー劣化に伴う画像品質の変化が生じるため改善の余地を有する。
本発明の更なる目的は、高速で画像形成を行う場合であっても、優れた定着性が得られ、良好な画像形成が可能なトナーを提供することにある。
本発明の更なる目的は、紙の種類を問わず、優れた低温定着性、高温オフセット性が得られるトナーを提供することにある。
本発明の更なる目的は、高湿下及び低湿下で使用しても高い画像品質が安定して得られ、経時においても画像欠陥を生じにくいトナーを提供することにある。
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナーであって、該トナーの150℃を基準温度としたときのマスターカーブにおいて、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G’(0.1)と周波数1000Hzにおける貯蔵弾性率G’(1000)の差G’(1000)−G’(0.1)が0〜2.5×105Paであり、そのときのシフトファクターaTから求められる活性化エネルギーEaが50〜130kJ/molであることを特徴とするトナーである。
本発明のトナーを用いることによって、紙の種類を問わず低温定着、耐高温オフセット性に優れた画像形成を行うことができ、また、高湿下及び低湿下で使用しても高い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠陥を生じにくい画像形成を行うことが出来る。
さらに、本発明者らは上記トナー特性を制御することにより、耐久劣化のないトナーが得られることを見出した。
さらに、本発明者らはトナーの粘弾特性及び活性化エネルギーは結着樹脂の分子レベルでの架橋構造制御及び、トナーの製造時におけるその連続構造である層構造の制御によって、容易に制御できることを見出した。
本発明のトナーは、トナーの150℃を基準温度としたときのマスターカーブにおいて、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G’(0.1)と周波数1000Hzにおける貯蔵弾性率G’(1000)の差G’(1000)−G’(0.1)が0〜2.5×105Paであることを特徴とする。
一般的に粘弾性測定の周波数分散測定から得られるマスターカーブは架橋構造を有する物質における架橋密度を示すことが知られている。マスターカーブにおける貯蔵弾性率G’に周波数依存性がある場合は分子レベルでの絡み合いによる擬似架橋点により緩やかな3次元網目構造を形成しているためであると考えられる。即ち、その物質の架橋密度が低いと考えられる。また、マスターカーブにおける貯蔵弾性率G’に周波数依存性がない場合は3次元網目構造を密な網目構造で維持しているためであると考えられるため、その物質の架橋密度は高いと考えられる。本発明者らの検討によりこのような貯蔵弾性率の周波数依存性は高温オフセット性、トナーの機械的強度と非常に相関があることが明らかとなった。
即ち、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G’(0.1)と周波数1000Hzにおける貯蔵弾性率G’(1000)の差G’(1000)−G’(0.1)が2.5×105Paよりも大きい場合、トナー中に存在する架橋構造の架橋密度が低いことを示している。このような場合、高温において架橋構造の変形が促進されることから、トナーの弾性が低下し、紙からの離型作用が低下することにより高温オフセット性に劣るようになる。さらに、特に原図用紙等の薄紙に定着させた場合、紙からの離型作用が著しく低下することから定着ローラーへの巻きつきが発生する。さらに、長期間の使用においてトナー劣化が進行し、画像濃度、画像品質の経時変化が生じやすくなり、また、特に高温高湿下においてカブリが発生しやすくなる。
また、本発明のトナーは上記特徴を有すると共にトナーの150℃を基準温度としたときのマスターカーブを作成するときのシフトファクターaTから求められる活性化エネルギーEaが50〜130kJ/mol(より好ましくは60〜120kJ/mol)であることが非常に重要である。上記トナーの活性化エネルギーEaとは分子レベルでの網目構造の連続構造である層構造が変形する際に必要な障壁であると考えられる。これは即ちトナーの熱による変形しやすさを示しており、活性化エネルギーが低いほど低温定着性が良好であると言える。活性化エネルギーEaが130kJ/molよりも大きい場合、トナーが熱により変形しにくいことを示す。このような場合、高速で画像形成を行うと普通紙での定着性も劣るようになってしまう。活性化エネルギーEaが50kJ/molよりも小さい場合、トナーの熱による変形は起こりやすいが、定着部材や現像担持体への付着が生じやすくなる。さらに長期間の使用においてトナー劣化が進行し、画像濃度、画像品質の経時変化が生じるようになる。
以上のように、トナーの粘弾性測定により得られる貯蔵弾性率の周波数による依存状態及び活性化エネルギーの値を両立することで、分子レベルでの機械的強度を維持した上で、凹凸を持つ厚紙から原図用紙等の薄紙まで幅広い紙種において広い定着領域を得ることが可能となる。
本発明における周波数分散測定から得られるマスターカーブ及び活性化エネルギーは以下の方法で測定される。周波数分散測定から得られるマスターカーブは、ある範囲の周波数で測定された任意の温度Tにおける粘弾性関数を時間−温度換算則に従って基準温度T0の値にシフトした曲線に相当するため、基準温度T0で測定した広い周波数範囲での測定値と一致すると考えられている。トナーのような粘弾性体においては貯蔵弾性率の幅広い周波数依存性を測定することは困難であるため、トナーの幅広い範囲での周波数依存性を評価する上で粘弾性測定の周波数分散測定は非常に有用な方法である。以下に具体的な測定方法を述べる。
測定装置としては、回転平板型レオメーター ARES(商品名、TA INSTRUMENTS社製)を用いる。
測定試料は、トナーを25℃で錠剤成型器により加圧成型した直径25mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状の試料を用い、パラレルプレートに装着し、室温(25℃)から100℃に15分間で昇温して、円板の形を整えた後、測定を開始する。
特に、初期のノーマルフォースが0になるようにサンプルをセットすることが重要である。そして、その後の測定においては、自動テンション調整(Auto Tension Adjustment ON)にすることで、ノーマルフォースの影響をキャンセルする。
測定は、以下の条件で行う。
1. 直径25mmのパラレルプレートを用いる。
2. 周波数(Frequency)を0.1Hz(Initial),100Hz(Final)とする。
3. 印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
4. スタート温度を100℃,終了温度を160℃,昇温ステップを10℃,保留時間(SOAK TIME)を1分とし測定を開始する。
尚、測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用し、以下の自動調整モードの条件に設定する。
5. 自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
6. 初期スタティックフォース(Initial Static Force)を0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を10.0gと設定する。
7. 自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×106(Pa)よりも小さい場合である。
