JP3837610B2 - 自動変速機のロックアップ制御装置 - Google Patents

自動変速機のロックアップ制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンと自動変速機との間を直結するロックアップクラッチを有する車両における自動変速機のロックアップ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロックアップクラッチ付トルクコンバータやロックアップクラッチ付フルードカップリングを搭載した車両のように、燃費向上のためエンジンと自動変速機とを直結するためのロックアップクラッチを備えた車両が公知である。
【0003】
このような車両では、より燃費を向上するため、複数段のギア段においてロックアップ、或は、スリップロックアップを行うようにトルクコンバータ入力回転数とトルクコンバータ出力回転数の回転差、所謂スリップ回転数を所定値に維持するスリップ制御を実行するためのロックアップ制御手段が設けられている。
【0004】
この場合、上記複数の変速段においてロックアップ制御を夫々行うので、ロックアップ制御中に変速を伴う場合は多々考えられる。
【0005】
ところが、車両のスロットル操作等に関連して自動変速機の変速が発生した場合には、従来、その変速期間内において、上記ロックアップ制御手段により、ロックアップクラッチの係合圧が作用されているので、変速終了時において変速ショックが顕著となる不具合がある。
【0006】
このような不具合を解消する手段としては、例えば、特開平5−172239号公報に記載されたロックアップ制御装置が知られている。
【0007】
この従来のロックアップ制御装置では、トルク相からイナーシャ相への移行を検知し、この検知後にロックアップ制御量を徐々に低下させるように構成されているので、適切なタイミングで応答良く、かつ、滑らかに滑り状態に移行させて変速ショックの発生を有効に防止することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のロックアップ制御装置では、ロックアップ係合圧の変化値を、オープン値または前回の変速時の所定値からの学習制御によって求めるように構成しているが、変速毎のエンジン負荷等の走行状態の差異は少なからず発生し、オープン値または前回の変速時の所定値を用いた場合、最悪の場合はロックアップが解放されず変速ショック性能が改善されない虞れを有していると共に、変速ショックの発生のみに着目して構成されているので、ロックアップ係合圧を必要以上に小さくして、変速後の運転性や燃費において不利となりかねない、という虞れも有していた。
【0009】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、ロックアップ制御中に変速が発生した場合でも、各変速状態により変化する諸変量に基づくリアルタイムフィードバック制御により、各々の変速時の運転状態に適した制御値を求めることで、その変速に起因する変速ショックを緩和することができる自動変速機のロックアップ制御装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明にあっては、
エンジンと自動変速機との間を直結するロックアップクラッチ
予め設定された変速線からエンジンの負荷量に基いて自動変速機のギア段を制御する変速制御手段と、
車両の減速走行中には上記ロックアップクラッチのスリップ制御量を所定値に維持するようにスリップ制御圧を調整するスリップ制御手段と
実際のエンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、
ロックアップクラッチの締結中の変速指令を検知する変速指令検知手段と、
前記変速指令検知後にトルク相からイナーシャ相への移行を検知するイナーシャ相検知手段と、
前記イナーシャ相中の目標エンジン回転速度を演算する目標エンジン回転速度演算手段と、
前記エンジン回転速度検出手段により検出されたエンジン回転速度と前記目標エンジン回転速度演算手段により演算された目標エンジン回転速度との差分がゼロとなるように上記ロックアップクラッチの締結力を変化させるスリップ制御圧変化手段と、を具備してなることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】
