JP2576715B2 - 車両用直結クラッチ付流体式伝動装置のスリップ制御装置 - Google Patents

車両用直結クラッチ付流体式伝動装置のスリップ制御装置

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JP2576715B2
JP2576715B2 JP3128437A JP12843791A JP2576715B2 JP 2576715 B2 JP2576715 B2 JP 2576715B2 JP 3128437 A JP3128437 A JP 3128437A JP 12843791 A JP12843791 A JP 12843791A JP 2576715 B2 JP2576715 B2 JP 2576715B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用直結クラッチ付
流体式伝動装置のスリップ制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ロックアップクラッチ付トルクコンバー
タやロックアップクラッチ付フルードカップリングなど
のような直結クラッチを有する流体式伝動装置を備えた
車両において、たとえば車両の低速走行中におけるエン
ジンの周期的トルク変動を吸収するために、直結クラッ
チをスリップさせる制御装置が提案されている。たとえ
ば、特公昭63−13060号公報に記載された車両用
自動変速機の制御装置がそれである。このような形式の
制御装置によれば、たとえばマニホールド負圧およびエ
ンジン回転速度により表される車両の走行状態が予め記
憶されたスリップ領域にあると判定された場合には、1
0〜20r.p.m.程度に設定された目標スリップ回転速度
に一致するように、直結クラッチの実際のスリップ回転
速度が制御される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の車両用直結クラッチ付流体式伝動装置のスリッ
プ制御装置では、直結クラッチが解放状態からスリップ
制御へ切り換えられると、それまで大きな値が形成され
ていた直結クラッチの入力側回転速度(通常はエンジン
回転速度)と出力側回転速度(通常は自動変速機の入力
軸回転速度)との回転速度差が、急激に低下させられる
ことから、そのエンジン回転速度の急低下によってエン
ジンの慣性力が放出されてショックが発生し、運転の違
和感が生じる不都合があった。このような不都合は、ア
クセルペダルの踏み込み量が大きい運転状態ほど、スリ
ップ制御開始当初の直結クラッチの入力側回転速度と出
力側回転速度との回転速度差が大きいために顕著とな
る。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、直結クラッチが
解放状態からスリップ制御へ切り換えられることに関連
したショックが好適に解消される車両用直結クラッチ付
流体式伝動装置のスリップ制御装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】斯る目的を達成するため
の、本発明の要旨とするところは、図1のクレーム対応
図に示すように、車両用直結クラッチ付流体式伝動装置
において、目標スリップ回転速度と実際のスリップ回転
速度とが一致するようにその直結クラッチのスリップ量
を調節するスリップ調節手段を備えたスリップ制御装置
であって、(a)前記直結クラッチがその解放状態からス
リップ制御状態へ切り換えられたことを判定する切換判
定手段と、(b) その切換判定手段により前記直結クラッ
チがその解放状態からスリップ制御状態へ切り換えられ
たことが判定された場合には、その切換判定当初におけ
るその直結クラッチの入力側回転速度および出力側回転
速度の差を初期値とし且つその後エンジン負荷に応じた
減少率で緩やかに減少する目標スリップ回転速度を発生
させる目標スリップ回転速度発生手段とを、含むことに
ある。
【0006】
【作用】このようにすれば、切換判定手段により前記直
結クラッチがその解放状態からスリップ制御状態へ切り
換えられたことが判定された場合には、目標スリップ回
転速度発生手段により、その切換判定当初におけるその
直結クラッチの入力側回転速度および出力側回転速度の
差を初期値とし且つその後エンジン負荷に応じた減少率
緩やかに減少する目標スリップ回転速度が発生させら
れる。
【0007】
