JP3377015B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP3377015B2 JP17736295A JP17736295A JP3377015B2 JP 3377015 B2 JP3377015 B2 JP 3377015B2 JP 17736295 A JP17736295 A JP 17736295A JP 17736295 A JP17736295 A JP 17736295A JP 3377015 B2 JP3377015 B2 JP 3377015B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、所定方向のクラッ
チツウクラッチ変速途中においてそれとは反対方向のク
ラッチツウクラッチ変速の変速判断を実行させるための
車両用自動変速機の変速制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチま
たはブレーキ)の作動の組み合わせに従って複数の遊星
歯車装置の要素を相互に或いは位置固定の部材に選択的
に連結させることにより複数のギヤ段が択一的に達成さ
れる車両用自動変速機が知られている。このような自動
変速機では、通常、一方向クラッチの係合作動を利用す
ると1つの油圧式摩擦係合装置の係合或いは解放によっ
てギヤ段が切り換えられる場合が多いが、小型或いは軽
量化などを目的として一方向クラッチが用いられない場
合には、一対の油圧式摩擦係合装置のうちの一方の解放
作動と他方の係合作動とが重複的に実施されることによ
りギヤ段が切り換えられる所謂クラッチツウクラッチ変
速が実行される場合がある。このようなクラッチツウク
ラッチ変速期間では、一対の油圧式摩擦係合装置に係合
トルクを持たせた重複期間を発生させるように、第1の
油圧式摩擦係合装置の解放圧を調圧し、或いは第2の油
圧式摩擦係合装置の係合圧を調圧する油圧制御が行われ
る。 【0003】上記クラッチツウクラッチ変速のうちの所
定の変速方向のクラッチツウクラッチ変速では、第1の
油圧式摩擦係合装置が解放され且つアキュムレータが接
続された第2の油圧式摩擦係合装置が係合させられるこ
とにより所定の変速方向のクラッチツウクラッチ変速が
実行されるようになっている。たとえば、特開平6−3
41525号公報に記載された変速制御装置がそれであ
る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の所定
の変速方向のクラッチツウクラッチ変速途中においてそ
れとは反対方向のクラッチツウクラッチ変速の変速判断
が行われて多重変速が実行される場合がある。このよう
な場合には、エンジン回転速度の吹き上がりやその後の
ショックを防止するために、上記所定の変速方向のクラ
ッチツウクラッチ変速において係合される第2の油圧式
摩擦係合装置に接続されたアキュムレータ内に蓄積され
た圧力を利用して第2の油圧式摩擦係合装置がゆっくり
と解放させられるようになっている。 【0005】しかしながら、上記所定の変速方向のクラ
ッチツウクラッチ変速途中においてアキュムレータ内に
作動油が充満される途中で、反対方向のクラッチツウク
ラッチ変速の変速判断が行われると、作動油が未だ充満
されていないアキュムレータでは油圧レベルを所定期間
維持するアキュム作用が充分に得られないため、第2の
油圧式摩擦係合装置が比較的速やかに解放されてしま
い、エンジンの吹き上がりや変速ショックが発生すると
いう問題があった。 【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、クラッチツウク
ラッチの多重変速に起因するエンジンの吹き上がりや変
速ショックの発生が抑制される車両用自動変速機の変速
制御装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、第1の油圧式摩擦係
合装置と、アキュムレータが接続された第2の油圧式摩
擦係合装置とを備え、その第1の油圧式摩擦係合装置
は、クラッチツウクラッチ変速期間内における係合圧が
電子制御装置により制御される調圧弁によって直接的に
調圧される形式とされた車両用自動変速機であり、第1
の油圧式摩擦係合装置を解放し且つ第2の油圧式摩擦係
合装置を係合することにより所定の変速方向のクラッチ
ツウクラッチ変速を実行させ、第2の油圧式摩擦係合装
置を解放し且つ第1の油圧式摩擦係合装置を係合するこ
とにより前記所定の変速方向とは反対向きのクラッチツ
ウクラッチ変速を実行させる形式の車両用自動変速機の
変速制御装置であって、(a)前記電子制御装置による前
記調圧弁の制御によって前記所定の変速方向とは反対向
きのクラッチツウクラッチ変速を実行するための変速制
御を実行する第1クラッチツウクラッチ変速制御手段
と、(b) 前記所定の変速方向のクラッチツウクラッチ変
速途中において前記反対向きのクラッチツウクラッチ変
速の変速を実行するために、前記電子制御装置による前
記調圧弁の制御によって、前記第1クラッチツウクラッ
チ変速制御手段とは異なる変速制御を実行する第2クラ
ッチツウクラッチ変速制御手段と、(c) 前記所定方向の
クラッチツウクラッチ変速途中において前記反対向きの
クラッチツウクラッチ変速の変速判断が行われたことを
判定する多重変速判定手段と、(d) その多重変速判定手
段により前記所定方向のクラッチツウクラッチ変速途中
において前記反対向きのクラッチツウクラッチ変速の変
速判断が行われたとき、前記アキュムレータ内に作動油
が充満している場合には前記第1クラッチツウクラッチ
変速制御手段を実行させるが、前記アキュムレータ内に
作動油が充満していない場合には前記第2クラッチツウ
クラッチ変速制御手段によるクラッチツウクラッチ変速
を実行させる変速制御変更手段とを、含み、(e) 前記第
2クラッチツウクラッチ変速制御手段は、前記電子制御
装置による前記調圧弁の制御により、前記第1の油圧式
摩擦係合装置の係合圧を、ダウン変速に際して、所定の
スイープ開始条件が成立するまでは、比較的小さい前記
第1の油圧式摩擦係合装置の係合トルクを発生させるた
めの所定値に維持し、前記 スイープ開始条件が成立する
と、前記第1の油圧式摩擦係合装置の係合開始が検出さ
れるまで、一定の増加率で連続的に増加させ、前記第1
の油圧式摩擦係合装置の係合開始が検出されると、前記
一定の増加率よりも低い一定の増加率で前記第1の油圧
