JP2008034280A - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる材料特性を備えた複数の発光素子を基板上に配列してなる表示装置において、これらの発光素子の発光効率および輝度半減寿命を高く維持できる製造方法を提供する。
【解決手段】陽極となる下部電極3を基板1上の各画素に形成する。次に各画素のうちの一部の画素における下部電極3の上方に、正孔輸送性の赤色発光層11rを転写法によってパターン形成する。次いで、基板1を加熱処理する。その後、各画素のうちの他の画素における下部電極3の上方の加熱処理された面上に、電子輸送性の緑色発光層および青色発光層を、転写法によって順次パターン形成する。下部電極3との間に、赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層を狭持する状態で、陰極となる上部電極を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置の製造方法に関し、特には有機電界発光素子を用いた表示装置の製造において、発光層の形成に熱転写法を適用した場合であっても発光効率および輝度半減寿命を充分に高く維持できる表示装置の製造方法に関する。
有機材料のエレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)を利用した有機電界発光素子は、下部電極と上部電極との間に、正孔輸送層や発光層を積層させた有機層を設けてなり、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子として注目されている。
このような有機電界発光素子を用いたフルカラーの表示装置は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色の有機電界発光素子を基板上に配列形成してなる。このような表示装置の製造においては、少なくとも各色に発光する有機発光材料からなる発光層を、発光素子毎にパターン形成する必要がある。そして、発光層のパターン形成は、例えばシートに開口パターンを設けてなるマスクを介して発光材料を蒸着または塗布するシャドーマスキング法、さらにはインクジェット法によって行われている。
ところが、シャドーマスキング法によるパターン形成では、マスクに形成する開口パターンのさらなる微細化加工が困難であること、およびマスクの撓みや延びによって発光素子領域への位置精度の高いパターン形成が困難であること等から、さらなる有機電界発光素子の微細化および高集積化が困難となっている。また、開口パターンが形成されたマスクの接触により、先に形成された有機層を主体とした機能層に破壊が生じ易く、製造歩留まりを低下させる要因になっている。
また、インクジェット法によるパターン形成は、そのパターニング精度に限界から、発光素子の微細化および高集積化、および基板の大型化が困難となっている。
そこで、有機材料で構成された発光層やその他の機能層の新たなパターン形成方法として、エネルギー源(熱源)を用いた転写法(すなわち熱転写法)が提案されている。熱転写法を用いた表示装置の製造は、例えば次のように行う。先ず、表示装置の基板(以下、装置基板と称する)上に下部電極を形成しておく。一方、別の基板(以下、転写用基板と称する)上に、光熱変換層を介して発光層を成膜しておく。そして、発光層と下部電極とを対向させる状態で、装置基板と転写用基板とを配置し、転写用基板側からレーザ光を照射することにより、装置基板の下部電極上に発光層を熱転写させる。この際、スポット照射させたレーザ光を走査させることにより、下部電極上の所定領域のみに位置精度良好に発光層が熱転写される(以上下記特許文献1参照)。
しかしながら、このような熱転写法の適用は、発光素子の微細化には有利であるものの、シャドウマスク法によって製造された発光素子と比較して、発光効率および輝度半減寿命が低下すると言う問題がある。
そこで、以上のような熱転写法を適用した表示装置の作製方法においては、発光層を熱転写する前に、装置基板および転写用基板(ドナー要素)を加熱処理することにより、発光効率および輝度半減寿命を改善する方法が提案されている(下記特許文献2参照)。また、熱転写後に表示基板を加熱処理することにより、酸素や水蒸気による発光層の劣化を防止し発光効率や輝度寿命を改善する方法も提案されている(下記特許文献3参照)。
特開2002−110350号公報 特開2003−229259号公報 特開2006−66375号公報
ところが、熱転写による特性劣化に対する改善処理は、転写される発光材料の特性に合わせて選択する必要が有り、全ての発光素子が上述した手順の加熱処理によって発光効率が向上するわけではない。
そこで本発明は、異なる材料特性を備えた複数の発光素子を基板上に配列してなる表示装置において、これらの発光素子の発光効率および輝度半減寿命を高く維持できる表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の表示装置の製造方法では、先ず第1電荷を供給する下部電極を基板上の各画素に形成する。次に、一部の画素における下部電極の上方に、転写法によって第1電荷輸送性の第1発光層をパターン形成した後、基板を加熱処理する。以上の後に、複数の画素のうちの他の画素における下部電極上方の加熱処理された面上に、第2電荷輸送性の第2発光層をパターン形成する。その後、下部電極との間に第1発光層および第2発光層を狭持する状態で、第2電荷を供給する第2陰極を形成する。
