JP3348566B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP3348566B2
JP3348566B2 JP14848995A JP14848995A JP3348566B2 JP 3348566 B2 JP3348566 B2 JP 3348566B2 JP 14848995 A JP14848995 A JP 14848995A JP 14848995 A JP14848995 A JP 14848995A JP 3348566 B2 JP3348566 B2 JP 3348566B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調圧弁によって係合油
圧が直接に調圧される油圧式摩擦係合装置を有する車両
用自動変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチま
たはブレーキ)の作動の組み合わせに従って複数の遊星
歯車装置の要素を相互に或いは位置固定の部材に選択的
に連結させることにより複数のギヤ段が択一的に達成さ
れる車両用自動変速機が知られている。このような自動
変速機では、通常、一方向クラッチの係合作動を利用す
ると1つの油圧式摩擦係合装置の係合或いは解放によっ
てギヤ段が切り換えられる場合が多いが、小型或いは軽
量化などを目的として一方向クラッチが用いられない場
合には、一対の油圧式摩擦係合装置のうちの一方の解放
作動と他方の係合作動とが重複的に実施されることによ
りギヤ段が切り換えられる所謂クラッチツウクラッチ変
速が実行される場合がある。このようなクラッチツウク
ラッチ変速期間では、一方および他方の油圧式摩擦係合
装置に係合トルクを持たせた期間を発生させるように、
一方の油圧式摩擦係合装置の解放圧を調圧し、或いは他
方の油圧式摩擦係合装置の係合圧を調圧する油圧制御が
行われる。
【0003】上記クラッチツウクラッチ変速のうちのダ
ウンシフトでは、係合側となる油圧式摩擦係合装置は、
その作動油圧の立ち上がりがアキュムレータにより制御
されるのではなく、調圧弁により直接的に調圧されるこ
とにより係合トルクの立ち上がりが制御されるようにな
っている。たとえば、特開平6−341525号公報に
記載された変速制御装置がそれである。そして、上記調
圧弁は、電子制御装置により直接的に制御され或いは電
子制御装置により駆動される電磁弁を介して間接的に制
御されることにより、変速の信号度合に応じて上記係合
側の油圧式摩擦係合装置の係合圧制御を行う。たとえ
ば、上記クラッチツウクラッチダウン変速期間内におい
て所定の初期油圧上昇制御を実行した後に係合完了(同
期完了)時点を予測してそれより所定時間前から所定の
変化率で緩やかに上昇させるように係合側の油圧式摩擦
係合装置内の作動油圧(係合圧)を調圧する係合圧制御
が、電子制御装置に制御される調圧弁により行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の係合
側の摩擦係合装置が係合状態から解放状態とされる変速
期間内において上記クラッチツウクラッチダウン変速が
判断され且つ実行される場合があるが、このような多重
変速の場合には、上記係合側の油圧式摩擦係合装置内の
作動油圧(係合圧)、或いは自動変速機の入力軸などの
回転部材の回転速度が不確定であることから、前記のよ
うに同期完了時点を予測してそれより所定時間前から所
定の変化率で緩やかに上昇させるように係合側の油圧式
摩擦係合装置内の作動油圧(係合圧)を調圧する前記係
合圧制御が実行されると、係合側の油圧式摩擦係合装置
が急速に係合して変速ショックが発生する可能性があっ
た。
【0005】また、シフト操作部材がドライブレンジか
らエンジンブレーキレンジへ操作されたことにより上記
クラッチツウクラッチダウン変速が実行される場合があ
る。このようなエンジンブレーキレンジへの操作は、車
両の駆動力を高めるために車両の駆動(パワーオン)走
行状態で行われる場合の他に、エンジンブレーキ作用を
得るために車両の非駆動(パワーオフ)走行状態で行わ
れる場合がある。しかし、上記駆動走行状態では、係合
側の油圧式摩擦係合装置の係合前には解放側の油圧式摩
擦係合装置が解放されるに伴って自動変速機の入力軸回
転速度(エンジン回転速度)が上昇するのに対し、上記
非駆動走行状態ではその自動変速機の入力軸回転速度が
低下することから、係合側の油圧式摩擦係合装置の係合
に応答して変化する入力軸回転速度の変化方向が反対向
きとなるので、クラッチツウクラッチダウン変速を実行
するための前記係合圧制御が車両の駆動走行状態と同様
に車両の非駆動走行状態でも適用されると、自動変速機
の変速ショックが発生する可能性があった。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、クラッチツウク
ラッチダウン変速に際して多重変速や車両の非駆動走行
に起因する変速ショックの発生を防止し得る車両用自動
変速機の変速制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための本発明の要旨とするところは、第1の油圧式
摩擦係合装置内の作動油圧が調圧弁によって直接に調圧
され、第2の油圧式摩擦係合装置を解放し且つ第1の油
圧式摩擦係合装置を係合することによりクラッチツウク
ラッチダウンシフト変速が実行される形式の車両用自動
変速機の変速制御装置であって、(a) 前記第1或いは第
2の油圧式摩擦係合装置の係合状態が変化していない期
間内において前記クラッチツウクラッチダウンシフト変
速を実行させるための第1クラッチツウクラッチ変速制
御手段と、(b) 前記第1或いは第2の油圧式摩擦係合装
置の係合状態が変化している期間内においてその第1ク
ラッチツウクラッチ変速制御手段によるクラッチツウク
ラッチダウンシフト変速とは異なるクラッチツウクラッ
チダウンシフト変速を実行させるための第2クラッチツ
ウクラッチ変速制御手段と、(c) 前記第1或いは第2の
油圧式摩擦係合装置の係合状態が変化している期間内に
おいて前記クラッチツウクラッチダウンシフト変速が判
断されたか否かを判定し、その判定が否定された場合は
前記第1クラッチツウクラッチ変速制御手段によるクラ
ッチツウクラッチダウンシフト変速を実行させ、その判
定が肯定された場合には、前記第2クラッチツウクラッ
チ変速制御手段によるクラッチツウクラッチダウンシフ
ト変速を実行させる多重変速判定手段とを、含み、上記
第2クラッチツウクラッチ変速制御手段は、待機制御に
よって前記第1の油圧式摩擦係合装置の係合圧を係合ト
ルクを発生させるための値に維持し、前記自動変速機の
入力軸回転速度が変速終了ギヤ段達成時の該入力軸回転
速度よりも低い値に設定された第1スイ−プ制御開始判
断基準値を越えると所定の増加率で係合圧を連続的に高
める第1スイ−プ制御を開始し、該入力軸回転速度の実
際の増加率が予め定められた判断基準値を下回ったこと
を判断したことに基づいて上記第1スイープ制御におけ
るよりも小さく設定された増加率で係合圧を連続的に高
める第2スイープ制御を実行するものであることにあ
る。
【0008】
【作用】このようにすれば、第1或いは第2の油圧式摩
擦係合装置の係合状態が変化している期間内においてク
ラッチツウクラッチダウンシフト変速が判断されたもの
ではない単一変速の場合には、多重変速判定手段により
前記第1クラッチツウクラッチ変速制御手段によるクラ
ッチツウクラッチダウンシフト変速が実行させられる
が、第1或いは第2の油圧式摩擦係合装置の係合状態が
変化している期間内においてクラッチツウクラッチダウ
ンシフト変速が判断された多重変速の場合には、多重変
速判定手段により、前記第2クラッチツウクラッチ変速
制御手段による多重変速用のクラッチツウクラッチダウ
ンシフト変速が実行させられる。
【0009】
【第1発明の効果】したがって、本発明によれば、第1
或いは第2の油圧式摩擦係合装置の係合状態が変化して
いる期間内においてクラッチツウクラッチダウンシフト
変速が判断された多重変速の場合には、第1或いは第2
