JP3467801B2 - クラッチの締結制御装置 - Google Patents

クラッチの締結制御装置

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JP3467801B2
JP3467801B2 JP15915393A JP15915393A JP3467801B2 JP 3467801 B2 JP3467801 B2 JP 3467801B2 JP 15915393 A JP15915393 A JP 15915393A JP 15915393 A JP15915393 A JP 15915393A JP 3467801 B2 JP3467801 B2 JP 3467801B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンと自動変速機
との間に用いるトルクコンバータのロックアップクラッ
チや、自動変速機自身の変速制御クラッチ等の、液圧作
動クラッチを締結制御するための装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種クラッチの締結制御装置として
は、昭和62年3月、日産自動車(株)発行「RE4R
01A型オートマチックトランスミッション整備要領
書」に記載の自動変速機におけるロックアップクラッチ
制御技術に見られる如く、ロックアップクラッチの入出
力回転差で表されるスリップ量が設定スリップ量に低下
した瞬時以後、これが設定勾配で低下するようロックア
ップクラッチ圧をフィードバック制御し、これによりコ
ンバータのロックアップを進行させるようにしたものが
ある。
【0003】しかし、従来は上記の設定スリップ量が一
定であったため、昨今のように燃費向上の要請に鑑み、
ロックアップ領域をより低速化、複数変速段化しようと
したとき、極めて広い運転状態でロックアップ制御を行
わなければならないことから、以下のような問題を生ず
る。 (1)制御を始める前のスリップ回転数が、従来と比べ
て大きな値となるため、設定スリップ量が固定では、フ
ィードバック制御に移行するまでの無駄な時間が長くな
り、ロックアップによる燃費効果が薄れる。 (2)制御を始める前のスリップ量が、運転状態によっ
て大きく変わるため、固定の設定スリップ量では対応し
きれず、可変のものとしなければならない。またそのた
めのマッチング工数が発生する。
【0004】これらの問題解決のため現段階では、図6
の構成によって図7の如くにロックアップクラッチを締
結制御することが考えられる。この制御は、制御入力で
ある制御指令値の変化と、制御出力であるスリップ量の
変化との間に相関関係が未だ存在しない、つまりクラッ
チのスリップ量(締結度合)が制御指令値に関係なく変
化する、所謂制御不感帯域では、当初の一定時間中ロッ
クアップクラッチに作動液を急速充填し(プリチャージ
し)、その後作動圧を一定速度で上昇させる(ランプ制
御する)等のフィードフォワード制御によりクラッチの
締結を進行させる。そして、制御入力である制御指令値
の変化と、制御出力であるスリップ量の変化との間に相
関関係が存在するようになる所謂制御可能域では、スリ
ップ量をモニタしつつロックアップクラッチの締結をフ
ィードバック制御する。
【0005】ここで、図6はエンジンEおよび自動変速
機A/T間のトルクコンバータT/Cを、入出力要素間
の直結が解かれたコンバータ状態から、ロックアップク
ラッチの締結により入出力要素間が直結されたロックア
ップ状態にするに際し、ロックアップクラッチを締結制
御するための装置を示す。この装置において行われる制
御不感帯域か制御可能域かの判定を、図7に基づき以下
に説明する。
【0006】スリップ量設定値演算部S/Tはトルクコ
ンバータT/C(ロックアップクラッチ)のスリップ量
Nを常時入力されるも、図7に示す如くプリチャージ制
御開始時のスリップ量N1Sをメモリし、これから20%
低いスリップ量をスリップ量上限設定値NSUとして求め
ると共に、スリップ量下限設定値NSL=20rpmを設
定する。コントローラCNTはこれらスリップ量上限設
定値NSUおよびスリップ量下限設定値NSLと、スリップ
