JPWO2005034586A1 - 電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

電界発光素子である有機EL素子は、一対の電極に少なくとも有機層が挟まれている。一対の電極のうち少なくとも体積抵抗率が高い材料で形成された電極が平面状に形成されている。有機層には、非発光部が複数設けられている。非発光部は、体積抵抗率が高い材料で形成された電極が外部接続端子と接続される端子部の位置から物理的に近い位置ほど、単位面積当たりに多く存在するように設けられている。そのため、単位面積当たりに流れる電流の大きさが、素子の各位置において概略同一になる。

Description

本発明は、一対の電極に少なくとも発光する層が挟まれた電界発光素子に関する。
従来、電界発光素子である有機電界発光素子(以下、適宜有機EL素子と表記する。)を用いたディスプレイや照明装置などが提案されている。有機EL素子は、一対の電極間に、有機発光材料を含有する有機発光領域を有する有機層が狭持された構造をとる。
しかし、単に上記構成を採用すれば有機EL素子が完成するのではなく、例えば、少なくとも一方の電極は、有機層に電荷(ホール又は電子)を注入できるとともに、素子外部へ光を取り出すために、有機発光領域で発せられた光に対する透過性を備えていなければならない。また、有機層としては、電極から注入された電荷を輸送し、これを再結合して励起状態を生成し、励起状態から基底状態に戻る際に光を発生する材料を選択しなければならない。
そのため、有機EL素子を形成するための材料は、極めて限定され、透明電極や有機層には、体積抵抗率の高い材料を用いざるを得ない場合がほとんどである。
したがって、有機層における電流密度は、位置によって異なるという問題が生じる。このメカニズムについて以下に説明する。
一般に、光が素子外部に取り出される側の電極は、ITO等の体積抵抗率の高い材料によって構成され、他方の電極は、光取出側の電極と比べると体積抵抗率の大きさが無視できる程度の材料によって構成される。したがって、有機EL素子における無数の電流経路での抵抗値を考える場合には、当該経路における光取出側電極上を通る長さを検討すればよい。
この検討を行えば、光取出側の電極の端子部から、光取出側の電極を通り、当該端子部から近い位置において有機層を通って他方の電極へと通じる電流経路と、端子部から遠い位置において有機層から他方の電極へと通じる電流経路とでは、前者の経路の方が、抵抗値が小さいことが分かる。つまり、光取出側の端子部から近い位置の有機層における電流密度は、遠い位置における電流密度よりも大きくなる。
なお、光取出側とは反対側の電極の方が光取出側の電極よりも体積抵抗率の高い材料で形成される場合もある。この場合には、前記した説明において光取出側の電極と他方の電極とを入れ替えて考えればよい。
以上のように、有機層における各位置の電流密度は、面内において均一にすることが困難なため、例えば以下のような現象が生じることがある。
・輝度むらの発生。
電流が多く流れる箇所と少なくしか流れない箇所とが存在するために、素子全体として輝度むらが生じる。有機電界発光素子の輝度は、流れる電流が大きくなるほど高くなるため(例えば非特許文献1を参照。)、電流が多く流れる箇所と少なくしか流れない箇所が存在すると両者の間で輝度の差が生じ、輝度むらとなるためである。
このような問題を解決するために、従来から種々の技術が提案されてきた。
例えば、電圧印加用の取出部(上記端子部)を多数箇所設ける従来技術がある(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、有機EL素子が組み込まれる携帯端末等の装置は大きさが限定されるため、有機EL素子の大きさも限定される。したがって、この従来技術のように取出部を多数設けることは、上記問題を解決するには有効であるが、実際上採用することは極めて困難である。また、端子部を複数設けると、これと外部駆動回路とを接続するための配線が上記装置内に占める割合も大きくなるという問題がある。
体積抵抗率の高い材料で形成された電極に、体積抵抗率の低い材料で形成された補助電極を配設する従来技術も知られている。例えば、補助電極を発光層(上記有機層)と透明導電性フィルム(上記電極)間の表裏対角位置の片縁部に配設する技術(例えば、特許文献2を参照。)が提案されている。この従来技術は、適宜採用されるが、上記問題を完全に解決できるわけではない。
有機層を構成する各層の面内膜厚変動を所定の値にする従来技術(例えば、特許文献3を参照。)や、有機層における発光層(有機発光領域)の膜厚を、面内において輝度が均一になるように、発光層の各位置において調整する従来技術も提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。この従来技術も適宜採用されうるが、有機EL素子の製造において、各層の膜厚を位置によって変更することは実際上極めて困難である。また、これを実現するためには、特別な製造方法を採用したり、この製造方法を実現するための製造装置を作製したりしなければならない。
発光領域を複数に分割し、各発光領域を直列で接続するライン光源に関する従来技術も提案されている(例えば、特許文献5を参照。)。より具体的には、複数の薄膜発光素子(発光領域)を直列に接続して各薄膜発光素子に流れる電流値を等しくし、各薄膜発光素子の面積を等しくすることで、各々の発光素子における電流密度を等しくし、これにより各薄膜発光素子の輝度を等しくする技術である。
また、電界発光素子である無機電界発光素子(以下、適宜無機EL素子と表記する。)においても、同様の問題が発生していた。
特開平5−315073号公報(請求項1、0002段落) 実開平5−20294号公報(請求項1) 特開平11−339960号公報(請求項1) 特開平11−40362号公報(請求項2、図1) 特開平2000−173771号公報(0040−0046段落、0060−0065段落、図5、図7) 宮田 誠蔵監修、「有機EL素子とその工業化最前線」、株式会社エヌ・ティー・エス、1998年11月30日発行、p.46−47、図9
本発明の目的は、素子の輝度分布を所望状態にするための新規な構成を備えた電界発光素子を提供することにある。「所望状態」には、素子全体として輝度が略均一になる状態や、中央部分が両サイドあるいは周縁部分に比較して輝度が高くなる状態や、画像等における任意の表示部の輝度が高くなる状態などがある。
上記の目的を達成するために本発明は、一対の電極に少なくとも電圧の印加により発光しうる電界発光素子であって、前記電界発光素子は、発光部と非発光部とを有し、前記発光部及び非発光部は、素子の輝度分布を所望状態にするための分布となるように設けられている電界発光素子を提供する。
前記発光部及び非発光部は、素子の輝度分布が全体として略均一になるように設けられているのが好ましい。
好適な例では、前記一対の電極において体積抵抗率が高い材料で形成された方の電極は平面状に形成され、前記非発光部は、前記体積抵抗率が高い材料で形成された方の電極の端子部の位置から物理的に近い位置ほど、単位面積当たりに占める面積が大きくなるように設けられている。
好適な例では、前記一対の電極において体積抵抗率が高い材料で形成された方の電極は平面状に形成され、前記発光部は、前記体積抵抗率が高い材料で形成された方の電極の端子部の位置から物理的に遠い位置ほど、単位面積当たりに占める面積が大きくなるように設けられている。
前記発光部及び非発光部は、素子の輝度分布として素子の中央部分が他の部分より明るくなるように設けられているのが好ましい。
好適な例では、前記非発光部は、該非発光部を設けない状態から前記電界発光素子の発光時の輝度を低下させたい割合が大きい領域ほど、単位面積当たりに占める面積が大きくなるように設けられている。
前記電界発光素子は、一対の電極間に少なくとも電圧の印加により発光しうる有機層が挟まれた有機電界発光素子であることが好ましい。
前記非発光部は、前記一対の電極の陰極と前記有機層との間に、陰極の材料より仕事関数の大きな材料で形成された部位が設けられることにより構成されているのが好ましい。
前記非発光部は、前記一対の電極の陽極と前記有機層との間に、陽極の材料より仕事関数の小さな材料で形成された部位が設けられることにより構成されているのが好ましい。
前記非発光部は、前記有機層が発光不能に変質されることにより構成されているのが好ましい。
前記発光部は、前記一対の電極の陰極と前記有機層との間に、電子注入層を設けることにより構成されているのが好ましい。
前記発光部は、前記一対の電極の陽極の所定部分を仕事関数が陽極の他の部分より大きくなるように変質されることにより構成されているのが好ましい。
前記電界発光素子は、前記発光部となる部分にのみ有機層が設けられているのが好ましい。
