JP2531313B2 - 直結クラッチ付流体式伝動装置を備えた車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

直結クラッチ付流体式伝動装置を備えた車両用自動変速機の制御装置

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JP2531313B2 JP12843691A JP12843691A JP2531313B2 JP 2531313 B2 JP2531313 B2 JP 2531313B2 JP 12843691 A JP12843691 A JP 12843691A JP 12843691 A JP12843691 A JP 12843691A JP 2531313 B2 JP2531313 B2 JP 2531313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直結クラッチ付流体式
伝動装置を備えた車両用自動変速機の制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ロックアップクラッチ付トルクコンバー
タやロックアップクラッチ付フルードカップリングなど
のような直結クラッチを有する流体式伝動装置を備えた
車両用自動変速機において、直結クラッチが係合してい
る車両の走行中において自動変速機の変速動作が発生す
ると、その変速動作期間内は直結クラッチを予め定めら
れた一定の半係合状態とする制御装置が提案されてい
る。たとえば、特開平1−93665号公報に記載され
た直結クラッチ付流体式伝動装置を備えた車両用自動変
速機の制御装置がそれである。このような形式の制御装
置によれば、自動変速機の変速動作が行われることと関
連して自動変速機の入力軸、即ち流体式伝動装置の出力
軸の回転速度が強制的に変化させられるに際し、半係合
状態にある直結クラッチによってその回転速度の変化が
緩やかにエンジンに伝達されてエンジン回転速度の変化
が緩やかとされるので、自動変速機の変速に関連して発
生する変速ショックが抑制される利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の車両用自動変速機の制御装置では、自動変速機
の変速動作に関連して直結クラッチがエンジン負荷状態
に基づいて予め定められた一定の半係合状態に維持され
るので、必ずしも充分に変速ショックが緩和される訳で
はなかった。たとえば、自動変速機のギヤ段の切り換え
によって変速比が急変することから、上記エンジン負荷
状態に基づいて予め定められた一定の半係合状態では、
複数種類のギヤ段のいずれへのシフトであるかによって
変速比変化幅が異なるので、特に増速変速(アップシフ
ト)ではエンジン回転速度が急激に低下し、変速ショッ
クが充分に解消されず、違和感が発生するのである。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、自動変速機の変
速動作に関連した変速ショックが好適に解消される直結
クラッチ付流体式伝動装置を備えた車両用自動変速機の
制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】斯る目的を達成するため
の、本発明の要旨とするところは、図1のクレーム対応
図に示すように、直結クラッチ付流体式伝動装置を備え
た車両用自動変速機において、その自動変速機の変速過
程における直結クラッチのスリップ量を制御する形式の
車両用自動変速機の制御装置であって、(a) 前記自動変
速機のアップシフト変速作動を検出する増速変速検出手
段と、(b) その増速変速検出手段により自動変速機のア
ップシフト変速作動が検出された場合には、その自動変
速機のアップシフト変速作動による前記直結クラッチの
出力軸回転速度低下幅に対応した幅だけ増加した後に徐
々に減少する目標スリップ回転速度を決定する目標スリ
ップ回転速度決定手段と、(c)その目標スリップ回転速
度決定手段により決定された目標スリップ回転速度と実
際のスリップ回転速度とが一致するように前記直結クラ
ッチのスリップ量を調節するスリップ量調節手段とを、
含むことにある。
【0006】
【作用】このようにすれば、増速変速検出手段により自
動変速機のアップシフト変速作動が検出された場合に
は、目標スリップ回転速度決定手段により、その自動変
速機のアップシフト変速作動による前記直結クラッチの
出力軸回転速度低下幅に対応した幅だけ増加した後に徐
々に減少する目標スリップ回転速度が決定され、スリッ
プ量調節手段により、その目標スリップ回転速度と実際
のスリップ回転速度とが一致するように前記直結クラッ
チのスリップ量が制御される。
【0007】
【発明の効果】したがって、自動変速機のアップシフト
変速作動時においては、そのときのアップシフト変速作
動による前記直結クラッチの出力軸回転速度低下幅に対
