JP2827691B2 - 流体作動式摩擦要素の締結制御装置 - Google Patents

流体作動式摩擦要素の締結制御装置

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JP2827691B2
JP2827691B2 JP4104526A JP10452692A JP2827691B2 JP 2827691 B2 JP2827691 B2 JP 2827691B2 JP 4104526 A JP4104526 A JP 4104526A JP 10452692 A JP10452692 A JP 10452692A JP 2827691 B2 JP2827691 B2 JP 2827691B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機等の動力伝達
装置内にあって、適宜作動(締結)されることで動力伝
達に関与するクラッチやブレーキのような流体作動式摩
擦要素の締結制御技術、特にそのロスストロークを行わ
せるための作動流体圧のプリチャージ技術に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】かかる作動流体圧のプリチャージに当た
って、当初から、摩擦要素の締結状態で要求される圧力
値を供給したのでは摩擦要素のロスストロークに長い時
間がかかり、エンジンの空吹けを生じたり、発進遅れ
や、変速遅れを生じて商品価値が低下する。
【0003】そこで従来例えば特開昭62−18336
号公報に記載の如く、作動流体圧のプリチャージに当っ
ては摩擦要素の締結開始まで最高圧を摩擦要素に供給
し、これにより摩擦要素のロスストロークに要する時間
を最短にする技術が提案された。しかしてこのプリチャ
ージ方式では、摩擦要素のロスストローク終了を検知し
て摩擦要素に締結状態で要求される圧力値を指令して
も、この圧力値に低下する迄の応答遅れで摩擦要素のロ
スストローク後における締結が急峻に過ぎ、締結ショッ
クが生ずるのを免れない。
【0004】そのため上記文献には、ロスストローク中
最高圧の作動流体圧を摩擦要素に指令した後、設定時間
中摩擦要素に作動圧0を一旦指令し、しかる後に摩擦要
素に締結状態で要求される作動圧を指令する技術も提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしてかかる従来技
術ではいずれにしても、矩形波を持って摩擦要素の作動
圧の上昇及び低下を指令するため、摩擦要素作動圧の変
化が急になって摩擦要素の締結が急になるのを免れず、
締結ショックが少なからず生ずる。
【0006】また上記において、トレードオフの関係に
ある摩擦要素の締結ショックの低下及びロスストローク
時間の短縮がそれなりに両立する摩擦要素作動圧の好適
な上昇タイミング及び低下タイミングは1種のみであ
り、しかもこれらのタイミングは作動流体の温度(粘
度)やエンジン運転条件等に応じて種々に変化するが、
上記従来技術では摩擦要素作動圧の上昇タイミング及び
低下タイミングが一定であり、逐一好適なものである筈
がない。従って、この点でも従来技術では、締結ショッ
クが大きくならない範囲内において摩擦要素のロススト
ローク時間を最大限短縮することかなわず、また逆にロ
スストロークの短縮を犠牲にすることなく摩擦要素の締
結ショックを最大限小さくするといった要求も実現不可
能である。
【0007】本発明は上記の両立を条件変化に左右され
ることなく常時高いレベルで実現可能な摩擦要素作動圧
のプリチャージ技術を提供し、もって上述の問題を解消
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明に
よる流体作動式摩擦要素の締結制御装置は図1に概念を
示す如く、流体圧のプリチャージによりロスストローク
を行い、更なる流体圧の供給により完全締結される流体
作動式摩擦要素において、最高圧近辺の高圧を所定時間
前記摩擦要素に供給する初期圧波形、及びその後所定の
時間勾配で変化するランプ制御圧を摩擦要素に供給する
後期圧波形の組み合わせになるプリチャージ波形をもっ
て前記プリチャージを行うプリチャージ手段と、前記摩
擦要素のロスストロークに要した総プリチャージ時間が
目標プリチャージ時間を超えている場合、前記目標プリ
チャージ時間から初期圧波形の継続時間を差し引いて求
めた後期圧波形の目標継続時間で前記後期圧波形の積分
値を除算して得られる値の2倍値と、後期圧波形の最終
値との差値をもって、前記総プリチャージ時間を前記目
標プリチャージ時間に向かわせるための後期圧波形の新
たな初期値とするプリチャージ波形変更手段とを具備し
てなることを特徴とするものである。
【0009】プリチャージ波形変更手段は更に、上記後
期圧波形の新たな初期値に上限値を定めると共に、該上
限値を超える場合、後期圧波形の初期値をこの上限値に
制限したことに対応させて初期圧波形の継続時間を増大
させるような構成にするのが良い。
【0010】プリチャージ波形変更手段は更に加え、前
記目標プリチャージ時間から初期圧波形の継続時間を差
し引いて求めた後期圧波形の目標継続時間により後期圧
波形の最終値および初期値間の差値を除算して、前記総
プリチャージ時間を前記目標プリチャージ時間にするた