前記電界発光素子は、無機電界発光素子としてもよい。
前記非発光部は、前記一対の電極の少なくとも一方の電極と前記有機層との間に、絶縁部が設けられることにより構成されているのが好ましい。
前記電界発光素子は基板上に形成されるとともにボトムエミッション型に構成され、前記基板と透明電極との間の前記絶縁部と対応する位置にそれぞれ光反射層が設けられているのが好ましい。
本発明の有機EL素子を備えた有機EL装置の模式斜視図。 図1の有機EL素子に設けられた有機層を説明するための模式正面図。 (a)〜(c)は、図1の有機EL素子の発光部及び非発光部の第一の構成例を説明するための模式断面図。 (a)〜(c)は、有機EL素子の発光部及び非発光部の第二の構成例を説明するための模式断面図。 本発明の別の実施形態における有機EL素子に設けられた有機層を説明するための模式正面図。 図5に示す有機EL素子を備えた有機EL装置の模式断面図。 別の実施形態における有機EL素子を備えた有機EL装置の模式断面図。 (a)〜(c)は、同じく有機EL素子の形成工程を示す模式図。 別の実施形態における有機EL素子を備えた有機EL装置の模式断面図。 別の実施形態における有機EL素子を備えた有機EL装置の模式断面図。 別の実施形態における有機EL素子を備えた有機EL装置の模式断面図。 別の実施形態における有機EL素子を備えた有機EL装置の模式断面図。 別の実施形態における非発光部の配置を示す模式正面図。
以下、本発明の電界発光素子を、素子の輝度分布の所望状態として、素子全体として輝度が略均一になる有機EL素子に具体化した実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。なお、図1〜図4において、同一、同等若しくは類似の構成要素には同一の符号を付した。また、図1〜図4は、実際の有機EL素子を表現した図ではなく、その構成等を説明するために、その構成を模式的に示したものであり、一つ若しくはいくつかの寸法を極めて誇張した。また、断面図におけるハッチングを省略した部分がある。
図1に、本実施形態に係る有機EL素子1を透明基板9上に積層し、透明基板9側から外部へ光を取り出すボトムエミッション型の有機EL装置の模式斜視図を示す。図1に示す有機EL素子1は、透明基板9側から順に透明電極10、有機層20、背面電極30が形成されている。なお、図1では、有機層20の構成を分かりやすくするために、背面電極30を破線にて描いた。
まず、発光部21及び非発光部22について説明する。
〈発光部21、非発光部22〉
有機層20は、有機発光材料を含有し、透明電極10と背面電極30との間に電圧が印加されると電流が流れて光を発する層である。より詳細には、電圧が印加された際に実際に発光する部位(発光部21)と、発光しない部位(非発光部22)とを備える。
ここで、本実施形態においては透明電極10の方が背面電極30と比べて体積抵抗率の高い材料によって構成されているものとし、図1に符号11で示す部分が外部駆動回路の図示しない外部接続端子と接続される端子部とする。また、透明電極10と比べて背面電極30を構成する材料の体積抵抗率は、透明電極10を構成する材料の体積抵抗率と比べて無視できる程度に小さいものとする。無視できる程度に小さいとは、例えば1/10以下である。
この構成の場合、有機層20において、非発光部22が単位面積当たりに占める面積は、図2に示すように端子部11からの距離が遠くなるにつれて小さくなるように設計されている。換言すれば、発光部21が単位面積当たりに占める面積は、端子部11からの距離が遠くなるにつれて大きくなるように設計されている。
以上のように構成することで、有機層において単位面積当たりで発光する光の量は、端子部11からの距離に拘わらず概略均一にすることができる。この仕組みについて以下に説明する。
前記したように、透明電極10の端子部11から、透明電極10を通り有機層20を介して背面電極30へ通じる電流経路の抵抗値は、この経路に占める透明電極10の長さと相関関係がある。つまり、端子部11に近い位置において透明電極10から有機層20を介して背面電極30へ通じる電流経路ほど、この経路に占める透明電極10の長さが短くなるため、抵抗値も小さくなる。すなわち、電流が多く流れる。
一方、有機EL素子1は、端子部11に近い位置ほど単位面積当たりに占める非発光部22の面積が大きくなるように設計されている。つまり、単位面積当たりにおける発光部21の面積は、端子部11から遠くなるほど大きくなるように設計されている。
したがって、有機層20において、端子部11に近くなればなるほど、発光部21における電流密度が大きくなるが、電流が流れることのできる面積は小さくなる。逆に言えば、端子部11から遠くなればなるほど、発光部21における電流密度は小さくなるが、電流が流れることのできる面積は大きくなる。
したがって、上記構成を採用することで、有機層20において、端子部11からの距離に拘わらず、非発光部22の1つの面積よりも十分大きな単位面積当たりに流れる電流量を概略同一にすることができる。つまり、体積抵抗率の高い材料で構成された端子部11に近い位置ほど、単位面積当たりに占める非発光部22の面積が大きくなるようにすれば、この作用を得ることができる。換言すれば、端子部11から遠い位置ほど、単位面積当たりに占める発光部21の面積が大きくなるようにすれば、上記作用を得ることができる。
なお、有機層20における非発光部22の最適な分布は、有機EL素子1の性能、すなわち、有機EL素子1を構成する各層の材料や膜厚、製法等によって変わるため、これらの条件に合わせて適宜設計すればよいが、好ましくは、全体として輝度が略均一になるように設計する。すなわち、透明電極10と背面電極30との間に一般的な駆動電圧(例えば5V程度)を印加した場合に、単位面積当たりの有機層の発光量が均一になるように非発光部22の分布を設定すればよい。ここで、「全体として輝度が略均一」とは、有機EL素子1を光出射面側、この実施形態では透明基板9側から見たときに、光出射領域を複数に分割し、各領域の輝度の最小値を最大値で除算した値に100を掛けた値(%)が70%以上であることを意味する。前記各領域の面積は非発光部22の1つの面積よりも十分大きなものとし、例えば数平方ミリメートルである。
また、有機層20の面方向における非発光部22の大きさは、有機EL素子1を外部から眺めた際に非発光部22が肉眼で確認できない程度の大きさにすることが好ましく、一般には、非発光部22内の最も離れた2点の距離が300μm以下程度にするとよい。また、有機層20よりも光取出側に、例えば拡散板などの拡散機能を有する部材を設けたりする場合には、上記距離は500μm以下程度にするとよい。
次に、非発光部22の具体的構成及び非発光部22の具体的形成方法について説明する。
(非発光部22)
非発光部22は、前記したように、有機EL素子1において、透明電極10と背面電極30との間に電圧が印加されても発光しない部分であり、具体的には例えば以下のような構成によって発光しない領域を設けることができる。
(1)図3の断面図に示すように、非発光部22に対応する、有機層20と透明電極10との間、及び/又は有機層20と背面電極30との間に絶縁部40を設ける。
すなわち、図3(a)に示すように、有機層20の背面電極30側に接するように絶縁部40を設けて非発光部22を形成したり、図3(b)に示すように、有機層20の透明電極10側に接するように絶縁部40を設けて非発光部22を形成したりすればよい。また、図3(c)に示すように絶縁部40を有機層20の両側に設けてもよい。
これによって、電圧印加時に、有機層の絶縁部40と対応する部分に電荷(正孔及び/又は電子)が注入されなくなるため、非発光部22の有機層20から光が発せられない。
絶縁部40は、公知の有機EL素子に用いることができる絶縁材料を、非発光部22における有機層20表面全面に接するように、蒸着法やCVD法等の公知の薄膜形成法を用いて設ければよい。
なお、有機層20が積層構造を採用する場合には、有機層20を構成する層中の少なくとも一箇所に絶縁部40を設けてもよい。
絶縁部40を形成する材料としては、透明電極10の材料の体積抵抗率の約10倍以上の体積抵抗率を有するものが採用でき、このような材料としては、例えば、透明性ポリマー、酸化物、ガラスなどを挙げることができる。
より具体的に言えば、好ましい透明性ポリマーとしては、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、フッ素系樹脂、ポリアクリレート、ポリキノリン、ポリオキサジアゾール、環状構造を有するポリオレフィン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ラダー型ポリシロキサン等が挙げられる。
