JP2007205509A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ISC学習制御およびLC学習制御を備えた車両において、ロックアップクラッチの良好なスリップ制御を実行する。
【解決手段】ECUは、加速スリップ制御中であると(S200にてYES)、冷間デポジット補正量を検知するステップ(S300)と、冷間デポジット補正量が収束前であると(S400にてYES)推定エンジントルクと実エンジントルクとの乖離が大きいISC学習制御中であると判断して推定エンジントルクを用いて学習されたLC学習制御値を反映させないで加速スリップ制御のフィードバック制御量を算出するステップ(S500)と、冷間デポジット補正量が収束前でないと(S400にてNO)ISC学習制御が完了していると判断してLC学習制御値を反映させて加速スリップ制御のフィードバック制御量を算出するステップ(S600)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図4

Description

本発明は、エンジンとロックアップクラッチを備えた自動変速機とを搭載した車両の制御に関し、特に、エンジンのISC(Idle Speed Control)におけるアイドル空気流量の学習未完了時において、ロックアップクラッチのスリップ制御に起因するショックの発生を回避する制御に関する。
車両用の自動変速機は、エンジンの出力軸に接続された流体継手と、その出力軸に接続された歯車式の有段変速機構またはベルト式やトラクション式の無段変速機構とから構成される。この流体継手としては、トルクコンバータがあり、このトルクコンバータには、ロックアップクラッチを備えるものが多い。ロックアップクラッチはトルクコンバータの駆動側の部材(エンジン側のポンプインペラー)と従動側の部材(変速機構側のタービンランナ)とを機械的に直接連結するものである。そのため、燃費の向上と乗心地とを両立させることができる。このようなロックアップクラッチを係合させるロックアップ領域を、たとえば車速とスロットル開度とに基づいて設定している。
また、ロックアップクラッチはエンジントルクを変速機構に対して直接伝達するものであるから、車両の走行状態がロックアップ領域に属しているか否かによる制御以外に、エンジンの駆動状態に応じた制御が従来から行なわれている。たとえば、エンジンがアイドリング状態にあるときには、アクセルペダルを踏み込んでアイドルONからアイドルOFFに切換わる際のチップインショックを防止するなどのために、ロックアップクラッチを解放状態に維持している。
そして、アイドルONからアイドルOFFに切換わる際には、急激な係合によるショックを防止するために、リニアソレノイドバルブなどによって油圧を制御することにより、ロックアップクラッチの係合力を次第に高め、最終的にはロックアップクラッチを完全に係合(ロックアップON)させるような制御も行なわれている。
さらに、ロックアップクラッチを制御して、入力側のポンプ回転速度(エンジン回転速度に対応)と出力側のタービン回転速度との回転差に応じて、そのロックアップクラッチの締結力を所定の状態にフィードバック制御し(スリップ制御し)、このときに取得された学習値に基づいて、トルクコンバータのスリップ状態を適正にフィードフォワード制御して、振動および騒音(NV:Noise & Vibration)の発生を防止するととともに、車両の発進性能の向上を図るようにした技術が知られている。
このように、高度な電子制御によって、ロックアップクラッチによる機械的な動力伝達とトルクコンバータによる動力伝達との動力伝達配分を走行状態に応じて、きめ細かく制御することにより、伝達効率を大幅に高めている。
すなわち、このロックアップクラッチは、負荷や回転等の車両の運転状態に基づいて制御され、たとえば、低負荷高回転領域はロックアップ領域に、高負荷低回転領域はコンバータ領域に、低負荷中回転領域はスリップ領域に設定される。ロックアップ領域では流体式伝動装置の入力要素と出力要素とが完全に締結されて燃費性能の向上が図られる。コンバータ領域では流体式伝動装置の入力要素と出力要素とが完全に解放されてトルクコンバータのトルク増幅機能によりトルクの増大が図られる。スリップ領域では流体式伝動装置の入力要素と出力要素とが半ば締結されて燃費性能の向上とショックや振動の吸収との両立が図られる。