めの前記ランプ制御圧の時間勾配を求め、この時間勾配
を後期圧波形の新たな勾配とするような構成にするのが
良い。
【0011】ところで、本発明装置の制御対象たる流体
作動式摩擦要素としては自動変速機におけるトルクコン
バータのロックアップクラッチや、自動変速機における
発進用のクラッチ等があり、これらクラッチに対する上
記プリチャージ制御の実行により自動変速機の商品価値
が大幅に向上する。
【0012】
【作用】流体作動式摩擦要素はプリチャージ手段による
流体圧のプリチャージによりロスストロークを行い、更
なる流体圧の供給により完全締結される。ところでプリ
チャージ手段は、最高圧近辺の高圧を所定時間摩擦要素
に供給する初期圧波形及びその後所定の時間勾配で変化
するランプ制御圧を摩擦要素に供給する後期圧波形の組
合せになるプリチャージ波形をもって上記摩擦要素に対
する作動圧のプリチャージを行う。
【0013】そしてプリチャージ波形変更手段は、上記
摩擦要素のロスストロークに要した総プリチャージ時間
が目標プリチャージ時間を超えている場合、この目標プ
リチャージ時間から初期圧波形の継続時間を差し引いて
求めた後期圧波形の目標継続時間で前記後期圧波形の積
分値を除算して得られる値の2倍値と、後期圧波形の最
終値との差値をもって、総プリチャージ時間を上記目標
プリチャージ時間に向かわせるための後期圧波形の新た
な初期値として上記のプリチャージ制御に資する。
【0014】よって上記摩擦要素のプリチャージが、総
プリチャージ時間を上記目標プリチャージ時間に向かわ
せるよう初期圧波形及び後期圧波形の波形バランスを修
正されたプリチャージ波形で行われることとなり、目標
プリチャージ時間の設定により例えば摩擦要素の締結シ
ョックを生じない範囲内でロスストローク時間を最大限
短くするような摩擦要素のプリチャージ制御さえ、条件
変化に左右されることなく常時確実に実現することがで
きる。
【0015】なお、プリチャージ波形の変更に際しては
更に、上記後期圧波形の新たな初期値に上限値を定める
と共に、該上限値を超える場合、後期圧波形の初期値を
この上限値に制限したことに対応させて初期圧波形の継
続時間を増大させたり、これに加え、前記目標プリチャ
ージ時間から初期圧波形の継続時間を差し引いて求めた
後期圧波形の目標継続時間により後期圧波形の最終値お
よび初期値間の差値を除算して、前記総プリチャージ時
間を前記目標プリチャージ時間にするための前記ランプ
制御圧の時間勾配を求め、この時間勾配を後期圧波形の
新たな勾配とするのが良く、これらの場合、総プリチャ
ージ時間を一層確実に目標プリチャージ時間にすること
ができ、例えば摩擦要素の締結ショックを生じない範囲
内でロスストローク時間を最大限短くするような摩擦要
素のプリチャージ制御を常時確実に実現するという上記
の作用効果を更に確実なものにすることができる。
【0016】ところで、本発明装置の制御対象たる流体
作動式摩擦要素としては自動変速機におけるトルクコン
バータのロックアップクラッチや、自動変速機内におけ
る発進用のクラッチ等があり、これらクラッチに対して
上記プリチャージ制御を行う場合、例えばロックアップ
の応答遅れをショックが生じない範囲内で最も小さくし
てロックアップによる燃費向上効果を高めたり、中立レ
ンジから走行レンジへの切り換え時に、中立状態から発
進変速段への切り換え応答遅れを、レンジ切り換えショ
ックが生じない範囲内で最小にすることができ、自動変
速機の商品価値が大幅に向上する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2はトルクコンバータ内におけるロックア
ップクラッチの締結制御に適用した本発明装置の一実施
例で、10はエンジン、11はそのクランクシャフト、
12はフライホイル、13は自動変速機のトルクコンバ
ータ、14は自動変速機の歯車変速機構に至る入力軸で
ある。
【0018】トルクコンバータ13はエンジン駆動され
る入力要素(ポンプインペラ)13a及びこれに対向設
置した出力要素(タービンランナ)13bを主たる構成
要素とし、これら入出力要素間を適宜直結するロックア
ップクラッチ13cを有する。なお、出力要素(タービ
ンランナ)13b及びロックアップクラッチ13cは夫
々変速機入力軸14に駆動結合する。
【0019】トルクコンバータ13にはオイルポンプ1
5からの作動流体を供給し、保圧弁16を経てこの作動
流体をドレンすることにより、トルクコンバータ13内
に常時コンバータ圧Pcの作動流体を充満させる。従っ
て、トルクコンバータ13はエンジン駆動される入力要
素13aにより内部作動流体を介し出力要素13bを流
体駆動してエンジン動力を変速機入力軸14に伝達し、
ロックアップクラッチ13cの締結時その締結度合に応
じた割合でエンジン動力を当該流体駆動による他に直接
機械的に変速機入力軸14へ伝達する割合を高めるもの
とする。
【0020】ロックアップクラッチ13cの締結制御は
室13d内のロックアップ制御圧Puによりこれを行
い、このロックアップ制御圧Puをロックアップ制御弁
17により決定する。このロックアップ制御弁17はス
プール17aを具え、これを室17b、17c及び17
d内におけるコンバータ圧Pc、電子制御圧Ps及びロ
ックアップ制御圧Puの圧力バランスによりストローク
制御する。