【発明の効果】したがって、上記のようにスリップ制御
状態への切換判定当初における直結クラッチの入力側回
転速度および出力側回転速度の差を初期値とし且つその
エンジン負荷に応じた減少率で緩やかに減少する目標
スリップ回転速度に、実際のスリップ回転速度が一致さ
せられるようにスリップ調節手段が直結クラッチのスリ
ップ量を調節するので、アクセルペダルの踏み込み量が
大きくスリップ制御開始当初の直結クラッチの入力側回
転速度と出力側回転速度との回転速度差が大きい状態で
あっても、直結クラッチの回転速度差を初期値とし且つ
エンジン負荷に応じた減少率で目標スリップ回転速度を
減少させることにより、ショックによる問題が生じない
範囲でエンジン回転速度を可及的に速やかに低下させる
ことができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2は、本発明の一実施例が適用された
車両用動力伝達装置の骨子図である。図において、エン
ジン10の動力はロックアップクラッチ付トルクコンバ
ータ12、3組の遊星歯車ユニットなどから構成された
有段式自動変速機14、および図示しない差動歯車装置
などを経て駆動輪へ伝達されるようになっている。
【0009】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16と連結されているポンプ翼車18
と、上記自動変速機14の入力軸20に固定され、ポン
プ翼車18からのオイルを受けて回転させられるタービ
ン翼車22と、一方向クラッチ24を介して非回転部材
であるハウジング26に固定されたステータ翼車28
と、ダンパ30を介して上記入力軸20に連結されたロ
ックアップクラッチ32とを備えている。トルクコンバ
ータ12内の係合側油室35よりも解放側油室33内の
油圧が高められると、ロックアップクラッチ32が非係
合状態とされるので、トルクコンバータ12の入出力回
転速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される。しか
し、解放側油室33よりも係合側油室35内の油圧が高
められると、ロックアップクラッチ32が係合状態とさ
れるので、トルクコンバータ12の入出力部材、すなわ
ちクランク軸16および入力軸20が直結状態とされ
る。
【0010】自動変速機14は、同軸上に配設された3
組のシングルピニオン型遊星歯車装置34,36,38
と、前記入力軸20と、遊星歯車装置38のリングギヤ
とともに回転する出力歯車39と前記差動歯車装置との
間で動力を伝達するカウンタ軸(出力軸)40とを備え
ている。それら遊星歯車装置34,36,38の構成要
素の一部は互いに一体的に連結されるだけでなく、3つ
のクラッチC0 ,C1 ,C2 によって互いに選択的に連
結されている。また、上記遊星歯車装置34,36,3
8の構成要素の一部は、4つのブレーキB0 ,B1 ,B
2 ,B3 によってハウジング26に選択的に連結される
とともに、さらに、構成要素の一部は3つの一方向クラ
ッチF0 ,F1 ,F2 によってその回転方向により相互
に若しくはハウジング26と係合させられるようになっ
ている。
【0011】上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキ
0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや
1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバ
ンドブレーキ等にて構成され、それぞれ油圧アクチュエ
ータによって作動させられるようになっており、後述の
電子制御装置42によりそれ等の油圧アクチュエータの
作動がそれぞれ制御されることにより、図3に示されて
いるように変速比I(=入力軸20の回転速度/カウン
タ軸40の回転速度)がそれぞれ異なる前進4段・後進
1段の変速段が得られる。かかる図3において、「1s
t」,「2nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」
は、それぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第
3速ギヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は
第1ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小
