JP2004046120A - トナー - Google Patents
トナー Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004046120A JP2004046120A JP2003135888A JP2003135888A JP2004046120A JP 2004046120 A JP2004046120 A JP 2004046120A JP 2003135888 A JP2003135888 A JP 2003135888A JP 2003135888 A JP2003135888 A JP 2003135888A JP 2004046120 A JP2004046120 A JP 2004046120A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- sulfur
- containing resin
- resin
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Abstract
【解決手段】結着樹脂、着色剤及び含イオウ樹脂を少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、トナー粒子は、トナー粒子中に含まれるイオウ量をTsとし、トナー粒子のイソプロピルアルコール不溶成分中に含まれるイオウ量をIsとしたときに、0.50≦Is/Ts≦0.95を満足するように含イオウ樹脂を含有する。
【選択図】 なし
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法又はトナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては、光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙のごとき転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧あるいは溶剤蒸気により定着し、トナー画像を得る方法が知られている。近年では複写機及びプリンタのデジタル化が進み、コピー及びプリント画像はこれまで以上の高画質化が望まれている。これに伴いドット再現性を向上するためにはトナーの微粒子化が必要となる。トナーの微粒子化は、画像の解像力や鮮鋭度を上げる上で効果的であるが、その一方で種々の問題を生じることがある。
【0003】
例えば、トナー粒子径を小さくすると、トナーの表面積が増え、帯電量分布の幅が大きくなることから、非画像部にトナーが現像されるカブリを生じやすくなる。また、トナーの帯電特性が環境の影響をより一層受けやすくなる。このカブリ等を減らすために粒度分布をシャープにすることも試みられているが、このようなことを行うとトナーの製造コストを上げる原因となる。また、結着樹脂と他の内添剤の分散性の良否がトナーの性能により一層影響を及ぼしやすくなる。このような問題に対し、所望の摩擦帯電性をトナーに付与する一手段として、トナーに電荷制御剤を添加することが知られている。
【0004】
今日、当該技術分野で知られている電荷制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシジカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族ジオールの金属錯塩等の負摩擦帯電性電荷制御剤や、ニグロシン染料、アジン染料、トリフェニルメタン系染顔料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー等の正摩擦帯電性帯電制御剤が知られている。しかしながら、これらの電荷制御剤のほとんどは有色であり、カラートナーには使えないものが多い。さらに電荷制御剤によっては、画像濃度とカブリのバランスが取りにくい、高湿環境で十分な画像濃度を得にくい、樹脂への分散性が悪い、保存安定性、定着性、耐オフセット性に悪影響を与える等、トナーへの適用において課題を有するものがある。
【0005】
近年では、摩擦帯電制御及び安全性の観点から電荷制御樹脂の検討も進められている。このような電荷制御樹脂を用いるトナーに関しては、例えばスチレン系単量体と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の重合体を電荷制御剤として使用する方法が開示されており(例えば、特許文献1参照。)、またポリエステル樹脂に対してスチレン系単量体と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の重合体を電荷制御剤として使用する方法が開示されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)。これらの方法によれば、光学特性及び帯電特性に優れるトナーが得られるとされている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭63−184762号公報
【特許文献2】
特開平3−161761号公報
【特許文献3】
特開平5−142853号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述したこれらの方法では、高画質化を達成するためにトナーを小粒径化した場合や、一成分現像方式の採用等、所望の画像形成プロセスに応じて適用しようとした場合等に、環境変動や経時変化等の要因によってトナー特性が変化しやすく、使用状況に関わらず安定した現像性を得ることは難しいという問題点がある。
【0008】
本発明の目的は、上述のごとき問題点を解決したトナーを提供することにあり、環境によらず耐久現像性に優れ、プロセススピードにかかわらず帯電量分布が均一で、高品位な画像を得ることができるトナーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、結着樹脂、着色剤及び含イオウ樹脂を少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、トナー粒子は、トナー粒子中に含まれるイオウ量をTsとし、トナー粒子のイソプロピルアルコール不溶成分中に含まれるイオウ量をIsとしたときに、0.50≦Is/Ts≦0.95を満足するように含イオウ樹脂を含有することを特徴とするトナーに関する。
【0010】
本発明者らは、詳細な検討の結果、トナー粒子中及びトナー粒子のイソプロピルアルコール(IPA)に不溶な成分中での含イオウ樹脂の量とトナーの帯電特性の間に相関があることを見出した。
【0011】
トナーの帯電特性は、トナー表面近傍に存在する電荷制御剤の効果によって大きく影響されることが知られている。またIPAは、含イオウ樹脂に対して適度な溶解性を示し、かつ低分子量成分の抽出には好適な溶媒である。一方、含イオウ樹脂中においてIPAに可溶な成分は、比較的低分子量な成分であるため、トナー粒子の表面近傍に存在する割合が高い。したがって前記の相関は、含イオウ樹脂中において帯電制御に効果を発現する含イオウ成分を低分子量成分中に適度に含有させることで、トナーの帯電制御が容易になるためと考えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤及び含イオウ樹脂を少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、トナー粒子は、トナー粒子中に含まれるイオウ量をTsとし、トナー粒子のイソプロピルアルコール不溶成分中に含まれるイオウ量をIsとしたときに、0.50≦Is/Ts≦0.95を満足する。
【0013】
本発明において、トナー粒子中に含まれるイオウ量(Ts)と、該トナーのイソプロピルアルコール(IPA)不溶成分中に含まれるイオウ量(Is)の比Is/Tsは0.95以下であり、好ましくは0.85以下である。0.95より大きい場合には、トナー粒子表面に存在する含イオウ成分の量が少なくなるために帯電制御の効果が低くなり、トナーの環境変動による現像性の変化が大きくなることがある。トナー粒子表面における含イオウ樹脂の量を増やすために含イオウ樹脂を多量に添加すると定着性が悪化したり、他の内添剤との分散性にも影響を及ぼすようになり、帯電特性にも弊害が出ることがある。
【0014】
