JP2830025B2 - 発光ダイオード - Google Patents

発光ダイオード

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JP2830025B2 JP8125789A JP8125789A JP2830025B2 JP 2830025 B2 JP2830025 B2 JP 2830025B2 JP 8125789 A JP8125789 A JP 8125789A JP 8125789 A JP8125789 A JP 8125789A JP 2830025 B2 JP2830025 B2 JP 2830025B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、前面方向への放射に適した発光ダイオード
の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、発光ダイオードの発光素子が発する光を有
効に前面方向に放射するため、種々の構造の発光ダイオ
ードが案出されている。第12図及び第13図は従来の反射
型発光ダイオードの概略断面及びその発光素子が発する
光の光路図である。第12図および第13図において51は発
光素子、52・53はリードフレーム、54はワイヤ、55は光
透過性材料、55aは光透過性材料55の下面に形成された
反射面、55bは光透過性材料55の上面に形成された放射
面である。発光素子51は一方のリードフレーム52にマウ
ントされ、他方のリードフレーム53とはワイヤ54により
電気的に接続されている。また、発光素子51、リードフ
レーム52・53及びワイヤ54は光透過性材料55により一体
的にモールドされ、その光透過性材料55の下面の反射面
55aは回転放物面状に、上面の放射面55bは平面状に形成
されている。尚、第12図の従来例では、発光素子51は反
射面55aの焦点位置に配置され、一方、第13図の従来例
では、発光素子51は反射面55aの焦点位置よりも中心軸
Z上の下方にずれた位置に配置されている。
第12図の従来例では、発光素子51が発する光は、矢印
で示すように反射面55aによって中心軸Zに対し平行な
光として反射され、放射面55bから外部へ放射される。
このように、反射面55aを回転放物面状に形成すること
によって発光素子が発する光を平行光として有効に前面
方向へ放射することができる。また、第13図に示す従来
例のように、発光素子51を反射面55aの焦点位置から中
心軸Z上の下方にずらした場合には、発光素子51が発す
る光は矢印で示す方向に拡散して放射される。このよう
に、発光素子51を反射面55aの焦点位置からずらすこと
により、発光素子51が発する光を任意の角度範囲内に拡
散して外部へ放射することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、従来の発光ダイオードでは反射面55aは回
転放物面状に形成されているので、発光素子51を焦点位
置からずれた中心軸Z上に配置すると、発光角θと、
入射角θ及び放射角θとの関係は、第14図に示すよ
うな曲線になる。第14図において、θは第15図に示す
ように中心軸Zに対して発光素子51の発する光がなす角
度(発光角)、θは反射面55aによって反射された光
の放射面55bに対する入射角、θはその反射された光
が外部へ放射されるときの放射角である。また、第14図
において、〜は発光素子51を中心軸Z上の焦点位置
から下方へ順次ずらした場合の発光角θと、入射角θ
及び放射角θとの関係を示す。第14図に示すよう
に、入射角θ及び放射角θは、発光角θが0度か
ら約50度までの間では、発光角θに略比例して大きく
なるが、発光角θが約50度から90度までの間では、逆
に発光角θに略反比例して小さくなる。この傾向は焦
点位置からのずれが大きい程、顕著になる。このため、
放射面55bから放射される光のうち、発光角θが高角
度の特定範囲では、光が集光されて放射強度が強くな
る。
第16図は最大放射強度を100としたときの従来の発光
ダイオードの配光特性を示す図である。尚、第16図にお
いてIeは放射強度、θは発光ダイオードを点光源と考
えたときの中心軸Zに対する放射光の角度である。第16
図によれば、放射強度は角度θが約10度から15度の間
で最大となり、角度θが0度付近、すなわち発光ダイ
オードの中心部分では放射強度が弱くなる。また、発光
素子1の発する光の多くが、球帯係数の大きな高角度方
向へ放射されることになり、最大放射強度も弱くなる。
このように、従来の発光ダイオードでは、放射面55bか