の油圧式摩擦係合装置の係合状態が変化していない期間
内においてクラッチツウクラッチダウンシフト変速が判
断される単一変速の場合とは異なる多重変速用のクラッ
チツウクラッチダウンシフト変速が第2クラッチツウク
ラッチ変速制御手段により実行されるので、クラッチツ
ウクラッチダウン変速に際して多重変速に起因する変速
ショックの発生が好適に抑制される。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】かかる目的を達成
するための本発明の要旨とするところは、第1の油圧式
摩擦係合装置内の作動油圧が調圧弁によって直接に調圧
され、手動ダウンシフト判定手段により手動操作による
クラッチツウクラッチダウンシフト変速であると判定さ
れた場合には、第2の油圧式摩擦係合装置を解放し且つ
第1の油圧式摩擦係合装置を係合することによりクラッ
チツウクラッチダウンシフト変速が実行される形式の車
両用自動変速機の変速制御装置であって、(a) 手動操作
によるクラッチツウクラッチダウンシフト変速が判定さ
れ且つ車両の駆動走行状態であるときに、前記クラッチ
ツウクラッチダウンシフト変速を実行させる第1クラッ
チツウクラッチ変速制御手段と、(b) 手動操作によるク
ラッチツウクラッチダウンシフト変速が判定され且つ車
両の非駆動走行状態であるときに、上記第1クラッチツ
ウクラッチ変速制御手段によるクラッチツウクラッチダ
ウンシフト変速とは異なるクラッチツウクラッチダウン
シフト変速を実行させる第3クラッチツウクラッチ変速
制御手段と、(c) 車両が駆動走行状態であるか或いは非
駆動走行状態であるかを判定し、駆動走行状態であると
判定した場合には前記第1クラッチツウクラッチ変速制
御手段によるクラッチツウクラッチダウンシフト変速を
実行させ、非駆動走行状態であると判定した場合では前
記第3クラッチツウクラッチ変速制御手段によるクラッ
チツウクラッチダウンシフト変速を実行させる車両駆動
走行判定手段とを、含み、上記第3クラッチツウクラッ
チ変速制御手段は、待機制御によって前記第1の油圧式
摩擦係合装置の係合圧を係合トルクを発生させるための
値に維持し、手動操作から所定時間を経過した時点から
所定の増加率で係合圧を連続的に高める第1スイ−プ制
御を開始し、前記自動変速機の入力軸回転速度の上昇開
始が検出されると上記第1スイープ制御におけるよりも
小さく設定された増加率で係合圧を連続的に高める第2
スイープ制御を開始し、該入力軸回転速度が変速終了ギ
ヤ段達成時の回転速度よりも低く予め設定されたダウン
制御開始判断基準値以上となったとき上記第2スイ−プ
制御により増加させられている係合圧がその増加状態を
維持しつつ所定幅だけ減少させられるダウン制御を実行
するものであることにある。
【0011】
【作用】このようにすれば、車両駆動走行判定手段にお
いて、車両が駆動走行状態であると判定された場合には
第1クラッチツウクラッチ変速制御手段が実行させら
れ、車両が非駆動走行状態であると判定された場合には
第3クラッチツウクラッチ変速制御手段により第1クラ
ッチツウクラッチ変速制御手段によるクラッチツウクラ
ッチダウンシフト変速とは異なる非駆動走行用のクラッ
チツウクラッチダウンシフト変速が実行させられる。
【0012】
【第2発明の効果】したがって、本発明によれば、車両
の非駆動走行状態であるときのシフト操作によりクラッ
チツウクラッチダウンシフト変速が実行される場合に
は、車両の駆動走行状態である場合とは異なる非駆動走
行用のクラッチツウクラッチダウンシフト変速が第3ク
ラッチツウクラッチ変速制御手段により実行されるの
で、クラッチツウクラッチダウン変速に際して車両の非
駆動走行に起因する変速ショックの発生が好適に抑制さ
れる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例の変速制御装置
により変速制御される車両用自動変速機の一例を示す骨
子図である。図において、エンジン10の出力は、トル
クコンバータ12を介して自動変速機14に入力され、
図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝
達されるようになっている。
【0015】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプインペラ18
と、自動変速機14の入力軸20に連結されたタービン
ランナー22と、それらポンプインペラ18およびター
ビンランナー22の間を直結するロックアップクラッチ
24と、一方向クラッチ26によって一方向の回転が阻
止されているステータ28とを備えている。
【0016】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。
【0017】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0018】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0019】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0020】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
変速比が順次異なる前進5段のギヤ段のいずれかに切り
換えられる。図2において○印は係合状態を示し、空欄
は解放状態を示し、●はエンジンブレーキのときの係合
状態を示している。この図2からも明らかなように、ブ
レーキB3は、第1速ギヤ段或いは第3乃至第5速ギヤ
段から第2速ギヤ段へ切り換える変速に際して係合させ
られるとともに、第2速ギヤ段から他のギヤ段へ切り換
える変速に際して解放されるものであり、ブレーキB2
は、第2速ギヤ段などから第3速ギヤ段へ切り換える変
速に際して係合させられるものである。第2速ギヤ段と
第3速ギヤ段との間の変速に際しては、ブレーキB2お
よびブレーキB3のうちの解放側に係合トルクを持たせ
る期間と係合側に係合トルクを持たせる期間とをオーバ
ラップさせつつ変速を進行させる所謂クラッチツウクラ
ッチ変速が行われるようになっている。
【0021】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセルペダル50によって操作される
第1スロットル弁52と、常時は開かれているがエンジ
ン出力を抑制するなどに際してスロットルアクチュエー
タ54によって制御される第2スロットル弁56とが設
けられている。また、エンジン10の回転速度NE を検
出するエンジン回転速度センサ58、エンジン10の吸
入空気量Qを検出する吸入空気量センサ60、吸入空気
の温度TA を検出する吸入空気温度センサ62、上記第
1スロットル弁52の開度θTHを検出するスロットルセ
ンサ64、出力軸42の回転速度NOUT から車速Vを検
出する車速センサ66、エンジン10の冷却水温度TW
を検出する冷却水温センサ68、ブレーキの作動を検出
するブレーキスイッチ70、シフトレバー72の操作位
置PSHを検出する操作位置センサ74などが設けられて
おり、それらのセンサから、エンジン回転速度NE 、吸
入空気量Q、吸入空気温度TA 、第1スロットル弁の開
度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの作
動状態BK、シフトレバー72の操作位置PSHを表す信
号がエンジン用電子制御装置76および変速用電子制御
装置78に供給されるようになっている。また、自動変
速機14の入力軸回転速度NE すなわちクラッチC0の
回転速度NC0を検出する入力軸回転センサ73からその
入力軸回転速度NE すなわちクラッチC0の回転速度N
C0を表す信号が変速用電子制御装置78に供給される。
さらに、油圧制御回路84の作動油温度TOIL を検出す
る油温センサ75から作動油温度TOIL を表す信号が変
速用電子制御装置78に供給される。
【0022】また、図4に示すように、上記シフトレバ
ー72は、車両の前後方向に位置するPレンジ、Rレン
ジ、Nレンジ、Dおよび4レンジ、3レンジ、2および