このような製造方法では、第1電荷輸送性の第1発光層は、その上面側、すなわち第2電荷を供給する上部電極側の面であり、第1発光層における発光領域側となる面が熱処理された平坦面となる。一方、第2輸送性の第2発光層は、その下面側、すなわち第1電荷を供給する下部電極側の面であり、第2発光層における発光領域側となる面が、熱処理された下地面上に接して形成された平坦面となる。このため、発光層の電荷輸送性にかかわらず、各発光層の発光領域側の面を平坦面とすることができる。
以上説明したように本発明によれば、電荷輸送性にかかわらずに各発光層の発光領域側の面を平坦化することが可能であり、これにより異なる材料特性を備えた複数の発光素子を基板上に配列してなる表示装置において、これらの発光素子の特性に合わせて発光効率および輝度半減寿命を高く維持することが可能になる。この結果、例えば位置精度良好ではあるが発光特性が劣っていた熱転写法によって発光層を形成した場合であっても、各発光素子の発光効率および輝度半減寿命を高く維持できることになり、より微細な有機電界発光素子を用いて表示装置における表示特性の向上を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態においては、基板上に赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の有機電界発光素子を配列してなるフルカラー表示の表示装置の製造に本発明を適用した実施の形態を、図1〜図3の断面工程図に基づいて説明する。
先ず、図1(1)に示すように、有機電界発光素子が配列形成される基板1を用意する。この基板1は、ガラス、シリコン、プラスチック基板、さらにはTFT(thin film transistor)が形成されたTFT基板などからなる。特にここで作製する表示装置が基板1側から発光を取り出す透過型である場合には、この基板1は光透過性を有する材料で構成されることとする。
次に、この基板1上の各画素に、第1電荷を供給する下部電極3して、下部電極3をパターン形成する。ここで、第1電荷が正電荷である場合、下部電極3は陽極として形成される。一方、第1電荷が負電荷である場合、下部電極3は陰極として形成される。
この下部電極3は、ここで作製する表示装置の駆動方式によって適する形状にパターンニングされていることとする。例えば、この表示装置の駆動方式が単純マトリックス方式である場合には、この下部電極3は例えば複数の画素で連続したストライプ状に形成される。また、表示装置の駆動方式が画素毎にTFTを備えたアクティブマトリックス方式である場合には、下部電極3は複数配列された各画素に対応させてパターン形成され、同様に各画素に設けられたTFTに対して、これらのTFTを覆う層間絶縁膜に形成されたコンタクトホール(図示省略)を介してそれぞれが接続される状態で形成されることとする。
またこの下部電極3は、ここで作製する表示装置の光取り出し方式によってそれぞれ適する材質が選択して用いられることとする。すなわち、この表示装置が基板1と反対側から発光光を取り出す上面発光型である場合には、高反射性材料で下部電極3を構成する。一方、この表示装置が、基板1側から発光光を取り出す透過型または両面発光型である場合には、光透明性材料で下部電極3を構成する。
例えばここでは、表示装置が上面発光型であり、第1電荷を正電荷とし、下部電極3を陽極として用いることとする。この場合、下部電極10は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、プラチナ(Pt)さらには金(Au)のように、反射率の高い導電性材料、及びその合金で構成される。
尚、表示装置が上面発光型であるが、下部電極3を陰極として用いる(つまり第1電荷を負電荷とする)場合には、下部電極3は仕事関数が小さな導電性材料を用いて構成される。このような導電性材料としては、例えば、Li、Mg、Ca等の活性な金属とAg、Al、In等の金属との合金、或いはこれらを積層した構造を使用できる。また、機能層4との間に例えば、Li、Mg、Ca等の活性な金属とフッ素、臭素等のハロゲンや酸素等との化合物層を薄く挿入した構造としても良い。
これに対して、表示装置が透過型、または両面発光型であり下部電極3を陽極として用いる場合には、ITO(Indium−Tin−Oxide)やIZO(Inidium−Zinc−Oxide)のように、透過率の高い導電性材料で下部電極3を構成する。
尚、ここで作製する表示装置の駆動方式としてアクティブマトリックス方式を採用する場合には、有機電界発光素子の開口率を確保するために、表示装置を上面発光型とすることが望ましい。
次に、以上のような下部電極3(ここでは陽極)を形成した後、これらの下部電極3の周縁を覆う状態で、絶縁膜5をパターン形成する。これにより、この絶縁膜5に形成された窓から下部電極3を露出させた部分を、各有機電界発光素子が設けられる画素領域とする。この絶縁膜5は、例えばポリイミドやフォトレジスト等の有機絶縁材料や、酸化シリコンのような無機絶縁材料を用いて構成さることとする。