応した幅だけ目標スリップ回転速度が高められた後に徐
々に低下させられる結果、直結クラッチの出力軸回転速
度の急低下に拘わらず、エンジン回転速度が緩やかに低
下するので、自動変速機のアップシフト変速作動でも変
速ショックが好適に解消され、違和感が防止されるので
ある。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2は、本発明の一実施例が適用された
車両用動力伝達装置の骨子図である。図において、エン
ジン10の動力はロックアップクラッチ付トルクコンバ
ータ12、3組の遊星歯車ユニットなどから構成された
有段式自動変速機14、および図示しない差動歯車装置
などを経て駆動輪へ伝達されるようになっている。
【0009】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16と連結されているポンプ翼車18
と、上記自動変速機14の入力軸20に固定され、ポン
プ翼車18からのオイルを受けて回転させられるタービ
ン翼車22と、一方向クラッチ24を介して非回転部材
であるハウジング26に固定されたステータ翼車28
と、ダンパ30を介して上記入力軸20に連結されたロ
ックアップクラッチ32とを備えている。トルクコンバ
ータ12内の係合側油室35よりも解放側油室33内の
油圧が高められると、ロックアップクラッチ32が非係
合状態とされるので、トルクコンバータ12の入出力回
転速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される。しか
し、解放側油室33よりも係合側油室35内の油圧が高
められると、ロックアップクラッチ32が係合状態とさ
れるので、トルクコンバータ12の入出力部材、すなわ
ちクランク軸16および入力軸20が直結状態とされ
る。
【0010】自動変速機14は、同軸上に配設された3
組のシングルピニオン型遊星歯車装置34,36,38
と、前記入力軸20と、遊星歯車装置38のリングギヤ
とともに回転する出力歯車39と前記差動歯車装置との
間で動力を伝達するカウンタ軸(出力軸)40とを備え
ている。それら遊星歯車装置34,36,38の構成要
素の一部は互いに一体的に連結されるだけでなく、3つ
のクラッチC0 ,C1 ,C2 によって互いに選択的に連
結されている。また、上記遊星歯車装置34,36,3
8の構成要素の一部は、4つのブレーキB0 ,B1 ,B
2 ,B3 によってハウジング26に選択的に連結される
とともに、さらに、構成要素の一部は3つの一方向クラ
ッチF0 ,F1 ,F2 によってその回転方向により相互
に若しくはハウジング26と係合させられるようになっ
ている。
【0011】上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキ
0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや
1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバ
ンドブレーキ等にて構成され、それぞれ油圧アクチュエ
ータによって作動させられるようになっており、後述の
電子制御装置42によりそれ等の油圧アクチュエータの
作動がそれぞれ制御されることにより、図3に示されて
いるように変速比I(=入力軸20の回転速度/カウン
タ軸40の回転速度)がそれぞれ異なる前進4段・後進
1段の変速段が得られる。かかる図3において、「1s
t」,「2nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」
は、それぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第
3速ギヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は
第1変ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小
さくなる。なお、上記トルクコンバータ12および自動
変速機14は、軸線に対して対称的に構成されているた
め、第2図においては入力軸20の回転軸線の下側およ
びカウンタ軸40の回転軸線の上側を省略して示してあ
る。
【0012】そして、上記自動変速機14のギヤ段を制
御するための変速制御用油圧制御回路44と、ロックア
ップクラッチ32の係合を制御するための係合制御用油
圧制御回路46とが設けられている。変速制御用油圧制
御回路44は、よく知られているようにソレノイドNo.1
およびソレノイドNo.2によってそれぞれオンオフ駆動さ
れる第1電磁弁48および第2電磁弁50を備えてお
り、それら第1電磁弁48および第2電磁弁50の作動
の組み合わせによって図3に示すようにクラッチおよび
ブレーキが選択的に作動させられて前記第1速ギヤ段乃