さくなる。なお、上記トルクコンバータ12および自動
変速機14は、軸線に対して対称的に構成されているた
め、図2においては入力軸20の回転軸線の下側および
カウンタ軸40の回転軸線の上側を省略して示してあ
る。
【0012】そして、上記自動変速機14のギヤ段を制
御するための変速制御用油圧制御回路44と、ロックア
ップクラッチ32の係合を制御するための係合制御用油
圧制御回路46とが設けられている。変速制御用油圧制
御回路44は、よく知られているようにソレノイドNo.1
およびソレノイドNo.2によってそれぞれオンオフ駆動さ
れる第1電磁弁48および第2電磁弁50を備えてお
り、それら第1電磁弁48および第2電磁弁50の作動
の組み合わせによって図3に示すようにクラッチおよび
ブレーキが選択的に作動させられて前記第1速ギヤ段乃
至第4速ギヤ段のうちのいずれかが成立させられるよう
になっている。
【0013】また、係合制御用油圧制御回路46は、図
2に示すように、リニアソレノイドであるソレノイドN
o.3により作動させられるリニアソレノイド弁52と、
ロックアップクラッチ32を解放状態とする解放側位置
とロックアップクラッチ32を係合状態とする係合側位
置とに切り換えられる切換弁54と、変速制御用油圧制
御回路42内の図示しないクラッチ圧調圧弁によりスロ
ットル弁開度に応じて発生させられるレギュレータ圧P
clを元圧とするスリップ制御弁56とを備えている。上
記リニアソレノイド弁52は、変速制御用油圧制御回路
42内で発生させられる一定のモジュレータ圧Pmodu
元圧とするものであって、電子制御装置42からの駆動
電流Isol の大きさに応じた大きさの出力圧Plin を連
続的に発生させ、この出力圧を上記切換弁54およびス
リップ制御弁56へ作用させる。
【0014】上記切換弁54は、図示しないスプール弁
子を解放側位置へ向かって付勢するスプリング58と、
前記レギュレータ圧Pclが供給される第1ポート60
と、スリップ制御弁56の出力圧が供給される第2ポー
ト62と、解放側油室35に接続された第3ポート64
と、係合側油室33に接続された第4ポート66と、ド
レンに接続された第5ポート68とを備えている。切換
弁54は、それに供給されるリニアソレノイド弁52の
出力圧Plin が予め定められた一定の値を下回ると、そ
のスプール弁子がスプリング58の付勢力に従って上記
解放側位置に位置させられて、第2ポート62を閉塞さ
せるとともに第1ポート60と第3ポート64、および
第4ポート66と第5ポート68の間をそれぞれ連通さ
せる。このため、切換弁54のスプール弁子に作用され
るリニアソレノイド弁52の出力圧Plin が予め定めら
れた一定の値を下回ると、切換弁54のスプール弁子が
スプリング58の付勢力に従って解放側位置に位置させ
られて、解放側油室35内の油圧Poff がレギュレータ
圧Pclとされると同時に係合側油室33内の油圧Pon
大気圧とされてロックアップクラッチ32が解放され
る。しかし、切換弁54のスプール弁子に作用されるリ
ニアソレノイド弁52の出力圧Plinが予め定められた
一定の値を超えると、切換弁54のスプール弁子がスプ
リング58の付勢力に抗して係合側位置へ切り換えられ
て、第5ポート68を閉塞させるとともに、第1ポート
60と第4ポート66、および第2ポート62と第3ポ
ート64の間をそれぞれ連通させる。このため、係合側
油室33内の油圧Ponがレギュレータ圧Pclとされると
同時に、解放側油室35内の油圧Poff がスリップ制御
弁56により圧力制御されてロックアップクラッチ32
がスリップ制御され或いは解放される。
【0015】上記スリップ制御弁56は、図示しないス
プール弁子を出力圧増加側へ付勢するためのスプリング
70を備えている。このスプール弁子には、出力圧増加
側へ向かう推力を発生させるために係合側油室33内の
油圧Ponが作用させられているとともに、出力圧減少側
へ向かう推力を発生させるために解放側油室35内の油
圧Poff およびリニアソレノイド弁52の出力圧Plin
がそれぞれ作用させられている。このため、スリップ制
御弁56は、数式1に示すように、スリップ量に対応す
る差圧ΔP(=Pon−Poff )がリニアソレノイド弁5
2の出力圧Plin に対応した値となるように作動する。
ここで、数式1において、Fはスプリング70付勢
力、A1 はスプール弁子における油圧Ponの受圧面積、