上記の要領で0.1〜100Hz,100℃〜160℃の範囲で測定した貯蔵弾性率G’の結果から以下の方法でマスターカーブを作成する。尚、本発明においては紙上におけるトナーの溶融状態が重要であることからトナーが溶融した状態である150℃を基準温度としてマスターカーブを作成した。尚、シフトさせる方法については、縦横をシフトさせて最適化するためにTwo Dimensional Minimizationを選択し、計算方法はシフトファクターの傾斜を優先して計算するようにGuess Modeを選択する。さらに、マスターカーブを作成する際に得られたシフトファクターaTの対数を縦軸に、そのときの測定温度Tの逆数を横軸にプロットしたアレニウスプロットから活性化エネルギーを算出することが可能となる。上記の如き解析は、ARESで行うことができる。
また、トナーは、トナーの150℃を基準温度としたときのマスターカーブにおいて、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G’(0.1)が2×103〜1.5×104Paであることが好ましい。貯蔵弾性率G’(0.1)が2×103Pa未満の場合、高温時に弾性を十分に保持できなくなり、高速で画像形成を行うと、紙種を問わず高温オフセット性が低下する傾向にある。さらに、トナーが長期間使用された場合、画像品質が低下する傾向がある。一方、G’(0.1)が1.5×104Paを超える場合、高温時に弾性の影響が大きくなるため凹凸のある厚紙での定着性が低下する傾向にある。
さらにトナーは、トナーの150℃を基準温度としたときのマスターカーブにおいて、周波数1000Hzにおける貯蔵弾性率G’(1000)が8.0×104〜3.0×105Paであることが好ましい。G’(1000)が8.0×104Pa未満の場合、トナーの機械的強度が低下する傾向にあり、長期間使用された場合、画像品質が低下しやすくなる。特に高温高湿環境下での長期間の使用においてカブリが生じやすくなる。また、G’(1000)が3.0×105Paを超える場合、トナーの弾性が強くなりすぎる傾向にあり、高速で画像形成を行うと、紙種を問わず低温定着性が低下する。
また、結着樹脂は、トナー中において、テトラヒドロフラン(THF)を用いた16時間のソックスレー抽出で抽出されないTHF不溶分Aを含有しており、かつ、該THF不溶分Aは、トルエン(TOL)を用いた16時間のソックスレー抽出で抽出されないTOL不溶分Bを含有していることが好ましい。そして、該THF不溶分Aと該TOL不溶分Bとが0.10≦B/A≦0.60を満足することがより好ましく、0.15≦B/A≦0.40を満足することが更に好ましい。
テトラヒドロフランとトルエンの溶解度パラメーターは、それぞれ18.6J0.5m−1.5、18.2J0.5m−1.5であってほぼ同じであり、溶媒和による溶解量の差はほとんど生じないと考えられる。そのため、テトラヒドロフランを用いたソックスレー抽出で抽出されなかったTHF不溶分から、トルエンを用いたソックスレー抽出によって可溶分が抽出される理由は、両溶媒を用いた時の抽出温度の差に主に起因するものであると考えられる。テトラヒドロフランの沸点は66℃であり、トルエンの沸点は110.6℃であり、この温度差に起因して、一部の分子のからまりが解け、不溶分(テトラヒドロフラン不溶分)であった成分が可溶分(トルエン可溶分)になったと考えられる。
THF不溶分AとTOL不溶分Bの比B/Aが0.10よりも小さい場合はTOL抽出による不溶分がほとんど存在せず、TOLの沸点でほとんどの絡み合いがほどけてしまうことを示す。このように熱的安定性に優れた高架橋成分が存在しないため機械的シェアに弱くなり、トナー劣化が進みやすくなる。その結果、長期間にわたって画像品質を安定に保ちにくくなる。さらに、原図用紙のような薄紙に定着させた場合、紙からの離型効果が著しく低下するため定着部材への巻きつきが生じる。THF不溶分AとTOL不溶分Bの比B/Aが0.60よりも大きい場合は溶媒の温度上昇(THFとTOLの沸点の差)により分子のからまりが解けて可溶成分となる成分がほとんど無いことを示す。このような場合、普通紙での定着性が低下してしまう。
使用される結着樹脂は、ポリエステルユニットとビニル系共重合ユニットを含有することが好ましい。一般的に低温定着性に優れるポリエステルユニットと、耐高温オフセット性に優れ、且つ離型剤との相溶性の高いビニル系共重合ユニットを含有させ、その異なった2種の結着樹脂の分子量分布等の物性の制御を任意に行うことで、上記特徴を有する架橋分子構造及びその連続構造である層構造を容易に設計することができる。
また、所望の効果を得るために、結着樹脂としては、ポリエステルユニットとビニル系共重合ユニットが化学的に結合したハイブリッド樹脂が、架橋点の制御の観点から好ましい。
ポリエステルユニットとビニル系共重合ユニットの混合比(質量基準)は、ポリエステルユニット/ビニル系共重合体ユニット=50/50〜90/10であることが分子レベルでの架橋構造の制御の観点で好ましい。ポリエステルユニットが50質量%より少ない場合には周波数分散から得られるマスターカーブの周波数依存性が大きくなるため、多様な紙種に対して求める低温定着性が得られず、またポリエステルユニットが90質量%より多い場合も同様にマスターカーブの周波数依存性が大きくなるだけではなく、保存性や離型剤の分散状態への影響が生じるため好ましくない。
また、結着樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPCによるピーク分子量Mpが5000〜15000、重量平均分子量Mwが5000〜300000、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが5〜50であることが好ましい。Mp、Mwが小さく分布がシャープである場合には、高温オフセットの改善効果が小さくなってしまう。また、Mp、Mwが大きく分布がブロードである場合には、低温定着性の改善効果が小さくなってしまう。
結着樹脂のガラス転移温度は定着性,保存性の観点から53〜62℃が好ましい。
また、結着樹脂は、16時間抽出したときのTHF不溶分を15〜50質量%含有していることが好ましく、より好ましくは15〜45質量%である。
THF不溶分は定着ローラーなどの加熱部材からの良好な離型性を発現するために有効な成分であるため高速機に適用された場合、定着ローラーなどの加熱部材へのトナーのオフセット量が低減する効果がある。15質量%未満の場合には、上記効果が発現しにくく、50質量%を超える場合には、定着性が低下するだけでなく、トナー中への原材料の分散に劣るようになり、帯電性が不均一になる傾向にある。
結着樹脂として上記のような樹脂を単独で使用しても良いが、軟化点の異なる2種以上の結着樹脂を混合して使用しても良い。
これら2種類の樹脂を混合して使用する場合、比率は保存性、定着性、オフセット性、高耐久現像性の観点から、一方の樹脂を40〜90質量%の割合で用いることが好ましい。
以下、結着樹脂に含まれるポリエステルユニットを形成するために用いられるモノマーについて説明する。尚、ポリエステルユニットとは、ポリエステル骨格を有するユニットのことであり、ポリエステル樹脂、或いは、ハイブリッド樹脂におけるポリエステル骨格部分を指す。
ポリエステルユニットに用いられる脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、及びこれらの誘導体及びそれらの酸無水物などが挙げられ、マレイン酸、フマル酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物、アジピン酸が架橋構造を制御できる観点で好ましい。
また脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられ、好ましくはエチレングリコールである。
3価以上の多価カルボン酸またはその無水物としては例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物または低級アルキルエステル等が挙げられる。3価以上の多価アルコールとしては例えば、1,2,3−プロパントリオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等が挙げられるが、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びその無水物とペンタエリスリトールが架橋構造を制御できるという点で好ましい。
その他の2価のアルコール成分としては、前述の脂肪族ジオールの他に水素化ビスフェノールA、または下記式(ア)で示されるビスフェノール誘導体、及び下記式(イ)で示されるジオール類が挙げられる。
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
その他の2価のカルボン酸としては、前述の脂肪族ジカルボン酸の他にフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等の芳香族ジカルボン酸またはその誘導体が挙げられる。
次に、結着樹脂に含まれるビニル系共重合ユニットを生成するためのビニル系モノマーとしては次のようなスチレン系モノマー及びアクリル酸系モノマーが挙げられる。尚、ビニル系共重合ユニットとは、ビニル樹脂骨格を有するユニットのことであり、ビニル系共重合体、或いは、ハイブリッド樹脂におけるビニル樹脂骨格部分を指す。
スチレン系モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン及びp−ニトロスチレンの如きスチレン誘導体が挙げられる。
アクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル及びアクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリル酸の如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル及びメタクリル酸フェニルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル類;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、ビニル系共重合ユニットのモノマーとしては、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシルプロピルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
ビニル系共重合ユニットには、ビニル重合が可能な種々のモノマーを必要に応じて併用することができる。このようなモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸の酸無水物;該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
ハイブリッド樹脂を合成する場合には、ビニル系モノマーとして、付加重合と重縮合の両反応性物質となる不飽和の二塩基酸,その無水物,そのハーフエステルを用いることが好ましく、マレイン酸,無水マレイン酸,フマル酸が特に好ましい。その中でも、スチレンとの反応速度の異なるマレイン酸とフマル酸の併用、或いは、反応の初期と後期にフマル酸或いはマレイン酸を分割添加することが好ましく、これによって容易に架橋構造制御が達成できる。詳細には、ポリエステルモノマー系及びビニル系モノマー系の両方にフマル酸(或いはマレイン酸)を含有させて、ハイブリッド樹脂を合成することが好ましく、その際の添加量としては、モル比で1:3〜3:1の割合で含有させることが特に好ましい。
また、前記ビニル系共重合ユニットは、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体であってもよい。架橋性モノマーには、例えば芳香族ジビニル化合物、アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、ポリエステル型ジアクリレート類、及び多官能の架橋剤等が挙げられる。
芳香族ジビニル化合物としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。
アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び、これらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び、これらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び、これらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。ポリエステル型ジアクリレート類としては、例えば商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
これらの架橋性モノマーは、他のモノマー成分100質量部に対して、0.01〜10質量部(さらに好ましくは0.03〜5質量部)用いることができる。またこれらの架橋性モノマーのうち、定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)や、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
前記ビニル系共重合ユニットは、重合開始剤を用いて製造された樹脂であっても良い。これらの重合開始剤は、効率の点からモノマー100質量部に対し0.05〜10質量部で用いるのが好ましい。
このような重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−カーバモイルアゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
結着樹脂としてより好ましく用いることのできるハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニット及びビニル系共重合ユニットが直接または間接的に化学的に結合している樹脂である。ハイブリッド樹脂を得る方法としては、ポリエステルユニットの原料モノマーとビニル系共重合ユニットの原料モノマーを同時に、もしくは順次反応させることにより得ることができる。上記ハイブリッド樹脂において所望の架橋構造を得るためには上述したように反応性の異なるフマル酸,マレイン酸を併用するか、反応の初期と後期にフマル酸或いはマレイン酸を分割添加することが好ましい。さらに、両反応性物質から生じるゲル化を抑制し、架橋構造を制御するためには、比較的に低い温度で重縮合を行うことが好ましく、重縮合時の反応温度は200〜220℃で行うことが好ましい。
トナーは、示差走査型熱量計(DSC)測定による昇温時の最大吸熱ピークのピーク温度で規定される融点が60〜120℃(より好ましくは70〜115℃)である離型剤を含有することができる。融点が60℃未満の場合はトナーの粘度が低下して離型効果が低下し、耐久による現像部材・クリーニング部材への汚染が発生してしまい、融点が120℃を超える場合は求める低温定着性が得られにくい。