【0021】即ち、スプール17aは電子制御圧Psの
消失時図示のバランス位置よりも図中左行してロックア
ップ制御圧出力ポート17eをコンバータ圧入力ポート
17fに通じ、トルクコンバータ13の室13d内にお
けるロックアップ制御圧Puをコンバータ圧Pcと同じ
値にしてロックアップクラッチ13cを解放する。ま
た、電子制御圧Psの上昇につれスプール17aは図中
右行して遂に出力ポート17eをドレンポート17gに
通じ、ロックアップ制御圧Puを低下させる。これによ
り室17d内においてスプール17aを図中右行させる
力が減少する結果スプール17aが図示のバランス位置
に戻され、ロックアップ制御圧Puは電子制御圧Psに
応じた値に調圧されてその低下分だけロックアップクラ
ッチ13cが締結力を増大される。電子制御圧Psが或
る値を越えると、スプール17aは継続的に図示のバラ
ンス位置よりも図中右行してロックアップ制御圧出力ポ
ート17eをドレンポート17gに通じ、ロックアップ
制御圧Puを0に保ち、ロックアップクラッチ13cを
完全締結させる。
【0022】電子制御圧Psは回路18へのライン圧P
L を基圧としてデューティソレノイド弁19により制御
され、このために回路18には上流側より順次オリフィ
ス18a及び18bを挿入し、これらオリフィス間を回
路20によりロックアップ制御弁17の室17cに接続
する。そしてデューティソレノイド弁19は、回路18
のドレンポート18cをコントローラ21からの駆動デ
ューティDに応じて開度制御し、この開度をデューティ
D=0%で最大にして電子制御圧Psを消失せしめ、デ
ューティDの増大につれ当該開度を減じて電子制御圧P
sを漸増させ、D=100%で遂にはドレンポート18
cを全閉して電子制御圧Psをライン圧PL と同じ最高
値にするものとする。
【0023】以上の構成により図示のシステムにおいて
は、デューティDを0%にしてトルクコンバータ13の
ロックアップクラッチ13cを解放した状態(コンバー
タ状態)から、デューティDを漸増してロックアップク
ラッチ13cをロスストロークさせ、デューティDの更
なる増大によりロックアップクラッチ13cを締結さ
せ、その締結度合(デューティ値D)に応じてトルクコ
ンバータ13の入出力要素間における相対回転(スリッ
プ)を制限または無くして、トルクコンバータのスリッ
プ制御状態またはロックアップ状態を達成することがで
きる。
【0024】コントローラ21にはデューティソレノイ
ド弁19の駆動デューティDを決定するために、変速機
出力軸トルクToを検出する出力トルクセンサ22から
の信号、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転セ
ンサ23からの信号、タービンランナ13bの回転数N
tを検出するタービン回転センサ24からの信号、及び
エンジンスロットル開度THを検出するスロットル開度
センサ25からの信号を夫々入力する。コントローラ2
1は電源+Vにより作動され、これら入力情報を基に図
3及び図4の制御プログラムを実行して本発明が狙いと
するロックアップクラッチ13cのプリチャージ制御及
び通常のロックアップクラッチの結合力制御(トルクコ
ンバータのスリップ制御及びロックアップ制御)を行う
ものとする。
【0025】図3においては、先ずステップ31でスロ
ットル開度TH、エンジン回転数Ne、タービン回転数
Nt及び変速機出力軸トルクToを読み込む。次いでス
テップ32において、スロットル開度TH及びエンジン
回転数Neから、トルクコンバータ13のロックアップ
クラッチ13cを解放すべきコンバータ領域か否かをチ
ェックする。コンバータ領域ならステップ33でデュー
ティソレノイド弁19への駆動デューティDを0%にセ
ットし、これによりロックアップクラッチ13cを解放
してトルクコンバータ13を上記領域判定結果に対応す
るようコンバータ状態にする。
【0026】コンバータ領域でなく、ロックアップクラ
ッチ13cを締結すべきスリップ制御領域またはロック
アップ領域であると判別すると、制御をステップ34に
進め、ここでプリチャージ中1にされる後述のプリチャ
ージフラグFpが0か否か、つまり現在プリチャージ中
でないか否かをチェックする。現在プリチャージ中でな
ければ、ステップ35で前回コンバータ領域か否か、つ
まりロックアップクラッチを解放したコンバータ領域か
らロックアップクラッチを締結すべき他領域への領域変
更か否かをチェックし、当該領域変更ならステップ3
6,37でプリチャージフラグFpを1にセットすると
共に、ロックアップクラッチ13cのロスストロークを
行わせるためのプリチャージを開始させる。
【0027】このプリチャージは本発明の前記目的に照
らして、つまりロックアップクラッチ13cのロススト
ロークを締結ショックが生じない範囲内で最も短い時間
で行わせるために、例えば図5に示すようなプリチャー
ジ波形(デューティソレノイド弁19へのデューティ出
力波形)に沿って行わせる。このプリチャージ波形は、
上記の領域変更瞬時にデューティソレノイド弁駆動デュ
ーティDの初期値D0を100%にしてこのD=D0=
100%を所定時間t0だけ継続するロックアップクラ
ッチ締結応答のための初期圧波形と、その後ロックアッ
プクラッチ13cが締結開始する(この時のデューティ