ら拡散した光は、放射強度の高いドーナツ状部分を有
し、中心光度が低いという欠点があった。
この結果、従来の発光ダイオードでは放射する角度に
よって放射強度が異なるので、均一な配光特性を得るこ
とができず、また特定の角度範囲内、たとえば中心部分
で一定の光度以上の配光特性を得ることが必要な場合に
は、発光出力の大きい高価な発光素子を使用しなければ
ならなかった。
また、用途によって、たとえば車両用灯具には鉛直方
向に比べて水平方向の光の放射角度範囲が広い発光ダイ
オードが要求される。このような場合に、従来の発光ダ
イオードでは、放射角度の広い方向に配光の基準を合わ
せて使用せざるを得ないので、他の方向では多くの不必
要な光が放射され、発光素子が発する光の必要方向への
放射効率が悪くなるという問題があった。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、発
光素子が発する光を任意の角度範囲内に放射することが
でき、しかも配光特性の均一化を図ることができる発光
ダイオードを提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明は、少なくとも1
つの発光素子と、該発光素子に電力を供給するリード部
と、前記発光素子の発光面側に前記発光素子と対向して
設けられた2葉双曲面状に形成された反射面とを有し、
前記発光素子は前記反射面の焦点に配置され前記発光素
子が発する光を前記反射面で反射した後に外部に放射す
るものである。
また、上記の目的を達成するための本発明は、複数の
発光素子と、該発光素子に電力を供給するリード部と、
前記発光素子の発光面側に前記発光素子と対向して設け
られた2葉双曲面状に形成された反射面とを有し、前記
発光素子が前記反射面の中心軸に対して垂直な直線上に
一定の間隔で配置され、前記発光素子が発する光を前記
反射面で反射した後に外部に放射するものである。
そして、光透過性材料によって、前記発光素子と前記
リード部の一部とをモールドすると共に、前記発光素子
と前記反射面との空間を埋めてもよい。
また、前記光透過性材料の表面であって、かつ前記発
光素子が発する光を外部に放射する放射面は、前記2葉
双曲面状に形成された反射面の他方の焦点を中心とする
球面状に形成されていることが好ましい。
また、前記光透過性材料の表面であって、かつ前記発
光素子が発する光を外部に放射する放射面は、凸レンズ
面状、凹レンズ面状又はプリズム状に形成してもよい。
更に、前記光透過性材料の表面であって、かつ、前記
発光素子が発する光を外部に放射する放射面に、前記発
光素子の発した光が入射する角度は、前記光透過性材料
の臨界角以内であることが望ましい。
〔作用〕
本発明は前記の構成により、発光素子の発光面側に対
向して設けられた反射面は、発光素子を焦点とする2葉
双曲面状に形成されているので、リード部から発光素子
に電力が供給され、発光素子が発光すると、発光素子が
発する光は2葉双曲面状の反射面で平均的に拡散して反
射された後、前面方向へ放射される。したがって、反射
面の形状を所定の2葉双曲面とすることにより、発光素
子が発した光を効率よく任意の角度範囲内に拡散して放
射することができる。
また、本発明は前記の構成により、複数の発光素子が
2葉双曲面状に形成された反射面の中心軸に対して垂直
な直線上に一定の間隔で配置され、複数の発光素子が発
する光を反射面で反射した後に外部に放射するので、発
光素子が発した光を、たとえば水平方向と鉛直方向とで
異なる角度に拡散して放射することができ、しかも従来
の発光ダイオードに比べて配光特性の向上を図ることが
できる。
そして、光透過性材料によって、前記発光素子と前記
リード部の一部とをモールドすると共に、前記発光素子
と前記反射面との空間を埋めることにより、光の取り出
し効率の向上を図ることができ、またワイヤ等の断線を
防止することができる。
また、前記光透過性材料の表面であって、かつ前記配
光素子が発する光を外部に放射する放射面を、前記2葉
双曲面状に形成された反射面の他方の焦点を中心とする
球面状に形成することにより、放射面での界面反射によ
る光の損失を少なくすることができると共に、あたかも
鏡映点に発光源があり、そこから光が放射されているよ
うにすることができる。
また、前記光透過性材料の表面であって、かつ前記発
光素子が発する光を外部に放射する放射面を、凸レンズ
面状、凹レンズ面状又はプリズム状に形成することによ
り、発光素子が発する光をより容易に集光したり、拡散
したり、散乱することができる。