かかる構成により、この発明に係る自動変速器のロックアップ制御装置にあっては、変速指令検知手段により変速開始を検知した後、イナーシャ相検出手段によりロックアップ制御中の変速のイナーシャ相開始が判定された場合には、エンジン回転速度検出手段により求められた実際のエンジン回転数と、目標エンジン回転速度演算手段により算出された目標エンジン回転速度との差が「0」となるように、スリップ制御圧変化手段により各変速状態に対応した最適のロックアップ係合圧にリアルタイムフィードバック制御することができるため、各変速時の自動変速機の諸変量が変化しても、変速終了時にはロックアップクラッチの締結力を所定の範囲にすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の一形態例に基づきこの発明を詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明の一形態例が適用された車両用動力伝達装置のスケルトン図である。同図において、エンジン50の動力は、ロックアップクラッチ付トルクコンバータ30や、2組の遊星歯車組等から構成された有段式自動変速機15等を経て駆動輪へ伝達されるように構成されている。
【0014】
上記トルクコンバータ30は、エンジン50のクランク軸1に連結されているポンプ翼車32と、上記自動変速機15の入力軸2に固定され該ポンプ翼車32からのオイルを受けて回転させられるタービン翼車33と、一方向クラッチ34を介して非回転部材であるハウジング35に固定されたステータ翼車36と、ダンパ37を介して上記入力軸2に連結されたロックアップクラッチ31と、を備えて構成されている。
【0015】
そして、上記トルクコンバータ30内の係合側油室38よりも解放側油室39内の油圧が、後記する係合制御用油圧制御回路60によって高められると、ロックアップクラッチ31が非係合状態とされるので、トルクコンバータ30の入出力回転速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される。
【0016】
一方、上記解放側油室39よりも係合側油室38内の油圧が高められると、ロックアップクラッチ31が係合状態とされるので、トルクコンバータ30の入出力部材、即ち、クランク軸1及び入力軸2が直結状態とされる。
【0017】
自動変速機15は、前記入力軸2や出力軸3の入出力軸間に同軸に第1遊星歯車組3及び第2遊星歯車組4を介装して構成されていると共に、締結・解放切換により変速を行うためクラッチやブレーキ等を内蔵して構成されている。
【0018】
上記入力軸2には、前記トルクコンバータ30を経て車両のエンジン10からの動力が入力され、この入力軸2を第2サンギヤ5Sに結着する。ここでは、上記入力軸2は、さらにハイクラッチ7(H/C)により第1キャリア4Cに結合が可能であり、リバースクラッチ6(R/C)により第1サンギヤ4Sに結合が可能である。
【0019】
第1サンギヤ4Sは、さらにバンドブレーキ(B/B)により固定が可能であり、第1キャリア4Cは、さらにローリバースブレーキ10(LR/B)により固定が可能であると共に、フォワードクラッチ9(F/C)により第2リングギヤ5Rに結合が可能である。
【0020】
また、第1リングギヤ4R及び第2キャリア5Cを相互に駆動結合し、これらを出力軸3に結合する。かかるギヤトレーンにおいて、摩擦要素H/C,R/C,B/B,FWD/Cの締結(〇印で示す)・解放(無印)と選択変速段との関係を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003837610
【0022】
また、上記係合制御用油圧制御回路60は、例えば、エンジンにより駆動されるオイルポンプ(図示せず)からの吐出油に基づいて変速を行うのに必要な制御圧を作り出すバルブ郡で構成された自動変速機コントロールバルブユニットで構成され、図2に示すように、ロックアップコントロールバルブ80に対しパイロット圧を供給する。
【0023】
ロックアップソレノイド90は、自動変速機コントロールユニット(以下、ATCUという。)70からのデューティ指令によりスリップロックアップ制御圧PL/Uを作り出すバルブである。尚、上記デューティ指令とは、所定の周期でON信号とOFF信号を繰り返す指令をいう。
【0024】
即ち、ON−OFF信号のうちON時間の割合が大きいほどスリップロックアップ制御圧PL/Uが高くなり、ON時間の割合が小さいほどスリップロックアップ制御圧PL/Uが低くなる。
【0025】