2 (但しA1 =A2 )は油圧Poff の受圧面積、A3
は出力圧Plin の受圧面積である。
【0016】
【数1】
【0017】したがって、上記のように構成されている
係合制御用油圧制御回路46では、係合側油室33内の
油圧Ponおよび解放側油室35内の油圧Poff は、図4
に示すように、リニアソレノイド弁52の出力圧Plin
に応じて変化させられるので、リニアソレノイド弁52
の出力圧Plin によって切換弁54の切換制御と、その
切換弁54が係合位置へ切り換えられた後のロックアッ
プクラッチ32のスリップ制御とがそれぞれ行われ得る
のである。
【0018】電子制御装置42は、CPU82、ROM
84、RAM86、図示しないインターフェースなどか
ら成る所謂マイクロコンピュータであって、それには、
エンジン10の吸気配管に設けられたスロットル弁開度
を検出するスロットルセンサ88、エンジン10の回転
速度を検出するエンジン回転速度センサ90、自動変速
機14の入力軸20の回転速度を検出する入力軸回転セ
ンサ92、自動変速機14のカウンタ軸40の回転速度
を検出するカウンタ軸回転センサ94、シフト操作レバ
ー96の操作位置、すなわちL、S、D、N、R、Pレ
ンジのいずれかを検出するための操作位置センサ98か
ら、スロットル弁開度θthを表す信号、エンジン回転速
度Ne (ポンプ翼車回転速度NP 、すなわちロックアッ
プクラッチ32の入力側回転速度Np )を表す信号、入
力軸回転速度Nin(タービン翼車回転速度NT 、すなわ
ちロックアップクラッチ32の出力側回転速度)を表す
信号、出力軸回転速度Nout を表す信号、シフト操作レ
バー96の操作位置Ps を表す信号がそれぞれ供給され
るようになっている。上記電子制御装置42のCPU8
2は、RAM86の一時記憶機能を利用しつつ予めRO
M84に記憶されたプログラムに従って入力信号を処理
し、自動変速機14の変速制御およびロックアップクラ
ッチ32の係合制御を実行するために第1電磁弁48、
第2電磁弁50およびリニアソレノイド弁52をそれぞ
れ制御する。
【0019】上記変速制御では、予めROM84に記憶
された複数種類の変速線図から実際の変速ギヤ段に対応
した変速線図が選択され、その変速線図から車両の走行
状態、たとえばスロットル弁開度θthと出力軸回転速度
out から算出された車速とに基づいて変速ギヤ段が決
定され、その変速ギヤ段が得られるように第1電磁弁4
8、第2電磁弁50が駆動されることにより、自動変速
機14のクラッチC0 ,C1 ,C2 、およびブレーキB
0 ,B1 ,B2 ,B3 の作動が制御されて前進4段のう
ちのいずれかのギヤ段が成立させられる。なお、図3は
シフト操作レバー96の各シフトレンジにおける変速段
と、その変速段を成立させる際のソレノイド,クラッ
チ,ブレーキ,および一方向クラッチの作動状態を示し
たものであり、ソレノイドの欄の「○」,「×」印はそ
れぞれ励磁状態,非励磁状態であることを表している。
また、クラッチおよびブレーキの欄の「○」印は係合状
態を表しており、無印は非係合状態を表している。更
に、一方向クラッチの欄の「○」印は正駆動時に係合状
態となることを表しており、無印は非係合状態を表して
いる。
【0020】以下、上記ロックアップクラッチ32の係
合制御作動を図5および図6のフローチャートを用いて
詳細に説明する。図において、ステップS1では、走行
中の車両の状態量である前記各種の入力信号が読み込ま
れるとともに、ステップS2では、ロックアップクラッ
チ32の係合条件が満足されたか否かが予めROM84
に記憶された関係から、車両の走行状態、たとえば出力
軸回転速度(車速)Nout およびスロットル弁開度θth
に基づいて判断される。この関係は、予め記憶された複
数種類の関係から実際のギヤ段に応じて選択されたもの
であり、たとえば図7に示すものが用いられる。図7に
おいては、係合領域と解放領域の境界線より解放領域側
であって低スロットル弁開度側には、運転性を損なうこ
となく燃費を可及的によくするために連結効果を維持し
つつエンジン10のトルク変動を吸収するスリップ制御
領域が設けられている。
【0021】実際の出力軸回転速度Nout およびスロッ
トル弁開度θthが図7に示す係合領域内にあるために上
記ステップS2における判断が肯定された場合には、ス
テップS3においてフラグXLCの内容が「0」にクリ