式摩擦係合装置の係合が検出されるまで増加させ、前記
第1の油圧式摩擦係合装置の係合が検出されると最大値
とすることにある。 【0008】 【発明の効果】このようにすれば、多重変速判定手段に
より、前記所定方向のクラッチツウクラッチ変速途中に
おいて前記反対向きのクラッチツウクラッチ変速の変速
判断が行われたことが判定されると、変速制御変更手段
によって、前記アキュムレータ内に作動油が充満してい
る場合には前記第1クラッチツウクラッチ変速制御手段
を実行させるが、前記アキュムレータ内に作動油が充満
していない場合には前記第2クラッチツウクラッチ変速
制御手段によるクラッチツウクラッチ変速を実行させ
。したがって、本発明によれば、アキュムレータ内の
作動油の充満状態に拘わらず、クラッチツウクラッチの
多重変速に起因するエンジンの吹き上がりや変速ショッ
クの発生が好適に抑制される。 【0009】 【0010】 【0011】【発明の他の態様】 ここで、 前記第1クラッチツウクラ
ッチ変速制御手段は、好適には、上記電子制御装置によ
って制御されることにより、前記第1の油圧式摩擦係合
装置の係合圧を、クラッチツウクラッチダウン変速に際
して、所定の期間だけ50%程度の所定値に高める初期
油圧制御によってブレーキB3内に速やかに作動油を充
填した後、待機制御によってブレーキB3の係合圧PB3
を比較的小さいブレーキB3の係合トルクを発生させる
ための比較的小さい値に維持し、ブレーキB3の同期が
予測される時点に到達すると、スイープ制御によって、
一定の増加率で連続的に緩やかに高められるように増加
させ、ブレーキB3の完全係合が検出されると最大値と
する。 【0012】また、前記第2クラッチツウクラッチ変速
制御手段は、好適には、上記電子制御装置によって制御
されることにより、前記第1の油圧式摩擦係合装置の係
合圧を、ダウン変速に際して、所定のスイープ開始条件
が成立するまでは、待機制御によって比較的小さいブレ
ーキB3の係合トルクを発生させるための所定値に維持
し、上記スイープ開始条件が成立すると、ブレーキB3
の係合開始が検出されるまで、第1のスイープ制御によ
って、一定の増加率で連続的に増加させ、ブレーキB3
の係合開始が検出されと、第2のスイープ制御によっ
て、第1のスイープ制御よりは低い一定の増加率でブレ
ーキB3の係合が検出されるまで増加させ、ブレーキB
3の係合が検出されると最大値とする。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。 【0014】図1は、本発明の一実施例の変速制御装置
により変速制御される車両用自動変速機の一例を示す骨
子図である。図において、エンジン10の出力は、トル
クコンバータ12を介して自動変速機14に入力され、
図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝
達されるようになっている。 【0015】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプインペラ18
と、自動変速機14の入力軸20に連結されたタービン
ランナー22と、それらポンプインペラ18およびター
ビンランナー22の間を直結するロックアップクラッチ
24と、一方向クラッチ26によって一方向の回転が阻
止されているステータ28とを備えている。 【0016】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。第2変速機32は、サンギヤS1、リングギヤR
1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されてそれら
サンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされてい
る遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36と、サン
ギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK2に回転
可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤ
R2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊
星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤR3、お
よびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれらサンギ
ヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星
ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備えてい
る。 【0017】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。 【0018】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。 【0019】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
変速比が順次異なる前進5段のギヤ段のいずれかに切り
換えられる。図2において○印は係合状態を示し、空欄
は解放状態を示し、●はエンジンブレーキのときの係合
状態を示している。この図2からも明らかなように、ブ
レーキB3は、第1速ギヤ段或いは第3乃至第5速ギヤ
段から第2速ギヤ段へ切り換える変速に際して係合させ
られるとともに、第2速ギヤ段から他のギヤ段へ切り換
える変速に際して解放されるものであり、ブレーキB2
は、第2速ギヤ段などから第3速ギヤ段へ切り換える変
速に際して係合させられるものである。第2速ギヤ段と
第3速ギヤ段との間の変速に際しては、ブレーキB2お
よびブレーキB3のうちの解放側に係合トルクを持たせ
る期間と係合側に係合トルクを持たせる期間とをオーバ
ラップさせつつ変速を進行させる所謂クラッチツウクラ
ッチ変速が行われるようになっている。 【0020】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセルペダル50によって操作される
