JP2000173771A - ライン光源及びその製造方法 - Google Patents

ライン光源及びその製造方法

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JP2000173771A
JP2000173771A JP10351478A JP35147898A JP2000173771A JP 2000173771 A JP2000173771 A JP 2000173771A JP 10351478 A JP10351478 A JP 10351478A JP 35147898 A JP35147898 A JP 35147898A JP 2000173771 A JP2000173771 A JP 2000173771A
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JP10351478A
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Shinji Yamana
真司 山名
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K50/00Organic light-emitting devices

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な照度を得ることができる薄膜発光素子
からなるライン光源及び放熱性が良好なライン光源並び
にそれらの製造方法を提供する。 【解決手段】 基板と、陽極、薄膜層及び陰極がこの順
で積層されてなる発光領域を備えた薄膜発光素子とから
なるライン光源において、前記薄膜層が、ホール輸送層
及び発光層あるいはホール輸送層、発光層及び電子輸送
層の順で積層されてなり、かつ5%以下の膜厚偏差を有
することを特徴とするライン光源を提供すること、並び
に発光領域が複数に分割されてなるライン光源を提供す
ることにより上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜発光材料のエレ
クトロルミネッセンスを利用したライン光源に関し、特
に反射型液晶のフロント照明、透過型液晶のバックライ
ト、導光板のエッジライト並びにイメージスキャナー及
びファクシミリ等の原稿読み取り用のライン照明等に利
用される。
【従来の技術】
【0002】従来、ファクシミリ用のライン光源はLE
Dチップを長手方向に等間隔で並べたLEDアレイ光源
がよく用いられていた。しかしながら、このLEDアレ
イ光源は、組立工程が複雑であり、LEDチップの発光
強度の選別工程が必要であった。そこでLEDチップの
光を導光体によってライン状に導いた導光体方式のライ
ン光源が実用化されているが、このような光源では光源
の両サイドにスペースを設けなくてはならないことか
ら、光源が厚くかつ長くなり光源の縮小化が望めなかっ
た。
【0003】一方、カラーイメージスキャナーには冷陰
極管がよく用いられているが、実用輝度を得るためには
比較的高い電圧が必要となり、昇圧回路を備えるような
複雑な回路構成になっていた。以上のような問題に鑑み
て、有機材料のエレクトロルミネッセンスを利用した薄
膜発光素子が近年大幅にその特性を上げ、光源としての
用途が広がりつつある。
【0004】薄膜発光素子からなるライン光源は、薄膜
成膜のパターニングによって容易にライン化が可能であ
り、LEDアレイ光源のような複雑な組立工程やLED
チップの発光強度の選別工程も不要である。また導光体
方式の光源のように両サイドにデッドスペースを設ける
必要もなく、光源の厚さも薄膜発光素子を形成する基板
の厚さにほぼ等しいことから、導光体方式に比べ薄くか
つ短くすることができるようになった。また薄膜発光素
子は10Vあるいはそれ以下の直流電圧で、実用輝度が
得られることから、昇圧回路を必要とする冷陰極管に比
べ、周辺回路を簡素化できるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで受光素子にラ
インCCDセンサーを用いる縮小光学系のファクシミリ
やイメージスキャナ用のライン光源に要求される照度偏
差は一般的に15%以下である。そして照度偏差を15
%以下におさえるためには薄膜発光素子の薄膜層の膜厚
偏差を5%以下にする必要がある。
【0006】しかしながら薄膜発光素子は、長尺化する
と薄膜層の膜厚が不均一になるため(膜厚偏差が大きく
なる)、それに起因して電圧に対する輝度偏差が大きく
なり、照度も不均一になってしまう。すなわち、有機材
料で薄膜発光素子を形成する際には一般に真空蒸着装置
(膜厚保障値約10%)を使用するが、この装置では蒸
発源が一つしか設けられていないため、薄膜層の成膜領
域が広い場合には、その領域内の位置によって蒸発源と
の距離が異なり、また蒸気の到達角度が異なるので、薄
膜層の膜厚が不均一になってしまうのである。このよう
な低い膜厚保障値である装置によって製造された薄膜発
光素子は、一定電圧に対する輝度偏差が20%以上にな
ることがあり、ファクシミリやイメージスキャナー等の
ライン光源に求められる照度の均一性を得ることが困難
であった。これに対して、基板と蒸発源との距離を離し
つつ、蒸着中に基板を回転させる方法が考えられるが、
作業速度の低下、材料コストの増大、蒸着工程の複雑化
などの問題があった。
【0007】また一方、長尺化された薄膜発光素子は、
発光時に発生する熱がラインの中央にたまりやすいた
め、中央部分の素子が劣化しやすい。すなわち、発光時