具体的には、ロックアップ解除時には、図6に示すように、ATCU70からロックアップソレノイド90へのデューテイ信号のON時間割合を小さくするとロックアップソレノイド90のドレーンが「閉」となる。
【0026】
このため、油室81にパイロット圧が加わり、バルブ85は左側へ移動する。図2の状態はこの状態である。すると、ライン圧はリリーフバルブで2つに分かれ、一方はトルクコンバータ31の係合側油室38に加わり、もう一方は、バルブ85が左側にあるために、油路82から油路86を通り、トルクコンバータ31の解放側油室39に加わる。従って、係合側油室38と解放側油室39の圧力が等しくなるため、ロックアップは解除される。
【0027】
逆に、ロックアップ係合時には、ATCU70からロックアップソレノイド90へのデューテイ信号のON時間割合を大きくすると、ロックアップソレノイド90のドレーンが「開」となり、油室81に加わっていたパイロット圧は加わらなくなる。そして、ロックアップコントロールバルブ80のバルブ85には、右側へ押す力としてパイロット圧が油室83に加わり、バルブ85は右側へ移動して油路82と油路86は「閉」となるため、ライン圧は係合側油室38には加わるが、解放側油室39には加わらず、ロックアップピストン31を係合側へ移動させる。
【0028】
さらに、スリップロックアップ時には、図6に示すように、ATCU70からロックアップソレノイド90へのデューティ信号のON時間割合を所定範囲内の値とすることで、ロックアップソレノイド90のドレーンが「開」と「閉」の中間になる。この場合、ロックアップコントロールバルブ80の油室81と油室83の圧力の釣り合う位置にバルブ85は移動することで、スリップロックアップ制御圧が調整される。
【0029】
図1に戻って、上記自動変速機の変速制御のため、エンジン回転Neを検出するエンジン回転センサ100と、タービン回転(変速機入力回転)Ntを検出するタービン回転センサ101と、出力軸回転(変速機出力回転)Noを検出する出力軸回転センサ102と、スロットル開度TVOを検出するアイドルスイッチ付きのスロットル開度センサ103及び自動変速機油温(AT油温)Tatを検出する油温センサ104からの夫々の信号がATCU70に入力される。
【0030】
また、該当するときは、車速センサからの車速Vsen情報を、さらに、スイッチ信号よりアイドルスイッチ(IdleSW)のON/OFF情報を入力することもできる。
【0031】
ATCU70は、内部の演算処理回路CPU71がRAM72の一時記憶機能を利用しつつ予めROM73に記憶されたプログラムに従って、上記各入力信号を処理し、自動変速機15の変速制御およびロックアップクラッチ31のスリップ制御等を実行するため、油圧制御回路60内の複数の電磁弁に制御信号を出力する。
【0032】
上記変速制御では、予めROM73に記憶された複数種類の変速線図から実際の変速ギア段に対応した、例えば、図3に示す変速線図が選択され、その変速線図から車両の走行状態、例えば、スロットル開度TVOと出力軸回転数Noから算出された車速Vsenとに基いて変速ギア段が決定され、その変速ギア段が得られるように上記電磁弁に制御信号を出力することで、自動変速機15の摩擦要素H/C,R/C,B/B,LR/B,FWD/Cの作動が制御されて前進4段の内のいずれかのギア段が決定される。
【0033】
具体的な変速時の摩擦要素の作動として、オートアップ時(Dレンジ選択中のアップシフト時)の上記ギヤトレーンの変速制御による1速から2速への変速の場合は、表1から明らかなように、ローリバースブレーキLR/B10を解放しバンドブレーキB/B8を締結することで達成される。
【0034】
同様に、2速から3速への変速の場合は、バンドブレーキB/B8を解放しハイクラッチH/Cを締結することで、また、3速から4速への変速の場合は、フォワードクラッチFWD/C9を解放しバンドブレーキB/B8を締結することで、これらの変速は達成される。
【0035】
上記ロックアップクラッチ31の係合制御では、予めROM73に記憶された複数種類の関係から、自動変速機のギア段に対応した、例えば、図4に示す関係が選択され、その関係から車両の出力軸回転速度(車速)Noおよびスロットル弁開度TVOに基いて、ロックアップクラッチ31の解放領域か、スリップ制御領域か、係合領域のいずれであるかが判断される。
【0036】
図4においては、係合領域と解放領域との境界線より解放領域側であって、低スロットル弁開度側には、運転性を損なうことなく燃費を可及的によくするために、連結効果を維持しつつエンジン50のトルク変動を吸収するスリップ制御領域が設けられている。