Lレンジへ操作されるとともに、Dレンジと4レンジの
間、および2レンジとLレンジとの間が車両の左右方向
に操作されるようにその支持機構が構成されている。
【0023】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁
80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ82を
制御し、アイドルスピード制御のために図示しないバイ
パス弁を制御し、トラクション制御のためにスロットル
アクチュエータ54により第2スロットル弁56を制御
する。このエンジン用電子制御装置76は、変速用電子
制御装置78と相互に通信可能に接続されており、一方
に必要な信号が他方から適宜送信されるようになってい
る。
【0024】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、第1スロットル弁52の開
度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させ
るためにリニヤソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を制
御するためにリニヤソレノイド弁SLN を、ロックアップ
クラッチ24の係合、解放、スリップ量およびクラッチ
ツウクラッチのシフトを制御するためにリニヤソレノイ
ド弁SLU をそれぞれ駆動する。また、変速用電子制御装
置78は、予め記憶された変速線図から実際のスロット
ル弁開度θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機14の
ギヤ段やロックアップクラッチ24の係合状態を決定
し、この決定されたギヤ段および係合状態が得られるよ
うに電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレー
キを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。
【0025】図5および図6は、上記油圧制御回路84
の要部を示している。図の1−2シフト弁88および2
−3シフト弁90は、電磁弁S1、S2の出力圧に基づ
いて、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への変速時および
第2速ギヤ段から第3速ギヤ段への変速時においてそれ
ぞれ切り換えられる切換弁であり、その切換位置を示す
数値はギヤ段を示している。前進レンジ圧PD は、シフ
トレバー72が前進レンジ(D、4、3、2、L)へ操
作されているときに図示しないマニュアル弁から発生さ
れる圧であり、図示しないレギュレータ弁によりスロッ
トル弁開度に応じて高く調圧されるライン圧PL を元圧
としている。
【0026】第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換え
る変速出力が出された時には、上記前進レンジ圧P
D は、1−2シフト弁88、2−3シフト弁90、油路
L01、B3コントロール弁92、油路L02を経てブ
レーキB3およびB3アキュムレータ94へ供給され
る。また、第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へ切り換える
変速出力が出された時には、前進レンジ圧PD は、2−
3シフト弁90、油路L03を経て、ブレーキB2およ
びB2アキュムレータ100へ供給されると同時に、ブ
レーキB3およびB3アキュムレータ94内の作動油
は、油路L02、B3コントロール弁92、油路L0
1、2−3シフト弁90、戻り油路L04、2−3タイ
ミング弁98を経て調圧ドレンされるとともに、戻り油
路L04から分岐する分岐油路L05およびB2オリフ
ィスコントロール弁96を経て急速ドレンされるように
なっている。
【0027】上記B2アキュムレータ100の背圧室1
00B には、リニヤソレノイド弁SLT の出力圧PSLT
リニヤソレノイド弁SLN の出力圧PSLN に基づいてアキ
ュム背圧PACC を発生させる図示しないアキュム背圧制
御弁からのアキュム背圧PAC C が、各変速に際して供給
される。
【0028】前記B3コントロール弁92は、アキュム
レータが設けられていないブレーキB3の係合圧を直接
的に調圧するための調圧弁であって、油路L01と油路
L02との間を開閉するスプール弁子104と、スプリ
ング106を挟んでスプール弁子104と同心に設けら
れ且つそのスプール弁子104よりも大径のプランジャ
108と、スプリング106を収容し、前記2−3シフ
ト弁90が第3速側へ切り換えられたときにそれから出
力される前進レンジ圧PD を油路L07を介して受け入
れる油室110と、プランジャ108の軸端に設けられ
てリニヤソレノイド弁SLU の出力圧PSLU を受け入れる
油室112とを備えている。このため、B3コントロー
ル弁92は、3→2変速に際しては、リニヤソレノイド
弁SLU の出力圧PSLU に従ってスプール弁子104を中
心線の左側に示す開位置に位置させてファーストフィル
をその初期に行うとともに、その後は油路L01からの
作動油を油路L02に供給したり或いは油路L02内の
作動油を排出油路L06へ流出させることによりブレー
キB3内の係合圧PB3の立ち上がりを数式1から上記出
力圧PSLU に基づいてたとえば図8に示すように調圧
し、ブレーキB3の係合より所定の時間前に到達したと
判断されたときに急速に立ち上げる。また、B3コント
ロール弁92は、2→3変速に際しては、エンジン10
のオーバシュート量或いはタイアップ量が予め設定され
た目標範囲となるように学習により補正された指令値に
基づいて出力される出力圧PSLU に従って、たとえば図
7に示すように所定の速度で圧力降下させる。なお、数
式1において、S1 およびS2 はプランジャ108およ
びスプール弁子104の断面積である。
【0029】
【数1】PB3=PSLU ・S1 /S2
【0030】B2オリフィスコントロール弁96は、ブ
レーキB2およびB2アキュムレータ100と油路L0
3との間を開閉すると同時に排出油路L06とドレンポ
ート113との間を開閉するスプール弁子114と、ス
プール弁子114をファーストドレン位置へ向かって付
勢するスプリング116と、スプール弁子114の軸端
に設けられて第3電磁弁S3の出力圧PS3を3−4シフ
ト弁118を通して受け入れる油室120とを備えてい
る。これにより、3→2変速時などには第3電磁弁S3
がオン状態とされてその出力圧PS3が油室120に供給
されなくなるので、スプール弁子114によりブレーキ
B2およびB2アキュムレータ100と油路L03との
間を開かれて、それらブレーキB2およびB2アキュム
レータ100からの作動油の排出を速やかに行うファー
ストドレン作動が行われる。また、1→2変速において
は、上記第3電磁弁S3がオフ状態とされてその出力圧
S3が油室120に供給されることにより、B3コント
ロール弁92の調圧作動によりそれから排出される作動
油を排出させる排出油路L06とドレンポート113と
の間が開かれてそのB3コントロール弁92の調圧作動
が許容されるが、1→2変速が完了すると第3電磁弁S
3がオン状態とされて排出油路L06とドレンポート1
13との間が閉じられることによりB3コントロール弁
92の調圧作動が停止させられる。
【0031】2−3タイミング弁98は、第2速ギヤ段
から第3速ギヤ段へのクラッチツウクラッチ変速に関与
し、ブレーキB3からの解放圧をリニヤソレノイド弁SL
U から出力圧PSLU に従って調圧するドレーン調圧弁と
して機能する。すなわち、2−3タイミング弁98は、
2→3変速が出力されたときに2−3シフト弁90から
出力された比較的高圧の前進レンジ圧PD (ライン圧と
同じ値)が3−4シフト弁118およびソレノイドリレ
ー弁122を通して供給される高圧ポート124と、ド
レンポート126と、油路L04をその高圧ポート12
4またはドレンポート126に連通させることによりブ