に発生する熱は発光領域の外側では逃げやすいが中央部
分では逃げ場がないためラインの中央部分で温度上昇を
もたらすのである。そして中央部分では有機膜が結晶化
し、界面の剥離を引き起こしたりキャリア伝導に支障を
きたしたりして、素子特性が劣化してしまう。その結
果、発光領域内で輝度むらを生じたり、光源の特性を維
持できる期間が短くなるという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして上記課題を解決
するために本発明は、基板と、陽極、薄膜層及び陰極が
この順で積層されてなる発光領域を備えた薄膜発光素子
とからなるライン光源において、前記薄膜層が、ホール
輸送層及び発光層あるいはホール輸送層、発光層及び電
子輸送層の順で積層されてなり、かつ5%以下の膜厚偏
差を有することを特徴とするライン光源を提供する。
【0009】また、基板と、陽極、薄膜層及び陰極がこ
の順で積層されてなる発光領域を備えた薄膜発光素子と
からなる長さLのライン光源を製造するに際して、基板
上のライン光源形成領域と対向する位置に、基板から
0.5〜3L離れた該基板の平行線上で、長さ1.2L
以下の範囲内に設けた複数の蒸発源を用いて薄膜層を蒸
着することを特徴とするライン光源の製造方法を提供す
る。
【0010】また、基板と、陽極、薄膜層及び陰極がこ
の順で積層されてなる発光領域を備えた薄膜発光素子と
からなるライン光源において、陽極と陰極とが薄膜層を
介して積層しない非積層部を形成することにより発光領
域がライン光源の長手方向において複数に分割されてい
ることを特徴とするライン光源を提供する。
【0011】また、基板と、陽極、薄膜層及び陰極がこ
の順で積層されてなる発光領域を備えた薄膜発光素子と
からなる複数のライン光源が、陽極用端子及び陰極用端
子をそれぞれ備えた放熱基板上に略直線上に配置されて
なり、各ライン光源の各陽極が陽極用端子により電気的
に接続され、各ライン光源の各陰極が陰極用端子により
電気的に接続されていることを特徴とするライン光源を
提供する。
【0012】また、基板上に、陽極、薄膜層及び陰極が
この順で積層されてなる発光領域を備えた複数の薄膜発
光素子が略直線上に配置されてなり、前記薄膜層が、ホ
ール輸送層及び発光層あるいはホール輸送層、発光層及
び電子輸送層の順で積層されてなり、かつ一方の薄膜発
光素子の陽極と隣合う他方の薄膜発光素子の陰極とが電
気的に接続されていることを特徴とするライン光源を提
供する。
【0013】また、基板と、陽極、薄膜層及び陰極がこ
の順で積層されてなる発光領域を備えた複数の薄膜発光
素子とからなるライン光源を製造するに際して、基板上
に複数の陽極をそれぞれ電気的に接続せずに略直線上に
成膜し、次いで複数の薄膜層を各陽極上の一部にそれぞ
れ成膜し、次いで複数の陰極を各薄膜層上から隣合うい
ずれかの薄膜発光素子の陽極上にかけてそれぞれ電気的
に接続せずに成膜することを特徴とするライン光源の製
造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における薄膜発光素子は、
主として、陽極、薄膜層(ホール輸送層及び発光層ある
いはホール輸送層、発光層及び電子輸送層)及び陰極が
この順で積層されて構成される。そしてこの薄膜発光素
子は、基板に支持されることによりライン光源を構成す
る。
【0015】上記薄膜発光素子は、陽極と陰極とが薄膜
層を介して重なり合った領域に発光領域を有する。言い
換えれば、陽極、薄膜層又は陰極の各形状や積層状態に
よって、陽極、薄膜層及び陰極の全てが重なり合わない
部分があれば、そのような部分は発光領域とはならな
い。
【0016】本発明のライン光源を構成する基板として
は、例えば、ガラス、透明プラスチック、石英からなる
もの等のような通常薄膜発光素子に用いられているもの
であれば特に限定されないが、発光波長400〜700
に対し透過性を示すものが好ましい。具体的には、例え
ば薄膜層がTPD/Alq3 の2層構成の場合、中心波
長が520μmで半値幅が約100nmであるから、基
板としてはガラスが使用される。
【0017】また、これらの基板上に所望の絶縁層や、
素子、回路等及び所望の絶縁層等が形成されていてもよ
い。ただし、層構成が多層になると、薄膜発光素子の製
造における制御が困難になるので、できるだけ簡単な素
子構造となるようにすることが好ましい。
【0018】本発明のライン光源を構成する陽極として
は、通常使用されるものであれば特に限定されないが、
仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、導電性化
合物、透明導電性化合物及びこれらの混合物を電極物質
とするもの等が好ましい。このような物質の具体例とし
ては、Au等の金属やITO(インジウム錫酸化物)、
CuI、SnO、ZnO等の透明導電性化合物が挙げら
れる。なかでも、陽極側から光を取り出すことが一般的
であるため、透明導電性化合物が好ましい。陽極は、上
記金属又は化合物等を蒸着やスパッタリングなどの方法
により薄膜状に成膜して形成される。成膜の際には通常
マスクが使用され、マスクの形状に合わせて陽極を所望
の形状にパターニングできる。陽極の膜厚は、使用する
電極物質によって異なるが、例えば50〜300nm程
度が好ましい。
【0019】本発明のライン光源を構成する薄膜層は、
ホール輸送層及び発光層あるいはホール輸送層、発光層
及び電子輸送層がこの順で積層されて構成される。本発
明のライン光源を構成する薄膜層の内、ホール輸送層
は、陽極から注入されたホールを、後述する発光層まで
