JPH0828681A - 車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置 - Google Patents
車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置Info
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- JPH0828681A JPH0828681A JP6161294A JP16129494A JPH0828681A JP H0828681 A JPH0828681 A JP H0828681A JP 6161294 A JP6161294 A JP 6161294A JP 16129494 A JP16129494 A JP 16129494A JP H0828681 A JPH0828681 A JP H0828681A
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Abstract
車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置を提供
する。 【構成】 目標スリップ回転速度更新手段202によ
り、目標スリップ回転速度初期設定手段200により初
期設定された目標スリップ回転速度TNSLPBDが、
基本目標スリップ回転速度TNSLPBに接近する程小
さくなる変化率にてその基本目標スリップ回転速度TN
SLPBへ向かって逐次接近させられることから、基本
目標スリップ回転速度TNSLPBに接近する程その変
化が緩やかとされて、滑らかに基本目標スリップ回転速
度TNSLPBとされるので、スリップ制御において実
際のスリップ回転速度NSLPがその目標スリップ回転
速度に対して良好に追従できる。これにより、オーバシ
ュートによって実際のスリップ量が零に接近することに
より運転性が阻害されたりすることがない。
Description
ラッチのスリップ制御装置に関するものである。
タやロックアップクラッチ付フルードカップリングなど
のようなロックアップクラッチ付流体式伝動装置を備え
た車両においては、ロックアップクラッチの回転損失を
一層少なくして車両の燃費を改善することを目的とし
て、ロックアップクラッチの解放領域と係合領域との間
にスリップ領域を設け、そのスリップ領域においてロッ
クアップクラッチを半係合状態とするように実際のスリ
ップ量すなわちポンプ翼車の回転速度とタービン翼車の
回転速度との差を、予め定められた目標スリップ回転速
度に追従するように制御することが提案されている。
ップ制御では、ロックアップクラッチの完全係合を保証
できる油圧系を利用して、そのロックアップクラッチの
前後の油圧の圧力差を制御することにより、その圧力差
に基づく押圧力により摩擦力を変化させてスリップ量が
調節されることから、僅かな圧力差の変化すなわち僅か
な制御操作量によってロックアップクラッチのスリップ
量が敏感に変化させられるので、比較的不安定なフィー
ドバック制御系となっている。このため、解放領域から
スリップ領域へ切り換えられることにより実際のスリッ
プ回転速度と目標スリップ回転速度との偏差が大きい状
態でスリップ制御が開始された場合や、目標スリップ回
転速度の変化率が変更された場合には、追従制御が良好
に作用せず、オーバシュートなどが発生して運転性が損
なわれるという不都合があった。
に記載された制御装置のように、スリップ制御開始にお
けるポンプ翼車の回転速度とタービン翼車の回転速度と
の差を初期値とし、その後に緩やかに最終目標値へ向か
って一定の減少率で減少する目標スリップ回転速度を用
いるスリップ制御装置では、基本目標スリップ回転速度
に到達すると、減少率が急激に零へ変化させられて一定
の値とされるが、実際のスリップ回転速度は、それより
もオーバシュートしてスリップ回転速度が零に接近して
こもり音が発生し、運転性が阻害される場合があった。
プ制御装置では、過渡時の目標スリップ回転速度の減少
割合は予め求められた関係からスロットル弁開度に基づ
いて一律に定められることから、過渡時の目標スリップ
回転速度の減少割合が不要に小さくなり過ぎたり或いは
大きくなり過ぎたりすることが避けられない。このた
め、過渡時の目標スリップ回転速度の減少割合が不要に
小さくなり過ぎる場合には、高スリップ期間が長くなる
ために耐久性に不利となり、また、過渡時の目標スリッ
プ回転速度の減少割合が不要に大きくなり過ぎる場合に
は、ぎくしゃく感が発生して運転性が損なわれる欠点が
あった。
ものであり、その目的とするところは、スリップ制御が
安定的に行われるようにする車両用ロックアップクラッ
チのスリップ制御装置を提供することにある。
るための、第1発明の要旨とするところは、ポンプ翼車
とタービン翼車との間にロックアップクラッチを備えた
流体伝動装置を有する車両において、車両の走行状態が
予め設定されたスリップ制御領域内に入るとそのロック
アップクラッチのスリップ量が所定の目標スリップ回転
速度と一致するように制御するスリップ制御手段を備え
た形式の車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装
置であって、(a) 車両の定常走行において燃費を高める
ための基本目標スリップ回転速度を決定する基本目標ス
リップ回転速度算出手段と、(b) 前記スリップ制御手段
によるスリップ制御時のポンプ翼車回転速度とタービン
翼車回転速度との回転速度差を前記目標スリップ回転速
度として初期設定する目標スリップ回転速度初期設定手
段と、(c) その初期設定された目標スリップ回転速度
を、前記基本目標スリップ回転速度に接近する程小さく
なる変化率にてその基本目標スリップ回転速度へ向かっ
て逐次接近させる目標スリップ回転速度更新手段とを、
含むことにある。
手段により、目標スリップ回転速度初期設定手段により
初期設定された目標スリップ回転速度が、基本目標スリ
ップ回転速度算出手段により算出された基本目標スリッ
プ回転速度に接近する程小さくなる変化率にてその基本
目標スリップ回転速度へ向かって逐次接近させられる。
速度は、その変化率が急激に零とされず、基本目標スリ
ップ回転速度に接近する程その変化率が小さくされて、
滑らかに基本目標スリップ回転速度とされるので、実際
のスリップ回転速度がその目標スリップ回転速度に対し
て良好に追従できる。これにより、オーバシュートによ
って実際のスリップ量が零に接近することにより運転性
が阻害されたりすることがない。
達成するための、第2発明の要旨とするところは、ポン
プ翼車とタービン翼車との間にロックアップクラッチを
備えた流体伝動装置を有する車両において、車両の走行
状態が予め設定されたスリップ制御領域内に入るとその
ロックアップクラッチのスリップ量が所定の目標スリッ