第1スロットル弁52と、常時は開かれているがエンジ
ン出力を抑制するなどに際してスロットルアクチュエー
タ54によって制御される第2スロットル弁56とが設
けられている。また、エンジン10の回転速度NE を検
出するエンジン回転速度センサ58、エンジン10の吸
入空気量Qを検出する吸入空気量センサ60、吸入空気
の温度TA を検出する吸入空気温度センサ62、上記第
1スロットル弁52の開度θTHを検出するスロットルセ
ンサ64、出力軸42の回転速度NOUT から車速Vを検
出する車速センサ66、エンジン10の冷却水温度TW
を検出する冷却水温センサ68、ブレーキの作動を検出
するブレーキスイッチ70、シフトレバー72の操作位
置PSHを検出する操作位置センサ74などが設けられて
おり、それらのセンサから、エンジン回転速度NE 、吸
入空気量Q、吸入空気温度TA 、第1スロットル弁の開
度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの作
動状態BK、シフトレバー72の操作位置PSHを表す信
号がエンジン用電子制御装置76および変速用電子制御
装置78に供給されるようになっている。また、自動変
速機14の入力軸回転速度NE すなわちクラッチC0の
回転速度NC0を検出する入力軸回転センサ73からその
入力軸回転速度NE すなわちクラッチC0の回転速度N
C0を表す信号が変速用電子制御装置78に供給される。
さらに、油圧制御回路84の作動油温度TOIL を検出す
る油温センサ75から作動油温度TOIL を表す信号が変
速用電子制御装置78に供給される。 【0021】また、図4に示すように、上記シフトレバ
ー72は、車両の前後方向に位置するPレンジ、Rレン
ジ、Nレンジ、Dおよび4レンジ、3レンジ、2および
Lレンジへ操作されるとともに、Dレンジと4レンジの
間、および2レンジとLレンジとの間が車両の左右方向
に操作されるようにその支持機構が構成されている。 【0022】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁
80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ82を
制御し、アイドルスピード制御のために図示しないバイ
パス弁を制御し、トラクション制御のためにスロットル
アクチュエータ54により第2スロットル弁56を制御
する。このエンジン用電子制御装置76は、変速用電子
制御装置78と相互に通信可能に接続されており、一方
に必要な信号が他方から適宜送信されるようになってい
る。 【0023】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、第1スロットル弁52の開
度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させ
るためにリニヤソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を制
御するためにリニヤソレノイド弁SLN を、ロックアップ
クラッチ24の係合、解放、スリップ量およびクラッチ
ツウクラッチのシフトを制御するためにリニヤソレノイ
ド弁SLU をそれぞれ駆動する。また、変速用電子制御装
置78は、予め記憶された変速線図から実際のスロット
ル弁開度θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機14の
ギヤ段やロックアップクラッチ24の係合状態を決定
し、この決定されたギヤ段および係合状態が得られるよ
うに電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレー
キを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。 【0024】図5および図6は、上記油圧制御回路84
の要部を示している。図の1−2シフト弁88および2
−3シフト弁90は、電磁弁S1、S2の出力圧に基づ
いて、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への変速時および
第2速ギヤ段から第3速ギヤ段への変速時においてそれ
ぞれ切り換えられる切換弁であり、その切換位置を示す
数値はギヤ段を示している。前進レンジ圧PD は、シフ
トレバー72が前進レンジ(D、4、3、2、L)へ操
作されているときに図示しないマニュアル弁から発生さ
れる圧であり、図示しないレギュレータ弁によりスロッ
トル弁開度に応じて高く調圧されるライン圧PL を元圧
としている。 【0025】第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換え
る変速出力が出された時には、上記前進レンジ圧P
D は、1−2シフト弁88、2−3シフト弁90、油路
L01、B3コントロール弁92、油路L02を経てブ
レーキB3および圧力振動吸収用のダンパー94へ供給
される。また、第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へ切り換
える変速出力が出された時には、前進レンジ圧PD は、
2−3シフト弁90、油路L03を経て、ブレーキB2
およびB2アキュムレータ100へ供給されると同時
に、ブレーキB3内の作動油は、油路L02、B3コン
トロール弁92、油路L01、2−3シフト弁90、戻
り油路L04、2−3タイミング弁98を経て調圧ドレ
ンされるとともに、戻り油路L04から分岐する分岐油
路L05およびB2オリフィスコントロール弁96を経
て急速ドレンされるようになっている。 【0026】上記B2アキュムレータ100の背圧室1
00B には、変速用電子制御装置78からの指令値D
SLT に従って作動させられるリニヤソレノイド弁SLT の
出力圧PSLT と、同様に指令値DSLN によって作動させ
られるリニヤソレノイド弁SLNの出力圧PSLN に基づい
てアキュム背圧PACC を発生させる図示しないアキュム
背圧制御弁からのアキュム背圧PACC が、各変速に際し
て供給される。上記出力圧PSLT はスロットル弁開度θ
THに対応して変化させられるものであり、上記アキュム
背圧PACC はスロットル弁開度θTHの増大に伴って減少
させられる。 【0027】前記B3コントロール弁92は、アキュム
レータが設けられていないブレーキB3の係合圧を直接