車両の運転状態がコンバータ領域からスリップ領域へ移行したとき、流体式伝動装置の入力要素と出力要素との間のスリップ量が所定の目標スリップ量に収束するようにロックアップクラッチの締結力を制御することが通常行なわれる(上述のスリップ制御)。このとき、スリップ量が目標スリップ量に収束するのに要する時間(収束時間)が長いと燃費性能の向上効果が低減し、逆に短いとエンジン回転が急激に低下してドライバビリティや運転フィーリングが低下する。よって収束時間がそのような問題の顕著化しない予め定められた目標時間となるように(すなわち目標時間でスリップ量が所定の目標スリップ量に収束するように)、ロックアップクラッチの締結力の制御量(たとえば油圧回路に配設したソレノイドバルブに印加するデューティ)を、ロックアップクラッチやソレノイドバルブ等の個体差やバラツキや経年変化等に応じて学習して(以下、LC学習制御と記載する場合がある)補正してロックアップクラッチがスリップ制御される。
特開平4−203561号公報(特許文献1)は、個体ばらつきや経時変化が存在してもハンチング等を起したりすることなく安定した制御が可能であり、しかもエンジントルクの急激な変化にも応答性良く対応することができ、また、制御の切換えに伴ってスリップ量がステップ状に変化したりすることのない自動変速機のロックアップクラッチの制御装置を開示する。この制御方法は、ロックアップクラッチのスリップ量が所定の目標値となるように、ロックアップクラッチの係合圧をフィードバック制御するようにした自動変速機のロックアップクラッチのスリップ制御方法であって、エンジントルクを推定する第1手順と、エンジントルクに対応して決定される係合圧に相当し、フィードフォワード制御に寄与する第1信号値を求める第2手順と、目標値と実測値とのフィードバック制御の結果から、エンジントルクに対応して決定される第1信号値を学習補正する第3手順と、学習補正された第1信号値に、今回の目標値と実測値とのフィードバック制御に関連して得られ、フィードバック補正値として寄与する第2信号値をさらに加算する第4手順と、学習補正された第1信号値に第2信号値を加算してなる加算値を、係合圧を制御するための信号値として出力する第5手順とを含む。
この自動変速機のロックアップクラッチのスリップ制御方法によると、スリップ量の制御をただ単に目標値に対する実測値の偏差に依存したフィードバック制御のみによって行なうのではなく、先ずエンジントルクに対応した信号によって定められる係合圧に相当する第1信号値を求め、基本的にこの第1信号値にフィードバック制御に関連して得られた係合圧に相当する第2信号値を加算するようにしている。この結果、係合圧は基本的にエンジントルクに対応してフィードフォワード制御されることになり、フィードバック制御は、いわばこれを補完する機能を有すれば足りるだけとなり、フィードバック制御によって係合圧を調整する範囲を各段に小さくでき、その結果フィードバックゲインをそれほど大きく設定しなくても追随性を高めることができるようになる。しかも、この方法は、運転状態を、たとえば加減速時と定常時のように2つあるいは3つに場合分けしてスリップ制御の仕方を変えるものと異なるため、スリップ制御の仕方が変更されることによってスリップ量がステップ的に変化することがなく、従ってそれに伴なう車両挙動の変化が発生することもない。
特開平4−203561号公報(特許第2985102号公報)
上述したロックアップクラッチの制御とは別に、エンジンにおいては、通常、ISC制御が行なわれている。この制御は、エンジンのアイドリング回転数を一定回転数に維持する制御である。具体的には、エンジンのスロットルバルブをバイパスする空気通路を設け、その通路の絞り量をアクチュエータにより駆動して、空気(混合気)流量を調節することによりアイドル回転数を制御するものである。このISC制御装置では、アイドリング時の回転数を目標値に近づけるために、フィードバック制御が行なわれている。これにより、回転数をほぼ一定に保つことができる。なお、アイドル用のバイパス通路を設けるのではなく、吸気通路に設けられた電子スロットルバルブの開度を制御することでISC制御を実行することもできる。
自動変速機との組み合わせにおいて、車両走行ポジション(たとえば、後退「R」、ドライブ「D」、2速「2」および1速「L」)と車両停止ポジション(「P」および「N」)とでは、エンジン負荷が異なる。これは、車両走行ポジションの場合には、エンジンから自動変速機にトルクが伝達され、さらにこの自動変速機から車両の駆動輪にトルクが伝達されるからである。従って、車両走行ポジションと車両停止ポジションとでは、その切換え時に駆動負荷が急激に変化する。このとき、フィードバック制御のみでは、アイドル回転数の維持のために必要とされる空気流量を算出して実際に供給するには一定の時間を要する。このため、フィードバック制御が間に合わず、エンジン回転数の大きな変動やエンジンストールが発生する場合がある。
このような急激なアイドル回転数変化やエンジンストールを防止すべく、車両走行ポジションと車両停止ポジションとでそれぞれ異なる空気流量を設定している。そして、車両走行ポジションと車両停止ポジションの切換え時には、この空気流量の設定値に基づいてフィードバック制御を開始している。また、それぞれ車両走行ポジションと車両停止ポジションとで必要な空気流量は個体差、経時変化等の要因により変化するので、フィードバックの結果を反映して記憶するいわゆる学習制御(以下、ISC学習制御と記載する場合がある)が行なわれている。