量真値Nとを比較し、図7に示す如くスリップ量真値N
がスリップ量上限設定値NSUまで低下する瞬時t1 を、
プリチャージ制御領域(フィードフォワード制御すべき
制御不感帯域)からPID制御領域(フィードバック制
御すべき制御可能域)に移行したと見做し、その後スリ
ップ量真値Nがスリップ量下限設定値NSLまで低下した
瞬時t2 を、PID制御領域からランプ制御領域(フィ
ードフォワード制御すべき制御不感帯域)に移行したと
見做す。
【0007】コントローラCNTはこれら判定結果に基
づき、ロジックの切り換えを行って対応するフィードフ
ォワード制御またはフィードバック制御により、図7に
示すような制御指令値DをトルクコンバータT/Cのロ
ックアップクラッチに指令する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかして、かかる構成
においては、プリチャージ領域(制御不感帯域)からP
ID制御領域(制御可能域)への移行を判別するに際
し、スリップ量Nを設定値NSLと比較し、その結果に応
じて当該判別を行うため、図7に示すようにアクセルペ
ダルをほぼ一定の踏み込み状態に保った定常運転中は、
制御不感帯域から制御可能域への移行が正確に判定され
得るものの、図8に示すようにアクセルペダルを踏み込
みながらの加速中等の過渡運転中にロックアップクラッ
チが締結される時は、以下に説明するように制御不感帯
域から制御可能域への移行を正確に判定することができ
ない。
【0009】即ち、かかる過渡運転中は、トルク入力が
大きく変化して、制御指令値とは別にスリップ量が激し
く変化し、このため図8に示す如く制御不感帯域が広が
る。従って、スリップ量真値Nがスリップ量上限設定値
SUに低下する瞬時t1 では未だ制御不能域にあるにも
かかわらず、上記した従来の判定によればこの時既にフ
ィードバック制御を開始させてしまうこととなる。よっ
て、スリップ量Nの低下が遅れ、これが制御不感帯域を
外れて制御可能域に入る瞬時t3 より急激に減少され、
ロックアップクラッチの締結ショックを生ずるばかり
か、スリップ量Nが制御目標値NSMを大きくオーバーシ
ュートして制御のハンチングを生ずる。
【0010】本発明は、過渡運転状態でも正確に制御不
感帯域から制御可能域への移行を判別し得るようにして
上述の問題を解消することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明は
請求項1に記載の如く、クラッチの締結度合が制御指令
値に関係なく変化する制御不感帯域で、該クラッチの締
結度合をフィードフォワード制御し、制御不感帯域以外
の制御可能域で、該クラッチの締結度合を、クラッチの
入出力回転差により表されるスリップ量に応じてフィー
ドバック制御するようにしたクラッチの締結制御装置に
おいて、前記スリップ量を推定するために予め設定した
クラッチ系推定システムを用いて、前記クラッチへのト
ルク入力、前記スリップ量および前記制御指令値から、
前記スリップ量に対する前記制御指令値の貢献度を推定
する制御指令値貢献度推定手段と、該手段により推定し
た貢献度が設定以上になった時に、制御不感帯域から制
御可能域へ移行したとして、前記フィードフォワード制
御から前記フィードバック制御に切り換える領域判定手
段とを設けたものである。
【0012】また本発明は請求項2に記載の如く、前記
クラッチ系推定システムとして、前記制御指令値を入れ
たものと、入れないものとの、少なくとも2種のクラッ
チ系推定システムを設定し、制御指令値貢献度推定手段
は、これらシステムに基づくスリップ量推定値と、スリ
ップ量の真値との比較により前記貢献度を推定するよう
にすることができる。
【0013】更に本発明は請求項3に記載の如く、クラ
ッチ系推定システムとして、スリップ量とその過去値、
制御指令値とその過去値、クラッチのトルク入力とその
過去値により構成されたモデルを具え、該モデルの出力
である推定値と、このモデルから制御指令値による部分
を削除したクラッチ系推定システムの出力である推定値
と、実際のスリップ量とを比較して得られる差に応じ、
制御指令値貢献度推定手段が前記貢献度を推定するよう
にすることができる。