的に調圧するための調圧弁として機能し、油路L01と
油路L02との間を開閉するスプール弁子104と、ス
プリング106を挟んでスプール弁子104と同心に設
けられ且つそのスプール弁子104よりも大径のプラン
ジャ108と、スプリング106を収容し、前記2−3
シフト弁90が第3速側へ切り換えられたときにそれか
ら出力される前進レンジ圧PD を油路L07を介して受
け入れる油室110と、プランジャ108の軸端に設け
られてリニヤソレノイド弁SLU の出力圧PSLU を受け入
れる油室112とを備えている。このため、B3コント
ロール弁92は、3→2変速に際しては、リニヤソレノ
イド弁SLU の出力圧PSLU に従ってスプール弁子104
を中心線の左側に示す開位置に位置させてファーストフ
ィルをその初期に行うとともに、その後は油路L01か
らの作動油を油路L02に供給したり或いは油路L02
内の作動油を排出油路L06へ流出させることによりブ
レーキB3内の係合圧PB3の立ち上がりを数式1から上
記出力圧PSLU に基づいてたとえば図8に示すように調
圧し、ブレーキB3の係合より所定の時間前に到達した
と判断されたときに急速に立ち上げる。また、B3コン
トロール弁92は、2→3変速に際しては、エンジン1
0のオーバシュート量或いはタイアップ量が予め設定さ
れた目標範囲となるように学習により補正された指令値
に基づいて出力される出力圧PSLU に従って、たとえば
図7に示すように所定の速度で圧力降下させる。なお、
数式1において、S1 およびS 2 はプランジャ108お
よびスプール弁子104の断面積である。 【0028】 【数1】PB3=PSLU ・S1 /S2 【0029】B2オリフィスコントロール弁96は、ブ
レーキB2およびB2アキュムレータ100と油路L0
3との間を開閉すると同時に排出油路L06とドレンポ
ート113との間を開閉するスプール弁子114と、ス
プール弁子114をファーストドレン位置へ向かって付
勢するスプリング116と、スプール弁子114の軸端
に設けられて第3電磁弁S3の出力圧PS3を3−4シフ
ト弁118を通して受け入れる油室120とを備えてい
る。これにより、3→2変速時などには第3電磁弁S3
がオン状態とされてその出力圧PS3が油室120に供給
されなくなるので、スプール弁子114によりブレーキ
B2およびB2アキュムレータ100と油路L03との
間を開かれて、それらブレーキB2およびB2アキュム
レータ100からの作動油の排出を速やかに行うファー
ストドレン作動が行われる。また、1→2変速において
は、上記第3電磁弁S3がオフ状態とされてその出力圧
S3が油室120に供給されることにより、B3コント
ロール弁92の調圧作動によりそれから排出される作動
油を排出させる排出油路L06とドレンポート113と
の間が開かれてそのB3コントロール弁92の調圧作動
が許容されるが、1→2変速が完了すると第3電磁弁S
3がオン状態とされて排出油路L06とドレンポート1
13との間が閉じられることによりB3コントロール弁
92の調圧作動が停止させられる。 【0030】2−3タイミング弁98は、第2速ギヤ段
から第3速ギヤ段へのクラッチツウクラッチ変速に関与
し、ブレーキB3からの解放圧をリニヤソレノイド弁SL
U から出力圧PSLU に従って調圧するドレーン調圧弁と
して機能する。すなわち、2−3タイミング弁98は、
2→3変速が出力されたときに2−3シフト弁90から
出力された比較的高圧の前進レンジ圧PD (ライン圧と
同じ値)が3−4シフト弁118およびソレノイドリレ
ー弁122を通して供給される高圧ポート124と、ド
レンポート126と、油路L04をその高圧ポート12
4またはドレンポート126に連通させることによりブ
レーキB3のドレン期間の圧力PB3を調圧するスプール
弁子128と、スプリング130を介してスプール弁子
128と同心に設けられ且つそのスプール弁子128と
同径の第1プランジャ132と、スプール弁子128と
同心に且つその一端に当接可能に設けられ且つそのスプ
ール弁子128よりも大径の第2プランジャ134と、
スプリング130を収容し、前記2−3シフト弁90が
第2速側へ切り替えられたときにそれから出力される前
進レンジ圧PD を油路L08を介して受け入れる油室1
36と、第1プランジャ132の軸端に設けられ、リニ
ヤソレノイド弁SLU からの出力圧PSLU を受け入れる油
室138と、第2プランジャ134の軸端に設けられ、
ブレーキB2内の油圧PB2を受け入れる油室140と、
フィードバック圧を受け入れるフィードバック油室14
2とを備えている。 【0031】したがって、スプール弁子128および第
1プランジャ132の断面積をS3、スプール弁子12
8の第2プランジャ134側のランドの断面積をS4
第2プランジャ134の断面積をS5 とすると、2→3
変速出力が出された状態における解放過程のブレーキB
3の圧力PB3は、2−3タイミング弁98による調圧作
動により、数式2から、ブレーキB2の係合圧PB2の増
加に応じて減少し、リニヤソレノイド弁SLU の出力圧P
SLU に応じて増加するように調圧される。 【0032】 【数2】 PB3=PSLU ・S3 /(S3 −S4 )−PB2・S5 /(S3 −S4 ) 【0033】また、上記2−3タイミング弁98は、第
2速側へ切り換えられた2−3シフト弁90から出力さ
れる前進レンジ圧PD が油室136へ供給されると、上
記スプール弁子128がロックされるようになってい
る。これも、2−3タイミング弁98の油室138とB
3コントロール弁92の油室112とが接続されている
ことから、第1速および第2速の状態では2−3タイミ
ング弁98の油室138の容積変化を阻止して、B3コ
ントロール弁92の調圧作動に影響を与えないようにす
るためである。 【0034】C0エキゾースト弁150は、第3電磁弁
S3の出力圧PS3および油路L01内の油圧に従って閉
位置に位置させられるが、第4電磁弁S4の出力圧PS4
に従って開位置に位置させられるスプール弁子152を
備え、図示しない4−5シフト弁が第4速以下の切り換
え状態であるときにそれを経由して供給されるライン圧
L を、第2速および第5速時以外のときにクラッチC
0およびC0アキュムレータ154に供給する。 【0035】以上のように構成された変速制御装置にお
いて、2→3変速(クラッチツウクラッチ変速)判断が