伝達する機能を有している。このホール輸送層には、従
来から薄膜発光素子のホール輸送化合物として知られて
いるものが使用される。
【0020】例えば、トリアゾール誘導体(米国特許
3,112,197号明細書などに記載のもの)、オキ
サジアゾール誘導体(米国特許第3,189,447号
明細書などに記載のもの)、イミダゾール誘導体(特公
昭37−16095号公報などに記載のもの)、ポリア
リールアルカン誘導体(米国特許第3,615,402
号明細書、同3,820,989号明細書、同3,54
2,544号明細書、特公昭45−555号公報、同5
1−10983号公報、特開昭51−93224号公
報、同55−17105号公報、同56−4148号公
報、同55−108667号公報、同55−15695
3号公報、同56−36656号公報などに記載のも
の)が挙げられる。
【0021】また、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘
導体(米国特許第3,180,729号明細書、同4,
278,746号明細書、特開昭55−88064号公
報、同55−88065号公報、同49−105537
号公報、同55−51086号公報、同56−8005
1号公報、同56−88141号公報、同57−455
45号公報、同54−112637号公報、同55−7
4546号公報などに記載のもの)、フェニレンジアミ
ン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特
公昭51−10105号公報、同46−3712号公
報、同47−25336号公報、特開昭54−5343
5号公報、同54−110536号公報、同54−11
9925号公報などに記載のもの)が挙げられる。
【0022】さらに、アリールアミン誘導体(米国特許
第3,567,450号明細書、同3,180,703
号明細書、同3,240,597号明細書、同3,65
8,520号明細書、同4,232,103号明細書、
同4,175,961号明細書、同4,012,376
号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−2
7577号公報、特開昭55−144250号公報、同
56−119132号公報、同56−22437号公
報、西独特許第1,110,518号明細書などに記載
のもの)、アミン置換カルコン誘導体(米国特許第3,
526,501号明細書などに記載のもの)、オキサゾ
ール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書な
どに記載のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開
昭56−46234号公報などに記載のもの)が挙げら
れる。
【0023】また、フルオレノン誘導体(特開昭54−
110837号公報などに記載のもの)、ヒドラゾン誘
導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭
54−59143号公報、同55−52063号公報、
同55−52064号公報、同55−46760号公
報、同55−85495号公報、同57−11350号
公報、同57−148749号公報などに記載されてい
るもの)、スチルベン誘導体(特開昭61−21036
3号公報、同61−228451号公報、同61−14
642号公報、同61−72255号公報、同62−4
7646号公報、同62−36674号公報、同62−
10652号公報、同62−30255号公報、同60
−93445号公報、同60−94462号公報、同6
0−174749号公報、同60−175052号公報
などに記載のもの)が挙げられる。さらに、ポリフィリ
ン化合物(特開昭63−295695号公報などに記載
のもの)及び芳香族第三級アミン化合物及びスチリルア
ミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、
特開昭53−27033号公報、同54−58445号
公報、同54−149634号公報、同54−6429
9号公報、同55−79450号公報、同55−144
250号公報、同56−119132号公報、同61−
295558号公報、同61−98353号公報、同6
3−295695号公報などに記載のもの)等を挙げる
ことができる。なかでも、芳香族第三級アミン化合物が
好ましい。
【0024】なお、これらのホール輸送化合物は組み合
わせて使用することもできる。ホール輸送層の膜厚は、
使用するホール輸送化合物によって異なるが、30〜1
00nm程度の膜厚のものが好ましい。
【0025】本発明のライン光源を構成する薄膜層の
内、発光層は、固体状態で発光性を有する有機化合物か
らなり、少なくとも(1)電界印加時に、ホール輸送層
よりホールを注入することができ、かつ陰極又は電子輸
送層より電子を注入することができる注入性能、(2)
注入した電荷(電子又はホール)を電界の力で移動させ
る輸送機能及び(3)電子とホールとの再結合の場を提
供し、これを発光につなげる発光機能を有しているもの
である。
【0026】発光層の膜厚は、5〜100nm程度のも
のが好ましい。なお、発光層は、ホールの注入されやす
さと、電子の注入されやすさとに違いがあっても良く、
また電子とホールの移動度で表される輸送機能に大小の
差があってもよい。
【0027】上記の注入機能において、発光層のイオン
化エネルギーは、適当な陽極材料を選べば比較的ホール
を注入しやすい点から、6.0eV以下であることが好