アされる。このフラグXLCは、その内容が「1」であ
るときに図7の解放領域を一旦経ていることを示すもの
である。次いで、ステップS4においてリニアソレノイ
ド弁52に対する駆動電流Isol が100%、すなわち
最大駆動電流(定格値)に設定された後、ステップS5
においてその駆動電流Isol が出力される。これによ
り、図4に示すように、係合側油室33内の油圧Pon
その最大値であるレギュレータ圧Pclとされると同時
に、解放側油室35内油圧Poff がその最小値、すなわ
ち大気圧とされるので、ロックアップクラッチ32が係
合状態とされる。
【0022】しかし、実際の出力軸回転速度Nout およ
びスロットル弁開度θthが図7に示す係合領域内にない
場合にはステップSにおける判断が否定されるので、
ステップS6においてスリップ制御条件が満足されたか
否かが判断される。このスリップ制御条件は、実際の出
力軸回転速度Nout およびスロットル弁開度θthが図7
に示すスリップ制御領域内にあることである。上記ステ
ップS6の判断が否定された場合には、実際の出力軸回
転速度Nout およびスロットル弁開度θthが図7に示す
解放領域内にある状態であるので、ステップS7におい
てフラグXLCの内容が「1」にセットされるととも
に、ステップS8において実際のスリップ回転速度N
slip T が数式2からエンジン回転速度Ne およびタービ
ン回転速度NT に基づいて算出される。
【0023】
【数2】
【0024】そして、続くステップS9においてリニア
ソレノイド弁52に対する駆動電流Isol が0%、すな
わち最小駆動電流に設定された後、ステップS5におい
てその駆動電流Isol が出力される。これにより、図4
に示すように、解放側油室35内の油圧Poff がその最
大値であるレギュレータ圧Pclとされると同時に、係合
側油室33内油圧Ponがその最小値、すなわち大気圧と
されるので、ロックアップクラッチ32が解放状態とさ
れる。
【0025】上記ステップS6における判断が肯定され
た場合には、車両条件が図7に示すスリップ制御領域内
にある状態であるので、ステップS10乃至S21にお
いてロックアップクラッチ32のスリップ制御が実行さ
れる。先ず、ステップS10においては、たとえば図8
に示す関係からスロットル弁開度θthおよびタービン回
転速度NT に基づいて定常状態の目標スリップ回転速度
slip T c が決定される。この図8に示す関係は、定常
走行時のスリップ制御領域内において連結状態を保持し
つつエンジン10のトルク変動を好適に吸収して可及的
に燃費を改善するように予め求められたものである。そ
して、上記定常状態の目標スリップ回転速度Nslip T c
が決定されると、ステップS11においてフラグXLC
の内容が「1」であるか否かが判断される。
【0026】図7の解放領域を経ないでステップS11
が実行された場合には、フラグXLCの内容が「1」で
はなく本ステップS11の判断が否定されるので、ステ
ップS17においては、前記ステップS10で求められ
た定常状態の目標スリップ回転速度Nslip T c がレジス
タAに一旦記憶され、ステップS18においてそのレジ
スタAの内容である定常状態の目標スリップ回転速度N
slip T c が目標スリップ回転速度Nslip T として設定さ
れる。そして、ステップS19において実際のスリップ
回転速度Nslipが数式3からエンジン回転速度Ne およ
びタービン翼車回転速度NT に基づいて算出されるとと
もに、ステップS20において制御偏差ΔNが数式4か
ら目標スリップ回転速度Nslip T および実際のスリップ
回転速度Nslipに基づいて算出される。
【0027】
【数3】
【0028】
【数4】
【0029】そして、ステップS21では、リニアソレ
ノイド弁52に対する駆動電流Isol が数式5に示す制
御式から算出され、ステップS5においてその駆動電流
sol が出力される。この制御式は上記制御偏差ΔNを
解消するためのPIDフィードバック制御を実行するた
めのものである。
【0030】
【数5】
【0031】しかし、図7の解放領域を経てからステッ
プS11が実行された場合には、フラグXLCの内容が
「1」であって本ステップS11の判断が肯定されるの
で、ステップS12において、たとえば図9に示す予め
記憶された関係から実際のスロットル弁開度θthに基づ
いて、過渡時の目標スリップ回転速度Nslip T の減少値