また本発明においてIs/Tsは0.50以上であり、好ましくは0.60以上である。0.50より小さい場合には、トナー粒子中での含イオウ成分の分布が表面に局在化するため、トナー粒子中での樹脂や着色剤等との分散が極端に悪くなり、トナーの帯電量分布がブロードになり高品位な画像が得られなくなることがある。またこの場合、水に対する溶解性も大きくなるために、高湿環境下において帯電不良を発生しやすくなる。
【0015】
また本発明のトナーにおいては、IPA可溶成分をトナー粒子中に0.1〜10質量%含有することが好ましい。IPA可溶成分が0.1質量%未満になると含イオウ樹脂の帯電制御効果が低下してしまうことがある。また10質量%より多く含有すると、吸湿性が高くなり高湿下での帯電特性が悪化することがある。
【0016】
本発明において、前記Is及びTsは、トナー粒子への含イオウ樹脂の配合量や、含イオウ樹脂の重量平均分子量やモノマーの種類、及び重合条件等によって適宜調整することが可能であり、IPA可溶成分の量は、トナー粒子の材料や製造条件等によって適宜調整することが可能である。
【0017】
本発明で使用される結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂成分とスチレン−アクリル系樹脂成分を含むハイブリッド樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられるが、特に限定されず従来公知の樹脂を用いることができる。このうち特に、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂等が定着性等の点で好ましい。
【0018】
前記ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸との重縮合により生成する樹脂であり、ポリエステル樹脂成分のモノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0019】
二価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また下記(ア)式で表されるビスフェノール誘導体、及び下記(イ)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
また、二価のカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;またさらに炭素数6〜18のアルキル基で置換されたコハク酸若しくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0023】
また、ポリエステル樹脂のその他のモノマーとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、さらには例えばノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸類等が挙げられる。
【0024】
前記スチレン−アクリル系樹脂は、スチレン系モノマーとアクリル酸系モノマーとの付加重合により生成する樹脂であり、スチレン−アクリル系樹脂を生成するためのビニル系モノマーとしては次のようなものが挙げられる。
【0025】
スチレン系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体が挙げられる。
【0026】
またアクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸及びアクリル酸エステル類や、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸及びそのエステル類や、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0027】
さらに、スチレン−アクリル系樹脂のモノマーとしては、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシルプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0028】
またスチレン−アクリル系樹脂には、ビニル重合が可能な種々のモノマーを必要に応じて併用することができる。このようなモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα、β−不飽和酸の酸無水物;該α、β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0029】
また、前記スチレン−アクリル系樹脂は、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体であってもよい。架橋性モノマーには、例えば芳香族ジビニル化合物、アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、ポリエステル型ジアクリレート類、及び多官能の架橋剤等が挙げられる。
【0030】
芳香族ジビニル化合物としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。
【0031】
アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
【0032】
エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの等が挙げられる。
【0033】
芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
【0034】
ポリエステル型ジアクリレート類としては、例えば商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
【0035】
多官能の架橋剤としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
【0036】
これらの架橋性モノマーは、他のモノマー成分100重量%に対して、0.01〜10重量%(さらに好ましくは0.03〜5重量%)用いることができる。またこれらの架橋性モノマーのうち、定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)や、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0037】
また前記スチレン−アクリル系樹脂は、重合開始剤を用いて製造された樹脂であっても良い。このような重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−カーバモイルアゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロビルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
【0038】
前記ハイブリッド樹脂は、ポリエステル樹脂成分及びスチレン−アクリル系樹脂成分が直接又は間接的に化学的に結合している樹脂であり、上述のポリエステル樹脂成分、スチレン−アクリル系樹脂成分、及びこれらの樹脂成分の両方と反応し得るモノマー成分から構成される。
【0039】
ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちスチレン−アクリル系樹脂成分と反応し得るものとしては、例えばフマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0040】
スチレン−アクリル系樹脂成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシル基を有するものや、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0041】
ハイブリッド樹脂を得る方法としては、先に挙げたポリエステル樹脂及びスチレン−アクリル系樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方若しくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
【0042】