ましく、一方電子親和力は、適当な陰極材料を選べば比
較的電子を注入しやすい点から、2.5eV以上である
ことが好ましい。また、上記発光機能については、固体
状態蛍光性が強いことが望ましい。このような発光層
は、それを形成する化合物自体が化合物の会合体又は結
晶などの励起状態を光に変換する能力が大きいからであ
る。
【0028】上記発光層を構成する有機化合物は、特に
限定されるものではなく、公知の化合物の中から、任意
のものを選択して用いることができる。例えば、多環縮
合芳香族化合物;ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾー
ル、ベンゾオキサゾール等の蛍光増白剤;金属キレート
化オキシノイド化合物;スチリル化合物等が挙げられ
る。
【0029】多環縮合化合物としては、例えば、アント
ラセン、ナフタレン、フェナスレン、ピレン、ペリレン
骨格を含む縮合環発光化合物、8個の縮合環を含む他の
縮合環発光材料等を挙げることができる。蛍光増白剤と
しては、例えば、特開昭59−194393号に記載の
ものを挙げることができる。
【0030】金属キレート化オキシノイド化合物として
は、例えば、特開昭63−295695号に記載のもの
を挙げることができる。スチリル化合物としては、例え
ば、特開昭62−312356号又は昭63−8025
7号等に記載されているものを挙げることができる。
【0031】また、上記発光層は、任意に2層以上の積
層構造をとってもよい。例えば、米国特許4,769,
292号に記載されているように、ホスト物質と蛍光物
質との積層構造でもよい。この場合のホスト物質は薄膜
状の層であって、発光層の機能のうち、注入輸送機能及
び発光機能の一部を受け持ち、蛍光物質は、ホスト物質
の層中に微量(数%)存在させ、電子とホールの結合に
応じて発光するという発光機能の一部のみを担う。本発
明のライン光源を構成する薄膜層の内、電子輸送層は、
電子伝達化合物からなるものであって、陰極より注入さ
れた電子を発光層に伝達する機能を有している。
【0032】上記電子伝達化合物は、特に限定されるも
のではなく、公知の化合物の中から適宜選択して用いる
ことができる。このような化合物としては、例えば、ニ
トロ置換フルオレノン化合物、チオビランジオキシド化
合物、ジフェニルキノン化合物〔「ポリマー・プレプリ
ント(Polymer Preprints)、ジャパン」第37巻、第3
号、第681ページ(1988年)などに記載のもの〕、
【0033】
【化1】
【0034】などの化合物〔「ジャーナル・オブ・アプ
ライド フィジィクス(J.Apply.Phys.)」第27巻、
L269(1988年)などに記載のもの〕、アントラキノ
ジメタン誘導体(特開昭57−149259号公報、同
58−55450号公報、同61−225151号公
報、同61−233750号公報、同63−10406
1号公報などに記載のもの)、フレオレニリデンメタン
誘導体(特開昭60−69657号公報、同61−14
3764号公報、同61−148159号公報などに記
載のもの)、アントロン誘導体(特開昭61−2251
51号公報、同61−233750号公報などに記載の
もの)等が挙げられる。電子輸送層の膜厚は、30〜1
00nmが好ましい。
【0035】本発明のライン光源を構成する薄膜層は、
5%以下の膜厚偏差を有する。薄膜層の膜厚偏差が5%
を超えると、ライン光源は輝度偏差が大きくなり、それ
から均一な照度を得ることが困難である。上記ホール輸
送層、発光層及び電子輸送層は、いずれも抵抗加熱蒸着
法のような真空蒸着法により、所定の位置に配置された
複数の蒸発源を用いて成膜される。複数の蒸発源は、長
さLのライン光源を形成する際に、基板上のライン光源
形成領域と対向する位置に、基板から0.5〜3L離れ
た該基板の平行線上で長さ1.2L以下の範囲内に設け
られる。
【0036】蒸発源は、上記範囲内に配置されれば特に
限定されないが、基板の平行線と、薄膜層形成領域の中
心から基板に対して垂直に延びる線との交点を中心と
し、該平行線上で長さ0.6〜1.2Lの範囲内に配置
することが特に好ましい。蒸発源の数は、ライン光源の
長さにより適宜調整すればよいが、2〜30個が好まし
い。蒸発源は、ホール輸送層成膜用、発光層成膜用及び
電子輸送層成膜用にそれぞれ設けてもよい。
【0037】蒸着条件は、使用される有機材料の昇華温
度、目的とする薄膜の状態、例えば微結晶かアモルファ
スかの選択、結晶性、結晶の配向などにより異なるが、
一般にボート加熱温度50〜500℃、真空度10-5
10-3Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温
度−50〜+300℃、膜厚5nm〜500nmの範囲
で適宜選択することが好ましい。ホール輸送層、発光層
及び電子輸送層の成膜の際には通常マスクが使用され、
マスクの形状に合わせて薄膜層を所望の形状にパターニ
ングできる。
【0038】本発明のライン光源を構成する陰極として
は、仕事関数の小さい(4eV程度以下)金属、合金、
導電性化合物、透明導電性化合物及びこれらの混合物を
電極物質とするもの等が挙げられる。このような物質の
具体例としては、AlLi合金などのようなアルミニウ
ム合金、MgAg合金等のようなマグネシウム合金、ナ
トリウム−カリウム合金、ナトリウム、マグネシウム、
リチウム、マグネシウム/銅混合物、イツテルビウム、
インジウムなどが挙げられる。中でも、発光材料や電子
輸送材料の電子親和力に近い仕事関数をもつ金属、例え
ばMgAg合金やAlLi合金が好ましい。