レーキB3のドレン期間の圧力PB3を調圧するスプール
弁子128と、スプリング130を介してスプール弁子
128と同心に設けられ且つそのスプール弁子128と
同径の第1プランジャ132と、スプール弁子128と
同心に且つその一端に当接可能に設けられ且つそのスプ
ール弁子128よりも大径の第2プランジャ134と、
スプリング130を収容し、前記2−3シフト弁90が
第2速側へ切り替えられたときにそれから出力される前
進レンジ圧PD を油路L08を介して受け入れる油室1
36と、第1プランジャ132の軸端に設けられ、リニ
ヤソレノイド弁SLU からの出力圧PSLU を受け入れる油
室138と、第2プランジャ134の軸端に設けられ、
ブレーキB2内の油圧PB2を受け入れる油室140と、
フィードバック圧を受け入れるフィードバック油室14
2とを備えている。
【0032】したがって、スプール弁子128および第
1プランジャ132の断面積をS3、スプール弁子12
8の第2プランジャ134側のランドの断面積をS4
第2プランジャ134の断面積をS5 とすると、2→3
変速出力が出された状態における解放過程のブレーキB
3の圧力PB3は、2−3タイミング弁98による調圧作
動により、数式2から、ブレーキB2の係合圧PB2の増
加に応じて減少し、リニヤソレノイド弁SLU の出力圧P
SLU に応じて増加するように調圧される。
【0033】
【数2】PB3=PSLU ・S3 /(S3 −S4 )−PB2
5 /(S3 −S4
【0034】また、上記2−3タイミング弁98は、第
2速側へ切り換えられた2−3シフト弁90から出力さ
れる前進レンジ圧PD が油室136へ供給されると、上
記スプール弁子128がロックされるようになってい
る。これも、2−3タイミング弁98の油室138とB
3コントロール弁92の油室112とが接続されている
ことから、第1速および第2速の状態では2−3タイミ
ング弁98の油室138の容積変化を阻止して、B3コ
ントロール弁92の調圧作動に影響を与えないようにす
るためである。
【0035】C0エキゾースト弁150は、第3電磁弁
S3の出力圧PS3および油路L01内の油圧に従って閉
位置に位置させられるが、第4電磁弁S4の出力圧PS4
に従って開位置に位置させられるスプール弁子152を
備え、図示しない4−5シフト弁が第4速以下の切り換
え状態であるときにそれを経由して供給されるライン圧
L を、第2速および第5速時以外のときにクラッチC
0およびC0アキュムレータ154に供給する。
【0036】以上のように構成された変速制御装置にお
いて、2→3変速(クラッチツウクラッチ変速)判断が
行われて第3速ギア段への変速出力が出された場合に
は、2−3シフト弁90がその第2速側から第3速側へ
切り替えられる。これにより、前進レンジ圧PD が2−
3シフト弁90、油路L03を経てブレーキB2へ供給
される。同時に、2−3シフト弁90からの前進レンジ
圧PD がB3コントロール弁92の油室110に供給さ
れてそのスプール弁子104が開位置にロックされる一
方、これと同時に、2−3シフト弁90を介して油路L
01とL04との接続が行われるとともに、2−3タイ
ミング弁98の油室136内の作動油が油路L04およ
び2−3シフト弁90を通して排出され、ブレーキB3
の解放圧が2−3タイミング弁98によりリニヤソレノ
イド弁SLU からの出力圧PSLU に応じて調圧されつつ解
放される。
【0037】図9は、変速用電子制御装置78による制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図に
おいて、変速判断手段158は、ギヤ段毎に設けられた
変速線(シフトアップ線およびシフトダウン線)から構
成されたよく知られた変速線図から実際の車両状態たと
えば車速およびエンジン負荷(たとえばスロットル弁開
度)に基づいて変速判断を行う。たとえば、シフトアッ
プ線から実際のエンジン負荷に基づいて決定された変速
点車速を実際の車速が超えたときにアップシフト変速が
判断され、シフトダウン線から実際のエンジン負荷に基
づいて決定された変速点車速を実際の車速が下回ったと
きにダウンシフトが判断される。
【0038】第1クラッチツウクラッチ変速制御手段1
60は、ブレーキB3或いはブレーキB2の係合状態が
変化していない期間内において3→2変速が判断された
ときのために、ブレーキB2の係合トルクを緩やかに減
少させるためにB2アキュムレータ100の背圧を制御
してブレーキB2の係合圧を徐々に変化させる一方、た
とえば図10に示すようにリニヤソレノイド弁SLU への
指令値(デューティ比)DSLU すなわちリニヤソレノイ
ド弁SLU の出力圧PSLU を変化させることにより、図8
に示すようにブレーキB3の係合圧PB3を変化させて、
クラッチツウクラッチダウンシフト変速を実行させる。
この通常のクラッチツウクラッチダウンシフト変速で
は、所定の期間だけ出力圧PSLU を50%程度に高める
初期油圧制御によってブレーキB3内に速やかに作動油
が充填された後、待機制御によってブレーキB3の係合
圧PB3は比較的小さいブレーキB3の係合トルクを発生
させるために出力圧PSLU が比較的小さい値に維持さ
れ、スイープ制御によって、所定の時間TN0後にブレー
キB3の同期が予測される時点(図10のt4 )から所
定の増加率RN1で係合圧PB3が連続的に高められるよう
に出力圧PSLU が増加させられる。
【0039】第2クラッチツウクラッチ変速制御手段1
62は、ブレーキB3或いはブレーキB2の係合状態が
変化している期間内たとえば2→3変速途中において3
→2変速が判断された場合には、たとえば図11に示す
ようにリニヤソレノイド弁SLU の出力圧PSLU を変化さ
せることにより、前記第1クラッチツウクラッチ変速制
御手段160によるクラッチツウクラッチダウンシフト
変速とは異なる多重変速用のクラッチツウクラッチダウ
ンシフト変速を実行させる。この多重変速用のクラッチ
ツウクラッチダウンシフト変速では、既にブレーキB3
内に作動油が充填されていることから上記のような初期
油圧制御が設けられておらず、待機制御によってブレー
キB3の係合圧PB3は極めて小さいブレーキB3の係合
トルクを発生させるための比較的小さい値に維持され、
クラッチ回転速度NC0が第1スイープ制御開始判断基準
値NT1を超えると第1スイープ制御により所定の増加率
T1で係合圧PB3が連続的に高められ、クラッチ回転速
度NC0の上ピーク値が検出されると第2スイープ制御に
より上記増加率RT1よりも低い所定の増加率RT2で係合
圧PB3が連続的に高められ、ブレーキB3の係合完了が
検出されると係合圧PB3が最大値(100%)とされる
ように出力圧PSLU が変化させられる。
【0040】第3クラッチツウクラッチ変速制御手段1
64は、シフトレバー72のシフト操作によるクラッチ
ツウクラッチダウンシフト変速が判定され且つ車両の非
駆動走行状態であるときに、たとえば図12に示すよう
にリニヤソレノイド弁SLU の出力圧PSLU を変化させる
ことにより、前記第1クラッチツウクラッチ変速制御手
段160によるクラッチツウクラッチダウンシフト変速
とは異なる非駆動走行用のクラッチツウクラッチダウン
シフト変速を実行させる。この非駆動走行用のクラッチ
ツウクラッチダウンシフト変速では、前記と同様の初期
油圧制御によって所定の期間だけ出力圧PSLU を50%
程度に高めることによりブレーキB3内に速やかに作動
油が充填された後、前記と同様の待機制御によってブレ
ーキB3の係合圧PB3は極めて小さいブレーキB3の係
合トルクを発生させるための比較的小さい値に維持さ
れ、次いでシフト操作から所定時間TS1経過した時点か
ら第1スイープ制御により所定の増加率RS1で係合圧P
B3が連続的に高められ、クラッチ回転速度NC0の上昇開
始が検出されると第2スイープ制御により上記増加率R
S1よりも低い所定の増加率RS2で係合圧PB3が連続的に
高められ、ブレーキB3の係合完了時に発生する繰り返
しショックを防止するために、クラッチ回転速度NC0
ダウン制御開始判断基準値NS1を超えるとダウン制御に