至第4速ギヤ段のうちのいずれかが成立させられるよう
になっている。
【0013】また、係合制御用油圧制御回路46は、図
2に示すように、リニアソレノイドであるソレノイドN
o.3により作動させられるリニアソレノイド弁52と、
ロックアップクラッチ32を解放状態とする解放側位置
とロックアップクラッチ32を係合状態とする係合側位
置とに切り換えられる切換弁54と、変速制御用油圧制
御回路44内の図示しないクラッチ圧調圧弁によりスロ
ットル弁開度に応じて発生させられるレギュレータ圧P
clを元圧とするスリップ制御弁56とを備えている。上
記リニアソレノイド弁52は、変速制御用油圧制御回路
42内で発生させられる一定のモジュレータ圧Pmodu
元圧とするものであって、電子制御装置42からの駆動
電流Isol の大きさに応じた大きさの出力圧Plin を連
続的に発生させ、この出力圧を上記切換弁54およびス
リップ制御弁56へ作用させる。
【0014】上記切換弁54は、図示しないスプール弁
子を解放側位置へ向かって付勢するスプリング58と、
前記レギュレータ圧Pclが供給される第1ポート60
と、スリップ制御弁56の出力圧が供給される第2ポー
ト62と、解放側油室35に接続された第3ポート64
と、係合側油室33に接続された第4ポート66と、ド
レンに接続された第5ポート68とを備えている。切換
弁54は、それに供給されるリニアソレノイド弁52の
出力圧Plin が予め定められた一定の値を下回ると、そ
のスプール弁子がスプリング58の付勢力に従って上記
解放側位置に位置させられて、第2ポート62を閉塞さ
せるとともに第1ポート60と第3ポート64、および
第4ポート66と第5ポート68の間をそれぞれ連通さ
せる。このため、切換弁54のスプール弁子に作用され
るリニアソレノイド弁52の出力圧Plin が予め定めら
れた一定の値を下回ると、切換弁54のスプール弁子が
スプリング58の付勢力に従って解放側位置に位置させ
られて、解放側油室35内の油圧Poff がレギュレータ
圧Pclとされると同時に係合側油室33内の油圧Pon
大気圧とされてロックアップクラッチ32が解放され
る。しかし、切換弁54のスプール弁子に作用されるリ
ニアソレノイド弁52の出力圧Plinが予め定められた
一定の値を超えると、切換弁54のスプール弁子がスプ
リング58の付勢力に抗して係合側位置へ切り換えられ
て、第5ポート68を閉塞させるとともに、第1ポート
60と第4ポート66、および第2ポート62と第3ポ
ート64の間をそれぞれ連通させる。このため、係合側
油室33内の油圧Ponがレギュレータ圧Pclとされると
同時に、解放側油室35内の油圧Poff がスリップ制御
弁56により圧力制御されてロックアップクラッチ32
がスリップ制御され或いは解放される。
【0015】上記スリップ制御弁56は、図示しないス
プール弁子を出力圧増加側へ付勢するためのスプリング
70を備えている。このスプール弁子には、出力圧増加
側へ向かう推力を発生させるために係合側油室33内の
油圧Ponが作用させられているとともに、出力圧減少側
へ向かう推力を発生させるために解放側油室35内の油
圧Poff およびリニアソレノイド弁52の出力圧Plin
がそれぞれ作用させられている。このため、スリップ制
御弁56は、数式1に示すように、スリップ量に対応す
る差圧ΔP(=Pon−Poff )がリニアソレノイド弁5
2の出力圧Plin に対応した値となるように作動する。
ここで、数式1において、Fはスプリング70付勢力、
1 はスプール弁子における油圧Ponの受圧面積、A2
(但しA1 =A2 )は油圧Poff の受圧面積、A3 は出
力圧Plin の受圧面積である。
【0016】
【数1】
【0017】したがって、上記のように構成されている
係合制御用油圧制御回路46では、係合側油室33内の
油圧Ponおよび解放側油室35内の油圧Poff は、図4
に示すように、リニアソレノイド弁52の出力圧Plin
に応じて変化させられるので、リニアソレノイド弁52
の出力圧Plin によって切換弁54の切換制御と、その
切換弁54が係合位置へ切り換えられた後のロックアッ
プクラッチ32のスリップ制御とがそれぞれ行われ得る
のである。
【0018】電子制御装置42は、CPU82、ROM
84、RAM86、図示しないインターフェースなどか
ら成る所謂マイクロコンピュータであって、それには、
エンジン10の吸気配管に設けられたスロットル弁開度
を検出するスロットルセンサ88、エンジン10の回転
速度を検出するエンジン回転速度センサ90、自動変速
機14の入力軸20の回転速度を検出する入力軸回転セ
ンサ92、自動変速機14のカウンタ軸40の回転速度
を検出するカウンタ軸回転センサ94、シフト操作レバ
ー96の操作位置、すなわちL、S、D、N、R、Pレ
ンジのいずれかを検出するための操作位置センサ98か
ら、スロットル弁開度θthを表す信号、エンジン回転速