その後、下部電極3および絶縁膜5を覆う共通層として、第1電荷注入層(すなわちここでは正孔注入層)7を形成する。このような正孔注入層7は、一般的な正孔注入材料を用いて構成され、一例としてm−MTDATA〔4,4,4 -tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine〕を10nmの膜厚で蒸着成膜する。
次に、正孔注入層7を覆う共通層として、第1電荷輸送層(すなわちここでは正孔輸送層)9を形成する。このような正孔輸送層9は、一般的な正孔輸送材料を用いて構成され、一例としてα−NPD[4,4-bis(N-1-naphthyl-N-phenylamino)biphenyl]を35nmの膜厚で蒸着成膜する。尚、正孔輸送層9を構成する一般的な正孔輸送材料としては、例えばベンジジン誘導体、スチリルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体などがいられる。
また以上の正孔注入層7および正孔輸送層9は、それぞれを複数層からなる積層構造として形成しても良い。
次に、図1(2)に示すように、一部の画素における下部電極3の上方に、正孔(第1電荷)輸送性の第1発光層として、赤色発光層11rをパターン形成する。この赤色発光層11rは、転写法によって以下のようにして形成する。
この際先ず、転写用基板30rを用意する。この転写用基板30rは、表示装置作製用の基板1と略同一形状のガラス基板31上の全面に、光熱変換層33および酸化保護膜34を介して、赤色の発光層を形成するための転写層(赤色転写層)35rを設けてなる。
このうち、光熱変換層33を構成する材料としては、次に行う熱転写の工程において熱源として用いるレーザ光の波長範囲に対して低い反射率を持つ材料が好ましく用いられる。例えば、固体レーザ光原からの波長800nm程度のレーザ光を用いる場合には、クロム(Cr)やモリブデン(Mo)等が低反射率、高融点を持つ材料として好ましいが、これらに限定されることは無い。ここでは例えば、スパッタリング法により、Moを200nmの膜厚に成膜してなる光熱変換層33を形成することとする。
また酸化保護層34を構成する材料としては、SiNXやSiO2等が挙げられる。ここでは例えば、CVD(chemical vapor deposition)法を用いて酸化保護層34を形成することとする。
ここで赤色転写層35rは、主に正孔輸送性を有するホスト材料と、赤色発光性のゲスト材料とで構成されることとする。このうちゲスト材料は、蛍光性のものでも燐光性のものでもよいが、発光特性の制御の容易さから蛍光性のものが好ましい。
このような赤色転写層35rは、例えば、ホスト材料に正孔輸送性材料のα−NPD(α-naphtyl phenil diamine)を用い、赤色発光性のゲスト材料として2,6−ビス[(4’−メトキシジフェニルアミノ)スチリル]−1,5−ジシアノナフタレン(BSN)を30重量%混合したものにより、膜厚45nm程度に構成される。
そして以上のように構成された転写用基板30rを、正孔輸送層9が形成された基板1に対向配置させる。この際、赤色転写層35rと正孔輸送層9とが向き合うように、転写用基板30rと基板1とを配置する。また、基板1と転写用基板30rとを密着させる。このようにした場合であっても、基板1側の絶縁膜5上に赤色転写層35bが支持された状態となり、下部電極3上の正孔輸送層9の部分に転写用基板30bが接触することはない。
次に、このような状態で基板1に対向配置された転写用基板30r側から、例えば波長800nmのレーザhrを照射する。この際、赤色発光素子の形成画素に対応する部分に、レーザhrを選択的にスポット照射する。
これにより、光熱変換層33にレーザ光hrを吸収させ、その熱を利用して赤色転写層35rを基板1側に熱転写させる。そして、基板1上に成膜された正孔輸送層9上に、赤色転写層35rを位置精度良好に熱転写させてなる正孔輸送性の赤色発光層11rをパターン形成する。
このような熱転写においては、例えばレーザ光hrの照射エネルギーにより、転写用基板30r側の赤色転写層35rを構成する各材料の濃度勾配を調整することもできる。具体的には、照射エネルギーを高めに設定することにより、赤色転写層35rを構成する各材料が略均一に混ざり合った混合層として赤色発光層11rを形成する。
またここでは、赤色発光素子の形成部分(画素領域)において絶縁膜5から露出している下部電極3上が、赤色発光層11rによって完全に覆われるように、レーザ光hr照射に行うことが重要である。
次に、図1(3)に示すように、赤色発光層11rが形成された基板1の加熱処理を行う。この際、基板1上に形成されている有機材料層、すなわち正孔注入層7、正孔輸送層9、および赤色発光層11rを構成する各有機材料の融点よりも低い範囲で、かつ正孔輸送層9および赤色発光層11rを構成する各有機材料のガラス転移点付近の温度での加熱処理を行う。これにより、正孔輸送層9および赤色発光層11rの露出表面を平坦化する。