更に、前記光透過性材料の表面であって、かつ前記発
光素子が発する光を外部に放射する放射面に、前記発光
素子の発した光が入射する角度を、前記光透過性材料の
臨界角以内にすることにより、界面反射による光の損失
を少なくすることができる。
〔実施例〕
以下に本発明の第1の実施例を第1図乃至第4図を参
照して説明する。第1図は本発明の第1の実施例である
発光ダイオードの概略断面及びその発光素子が発する光
の光路図である。第1図において1は発光素子、2・3
はリードフレーム、4はワイヤ、5は光透過性材料、5a
は反射面、5bは放射面である。
発光素子1は一方のリードフレーム2にマウントさ
れ、ワイヤ4により他方のリードフレーム3と電気的に
接続されている。また、発光素子1とリードフレーム2
・3の先端部とワイヤ4とは光透過性材料5により一体
的にモールドされている。また、光透過性材料5の下端
面は、発光素子1の発光面と対向し、且つ発光素子1の
焦点とする回転2葉双曲面状に形成され、その下端面に
は、アルミニウムや銀等を用いた鍍金又は金属蒸着等に
よる鏡面加工により、回転2葉双曲面状の反射面5aが形
成されている。光透過性材料5の上端面は発光ダイオー
ドの放射面5bであり、中心軸Zに対し垂直平面状に形成
されている。尚、反射面5aを金属鍍金した場合には、金
属鍍金により2本のリードフレーム2・3間が短絡され
るのを防止するために、リードフレーム2・3には絶縁
が施されている。
上記の構成によれば、リードフレーム2・3より発光
素子1に電力が供給され、発光素子1が発光する。発光
素子1が発した光は発光素子1の発光面に対向して設け
られた反射面5aにより反射される。ここで、本実施例の
反射面5aは回転2葉双曲面状に形成されているので、発
光素子1が発した光は反射面5aによって拡散して反射さ
れ、この反射光は放射面5bの界面に入射し、屈折して外
部へ放射される。また、反射面5aは回転2葉双曲面状に
形成されているので、第1図に示すように反射面5aで反
射した光の光路は回転2葉双曲面の他方の焦点(鏡映
点)Pから放射された光の光路となる。したがって、中
心軸Zに対する発光素子1の発する光の発光角θと、
その光の反射光の放射面5bに対する入射角θ及びその
反射光が外部へ放射される放射角θとの関係は、第2
図に示すように略直線状となる。すなわち、第2図によ
れば、入射角θ及び放射角θは、発光角θが0度
から約90度までの間で、発光角θに略比例して大きく
なる。したがって、本実施例によれは、発光素子が発し
た光の放射面5bから放射される光は、特定の角度範囲内
で有効に拡散して放射され、しかもその特定の角度範囲
内で偏りのない平均的な光を放射することがきる。尚、
第2図において〜は回転2葉双曲面の焦点間の距離
を順次近づけた場合の発光角θと入射角θ及び放射
角θとの関係を示す。
第3図はGaP系の発光素子を使用した発光ダイオード
において、最大放射強度を100とした場合の配光特性の
測定結果を示す図である。尚、第3図においてIeは放射
強度、θは発光ダイオードを点光源と考えたときの中
心軸Zに対する放射光の角度である。第3図に示す測定
結果によれば、発光ダイオードから放射される光の放射
強度Ieは、特定の角度θ範囲内(角度θが0度から
約10度の間)では略一定である。したがって、本実施例
によれば発光素子1が発する光を一定角度の範囲内で平
均的に拡散して外部へ放射することができる。
また、発光素子1の発した光が反射面5aで反射し、そ
の反射光が放射面5bで全反射されることなく有効に外部
に放射されるためには、その反射光の放射面3bに対する
入射角θは、光透過性材料5の臨界角(たとえば、光
透過性材料5の屈折率が1.5のとき、臨界角は約40度と
なる。)以内としなければならない。したがって、第4
図に示すように反射面5aの焦点をO、反射面5aの端縁を
R、発光素子1の反射面5aに対する鏡映点(他方の焦
点)をPとすれば、入射角θが40度以内となるために
は、反射面5aは焦点間の距離▲▼が、 tan-1(▲▼/▲▼)<40゜ を満たす回転2葉双曲面状に形成しなければならない。
また、入射角θが光透過性材料5の臨界角以内であっ
ても、臨界角近傍では大きな反対損失が生じるため、入
射角θは約35度以内にすることが好ましい。
上記の実施例によれば、従来の発光ダイオードのよう
に中心部分の光度が弱くなることはなく、特定の角度範
囲内で無駄のない均一な光度を得ることができ、特定の
角度範囲内の全方向に大きな光度を得ることができる。
また、上記の実施例によれば、無駄のない均一の配光
特性を得ることができるので、特定の角度範囲内の全方