前記含イオウ樹脂は、一般にトナー粒子中において電荷制御剤として作用する性質を有することから、本発明において含イオウ樹脂は主に電荷制御剤として添加される。このため含イオウ樹脂は、電荷制御の観点からスルホン酸基を有する重合体又は共重合体であることが好ましい。すなわち、スルホン酸基含有モノマーを構成成分とすることが好ましい。含イオウ樹脂は、より好ましくはスルホン酸基含有アクリルアミドモノマーを構成成分とする含イオウ重合体又は共重合体である。
【0043】
スルホン酸基含有アクリルアミドモノマーとしては、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ヘキサンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−オクタンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ドデカンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−テトラデカンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2,2,4−トリメチルペンタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルフェニルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−(4−クロロフェニル)プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−カルボキシメチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−(2−ピリジル)プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、3−アクリルアミド−3−メチルブタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−n−デカンスルホン酸、2−メタクリルアミド−n−テトラデカンスルホン酸等が挙げられる。好ましくは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が挙げられる。
【0044】
本発明に用いられる含イオウ樹脂は、上記のスルホン酸基含有アクリルアミドモノマーと、スチレン系モノマー及びアクリル系モノマーの少なくともいずれか一方とを構成成分とする共重合体であることが、帯電性及び分子量調整の点で好ましい。スチレン系モノマー及びアクリル系モノマーとしては、上述のスチレン−アクリル系樹脂を生成するためのモノマーの中から適宜選択される。好ましくはスチレンとアクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルとの組み合わせが挙げられる。
【0045】
含イオウ樹脂の合成方法としては、特に制限はなく、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等いずれの方法も使用可能であるが、低級アルコールを含む有機溶剤中で重合させる溶液重合が好ましい。含イオウ樹脂を合成する際に使用される重合開始剤としては、上述のスチレン−アクリル系樹脂を生成する際に使用される重合開始剤の中から適宜選択される。好ましくは過酸化物系の重合開始剤が使用される。
【0046】
本発明に用いられる含イオウ樹脂は、帯電制御に有効な成分である含イオウ成分をトナー粒子表面に適度に存在させるために、低分子量成分中に含イオウモノマーを多く含有していることが好ましい。このような含イオウモノマーを構成成分とすると、前述した溶液重合を採用した場合に、含イオウモノマーの低級アルコールに対する溶解性が比較的高められ、重合溶媒や他の重合性組成物や重合条件を適宜調整することで、トナー粒子表面付近に含イオウ成分を適度に存在させることが可能となる。
【0047】
本発明においては、含イオウ樹脂中のイオウ量Bsと、含イオウ樹脂のIPA不溶成分中のイオウ量IBsとの間に0.50≦IBs/Bs≦0.95が成り立つことが好ましく、より好ましくは0.60≦IBs/Bs≦0.85が成り立つことである。含イオウ樹脂におけるイオウ量の比が上記の範囲内にあることで、トナー粒子表面での含イオウ成分量を制御することがより容易となる。
【0048】
本発明に用いられる含イオウ樹脂は、重量平均分子量が5,000〜50,000の重合体であることが好ましい。重量平均分子量が5,000未満になるとIPAに可溶な成分の量が多くなり吸湿性が高くなりやすい。また重量平均分子量が50,000よりも大きくなると、IPAに可溶な成分が少なくなることで帯電制御の効果が低下すると共に、含イオウ樹脂と結着樹脂との分散性が悪化し、トナー粒子の小粒径化により環境変動や経時により安定した帯電性が得られなくなることがある。含イオウ樹脂は、重量平均分子量が12,000〜40,000であることが、トナー粒子における個々及び全体の帯電性の均一化や安定化を図る上でより好ましい。なお、含イオウ樹脂の重量平均分子量は、モノマーの種類、重合開始剤の種類、重合条件等によって調整することが可能である。
【0049】
本発明に用いられる含イオウ樹脂は、結着樹脂100質量部に対して0.2〜10質量部含まれていることが、帯電制御の点で好ましい。
【0050】
本発明に用いられる着色剤としては、カーボンブラック、チタンホワイト、磁性酸化鉄やその他従来より知られているあらゆる顔料や染料の一種又は二種以上を用いることができる。着色剤は、トナーの種類に応じて適宜選択される。
【0051】
例えば本発明のトナーを磁性カラートナーとする場合には、染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等が挙げられる。
【0052】
顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
【0053】
また、例えば本発明のトナーを二成分フルカラー用トナーとする場合には、次のようなものが着色剤として挙げられる。
【0054】
マゼンタ用着色顔科としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
【0055】
本発明では、着色剤にかかる顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。このようなマゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28等の塩基性染料が挙げられる。
【0056】
その他の着色顔料として、シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、及び下記構造式に示される、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0057】
【化3】
【0058】
イエロー用着色顔科としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
【0059】
尚、本発明のトナーにおいて着色剤の使用量は、着色剤の種類によって異なるが、通常、結着樹脂100質量部に対して0.1〜60質量部、好ましくは0.5〜50質量部である。
【0060】
本発明のトナーを磁性トナーとする場合では、従来公知の磁性材料が用いられる。磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属あるいはこれらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金;及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0061】
磁性材料としては、従来、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミニウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジム(NdFe2O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が知られているが、本発明では上述した磁性材料の一種又は二種以上を任意に選択して使用することが可能である。