【0014】又、本発明においては請求項4に記載の如
く、前記制御指令値貢献度推定手段が、前記モデルによ
って前記クラッチ系推定システムの同定を行い、その結
果得られたモデルから制御指令値による部分を削除した
システムの出力である推定値と、スリップ量の真値とを
比較して得られる差に応じ、前記貢献度を推定するよう
なものとすることができる。
【0015】更に本発明においては請求項5に記載の如
く、クラッチ系推定システムに対し、そのモデルによっ
てクラッチ系システムの同定を行い、その結果得られた
制御指令値による部分を所定の標準系と比較して得られ
る差から、制御指令値貢献度推定手段が前記貢献度を推
定するようにすることができる。
【0016】
【作用】請求項1の構成においては、制御不感帯域で、
クラッチの締結度合をフィードフォワード制御し、制御
可能域で、クラッチの締結度合を、クラッチのスリップ
量に応じてフィードバック制御するに際し、制御指令値
貢献度推定手段は、スリップ量を推定するために予め設
定したクラッチ系推定システムを用いて、クラッチへの
トルク入力、クラッチのスリップ量およびクラッチへの
制御指令値から、スリップ量に対する制御指令値の貢献
度を推定し、該手段により推定した貢献度が設定以上に
なった時に、領域判定手段は、制御不感帯域から制御可
能域へ移行したとして、上記フィードフォワード制御か
ら上記フィードバック制御に切り換える。
【0017】かくして、過渡運転状態でも正確に制御不
感帯域から制御可能域への移行を判別し得ることとな
り、制御不感帯域にもかかわらずフィードバック制御が
実行されて制御がでたらめになり、クラッチが大きな締
結ショックを生じたり、スリップが制御目標値に対しオ
ーバーシュートして制御不安定になるといった弊害を解
消することができる。
【0018】また上記の構成は例えば請求項2に記載の
如く、上記クラッチ系推定システムとして、制御指令値
を入れたものと、入れないものとの、少なくとも2種の
クラッチ系推定システムを設定し、制御指令値貢献度推
定手段が、これらシステムに基づくスリップ量推定値
と、スリップ量の真値との比較により上記貢献度を推定
するようなものとすることで具体化することができる。
【0019】なお、この具体化は請求項3に記載の如
く、クラッチ系推定システムとして、スリップ量とその
過去値、制御指令値とその過去値、クラッチのトルク入
力とその過去値により構成されたモデルを具え、該モデ
ルの出力である推定値と、このモデルから制御指令値に
よる部分を削除したクラッチ系推定システムの出力であ
る推定値と、実際のスリップ量とを比較して得られる差
に応じ、制御指令値貢献度推定手段が前記貢献度を推定
するようにすることで、一層現実的なものとなる。
【0020】又この際、請求項4に記載の如く、上記制
御指令値貢献度推定手段が、上記モデルによって上記ク
ラッチ系推定システムの同定を行い、その結果得られた
モデルから制御指令値による部分を削除したシステムの
出力である推定値と、スリップ量の真値とを比較して得
られる差に応じ、前記貢献度を推定するようになせば、
更に効果的に当該貢献度を推定することができる。
【0021】なお、この代わりに請求項5の如く、クラ
ッチ系推定システムに対し、そのモデルによってクラッ
チ系システムの同定を行い、その結果得られた制御指令
値による部分を所定の標準系と比較して得られる差か
ら、制御指令値貢献度推定手段が前記貢献度を推定する
ようにすることでも、効果的に当該貢献度の推定を行う
ことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明一実施の態様になるクラッチの
締結制御装置を示す機能別ブロック線図で、本例装置
は、エンジンEおよび自動変速機A/T間のトルクコン
バータT/Cを、その入出力要素間の直結が解かれたコ
ンバータ状態から、ロックアップクラッチ(図示せず)
の締結により入出力要素間が直結されたロックアップ状
態にするに際し、該ロックアップクラッチを締結制御す
るための装置として構成する。
【0023】これがため本例では、ロックアップクラッ
チのクラッチ系システムを簡略な2種のARMAモデル
でモデル化し、これらが実際のクラッチシステムと近似