離型剤は、結着樹脂100質量部に対して、1乃至20質量部添加することが好ましい。添加量が、1質量部未満の場合は離型効果が十分に得られず、20質量部を超える場合はトナー中での分散が困難となり、像担持体(感光体)へのトナー付着や、現像部材・クリーニング部材の表面汚染などが起こり、トナー画像が劣化するなどの問題を引き起こし易くなる。
離型剤としては例えば、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス及びフィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;それら脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックス及び脂肪酸エステルワックスの如きエステルワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類の如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;炭素数12以上の長鎖アルキルアルコールまたは長鎖アルキルカルボン酸;等が挙げられる。
特に好ましく用いられる離型剤としては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。このような脂肪族炭化水素系ワックスとしては、例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合し、または低圧下でチーグラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス及びそれを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス;これらの脂肪族炭化水素系ワックスをプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別したもの;が挙げられる。
前記脂肪族炭化水素系ワックスの母体としての炭化水素としては、例えば、金属酸化物系触媒(多くは二種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの(例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物);ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレン等のアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素;が挙げられる。このような炭化水素の中でも、本発明では、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であることが好ましく、特にアルキレンの重合によらない方法により合成された炭化水素がその分子量分布からも好ましい。
使用できる離型剤の具体的な例としては、ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学株式会社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)等があげられる。
離型剤を添加するタイミングは、トナー製造中の溶融混練時において添加しても良いが結着樹脂製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。また、これらの離型剤は単独で使用しても併用しても良い。
本発明は、磁性トナー及び非磁性トナーのいずれにも適用できるが、高速機における耐久安定性などの点から磁性トナーであることが好ましい。
磁性トナーとして用いる場合、用いられる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトなどの酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bf,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、及びこれらの混合物等が挙げられる。従来、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(Cd3Fe2O4)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジム(NdFe2O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉等が知られている。特に好適な磁性材料は四三酸化鉄または三二酸化鉄の微粉末である。また上述した磁性材料を単独で或いは2種以上選択して使用することもできる。
これらの磁性材料は795.8kA/m印加での磁気特性に関し、抗磁力(Hc)1.6〜12.0kA/m、磁化の強さ(σ10k)50〜200Am2/kg(好ましくは50〜100Am2/kg)、残留磁化(σr)2〜20Am2/kgのものが好ましい。磁性材料の磁気特性は、25℃,外部磁場769kA/mの条件下において振動型磁力計、例えばVSM P−1−10(東英工業社製)を用いて測定することができる。該磁性材料は、結着樹脂100質量部に対して、10乃至200質量部添加するのが好ましい。
非磁性トナーとして用いる場合には、着色剤として以下のような顔料または染料を用いることができる。
着色剤としては、カーボンブラックやその他公知のあらゆる顔料や染料の一種または二種以上を用いることができる。
染料としては、C.I.ダイレクトレッド1,C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1,C.I.ベーシックレッド1,C.I.モーダントレッド30,C.I.ダイレクトブルー1,C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15,C.I.ベーシックブルー3,C.I.ベーシックブルー5,C.I.モーダントトブルー7,C.I.ダイレクトグリーン6,C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
また、トナーをフルカラー画像形成用トナーとして使用する場合には、次の様な着色剤が挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
上記マゼンタ顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料を併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1などの油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28などの塩基性染料が挙げられる。
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45または下記構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などである。
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,35,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20などが挙げられる。
着色剤は樹脂成分100質量部に対して、0.1〜60質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜50質量部である。