度Ne (ポンプ翼車回転速度NP )を表す信号、入力軸
回転速度Nin(タービン翼車回転速度NT )を表す信
号、出力軸回転速度Nout を表す信号、シフト操作レバ
ー96の操作位置Ps を表す信号がそれぞれ供給される
ようになっている。上記電子制御装置42のCPU82
は、RAM86の一時記憶機能を利用しつつ予めROM
84に記憶されたプログラムに従って入力信号を処理
し、自動変速機14の変速制御およびロックアップクラ
ッチ32の係合制御を実行するために第1電磁弁48、
第2電磁弁50およびリニアソレノイド弁52をそれぞ
れ制御する。
【0019】上記変速制御では、予めROM84に記憶
された複数種類の変速線図から実際の変速ギヤ段に対応
した変速線図が選択され、その変速線図から車両の走行
状態、たとえばスロットル弁開度θthと出力軸回転速度
out から算出された車速とに基づいて変速ギヤ段が決
定され、その変速ギヤ段が得られるように第1電磁弁4
8、第2電磁弁50が駆動されることにより、自動変速
機14のクラッチC0 ,C1 ,C2 、およびブレーキB
0 ,B1 ,B2 ,B3 の作動が制御されて前進4段のう
ちのいずれかのギヤ段が成立させられる。なお、図3は
シフト操作レバー96の各シフトレンジにおける変速段
と、その変速段を成立させる際のソレノイド,クラッ
チ,ブレーキ,および一方向クラッチの作動状態を示し
たものであり、ソレノイドの欄の「○」,「×」印はそ
れぞれ励磁状態,非励磁状態であることを表している。
また、クラッチおよびブレーキの欄の「○」印は係合状
態を表しており、無印は非係合状態を表している。更
に、一方向クラッチの欄の「○」印は正駆動時に係合状
態となることを表しており、無印は非係合状態を表して
いる。
【0020】以下、上記ロックアップクラッチ32を係
合制御作動を図5のフローチャートを用いて詳細に説明
する。図において、ステップS1では、走行中の車両の
状態量である前記各種の入力信号が読み込まれるととも
に、ステップS2では、ロックアップクラッチ32の係
合条件が満足されたか否かが予めROM84に記憶され
た関係から、車両の走行状態たとえば出力軸回転速度
(車速)Nout およびスロットル弁開度θthに基づいて
判断される。この関係は、予め記憶された複数種類の関
係から実際のギヤ段に応じて選択されたものであり、た
とえば図6に示すものが用いられる。図において、係合
領域と解放領域の境界線より解放領域側であって低スロ
ットル弁開度側には、運転性を損なうことなく燃費を可
及的によくするために連結効果を維持しつつエンジン1
0のトルク変動を吸収するスリップ制御領域が設けられ
ている。
【0021】実際の出力軸回転速度Nout およびスロッ
トル弁開度θthが図6に示す係合領域内にあるために上
記ステップS2における判断が肯定された場合には、ス
テップS3においてリニアソレノイド弁52に対する駆
動電流Isol が100%、すなわち最大駆動電流(定格
値)に設定された後、ステップS4においてその駆動電
流Isol が出力される。これにより、図4に示すよう
に、係合側油室33内の油圧Ponがその最大値であるレ
ギュレータ圧Pclとされると同時に、解放側油室35内
油圧Poff がその最小値、すなわち大気圧とされるの
で、ロックアップクラッチ32が係合状態とされる。
【0022】しかし、実際の出力軸回転速度Nout およ
びスロットル弁開度θthが図6に示す係合領域内にない
場合にはステップS2における判断が否定されるので、
ステップS5においてスリップ制御条件が満足されたか
否かが判断される。このスリップ制御条件は、実際の出
力軸回転速度Nout およびスロットル弁開度θthが図6
に示すスリップ制御領域内にあることである。上記ステ
ップS5の判断が否定された場合には、実際の出力軸回
転速度Nout およびスロットル弁開度θthが図6に示す
解放領域内にある状態であるので、ステップS6におい
てリニアソレノイド弁52に対する駆動電流Isol が0
%、すなわち最小駆動電流に設定された後、ステップS
4においてその駆動電流Isol が出力される。これによ
り、図4に示すように、解放側油室35内の油圧Poff
がその最大値であるレギュレータ圧Pclとされると同時
に、係合側油室33内油圧Ponがその最小値、すなわち
大気圧とされるので、ロックアップクラッチ32が解放
状態とされる。
【0023】上記ステップS5における判断が肯定され
た場合には、ステップS7乃至S10においてロックア
ップクラッチ32のスリップ制御が実行される。先ず、
ステップS7においては、図7に示す目標スリップ回転
数決定ルーチンにより目標スリップ回転数Nslip T が決
定される。すなわち、図7のステップS7−1では、定
常時の目標スリップ回転数Ns が予め記憶された関係か
ら実際のスロットル弁開度θthおよび入力軸回転速度N