の出力を生ずるよう両モデルを逐次同定する。この同定
に当たっては、周知の最小自乗法パラメータ同定ロジッ
クを用い、以下の如くにこれを行う。
【0024】即ち、先ず一方のモデルにより、制御の影
響、つまりコントローラCNTからトルクコンバータT
/Cのロックアップクラッチに向かう制御指令値Dの影
響f 3 (D)を考慮した(但し、f3 はパラメータ)ロ
ックアップクラッチのスリップ量推定値N1をN1=f
1 (ロックアップクラッチのスリップ量真値N)+f 2
(エンジンスロットル開度TVO)+f3 (制御指令値
D)により求める(但し、f1 ,f2 はそれぞれパラメ
ータ)。
【0025】次いで、他方のモデルにより、上記した制
御の影響f3 (D)を考慮しないロックアップクラッチ
のスリップ量推定値N2をN2=f1 (ロックアップク
ラッチのスリップ量真値N)+f2 (エンジンスロット
ル開度TVO)により求める。
【0026】ここで、最小自乗法パラメータ同定ロジッ
クにおいては、上記の両モデルに対して、クラッチシス
テムの出力推定値と、実際の出力値との差の自乗が最小
になるようパラメータf1 ,f2 ,f3 を決定する。従
って本例では、スリップ推定値N1とスリップ真値Nと
を比較し、両者の差の自乗が最小になるようパラメータ
1 ,f2 ,f3 を決定する。従って、両モデルが実際
のクラッチ系と本当に一致しているか否かは問題でな
く、少なくとも近い将来に亘って、或る程度の誤差の範
囲で将来の値を予測できるものであれば十分である。
【0027】ところで、制御がスリップ量の変化に影響
しない前記制御不感帯域では、図2の瞬時t1 までにお
いて示される如くスリップ量推定値N1,N2が共に同
じような差をもってスリップ量真値Nに追従し、制御が
スリップ量の変化に影響する制御可能域では、図2の瞬
時t1 以後において示される如くスリップ量推定値N1
のみがスリップ量真値Nに追従し、スリップ量推定値N
2はスリップ量真値Nに追従し得なくなり、推定値N2
と推定値N1または真値Nとの間の差の大きさ(図1で
は|N−N2|)、つまり制御の貢献度から制御不感帯
域か、制御可能域かを判別することができる。
【0028】なお、上記の同定ロジックを逐次型のもの
とする場合、予め精密な計測や検討を行うことなしに、
また製品のバラツキに影響されることなしに、更にスリ
ップ量が大きく変化する過渡運転状態においても、制御
不感帯域か、制御可能域かを正確に判別することができ
る。
【0029】コントローラCNTは当該判別に当たっ
て、|N−N2|が設定値△NS 未満で、制御の貢献度
が小さい時、制御不感帯域と判別し、|N−N2|が設
定値△NS 以上で、制御の貢献度が大きい時、制御可能
域と判別する。そして、制御不感帯域であれば、トルク
コンバータT/Cにおけるロックアップクラッチの締結
をフィードフォワード制御し、制御可能域であれば、こ
のロックアップクラッチの締結をフィードバック制御す
る、といったようにロジックの切り換えを行って、対応
する制御指令値Dをロックアップクラッチに供給する。
【0030】上記した制御不感帯域か、制御可能域かの
判別よれば図3に示すように、図8につき前述したと同
じ過渡運転中のロックアップクラッチ締結時と雖も、|
N−N2|が設定値△NS 未満の状態から、設定値△N
S 以上になる瞬時t1 をもって、制御の貢献度が小さい
制御不感帯域から、制御の貢献度の大きい制御可能域へ
の移行瞬時であると正確に判別して、プリチャージ制御
(フィードフォワード制御)からPID制御等のフィー
ドバック制御への移行を適切に実行させることができ
る。よって、上記フィードバック制御が制御不感帯域に
おいてなされるようなことはなく、スリップ真値Nの経
時変化から明かなように、ロックアップクラッチの締結
ショックを生じたり、スリップが制御目標値NSLから大
きくオーバーシュートするような、図8につき前述した
弊害を解消することができる。
【0031】なお、クラッチ系推定システムモデルとし
て差分方程式を用いた場合につき、具体例を以下に述べ
るに、現在のスリップ量は次の通りに表される。