向で必要とする一定の光度を得るのに、従来のものに比
べて発光出力の小さい廉価な発光素子を使用するこがで
きる。
更に、上記の実施例によれば、発光ダイオードの放射
面5bは平面状に形成されているので、放射面5b上に平板
状のガラス板や樹脂板を接合して使用する場合にも、透
明接着剤等によって接合面に空気等を混入させることな
く、容易に接合することができる。したがって、接合面
の界面反射による光の損失を防止することができる。
第5図は本発明の第1の実施例の変形例を示す概略断
面図である。第5図において6は反射部材、6aは反射部
材6の反射面、7は光透過性板、たとえばガラス板又は
樹脂板である。尚、第5図に示す第1の実施例の変形例
及び以下に説明する第2の実施例及び第3の実施例にお
いて、上記第1図に示す第1の実施例と同一の機能を有
するものは同一の符号を付すことにより、その詳細な説
明を省略する。
本変形例は、発光素子1の発光面側に、反射面6aが形
成された反射部材6を設け、発光素子1の背面側に光透
過性板7を設けている。本変形例は上記の構成により、
発光素子1と反射面6aとの間が中空状に形成されている
ので、上記第1の実施例における放射面5bでの界面反射
による損失光を少なくし、また光透過性材料5による臨
界角の制限がなくなるため、発光ダイオードの放射する
光の角度を広げることができる。このように、本変形例
によれば均一の拡散光を高角度の範囲で外部に放射する
ことができる。その他の作用・効果は前記第1の実施例
と同様である。
尚、上記の変形例においては、発光素子1と反射面6a
との間が中空状とした場合について説明したが、発光素
子1と反射面6aとの間には、構造上流出のおそれがない
ので、たとえば液状又はゲル状の光透過性材料を充填し
てもよい。これにより、発光素子1が点灯するときに生
じる熱応力を吸収し、発光素子1の寿命を延ばすことが
できる。
また、上記の変形例においては、放射面5bを単に光透
過性板7とし、リード部は前記第1の実施例と同様にリ
ードフレームを使用した場合について説明したが、放射
面5bに透明ガラス板を使用する場合には、リード部は透
明ガラス板の下面に形成したファインライン回路として
もよい。
第6図は本発明の第2の実施例である発光ダイオード
の概略断面及びその発光素子が発する光の光路図であ
る。第2の実施例が前記第1の実施例と異なるのは、発
光素子1の背面に形成した放射面5bが、発光素子を焦点
とする回転2葉双曲面状の反射面5aの他方の焦点(鏡映
点)Pを中心とする球面状に形成されている点である。
上記第2の実施例によれば、その放射面5bが鏡映点P
を中心とする球面状に形成されているので、反射面5aで
反射した光の放射面5bに対する入射角θは、0度(放
射面5bに対して垂直)となる。したがって、放射面5bで
の界面反射による損失はほとんどなく、発光素子1が発
した光を効率よく外部へ放射することができる。
また、第2の実施例によれば、入射角θは0度であ
り、反射面5aでの光の屈折は生じないので、あたかも鏡
映点Pに発光源であり、そこから光が放射されているよ
うに見える。
尚、上記の実施例では放射面5bが球面状に形成された
場合について説明したが、放射面5bは鏡映点Pを焦点と
する凸レンズ面でもよい。これにより中心軸Zに対して
平行な光を放射することができる。また、これに限らず
放射面5bは配光調整用として他の凸レンズ面、凹レンズ
面又はプリズム面とすることも容易であり、これにより
発光素子1が発した光を容易に集光、拡散又は散乱して
外部に放射することができる。
このように、本実施例によれば、配光特性は発光素子
1を焦点とする2葉双曲面状に形成した反射面5aのもう
一方の焦点に発光点があるとして設計することができる
ので、配光設計が容易であるという特徴がある。その他
の作用・効果は前記第1の実施例と同様である。
尚、上記第1の実施例及び第2の実施例においては、
発光素子を1個使用した場合について説明したが、使用
する発光素子の数はこれに限定されるものではなく、複
数の発光素子を中心軸に垂直な同一平面上の中心軸の近
傍に近接して配置してもよく、更に複数の発光素子を配
置した場合には各々の発光素子の波長が異なるようにし
てもよい。
また、上記第1の実施例及び第2の実施例において
は、反射面を回転2葉双曲面状に形成した場合について
説明したが、反射面は楕円2葉双曲面状としてもよい。
これにより、発光素子1が発した光を楕円状に拡散し
て、外部に放射することができる。
第7図は本発明の第3の実施例である発光ダイオード
の概略断面図、第8図はその概略底面図である。第3の