また、好ましい酸化物としては、SiO、Al、Ta、Si、フッ素添加SiO、MgO、YbOなどは、エッチング加工が可能な材料の好適例として挙げることができる。このような材料は、エッチング加工が容易なため、絶縁部40の形状を任意の(好適な)形状にすることができる。
さらに、上記した材料に加えて、感光性を有するフォトレジスト及びその硬化物も好適に採用できる。フォトレジスト法によって、前記同様に絶縁部40の形状を任意の形状に加工できるからである。
なお、有機層20等は、水や酸素等により劣化しやすいため、絶縁部40には含水量が0.1重量%以下、及びガス透過係数(JISK7126)が1×10−13cc・cm/(cm・s・cmHg)以下の材料を採用することが好ましい。このような材料としては、例えば無機酸化物、無機窒化物または両者の組成物が挙げられる。
また、絶縁部40は、有機層20から発せられる波長の光を透過する機能(透過機能)や、上記光を散乱する機能(散乱機能)、反射する機能(反射機能)等を備えていてもよい。
絶縁部40は、有機層20の光取出側とは反対側に設けられる場合で、特に、背面電極30が反射機能を備えている場合には、有機層20から発せられる波長の光を反射する機能(反射機能)を備えているとよい。これにより、有機層20から発せられた光のうちで光取出側とは反対側に出射された光の進行方向を光取出側へ変換することができる。また、非発光部22は、発光はしないが、光はある程度出射するようになるため、いわゆる黒点(ダークスポット)として判断される(肉眼で確認される)可能性を極めて低くすることができる。
背面電極30が、コントラスト向上等の目的で、有機層20から発せられた光を吸収する機能(吸収機能)を備えている場合には、絶縁部40にも吸収機能を持たせるとよい。絶縁部40に吸収機能を持たせるには、前記したような材料の中から、絶縁部40形成時に上記光を吸収するものを選択して絶縁部40を形成すればよい。また、絶縁部40の周囲のみをこのような材料で形成してもよい。
また、絶縁部40は透過機能を備えていてもよい。これにより、有機層20から光取出側とは反対側に発せられた光を背面電極30へ到達させることができる。つまり、背面電極30は、例えば反射機能等の機能を有している場合、非発光部22においても発光部21と同様にその機能を発揮することが可能となる。
当然、絶縁部40に前記した以外の公知の機能を持たせることも可能である。
透過機能を非発光部22に持たせるには、上記したような材料の中で、絶縁部40とされた際に上記光に対する透過性を備えた材料を用いて絶縁部40を作成すればよい。また、散乱機能は、絶縁部40内に屈折率の異なる材料で形成されたビーズ等を分散させたりするなど、公知の方法によって実現することができる。反射機能は、上記したような材料の中から反射機能を有する材料を選択して絶縁部40を形成することで形成できる。また、絶縁部40とは別個に、絶縁部40に隣接して反射部材を設けてもよい。
なお、散乱機能や反射機能は、絶縁部40の表面のみに設けるなど、絶縁部40の一部にのみ設けてもよい。
(2)非発光部22において、透明電極10、有機層20及び背面電極30の少なくとも一つを設けない。
例えば図4(a)に示すように、非発光部22における有機層20を設けないようにしたり、図4(b)に示すように、非発光部22における背面電極30を設けないようにしたり、図4(c)に示すように、非発光部22における透明電極10を設けないようにしたりしても非発光部22を形成できる。当然、これらの複数の層、さらにはすべての層を設けなくても非発光部22を構成できる。
以上のような構成を採用すれば、非発光部22と対応する部分の有機層20に電流が流れないため、非発光部22から光が発しない。
また、この構成を採用すれば、非発光部22において設けない層を有する分、有機EL素子1形成に必要な材料の量を少なくすることも可能になる。
なお、このような構成を作成するには、例えば次のような製法を採用すればよい。
・マスク等を用いた、微細領域に薄膜を形成する方法を用いて発光部21にのみ透明電極10等を設ける。
・印刷法等の微細領域に薄膜を形成できる方法を用いて透明電極10等を設ける。
・一旦透明電極10等を設けた後に非発光部22に対応する部分の透明電極10等を機械削剥やドライエッチング、ウェットエッチングなどの公知の微細加工法(除去法)を用いて除去する。
また、非発光部22において透明電極10等を設けない箇所には、有機EL素子1を保護するための保護部材を配置するとよい。この領域に空気等の有機EL素子1を劣化させる物質が存在することを防止したり、有機EL素子1を構成する各層の平滑性を保ったりするためである。例えば、透明電極10が設けられていない領域上に有機層20、背面電極30を設けると、有機層20及び背面電極30において、それぞれ段差ができてしまう可能性があるからである。また、有機層20が設けられていない領域上に背面電極30を設けると、透明電極10と背面電極30とが短絡してしまう可能性があるからである。
(3)非発光部22における有機層20の膜厚を、発光部21におけるそれよりも厚くする。
有機層20は体積抵抗率が高いために、前記した構成を採用すれば、非発光部22を通る電流経路の抵抗率が高くなり、発光部21よりも電流が流れにくくなり、実質的に発光しなくなる。
(4)有機層20を変質させて、電圧が印加されても発光させないようにする。
有機層20を透明電極10上に略均一に形成した後、非発光部22に位置する有機層20に対して紫外線を照射したりレーザを照射したりするなどして、有機層20を変質させることで、電圧が印加されても発光させないようにする。このように処理された領域を非発光部22とすればよい。
次に、有機層20の一般的構成や製法等について説明する。
〈有機層20〉
有機層20は、透明電極10と背面電極30との間に設けられるとともに、両電極に電圧が印加されることで発光する有機発光材料を含有する層であり、公知の有機EL素子における公知の層構成及び公知の材料を使用すればよく、公知の製造方法によって製造できる。
有機層20は、少なくとも以下の機能を実現できればよく、積層構造とし、各層にそれぞれいずれかの機能を担わせてもよく、単層により下記機能を実現してもよい。
・電子注入機能
電極(陰極)から電子を注入される機能。電子注入性。
・正孔注入機能
電極(陽極)から正孔(ホール)を注入される機能。正孔注入性。
・キャリア輸送機能
電子及び正孔の少なくとも一方を輸送する機能。キャリア輸送性。
電子を輸送する機能は電子輸送機能(電子輸送性)と言い、正孔を輸送する機能は正孔輸送機能(正孔輸送性)と言う。
・発光機能
注入・輸送された電子及び正孔を再結合させて励起子を発生させ(励起状態となり)、基底状態に戻る際に光を発する機能。
透明電極10を陽極とする場合、有機層20は、例えば、透明電極10側から正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層の順に層を設けて構成してもよい。
正孔注入輸送層は、陽極から発光層へ正孔を輸送する層である。正孔注入輸送層形成用の材料としては、例えば、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1、1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N、N’−ジフェニル−N、N’−ビス(3−メチルフェニル)−1、1’−ビフェニル−4、4’−ジアミン、N、N’−ジ(1−ナフチル)−N、N’−ジフェニル−1、1’−ビフェニル−4、4’−ジアミン等の芳香族アミンなどの低分子材料や、ポリチオフェン、ポリアニリン等の高分子材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
発光層は、陽極側から輸送された正孔と陰極側から輸送された電子とを再結合させて励起状態となり、励起状態から基底状態へ戻る際に光を発する層である。発光層の材料としては、蛍光材料や燐光材料を採用することができる。また、ホスト材中にドーパント(蛍光材料や燐光材料)を含有させてもよい。
発光層形成用の材料としては、例えば、9、10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン誘導体、コロネン誘導体、ペリレン誘導体、ルブレン誘導体、1、1、4、4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1、2、3、4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2、5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N、N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N、N’−ジアリール置換ピロロピロ−ル系蛍光体等の低分子材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン等の高分子材料、その他既存の発光材料を用いることができる。ホスト/ゲスト型の構成を採用する場合には、これらの材料の中から適宜ホスト及びゲスト(ド−パント)を選択すればよい。