DをD2で表す)迄のt1時間中ソレノイド弁駆動デュ
ーティDを所定値D1から所定の時間勾配dDをもって
増大させるロックアップクラッチ締結ショック対策のた
めの後期圧波形とによって構成される。なお、ロックア
ップクラッチの締結開始後はトルクコンバータ13のス
リップが設定通りの値となるようロックアップ制御圧P
uをフィードバック制御(例えば周知のPID制御)す
ることとし、ソレノイド弁駆動デューティDもそれに対
応した値となる。
【0028】上記のようにしてロックアップクラッチへ
のプリチャージが開始され、このことを示すようにフラ
グFpが1にセットされると、図3のステップ34はス
テップ38を選択するようになり、ここでトルクコンバ
ータ13のスリップ(Ne−Nt)が設定値△Ns未満
か否かを、つまりロックアップクラッチ13cがロスス
トロークを終了して締結を開始したか否かを判定する。
ロックアップクラッチ13cが締結を開始する迄の間は
ステップ39で上記ロックアップクラッチのプリチャー
ジを継続させて引き続きこれをロスストロークさせる。
【0029】このロスストローク後ロックアップクラッ
チ13cが締結を開始すると、ステップ40〜42にお
いてこのことを示すようにプリチャージフラグFpを0
にリセットすると共に、上記のプリチャージを終了さ
せ、プリチャージ波形の学習制御を後述の如くに行う。
【0030】ステップ40でのFp=0によりステップ
34はステップ35を選択するが、今回はコンバータ領
域からの領域変更でないため、制御はステップ43に至
り、トルクコンバータ13は通常通りにスリップ(Ne
−Nt)が設定値に持ち来されるようロックアップ制御
圧Puをフィードバック(例えばPID)制御される。
【0031】図3のステップ42におけるプリチャージ
波形(図5)の学習制御は例えば図4に示す如きものと
する。即ち、先ずステップ51でステップ42に至った
瞬時、つまりロックアップクラッチ13cがロスストロ
ークを終了して締結を開始した瞬時のソレノイド弁駆動
デューティ値D2(図5参照)、プリチャージ制御中に
おけるデューティ値の積分値S(図5における初期圧波
形の積分値S1及び後期圧波形の積分値△Sの和に相
当)、及び当該ロスストロークに要したプリチャージ総
時間t(図5参照)を測定または演算により求める。次
いでステップ52において、プリチャージ総時間tがロ
ックアップクラッチの締結ショックを生じない範囲内で
最短の目標プリチャージ時間t(ref)以下か否かを
チェックし、t≦t(ref)なら本発明の目的にマッ
チした状態であるのでそのまま制御を終了して、初期圧
波形及び後期圧波形の波形バランスを変更せず、プリチ
ャージ波形を現状のままに保つ。
【0032】t≦t(ref)でなければ、ステップ5
3において前記プリチャージ波形の積分値Sから初期圧
波形の積分値D0×t0を減算し、後期圧波形の積分値
△Sを求める。そしてステップ54でプリチャージ総時
間tをロックアップクラッチの締結ショックを生じない
範囲内で最短の目標プリチャージ時間t(ref)にす
るための後期圧波形の初期値D1’を、D1’=2×△
S/(t(ref)−t0)−D2により求め、このD
1’を次回の後期圧波形初期値D1にセットする。ここ
で、上式によりプリチャージ総時間tを目標プリチャー
ジ時間t(ref)にするための後期圧波形の初期値D
1’が求め得る理由は、図5において△S=(D1+D
2)×t1/2=(D1+D2)×(t−t0)/2で
あり、この式においてD1をD1’に、またtをt(r
ef)に夫々置換すると、△S=(D1’+D2)×
(t(ref)−t0)/2になることに由来する。
【0033】しかして、上記のように学習制御したD1
には上限値D1maxを定め、これがためステップ55
でD1>D1maxと判定するときは、ステップ56に
おいて、D1をこの上限値D1maxに制限すると共
に、これに対応させて初期圧波形の継続時間t0をイン
クリメントして1段階だけ増大し、これを次回の制御に
用いる。更に、そしてステップ55でD1≦D1max
と判定するとき、ステップ57において目標プリチャー
ジ時間t(ref)に対応した後期圧波形の勾配dD’
をdD’=(D2−D1)/(t(ref)−t0)に
より演算し、これを次回で用いる後期圧波形の勾配dD
にセットする。
【0034】以上の学習制御により、D1,dD,t0
が更新され、これに基づくロックアップクラッチ13c
の前記したプリチャージ制御によりこのロックアップク
ラッチは、プリチャージ総時間tがロックアップクラッ
チの締結ショックを生じない範囲内で最短の目標プリチ
ャージ時間t(ref)となるような態様でロスストロ
ークを行い、その後の通常のトルクコンバータスリップ
制御に引き継がれる。
【0035】図6はプリチャージ波形学習制御の他の例
を示し、本例ではステップ61,62を付加して、D2
=D0の時は後期圧波形の勾配がなくなり上記の学習制
御が無意味であることから、ステップ62において初期
圧波形の継続時間t0をデクリメントにより1段階だけ
短くし、ロックアップクラッチの締結ショック対策を行
うこととする。
【0036】図7は、プリチャージ波形学習制御の更に
他の例を示し、本例では変速機出力軸トルクToのトル
ク変動に応じた制御71〜83を図4に付加したもので