in(=タービン翼車回転速度NT )に基づいて決定され
る。上記の関係は、定常走行時のスリップ制御領域内に
おいて連結状態を保持しつつエンジン10のトルク変動
を好適に吸収して可及的に燃費を改善するように予め求
められたものであり、たとえば図8に示すものが用いら
れる。
【0024】続くステップS7−2では、実際のギヤ段
Sが1制御サイクル前のギヤ段SO よりも大きいか否
か、換言すれば自動変速機14の変速制御によりシフト
アップ操作が実行されたか否かが判断される。たとえ
ば、第2速ギヤ段を第3速ギヤ段へ切り換えるようなシ
フトアップ操作が行われた直後であれば上記ステップS
7−2の判断が肯定されるので、ステップS7−3にお
いてシフトアップ後のギヤ段Sが成立したときに得られ
る変速比IN が算出されるとともに、ステップS7−4
においてシフトアップ前のギヤ段SOの変速比IO が算
出される。次いで、ステップS7−5において目標スリ
ップ回転数補正量NSCが数式2に従って算出される。こ
の目標スリップ回転数補正量NSCは、ギヤ段および変速
比Iの変更に関連するエンジン回転速度の変化幅に対応
するものである。そして、ステップS7−6では、次回
のサイクルに備えて実際のギヤ段Sの内容がSO とされ
るとともに、ステップS7−7では、目標スリップ回転
数Nslip T が数式3から、通常の目標スリップ回転数N
s および目標スリップ回転数補正量NSCに基づいて算出
される。
【0025】
【数2】
【0026】
【数3】
【0027】上記のようにして制御サイクル毎にステッ
プS7−6において実際のギヤ段Sの内容がSO とされ
ることから、ギヤ段のシフトアップ毎に上記ステップS
7−3乃至S7−5が1回実行されると、次の制御サイ
クルのステップS7−2の判断が否定されて、ステップ
S7−8以下が実行される。すなわち、ステップS7−
8では、目標スリップ回転数補正量NSCがそれまでの値
から予め定められた一定の減算値Ck が差し引かれるこ
とにより更新された後、ステップS7−9において目標
スリップ回転数補正量NSCの内容が負となったか否かが
判断される。目標スリップ回転数補正量NSCの内容が負
とならない場合にはそのステップS7−9の判断が否定
されて前記ステップS7−6以下が実行されるが、負と
なったと判断されると、ステップS7−10において目
標スリップ回転数補正量NSCの内容が零に制限された
後、上記ステップS7−6以下が実行される。これによ
り、ステップS7−5において一旦決定された目標スリ
ップ回転数補正量NSCの内容は、その後の時間の経過に
伴って零に向かって直線的に緩やかに減少させられる。
【0028】以上のようにして目標スリップ回転数N
slip T が決定されると、図5のステップS8において実
際のスリップ回転数Nslipが数式4から算出されるとと
もに、ステップS9において制御偏差ΔNが数式5から
算出される。
【0029】
【数4】 slip=Ne −Nin
【0030】
【数5】 ΔN=Nslip−Nslip T
【0031】そして、ステップS10では、リニアソレ
ノイド弁52に対する駆動電流Isol が数式6に示す制
御式から算出される。この制御式は上記制御偏差ΔNを
解消するためのPIDフィードバック制御を実行するた
めのものである。
【0032】
【数6】
【0033】上述のように、本実施例においては、ステ
ップS5においてスリップ制御条件が満足したと判断さ
れた状態では、増速変速検出手段に対応するステップS
7−2により自動変速機14のアップシフト変速作動が
検出されると、目標スリップ回転速度決定手段に対応す
るステップS7−3乃至S7−7によって、その自動変
速機14のアップシフト変速作動によるロックアップク
ラッチ32の出力軸回転速度低下幅に対応して増加した
後に徐々に減少する目標スリップ回転速度Nslip T が決
定され、スリップ量調節手段に対応する係合制御用油圧
制御回路46によりその目標スリップ回転速度回転速度
slip T と実際のスリップ回転速度Nslipとが一致する
ようにロックアップクラッチ32のスリップ量が制御さ
れるので、自動変速機14のアップシフト変速作動時に
おいては、そのときのアップシフト変速作動によるロッ
クアップクラッチ32の出力軸回転速度Nin低下幅に応
じて目標スリップ回転速度Nslip T が高められる結果、
ロックアップクラッチ32の出力軸回転速度Ninの急低
下に拘わらず、エンジン回転速度Ne が緩やかに低下し
て変速ショックがギヤ段毎に好適に解消され、違和感が
防止されるのである。
【0034】因に、従来の制御装置では、図9に示すよ
うに、自動変速機14のアップシフト変速作動によるロ
ックアップクラッチ32の出力軸回転速度Nin低下幅に
対応して目標スリップ回転速度Nslip T を増加させない
ため、ロックアップクラッチ32の出力軸回転速度Nin