【0039】また、電極としてのシート抵抗は数百Ω/
□以下が好ましく、膜厚は通常50〜300nmの範囲
で選択することができる。上記物質は、蒸着やスパッタ
リングなどの方法により薄膜状に成膜することができ
る。成膜の際には通常マスクが使用され、マスクの形状
に合わせて陰極を所望の形状にパターニングできる。
【0040】本発明の発光領域が長手方向で複数に分割
されてなるライン光源において、発光領域は、陽極、薄
膜層又は陰極の各パターニングを工夫することにより分
割される。すなわち、陽極と陰極とが薄膜層を介して積
層していない非積層部を形成することにより発光領域を
分割する。例えば、図3に示すように複数の延出部を設
けるように陽極をパターニングし、次いで各延出部上に
薄膜層を介して陰極をパターニングする。これにより、
陽極と陰極とが薄膜層を介して積層していない非積層部
を形成することにより、発光領域が複数に分割される。
また、複数の延出部を設けるように陰極をパターニング
し、陰極の各延出部をライン状にパターニングされた陽
極上に薄膜層を介して積層することにより、陽極と陰極
とが薄膜層を介して積層していない非積層部を形成し、
発光領域を複数に分割する。各発光領域の長さは2〜5
0mmが好ましい。
【0041】発光領域と隣合う発光領域との隙間は、ラ
イン光源の照度偏差に影響を与えないためにも、それぞ
れ等しい長さであることが好ましい。この隙間の長さ
は、1〜20mmであることが好ましい。
【0042】このような構成のライン光源では、照度偏
差は、各発光領域の平均輝度が各発光領域で異なること
により影響を受けるが、各発光領域内における輝度偏差
にはほとんど影響を受けない。従って、このような構成
のライン光源は、各発光領域の平均輝度がほぼ同じであ
れば、膜厚偏差を均一にする必要がないので、通常用い
られる方法により膜厚層を成膜したものであってもよ
い。
【0043】一方、薄膜発光素子の放熱性を考慮する
と、上記のような同一基板において発光領域を分割した
ライン光源よりも、陽極用端子及び陰極用端子をそれぞ
れ備えた熱伝導率の高い放熱基板上に、複数の小さいラ
イン光源を略直線上に配置してなり、各ライン光源の各
陽極及び各陰極が前記各端子によりそれぞれ電気的に接
続されてなるライン光源の方が放熱効率が高い。
【0044】このような小さいライン光源の長手方向に
おける長さは、2〜50mmであることが好ましい。各
小さいライン光源は、放熱性の点から、密着させず間隔
を開けて配置されることが好ましい。このときの間隔
は、1〜20mmが好ましい。また放熱基板としては、
熱伝導率の高いものであれば特に限定されないが、例え
ば、Al、Cu、Feの金属や、金属酸化物等が挙げら
れる。また端子としては、例えばCu、Ag、Al、A
u等が挙げれらる。
【0045】ところで薄膜発光素子では、電圧に対する
輝度は膜厚に大きく影響されるが、電流密度に対する輝
度は膜厚にほとんど影響されない。従って、複数の薄膜
発光素子を直列につなげば、各薄膜発光素子に流れる電
流値をすべて等しくすることができる。そして、各薄膜
発光素子の面積を等しくすることにより各々の電流密度
を等しくすることができ、これにより各薄膜発光素子の
輝度を等しくすることができる。依って、複数の薄膜発
光素子を直列につなぎ、各薄膜発光素子の面積を等しく
すことにより構成されたライン光源では、薄膜層を均一
にする必要はなくなるので、容易にライン光源の照度を
均一にできる。
【0046】このようなライン光源でも、各薄膜発光素
子内における輝度偏差は膜厚偏差により影響を受ける。
この点に関しては、発光領域をある程度小さく分割すれ
ば、ライン光源全体からの照度偏差にほとんど影響を受
けなくなる。このときの発光領域の長手方向の長さは、
2〜20mmであることが好ましい。
【0047】なお、発光層の蛍光色素分子は、発光層に
注入したホールと電子との再結合によって、励起子と呼
ばれる励起状態となる。このとき励起子と電極(陽極及
び陰極)との距離が近いと励起子は発光を引き起こさ
ず、熱に変わる(無輻射失活)確立が高くなる。無輻射
失活は前記距離が50nm以下から始まることが実験か
ら確かめられている。そして注入したキャリアは電流と
考えられるから、前記無輻射失活が起これば電流に対す
る輝度が低下することになる。従って、励起子と電極
(陽極及び陰極)との距離が近いと電流密度に対する輝
度が膜厚に影響するようになる。
【0048】励起子はホールと電子が再結合する領域で
生成される。一般に発光層の発光材料は電子輸送性であ
るから、前記再結合領域はホール輸送層と発光層との界
面付近となる。この界面から電極(陽極及び陰極)まで
の距離が少なくとも30nm以上であれば、電流密度に
対する輝度は膜厚にほとんど影響しないことが実験から
判明している。
【0049】以上のことから、複数の薄膜発光素子を直
列につなぐことにより構成されたライン光源では、各薄
膜発光素子のホール輸送層と発光層との界面から陽極ま
での距離、及びホール輸送層と発光層との界面から陰極
までの距離がそれぞれ少なくとも30nm以上であるこ
とが好ましく、30〜100nmであることがさらに好
ましい。
【0050】分割した薄膜発光素子を直列につなぐに
は、薄膜発光素子の陽極と、隣り合う一方の素子の陰極
とを接続すればよい。例えば第n番目の薄膜発光素子が
第n番目の陽極、第n番目の薄膜層及び第n番目の陰極
とを積層してなる場合、第n番目の陰極と第n+1番目
の陽極とを、あるいは第n番目の陽極と第n+1番目の
陰極とを薄膜層を介さずに積層すればよい。