実施例が前記第1の実施例と異なるのは、2つの発光素
子が反射面5aの中心軸Zに垂直な直線上に、反射面5aの
焦点を対称点として所定の間隔で配置されている点にあ
る。第7図及び第8図において1a・1bは発光素子、4a・
4bはワイヤである。発光素子1a・1bは一方のリードフレ
ーム2上に焦点を対称点として所定の間隔で近接してマ
ウントされ、各々ワイヤ4a・4bにより他方のリードフレ
ーム3と電気的に接続されている。また、発光素子1a・
1bとリードフレーム2・3の先端部とワイヤ4a・4bとは
光透過性材料5により一体的にモールドされている。ま
た、光透過性材料5の下端面は、発光素子1a・1bの発光
面と対向し、且つ発光素子1a・1bの中間点を焦点とする
回転2葉双曲面状に形成され、その下端面には、アルミ
ニウムや銀等を用いた鍍金又は金属蒸着等による鏡面加
工により、回転2葉双曲面状の反射面5aが形成されてい
る。尚、Xは水平軸、Yは鉛直軸、Zは反射面5aの中心
軸を示す。また、発光素子1a・1bは反射面5aの焦点を対
称点としてX軸方向に配置されているものとする。その
他の構成は前記第1の実施例と同様である。
上記の構成によれば、発光素子1a・1bはX軸方向に所
定の間隔で配置され、反射面5aは発光素子1aと発光素子
1bの中間点を焦点とする回転2葉双曲面状に形成されて
いるので、発光素子1a・1bが発した光は反射面5aによっ
て拡散して反射され、放射面5bから外部へ放射される
が、X方向に放射する光の放射角度範囲はY方向に放射
する光の放射角度範囲よりも更に広く拡散して放射され
る。
第9図は本実施例の発光ダイオードにおいて、最大放
射強度Ieを100とした場合にX軸方向及びY軸方向の配
光特性の測定結果を示す図である。第9図に示す測定結
果によれば、中心軸Zに対してX軸方向に20度、Y軸方
向に10度の範囲で配光が略均一であり、半値角(放射強
度が半分の値になる放射角度)はX軸方向に約30度、Y
軸方向に約20度の範囲となる。尚、半値角以上の角度方
向へは殆ど放射されない。このように、発光素子1a・1b
を所定の間隔でX軸方向に配置することにより、比較的
平坦な配光特性をもった状態で、X軸方向の視認角をY
軸方向の視認角よりも広くすることができる。また、発
光素子1aと発光素子1bとの間隔を変えることにより、X
軸方向の視認角を任意の角度に容易に調整することがで
きる。
尚、上記の構成では、発光素子1a・1bをリードフレー
ム2・3に対して並列的に接続した場合について説明し
たが、発光素子1a・1bの接続方法はこれに限定されるも
のではなく、たとえば第10図に示すように発光素子1aと
発光素子1bとをリードフレーム2a・2b・3とワイヤ4a・
4bにより直列に接続してもよい。また、本実施例につい
ても、前記第1の実施例の変形例と同様に発光素子と反
射面との間を中空状にしてもよい。
上記第3の実施例によれば、発光素子1a・1bがX軸方
向に反射面5aの焦点を対称点として2個配置されている
ので、発光ダイオードの配光特性はX軸方向とY軸方向
とで異なる半値角をもち、且つ半値角以内の角度範囲内
では比較的平坦な配光特性となる。したがって、Y軸方
向は従来の放射角度範囲のままで、X軸方向のみ更に放
射角度を広げることができる。
また、上記第3の実施例によれば、反射面5aは回転曲
面であるので、その曲面に対応するドリルの刃を作るこ
とにより、反射面5aを形成するための型面を容易に形成
することができる。この結果、製造工程の簡易化と、コ
ストの低減化を図ることができる。その他の作用・効果
は前記第1の実施例及びその変形例と同様である。
尚、上記第3の実施例においては、発光素子1a・1bを
X軸上に反射面5aの焦点を対称点として配置した場合に
ついて説明したが、発光素子1a・1bは、反射面5aの焦点
を含むX−Y平面と平行な面上の任意の直線上に配置し
てもよいし、また発光素子1a・1bはX軸上の一方方向に
偏って配置してもよい。
また、上記第3の実施例においては、発光素子を2個
配置した場合について説明したが、発光素子は3個以上
であってもよく、また、発光素子を奇数個配置した場合
には、そのうちの1個を焦点に配置してもよい。
更に、上記第3の実施例においては、放射面5bを平坦
面状に形成した場合について説明したが、第11図に示す
ように放射面5bは、前記第2の実施例と同様に、発光素
子1aと発光素子1bとの中間点を焦点とする回転2葉双曲
面状の反射面5aの他方の焦点(鏡映点)を中心とする球
面状に形成したものであってもよい。これにより、発光