ここで、ガラス移転付近の温度とは、正孔輸送層9のおよび赤色発光層11rを構成する有機材料が移動できる温度であれば良く、正孔輸送層9を支配的に構成している有機材料のガラス転移点と、赤色発光層11rを支配的に構成している有機材料のガラス転移点との中間の温度±30℃以内の温度であることとする。
例えば本実施形態においては、正孔輸送層9および赤色発光層11rを構成する主材料としてα−NPDが用いられており、そのガラス転移温度は96℃である。このため、加熱処理は、96±30℃の範囲で行われ、例えば100℃において30分程度行われる。尚、この加熱処理は、不活性雰囲気中または真空中において行うこととする。
次いで、図2(1)および図2(2)に示すように、赤色発光層11rが形成されていない他の画素における下部電極3の上方における加熱処理された面上に、電子(第2電荷)輸送性の第2発光層として、緑色発光層11gおよび青色発光層11bを順次パターン形成する。これらの緑色発光層11gおよび青色発光層11bは、上述した赤色発光層11rの形成と同様に転写法によって順次形成する。
この際先ず、例えば図2(1)に示すように、緑色発光層11gを形成するための転写用基板30gを用意する。この転写用基板30gは、表示装置作製用の基板と略同一形状のガラス基板31上の全面に、光熱変換層33および酸化保護層34を介して、緑色発光層11gを形成するための転写層(緑色転写層)35gを設けてなる。このうち、緑色転写層35g以外の層の構成は、図1(2)を用いて説明した転写用基板30rと同様であって良い。
ここで緑色転写層35gは、主に電子輸送性を有するホスト材料と、緑色発光性のゲスト材料とで構成されている。このうち、ホスト材料は、正孔輸送層9を構成する材料と比較して電子輸送性が高ければ良い。具体的には、正孔輸送層9を構成するα−NPDの最高占有軌道のエネルギー準位(以下、HOMOと略す)よりも、緑色材料層に用いるホスト材料のHOMOが低い準位であり、より具体的には両者の差が0.2eV以上であれば良い。またゲスト材料は、蛍光性のものでも燐光性のものでもよいが、発光特性の制御の容易さから蛍光性のものが好ましい。
このような発光転写層35gは、例えば電子輸送性のホスト材料であるADN(anthracene dinaphtyl)に、緑色発光性のゲスト材料であるクマリン6を5重量%で混合した材料によって構成され、30nm程度の膜厚で蒸着成膜されていることとする。
そして、この転写用基板30gを、正孔輸送層9および赤色発光層11rが形成された基板1に対向配置させ、転写用基板30g側から緑色発光素子の形成画素に対応する部分に、レーザhrを選択的にスポット照射する。
これにより、基板1上に成膜された正孔輸送層9上に選択的に緑色転写層35gを熱転写させてなる緑色発光層11gをパターン形成する。このような熱転写は、図1(3)を用いて説明した赤色発光層11rのパターン形成と同様に、緑色転写層35gを構成する各材料が、略均一に混ざり合わせた状態で緑色発光層11gが形成されるように行われることとする。
次に、図2(2)に示すように、青色発光層11bを形成するための転写用基板30bを用意する。この転写用基板30bは、表示装置作製用の基板と略同一形状のガラス基板31上の全面に、光熱変換層33および酸化保護層34を介して、青色発光層11bを形成するための転写層(青色転写層)35bを設けてなる。このうち、青色転写層35b以外の層の構成は、図1(2)を用いて説明した転写用基板30rと同様であって良い。
ここで青色転写層35bは、主に電子輸送性を有するホスト材料と、青色発光のゲスト材料とで構成されている。このうち、ホスト材料は、上述した緑色転写層(35g)と同様に、正孔輸送層9を構成する材料と比較して電子輸送性が高ければ良く、またゲスト材料は、蛍光性のものでも燐光性のものでもよいが、発光特性の制御の容易さから蛍光性のものが好ましい。
このような青色転写層35bは、例えば電子輸送性のホスト材料であるADN(anthracene dinaphtyl)に、青色発光性のゲスト材料である4,4’−ビス[2−{4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)を2.5重量%で混合した材料によって構成され、30nm程度の膜厚で蒸着成膜されていることとする。
そして、この転写用基板30bを、正孔輸送層9、赤色発光層11rおよび緑色発光層11gが形成された基板1に対向配置させ、転写用基板30b側から青色発光素子の形成画素に対応する部分に、レーザhrを選択的にスポット照射する。
これにより、基板1上に成膜された正孔輸送層9の上に選択的に青色転写層35bを熱転写させてなる青色発光層11bをパターン形成する。このような熱転写は、図1(3)を用いて説明した赤色発光層11rのパターン形成と同様に、青色転写層35bを構成する各材料が、略均一に混ざり合わせた状態で青色発光層11bが形成されるように行われることとする。
尚、以上のように繰り返し行われる熱転写の工程は、大気圧中でも可能であるが、真空中で行うことが望ましい。真空中で熱転写を行うことにより、より低エネルギーでのレーザを使用した転写が可能になり、転写される発光層に与えられる熱的な悪影響を軽減することが出来る。さらに、熱転写の工程を真空中で行うことにより、基板同士の密着性が高まり、転写のパターン制度が良好になり、望ましい。しかも、全プロセスを連続して真空中で行うようにすることで、素子の劣化を防ぐことが可能である。