の急低下に伴ってエンジン回転速度Ne も同様に低下さ
せられていたが、本実施例では、図10に示すように、
アップシフト変速作動によるロックアップクラッチ32
の出力軸回転速度Nin低下幅に応じて目標スリップ回転
速度Nslip T が高められる結果、ロックアップクラッチ
32の出力軸回転速度の急低下に拘わらず、エンジン回
転速度Ne が緩やかに低下させられるのである。
【0035】また、本実施例によれば、アップシフト変
速作動時におけるエンジン回転速度Ne の過渡的な変化
がフィードバック制御によって目標スリップ回転速度N
slip T と一致するように調節されるため、ロックアップ
クラッチ32自体の係合特性の固体差や経時変化に拘わ
らず、同様な変速感が得られる。
【0036】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。たとえば、前述の実施例において、直結クラッチ付
トルクコンバータ12を備えた自動変速機14について
説明されていたが、直結クラッチ付フルードカップリン
グを備えた自動変速機であってもよい。要するに、直結
クラッチを有する流体式伝動装置を備えた自動変速機で
あればよいのである。
【0037】また、前述の実施例の係合制御用油圧制御
回路46では、スリップ量に対応する差圧ΔP(=Pon
−Poff )がリニアソレノイド弁52の出力圧Plin
対応した値となるように作動するスリップ制御弁56が
用いられていたが、そのように差圧ΔPを自動的に出力
圧Plin に対応した値となるように作動しない通常の流
量制御弁が用いられても差し支えない。
【0038】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例の制御装置およびそれが適用
された車両用動力伝達装置の骨子図である。
【図3】図2の流体式伝達装置に備えられた自動変速機
において、第1電磁弁および第2電磁弁の作動の組み合
わせとそれにより得られる変速段との関係を説明する図
表である。
【図4】図2の係合制御用油圧制御回路において、リニ
アソレノイド弁の出力圧Plin とロックアップクラッチ
の係合側油室内油圧Ponおよび解放側油室内油圧Poff
との関係を説明する図である。
【図5】図2のトルクコンバータに備えられたロックア
ップクラッチの係合制御作動を説明するフローチャート
である。
【図6】図5のフローチャートにおいて用いられる関係
を示す図である。
【図7】図5の目標スリップ回転速度決定ルーチンの作
動を詳しく説明するフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートにおいて用いられる関係
を示す図である。
【図9】従来の係合制御における作動を説明するタイム
チャートである。
【図10】図5および図7のフローチャートにより得ら
れる作動を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
12 トルクコンバータ(流体式伝動装置) 14 自動変速機 32 ロックアップクラッチ(直結クラッチ) 46 係合制御用油圧制御回路(スリップ量調節手段) ステップS7−2 増速変速検出手段 ステップS7−3乃至S7−7 目標スリップ回転速度
決定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茨木 隆次 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−61761(JP,A) 特開 昭60−256675(JP,A) 特開 平3−92676(JP,A) 特開 平2−236057(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直結クラッチ付流体式伝動装置を備えた
    車両用自動変速機において、その自動変速機の変速過程
    における直結クラッチのスリップ量を制御する形式の車
    両用自動変速機の制御装置であって、前記自動変速機の
    アップシフト変速作動を検出する増速変速検出手段と、
    該増速変速検出手段により自動変速機のアップシフト変
    速作動が検出された場合には、その自動変速機のアップ
    シフト変速作動による前記直結クラッチの出力軸回転速
    度低下幅に対応した幅だけ増加した後に徐々に減少する
    目標スリップ回転速度を決定する目標スリップ回転速度
    決定手段と、該目標スリップ回転速度決定手段により決
    定された目標スリップ回転速度と実際のスリップ回転速
    度とが一致するように前記直結クラッチのスリップ量を
    調節するスリップ量調節手段とを含むことを特徴とする
    直結クラッチ付流体式伝動装置を備えた車両用自動変速
    機の制御装置。
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