本発明のトナーには、その帯電性を安定化させるために電荷制御剤を用いることができる。電荷制御剤は、その種類や他のトナー粒子構成材料の物性等によっても異なるが、一般に、トナー粒子中に結着樹脂100質量部当たり0.1〜10質量部含まれることが好ましく、0.1〜5質量部含まれることがより好ましい。このような電荷制御剤としては、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種または二種以上用いることができる。
トナーを負帯電性に制御するものとしては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例としては、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体;芳香族ヒドロキシカルボン酸または芳香族ジカルボン酸の金属錯体または金属塩;が挙げられる。その他にも、トナーを負帯電性に制御するものとしては、例えば芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノール等のフェノール誘導体;等が挙げられる。
トナーを正帯電性に制御するものとしては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート;等が挙げられる。本発明ではこれらの一種または二種以上組み合わせて用いることができる。トナーを正帯電性に制御するものとしては、これらの中でもニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩等の電荷制御剤が特に好ましく用いられる。
使用できる具体的な例としては、Spilon Black TRH、T−77、T−95(以上、保土谷化学工業社)、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(以上、オリエント化学社)があげられ、正帯電用としては好ましいものとしては、例えばTP−302、TP−415(以上、保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)N−01、N−04、N−07、P−51(以上、オリエント化学社)、コピーブルーPR(クラリアント社)が例示できる。
また、電荷制御樹脂も用いることができ、上述の電荷制御剤と併用することもできる。
本発明においては、トナーの帯電性は正負どちらでも構わないが、結着樹脂であるポリエステル樹脂自体は負帯電性が高いため、負帯電性トナーであることが好ましい。
本発明のトナーに流動性向上剤として無機微粉末を使用しても良い。該流動性向上剤としては、トナー粒子に外添することにより、流動性を向上し得るものならば使用可能である。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の微粉末シリカ、それらシリカにシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ等がある。好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカまたはヒュームドシリカと称されるもので、従来公知の技術によって製造されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
この製造工程において、例えば塩化アルミニウムまたは塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも本明細書においては“シリカ”に包含される。その粒径は、平均の一次粒径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。
AEROSiL(日本アエロジル社)
130
200
300
380
TT600
MOX170
MOX80
COK84
Ca−O−SiL(CABOT Co.社)
M−5
MS−7
MS−75
HS−5
EH−5
Wacker HDK N 20
(WACKER−CHEMIE GNBH社)
V15
N20E
T30
T40
D−CFine Silica(ダウコーニングCo.社)
Fransol(Francil社)
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を疎水化処理した処理シリカ微粉体を用いることが好ましい。該処理シリカ微粉体は、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化度が30乃至80の範囲であるものが特に好ましい。
疎水化方法は、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって行うことができる。好ましい方法は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する方法である。そのような有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1−ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
該無機微粉体は、シリコーンオイル処理されても良く、また、上記疎水化処理と併せて処理されても良い。
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30〜1000mm2/sのものが用いられ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。
シリコーンオイル処理の方法としては、例えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法;を用いることが可能である。シリコーンオイル処理シリカについては、シリコーンオイルでの処理後にシリカを不活性ガス中で200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコートを安定化させることがより好ましい。
窒素原子を有するアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミンの如きシランカップリング剤も単独あるいは2種以上の組み合せにおいて使用することができる。好ましいシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
本発明においては、シリカを予めカップリング剤で処理し、その後にシリコーンオイルで処理する方法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ましい。
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。未外添のトナー母粒子100質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
また、トナーには必要に応じて流動性向上剤以外の外部添加剤を添加しても良い。