電子注入輸送層は、陰極(本例では背面電極30)から発光層へ電子を輸送する層である。電子注入輸送層形成用の材料としては、例えば、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1、3、4−オキサジアゾール、2、5−ビス(1−ナフチル)−1、3、4−オキサジアゾール及びオキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾ−ル化合物等が挙げられる。
なお、有機層20には、バッファ層や正孔ブロック層、電子注入層、正孔注入層等の公知の有機エレクトロルミネッセンス層に採用されうる層を設けることも当然に可能である。これらの層も、公知の材料を用いて公知の製法によって設けることができる。例えば電子注入輸送層を、電子注入機能を担う電子注入層と電子輸送機能を担う電子輸送層とに機能分離して積層してもよい。これらの各層を構成する材料は、各層の機能に応じて、公知の材料から適宜選択すればよく、上記した電子注入輸送層形成用の材料の中から選択することもできる。
次に透明電極10及び背面電極30についてあわせて説明する。
〈電極〉
透明電極10及び背面電極30は、一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。本実施形態においては、いずれの電極が陽極であっても(陰極であっても)構わない。まず、陽極について説明する。
(陽極)
陽極は、有機層20に正孔(ホール)を注入する電極である。
陽極形成用の材料は、上記した性質を電極に付与する材料であればよく、一般には金属、合金、電気伝導性の化合物及びこれらの混合物等、公知の材料が選択される。
陽極形成用の材料としては、例えば以下のものを挙げることができる。
ITO(インジウム−スズ−オキサイド)、IZO(インジウム−亜鉛−オキサイド)、酸化スズ、酸化亜鉛、亜鉛アルミニウム酸化物、窒化チタン等の金属酸化物や金属窒化物;
金、白金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉛、クロム、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ等の金属;
これらの金属の合金やヨウ化銅の合金等、
ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリフェニレンスルフィド等の導電性高分子
など。
透明電極10を陽極とする場合には、一般に、取り出す光に対する透過率が10%よりも大きくなるように設定される。可視光領域の光を取り出す場合には、可視光領域で透過率の高いITOが好適に用いられる。
背面電極30を陽極とする場合には、好ましくは反射性電極として構成される。この場合、以上のような材料の内、外部へ取り出す光を反射する機能を備えた材料が適宜選択され、一般には金属や合金、金属化合物が選択される。
また、コントラスト等を防止したり、外光の反射を防止したりするために、背面電極30に光の吸収機能を持たせてもよい。背面電極30に吸収機能を持たせるには、前記したような材料の中から、電極を形成した際に吸収機能を発揮する材料を適宜選択すればよい。
陽極は、上記したような材料一種のみで形成してもよく、複数を混合して形成してもよい。また、同一組成又は異種組成の複数層からなる複層構造であってもよい。
陽極の膜厚は、使用する材料にもよるが、一般に5nm〜1μm程度、好ましくは10nm〜1μm程度、さらに好ましくは10nm〜500nm程度、特に好ましくは10nm〜300nm程度、望ましくは10nm〜200nmの範囲で選択される。
陽極は、上記したような材料を用いて、スパッタリング法やイオンプレーティング法、真空蒸着法、スピンコート法、電子ビーム蒸着法などの公知の薄膜形成法によって形成される。
陽極のシート電気抵抗は、好ましくは、数百Ω/□以下、より好ましくは、5〜50Ω/□程度に設定される。
また、陽極の表面を、UVオゾン洗浄やプラズマ洗浄してもよい。
有機EL素子の短絡や欠陥の発生を抑制するためには、粒径を微小化する方法や成膜後に研磨する方法により、表面の粗さを二乗平均値として20nm以下に制御するとよい。
(陰極)
陰極は、有機層20(上記層構成では電子注入輸送層)に電子を注入する電極である。
陰極形成用の材料としては、電子注入効率を高くするために仕事関数が例えば4.5eV未満、一般には4.0eV以下、典型的には3.7eV以下の金属や合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物が採用される。
以上のような電極物質としては、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、カルシウム、スズ、ルテニウム、チタニウム、マンガン、クロム、イットリウム、アルミニウム−カルシウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、リチウム−インジウム合金、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物などが挙げられる。また、陽極に用いられる材料として採用できる材料も使用できる。
背面電極30が陰極とされる場合には、以上のような材料の内、外部へ取り出す光を反射する機能を備えた材料が好ましく選択され、一般には金属や合金、金属化合物が選択される。
透明電極10が陰極とされる場合には、一般に、取り出す光に対する透過率が10%よりも大きくなるように設定され、例えば、超薄膜のマグネシウム−銀合金に透明な導電性酸化物を積層化して形成された電極などが採用される。また、この陰極において、導電性酸化物をスパッタリングする際に発光層などがプラズマにより損傷するのを防ぐため、銅フタロシアニンなどを添加したバッファ層を陰極と有機層20との間に設けるとよい。
陰極は、以上のような材料単独で形成してもよいし、複数の材料によって形成してもよい。例えば、マグネシウムに銀や銅を5%〜10%添加させれば、陰極の酸化を防止でき、また陰極の有機層20との接着性も高くなる。
また、陰極は、同一組成又は異種組成の複数層からなる複層構造であってもよい。例えば以下のような構造にしてもよい。
・陰極の酸化を防ぐため、陰極の有機層20と接しない部分に、耐食性のある金属からなる保護層を設ける。
この保護層形成用の材料としては例えば銀やアルミニウムなどが好ましく用いられる。
・陰極の仕事関数を小さくするために、陰極と有機層20との界面部分に仕事関数の小さな酸化物やフッ化物、金属化合物等を挿入する。
例えば、陰極の材料をアルミニウムとし、界面部分にフッ化リチウムや酸化リチウムを挿入したものも用いられる。
陰極は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン化蒸着法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などの公知の薄膜成膜法によって形成できる。
陰極のシート電気抵抗は、数百Ω/□以下に設定することが好ましい。
次いで、有機EL素子1に好ましく採用される層や部材について説明する。
(絶縁層)
透明電極10と背面電極30とが短絡しないようにするために、有機層20の外周に絶縁層を設けるとよい。このように絶縁層を設けることで、電気的に隣接する発光領域の透明電極10やその背面電極30が有機層20と接触することも防止できる。
絶縁層形成用の材料としては、公知の有機EL素子に採用される絶縁部形成用の材料を適宜採用することができ、例えば、上記した絶縁部40形成用の材料を採用することもできる。形成方法も公知の形成方法を採用でき、例えばスパッタ法、電子線蒸着法、CVD法等を採用することができる。
(補助電極)
補助電極を設けることも当然に可能である。補助電極は、陽極及び/又は陰極に電気的に接続するように設けられ、接続する電極よりも体積抵抗率の低い材料で構成される。このような材料により補助電極を形成すれば、補助電極が設けられた電極全体の体積抵抗率を下げることが可能となり、有機層20を構成する各点に流れる電流の大きさの最大差を、補助電極を設けない場合と比べて小さくできる。