行われて第3速ギア段への変速出力が出された場合に
は、2−3シフト弁90がその第2速側から第3速側へ
切り替えられる。これにより、前進レンジ圧PD が2−
3シフト弁90、油路L03を経てブレーキB2へ供給
される。同時に、2−3シフト弁90からの前進レンジ
圧PD がB3コントロール弁92の油室110に供給さ
れてそのスプール弁子104が開位置にロックされる一
方、これと同時に、2−3シフト弁90を介して油路L
01とL04との接続が行われるとともに、2−3タイ
ミング弁98の油室136内の作動油が油路L04およ
び2−3シフト弁90を通して排出され、ブレーキB3
の解放圧が2−3タイミング弁98によりリニヤソレノ
イド弁SLU からの出力圧PSLU に応じて調圧されつつ解
放される。 【0036】図9は、変速用電子制御装置78による制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図に
おいて、自動変速制御手段158は、自動変速機14を
自動的に変速サセルタメに、ギヤ段毎に設けられた変速
線(シフトアップ線およびシフトダウン線)から構成さ
れたよく知られた変速線図から実際の車両状態例えば車
速およびエンジン負荷(たとえばスロットル弁開度)に
基づいて変速判断を行い、その判断された変速段を達成
するために前記電磁弁S1、S2、S3を駆動して変速
出力を行う。たとえば、シフトアップ線から実際のエン
ジン負荷に基づいて決定された変速点車速を実際の車速
が超えたときにアップシフト変速が判断され、シフトダ
ウン線から実際のエンジン負荷に基づいて決定された変
速点車速を実際の車速が下回ったときにダウンシフトが
判断され、そしてその判断された変速段を達成するため
の変速出力が行われる。 【0037】第1クラッチツウクラッチ変速制御手段1
60は、解放側の油圧式摩擦係合装置に接続されたアキ
ュムレータ内に作動油が充分に充満されていることを前
提とする通常のクラッチツウクラッチダウン変速、すな
わち本実施例ではアキュムレータ100内に作動油が充
分(100%程度)に充満されていることを前提とした
3→2ダウン変速を、実行させるためのものである。す
なわち、第1クラッチツウクラッチ変速制御手段160
は、3→2ダウン変速を行うために、B2アキュムレー
タ100の背圧を制御してブレーキB2内の係合圧を徐
々に低下させる一方、リニヤソレノイド弁SLU への指令
値(デューティ比)DSLU すなわちリニヤソレノイド弁
SLU の出力圧PSLU を変化させることにより、図8に示
すようにブレーキB3の係合圧PB3を変化させて、クラ
ッチツウクラッチダウンシフト変速を実行させる。たと
えば、上記通常のクラッチツウクラッチ変速では、ダウ
ン変速に際して、所定の期間だけ出力圧PSLU を50%
程度に高める初期油圧制御によってブレーキB3内に速
やかに作動油が充填された後、待機制御によってブレー
キB3の係合圧PB3は比較的小さいブレーキB3の係合
トルクを発生させるために出力圧PSLU が比較的小さい
値に維持され、ブレーキB3の同期が予測される時点に
到達すると、スイープ制御によって、一定の増加率で係
合圧PB3が連続的に緩やかに高められるように出力圧P
SLU が増加させられ、ブレーキB3の完全係合が検出さ
れると出力圧PSLU が最大値とされる。 【0038】第2クラッチツウクラッチ変速制御手段1
62は、所定方向のクラッチツウクラッチ変速途中にお
けるそれと反対方向のクラッチツウクラッチ変速、すな
わちアキュムレータ100内に作動油が充分に充満され
ていないことを前提とした3→2ダウン変速、すなわち
2→3変速途中において3→2ダウン変速を実行させる
多重変速用変速制御手段である。すなわち、第2クラッ
チツウクラッチ変速制御手段162は、3→2ダウン変
速を行うために、B2アキュムレータ100の背圧を制
御してブレーキB2内の係合圧を徐々に低下させる一
方、リニヤソレノイド弁SLU への指令値(デューティ
比)DSLU すなわちリニヤソレノイド弁SLUの出力圧P
SLU を変化させることにより、図10に示すようにブレ
ーキB3の係合圧PB3を変化させて、クラッチツウクラ
ッチダウンシフト変速を実行させる。たとえば、上記ク
ラッチツウクラッチの多重変速では、ダウン変速に際し
て、所定のスイープ開始条件が成立するまでは、待機制
御によって比較的小さいブレーキB3の係合トルクを発
生させるために出力圧PSLU が所定値に維持され、上記
スイープ開始条件が成立すると、ブレーキB3の係合開
始が検出されるまで、第1のスイープ制御によって、一
定の増加率で係合圧PB3が連続的に緩やかに高められる
ように出力圧PSLU が増加させられ、ブレーキB3の係
合開始が検出されと、第2のスイープ制御によって、第
1のスイープ制御よりは低い一定の増加率でブレーキB
3の係合が検出されるまで増加させられ、ブレーキB3
の係合が検出されると出力圧PSLU が最大値とされる。 【0039】多重変速判定手段164は、所定方向のク
ラッチツウクラッチ変速途中においてそれと反対方向の
クラッチツウクラッチ変速(多重変速)が判断されたか
否か、本実施例ではたとえばブレーキB3を解放し且つ
ブレーキB2を係合させる2→3変速途中においてブレ
ーキB2を解放し且つブレーキB3を係合させる3→2
変速が判断されたか否かを判定する。 【0040】変速制御変更手段166は、上記多重変速
判定手段164により所定方向のクラッチツウクラッチ
変速途中においてそれと反対方向のクラッチツウクラッ
チ変速(多重変速)が判断されたとき、アキュムレータ
100内に作動油が充満していない場合における上記反
対向きのクラッチツウクラッチ変速(3→2変速)制御
を、アキュムレータ100内に作動油が充満している場
合のその反対向きのクラッチツウクラッチ変速(3→2
変速)制御に対して変更する。すなわち、変速制御変更
手段166は、2→3変速途中においてそれとは反対向
きの3→2変速の変速判断(多重変速判断)が行われた
ことが判定されたときにおいて、アキュムレータ100
内に作動油が充満している場合には前記第1クラッチツ
ウクラッチ変速制御手段160による通常のクラッチツ
ウクラッチ変速を実行させるが、上記アキュムレータ1
00内に作動油が充満していない場合には前記第2クラ
ッチツウクラッチ変速制御手段162によるクラッチツ
ウクラッチ変速を実行させることにより、上記充満して