ΔNs が算出される。この関係は、ロックアップクラッ
チ32のスリップ制御開始直前のエンジン回転速度Ne
とタービン回転速度NT との回転速度差を初期値とする
目標スリップ回転速度Nslip T がショックによる問題を
生じない範囲で過給的に速やかに定常状態の目標スリッ
プ回転速度Nslip T c へ復帰させるように予め実験的に
求められたものである。そして、続くステップS13で
は、前記ステップS8において求められた目標スリップ
回転速度Nslip T がレジスタAにセットされるととも
に、ステップS14では、そのレジスタAの内容から上
記ステップS12において決定された減少値ΔNs だけ
減算される。
【0032】続くステップS15では、上記レジスタA
の内容が定常状態の目標スリップ回転速度Nslip T c
下となったか否かが判断される。このステップS15が
最初に実行されてから所定の期間内では未だレジスタA
の内容が定常状態の目標スリップ回転速度Nslip T c
りも大きいので上記ステップS15の判断が否定され
て、前記ステップS18以下が実行される。このため、
上記のステップが繰り返し実行されることにより、ロッ
クアップクラッチ32のスリップ制御開始当初のエンジ
ン回転速度Ne とタービン回転速度NT との回転速度差
を初期値とする目標スリップ回転速度Nslip T は図10
に示すように緩やかに減少させられる。
【0033】そして、レジスタAの内容、すなわち目標
スリップ回転速度Nslip T が定常状態の目標スリップ回
転速度Nslip T c に到達すると、ステップS15の判断
が肯定されるので、ステップS16においてフラグXL
Cの内容が「0」にリセットされた後、前記ステップS
17以下が実行される。このため、これ以後は、定常状
態の目標スリップ回転速度Nslip T c を内容とする目標
スリップ回転速度Nslip T と実際のスリップ回転速度Δ
Nとが一致するようにロックアップクラッチ32のスリ
ップ制御が実行される。
【0034】上述のように、本実施例においては、切換
判定手段に対応するステップS11によりロックアップ
クラッチ32がその解放状態からスリップ制御状態へ切
り換えられたことが判定された場合には、目標スリップ
回転速度発生手段に対応するステップS12乃至ステッ
プS18により、その切換判定当初におけるエンジン回
転速度Ne (=ロックアップクラッチ32の入力側回転
速度Np )とタービン回転速度NT (=ロックアップク
ラッチ32の出力側回転速度)との回転速度差を初期値
とし且つその後スロットル弁開度θ th に応じた減少値Δ
s 緩やかに減少する目標スリップ回転速度Nslip T
が発生させられる。そして、その目標スリップ回転速度
slip T と実際のスリップ回転速度ΔNとが一致するよ
うにロックアップクラッチ32のスリップ制御が実行さ
れるので、図10に示すように、アクセルペダルの踏み
込み量が大きくスリップ制御開始当初のロックアップク
ラッチ32の入力側回転速度N p と出力側回転速度との
回転速度差が大きい運転状態であっても、ロックアップ
クラッチ32の回転速度差を初期値とし且つスロットル
弁開度θ th に応じた減少値ΔN s で目標スリップ回転速
度N slip T を減少させることにより、ショックによる問
題が生じない範囲でエンジン回転速度N e を可及的に速
やかに低下させることができる。
【0035】因に、従来の制御装置では、図11に示す
ように、ロックアップクラッチ32の解放状態からスリ
ップ制御へ移行すると、スリップ制御が開始されること
により、それまで大きな値であったエンジン回転速度N
e とタービン回転速度NT との回転速度差が急速に小さ
くされることから、エンジン回転速度Ne も同様に低下
させられて、ショックが発生していたのである。
【0036】また、本実施例によれば、ロックアップク
ラッチ32の解放状態からスリップ制御へ切り換えられ
たことに関連して、その切換当初のエンジン回転速度N
e とタービン回転速度NT との回転速度差を初期値とし
且つその後緩やかに減少する目標スリップ回転速度N
slip Tがスリップ制御の目標値として用いられるため、
トルクコンバータ12、油圧制御系、エンジン10など
の特性の固体差や経時変化に拘わらず、同様な切換感が
得られる。
【0037】以上、本発明の一実施例図面に基づいて説