【0051】このようなライン光源は、陽極、薄膜層及
び陰極の成膜時にマスクを使用して所望のパターンを形
成することにより製造できる。具体的には、基板上に、
複数の陽極を電気的に接続せずに略直線上に成膜し、次
いで複数の薄膜層を、各陽極上の一部にパターニング
し、次いで複数の陰極を各薄膜層上から隣合ういずれか
の薄膜発光素子の陽極上にかけてそれぞれ電気的に接続
せずにパターニングする。このようなパターニングの例
としては図8のa)〜d)に図示されたものが挙げられ
る。この方法によれば、成膜工程において隣り合う素子
間の陰極と陽極とが接続されるので、接続のための新た
な工程を必要としない。
【0052】
【実施例】以下この発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、この発明はこれら実施例により限定されるも
のではない。 実施例1 図面1で本発明のライン光源を説明する。ガラスからな
る基板1の上にITOからなる陽極2(膜厚150n
m)をスパッタ法にて成膜する。次に図面2で図示され
ているような長尺のライン蒸発源7を備えた薄膜層の成
膜専用のチャンバー6に、陽極がすでに成膜された基板
1を入れる。そしてTPDからなるホール輸送層3a
(膜厚70nm)、Alq3 にキナクリドンを微量添加
してなる発光層3b(膜厚10nm)及びAlq3 から
なる電子輸送層3c(膜厚60nm)をそれぞれ真空蒸
着法により成膜・積層し、薄膜層3を形成する。このと
きライン蒸発源7は、蒸気を発生する面を基板1に向け
て、かつ基板1のライン光源形成領域に対して平行に配
置する。ライン蒸発源7は図面2(c)に示すように材
料を加熱する本体7aとφ1mmの穴7cを備えたふた
7bとからなる。ふた7bは材料加熱時の突沸を防いだ
り、材料に均一に熱が伝わりやすくするために用いる。
ライン蒸発源7の蒸発部分は穴7cの部分であり、長手
方向にアレイ状に並んでいてこれらが本発明でいう蒸発
源となっている。ライン蒸発源7はチャンバー6内に3
つセットされ、図面2(b)の左から順にホール輸送層
成膜用蒸発源7−1、発光層成膜用蒸発源7−2、電子
輸送層成膜用蒸発源7−3が並んでいる。
【0053】基板1とライン蒸発源7との距離は320
mmであり、3つのライン蒸発源7の長さはそれぞれ1
50mmである。また、ライン蒸発源7の穴7Cは12
0mmの範囲内に10個設けられている。次に、MgA
g合金からなる陰極4(膜厚200nm)を真空蒸着法
により成膜する。さらに電極取り出し部分を除いた部分
にGeO2 からなる絶縁性材料を成膜する。
【0054】このように構成された素子は陽極側をプラ
ス、陰極側をマイナスにして電流を流すと発光層3bか
ら発光材料の蛍光スペクトルとはぼ同様のスペクトルを
もつ光を得ることができる。発光層3bからの光は図面
1(b)のように基板1を通して外部に放出される。
【0055】結果、得られたライン光源の長さは216
mmであり、発光領域の長さは210mmであった。ま
た、この薄膜層3の厚さはライン中央で154nmで、
ライン両端で130nmであり、膜厚偏差を5%以下に
抑えることができた。そしてこの薄膜層を備えたライン
光源は、10V印加電圧で、輝度は1000cd/m 2
であり、輝度偏差は15%であった。また、発光面から
3mm離れたライン上の領域での照度偏差は15%であ
った。
【0056】実施例2 本発明の他の例を図面3を用いて説明する。ガラスから
なる基板1上に、スパッタ法によりITOの複数のパタ
ーンを長手方向に形成するとともに各パターンが共通電
極で結ばれるようにさらにパターニングして複数の延出
部17を有した陽極2(膜厚150nm)を形成した。
陽極2上にTPDからなるホール輸送層(膜厚70n
m)、Alq3 にキナクリドンを微量添加してなる発光
層(膜厚10nm)及びAlq3 からなる電子輸送層
(膜厚60nm)を真空蒸着法によって成膜・積層し、
薄膜層3を形成した。そしてMgAgからなる陰極4
(膜厚200nm)を陽極の各延出部17上に真空蒸着
法によって成膜し、陽極2と陰極4とが薄膜層3を介し
て積層しない非積層部18を形成した。ここでは膜厚層
3は、陽極2と陰極4とが直接導通しないように、陽極
2と陰極4とが重なる部分を必ず含めるように成膜し
た。陽極2及び陰極4には、ともに図面3(a)の右端
に図示しているような陽極端子2aと陰極端子4aを設
けた。発光領域8は図面3(b)に示すように陽極2と
陰極4とが薄膜層3を介して重なった部分である。すな
わちここでは陽極2のパターンニングにより発光領域を
分割し、これによって発光領域の中央にこもる熱量を減
少することができた。各発光領域の長さは20mmであ
り、隣合う各発光領域の隙間の長さは5mmであった。
【0057】結果、得られたライン光源は、長さは22
0mmであり、10Vの印加電圧で、輝度は1000c
d/m2であり、発光領域内での輝度偏差は5%以下で
あった。また、発光面から3mm離れたライン上の領域
での照度偏差は15%であった。
【0058】実施例3 本発明の他の例を図面4を用いて説明する。アルミ板で
できた基板本体9a、ガラスエポキシでできたプリント
基板9b並びにCuでできた陽極用及び陰極用の各端子
9cとからなる放熱基板9上に、従来の方法により製造
(100mm角内において膜厚偏差10%保障)された
薄膜発光素子からなるライン光源(長手方向の長さ20
mm、膜厚偏差5%)を複数個配置し、各々のライン光
源の陽極2及び陰極4を熱圧着によって各端子9cにそ
れぞれ接続した。ここで各々のライン光源は隣り合うラ