いる場合に対して3→2変速制御内容を変更する。 【0041】図11は、変速用電子制御装置78による
制御作動の要部、すなわちクラッチツウクラッチアップ
変速である2→3変速途中でクラッチツウクラッチダウ
ン変速である3→2変速を実行させるための多重変速制
御を示すフローチャートである。なお、前記自動変速制
御手段158に対応するステップはよく知られたもので
あるので、省略されている。 【0042】図11のステップ(以下、ステップを省略
する)S1では、2→3変速途中であるか否かが判断さ
れる。このS1の判断が否定された場合は本多重変速制
御ルーチンが終了させられるが、肯定された場合には、
続くS2において、前記多重変速判定手段164により
3→2変速が判断されたか否かが判定される。このS2
の判断が否定された場合は本多重変速制御ルーチンが終
了させられるが、肯定された場合には、2→3変速途中
において2→3変速が判断された多重変速の状態である
ので、続くS3が実行される。本実施例では、上記S1
およびS2が前記多重変速判定手段164に対応してい
る。 【0043】上記S3は、2→3変速途中において3→
2変速が判断された状態で、アキュムレータ100内の
作動油の充満状態に応じて、S4の通常の変速制御とS
5の多重時の変速制御とのいずれかに変更するものであ
り、前記変速制御変更手段166に対応している。この
S3においては、2→3変速出力からの経過時間TE2 3
が予め設定された判断基準値TB2Eを超えたか否か、
すなわちブレーキB2に接続されたアキュムレータ10
0内に作動油が充満している状態であるか否かが判断さ
れる。この判断基準値TB2Eは、2→3変速過程で係
合させられるブレーキB2に接続されたアキュムレータ
100内に作動油が充満するまでの時間に相当する値で
あって、予め実験的に求められる。 【0044】上記S3の判断が肯定された場合は、アキ
ュムレータ100内に作動油が充満された状態であるの
で、たとえば図12に示すような通常のクラッチツウク
ラッチダウン変速制御ルーチンが実行される。図12の
S4−1では、初期油圧制御が実行されることにより、
3→2変速出力がおこなれた時点t1A(図7)から所定
の期間内においてリニヤソレノイド弁SLU に対する指令
値DSLU が例えば50%程度に維持されることにより、
ブレーキB3内へ作動油が速やかに充填される。 【0045】次いで、S4−2では、待機油圧制御が実
行されて上記指令値DSLU が比較的小さい値に保持され
ることにより、ブレーキB3の係合圧PB3が比較的小さ
いブレーキB3の係合トルクを発生させるための比較的
小さい値に維持される。続く、SA4−3では、スイー
プ制御の開始条件が成立したか否かが判断される。この
スイープ制御の開始条件とは、クラッチ回転速度NC0
実際の増加率dNC0で増加したときには所定の時間TN0
後にブレーキB3の摩擦材の同期(係合完了)が予測さ
れる状態であるか否か、たとえば(NOUT ×i2
C0)/dNC0がT N0以下となったか否かが判断され
る。なお、i2 は第2速ギヤ段のギヤ比である。 【0046】上記SA4−3の判断が否定された場合に
は、上記SA4−2以下が繰り返し実行されることによ
りブレーキB3の係合圧PB3が比較的小さい値に維持さ
れるが、上記SA4−3の判断が肯定された場合には、
SA4−4において所定の増加率RN1で係合圧PB3が連
続的に高められる。図7の時点t2Aはこの状態を示して
いる。ここで、上記所定の増加率RN1は車両の駆動走行
状態においてブレーキB3が係合させられても変速ショ
ックをそれ程発生させないように予め設定された値であ
り、前記所定の時間TN0は、ブレーキB3の係合圧PB3
が増加率RN1で増加させられたときにブレーキB3が丁
度係合完了する時間に予め設定されている。 【0047】次いで、SA4−5では、ブレーキB3の
係合が完了したか否かが判断される。この係合判断は、
クラッチ回転速度NC0が第2速ギヤ段達成時の回転速度
(N OUT ×i2 )に到達したか否か、たとえば(NOUT
×i2 −NC0)が予め数十r.p.m.程度の比較的小さな値
に設定された判断基準値αを下回ったか否かに基づいて
行われる。上記SA4−5の判断が否定された場合はS
A4−4以下が繰り返し実行されるが、肯定された場合
は本ルーチンが終了させられる。 【0048】前記図11に戻って、前記と反対にS3の
判断が否定された場合は、2→3変速途中の3→2変速
を開始する際にアキュムレータ100内に作動油が満さ
れていない状態であるから、前記第2クラッチツウクラ
ッチ変速制御手段162に対応するS5において、たと
えば図13に示す多重変速用のクラッチツウクラッチダ
ウン変速制御ルーチンが実行される。図13のS5−1
では、図10の時点t 2Bに示すように、リニヤソレノイ
ド弁SLU に対する指令値DSLU を比較的小さい値に保持
することによりブレーキB3の係合圧PB3を比較的小さ
いブレーキB3の係合トルクを発生させるための比較的
小さい値に維持する待機制御が実行される。ブレーキB
3を解放させる変速途中であることからブレーキB3内
には既に作動油が充満しているので、速やかに作動油を
供給するための初期油圧制御は設けられていない。 【0049】次いで、S5−2では、スイープ制御開始
条件が成立したか否かが判断される。このスイープ制御
開始条件は、たとえばブレーキB2の解放およびブレー
キB3の係合の進行に従って上昇させられるクラッチ回
転速度NC0が予め算出されたスイープ制御開始判断基準
値NT1を超えることである。このスイープ制御開始判断
基準値NT1は、第2速ギヤ段達成時のクラッチ回転速度
(NOUT ×i2 )よりも所定値βだけ低い値NOUT ×i
2 −βに設定される。 【0050】上記S5−2の判断が否定された場合には
S5−1以下が繰り返し実行されることにより待機制御
が持続されるが、S5−2の判断が肯定された場合には
S5−3において所定の増加率RT1で係合圧PB3を連続
的に高める第1スイープ制御の実行が開始される。図1
1の時点t3Bはこの状態を示す。 【0051】次いで、S5−4ではブレーキB3の係合
完了判定条件すなわち3→2変速の終了条件が成立した
か否かが判断される。この係合完了判定条件は、たとえ
ばクラッチ回転速度NC0が第2速ギヤ段達成時の回転速
度NOUT ×i2 と一致したか否か、すなわち、|NOUT