以上の後には、図3(1)に示すように、各色発光層11r,11g,11bが形成された基板1上の全面を覆う状態で、第2電荷輸送層(すなわちここでは電子輸送層)13を成膜する。この電子輸送層13は、基板1上の全面に共通層として蒸着成膜される。このような電子輸送層13は、一般的な電子輸送材料を用いて構成され、一例として8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3 )を20nm程度の膜厚で蒸着してなる。
以上までで成膜した正孔注入層7、正孔輸送層9、各色発光層11r,11g,11b、および電子輸送層13によって、有機層15が構成される。
次に、図3(2)に示すように、電子輸送層13上に第1電荷注入層(すなわちここでは電子注入層)17を成膜する。この電子注入層17は、基板1上の全面に共通層として蒸着成膜される。このような電子注入層17は、一般的な電子注入材料を用いて構成され、一例としてLiFを真空蒸着法により約0.3nm(蒸着速度〜0.01nm/sec)の膜厚で形成してなる。
次に、電子注入層17上に、上部電極19を形成する。この上部電極19は、下部電極3が陽極である場合には陰極として用いられ、下部電極3が陰極である場合には陽極として用いられ、ここでは陰極として形成される。
また、ここで作製する表示装置が単純マトリックス方式である場合には、例えば下部電極3のストライプと交差するストライプ状に上部電極19が形成される。一方、この表示装置が、アクティブマトリックス方式である場合には、この上部電極19は、基板1上の一面を覆う状態で成膜されたベタ膜状に形成され、各画素に共通の電極として用いられることとする。この場合、下部電極3と同一層で補助電極(図示省略)を形成し、この補助電極に対して上部電極19を接続させることで、上部電極19の電圧降下を防止する構成とすることができる。
そして、下部電極3と上部電極19との交差部において、各色発光層11r,11g,11bをそれぞれ含む有機層15等が狭持された各部分に、赤色発光素子21r、緑色発光素子21g、および青色発光素子21bがそれぞれ形成される。
尚、この上部電極19は、ここで作製する表示装置の光取り出し方式によってそれぞれ適する材質が選択して用いられることとする。すなわち、この表示装置が基板1と反対側から各色発光層11r,11g,11bでの発光光を取り出す上面発光型または両面発光型である場合には、光透過性材料または半透過性材料で上部電極19を構成する。一方、この表示装置が、基板1側から発光光を取り出す透過型である場合には、高反射性材料で上部電極19を構成する。
ここでは、表示装置が上面発光型であり、下部電極3を陽極電極として用いるため、上部電極19は陰極電極として用いられることになる。この場合、上部電極19は、有機層15に対して電子を効率的に注入できるように、下部電極3の形成工程で例示した仕事関数の小さい材料のうちから光透過性の良好な材料を用いて形成されることとする。
このため例えば、真空蒸着法により10nmの膜厚で形成されたMgAgからなる共通の陰極として、上部電極19を形成する。この際、下地に対して影響を及ぼすことのない程度に、成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法、例えば蒸着法やCVD(chemical vapor deposition)法によって、上部電極19の成膜を行うこととする。
また、表示装置が上面発光型である場合、上部電極19を半透過性として構成することにより、上部電極19と下部電極3との間で共振器構造を構成することで取り出し光の強度が高められるように設計されることが好ましい。
また、表示装置が透過型であり、上部電極19を陰極電極として用いる場合には、仕事関数が小さくかつ反射率の高い導電性材料で上部電極19を構成する。さらに表示装置が透過型であり、上部電極19を陽極電極として用いる場合には、反射率の高い導電性材料で上部電極19を構成する。
以上のようにして各色の有機電界発光素子21r,21g,21bを形成した後には、上部電極19を覆う状態で、ここでの図示は省略した保護膜を成膜する。この保護膜は、有機層15への水分の到達防止を目的とし、透過水性,吸水性の低い材料を用いて十分な膜厚で形成されることとする。さらに、ここで作製する表示装置が上面発光型である場合には、この保護膜は各色発光層11r,11g,11bで発生した光を透過する材料からなり、例えば80%程度の透過率が確保されていることとする。
このような保護膜は、絶縁性材料で構成されていて良い。保護膜を絶縁性材料で構成する場合には、無機アモルファス性の絶縁性材料、例えばアモルファスシリコン(α−Si),アモルファス炭化シリコン(α−SiC),アモルファス窒化シリコン(α−Si1-x Nx )さらにはアモルファスカーボン(α−C)等を好適に用いることができる。このような無機アモルファス性の絶縁性材料は、グレインを構成しないため透水性が低く、良好な保護膜となる。