【数1】現在のスリップ量 =a1 ×スリップ量の1次遅れ+・・・・ +a1 ×スリップ量の1次遅れ +b11×制御指令値の1次遅れ+・・・・ +b1m×制御指令値のm次遅れ +b21×スロットル開度の1次遅れ+・・・・ +b2n×スロットル開度のn次遅れ +定数項 これは、各項次数1,m,nを推定誤差が小さくなるよ
う予め決定しておくものである。
【0032】これに対して、逐次型最小自乗法パラメー
タ同定ロジックは、実際のスリップ量真値とスリップ量
推定値との誤差の自乗が最小となるように、a1 ・・・
・・a1 ,b11・・・・b1m,b21・・・・・b2nを先
ず決定する。そして、パラメータ同定によって得られた
差分方程式モデルから現在のスリップ量推定値N1を求
め、更に、この差分方程式から制御指令値の項を省いた
ものに相当する差分方程式モデルを基にスリップ量推定
値N2を求め、これらを実際のスリップ量真値Nと比較
する。2つのスリップ量推定値とスリップ量真値との差
が同程度である場合、システムに対する制御指令値の貢
献度が小さく、制御不感帯域であるとして、フィードフ
ォワード制御を実行させ、2つのスリップ量推定値とス
リップ量真値との差が大きく異なる場合、システムに対
する制御指令値の貢献度が大きく、制御可能域であると
して、フィードバック制御を実行させる。
【0033】図1のブロック図をフローチャートで表す
と、図4および図5の如くになる。図4においては、先
ずステップ11で運転状態に基づく通常のロックアップ
領域判定結果が前回と同じか、違うかをチェックする。
同じなら、ステップ12,13でトルクコンバータT/
Cのスリップ量を一定値に保つべきスリップ制御領域
か、このスリップ量をなくすべきロックアップ領域か、
スリップ量を全く制限しないコンバータ領域かをチェッ
クする。ロックアップ領域ではステップ14において、
ロックアップクラッチの締結圧であるロックアップ圧を
要求に符合するよう最高値にし、コンバータ領域ではス
テップ15において、ロックアップ圧を要求に符合する
よう最低値にし、スリップ制御領域ではステップ16に
おいて、スリップ量が好適な一定値に保たれるようロッ
クアップ圧を制御する。
【0034】ステップ11でロックアップ領域判定結果
が前回と違うと判別した場合、ステップ17で、ロック
アップクラッチを締結すべきロックアップ領域変化か、
ロックアップクラッチを解放すべきロックアップ領域変
化かをチェックする。ロックアップクラッチを解放すべ
きロックアップ領域変化の場合、ステップ18でロック
アップクラッチが解放されるようその締結圧を減少させ
る。ロックアップクラッチを締結すべきロックアップ領
域変化である場合、ステップ19において、前記した|
N−N2|で表される制御の貢献度が設定値△NS 以上
か、未満かにより、制御可能域か制御不感帯域かを判別
する。そして、制御不感帯域ならステップ20でロック
アップクラッチの締結圧をフィードフォワード制御し、
制御可能域ならステップ21でロックアップクラッチの
締結圧をフィードバック制御する。
【0035】上記によるロックアップクラッチの制御に
付加して、ステップ22,23で前記パラメータ同定ロ
ジックによりトルクコンバータのスリップ量を推定し、
その結果をスリップ量推定値N2としてメモリし、ステ
ップ19での資料に供する。
【0036】以上のループは、ステップ24でトルクコ
ンバータスリップ量が目標値になったと判別するまで継
続され、これにより所定通りに、制御不感帯域から制御
可能域への移行、およびトルクコンバータのロックアッ
プ制御を遂行する。
【0037】ところで、上記ステップ22,23での処
理は、具体的には図5の如くにこれを行う。現在がK回
目の処理であるとすると、ステップ31では、制御指令
値を考慮したスリップ量推定値N1(K)を、過去のス
リップ量N(K−1),スリップ量N(K−2)・・・
・、過去のスロットル開度TVO(K−1),TVO
(K−2)・・・・、および過去の制御指令値D(K−
1),制御指令値D(K−2)・・・・に基づくスリッ
プ量推定ロジックにより求める。
【0038】次のステップ32では、スリップ量推定誤
差(K)を、上記の如くに求めたスリップ量推定値N1
(K)のスリップ量真値N(K)に対する差として演算