通常、アイドル空気流量の学習値の初期値は、エンジンストールを回避するために大きめの値が設定されている。そして、未学習の場合にはこの初期値でISC制御が行なわれる。この学習が完了するまでは、初期値による制御が行なわれ、エンジンのアイドル回転数が高めの設定となる。
このようなISC学習制御が完了していない状態において、エンジン出力が増大された場合、特許文献1の第1手順において推定された推定エンジントルクと、実際のエンジントルクとの乖離が大きくなる。
しかしながら、特許文献1に開示されたLC学習制御では、このようなISC学習制御の未完了時においては、学習された学習値の精度が低いため、良好なロックアップクラッチのスリップ制御を実現できず(適正なロックアップクラッチの締結量を算出できず)、ショックの発生等の問題点があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ISC学習制御およびLC学習制御を備えた車両において、ロックアップクラッチの良好なスリップ制御を実行することができる、車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、エンジンと、ロックアップクラッチを備えた流体継手および変速機構から構成される自動変速機とを搭載した車両を制御する。この制御装置は、ロックアップクラッチがスリップ領域で使用される場合には、推定エンジントルクを用いて学習されたクラッチ学習値を用いて、スリップ量が目標スリップ量になるように、ロックアップクラッチをフィードバック制御するためのクラッチ制御手段と、エンジンのアイドル空気流量を学習制御するための学習制御手段と、学習制御手段による学習制御が完了したか否かを判断するための判断手段と、判断手段により学習制御が完了したと判断されない場合に、クラッチ制御手段がクラッチ学習値を使用してロックアップクラッチの係合状態を制御することを禁止するための禁止手段とを含む。
第1の発明によると、LC学習制御として推定エンジントルクを用いてロックアップクラッチのスリップ制御において用いられる学習されたクラッチ学習値が算出される。制御手段はこのクラッチ学習値を用いて、スリップ量が目標スリップ量になるように、ロックアップクラッチをフィードバック制御する。一方、ISC学習制御として、エンジンのアイドル空気流量が学習制御される。判断手段によりISC学習制御が完了したと判断されない場合には、推定エンジントルクと実エンジントルクとの乖離がいまだ大きい状態である。このため、推定エンジントルクを用いて実行されるLC学習制御により算出されるクラッチ学習値の精度は高くない。このため、このようなクラッチ学習値を用いて、ロックアップクラッチの係合状態を制御することが禁止される。このようにすると、推定エンジントルクと実エンジントルクとの乖離のために精度高く学習されなかったクラッチ学習値を用いてロックアップクラッチがスリップ制御されることを回避できて、これに起因するショックの発生を回避できる。その結果、ISC学習制御およびLC学習制御を備えた車両において、ロックアップクラッチの良好なスリップ制御を実行することができる、車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、判断手段は、エンジンにおいて噴射される燃料の冷間増量補正値に基づいて、学習制御が完了したか否かを判断するための手段を含む。
第2の発明によると、冷間時においてポート噴射インジェクタから噴射される燃料の冷間増量補正値が収束したことに基づいて、エンジンのISC学習制御が完了したことを判断することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、ロックアップクラッチがスリップ領域で使用される場合とは、ロックアップクラッチが加速スリップ領域で使用される場合である。
第3の発明によると、推定エンジントルクと実エンジントルクとの乖離のために精度高く学習されなかったクラッチ学習値を用いてロックアップクラッチがスリップ制御されることを回避できる。特に、加速時にロックアップクラッチがスリップ制御される場合に発生するショックを回避できる。その結果、ISC学習制御およびLC学習制御を備えた車両において、ロックアップクラッチの良好な加速スリップ制御を実行することができる、車両の制御装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。この車両は、FF(Front engine Front drive)車両である。なお、本実施の形態に係る制御装置を搭載した車両は、FF以外の車両であってもよい。さらに、以下に示すような有段の変速機構を有するのではなく、ベルト式等の無段変速機構を有するものであってもよい。本発明は、エンジンのISC学習制御を実行するとともに、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータを有する自動変速機であってロックアップクラッチをLC学習制御による学習値を用いてスリップ制御する車両であれば、適用が可能である。