例えば、アモルファス窒化シリコンからなる保護膜を形成する場合には、CVD法によって2〜3μmの膜厚に形成されることとする。ただし、この際、有機層15の劣化による輝度の低下を防止するため成膜温度を常温に設定し、さらに、保護膜の剥がれを防止するために膜のストレスを最小になる条件で成膜することが望ましい。
また、ここで作製する表示装置がアクティブマトリックス方式であって、基板1上の一面を覆う共通電極として上部電極19が設けられている場合には、保護膜は、導電性材料を用いて構成されても良い。保護膜を導電性材料で構成する場合には、ITOやIXOのような透明導電性材料が用いられる。
尚、以上のような各色発光層11r,11g,11bを覆う各層は、マスクを用いることなくベタ膜状に形成される。また、これらの各層の形成は、望ましくは大気に暴露されることなく同一の成膜装置内において連続して行われることが好ましく、これにより大気中の水分による有機層15の劣化を防止する。
そして、以上のように保護膜が形成された基板1に対して、保護膜側に接着用の樹脂材料を介して保護基板を貼り合わせる。接着用の樹脂材料としては、例えば紫外線硬化樹脂が用いられる。また保護基板としては例えばガラス基板が用いられる。ただし、ここで作製する表示装置が上面発光型である場合には、接着用の樹脂材料および保護基板は、光透過性を有する材料で構成されることが必須となる。
以上により、基板1上に各色発光素子21r,21g,21bを配列形成してなるフルカラーの表示装置23を完成させる。
そして、以上説明した製造方法では、各色発光層が転写された直後に、被転写基板を加熱する。そして、次の実施例で示すように、従来の基板加熱工程を用いることなく有機電界発光素子を形成した場合と比較して、高い発光効率が得られると共に、駆動電圧が低くなり、かつ輝度半減寿命が長くなることが確認された。
したがって、以上説明した実施形態によれば、熱転写法によって位置精度良好に各色発光層11r,11g,11bをパターン形成することが可能である。
ここで、正孔輸送性の赤色発光層11r内においては、下部電極(陽極)3から注入された正孔が、赤色発光層11r内で輸送される。この正孔は、赤色発光層11r内の上部電極(陰極)19側の領域において、上部電極(陰極)19から注入された電子と再結合する。このため、正孔輸送性の赤色発光層11rにおいては上部電極(陰極)19側に近い上面側が発光領域となる。
そして特に上述した実施形態では、図1(3)で説明したように、正孔輸送層9上に正孔輸送性の赤色発光層11rを形成した状態で加熱処理を行うことにより、赤色発光層11rの上面側、すなわち発光領域側となる面を平坦面とすることができる。
一方、電子輸送性の緑色発光層11gおよび青色発光層11b内においては、上部電極(陰極)19から注入された電子が、発光層11g,11b内で輸送される。この電子は、発光層11g,11b内の下部電極(陽極)3側の領域において、下部電極(陽極)3から注入された正孔と再結合する。このため、電子輸送性の発光層11g,11bにおいては下部電極(陽極)3側に近い下面側が発光領域となる。
そして上述した実施形態では、図2(1)で説明したように、電子輸送性の緑色発光層11gおよび青色発光層11bは、加熱処理によって平坦化された正孔輸送層9上に形成される。これにより、これらの緑色発光層11gおよび青色発光層11bは、その下面側、すなわち発光領域側となる面を平坦面とすることができる。
そして以上のように、正孔輸送性の赤色発光層11r、および電子輸送性の発光層11g,11bの各発光領域側の面を平坦化することが可能であり、これにより異なる材料特性を備えた複数の発光素子21r,21g,21bを基板1上に配列してなる表示装置23において、これらの発光素子21r,21g,21bの特性に合わせて発光効率および輝度半減寿命を高く維持することが可能になる。
この結果、例えば位置精度良好ではあるが発光特性が劣っていた熱転写法によって発光層を形成した場合であっても、各発光素子の発光効率および輝度半減寿命を高く維持できることになり、より微細な有機電界発光素子を用いて表示装置における表示特性の向上を図ることが可能になる。
尚、以上の実施形態では、第1電荷を正電荷、第2電荷が負電荷であって、下部電極3を陽極、上部電極19を陰極とした場合を説明した。しかしながら、本発明は、第1電荷が負電荷であり、第2電荷が正電荷であって、下部電極3が陰極であり、上部電極19が陽極である場合にも適用可能である。このような場合には下部電極3〜上部電極19との間の各層7〜17は、逆の積層順となり、この間の形成手順も逆にすれば良い。
すなわち、基板1上に陰極として下部電極を形成した後、必要に応じて電子注入層および電子輸送層をこの順で形成する。そしてこの上部に、電子輸送性の緑色発光層および青色発光層を転写法によって順次パターン形成する。その後、加熱処理を行う。この加熱処理においては、先に基板1上に形成されている有機材料層、すなわち電子輸送層、青色発光層および緑色発光層を構成する各有機材料の融点よりも低い範囲で、かつこれらの層を構成する各有機材料のガラス転移点付近の温度での加熱処理を行う。これにより、電子輸送層、青色発光層および緑色発光層の露出表面を平坦化する。