素子1a・1bが発した光の放射面5bへの入射角が光透過性
材料の臨界角以内になるので、特に広い視認角を必要と
する場合には、放射面5bでの反射損失を防止して効率よ
く拡散し放射することができる。また、放射面5bはレン
ズ面状又はプリズム面状に形成してもよい。この場合の
作用・効果は第2の実施例と同様である。
加えて、上記第3の実施例においては、反射面を回転
2葉双曲面状に形成した場合について説明したが、反射
面は他の2葉双曲面状としてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、反射面は2葉双
曲面状に形成され、しかも発光素子は反射面の略焦点位
置に配置されているので、発光素子が発する光を任意の
角度範囲内に均一に拡散して効率よく外部へ放射するこ
とができる発光ダイオードを提供することができる。
また、本発明によれば、反射面は2葉双曲面状に形成
され、しかも複数の発光素子が反射面の中心軸に垂直な
直線上に配置されているので、変形した円形状、たとえ
ば楕円状の配光特性を容易にうることができる発光ダイ
オードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例である発光ダイオードの
概略断面及びその発光素子が発する光の光路図、第2図
乃至第4図は第1の実施例の説明図、第5図は本発明の
第1の実施例の変形例を示す図、第6図は本発明の第2
の実施例である発光ダイオードの概略断面及びその発光
素子が発する光の光路図、第7図は本発明の第3の実施
例である発光ダイオードの概略断面図、第8図はその概
略底面図、第9図は第3の実施例の発光ダイオードにお
いて、最大放射強度を100とした場合にX軸方向及びY
軸方向の配光特性の測定結果を示す図、第10図はその発
光素子の他の接続方法を示す図、第11図はその発光ダイ
オードの他の放射面形状を示す概略断面図、第12図及び
第13図は従来の発光ダイオードの概略断面及びその発光
素子が発する光の光路図、第14図乃至第16図は従来の発
光ダイオードの説明図である。 1・1a・1b……発光素子、 2・3……リードフレーム、 4・4a・4b……ワイヤ、5……光透過性材料、 5a・6a……反射面、6……反射部材、 7……光透過性板、P……鏡映点、 X……水平軸、Y……鉛直軸、Z……中心軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 33/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つの発光素子と、該発光素子
    に電力を供給するリード部と、前記発光素子の発光面側
    に前記発光素子と対向して設けられた2葉双曲面状に形
    成された反射面とを有し、前記発光素子は前記反射面の
    焦点に配置され前記発光素子が発する光を前記反射面で
    反射した後に外部に放射する発光ダイオード。
  2. 【請求項2】複数の発光素子と、該発光素子に電力を供
    給するリード部と、前記発光素子の発光面側に前記発光
    素子と対向して設けられた2葉双曲面状に形成された反
    射面とを有し、前記発光素子が前記反射面の中心軸に対
    して垂直な直線上に一定の間隔で配置され、前記発光素
    子が発する光を前記反射面で反射した後に外部に放射す
    る発光ダイオード。
  3. 【請求項3】光透過性材料によって、前記発光素子と前
    記リード部の一部とがモールドされると共に、前記発光
    素子と前記反射面との空間が埋められている請求項1又
    は2記載の発光ダイオード。
  4. 【請求項4】前記光透過性材料の表面であって、かつ前
    記発光素子が発する光を外部に放射する放射面は、前記
    2葉双曲面状に形成された反射面の他方の焦点を中心と
    する球面状に形成されている請求項3記載の発光ダイオ
    ード。
  5. 【請求項5】前記光透過性材料の表面であって、かつ前
    記発光素子が発する光を外部に放射する放射面は、凸レ
    ンズ面状、凹レンズ面状又はプリズム状に形成されてい
    る請求項3記載の発光ダイオード。
  6. 【請求項6】前記光透過性材料の表面であって、かつ前
    記発光素子が発する光を外部に放射する放射面に、前記
    発光素子の発した光が入射する角度は、前記光透過性材
    料の臨界角以内である請求項3乃至5の何れかに記載の
    発光ダイオード。
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