車両は、エンジン1000と、トランスミッション2000と、トランスミッション2000の一部を構成するプラネタリーギヤユニット3000と、トランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、ディファレンシャルギヤ5000と、ドライブシャフト6000と、前輪7000と、ECU8000とを含む。
エンジン1000は、ポート噴射インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。なお、内燃機関の代わりに外燃機関を用いても良い。また、エンジン1000の代わりに回転電機などを用いてもよい。
トランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。トランスミッション2000の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤ5000と噛合っている。プラネタリーギヤユニット3000については、後で詳述する。
ディファレンシャルギヤ5000にはドライブシャフト6000がスプライン嵌合などによって連結されている。ドライブシャフト6000を介して、左右の前輪7000に動力が伝達される。
ECU8000には、車速センサ8002と、シフトレバー8004のポジションスイッチ8005と、アクセルペダル8006のアクセル開度センサ8007と、ブレーキペダル8008に設けられたストップランプスイッチ8009と、油温センサ8010とがハーネスなどを介して接続されている。
車速センサ8002は、ドライブシャフト6000の回転数から車両の速度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。シフトレバー8004の位置は、ポジションスイッチ8005により検出され、検出結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、トランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8007は、アクセルペダル8006の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。ストップランプスイッチ8009は、ブレーキペダル8008のオン/オフ状態を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。なお、ストップランプスイッチ8009の代わりに、ブレーキペダル8008のストローク量を検出するストロークセンサを設けてもよい。油温センサ8010は、トランスミッション2000のATF(Automatic Transmission Fluid)の温度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、車速センサ8002、ポジションスイッチ8005およびアクセル開度センサ8007、ストップランプスイッチ8009、油温センサ8010などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
図2を参照して、プラネタリーギヤユニット3000について説明する。プラネタリーギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸3100を有するトルクコンバータ3200に接続されている。プラネタリーギヤユニット3000は、遊星歯車機構の第1セット3300と、遊星歯車機構の第2セット3400と、出力ギヤ3500と、ギヤケース3600に固定されたB1ブレーキ3610、B2ブレーキ3620およびB3ブレーキ3630と、C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650と、ワンウェイクラッチF3660とを含む。
第1セット3300は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1セット3300は、サンギヤS(UD)3310と、ピニオンギヤ3320と、リングギヤR(UD)3330と、キャリアC(UD)3340とを含む。