【0062】
これらの磁性材料は、平均粒径が0.1〜2μm程度で、795.8kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性は、抗磁力が1.5kA/m〜12kA/m、飽和磁化が50〜200Am2/kg(好ましくは50〜100Am2/kg)、残留磁化が2〜20Am2/kgのものが好ましい。磁性材料の磁気特性は、25℃、外部磁場769kA/mの条件下において振動型磁力計、例えばVSM P−1−10(東英工業社製)を用いて測定することができる。
【0063】
本発明のトナーを磁性トナーとする場合では、着色剤は磁性酸化鉄であることが好ましく、このような磁性酸化鉄としては、例えば四三酸化鉄やγ−三二酸化鉄の微粉末が挙げられる。またこの磁性酸化鉄は、結着樹脂100質量部に対して20〜150質量部がトナー粒子に含まれることが、流動性を維持しつつトナー飛散を防止する良好な磁性を示し、かつ十分な着色力を発現する上で好ましい。
【0064】
なお、本発明において着色剤は、トナーの所期の物性やトナー粒子の製造条件等に応じて、適切な表面疎水化処理剤を用いて適切に表面疎水化処理されたものであっても良い。
【0065】
本発明においては、他の添加剤を必要に応じてトナー粒子に添加することも可能である。このような他の添加剤としては、トナー粒子の内部に添加することが従来より知られている種々の添加剤を用いることができ、離型剤や電荷制御剤等が挙げられる。
【0066】
前記離型剤として好ましいものとしては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス等の、脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックス等の、脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸等の不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール類;ソルビトール等の多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘン酸モノグリセリド等の、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加等によって得られる、ヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;炭素数12以上の長鎖アルキルアルコール又は長鎖アルキルカルボン酸;等が挙げられる。
【0067】
本発明において特に好ましく用いられる離型剤としては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。このような脂肪族炭化水素系ワックスとしては、例えば、アルキレンを高圧化でラジカル重合し、又は低圧化でチーグラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス及びそれを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス;これらの脂肪族炭化水素系ワックスをプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別したもの;が挙げられる。
【0068】
前記脂肪族炭化水素系ワックスの母体としての炭化水素としては、例えば、金属酸化物系触媒(多くは二種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの(例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物);ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレン等のアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素;が挙げられる。このような炭化水素の中でも、本発明では、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であることが好ましく、特にアルキレンの重合によらない方法により合成された炭化水素がその分子量分布からも好ましい。
【0069】
本発明において離型剤は、離型剤を含有するトナー粒子を示差走査熱量計で測定したときに、得られるDSC曲線において70〜140℃の領域に吸熱メインピークが現れるようにトナー粒子に含まれていることが、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性の点で好ましい。
【0070】
前記吸熱ピーク温度は、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用い、ASTM D3418−82に準じて測定することができ、前記のピークが出現する温度は、融点やガラス転移点、及び重合度等を適切に調整された離型剤を用いることによって調整することが可能である。なお、前記DSC−7は、前記ピーク温度の他、結着樹脂のガラス転移点、軟化点、ワックスの融点等の、トナー粒子やトナー粒子材料の熱的物性を示す温度の測定に適用することができる。
【0071】
離型剤は、結着樹脂100質量部あたり2〜15質量部がトナー粒子中に含まれることが、定着性、帯電特性の点で好ましい。
【0072】
本発明のトナーには、本発明の効果を阻害しない範囲で、その帯電性を安定化させるために、他の電荷制御剤を用いることができる。電荷制御剤は、電荷制御剤の種類や他のトナー粒子構成材料の物性等によっても異なるが、一般に、トナー粒子中に結着樹脂100質量部当たり0.1〜10質量部含まれることが好ましく、0.1〜5質量部含まれることがより好ましい。このような電荷制御剤としては、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
【0073】
トナーを負帯電性に制御するものとしては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例としては、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体;芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩;が挙げられる。その他にも、トナーを負帯電性に制御するものとしては、例えば芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノール等のフェノール誘導体;等が挙げられる。
【0074】
トナーを正帯電性に制御するものとしては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート;等が挙げられる。本発明ではこれらの一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。トナーを正帯電性に制御するものとしては、これらの中でもニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩等の電荷制御剤が特に好ましく用いられる。
【0075】
なお、本発明のトナーは、現像方法やトナー材料の物性等の観点から、負帯電性であることが好ましい。
【0076】
本発明のトナーは、前述したトナー粒子に、トナーの種類に応じた種々の材料を外添して用いられる。外添される材料としては、例えば本発明のトナーを一成分トナーとする場合では、無機微粉体等のようにトナーの流動性を向上させる流動性向上剤や、金属酸化物微粒子等のようにトナーの帯電性を調整するための導電性微粉体等の外添剤が挙げられる。また例えば本発明のトナーを二成分トナーとする場合では、前記外添剤や磁性キャリアが挙げられる。
【0077】
前記流動性向上剤としては、トナー粒子に外添することによりトナーの流動性を向上し得るものが挙げられる。このような流動性向上剤としては、例えばフッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ;これらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ;等が挙げられる。
【0078】