よって上記第2スイープ制御により増加させられている
係合圧PB3が所定幅だけ減少させられ、ブレーキB3の
係合完了が検出されると係合圧PB3が最大値(100
%)とされる。
【0041】多重変速判定手段166は、ブレーキB3
或いはブレーキB2の係合状態が変化している変速期間
内においてクラッチツウクラッチダウンシフト変速たと
えば3→2変速が重複的に判断されたか否かを判定す
る。この多重変速判定手段166による判定が否定され
た場合すなわち通常の3→2変速である場合には第1ク
ラッチツウクラッチ変速制御手段160による通常のク
ラッチツウクラッチダウンシフト変速が実行させられる
が、多重変速判定手段166による判定が肯定された場
合すなわち多重変速となるような第2速ギヤ段へのダウ
ン変速が判断された場合には、第2クラッチツウクラッ
チ変速制御手段162による多重変速用のクラッチツウ
クラッチダウンシフト変速を実行させる。
【0042】車両駆動走行判定手段168は、車両が駆
動(パワーオン)走行状態であるか或いは非駆動(パワ
ーオフ)走行状態であるかを判定し、駆動走行状態であ
ると判定した場合には、クラッチツウクラッチダウン変
速すなわち3→2変速判断に際して第1クラッチツウク
ラッチ変速制御手段160による通常走行用のクラッチ
ツウクラッチダウンシフト変速を実行させ、非駆動走行
状態であると判定した場合には3→2変速判断に際して
前記第3クラッチツウクラッチ変速制御手段164によ
る非駆動走行用のクラッチツウクラッチダウンシフト変
速を実行させる。
【0043】図13は、変速用電子制御装置78による
制御作動の要部、すなわち第2速ギヤ段を達成させるた
めの変速制御を示すフローチャートである。なお、前記
変速判断手段158に対応するステップはよく知られた
ものであるので、省略されている。
【0044】図13のステップ(以下、ステップを省略
する)S1では、変速判断が第2速ギヤ段へのダウンシ
フトであるか否かが判断される。このS1の判断が否定
された場合は図示しない他のルーチンが実行されるが、
肯定された場合は、S2において、シフトレバー72が
Dレンジから2レンジ或いはLレンジなどのエンジンブ
レーキレンジへ操作されたことに関連するダウン変速で
あるか否かが判断される。
【0045】上記S2の判断が否定された場合は、予め
記憶された変速線図から実際の車速およびエンジン負荷
に基づいて前記変速判断手段158により行われた自動
的なダウン変速判断であることから、S3において1→
3変速中であるか否かが判断され、このS3の判断が否
定された場合にはS4において2→3変速中であるか否
かが判断される。本実施例では、上記S3およびS4
が、アップシフト変速である1→3変速或いは2→3変
速中に第2速ギヤ段へのダウン変速判断が行われる多重
変速を判定する前記多重変速判定手段166に対応して
いる。
【0046】上記S3およびS4の判断がいずれも否定
された場合には、ブレーキB3またはブレーキB2の係
合状態が変化している変速期間内における第2速ギヤ段
へのダウンシフト変速判断すなわち多重的な変速判断で
はないので、前記第1クラッチツウクラッチ変速制御手
段160に対応するS5において、たとえば図14に示
す通常のクラッチツウクラッチダウン変速制御ルーチン
(通常制御)が実行される。
【0047】図14のSA1では3→2変速出力が行わ
れた時点t2 から初期油圧制御が実行される。この初期
油圧制御では、上記時点t2 から時点t3 までの所定の
期間内においてリニヤソレノイド弁SLU に対する指令値
SLU がたとえば50%程度の値に維持されることによ
り、ブレーキB3内へ作動油が速やかに充填され、リニ
ヤソレノイド弁SLU やブレーキB3の作動遅れが補償さ
れる。
【0048】次いで、SA2では、上記指令値DSLU
比較的小さい値に保持することによりブレーキB3の係
合圧PB3を比較的小さいブレーキB3の係合トルクを発
生させるための比較的小さい値に維持する。続く、SA
3では、スイープ制御の開始条件が成立したか否かが判
断される。このスイープ制御の開始条件とは、クラッチ
回転速度NC0が実際の増加率dNC0で増加したときには
所定の時間TN0後にブレーキB3の摩擦材の同期(係合
完了)が予測される状態であるか否か、たとえば(N
OUT ×i2 −NC0)/dNC0がTN0以下となったか否か
が判断される。なお、i2 は第2速ギヤ段のギヤ比であ
る。
【0049】上記SA3の判断が否定された場合には、
上記SA2以下が繰り返し実行されることによりブレー
キB3の係合圧PB3が比較的小さい値に維持されるが、
上記SA3の判断が肯定された場合には、所定の増加率
N1で係合圧PB3が連続的に高められる。図10の時点
4 はこの状態を示している。ここで、上記所定の増加
率RN1は車両の駆動走行状態においてブレーキB3が係
合させられても変速ショックをそれ程発生させないよう
に予め設定された値であり、前記所定の時間T N0は、ブ
レーキB3の係合圧PB3が増加率RN1で増加させられた
ときにブレーキB3が丁度係合完了する時間に予め設定
されている。
【0050】次いで、SA4では、上記の増加率RN1
ブレーキB3の係合圧PB3が連続的に増加させられると
ともに、SA5では、ブレーキB3の係合が完了したか
否かが判断される。この係合判断は、クラッチ回転速度
C0が第2速ギヤ段達成時の回転速度(NOUT ×i2
に到達したか否か、たとえば(NOUT ×i2 −NC0)が
予め数十r.p.m.程度の比較的小さな値に設定された判断
基準値αを下回ったか否かに基づいて行われる。上記S
A5の判断が否定された場合はSA4以下が繰り返し実
行されるが、肯定された場合は本ルーチンが終了させら
れる。
【0051】前記図13のS3の判断が肯定された場合
は、1→3変速途中において3→2変速を行う多重変速
判断が前記変速判断手段158により行われた状態であ
るから、前記第2クラッチツウクラッチ変速制御手段1
62に対応するS6において、たとえば図15に示す多
重変速用のクラッチツウクラッチダウン変速制御ルーチ
ン(制御B)が実行される。
【0052】図15のSB1では、図11の時点t2
示すように、リニヤソレノイド弁SLU に対する指令値D
SLU を比較的小さい値に保持することによりブレーキB
3の係合圧PB3を比較的小さいブレーキB3の係合トル
クを発生させるための比較的小さい値に維持する待機制
御が実行される。ブレーキB3を解放させる変速途中で
あることからブレーキB3内には既に作動油が充満して
いるので、速やかに作動油を供給するための初期油圧制
御は設けられていない。次いで、SB2では、第1スイ
ープ制御開始条件が成立したか否かが判断される。この
スイープ制御開始条件は、たとえばブレーキB2の解放
およびブレーキB3の係合の進行に従って上昇させられ
るクラッチ回転速度NC0が予め算出された第1スイープ
制御開始判断基準値NT1を超えることである。この第1
スイープ制御開始判断基準値NT1は、第2速ギヤ段達成
時のクラッチ回転速度(NOUT ×i2 )よりも所定値β
だけ低い値NOUT ×i2 −βに設定される。
【0053】上記SB2の判断が否定された場合にはS
B1以下が繰り返し実行されることにより待機制御が持
続されるが、SB2の判断が肯定された場合にはSB3
において所定の増加率RT1で係合圧PB3を連続的に高め
る第1スイープ制御が開始される。図11の時点t3
この状態を示す。
【0054】次いで、SB4ではブレーキB3の係合完
了判定条件すなわち3→2変速の終了条件が成立したか
否かが判断される。この係合完了判定条件は、たとえば
クラッチ回転速度NC0が第2速ギヤ段達成時の回転速度
OUT ×i2 と一致したか否か、すなわち、|NOUT ×
2 −NC0|が予め設定された判断基準値αを下回った
か否かである。当初は上記SB4の判断が否定されるの
で、続くSB5において、第2スイープ制御開始条件が
成立したか否かが判断される。この第2スイープ制御開
始条件とは、たとえばクラッチ回転速度NC0の実際の増
加率dNC0が予め設定された判断基準値NNを下回った