例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、離型剤、滑剤、研磨剤などの働きをする樹脂微粒子や無機微粒子などである。このようなものとしては、例えば、テフロン(登録商標)、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリフッ化ビニリデンが好ましい。あるいは、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。あるいは、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。あるいはケーキング防止剤や、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズなどの導電性付与剤を使用することができ、また、逆極性の微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
トナー母粒子と混合される樹脂微粒子または無機微粉体または疎水性無機微粉体などは、トナー母粒子100質量部に対して、0.1乃至5質量部使用するのが好ましい。
また本発明のトナーは、画像濃度、解像度などの点から、重量平均粒径が3乃至9μmであることが好ましい。
以下に、本発明に係る物性の測定方法を示す。
[THF不溶分の測定]
トナー約1.0gを秤量(W1g)し、円筒ろ紙(例えばNo.86Rサイズ28×100mm東洋ろ紙社製)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mlを用いて、16時間抽出する。このとき、溶媒の抽出サイクルが約4分〜5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。抽出終了後、円筒ろ紙を取り出し、40℃で8時間真空乾燥し、抽出残分を秤量する(W2g)。
次にトナー中の焼却残灰分の重さを求める(W3g)。まず、予め精秤した30mlの磁性るつぼに約2gの試料を入れ精秤し、試料の質量(Wag)を精秤する。るつぼを電気炉に入れ約900℃で約3時間加熱し、電気炉中で放冷し常温下でデシケーター中に1時間以上放冷した後に、焼却残灰分を含むるつぼの質量を精秤する。この値から事前に測定しておいたるつぼの質量を引き、焼却残灰分(Wbg)を求める。これより、試料中の焼却残灰分含有率(質量%)を求めることができる。
焼却残灰分含有率=Wb/Wa
この含有率から試料の焼却残灰分の質量(W3g)を求める。
焼却残灰分の質量(W3g)=W1×(Wb/Wa)
そして、THF不溶分は下記式から求められる。
THF不溶分A(%)={(W2−W3)/(W1−W3)}×100
なお、結着樹脂等の樹脂以外の成分を含まない試料のTHF不溶分に関しては、所定量(W1g)を秤量した樹脂を上記と同じ工程で抽出し、その際の残分を精秤し(W2g)、下記式より求められる。
THF不溶分A(%)=(W2/W1)×100
上記の測定方法においては、試料を入れたるつぼを約900℃で加熱した際に炭化して消失(飛散)する成分をトナー中の結着樹脂成分としてみなしている。トナーには結着樹脂成分以外にも同様に加熱により消失(飛散)する成分が含まれているため、この考え方は厳密には正確ではないが、そのずれは小さく無視することができる。
[TOL不溶分の測定]
THF不溶分Aのトルエン再抽出による不溶分量の測定は以下のようにして行う。まず、THFでの抽出残分(W2g)を含む円筒ろ紙を用い、トルエン200mlにて再度16時間のソックスレー抽出を行う。このとき、溶媒の抽出サイクルが約4分〜5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。抽出終了後、円筒ろ紙を取り出し、40℃で8時間真空乾燥し、トルエン抽出残分を秤量する(W4g)。
TOL不溶分は下記式から求められる。
TOL不溶分B(%)={(W4−W3)/(W1−W3)}×100
[GPCによる分子量分布の測定]
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器として、RI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合せを挙げることができる。
また、試料は以下のようにして作製する
トナーをTHF中に入れ、25℃で数時間放置した後、十分振とうしてTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。そのときTHF中への放置時間が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマエショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。また、試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5.0mg/mlとなるように調整する。この25℃で24時間放置した試料溶液の測定によって得られた分子量分布におけるメインピークをMpとする。
[磁性トナーの粒度分布]
磁性トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターを用いて行う。測定装置としては、コールターマルチサイザーIIE(コールター社製)を用いる。電解液として、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON(R)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩)を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理にかけ、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出し、重量平均粒径(D4)を求める。
[樹脂のガラス転移温度(Tg)及びワックスの融点の測定]
測定装置 :示差走査型熱量計(DSC)、MDSC−2920,DSC−Q1000(TA Instruments社製)
測定方法 :ASTM D3418−82に準じて測定する。
測定環境 :常温常湿環境下
測定試料は2〜10mg、好ましくは3mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いて、測定温度範囲30〜200℃の間で測定を行う。昇温速度10℃/minで200℃まで昇温した後、一旦、降温速度10℃/minで20℃まで降温し、再度、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させ、この2回目の昇温過程で得られるDSC曲線をもって解析を行う。
ガラス転移温度(Tg)については、得られたDSC曲線より中点法で解析を行った値を用いる。また、ワックスの融点ついては、得られたDSC曲線の吸熱メインピークのピーク温度とする。
次に、トナーの製造方法について述べる。例えば、結着樹脂、着色剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後に粉砕及び分級を行い、更に必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し、本発明のトナーを得ることができる。所望の粘弾特性及び活性化エネルギー値を有するトナーを得るためには、個々の分子の架橋構造を制御するだけではなく、分子の集合体である樹脂としての構造を制御することが重要となる。本発明者らの検討では、熱混練工程における樹脂組成物の混錬状態を制御することで、上記構造の制御を行えることが明らかとなった。具体的には、熱混練時に比較的シェアをかけながら混練するために樹脂温度を130℃〜160℃にコントロールしつつ、混練時に発生する圧力を緩和するためにベント口を空けた状態で溶融混練を実施することが好ましい。
例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)が挙げられ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