イン光源に密着させずに、1mmの隙間を設けて形成し
た。
【0059】各ライン光源の発光領域8は図面4(b)
に示すように陽極2と陰極4とが薄膜層3を介して重な
った部分である。得られたライン光源は、長さは220
mmであり、10Vの印加電圧で、輝度は1000cd
/m2であり、輝度偏差は、15%であった。また、発
光面から3mm離れたライン上の領域での照度偏差は1
5%であった。また、これにより形成されたライン光源
は、実施例2のものよりも発光領域の中央にこもる熱量
をさらに減少することができた。
【0060】実施例4 本発明の他の発明を図面5及び7を用いて説明する。ガ
ラスからなる基板1上にスパッタ法によりITOからな
る陽極2(膜厚150nm)を直線上に複数形成する。
そして薄膜層成膜用のメタルマスク15を前記基板1に
密着させて、複数の薄膜層3〔TPDからなるホール輸
送層(膜厚70nm)、Alq3 にキナクリドンを微量
添加してなる発光層(膜厚10nm)及びAlq3 から
なる電子輸送層(膜厚60nm)〕を抵抗加熱式真空蒸
着法で各陽極の一部にそれぞれ成膜する。次に前記メタ
ルマスク15を陰極成膜用のメタルマスク16に真空中
で交換し、MgAg合金からなる陰極4(膜厚200n
m)を真空蒸着法により、各薄膜層上から隣合ういずれ
かの薄膜発光素子の陽極上にかけて成膜する。なお、メ
タルマスクの交換は蒸着装置のマスク交換機構によって
行った。薄膜材料、陰極材料ともにそれぞれのメタルマ
スクの開口部分にだけ到達するので、図面7(d)のよ
うな成膜パターンを作ることができる。この方法によれ
ば、隣り合う薄膜発光素子間で陽極2と陰極4との接続
が成膜プロセスの中で実現する。
【0061】これによって図面5(b)に示すような直
列の回路になり、各々の発光領域に流れる電流値は等し
くなった。ここで輝度を一定にするためには電流密度を
等しくすることが好ましい。そのために各発光領域の面
積が等しくなるように成膜を行った。
【0062】ここで、電流密度と輝度の関係が薄膜層の
厚さに影響を受けないための条件について図面6を用い
て説明する。陽極2からホール10が注入され、陰極4
から電子11が注入され、ホール輸送層3aと発光層3
bの界面付近の発光層3b側で、ホール10と電子11
が再結合する。発光層の蛍光色素分子はこの再結合エネ
ルギーによって励起子とよばれる状態となる。そして励
起子が基底状態へ戻るとき、ある確立で発光する。この
確立は発光材料に依存し、発光層の中に励起子エネルギ
ーの低い別の蛍光色素が微少量分散されていると、前記
確率は向上する。
【0063】また前記確率は素子の発熱によって低下す
る。さらに励起子が電極に近いと前記確率は低下する。
この確率の低下が顕著になるのは電極までの距離が30
nm以下のときである。
【0064】以上のことを考慮し、実施例4では励起子
が生成されるホール輸送層3aと発光層3bの界面から
陽極2までの距離13と、該界面から陰極4までの距離
14とをそれぞれ50nmに設定した。得られたライン
光源は、長さが220mmであり、10Vの印加電圧
で、輝度が1000cd/m2であり、輝度偏差が15
%であった。
【0065】このときの各発光領域間の膜厚偏差は20
%であったが、輝度偏差は10V印加電圧で10%以下
に抑えることができ、また発光面から3mm離れたライ
ン状の領域で照度偏差は5%以下になった。
【0066】比較例1 ガラスからなる基板上にITOからなる陽極(膜厚15
0nm)をスパッタ法にて成膜し、次いでTPDからな
るホール輸送層(膜厚70nm)及びAlq3からなる
発光層(膜厚70nm)を真空蒸着法により、一つの蒸
発源を備えた装置により成膜した。そして、MgAg合
金からなる陰極(膜厚250nm)を真空蒸着法により
成膜することによりライン光源を製造した。
【0067】得られたライン光源は、長さは100mm
であり、薄膜層の膜厚偏差は10%(膜厚126nmと
154nm)であった。また、10Vの印加電圧で、ラ
イン光源の輝度は4500cd/m2と2700cd/
2であり、輝度偏差は25%であった。また発光面か
ら3mm離れたライン状の領域で照度偏差は25%にな
った。
【0068】また、ライン光源が長さ50mmのとき、
膜厚偏差は5%(膜厚139nmと154nm)とな
り、ライン光源の輝度は3600cd/m2と2700
cd/m2となり、輝度偏差は15%になった。
【0069】
【発明の効果】本発明のライン光源によれば、ライン光
源を構成する薄膜層が5%以下の膜厚偏差を有するの
で、均一な照度が得られる。また、本発明の製造方法に
よれば、特定の位置に配置した複数の蒸発源を用いて薄
膜層を蒸着するので、薄膜層の膜厚偏差が5%以下であ
り、輝度偏差が15%以下のライン光源を製造できる。
【0070】また、発光領域を長手方向で分割すること
によって、放熱効果が高まり、素子寿命が延び、信頼性
が向上する。またこのような分割された発光領域からな
るライン光源は、各発光領域の輝度偏差がライン光源の
照度偏差に与える影響が小さいため、各発光領域の薄膜
層を均一にする必要がなくなり、従来の成膜方法におい
ても照度偏差が均一なライン光源を製造することができ
る。
【0071】さらに複数の薄膜発光素子からなるライン
光源において、各薄膜発光素子を直列に接続することに
よって、薄膜層を均一にすることなく、簡便にライン光
源の照度を均一にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明のライン光源を示す斜視図であ
る。 (b)ライン幅方向から見た発光層からの光の取り出し