×i2 −NC0|が予め設定された判断基準値αを下回っ
たか否かである。当初は上記S5−4の判断が否定され
るので、続くS5−5において、変速係合開始が検出さ
れたか否かが判断される。この変速係合開始とは、たと
えばブレーキB3の係合トルクの発生に関連してクラッ
チ回転速度NC0の実際の増加率dNC0が予め設定された
判断基準値NNを下回ったか否かである。この判断基準
値NNは、たとえばクラッチ回転速度NC0の上ピーク値
を実質的に検出可能な極めて小さな値に設定される。 【0052】当初は上記S5−5の判断が否定されるの
で、S5−3以下が繰り返し実行されることにより第1
スイープ制御が継続的に実行される。しかし、この第1
スイープ制御が継続されるに伴ってブレーキB3の係合
トルクが増加することによりクラッチ回転速度NC0の実
際の増加率dNC0が減少させられて略零に接近させられ
ると、前記S5−5の判断が肯定されることから、S5
−6において前記第1スイープ制御における増加率RT1
よりも小さく設定された所定の増加率RT2で係合圧PB3
を連続的に高める第2スイープ制御が開始される。図1
0の時点t4Bはこの状態を示す。 【0053】次いで、S5−7においては、前記S5−
4と同様に、ブレーキB3の係合完了判定条件すなわち
3→2変速の終了条件が成立したか否かが判断される。
当初はこのS5−7の判断が否定されるので、S5−6
以下のステップが繰り返し実行される。そして、上記S
5−7の判断が肯定されると、S5−8の終了制御が実
行されることにより、リニヤソレノイド弁SLU への指令
値DSLU およびリニヤソレノイド弁SLU からの出力圧P
SLU がその最大値100%とされる。図10の時点t5B
はこの状態を示している。なお、何等かの事情により前
記S5−4の判断が肯定されたときもS5−8において
出力圧PSLU がその最大値100%とされる。 【0054】上述のように、本実施例によれば、多重変
速判定手段164に対応するS1およびS2によって2
→3変速途中の3→2変速判断(多重変速判断)が行わ
れたときには、変速制御変更手段166に対応するS3
によって、アキュムレータ100内に作動油が充満して
いる場合には第1クラッチツウクラッチ変速制御手段1
60による通常の3→2変速制御が実行させられるが、
上記アキュムレータ100内に作動油が充満していない
場合には前記第2クラッチツウクラッチ変速制御手段1
62による多重変速用の3→2変速制御が実行させられ
ることにより、上記充満している場合に対して3→2変
速の制御内容が変更されるので、アキュムレータ100
内の作動油の充満状態に拘わらず、2→3変速途中の3
→2変速(クラッチツウクラッチの多重変速)に起因す
るエンジン10の吹き上がりや変速ショックの発生が好
適に抑制される。 【0055】すなわち、2→3変速途中において3→2
変速判断が行われたときにおいて3→2変速を実行する
に際し、アキュムレータ100内に作動油が充満してお
れば、単独の3→2変速と同じであるので、通常の3→
2変速制御を実行するための第1クラッチツウクラッチ
変速制御手段160により3→2変速が実行されるが、
アキュムレータ100内に作動油が充満していない場合
には、クラッチ回転速度NC0が、第2速ギヤ段達成時の
クラッチ回転速度(NOUT ×i2 )よりも所定値βだけ
低い値NOUT ×i2 −βに設定されたスイープ制御開始
判断基準値NT1を超えたことに基づいてスイープ制御を
開始させる第2クラッチツウクラッチ変速制御手段16
2により3→2変速が実行されることにより、ブレーキ
B2内の圧力やアキュムレータ100内の作動油の容積
に関する初期条件が定まらない状態で3→2変速が開始
されても、図10に示すようにエンジン回転速度NE
なわちクラッチ回転速度NC0の小さなオーバシュートが
形成されるものの、滑らかな変速が実行されるのであ
る。 【0056】 【0057】 【0058】 【0059】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。 【0060】たとえば、前述の実施例において、クラッ
チツウクラッチアップシフト変速途中においてクラッチ
ツウクラッチダウン変速が判断された場合の多重変速に
ついて説明されているが、クラッチツウクラッチアップ
ダウン変速途中においてクラッチツウクラッチアップ変
速が判断された場合の多重変速についても本発明が適用
され得る。このクラッチツウクラッチアップ変速におけ
る解放側の油圧式摩擦係合装置に接続されたアキュムレ
ータ内の作動油の充満度に応じて異なる変速制御をする
ことにより同様の効果が得られる。 【0061】また、前述の実施例の自動変速機14で
は、ブレーキB3の解放或いは係合とブレーキB2の係
合或いは解放とによってクラッチツウクラッチアップ変
速或いはクラッチツウクラッチダウン変速が行われるよ
うに構成されていたが、他の油圧式摩擦係合装置がその
クラッチツウクラッチ変速に関与するものであってもよ
いし、たとえば第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間でク
ラッチツウクラッチ変速が実行されるように構成されて
もよい。 【0062】また、前述の実施例のブレーキB3内の係
合圧PB3は、出力圧PSLU に従って作動するB3コント
ロール弁92により制御されていたが、変速用電子制御
装置78により駆動されるソレノイドがB3コントロー
ル弁92に設けられることにより一層直接的に制御され
てもよいし、B3コントロール弁92とリニヤソレノイ
ド弁SLUとの間に設けられた他の弁などを介して制御
するものであってもよい。要するに、ブレーキB3内の
係合圧PB3は、その調圧のためにアキュムレータを用い
ないで直接的に制御されるものであればよいのである。 【0063】また、前述の実施例の図11のS5におい
て実行される多重変速用のクラッチツウクラッチ変速制
御ルーチン(図13)では、極力速やかに変速を実行さ
せるためなどを目的として、第1スイープ制御期間の係
合圧PB3の増加率RT1は、第2スイープ制御期間の増加
率RT2よりも高くされているが、それらの増加率RT1
よびRT2は、車速Vが低いほどトルクコンバータ12の
トルク増幅率の影響を受け易いので、適正な変速制御を
実行させるために、車速Vが低いほどおきい値とされる
ような関数RT1=f1 (V)、RT2=f2 (V)とされ