か否かである。この判断基準値NNは、たとえばクラッ
チ回転速度NC0の上ピーク値を実質的に検出可能な極め
て小さな値に設定される。
【0055】当初は上記SB5の判断が否定されるの
で、SB3以下が繰り返し実行されることにより第1ス
イープ制御が継続的に実行される。しかし、この第1ス
イープ制御が継続されるに伴ってブレーキB3の係合ト
ルクが増加することによりクラッチ回転速度NC0の実際
の増加率dNC0が減少させられて略零に接近させられる
と、前記SB5の判断が肯定されることから、SB6に
おいて前記第1スイープ制御における増加率RT1よりも
小さく設定された所定の増加率RT2で係合圧PB3を連続
的に高める第2スイープ制御が開始される。図11の時
点t4 はこの状態を示す。
【0056】次いで、SB7においては、前記SB4と
同様に、ブレーキB3の係合完了判定条件すなわち3→
2変速の終了条件が成立したか否かが判断される。当初
はこのSB7の判断が否定されるので、SB6以下のス
テップが繰り返し実行される。そして、上記SB7の判
断が肯定されると、SB8の終了制御が実行されること
により、リニヤソレノイド弁SLU への指令値DSLU およ
びリニヤソレノイド弁SLU からの出力圧PSLU がその最
大値100%とされる。図11の時点t5 はこの状態を
示している。なお、何等かの事情により前記SB4の判
断が肯定されたときも同様に出力圧PSLU がその最大値
100%とされる。
【0057】前記図13のS4の判断が肯定された場合
は、2→3変速途中において3→2変速を行う多重変速
判断が前記変速判断手段158により行われた状態であ
るから、前記第2クラッチツウクラッチ変速制御手段1
62に対応するS7において、たとえば図16に示す多
重変速用のクラッチツウクラッチダウン変速制御ルーチ
ン(制御C)が実行される。このような多重変速用のク
ラッチツウクラッチ変速が実行される期間内は、一般
に、その期間の当初においてブレーキB2の係合トルク
の低下およびブレーキB3の係合トルクの上昇により力
関係のバランスが崩れたにも拘わらず、たとえば入力軸
20などの自動変速機14の回転部材の回転速度変化を
発生させないトルク相と、上記ブレーキB2の係合トル
クの低下およびブレーキB3の係合トルクの上昇の進行
により自動変速機14の回転部材の回転速度変化を発生
させるイナーシャ相とに分けられる。
【0058】図16は、図15と同様のステップを含む
ものであるため、相違する部分が示されている。先ずイ
ナーシャ相検出手段として機能するSC1では、イナー
シャ相が開始されたか否かがクラッチ回転速度NC0の回
転変化が発生したか否かに基づいて判断される。このS
C1の判断が肯定された場合は、SC2において、図1
5に示す多重変速用のクラッチツウクラッチダウン変速
を実行するためのルーチンと同様のルーチンが実行され
る。しかし、上記SC1の判断が否定された場合は、未
だ入力軸20の回転速度変化が発生していない状態であ
るので、すなわち実質的に2→3変速が進行していない
状態であるので、SC3において、第2速ギヤ段を達成
させるための出力、すなわちブレーキB2を直ちに解放
し且つブレーキB3を直ちに係合させる出力が行われ
る。
【0059】また、前記図13において、S2の判断が
肯定された場合には、シフトレバー72のエンジンブレ
ーキレンジへのシフト操作に関連する第2速ギヤ段への
ダウン変速であるので、前記車両駆動走行判定手段16
8に対応するS8においてスロットル弁開度θTHが予め
設定された判断基準値KTA1以下であるか否かが判断
される。この判断基準値KTA1は、車両の駆動走行状
態か非駆動走行状態かを判定するためのものであり、数
%程度の比較的低い値に設定される。
【0060】上記S8の判断が否定された場合には駆動
走行状態であるので、駆動走行状態における第2速ギヤ
段へのダウンシフトを実行するために前記S3以下が実
行される。一般に、変速線は車速が高くなる程スロット
ル弁開度θTHが大きい値となる傾向となるように設けら
れているため、自動的にダウンシフト変速が判断される
場合は駆動走行状態であるからである。
【0061】しかし、上記S8の判断が肯定された場合
には、シフトレバー72のシフト操作に関連してクラッ
チツウクラッチダウンシフト変速が判定され且つ車両の
非駆動走行状態であるので、前記第3クラッチツウクラ
ッチ変速制御手段164に対応するS9において、たと
えば4→2変速のための図17に示すマニュアルダウン
変速用すなわち非駆動走行用のクラッチツウクラッチダ
ウンシフト変速制御ルーチン(制御A)が実行される。
【0062】図17のSD1では、4→2変速出力が行
われた時点t0 から時点t1 までの所定の期間内におい
てリニヤソレノイド弁SLU に対する指令値DSLU すなわ
ち出力圧PSLU がたとえば50%程度の値に維持される
ことにより、ブレーキB3内へ作動油が速やかに充填す
る初期油圧制御と、上記時点t1 から時点t2 まで上記
指令値DSLU を比較的小さい値に保持することによりブ
レーキB3の係合圧P B3を比較的小さいブレーキB3の
係合トルクを発生させるための比較的小さい値に維持す
る待機制御とが実行される。
【0063】次いで、SD2では、4→2変速出力が行
われた時点t0 から予め設定した経過時間TS1だけ経過
した時点t2 から上記出力圧PSLU を連続的に高めるこ
とにより所定の増加率RS1で係合圧PB3を連続的に高め
る第1スイープ制御が実行される。続くSD3では、ク
ラッチ回転速度NC0が変化したか否かすなわちクラッチ
回転速度NC0が上昇開始したか否かが判断される。
【0064】当初は上記SD3の判断が否定されるの
で、SD2以下が繰り返し実行されることにより係合圧
B3が連続的に高められる。しかし、その係合圧PB3
上昇に関連してブレーキB3の係合トルクが順次高めら
れることによりクラッチ回転速度NC0が引き上げられる
と、上記SD3の判断が肯定されるので、SD4におい
て、前記第1スイープ制御における増加率RS1よりも小
さく設定された所定の増加率RS2で係合圧PB3を連続的
に高める第2スイープ制御が開始される。図12の時点
3 はこの状態を示す。
【0065】次いで、SD5では、上記係合圧PB3の上
昇に関連して高められるクラッチ回転速NC0が予め設定
されたダウン制御開始判断基準値NS1以上となったか否
かが判断される。このダウン制御開始判断基準値N
S1は、たとえば第2速ギヤ段達成時の回転速度(NOUT
×i2 )から数百回転程度の所定の値γを差し引いた値
(NOUT ×i2 −γ)である。当初は上記SD5の判断
が否定されることから前記SD4以下が繰り返し実行さ
れるので、第2スイープ制御が継続される。
【0066】しかし、上記SD5の判断が肯定される
と、SD6においてそれまでの上記第2スイープ制御に
より増加させられている係合圧PB3がその増加状態を維
持しつつ所定幅だけ減少させられるダウン制御が実行さ
れる。図12の時点t4 はこの状態を示している。そし
て、SD7において、変速終了制御が実行される。この
変速終了制御では、ブレーキB3の係合完了の直前状態
が判断され、その直前状態が判断されてから所定の時間
が経過したときに係合圧PB3が最大値(100%)とさ
れる。図12の時点t5 はこの状態を示している。
【0067】なお、上記非駆動走行用のクラッチツウク
ラッチダウンシフト変速制御ルーチン(制御A)におい
ては、図示しないステップにおいて5、4→2変速であ
るか3→2変速であるかが判断され、5、4→2変速で
ある場合は3→2変速である場合に比較して制御サイク
ルの周期が長くされることにより、初期制御、第1スイ
ープ制御、第2スイープ制御、ダウン制御の各期間が長
くされる結果、全体として変速制御期間が長くされると
同時に、第1スイープ制御、第2スイープ制御、ダウン
制御における上昇率が低くされてブレーキB3の係合圧
B3の立ち上がりが緩やかとされている。
【0068】上述のように、本実施例によれば、他の変
速期間内ではない状態において3→2変速が判断された
単一変速の場合には、多重変速判定手段166に対応す