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上であることが好ましく、50m2/g以上であることがより好ましい。流動性向上剤は、流動性向上剤の種類によって異なるが、例えばトナー粒子100質量部に対して0.01〜8質量部を配合することが好ましく、0.1〜4質量部を配合することがより好ましい。
【0079】
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。このようなシリカは、例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次のようなものである。
【0080】
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0081】
この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、本発明で流動性向上剤として利用されるシリカ微粉体はそれらも包含する。その粒径は、平均一次粒径として0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、特に0.002〜0.2μmの範囲内であることがより好ましい。
【0082】
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下のような商品名で市販されているもの、すなわちAEROSIL(日本アエロジル社)130、200、300、380、TT600、MOX170、MOX80、COK84;Ca−O−SiL(CABOT Co.社)M−5、MS−7、MS−75、HS−5、EH−5;Wacker HDK N 20(WACKER−CHEMIE GMBH社)V15、N20E、T30、T40;D−C Fine Si1iCa(ダウコーニングCO.社);Franso1(Fransil社)等が挙げられる。
【0083】
本発明では、前記シリカ微粉体は、疎水化処理されていることが好ましい。また前記シリカ微粉体は、メタノール滴定試験によって測定される疎水化度が30〜80度の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが、環境変動に対しても安定したトナー物性を発現させる上で特に好ましい。なお前記疎水化度は、水中で攪拌されている所定量のシリカ微粉体にメタノールを滴下し、シリカ微粉体の沈降終了時におけるメタノール及び水の液状混合物中におけるメタノールの百分率として表される。
【0084】
シリカ微粉体の疎水化方法としては、例えばシリカ微粉体と反応し、又はシリカ微粒子に物理吸着する有機ケイ素化合物やシリコーンオイルでシリカ微粒子を化学的に処理する方法が挙げられる。より好ましくは、有機ケイ素化合物による疎水化処理である。
【0085】
前記有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位においてSiに結合する水酸基を有するジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらは一種あるいは二種以上の混合物で用いられる。
【0086】
シリカ微粉体の疎水化処理においては、前記有機ケイ素化合物の中でもさらに窒素原子を有するシランカップリング剤の一種又は二種以上を用いることが可能である。このような含窒素シランカップリング剤としては、例えばアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン等が挙げられる。
【0087】
なお本発明において、好ましいシランカップリング剤としてはヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
【0088】
またシリカ微粉体の疎水化処理で好ましく使用されるシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が0.5〜10000センチストークスであることが好ましく、1〜1000センチストークスであることがより好ましく、10〜200センチストークスであることがより一層好ましい。また、特に好ましいシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
【0089】
シリコーンオイルを用いるシリカ微粉体の表面疎水化処理の方法としては、例えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法;が挙げられる。
【0090】
シリコーンオイルによってシリカ微粉体の表面疎水化処理を行う場合では、シリコーンオイルの処理後にシリカ微粉体を不活性ガス中で200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し、表面のコートを安定化させることがより好ましい。
【0091】
本発明においては、シリカ微粉体の表面疎水化処理に、前述したシランカップリング剤及びシリコーンオイルの両方を用いることが可能であり、このような表面疎水化処理方法としては、シリカ微粉体を予めシランカップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、又はシリカ微粉体をシランカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法等が挙げられる。
【0092】
本発明のトナーは、前述したトナー粒子とキャリア粒子とを混合して二成分トナーとして用いることができる。キャリア粒子には、従来より知られている種々のキャリア粒子を用いることができ、例えば磁性材料そのもの、磁性材料を樹脂で被覆したもの、樹脂粒子中に磁性材料を分散させたもの等が用いられる。
【0093】
また、キャリア粒子の電流値は20〜200μAであることが好ましい。キャリア粒子の電流値は、キャリア表面の凹凸度合いや被覆する樹脂の量によって調整することが可能である。
【0094】
キャリア粒子で用いられる磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の元素を含み、例えばフェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属及びこれらの合金等が挙げられる。
【0095】
キャリア粒子で用いられる樹脂としては、例えばスチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0096】
本発明のトナーは、その製造方法については特に限定されないが、前述した結着樹脂、着色剤、含イオウ樹脂、及び必要に応じて他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により十分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化し、その後、固化物を粉砕し、粉砕物を分級することによりトナー粒子が得られ、このトナー粒子と流動性向上剤等の外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により必要に応じて十分混合することにより得ることができる。
【0097】
また本発明のトナーを製造するに当たって、分級は、トナー粒子生成後の任意の時期に行うことができ、例えば外添剤との混合後に分級を行っても良い。また、生成したトナー粒子に、例えば機械的又は熱的等の適切な衝撃を加え、トナー粒子の粒子形状を制御(より具体的には球形化)しても良い。
【0098】
前記トナーの製造において、前記固化物を粉砕する方法としては、機械的衝撃力を加える方法が好ましい。機械的衝撃力を与える処理としては、例えば川崎重工業(株)製粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミルのごとき機械式粉砕機を用いる方法、及びホソカワミクロン社製のメカノフュージョンシステムや、奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム等の装置により処理する方法が挙げられる。これらの装置をそのまま、あるいは適宜改良して使用することが可能である。
【0099】