てもよい。また、上記増加率RT1およびRT2は、スロッ
トル弁開度θTHにも応じて変化する関数とされてもよ
い。 【0064】また、前述の実施例のS3では、2→3変
速出力からの経過時間TE23 が判断基準値TB2Eを超
えたことに基づいてアキュムレータ100内に作動油が
充満したか否かが判断されるが、アキュムレータ100
のピストンの位置、或いはブレーキB2内の油圧値に基
づいて判断されてもよい。 【0065】その他、一々例示はしないが、本発明は当
業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で
実施することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例の変速制御装置によってギヤ
段が制御される車両用自動変速機の構成を説明する図で
ある。 【図2】図1の自動変速機における、複数の油圧式摩擦
係合装置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段
との関係を示す図表である。 【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路およ
び電子制御回路を含むブロック線図である。 【図4】図3のシフトレバーの操作一を説明する図であ
る。 【図5】図3の油圧制御回路の要部を図6と共に説明す
る図である。 【図6】図3の油圧制御回路の要部を図5と共に説明す
る図である。 【図7】図5および図6に示す油圧制御回路により実行
される3→2変速におけるブレーキB3およびB2の解
放油圧および係合油圧の変化を示すタイムチャートであ
る。 【図8】図5および図6に示す油圧制御回路により実行
される2→3変速におけるブレーキB2およびB3の解
放油圧および係合油圧の変化を示すタイムチャートであ
る。 【図9】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。 【図10】図9に示される制御機能によって制御され
る、2→3変速途中に3→2変速が実行された場合のブ
レーキB2およびB3の解放油圧および係合油圧の変化
を示すタイムチャートである。 【図11】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートである。 【図12】図11のS4における通常の3→2変速制御
ルーチンを説明するフローチャートである。 【図13】図11のS5における多重変速用の3→2変
速制御ルーチンを説明するフローチャートである。 【符号の説明】 14:自動変速機 100:アキュムレータ 160:第1クラッチツウクラッチ変速制御手段 162:第2クラッチツウクラッチ変速制御手段 166:変速制御変更手段 ブレーキB3:第1の油圧式摩擦係合装置 ブレーキB2:第2の油圧式摩擦係合装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−346962(JP,A) 特開 平7−151223(JP,A) 特開 平5−172234(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 第1の油圧式摩擦係合装置と、アキュム
    レータが接続された第2の油圧式摩擦係合装置とを備
    え、該第1の油圧式摩擦係合装置は、クラッチツウクラ
    ッチ変速期間内における係合圧が電子制御装置により制
    御される調圧弁によって直接的に調圧される形式とされ
    た車両用自動変速機であり、該第1の油圧式摩擦係合装
    置を解放し且つ該第2の油圧式摩擦係合装置を係合する
    ことにより所定の変速方向のクラッチツウクラッチ変速
    を実行させ、該第2の油圧式摩擦係合装置を解放し且つ
    該第1の油圧式摩擦係合装置を係合することにより前記
    所定の変速方向とは反対向きのクラッチツウクラッチ変
    速を実行させる形式の車両用自動変速機の変速制御装置
    であって、 前記電子制御装置による前記調圧弁の制御によって前記
    所定の変速方向とは反対向きのクラッチツウクラッチ変
    速を実行するための変速制御を実行する第1クラッチツ
    ウクラッチ変速制御手段と、 前記所定方向のクラッチツウクラッチ変速途中において
    前記反対向きのクラッチツウクラッチ変速の変速を実行
    するために、前記電子制御装置による前記調圧弁の制御
    によって、前記第1クラッチツウクラッチ変速制御手段
    とは異なる変速制御を実行する第2クラッチツウクラッ
    チ変速制御手段と、 前記所定方向のクラッチツウクラッチ変速途中において
    前記反対向きのクラッチツウクラッチ変速の変速判断が
    行われたことを判定する多重変速判定手段と、 該多重変速判定手段により前記所定方向のクラッチツウ
    クラッチ変速途中において前記反対向きのクラッチツウ
    クラッチ変速の変速判断が行われたとき、前記アキュム
    レータ内に作動油が充満している場合には前記第1クラ
    ッチツウクラッチ変速制御手段を実行させるが、前記ア
    キュムレータ内に作動油が充満していない場合には前記
    第2クラッチツウクラッチ変速制御手段によるクラッチ
    ツウクラッチ変速を実行させる変速制御変更手段と、を
    含み、 前記第2クラッチツウクラッチ変速制御手段は、前記電
    子制御装置による前記調圧弁の制御により、前記第1の
    油圧式摩擦係合装置の係合圧を、ダウン変速に際して、
    所定のスイープ開始条件が成立するまでは、比較的小さ
    い前記第1の油圧式摩擦係合装置の係合トルクを発生さ
    せるための所定値に維持し、前記スイー プ開始条件が成
    立すると、前記第1の油圧式摩擦係合装置の係合開始が
    検出されるまで、一定の増加率で連続的に増加させ、前
    記第1の油圧式摩擦係合装置の係合開始が検出される
    と、前記一定の増加率よりも低い一定の増加率で前記第
    1の油圧式摩擦係合装置の係合が検出されるまで増加さ
    せ、前記第1の油圧式摩擦係合装置の係合が検出される
    と最大値とするものであることを特徴とする車両用自動
    変速機の変速制御装置。
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