【0037】
上記車両の走行状態が図4に示す係合領域内にあると判断されると、ATCU70から上記係合制御用油圧制御回路60にデューティ比最小値がロックアップソレノイド4に指令され、スリップロックアップ制御圧PL/Uは最大のパイロット圧まで高くなり、ロックアップコントロールバルブ5が切り換わることによって、前記スリップロックアップ制御圧PL/Uを係合側油室に供給するので、ロックアップクラッチ31が係合させられる。
【0038】
また、車両の走行状態が図4に示す解放領域内にあると判断されると、ATCU70から上記係合制御用油圧制御回路60にデユーティ比最小値がロックアップソレノイド90に指令され、スリップロックアップ制御圧PL/Uは最大のパイロット圧まで高くなり、ロックアップコントロールバルブ80が切り換わることによって、前記スリップロックアップ制御圧PL/Uを解放側油室に供給するので、ロックアップクラッチ31は解放される。
【0039】
そして、車両の走行状態が図4に示すスリップ制御領域内にあると判断されると、ロックアップコントロールバルブ80が切り換わることによって、スリップロックアップ制御圧PL/Uは係合側油室に供給され、ATCU70から上記係合制御用油圧制御回路60に、例えば、数1に従ってデューティ比Dslipがロックアップソレノイド90に指令され、スリップロックアップ制御圧PL/Uが調整される。
【0040】
【数1】
Figure 0003837610
【0041】
即ち、目標スリップ回転速度NslipTと実際のスリップ回転速度Nslip(=Ne−Nt)との偏差ΔN(=Nslip−NslipT)が解消されるように、フィードフォワード制御値Dfwd及びフィードバック制御値Df/bが決定され、それらが加算されることによりロックアップソレノイド4に対するデューティ比Dslipが算出されて出力される。
【0042】
図5は、上記ATCU70の作動の要部を説明する機能ブロック図である。同図において、変速制御手段200は、予め記憶された変速線図から自動変速機15の変速判断を実行し変速信号を出力する。
【0043】
スリップ制御手段202は、予め記憶されたスリップ領域内では、ロックアップクラッチ31を所定の目標スリップ回転速度NslipTとなるようにスリップロックアップ制御圧PL/Uを調節する。
【0044】
そして、変速指令検知手段208により車両がロックアップ制御中の変速と判定され、イナーシャ相検出手段204によりロックアップ制御中における自動変速機15の変速中であると判定された場合には、目標エンジン回転速度演算手段212により自動変速機15の諸変量から目標エンジン回転速度を算出し、その上記目標エンジン回転速度と、エンジン回転速度検出手段210により求められた実際のエンジン回転数との差分が「0」となるように、上記ロックアップクラッチ31の締結力をスリップ制御圧変化手段206により変化させて、変速終了時にはロックアップクラッチ31の締結力を所定の範囲内となるように制御するので、ロックアップ制御中の変速に起因する変速ショックの発生が最適の状態で緩和される。
【0045】
次に、図7に基づき、減速走行時におけるATCU70のロックアップクラッチ31の減速スリップ制御作動の要部を、図8のタイムチャートを参照しつつ説明する。尚、図8のタイムチャートは、アクセルペダル操作に関連して上記自動変速機15が第3速ギヤ段から第4速ギヤ段へアップシフトされる場合を示している。
【0046】
図7のステップS1では、スロットル開度センサ103の出力値変化等によって変速フラグが立ったか否かが判断される。このステップS1の判断が否定された場合には本ルーチンは終了させられる。
【0047】
しかし、上記ステップS1の判断が肯定された場合には、図8のa時点で示すように、自動変速機15の変速が開始された状態であるので、続くステップS2において変速開始時のロックアップ制御状態が判断される。
【0048】
変速開始時にロックアップ開放状態であった場合には、ステップS2の判断は肯定され本ルーチンは終了させられるが、否定された場合、つまりロックアップの状態が係合状態かスリップロックアップ状態であった場合には、ステップS2の判断は否定される。
【0049】