以下にトナー製造用装置として一般的に使用されるものを示すが、これらに限定されるものではない。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】
【表5】
【0105】
なお、本発明のトナーの物性は、公知の方法によって測定され得るが、本発明において好ましい測定方法や測定のための操作を以下に示す。後述の実施例に記載されている測定値は下記の方法によるものである。
【0106】
(i)トナー粒子及び含イオウ樹脂中のIPA不溶分の抽出方法
トナー又は含イオウ樹脂10gをIPA100mlに溶解し、4時間攪拌後、ろ過、脱溶媒、乾燥し、IPA不溶分を抽出する。
【0107】
(ii)Is/Ts及びIBs/Bsの算出方法
トナー粒子、含イオウ樹脂、トナー粒子中及び含イオウ樹脂中のIPA不溶分等の測定サンプルをそれぞれ試料プレス成型機を用いてプレス成形する。得られた測定用サンプルを、蛍光X線分析装置、例えばSYSTEM3080(理学電機工業(株)社製)によって測定し、各サンプル中のS元素のピーク強度を検出し、その強度比を算出する。
【0108】
(iii)含イオウ樹脂の分子量分布の測定
含イオウ樹脂の重量平均分子量は、GPCによるクロマトグラフィーによって分子量分布を測定し、測定されたカウント数と適当な標準物質の検量線とを用いて、試料の重量平均分子量を算出することで求められる。
【0109】
より具体的な測定方法としては、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。カラムとしては、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組み合わせることが好ましく、例えば、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせや、昭和電工社製のshodex KA−801、802、803、804、805、806、807の組み合わせが好ましい。
【0110】
試料をTHFに溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0111】
試料の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値と、測定により得られるカウント数との関係から算出する。
【0112】
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは東洋ソーダ工業社製の、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
【0113】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0114】
[含イオウ樹脂製造例]
(製造例1)
・メチルエチルケトン 60g
・イソプロピルアルコール 140g
・水 200g
・スチレン 468g
・2−エチルヘキシルアクリレート 96g
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 48g
・ラウロイルパーオキサイド 3g
上記原料をフラスコに仕込み、攪拌装置、温度測定装置、窒素導入装置を前記フラスコに装着して、窒素雰囲気下80℃で溶液重合させ、所定の粘度になるまで重合した。この後温度を120℃に上げ、脱溶媒し、減圧乾燥、粉砕して重量平均分子量27,000、ガラス転移温度72℃の含イオウ樹脂(a)を得た。この樹脂中のイオウ量とIPA不溶分中のイオウ量との比(IBs/Bs)は0.75であった。含イオウ樹脂の製造条件と製造された樹脂の物性を表6に示す。
【0115】
(製造例2〜4)
以下、表6に示すように溶媒、モノマーの種類及び量を変更することに含イオウ樹脂(b)〜(d)を得た。含イオウ樹脂の製造条件と製造された樹脂の物性を表6に示す。
【0116】
(比較製造例1)
・メチルエチルケトン 160g
・イソプロピルアルコール 120g
・水 120g
・スチレン 480g
・2−エチルヘキシルアクリレート 108g
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 12g
・ラウロイルパーオキサイド 4g
上記原料をフラスコに仕込み、攪拌装置、温度測定装置、窒素導入装置を前記フラスコに装着して、窒素雰囲気下80℃で溶液重合させ、所定の粘度になるまで重合した。この後温度を120℃に上げ、脱溶媒し、減圧乾燥、粉砕して重量平均分子量24,000、ガラス転移温度66℃の含イオウ樹脂(e)を得た。この樹脂中のイオウ量とIPA不溶分中とのイオウ量の比は0.98であった。含イオウ樹脂の製造条件と製造された樹脂の物性を表6に示す。
【0117】
(比較製造例2〜5)
以下、表6に示すように溶媒、モノマーの種類及び量を変更することに比較用含イオウ樹脂(f)〜(i)を得た。含イオウ樹脂の製造条件と製造された樹脂の物性を表6に示す。
【0118】
【表6】
【0119】
[トナー製造例]
(製造例1)
・ポリエステル樹脂 100質量部
(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、コハク酸誘導体、トリメリット酸の縮重合体、ガラス転移温度:60℃、軟化点:140℃、酸価:18mgKOH/g)
・磁性酸化鉄 90質量部
(平均粒径:0.18μm、Hc:9.6kA/m、σs:81Am2/kg、σr:13Am2/kg)
・含イオウ樹脂(a) 3質量部
・ポリエチレンワックス(融点105℃) 5質量部
上記混合物を、130℃に加熱された二軸エクストルーダーで溶融混練し、溶融混練した混合物を冷却し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均径7.8μmの磁性トナーを得た。
【0120】
このトナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.0質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加しトナー(1−1)を得た。またトナー100質量部に、疎水性オイル処理シリカ(BET150m2/g)1.0質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加しトナー(1−2)を得た。これらのトナー中のIPA可溶分は0.4%であり、トナー中のイオウ量及びIPA不溶分中のイオウ量の比(Is/Ts)は0.76であった。使用した樹脂の種類及び配合量とトナーの物性を表7に示す。
【0121】
(製造例2)
・ハイブリッド樹脂 100質量部
(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、コハク酸誘導体、トリメリット酸、スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸;ガラス転移温度:58℃、軟化点:130℃、酸価:12mgKOH/g)
・磁性酸化鉄 90質量部
(平均粒径:0.18μm、Hc:9.6kA/m、σs:81Am2/kg、σr:13Am2/kg)
・含イオウ樹脂(b) 5質量部
・ポリエチレンワックス(融点105℃) 5質量部
上記混合物を使用した以外は製造例1と同様にして、トナー(2−1)、(2−2)を得た。使用した樹脂の種類及び配合量とトナーの物性を表7に示す。
【0122】
(製造例3)
製造例1において、含イオウ樹脂を(c)に変更し、添加量を10質量部に変更した以外は同様にして、トナー(3−1)、(3−2)を得た。使用した樹脂の種類及び配合量とトナーの物性を表7に示す。
【0123】
(製造例4)
・スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート共重合体 100質量部
・磁性酸化鉄 90質量部
(平均粒径:0.18μm、Hc:9.6kA/m、σs:81Am2/kg、σr:13Am2/kg)
・含イオウ樹脂(d) 2質量部
・ポリエチレンワックス(融点105℃) 5質量部
上記混合物を使用した以外は製造例1と同様にして、トナー(4−1)、(4−2)を得た。使用した樹脂の種類及び配合量とトナーの物性を表7に示す。
【0124】
(比較製造例1)
製造例1において、含イオウ樹脂を(e)に変更し、添加量を4質量部に変更した以外は同様にして、トナー(5−1)、(5−2)を得た。使用した樹脂の種類及び配合量とトナーの物性を表7に示す。