補助電極形成用の材料としては、例えば、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、金(Au)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ネオジウム(Nd)、及びこれらの合金を挙げることができる。
また、これらの合金の具体例としては、Mo−W、Ta−W、Ta−Mo、Al−Ta、Al−Ti、Al−Nd、Al−Zr等の合金を挙げることができる。さらに、補助配線層の構成材料としては、金属とケイ素の化合物である、TiSi、ZrSi、HfSi、VSi、NbSi、TaSi、CrSi、WSi、CoSi、NiSi、PtSi、PdSiなども好ましい。また、これらの金属やケイ素化合物をそれぞれ積層した構成であってもよい。
なお、補助電極は、上記したような材料による単層の膜であってもよいが、膜の安定性を高める上で二種以上の多層膜とすることも好ましい。このような多層膜としては、上記金属またはそれらの合金を用いて形成することができる。例えば、三層の場合、Ta層とCu層とTa層、及びTa層とAl層とTa層、二層の場合、Al層とTa層、Cr層とAu層、Cr層とAl層、及びAl層とMo層の組合せを挙げることができる。
ここで、膜の安定性とは、低体積抵抗率を維持しうるとともに、エッチングの際、その処理に用いる液等により腐食されにくい性質をいう。たとえば、補助電極をCuやAgで構成した場合には、補助電極の体積抵抗率自体は低いものの、腐食しやすい場合がある。それに対して、CuやAgからなる金属膜の上部及び下部、あるいはいずれか一方に、耐食性に優れた金属、例えばTa、Cr、Mo等の膜を積層することにより、補助電極の安定性を高めることができる。
補助電極の膜厚は、一般には100nm〜数10μmの範囲内の値とすることが好ましく、特に好ましくは200nm〜5μmの範囲内の値とすることである。
この理由は、かかる膜厚が100nm未満となると、抵抗値が大きくなり、補助電極として好ましくなく、一方、かかる膜厚が数10μmを超えると平坦化しにくくなり、有機EL素子1の欠陥が生じるおそれがあるためである。
補助電極の幅は、例えば、2μm〜1、000μmの範囲内の値とすることが好ましく、5μm〜300μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、かかる幅が2μm未満となると、補助電極の抵抗が大きくなる場合があるためであり、一方、かかる幅が1000μmを超えると、外部への光の取り出しを妨害する場合があるためである。
(保護層:パッシベーション膜、封止缶)
有機層20等を外気から保護するために、有機EL素子1をパッシベーション膜や封止缶によって保護してもよい。
パッシベーション膜は、有機EL素子1が酸素や水分と接触するのを防止するために透明基板9と反対側に設けられる保護層(封止層)である。パッシベーション膜に使用する材料としては、例えば、有機高分子材料、無機材料、さらには光硬化性樹脂などを挙げることができ、保護層に使用する材料は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。保護層は、一層構造であってもよく、また多層構造であってもよい。パッシベーション膜の膜厚は、外部からの水分やガスを遮断できる厚さであればよい。
有機高分子材料の例としては、クロロトリフルオロエチレン重合体、ジクロロジフルオロエチレン重合体、クロロトリフルオロエチレン重合体とジクロロジフルオロエチレン重合体との共重合体等のフッ素系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート等のアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリパラキシレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂などを挙げることができる。
無機材料としては、ポリシラザン、ダイヤモンド薄膜、アモルファスシリカ、電気絶縁性ガラス、金属酸化物、金属窒化物、金属炭素化物、金属硫化物などを挙げることができる。
封止缶は、外部からの水分や酸素を遮断するための、封止板、封止容器等の封止部材により構成される部材である。封止缶は、背面側の電極側(透明基板9とは反対側)のみに設置しても、有機EL素子1全体を覆ってもよい。封止部材は、有機EL素子1を封止でき外部の空気を遮断することができればよく、封止部材の形状、大きさ、厚さ等は特に限定されない。封止部材に用いる材料としては、ガラス、ステンレススチール、金属(アルミニウム等)、プラスチック(ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート等)、セラミック等が使用できる。
封止部材を有機EL素子1に設置する際には、適宜封止剤(接着剤)を用いてもよい。有機EL素子1全体を封止部材で覆う場合は、封止剤を用いずに封止部材同士を熱融着してもよい。封止剤としては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、二液型硬化樹脂等が使用可能である。
なお、パッシベーション膜や封止缶と有機EL素子1との間の空間に水分吸収剤を挿入してもよい。水分吸収剤は特に限定されず、具体例としては酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化リン、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等が挙げられる。
また、パッシベーション膜や封止缶内に不活性なガスを封入してもよい。不活性なガスとは、有機EL素子1と反応しないガスのことをいい、例えばヘリウム、アルゴン等の希ガスや窒素ガスを採用することができる。
次に基板について説明する。
〈基板〉
基板は、有機EL素子1を支える、主として板状の部材である。有機EL素子1は、構成する各層が非常に薄いため、一般に基板によって支えられた有機EL装置として作製される。
基板は、有機EL素子1が積層される部材であるため、平面平滑性を有していることが好ましい。
また、基板は、有機層20よりも光取り出し側にある場合には取り出す光に対して透明とされる。この実施形態の有機EL素子1はボトムエミッション型の素子であるため、基板は、透明であり、また、透明基板9の有機EL素子1と接する平面とは反対側の平面が光取出面90とされる。
基板としては、上記した機能を有していれば公知のものを用いることができる。一般には、ガラス基板やシリコン基板、石英基板などのセラミックス基板や、プラスチック基板が選択される。また、金属基板や支持体に金属箔を形成した基板なども用いられる。さらに、同種又は異種の基板を複数組み合わせた複合シートからなる基板を用いることもできる。
なお、上記例では、透明基板9上に透明電極10、有機層20及び背面電極30を順次積層したボトムエミッション型の有機EL装置を示したが、有機EL装置として構成せず、透明基板9を有しない有機EL素子1として構成してもよいことは当然である。この場合には、はじめから基板を用いずに有機EL素子1を製造してもよく、又は、有機EL装置作製後に基板をエッチング等の公知の基板削剥技術により削除して有機EL素子1を製造してもよい。
また、トップエミッション型装置として構成しても、両側から光を取り出す装置として構成してもよいことは前記したとおりである。
すなわち、ボトムエミッション型の有機EL素子1を製造するには、透明基板9上に、透明電極10、有機層20及び背面電極30を、前記したそれぞれの成膜方法を用いて成膜すればよい。トップエミッション型の有機EL素子を製造するには、基板上に、背面電極30、有機層20及び透明電極10を順次成膜すればよい。
次に、上記有機EL素子1の作用及び効果について説明する。
〈作用及び効果〉
有機EL素子1における透明電極10及び背面電極30は、それぞれの端子部11、31で外部駆動回路と接続される。そして、外部駆動回路によって有機EL素子に電圧が印加されると、有機層に電圧が印加される。この際、発光部21は発光し、非発光部22は発光しない。
前記したように非発光部22は、体積抵抗率の高い電極(本例では透明電極10)の端子部11に近いほど、単位面積当たりに占める面積が広い。また、端子部11に近いほど、発光部21における電流密度は大きい。したがって、有機層20の非発光部22の1つの面積よりも十分に大きな単位面積当たりにおいて、有機層20を流れる電流量は、端子部11からの距離によってその大きさをほぼ同じにすることができる。
また、前記した説明中に記載した各作用や効果も当然得ることができる。