ステップS3では後記するステップS4の判断及びステップS5の処理に必要な自動変速機の諸変量を読み込む。例えば、自動変速機15の変速段とロックアップ係合状態が上記のように夫々図3,図4によって決定されるならば、エンジン回転NeS,スロットル開度TVO,車速Vsen,現在変速段CurGear,現在ロックアップ状態CurLU,変速後変速段NxtGear,変速後ロックアップ状態NxtLUが読み込まれる。
【0050】
続いて実行されるステップS4では、変速後のロックアップの状態が解放状態か否かが判断される。この変速後のロックアップの状態は、先のステップS3にて読み込まれたNxtLUにより判断されるもので、解放状態であれば判断は肯定され本ルーチンは終了させられるが、否定されれば、つまり、変速後のロックアップの状態が係合状態かスリップロックアップ状態であれば、次のステップS5に進む。
【0051】
ステップS5では、次のステップS6の判断において肯定された場合、つまりイナーシャ相の開始が検知された以降のスリップロックアップ制御圧PL/Uを制御するための目標値である目標エンジン回転速度NE(t)を算出する。
【0052】
目標エンジン回転速度NE(t)の具体的算出方法は、例えば、ロックアップ状態が変速前は係合状態で、変速後がスリップロックアップの場合について説明すると、ステップS3にて読み込まれたエンジン回転NeSと、現在変速段CurGearと、変速後変速段NxtGearと、各変速段iに対応したギア比GP(i)から、変速中には車速Vsenは略一定と仮定して、ロックアップ状態が変速期間を通じて係合状態の場合の変速終了時のエンジン回転Ne’は、数2となる。
【0053】
【数2】
Figure 0003837610
【0054】
この変速終了時のエンジン回転Ne’に、エンジン負荷、例えば、スロットル開度TVOなどの変数によって決定される変速終了時のスリップ回転数NslipE(TVO)を加えた回転数を、数3で示す実際の目標回転数NEとする。
【0055】
【数3】
Figure 0003837610
【0056】
さらに、イナーシャ相が開始されてから終了するまでの時間を、エンジン負荷、例えば、スロットル開度TVOなどの変数によって決定される時間Tend(TVO)の間に、イナーシャ相開始時のエンジン回転NeSから上記で求めた目標回転数NEまでを、連続して結ぶような目標エンジン回転速度NE(t)を求める。
【0057】
この2次関数NE(t)は、例えば以下の条件を満足するように求められる。
〈条件1〉 NE(0)=NeS
〈条件2〉 NE(Tend)=NE
〈条件3〉 dNE(t=Tend)/dt=NE’(t=Tend)≒0
〈条件4〉 d2 NE(t)/dt2 ≒一定
【0058】
イナーシャ相中の出力トルクは、エンジン回転の微分値に比例するため、以上の条件を満足する目標エンジン回転速度NE(t)を求めると、図8に示すような出力トルク波形になる。
【0059】
ステップS6では、上記イナーシャ相検出手段204により、トルク相(1組の摩擦要素が滑っており、他方が完全に係合している状態)からイナーシャ相(2組の摩擦要素が共に滑っている状態)への移行を検知し、イナーシャ相が開始したいか否かを判断する。当初はこの判断は否定されるが、時間が経過するとこの判断は肯定される。図8のb時点で示す状態がこの状態である。
【0060】
具体的なイナーシャ相検知方法を、例えば、図9に示すフローチャートと図10に示すタイムチャートに基いて説明する。
【0061】
図7に示すステップS6に処理が開始されると、図9に示した制御が開始される。
【0062】
図9のステップSA1は、変速中のエンジン回転数変化率ΔNe/Δtが所定値”−Ci start”以下になったか否かが判断される。
【0063】
この判断が否定されれば、図10のaからbの状態、つまりトルク相であると判断され、ステップSA3でリターン値をNOとする。しかし、図10のb以降の状態となると、上記判断は肯定されてイナーシャ相が開始されたと判断し、続くステップSA2においてリターン値をYESとする。
【0064】
続く、ステップS7では、本制御が行われている期間だけ作動させるタイマーTMの計時作動が開始され、ステップS8では数4から求められる偏差ERRが常に「0」となるようにフィードバック(F/B)制御が行われる。
【0065】
【数4】
Figure 0003837610
【0066】
ステップS9では変速終了の判断、例えば、タイマーTMが先のステップS5で求めた時間Tendを越えたか否かが判断され、この場合には、当初は否定されステップS8が繰り返し実行されるが、繰り返される内にステップS9の判断は肯定され、本ルーチンを終了する。図8のc時点に示すのがこの状態であり、この後は通常のロックアップ制御が開始される。