プ回転速度と一致するように制御するスリップ制御手段
を備えた形式の車両用ロックアップクラッチのスリップ
制御装置であって、ポンプ翼車回転速度とタービン翼車
回転速度との回転速度差が拡大傾向となる車両状態であ
るか否かを判定し、その拡大傾向となる車両状態でない
場合に前記スリップ制御手段による制御を開始させる第
1スリップ制御開始判定手段を含むことにある。
手段により、ポンプ翼車回転速度とタービン翼車回転速
度との回転速度差が拡大傾向となる車両状態であるか否
かが判定され、その拡大傾向となる車両状態でない場合
に前記スリップ制御手段による制御が開始させられる。
タービン翼車回転速度との回転速度差が拡大傾向でない
車両状態でスリップ制御手段によるスリップ制御が開始
させられるので、スリップ制御開始時において実際のス
リップ回転速度が目標値に良好に追従でき、スリップ制
御が不安定となることによって運転性が阻害されたりす
ることがない。
開始判定手段は、スロットル弁開度の変化率DTAPが
予め設定された判断基準値Δθ1 を下回ったときに、前
記スリップ制御手段によるスリップ制御を開始させる。
この判断基準値Δθ1 は、比較的小さな正の値或いは負
の値とされる。特に、この判断基準値Δθ1 が負の値で
ある場合には、アクセルペダルが戻されたときすなわち
減少傾向である車両状態でスリップ制御が開始させられ
るので、一層安定的にスリップ制御が開始される利点が
ある。
率DTAPが前記判断基準値Δθ1よりも充分に大きい
値に予め設定された判断基準値Δθ2 を超えたときに前
記スリップ制御手段によるスリップ制御を終了させるス
リップ制御終了判定手段がさらに含まれる。このように
すれば、スリップ領域内でのスリップ制御中であって
も、比較的急な加速操作が行われるとスリップ制御が終
了させられるので、こもり音の発生が防止されるととも
に、流体伝動装置のコンバータ領域によるトルク増幅作
用が得られて加速性が高められる利点がある。
達成するための、第3発明の要旨とするところは、ポン
プ翼車とタービン翼車との間にロックアップクラッチを
備えた流体伝動装置を有する車両において、車両の走行
状態が予め設定されたスリップ制御領域内に入るとその
ロックアップクラッチのスリップ量が所定の目標スリッ
プ回転速度と一致するように制御するスリップ制御手段
を備えた形式の車両用ロックアップクラッチのスリップ
制御装置であって、アクセルペダルの踏込み操作に関連
して車両が負駆動状態から正駆動状態へ切り換えられる
ときに発生するエンジン回転速度の吹き上がりが略終了
した状態であるか否かを判定し、そのエンジン回転速度
の吹き上がりが略終了した状態となった場合に前記スリ
ップ制御手段による制御を開始させる第2スリップ制御
開始判定手段を含むことにある。
手段により、アクセルペダルの踏込み操作に関連して車
両が負駆動状態から正駆動状態へ切り換えられるときに
発生するエンジン回転速度の吹き上がりが略終了した状
態であるか否かが判定され、そのエンジン回転速度の吹
き上がりが略終了した状態となった場合に前記スリップ
制御手段による制御が開始させられる。
み操作に関連して車両が負駆動状態から正駆動状態へ切
り換えられるときに発生するエンジン回転速度の吹き上
がりが略終了した状態でスリップ制御手段によるスリッ
プ制御が開始させられるので、スリップ制御開始時にお
いて実際のスリップ回転速度が目標値に良好に追従で
き、スリップ制御が不安定となることによって運転性が
阻害されたりすることがない。
開始判定手段は、アイドルスイッチがオン状態からオフ
状態へ切り換えられてからの経過時間CLLOFFが予
め設定された判断基準値TI を経過したときに前記スリ
ップ制御手段による制御を開始させる。
達成するための、第4発明の要旨とするところは、ポン
プ翼車とタービン翼車との間に油圧により前進させられ
るロックアップクラッチを備えた流体伝動装置を有する
車両において、車両の走行状態が予め設定されたスリッ
プ制御領域内に入るとそのロックアップクラッチのスリ
ップ量が所定の目標スリップ回転速度と一致するように
制御するスリップ制御手段を備えた形式の車両用ロック
アップクラッチのスリップ制御装置であって、(a) 前記
スリップ制御手段によるスリップ制御の開始条件の成立
を判定する開始条件成立判定手段と、(b) その開始条件
成立判定手段によって前記スリップ制御の開始条件の成
立が判定された場合には、前記ロックアップクラッチを
所定ストロークだけ前進させるロックアップクラッチ前
進手段と、(c) そのロックアップクラッチ前進手段によ
り前記ロックアップクラッチが所定ストロークだけ前進
させられた後に、前記スリップ制御手段による制御を開
始させる第3スリップ制御開始判定手段とを、含むこと
にある。
手段により、開始条件成立判定手段によって前記スリッ
プ制御の開始条件の成立が判定された場合には、前記ロ
ックアップクラッチが所定ストロークだけ前進させら
れ、そのロックアップクラッチ前進手段により前記ロッ
クアップクラッチが所定ストロークだけ前進させられた
後には、第3スリップ制御開始判定手段により前記スリ
ップ制御手段による制御が開始させられる。
が所定ストロークだけ前進させられた後にスリップ制御
手段によるスリップ制御が開始させられるので、スリッ
プ制御手段によるスリップ制御が開始させられたときに
は、ロックアップクラッチが直ちに摩擦係合できるの
で、実際のスリップ回転速度が目標スリップ回転速度に
対して良好に追従できる。これにより、オーバシュート
によって実際のスリップ量が零に接近することにより運
転性が阻害されたりすることがない。
ッチは、前記流体伝動装置のタービン翼車のボス部に軸
方向の移動可能に嵌合されたピストンに取り着けられて
そのピストンによる分割された解放側油室および係合側
油室の一方が選択的に高められることにより解放或いは
係合されるものであり、前記ロックアップクラッチ前進
手段は、上記解放側油室および係合側油室内の油圧に所
定の差圧(係合側>解放側)を与えるものである。この
ようにすれば、ロックアップクラッチがタービン翼車に
略接触するまでピストンが前進させられる。
細に説明する。
両用動力伝達装置の骨子図である。図において、エンジ
ン10の動力はロックアップクラッチ付トルクコンバー
タ12、3組の遊星歯車ユニットなどから構成された有
段式自動変速機14を経て、図示しない差動歯車装置お
よび駆動輪へ伝達されるようになっている。
0のクランク軸16と連結され、外周部において断面U
字状に曲成されるとともにエンジン10側へ向かう方向
成分を有する作動油の流れを発生させる羽根を有するポ
ンプ翼車18と、上記自動変速機14の入力軸20に固
定され、ポンプ翼車18の羽根に対向する羽根を有し、
そのポンプ翼車18の羽根からのオイルを受けて回転さ
せられるタービン翼車22と、一方向クラッチ24を介
して非回転部材であるハウジング26に固定されたステ
ータ翼車28と、軸方向に移動可能且つ軸まわりに相対
回転不能にタービン翼車18のハブ部に嵌合されたピス
トン30を介して上記入力軸20に連結されたロックア
ップクラッチ32とを備えている。
トン30により分割された係合側油室35および解放側
油室33のうちの解放側油室33内の油圧が高められ、
且つ係合側油室35内の油圧が解放されると、ピストン
30が後退させられてロックアップクラッチ32が非係
合状態とされるので、トルクコンバータ12の入出力回
転速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される。しか
し、係合側油室35内の油圧が高められ且つ解放側油室
33内の油圧が最低圧となると、上記ピストン30が前
進させられてロックアップクラッチ32がポンプ翼車1
8に押圧されて係合状態とされるので、トルクコンバー
タ12の入出力部材、すなわちクランク軸16および入
力軸20が直結状態とされる。また、係合側油室35内
の油圧が高められた状態で解放側油室33内の油圧を所
定圧とすると、ロックアップクラッチ32がポンプ翼車
18に略接触する位置までピストン30が前進させられ
るようになっている。なお、上記所定圧は、後述の数式
2の第2項であるフィードフォワード項により定められ
ている。
組のシングルピニオン型遊星歯車装置34,36,38
と、前記入力軸20と、遊星歯車装置38のリングギヤ
とともに回転する出力歯車39と図示しない差動歯車装
置との間で動力を伝達するカウンタ軸(出力軸)40と
を備えている。それら遊星歯車装置34,36,38の
構成要素の一部は互いに一体的に連結されるだけでな
く、3つのクラッチC0,C1 ,C2 によって互いに選
択的に連結されている。また、上記遊星歯車装置34,
36,38の構成要素の一部は、4つのブレーキB0 ,
B1 ,B2 ,B3によってハウジング26に選択的に連
結されるとともに、さらに、構成要素の一部は3つの一
方向クラッチF0 ,F1 ,F2 によってその回転方向に
より相互に若しくはハウジング26と係合させられるよ
うになっている。
B0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや
1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバ
ンドブレーキ等にて構成され、それぞれ油圧アクチュエ
ータによって作動させられるようになっており、後述の
変速用電子制御装置184によりそれ等の油圧アクチュ
エータの作動がそれぞれ制御されることにより、図2に
示されているように変速比I(=入力軸20の回転速度
/カウンタ軸40の回転速度)がそれぞれ異なる前進4
段・後進1段の変速段が得られる。図2において、「1
st」,「2nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」
は、それぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第
3速ギヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は
第1速ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小
さくなる。なお、上記トルクコンバータ12および自動
変速機14は、軸線に対して対称的に構成されているた
め、図1においては入力軸20の回転軸線の下側および
カウンタ軸40の回転軸線の上側を省略して示してあ
る。
図である。図において、油圧制御回路44には、上記自
動変速機14のギヤ段を制御するための変速制御用油圧
制御回路と、ロックアップクラッチ32の係合を制御す
るためのロックアップクラッチ制御用油圧制御回路とが
設けられている。変速制御用油圧制御回路は、よく知ら
れているようにソレノイドNo.1およびソレノイドNo.2に
よってそれぞれオンオフ駆動される第1電磁弁S1およ
び第2電磁弁S2を備えており、それら第1電磁弁S1
および第2電磁弁S2の作動の組み合わせによって図2
に示すようにクラッチおよびブレーキが選択的に作動さ
せられて前記第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段のうちのい
ずれかが成立させられるようになっている。
圧制御回路は、たとえば図4に示すように、ソレノイド
48によりオンオフ作動させられて切換用信号圧Pswを
発生する第3電磁弁S3と、その切換用信号圧Pswに従
ってロックアップクラッチ32を解放状態とする解放側
位置とロックアップクラッチ32を係合状態とする係合
側位置とに切り換えられるロックアップリレー弁52
と、変速用電子制御装置184から供給される駆動電流
ISLU に対応したスリップ制御用信号圧PSLU を発生す
るリニアソレノイド弁SLUと、リニアソレノイド弁S
LUから出力されるスリップ制御用信号圧PSLU に従っ
て係合側油室35および解放側油室33の圧力差ΔPを
調節し、ロックアップクラッチ32のスリップ量を制御
するロックアップコントロール弁56とを備えている。
流した作動油をストレーナ58を介して吸引して圧送す
るためのポンプ60はエンジン10によって回転駆動さ
れるようになっている。ポンプ60から圧送された作動
油圧は、オーバフロー形式の第1調圧弁62により第1
ライン圧Pl1に調圧されるようになっている。この第1
調圧弁62は、図示しないスロットル弁開度検知弁から
出力されたスロットル圧に対応して大きくなる第1ライ
ン圧Pl1を発生させ、第1ライン油路64を介して出力
する。第2調圧弁66は、オーバフロー形式の調圧弁で
あって、第1調圧弁62から流出させられた作動油を上
記スロットル圧に基づいて調圧することにより、エンジ
ン10の出力トルクに対応した第2ライン圧Pl2を発生
させる。第3調圧弁68は、上記第1ライン圧Pl1を元
圧とする減圧弁であって、一定の第3ライン圧Pl3を発
生させる。また、マニュアル弁70は、シフト操作レバ
ー174がRレンジであるときには、Rレンジ圧PR を
発生する。そして、OR弁72は、第2速ギヤ段以上で
あるときに係合する前記ブレーキB2 を作動させる圧P
B2および上記Rレンジ圧PR のうちのいずれか高い側を
選択して出力する。
油室33と連通する解放側ポート80、係合側油室35
と連通する係合側ポート82、第2ライン圧Pl2が供給
される入力ポート84、ロックアップクラッチ32の解
放時に係合側油室35内の作動油が排出される第1排出
ポート86、ロックアップクラッチ32の係合時に解放
側油室33内の作動油が排出される第2排出ポート8
8、第2調圧弁66から排出される作動油の一部がロッ
クアップクラッチ32の係合期間に冷却のために供給さ
れる供給ポート90と、それらのポートの接続状態を切
り換えるスプール弁子92と、そのスプール弁子92を
オフ側位置に向かって付勢するスプリング94と、スプ
ール弁子92のスプリング94側端部に当接可能に配置
されたプランジャ96と、それらスプール弁子92とプ
ランジャ96との端面にRレンジ圧PR を作用させるた
めにそれらの間に設けられた油室98と、プランジャ9
6の端面に作用させる第1ライン圧Pl1を受け入れる油
室100と、スプール弁子92の端面に第3電磁弁S3
からの切換用信号圧Pswを作用させてオン側位置へ向か
う推力を発生させるためにその切換用信号圧Pswを受け
入れる油室102とを備えている。
態)では油室102とOR弁72との連通をその球状弁
子が遮断し且つ油室102をドレン圧とするが、励磁状
態(オン状態)では油室102とOR弁72とを連通さ
せて切換用信号圧Pswを油室102に作用させる。この
ため、第3電磁弁S3がオフ状態であるときには、油室
102には第3電磁弁S3からの切換用信号圧Pswが作
用させられず、スプール弁子92はスプリング94の付
勢力と油室100に作用する第1ライン圧Pl1とにした
がってオフ側位置に位置させられることから、入力ポー
ト84と解放側ポート80、係合側ポート82と第1排
出ポート86がそれぞれ連通させられるので、解放側油
室33内の油圧Poff は係合側油室35内の油圧Ponよ
りも高められてロックアップクラッチ32が解放される
と同時に、係合側油室35内の作動油は上記第1排出ポ
ート86、オイルクーラ104、および逆止弁106を
介してドレンへ排出される。
ときには、第3電磁弁S3からの切換用信号圧Pswが油
室102に作用させられてスプール弁子92はスプリン
グ94の付勢力と油室100に作用する第1ライン圧P
l1とに抗してオン側位置に位置させられることから、入
力ポート84と係合側ポート82、解放側ポート80と
第2排出ポート88、供給ポート90と第1排出ポート
86がそれぞれ連通させられるので、係合側油室35内
の油圧Ponは解放側油室33内の油圧Poff よりも高め
られてロックアップクラッチ32が係合されると同時
に、解放側油室33内の作動油は上記第2排出ポート8
8およびロックアップコントロール弁56を介してドレ
ンへ排出される。
圧弁68で発生させられる一定の第3ライン圧Pl3を元
圧とする減圧弁であって、図5に示すように変速用電子
制御装置184からの駆動電流ISLU (すなわち駆動デ
ューティ比DSLU)に伴って大きくなるスリップ制御
用信号圧PSLU を発生させ、このスリップ制御用信号圧
PSLU をロックアップコントロール弁56へ作用させ
る。リニアソレノイド弁SLUは、第3ライン圧Pl3が
供給される供給ポート110およびスリップ制御用信号
圧PSLU を出力する出力ポート112と、それらを開閉
するスプール弁子114と、そのスプール弁子114を
閉弁方向へ付勢するスプリング115と、スプール弁子
114をスプリング115よりも小さい推力で開弁方向
へ付勢するスプリング116と、駆動電流ISLU に従っ
てスプール弁子114を開弁方向へ付勢するスリップ制
御用電磁ソレノイド118と、スプール弁子114に閉
弁方向の推力を発生させるためのフィードバック圧(ス
リップ制御用信号圧PSLU )を受け入れる油室120と
を備えており、スプール弁子114は電磁ソレノイド1
18およびスプリング116による開弁方向の付勢力と
スプリング115およびフィードバック圧による閉弁方
向の付勢力とが平衡するように作動させられる。
第2ライン圧Pl2が供給されるライン圧ポート130、
前記第2排出ポート88から排出される解放側油室33
内の作動油を受け入れる受入ポート132、その受入ポ
ート132に受け入れられた作動油を排出するためのド
レンポート134と、受入ポート132とドレンポート
134との間を連通させて解放側油室33内の作動油を
排出させることにより係合側油室35および解放側油室
33の圧力差ΔP(=Pon−Poff )を増加させる第1
位置(図4の左側位置)へ向かう方向と受入ポート13
2とライン圧ポート130との間を連通させて解放側油
室33内に第2ライン圧Pl2を供給することにより上記
ΔPを減少させる第2位置(図4の右側位置)へ向かう
方向に向かって移動可能に設けられたスプール弁子13
6と、そのスプール弁子136を第1位置に向かって付
勢するためにそのスプール弁子136に当接可能に配置
されたプランジャ138と、そのプランジャ138にス
リップ制御用信号圧PSLUを作用させて第1位置に向か
う推力を発生させるためにスリップ制御用信号圧P SLU
を受け入れる信号圧油室140と、プランジャ138に
解放側油室33内の油圧Poff を作用させてプランジャ
138にスプール弁子136をその第1位置へ向かう方
向の推力を発生させるためにその油圧Poff を受け入れ
る油室142と、スプール弁子136に係合側油室35
内の油圧Ponを作用させてスプール弁子136にその第
2位置へ向かう方向の推力を発生させるために油圧Pon
を受け入れる油室144と、この油室144内に収容さ
れてスプール弁子136をその第2位置へ向かう方向へ
付勢するスプリング146とを、備えている。
142側から順に大きくなる断面積A1 およびA2 を有
する第1ランド148および第2ランド150が形成さ
れており、また、スプール弁子136には、信号圧油室
140側から断面積A3 である第3ランド152、およ
び上記断面積A1 と同じ断面積である第4ランド154
が形成されている。したがって、プランジャ138はス
プール弁子136と当接して相互に一体的に作動し、ピ
ストン30の両側にスリップ制御用信号圧PSL U に対応
した大きさの圧力差ΔP(=Pon−Poff )が形成され
る。このとき、圧力差ΔPはスリップ制御用信号圧P
SLU に対して数式1により傾き〔(A2 −A1 )/A
1 〕に従って図6に示すように変化する。なお、数式1
において、F s はスプリング146の付勢力である。
クアップコントロール弁56の作動により得られる圧力
差ΔPのスリップ制御用信号圧PSLU に対する変化特性
を示している。したがって、ロックアップリレー弁52
がオン状態にあるときは、スリップ制御用信号圧PSLU
が大きくなるに伴って係合側油室35と解放側油室33
との圧力差△P(Pon−Poff )が大きくなるので、ロ
ックアップクラッチ32のスリップ回転速度NSLPが
減少させられるが、反対に、スリップ制御用信号圧P
SLU が低くなるとスリップ回転速度NSLPが増加され
る。
回転速度NE すなわちポンプ翼車18の回転速度NP を
検出するエンジン回転速度センサ160、吸気配管を通
してエンジン10へ吸気される吸入空気量Qを検出する
吸入空気量センサ162、吸気配管を通してエンジン1
0へ吸気される吸入空気の温度TAIR を検出する吸入空
気温度センサ164、アクセルペダル165の操作によ
り開閉されるスロットル弁166の全閉状態および開度
TAPを検出するアイドルスイッチ付スロットルセンサ
167、自動変速機14の出力軸の回転速度すなわち車
速Vを検出する車速センサ168、エンジン10の冷却
水温TWAを検出する冷却水温センサ170、ブレーキペ
ダルが操作されたことを検出するブレーキセンサ17
2、シフト操作レバー174の操作位置Ps すなわち
L、S、D、N、R、Pレンジのいずれかを検出するた
めの操作位置センサ176、タービン翼車22の回転速
度NTすなわち自動変速機14の入力軸20の回転速度
を検出するタービン回転速度センサ178、油圧制御回
路44の作動油の温度TOIL を検出する油温センサ18
0が設けられている。そして、上記各センサから出力さ
れた信号は、エンジン用の電子制御装置182および変
速用の電子制御装置184にそれぞれ直接または間接的
に供給されるようになっている。エンジン用の電子制御
装置182と変速用の電子制御装置184とは通信イン
ターフェイスを介して相互連結されており、入力信号な
どが必要に応じて相互に供給されるようになっている。
OM、RAM、インターフェースなどから成る所謂マイ
クロコンピュータであって、そのCPUは、RAMの一
時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログ
ラムに従って入力信号を処理し、自動変速機14の変速
制御およびロックアップクラッチ32の係合制御を図示
しないメインルーチンに従って実行して、第1電磁弁S
1、第2電磁弁S2、第3電磁弁S3、およびリニアソ
レノイド弁SLUをそれぞれ制御する。
た複数種類の変速線図から実際の変速ギヤ段に対応した
変速線図が選択され、その変速線図から車両の走行状
態、たとえばスロットル弁開度TAPと車速Vとに基づ
いて変速ギヤ段が決定され、その変速ギヤ段が得られる
ように第1電磁弁S1、第2電磁弁S2が駆動されるこ
とにより、自動変速機14のクラッチC0 ,C1 ,C
2 、およびブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 の作動が制
御されて前進4段のうちのいずれかのギヤ段が成立させ
られる。
は、たとえば第3速ギヤ段および第4速ギヤ段での走行
中に実行されるものであり、その係合制御においては、
予めROMに記憶された図7に示す関係から、車両の走
行状態たとえば出力軸回転速度(車速)Nout およびス
ロットル弁開度TAPに基づいてロックアップクラッチ
32の解放領域、スリップ制御領域、係合領域のいずれ
であるかが判断される。このスリップ制御領域は、運転
性を損なうことなく燃費を可及的によくすることを目的
としてエンジン10のトルク変動を吸収しつつ連結させ
るようにロックアップクラッチ32がスリップ状態に維
持される。図7は車両の加速走行中において用いられる
ものである。また、車両の減速惰行走行中でも、フュー
エルカット制御の制御域を拡大することを目的としてロ
ックアップクラッチ32のスリップ制御が実行される。
この場合には、スロットル弁開度TAPが零である惰行
走行状態であるので、専ら車速Vにより特定されるスリ
ップ領域が用いられる。
ると判断されると、第3電磁弁S3が励磁されてロック
アップリレー弁52がオン状態とされると同時にリニア
ソレノイド弁SLUに対する駆動電流ISLU が最小駆動
電流(定格値)に設定されるので、ロックアップクラッ
チ32が係合させられる。また、車両の走行状態が上記
解放領域内にあると判断されると、第3電磁弁S3が非
励磁とされてロックアップリレー弁52がオフ状態とさ
れるので、リニアソレノイド弁SLUに対する駆動電流
ISLU に拘わらず、ロックアップクラッチ32が解放さ
れる。そして、車両の走行状態が上記スリップ制御領域
内にあると判断されると、第3電磁弁S3が励磁されて
ロックアップリレー弁52がオン状態とされると同時
に、リニアソレノイド弁SLUに対する駆動電流ISLU
がたとえば数式2に従って調節される。すなわち、たと
えば目標スリップ回転速度TNSLPBDと実際のスリ
ップ回転速度NSLP(=NE −NT )との偏差ΔE
(=NSLP−TNSLPBD)が解消されるように駆
動電流ISLU が算出されて出力される。なお、右辺第2
項は、応答性を改善するためにエンジン出力トルク値な
どに対応する大きさの操作量を加えるためのフィードフ
ォワード項である。
も、変速用の電子制御装置184と同様のマイクロコン
ピュータであって、そのCPUは予めROMに記憶され
たプログラムに従って入力信号を処理することにより種
々のエンジン制御を実行する。たとえば、燃料噴射量制
御では燃焼状態を最適とするために燃料噴射弁186を
制御し、点火時期制御では、遅角量を適切とするために
イグナイタ188を制御し、トラクション制御では、車
両の駆動力を抑制するためにスロットルアクチュエータ
190により第2スロットル弁192を制御し、フュー
エルカット制御では、燃費を高めるために惰行走行にお
いてエンジン回転速度NE が予め設定されたフューエル
カット回転速度NCUT を上まわる期間だけ燃料噴射弁1
86を閉じる。
制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図
8において、車両の走行状態が予め設定されたスリップ
制御領域内に入ると、スリップ制御手段196が、ロッ
クアップクラッチ32のスリップ回転速度NSLPが所
定の目標スリップ回転速度TNSLPBDと一致するよ
うに制御するに際し、基本目標スリップ回転速度算出手
段198では、エンジン負荷(スロットル弁開度TA
P)が略一定である車両の定常走行において燃費を高め
るための基本目標スリップ回転速度TNSLPBが決定
され、目標スリップ回転速度初期設定手段200では、
スリップ制御手段196によるスリップ制御時のポンプ
翼車回転速度NP とタービン翼車回転速度NT との回転
速度差が目標スリップ回転速度TNSLPBDとして初
期設定され、目標スリップ回転速度更新手段202で
は、その初期設定された目標スリップ回転速度TNSL
PBDが、上記基本目標スリップ回転速度TNSLPB
に接近する程小さくなる変化率にてその基本目標スリッ
プ回転速度TNSLPBへ向かって逐次接近させられ
る。
ポンプ翼車回転速度NP とタービン翼車回転速度NT と
の回転速度差が拡大傾向となる車両状態であるか否かを
判定し、その拡大傾向となる車両状態でない場合に前記
スリップ制御手段196によるスリップ制御を開始させ
る。たとえば、第1スリップ制御開始判定手段204
は、スロットル弁166の開度の変化率DTAPが予め
設定された判断基準値Δθ1 を下回ったときにスリップ
制御手段196によるスリップ制御を開始させる。この
判断基準値Δθ1 は、比較的小さな正の値或いは負の値
とされる。スリップ制御終了判定手段206は、スロッ
トル弁166の開度の変化率DTAPが前記判断基準値
Δθ1 よりも大きい値に予め設定された判断基準値Δθ
2 を超えたときにスリップ制御手段196によるスリッ
プ制御を終了させる。
アクセルペダル165の踏込み操作に関連して車両が負
駆動状態から正駆動状態へ切り換えられるときに発生す
るエンジン回転速度NE の吹き上がりが略終了した状態
であるか否かを判定し、そのエンジン回転速度NE の吹
き上がりが略終了した状態となった場合にスリップ制御
手段196による制御を開始させる。
ップ制御手段196によるスリップ制御の開始条件が成
立したか否かを判定する。ロックアップクラッチ前進手
段210は、その開始条件成立判定手段208によって
前記スリップ制御の開始条件の成立が判定された場合に
は、ロックアップクラッチ32を所定ストロークだけ前
進させる。第3スリップ制御開始判定手段214は、そ
のロックアップクラッチ前進手段210によりロックア
ップクラッチ32が所定ストロークだけ前進させられた
後に、スリップ制御手段196によるスリップ制御を開
始させる。
作動の要部を、図9のフローチャートを用いて説明す
る。
省略する。)では、スリップ制御中であるか否かが判断
される。このSA0の判断が否定された場合には、前記
第1スリップ制御開始判定手段204に対応するSA1
では、スロットル弁166の開度の変化率DTAPが予
め設定された判断基準値Δθ1 を下回ったか否かが判断
される。この判断基準値Δθ1 は、たとえば1%/30
ミリ秒程度の比較的小さな正の値或いは負の値とされ
る。図10に示すように、スロットル弁開度TAPが増
加させられる加速操作過程では、ポンプ翼車回転速度N
P とタービン翼車回転速度NT との回転速度差ΔNが増
加するが、スロットル弁166の開度の変化率DTAP
が予め設定された判断基準値Δθ1 まで下降するとその
回転速度差ΔNが減少傾向となる性質があることから、
結局、上記SA1では、ポンプ翼車回転速度NP とター
ビン翼車回転速度NT との回転速度差すなわちロックア
ップクラッチ32のスリップ回転速度NSLPが拡大傾
向となる車両状態であるか否かが判定され、その拡大傾
向となる車両状態でない場合に後述のSA13のスリッ
プ制御が開始させられるようにするのである。
12においてロックアップリレー弁52がオフ状態とさ
れてスリップ制御が停止されるが、肯定された場合は第
2スリップ制御開始判定手段212に対応するSA2が
実行される。このSA2では、減速走行中においてスロ
ットルセンサ167のアイドルスイッチがオンからオフ
状態へ切り換えられてからの経過時間CLLOFFが予
め設定された判断基準値TI を経過したか否かが判断さ
れる。この判断基準値TI は、たとえば図11に示すよ
うに、アクセルペダル165の非操作位置からの踏込み
操作に関連して車両が負駆動状態から正駆動状態へ切り
換えられるときに発生するエンジン回転速度NE の吹き
上がりが略終了する時間、たとえば100ms程度の値に
設定される。このため、上記SA2では、アクセルペダ
ル165の非操作位置からの踏込み操作に関連して発生
するエンジン回転速度NE の吹き上がりが略終了した状
態であるか否かが判定されるのである。
12においてスリップ制御が停止されるが、肯定された
場合は前記開始条件成立判定手段208に対応するSA
3において、他のスリップ制御開始条件が成立したか否
かが判断される。この他のスリップ制御開始条件とは、
図7に示すスリップ制御領域内であること、スロットル
弁開度TAPが所定の値たとえば4%以下であること、
自動変速機14の変速中でないことなどである。このS
A3の判断が否定された場合はSA12においてスリッ
プ制御が停止されるが、肯定された場合は、ロックアッ
プクラッチ前進手段210に対応するSA4が実行さ
れ、第3電磁弁S3がオフからオン状態とされるので、
ロックアップリレー弁52がオン側へ切り換えられる。
この状態ではスリップ制御が未だ開始されておらず、ロ
ックアップコントロール弁56の予圧作用により解放側
油室33内の圧力Poff が上昇させられるが、同時に、
数式2の第1項のフィードバック項の値は零であるた
め、フィードフォワード項に対応する制御出力に従って
解放側油室33内の圧力Poff が所定値に定められるの
で、ピストン30が前進させられる。
手段198に対応するSA5では、基本目標スリップ回
転速度TNSLPBが数式3から算出される。数式3に
おいて、TTNSLP1はエンジン負荷が略一定である
定常時の目標スリップ回転速度であり、たとえば図12
に示す関係からタービン回転速度NT およびスロットル
弁開度TAPに基づいて決定される。また、TTNSL
P2は急加速時の目標スリップ回転速度であり、たとえ
ば500r.p.m 程度の値が採用される。また、TKDT
APは、スロットル弁開度変化率DTAPの関数で示さ
れる係数であり、スロットル弁開度変化率DTAPが大
きくなるほど大きい値(最大値1)とされるものであ
る。
度TNSLPBDが上記SA5にて算出された基本目標
スリップ回転速度TNSLPBよりも大きいか否かが判
断される。当初は、この判断が肯定されるので、前記第
3スリップ制御開始判定手段214に対応するSA7に
おいて、SA3においてスリップ制御開始条件が成立し
たと判定されてからの経過時間CASLPが予め設定さ
れた判断基準値TP を超えたか否かが判断される。この
判断基準値TP は、ロックアップクラッチ32が略係合
する位置までピストン30が充分に前進させられたこと
を判定するための値であり、たとえば400ms程度の値
が採用される。当初は、このSA7の判断が否定される
ので、前記目標スリップ回転速度初期値設定手段200
に対応するSA8において、目標スリップ回転速度TN
SLPBDの初期値としてポンプ翼車回転速度NP とタ
ービン翼車回転速度NT との実際の回転速度差ΔN即ち
スリップ制御開始直前のスリップ回転速度NSLP(=
NP −NT )が設定される。図13のt1 時点はこの状
態を示している。
応するSA13において、ロックアップリレー弁52が
オン状態に切り換えられるとともに、目標スリップ回転
速度TNSLPBDに実際のスリップ回転速度NSLP
を一致させるためにたとえば数式2を用いてロックアッ
プクラッチ32のスリップ制御が実行される。
始されると、次の制御サイクルのSA0の判断が肯定さ
れるので、前記スリップ制御終了判定手段206に対応
するSA11において、スリップ制御の終了条件が成立
したか否かが判断される。この終了条件には、スロット
ル弁開度の変化率DTAPが予め前記判断基準値Δθ 1
よりも充分に大きい値に設定された判断基準値Δθ2 た
とえば10%/30ms程度の値以上となったことが含ま
れる。当初は、このSA11の判断が否定されるので、
再度SA4が実行される。
ち、SA7の判断が肯定されると、前記目標スリップ回
転速度更新手段202に対応するSA9において、数式
4に従って目標スリップ回転速度TNSLPBDが逐次
算出されて更新される。数式4において、TNSLPB
Di-1 は前回のサイクルにおいて更新された目標スリッ
プ回転速度であり、tNDWN1はたとえば図14に示
すように目標スリップ回転速度TNSLPBDの関数で
あり、上記目標スリップ回転速度TNSLPBDが小さ
くなるほど換言すれば基本目標スリップ回転速度TNS
LPBに接近するほど小さく決定される減少量である。
この減少量tNDWN1は、1つのサイクル毎に前回の
目標スリップ回転速度TNSLPBDi-1 から減少させ
る量であるから、目標スリップ回転速度TNSLPBD
の減少速度を示す。したがって、目標スリップ回転速度
TNSLPBDは、基本目標スリップ回転速度TNSL
PBに接近するほど減少速度が緩やかとなる。
ち、目標スリップ回転速度TNSLPBDが基本目標ス
リップ回転速度TNSLPBに一致すると、前記SA6
の判断が否定されるので、SA10において目標スリッ
プ回転速度TNSLPBDとして基本目標スリップ回転
速度TNSLPBが設定される。図13のt3 時点はこ
の状態を示している。
リップ回転速度更新手段202(SA9)により、図1
3に示すように、目標スリップ回転速度初期設定手段2
00(SA8)により初期設定された目標スリップ回転
速度TNSLPBDが、基本目標スリップ回転速度算出
手段198(SA5)により算出された基本目標スリッ
プ回転速度TNSLPBに接近する程小さくなる変化率
にてその基本目標スリップ回転速度TNSLPBへ向か
って逐次接近させられることから、その目標スリップ回
転速度TNSLPBDは、その変化率が急激に零とされ
ず、基本目標スリップ回転速度TNSLPBに接近する
程その変化が緩やかとされて、滑らかに基本目標スリッ
プ回転速度TNSLPBとされるので、図13の1点鎖
線に示す従来に比較して、スリップ制御において実際の
スリップ回転速度NSLPがその目標スリップ回転速度
に対して良好に追従できる。これにより、オーバシュー
トによって実際のスリップ量が零に接近することにより
運転性が阻害されたりすることがない。
御開始判定手段204(SA1)により、ポンプ翼車回
転速度NP とタービン翼車回転速度NT との回転速度差
ΔNが拡大傾向となる車両状態であるか否かが判定さ
れ、その拡大傾向となる車両状態でない場合にSA13
によるスリップ制御が開始させられる。したがって、ス
リップ制御開始時において実際のスリップ回転速度NS
LPが目標スリップ回転速度TNSLPBDに良好に追
従でき、スリップ制御が不安定となることによって運転
性が阻害されたりすることがない。
プ制御開始判定手段204は、スロットル弁開度の変化
率DTAPが予め設定された判断基準値Δθ1 を下回っ
たときに、前記スリップ制御手段196によるスリップ
制御を開始させる。この判断基準値Δθ1 は、比較的小
さな正の値或いは負の値とされるが、特に、この判断基
準値Δθ1 が負の値である場合には、アクセルペダル1
65が戻されたときすなわちΔN(=NP −NT )が減
少傾向である車両状態でスリップ制御が開始させられる
ので、一層安定的にスリップ制御が開始され得る。
度の変化率DTAPが上記判断基準値Δθ1 よりも充分
に大きい値に予め設定された判断基準値Δθ2 を超えた
ときにSA13によるスリップ制御を終了させるスリッ
プ制御終了判定手段206が備えられているので、スリ
ップ領域内でのスリップ制御中であっても、比較的急な
加速操作が行われるとスリップ制御が終了させられるの
で、こもり音の発生が防止されるとともに、流体伝動装
置のコンバータ領域によるトルク増幅作用が得られて加
速性が高められる利点がある。
御開始判定手段212(SA2)により、アクセルペダ
ル165の踏込み操作に関連して車両が負駆動状態から
正駆動状態へ切り換えられるときに発生するエンジン回
転速度NE の吹き上がりが略終了した状態であるか否か
が判定され、そのエンジン回転速度NE の吹き上がりが
略終了した状態となった場合にSA13によるスリップ
制御が開始させられるので、スリップ制御開始時におい
て実際のスリップ回転速度NSLPが目標スリップ回転
速度TNSLPBDに良好に追従でき、スリップ制御が
不安定となることによって運転性が阻害されたりするこ
とがない。
212は、スロットルセンサ167のアイドルスイッチ
がオン状態からオフ状態へ切り換えられてからの経過時
間CLLOFFが予め設定された判断基準値TI を経過
したことを以てスリップ制御を開始させるが、その判断
基準値TI はエンジン回転速度NE の吹き上がりが終了
する前であってスリップ制御の遅れ時間に略対応する時
間だけ前となるように設定されているので、エンジン回
転速度NE の吹き上がりの終了と同時に実質的にスリッ
プ制御が開始される利点がある。
ラッチ前進手段210により、開始条件成立判定手段2
08(SA3)によって前記スリップ制御の開始条件の
成立が判定された場合には、ロックアップクラッチ32
が略係合するまで前進させられ、そのロックアップクラ
ッチ前進手段210によりロックアップクラッチ32が
所定ストロークだけ前進させられた後には、第3スリッ
プ制御開始判定手段214によりスリップ制御が開始さ
せられるので、スリップ制御手段196によるスリップ
制御が開始させられたときには、ロックアップクラッチ
32が直ちに摩擦係合できるので、実際のスリップ回転
速度が目標スリップ回転速度に対して良好に追従でき
る。これにより、オーバシュートによって実際のスリッ
プ量が零に接近することにより運転性が阻害されたりす
ることがない。
チ32は、トルクコンバータ12のタービン翼車22の
ボス部に軸方向の移動可能に嵌合されたピストン30に
取り着けられてそのピストン30により分割された解放
側油室33および係合側油室35の一方が選択的に高め
られることにより解放或いは係合されるものであるの
で、ロックアップクラッチ前進手段210は、上記係合
側油室35内の油圧が高められた状態で解放側油室33
内の油圧を所定圧とすることにより、トルクコンバータ
12内の閉じられた容積内においてポンプ翼車18から
発生する流れがピストン30に当接してロックアップク
ラッチ32がタービン翼車22に略接触するまでピスト
ン30が前進させられる利点がある。
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
るスロットル弁開度TAPおよびその変化率DTAPに
替えて、エンジン負荷量およびその変化率を示す値、た
とえばアクセルペダル操作量およびその変化量、燃料噴
射量およびその変化量、吸入空気量およびその変化量な
どが用いられてもよい。