ある。ステップ71〜73では、ロックアップクラッチ
13cのプリチャージ開始からトルクコンバータ13の
スリップが変化し始めるまでの変速機出力軸トルクTo
の平均値Ta1を測定し、トルクコンバータ13のスリ
ップが変化し始めてからスリップ制御が安定するまでの
出力軸トルクToの標準偏差Tr2を測定し、スリップ
制御が安定してから所定時間が経過するまでの出力軸ト
ルクToの平均値Ta3を測定する。これらは、トルク
コンバータ13がロックアップクラッチ13cの解放状
態から締結状態への状態変化によりコンバータ状態から
スリップ制御状態に変化する時の変速機出力軸トルクT
oの変化タイムチャート上に表すと、図8に示す如きも
のとなる。なお、この図においてTa2はトルクコンバ
ータのスリップが変化してからスリップ制御が安定する
迄の出力軸トルクToの平均値を示す。
【0037】図7の次のステップ51は図4におけると
同様のもので、ここで、ロックアップクラッチ13cが
ロスストロークを終了して締結を開始した瞬時のソレノ
イド弁駆動デューティ値D2(図5参照)、プリチャー
ジ制御中におけるデューティ値の積分値S(図5におけ
る初期圧波形の積分値S1及び後期圧波形の積分値△S
の和に相当)、及び当該ロスストロークに要したプリチ
ャージ総時間t(図5参照)を測定または演算により求
める。次いでステップ74において、|Tr2|/|T
a1−Ta3|を演算し、これが設定値β以上か否かに
より出力軸トルク変動が大きいか否か、つまりロックア
ップクラッチ13cの締結ショックを生じたか否かを判
定する。トルク変動が大きくなければ、ステップ52〜
57で図4につき前述したと同様のプリチャージ波形学
習制御を実行する。
【0038】トルク変動が大きければ、先ずステップ7
5で後期圧波形の初期デューティ値D1をデクリメント
により1段階減ずる学習制御を行う。ステップ76でこ
のデクリメントした初期デューティ値D1が最小値D1
min以下と判別する場合や、このように初期デューテ
ィ値D1が最小値D1min以下でなくともステップ7
8で初期圧波形の継続時間t0が0以下と判別する場合
は、ステップ79において目標プリチャージ時間t(r
ef)をインクリメントにより1段階増大し、プリチャ
ージ時間(ロスストローク時間)は長くなるがトルク変
動の低下を優先させた学習制御を行う。そしてステップ
80で目標プリチャージ時間t(ref)が許容上限値
LM以下であると判別する正常状態なら、ステップ77
で目標プリチャージ時間t(ref)を達成するための
初期圧波形時間t0’をt0’=((D1+D2)×t
(ref)−2×S)/(D1+D2−2×D0)によ
り演算し、このt0’を次回に用いる初期圧波形時間t
0にセットする。ここで、上式によりプリチャージ総時
間tを目標プリチャージ時間t(ref)にするための
初期圧波形時間t0’が求まる理由は、図5において△
S=(D1+D2)×t1/2=(D1+D2)×(t
−t0)/2であり、この式においてtをt(ref)
に、またt0をt0’に夫々置換すると、△S=(D1
+D2)×(t(ref)−t0’)/2になることに
由来する。
【0039】次にステップ78で上記t0が0よりも大
きいと判別する時、ステップ81において目標プリチャ
ージ時間t(ref)に対応した後期圧波形の勾配d
D’をdD’=(D2−D1)/(t(ref)−t
0)により演算し、これを次回で用いる後期圧波形の勾
配dDにセットする。
【0040】なお、ステップ80で目標プリチャージ時
間t(ref)が許容上限値tLMよりも大きいと判別す
る異常時は、ステップ82,83において異常信号を発
すると共に、D1=Dmin、t0=0、t(ref)
=tLM とする異常処理を行う。
【0041】以上の学習制御により、トルク変動が小さ
い場合は図4につき前述したと同様に更新されたプリチ
ャージ波形に基づくロックアップクラッチ13cのプリ
チャージによりこのロックアップクラッチは、プリチャ
ージ総時間tがロックアップクラッチの締結ショックを
生じない範囲内で最短の目標プリチャージ時間t(re
f)となるような態様でロスストロークを行う。
【0042】逆にトルク変動が大きな場合は、D1をデ
クリメントにより1段階小さくし、更に適宜ショック軽
減上必要に応じて延長した目標プリチャージ時間t(r
ef)を達成するよう初期圧波形時間t0及び後期圧波
形の勾配dDを変更するプリチャージ波形の学習制御に
より、ロックアップクラッチのロスストロークを変速機
出力軸トルク変動が減少する態様で、またプリチャージ
総時間tが目標プリチャージ時間t(ref)となるよ
うな態様で行わせることができる。
【0043】上記の実施例では、トルクコンバータのロ
ックアップクラッチをロスストロークさせるに当たって
本発明の着想を適用することとしたが、本発明はその他
種々の摩擦要素の締結制御にも同様の考え方により用い
ることができる。
【0044】図9は、自動変速機の動力伝達不能な中立
レンジから走行レンジへのレンジ切り換え時に油圧作動
されて、自動変速機を中立状態から発進変速段に投入可
能な発進クラッチ27の締結制御(ロスストローク制
御)に本発明を適用した例を示す。発進クラッチ27は
室27aを有し、この室に作動圧Pchを供給される時