【0067】
このように変速指令検知手段208により変速開始を検知した後、イナーシャ相検出手段204によりロックアップ制御中の変速のイナーシャ相開始が判定された場合には、エンジン回転速度検出手段210により求められた実際のエンジン回転数と、目標エンジン回転速度演算手段212により算出された目標エンジン回転速度との差が「0」となるように、スリップ制御圧変化手段206により各変速状態に対応した最適のロックアップ係合圧にリアルタイムフィードバック制御することができるため、各変速時の自動変速機の諸変量が変化しても、変速終了時にはロックアップクラッチの締結力を所定の範囲にすることができるという効果が得られる。
【0068】
【発明の効果】
この発明に係る自動変速機のロックアップ制御装置にあっては、以上説明したように、ロックアップ制御中に変速が発生した場合でも、各変速状態により変化する諸変量に基づくリアルタイムフィードバック制御により、各々の変速時の運転状態に適した制御値を求めるように構成したので、その変速に起因する変速ショックを緩和することができる等の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態例に係るスリップ制御装置が適用された車両用動力伝達装置の構成を示すスケルトン図である。
【図2】同車両用動力伝動装置の油圧制御回路の要部構成を説明する説明図である。
【図3】同車両用動力伝動装置の電子制御装置の変速制御に用いられる変速線を示す図である。
【図4】同電子制御装置のロックアップクラッチの係合制御に用いられる車両の走行状態とロックアップクラッチの係合状態との関係を示す図である。
【図5】同電子制御装置の制御機能の要部構成を示すブロック図である。
【図6】同車両用動力伝動装置のロックアップソレノイドバルブの出力特性を示す図である。
【図7】同電子制御装置における新たに開始するロックアップ制御の制御作動を説明するフローチャートである。
【図8】図7の制御作動を説明するタイムチャートである。
【図9】同車両用動力伝動装置におけるイナーシャ相検知方法の制御作動を説明するフローチャートである。
【図10】図9の制御作動を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 クランク軸
2 入力軸
3 出力軸
4 第1遊星歯車組
5 第2遊星歯車組
15 自動変速機
31 ロックアップクラッチ
60 係合制御用油圧制御回路
70 ATCU(電子制御装置)
80 ロックアップコントロールバルブ
90 ロックアップソレノイド
100 エンジン回転センサ
101 タービン回転センサ
102 出力軸回転センサ
103 スロットル開度センサ
204 イナーシャ相検出手段
206 スリップ制御圧変化手段
208 変速指令検知手段
210 エンジン回転速度検出手段
212 目標エンジン回転速度演算手段

Claims (1)

  1. エンジンと自動変速機との間を直結するロックアップクラッチ
    予め設定された変速線からエンジンの負荷量に基いて自動変速機のギア段を制御する変速制御手段と、
    車両の減速走行中には上記ロックアップクラッチのスリップ制御量を所定値に維持するようにスリップ制御圧を調整するスリップ制御手段と
    実際のエンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、
    ロックアップクラッチの締結中の変速指令を検知する変速指令検知手段と、
    前記変速指令検知後にトルク相からイナーシャ相への移行を検知するイナーシャ相検知手段と、
    前記イナーシャ相中の目標エンジン回転速度を演算する目標エンジン回転速度演算手段と、
    前記エンジン回転速度検出手段により検出されたエンジン回転速度と前記目標エンジン回転速度演算手段により演算された目標エンジン回転速度との差分がゼロとなるように上記ロックアップクラッチの締結力を変化させるスリップ制御圧変化手段と、
    具備してなることを特徴とする自動変速機のロックアップ制御装置。
JP12278696A 1996-04-22 1996-04-22 自動変速機のロックアップ制御装置 Expired - Fee Related JP3837610B2 (ja)

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