例えば、電子輸送層、青色発光層および緑色発光層を構成する主材料としてADN(anthracene dinaphtyl)が用いられている場合、そのガラス転移温度は106℃である。このため、例えば110℃で30分程度の加熱処理を行うこととする。
以上の後、電子輸送層上に、正孔輸送性の赤色発光層を転写法によってパターン形成し、次いで、正孔輸送層、正孔注入層、陽極としての上部電極を形成する。
さらに、以上実施形態に基づいて説明した本発明は、上述した共通層を分離した素子においても、また、例えば特開2003−272860に示されるように、発光層を有する有機層のユニット(発光ユニット)を積層してなるタンデム型の有機EL素子においても有効であり、同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の具体的な実施例、および実施例に対する比較例として、フルカラー表示装置を構成する各色発光の有機電界発光素子の製造手順を説明し、次にこれらの評価結果を説明する。
≪実施例≫
表示装置を構成する各色発光素子21r,21g,21bを、本発明に基づいて以下のように個別に作製した(図1〜図3参照)。
<赤色発光素子21rの作製>
(a)先ず、素子作製用基板となるガラス基板1の上に、銀合金層であるAPC(Ag-Pd-Cu)層(膜厚120nm)、ITOからなる透明導電層(膜厚10nm)をこの順に形成した2層構造の下部電極3を陽極としてパターン形成した。次に下部電極3の周縁を覆う状態で酸化シリコンの絶縁膜5をスパッタリング法により約2μmの厚さで成膜し、リソグラフィー法により下部電極3を露出させ、画素領域とした。その表面の上に、正孔注入層7として、m−MTDATAを10nmの膜厚で蒸着した。次に、正孔輸送層9として、α−NPDを35nmの膜厚で蒸着した。
(b)一方、次のようにして、転写用基板30rを作製した。先ず、ガラス基板31の上に、厚さ200nmのモリブデンからなる光熱変換層33を通常のスパッタリング法により成膜した。次いで、光熱変換層33上に、窒化シリコンSiNXからなる酸化保護層34を100nmの膜厚でCVD法によって成膜した。そして酸化保護層上に、ホスト材料に正孔輸送性材料のα−NPD(α-naphtyl phenil diamine)を用い、赤色発光性のゲスト材料として2,6−ビス[(4’−メトキシジフェニルアミノ)スチリル]−1,5−ジシアノナフタレン(BSN)を30重量%混合した赤色転写層35rを、真空蒸着により成膜した。
(c)次に、成膜された有機層同士が向き合う状態で、(b)において作製した転写用基板30rを素子作製用の基板1の上に配置し、真空中で密着させた。両基板は、絶縁膜5の厚さによって、約2μmの小さな間隙が維持されていた。この状態で、素子作製用の基板1の青色画素領域に相対する配置において、転写用基板30rの裏側から波長800nmのレーザ光線を照射することにより、転写用基板30rから赤色転写層35rを熱転写させ、正孔輸送性の赤色発光層11rを形成した。レーザ光線のスポットサイズは、300μm×10μmとした。レーザ光線は、該光線の長手寸法に対して直交する方向において走査した。エネルギー密度は、1.8J/cm2とした。
(d)正孔輸送性の赤色発光層11rを転写した後、被転写基板全体を30分間、加熱する工程を行った。この場合、正孔輸送層9のα−NPDのガラス転移温度が96℃であり、ホスト材料のADNのガラス転移温度が109℃であるため、100℃の設定温度を採用した。
(e)加熱工程を加えた後、電子輸送層13を成膜した。電子輸送層13として、8≡ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3 )を20nm程度の膜厚で蒸着成膜した。続いて、電子注入層17として、LiFを約0.3nm(蒸着速度〜0.01nm/sec)の膜厚で蒸着成膜した。次いで、上部電極19となる陰極としてMgAgを10nmの膜厚で蒸着成膜し、赤色発光素子21rを得た。
<緑色発光素子21gの作製>
上記(b)で用意する転写用基板39gとして、正孔輸送性の赤色転写層35rを電子輸送性の緑色転写層35gに換えたものを用意した。つまり(b)転写用基板30gの作製においては、ガラス基板31の上に成膜した光熱変換層33上に酸化保護層34を成膜したその上に、ADNからなるホスト材料に、クマリン6からなる緑色発光性のゲスト材料を5重量%の割合で混合した電子輸送性の緑色転写層35gを、真空蒸着により成膜した。
そして、上記(a)の正孔輸送層9の形成までを行った後に、(d)の加熱処理を行い、次に(b)および(c)の電子輸送性の緑色発光層11gの転写を行い、次に(e)の電子輸送層13以降の形成工程を行い、緑色発光素子21gを得た。
<青色発光素子21bの作製>
上記(b)で用意する転写用基板39bとして、正孔輸送性の赤色転写層35rを電子輸送性の青色転写層35bに換えたものを用意した。つまり(b)転写用基板30bの作製においては、ガラス基板31の上に成膜した光熱変換層33上に酸化保護層34を成膜したその上に、ADNからなるホスト材料に、DPAVBiからなる青色発光性のゲスト材料を2.5重量%の割合で混合した電子輸送性の青色転写層35bを、真空蒸着により成膜した。