ロスストロークを行い、しかる後に締結されてトルクコ
ンバータ13から変速機入力軸14へのエンジン動力を
後段に伝達し、上記発進変速段での発進を可能ならしめ
る。
【0045】クラッチ27の作動圧Pchはライン圧P
L を元圧としてデューティソレノイド弁28により調圧
され、このデューティソレノイド弁はスプール28aを
具え、これをプランジャ28bからの電磁力及び室28
c内におけ圧力とのバランスによりストローク制御す
る。ここで、プランジャ28bの電磁力はソレノイド2
8dの駆動により生じさせ、該ソレノイドの駆動デュー
ティDに比例して大きくなるものとする。一方、室28
cには出力ポート28eからクラッチ作動室27aに向
かう作動圧Pchを導入し、これをプランジャ28bの
電磁力と対向する向きに作用させる。プランジャ28b
の電磁力が室28cの圧力Pchに対して大きくなる
と、スプール28aは図示のバランス位置から図中左行
されて出力ポート28eをライン圧PLが供給されてい
る入力ポート28fに通じ、出力ポート28eから発進
クラッチ27へのクラッチ作動圧Pchを上昇させる。
この圧力上昇はスプール28aを室28cにおいて押し
戻し、クラッチ作動圧Pchがプランジャ28bの電磁
力に対応した値になる時スプール28aが図示の調圧位
置に戻されてクラッチ作動圧の上昇が中止される。逆
に、プランジャ28bの電磁力が室28cの圧力Pch
に対して小さくなると、スプール28aは図示のバラン
ス位置から図中右行されて出力ポート28eをドレンポ
ート28gに通じ、出力ポート28eから発進クラッチ
27へのクラッチ作動圧Pchを低下させる。この圧力
低下はスプール28aをして後退させ、クラッチ作動圧
Pchがプランジャ28bの電磁力に対応した値になる
時スプール28aが図示の調圧位置に戻されてクラッチ
作動圧の低下が中止される。以上によりデューティソレ
ノイド弁28はソレノイド28dの駆動デューティDに
応じて、デューティDの増大につれ上昇するようクラッ
チ作動圧Pchを調圧することができる。
【0046】ソレノイド28dの駆動デューティDは図
2におけると同様なコントローラ21でこれを決定し、
このためコントローラ21には、変速機出力軸トルクT
oを検出する出力トルクセンサ22からの信号、エンジ
ン回転数Neを検出するエンジン回転センサ23からの
信号、タービンランナ13bの回転数Ntを検出するタ
ービン回転センサ24からの信号、及びエンジンスロッ
トル開度THを検出するスロットル開度センサ25から
の信号を夫々入力する他、自動変速機の選択レンジを検
出するレンジセンサ26からの信号、車速Vを検出する
車速センサ29からの信号、並びにアクセルペダルの釈
放を検出してONになるアイドルスイッチ30からの信
号を入力する。コントローラ21は電源+Vにより作動
され、これら入力情報を基に図10及び図11の制御プ
ログラムを実行して本発明が狙いとする発進クラッチ2
7のプリチャージ制御及び通常の締結制御を行うものと
する。
【0047】図10においては、先ずステップ91でス
ロットル開度TH、エンジン回転数Ne、タービン回転
数Nt及び変速機出力軸トルクTo、選択レンジ信号、
アイドルスイッチ信号、車速Vを読み込む。次いでステ
ップ92において、車速Vが0か否かにより停車中か走
行中かを判別する。走行中ならステップ93でソレノイ
ド28dへのデューティDを100%とし、これにより
クラッチ作動圧Pchを元圧であるライン圧PL と同じ
最高値として発進クラッチ27を完全締結させ、通常走
行を可能にする。
【0048】しかして停車中は、ステップ94,95で
アイドルスイッチ信号及び選択レンジ信号からアクセル
ペダルを操作している発進中か、発進意志のない中立レ
ンジ選択中か、走行レンジにしていてもアクセルペダル
を操作せず従って発進意志がない発進待機中かを判定す
る。発進中はステップ96でソレノイド28dへのデュ
ーティDを徐々に増大させ、これによりクラッチ作動圧
Pchを元圧であるライン圧PL と同じ最高値まで漸増
させて発進クラッチ27を徐々に締結させる発進制御を
行い、通常の発進を可能にする。また、中立レンジ選択
中はステップ97の選択によりソレノイド28dへのデ
ューティDを0%とし、これによりクラッチ作動圧Pc
hを0にして発進クラッチ27を解放させ、自動変速機
の動力伝達不能な中立状態を得る。
【0049】走行レンジにしていてもアクセルペダルを
操作しない発進待機中は、以下の如くにして本発明によ
る発進クラッチ27のプリチャージによるロスストロー
クを行わせる。即ち、先ずステップ98でプリチャージ
中1にされる後述のプリチャージフラグFpが0か否
か、つまり現在プリチャージ中でないか否かをチェック
する。現在プリチャージ中でなければ、ステップ99で
前回は中立レンジだったか否か、つまり中立レンジから
走行レンジへのレンジ切り換えか否かをチェックし、当
該レンジ切り換え時ならステップ100,101でプリ
チャージフラグFpを1にセットすると共に、発進クラ
ッチ27のロスストロークを行わせるためのプリチャー
ジを開始させる。
【0050】このプリチャージは本発明の前記目的に照
らして、つまり発進クラッチ27のロスストロークを締
結ショック(レンジ切り換えショック)が生じない範囲
内において最も短い時間で行わせるために、例えば図5