次に、本発明を、有機EL素子の輝度分布の所望状態として、素子の中央部分が両サイドに比較して輝度が高くなる状態の有機EL素子に具体化した実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、前記実施形態と同一又は相当する部分には同一符号を付して詳しい説明を省略する。図5は有機層20と非発光部22との関係を示す模式正面図であり、図6は有機EL装置の模式断面図である。なお、図6において断面を示すハッチングを省略している。
図6に示すように、有機EL装置は、透明基板9上に、透明電極10、有機層20及び背面電極30が順に形成されている。有機層20の背面電極30側の面には絶縁部40が複数箇所に設けられており、有機層20の絶縁部40と対応する部分が非発光部22を構成する。即ち、有機層20は絶縁部40の数と同数の非発光部22を有する。なお、有機EL素子1は、透明基板9と対向する面を除いた部分が、図示しない、パッシベーション膜により保護されている。
透明電極10の端子部11は、前記実施形態と同様に透明電極10の一端側の隅部に設けられている。したがって、有機層20に非発光部22を設けない状態で、透明電極10及び背面電極30間に電圧が印加された場合は、端子部11に物理的に近い領域ほど輝度が高くなる。
この輝度分布が、非発光部22を設けることによって、有機EL素子1の中央部分の所定領域51が両サイドの領域52a,52bに比較して輝度が高くなる状態になるように調整されている。具体的には、複数の非発光部22が設けられ、非発光部22は、該非発光部22を設けない状態から有機層20の発光時の輝度を低下させたい割合が大きい領域ほど、単位面積当たりに占める面積が大きくなるように設けられている。
非発光部22を設ける前の発光時の状態では、端子部11に近い領域ほど輝度が高い。したがって、中央部分の所定領域51が両サイドの領域52a,52bに比較して輝度が高くなるようにするためには、端子部11に近い領域52aでは非発光部22の割合を中央部分の所定領域51より多くする。中央部分の所定領域51内でも、端子部11に近い側の方が遠い側の方より非発光部22の分布割合が多くなるように設けられる。また、端子部11から遠い側の領域52bでは、領域51に近い側では隣接する領域51の部分より非発光部22の分布割合が多くなるが、領域51から離れるほど少なくなるため、場合によっては領域51から離れた部分における非発光部22の分布割合が領域51における非発光部22の分布割合より少なくなることもある。
この実施形態において、有機EL素子1を構成する有機層20、発光部21、非発光部22、透明電極10、背面電極30等の各部の構成は、前記実施形態の場合と同様に種々の構成が可能である。また、基板、絶縁層、補助電極、保護層(パッシベーション膜、封止缶)等も前記実施形態の場合と同様に種々の構成が可能である。
この実施形態においても、有機EL素子1における透明電極10及び背面電極30は、それぞれの端子部11、31を介して外部駆動回路と接続される。そして、外部駆動回路によって有機EL素子1に電圧が印加されると、有機層20に電圧が印加される。この際、発光部21は発光し、非発光部22は発光しない。そして、非発光部22が上記のような分布で設けられているため、素子の中央部分の所定領域51が両サイドの領域52a,52bに比較して輝度が高くなる状態に発光する。
また、前記実施形態の構成に基づく作用や効果のうち、この実施形態においても同一の構成の部分に関してはそれらの作用効果も当然得ることができる。例えば、絶縁部40を反射率の高い材質で形成することにより、同じ輝度を得るのに必要な消費電力を低くできる。
次に、絶縁部40を設けることにより非発光部22を形成して、有機EL素子1の中央部分の所定領域が両サイドの領域に比較して輝度が高くなる状態の有機EL素子に具体化した別の実施形態について、図7及び図8を参照して説明する。なお、前記実施形態と同一又は相当する部分には同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図7に示すように、この実施形態では絶縁部40が透明電極10(陽極)と有機層20との間に設けられ、透明基板9と透明電極10との間の前記絶縁部40と対応する位置にそれぞれ光反射層23が設けられている点が前記実施形態と異なり、その他の点は同じである。
前記実施形態では絶縁部40が有機層20と背面電極30との間に設けられているため、有機層20を形成した後に絶縁部40を形成する必要がある。絶縁部40は予め設定された分布となるように形成する必要があり、有機層20上に一平面となるように形成するのではなく、パターン形成を必要とする。有機層20は、水分や高熱に弱いため、エッチングなどで不要な部分を除去して必要な箇所に絶縁部40を形成する方法では、有機層20を損傷しないようにするための製造条件が厳しくなる。
しかし、この実施形態では、絶縁部40は透明電極10と有機層20との間に設けられているため、絶縁部40を形成した後、有機層20を形成することが可能となり、絶縁部40を形成する際の自由度が高くなる。例えば、絶縁部40はポジタイプのフォトレジストで形成され、所定の分布(パターン)の絶縁部40が形成される。そして、フォトレジストを露光する際に絶縁部40となる部分以外の部分を露光するためのマスクを特に設けなくても、光反射層23が形成された透明基板9がマスクの役割を果たす。
具体的には、透明基板9上に有機EL素子1を形成する工程において、透明基板9の所定位置(絶縁部40が形成される位置と対応する位置)に光反射層23が形成された後、図8(a)に示すように、その上に透明電極10が形成される。光反射層23は、例えば銀で形成される。次に透明電極10の上にフォトレジスト層24が形成された後、図8(b)に示すように、透明基板9側から露光され、フォトレジスト層24の光反射層23と対応する部分以外の部分が可溶性となる。次に、可溶性となった部分を除去し、図8(c)に示すように、光反射層23と対応する部分に絶縁部40が形成される。以下、有機層20、背面電極30及び保護層(図示せず)が形成されて有機EL装置が形成される。なお、図7では、便宜上、有機層20を絶縁部40より厚く図示しているが、実際は絶縁部40の方が厚い。
この実施形態においても前記実施形態と同様に、有機EL素子1に電圧が印加されると、素子の中央部分の所定領域51が両サイドの領域52a,52bに比較して輝度が高くなる状態に発光する。そして、この実施形態においては、輝度分布を決める絶縁部40がフォトレジストで形成され、その露光時に使用されるマスクの役割を光反射層23が形成された透明基板9が果たすため、絶縁部40が設計どおりの位置に精度良く形成される。また、輝度分布を設計どおりにするためには、絶縁部40と対応する位置、即ち非発光部22と対応する箇所からは光が出射しない方が設計が容易である。この実施形態では、絶縁部40と対応する位置に光反射層23が形成されているため、絶縁部40が光を一部透過させてもその光が透明基板9から出射されるのが光反射層23で阻止され、設計通りの輝度分布を得るのが容易になる。また、非発光部22では、透明基板9の光取出面90側から有機EL素子1の内部に向かう光が、光反射層23で反射される。よって、例えば、有機層や透明電極が光を吸収する機能を備えている場合には、これらの光を吸収する層を透過せずに光反射層23で反射されるため、前記実施形態よりも光損失が小さくなり、低消費電力化を図れる。
次に本発明を、有機EL素子の輝度分布の所望状態として、有機EL素子の中央部分の所定領域が両サイドの領域に比較して輝度が高くなる状態の有機EL素子に具体化した別の実施形態について、図9を参照して説明する。なお、前記実施形態と同一又は相当する部分には同一符号を付して詳しい説明を省略する。
この実施形態では、有機層20を挟んで陽極(透明電極10)と反対側に位置する電極である陰極(背面電極30)には、有機層20と対向する側に、当該電極の材料より仕事関数が大きな材料で形成された部位25を複数有する点が前記実施形態と異なり、その他の点は同じである。有機層20の前記部位25と対応する部分が非発光部22を構成する。即ち、有機層20は部位25の数と同数の非発光部22を有する。部位25は、部位25を設けない状態から有機層20の発光時の輝度を低下させたい割合が大きい領域ほど、単位面積当たりに占める面積が大きくなるように設けられている。
背面電極30は、例えば、アルミニウムで形成され、部位25は、例えば、銀で形成されている。ここで、銀はアルミニウムよりも反射率が大きいので、この場合、部位25は、反射率が背面電極30より大きくなる。部位25は、前記実施形態における絶縁部40に代えて設けられるものである。前記実施形態のように、絶縁部40を設けた場合、透明電極10及び背面電極30間に電圧が印加されても、対応する部分の有機層20に電流が流れず、その部分は非発光部22となる。