サンギヤS(UD)3310は、トルクコンバータ3200の出力軸3210に連結されている。ピニオンギヤ3320は、キャリアC(UD)3340に回転自在に支持されている。ピニオンギヤ3320は、サンギヤS(UD)3310およびリングギヤR(UD)3330と係合している。
リングギヤR(UD)3330は、B3ブレーキ3630によりギヤケース3600に固定される。キャリアC(UD)3340は、B1ブレーキ3610によりギヤケース3600に固定される。
第2セット3400は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。第2セット3400は、サンギヤS(D)3410と、ショートピニオンギヤ3420と、キャリアC(1)3422と、ロングピニオンギヤ3430と、キャリアC(2)3432と、サンギヤS(S)3440と、リングギヤR(1)(R(2))3450とを含む。
サンギヤS(D)3410は、キャリアC(UD)3340に連結されている。ショートピニオンギヤ3420は、キャリアC(1)3422に回転自在に支持されている。ショートピニオンギヤ3420は、サンギヤS(D)3410およびロングピニオンギヤ3430と係合している。キャリアC(1)3422は、出力ギヤ3500に連結されている。
ロングピニオンギヤ3430は、キャリアC(2)3432に回転自在に支持されている。ロングピニオンギヤ3430は、ショートピニオンギヤ3420、サンギヤS(S)3440およびリングギヤR(1)(R(2))3450と係合している。キャリアC(2)3432は、出力ギヤ3500に連結されている。
サンギヤS(S)3440は、C1クラッチ3640によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。リングギヤR(1)(R(2))3450は、B2ブレーキ3620により、ギヤケース3600に固定され、C2クラッチ3650によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。また、リングギヤR(1)(R(2))3450は、ワンウェイクラッチF3660に連結されており、1速ギヤ段の駆動時に回転不能となる。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。「○」は係合を表している。「×」は解放を表している。「◎」はエンジンブレーキ時のみの係合を表している。「△」は駆動時のみの係合を表している。この作動表に示された組合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、1速〜6速の前進ギヤ段と、後進ギヤ段が形成される。
B2ブレーキ3620と並列にワンウェイクラッチF3660が設けられているため、作動表に「◎」で示されているように、1速ギヤ段(1ST)形成時のエンジン側からの駆動状態(加速時)にはB2ブレーキ3620を係合させる必要は無い。本実施の形態において、ワンウェイクラッチF3660は、1速ギヤ段の駆動時には、リングギヤR(1)(R(2))3450の回転を防止する。エンジンブレーキを利かせる場合、ワンウェイクラッチF3660は、リングギヤR(1)(R(2))3450の回転を防止しないのでB2ブレーキ3620を係合する。
トルクコンバータ3200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ3203と、入力軸側のポンプ羽根車3201と、出力軸側のタービン羽根車3202と、ワンウェイクラッチ3204を有し、トルク増幅機能を発現するステータ3205とから構成される。トルクコンバータ3200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサにより検知される。自動変速機の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサにより検知される。なお、本実施の形態においては、このロックアップクラッチ3201をスリップ状態として車両を加速させる加速スリップ制御が実行される。
本実施の形態に係る制御装置であるECU8000は、ロックアップクラッチ3203における良好なスリップ制御を実現するために行なわれるLC学習制御の結果を反映させる条件をISC学習制御の完了としたものである。なお、LC学習制御自体およびISC学習制御自体については、公知の技術を用いればよいため、ここでは詳細な説明は繰り返さない。なお、LC学習制御は特許文献1に開示されているように推定エンジントルクに基づいて実行される。このため、ISC学習制御が完了していない状態では、推定エンジントルクと実際のエンジントルクとが乖離しているので、適切にLC学習制御が実行されないという問題がある。