るS3およびS4により第1クラッチツウクラッチ変速
制御手段160に対応するS5によるクラッチツウクラ
ッチダウンシフト変速が実行させられるが、ブレーキB
3或いはB2の係合状態が変化している期間内たとえば
1→3変速或いは2→3変速期間内においてクラッチツ
ウクラッチダウンシフト変速である3→2変速が判断さ
れた多重変速の場合には、多重変速判定手段166に対
応するS3或いはS4により、第2クラッチツウクラッ
チ変速制御手段162に対応するS6或いはS7による
多重変速用のクラッチツウクラッチダウンシフト変速が
実行させられるので、クラッチツウクラッチダウン変速
に際して多重変速に起因する変速ショックの発生が好適
に抑制される。
【0069】また、本実施例によれば、S7における多
重変速用のクラッチツウクラッチダウンシフト変速制
御、すなわち2→3変速期間中において開始される3→
2変速のための変速制御において、2→3変速のイナー
シャ相が検出される前に3→2変速判断が行われた場合
には、入力軸20の回転速度変化が発生する前であって
実質的に2→3変速が開始される前の3→2変速判断で
あることから、直ちにブレーキB2が解放され且つブレ
ーキB3が係合させられても変速ショックが発生せず、
速やかに第2速ギヤ段が達成される利点がある。
【0070】また、本実施例によれば、S7における多
重変速用のクラッチツウクラッチダウンシフト変速制
御、すなわち2→3変速期間中において開始される3→
2変速のための変速制御において、ブレーキB3の初期
油圧制御が設けられていないので、初期油圧制御に起因
するブレーキB3の係合トルクの変化がなく、一層円滑
にブレーキB3の係合が進行させられる利点がある。
【0071】また、本実施例によれば、シフトレバー7
2のエンジンブレーキレンジへの操作にしたがって第2
速ギヤ段へのダウンシフトたとえば3→2変速が判断さ
れたとき、車両駆動走行判定手段168に対応するS8
において車両が駆動走行状態であると判定された場合に
は第1クラッチツウクラッチ変速制御手段160に対応
するS5が実行させられるが、車両が非駆動走行状態で
あると判定された場合には第3クラッチツウクラッチ変
速制御手段164に対応するS9により第1クラッチツ
ウクラッチ変速制御手段160によるクラッチツウクラ
ッチダウンシフト変速とは異なる非駆動走行用のクラッ
チツウクラッチダウンシフト変速が実行されるので、ク
ラッチツウクラッチダウン変速に際して車両の非駆動走
行に起因する変速ショックの発生が好適に抑制される。
【0072】また、本実施例によれば、第3クラッチツ
ウクラッチ変速制御手段164に対応するS9により実
行される非駆動走行用のクラッチツウクラッチダウンシ
フト変速では、5、4→2変速であるか3→2変速であ
るかという変速の種類に応じて、5、4→2変速では3
→2変速に比較してブレーキB3の係合圧PB3の立ち上
がり速度が緩やかとなるように変更されることから、
5、4→2変速において同時に係合するクラッチC0お
よびブレーキB3のうち係合容量の少ないクラッチC0
が滑ることが防止される利点がある。
【0073】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0074】たとえば、前述の実施例のS3における1
→3変速中の判定或いはS4における2→3変速中の判
定は、その1→3変速或いは2→3変速の判断が行われ
たことを以て判定されてもよいが、1→3変速或いは2
→3変速の出力によって入力軸20の回転変化が表れた
実質的に変速が開始されたことを以て判定されてもよ
い。
【0075】また、前述の図13のS5において実行さ
れる通常の3→2クラッチツウクラッチダウン変速制御
ルーチン(図14)では、車速Vが低い程トルクコンバ
ータ12のトルク増幅の影響を受けやすいので、スイー
プ制御期間(図10)の係合圧PB3すなわち出力圧P
SLU の増加率RN1は、車速Vが低い程大きい値(傾き
大)とされるような関数RN1=f1 (V)とされてもよ
い。また、上記増加率RN1は、スロットル弁開度θTH
も応じて変化する関数RN1=f2 (V、θTH)とされて
もよい。
【0076】また、前述の図13のS6において実行さ
れる多重変速用の3→2クラッチツウクラッチダウン変
速制御ルーチン(制御B:図15)では、極力速やかに
変速を実行させるため、およびクラッチ回転速度NC0
ピーク点が発生した時点からは見掛け上アップシフト変
速が行われるようになるために、第1スイープ制御期間
(図11)の係合圧PB3の増加率RT1は、第2スイープ
制御期間(図11)の係合圧PB3の増加率RT2よりも高
くされているのである。このとき、それら増加率RT1
よびRT2は、車速Vが低い程トルクコンバータ12のト
ルク増幅の影響を受け易いので、適正な変速制御を実行
させるために、車速Vが低い程大きい値(傾き大)とさ
れるような関数RT1=f3 (V)、RT2=f4 (V)と
されてもよい。また、上記増加率RT1およびRT2は、ス
ロットル弁開度θTHにも応じて変化する関数RT1=f5
(V、θTH)、RT2=f6 (V、θTH)とされてもよ
い。
【0077】また、前述の図13のS9において実行さ
れる非駆動走行用の3→2クラッチツウクラッチダウン
変速制御ルーチン(制御A:図17)では、変速のタイ
ムラグを防止するため、および一旦回転変化が発生した
後も大きな増加率とすると急速に変速が進行してショッ
クが発生することを解消するために、第1スイープ制御
期間(図12)の係合圧PB3の増加率RS1は、第2スイ
ープ制御期間(図12)の係合圧PB3の増加率RS2より
も高くされているのである。このとき、車速Vが低い程
変速前後での回転速度変化量が少ないので、上記増加率
S1およびRS2は、適正な変速制御を実行させるため
に、車速Vが低い程小さい値(傾き小)とされるような
関数RS1=f7 (V)、RS2=f8 (V)とされてもよ
い。
【0078】また、前述の図13のS8においては、車
両の駆動走行状態か非駆動走行状態かを判断するため
に、スロットル弁開度θTHが所定の判断基準値KTA1
以下であるか否かを判断しているが、それに替えて、ア
クセルペダルが踏み込まれているか否かを判断したり、
或いは、予め二次元座標内に設定された駆動走行領域お
よび非駆動走行領域を含む関係から実際の車速Vおよび
スロットル弁開度θTHにより表される車両の走行状態が
いずれの領域に属するかを判断したりすることが行われ
てもよい。
【0079】また、前述の実施例の自動変速機14で
は、ブレーキB3の解放とブレーキB2の係合とによっ
て第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へのクラッチツウクラ
ッチ変速が行われるように構成されていたが、他の摩擦
係合装置がそのクラッチツウクラッチ変速を実現するも
のであってもよいし、他のギヤ段たとえば第1速ギヤ段
と第2速ギヤ段との間でクラッチツウクラッチ変速が行
われるように構成されていてもよい。
【0080】また、前述の実施例では、エンジン用電子
制御装置76と変速用電子制御装置78とは相互に独立
して構成されていたが、共通の演算制御装置によって構
成されていてもよい。
【0081】また、前述の実施例のB3コントロール弁
92は、直接的にブレーキB3内の係合圧PB3を制御す
るものでなく、間接的に制御するものであってもよい。
【0082】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の変速制御装置によってギヤ
段が制御される車両用自動変速機の構成を説明する骨子
図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の摩擦係合装
置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関
係を示す図表である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路およ
び電子制御回路を含むブロック線図である。