【0125】
(比較製造例2)
製造例4において、含イオウ樹脂を(f)に変更し、添加量を1質量部に変更した以外は同様にして、トナー(6−1)、(6−2)を得た。使用した樹脂の種類及び配合量とトナーの物性を表7に示す。
【0126】
(比較製造例3)
製造例1において、含イオウ樹脂を(g)に変更し、添加量を4質量部に変更した以外は同様にして、トナー(7−1)、(7−2)を得た。使用した樹脂の種類及び配合量とトナーの物性を表7に示す。
【0127】
(比較製造例4)
製造例4において、含イオウ樹脂を(h)に変更した以外は同様にして、トナー(8−1)、(8−2)を得た。使用した樹脂の種類及び配合量とトナーの物性を表7に示す。
【0128】
(比較製造例5)
製造例1において、含イオウ樹脂を(i)に変更し、添加量を1質量部に変更した以外は同様にして、トナー(9−1)、(9−2)を得た。使用した樹脂の種類及び配合量とトナーの物性を表7に示す。
【0129】
【表7】
【0130】
[トナーの耐久性評価]
(実施例1)
市販のキヤノン製デジタル複写機IR6000を改造し、プロセススピードを265mm/sから320mm/sに上げることで70枚機にしたものを使用し、前記トナー(1−1)を用いて、常温低湿環境(温度23度、湿度5%)及び高温高湿環境(30℃、80%)においてそれぞれ100万枚の通紙耐久を行った。
【0131】
また市販のキヤノン製デジタル複写機GP215(21枚機)を使用し、本発明のトナー(1−2)を用いて、常温低湿環境(温度23℃、湿度5%)及び高温高湿環境(30℃、80%)においてそれぞれ50万枚の通紙耐久を行った。
【0132】
上記複写機を用いる通紙耐久では、両方とも原稿には画像比率5%のチャートを使用した。IR6000改造機での評価結果を表8に、GP215での評価結果を表9にそれぞれ示す。なお画像評価は以下のようにして行った。
【0133】
1.画像濃度
画像濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、原稿上1.1濃度の5mm丸の反射濃度を耐久前後で測定した。
【0134】
2.カブリ
画像上のカブリは、画像形成前の転写材と画像形成後の白地部とを反射濃度計(リフレクトメーター モデルTC−6DS 東京電色社製)によって測定し、画像形成後の白地部反射濃度最悪値(最大値)をDs(%)、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDr(%)とし、(Ds)−(Dr)を求め、これをカブリ量として評価した。測定は耐久初期及び耐久後で測定し、カブリは以下の基準で評価した。
◎・・・カブリ量が1.0%以下
○・・・カブリ量が1.0〜2.0%以下
△・・・カブリ量が2.0〜3.0%以下
×・・・カブリ量が3.0%以上
【0135】
3.デジタル画像の鮮鋭さ(画質)
ライン及び文字を含む原稿を使用し、耐久初期及び耐久後の画像を、目視又は拡大顕微鏡を使用して以下の基準で評価した。
◎・・・文字画像及びライン画像ともに細部まで忠実に再現している
○・・・細部に多少の乱れ又は飛び散りが生じているが目視では問題ないレベルである
△・・・目視でも乱れや飛び散りがわかるレベルである
×・・・乱れ、飛び散りが多数発生し、原稿を再現していない
【0136】
(実施例2〜4)
トナー(2−1)〜(4−1)、(2−2)〜(4−2)を用いて、実施例1と同様の評価を行った。その結果、表8及び表9に示すような結果が得られた。IR6000改造機での評価結果を表8に、GP215での評価結果を表9にそれぞれ示す。
【0137】
(比較例1〜5)
トナー(5−1)〜(9−1)、(5−2)〜(9−2)を用いて、実施例1と同様の評価を行った。その結果、表8及び表9に示すような結果が得られた。IR6000改造機での評価結果を表8に、GP215での評価結果を表9にそれぞれ示す。
【0138】
【表8】
【0139】
【表9】
【0140】
【発明の効果】
本発明によれば、結着樹脂、着色剤及び含イオウ樹脂を少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、トナー粒子は、トナー粒子中に含まれるイオウ量をTsとし、トナー粒子のイソプロピルアルコール不溶成分中に含まれるイオウ量をIsとしたときに、0.50≦Is/Ts≦0.95を満足するように含イオウ樹脂を含有することから、環境によらず耐久現像性に優れ、プロセススピードにかかわらず帯電量分布が均一で、高品位な画像を得ることができるトナーを提供することができる。
【0141】
また本発明では、トナー粒子は、0.60≦Is/Ts≦0.85を満足するように含イオウ樹脂を含有すると、良好な帯電特性と定着性悪化の防止とを実現し、高品位な画像を形成する上でより一層効果的である。
【0142】
また本発明では、含イオウ樹脂は、スルホン酸基含有モノマーを構成成分としていると、トナーの帯電特性を制御する上でより効果的であり、含イオウ樹脂は、スルホン酸基含有アクリルアミドモノマーを構成成分としていると、トナーの帯電特性を制御する上でより一層効果的であり、含イオウ樹脂は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を構成成分としていると、トナーの帯電特性を制御する上でさらに一層効果的である。
【0143】
また本発明では、前記含イオウ樹脂は、スチレン系モノマー及びアクリル系モノマーの少なくともいずれか一方を構成成分として含む共重合体であると、帯電性及び分子量を調整する上でより一層効果的である。
【0144】
また本発明では、トナー粒子は、イソプロピルアルコール可溶成分を0.1〜10質量%含有していると、帯電特性の良好な制御及び帯電特性の環境安定性の向上を実現する上でより一層効果的である。
【0145】
また本発明では、含イオウ樹脂は、含イオウ樹脂中のイオウ量をBsとし、含イオウ樹脂のイソプロピルアルコール不溶成分中のイオウ量をIBsとしたときに、0.50≦IBs/Bs≦0.95を満足する樹脂であると、トナー粒子表面における含イオウ成分量を容易に制御する上でより効果的であり、0.60≦IBs/Bs≦0.85を満足する樹脂であるとより一層効果的である。
【0146】
また本発明では、含イオウ樹脂の重量平均分子量が5,000〜50,000であると、トナーの良好な帯電特性の安定化を図る上でより効果的であり、含イオウ樹脂の重量平均分子量が12,000〜40,000であるとより一層効果的である。
【0147】
また本発明では、含イオウ樹脂は、結着樹脂100質量部に対して0.2乃至10質量部が含まれていると、トナーの帯電制御の観点からより効果的である。
【0148】
また本発明では、トナーが負帯電性であると、種々の良好な材料を使用でき、かつ高品位な画像を形成する上でより一層効果的である。
【0149】
また本発明では、着色剤は磁性酸化鉄であり、この磁性酸化鉄は、結着樹脂100質量部に対して20乃至150質量部が含まれていると、トナー飛散を抑制し、トナーの搬送性と流動性とを両立させる上でより一層効果的である。
【0150】
また本発明では、トナー粒子に外添されるシリカ微粉体を有し、このシリカ微粉体は疎水化処理されていると、環境変動に対するトナー特性の変動を抑制する上でより一層効果的である。
【0151】
また本発明では、シリカ微粉体はシリコーンオイルで処理されていると、環境変動に対するトナー特性の変動を容易に抑制する上でより一層効果的である。
Claims (16)
- 結着樹脂、着色剤及び含イオウ樹脂を少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
前記トナー粒子は、トナー粒子中に含まれるイオウ量をTsとし、前記トナー粒子のイソプロピルアルコール不溶成分中に含まれるイオウ量をIsとしたときに、0.50≦Is/Ts≦0.95を満足するように前記含イオウ樹脂を含有することを特徴とするトナー。 - 前記トナー粒子は、0.60≦Is/Ts≦0.85を満足するように前記含イオウ樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載のトナー。