を示す図である。 (c)陽極から陰極までの膜構成を示す図である。 (d)長手方向から見た発光層からの光の取り出しを示
す図である。
【図2】(a)ライン光源を長手方向から見たチャンバ
ー内のライン蒸発源と基板との位置関係を示す図であ
る。 (b)ライン光源をライン幅方向から見たチャンバー内
のライン蒸発源と基板との位置関係を示す図である。 (c)ライン蒸発源の構成を示す図である。 (d)ライン蒸発源の断面を示す図である。
【図3】(a)本発明のライン光源を示す図である。 (b)分割された発光領域を示す図である。
【図4】(a)本発明のライン光源を示す斜視図であ
る。 (b)独立した一つのライン光源の発光領域を示す図で
ある。 (c)陽極、薄膜層、陰極の位置関係を示す図である。 (d)発光層からの光の取り出しと、端子電極の接続構
成を示す図である。
【図5】(a)本発明のライン光源を示す図である。 (b)回路図を示す図である。
【図6】ホールと電子の再結合領域を示すイメージ図で
ある。
【図7】(a)複数の陽極が直線上にパターニングされ
た基板を示す図である。 (b)薄膜層のパターニングを行うためのメタルマスク
を示す図である。 (c)陰極のパターニングを行うためのメタルマスクを
示す図である。 (d)成膜後の発光素子の成膜パターンを示す図であ
る。
【図8】(a〜d)薄膜発光素子における、陽極と薄膜
層との積層関係を示す図である
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 2a 陽極端子 3 薄膜層 3a ホール輸送層 3b 発光層 3c 電子輸送層 4 陰極 4a 陰極端子 5 光 6 チャンバー 7 ライン蒸発源 7a 本体 7b ふた 7c 穴 7−1ホール輸送層成膜用蒸発源 7−2発光層成膜用蒸発源 7−3電子輸送層成膜用蒸発源 8 発光領域 9 放熱基板 9a 基板本体 9b プリント基板 9c 端子(陽極用・陰極用) 10 ホール 11 電子 12 ホールと電子の再結合 13 ホール輸送層と発光層の界面から陽極までの距離 14 ホール輸送層と発光層の界面から陰極までの距離 15 薄膜層成膜用メタルマスク 15a薄膜層成膜用メタルマスクの開口部 16 陰極成膜用メタルマスク 16a陰極成膜用メタルマスクの開口部 17 延出部 18 非積層部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、陽極、薄膜層及び陰極がこの順
    で積層されてなる発光領域を備えた薄膜発光素子とから
    なるライン光源において、前記薄膜層が、ホール輸送層
    及び発光層あるいはホール輸送層、発光層及び電子輸送
    層の順で積層されてなり、かつ5%以下の膜厚偏差を有
    することを特徴とするライン光源。
  2. 【請求項2】 基板と、陽極、薄膜層及び陰極がこの順
    で積層されてなる発光領域を備えた薄膜発光素子とから
    なる長さLのライン光源を製造するに際して、基板上の
    ライン光源形成領域と対向する位置に、基板から0.5
    〜3L離れた該基板の平行線上で、長さ1.2L以下の
    範囲内に設けた複数の蒸発源を用いて薄膜層を蒸着する
    ことを特徴とするライン光源の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板と、陽極、薄膜層及び陰極がこの順
    で積層されてなる発光領域を備えた薄膜発光素子とから
    なるライン光源において、陽極と陰極とが薄膜層を介し
    て積層しない非積層部を形成することにより発光領域が
    ライン光源の長手方向において複数に分割されているこ
    とを特徴とするライン光源。
  4. 【請求項4】 基板と、陽極、薄膜層及び陰極がこの順
    で積層されてなる発光領域を備えた薄膜発光素子とから
    なる複数のライン光源が、陽極用端子及び陰極用端子を
    それぞれ備えた放熱基板上に略直線上に配置されてな
    り、各ライン光源の各陽極が陽極用端子により電気的に
    接続され、各ライン光源の各陰極が陰極用端子により電
    気的に接続されていることを特徴とするライン光源。
  5. 【請求項5】 基板上に、陽極、薄膜層及び陰極がこの
    順で積層されてなる発光領域を備えた複数の薄膜発光素
    子が略直線上に配置されてなり、前記薄膜層が、ホール
    輸送層及び発光層あるいはホール輸送層、発光層及び電
    子輸送層の順で積層されてなり、かつ一方の薄膜発光素
    子の陽極と隣合う他方の薄膜発光素子の陰極とが電気的
    に接続されていることを特徴とするライン光源。
  6. 【請求項6】 ホール輸送層と発光層との界面から陽極
    までの距離及びホール輸送層と発光層との界面から陰極
    までの距離がそれぞれ30〜200nmである請求項5
    に記載のライン光源。
  7. 【請求項7】 基板と、陽極、薄膜層及び陰極がこの順
    で積層されてなる発光領域を備えた複数の薄膜発光素子
    とからなるライン光源を製造するに際して、基板上に複
    数の陽極をそれぞれ電気的に接続せずに略直線上に成膜
    し、次いで複数の薄膜層を各陽極上の一部にそれぞれ成
    膜し、次いで複数の陰極を各薄膜層上から隣合ういずれ
    かの薄膜発光素子の陽極上にかけてそれぞれ電気的に接
    続せずに成膜することを特徴とするライン光源の製造方
    法。
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