そして、上記(a)の正孔輸送層9の形成までを行った後に、(d)の加熱処理を行い、次に(b)および(c)の電子輸送性の青色発光層11bの転写を行い、次に(e)の電子輸送層131以降の形成工程を行い、青色発光素子21bを得た。
≪比較例≫
表示装置を構成する各色発光素子を、上述した実施例に於ける加熱処理の手順のみを変えて個別に作製した。
すなわち、赤色発光素子の作製においては、正孔輸送層の成膜および正孔輸送性の赤色発光層の転写形成の後に、加熱処理を施す手順とした。また、緑色発光素子および青色発光素子の作製においては、加熱処理を施した後に、電子輸送性の緑色発光層および青色発光層の転写形成を行う手順とした。
≪評価結果≫
以上のようにして作製した実施例の各色発光素子および比較例の各色発光素子について、10mA/cm2の定電流密度を印加した状態で、分光放射輝度計を用いて色度(CIE-x,CIE-y)および発光効率を測定した。また、実施例と比較例で同色の発光素子が同輝度で発光するように電流印加を設定した状態で寿命試験を行い、100時間経過後の輝度減少率を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
Figure 2008034280
この表1から、赤色発光素子においては、比較例で作製した発光素子に対して、実施例で作製した発光素子は、発光効率が約40%と大幅に向上するだけではなく、輝度減少率にみる発光寿命も大幅に向上することが確認された。
また、緑色発光素子および青色発光素子においては、比較例で作製した発光素子に対して、実施例で作製した発光素子での発光効率の向上が確認された。また、輝度減少率は比較例と同程度に保たれることも確認された。
以上の結果から本発明の方法を適用して表示装置を作製することにより、特性の異なる材料を用いた赤色発光素子、緑色発光素子、および青色発光素子の全てにおいて、輝度半減寿命を高く維持した状態で発光効率の向上を図り、フルカラーの表示装置における表示性能を向上させることが可能であることが確認された。
実施形態の製造方法を示す断面工程図(その1)である。 実施形態の製造方法を示す断面工程図(その2)である。 実施形態の製造方法を示す断面工程図(その3)である。
符号の説明
1…基板、3…下部電極(陽極)、…画素、11r…赤色発光層(第1発光層)、9…正孔輸送層(第1電荷輸送層)、11g…緑色発光層(第2発光層)、11b…青色発光層(第2発光層)、…上部電極(陰極)、13…電子輸送層(第2電荷輸送層)、23…表示装置

Claims (6)

  1. 第1電荷を供給する下部電極を基板上の各画素に形成する工程と、
    前記各画素のうちの一部の画素における前記下部電極の上方に、第1電荷輸送性の第1発光層をパターン形成する工程と、
    前記第1発光層が形成された前記基板を加熱処理する工程と、
    前記各画素のうちの他の画素における前記下部電極上方の加熱処理された面上に、第2電荷輸送性の第2発光層をパターン形成する工程と、
    前記下部電極との間に前記第1発光層および第2発光層を狭持する状態で、第2電荷を供給する上部電極を形成する工程を行う
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、
    前記第1発光層のパターン形成および第2発光のパターン形成は、転写法によって行われる
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  3. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、
    前記加熱処理は、前記第1発光層を構成する有機材料の融点より低いガラス転移点付近の温度で行われる
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、
    前記下部電極を形成した後、前記第1発光層をパターン形成する前に、前記下部電極上に第1電荷輸送層を形成する工程を行うと共に、
    前記加熱処理は、前記第1電荷輸送層を構成する有機材料の融点よりも低い温度で行われる
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  5. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、
    前記第2発光層を形成した後、前記上部電極を形成する前に、前記第1発光層および当該第2発光層上に第2電荷輸送層を形成する工程を行う
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  6. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、
    前記第1電荷は正電荷であって前記下部電極を陽極として形成し、
    前記第2電荷は負電荷であって前記上部電極を陰極として形成する
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
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