- 前記含イオウ樹脂は、スルホン酸基含有モノマーを構成成分としていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記含イオウ樹脂は、スルホン酸基含有アクリルアミドモノマーを構成成分としていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記含イオウ樹脂は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を構成成分としていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記含イオウ樹脂は、スチレン系モノマー及びアクリル系モノマーの少なくともいずれか一方を構成成分として含む共重合体であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子は、イソプロピルアルコール可溶成分を0.1〜10質量%含有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記含イオウ樹脂は、含イオウ樹脂中のイオウ量をBsとし、含イオウ樹脂のイソプロピルアルコール不溶成分中のイオウ量をIBsとしたときに、0.50≦IBs/Bs≦0.95を満足する樹脂であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記含イオウ樹脂は、0.60≦IBs/Bs≦0.85を満足する樹脂であることを特徴とする請求項8記載のトナー。
- 前記含イオウ樹脂の重量平均分子量が5,000〜50,000であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記含イオウ樹脂の重量平均分子量が12,000〜40,000であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記含イオウ樹脂は、前記結着樹脂100質量部に対して0.2乃至10質量部含まれていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のトナー。
- 負帯電性であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記着色剤は磁性酸化鉄であり、この磁性酸化鉄は、前記結着樹脂100質量部に対して20乃至150質量部含まれていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー粒子に外添されるシリカ微粉体を有し、このシリカ微粉体は疎水化処理されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記シリカ微粉体はシリコーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項15記載のトナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135888A JP4307150B2 (ja) | 2002-05-14 | 2003-05-14 | トナー |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002138400 | 2002-05-14 | ||
JP2003135888A JP4307150B2 (ja) | 2002-05-14 | 2003-05-14 | トナー |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004046120A true JP2004046120A (ja) | 2004-02-12 |
JP2004046120A5 JP2004046120A5 (ja) | 2006-06-08 |
JP4307150B2 JP4307150B2 (ja) | 2009-08-05 |
Family
ID=31719326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003135888A Expired - Fee Related JP4307150B2 (ja) | 2002-05-14 | 2003-05-14 | トナー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4307150B2 (ja) |
-
2003
- 2003-05-14 JP JP2003135888A patent/JP4307150B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4307150B2 (ja) | 2009-08-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4914349B2 (ja) | トナー | |
KR101259863B1 (ko) | 토너 | |
KR100675727B1 (ko) | 자성 토너 | |
US7897316B2 (en) | Toner having hybrid binder resin with polyester unit and vinyl copolymer unit | |
JP3817348B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 | |
US6953646B2 (en) | Toner particles including a sulfur-containing resin | |
JPH0943906A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JPH0830028A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP4109928B2 (ja) | トナー | |
JP3937876B2 (ja) | トナー | |
JP2007065633A (ja) | トナー | |
JP4217652B2 (ja) | 磁性トナー | |
JP4390255B2 (ja) | トナー | |
JP2984563B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP3203462B2 (ja) | トナー | |
JP3768667B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP4307367B2 (ja) | トナー | |
JP4125021B2 (ja) | トナー | |
JP4307368B2 (ja) | トナー | |
JP2000147832A (ja) | トナー | |
JP4095432B2 (ja) | 磁性トナー | |
JP4307150B2 (ja) | トナー | |
JPH05333590A (ja) | 静電荷像現像用現像剤 | |
JP4478605B2 (ja) | トナー | |
JP3295783B2 (ja) | 静電荷像現像用現像剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060417 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060417 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080611 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080624 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080821 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090414 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090428 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4307150 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140515 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |