JP3567491B2 - ロックアップクラッチのスリップ制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動変速機の流体継手の入出力軸間の回転数差が所定の目標スリップ量となるように制御するロックアップクラッチのスリップ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ロックアップ機構を有する自動変速機においては、高車速域では流体継手内の伝達損失を低減させ燃費向上を目的としてロックアップクラッチを完全締結状態とし、流体継手の入出力軸間を直結させている。しかし、低車速域では流体継手のトルク増幅作用を必要とし、また、内燃機関のトルク変動による車両振動を防止する目的でロックアップクラッチを解放状態とするため、燃費の悪化を招くこととなる。そこで、従来、低車速域では、機関回転数とタービン回転数との回転数差であるスリップ量を検出し、目標スリップ量(目標値)となるようにソレノイドデューティ弁を用いてロックアップクラッチに供給する油圧を制御し、燃費の向上を図っている。
【0003】
ロックアップクラッチのスリップ制御装置に関連する先行技術文献としては、特開平1−206159号公報にて開示されたものが知られている。このものでは、目標スリップ量を内燃機関の運転状態に応じて互いに異なる複数のパターンで設定することによって、ドライバビリティ(Drivability)悪化を防止するとしている。
【0004】
また、特開平3−14965号公報にて開示されたものが知られている。このものでは、検出された入力トルクと入出力回転差に基づき、所定時間後に加速不良判定し、仮に加速不良が生じているならば目標差圧を補正することによって、安定したスリップ制御を得ることができるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、先行技術文献のうち前者のものでは、予め設定された目標スリップ量が常に正しいとし、その値に基づいてスリップ制御を実行しているが、例えば、初期に目標スリップ量がズレていたり、自動変速機の経時変化に伴う車両特性の変化等により目標スリップ量が必ずしも正しいとは限らず、加速不良等に起因するドライバビリティ悪化が生じる恐れがあった。また、後者のものでは、所定時間後に目標スリップ量に到達したかにより加速不良判定を行っているため、その期間だけスロットル開度の増加が起こってドライバビリティ及び燃費の悪化を招く恐れがあった。
【0006】
そこで、この発明は、かかる不具合を解決するためになされたもので、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御の目標スリップ量のズレを防止し、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができるロックアップクラッチのスリップ制御装置の提供を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、流体継手の入出力軸をロックアップクラッチにて直結するロックアップ機構と、前記流体継手の入出力軸間の回転数差が所定の目標スリップ量となるように前記ロックアップ機構の前記ロックアップクラッチの接続状態を制御するスリップ制御機構と、スロットルバルブのスロットル開度変化割合を検出する変化割合検出手段と、前記スロットル開度変化割合と前記流体継手のタービン回転数とで設定される運転領域に対する前記スリップ制御機構における前記目標スリップ量を算出するスリップ量演算手段と、前記変化割合検出手段で検出された前記スロットル開度変化割合が所定値以上であるときには、そのときの前記目標スリップ量の不足に伴う前記運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとされ、そのときの前記運転領域の目標スリップ量を基準として各運転領域の目標スリップ量を更新する領域別学習手段とを具備するものである。
【0008】
請求項2にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量が設定された所定時間後の前記スロットル開度変化割合が所定値以上であるときを実行条件とするものである。
【0009】
請求項3にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、前記スロットル開度変化割合が略ゼロである運転領域の目標スリップ量を更新しないものである。
【0010】
請求項4にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、前記スロットル開度変化割合が略ゼロである運転領域を除く全ての運転領域の目標スリップ量を一律に更新するものである。
【0011】
請求項5にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、そのときの運転領域の目標スリップ量を基準としてその運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量を小さくするものである。
【0012】
請求項6にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、そのときの前記スロットル開度変化割合の大きさに応じて各運転領域の目標スリップ量の更新量を変えるものである。
【0013】
請求項7にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、そのときの運転領域が属する前記スロットル開度変化割合が同じである運転領域の目標スリップ量のみを更新するものである。
【0014】
請求項8にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、前回更新された運転領域の目標スリップ量は今回の更新で除外するものである。
【0015】
【作用】
請求項1においては、ロックアップ機構のロックアップクラッチの接続状態をスロットル開度変化割合とタービン回転数とで設定される運転領域に対して所定の回転数差となるように制御するスリップ制御機構における目標スリップ量がスリップ量演算手段で算出される。そして、領域別学習手段では変化割合検出手段で検出されたスロットル開度変化割合が所定値以上であると、そのときの目標スリップ量の不足に伴って運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとされ、そのときの運転領域の目標スリップ量を基準として各運転領域の目標スリップ量が更新される。
【0016】
請求項2のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1の作用に加えて、目標スリップ量が設定された所定時間後のスロットル開度変化割合が所定値以上であるときが実行条件とされるため、スリップ制御機構における目標スリップ量の安定性が得られる。
【0017】
請求項3のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1または請求項2の作用に加えて、定常運転領域では目標スリップ量が更新されることがないためスリップ制御機構における目標スリップ量の安定性を損なうことがない。
【0018】
請求項4のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1または請求項2の作用に加えて、定常運転領域以外の全ての運転領域の目標スリップ量がある運転領域における判定に基づいて一律に更新されるため学習効率が良い。
【0019】
請求項5のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1ま たは請求項2の作用に加えて、今回の目標スリップ量の更新における他の運転領域への影響を各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。
【0020】
請求項6のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1または請求項2の作用に加えて、今回の目標スリップ量の更新における定常運転領域を除く他の運転領域への影響をスロットル開度変化割合に基づき、各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。
【0021】
請求項7のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1または請求項2の作用に加えて、今回の目標スリップ量の更新における他のスロットル開度変化割合が異なる運転領域への影響を少なくできる。
【0022】
請求項8のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1または請求項2の作用に加えて、今回の目標スリップ量の更新における前回の目標スリップ量の更新の中心であった運転領域への影響を少なくできる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
【0024】
〈第一実施例〉
図1は本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機を示す概略構成図である。
【0025】
図1において、内燃機関1の吸気管2にはスロットルバルブ3が設けられ、このスロットルバルブ3によって内燃機関1に供給される吸入空気量が調整されて機関出力が制御される。内燃機関1のクランクシャフト4には自動変速機5の流体継手としてのトルクコンバータ6を介して変速機構7が接続され(便宜上、内燃機関1と分離して図示)、その変速機構7は図示しない車両の駆動系を介して駆動輪と接続されている。トルクコンバータ6内にはロックアップクラッチ8が内装され、このロックアップクラッチ8にはクラッチ制御用ソレノイド9の切換動作に応じて作動油が供給され解放状態と締結状態との間で切換えられ、且つ、それらの中間において任意のスリップ量(スリップ率)に調整される。
【0026】
そして、周知のようにロックアップクラッチ8の解放時には、内燃機関1のトルクがトルクコンバータ6を介して変速機構7に伝達され、また、ロックアップクラッチ8の締結時には、トルクコンバータ6を介することなくロックアップクラッチ8を介して変速機構7に伝達され、一方、中間のスリップ制御時には、スリップ量に応じた割合でトルクコンバータ6及びロックアップクラッチ8を介して変速機構7に伝達される。
【0027】
ロックアップクラッチ8を制御するECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)11内では、図示しないCPU、ROM、RAMを中心に論理及び演算回路が構成され、その出力にはクラッチ制御用ソレノイド9が接続されている。また、スロットルバルブ3のスロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ12、内燃機関1の機関回転数Neを検出する機関回転数センサ13、変速機構7の入力側に設けられてタービン回転数NTを検出するタービン回転数センサ14、変速機構7の出力側に設けられて車速Noを検出するアウトプット回転数センサ15及びブレーキ動作信号BKを検出するブレーキスイッチセンサ16がその入力側に接続されている。
【0028】
そして、各センサの検出値に基づきECU11は、クラッチ制御用ソレノイド9に対してデューティ比制御するロックアップ油圧制御信号FSLUを適宜設定して、クラッチ制御用ソレノイド9からロックアップクラッチ8に供給される作動油の油圧を調整し、そのスリップ量を制御する。なお、本実施例のECU11はロックアップクラッチ8の制御のみならず、自動変速機5の変速制御及び内燃機関1のフューエルカットを含めた運転制御も実行するものを使用している。
【0029】
次に、本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU11内のCPUの処理手順を図2及び図3のフローチャートに基づいて説明する。なお、図2はスリップ制御メインルーチン、図3は目標スリップ量を算出するマップの領域別学習制御サブルーチンである。
【0030】
図2において、まず、ステップS101で運転状態が検出される。ここでいう運転状態とは、スロットル開度TA、車速No、機関回転数Ne、変速段、冷却水温等のことである。次にステップS102に移行して、自動変速機5のトルクコンバータ6に内装されたロックアップクラッチ8のL/U(Lock-Up:ロックアップ)実行条件が成立するかが判定される。このL/U実行条件は、図5のマップに示すように、アウトプット回転数センサ15からの車速No〔km/h 〕とスロットル開度センサ12からのスロットル開度TA〔%〕とから決定される。ここで、スロットル開度TAは、スロットルバルブ3の最大開度が例えば、80°であるとき、その80°を100%としたときの角度に対応する割合〔%〕を表している。なお、このマップによる制御では、冷却水温≧所定値でありアイドリング時でないこと、シフト位置がDレンジであること、自動変速機の変速段を切替えるソレノイドバルブ(図示略)からの信号が変化したのち所定時間経過し変速中でないことが前提条件とされる。ステップS102の判定条件が成立するときには、ステップS103に移行し、L/U→ON、即ち、ロックアップクラッチ8のクラッチ制御用ソレノイド9のデューティ比を100%とし、ロックアップクラッチ8を介したロックアップが実行され、本メインルーチンを終了する。
【0031】
一方、ステップS102の判定条件が成立しないときには、ステップS104に移行し、スリップ制御実行条件が成立するかが判定される。このスリップ制御実行条件は、図5のマップに示すように、車速No〔km/h 〕とスロットル開度TA〔%〕とから決定される。ステップS104の判定条件が成立しないときには、ステップS105に移行し、L/U→OFF、即ち、ロックアップクラッチ8のクラッチ制御用ソレノイド9のデューティ比を0%とし、ロックアップクラッチ8を切離しトルクコンバータ6のみの制御が実行され、本メインルーチンを終了する。なお、図5に示すように、L/U実行条件として実線で示すOFF→ONと破線で示すON→OFFとの間の領域及びスリップ制御実行条件として実線で示すOFF→ONと破線で示すON→OFFとの間の領域はチャタリング防止のためのヒステリシス分である。
【0032】
ここで、ステップS104の判定条件が成立するときには、ステップS106に移行し、スロットル開度TA〔%〕及びタービン回転数NT〔rpm〕が読込まれたのち、ステップS107に移行する。ステップS107では、今回と前回のスロットル開度TAからスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕が算出されたのち、ステップS108に移行し、目標スリップ量〔rpm〕がスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップに基づいて算出される。次にステップS109に移行して、目標スリップ量に相当するロックアップクラッチ8のクラッチ制御用ソレノイド9のデューティ比が出力され、スリップ制御が実行される。次に、ステップS110で所定時間として500ms経過するのを待って、ステップS111に移行し、スロットル開度変化割合ΔTAが予め設定された所定値ΔTAOを越えているかが判定される(ΔTA>ΔTAO)。ステップS111の判定条件が成立し、スロットル開度変化割合ΔTAが所定値ΔTAOを越えているときには、ステップS112に移行し、後述のマップの領域別学習制御サブルーチンが実行され、本メインルーチンを終了する。
【0033】
一方、ステップS111の判定条件が成立せず、スロットル開度変化割合ΔTAが所定値ΔTAO以下であるときには、ステップS112の処理をスキップし、本メインルーチンを終了する。つまり、一旦、マップから算出された目標スリップ量に基づいてスリップ制御を実行したときに、スロットル開度が増大し、加速不良が生じていると、目標スリップ量のマップ値を更新することになる。
【0034】
次に、図3のマップの領域別学習制御サブルーチンについて説明する。
【0035】
図3において、ステップS201で、図4(a)に示すスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップの各運転領域にE〜Tで示された目標値としての各目標スリップ量〔rpm〕に対して一律にα〔rpm〕が加算され、図4(b)に示すようにマップが更新され、本サブルーチンが終了する。但し、スロットル開度変化割合ΔTA=0である定常運転領域においては、A〜Dで示された各目標スリップ量〔rpm〕に対してα〔rpm〕の加算が禁止されている。なお、図4(a)及び図4(b)のマップにおける隣接した運転領域間の目標スリップ量は補間演算にて求められる。
【0036】
図6は本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の挙動を従来例と比べて示すタイミングチャートである。
【0037】
図6(a)に示す従来例では、目標スリップ量が初期にズレていたり、内燃機関及び自動変速機の経時変化に伴う目標スリップ量のズレ等から加速時にスリップ量(滑り量)が不足し、加速不良を生じることがある。このスリップ量が不足すると、スロットル開度TA〔%〕が運転者により開側に大きく変動されることにより、ハンチングが生じスリップ制御実行条件が成立・不成立を繰返すことからスリップ制御実行フラグがON/OFFを繰返すこととなり、車両ショックが発生することとなる。これに対して、図6(b)に示す本実施例では、一度加速不良となると、目標スリップ量のマップが更新されるため、再度の加速不良が生じ難くなり、次からは円滑な加速が達成できるためドライバビリティが悪化することなく、燃費向上が図られることとなる。
【0038】
このように、本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置は、トルクコンバータ6からなる流体継手の入出力軸をロックアップクラッチ8にて直結するクラッチ制御用ソレノイド9及びECU11にて達成されるロックアップ機構と、前記流体継手の入出力軸間の回転数差が所定の目標スリップ量となるように前記ロックアップ機構のロックアップクラッチ8の接続状態を制御するクラッチ制御用ソレノイド9及びECU11にて達成されるスリップ制御機構と、スロットルバルブ3のスロットル開度変化割合ΔTAを検出するスロットル開度センサ12及びECU11にて達成される変化割合検出手段と、スロットル開度変化割合ΔTAと前記流体継手のタービン回転数NTとで設定される運転領域に対する前記スリップ制御機構における前記目標スリップ量を算出するECU11にて達成されるスリップ量演算手段と、前記変化割合検出手段で検出されたスロットル開度変化割合ΔTAが所定値ΔTAO以上であるときには、そのときの前記目標スリップ量の不足に伴う前記運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとして、そのときの前記運転領域の目標スリップ量を基準として各運転者領域の目標スリップ量を更新するECU11にて達成される領域別学習手段とを具備するものであり、これを請求項1の実施例とすることができる。
【0039】
したがって、ロックアップ機構のロックアップクラッチ8の接続状態をスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとで設定される運転領域に対して所定の回転数差となるように制御するスリップ制御機構における目標スリップ量がスリップ量演算手段で算出される。そして、領域別学習手段では変化割合検出手段で検出されたスロットル開度変化割合ΔTAが所定値以上であると、そのときの目標スリップ量の不足に伴って運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとされ、そのときの運転領域の目標スリップ量を基準として各運転領域の目標スリップ量が更新される。
【0040】
故に、自動変速機5の経時変化等に伴うロックアップクラッチ8のスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に検出され、目標スリップ量が更新補正されることで、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0041】
また、本実施例のロックアップクラッチ8のスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量が設定された所定時間後のスロットル開度変化割合ΔTAが所定値ΔTAO以上であるときを実行条件とするものであり、これを請求項2の実施例とすることができる。
【0042】
したがって、領域別学習手段では、目標スリップ量が設定された所定時間後のスロットル開度変化割合ΔTAが所定値以上であると、そのときの前記運転領域の目標スリップ量が基準とされ各運転領域の目標スリップ量が更新される。故に、スリップ制御機構における目標スリップ量の安定性が得られる。
【0043】
そして、本実施例のロックアップクラッチ8のスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、スロットル開度変化割合ΔTAが0(ゼロ)である運転領域の目標スリップ量(A〜D)を更新しないものであり、これを請求項3の実施例とすることができる。
【0044】
したがって、定常運転領域では目標スリップ量が更新されることがない。故に、スリップ制御機構における目標スリップ量の安定性を損なうことがない。
【0045】
更に、本実施例のロックアップクラッチ8のスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、スロットル開度変化割合ΔTAが0(ゼロ)である運転領域を除く全ての運転領域の目標スリップ量(E〜T)を一律に+α更新するものであり、これを請求項4の実施例とすることができる。
【0046】
したがって、定常運転領域以外の全ての運転領域の目標スリップ量がある運転領域における判定に基づいて一律に更新される。故に、この目標スリップ量の更新においては学習効率が良い。
【0047】
〈第二実施例〉
図7は本発明の第二実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU11内のCPUの処理手順のうち目標スリップ量を算出するマップの領域別学習制御サブルーチンである。なお、スリップ制御メインルーチンについては図2と同様であり、その詳細な説明を省略する。また、本発明の第二実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の概略構成図は図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0048】
図7において、ステップS301で、図8(a)に示すスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップの各運転領域のうちJ(図8(a)に斜線にて示す)の目標値としての目標スリップ量〔rpm〕に対してα〔rpm〕が加算(図8(b)に斜線にて示す)され、その運転領域の値を基準値として隣接した運転領域の値に対してはβ〔rpm〕が加算され、更に、その隣の運転領域の値に対してはγ〔rpm〕が加算され、図8(b)に示すようにマップの全運転領域に対する目標スリップ量が更新され、本サブルーチンが終了する。但し、スロットル開度変化割合ΔTA=0である定常運転領域においては、A〜Dで示された各目標スリップ量〔rpm〕に対する加算が禁止されている。また、基準となる運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量が小さくされ、この場合の更新量は、α>β>γとされる。なお、目標スリップ量に加算される値αはスロットル開度変化割合ΔTAと所定値ΔTAOとの差(ΔTA−ΔTAO)、また、β,γはαに基づいてそれぞれ決定される。つまり、α=f0 (ΔTA−ΔTAO)、β=f1 (α),γ=f2 (α)となる。更に、図8(a)及び図8(b)のマップにおける隣接した運転領域間の目標スリップ量は補間演算にて求められる。
【0049】
このように、本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、そのときの運転領域の目標スリップ量(J)を基準としてその運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量を小さく(α>β>γ)するものであり、これを請求項5の実施例とすることができる。
【0050】
したがって、今回の目標スリップ量の更新における他の運転領域への影響を各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。
【0051】
故に、自動変速機5の経時変化等に伴うロックアップクラッチ8のスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
〈第三実施例〉
図9は本発明の第三実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU11内のCPUの処理手順のうち目標スリップ量を算出するマップの領域別学習制御サブルーチンである。なお、スリップ制御メインルーチンについては図2と同様であり、その詳細な説明を省略する。また、本発明の第三実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の概略構成図は図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0052】
図9において、ステップS401で、スロットル開度変化割合ΔTAが予め設定された所定値A以上であるかが判定される。ステップS401の判定条件が成立しないときにはステップS402に移行し、x=3とされる。一方、ステップS401の判定条件が成立するときには、ステップS403に移行し、スロットル開度変化割合ΔTAが予め設定された所定値B以上であるかが判定される。ステップS403の判定条件が成立しないときにはステップS404に移行し、x=2とされる。一方、ステップS403の判定条件が成立するときには、ステップS405に移行し、x=1とされる。このようにxの値が決まったのち、ステップS406に移行し、そのxの値に応じて各運転領域とその目標値としての目標スリップ量に加算する値が更新され、本サブルーチンが終了する。ここで、所定値A,BにはA<Bの関係がある。
【0053】
例えば、図9のマップの領域別学習制御サブルーチンでx=2となり、図11(a)に示すスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップの各運転領域のうち、加速不良が発生した基準値となる運転領域の目標スリップ量がJ(図11(a)に斜線にて示す)であるとする。すると、図10のスロットル開度変化割合ΔTAの大きさに応じた各運転領域に対する目標スリップ量の各更新量を示すマップに基づき、目標スリップ量Jにはβ、隣接する運転領域の目標スリップ量E〜G,I,K,M〜Oにはγ、基準値から2列離れた運転領域の目標スリップ量H,L,P〜Tにはδがそれぞれ加算され、図11(b)に示すようにマップの全運転領域に対する目標スリップ量が更新される。但し、スロットル開度変化割合ΔTA=0である定常運転領域においては、A〜Dで示された各目標スリップ量〔rpm〕に対して加算が禁止されている。また、基準となる運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量が小さくされ、この場合の更新量は、α>β>γ>δとされる。なお、目標スリップ量に加算される値αはスロットル開度変化割合ΔTAと所定値ΔTAOとの差(ΔTA−ΔTAO)、また、β,γ,δはαに基づいてそれぞれ決定される。つまり、α=f0 (ΔTA−ΔTAO)、β=f1 (α),γ=f2 (α),δ=f3 (α)となる。更に、図11(a)及び図11(b)のマップにおける隣接した運転領域間の目標スリップ量は補間演算にて求められる。
【0054】
このように、本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、そのときのスロットル開度変化割合ΔTAの大きさに応じて各運転領域の目標スリップ量(E〜T)の更新量(α,β,γ,δ)を変えるものであり、これを請求項6の実施例とすることができる。
【0055】
したがって、今回の目標スリップ量の更新における定常運転領域を除く他の運転領域への影響をスロットル開度変化割合ΔTAに基づき、各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。
【0056】
故に、自動変速機5の経時変化等に伴うロックアップクラッチ8のスリップ制御における目標スリップ量のズレがより的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
〈第四実施例〉
図12は本発明の第四実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU11内のCPUの処理手順のうち目標スリップ量を算出するマップの領域別学習制御サブルーチンである。なお、スリップ制御メインルーチンについては図2と同様であり、その詳細な説明を省略する。また、本発明の第四実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の概略構成図は図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0057】
本実施例では、図示しないマップの領域別学習制御サブルーチンが実行され、図12(a)に示すスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップの各運転領域のうち、J(図12(a)に斜線にて示す)の目標値としての目標スリップ量〔rpm〕となる運転領域を基準として、その運転領域と同じスロットル開度変化割合ΔTAの運転領域のI〜Lで示された各目標スリップ量〔rpm〕のみに対してαが加算され、図12(b)に斜線で示すようにマップの運転領域に対する目標スリップ量が更新される。なお、目標スリップ量に加算される値αはスロットル開度変化割合ΔTAと所定値ΔTAOとの差(ΔTA−ΔTAO)の関数α=f0 (ΔTA−ΔTAO)となる。
【0058】
このように、本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、そのときの運転領域が属するスロットル開度変化割合ΔTAが同じである各運転領域の目標スリップ量(I〜L)のみを+α更新するものであり、これを請求項7の実施例とすることができる。
【0059】
したがって、今回の目標スリップ量の更新における他のスロットル開度変化割合ΔTAが異なる運転領域への影響を少なくできる。
【0060】
故に、自動変速機5の経時変化等に伴うロックアップクラッチ8のスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
〈第五実施例〉
図13は本発明の第五実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU11内のCPUの処理手順のうち目標スリップ量を算出するマップの領域別学習制御サブルーチンである。なお、スリップ制御メインルーチンについては図2と同様であり、その詳細な説明を省略する。また、本発明の第五実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の概略構成図は図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0061】
本実施例では、図示しないマップの領域別学習制御サブルーチンが実行され、図13(a)に示すスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップが図13(b)に示すように更新される。即ち、マップの各運転領域のうち前回のマップ更新で基準となったF(図13(a)に斜線で示す)の目標値としての目標スリップ量〔rpm〕となる運転領域では、今回のマップ更新による他の運転領域から除外される。つまり、今回のマップ更新では目標値としての目標スリップ量〔rpm〕をJ(図13(a)に斜線で示す)とする運転領域の値を基準として、そのJに対してα〔rpm〕が加算(図13(b)に斜線にて示す)され、その運転領域の値を基準値として隣接した運転領域の値に対してはβ〔rpm〕が加算され、更に、その隣の運転領域の値に対してはγ〔rpm〕が加算され、図13(b)に示すようにマップの全運転領域に対する目標スリップ量が更新されるが、目標値としての目標スリップ量〔rpm〕がFである運転領域では加算が0(ゼロ)と除外されている。また、スロットル開度変化割合ΔTA=0である定常運転領域においては、A〜Dで示された各目標スリップ量〔rpm〕に対する加算が禁止されている。また、基準となる運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量が小さくされ、この場合の更新量は、α>β>γとされる。なお、目標スリップ量に加算される値αはスロットル開度変化割合ΔTAと所定値ΔTAOとの差(ΔTA−ΔTAO)、また、β,γはαに基づいてそれぞれ決定される。つまり、α=f0 (ΔTA−ΔTAO)、β=f1 (α),γ=f2 (α)となる。更に、図13(a)及び図13(b)のマップにおける隣接した運転領域間の目標スリップ量は補間演算にて求められる。
【0062】
このように、本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、前回更新された運転領域の目標スリップ量(F)は今回の基準値Jとする更新で除外するものであり、これを請求項8の実施例とすることができる。
【0063】
したがって、今回の目標スリップ量の更新における前回の目標スリップ量の更新の中心であった運転領域への影響を少なくできる。
【0064】
故に、自動変速機5の経時変化等に伴うロックアップクラッチ8のスリップ制御における目標スリップ量のズレがより的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0065】
ところで、前回更新された運転領域の目標スリップ量を今回の更新で除外する場合の更新量としては、上述の実施例に示すように0(ゼロ)とするもの以外に今回の更新による他の運転領域に比べて加算度合いが小さくされるものであってもよい。即ち、本発明を実施する場合に、スロットル開度変化割合ΔTAは、その単位時間の設定により変化するものであるから、スロットル開度変化割合ΔTAが正確にゼロでなくとも、略ゼロであればよい。
【0066】
このように、上記各実施例の領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、値の更新を全て加算により実施するとしたが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、例えば、乗算等を用いてもよく、目標スリップ量を適切に更新するものであればよい。
【0067】
また、上記各実施例の各運転領域の各目標スリップ量〔rpm〕を示すマップではスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕を0,2,5,10,20とし、タービン回転数NT〔rpm〕を800,900,1200,1600としたが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、値の設定やその設定間隔及び範囲は実験等に基づき適当に変更してもよく、結果的に、ドライバビリティを悪化することなく燃費が向上されるようなものであればよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、ロックアップ機構のロックアップクラッチの接続状態をスロットル開度変化割合とタービン回転数とで設定される運転領域に対して所定の回転数差となるように制御するスリップ制御機構における目標スリップ量がスリップ量演算手段で算出され、領域別学習手段では変化割合検出手段で検出されたスロットル開度変化割合が所定値以上であると、そのときの目標スリップ量の不足に伴う運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとされ、そのときの運転領域の目標スリップ量を基準として各運転領域の目標スリップ量が更新される。これにより、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に検出され、目標スリップ量が更新補正されるため、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0069】
請求項2のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1の効果に加えて、領域別学習手段にて目標スリップ量が設定された所定時間後のスロットル開度変化割合が所定値以上であるときが実行条件とされる。これにより、スリップ制御機構における目標スリップ量の安定性を得ることができる。
【0070】
請求項3のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段にて定常運転領域では目標スリップ量が更新されることがない。これにより、スリップ制御機構における目標スリップ量の定常運転領域での安定性を損なわないようにすることができる。
【0071】
請求項4のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段により定常運転領域以外の全ての運転領域の目標スリップ量がある運転領域における判定に基づいて一律に更新される。このため、この目標スリップ量の更新においては学習効率が良いものとすることができる。
【0072】
請求項5のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段により今回の目標スリップ量の更新における他の運転領域への影響を各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。これにより、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0073】
請求項6のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段により今回の目標スリップ量の更新における定常運転領域を除く他の運転領域への影響をスロットル開度変化割合に基づき、各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。これにより、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御における目標スリップ量のズレがより的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0074】
請求項7のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段により今回の目標スリップ量の更新における他のスロットル開度変化割合が異なる運転領域への影響を少なくできる。これにより、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0075】
請求項8のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段により今回の目標スリップ量の更新における前回の目標スリップ量の更新の中心であった運転領域への影響を少なくできる。これにより、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御における目標スリップ量のズレがより的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例乃至第五実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例乃至第五実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU内のCPUの処理手順を示すスリップ制御メインルーチンである。
【図3】図3は本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU内のCPUの処理手順を示すマップの領域別学習制御サブルーチンである。
【図4】図4は本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとをパラメータとする各運転領域の各目標スリップ量を示すマップである。
【図5】図5は本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されている車速Noとスロットル開度TAとをパラメータとするL/U及びスリップ制御領域を示すマップである。
【図6】図6は本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の挙動を従来例と比べて示すタイミングチャートである。
【図7】図7は本発明の第二実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU内のCPUの処理手順を示すマップの領域別学習制御サブルーチンである。
【図8】図8は本発明の第二実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとをパラメータとする各運転領域の各目標スリップ量を示すマップである。
【図9】図9は本発明の第三実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU内のCPUの処理手順を示すマップの領域別学習制御サブルーチンである。
【図10】図10は本発明の第三実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合の大きさに応じた各運転領域に対する目標スリップ量の各更新量を示すマップである。
【図11】図11は本発明の第三実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとをパラメータとする各運転領域の各目標スリップ量を示すマップである。
【図12】図12は本発明の第四実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとをパラメータとする各運転領域の各目標スリップ量を示すマップである。
【図13】図13は本発明の第五実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとをパラメータとする各運転領域の各目標スリップ量を示すマップである。
【符号の説明】
3 スロットルバルブ
5 自動変速機
6 トルクコンバータ
7 変速機構
8 ロックアップクラッチ
9 クラッチ制御用ソレノイド
11 ECU
12 スロットル開度センサ
13 機関回転数センサ
14 タービン回転数センサ
15 アウトプット回転数センサ
【産業上の利用分野】
本発明は、自動変速機の流体継手の入出力軸間の回転数差が所定の目標スリップ量となるように制御するロックアップクラッチのスリップ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ロックアップ機構を有する自動変速機においては、高車速域では流体継手内の伝達損失を低減させ燃費向上を目的としてロックアップクラッチを完全締結状態とし、流体継手の入出力軸間を直結させている。しかし、低車速域では流体継手のトルク増幅作用を必要とし、また、内燃機関のトルク変動による車両振動を防止する目的でロックアップクラッチを解放状態とするため、燃費の悪化を招くこととなる。そこで、従来、低車速域では、機関回転数とタービン回転数との回転数差であるスリップ量を検出し、目標スリップ量(目標値)となるようにソレノイドデューティ弁を用いてロックアップクラッチに供給する油圧を制御し、燃費の向上を図っている。
【0003】
ロックアップクラッチのスリップ制御装置に関連する先行技術文献としては、特開平1−206159号公報にて開示されたものが知られている。このものでは、目標スリップ量を内燃機関の運転状態に応じて互いに異なる複数のパターンで設定することによって、ドライバビリティ(Drivability)悪化を防止するとしている。
【0004】
また、特開平3−14965号公報にて開示されたものが知られている。このものでは、検出された入力トルクと入出力回転差に基づき、所定時間後に加速不良判定し、仮に加速不良が生じているならば目標差圧を補正することによって、安定したスリップ制御を得ることができるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、先行技術文献のうち前者のものでは、予め設定された目標スリップ量が常に正しいとし、その値に基づいてスリップ制御を実行しているが、例えば、初期に目標スリップ量がズレていたり、自動変速機の経時変化に伴う車両特性の変化等により目標スリップ量が必ずしも正しいとは限らず、加速不良等に起因するドライバビリティ悪化が生じる恐れがあった。また、後者のものでは、所定時間後に目標スリップ量に到達したかにより加速不良判定を行っているため、その期間だけスロットル開度の増加が起こってドライバビリティ及び燃費の悪化を招く恐れがあった。
【0006】
そこで、この発明は、かかる不具合を解決するためになされたもので、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御の目標スリップ量のズレを防止し、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができるロックアップクラッチのスリップ制御装置の提供を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、流体継手の入出力軸をロックアップクラッチにて直結するロックアップ機構と、前記流体継手の入出力軸間の回転数差が所定の目標スリップ量となるように前記ロックアップ機構の前記ロックアップクラッチの接続状態を制御するスリップ制御機構と、スロットルバルブのスロットル開度変化割合を検出する変化割合検出手段と、前記スロットル開度変化割合と前記流体継手のタービン回転数とで設定される運転領域に対する前記スリップ制御機構における前記目標スリップ量を算出するスリップ量演算手段と、前記変化割合検出手段で検出された前記スロットル開度変化割合が所定値以上であるときには、そのときの前記目標スリップ量の不足に伴う前記運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとされ、そのときの前記運転領域の目標スリップ量を基準として各運転領域の目標スリップ量を更新する領域別学習手段とを具備するものである。
【0008】
請求項2にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量が設定された所定時間後の前記スロットル開度変化割合が所定値以上であるときを実行条件とするものである。
【0009】
請求項3にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、前記スロットル開度変化割合が略ゼロである運転領域の目標スリップ量を更新しないものである。
【0010】
請求項4にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、前記スロットル開度変化割合が略ゼロである運転領域を除く全ての運転領域の目標スリップ量を一律に更新するものである。
【0011】
請求項5にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、そのときの運転領域の目標スリップ量を基準としてその運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量を小さくするものである。
【0012】
請求項6にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、そのときの前記スロットル開度変化割合の大きさに応じて各運転領域の目標スリップ量の更新量を変えるものである。
【0013】
請求項7にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、そのときの運転領域が属する前記スロットル開度変化割合が同じである運転領域の目標スリップ量のみを更新するものである。
【0014】
請求項8にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加えて、前記領域別学習手段が、前記目標スリップ量の更新に際し、前回更新された運転領域の目標スリップ量は今回の更新で除外するものである。
【0015】
【作用】
請求項1においては、ロックアップ機構のロックアップクラッチの接続状態をスロットル開度変化割合とタービン回転数とで設定される運転領域に対して所定の回転数差となるように制御するスリップ制御機構における目標スリップ量がスリップ量演算手段で算出される。そして、領域別学習手段では変化割合検出手段で検出されたスロットル開度変化割合が所定値以上であると、そのときの目標スリップ量の不足に伴って運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとされ、そのときの運転領域の目標スリップ量を基準として各運転領域の目標スリップ量が更新される。
【0016】
請求項2のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1の作用に加えて、目標スリップ量が設定された所定時間後のスロットル開度変化割合が所定値以上であるときが実行条件とされるため、スリップ制御機構における目標スリップ量の安定性が得られる。
【0017】
請求項3のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1または請求項2の作用に加えて、定常運転領域では目標スリップ量が更新されることがないためスリップ制御機構における目標スリップ量の安定性を損なうことがない。
【0018】
請求項4のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1または請求項2の作用に加えて、定常運転領域以外の全ての運転領域の目標スリップ量がある運転領域における判定に基づいて一律に更新されるため学習効率が良い。
【0019】
請求項5のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1ま たは請求項2の作用に加えて、今回の目標スリップ量の更新における他の運転領域への影響を各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。
【0020】
請求項6のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1または請求項2の作用に加えて、今回の目標スリップ量の更新における定常運転領域を除く他の運転領域への影響をスロットル開度変化割合に基づき、各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。
【0021】
請求項7のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1または請求項2の作用に加えて、今回の目標スリップ量の更新における他のスロットル開度変化割合が異なる運転領域への影響を少なくできる。
【0022】
請求項8のロックアップクラッチのスリップ制御装置の領域別学習手段は、請求項1または請求項2の作用に加えて、今回の目標スリップ量の更新における前回の目標スリップ量の更新の中心であった運転領域への影響を少なくできる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
【0024】
〈第一実施例〉
図1は本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機を示す概略構成図である。
【0025】
図1において、内燃機関1の吸気管2にはスロットルバルブ3が設けられ、このスロットルバルブ3によって内燃機関1に供給される吸入空気量が調整されて機関出力が制御される。内燃機関1のクランクシャフト4には自動変速機5の流体継手としてのトルクコンバータ6を介して変速機構7が接続され(便宜上、内燃機関1と分離して図示)、その変速機構7は図示しない車両の駆動系を介して駆動輪と接続されている。トルクコンバータ6内にはロックアップクラッチ8が内装され、このロックアップクラッチ8にはクラッチ制御用ソレノイド9の切換動作に応じて作動油が供給され解放状態と締結状態との間で切換えられ、且つ、それらの中間において任意のスリップ量(スリップ率)に調整される。
【0026】
そして、周知のようにロックアップクラッチ8の解放時には、内燃機関1のトルクがトルクコンバータ6を介して変速機構7に伝達され、また、ロックアップクラッチ8の締結時には、トルクコンバータ6を介することなくロックアップクラッチ8を介して変速機構7に伝達され、一方、中間のスリップ制御時には、スリップ量に応じた割合でトルクコンバータ6及びロックアップクラッチ8を介して変速機構7に伝達される。
【0027】
ロックアップクラッチ8を制御するECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)11内では、図示しないCPU、ROM、RAMを中心に論理及び演算回路が構成され、その出力にはクラッチ制御用ソレノイド9が接続されている。また、スロットルバルブ3のスロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ12、内燃機関1の機関回転数Neを検出する機関回転数センサ13、変速機構7の入力側に設けられてタービン回転数NTを検出するタービン回転数センサ14、変速機構7の出力側に設けられて車速Noを検出するアウトプット回転数センサ15及びブレーキ動作信号BKを検出するブレーキスイッチセンサ16がその入力側に接続されている。
【0028】
そして、各センサの検出値に基づきECU11は、クラッチ制御用ソレノイド9に対してデューティ比制御するロックアップ油圧制御信号FSLUを適宜設定して、クラッチ制御用ソレノイド9からロックアップクラッチ8に供給される作動油の油圧を調整し、そのスリップ量を制御する。なお、本実施例のECU11はロックアップクラッチ8の制御のみならず、自動変速機5の変速制御及び内燃機関1のフューエルカットを含めた運転制御も実行するものを使用している。
【0029】
次に、本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU11内のCPUの処理手順を図2及び図3のフローチャートに基づいて説明する。なお、図2はスリップ制御メインルーチン、図3は目標スリップ量を算出するマップの領域別学習制御サブルーチンである。
【0030】
図2において、まず、ステップS101で運転状態が検出される。ここでいう運転状態とは、スロットル開度TA、車速No、機関回転数Ne、変速段、冷却水温等のことである。次にステップS102に移行して、自動変速機5のトルクコンバータ6に内装されたロックアップクラッチ8のL/U(Lock-Up:ロックアップ)実行条件が成立するかが判定される。このL/U実行条件は、図5のマップに示すように、アウトプット回転数センサ15からの車速No〔km/h 〕とスロットル開度センサ12からのスロットル開度TA〔%〕とから決定される。ここで、スロットル開度TAは、スロットルバルブ3の最大開度が例えば、80°であるとき、その80°を100%としたときの角度に対応する割合〔%〕を表している。なお、このマップによる制御では、冷却水温≧所定値でありアイドリング時でないこと、シフト位置がDレンジであること、自動変速機の変速段を切替えるソレノイドバルブ(図示略)からの信号が変化したのち所定時間経過し変速中でないことが前提条件とされる。ステップS102の判定条件が成立するときには、ステップS103に移行し、L/U→ON、即ち、ロックアップクラッチ8のクラッチ制御用ソレノイド9のデューティ比を100%とし、ロックアップクラッチ8を介したロックアップが実行され、本メインルーチンを終了する。
【0031】
一方、ステップS102の判定条件が成立しないときには、ステップS104に移行し、スリップ制御実行条件が成立するかが判定される。このスリップ制御実行条件は、図5のマップに示すように、車速No〔km/h 〕とスロットル開度TA〔%〕とから決定される。ステップS104の判定条件が成立しないときには、ステップS105に移行し、L/U→OFF、即ち、ロックアップクラッチ8のクラッチ制御用ソレノイド9のデューティ比を0%とし、ロックアップクラッチ8を切離しトルクコンバータ6のみの制御が実行され、本メインルーチンを終了する。なお、図5に示すように、L/U実行条件として実線で示すOFF→ONと破線で示すON→OFFとの間の領域及びスリップ制御実行条件として実線で示すOFF→ONと破線で示すON→OFFとの間の領域はチャタリング防止のためのヒステリシス分である。
【0032】
ここで、ステップS104の判定条件が成立するときには、ステップS106に移行し、スロットル開度TA〔%〕及びタービン回転数NT〔rpm〕が読込まれたのち、ステップS107に移行する。ステップS107では、今回と前回のスロットル開度TAからスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕が算出されたのち、ステップS108に移行し、目標スリップ量〔rpm〕がスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップに基づいて算出される。次にステップS109に移行して、目標スリップ量に相当するロックアップクラッチ8のクラッチ制御用ソレノイド9のデューティ比が出力され、スリップ制御が実行される。次に、ステップS110で所定時間として500ms経過するのを待って、ステップS111に移行し、スロットル開度変化割合ΔTAが予め設定された所定値ΔTAOを越えているかが判定される(ΔTA>ΔTAO)。ステップS111の判定条件が成立し、スロットル開度変化割合ΔTAが所定値ΔTAOを越えているときには、ステップS112に移行し、後述のマップの領域別学習制御サブルーチンが実行され、本メインルーチンを終了する。
【0033】
一方、ステップS111の判定条件が成立せず、スロットル開度変化割合ΔTAが所定値ΔTAO以下であるときには、ステップS112の処理をスキップし、本メインルーチンを終了する。つまり、一旦、マップから算出された目標スリップ量に基づいてスリップ制御を実行したときに、スロットル開度が増大し、加速不良が生じていると、目標スリップ量のマップ値を更新することになる。
【0034】
次に、図3のマップの領域別学習制御サブルーチンについて説明する。
【0035】
図3において、ステップS201で、図4(a)に示すスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップの各運転領域にE〜Tで示された目標値としての各目標スリップ量〔rpm〕に対して一律にα〔rpm〕が加算され、図4(b)に示すようにマップが更新され、本サブルーチンが終了する。但し、スロットル開度変化割合ΔTA=0である定常運転領域においては、A〜Dで示された各目標スリップ量〔rpm〕に対してα〔rpm〕の加算が禁止されている。なお、図4(a)及び図4(b)のマップにおける隣接した運転領域間の目標スリップ量は補間演算にて求められる。
【0036】
図6は本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の挙動を従来例と比べて示すタイミングチャートである。
【0037】
図6(a)に示す従来例では、目標スリップ量が初期にズレていたり、内燃機関及び自動変速機の経時変化に伴う目標スリップ量のズレ等から加速時にスリップ量(滑り量)が不足し、加速不良を生じることがある。このスリップ量が不足すると、スロットル開度TA〔%〕が運転者により開側に大きく変動されることにより、ハンチングが生じスリップ制御実行条件が成立・不成立を繰返すことからスリップ制御実行フラグがON/OFFを繰返すこととなり、車両ショックが発生することとなる。これに対して、図6(b)に示す本実施例では、一度加速不良となると、目標スリップ量のマップが更新されるため、再度の加速不良が生じ難くなり、次からは円滑な加速が達成できるためドライバビリティが悪化することなく、燃費向上が図られることとなる。
【0038】
このように、本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置は、トルクコンバータ6からなる流体継手の入出力軸をロックアップクラッチ8にて直結するクラッチ制御用ソレノイド9及びECU11にて達成されるロックアップ機構と、前記流体継手の入出力軸間の回転数差が所定の目標スリップ量となるように前記ロックアップ機構のロックアップクラッチ8の接続状態を制御するクラッチ制御用ソレノイド9及びECU11にて達成されるスリップ制御機構と、スロットルバルブ3のスロットル開度変化割合ΔTAを検出するスロットル開度センサ12及びECU11にて達成される変化割合検出手段と、スロットル開度変化割合ΔTAと前記流体継手のタービン回転数NTとで設定される運転領域に対する前記スリップ制御機構における前記目標スリップ量を算出するECU11にて達成されるスリップ量演算手段と、前記変化割合検出手段で検出されたスロットル開度変化割合ΔTAが所定値ΔTAO以上であるときには、そのときの前記目標スリップ量の不足に伴う前記運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとして、そのときの前記運転領域の目標スリップ量を基準として各運転者領域の目標スリップ量を更新するECU11にて達成される領域別学習手段とを具備するものであり、これを請求項1の実施例とすることができる。
【0039】
したがって、ロックアップ機構のロックアップクラッチ8の接続状態をスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとで設定される運転領域に対して所定の回転数差となるように制御するスリップ制御機構における目標スリップ量がスリップ量演算手段で算出される。そして、領域別学習手段では変化割合検出手段で検出されたスロットル開度変化割合ΔTAが所定値以上であると、そのときの目標スリップ量の不足に伴って運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとされ、そのときの運転領域の目標スリップ量を基準として各運転領域の目標スリップ量が更新される。
【0040】
故に、自動変速機5の経時変化等に伴うロックアップクラッチ8のスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に検出され、目標スリップ量が更新補正されることで、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0041】
また、本実施例のロックアップクラッチ8のスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量が設定された所定時間後のスロットル開度変化割合ΔTAが所定値ΔTAO以上であるときを実行条件とするものであり、これを請求項2の実施例とすることができる。
【0042】
したがって、領域別学習手段では、目標スリップ量が設定された所定時間後のスロットル開度変化割合ΔTAが所定値以上であると、そのときの前記運転領域の目標スリップ量が基準とされ各運転領域の目標スリップ量が更新される。故に、スリップ制御機構における目標スリップ量の安定性が得られる。
【0043】
そして、本実施例のロックアップクラッチ8のスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、スロットル開度変化割合ΔTAが0(ゼロ)である運転領域の目標スリップ量(A〜D)を更新しないものであり、これを請求項3の実施例とすることができる。
【0044】
したがって、定常運転領域では目標スリップ量が更新されることがない。故に、スリップ制御機構における目標スリップ量の安定性を損なうことがない。
【0045】
更に、本実施例のロックアップクラッチ8のスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、スロットル開度変化割合ΔTAが0(ゼロ)である運転領域を除く全ての運転領域の目標スリップ量(E〜T)を一律に+α更新するものであり、これを請求項4の実施例とすることができる。
【0046】
したがって、定常運転領域以外の全ての運転領域の目標スリップ量がある運転領域における判定に基づいて一律に更新される。故に、この目標スリップ量の更新においては学習効率が良い。
【0047】
〈第二実施例〉
図7は本発明の第二実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU11内のCPUの処理手順のうち目標スリップ量を算出するマップの領域別学習制御サブルーチンである。なお、スリップ制御メインルーチンについては図2と同様であり、その詳細な説明を省略する。また、本発明の第二実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の概略構成図は図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0048】
図7において、ステップS301で、図8(a)に示すスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップの各運転領域のうちJ(図8(a)に斜線にて示す)の目標値としての目標スリップ量〔rpm〕に対してα〔rpm〕が加算(図8(b)に斜線にて示す)され、その運転領域の値を基準値として隣接した運転領域の値に対してはβ〔rpm〕が加算され、更に、その隣の運転領域の値に対してはγ〔rpm〕が加算され、図8(b)に示すようにマップの全運転領域に対する目標スリップ量が更新され、本サブルーチンが終了する。但し、スロットル開度変化割合ΔTA=0である定常運転領域においては、A〜Dで示された各目標スリップ量〔rpm〕に対する加算が禁止されている。また、基準となる運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量が小さくされ、この場合の更新量は、α>β>γとされる。なお、目標スリップ量に加算される値αはスロットル開度変化割合ΔTAと所定値ΔTAOとの差(ΔTA−ΔTAO)、また、β,γはαに基づいてそれぞれ決定される。つまり、α=f0 (ΔTA−ΔTAO)、β=f1 (α),γ=f2 (α)となる。更に、図8(a)及び図8(b)のマップにおける隣接した運転領域間の目標スリップ量は補間演算にて求められる。
【0049】
このように、本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、そのときの運転領域の目標スリップ量(J)を基準としてその運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量を小さく(α>β>γ)するものであり、これを請求項5の実施例とすることができる。
【0050】
したがって、今回の目標スリップ量の更新における他の運転領域への影響を各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。
【0051】
故に、自動変速機5の経時変化等に伴うロックアップクラッチ8のスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
〈第三実施例〉
図9は本発明の第三実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU11内のCPUの処理手順のうち目標スリップ量を算出するマップの領域別学習制御サブルーチンである。なお、スリップ制御メインルーチンについては図2と同様であり、その詳細な説明を省略する。また、本発明の第三実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の概略構成図は図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0052】
図9において、ステップS401で、スロットル開度変化割合ΔTAが予め設定された所定値A以上であるかが判定される。ステップS401の判定条件が成立しないときにはステップS402に移行し、x=3とされる。一方、ステップS401の判定条件が成立するときには、ステップS403に移行し、スロットル開度変化割合ΔTAが予め設定された所定値B以上であるかが判定される。ステップS403の判定条件が成立しないときにはステップS404に移行し、x=2とされる。一方、ステップS403の判定条件が成立するときには、ステップS405に移行し、x=1とされる。このようにxの値が決まったのち、ステップS406に移行し、そのxの値に応じて各運転領域とその目標値としての目標スリップ量に加算する値が更新され、本サブルーチンが終了する。ここで、所定値A,BにはA<Bの関係がある。
【0053】
例えば、図9のマップの領域別学習制御サブルーチンでx=2となり、図11(a)に示すスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップの各運転領域のうち、加速不良が発生した基準値となる運転領域の目標スリップ量がJ(図11(a)に斜線にて示す)であるとする。すると、図10のスロットル開度変化割合ΔTAの大きさに応じた各運転領域に対する目標スリップ量の各更新量を示すマップに基づき、目標スリップ量Jにはβ、隣接する運転領域の目標スリップ量E〜G,I,K,M〜Oにはγ、基準値から2列離れた運転領域の目標スリップ量H,L,P〜Tにはδがそれぞれ加算され、図11(b)に示すようにマップの全運転領域に対する目標スリップ量が更新される。但し、スロットル開度変化割合ΔTA=0である定常運転領域においては、A〜Dで示された各目標スリップ量〔rpm〕に対して加算が禁止されている。また、基準となる運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量が小さくされ、この場合の更新量は、α>β>γ>δとされる。なお、目標スリップ量に加算される値αはスロットル開度変化割合ΔTAと所定値ΔTAOとの差(ΔTA−ΔTAO)、また、β,γ,δはαに基づいてそれぞれ決定される。つまり、α=f0 (ΔTA−ΔTAO)、β=f1 (α),γ=f2 (α),δ=f3 (α)となる。更に、図11(a)及び図11(b)のマップにおける隣接した運転領域間の目標スリップ量は補間演算にて求められる。
【0054】
このように、本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、そのときのスロットル開度変化割合ΔTAの大きさに応じて各運転領域の目標スリップ量(E〜T)の更新量(α,β,γ,δ)を変えるものであり、これを請求項6の実施例とすることができる。
【0055】
したがって、今回の目標スリップ量の更新における定常運転領域を除く他の運転領域への影響をスロットル開度変化割合ΔTAに基づき、各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。
【0056】
故に、自動変速機5の経時変化等に伴うロックアップクラッチ8のスリップ制御における目標スリップ量のズレがより的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
〈第四実施例〉
図12は本発明の第四実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU11内のCPUの処理手順のうち目標スリップ量を算出するマップの領域別学習制御サブルーチンである。なお、スリップ制御メインルーチンについては図2と同様であり、その詳細な説明を省略する。また、本発明の第四実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の概略構成図は図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0057】
本実施例では、図示しないマップの領域別学習制御サブルーチンが実行され、図12(a)に示すスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップの各運転領域のうち、J(図12(a)に斜線にて示す)の目標値としての目標スリップ量〔rpm〕となる運転領域を基準として、その運転領域と同じスロットル開度変化割合ΔTAの運転領域のI〜Lで示された各目標スリップ量〔rpm〕のみに対してαが加算され、図12(b)に斜線で示すようにマップの運転領域に対する目標スリップ量が更新される。なお、目標スリップ量に加算される値αはスロットル開度変化割合ΔTAと所定値ΔTAOとの差(ΔTA−ΔTAO)の関数α=f0 (ΔTA−ΔTAO)となる。
【0058】
このように、本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、そのときの運転領域が属するスロットル開度変化割合ΔTAが同じである各運転領域の目標スリップ量(I〜L)のみを+α更新するものであり、これを請求項7の実施例とすることができる。
【0059】
したがって、今回の目標スリップ量の更新における他のスロットル開度変化割合ΔTAが異なる運転領域への影響を少なくできる。
【0060】
故に、自動変速機5の経時変化等に伴うロックアップクラッチ8のスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
〈第五実施例〉
図13は本発明の第五実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU11内のCPUの処理手順のうち目標スリップ量を算出するマップの領域別学習制御サブルーチンである。なお、スリップ制御メインルーチンについては図2と同様であり、その詳細な説明を省略する。また、本発明の第五実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の概略構成図は図1と同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0061】
本実施例では、図示しないマップの領域別学習制御サブルーチンが実行され、図13(a)に示すスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕とタービン回転数NT〔rpm〕とをパラメータとするマップが図13(b)に示すように更新される。即ち、マップの各運転領域のうち前回のマップ更新で基準となったF(図13(a)に斜線で示す)の目標値としての目標スリップ量〔rpm〕となる運転領域では、今回のマップ更新による他の運転領域から除外される。つまり、今回のマップ更新では目標値としての目標スリップ量〔rpm〕をJ(図13(a)に斜線で示す)とする運転領域の値を基準として、そのJに対してα〔rpm〕が加算(図13(b)に斜線にて示す)され、その運転領域の値を基準値として隣接した運転領域の値に対してはβ〔rpm〕が加算され、更に、その隣の運転領域の値に対してはγ〔rpm〕が加算され、図13(b)に示すようにマップの全運転領域に対する目標スリップ量が更新されるが、目標値としての目標スリップ量〔rpm〕がFである運転領域では加算が0(ゼロ)と除外されている。また、スロットル開度変化割合ΔTA=0である定常運転領域においては、A〜Dで示された各目標スリップ量〔rpm〕に対する加算が禁止されている。また、基準となる運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量が小さくされ、この場合の更新量は、α>β>γとされる。なお、目標スリップ量に加算される値αはスロットル開度変化割合ΔTAと所定値ΔTAOとの差(ΔTA−ΔTAO)、また、β,γはαに基づいてそれぞれ決定される。つまり、α=f0 (ΔTA−ΔTAO)、β=f1 (α),γ=f2 (α)となる。更に、図13(a)及び図13(b)のマップにおける隣接した運転領域間の目標スリップ量は補間演算にて求められる。
【0062】
このように、本実施例のロックアップクラッチのスリップ制御装置のECU11にて達成される領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、前回更新された運転領域の目標スリップ量(F)は今回の基準値Jとする更新で除外するものであり、これを請求項8の実施例とすることができる。
【0063】
したがって、今回の目標スリップ量の更新における前回の目標スリップ量の更新の中心であった運転領域への影響を少なくできる。
【0064】
故に、自動変速機5の経時変化等に伴うロックアップクラッチ8のスリップ制御における目標スリップ量のズレがより的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0065】
ところで、前回更新された運転領域の目標スリップ量を今回の更新で除外する場合の更新量としては、上述の実施例に示すように0(ゼロ)とするもの以外に今回の更新による他の運転領域に比べて加算度合いが小さくされるものであってもよい。即ち、本発明を実施する場合に、スロットル開度変化割合ΔTAは、その単位時間の設定により変化するものであるから、スロットル開度変化割合ΔTAが正確にゼロでなくとも、略ゼロであればよい。
【0066】
このように、上記各実施例の領域別学習手段は、目標スリップ量の更新に際し、値の更新を全て加算により実施するとしたが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、例えば、乗算等を用いてもよく、目標スリップ量を適切に更新するものであればよい。
【0067】
また、上記各実施例の各運転領域の各目標スリップ量〔rpm〕を示すマップではスロットル開度変化割合ΔTA〔%/sec 〕を0,2,5,10,20とし、タービン回転数NT〔rpm〕を800,900,1200,1600としたが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、値の設定やその設定間隔及び範囲は実験等に基づき適当に変更してもよく、結果的に、ドライバビリティを悪化することなく燃費が向上されるようなものであればよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、ロックアップ機構のロックアップクラッチの接続状態をスロットル開度変化割合とタービン回転数とで設定される運転領域に対して所定の回転数差となるように制御するスリップ制御機構における目標スリップ量がスリップ量演算手段で算出され、領域別学習手段では変化割合検出手段で検出されたスロットル開度変化割合が所定値以上であると、そのときの目標スリップ量の不足に伴う運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとされ、そのときの運転領域の目標スリップ量を基準として各運転領域の目標スリップ量が更新される。これにより、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に検出され、目標スリップ量が更新補正されるため、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0069】
請求項2のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1の効果に加えて、領域別学習手段にて目標スリップ量が設定された所定時間後のスロットル開度変化割合が所定値以上であるときが実行条件とされる。これにより、スリップ制御機構における目標スリップ量の安定性を得ることができる。
【0070】
請求項3のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段にて定常運転領域では目標スリップ量が更新されることがない。これにより、スリップ制御機構における目標スリップ量の定常運転領域での安定性を損なわないようにすることができる。
【0071】
請求項4のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段により定常運転領域以外の全ての運転領域の目標スリップ量がある運転領域における判定に基づいて一律に更新される。このため、この目標スリップ量の更新においては学習効率が良いものとすることができる。
【0072】
請求項5のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段により今回の目標スリップ量の更新における他の運転領域への影響を各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。これにより、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0073】
請求項6のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段により今回の目標スリップ量の更新における定常運転領域を除く他の運転領域への影響をスロットル開度変化割合に基づき、各運転領域間の隣接状況に応じて可変できる。これにより、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御における目標スリップ量のズレがより的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0074】
請求項7のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段により今回の目標スリップ量の更新における他のスロットル開度変化割合が異なる運転領域への影響を少なくできる。これにより、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御における目標スリップ量のズレが的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【0075】
請求項8のロックアップクラッチのスリップ制御装置によれば、請求項1または請求項2の効果に加えて、領域別学習手段により今回の目標スリップ量の更新における前回の目標スリップ量の更新の中心であった運転領域への影響を少なくできる。これにより、自動変速機の経時変化等に伴うロックアップクラッチのスリップ制御における目標スリップ量のズレがより的確に効率良く更新補正され、ドライバビリティを悪化することなく燃費向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例乃至第五実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例乃至第五実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU内のCPUの処理手順を示すスリップ制御メインルーチンである。
【図3】図3は本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU内のCPUの処理手順を示すマップの領域別学習制御サブルーチンである。
【図4】図4は本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとをパラメータとする各運転領域の各目標スリップ量を示すマップである。
【図5】図5は本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されている車速Noとスロットル開度TAとをパラメータとするL/U及びスリップ制御領域を示すマップである。
【図6】図6は本発明の第一実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置が適用された内燃機関及び自動変速機の挙動を従来例と比べて示すタイミングチャートである。
【図7】図7は本発明の第二実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU内のCPUの処理手順を示すマップの領域別学習制御サブルーチンである。
【図8】図8は本発明の第二実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとをパラメータとする各運転領域の各目標スリップ量を示すマップである。
【図9】図9は本発明の第三実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているECU内のCPUの処理手順を示すマップの領域別学習制御サブルーチンである。
【図10】図10は本発明の第三実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合の大きさに応じた各運転領域に対する目標スリップ量の各更新量を示すマップである。
【図11】図11は本発明の第三実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとをパラメータとする各運転領域の各目標スリップ量を示すマップである。
【図12】図12は本発明の第四実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとをパラメータとする各運転領域の各目標スリップ量を示すマップである。
【図13】図13は本発明の第五実施例にかかるロックアップクラッチのスリップ制御装置で使用されているスロットル開度変化割合ΔTAとタービン回転数NTとをパラメータとする各運転領域の各目標スリップ量を示すマップである。
【符号の説明】
3 スロットルバルブ
5 自動変速機
6 トルクコンバータ
7 変速機構
8 ロックアップクラッチ
9 クラッチ制御用ソレノイド
11 ECU
12 スロットル開度センサ
13 機関回転数センサ
14 タービン回転数センサ
15 アウトプット回転数センサ
Claims (8)
- 流体継手の入出力軸をロックアップクラッチにて直結するロックアップ機構と、
前記流体継手の入出力軸間の回転数差が所定の目標スリップ量となるように前記ロックアップ機構の前記ロックアップクラッチの接続状態を制御するスリップ制御機構と、
スロットルバルブのスロットル開度変化割合を検出する変化割合検出手段と、
前記スロットル開度変化割合と前記流体継手のタービン回転数とで設定される運転領域に対する前記スリップ制御機構における前記目標スリップ量を算出するスリップ量演算手段と、
前記変化割合検出手段で検出された前記スロットル開度変化割合が所定値以上であるときには、そのときの前記目標スリップ量の不足に伴う前記運転領域の目標スリップ量にズレが発生したとして、そのときの前記運転領域の目標スリップ量を基準として各運転領域の目標スリップ量を更新する領域別学習手段と
を具備することを特徴とするロックアップクラッチのスリップ制御装置。 - 前記領域別学習手段は、前記目標スリップ量が設定された所定時間後の前記スロットル開度変化割合が所定値以上であるときを実行条件とすることを特徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチのスリップ制御装置。
- 前記領域別学習手段は、前記目標スリップ量の更新に際し、前記スロットル開度変化割合が略ゼロである運転領域の目標スリップ量を更新しないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロックアップクラッチのスリップ制御装置。
- 前記領域別学習手段は、前記目標スリップ量の更新に際し、前記スロットル開度変化割合が略ゼロである運転領域を除く全ての運転領域の目標スリップ量を一律に更新することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロックアップクラッチのスリップ制御装置。
- 前記領域別学習手段は、前記目標スリップ量の更新に際し、そのときの運転領域の目標スリップ量を基準としてその運転領域から遠ざかる運転領域の目標スリップ量ほど更新量を小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロックアップクラッチのスリップ制御装置。
- 前記領域別学習手段は、前記目標スリップ量の更新に際し、そのときの前記スロットル開度変化割合の大きさに応じて各運転領域の目標スリップ量の更新量を変えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロックアップクラッチのスリップ制御装置。
- 前記領域別学習手段は、前記目標スリップ量の更新に際し、そのときの運転領域が属する前記スロットル開度変化割合が同じである運転領域の目標スリップ量のみを更新することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロックアップクラッチのスリップ制御装置。
- 前記領域別学習手段は、前記目標スリップ量の更新に際し、前回更新された運転領域の目標スリップ量は今回の更新で除外することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロックアップクラッチのスリップ制御装置。
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