する。そしてステップ33で、上記したスリップ量の推
定に際し用いるパラメータ(K)を、スリップ量推定誤
差(K)の自乗が最小となるよう、最小自乗法ロジック
により修正して設定する。
【0039】更にステップ34において、制御指令値を
考慮しないスリップ量推定値N2(K)を、過去のスリ
ップ量N(K−1),スリップ量N(K−2)・・・
・、過去のスロットル開度TVO(K−1),TVO
(K−2)・・・・、および過去の制御指令値D(K−
1)=0,制御指令値D(K−2)=0・・・・に基づ
くスリップ量推定ロジックにより求める。
【0040】なお、厳密に車両負荷を規定したい場合に
は、上記スロットル開度に加えて車速が必要であり、車
速又はクラッチ回転出力をクラッチ系推定システムの入
力として上記に付加する必要があること勿論である。
【0041】
【発明の効果】かくして本発明によるクラッチの締結制
御装置は、請求項1に記載の如く、制御不感帯域で、ク
ラッチの締結度合をフィードフォワード制御し、制御可
能域で、クラッチの締結度合を、クラッチのスリップ量
に応じてフィードバック制御するに際し、スリップ量を
推定するために予め設定したクラッチ系推定システムを
用いて、クラッチへのトルク入力、クラッチのスリップ
量およびクラッチへの制御指令値から、スリップ量に対
する制御指令値の貢献度を推定し、かように推定した貢
献度が設定以上になった時に、制御不感帯域から制御可
能域へ移行したとして、上記フィードフォワード制御か
ら上記フィードバック制御に切り換える構成としたか
ら、過渡運転状態でも正確に制御不感帯域から制御可能
域への移行を判別し得ることとなり、制御不感帯域にも
かかわらずフィードバック制御が実行されて制御がでた
らめになり、クラッチが大きな締結ショックを生じた
り、スリップが制御目標値に対しオーバーシュートして
制御不安定になるといった弊害を解消することができ
る。
【0042】また上記の構成は例えば請求項2に記載の
如く、上記クラッチ系推定システムとして、制御指令値
を入れたものと、入れないものとの、少なくとも2種の
クラッチ系推定システムを設定し、制御指令値貢献度推
定手段が、これらシステムに基づくスリップ量推定値
と、スリップ量の真値との比較により上記貢献度を推定
するようなものとすることで具体化することができる。
【0043】なお、この具体化は請求項3に記載の如
く、クラッチ系推定システムとして、スリップ量とその
過去値、制御指令値とその過去値、クラッチのトルク入
力とその過去値により構成されたモデルを具え、該モデ
ルの出力である推定値と、このモデルから制御指令値に
よる部分を削除したクラッチ系推定システムの出力であ
る推定値と、実際のスリップ量とを比較して得られる差
に応じ、制御指令値貢献度推定手段が前記貢献度を推定
するようにすることで、一層現実的なものとなる。
【0044】又この際、請求項4に記載の如く、上記制
御指令値貢献度推定手段が、上記モデルによって上記ク
ラッチ系推定システムの同定を行い、その結果得られた
モデルから制御指令値による部分を削除したシステムの
出力である推定値と、スリップ量の真値とを比較して得
られる差に応じ、前記貢献度を推定するようになせば、
更に効果的に当該貢献度を推定することができる。
【0045】なお、この代わりに請求項5の如く、クラ
ッチ系推定システムに対し、そのモデルによってクラッ
チ系システムの同定を行い、その結果得られた制御指令
値による部分を所定の標準系と比較して得られる差か
ら、制御指令値貢献度推定手段が前記貢献度を推定する
ようにすることでも、効果的に当該貢献度の推定を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施の態様になる自動変速機用ロック
アップクラッチの締結制御装置を示す機能別ブロック線
図である。
【図2】同例における制御不感帯域−制御可能域判別動
作を示すスリップ量変化タイムチャートである。
【図3】同判別動作で制御不感帯域から制御可能域への
移行を判別する場合の動作を示す図2と同様なタイムチ
ャートである。
【図4】図1の例を、ロックアップクラッチ締結制御プ
ログラムとして示すフローチャートである。