一方、この実施形態では、絶縁部40に代えて陰極(背面電極30)の材料より仕事関数が大きな材料で形成された部位25が、有機層20と陰極(背面電極30)との間に存在する。部位25は、絶縁部40と異なり、絶縁材ではなく導電材で構成されているため電流は流れ易い。しかし、有機層20は本来絶縁材であり、陰極側において有機層20に異なる仕事関数の材料が接している状態で陽極及び陰極間に電圧を印加させた場合、その印加電圧が仕事関数の大きな材料による電子注入が可能な最低電圧に達していない場合は、仕事関数の小さな材料のみ電子注入が可能となる。従って、その状態では仕事関数の大きな材料と対応する部分の有機層20には電流が流れず、その部分は非発光部22となる。
即ち、透明電極10及び背面電極30間に、仕事関数の小さな材料(背面電極30の材料)のみ電子注入が可能となる電圧が印加された際は、背面電極30の材料より仕事関数が大きな材料で形成された部位25は透明電極10側へ向かって電流を流すことはできず、絶縁部と同様に機能する。
したがって、前記絶縁部40を設けた実施形態の有機EL素子1における絶縁部40と同様な分布となるように部位25を設ければ、前記実施形態と同様に、中央部分の所定領域51が両サイドの領域52a,52bに比較して輝度が高くなる状態で発光する有機EL素子1が得られる。所定領域51及び領域52a,52bで得たい輝度の値に応じて、所定領域51及び領域52a,52bに設ける部位25の大きさ及び数が設定される。材料により仕事関数の大きさが異なるため、部位25を形成する材料は、背面電極30を形成する材料が変更された場合は、別の材料を選択しなければならない場合もある。
この実施形態においても絶縁部40を設けた前記実施形態と同様な効果が得られる他、次のような効果も得られる。すなわち、有機EL素子1を輝度上昇フィルム(BEF:Brightness Enhancement Film)を備えたバックライトとして使用する場合、輝度上昇フィルムにより、反射戻り光が発生するため、本実施形態では、部位25が背面電極30より反射率が高い材料で形成されているので、反射戻り光を再度効率良く透明電極10側へ反射することができる。その結果、低消費電力化が図れる。
導電材料を使用して非発光部22を形成する構成としては、前記実施形態のように有機層20と陰極(背面電極30)との間に、陰極より仕事関数の大きな材料で形成された部位を設ける代わりに、陽極より仕事関数の小さな材料で形成された部位を陽極(透明電極10)と有機層20との間に設けてもよい。例えば、図10に示すように、非発光部22を形成すべき有機層20の箇所と対応する透明電極10と有機層20との間に、陽極の材料より仕事関数の小さな材料で形成された部位27を複数設ける。
透明電極10をITOで形成した場合、ITOの仕事関数は、4.5〜4.8eVであるため、それより小さな仕事関数の金属が前記部位27の材料として使用される。金属としては例えば、アルミニウムが使用される。
この場合、部位27は、絶縁部40に代えて設けられるものである。前記実施形態のように、絶縁部40を設けた場合、透明電極10及び背面電極30間に電圧が印加されても、対応する部分の有機層20に電流が流れず、その部分は非発光部22となる。
一方、この実施形態では、絶縁部40に代えて陽極(透明電極10)の材料より仕事関数が小さな材料で形成された部位27が、有機層20と陽極(透明電極10)との間に存在する。部位27は、絶縁部40と異なり、絶縁材ではなく導電材で構成されているため電流は流れ易い。しかし、有機層20は本来絶縁材であり、陽極側で有機層20に正孔が注入される領域において電流が流れる。両極間に電圧が印加された際、仕事関数が大きな材料製の陽極の方が正孔を注入し易く、仕事関数が小さな材料に比較して低電圧で正孔が注入される。したがって、陽極側において有機層20に異なる仕事関数の材料が接している状態で陽極及び陰極間に電圧を印加させた場合、その印加電圧が仕事関数の小さな材料が正孔注入を可能な大きさの電圧に達していない場合は、仕事関数の大きな材料のみ正孔注入が可能となる。そして、その状態では仕事関数の小さな材料と対応する部分の有機層20には電流が流れず、その部分は非発光部22となる。
したがって、この実施形態においても、前記絶縁部40を設けた実施形態の有機EL素子1における絶縁部40と同様な分布となるように部位27を設ければ、前記実施形態と同様に、中央部分の所定領域51が両サイドの領域52a,52bに比較して輝度が高くなる状態の有機EL素子1が得られる。
また、部位27を形成する導電材料は、ITOに比較して抵抗が小さいため、部位27を設けることにより、透明電極10の面方向における抵抗が全体として小さくなり、透明電極10及び背面電極30間に同じ電圧を印加した際、流れる電流量が多くなり、有機EL素子1全体の輝度を高めることが可能となる。
次に、有機EL素子1全体として輝度を略均一にした場合の実施形態について説明する。図11に示すように、有機EL装置は、透明基板9上に、透明電極10(陽極)、有機層20及び背面電極30(陰極)が順に形成されている。背面電極30の有機層20側の面には電子注入層28が複数箇所に設けられており、有機層20の電子注入層28と対応する部分が発光部21を構成する。即ち、有機層20は電子注入層28の数と同数の発光部21を有する。なお、有機EL素子1は、透明基板9と対向する面を除いた部分が、図示しない、パッシベーション膜により保護されている。
電子注入層28は背面電極30の材料より仕事関数の小さな材料で形成されている。背面電極30及び電子注入層28の材料の組合せとしては、例えば、背面電極30の材料に銀、電子注入層28の材料にリチウム又はセシウム、背面電極30の材料にアルミニウム、電子注入層28の材料にフッ化リチウムの組合せが好ましい。この実施形態では、背面電極30(陰極)は銀で形成され、電子注入層28はリチウム又はセシウムで形成されている。したがって、陽極と陰極間に電子注入層28のみ電子注入が可能となる電圧が印加された状態では、電子注入層28から有機層20に電流が流れて発光部21となる。一方、背面電極30が有機層20と接触している部分では電子注入が行われず、有機層20に電流が流れないため、その部分は非発光部22となる。
発光部21の輝度は端子部11に近いほど高くなるため、有機EL素子1全体として略均一な輝度とするため、端子部11から遠いほど、単位面積当たりに占める電子注入層28の面積が大きくなるように、電子注入層28の数及び大きさが設定される。
有機EL装置は、使用に際して、陽極と陰極間に電子注入層28のみ電子注入が可能となる電圧が印加された状態で使用される。その状態では、電子注入層28と対応する部分が発光部21となり、発光部21が前記のような分布で発光するため、有機EL素子1は全体として略均一な輝度で発光する。
また、陰極として反射性の高い材料の銀が使用されているため、発光部21で発光して背面電極30側に進んだ光の一部が、背面電極30で反射して透明電極10側を経て出射する割合が高くなる。その結果、全体としての輝度が同じ場合に、より低消費電力化が図れる。
次に、別の実施形態を説明する。前記実施形態では、背面電極30の有機層20側の面に電子注入層28を複数箇所に設けるとともに、電子注入層28のみが電子注入可能となる大きさの電圧を陽極及び陰極間に印加して使用する構成であった。この実施形態では、電子注入層28を設ける代わりに、図12に示すように、陽極を構成する透明電極10の、有機層20と対向する側の前記実施形態で電子注入層28が設けられた箇所と対応する部位29の仕事関数が大きくなるように形成されている。透明電極10はITOで形成され、前記部位29は紫外線照射やプラズマ処理により形成される。例えば、透明基板9に透明電極10が形成された後、マスクを使用して透明電極10の所定箇所に紫外線照射やプラズマ照射を行うことで前記部位29が形成される。
部位29は透明電極10の材料より仕事関数が大きくなるように変質されている。したがって、陽極と陰極との間に、部位29と接触する箇所でのみ有機層20に対する正孔注入が行われ、透明電極10の材料であるITOが有機層20と接触する箇所では正孔注入が行われない電圧が印加された状態では、部位29から有機層20に電流が流れて発光部21となる。一方、ITOが有機層20と接触している部分では正孔注入が行われず、有機層20に電流が流れないため、その部分は非発光部22となる。
部位29と対応する発光部21の輝度は、部位29を設けずに部位29と同じ面積の透明電極10が設けられた状態で有機層20が発光するときより輝度が高くなる。従って同じ消費電力でも、発光部21の輝度は端子部11に近いほど高くなるため、有機EL素子1全体として略均一な輝度とするため、端子部11から遠いほど、単位面積当たりに占める部位29の面積が大きくなるように、部位29の数及び大きさが設定される。