明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。たとえば、前述の実施例において、ロックアップク
ラッチ32の解放状態からスリップ制御への切り換えに
際して、目標スリップ回転速度Nslip T は、その切換当
初のエンジン回転速度Ne とタービン回転速度NT との
回転速度差(=Ne−NT )がその初期値とされていた
が、たとえば0.8、0.9などの係数kが乗算された
値k(Ne −NT )が初期値とされてもよい。
【0038】
【0039】また、前述の実施例では、トルクコンバー
タ12の後段に有段の遊星歯車式自動変速機14が設け
られていたが、無段変速機であってもよいのである。
【0040】また、前述の実施例において、直結クラッ
チ付トルクコンバータ12について説明されていたが、
直結クラッチ付フルードカップリングであってもよい。
要するに、直結クラッチを有する流体式伝動装置であれ
ばよいのである。
【0041】また、前述の実施例の係合用油圧制御回路
46では、スリップ量に対応する差圧ΔP(=Pon−P
off )がリニアソレノイド弁52の出力圧Plin に対応
した値となるように作動するスリップ制御弁56が用い
られていたが、そのように差圧ΔPを自動的に出力圧P
lin に対応した値となるように作動しない通常の流量制
御弁が用いられても差し支えない。
【0042】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例の制御装置およびそれが適用
された車両用動力伝達装置の骨子図である。
【図3】図2の流体式伝動装置に備えられた自動変速機
において、第1電磁弁および第2電磁弁の作動の組み合
わせとそれにより得られる変速段との関係を説明する図
表である。
【図4】図2の係合制御用油圧制御回路において、リニ
アソレノイド弁の出力圧Plin とロックアップクラッチ
の係合側油室内油圧Ponおよび解放側油室内油圧Poff
との関係を説明する図である。
【図5】図2のトルクコンバータに備えられたロックア
ップクラッチの係合制御作動を説明するフローチャート
の一部である。
【図6】図2のトルクコンバータに備えられたロックア
ップクラッチの係合制御作動を説明するフローチャート
の一部である。
【図7】図5および図6のフローチャートにおいて用い
られる関係を示す図である。
【図8】図5および図6のフローチャートにおいて用い
られる関係を示す図である。
【図9】図5および図6のフローチャートにおいて用い
られる関係を示す図である。
【図10】図5および図6のフローチャートにより得ら
れる作動を説明するタイムチャートである。
【図11】従来の係合制御における作動を説明するタイ
ムチャートである。
【符号の説明】
12 トルクコンバータ(流体式伝動装置) 32 ロックアップクラッチ(直結クラッチ) 46 係合制御用油圧制御回路(スリップ調節手段) ステップS11 切換判定手段 ステップS12乃至S18 目標スリップ回転速度発生
手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−116929(JP,A) 特開 昭59−217056(JP,A) 特開 平2−35266(JP,A) 特開 昭60−159466(JP,A) 特開 昭60−1461(JP,A) 特公 昭63−13060(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用直結クラッチ付流体式伝動装置に
    おいて、目標スリップ回転速度と実際のスリップ回転速
    度とが一致するように該直結クラッチのスリップ量を調
    節するスリップ調節手段を備えたスリップ制御装置であ
    って、 前記直結クラッチがその解放状態からスリップ制御状態
    へ切り換えられたことを判定する切換判定手段と、 該切換判定手段により前記直結クラッチがその解放状態
    からスリップ制御状態へ切り換えられたことが判定され
    た場合には、その切換判定当初における該直結クラッチ
    の入力側回転速度および出力側回転速度の差を初期値と
    し且つその後エンジン負荷に応じた減少率で緩やかに減
    少する目標スリップ回転速度を発生させる目標スリップ
    回転速度発生手段とを含むことを特徴とする車両用直結
    クラッチ付流体式伝動装置のスリップ制御装置。
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