図4を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に示すフローチャートにより表わされるプログラムは、予め定められた時間の間隔(たとえば、80msecのサイクルタイム)で繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECU8000は、アクセル開度センサ8007からの信号に基づいてアクセルペダル8006の開度を検知するとともに、ロックアップクラッチ3203への制御信号を検知する。ロックアップクラッチ3203への制御信号によりロックアップクラッチ3203がスリップ状態であるか否かを判断できる。
S200にて、ECU8000は、車両の状態が加速スリップ制御中であるか否かを判断する。このとき、たとえば、アクセルペダル8006の開度が予め定められたしきい値以上であって、ロックアップクラッチ3203への制御信号(多くの場合、リニアソレノイドバルブへのデューティ信号)がスリップ状態に対応する値(デューティが0%でも100%でもない中間の値)であると、加速スリップ制御中であると判断することができる。なお、これ以外の方法により、加速スリップ制御中であると判断するようにしてもよい。車両の状態が加速スリップ制御中であると(S200にてYES)、処理はS300へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、この処理は終了する。
S300にて、ECU8000は、エンジン1000における冷間時のデポジット補正量を検知する。このデポジット補正量は、冷間時においてポート噴射インジェクタから噴射された燃料は気化しないで低温の吸気通路に付着して燃焼室に導入されないので所望の空燃比を実現できない等に鑑み、冷間補正制御により増量燃料量を算出する場合に、たとえばエンジン1000の冷却水温に基づいて算出される。エンジン1000の温度の上昇に伴い(たとえば、エンジン1000の冷却水温の上昇で検知している)、このデポジット補正量は、一定値(補正量が0の場合を含む)に収束する。このデポジット補正量が収束しているときには(エンジン1000が十分に暖まっていて)、ISC学習制御も完了していると判断できる。なお、デポジット補正値が予め定められた範囲内でしか変化しなくなった場合であっても、デポジット補正量が収束したと判断することができる。
S400にて、ECU8000は、冷間デポジット補正量が収束前であるか否かを判断する。冷間デポジット補正量が収束前であると(S400にてYES)、処理はS500に移される。もしそうでないと(S400にてNO)、処理はS600へ移される。冷間デポジット補正量が収束前であることはISC学習制御中であることを示す。
S500にて、ECU8000は、LC学習制御の結果を反映させないで、加速スリップ制御のロックアップクラッチ3201の締結力のフィードバック制御値を算出する。すなわち、今だISC学習制御中であって、LC学習制御における推定エンジントルクの精度が悪いので(実エンジントルクとの乖離が大きい)、LC学習制御の精度も悪いので、LC学習制御の結果を無効として処理する。その後、処理はS700へ移される。
S600にて、ECU8000は、LC学習制御の結果を反映させて、加速スリップ制御のロックアップクラッチ3201の締結力のフィードバック制御値を算出する。すなわち、もうISC学習制御が完了しているので、LC学習制御における推定エンジントルクの精度が良いので(実エンジントルクとの乖離が小さい)、LC学習制御の精度が良いので、LC学習制御の結果を有効として処理する。
S700にて、ECU8000は、算出したフィードバック制御量を用いて、加速スリップ制御を実行する。より詳しくは、ECU8000は、ロックアップクラッチ3203の締結力を制御するリニアソレノイドバルブへのデューティ信号を出力する。なお、ロックアップクラッチ3203のスリップ量のフィードバック制御については、公知の技術を用いればよいため、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る制御装置であるECU8000により制御される車両の動作について説明する。
ロックアップクラッチ3203付きトルクコンバータ3200を備えた自動変速機を搭載した車両においてエンジン1000が駆動されているときであって、ロックアップクラッチ3203がスリップ領域にあって、車両が加速状態であると(S200にてYES)、冷間デポジット補正量が検知される(S300)。
たとえば、気温が低く、かつ、エンジン1000が始動してからあまり時間が経過していない場合には、冷間デポジット補正量が収束していない状態(収束前)となる(S400にてYES)。このときには、ISC学習制御が未完了であって、推定エンジントルクと、実エンジントルクとの乖離が大きい。このため、推定エンジントルクを用いて実行されるLC学習制御による学習値の精度は低い。したがって、LC学習制御を反映させないで(LC学習値を用いないで)、加速スリップ制御のフィードバック制御量を算出して(S500)、算出されたフィードバック制御量を用いて加速スリップ制御が実行される(S700)。