1では、スロットル弁開度の変化率DTAP(%/ms)
が判断基準値Δθ1 を下回ったことを以て、ポンプ翼車
回転速度NP とタービン翼車回転速度NT との回転速度
差ΔNすなわちロックアップクラッチ32のスリップ回
転速度NSLPが拡大傾向となる車両状態であることが
判定されていたが、ポンプ翼車回転速度NP とタービン
翼車回転速度NT との回転速度差ΔN(=NP −NT )
が逐次算出され、その回転速度差ΔNの変化傾向に基づ
いて判定されてもよい。
2では、減速走行中においてスロットルセンサ167の
アイドルスイッチがオンからオフ状態へ切り換えられて
からの経過時間CLLOFFが予め設定された判断基準
値TI を経過したか否かが判断される。しかし、この判
断は、アクセルペダル165の非操作位置からの踏込み
操作に関連して車両が負駆動状態から正駆動状態へ切り
換えられるときに発生するエンジン回転速度NE の吹き
上がりが略終了するか否かを判断するものであるから、
たとえば、エンジン回転速度NE の変化率が所定値を下
回ったことに基づいて判断されてもよい。
は、図4に示すように構成されていたが、他の構成であ
っても差し支えない。たとえば、ロックアップリレー弁
52とロックアップコントロール弁56とが一体的に構
成されてもよいのである。
前進させられてから所定時間TP 経過後にスリップ制御
が開始させられていたが、ピストン30の前進位置まで
の移動が検出されてからスリップ制御が開始させられて
もよい。
チ付トルクコンバータ12について説明されていたが、
直結クラッチ付フルードカップリングであってもよい。
要するに、直結クラッチを有する流体式伝動装置であれ
ばよいのである。
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
れた車両用動力伝達装置を示す図である。
タを備えた自動変速機において、第1電磁弁および第2
電磁弁の作動の組み合わせとそれにより得られる変速段
との関係を説明する図表である。
説明するブロック線図である。
ある。
である。
弁の特性であって、係合用油室および解放用油室との圧
力差ΔPとスリップ制御用信号圧PSLU との関係を説明
する図である。
車両の走行状態とロックアップクラッチの係合状態との
関係を示す図である。
説明する機能ブロック線図である。
説明するフローチャートである。
ち、加速操作速度に関連するスリップ制御開始制御を説
明するタイムチャートである。
ち、減速走行時の再加速操作時のスリップ制御開始制御
を説明するタイムチャートである。
回転速度TTNSLP1を求めるために用いられる関係
を示す図である。
ち、スリップ制御開始条件成立時において目標スリップ
回転速度を基本スリップ回転速度に接近するほど緩やか
に変化させる制御を示すタイムチャートである。
回転速度を基本スリップ回転速度に接近するほど緩やか
に変化させるために用いられる減少量を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポンプ翼車とタービン翼車との間にロッ
クアップクラッチを備えた流体伝動装置を有する車両に
おいて、車両の走行状態が予め設定されたスリップ制御
領域内に入ると該ロックアップクラッチのスリップ量が
所定の目標スリップ回転速度と一致するように制御する
スリップ制御手段を備えた形式の車両用ロックアップク
ラッチのスリップ制御装置であって、 車両の定常走行において燃費を高めるための基本目標ス
リップ回転速度を決定する基本目標スリップ回転速度算
出手段と、 前記スリップ制御手段によるスリップ制御時のポンプ翼
車回転速度とタービン翼車回転速度との回転速度差を前
記目標スリップ回転速度として初期設定する目標スリッ
プ回転速度初期設定手段と、 該初期設定された目標スリップ回転速度を、前記基本目
標スリップ回転速度に接近する程小さくなる変化率にて
該基本目標スリップ回転速度へ向かって逐次接近させる
目標スリップ回転速度更新手段とを含むことを特徴とす
る車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置。 - 【請求項2】 ポンプ翼車とタービン翼車との間にロッ
クアップクラッチを備えた流体伝動装置を有する車両に
おいて、車両の走行状態が予め設定されたスリップ制御
領域内に入ると該ロックアップクラッチのスリップ量が
所定の目標スリップ回転速度と一致するように制御する
スリップ制御手段を備えた形式の車両用ロックアップク
ラッチのスリップ制御装置であって、 ポンプ翼車回転速度とタービン翼車回転速度との回転速
度差が拡大傾向となる車両状態であるか否かを判定し、
該拡大傾向となる車両状態でない場合に前記スリップ制
御手段による制御を開始させる第1スリップ制御開始判
定手段を含むことを特徴とする車両用ロックアップクラ
ッチのスリップ制御装置。 - 【請求項3】 ポンプ翼車とタービン翼車との間にロッ
クアップクラッチを備えた流体伝動装置を有する車両に
おいて、車両の走行状態が予め設定されたスリップ制御
領域内に入ると該ロックアップクラッチのスリップ量が
所定の目標スリップ回転速度と一致するように制御する
スリップ制御手段を備えた形式の車両用ロックアップク
ラッチのスリップ制御装置であって、 アクセルペダルの踏込み操作に関連して車両が負駆動状
態から正駆動状態へ切り換えられるときに発生するエン
ジン回転速度の吹き上がりが略終了した状態であるか否
かを判定し、該エンジン回転速度の吹き上がりが略終了
した状態となった場合に前記スリップ制御手段による制
御を開始させる第2スリップ制御開始判定手段を含むこ
とを特徴とする車両用ロックアップクラッチのスリップ
制御装置。 - 【請求項4】 ポンプ翼車とタービン翼車との間に油圧
により前進させられるロックアップクラッチを備えた流
体伝動装置を有する車両において、車両の走行状態が予
め設定されたスリップ制御領域内に入ると該ロックアッ
プクラッチのスリップ量が所定の目標スリップ回転速度
と一致するように制御するスリップ制御手段を備えた形
式の車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置で
あって、 前記スリップ制御手段によるスリップ制御の開始条件の
成立を判定する開始条件成立判定手段と、 該開始条件成立判定手段によって前記スリップ制御の開
始条件の成立が判定された場合には、前記ロックアップ
クラッチを所定ストロークだけ前進させるロックアップ
クラッチ前進手段と、 該ロックアップクラッチ前進手段により前記ロックアッ
プクラッチが所定ストロークだけ前進させられた後に、
前記スリップ制御手段による制御を開始させる第3スリ
ップ制御開始判定手段とを、含むことを特徴とする車両
用ロックアップクラッチのスリップ制御装置。
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