に示すようなプリチャージ波形(デューティソレノイド
弁28へのデューティ出力波形)に沿って行わせる。こ
のプリチャージ波形は、上記のレンジ切り換え瞬時にデ
ューティソレノイド弁駆動デューティDの初期値D0を
100%にしてこのD=D0=100%を所定時間t0
だけ継続する発進クラッチ締結応答のための初期圧波形
と、その後発進クラッチ27が締結開始する(この時の
デューティDをD2で表す)迄のt1時間中ソレノイド
弁駆動デューティDを所定値D1から所定の時間勾配d
Dをもって増大させる発進クラッチ締結ショック対策の
ための後期圧波形とによって構成される。なお、発進ク
ラッチ27の締結開始後はトルクコンバータ13のスリ
ップ(クラッチ27の伝達トルク)が自動変速機のクリ
ープ防止上好適な設定通りの値となるようクラッチ作動
圧Pchをフィードバック制御(例えば周知のPID制
御)することとし、ソレノイド弁駆動デューティDもそ
れに対応した値となる。
【0051】上記のようにして発進クラッチへのプリチ
ャージが開始され、このことを示すようにフラグFpが
1にセットされると、図10のステップ98はステップ
102を選択するようになり、ここでトルクコンバータ
13のスリップ(Ne−Nt)が設定値△Ns以上か否
かを、つまり発進クラッチ27がロスストロークを終了
して締結を開始したか否かを判定する。発進クラッチ2
7が締結を開始する迄の間はステップ103で上記発進
クラッチのプリチャージを継続させて引き続きこれをロ
スストロークさせる。
【0052】このロスストローク後発進クラッチ27が
締結を開始すると、ステップ104〜106においてこ
のことを示すようにプリチャージフラグFpを0にリセ
ットして上記のプリチャージを終了させ、プリチャージ
波形の学習制御を後述の如くに行う。
【0053】ステップ104でのFp=0によりステッ
プ98はステップ99を選択するが、今回は中立レンジ
からのレンジ切り換えでないため、制御はステップ10
7に至り、発進クラッチ27は通常通り自動変速機のク
リープを生じない程度の半クラッチ状態となるよう作動
圧Pch(締結力)をデューティ値Dによりデューティ
ソレノイド弁28を介してフィードバック(例えばPI
D)制御される。
【0054】図10のステップ106におけるプリチャ
ージ波形(図5)の学習制御は例えば図11に示す如き
ものとする。この学習制御は基本的に図7におけるもの
と同じで、ステップ74におけるトルク変動設定値が制
御対象の変更に合わせてγに変更された点で違うのみで
あり、重複説明を避けたが本例でも前記実施例と同様の
作用効果を奏し得る。
【0055】
【発明の効果】かくして本発明による流体作動式摩擦要
素の締結制御装置は請求項1に記載の如く、最高圧近辺
の高圧を所定時間摩擦要素に供給する初期圧波形及びそ
の後所定の時間勾配で変化するランプ制御圧を摩擦要素
に供給する後期圧波形の組合せになるプリチャージ波形
をもって摩擦要素のプリチャージを行い、このプリチャ
ージによる上記摩擦要素のロスストロークに要した総プ
リチャージ時間が目標プリチャージ時間を超えている場
合、この目標プリチャージ時間から初期圧波形の継続時
間を差し引いて求めた後期圧波形の目標継続時間で前記
後期圧波形の積分値を除算して得られる値の2倍値と、
後期圧波形の最終値との差値をもって、総プリチャージ
時間を上記目標プリチャージ時間に向かわせるための後
期圧波形の新たな初期値として上記のプリチャージ制御
に資する。
【0056】よって上記摩擦要素のプリチャージが、総
プリチャージ時間を上記目標プリチャージ時間に向かわ
せるよう初期圧波形及び後期圧波形の波形バランスを修
正されたプリチャージ波形で行われることとなり、目標
プリチャージ時間の設定により例えば摩擦要素の締結シ
ョックを生じない範囲内でロスストローク時間を最大限
短くするような摩擦要素のプリチャージ制御さえ、条件
変化に左右されることなく常時確実に実現することがで
きる。
【0057】なおプリチャージ波形の変更に際しては更
に、請求項2に記載のごとく、上記後期圧波形の新たな
初期値に上限値を定めると共に、該上限値を超える場
合、後期圧波形の初期値をこの上限値に制限したことに
対応させて初期圧波形の継続時間を増大させたり、更に
これに加え請求項3に記載のごとく、前記目標プリチャ
ージ時間から初期圧波形の継続時間を差し引いて求めた
後期圧波形の目標継続時間により後期圧波形の最終値お
よび初期値間の差値を除算して、前記総プリチャージ時
間を前記目標プリチャージ時間にするための前記ランプ
制御圧の時間勾配を求め、この時間勾配を後期圧波形の
新たな勾配とすれば、総プリチャージ時間を一層確実に
目標プリチャージ時間にすることができ、例えば摩擦要
素の締結ショックを生じない範囲内でロスストローク時
間を最大限短くするような摩擦要素のプリチャージ制御
を常時確実に実現するという上記の作用効果を更に確実
なものにすることができる。
【0058】なお、本発明装置の制御対象たる流体作動
式摩擦要素としては、請求項4に記載の如く、自動変速
機におけるトルクコンバータのロックアップクラッチ
や、請求項5に記載の如く、自動変速機における発進用
のクラッチ等があり、これらクラッチに対して上記プリ
チャージ制御を行う場合、例えばロックアップの応答遅