<結着樹脂1の製造例>
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):25.0mol%
エトキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):23.5mol%
テレフタル酸:34.5mol%
無水トリメリット酸:5.0mol%
アジピン酸:6.5mol%
アクリル酸:4.0mol%
フマル酸:1.0mol%
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着して窒素雰囲気下にて135℃で攪拌した。そこに、ポリエステルユニット:ビニル系共重合体ユニットが質量比で4:1になるように、ビニル系共重合モノマー(スチレン84mol%と2−エチルヘキシルアクリレート14mol%)と重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイド)2mol%及びフマル酸0.5mol%(ポリエステルモノマーとして)を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、135℃で5時間反応した後、10kPa以下の減圧下で、反応温度を210℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂1を得た。
この結着樹脂1の諸物性を表2に示す。
<結着樹脂2の製造例>
表1に記載のモノマーを用いる以外は結着樹脂1の製造方法と同様にして、結着樹脂2を得た。
結着樹脂2の諸物性を表2に示す。
<結着樹脂3の製造例>
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):25.0mol%
エトキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):23.5mol%
テレフタル酸:34.5mol%
無水トリメリット酸:1.0mol%
アジピン酸:6.5mol%
アクリル酸:3.5mol%
フマル酸:1.0mol%
無水マレイン酸:1.0mol%
ペンタエリスリトール:4.0mol%
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着して窒素雰囲気下にて135℃で攪拌する。そこに、ポリエステルユニット:ビニル系共重合体ユニットが質量比で7:3になるように、ビニル系共重合モノマー(スチレン84mol%と2−エチルヘキシルアクリレート14mol%)と重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイド)2mol%を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、135℃で5時間反応した後、220℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂3を得た。
この結着樹脂3の諸物性を表2に示す。
<結着樹脂4、5及び7の製造例>
表1に記載のモノマーを用い、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとの割合を買える以外は結着樹脂3の製造方法と同様にして結着樹脂4、5及び7を得た。
これらの樹脂の諸物性を表2に示す。
<結着樹脂6の製造例>
表1に記載のモノマーを用いる以外は結着樹脂1の製造方法と同様にして結着樹脂1を得た。
これらの樹脂の諸物性を表2に示す。
<結着樹脂8及び9の製造例>
表1に記載のモノマーを用い、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとの割合を変え、更に重縮合の反応温度を230℃に変更する以外は結着樹脂3の製造方法と同様にして結着樹脂8及び9を得た。
これらの樹脂の諸物性を表2に示す。
<結着樹脂10及び11の製造例>
表1に記載のモノマーをエステル化触媒とともに5リットルオートクレーブに仕込み、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管、温度計及び攪拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂10及び11を得た。
これらの樹脂の諸物性を表2に示す。
<結着樹脂12の製造例>
表1に記載のポリエステルモノマーをエステル化触媒と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着して窒素雰囲気下にて230℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕してポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂70部を再度フラスコに入れ、120℃に昇温して溶解したところに表1に記載のビニル系共重合モノマー(スチレン84mol%、ブチルアクリレート7mol%、およびマレイン酸モノブチル7mol%)と2官能重合開始剤(1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン)2mol%との混合液を4時間かけて滴下した後、120℃に保持したまま7時間反応を行った。その後、常圧蒸留によりキシレン溶媒を除去し、180℃で4時間かけて減圧蒸留(10kPa以下)することで残存するモノマーを除去すると同時にスチレンアクリル樹脂と不飽和ポリエステル間のエステル結合によるハイブリッド化を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂12を得た。
結着樹脂12の諸物性を表2に示す。
<結着樹脂13の製造例>
4口フラスコ内に脱気水180部とポリビニルアルコールの2質量%水溶液20部を投入した後、スチレン70部,アクリル酸−n−ブチル25部,マレイン酸モノブチル5部,ジビニルベンゼン0.005部,及び2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(10時間半減期温度:92℃)0.1部の混合液を加え、攪拌し懸濁液とした。
フラスコ内を充分に窒素で置換した後、85℃まで昇温して、重合を開始した。同温度に24時間保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期温度:72℃)0.1部を追加した。さらに、12時間保持して重合を完了した。その後、該重合体を濾別し、水洗、乾燥し結着樹脂13を得た。
結着樹脂13の諸物性を表2に示す。
<結着樹脂14の製造>
・低分子量重合体(14L)含有溶液の製造
4口フラスコ内にキシレン300部を投入し、攪拌しながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
この還流下で、スチレン76部,アクリル酸−n−ブチル24部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド(開始剤1)2部の混合液を4時間かけて滴下した後、2時間保持して重合し、低分子量重合体(14L)含有溶液を得た。
・高分子量重合体(14H)含有溶液の製造
4口フラスコ内にキシレン300部を投入し、攪拌しながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