【図4】図3のシフトレバーの操作位置を説明する図で
ある。
【図5】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図6】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図7】図5および図6に示す油圧制御回路により実行
される2→3変速におけるブレーキB3およびブレーキ
B2の解放油圧および係合油圧の変化を示す図である。
【図8】図5および図6に示す油圧制御回路により実行
される3→2変速におけるブレーキB2およびブレーキ
B3の解放油圧および係合油圧の変化を示す図である。
【図9】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図10】図3の変速用電子制御装置の制御作動におけ
る通常時のクラッチツウクラッチダウン変速制御時の作
動を説明するタイムチャートである。
【図11】図3の変速用電子制御装置の制御作動におけ
る多重変速用のクラッチツウクラッチダウン変速制御時
の作動を説明するタイムチャートである。
【図12】図3の変速用電子制御装置の制御作動におけ
るシフト操作に関連する非駆動走行時のクラッチツウク
ラッチダウン変速制御時の作動を説明するタイムチャー
トである。
【図13】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートである。
【図14】図13のS5のルーチン、すなわち通常時の
クラッチツウクラッチダウン変速制御ルーチンを詳しく
説明するフローチャートである。
【図15】図13のS6のルーチン、すなわち1→3変
速中において3→2変速が判断されたときに実行される
多重変速用のクラッチツウクラッチダウン変速制御ルー
チンを詳しく説明するフローチャートである。
【図16】図13のS7のルーチン、すなわち2→3変
速中において3→2変速が判断されたときに実行される
多重変速用のクラッチツウクラッチダウン変速制御ルー
チンを詳しく説明するフローチャートである。
【図17】図13のS9のルーチン、すなわちシフト操
作に関連する非駆動走行時のクラッチツウクラッチダウ
ン変速制御ルーチンを詳しく説明するフローチャートで
ある。
【符号の説明】
14:自動変速機 92:B3コントロール弁(調圧弁) 160:第1クラッチツウクラッチ変速制御手段 162:第2クラッチツウクラッチ変速制御手段 164:第3クラッチツウクラッチ変速制御手段 166:多重変速判定手段 168:車両駆動走行判定手段 ブレーキB3:第1の油圧式摩擦係合装置 ブレーキB2:第2の油圧式摩擦係合装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−110063(JP,A) 特開 平7−71573(JP,A) 特開 平6−346962(JP,A) 特開 平3−41254(JP,A) 特開 平5−332439(JP,A) 特開 平5−312262(JP,A) 特開 平4−25664(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の油圧式摩擦係合装置内の作動油圧
    が調圧弁によって直接に調圧され、第2の油圧式摩擦係
    合装置を解放し且つ該第1の油圧式摩擦係合装置を係合
    することによりクラッチツウクラッチダウンシフト変速
    が実行される形式の車両用自動変速機の変速制御装置で
    あって、 前記第1或いは第2の油圧式摩擦係合装置の係合状態が
    変化していない期間内において前記クラッチツウクラッ
    チダウンシフト変速を実行させるための第1クラッチツ
    ウクラッチ変速制御手段と、 前記第1或いは第2の油圧式摩擦係合装置の係合状態が
    変化している期間内において前記第1クラッチツウクラ
    ッチ変速制御手段によるクラッチツウクラッチダウンシ
    フト変速とは異なるクラッチツウクラッチダウンシフト
    変速を実行させるための第2クラッチツウクラッチ変速
    制御手段と、 前記第1或いは第2の油圧式摩擦係合装置の係合状態が
    変化している期間内において前記クラッチツウクラッチ
    ダウンシフト変速が判断されたか否かを判定し、該判定
    が否定された場合は前記第1クラッチツウクラッチ変速
    制御手段によるクラッチツウクラッチダウンシフト変速
    を実行させ、該判定が肯定された場合には、前記第2ク
    ラッチツウクラッチ変速制御手段によるクラッチツウク
    ラッチダウンシフト変速を実行させる多重変速判定手段
    とを含み、 上記第2クラッチツウクラッチ変速制御手段は、待機制
    御によって前記第1の油圧式摩擦係合装置の係合圧を係
    合トルクを発生させるための値に維持し、前記自動変速
    機の入力軸回転速度が変速終了ギヤ段達成時の該入力軸
    回転速度よりも低い値に設定された第1スイ−プ制御開
    始判断基準値を越えると所定の増加率で係合圧を連続的
    に高める第1スイ−プ制御を開始し、該入力軸回転速度
    の実際の増加率が予め定められた判断基準値を下回った
    ことを判断したことに基づいて上記第1スイープ制御に
    おけるよりも小さく設定された増加率で係合圧を連続的
    に高める第2スイープ制御を実行するものである ことを
    特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 第1の油圧式摩擦係合装置内の作動油圧
    が調圧弁によって直接に調圧され、手動ダウンシフト判
    定手段により手動操作によるクラッチツウクラッチダウ
    ンシフト変速であると判定された場合には、第2の油圧
    式摩擦係合装置を解放し且つ該第1の油圧式摩擦係合装
    置を係合することによりクラッチツウクラッチダウンシ
    フト変速が実行される形式の車両用自動変速機の変速制
    御装置であって、 手動操作によるクラッチツウクラッチダウンシフト変速
    が判定され且つ車両の駆動走行状態であるときに、前記
    クラッチツウクラッチダウンシフト変速を実行させる第
    1クラッチツウクラッチ変速制御手段と、 手動操作によるクラッチツウクラッチダウンシフト変速
    が判定され且つ車両の非駆動走行状態であるときに、該
    第1クラッチツウクラッチ変速制御手段によるクラッチ
    ツウクラッチダウンシフト変速とは異なるクラッチツウ
    クラッチダウンシフト変速を実行させる第3クラッチツ
    ウクラッチ変速制御手段と、 車両が駆動走行状態であるか或いは非駆動走行状態であ
    るかを判定し、駆動走行状態であると判定した場合には
    前記第1クラッチツウクラッチ変速制御手段によるクラ
    ッチツウクラッチダウンシフト変速を実行させ、非駆動
    走行状態であると判定した場合には前記第3クラッチツ
    ウクラッチ変速制御手段によるクラッチツウクラッチダ
    ウンシフト変速を実行させる車両駆動走行判定手段と
    を、含み、 上記第3クラッチツウクラッチ変速制御手段は、待機制
    御によって前記第1の油圧式摩擦係合装置の係合圧を係
    合トルクを発生させるための値に維持し、手動操作から
    所定時間を経過した時点から所定の増加率で係合圧を連
    続的に高める第1スイ−プ制御を開始し、前記自動変速
    機の入力軸回転速度の上昇開始が検出されると上記第1
    スイープ制御におけるよりも小さく設定された増加率で
    係合圧を連続的に高める第2スイープ制御を開始し、該
    入力軸回転速度が変速終了ギヤ段達成時の回転速度より
    も低く予め設定されたダウン制御開始判断基準値以上と
    なったとき上記第2スイ−プ制御により増加させられて
    いる係合圧がその増加状態を維持しつつ所定幅だけ減少
    させられるダウン制御を実行するものである ことを特徴
    とする車両用自動変速機の変速制御装置。
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