れをショックが生じない範囲内で最も小さくしたり、中
立レンジから走行レンジへの切り換え時に中立状態から
発進変速段選択状態への切り換え応答遅れをショックが
生じない範囲内で最小にすることができ、自動変速機の
商品価値を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流体作動式摩擦要素の締結制御装
置を示す概念図である。
【図2】本発明装置の一実施例を示すシステム図であ
る。
【図3】同例装置のコントローラが実行する制御プログ
ラムのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図4】同メインルーチン内のプリチャージ波形学習制
御プログラムを示すフローチャートである。
【図5】同例で用いるプリチャージ波形を例示したソレ
ノイド弁駆動デューティの時系列変化を示すタイムチャ
ートである。
【図6】プリチャージ波形学習制御プログラムの他の例
を示すフローチャートである。
【図7】プリチャージ波形学習制御プログラムの更に他
の例を示すフローチャートである。
【図8】トルクコンバータのロックアップクラッチが解
放状態から締結されるときの変速機出力軸トルク波形を
しめす線図である。
【図9】本発明装置の他の例を示すシステム図である。
【図10】同例のコントローラが実行する制御プログラ
ムのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図11】同メインルーチン内のプリチャージ波形学習
制御プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン 13 トルクコンバータ 13c ロックアップクラッチ(流体作動式摩擦要素) 14 変速機入力軸 15 ポンプ 16 保圧弁 17 ロックアップ制御弁 19 デューティソレノイド弁 21 コントローラ 22 出力トルクセンサ 23 エンジン回転センサ 24 タービン回転センサ 25 スロットル開度センサ 26 レンジセンサ 27 発進クラッチ(流体作動式摩擦要素) 28 デューティソレノイド弁 29 車速センサ 30 アイドルスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/14 F16D 25/14 F16H 61/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体圧のプリチャージによりロスストロ
    ークを行い、更なる流体圧の供給により完全締結される
    流体作動式摩擦要素において、 最高圧近辺の高圧を所定時間前記摩擦要素に供給する初
    期圧波形、及びその後所定の時間勾配で変化するランプ
    制御圧を摩擦要素に供給する後期圧波形の組み合わせに
    なるプリチャージ波形をもって前記プリチャージを行う
    プリチャージ手段と、 前記摩擦要素のロスストロークに要した総プリチャージ
    時間が目標プリチャージ時間を超えている場合、前記目
    標プリチャージ時間から初期圧波形の継続時間を差し引
    いて求めた後期圧波形の目標継続時間で前記後期圧波形
    の積分値を除算して得られる値の2倍値と、後期圧波形
    の最終値との差値をもって、前記総プリチャージ時間を
    前記目標プリチャージ時間に向かわせるための後期圧波
    形の新たな初期値とするプリチャージ波形変更手段とを
    具備してなることを特徴とする流体作動式摩擦要素の締
    結制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記プリチャージ波
    形変更手段は、前記後期圧波形の新たな初期値に上限値
    を定めると共に、該上限値を超える場合、後期圧波形の
    初期値をこの上限値に制限したことに対応させて初期圧
    波形の継続時間を増大させるよう構成したことを特徴と
    する流体作動式摩擦要素の締結制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記プリチャージ波
    形変更手段は、前記目標プリチャージ時間から初期圧波
    形の継続時間を差し引いて求めた後期圧波形の目標継続
    時間により後期圧波形の最終値および初期値間の差値を
    除算して、前記総プリチャージ時間を前記目標プリチャ
    ージ時間にするための前記ランプ制御圧の時間勾配を求
    め、この時間勾配を後期圧波形の新たな勾配とするよう
    構成したことを特徴とする流体作動式摩擦要素の締結制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前
    記流体作動式摩擦要素が自動変速機におけるトルクコン
    バータのロックアップクラッチであることを特徴とする
    流体作動式摩擦要素の締結制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前
    記流体作動式摩擦要素が自動変速機における発進用クラ
    ッチであることを特徴とする流体作動式摩擦要素の締結
    制御装置。
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