この還流下で、スチレン73部,アクリル酸−n−ブチル27部,ジビニルベンゼン0.005部及び2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(開始剤2;10時間半減期温度:92℃)0.8部の混合液を4時間かけて滴下する。全てを滴下した後、2時間保持し重合を完了し、高分子量重合体(14H)含有溶液を得た。
4口フラスコ内に、上記低分子量重合体(14L)含有溶液200部(低分子量成分30部相当)を投入し、昇温して還流下で攪拌する。一方、別容器に上記高分子量重合体(14H)含有溶液200部(高分子量成分70部相当)を投入し、還流させた。上記低分子量重合体(14L)含有溶液と高分子量重合体(14H)含有溶液を還流下で混合した後、キシレンを留去し、得られた樹脂を冷却、固化後粉砕して結着樹脂14を得た。
結着樹脂14の諸物性を表2に示す。
[実施例1]
・結着樹脂1 70部
・結着樹脂7 30部
・磁性酸化鉄粒子A(個数平均粒径0.14μm、795.8kA/mにおける磁気特性:Hc=11.5kA/m、σ10k=90Am2/kg、σr=16Am2/kg)
70部
・ワックスa(フィッシャートロプシュワックス(融点105℃))4部
・荷電制御剤−3 2部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。このとき、混練された樹脂の温度が140〜150℃になるように滞留時間をコントロールし、且つ混練時に発生する圧力を開放するために混練機のベント口を開放した状態で混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.3μmのトナー母粒子を得た。トナー母粒子100部に対し、疎水性シリカ微粉体(BET比表面積140m2/g)を1.0部とチタン酸ストロンチウム(50%平均粒径1.0μm)3.0部を外添混合した。外添後、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。
トナー内添処方及び物性値を表3に示す。
このトナー1を用いて、23℃5%RH、23℃60%RH、32℃80%RHの環境下において、市販の複写機(IR−6570、キヤノン製)を1.5倍のプリントスピードに改造した装置で、印字比率4%のテストチャートを用いて、20万枚の連続プリント試験を行い、初期と耐久後の画像濃度とカブリの評価を行った。
画像濃度としては、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して5mm角の画像の反射濃度を測定した。カブリは、反射濃度計(リフレクトメーターモデル TC−6DS 東京電色社製)を用いて行い、画像形成後の白地部反射濃度最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−Drをカブリ量として評価を行った。したがって、数値の少ない方がカブリ抑制に優れていることを示す。
次に、また、市販の複写機(IR−6570 キヤノン製)の定着器を外部へ取り出し、複写機外でも動作し、定着ローラー温度、プロセススピード、加圧力を任意に設定可能になるように改造した外部定着器を用い、定着性、耐オフセット性の評価を行った。
定着性の試験は、プロセススピードを500mm/s、加圧力30kgf/cm2の条件で、90g/m2紙を用い、ベタ黒とハーフトーンの2種類の未定着画像を140℃に温調した定着器に通紙し、50g/cm2の荷重をかけたシルボン紙で定着画像を5往復摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)を調べることにより評価した。また、凹凸のある紙としてレザック66(富士ゼロックスオフィスサプライ(株))(151g/m2)を用い、ベタ黒の未定着画像を通紙して、同様にして画像濃度の低下率(%)を調べることにより、エンボス紙における定着性を評価した。尚、画像濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して測定した。
A:10%未満。
B:10%以上、20%未満。
C:20%以上。
オフセット性はプロセススピードを50mm/s、加圧力50kgf/cm2の条件で、50g/m2紙を用い、画像面積率約5%の未定着画像を240℃に温調した定着器に通紙し、画像上の汚れを観察することにより評価した。
A:良好。
B:わずかに汚れる程度。
C:画像に影響する汚れ発生。
巻きつきについては、薄紙として第2原図用紙を用い、先端余白部のないベタ黒の未定着画像を240℃に温調した定着器に通紙し、以下の基準により評価した。
A:巻きつきが発生しない。
B:巻きつきは発生しないが、通紙により紙がカールし、且つ定着ローラーへのオフセットが発生。
C:定着ローラーへの巻きつきが発生。
上記の評価の結果を表4〜7に示す。
[実施例2]
表3に記載したように樹脂の種類及び混合比を変更し、且つ、混練時の樹脂温度を155〜165℃に制御し、圧力を開放するためのベント口を閉じた状態で混練を行うように変更した以外は実施例1と同様にしてトナー2を作製した。得られたトナーの物性値を表3に示す。また、これらのトナーを用いて実施例1と同様の試験をした結果を表4〜7に示す。
[実施例3〜8]
表3に記載したように樹脂の種類及び混合比を変更した以外は実施例1と同様にしてトナー3〜8を作製した。得られたトナーの物性値を表3に示す。また、これらのトナーを用いて実施例1と同様の試験をした結果を表4〜7に示す。
[比較例1〜6]
表3に記載したように樹脂の種類及び混合比、及び、荷電制御剤の種類を変更した以外は実施例1と同様にしてトナー9〜14を作製した。得られたトナーの物性値を表3に示す。また、これらのトナーを用いて実施例1と同様の試験をした結果を表4〜7に示す。
荷電制御剤−1
荷電制御剤−2
荷電制御剤−3
Claims (6)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナーであって、該トナーの150℃を基準温度としたときのマスターカーブにおいて、周波数0.1Hzにおける貯蔵弾性率G’(0.1)と周波数1000Hzにおける貯蔵弾性率G’(1000)の差G’(1000)−G’(0.1)が0〜2.5×105Paであり、そのときのシフトファクターaTから求められる活性化エネルギーEaが50〜130kJ/molであることを特徴とするトナー。
- 該トナーの活性化エネルギーEaが60〜120kJ/molであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 結着樹脂は、トナー中において、テトラヒドロフラン(THF)を用いた16時間のソックスレー抽出で抽出されないTHF不溶分Aを含有しており、かつ、該THF不溶分Aは、トルエン(TOL)を用いた16時間のソックスレー抽出で抽出されないTOL不溶分Bを含有し、該THF不溶分Aと該TOL不溶分Bとが下記式(1)
0.1≦B/A≦0.6 (1)
を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。 - 該結着樹脂が、ポリエステルユニット及びビニル系重合ユニットを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- 該結着樹脂が、ポリエステルユニットを50〜90質量%含有することを特徴とする請求項4に記載のトナー。
- 該結着樹脂が、ポリエステルユニットとビニル系重合ユニットが化学的に結合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナー。
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