有機EL装置は、使用に際して、陽極と陰極間に部位29からのみ正孔注入が可能となる電圧が印加された状態で使用される。その状態では、部位29と対応する部分の有機層20が発光部21となり、部位29が前記のような分布のため、有機EL素子1は全体として略均一な輝度で発光する。
この実施形態では、部位29を設けずに、陽極と陰極間に電圧が印加されて有機層20が発光する場合に比較して発光部21の輝度が高くなる。従って、同じ電力消費量でも、有機EL素子1は所望の位置の輝度を高めることができ、同じ輝度であれば消費電力を低くすることができる。
なお、有機EL素子の輝度分布の所望状態として、素子全体として輝度が略均一になる有機EL素子に具体化した実施形態において、絶縁部40を設けて非発光部22を形成する構成に代えて、陰極と有機層20との間に仕事関数が陰極を形成する材料より大きな材料で形成された部位25を設けてもよい。前記部位25は、前記体積抵抗率が高い材料で形成された方の電極が外部接続端子と接続される端子部の位置から物理的に近い位置ほど、単位面積当たりに占める面積が大きくなるように設けられる。そして、有機EL素子は、使用に際して前記部位25からのみ電子注入が可能な大きさの電圧が陽極及び陰極間に印加される。
また、有機EL素子の輝度分布の所望状態として、素子全体として輝度が略均一になる有機EL素子に具体化した実施形態において、絶縁部40を設けて非発光部22を形成する構成に代えて、陽極と有機層20との間に仕事関数が陽極を形成する材料より小さな材料で形成された部位27を設けてもよい。前記部位27は、前記体積抵抗率が高い材料で形成された方の電極が外部接続端子と接続される端子部の位置から物理的に近い位置ほど、単位面積当たりに占める面積が大きくなるように設けられる。そして、有機EL素子は、使用に際して前記部位25からのみ正孔注入が可能な大きさの電圧が陽極及び陰極間に印加される。
また、有機EL素子の輝度分布の所望状態として、素子全体として輝度が略均一になる有機EL素子以外の有機EL素子、例えば、素子の中央部分の輝度が高くなる有機EL素子において、発光部21の輝度が、非発光部22を設けない場合の輝度より高くなる構成を採用してもよい。すなわち、発光部21とすべき箇所と対応する陰極(背面電極30)と有機層20との間に、電子注入層28を設けたり、発光部21とすべき有機層の箇所と対応する陽極(透明電極10)の所定部分を仕事関数が他の部分より大きくなるように変質させたりする。これらの場合も、同じ電力消費量において有機EL素子1の所望の位置の輝度を高めることができ、同じ輝度であれば消費電力を低くすることができる。
また、端子部11の位置を透明電極10の片隅とする代わりに、図13に示すように、端子部11を透明電極10の一辺に沿って片側に設け、非発光部22の形状を端子部11に平行なストライプ状としてもよい。この構成では、非発光部22を点状とする場合に比較して形成が容易になる。非発光部22を形成する方法は、絶縁部40を設ける構成、陰極と有機層20との間に仕事関数が陰極より大きな部位25を設ける構成、陽極と有機層20との間に仕事関数が陽極より小さな部位27を設ける構成など前記非発光部22を形成する適宜の方法を選択できる。
また、発光部21の輝度が、非発光部22を設けない場合の輝度より高くなる構成の実施形態において、前記発光部21の形状をストライプ状としてもよい。
なお、上記実施形態においては、有機EL素子を、全面発光を行う、照明装置やバックライト等として好適な素子として説明したが、上記素子を、アクティブマトリックス方式やパッシブマトリックス方式を採用する有機ELディスプレイにおける各画素若しくは各サブピクセルに適用することも当然に可能である。
また、上記有機EL装置はボトムエミッション型であるが、トップエミッション型に構成したり、両側から光を取り出せるようにしたりしても当然によい。
上記説明においては、透明電極の方が背面電極よりも体積抵抗率の高い材料で構成された電極としたが、背面電極の方が透明電極よりも体積抵抗率の高い材料で構成された有機EL素子にも本発明は当然に適用できる。この場合には、上記説明において、背面電極の端子部を基準として非発光部/発光部の位置を規定すればよい。
また、有機層20は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層及び電子輸送層の中から少なくとも発光しうるように適宜選択し、積層した構造としても当然によい。この場合、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層及び電子輸送層のうち、少なくともどれか一つの層を部分的に成膜せずに非発光部とする。
上記説明においては、電界発光素子として有機EL素子を用いた構成を説明したが、電界発光素子として無機EL素子を用いることも本発明は当然適用できる。

Claims (16)

  1. 一対の電極に少なくとも電圧の印加により発光しうる電界発光素子であって、
    前記電界発光素子は、発光部と非発光部とを有し、
    前記発光部及び非発光部は、素子の輝度分布を所望状態にするための分布となるように設けられていることを特徴とする電界発光素子。
  2. 前記発光部及び非発光部は、素子の輝度分布が全体として略均一になるように設けられている請求項1に記載の電界発光素子。
  3. 前記一対の電極において体積抵抗率が高い材料で形成された方の電極は平面状に形成され、前記非発光部は、前記体積抵抗率が高い材料で形成された方の電極の端子部の位置から物理的に近い位置ほど、単位面積当たりに占める面積が大きくなるように設けられている請求項2に記載の電界発光素子。
  4. 前記一対の電極において体積抵抗率が高い材料で形成された方の電極は平面状に形成され、前記発光部は、前記体積抵抗率が高い材料で形成された方の電極の端子部の位置から物理的に遠い位置ほど、単位面積当たりに占める面積が大きくなるように設けられている請求項2に記載の電界発光素子。
  5. 前記発光部及び非発光部は、素子の輝度分布として素子の中央部分が他の部分より明るくなるように設けられている請求項1に記載の電界発光素子。
  6. 前記非発光部は、該非発光部を設けない状態から前記電界発光素子の発光時の輝度を低下させたい割合が大きい領域ほど、単位面積当たりに占める面積が大きくなるように設けられている請求項5に記載の電界発光素子。
  7. 前記電界発光素子は、一対の電極間に少なくとも電圧の印加により発光しうる有機層が挟まれた有機電界発光素子である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電界発光素子。
  8. 前記非発光部は、前記一対の電極の陰極と前記有機層との間に、陰極の材料より仕事関数の大きな材料で形成された部位が設けられることにより構成されている請求項7に記載の電界発光素子。
  9. 前記非発光部は、前記一対の電極の陽極と前記有機層との間に、陽極の材料より仕事関数の小さな材料で形成された部位が設けられることにより構成されている請求項7に記載の電界発光素子。
  10. 前記非発光部は、前記有機層が発光不能に変質されることにより構成されている請求項7に記載の電界発光素子。
  11. 前記電界発光素子は、一対の電極間に少なくとも電圧の印加により発光しうる有機層が挟まれた有機電界発光素子であり、前記発光部は、前記一対の電極の陰極と前記有機層との間に、電子注入層を設けることにより構成されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電界発光素子。
  12. 前記電界発光素子は、一対の電極間に少なくとも電圧の印加により発光しうる有機層が挟まれた有機電界発光素子であり、前記発光部は、前記一対の電極の陽極の所定部分を仕事関数が陽極の他の部分より大きくなるように変質されることにより構成されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電界発光素子。
  13. 前記電界発光素子は、前記発光部となる部分にのみ有機層が設けられている請求項7〜請求項12のいずれか一項に記載の電界発光素子。
  14. 前記電界発光素子は、無機電界発光素子である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電界発光素子。
  15. 前記非発光部は、前記一対の電極間の少なくとも一部に、絶縁部が設けられることにより構成されている請求項7又は請求項14に記載の電界発光素子。
  16. 前記電界発光素子は基板上に形成されるとともにボトムエミッション型に構成され、前記基板と透明電極との間の前記絶縁部と対応する位置にそれぞれ光反射層が設けられている請求項15に記載の電界発光素子。
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