一方、エンジン1000が始動してから相当の時間が経過している場合には、冷間デポジット補正量が収束している状態(収束後)となる(S400にてNO)。このときには、ISC学習制御が完了しているので、推定エンジントルクと、実エンジントルクとの乖離は大きくない。このため、推定エンジントルクを用いて実行されるLC学習制御による学習値の精度は高い。したがって、LC学習制御を反映させて(LC学習値を用いて)、加速スリップ制御のフィードバック制御量を算出して(S600)、算出されたフィードバック制御量を用いて加速スリップ制御が実行される(S700)。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECUによると、ロックアップクラッチのスリップ制御における学習値により補正されたフィードバック制御においては、学習値が推定エンジントルクを用いて算出されることに鑑み、推定エンジントルクと実エンジントルクとの乖離が大きいISC学習制御が完了していない場合には、その学習値を反映させないようにした。また、ISC学習制御が完了していないことを、冷間デポジット補正量が収束したか否かにより判断するようにした。そのため、ISC学習制御が完了して、推定エンジントルクと実エンジントルクとの乖離が少なくLC学習制御の精度が向上した場合に、ロックアップクラッチのスリップ制御における学習値により補正された制御値を用いたフィードバック制御が実行される。このため、推定エンジントルクと実エンジントルクとが乖離することに起因する学習値に基づいてロックアップクラッチのスリップ制御が行なわれてショックが発生するという問題点を解決できる。
なお、S200において、車両が加速スリップ制御中であるときのみS300以降の処理を実行すると説明したが、本発明はこの場合に限定されないことを確認的に記載しておく。すなわち、ロックアップクラッチ3203がスリップ制御されているという車両の状態であれば本発明の適用の可能性があって、加速スリップ制御中以外のスリップ制御中の場合への本発明の適用を積極的に除外するものではない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両を示す制御ブロック図である。 プラネタリーギヤユニットを示すスケルトン図である。 各ギヤ段と、各ブレーキおよび各クラッチの対応を表した作動表を示す図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
1000 エンジン、2000 トランスミッション、3000 プラネタリーギヤユニット、4000 油圧回路、5000 ディファレンシャルギヤ、6000 ドライブシャフト、7000 前輪、8000 ECU。

Claims (3)

  1. エンジンと、ロックアップクラッチを備えた流体継手および変速機構から構成される自動変速機とを搭載した車両の制御装置であって、
    前記ロックアップクラッチがスリップ領域で使用される場合には、推定エンジントルクを用いて学習されたクラッチ学習値を用いて、スリップ量が目標スリップ量になるように、前記ロックアップクラッチをフィードバック制御するためのクラッチ制御手段と、
    前記エンジンのアイドル空気流量を学習制御するための学習制御手段と、
    前記学習制御手段による学習制御が完了したか否かを判断するための判断手段と、
    前記判断手段により前記学習制御が完了したと判断されない場合に、前記クラッチ制御手段が前記クラッチ学習値を使用して前記ロックアップクラッチの係合状態を制御することを禁止するための禁止手段とを含む、車両の制御装置。
  2. 前記判断手段は、前記エンジンにおいて噴射される燃料の冷間増量補正値に基づいて、前記学習制御が完了したか否かを判断するための手段を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記ロックアップクラッチがスリップ領域で使用される場合とは、前記ロックアップクラッチが加速スリップ領域で使用される場合である、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012047254A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Toyota Motor Corp 車両の制御装置

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