【図5】同制御プログラムにおけるスリップ量推定プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図6】今迄において考えられる最良のロックアップク
ラッチ締結制御装置を示す機能別ブロック線図である。
【図7】同装置の、定常運転中における領域判別動作を
示すタイムチャートである。
【図8】同装置の、過渡運転中における領域判別動作を
示すタイムチャートである。
【符号の説明】
E エンジン T/C トルクコンバータ A/T 自動変速機 CNT コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/24 F16H 61/38 - 61/64 F16H 63/40 - 63/48 F16D 48/00 - 48/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッチの締結度合が制御指令値に関係
    なく変化する制御不感帯域で、該クラッチの締結度合を
    フィードフォワード制御し、制御不感帯域以外の制御可
    能域で、該クラッチの締結度合を、クラッチの入出力回
    転差により表されるスリップ量に応じてフィードバック
    制御するようにしたクラッチの締結制御装置において、 前記スリップ量を推定するために予め設定したクラッチ
    系推定システムを用いて、前記クラッチへのトルク入
    力、前記スリップ量および前記制御指令値から、前記ス
    リップ量に対する前記制御指令値の貢献度を推定する制
    御指令値貢献度推定手段と、 該手段により推定した貢献度が設定以上になった時に、
    制御不感帯域から制御可能域へ移行したとして、前記フ
    ィードフォワード制御から前記フィードバック制御に切
    り換える領域判定手段とを設けたことを特徴とするクラ
    ッチの締結制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記クラッチ系推定
    システムとして、前記制御指令値を入れたものと、入れ
    ないものとの、少なくとも2種のクラッチ系推定システ
    ムを設定し、制御指令値貢献度推定手段は、これらシス
    テムに基づくスリップ量推定値と、スリップ量の真値と
    の比較により前記貢献度を推定するようにしたことを特
    徴とするクラッチの締結制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、クラッチ系推定シス
    テムとして、スリップ量とその過去値、制御指令値とそ
    の過去値、クラッチのトルク入力とその過去値により構
    成されたモデルを具え、該モデルの出力である推定値
    と、このモデルから制御指令値による部分を削除したク
    ラッチ系推定システムの出力である推定値と、実際のス
    リップ量とを比較して得られる差に応じ、制御指令値貢
    献度推定手段が前記貢献度を推定するようにしたことを
    特徴とするクラッチの締結制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記制御指令値貢献
    度推定手段は、前記モデルによって前記クラッチ系推定
    システムの同定を行い、その結果得られたモデルから制
    御指令値による部分を削除したシステムの出力である推
    定値と、スリップ量の真値とを比較して得られる差に応
    じ、前記貢献度を推定するようにしたことを特徴とする
    クラッチの締結制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、クラッチ系推定シス
    テムに対し、そのモデルによってクラッチ系システムの
    同定を行い、その結果得られた制御指令値による部分を
    所定の標準系と比較して得られる差から、制御指令値貢
    献度推定手段が前記貢献度を推定するようにしたことを
    特徴とするクラッチの締結制御装置。
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